JP2005060566A - 多孔フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の多孔フィルムは、ポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルムであって、前記ポリエチレン樹脂組成物は、(a)密度が0.880〜0.945g/cm3、(b)MFRが0.1〜50g/10分のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)100〜50質量%と他のエチレン(共)重合体(B)0〜50質量%とを含む樹脂成分100質量部に対して30〜200質量部の無機充填剤(C)と、0.1〜5質量部の12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムおよび/または塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するものであることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
また、多孔フィルムの製造時には、多孔にするために延伸を行うが、この工程において、これらの樹脂焼けや目やに等が原因の一つとなってピンホールや延伸切れが発生し、その結果、均一な透気度を有する多孔フィルムが得られないという問題もあった。
さらに、炭酸カルシウム等の無機充填剤の分散が不良であったり、ポリエチレン樹脂組成物が延伸に適したものでない場合には、目やにとは別の原因でピンホール、延伸ムラ、延伸切れが発生したりするという問題もあった。
なお、上記目やにの発生が延伸性を阻害する可能性は考えられるものの、必ずしも目やにそのものが延伸性を悪化させるという因果関係は見出されておらず、延伸性の阻害の原因についてはいまだ充分に解明されていない。
また、線状低密度ポリエチレンを用いた多孔フィルムについては、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9などに記載されている。
また、多孔フィルムにおいては、柔軟性、通気性、透気性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、さらに、機械的強度(引裂強度、フィルムインパクト)、衛生性(ハロゲンフリー)、成形加工性等のバランスに優れたものが求められている。
前記ポリエチレン樹脂組成物は、(a)密度が0.880〜0.945g/cm3、(b)MFRが0.1〜50g/10分のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)100〜50質量%と他のエチレン(共)重合体(B)0〜50質量%とを含む樹脂成分100質量部に対して30〜200質量部の無機充填剤(C)と、0.1〜5質量部の12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムおよび/または塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するものであることを特徴とする多孔フィルムである。
(式1)T75−T25≦−670×d+644
(式2) T75−T25≧−300×d+285
(f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフローレート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係を満足すること
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
(h)融点ピークを1ないし複数個を有すること、
(i)そのうち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を満足すること
(式5) Tml≧150×d−19
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)を満足すること
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
前記ポリエチレン樹脂組成物は、(a)密度0.880〜0.945g/cm3、(b)MFRが0.1〜50g/10分のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)100〜50質量%と他のエチレン(共)重合体(B)0〜50質量%とを含む樹脂成分100質量部に対して30〜200質量部の無機充填剤(C)と、樹脂成分100質量部に対して0.1〜5質量部の12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するものであることを特徴とする多孔フィルムの製造方法である。
本発明の多孔フィルムの製造方法によれば、上述したような優れた性能を有する多孔フィルムを製造できる。
本発明の多孔フィルムは、エチレン−α・オレフィン共重合体(A)と他のエチレン(共)重合体とを含む樹脂成分に対して無機充填剤(C)と12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するポリエチレン樹脂組成物からなるものである。なお、本発明において、フィルムとは、シートを含む。
(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、
(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線(図1参照)の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、(式1)T75−T25≦−670×d+644の関係を満足するものである。
また、エチレン−α・オレフィン共重合体(A)において、T75−T25と密度dが上記(式1)の関係を満足しない場合には、低温ヒートシール性が低くなりやすい。
TREF分析によれば、極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出来るため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
(式2) T75−T25≧−300×d+285
T75−T25と密度dが上記(式2)の関係を満足する場合には、ヒートシール強度と耐熱性とがともに優れるものとなる。
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
の関係を満足しており、好ましくは、
d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<1.0
d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<7.4×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
の関係を満足しており、さらに好ましくは、
d−0.008logMFR≧0.93の場合、
X<0.5
d−0.008logMFR<0.93の場合、
X<5.6×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
の関係を満足している。
(h)融点ピークを1ないし複数個有し、
(i)そのうち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を満足するものである。
(式5) Tml≧150×d−19
融点Tm1と密度dが上記(式5)の関係を満足すると、耐熱性が向上するものとなる。
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)の関係を満足する。
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3
MTとMFRが上記(式6)の関係を満足することにより、フィルム成形等の成形加工性がより良好なものとなる。
a1:一般式Me1R1 pR2 q(OR3)rX1 4−p−q−rで表される化合物(式中Me1はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、R1およびR3はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、R2は、2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体、X1はハロゲン原子を示し、p、qおよびrはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である)
a2:一般式Me2R4 m(OR5)nX2 z−m−nで表される化合物(式中Me2は周期律表1、2、12、13族元素、R4およびR5はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基、X2はハロゲン原子または水素原子(ただし、X2が水素原子の場合はMe2は周期律表13族元素の場合に限る)を示し、zはMe2の価数を示し、mおよびnはそれぞれ0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zである)
a3:共役二重結合を持つ有機環状化合物
a4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウムオキシ化合物および/またはホウ素化合物
上記触媒成分a1の一般式Me1R1 pR2 q(OR3)rX1 4−p−q−rで表される化合物の式中、Me1はジルコニウム、チタン、ハフニウムを示し、これらの遷移金属の種類は限定されるものではなく、複数を用いることもできるが、ジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R1およびR3はそれぞれ炭素数1〜24の炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8である。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。R2は、2,4−ペンタンジオナト配位子またはその誘導体、ベンゾイルメタナト配位子、ベンゾイルアセトナト配位子またはその誘導体を示す。X1はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示す。p、qおよびrはそれぞれ、0≦p≦4、0≦q≦4、0≦r≦4、0≦p+q+r≦4の範囲を満たす整数である。
ALSiR4−L
ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好ましくは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
これらの配位子となる化合物は単独でもよいが、複数を組み合わせて用いてもよい。また、これらを配位子として有する錯体または触媒を複数組み合わせてもよい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ましい。
また、ボラン化合物の具体例としては、トリス(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられ、好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
該無機物担体および/または粒子状ポリマー担体(a5)とは、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あるいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無機物担体として好ましいものは金属酸化物(単独酸化物または複酸化物)である。
無機物担体としては、具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3等が挙げられる。これらの中でもSiO2およびAl2O3からなる群から選択された少なくとも一種の成分を主成分とするものが好ましい。
また、粒子状ポリマー担体としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
重合条件としては特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合、通常常圧〜7MPa Gauge(70kgf/cm2G)、好ましくは常圧〜2MPa Gauge(20kgf/cm2G)であり、高圧法の場合通常150MPa Gauge(1500kgf/cm2G)以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。
また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法などに特に限定されるものではない。特に好ましい製造方法としては、特開平5−132518号公報に記載の方法が挙げられる。
このような塩素等のハロゲンフリーのエチレン−α・オレフィン共重合体(A)を用いることにより、従来のようなハロゲン中和剤を使用する必要がなくなり、化学的安定性、衛生性が優れる多孔フィルムを提供することができる。
低密度ポリエチレン(B1)のMFRは、通常0.1〜50g/10分、さらに好ましくは0.3〜30g/10分、より好ましくは0.4〜20g/10分の範囲である。この範囲であれば、メルトテンションが適切な範囲となり、成形加工性が向上する。
また、密度は通常0.91〜0.94g/cm3 、さらに好ましくは0.915〜0.935g/cm3より好ましくは0.918〜0.928g/cm3の範囲である。この範囲であれば、ドローダウン性、ドローレゾナンス、延伸性等の成形性を安定的に保持することが可能となる。
エチレン−ビニルエステル共重合体(B2)とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分とする、エチレンとプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。中でも、特に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。また、エチレン50〜99.5質量%、ビニルエステル0.5〜50質量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5質量%からなる共重合体が好ましい。特に、ビニルエステルの含有量は3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲である。エチレン−ビニルエステル共重合体(B2)のMFRは、0.1〜50g/10分、さらに好ましくは0.3〜30g/10分の範囲、より好ましくは0.5〜20g/10分である。
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(B3)としては、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして、無水マレイン酸や、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができる。特に、(メタ)アクリル酸エステルを含有する場合、その含有量は3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲である。エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体(B3)のMFRは通常0.1〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分、より好ましくは0.5〜20g/10分である。
高密度ポリエチレン(B4)は、密度0.94〜0.97g/cm3のエチレン単独重合体もしくはエチレンと少量のα・オレフィンとの共重合体であって、チーグラー系触媒等を用いた高・中・低圧法スラリー法、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法等の単段重合法、多段重合法で製造されたものである。
高密度ポリエチレン(B4)のMFRは、通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜30g/10分、さらに好ましくは5〜20g/10分の範囲である。
高密度ポリエチレン(B4)を構成するα・オレフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができる。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、B5)は、密度が通常0.91〜0.94g/cm3、好ましくは0.91〜0.935g/cm3の範囲のエチレン−α・オレフィン共重合体であり、MFRは通常0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜80g/10分、より好ましくは0.1〜50g/10分の範囲のものである。ここで、直鎖状低密度ポリエチレン(B5)を構成するα・オレフィンとしては、炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜12の範囲のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができる。
上記の直鎖状低密度ポリエチレン(B5)は、上述のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)で規定される特定のパラメーターを満たさないものであり、従来公知のチーグラー系触媒あるいはフィリップス触媒(以下、両者を含めてチーグラー型触媒と記す)、あるいはメタロセン系触媒を用いて重合されるエチレン−α・オレフィン共重合体が挙げられる。
超低密度ポリエチレン(VLDPE、B6)とは、密度が0.88〜0.91g/cm3、好ましくは0.89〜0.905g/cm3の範囲のエチレン−α・オレフィン共重合体であり、LLDPEとエチレン−α・オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中間の性状を示すポリエチレンである。また、MFRは通常0.1〜50g/10分、好ましくは0.3〜30g/10分、より好ましくは0.5〜20g/10分の範囲である。また、超低密度ポリエチレン(VLDPE)は、示差走査熱量測定法(DSC)による最大ピーク温度(Tm)が60℃以上、好ましくは100℃以上、かつ沸騰n−ヘキサン不溶分10質量%以上の性状を有する特定のエチレン−α・オレフィン共重合体であり、少なくともチタンおよび/またはバナジウムを含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合され、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が示す高結晶部分とエチレン−α・オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂である。このような超低密度ポリエチレン(VLDPE)は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の特徴である機械的強度、耐熱性等と、エチレン−α・オレフィン共重合体ゴムの特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存しているものである。
上記超低密度ポリエチレン(B6)を構成するα・オレフィンとしては、炭素数が3〜12、好ましくは3〜10のものであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
エチレン−α・オレフィン共重合体ゴムとしては、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム等が挙げられる。
無機充填剤(C)としては、例えば、シリカ、マイカ、タルク、珪藻土、クレー、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコン、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アスベスト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属粉、ガラス繊維、グラファイト、炭素繊維等が挙げられる。これら無機充填剤は、目的、用途等により適宜選択されるが、安価で多孔フィルムの物性を高くできる点で、特に炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が好ましい。また炭酸カルシウムは、軽質、重質のいずれでもよいが、好ましくは重質炭酸カルシウムが好ましい。
また、無機充填剤(C)は、樹脂成分への分散性を良くするために表面があらかじめ処理されたものが好ましい。表面処理剤としては、高級脂肪酸およびその金属塩、あるいは酸アミド、チタネート系カップリング剤、ワックス、オイルなどが挙げられる。これらの中でも、高級脂肪酸によって表面処理された無機充填剤が分散性の点で好ましい。
無機充填剤(C)の水分は0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であることが望ましい。
また、本発明の多孔フィルムの引張破壊強さ(MD/CD)は、通常20〜50MPa/4〜20MPa、好ましくは25〜40MPa/5〜18MPa、より好ましくは28〜38MPa/6〜16MPaの範囲である。ここで、MDとは、縦軸方向のことであり、CDとは横軸方向のことである。
また、本発明の多孔フィルムの引張破壊伸び(MD/CD)は、通常100〜200%/350〜700%、好ましくは120〜190%/400〜600%、より好ましくは140〜180%/420〜580%の範囲である。
本発明の多孔フィルムの製造方法は、ポリエチレン樹脂組成物をフィルムに成形し、これを延伸処理する。
〔フィルム成形〕
フィルムを溶融成形する際、多孔フィルムになるポリエチレン樹脂組成物をあらかじめ溶融混練しておくことが好ましい。その方法は種々あるが、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、あるいは加圧ニーダーで溶融混練する方法、連続押出機を用いる方法などが挙げられる。これらの中でも、連続操作であり、生産性が高い連続押出機を用いる方法が好ましい。連続押出機としてはフルフライトスクリューの押出機を用いてもよいが、混練が不十分となる場合があるので、ニーディング機構を備えた押出機や多軸押出機を用いることが望ましい。
溶融混練した後、フィルム状に成形する。フィルムの成形方法は特に限定されず、円形ダイを使用したインフレーション成形法、あるいはTダイを使用したTダイ成形法などから適宜選択できるが、連続的に多孔フィルムを製造する場合にはTダイ法が望ましい。
上記フィルムを延伸する方法は一般的に大きく分けて一軸延伸法と二軸延伸法があるが、本発明ではいずれの方法も可能である。一軸延伸法は通常ロール延伸法などが用いられる。このような延伸法を採用する場合には、フィルムのネッキング現象をなるべく抑えることが好ましく、そのためにロール間隔を可及的に近接させたり、ピンチロールや静電気によりフィルムの幅方向の収縮を抑えるなどの対策をとる場合がある。
また、二軸延伸法には大別して一段式と二段式があるが、いずれの方法も用いることができる。延伸の方式もテンター式やチューブラー式など種々あるが、本発明においては特に限定されず採用できる。
一般に、ポリエチレンなどの合成樹脂の延伸温度は、合成樹脂の融点の近辺で行われ、あまり低温で延伸すると延伸むらが生ずる。このため、液状の化合物を添加して延伸性を向上させているのが現状であるが、本発明においては、上記のように低温で、かつ液状の化合物を添加しなくとも延伸が可能であり、好ましい多孔フィルムが得られる点に大きな特徴がある。
[密度]
JIS K6922−2に準拠した。
[MFR]
JIS K6922−2に準拠した。
厚さ0.2mmのシートを熱プレスで成形し、シートから約5mgの試料を打ち抜いた。この試料を230℃で10分保持後、2℃/分にて0℃まで冷却した。その後、再び10℃/分で170℃迄昇温し、現れた最高温ピークの頂点の温度を最高ピーク温度Tmlとした。
GPC(ウォータース社製150C型)を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カラムは東ソーのGMH 時間−H(S)を使用した。
カラムを140℃に保って試料を注入し、0.1℃/分で25℃まで降温し、ポリマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カラムを下記条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー濃度を赤外検出器で検出した。
溶媒:ODCB、流速:1ml/分、昇温速度:50℃/時間、検出器:赤外分光器(波長2925cm−1)、カラム:0.8cmφ×12cmL(ガラスビーズを充填)、試料濃度:1mg/ml
溶融させたポリマーを一定速度で延伸したときの応力をストレインゲージにて測定することにより決定した。測定試料としては造粒してペレットにしたものを用い、東洋精機製作所製MT測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは穴径2.09mmφ、長さ8mmのものであり、測定条件は樹脂温度190℃、押出速度20mm/分、巻取り速度15m/分とした。
蛍光X線法により測定し、10ppm以上の塩素が検出された場合はこれをもって分析値とした。10ppmを下回った場合は、ダイアインスツルメンツ(株)製TOX−100型塩素・硫黄分析装置にて測定した。なお、2ppm以下についてはNDとし、実質的には含まれないものとした。
JIS K7129に準拠した。
[透気度]
JIS P8117に準拠した。
[引張破壊強さ]
ASTM D 882−64Tに準拠した。
[引張破壊伸び]
ASTM D 882−64Tに準拠した。
[シングルサイト触媒によるエチレン−α・オレフィン共重合体(A1)の製造]
[固体触媒の調製]
電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラエトキシジルコニウム(Zr(OEt)4 )22gおよびインデン75gおよびメチルブチルシクロペンタジエン88gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を3200ml添加し2時間撹拌した。次にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース社製、#952、表面積300m2 /g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒を得た。
連続式の流動床気相重合装置を用い、重合温度65℃、全圧20kgf/cm2 Gでエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触媒を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンおよび水素を所定のモル比に保つように供給して重合を行い、エチレン−1−ヘキセン共重合体(A1)(sLLDPEと略す)を得た。このsLLDPEの各物性値を表1に示す。
[固体触媒の調製]
電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラブトキシジルコニウム(Zr(OBu)4 )22gおよびインデン40gおよびメチルプロピルシクロペンタジエン21gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を2000ml添加し2時間撹拌した。次にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース社製、#952、表面積300m2 /g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブローおよび減圧乾燥を行い、流動性のよい固体触媒を得た。
[気相重合]
連続式の流動床気相重合装置を用い、重合温度80℃、全圧20kgf/cm2Gでエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触媒を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンおよび水素を所定のモル比に保つように供給して重合を行い、2種のエチレン1−ヘキセン共重合体(A2)(sLLDPEと略す)を得た。このsLLDPEの各物性値を表1に示す。
触媒として、四塩化チタン、トリエチルアルミニウム及び塩化マグネシウムを含む触媒を用い、連続式の流動床気相重合装置を用い、重合温度70℃、全圧2MPa Gauge(20kgf/cm2G)でエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。前記固体触媒を連続的に供給し、エチレン、1−ヘキセンおよび水素を所定のモル比に保つように供給して重合を行い、エチレン−1−ヘキセン共重合体(A)(zLLDPEと略す)を得た。この共重合体のMFRは3.4g/10分、密度が0.918g/cm3であった。
(B1)高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(LDPE(1))
密度=0.920g/cm3 、MFR=0.5g/10分、
商品名:JF120N 日本ポリオレフィン株式会社製
・炭酸カルシウム(CaCO3 )
商品名:SST40(同和カルファイン(株)製)、平均粒径:1.1μm
[滑剤]
・ステアリン酸リチウム(LiSt)
商品名:LiSt 日東化成工業株式会社製
・ステアリン酸カルシウム(CaSt)
商品名:CaSt 日東化成工業株式会社製
・ステアリン酸マグネシウム
商品名:MgSt 日東化成工業株式会社製
・12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(12(OH)LiSt)
商品名:LS−6 日東化成工業株式会社製
・12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(12(OH)CaSt)
商品名:CS−6 日東化成工業株式会社製
・12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(12(OH)MgSt)
商品名:MS−6、日東化成工業株式会社製
[酸化防止剤]
・フェノール系酸化防止剤
化学名:オクタデシルジブチルヒドロキシハイドロシアナメイト
商品名:イルガノックス1076 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製
・リン系酸化防止剤
化学名:トリス(2,4−ジ−ターシャリィ−ブチルフェニル)フォスファイト
商品名:イルガフォス168 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製
[目やに評価:実験例1〜9]
[コンパウンド、フィルム成形]
予め、神戸製鋼製同方向二軸押出機(KTX−30)を用いて、シリンダー設定温度C0〜C1:150℃、C2〜C3:160℃、C4〜C6:170℃、C7〜C8:230℃、ダイス温度:230℃、押出量20kg/時間で表2に示す各種ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。そして、このペレットを、下記のTダイ装置を用いて、押出温度230℃および250℃で、表2に示す押出量(5kg/時間、10kg/時間)で連続5時間押出した。この際のダイリップの目やにの付着状態を観察して以下のように評価した。その結果を表2に示す。
[押出条件]
Tダイ装置:ユニプラス製30φTダイ成形機 L/D=24、スクリュー圧縮比=2.8、シングルフライトスリーステージ ダイ300mm巾、リップギャップ=0.8mm、
[目やに評価基準]
ランクI:目視で確認できず。
ランクII:1mm未満の軽微な付着が確認された。
ランクIII:1〜2mm程度の付着が確認された。
ランクIV:3〜5mm程度の付着が確認された。
ランクV:6〜8mm、部分的に10mm程度の付着が確認された。
なお、シングルサイト触媒によるエチレン-α-オレフィン共重合体(A1)の代わりにエチレン−α・オレフィン共重合体(A2)を用いたこと以外は実験例1〜8と同様にしてフィルムを成形し、評価した。その結果を表2に示す。
次いで、以下のようにしてポリエチレン樹脂組成物の延伸状態を観察し、評価した。
まず、エチレン−α・オレフィン共重合体(A1)80質量部、低密度ポリエチレン(LDPE)20質量部に炭酸カルシウム100質量部、フェノール系酸化防止剤として、イルガノックス1076を0.1質量部、リン系酸化防止剤としてイルガフォス168を0.2質量部および表3に示す各種滑剤0.3質量部を配合したポリエチレン樹脂組成物を得た。そして、下記のTダイ装置を用い、延伸倍率を変えて延伸性を観察し、延伸状態を評価した。その結果を表3に示す。
[押出条件]
Tダイ装置:ユニプラス製30φTダイ成形機 L/D=24、
スクリュー圧縮比=2.8、シングルフライトスリーステージ ダイ300mm巾、
リップギャップ=0.8mm、成形温度:250℃、厚み:140μm
[延伸条件]
延伸装置:岩本製作所製二軸延伸試験機
延伸温度:40℃、延伸速度:100mm/秒
予熱時間:60秒、アニール時間:30秒、
冷却時間:20秒(23℃ブロア冷却)
なお、シングルサイト触媒によるエチレン-α-オレフィン共重合体(A1)の代わりにエチレン−α・オレフィン共重合体(A2)を用いたこと以外は実施例10〜14と同様にしてフィルムを延伸倍率3.5倍で延伸し、評価した。その結果を表3に示す。
10回延伸させ、延伸が成功した回数で評価した。すなわち、0では全て延伸に失敗したということであり、延伸性に乏しく、10では全て延伸に成功したということであり、延伸性に優れている。
この結果より、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを配合したものは高い延伸倍率で延伸できることが示された。
上記エチレン−α・オレフィン共重合体(A1)の実験例13の配合において滑剤としてステアリン酸リチウム(LiSt)を用いたポリエチレン樹脂組成物(実験例16)および、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(12(OH)MgSt)を用いたポリエチレン樹脂組成物(実験例17)を延伸して多孔フィルムを製造し、その物性を調べた。その結果を表4に示す。
実験例16,17のエチレン−α・オレフィン共重合体(A1)をそれぞれzLLDPE(エチレン−α・オレフィン共重合体(A))に代えたこと以外は実験例14,15と同様にして多孔フィルムを製造し、評価した。その評価結果を表4に示す。
12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを配合した本発明の多孔フィルム(実験例17、実験例19)は、延伸性、柔軟性いずれも優れたものであった。また、実験例17と19を比較すると、シングルサイト触媒により得たエチレン−α・オレフィン共重合体(A1)を用いた多孔フィルム(実験例17)は、エチレン−α・オレフィン共重合体(A)を用いた多孔フィルム(実験例19)に比していずれの物性も良好であった。
一方、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムを配合していなかった実験例16、実験例18は延伸性、柔軟性が低かった。
Claims (12)
- ポリエチレン樹脂組成物からなる多孔フィルムであって、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、(a)密度が0.880〜0.945g/cm3、(b)MFRが0.1〜50g/10分のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)100〜50質量%と他のエチレン(共)重合体(B)0〜50質量%とを含む樹脂成分100質量部に対して30〜200質量部の無機充填剤(C)と、0.1〜5質量部の12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムおよび/または塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するものであることを特徴とする多孔フィルム。 - 透湿度が500〜20000g/(m2 ・24時間)であることを特徴とする請求項1に記載の多孔フィルム。
- 前記エチレン−α・オレフィン共重合体が、さらに(c)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5、(d)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが、下記(式1)の関係を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の多孔フィルム。
(式1)T75−T25≦−670×d+644 - 前記エチレン−α・オレフィン共重合体(A)が、さらに下記(e)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶曲線から求めた全体の25%が溶出する温度T25と全体の75%が溶出する温度T75との差T75−T25および密度dが下記(式2)の関係を満足すること特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
(式2) T75−T25≧−300×d+285 - 前記エチレン−α・オレフィン共重合体(A)が、さらに下記(f)および(g)の要件を満足するエチレン−α・オレフィン共重合体(A1)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
(f)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可溶分量X(質量%)、密度dおよびメルトフローレート(MFR)が下記(式3)および(式4)の関係を満足すること
(式3)d−0.008logMFR≧0.93の場合
X<2.0
(式4)d−0.008logMFR<0.93の場合
X<9.8×103×(0.9300−d+0.008logMFR)2+2.0
(g)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること - 前記エチレン−α・オレフィン共重合体(A)が、さらに下記(h)および(i)の要件を満足するエチレン−α・オレフィン共重合体(A2)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
(h)融点ピークを1ないし複数個を有すること、
(i)そのうち最も高い融点Tmlと密度dが、下記(式5)の関係を満足すること
(式5) Tml≧150×d−19 - 前記エチレン−α・オレフィン共重合体(A2)が、さらに下記(j)の要件を満足することを特徴とする請求項6に記載の多孔フィルム。
(j)メルトテンション(MT)とメルトフローレート(MFR)が、下記(式6)を満足すること
(式6) logMT≦−0.572×logMFR+0.3 - 前記エチレン−α・オレフィン共重合体(A)が、少なくとも共役二重結合をもつ有機環状化合物と周期律表第4族の遷移金属化合物とを含む触媒の存在下で製造されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
- 前記他のエチレン(共)重合体(B)が、密度0.91〜0.94g/cm3、MFR0.1〜50g/10分の低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
- 前記無機充填剤(C)が、炭酸カルシウム、硫酸バリウムから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の多孔フィルム。
- ポリエチレン樹脂組成物をフィルムに成形し、このフィルムを35〜110℃の温度で1.05〜3倍に延伸処理する多孔フィルムの製造方法であって、
前記ポリエチレン樹脂組成物は、(a)密度0.880〜0.945g/cm3、(b)MFRが0.1〜50g/10分のエチレン−α・オレフィン共重合体(A)100〜50質量%と他のエチレン(共)重合体(B)0〜50質量%とを含む樹脂成分100質量部に対して30〜200質量部の無機充填剤(C)と、0.1〜5質量部の12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムおよび/または塩基性12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム(D)とを含有するものであることを特徴とする多孔フィルムの製造方法。 - 前記延伸処理は、35〜60℃の温度で1.05〜2.0倍に延伸する第1工程と、60〜110℃の温度でさらに2倍以上に延伸する第2工程とを有することを特徴とする請求項11に記載の多孔フィルムの製造方法。
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