[go: up one dir, main page]

JP2005060693A - インキ - Google Patents

インキ Download PDF

Info

Publication number
JP2005060693A
JP2005060693A JP2004224455A JP2004224455A JP2005060693A JP 2005060693 A JP2005060693 A JP 2005060693A JP 2004224455 A JP2004224455 A JP 2004224455A JP 2004224455 A JP2004224455 A JP 2004224455A JP 2005060693 A JP2005060693 A JP 2005060693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ester
ink
solvent
oil
varnish
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004224455A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Sasaki
章雄 佐々木
Tetsuhisa Ezaki
哲央 江崎
Kenichi Koyama
謙一 小山
Makoto Mori
誠 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inctec Inc
Original Assignee
Inctec Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inctec Inc filed Critical Inctec Inc
Priority to JP2004224455A priority Critical patent/JP2005060693A/ja
Publication of JP2005060693A publication Critical patent/JP2005060693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 オフセット輪転印刷用インキにおいて、石油系溶剤の一部または全部を特定の植物油脂由来の溶剤に置き換えることにより、環境負荷が少なく、印刷におけるインキ乾燥性および機上安定性が優れ、また、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少ないインキの提供。
【解決手段】 ワニス用樹脂と、溶剤とを含有するインキにおいて、該溶剤が、植物油脂由来の脂肪族アルコールから誘導されるジアルキルエーテルを全溶剤の10質量%〜100質量%含有することを特徴とするインキ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット輪転印刷用インキに関し、詳しくは、従来の石油系溶剤の一部または全部を、特定の植物油脂由来の溶剤を使用することにより、印刷におけるインキの適度な乾燥性を維持したまま、印刷機上安定性に優れ、かつ、環境負荷が少なく安定した印刷品質の印刷物が得られるインキに関する。
従来、オフセット輪転印刷用インキは、その乾燥方法によりヒートセット乾燥型インキと浸透乾燥型インキとがあり、ヒートセット乾燥型インキを用いる印刷では、印刷物を高熱の乾燥機を通してインキ中の溶剤を蒸発させてインキを乾燥させる。このために、オフセット輪転印刷用インキは、植物油などと併用して、適度な加熱条件で蒸発可能な石油溜分から得られる石油系溶剤がインキの溶剤として使用されている。
しかしながら、上記の石油系溶剤は、様々な沸点を有するものが存在する。このために、インキに使用される溶剤は、その乾燥性や印刷機上の安定性調整から、適度な沸点を有するものを選択するか、あるいは、沸点の異なるこれらの石油系溶剤を適度に混合して調製しなければならない。しかしながら、これらの溶剤を混合して調製する方法は、インキの乾燥性と印刷機上の安定性の面から相反する結果を生じる。特に、印刷機上のインキの安定性向上のために、高沸点の石油系溶剤を使用した場合には、インキの蒸発乾燥性が著しく低下し、インキ塗膜の乾燥不良を発生する。
一般に、上記の石油系溶剤は、広い沸点範囲を有しており、実際の印刷において、印刷機の乾燥条件では、乾燥蒸発しきれない高沸点部の溶剤が印刷物中に残留しやすい。また、石油溜分から得られる石油系溶剤において、沸点範囲が狭い溶剤も存在するが、これらは、通常、インキに使用されている樹脂成分などに対する溶解性が低く、これらの溶剤を用いたインキは、その保存安定性などが低下する。
また、上記の石油系溶剤の中で芳香族石油系溶剤は、印刷作業環境、大気汚染などの環境負荷があるとして、近年環境問題からその代替溶剤が要望されている。このために、揮発蒸気の臭気が極めて少なく、また、作業環境や大気汚染などの環境負荷が少ない非芳香族石油系溶剤に溶解する樹脂系を原料としたインキ用ワニス(特許文献1)が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示のインキ用ワニスを使用したインキは、オフセット輪転印刷においては、実用的な印刷乾燥性を維持した状態で大幅に印刷機上安定性を向上させることはできない。また、使用する非芳香族石油系溶剤は、芳香族分を皆無にすることは困難であり、これらの環境に対する負荷を完全に抑えることはできない。
また、石油系溶剤を脂肪酸エステルに置き換えたインキ用ワニス(特許文献2)が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示のインキ用ワニスを使用したオフセット輪転印刷用インキは、従来の石油系溶剤を使用したインキに比べて、脂肪酸エステルが印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質を膨潤させやすく安定した印刷が困難である。
上述のように、インキの乾燥性と印刷機上の安定性の相反する問題を解決し、機上安定性と乾燥性が優れ、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少なく、溶剤に伴う環境負荷が少ないオフセット輪転インキが要望されている。
特開2001−262032号公報 特開2002−188032号公報
従って、本発明の目的は、オフセット輪転印刷用インキにおいて、石油系溶剤の一部または全部を特定の植物油脂由来の溶剤に置き換えることにより、環境負荷が少なく、印刷におけるインキ乾燥性および機上安定性が優れ、また、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少ないインキを提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、ワニス用樹脂と、溶剤とを含有するインキにおいて、該溶剤が、植物油脂由来の脂肪族アルコールから誘導されるジアルキルエーテルを全溶剤の10質量%〜100質量%含有することを特徴とするインキを提供する。
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記のインキが、従来の石油系溶剤を主体としたオフセット輪転印刷用インキに比べて、インキの乾燥性を損なわずに印刷機上での溶剤の蒸発に伴うインキのタック上昇が少なく、印刷機上安定性が優れ、従来の石油系溶剤を用いたインキに比べてそれ以上の安定した印刷品質の印刷物が得られ、作業環境における人体への影響や大気汚染などの環境負荷が少なく、また、従来の植物油脂由来の溶剤を使用したインキに比べて、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少ないインキであることを見いだした。
本発明によれば、インキにおける石油系溶剤を、沸点範囲が狭く且つ樹脂成分などに対する溶解性が高い植物油脂由来のジアルキルエーテルに置き換えることにより、インキの乾燥性を大きく損なわずに印刷機上でのインキのタック上昇が少なく印刷機上安定性が優れ、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少なく、石油系溶剤に比べて、作業環境における人体への影響や大気汚染などの環境負荷の少ないインキが提供される。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴づける溶剤は、植物油脂由来の脂肪族アルコールから誘導されるジアルキルエーテルを主体としている。該ジアルキルエーテルは、公知の方法にて、植物油脂から得られる脂肪族アルコールから公知の方法にて誘導される常温にて液体のジアルキルエーテルである。
上記のジアルキルエーテルは、単独でも、混合物としても使用することができるが、その沸点は、220℃〜310℃であるものが好ましく使用される。上記の沸点が高すぎると、得られるインキの乾燥機内での蒸発乾燥性が低下して、インキ塗膜の乾燥不良が発生する。一方、沸点が低過ぎると、インキの乾燥が速過ぎて、得られる印刷インキの印刷機上でのインキタックが上昇して印刷機上安定性が低下する。これらのジアルキルエーテルとしては、例えば、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテルなどのジアルキルエーテル類など、およびそれらの混合物が挙げられ、特に、ジオクチルエーテルが好ましく使用される。
前記のジアルキルエーテルの原料である脂肪族アルコールは、例えば、植物油脂由来の脂肪酸エステルを公知の方法で、例えば、水素添加による高圧還元法などによって還元して得られる。得られる脂肪族アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール、cis−9−オクタデセン−1−オールなどが挙げられる。好ましい脂肪族アルコールは、そのエーテル化した場合のジアルキルエーテルが常温にて液体で、その沸点が220℃〜310℃となるものである。特に、オクチルアルコールが好ましい。
上記の脂肪族アルコールの原料に使用される植物油脂類としては、例えば、ヤシ油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、アマニ油、サフラワー油、キリ油、ごま油、コーン油、ヒマワリ油およびこれらの硬化油などの植物油が挙げられる。
また、脂肪族アルコールの原料となる前記の脂肪酸エステルは、上記の植物油脂を公知の方法でアルコールでエステル交換して得られるもの(1)、あるいは、上記の植物油脂を公知の方法で加水分解などによって得られる脂肪酸類を公知の方法でエステル化して得られるもの(2)が挙げられる。上記の脂肪酸エステル(1)としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸および大豆油脂肪酸などの植物油脂肪酸類のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ウンデシルエステルなどが挙げられる。
また、上記脂肪酸エステル(2)としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブチルエステルなどが挙げられる。
本発明に使用する溶剤は、前記のジアルキルエーテル単独でもよく、該ジアルキルエーテルと植物油脂由来の脂肪酸エステルおよび/または石油系溶剤との混合物であってもよい。該ジアルキルエーテルの量がインキ中の全溶剤の10質量%〜100質量%であり、好ましくは50〜100質量%である。ジアルキルエーテルの割合が上記下限未満の場合には、得られるインキの印刷機上での経時的なタック上昇を抑制する効果が損なわれる。前記のジアルキルエーテル(a)と植物油脂由来の脂肪酸エステル(b)とを混合溶剤として使用する場合には、その好ましい配合は、a/b=50〜100質量%/50〜0質量%である。上記の脂肪酸エステル(b)の割合が50質量%を超えるインキでは、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材部分が印刷中に著しく膨潤し、安定した印刷が行えなくなる。
また、前記のジアルキルエーテルと石油系溶剤とを混合溶剤として使用する場合の該石油系溶剤の混合量は、前記のジアルキルエーテルがインキ中の全溶剤の前記配合範囲内であれば、とくに規制はないが、上記の石油系溶剤の配合割合が多くなるとインキの乾燥時に石油系溶剤の蒸発量が多くなり作業環境や大気汚染などの環境負荷が増大する。
前記ジアルキルエーテルと併用することができる植物油脂由来の脂肪酸エステルとしては下記の脂肪酸エステル(A)および/または脂肪酸エステル(B)が挙げられる。上記の脂肪酸エステル(A)および/または(B)は、沸点が220℃〜310℃で、常温にて液体のものが好ましい。上記沸点が高すぎると、得られるインキの乾燥機内での蒸発乾燥性が低下して、インキ塗膜の乾燥不良が発生する。一方、沸点が低過ぎるとインキの乾燥が速過ぎて、得られる印刷インキの印刷機上でのインキタックが上昇して印刷機上安定性が低下する。
上記の脂肪酸エステル(A)は、公知の方法にて、前記の植物油脂類、例えば、ヤシ油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、アマニ油、サフラワー油、キリ油、ごま油、コーン油、ヒマワリ油およびこれらの硬化油などの植物油脂に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、オクタデカノールなどを加えてエステル交換(アルコリシス化)して得られる。また、脂肪酸エステル(A)としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、菜種油脂肪酸および大豆油脂肪酸などの植物油脂肪酸類のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ウンデシルエステルなどが挙げられる。
また、脂肪酸エステル(B)としては、例えば、カプロン酸のブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ウンデシルエステル、ラウリルエステル;カプリル酸のエチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ウンデシルエステル;カプリン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル;ラウリン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル;ミリスチン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル;パルミチン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル;ステアリン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル;など、好ましくはカプロン酸のヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ウンデシルエステル;カプリル酸のブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル、デシルエステル;カプリン酸のプロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ノニルエステル;ラウリン酸のエチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、アミルエステル、イソアミルエステル、ヘキシルエステルなど、およびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましくは、カプロン酸デシルエステル、カプリル酸2−エチルヘキシルエステル、カプリン酸ヘキシルエステルおよびラウリン酸イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記の石油系溶剤は、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素および芳香族分が1%以下の炭化水素からなる炭化水素系溶剤の単体よび混合物からなる石油系溶剤など、好ましくはアニリン点が60〜110℃の上記の石油系溶剤が挙げられる。
上記の石油系溶剤としては、炭素数6〜20のパラフィン系炭化水素、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、トリメチルペンタンなどのパラフィン系溶剤、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、オクタデシルシクロヘキサン、メチルイソプロピルシクロヘキサンなどのナフテン系溶剤、および新日本石油(株)製の「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」、「AFソルベント6号」、「AFソルベント7号」など、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明に使用するワニス用樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、変性ロジンエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、ギルソナイト樹脂、炭化水素樹脂、酸変性炭化水素樹脂など、好ましくはロジン変性フェノール樹脂および/またはロジンエステル樹脂が挙げられる。
上記のロジンエステル樹脂は、樹脂の軟化点が120℃〜200℃、重量平均分子量が20,000〜300,000のものや、上記のロジンエステル樹脂を重合ロジンの導入や無水マレイン酸、フマル酸などの多塩基酸変性した変性ロジンエステルが好ましく使用される。上記の樹脂の軟化点が上記上限を超える場合には得られるインキワニスの調整が困難であり、一方、軟化点が上記下限未満の場合には、得られるインキの粘弾性が低下し、インキ塗膜表面のベタツキが大きくなり、乾燥性が低下する。また、上記の樹脂の重量平均分子量が上記上限を超える場合には、得られるインキの流動性が低下してインキの転移性や光沢性が低下する。一方、重量平均分子量が上記下限未満の場合には、得られるインキに必要な粘弾性が得られず、ミスチングが発生したり、水適性が低下したりする。
また、本発明において植物油を使用する場合に、植物油としては例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油などの不乾性油、大豆油、綿実油、菜種油、ゴマ油、コーン油などの半乾性油、およびアマニ油、エノ油、キリ油などの乾性油など、好ましくは半乾性油および/または乾性油が挙げられる。これらの中でもアマニ油および大豆油が特に好ましい。
本発明のインキに使用するインキワニスは、前記のワニス用樹脂と上記植物油および前記の溶剤とを配合して、例えば、窒素気流雰囲気下で200℃にて30分間加熱撹拌して、その後150℃に冷却後、必要に応じてゲル化剤を添加して、さらに200℃にて60分間加熱撹拌して得られる。
上記のゲル化剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、アルミニウムエチルアセテートジイソプロピレート、アルミニウムイソプロピレート、ステアリン酸アルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセテート)、アルミニウムジイソプロポキサイト、アルミニウムトリイソプロポキサイト、アルミニウムジイソブトキサイト、オクチル酸アルミニウムなどおよびそれらの混合物が挙げられる。これらのゲル化剤の中でエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートが好ましく使用される。上記のゲル化剤は、川研ファインケミカル(株)からALCHなどの商品名で入手して本発明で使用することができる。
また、本発明のインキは、必要に応じて、可塑剤およびパラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックスなどのワックスコンパウンドなどの添加剤を本発明の目的を妨げない範囲において配合して使用することができる。
また、本発明のインキに使用する着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、弁柄、群青、紺青、アルミニウム粉などの無機顔料、アリリド系、アセト酢酸アリリドモノアゾ系、アセト酢酸アリリドジスアゾ系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン系、キナクリドン系、ピラントロン系、ジオキサジン系、インダストロン系、アントラピリミジン系、フラバントロン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、イソインドリン系、金属錯塩系、キノフタロン系などの多環式および複素環式顔料および染料が挙げられる。本発明のインキは、実施例の例示の通り、公知の方法にて前記の成分を均一に混練することで得られる。なお、本発明のインキは上記の着色剤を添加せずオーバーコートニスやメジウムとして使用することができる。
次に、本発明で使用するワニスの調製例J1〜J7および比較例で使用するワニスの調製例M1〜M3と、これらのワニスを使用したインキの実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。なお、本発明は、下記の実施例に限定するものではない。
(ワニスの調製例J1〜J7)
ワニス用樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂またはロジンエステル樹脂を使用し、表1に示すように、大豆油と溶剤とを配合して、窒素気流雰囲気下で200℃にて30分間加熱撹拌し、その後150℃に冷却し、その後、ゲル化剤を配合して、さらに、200℃にて60分間均一に加熱撹拌してワニスJ1〜J7を調製した。
(ワニスの調製例M1〜M3)
比較例に使用するワニスは、表1に示すように、下記の方法で調製した。
(ワニスM1)
前記のワニスの調製例のワニスJ1において使用する溶剤を石油系溶剤のAFソルベント7号に代える以外はワニス調製例J1と同様にしワニスM1を調製した。
(ワニスM2)
また、前記のワニスの調製例のワニスJ1において使用する溶剤を石油系溶剤のAFソルベント7号とAFソルベント5号との混合溶剤に代える以外はワニスの調製例J1と同様にしてワニスM2を調製した。
(ワニスM3)
前記のワニスの調製例のワニスJ1において使用するジオクチルエーテルをジオクチルエーテルとラウリン酸イソプロピルエステルの混合溶剤に代える以外はワニス調製例J1と同様にしてワニスM3を調製した。
Figure 2005060693
[実施例1〜5]
上記のJ1〜J5のワニス各65部とフタロシアニンブルー18部とを配合し、次に、インキのタックがインコメーター測定値で10〜11になるように、さらに、溶剤(ジオクチルエーテル)および上記のJ1〜J5の各々のワニスを追加配合し、均一に混練して本発明のインキK1〜K5を調製した。なお、タックの測定値は、得られたインキ1.32mlを東洋精機(株)製インコメーターのロールに塗布し、ロール温度32℃、回転スピード1,200rpmで回転させ、1分後の測定値である。
[実施例6〜7]
上記のJ6、J7のワニス各65部とフタロシアニンブルー18部とを配合し、次に、インキのタックがインコメーター測定値で10〜11になるように、さらに、各々のワニスを構成する混合溶剤(9部)および前記のJ6、J7の各々のワニス(8部)を計17部追加配合し、均一に混練して本発明のインキK6〜K7を調製した。
[比較例1〜2]
前記のM1〜M2のワニス各65部とフタロシアニンブルー18部とを配合し、次に、インキのタックがインコメーター測定値で10〜11になるように、さらに石油系溶剤(AFソルベント7号)および上記の各々のM1〜M2のワニスを追加配合し、均一に混練して比較例のインキN1〜N2を調製した。
[比較例3]
前記のM3のワニス65部とフタロシアニンブルー18部とを配合し、次に、インキのタックがインコメーター測定値で10〜11になるように、さらにM3を構成する混合溶剤(3部)およびM3のワニス(14部)を計17部追加配合し、均一に混練して比較例のインキN3を調製した。
上記で得られた各々のインキについて印刷機上でのインキの乾燥性と、安定性および膨潤性に関して下記の測定方法により評価した。
(乾燥性)
各々のインキ0.125mlを、石川島産業(株)製のRIテスター2分割ロールを用いてトップコート紙に展色して、印刷試料片を作製する。次に、温度調整可能なオーブンを用いて、上記の印刷試料片を加熱し、紙面温度を操作してインキ塗膜を乾燥固化させる。加熱後、印刷試料片を1分間放冷し、放冷した印刷試料片のインキ面を学振型耐摩擦性試験機にて表面を白紙で擦り、色落ちしない時の紙面乾燥温度を測定した。評価結果を表2に示す。
(機上安定性)
上記の各々のインキ0.5mlを東洋精機(株)製インコメーターに塗布し、ロール温度32℃、回転スピード1,200rpmに設定してロールを回転させ、測定初期のタック値と、その1分後のタック値を読み取り、タック値の経時的な変動(初期値との差ΔT)を測定した。評価結果を表2に示す。
(膨潤性)
上記の各々のインキをゴムブランケット片(ディインターナショナル社製、ディブラン3000−4)の表面にヘラで適量塗布し、常温にて24時間放置後、インキを拭き取りブランケット表面の膨潤の状況を下記の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
◎:ブランケット表面に膨れや軟化現象は認められない。
×:ブランケット表面の全面または部分的に膨れや軟化現象が認められる。
Figure 2005060693
上記の評価結果から、本発明のインキであるオフセット輪転印刷インキは、乾燥性を阻害することなく印刷機上安定性が優れており、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤がないインキであることが実証されている。
本発明によれば、本発明のインキは、乾燥性を維持したまま印刷機上安定性が優れ、印刷機のインキローラーやブランケットのゴム材質に対する膨潤が極めて少なく、かつ、石油系溶剤に伴う環境負荷が少ない高速オフセット輪転印刷用インキとして有効に使用することができる。

Claims (5)

  1. ワニス用樹脂と、溶剤とを含有するインキにおいて、該溶剤が、植物油脂由来の脂肪族アルコールから誘導されるジアルキルエーテルを全溶剤の10質量%〜100質量%含有することを特徴とするインキ。
  2. ジアルキルエーテルの沸点が、220℃〜310℃である請求項1に記載のインキ。
  3. ジアルキルエーテルが、ジオクチルエーテルである請求項1に記載のインキ。
  4. ジアルキルエーテル以外の成分が、植物油脂由来の脂肪酸エステルおよび/または石油系溶剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインキ。
  5. ワニス用樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂および/またはロジンエステル樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインキ。
JP2004224455A 2003-07-30 2004-07-30 インキ Pending JP2005060693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004224455A JP2005060693A (ja) 2003-07-30 2004-07-30 インキ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003283165 2003-07-30
JP2004224455A JP2005060693A (ja) 2003-07-30 2004-07-30 インキ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005060693A true JP2005060693A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34380214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004224455A Pending JP2005060693A (ja) 2003-07-30 2004-07-30 インキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005060693A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176754A (ja) * 2004-11-24 2006-07-06 The Inctec Inc 印刷インキ
JP2006273979A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2007169574A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 The Inctec Inc 印刷インキ
JP2008509230A (ja) * 2004-06-03 2008-03-27 サン ケミカル ビー.ブイ. 非フルーティングヒートセットインキ組成物
JP2011213935A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Dic Graphics Corp 平版印刷インキ組成物
JP2015160917A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物
JP5822036B1 (ja) * 2015-02-19 2015-11-24 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996034921A1 (de) * 1995-05-04 1996-11-07 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Mineralölfreie lösungsmittel für druckfarben auf etherbasis
JP2000265100A (ja) * 1999-03-12 2000-09-26 Lion Corp 印刷インキ油
JP2002069354A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ組成物
JP2004204203A (ja) * 2002-11-05 2004-07-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004204202A (ja) * 2002-11-05 2004-07-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004244519A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331892A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331893A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331890A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996034921A1 (de) * 1995-05-04 1996-11-07 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Mineralölfreie lösungsmittel für druckfarben auf etherbasis
JP2000265100A (ja) * 1999-03-12 2000-09-26 Lion Corp 印刷インキ油
JP2002069354A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ組成物
JP2004204203A (ja) * 2002-11-05 2004-07-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004204202A (ja) * 2002-11-05 2004-07-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004244519A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331892A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331893A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2004331890A (ja) * 2003-05-12 2004-11-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008509230A (ja) * 2004-06-03 2008-03-27 サン ケミカル ビー.ブイ. 非フルーティングヒートセットインキ組成物
JP2006176754A (ja) * 2004-11-24 2006-07-06 The Inctec Inc 印刷インキ
JP2006273979A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Arakawa Chem Ind Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2007169574A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 The Inctec Inc 印刷インキ
JP2011213935A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Dic Graphics Corp 平版印刷インキ組成物
JP2015160917A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物
JP5822036B1 (ja) * 2015-02-19 2015-11-24 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005060693A (ja) インキ
JP2015227432A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2013100394A (ja) 印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ組成物
JP2003206429A (ja) ヒートセット型オフ輪印刷インキ組成物
JP5467556B2 (ja) 平版印刷用インキおよびそれを用いて印刷した印刷物
JP2010260896A (ja) 平版印刷インキ
JP5354983B2 (ja) オフセット印刷インキ用樹脂ワニスの製造方法、その製造方法により得られるオフセット印刷インキ用樹脂ワニス、およびオフセット印刷インキ用組成物
JP4330263B2 (ja) ノンヒートセット水無しオフ輪印刷用インキ組成物
JP6182717B2 (ja) 印刷インキ
JP6030902B2 (ja) 印刷インキ組成物の製造方法および印刷インキ組成物
JP5155978B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物及び印刷物
JP2017197701A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2008150469A (ja) ヒートセット型オフセット印刷インキ組成物
JP2013189528A (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物
JP5714238B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP2015054879A (ja) オフセット印刷インキ用ゲルワニス、オフセット印刷インキおよび印刷物
JP4743462B2 (ja) 印刷インキ組成物及びその製造方法
JP2013189527A (ja) 平版印刷インキ組成物
JP6063232B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP6183397B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP2015063667A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2006176754A (ja) 印刷インキ
JP2002129081A (ja) 印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法
JP2017149877A (ja) 平版印刷インキ
JP3626164B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110412