JP2005060482A - 転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速耐久性、高温耐久性、低温潤滑性、音響特性及び振動特性、耐剥離性能等につき、より優れたグリース組成物を提供する。
【解決手段】 基油としてのエステル油若しくはエーテル油と、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子と、を含む転がり軸受用グリース組成物であって、前記親水性シリカを、前記組成物の全体重量に対して4〜20質量%含有し、前記組成物混和ちょう度が180〜360である、転がり軸受用グリース組成物により、上記課題が解決される。
【選択図】 図4
【解決手段】 基油としてのエステル油若しくはエーテル油と、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子と、を含む転がり軸受用グリース組成物であって、前記親水性シリカを、前記組成物の全体重量に対して4〜20質量%含有し、前記組成物混和ちょう度が180〜360である、転がり軸受用グリース組成物により、上記課題が解決される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、高温、高速回転条件の下で使用されるグリース組成物、及びこの組成物が適用された軸受に関する。より詳細には、本発明は、自動車の電装部品、エンジン補機、たとえば、オルタネータ、中間プーリ、エアコンの電磁クラッチに使用される転がり軸受に好適なグリース組成物、及びその転がり軸受に関するものである。
自動車の電装補機、又は、エンジン補機であるオルタネータや中間プーリ、カーエアコン用電磁クラッチ等には、一般にグリースが封入された転がり軸受が使用されている。これらの補機に対しては、従来から小型化かつ高出力化の要望が強く、エンジンルーム内の機器の集積度も向上される傾向にある。
そのため、エンジンルーム内に熱がこもり易くなり、オルタネータや中間プーリの使用雰囲気温度が上昇する傾向にある。そして、機器を小型化かつ高出力にするためには、エンジンの回転速度を増加させることで対応している。
回転速度の増加により、転がり軸受に対しては高速回転特性が要求されている。さらに、寒冷地のように、軸受が使用される雰囲気温度がマイナス数十度にまでなる場合には、極低温下でのグリースに依る潤滑性の維持や向上も求められている。くわえて、後述の特許文献1に示唆されているような剥離の問題に対する対処も必要になる。
このような背景の下、既述の問題点を解決するため、合成油を基油とし、ウレア化合物を増ちょう剤としたグリース組成物を封入した軸受が主に採用されてきた。
しかしながら、使用雰囲気温度の上昇に伴い、軸受の耐久性が不十分な場合もある。高温に対応するため、フッ素油を基油とするフッ素グリースが使用されるようになってきているが、フッ素グリースは高温での耐久性は良好である反面、高速回転時の潤滑性あるいは低温時のトルク特性、軸受の高速回転時での音響に難点がある場合が見受けられる。さらに、一般に高温用といわれるベントナイト等の粘土鉱物を増ちょう剤としたグリースについても、フッ素グリースと同様な問題がある。
一方、粒状シリカをグリース組成物に添加し、軸受の摩擦表面の圧痕や疲労層を微細シリカ粒子によって適度に研磨・除去して軸受を長寿命とすることが従来提案されている(特許文献2参照)。しかし、この組成物を高速用の軸受に適用した場合、研磨作用によって軸受内部部品の寸法精度が低下し、音響振動が大きくなるおそれがある。
さらに、脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、ウレア化合物、シリカ等の珪素化合物及び有機化ベントナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の増粘剤0.1〜3.0重量部と、鉱物油、合成油及び植物油脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の潤滑油97.0〜99.9重量部を含有し、粘度指数の高い潤滑剤組成物が提案されているが、グリース組成物として軸受に封入して使用される点において実用的ではない(特許文献3参照)。
特開平3−210394号
特開2002−105473号
特開平11−343492号
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みて、軸受の寿命を向上でき、高速・高温下で使用される軸受の潤滑剤にシリカを使用しても、音響特性や振動特性に優れたグリース組成物及びこれを用いた転がり軸受を提供することを目的とする。さらに、本発明の他の目的は、この転がり軸受で回転部材を支持するようにした自動車用補機を提供するものである。
本発明者は、鋭意検討の結果、高温高速での耐久性、特に、軸受の温度が180℃を超えるような場合には、基油よりも増ちょう剤の劣化が先に進行し、グリースが固化又は軟化流出のどちらかとなるため、焼き付きに至ることがほとんどであるという知見に基づき、本発明を完成するに至った。
前記目的を達成するために、本発明に係わる転がり軸受用グリース組成物は、基油が実質上エステル油とエーテル油の少なくとも一種からなり、さらに、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、エステル油、エーテル油及びシリカ粒子は耐熱性であり、増ちょう剤としてシリカを使用しているので、高速・高温下での軸受寿命を向上でき、親水性シリカであるので、シリカの含有量を少なくできるために、音響特性・振動特性を低下させない。
本発明の好適な形態によれば、前記親水性シリカを、前記組成物の全体重量に対して4〜20質量%含有し、前記組成物混和ちょう度が180〜360である、ことが良い。前記親水性シリカの一次平均粒径が5〜40nmであることが良い。 前記基油がエーテル油であり、このエーテル油は基油粘度20〜400mm2/sのアルキルジフェニルエーテルからなることが良い。前記親水性シリカが、一次平均粒径の異なる複数の群にそれぞれ属する親水性シリカからなることが良い。さらに、本発明は、回転部材が既述の転がり軸受用グリース組成物による潤滑されてなる転がり軸受であることを特徴とする。さらに他の発明は、この転がり軸受に回転部材が支持されてなる自動車用補機であることを特徴とするものである。
グリース組成物の基油は、エーテル又はエステル油、又はこの混合物からなるか、あるいはこれらのものから実質上構成されたものを適用する。所望の潤滑性能や軸受に対する特性を損なわない限り、他の油や付加的成分が含有されても良い。
本発明によれば、基油がエステル油とエーテル油の少なくとも一つと、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子と、を含む転がり軸受用グリース組成物が提供され、高温高速性に優れ、かつ、音響若しくは振動特性に優れた転がり軸受が提供される。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
グリース組成物の基油は、エステル油とエーテル油のいずれか、又はこれを混合させたものである。エステル油の具体例としては、ジエステル、ポリオールエステル、芳香族エステルである。ポリオールエステルが好ましい。基油の好ましい粘度は、高温高速下で軸受が使用される場合に鑑み、40℃で20〜400mm2/sである。より好ましくは、40℃で30〜250mm2/sである。基油粘度が40℃で20mm2/s以下では耐熱性が十分でなく、40℃で400mm2/s以上ではせん断発熱が大きくなる問題がある。エーテル油の具体例は、ポリフェニルエーテルやジアルキルエーテル等である。アルキルジフェニルエーテルが好適である。エステル油とエーテル油はともに耐熱性、低温潤滑性、及び高速性、さらに、音響及び振動特性にも優れているので、高速・高温用転がり軸受用に好適に使用できる。
エーテル油の具体例は、松村石油研究所製のLB−15(基油粘度:15mm2/s(40℃))、LB−22(同:22mm2/s)、LB−32(同:32mm2/s)、LB−46(同:46mm2/s)、LB−100(同:100mm2/s)、松村石油製のLB−380(同:380mm2/s)である。これらのエーテル油を単独若しくは混合して使用できる。
グリース組成物は、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子を含んでいる。シリカ微粒子は無機化合物であって高い温度の耐熱性を有している。シリカ微粒子を増ちょう剤にすることにより、高温までグリース状を維持できる。
親水性シリカとエステル油、エーテル油との組み合わせを採用すると、少量のシリカ微粒子の添加で所望の潤滑特性を備えたグリース組成物を提供することができる。親水性シリカはシリカ表面に親水基、特に、シラノール基(Si−OH)を有している。なお、疎水性シリカは、シリカ表面のシラノール基をメチル基等で置換し、親油性(すなわち、疎水性)を具備させたシリカである。
親水性シリカをグリースに添加することの効果は、親水性シリカのシラノール基とエステル油/エーテル油分子の極性部分の相互作用に依るものと考えられる。なお、疎水性シリカ微粒子を添加しただけでは、この効果は認められなかった。
本発明における親水性シリカは、沈降法シリカあるいはヒュームドシリカ等として市販されているものを好適に適用できる。また、最近では、ゾルゲル法を用いて製造されたものもコロイダルシリカとして市販されており、これを使用しても良い。
グリース組成物に固体系の増ちょう剤を用いると、固体系増ちょう剤の凝集等に起因して、音響及び振動が発生し易いグリース組成物になることが多い。親水性シリカとエステル油/エーテル油とを組み合わせると、少量の増ちょう剤でより低いちょう度が得られるため、音響や振動に悪影響を与えないグリース組成物を提供できる。
グリース組成物は、その混和ちょう度が180〜360であるものが好ましい。通例、自動車の電装品、たとえば、オルタネータ、エンジン補機、電磁クラッチや中間プーリに使用される転がり軸受は、シール若しくはシールドを有し、軸受内部にグリースを封入した形式のものが採用されている。
混和ちょう度が180未満では、グリースが硬く流動性に欠け、軸受内部の必要な箇所へグリースが行き渡らない。一方、混和ちょう度が360以上では、グリースが軸受外へ流出するおそれがある。より好ましい混和ちょう度は200〜300であり、混和ちょう度が220〜280であることが特に好ましい。
好ましいちょう度である180〜360の値を得るためには、親水性シリカの添加量が、グリース組成物の全体重量に対して、好ましくは4〜20質量%である。親水性シリカの添加量が4質量%未満では、混和ちょう度が360以上となる傾向にあり、一方、親水性シリカの添加量が20質量%以上では、混和ちょう度が180未満となる。
親水性シリカの一次平均粒径は5〜40nmであることが好ましく、より好ましくは7〜20nmである。親水性シリカの一次平均粒径が5nm未満では、均一な粒度分布を持ったものが入手しにくく、親水性シリカの安定した効果が得られない。親水性シリカの一次平均粒径が40nmを超えると、比表面積が大きくなり増ちょう効果が得られ難くなり、混和に必要な混和ちょう度を得るために添加量が増大し、その増大分、グリース組成物の全体に占める基油の重量が減少し、軸受の耐久性や音響・振動特性に影響を及ぼす。
親水性シリカの比表面積は、40〜400m2/gであり、より好ましくは90〜380m2/gである。比表面積が40m2/gであると、増ちょう作用が弱くグリースが得にくい。一方、比表面積が400m2/gを超えると、グリースの流動性が悪くなり、好ましくない。
親水性シリカの具体例としては、degussa社のAEROSIL130(一次平均粒径19nm、比表面積130m2/g)、AEROSIL150(一次平均粒径14nm、比表面積150m2/g)、AEROSIL200(一次平均粒径12nm、比表面積200m2/g)、AEROSIL300(一次平均粒径7nm、比表面積300m2/g)、AEROSIL380(一次平均粒径7nm、比表面積380m2/g)、AEROSIL90(一次平均粒径20nm、比表面積90m2/g)、AEROSILOX50(一次平均粒径40nm、比表面積50m2/g)等を挙げることができる。
グリース組成物の好ましい態様として、基油はエーテル油からなり、エーテル油の粘度が22〜380mm2/sのアルキルジフェニルエーテルである。親水性シリカと組み合わせた場合の基油としては、音響特性の観点から、エステル油よりもエーテル油が優れている。エーテル油であるか、基油中においてエーテル油を高い比率で含有したものが好ましい。エステル油は同粘度のエーテル油と比較して低温潤滑性が良好であることから、低温潤滑性を重視する場合には、基油としてエステル油を使用するか、基油中においてエステル油が高い比率で含有されたものを使用することができる。
グリース組成物の好ましい態様では、親水性シリカとして、一平均粒径が異なる2群以上のものを採用する。たとえば、微細シリカ(平均粒径10nmを超えて40nm以下と、超微細シリカ(5−10nm)である。このように、粒度分布の異なる親水性シリカを併存させることにより、粒子同士の凝集が少なく、適度な流動性が得られると考えられる。この場合、親水性シリカの平均粒径の差は、5nm以上であることが好ましい。
平均粒計の異なる各群の添加比率は、重量比で2:8〜8:2であることが好ましく、より好ましくは4:6〜6:4である。さらに、親水性シリカの平均粒径が異なる3群以上のものを併用しても良い。
さらに、グリース組成物に添加剤等を適用することができる。主な添加剤としては、酸化防止剤、極圧剤、油性剤、防錆剤、金属腐食防止剤、粘度指数向上剤、着色剤等がある。
グリース組成物の製造方法は、特に限定されないが、所定の基油と、増ちょう剤である親水性シリカとを攪拌混合するなどして製造する。必要に応じて、攪拌混合時に加熱したり、グリースを濾過するなどしてもよい。
なお、親水性シリカ−エステル油からなるグリース組成物は、高温高速性能のほか、生分解性にも優れている。エステル油として、生分解性の高い油を、そして、添加剤は、より毒性の低いものを選定することが良い。
既述のグリース組成物が適用される好適な転動装置は、シール若しくはシールド付の転がり軸受が提供される。転動体と内外輪との間の領域にグリースが封入される。この転がり軸受は、自動車の電装補機あるいはエンジン補機用として好適に使用される。
以下に示す実施例及び比較例は例示的なものであり、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を最大限に実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
実施例
[試験用グリースの作成]
図1に示す組成にて試験用グリースを調整した。具体的には、増ちょう剤成分と、基油をステンレス容器に所定量を計りとり、60〜80℃に加熱しながら攪拌した。さらに、所定量の酸化防止剤(バンダービルド社製VL−81とチバガイギー製イルガノックスL−106)を加え、攪拌しながら室温まで冷却した。その後、3本ロールミルに3回通し、10μmの孔径のステンレス製焼結フィルター(SMC社製)で濾過し、遠心式脱泡装置にて脱泡処理をして試験用グリースとした。なお、比較例6以外は、酸化防止剤として、VL−81とL−106を各質量%含有する。市販グリースは、協同油脂(株)マルテンプET100Kを利用した。
[試験用グリースの作成]
図1に示す組成にて試験用グリースを調整した。具体的には、増ちょう剤成分と、基油をステンレス容器に所定量を計りとり、60〜80℃に加熱しながら攪拌した。さらに、所定量の酸化防止剤(バンダービルド社製VL−81とチバガイギー製イルガノックスL−106)を加え、攪拌しながら室温まで冷却した。その後、3本ロールミルに3回通し、10μmの孔径のステンレス製焼結フィルター(SMC社製)で濾過し、遠心式脱泡装置にて脱泡処理をして試験用グリースとした。なお、比較例6以外は、酸化防止剤として、VL−81とL−106を各質量%含有する。市販グリースは、協同油脂(株)マルテンプET100Kを利用した。
また、図1の組成中に示す親水性シリカは、前述のエアロシリーズのエアロジルの品番を、1次粒径のカラムの左上に示す。たとえば、実施例1の増ちょう剤の1次粒径の左上の300は、「エアロジル300」を表す。さらに、図1中のアルキルジフェニルエーテル油は、松村石油研究所のLB−100を使用し、トリメリットエステル油は旭電化T−90を使用し、疎水性MgOは宇部興産のマグネシア1000Aを使用し、フッ素油はダイキン(株)デムナムS−100を使用した。
[音響試験]
図2は、本発明に係るグリース組成物の音響試験に供した、シール付深溝玉軸受の概略図である。この玉軸受10は、内輪11と、外輪12との間に保持器13を介して複数の転動耐である玉14を、略等間隔で回転自在に保持して構成される。さらに、内輪11、外輪12及び玉13で形成される空所Sに後述するグリース組成物を、所定量充填した。そして、シール15で封止して、グリース組成物の試験に供した。
[音響試験]
図2は、本発明に係るグリース組成物の音響試験に供した、シール付深溝玉軸受の概略図である。この玉軸受10は、内輪11と、外輪12との間に保持器13を介して複数の転動耐である玉14を、略等間隔で回転自在に保持して構成される。さらに、内輪11、外輪12及び玉13で形成される空所Sに後述するグリース組成物を、所定量充填した。そして、シール15で封止して、グリース組成物の試験に供した。
内径17mm、外径47mm、幅14mmの接触ゴムシール付深溝玉軸受に、軸受内部空間容積の30%を占めるようにグリースを封入し、予圧荷重49N、回転速度1800rpmにて1分間ならし回転後、アンデロン値のハイバンドの測定を行った。試験個数は4個であり、平均値を持って評価した。
[高温焼き付き寿命試験]
図3に概要を示す軸受焼き付け試験装置にて試験を行った。試験軸受は、音響試験後、軸受を用いた。試験装置は、回転軸20を一対の支持軸受22にて支持し、それらの中間部に試験軸受21を装着する、試験軸受のハウジング部にはヒータと熱電対が装着され、試験中の試験軸受の外輪外径部の温度の制御と測定ができる。支持軸受の一方には、カップリングを介して、回転駆動用のモータ(不図示)が取り付けられている。試験は、回転速度20000rpm、ラジアル荷重のみ686N、外輪外径部温度200℃にて行った。焼き付けの判定は、外輪外径部温度が制御不能となり、220℃以上の状態1分以上継続した場合、若しくは回転トルクが急上昇し、駆動モータの定格電流を越える状態となった場合とした。試験固体は各条件4個であり、平均値をもって評価した。
[高温焼き付き寿命試験]
図3に概要を示す軸受焼き付け試験装置にて試験を行った。試験軸受は、音響試験後、軸受を用いた。試験装置は、回転軸20を一対の支持軸受22にて支持し、それらの中間部に試験軸受21を装着する、試験軸受のハウジング部にはヒータと熱電対が装着され、試験中の試験軸受の外輪外径部の温度の制御と測定ができる。支持軸受の一方には、カップリングを介して、回転駆動用のモータ(不図示)が取り付けられている。試験は、回転速度20000rpm、ラジアル荷重のみ686N、外輪外径部温度200℃にて行った。焼き付けの判定は、外輪外径部温度が制御不能となり、220℃以上の状態1分以上継続した場合、若しくは回転トルクが急上昇し、駆動モータの定格電流を越える状態となった場合とした。試験固体は各条件4個であり、平均値をもって評価した。
図4及び図5は、本発明による代表的な実施例の結果を示す図である。より具体的には、図4は、本発明による実施例1における、基油粘度のみを変化させたときの焼く付き耐久寿命の結果を示す図である。
図4に示す結果から、40℃における基油粘度が、20〜400mm2/sであるとき、焼く付き耐久時間が400時間以上であり、良好な耐久性を示した。
図5は、本発明の実施例6における増ちょう剤の量を変化させたときの混和ちょう度の結果を示す図である。図5に示す結果から、増ちょう剤の添加重量が、グリース組成物の全重量に対して4〜20重量である場合に、混和ちょう度が180〜360である。かかる場合に、本発明に係るグリース組成物は良好な流動性を示すことが判明した。
10 玉軸受、11 内輪、12 外輪、13 保持器、14 玉(転動体)
Claims (7)
- 基油がエステル油とエーテル油の少なくとも一つと、増ちょう剤としての親水性シリカ微粒子と、を含む転がり軸受用グリース組成物。
- 前記親水性シリカを4〜20質量%含有し、前記組成物混和ちょう度が180〜360である、請求項1記載の組成物。
- 前記親水性シリカの一次平均粒径が5〜40nmである、請求項1又は2記載の組成物。
- 前記基油がエーテル油であり、このエーテル油が基油粘度20〜400mm2/sのアルキルジフェニルエーテルからなる、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の組成物。
- 前記親水性シリカが、一次平均粒径の異なる複数の群にそれぞれ属する親水性シリカの混合物からなる請求項1乃至4の何れか一項記載の組成物。
- 請求項1乃至5の何れか一項記載の組成物により潤滑されてなる転がり軸受。
- 請求項6記載の転がり軸受に回転部材が支持されてなる自動車用補機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003290681A JP2005060482A (ja) | 2003-08-08 | 2003-08-08 | 転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2005060482A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009125653A1 (ja) | 2008-04-08 | 2009-10-15 | Ntn株式会社 | グリース封入外輪回転用転がり軸受 |
JPWO2013038920A1 (ja) * | 2011-09-14 | 2015-03-26 | 株式会社ニッペコ | シリコーン系潤滑油組成物及びそれを含浸させた焼結含油軸受 |
JP2019038894A (ja) * | 2017-08-23 | 2019-03-14 | 協同油脂株式会社 | グリース組成物 |
-
2003
- 2003-08-08 JP JP2003290681A patent/JP2005060482A/ja active Pending
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US8334241B2 (en) | 2008-04-08 | 2012-12-18 | Ntn Corporation | Grease-sealed rolling bearing with rotary outer race |
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