JP2005070080A - 階調補正方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチディスプレイシステムにおいて、様々な設置環境に応じて、全てのディスプレイの(輝度)階調特性を同一の階調特性とすることができる階調補正方法、および、これを実施させるプログラムを提供する。
【解決手段】複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うに際し、各ディスプレイの最小/最大輝度を測定して、全最小輝度のうち最も高い輝度であるmax−最小輝度、および、全最大輝度のうち最も低い輝度であるmin−最大輝度を知見し、両者の間で輝度ダイナミックレンジを設定して階調補正を行うことにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2
【解決手段】複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うに際し、各ディスプレイの最小/最大輝度を測定して、全最小輝度のうち最も高い輝度であるmax−最小輝度、および、全最大輝度のうち最も低い輝度であるmin−最大輝度を知見し、両者の間で輝度ダイナミックレンジを設定して階調補正を行うことにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイの品質管理の技術分野に属し、特に、医療用のマルチディスプレイシステムにおいて、全てのディスプレイの階調特性を一致させた階調補正を適正に行うことを可能にする階調補正方法、および、この階調補正方法を実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CT診断装置、MRI診断装置、X線診断装置、FCR(富士コンピューテッドラジオグラフィー)等の医療用測定装置で撮影された医用画像は、通常、X線フィルムやフィルム感光材料等の光透過性の画像記録フィルムに記録され、光透過性の画像として再生される。この医用画像が再生されたフィルムは、シャーカステンと呼ばれる光源装置にセットされて、背面から光を照射された状態で観察され、診断が行われる。
これに対して、近年では、医療用測定装置で撮影した医用画像をディスプレイに表示して、観察/診断することが行われている(電子シャーカステン)。
【0003】
また、より的確な診断を行うために、例えば胸部正面と側面の撮影を行うなど、1回の診断に対して、撮影(測定)条件や測定方向、測定部位等を変更して、多数毎の画像を撮影することが行われている。さらに、的確な診断を行うためには、医用画像を経時的に比較し、病状や患者の状態の変化を観察/確認することも、重要である。
通常のシャーカステンを用いる診断では、撮影した医用画像を複数枚シャーカステンに並べて、各画像を比較観察しながら診断が行われる。前記医用画像を表示する表示システムでも、このような複数の画像を表示しての観察/診断に対応するために、特許文献1等に示されるような、複数のディスプレイを有する表示システム(マルチディスプレイシステム)が実用化されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−102176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
各種のディスプレイにおいては、供給された画像データに対応する適正な画像を表示することが要求されるのは、当然のことである。特に医療用のディスプレイでは、表示した画像が不適性であると誤診の原因にも成り得るので、画像データ応じた適正な画像を表示することは重要である。
そのため、適正な(輝度)階調特性で画像を表示させるために、階調補正(輝度階調キャリブレーション)が行われる。
また、マルチディスプレイシステムでは、各ディスプレイで階調特性や輝度特性が異なってしまうと、表示画像の階調が互いに異なってしまい、適正な診断ができないため、全てのディスプレイの階調特性が等しくなるように、階調補正が行われる。
【0006】
マルチディスプレイシステムにおけるディスプレイの階調補正は、一例として、特許文献1に開示されるように、全てのディスプレイの最大輝度を測定し、その中から最も低い最大輝度を選択して、この最も低い最大輝度に合わせて、全ディスプレイの階調特性を、目的階調に対して最適化することで行われている。
【0007】
ここで、医療用のディスプレイは、通常、医療用測定装置(モダリティ)等に応じた画像表示を行うように階調特性が設定され、階調補正も、これに応じて行われる。
例えば、FCRなどの、いわゆるCRでは、従来から診断に利用されているイメージャによるX線フィルムと同様の医用画像を表示するために、対数を取った際に中間階調が直線的となるLog−Linear(ログリニア)と呼ばれる階調特性でディスプレイの画像表示を行う場合が多い。
これに対して、MRIやCT等で撮影された画像を表示するディスプレイは、DICOM(医療用画像データや波形データ等の伝送規格)のGSDF(グレースケール標準表示関数)による階調特性での画像表示を行う場合が多い。
【0008】
特許文献1に開示されるような、最大輝度を合わせて行う従来のマルチディスプレイシステムの階調補正方法では、CR等のLog−Linearの階調特性には、好適に対応して階調補正を行うことができる。
しかしながら、DICOMのGSDFでは、輝度レンジに応じて階調特性を最適化する必要があるため、最大輝度を合わせる従来の方法では、マルチディスプレイシステムの階調補正を適正に行うことができない。
【0009】
そのため、DICOMに対応するマルチディスプレイシステムにおいては、各ディスプレイ間で表示階調に差が生じてしまい、適正な診断を行えない場合もある。例えば、隣接するディスプレイに、現在および過去の医用画像や、胸部正面および側面などの2枚の画像をそれぞれ表示して、比較するような場合等に、両ディスプレイの階調特性が異なると、表示階調に差が生じてしまうため、適正な比較を行うことができず、誤診断の原因となってしまう。
【0010】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、主に医用画像の表示に使用される、複数のディスプレイを有するマルチディスプレイシステムにおいて、様々な設置環境に応じて、全てのディスプレイの(輝度)階調特性を同一の階調特性とすることができ、これにより、全てのディスプレイで同じ表示階調で医用画像を表示して、適正な診断を行うことを可能にするマルチディスプレイシステムの階調補正方法、および、コンピュータ等に、この階調補正方法を実施させるプログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の階調補正方法は、複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うに際し、各ディスプレイの最小輝度および最大輝度を測定して、全てのディスプレイの最小輝度のうち最も高い輝度であるmax−最小輝度、および、全てのディスプレイの最大輝度のうち最も低い輝度であるmin−最大輝度を知見し、このmax−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを設定して、この輝度ダイナミックレンジを用いて前記ディスプレイの階調補正を行うことを特徴とする階調補正方法を提供する。
【0012】
また、本発明のプログラムは、複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うためのプログラムであって、前記複数のディスプレイに最大輝度測定用のテストパターンおよび最小輝度測定用のテストパターンを表示するステップ、前記複数のディスプレイの最大輝度および最小輝度の測定結果を入力させるステップ、前記入力された全ての最小輝度および最大輝度から、最も高い最小輝度であるmax−最小輝度、および、最も低い最大輝度であるmin−最大輝度を選択するステップ、前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを自動選択し、もしくは、前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを選択させるステップ、および、前記輝度ダイナミックレンジを用いて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイに対する階調補正の演算を行うステップ、を実現させるためのプログラムを提供する。
【0013】
このような本発明において、各ディスプレイの表面反射輝度を測定しておき、輝度計が接触型輝度計である場合には、測定結果に前記表面反射輝度を加算して前記最小輝度および最大輝度とするのが好ましい。
また、前記本発明の階調補正方法は、max−最小輝度からmin−最大輝度までを前記輝度ダイナミックレンジとし、もしくは、前記min−最大輝度とmax−最小輝度とを出力して、この範囲内で選択された輝度範囲を前記輝度ダイナミックレンジとするのが好ましく、他方、前記本発明のプログラムは、さらに、前記階調補正の演算結果に応じて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイの階調修正手段の更新を行うステップ、を実現させるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の階調補正方法およびプログラムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0015】
図1に、本発明の階調補正方法および本発明のプログラムを実施する表示システムの一例の概念図を示す。
図1に示す画像表示システム10(以下、システム10とする)は、MRIやCT等の医療用測定装置によって測定(撮影)された医用画像等の画像データRを受け取って、その画像を表示するシステムであって、基本的に、表示装置12と階調補正手段14とを有して構成される。
【0016】
表示装置12は、2つのディスプレイ16(16aおよび16b)と、各ディスプレイ16に対応するドライバ18(18aおよび18b)および階調修正部20(20aおよび20b)と、制御部22とを有して構成される。
本発明において、ディスプレイ16には、特に限定はなく、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、電界発光ディスプレイ等、各種のディスプレイが全て利用可能である。また、ディスプレイ16は、カラーディスプレイでもモノクロディスプレイでもよく、さらに、カラーディスプレイによってモノクロ画像を表示するものであってもよい。
【0017】
なお、図示例においては、本発明の構成および説明を明瞭にするために、2つのディスプレイ16を有する表示装置12を例示したが、本発明は、これに限定はされず、3以上のディスプレイを有する表示システム(マルチディスプレイシステム)にも利用可能であるのは、もちろんであり、また、各ディスプレイ16は、サイズ(表示画素数)の異なるものであってもよい。
さらに、本発明は、CRTとLCD等、異なる種類のディスプレイを有する表示装置12にも利用可能である。
【0018】
表示装置12において、制御部22は、表示装置12の駆動等を制御すると共に、医療用測定装置や医用画像等を保存するサーバ等から供給された画像データRを、所定のルーチンや外部からの入力指示に従って割り振り、対応するディスプレイ16の階調修正部20に供給するものである。
【0019】
階調修正部20は、ディスプレイ16による表示画像を所定の(輝度)階調特性の画像とするために、階調補正ルックアップテーブル(階調補正LUT)を用いて、供給された画像データRを修正(補正)して、ドライバ18に供給するものである。
システム10は、一例として、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine「医療用画像データや波形データ等の伝送規格」)のGSDF(Grayscale Standard Display Function「グレースケール標準表示関数」)に対応する階調特性(以下、DICOM階調とする)での画像表示を行う。このDICOM階調は、MRIやCT等で測定された医用画像の表示に汎用される表示画像の階調特性である。
従って、階調補正LUTは、ディスプレイ16に表示する画像がDICOM階調となるように、画像データRを修正する。また、階調補正LUTは、階調補正を行うことにより、後述する階調補正手段14によって較正(更新)される。
【0020】
ドライバ18は、供給された画像データに応じてディスプレイ16を変調駆動することにより、ディスプレイ16に供給された画像データRに応じた画像を表示させる、ディスプレイ16に応じた公知のディスプレイドライバである。
【0021】
階調補正手段14は、例えば、コンピュータ等を利用して構成されるものであって、表示装置12の(輝度)階調補正((輝度)階調キャリブレーション)を行うものであり、QCツール24と、操作手段26と、メモリ28とを有して構成される。
【0022】
なお、図示例のシステム10においては、表示装置12と階調補正手段14とは別体の構成を有するが、本発明を利用する表示システム(マルチディスプレイシステム)は、これに限定はされない。
例えば、表示装置12に階調補正手段14が組み込まれた一体的な構成であってもよく、表示装置12を駆動/制御/操作するコンピュータ等に階調補正手段14が組み込まれた構成であってもよく、表示装置12を含むPACS(Pictur Archiving & Communication System)を管理するコンソールやコンピュータに階調補正手段14が組み込まれた構成であってもよい。また、1つの階調補正手段14が、複数の表示装置12に対応するものであってもよい。さらに、不変性試験などを行うディスプレイの品質管理(ディスプレイQC)を行う手段に、階調補正手段14を組み込んでもよい。
【0023】
操作手段26は、ディスプレイ(タッチパネルでも可)、マウス、キーボード等を利用する公知の操作手段で、GUI(Graphical User Interface)等の公知の方法によって、各種の操作や入力を行うものである。
【0024】
メモリ28は、RAMやハードディスク等の公知の記憶手段であって、ディスプレイ16の最大輝度や最小輝度の測定用テストパターンなど、階調補正等に用いる各種の情報を記憶するものである。
図示例においては、好ましい態様として、表示装置10の設置時等に、望遠輝度計30等を用いて、周囲光(観察光)に起因するディスプレイ16aの表面反射輝度a−Lamb およびディスプレイ16bの表面反射輝度b−Lamb を測定して、メモリ28に記憶しておく。
【0025】
QCツール24は、表示装置12のディスプレイ16の階調補正を行う際に、表示装置12へのテストパターンの供給、望遠型輝度計30や接触型輝度計32によるディスプレイ16の最大輝度および最小輝度の測定結果を用いた階調補正演算、この演算結果に応じた前記階調修正部20の階調補正LUTの較正(書き換え)等を行うものである。この点に関しては、後に詳述する。
【0026】
なお、望遠型輝度計30および接触型輝度計32は、共に、公知の輝度計であり、例えば、各種のディスプレイ等の輝度測定等に利用される市販品を用いればよい。
また、図示例においては、両輝度計とQCツール24とは、オンライン接続されているが、本発明を利用するシステムは、これに限定はされず、輝度計による測定結果を操作手段26等を用いて入力する構成でもよい。さらに、図示例においては、望遠型輝度計16および接触型輝度計18の両者を例示しているが、本発明は、両輝度計を有するシステム10のみならず、いずれか一方のみを有するシステムにも利用可能であるのは、もちろんである。
【0027】
以下、システム10におけるディスプレイ16(表示装置12)の階調補正の作用を説明することにより、QCツール24および本発明の階調補正方法について詳細に説明する。また、本発明のプログラムは、階調補正手段14や表示装置12に以下の作用を実施させるプログラムである。
【0028】
前述のように、システム10においては、表示装置12が設置されると、好ましい態様として、予め、ディスプレイ16aの表面反射輝度a−Lamb 、および、ディスプレイ16bの表面反射輝度b−Lamb を、望遠輝度計30等を用いて測定する。この表面反射輝度Lamb の測定結果は、例えば、QCツール24による作用の下、メモリ28が記憶する。
なお、表面反射輝度Lamb の測定は、定常的な使用環境においてディスプレイ6をoffして、その状態でディスプレイ16の表面輝度測定を行う方法等、通常の方法によればよい。また、表面反射輝度Lamb の測定は、表示装置12の設置環境が変わったら、再度、実施してメモリ28に記憶する必要があるのは、当然のことである。
【0029】
操作手段26による所定の操作が行われると、システム10は、表示装置12(ディスプレイ16)の階調補正を行う状態(階調補正モード)となる。
階調補正モードとなると、QCツール24がメモリ28からディスプレイ16の最大輝度測定用のテストパターンおよび最小輝度測定用のテストパターンを読み出し、表示装置12の制御部22に供給する。
【0030】
テストパターンを供給された制御部22は、一例として、最大輝度測定用テストパターンをディスプレイ16aに表示させる。次いで、ユーザが輝度計(望遠型輝度計30もしくは接触型輝度計32)によって輝度測定を行うと、ディスプレイ16aの最大輝度a−Lmax の測定結果がQCツール24に送られる。最大輝度a−Lmax の測定が終了すると、制御部22は、最小輝度測定用テストパターンをディスプレイ16aに表示させ、同様に、ユーザが輝度計によって輝度測定を行うと、ディスプレイ16aの最小輝度a−Lmin の測定結果がQCツール24に送られる。
この輝度測定中は、制御部22は、ディスプレイ16bをonにして、最低輝度の表示状態とする。
【0031】
ディスプレイ16aの最大/最小輝度測定を終了すると、制御部22は、全く同様にして、ディスプレイ16bに最大輝度測定用テストパターンおよび最小輝度測定用テストパターンを表示させ、同様に、ディスプレイ16bの最大輝度b−Lmax および最小輝度b−Lmin が測定され、QCツール24に送られる。また、同様に、この輝度測定中は、ディスプレイ16aを最低輝度状態とする。
【0032】
以上の輝度測定において、ディスプレイ16の表示の切替は、輝度計からのデータ送信に応じて行ってもよく、操作手段26を用いたユーザによる入力指示に応じて行ってもよい。
【0033】
両ディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin の測定を終了したら、QCツール24は、輝度測定に使用された輝度計に応じて、輝度測定結果の補正を行う。
使用された輝度計の判断は、一例として、階調補正手段14に接続された際に公知の手段で自動判断すればよい。あるいは、階調補正モードに入った際に、操作手段26に、使用する輝度計の選択手段を表示し、ユーザによる選択を促してもよい。
【0034】
まず、使用された輝度計が望遠型輝度計30である場合には、QCツール24は、輝度測定結果を補正することなく、供給された測定結果をディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin とする。
これに対し、使用された輝度計が接触型輝度計32である場合には、QCツール24は、メモリ28から表面反射輝度a−Lamb および表面反射輝度b−Lamb を読み出し、ディスプレイ16aの輝度測定結果に表面反射輝度a−Lamb を、ディスプレイ16bの輝度測定結果に表面反射輝度b−Lamb を、それぞれ加算して、加算した輝度をディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin とする。
【0035】
前述のように、図示例のシステム10は、DICOM階調の画像表示を行うものである。DICOMでは、ディスプレイの輝度測定は、基本的に、ディスプレイの表面反射輝度Lamb を含んだ状態で行うことを規定している。望遠型輝度計30による測定結果は、表面反射輝度Lamb を含んでいるのに対し、接触型輝度計32による測定結果は、表面反射輝度Lamb を含まない。
他方、望遠型輝度計30は、極めて高精度の輝度測定を行える半面、高価で、かつ測定に手間もかかる。これに対して、接触型輝度計32は、望遠型輝度計30より精度は落ちるが、安価で、手軽に測定が行えるという利点を有する。
従って、このような表面反射輝度Lamb を用いた輝度測定結果の補正手段を有することにより、DICOMの規格に準拠した階調補正を接触型輝度計を用いて簡易に行うことが可能となり、その結果、日常的にQCが行われたディスプレイ16で、安定して適正な医用画像の表示を行うことができる。
【0036】
次いで、QCツール24は、ディスプレイ16aおよびディスプレイ16bの最大輝度の測定結果から、小さい方を輝度 min−Lmax として選択し、さらに、同最小輝度の測定結果から、大きい方を輝度 max−Lmin として選択して、両ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoを求める。
一例として、最大および最小輝度の測定結果が、図2に示されるものであった場合には、最小輝度Lmin のうち大きい方の最小輝度a−Lmin を輝度 max−Lmin とし、最大輝度Lmax のうち小さい方の最大輝度b−Lmax を輝度 min−Lmax として、 両ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoとする。
なお、ディスプレイを3つ以上有する場合には、全てのディスプレイの最大輝度のうちの最も小さい値を選択して輝度min−Lmax とし、同様に、全てのディスプレイの最小輝度のうちの最も小さい値を選択して輝度max−Lmin として、全ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoを求める。
【0037】
次いで、QCツール24は、輝度 max−Lmin(最小輝度a−Lmin)から輝度 min−Lmax(最大輝度b−Lmax)までの輝度範囲Lcoの中で、階調補正後の表示装置12(ディスプレイ16aおよび16b)の表示輝度範囲となる輝度ダイナミックレンジを設定する。
【0038】
輝度ダイナミックレンジの設定方法には、特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。
例えば、最も広い範囲である、輝度 max−Lmin から輝度 min−Lmax までの輝度範囲Lcoを、輝度ダイナミックレンジとして自動的に設定する方法が好適に例示される。また、輝度 max−Lmin および輝度 min−Lmax を操作手段26のディスプレイに表示して、ユーザによる選択を促し、輝度範囲Lcoから選択された領域を輝度ダイナミックレンジとして設定する方法も好適である。
あるいは、輝度ダイナミックレンジの下限は輝度 max−Lmin で自動設定し、輝度 min−Lmax を表示して、輝度ダイナミックレンジの上限のみをユーザに選択させるようにしてもよい(あるいは、その逆)。さらに、輝度 max−Lmin から輝度 min−Lmax までを100%として、その内側の所定範囲(例えば90%の範囲等)に対応して所定%点を算出して、その間を輝度ダイナミックレンジとして自動設定するようにしてもよく、この際には、所定範囲および所定%点は任意に設定可能にしてもよい。
【0039】
表示システム10においては、これらのいずれかの方法、好ましくは、輝度範囲Lcoを輝度ダイナミックレンジとして自動設定する方法、もしくは、輝度 max−Lmin および輝度 min−Lmax を表示して輝度ダイナミックレンジを選択/設定する方法が、固定的に設定されていてもよい。
ここで、輝度ダイナミックレンジは、広い方が表示のディスプレイ16による表示のダイナミックレンジは広くなる半面、階調分解能は低くなる。また、最高輝度は低い方がディスプレイ16の寿命の点では有利である。さらに、好ましい輝度範囲は、表示装置12の設置環境等によって異なる場合もある。
従って、モード化する等の方法によって、それぞれの輝度ダイナミックレンジの設定方法を選択できるようにするのが好ましく、特に、少なくとも、前記固定的な設定で好ましい態様として例示した2つの方法が選択できるようにするのが好ましい。
【0040】
このようにして輝度ダイナミックレンジを設定したら、QCツール24は、この輝度ダイナミックレンジを用いて、各ディスプレイ16による画像表示の階調特性がDICOM階調となるように、ディスプレイ16の階調補正すなわち階調補正LUTの書き換え(較正)を行う。
この階調補正は、DICOM階調に対応する公知の方法で行えばよく、一例として、QCツール24は、設定した輝度ダイナミックレンジの間において、DICOM階調(GSDF)に対応して画像データを割り振って、これに応じて、ディスプレイ16aの階調修正部20aの階調補正LUT、および、ディスプレイ16bの階調修正部20bの階調補正LUTを書き換える。
【0041】
ここで、本発明においては、階調補正前には或る輝度ダイナミックレンジに対してフルビットの画像データが割り振られていたディスプレイに対して、他のディスプレイの特性(すなわち前記輝度範囲Lco)に応じて、先の輝度ダイナミックレンジより狭い輝度ダイナミックレンジを設定して、画像データを割り振る必要が生じる。
そのため、場合によっては、適正な画像を表示するために、供給されたオリジナルの画像データRよりも高い階調表示機能が必要になり、この際には、ディスプレイ16の階調分解能を、オリジナルの画像データRが有する階調分解能(ビット数)よりも高くしておく必要がある。
【0042】
これに対応するために、ディスプレイ16がサブピクセルを有するディスプレイである場合には、各サブピクセルに画像データを分散することにより、高階調化を図ってもよい。
例えば、カラーディスプレイをモノクロ化したディスプレイであれば、3つのサブピクセルを有する。この際には、オリジナルの画像データRが8ビット(256階調)の場合であれば、各サブピクセルに画像データを分散することにより、756階調(9.5ビット相当)の階調を表現することができる。
【0043】
また、ディスプレイ16がLCDである場合には、時分割駆動により単位時間当たりの表示期間を変えて階調を制御する、いわゆる時間変調による多階調表現方式を用いることも可能である。
【0044】
ここで、 時間変調による多階調表現方式には、パルス幅階調制御(PWM:Pulse Width Modulation)方式と、フレーム間引き階調制御(FRC:Frame Rate
Control)方式とがある。
PWMとは、電圧印加の時間を階調レベル毎に変えることにより、液晶に、1フレーム内でライン毎に、階調データに合わせた時間だけオン/オフ波形を加えて、中間調を実現する方式である。他方、FRCは、フレーム毎に階調データに合わせて電圧をオン/オフし、液晶の残像を応用して、中間調を実現する方式である。いずれの方式も、オフスクリーンメモリを用いて、多階調を表現する方式である。
【0045】
例えば、表示周波数60Hz、オリジナルの画像データRが8ビット階調であるとすると、以下のようになる。
PWM方式においては、15サイクルについてはオリジナルの画像データRより1階調低い階調を表示するというように制御することによって、中間調を表現できる。15サイクル毎にこのような階調変化をつけることにすれば、28 ×4=210、すなわち、10ビットの階調を表現することが可能になる。
また、FRC方式においては、表示用メモリとオフスクリーンメモリの合わせて4面分のメモリを用意する。このうち、1面は元のデータより1階調低い階調を表示するとして、これを60分の1秒毎に順番に表示させれば、中間調を表現できる。1面毎にこのような階調変化をつけることにすれば、28 ×4=210、すなわち、10ビットの階調を表現することが可能になる。
このようなPWM方式およびFRC方式については、例えば、本出願人に係る特願2002−332459号(発明の名称「画像転送装置」)の明細書中の記載も参考にすることができる。
【0046】
前述のように、マルチディスプレイシステムでは、全てのディスプレイが同じ階調特性で画像を表示する必要がある。従来は、各ディスプレイの最大輝度のみに応じて階調補正を行っているが、この方法では、DICOM階調のように、輝度ダイナミックレンジに応じて階調特性を設定する方法には、好適に対応することはできず、例えば、DICOM階調で画像表示を行った場合には、隣り合わせるディスプレイで、表示の階調が異なってしまう。
これに対して、マルチディスプレイシステムの全ディスプレイの最大輝度および最小輝度を測定し、全ディスプレイに共通の輝度範囲の中から輝度ダイナミックレンジを設定して、これを用いて階調補正を行う本発明によれば、全ディスプレイで同一の階調特性、例えば同一のDICOM階調で画像を表示することができる。特に、使用する輝度計に応じて、表面反射輝度に対する補正を行うことにより、輝度計によらず、DICOMに準拠した適正な階調補正を行うことができ、好適に品質管理されたディスプレイによって、適正な医用画像を安定して表示できる。
【0047】
以上、本発明の階調補正方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、以上の例は、本発明を、医療用のマルチディスプレイシステムに利用したが、本発明はこれに限定はされず、複数のディスプレイを有する表示システムであれば、医療用もしくは医療用以外の各種の構成の表示システムに利用可能である。また、対応する階調特性も、DICOM階調に限定はされず、輝度ダイナミックレンジに応じて階調補正を行う必要のある、各種の階調特性に利用可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、複数のディスプレイを有するマルチディスプレイシステムにおいて、様々な設置環境に応じて、全てのディスプレイで同一の(輝度)階調特性、例えば同一のDICOM階調で画像を表示することができ、主に医用画像の表示に利用することにより、マルチディスプレイシステムの全てのディスプレイで同じ表示階調で医用画像を表示して、正確な診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の階調補正方法を実施する画像表示システムの一例のブロック図である。
【図2】本発明の階調補正方法を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 (画像表示)システム
12 表示装置
14 階調補正手段
16 ディスプレイ
18 ドライバ
20 階調修正部
22 制御部
24 QCツール
26 操作手段
28 メモリ
30 望遠型輝度計
32 接触型輝度計
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイの品質管理の技術分野に属し、特に、医療用のマルチディスプレイシステムにおいて、全てのディスプレイの階調特性を一致させた階調補正を適正に行うことを可能にする階調補正方法、および、この階調補正方法を実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CT診断装置、MRI診断装置、X線診断装置、FCR(富士コンピューテッドラジオグラフィー)等の医療用測定装置で撮影された医用画像は、通常、X線フィルムやフィルム感光材料等の光透過性の画像記録フィルムに記録され、光透過性の画像として再生される。この医用画像が再生されたフィルムは、シャーカステンと呼ばれる光源装置にセットされて、背面から光を照射された状態で観察され、診断が行われる。
これに対して、近年では、医療用測定装置で撮影した医用画像をディスプレイに表示して、観察/診断することが行われている(電子シャーカステン)。
【0003】
また、より的確な診断を行うために、例えば胸部正面と側面の撮影を行うなど、1回の診断に対して、撮影(測定)条件や測定方向、測定部位等を変更して、多数毎の画像を撮影することが行われている。さらに、的確な診断を行うためには、医用画像を経時的に比較し、病状や患者の状態の変化を観察/確認することも、重要である。
通常のシャーカステンを用いる診断では、撮影した医用画像を複数枚シャーカステンに並べて、各画像を比較観察しながら診断が行われる。前記医用画像を表示する表示システムでも、このような複数の画像を表示しての観察/診断に対応するために、特許文献1等に示されるような、複数のディスプレイを有する表示システム(マルチディスプレイシステム)が実用化されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−102176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
各種のディスプレイにおいては、供給された画像データに対応する適正な画像を表示することが要求されるのは、当然のことである。特に医療用のディスプレイでは、表示した画像が不適性であると誤診の原因にも成り得るので、画像データ応じた適正な画像を表示することは重要である。
そのため、適正な(輝度)階調特性で画像を表示させるために、階調補正(輝度階調キャリブレーション)が行われる。
また、マルチディスプレイシステムでは、各ディスプレイで階調特性や輝度特性が異なってしまうと、表示画像の階調が互いに異なってしまい、適正な診断ができないため、全てのディスプレイの階調特性が等しくなるように、階調補正が行われる。
【0006】
マルチディスプレイシステムにおけるディスプレイの階調補正は、一例として、特許文献1に開示されるように、全てのディスプレイの最大輝度を測定し、その中から最も低い最大輝度を選択して、この最も低い最大輝度に合わせて、全ディスプレイの階調特性を、目的階調に対して最適化することで行われている。
【0007】
ここで、医療用のディスプレイは、通常、医療用測定装置(モダリティ)等に応じた画像表示を行うように階調特性が設定され、階調補正も、これに応じて行われる。
例えば、FCRなどの、いわゆるCRでは、従来から診断に利用されているイメージャによるX線フィルムと同様の医用画像を表示するために、対数を取った際に中間階調が直線的となるLog−Linear(ログリニア)と呼ばれる階調特性でディスプレイの画像表示を行う場合が多い。
これに対して、MRIやCT等で撮影された画像を表示するディスプレイは、DICOM(医療用画像データや波形データ等の伝送規格)のGSDF(グレースケール標準表示関数)による階調特性での画像表示を行う場合が多い。
【0008】
特許文献1に開示されるような、最大輝度を合わせて行う従来のマルチディスプレイシステムの階調補正方法では、CR等のLog−Linearの階調特性には、好適に対応して階調補正を行うことができる。
しかしながら、DICOMのGSDFでは、輝度レンジに応じて階調特性を最適化する必要があるため、最大輝度を合わせる従来の方法では、マルチディスプレイシステムの階調補正を適正に行うことができない。
【0009】
そのため、DICOMに対応するマルチディスプレイシステムにおいては、各ディスプレイ間で表示階調に差が生じてしまい、適正な診断を行えない場合もある。例えば、隣接するディスプレイに、現在および過去の医用画像や、胸部正面および側面などの2枚の画像をそれぞれ表示して、比較するような場合等に、両ディスプレイの階調特性が異なると、表示階調に差が生じてしまうため、適正な比較を行うことができず、誤診断の原因となってしまう。
【0010】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、主に医用画像の表示に使用される、複数のディスプレイを有するマルチディスプレイシステムにおいて、様々な設置環境に応じて、全てのディスプレイの(輝度)階調特性を同一の階調特性とすることができ、これにより、全てのディスプレイで同じ表示階調で医用画像を表示して、適正な診断を行うことを可能にするマルチディスプレイシステムの階調補正方法、および、コンピュータ等に、この階調補正方法を実施させるプログラムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の階調補正方法は、複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うに際し、各ディスプレイの最小輝度および最大輝度を測定して、全てのディスプレイの最小輝度のうち最も高い輝度であるmax−最小輝度、および、全てのディスプレイの最大輝度のうち最も低い輝度であるmin−最大輝度を知見し、このmax−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを設定して、この輝度ダイナミックレンジを用いて前記ディスプレイの階調補正を行うことを特徴とする階調補正方法を提供する。
【0012】
また、本発明のプログラムは、複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うためのプログラムであって、前記複数のディスプレイに最大輝度測定用のテストパターンおよび最小輝度測定用のテストパターンを表示するステップ、前記複数のディスプレイの最大輝度および最小輝度の測定結果を入力させるステップ、前記入力された全ての最小輝度および最大輝度から、最も高い最小輝度であるmax−最小輝度、および、最も低い最大輝度であるmin−最大輝度を選択するステップ、前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを自動選択し、もしくは、前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを選択させるステップ、および、前記輝度ダイナミックレンジを用いて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイに対する階調補正の演算を行うステップ、を実現させるためのプログラムを提供する。
【0013】
このような本発明において、各ディスプレイの表面反射輝度を測定しておき、輝度計が接触型輝度計である場合には、測定結果に前記表面反射輝度を加算して前記最小輝度および最大輝度とするのが好ましい。
また、前記本発明の階調補正方法は、max−最小輝度からmin−最大輝度までを前記輝度ダイナミックレンジとし、もしくは、前記min−最大輝度とmax−最小輝度とを出力して、この範囲内で選択された輝度範囲を前記輝度ダイナミックレンジとするのが好ましく、他方、前記本発明のプログラムは、さらに、前記階調補正の演算結果に応じて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイの階調修正手段の更新を行うステップ、を実現させるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の階調補正方法およびプログラムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0015】
図1に、本発明の階調補正方法および本発明のプログラムを実施する表示システムの一例の概念図を示す。
図1に示す画像表示システム10(以下、システム10とする)は、MRIやCT等の医療用測定装置によって測定(撮影)された医用画像等の画像データRを受け取って、その画像を表示するシステムであって、基本的に、表示装置12と階調補正手段14とを有して構成される。
【0016】
表示装置12は、2つのディスプレイ16(16aおよび16b)と、各ディスプレイ16に対応するドライバ18(18aおよび18b)および階調修正部20(20aおよび20b)と、制御部22とを有して構成される。
本発明において、ディスプレイ16には、特に限定はなく、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、電界発光ディスプレイ等、各種のディスプレイが全て利用可能である。また、ディスプレイ16は、カラーディスプレイでもモノクロディスプレイでもよく、さらに、カラーディスプレイによってモノクロ画像を表示するものであってもよい。
【0017】
なお、図示例においては、本発明の構成および説明を明瞭にするために、2つのディスプレイ16を有する表示装置12を例示したが、本発明は、これに限定はされず、3以上のディスプレイを有する表示システム(マルチディスプレイシステム)にも利用可能であるのは、もちろんであり、また、各ディスプレイ16は、サイズ(表示画素数)の異なるものであってもよい。
さらに、本発明は、CRTとLCD等、異なる種類のディスプレイを有する表示装置12にも利用可能である。
【0018】
表示装置12において、制御部22は、表示装置12の駆動等を制御すると共に、医療用測定装置や医用画像等を保存するサーバ等から供給された画像データRを、所定のルーチンや外部からの入力指示に従って割り振り、対応するディスプレイ16の階調修正部20に供給するものである。
【0019】
階調修正部20は、ディスプレイ16による表示画像を所定の(輝度)階調特性の画像とするために、階調補正ルックアップテーブル(階調補正LUT)を用いて、供給された画像データRを修正(補正)して、ドライバ18に供給するものである。
システム10は、一例として、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine「医療用画像データや波形データ等の伝送規格」)のGSDF(Grayscale Standard Display Function「グレースケール標準表示関数」)に対応する階調特性(以下、DICOM階調とする)での画像表示を行う。このDICOM階調は、MRIやCT等で測定された医用画像の表示に汎用される表示画像の階調特性である。
従って、階調補正LUTは、ディスプレイ16に表示する画像がDICOM階調となるように、画像データRを修正する。また、階調補正LUTは、階調補正を行うことにより、後述する階調補正手段14によって較正(更新)される。
【0020】
ドライバ18は、供給された画像データに応じてディスプレイ16を変調駆動することにより、ディスプレイ16に供給された画像データRに応じた画像を表示させる、ディスプレイ16に応じた公知のディスプレイドライバである。
【0021】
階調補正手段14は、例えば、コンピュータ等を利用して構成されるものであって、表示装置12の(輝度)階調補正((輝度)階調キャリブレーション)を行うものであり、QCツール24と、操作手段26と、メモリ28とを有して構成される。
【0022】
なお、図示例のシステム10においては、表示装置12と階調補正手段14とは別体の構成を有するが、本発明を利用する表示システム(マルチディスプレイシステム)は、これに限定はされない。
例えば、表示装置12に階調補正手段14が組み込まれた一体的な構成であってもよく、表示装置12を駆動/制御/操作するコンピュータ等に階調補正手段14が組み込まれた構成であってもよく、表示装置12を含むPACS(Pictur Archiving & Communication System)を管理するコンソールやコンピュータに階調補正手段14が組み込まれた構成であってもよい。また、1つの階調補正手段14が、複数の表示装置12に対応するものであってもよい。さらに、不変性試験などを行うディスプレイの品質管理(ディスプレイQC)を行う手段に、階調補正手段14を組み込んでもよい。
【0023】
操作手段26は、ディスプレイ(タッチパネルでも可)、マウス、キーボード等を利用する公知の操作手段で、GUI(Graphical User Interface)等の公知の方法によって、各種の操作や入力を行うものである。
【0024】
メモリ28は、RAMやハードディスク等の公知の記憶手段であって、ディスプレイ16の最大輝度や最小輝度の測定用テストパターンなど、階調補正等に用いる各種の情報を記憶するものである。
図示例においては、好ましい態様として、表示装置10の設置時等に、望遠輝度計30等を用いて、周囲光(観察光)に起因するディスプレイ16aの表面反射輝度a−Lamb およびディスプレイ16bの表面反射輝度b−Lamb を測定して、メモリ28に記憶しておく。
【0025】
QCツール24は、表示装置12のディスプレイ16の階調補正を行う際に、表示装置12へのテストパターンの供給、望遠型輝度計30や接触型輝度計32によるディスプレイ16の最大輝度および最小輝度の測定結果を用いた階調補正演算、この演算結果に応じた前記階調修正部20の階調補正LUTの較正(書き換え)等を行うものである。この点に関しては、後に詳述する。
【0026】
なお、望遠型輝度計30および接触型輝度計32は、共に、公知の輝度計であり、例えば、各種のディスプレイ等の輝度測定等に利用される市販品を用いればよい。
また、図示例においては、両輝度計とQCツール24とは、オンライン接続されているが、本発明を利用するシステムは、これに限定はされず、輝度計による測定結果を操作手段26等を用いて入力する構成でもよい。さらに、図示例においては、望遠型輝度計16および接触型輝度計18の両者を例示しているが、本発明は、両輝度計を有するシステム10のみならず、いずれか一方のみを有するシステムにも利用可能であるのは、もちろんである。
【0027】
以下、システム10におけるディスプレイ16(表示装置12)の階調補正の作用を説明することにより、QCツール24および本発明の階調補正方法について詳細に説明する。また、本発明のプログラムは、階調補正手段14や表示装置12に以下の作用を実施させるプログラムである。
【0028】
前述のように、システム10においては、表示装置12が設置されると、好ましい態様として、予め、ディスプレイ16aの表面反射輝度a−Lamb 、および、ディスプレイ16bの表面反射輝度b−Lamb を、望遠輝度計30等を用いて測定する。この表面反射輝度Lamb の測定結果は、例えば、QCツール24による作用の下、メモリ28が記憶する。
なお、表面反射輝度Lamb の測定は、定常的な使用環境においてディスプレイ6をoffして、その状態でディスプレイ16の表面輝度測定を行う方法等、通常の方法によればよい。また、表面反射輝度Lamb の測定は、表示装置12の設置環境が変わったら、再度、実施してメモリ28に記憶する必要があるのは、当然のことである。
【0029】
操作手段26による所定の操作が行われると、システム10は、表示装置12(ディスプレイ16)の階調補正を行う状態(階調補正モード)となる。
階調補正モードとなると、QCツール24がメモリ28からディスプレイ16の最大輝度測定用のテストパターンおよび最小輝度測定用のテストパターンを読み出し、表示装置12の制御部22に供給する。
【0030】
テストパターンを供給された制御部22は、一例として、最大輝度測定用テストパターンをディスプレイ16aに表示させる。次いで、ユーザが輝度計(望遠型輝度計30もしくは接触型輝度計32)によって輝度測定を行うと、ディスプレイ16aの最大輝度a−Lmax の測定結果がQCツール24に送られる。最大輝度a−Lmax の測定が終了すると、制御部22は、最小輝度測定用テストパターンをディスプレイ16aに表示させ、同様に、ユーザが輝度計によって輝度測定を行うと、ディスプレイ16aの最小輝度a−Lmin の測定結果がQCツール24に送られる。
この輝度測定中は、制御部22は、ディスプレイ16bをonにして、最低輝度の表示状態とする。
【0031】
ディスプレイ16aの最大/最小輝度測定を終了すると、制御部22は、全く同様にして、ディスプレイ16bに最大輝度測定用テストパターンおよび最小輝度測定用テストパターンを表示させ、同様に、ディスプレイ16bの最大輝度b−Lmax および最小輝度b−Lmin が測定され、QCツール24に送られる。また、同様に、この輝度測定中は、ディスプレイ16aを最低輝度状態とする。
【0032】
以上の輝度測定において、ディスプレイ16の表示の切替は、輝度計からのデータ送信に応じて行ってもよく、操作手段26を用いたユーザによる入力指示に応じて行ってもよい。
【0033】
両ディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin の測定を終了したら、QCツール24は、輝度測定に使用された輝度計に応じて、輝度測定結果の補正を行う。
使用された輝度計の判断は、一例として、階調補正手段14に接続された際に公知の手段で自動判断すればよい。あるいは、階調補正モードに入った際に、操作手段26に、使用する輝度計の選択手段を表示し、ユーザによる選択を促してもよい。
【0034】
まず、使用された輝度計が望遠型輝度計30である場合には、QCツール24は、輝度測定結果を補正することなく、供給された測定結果をディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin とする。
これに対し、使用された輝度計が接触型輝度計32である場合には、QCツール24は、メモリ28から表面反射輝度a−Lamb および表面反射輝度b−Lamb を読み出し、ディスプレイ16aの輝度測定結果に表面反射輝度a−Lamb を、ディスプレイ16bの輝度測定結果に表面反射輝度b−Lamb を、それぞれ加算して、加算した輝度をディスプレイ16の最大輝度Lmax および最小輝度Lmin とする。
【0035】
前述のように、図示例のシステム10は、DICOM階調の画像表示を行うものである。DICOMでは、ディスプレイの輝度測定は、基本的に、ディスプレイの表面反射輝度Lamb を含んだ状態で行うことを規定している。望遠型輝度計30による測定結果は、表面反射輝度Lamb を含んでいるのに対し、接触型輝度計32による測定結果は、表面反射輝度Lamb を含まない。
他方、望遠型輝度計30は、極めて高精度の輝度測定を行える半面、高価で、かつ測定に手間もかかる。これに対して、接触型輝度計32は、望遠型輝度計30より精度は落ちるが、安価で、手軽に測定が行えるという利点を有する。
従って、このような表面反射輝度Lamb を用いた輝度測定結果の補正手段を有することにより、DICOMの規格に準拠した階調補正を接触型輝度計を用いて簡易に行うことが可能となり、その結果、日常的にQCが行われたディスプレイ16で、安定して適正な医用画像の表示を行うことができる。
【0036】
次いで、QCツール24は、ディスプレイ16aおよびディスプレイ16bの最大輝度の測定結果から、小さい方を輝度 min−Lmax として選択し、さらに、同最小輝度の測定結果から、大きい方を輝度 max−Lmin として選択して、両ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoを求める。
一例として、最大および最小輝度の測定結果が、図2に示されるものであった場合には、最小輝度Lmin のうち大きい方の最小輝度a−Lmin を輝度 max−Lmin とし、最大輝度Lmax のうち小さい方の最大輝度b−Lmax を輝度 min−Lmax として、 両ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoとする。
なお、ディスプレイを3つ以上有する場合には、全てのディスプレイの最大輝度のうちの最も小さい値を選択して輝度min−Lmax とし、同様に、全てのディスプレイの最小輝度のうちの最も小さい値を選択して輝度max−Lmin として、全ディスプレイに共通の輝度範囲Lcoを求める。
【0037】
次いで、QCツール24は、輝度 max−Lmin(最小輝度a−Lmin)から輝度 min−Lmax(最大輝度b−Lmax)までの輝度範囲Lcoの中で、階調補正後の表示装置12(ディスプレイ16aおよび16b)の表示輝度範囲となる輝度ダイナミックレンジを設定する。
【0038】
輝度ダイナミックレンジの設定方法には、特に限定はなく、各種の方法が利用可能である。
例えば、最も広い範囲である、輝度 max−Lmin から輝度 min−Lmax までの輝度範囲Lcoを、輝度ダイナミックレンジとして自動的に設定する方法が好適に例示される。また、輝度 max−Lmin および輝度 min−Lmax を操作手段26のディスプレイに表示して、ユーザによる選択を促し、輝度範囲Lcoから選択された領域を輝度ダイナミックレンジとして設定する方法も好適である。
あるいは、輝度ダイナミックレンジの下限は輝度 max−Lmin で自動設定し、輝度 min−Lmax を表示して、輝度ダイナミックレンジの上限のみをユーザに選択させるようにしてもよい(あるいは、その逆)。さらに、輝度 max−Lmin から輝度 min−Lmax までを100%として、その内側の所定範囲(例えば90%の範囲等)に対応して所定%点を算出して、その間を輝度ダイナミックレンジとして自動設定するようにしてもよく、この際には、所定範囲および所定%点は任意に設定可能にしてもよい。
【0039】
表示システム10においては、これらのいずれかの方法、好ましくは、輝度範囲Lcoを輝度ダイナミックレンジとして自動設定する方法、もしくは、輝度 max−Lmin および輝度 min−Lmax を表示して輝度ダイナミックレンジを選択/設定する方法が、固定的に設定されていてもよい。
ここで、輝度ダイナミックレンジは、広い方が表示のディスプレイ16による表示のダイナミックレンジは広くなる半面、階調分解能は低くなる。また、最高輝度は低い方がディスプレイ16の寿命の点では有利である。さらに、好ましい輝度範囲は、表示装置12の設置環境等によって異なる場合もある。
従って、モード化する等の方法によって、それぞれの輝度ダイナミックレンジの設定方法を選択できるようにするのが好ましく、特に、少なくとも、前記固定的な設定で好ましい態様として例示した2つの方法が選択できるようにするのが好ましい。
【0040】
このようにして輝度ダイナミックレンジを設定したら、QCツール24は、この輝度ダイナミックレンジを用いて、各ディスプレイ16による画像表示の階調特性がDICOM階調となるように、ディスプレイ16の階調補正すなわち階調補正LUTの書き換え(較正)を行う。
この階調補正は、DICOM階調に対応する公知の方法で行えばよく、一例として、QCツール24は、設定した輝度ダイナミックレンジの間において、DICOM階調(GSDF)に対応して画像データを割り振って、これに応じて、ディスプレイ16aの階調修正部20aの階調補正LUT、および、ディスプレイ16bの階調修正部20bの階調補正LUTを書き換える。
【0041】
ここで、本発明においては、階調補正前には或る輝度ダイナミックレンジに対してフルビットの画像データが割り振られていたディスプレイに対して、他のディスプレイの特性(すなわち前記輝度範囲Lco)に応じて、先の輝度ダイナミックレンジより狭い輝度ダイナミックレンジを設定して、画像データを割り振る必要が生じる。
そのため、場合によっては、適正な画像を表示するために、供給されたオリジナルの画像データRよりも高い階調表示機能が必要になり、この際には、ディスプレイ16の階調分解能を、オリジナルの画像データRが有する階調分解能(ビット数)よりも高くしておく必要がある。
【0042】
これに対応するために、ディスプレイ16がサブピクセルを有するディスプレイである場合には、各サブピクセルに画像データを分散することにより、高階調化を図ってもよい。
例えば、カラーディスプレイをモノクロ化したディスプレイであれば、3つのサブピクセルを有する。この際には、オリジナルの画像データRが8ビット(256階調)の場合であれば、各サブピクセルに画像データを分散することにより、756階調(9.5ビット相当)の階調を表現することができる。
【0043】
また、ディスプレイ16がLCDである場合には、時分割駆動により単位時間当たりの表示期間を変えて階調を制御する、いわゆる時間変調による多階調表現方式を用いることも可能である。
【0044】
ここで、 時間変調による多階調表現方式には、パルス幅階調制御(PWM:Pulse Width Modulation)方式と、フレーム間引き階調制御(FRC:Frame Rate
Control)方式とがある。
PWMとは、電圧印加の時間を階調レベル毎に変えることにより、液晶に、1フレーム内でライン毎に、階調データに合わせた時間だけオン/オフ波形を加えて、中間調を実現する方式である。他方、FRCは、フレーム毎に階調データに合わせて電圧をオン/オフし、液晶の残像を応用して、中間調を実現する方式である。いずれの方式も、オフスクリーンメモリを用いて、多階調を表現する方式である。
【0045】
例えば、表示周波数60Hz、オリジナルの画像データRが8ビット階調であるとすると、以下のようになる。
PWM方式においては、15サイクルについてはオリジナルの画像データRより1階調低い階調を表示するというように制御することによって、中間調を表現できる。15サイクル毎にこのような階調変化をつけることにすれば、28 ×4=210、すなわち、10ビットの階調を表現することが可能になる。
また、FRC方式においては、表示用メモリとオフスクリーンメモリの合わせて4面分のメモリを用意する。このうち、1面は元のデータより1階調低い階調を表示するとして、これを60分の1秒毎に順番に表示させれば、中間調を表現できる。1面毎にこのような階調変化をつけることにすれば、28 ×4=210、すなわち、10ビットの階調を表現することが可能になる。
このようなPWM方式およびFRC方式については、例えば、本出願人に係る特願2002−332459号(発明の名称「画像転送装置」)の明細書中の記載も参考にすることができる。
【0046】
前述のように、マルチディスプレイシステムでは、全てのディスプレイが同じ階調特性で画像を表示する必要がある。従来は、各ディスプレイの最大輝度のみに応じて階調補正を行っているが、この方法では、DICOM階調のように、輝度ダイナミックレンジに応じて階調特性を設定する方法には、好適に対応することはできず、例えば、DICOM階調で画像表示を行った場合には、隣り合わせるディスプレイで、表示の階調が異なってしまう。
これに対して、マルチディスプレイシステムの全ディスプレイの最大輝度および最小輝度を測定し、全ディスプレイに共通の輝度範囲の中から輝度ダイナミックレンジを設定して、これを用いて階調補正を行う本発明によれば、全ディスプレイで同一の階調特性、例えば同一のDICOM階調で画像を表示することができる。特に、使用する輝度計に応じて、表面反射輝度に対する補正を行うことにより、輝度計によらず、DICOMに準拠した適正な階調補正を行うことができ、好適に品質管理されたディスプレイによって、適正な医用画像を安定して表示できる。
【0047】
以上、本発明の階調補正方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、以上の例は、本発明を、医療用のマルチディスプレイシステムに利用したが、本発明はこれに限定はされず、複数のディスプレイを有する表示システムであれば、医療用もしくは医療用以外の各種の構成の表示システムに利用可能である。また、対応する階調特性も、DICOM階調に限定はされず、輝度ダイナミックレンジに応じて階調補正を行う必要のある、各種の階調特性に利用可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、複数のディスプレイを有するマルチディスプレイシステムにおいて、様々な設置環境に応じて、全てのディスプレイで同一の(輝度)階調特性、例えば同一のDICOM階調で画像を表示することができ、主に医用画像の表示に利用することにより、マルチディスプレイシステムの全てのディスプレイで同じ表示階調で医用画像を表示して、正確な診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の階調補正方法を実施する画像表示システムの一例のブロック図である。
【図2】本発明の階調補正方法を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 (画像表示)システム
12 表示装置
14 階調補正手段
16 ディスプレイ
18 ドライバ
20 階調修正部
22 制御部
24 QCツール
26 操作手段
28 メモリ
30 望遠型輝度計
32 接触型輝度計
Claims (5)
- 複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うに際し、
各ディスプレイの最小輝度および最大輝度を測定して、全てのディスプレイの最小輝度のうち最も高い輝度であるmax−最小輝度、および、全てのディスプレイの最大輝度のうち最も低い輝度であるmin−最大輝度を知見し、このmax−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを設定して、この輝度ダイナミックレンジを用いて前記ディスプレイの階調補正を行うことを特徴とする階調補正方法。 - max−最小輝度からmin−最大輝度までを前記輝度ダイナミックレンジとし、もしくは、前記min−最大輝度とmax−最小輝度とを出力して、この範囲内で選択された輝度範囲を前記輝度ダイナミックレンジとする請求項1に記載の階調補正方法。
- 各ディスプレイの表面反射輝度を測定しておき、輝度計が接触型輝度計である場合には、測定結果に前記表面反射輝度を加算して前記最小輝度および最大輝度とする請求項1または2に記載の階調補正方法。
- 複数のディスプレイを有する表示装置における前記ディスプレイの階調補正を行うためのプログラムであって、
前記複数のディスプレイに最大輝度測定用のテストパターンおよび最小輝度測定用のテストパターンを表示させるステップ、
前記複数のディスプレイの最大輝度および最小輝度の測定結果を入力させるステップ、
前記入力された全ての最小輝度および最大輝度から、最も高い最小輝度であるmax−最小輝度、および、最も低い最大輝度であるmin−最大輝度を選択するステップ、
前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを自動選択し、もしくは、前記max−最小輝度からmin−最大輝度の間で輝度ダイナミックレンジを選択させるステップ、
および、前記輝度ダイナミックレンジを用いて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイに対する階調補正の演算を行うステップ、を実現させるためのプログラム。 - さらに、前記階調補正の演算結果に応じて、前記最大輝度および最小輝度を入力された各ディスプレイの階調修正手段の更新を行うステップ、を実現させる請求項4に記載のプログラム。
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