JP2005052998A - インクジェットプリンター用ターポリンシート - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットプリンターで出力するときに、送りローラー周辺部でトラブルが発生せず、垂れ幕として使用するときに、折れ筋、皺等が寄らないインクジェットプリンター用ターポリンシートを提供する。
【解決手段】表裏面がPVCシートであるターポリン原反の片面に、インク吸収層を積層したシートであって、質量が700g/m2以下であり、かつ、シートの45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であり、かつ、上から300gの重り、アルミ板、前記シート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりで前記シートを引っ張ったときに、シートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるインクジェットプリンター用ターポリンシート。
【選択図】図4
【解決手段】表裏面がPVCシートであるターポリン原反の片面に、インク吸収層を積層したシートであって、質量が700g/m2以下であり、かつ、シートの45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であり、かつ、上から300gの重り、アルミ板、前記シート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりで前記シートを引っ張ったときに、シートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるインクジェットプリンター用ターポリンシート。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンター用の記録材として用いられ、そのプリント品が広告用や装飾用の看板、垂れ幕、懸垂幕として用いられるインクジェットプリンター用ターポリンシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
広告業界において水性顔料系インクジェットプリンターで使用される記録材としては、PVC、合成紙、紙、オレフィン系フィルム等からなる基材シートに、裏面には粘着剤、及び、紙、PETフィルム等からなるセパレーターをこの順に積層し、表面にはインク吸収層を設けた記録材の他に、PVC/布/PVC、PE/布/PE、PP/布/PP等の3層構造をもつターポリンを基材シートとし、表面にインク吸収層をもつターポリンシートを挙げることができる。
【0003】
ターポリンシートに印刷が施されたプリント品は懸垂幕、垂れ幕等の広告宣伝用媒体として使用される。懸垂幕、垂れ幕に用いる場合は、シートに強度が要求されることから、ターポリンシートの中間層に織布を用いるのが一般的である。当該織布に使用する糸の太さは250デニール×250デニール〜500デニール×500デニールで、糸の打ち込み本数は20〜30本/インチであるのが一般的である。
【0004】
インクジェットプリンターを用いてこれらの記録材上に出力するときは、記録材であるシートはプリンターに設置されている送りローラーで流れ方向に順次送られていくが、プリンターの送りローラー周辺部とシート裏面との滑りが悪い場合や、シートに適正な腰がない場合は、送りローラー部分でシートが盛り上がり、盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触したり、パソコンで作成した画像データが寸法通りに出力できない等の不具合が発生する。
【0005】
盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触した場合は、接触した部分に不要なインクが付着したり、ヘッドが動く幅方向に筋が発生したりする。また、シートの盛り上がりが大きい場合は、ヘッドがシートに引っかかって強制的にプリントが中止されてしまう。
また、シートが重すぎる場合も送りローラーでシートを適正に送ることができないという不具合が発生する。
【0006】
記録材が粘着剤層をもつ場合は最下層にセパレーターが積層されているが、セパレーターに一般的に使用される素材は紙やPETフィルムである。これらの素材は、送りローラー周辺部の金属板との滑り性が良好であるとともに腰があることから、基材シートに柔らかいPVC、オレフィン系フィルム等が用いられた場合でも、送りローラー部分でシートが盛り上がることなく、パソコンで作成したデータ通りの寸法でプリントすることができる。
【0007】
これに対して、ターポリンシートの場合は、裏面に粘着剤層を設けることはなく、最終用途においてはシートに柔らかさが必要とされることから、軟質系プラスチックであるPVC、PP、PE系樹脂からなるフィルムが使用される。しかしながら、これらのPVC、PP、PE系樹脂フィルムと送りローラー周辺部の金属板との滑り性は素材の性質上悪いことからターポリンシートをインクジェットプリンターでプリントするときは、送りローラー部分でシートが盛り上がり、盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触したり、パソコンで作成した画像データが寸法通りに出力できない等の不具合が発生していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、インクジェットプリンターで出力するときに、送りローラー周辺部でシートの浮き、盛り上がり、皺等が発生せず、パソコンで作成したデータ通りの寸法で出力でき、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用するときに軽微な外力によってシートに折れ筋、皺等が寄らないインクジェットプリンター用ターポリンシートを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、PVCシート、織布、及び、PVCシートがこの順に積層してなるターポリン原反の片面に、インク吸収層、又は、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層してなるインクジェットプリンター用ターポリンシートであって、質量が700g/m2以下であり、かつ、シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であり、かつ、上から300gの重り、アルミ板、前記インクジェットプリンター用ターポリンシート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりで前記インクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、前記インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるインクジェットプリンター用ターポリンシートである。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、ターポリン原反の片面に、インク吸収層、又は、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層してなるものである。ターポリン原反の片面に、インク吸収層が積層しているものは、図1にその断面を示したような構造を有し、ターポリン原反の片面に、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層しているものは、図2にその断面を示したような構造を有する。
上記ターポリン原反は、図3に示すように、PVCシート、織布、及び、PVCシートがこの順に積層してなるものである。
【0011】
上記PVCシートは、平均重合度が1000〜1500であるPVC100重量部と、及び、モジュラス換算で30〜80重量部の可塑剤とを含有するシート材料からなるものであることが好ましい。可塑剤を30〜80重量部含有することにより、PVCシートが適度な硬さを有する。
PVCの平均重合度が1000未満であるか、又は、可塑剤含有量が80重量部を超えると、上記織布が適正な強度を有するものであってもPVCシートのモジュラスが低すぎるために、得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートにプリントすると、送りローラーと接触する部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分との応力差が発生することによって、斜め方向にシートが伸びてしまい、その結果、シートがプリンターから浮いて盛り上がってくるという不具合が発生する。このため、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触し、引っかかる等の不具合が発生する。
PVCの平均重合度が1500を超えると、PVCシートを成形する工程においてシート材料の流動性が悪くなることから加工性に劣り、外観不良が発生する。可塑剤含有量が30重量部未満であると、得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートを取扱う際に、シートが折れたり等すると折れ痕が残ったり、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用する際に風等でなびくと折れ痕が残る等の外観上の不具合が発生する。
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)が好適に用いられる。
【0012】
上記PVCシートの厚みは、100〜200μmであることが好ましい。100μm未満であると、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートに腰がなく、200μmを超えると、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートが重くなりすぎる。
【0013】
上記織布としては、250〜500デニールの太さの糸を使用し、1インチあたりの打ち込み本数が流れ方向及び幅方向ともに18〜28本/インチであるものが好適に用いられる。打ち込み本数が18本未満であると、PVCシートが適度な硬さを有していても、間に挟まっている織布の糸と糸との間隔が広いので、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートの斜め方向45°の5%モジュラスが不充分となる。一方、28本を超えると、2枚のPVCシートの間に織布を挟み込んだときに、PVCシート同士の接着面積が少なくなり、PVCシート間の接着強度が弱くなる。
【0014】
上記インク吸収層は、例えば、ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
【0015】
上記ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂(以下、吸収性ポリウレタン樹脂ともいう)は、ポリエチレンオキサイドの存在によって、水性インクと接触したときに該インク中の溶媒成分を吸収すると同時に膨潤する。即ち、上記吸収性ポリウレタン樹脂は、単なる吸収機能ではなく、膨潤機能を有する。
【0016】
上記インク吸収材が水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する機能だけしか有しない場合は、上記インク吸収層に水性インクが接触すると、インク中の着色成分(顔料、染料)が溶媒成分と共にインク吸収層の表面に沿って浸透して水平に広がっていくとともに、その表面から内部に垂直に浸透していく。このような吸収機能が強すぎる場合には、着色成分が水平方向及び垂直方向に滲むことによって、得られたプリント品は鮮やかさに欠けることになる。
【0017】
一方、上記インク吸収材の吸収機能が弱いと、上記の滲みの問題は避けられるが、水性インク中の溶媒成分の吸収が不充分になるため、乾燥が遅くなる。このため、印刷後の経過時間が短い場合には、未乾燥のインクが流れたり、手についたり、印刷面に他の物を重ねたときにインクが当該他の物に転写され易くなり、作業性が悪く、良好な仕上がりを得ることが難しくなる。また、多色印刷の場合は、1色目のインクと2色目のインクとが混ざり合って滲み易く、仕上がりが悪くなる。
【0018】
これに対して、上記吸収性ポリウレタン樹脂はポリエチレンオキサイドにより水性インクに含まれる溶媒成分を吸って膨潤する機能を与えられているので、水性インクが上記インク吸収材に接触すると、インク吸収材に溶媒成分が吸収されて比較的速やかに乾燥するとともに、インク吸収材は膨潤することによってインク接触部位に溶媒成分を保持しようとするので、溶媒成分が該接触部位から周囲に広がっていくことはない。従って、着色成分の滲みを少なくすることができ、インク濃度の低下を防止できる。
【0019】
上記吸収性ポリウレタン樹脂に、更に、吸収剤を加えることにより、上記ポリエチレンオキサイドによる吸収が補助又は促進され、インクの乾燥性及びインクの定着性が向上する。
上記吸収剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤が好適に用いられる。
【0020】
上記シリカ(二酸化ケイ素)としては特に限定されないが、含水無晶形で粒径20〜30nm程度の球形の1次粒子が、2次的、3次的に凝集して1つの粒子をつくっている、比表面積、細孔容積の大きなものが、インク吸収材の吸収性向上の観点から好ましい。
上記シリカの大きさとしては、平均粒径が1〜15μm程度であることが好ましい。1μm未満であると、比表面積及び細孔容積が充分に大きくなく、15μmを超えると、均一に分散させることが困難になる。平均粒径のより好ましい上限は10μm程度である。
【0021】
上記吸収性ポリウレタン樹脂とシリカとを含有するインク吸収材からなるインク吸収層に水性インクで印刷を行なうと、上記吸収性ポリウレタン樹脂の吸収・膨潤作用に加えて、シリカの有する比表面積及び細孔容積が大きいという構造上の特性によって、水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する能力が高まり、インクの乾燥性が向上する。しかも、シリカの細孔内に水性インク中の着色成分が捕捉されるため、着色成分が必要以上に周囲に浸透していくことが防止され、鮮やかなプリント品が得られる。
【0022】
上記炭酸カルシウムは、樹脂溶液と混和性がよいので、炭酸カルシウムを含有するインク吸収材をバーコーター、グラビアコーター等によってコーティングした場合に塗膜(インク吸収層)の平滑性を損なわない。しかも、炭酸カルシウムは、平均粒径が0.1〜3μmと小さいため均一に分散し易いので、得られるインク吸収層は水性インクの吸収むらが実質的にないものになり、一定のインク濃度を有する印刷物が得られる。
【0023】
上記架橋アクリル酸塩は、ポリマーの長い鎖同士がところどころ結合して三次元網目構造を形成したものであり、吸収作用を有する。すなわち、この架橋アクリル酸塩は、溶媒成分を含んでいないときは収縮して全体が密になっているが、上記鎖は多くの親水基(カルボキシル基)を有するため、水中に入れると水に溶けようとして広がりはじめる。上記親水基はその電荷がマイナス側に片寄っているため、親水基同士が反発し、それによって広がりが更に助長される。しかし、上記架橋アクリル酸塩は、三次元網目構造を有するため、ある程度膨潤して広がるとそれ以上は広がらず、網目構造中に溶媒成分を閉じ込めた状態になる。
上記架橋アクリル酸塩は、通常10〜50μm程度の粒径を有する。
【0024】
このような架橋アクリル酸塩と上記吸収性ポリウレタン樹脂とを含有するインク吸収材からなるインク吸収層に水性インクで印刷を行なうと、上記吸収性ポリウレタン樹脂の吸収・膨潤作用に加えて、架橋アクリル酸塩の吸収・膨潤作用によって水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する能力が高まり、インクの乾燥性が向上する。しかも、架橋アクリル酸塩を含有することによってインク吸収層の表面に微細な凹凸ができ、この微細な凹凸によって水性インク中の着色成分が捕捉され、着色成分が必要以上に周囲に浸透していくことが防止され、鮮やかなプリント品が得られる。
【0025】
上記シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩の含有量は、上記吸収性ポリウレタン樹脂100重量部に対して、30〜500重量部であることが好ましい。30重量部未満であると、インクの乾燥性及びインクの滲み防止効果が不充分であり、500重量部を超えると、上記吸収剤がシリカである場合は上記インク吸収材をターポリン原反に塗工した場合の接着性が損なわれ、上記吸収剤が炭酸カルシウム又は架橋アクリル酸塩である場合は炭酸カルシウム又は架橋アクリル酸塩の分散不良を招き易くなり、インク吸収層の表面の状態が悪くなる。
【0026】
上記インク吸収層の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μm未満であると、上記インク吸収材に水性インクを確実に吸収させて乾燥・定着させることが困難になる。一方、100μmを超えても乾燥速度や、塗工面の状態は変わらないので、100μmを超えると経済的に不利になる。
【0027】
上記インク吸収層表面層は、(A)ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなるか、又は、(B)ポリカーボネートポリオールをポリオール成分とし、脂肪族ポリイソシアネートをポリイソシアネート成分とするポリウレタン樹脂粒子の水性エマルジョンと、アセトアセチル化ポリビニルアルコールと、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
【0028】
上記インク吸収層表面層が上記(A)の態様である場合、用いるインク吸収材は上記インク吸収層に対して用いるものと同様なものである。
【0029】
上記インク吸収層表面層が上記(B)の態様である場合、ポリウレタン樹脂粒子の水性エマルジョンを含有するインク吸収材がインク吸収層中間層の表面に塗工され、乾燥してインク吸収層表面層が形成されるが、この際、インク吸収層表面層中にポリウレタン樹脂粒子により多数の微細な細孔を有する多孔質構造が形成される。この多孔質構造中にインクに含まれる溶媒が吸収されるので、インク吸収性と乾燥性とが向上する。
【0030】
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。脂肪族ポリイソシアネートをポリイソシアネート成分とすることにより、インク吸収層表面層が耐光性に優れるものとなる。尚、本発明の効果を損なわない範囲で3価以上のポリイソシアネートを併用することもできる。
上記ポリウレタン樹脂粒子の平均粒径は3.0μm以下であることが好ましい。3.0μmを超えると、水性エマルジョンの安定性が充分でないうえに、形成されるインク吸収層表面層において、多孔質構造の空隙率が高すぎて、被膜強度が弱くなるとともに、インクに含まれる着色成分が吸収されてしまうので、発色が悪くなる。
【0031】
上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールを反応させて得られるアセタール化ポリビニルアルコールの1種である。
ポリビニルアルコールは、水溶性であるので、これをインク吸収層表面層中に配合すれば、水性インクの吸収性には優れるが、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートを水に浸漬すると、インク吸収層表面層からポリビニルアルコールが抽出されて、インク吸収層表面層が粗面となり、印刷像が破壊される。また、透明粘着剤付きの透明樹脂フィルムをプリント面にラミネートする場合においても、インク吸収層表面層と透明粘着剤層との間に水が侵入すると、層間の接着強度が低くなり、容易に剥離するので、看板に施工した場合は、雨、風によって最上層の透明樹脂フィルム層が剥がれやすくなる。
【0032】
これに対して、上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールはポリビニルアルコールのインク吸収性を保持し、水性インクに対する吸収性、膨潤性を有し、横方向への滲みを防ぐとともに、乾燥性に優れるうえに、アセトアセチル化されているために水に不溶性であるので、得られたインク吸収層表面層は水に溶解せず、耐水性に優れる。
【0033】
上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールの含有量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して10〜500重量部であることが好ましい。10重量部未満であると、形成されるインク吸収層表面層が充分なインク吸収性と乾燥性とを持たず、画像が滲むとともに、乾燥に長時間を要することになる。一方、500重量部を超えると、アセトアセチル化ポリビニルアルコールに起因する吸収性と膨潤性とが過度になり、得られた画像が水に浸漬すると、被膜強度が低下し、場合によっては、インク吸収層表面層の破壊に至り、結果として印刷像が破壊される。
【0034】
上記吸収剤としては、シリカ及び炭酸カルシウムが好適に用いられる。上記シリカや炭酸カルシウムとしては、上記インク吸収層において用いられるものと同様なものを用いることができる。
上記シリカや炭酸カルシウムを、上記ポリウレタン樹脂及び上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールからなる樹脂溶液中に添加し、攪拌すると、樹脂溶液中で均一に分散し、これを塗工した場合に形成されるインク吸収層表面層中でも均一に分布する。シリカ又は炭酸カルシウムを含有するインク吸収層表面層は、上記ポリウレタン樹脂のみからなるインク吸収層表面層よりも、更に多数の細孔を有する多孔質構造をとり、空隙容積も大きくなる。この空隙部分には、水性インクに含まれる溶媒成分を吸収するとともに、着色成分を保持(定着)する機能があることから、シリカ又は炭酸カルシウムがインク吸収層表面層中に均一に分布することによって、インク吸収性と乾燥性とが更に良好になる。
【0035】
上記シリカ及び炭酸カルシウムの含有量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、5〜500重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、インク中の溶媒成分、着色成分の吸収力が弱くなり横方向にインクが滲むとともに乾燥に要する時間が長くなる。また、光を透過させた場合の発色性が悪くなる。一方、500重量部を超えると、インク吸収層表面層の被膜強度が弱くなり、インク吸収層中間層との接着強度が弱くなるとともに、看板等に施工した場合は、粘着剤付きの透明樹脂フィルムが剥離することがある。
【0036】
上記インク吸収層表面層の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μm未満であると、インク中の溶媒成分、着色成分の吸収力が弱くなり横方向にインクが滲むとともに乾燥に要する時間が長くなる。また、光を透過させた場合の発色性が悪くなる。一方、100μmを超えると、被膜強度が弱くなり、爪等による引掻きでインク吸収層表面層が剥がれたりすることがある。
【0037】
上記インク吸収層中間層は、(1)インク吸収層表面層のインクの吸収性能を補い、(2)ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着力を向上させ、(3)インク吸収層表面層の製膜工程でコーティング法による塗工時にヌレ性を付与させるために設けられる。
【0038】
上記インク吸収層中間層は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂等を挙げることができる。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂等を挙げることができる。
上記ポリウレタン系樹脂やアクリル系樹脂はターポリン原反の表面(PVCシート)との接着性に優れている。
【0039】
上記吸収剤としては、シリカ及び炭酸カルシウムが好適に用いられる。上記シリカや炭酸カルシウムとしては、上記インク吸収層において用いられるものと同様なものを用いることができる。
上記シリカ及び炭酸カルシウムは、インク吸収力に優れ、また、ヌレ性を発現することができる。
上記シリカ及び炭酸カルシウムの含有量は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂100重量部に対して、1〜500重量部であることが好ましい。1重量部未満であると、インク吸収力及びヌレ性が充分ではなく、500重量部を超えると、インク吸収層中間層の膜強度が弱くなり、ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着が不充分となる。
【0040】
上記インク吸収層中間層の厚みは、0.2〜50μmであることが好ましい。0.2μm未満であると、中間層の厚みが薄すぎるためにターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層との接着面積が低下し、充分な接着強度が得られにくく、また、生産上、均一な塗膜を形成するのが難しい。一方、50μmを超えると、インク吸収層中間層の膜強度が弱くなり、ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着が不充分となる。
【0041】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、質量が700g/m2以下であるものである。700g/m2を超えると、インクジェットプリンターの送りローラーがもつ性能以上の荷重となり、送りローラー部分でシートが滑ることによって適正にシートを送れなかったり、送りローラーと接触した部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分が送られないためにシートが盛り上がる等して、その結果、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触したり、引っかかる等の不具合が発生する。
【0042】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であることが好ましい。なお、5%モジュラスはJIS Z 0237に準拠して測定され、測定温度は23±2℃である。
【0043】
インクジェットプリンター用ターポリンシートをプリンターで送るときに、送りローラーと接触している部分としていない部分との両方において、応力はシートの流れ方向に対して約45°の方向にかかるが、ターポリン原反中の織布の糸の配列が、シートの流れ方向及び幅方向に碁盤目状になっていることから、流れ方向及び幅方向へのモジュラスは高いものの、斜め方向のモジュラスは低くなっている。このため、45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm未満であると、送りローラーと接触する部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分との応力差が発生することによって、斜め方向にシートが伸びてしまい、その結果、シートがプリンターから浮いて盛り上がってくるという不具合が発生する。このため、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触し、引っかかる等の不具合が発生する。
【0044】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、上から300gの重り、アルミ板、インクジェットプリンター用ターポリンシート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりでインクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるものである。送りローラーでインクジェットプリンター用ターポリンシートを送る力はインクジェットプリンターの性能上制約されているので、インクジェットプリンター用ターポリンシートの質量が700g/m2以下であっても、インクジェットプリンター用ターポリンシートでは、送りローラーに接触している部分と接触していない部分とで、シートの送られる力に差が生じることから、シートの滑り性が悪くなると、浮き、盛り上がりの現象が発生する。良好にシートを送り出すには、シートの質量が700g/m2以下であることに加え、シートが適度な滑り性を有することが必要になるが、上記荷重を測定することにより、シートのプリンターに接触した部分の滑り性を評価することができ、シート裏面の滑り性がよければ、浮きや、皺を抑制することができる。なお、重りの質量を300gとしたのは、100、200、300gの荷重にてテストを行った結果、300g荷重で評価を行なった場合に、得られる結果の精度に優れ、相関がとれるからである。
【0045】
インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mmを超えると、ガラス板とシート裏面との滑り性が悪いことから、インクジェットプリンター本体とシートとが接触している部分の滑り性が不充分となる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
<実施例1>
平均重合度1300のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に、可塑剤DOP40重量部と共に、安定剤としてCa−Zn系安定剤1.0〜3.0重量部及び/又はBa−Zn系安定剤1.0〜3.0重量部と、酸化チタン顔料(白色顔料)10〜35重量部を配合してなるシート材料をカレンダー加工法によって成形し、厚み150μmのポリ塩化ビニル樹脂シート(PVCシート)を得た。
【0048】
上からPVCシート/織布(糸の太さ500×500デニール)/PVCシートの順に積層し、熱ラミネーター機によって3層ラミネートをして接着、冷却した後に、得られたターポリン原反を巻き取った。
【0049】
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学社製、パンデックスT−5265)100重量部に対して、溶剤としてメチルエチルケトンを400重量部、シリカ(塩野義製薬社製、カープレックスBS―312AM、平均粒径7.2μm)を20重量部配合して、インク吸収層中間層用のインク吸収材を調製した。このインク吸収材を上記ターポリン原反のPVCシート面に塗工し、乾燥させて、厚み10μmのインク吸収層中間層を形成した。
【0050】
次に、ポリウレタン樹脂水性エマルジョン(大日本インキ化学工業社製、ボンディック2250、ポリカーボネートポリオールと、脂肪族イソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂の水性エマルジョン、樹脂粒径0.2μm)を樹脂分が100重量部になるように配合し、これにアセトアセチル化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、Z―200)を固形分で100重量部加え、攪拌、混合し、更に炭酸カルシウムを5重量部加え、攪拌、混合してインク吸収層表面層用のインク吸収材を調製した。
【0051】
このインク吸収層表面層用のインク吸収材を上記インク吸収層中間層の上に塗工し、乾燥させて、厚み30μmのインク吸収層表面層を積層したインクジェットプリンター用ターポリンシートを得た。
【0052】
<実施例2〜5、比較例1〜9>
表1及び表2に記載した構成・組成で、ターポリン原反を作成し、各インク吸収材を調製し塗工したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリンター用ターポリンシートを作製した。
【0053】
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートについて、(1)質量、(2)シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラス、及び、(3)滑り性を測定した。上記(2)の5%モジュラスはJIS Z 0237に準拠して測定し、上記(3)滑り性としては、図4に示すように、上から300gの重り(分銅)3、60×100mmのアルミ板4、25×100mmのインクジェットプリンター用ターポリンシート1、及び、100×200mmのガラス板5を積み重ねて、バネばかりでインクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重を測定し評価した。
【0054】
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートについて、更に、(4)印刷時のシートの搬送性、(5)印刷性(インクの吸収力、乾燥性、反射光での発色性)、(6)耐水性、(7)折れ痕、(8)インク吸収層表面層、インク吸収層中間層、及び、ターポリン原反の接着強度、(9)滲み、を下記の様にして評価した。結果を表1及び表2に示した。
【0055】
(4)印刷時のシートの搬送性
(4)−1 測定方法
水性顔料インクを用いるフルカラーインクジェットプリンターJV−2(ミマキエンジニアリング社製)にて、各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートのインク吸収層表面層にインク噴射量C100%、M100%、Y100%、M100%、CM200%、CY200%、MY200%、CMY300%、CMYK400%で、1000mm×300mmの四角形をベタ印刷して、印刷時におけるシートの搬送性(送りローラー部で浮き、皺がないか)、インク吸収性、及び、乾燥性を目視とノギスを用いて測定した。
【0056】
なお、上記において、例えばインク噴射量C100%とは、青色(シアン、C)インク用のインクヘッドから噴射することができる最大のインク量を噴射して印刷を行ったことを意味する。また、CMYK400%とは、青色(シアン、C)、赤色(マゼンタ、M)、黄色(イエロー、Y)、黒色(ブラック、K)をそれぞれ最大に噴射した場合の100%×4色=400%で印刷したことを意味する。
【0057】
(4)−2 判定方法
インクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング社製、JV−2)でプリントしたときに、適正にシートが送られている場合は○と評価し、送りローラー周辺部でシートの盛り上がりが発生したり、プリンターヘッドがシートに接触、引っかかり等が発生したりした場合は×と評価した。
【0058】
(5)印刷性(インクの吸収力、乾燥性、反射光での発色性)
(インクの吸収力)
上記のようにして印刷した四角形の縦、横の寸法が、21mm×21mm以内である場合を○、印刷した四角形の一辺でも21mmを超える場合を×とした。
【0059】
(乾燥性)
上記CMYK400%の印刷物の乾燥時間が10分以内である場合を○、10分を越える場合を×とした。
【0060】
(発色性)
上記のようにして作成したプリント品を目視にて判定し、インクの色濃度が鮮明である場合を○、不鮮明である場合を×とした。
【0061】
(6)耐水性
上記のようにして作成したプリント品を40℃の温水の中に7日間浸漬し、取り出した後の外観変化を目視にて判定した。外観変化がない場合を○、インクの流れ、インク吸収層の外観に変化がある場合を×とした。
【0062】
(7)折れ痕
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートの1部分を軽く折り曲げた後に折れ痕が残っているかどうかを目視にて判定した。折れ痕が残っていない場合を○、残っている場合を×とした。
【0063】
(8)インク吸収層表面層、インク吸収層中間層、及び、ターポリン原反の接着強度
インク吸収層表面層の上に10mm幅のセロハンテープを貼り、その上で荷重3kgの送りローラーを10往復させた後で、温度23℃において、引張試験機にてセロハンテープを300mm/分で180°剥離して、セロハンテープとフィルムとの接着強度を測定した。接着力が150g/10mm幅以上のときは○、150g/10mm幅未満の場合を×とした。
【0064】
(9)滲み
1000mm×1000mmサイズの画像データを各インクジェットプリンター用ターポリンシートのインク吸収層表面層上にプリントした印刷物の寸法を1mm目盛りの定規で測定した。
画像データの寸法に対して差が±2%以内の場合を○とし、画像データの寸法に対して差が±2%を超える場合、及び、ヘッドに接触してプリントが中止となった場合を×とした。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
表1及び表2中の記載事項の補足説明を以下に記載した。
(1)インク吸収層表面層
ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂・・・サンプレンHMP―17A(三洋化成工業社製)
炭酸カルシウム・・・カルライトKT、白石中央研究所社製、平均粒径2.3μm
シリカ・・・カープレックスBS312AM、塩野義製薬社製、平均粒径7.2μm
【0068】
(2)インク吸収層中間層
ポリウレタン系樹脂・・・サンプレンHMP―17A、三洋化成工業社製
アクリル系樹脂・・・ラックスキン105、セイコー化成社製、溶剤系
シリカ・・・カープレックスBS312AM、塩野義製薬社製、平均粒径7.2μm
炭酸カルシウム・・・カルライトKT、白石中央研究所社製、平均粒径2.3μm
【0069】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、インクジェットプリンターで出力するときに、送りローラー周辺部でシートの浮き、皺等が発生せず、パソコンで作成した通りのサイズで出力でき、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用するときに軽微な外力によってシートに折れ筋、皺等が寄らないインクジェットプリンター用ターポリンシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターポリン原反の片面にインク吸収層が積層している態様のインクジェットプリンター用ターポリンシートの断面図である。
【図2】ターポリン原反の片面にインク吸収層中間層及びインク吸収層表面層がこの順に積層している態様のインクジェットプリンター用ターポリンシートの断面図である。
【図3】ターポリン原反の断面図である。
【図4】インクジェットプリンター用ターポリンシートの滑り性を評価するための積層体の正面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンター用ターポリンシート
2 ターポリン原反
3 300gの重り
4 アルミ板
5 ガラス板
11 PVCシート
12 織布
13 インク吸収層
14 インク吸収層表面層
15 インク吸収層中間層
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンター用の記録材として用いられ、そのプリント品が広告用や装飾用の看板、垂れ幕、懸垂幕として用いられるインクジェットプリンター用ターポリンシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
広告業界において水性顔料系インクジェットプリンターで使用される記録材としては、PVC、合成紙、紙、オレフィン系フィルム等からなる基材シートに、裏面には粘着剤、及び、紙、PETフィルム等からなるセパレーターをこの順に積層し、表面にはインク吸収層を設けた記録材の他に、PVC/布/PVC、PE/布/PE、PP/布/PP等の3層構造をもつターポリンを基材シートとし、表面にインク吸収層をもつターポリンシートを挙げることができる。
【0003】
ターポリンシートに印刷が施されたプリント品は懸垂幕、垂れ幕等の広告宣伝用媒体として使用される。懸垂幕、垂れ幕に用いる場合は、シートに強度が要求されることから、ターポリンシートの中間層に織布を用いるのが一般的である。当該織布に使用する糸の太さは250デニール×250デニール〜500デニール×500デニールで、糸の打ち込み本数は20〜30本/インチであるのが一般的である。
【0004】
インクジェットプリンターを用いてこれらの記録材上に出力するときは、記録材であるシートはプリンターに設置されている送りローラーで流れ方向に順次送られていくが、プリンターの送りローラー周辺部とシート裏面との滑りが悪い場合や、シートに適正な腰がない場合は、送りローラー部分でシートが盛り上がり、盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触したり、パソコンで作成した画像データが寸法通りに出力できない等の不具合が発生する。
【0005】
盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触した場合は、接触した部分に不要なインクが付着したり、ヘッドが動く幅方向に筋が発生したりする。また、シートの盛り上がりが大きい場合は、ヘッドがシートに引っかかって強制的にプリントが中止されてしまう。
また、シートが重すぎる場合も送りローラーでシートを適正に送ることができないという不具合が発生する。
【0006】
記録材が粘着剤層をもつ場合は最下層にセパレーターが積層されているが、セパレーターに一般的に使用される素材は紙やPETフィルムである。これらの素材は、送りローラー周辺部の金属板との滑り性が良好であるとともに腰があることから、基材シートに柔らかいPVC、オレフィン系フィルム等が用いられた場合でも、送りローラー部分でシートが盛り上がることなく、パソコンで作成したデータ通りの寸法でプリントすることができる。
【0007】
これに対して、ターポリンシートの場合は、裏面に粘着剤層を設けることはなく、最終用途においてはシートに柔らかさが必要とされることから、軟質系プラスチックであるPVC、PP、PE系樹脂からなるフィルムが使用される。しかしながら、これらのPVC、PP、PE系樹脂フィルムと送りローラー周辺部の金属板との滑り性は素材の性質上悪いことからターポリンシートをインクジェットプリンターでプリントするときは、送りローラー部分でシートが盛り上がり、盛り上がったシートにプリンターヘッドが接触したり、パソコンで作成した画像データが寸法通りに出力できない等の不具合が発生していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、インクジェットプリンターで出力するときに、送りローラー周辺部でシートの浮き、盛り上がり、皺等が発生せず、パソコンで作成したデータ通りの寸法で出力でき、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用するときに軽微な外力によってシートに折れ筋、皺等が寄らないインクジェットプリンター用ターポリンシートを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、PVCシート、織布、及び、PVCシートがこの順に積層してなるターポリン原反の片面に、インク吸収層、又は、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層してなるインクジェットプリンター用ターポリンシートであって、質量が700g/m2以下であり、かつ、シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であり、かつ、上から300gの重り、アルミ板、前記インクジェットプリンター用ターポリンシート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりで前記インクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、前記インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるインクジェットプリンター用ターポリンシートである。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、ターポリン原反の片面に、インク吸収層、又は、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層してなるものである。ターポリン原反の片面に、インク吸収層が積層しているものは、図1にその断面を示したような構造を有し、ターポリン原反の片面に、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層しているものは、図2にその断面を示したような構造を有する。
上記ターポリン原反は、図3に示すように、PVCシート、織布、及び、PVCシートがこの順に積層してなるものである。
【0011】
上記PVCシートは、平均重合度が1000〜1500であるPVC100重量部と、及び、モジュラス換算で30〜80重量部の可塑剤とを含有するシート材料からなるものであることが好ましい。可塑剤を30〜80重量部含有することにより、PVCシートが適度な硬さを有する。
PVCの平均重合度が1000未満であるか、又は、可塑剤含有量が80重量部を超えると、上記織布が適正な強度を有するものであってもPVCシートのモジュラスが低すぎるために、得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートにプリントすると、送りローラーと接触する部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分との応力差が発生することによって、斜め方向にシートが伸びてしまい、その結果、シートがプリンターから浮いて盛り上がってくるという不具合が発生する。このため、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触し、引っかかる等の不具合が発生する。
PVCの平均重合度が1500を超えると、PVCシートを成形する工程においてシート材料の流動性が悪くなることから加工性に劣り、外観不良が発生する。可塑剤含有量が30重量部未満であると、得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートを取扱う際に、シートが折れたり等すると折れ痕が残ったり、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用する際に風等でなびくと折れ痕が残る等の外観上の不具合が発生する。
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)が好適に用いられる。
【0012】
上記PVCシートの厚みは、100〜200μmであることが好ましい。100μm未満であると、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートに腰がなく、200μmを超えると、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートが重くなりすぎる。
【0013】
上記織布としては、250〜500デニールの太さの糸を使用し、1インチあたりの打ち込み本数が流れ方向及び幅方向ともに18〜28本/インチであるものが好適に用いられる。打ち込み本数が18本未満であると、PVCシートが適度な硬さを有していても、間に挟まっている織布の糸と糸との間隔が広いので、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートの斜め方向45°の5%モジュラスが不充分となる。一方、28本を超えると、2枚のPVCシートの間に織布を挟み込んだときに、PVCシート同士の接着面積が少なくなり、PVCシート間の接着強度が弱くなる。
【0014】
上記インク吸収層は、例えば、ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
【0015】
上記ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂(以下、吸収性ポリウレタン樹脂ともいう)は、ポリエチレンオキサイドの存在によって、水性インクと接触したときに該インク中の溶媒成分を吸収すると同時に膨潤する。即ち、上記吸収性ポリウレタン樹脂は、単なる吸収機能ではなく、膨潤機能を有する。
【0016】
上記インク吸収材が水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する機能だけしか有しない場合は、上記インク吸収層に水性インクが接触すると、インク中の着色成分(顔料、染料)が溶媒成分と共にインク吸収層の表面に沿って浸透して水平に広がっていくとともに、その表面から内部に垂直に浸透していく。このような吸収機能が強すぎる場合には、着色成分が水平方向及び垂直方向に滲むことによって、得られたプリント品は鮮やかさに欠けることになる。
【0017】
一方、上記インク吸収材の吸収機能が弱いと、上記の滲みの問題は避けられるが、水性インク中の溶媒成分の吸収が不充分になるため、乾燥が遅くなる。このため、印刷後の経過時間が短い場合には、未乾燥のインクが流れたり、手についたり、印刷面に他の物を重ねたときにインクが当該他の物に転写され易くなり、作業性が悪く、良好な仕上がりを得ることが難しくなる。また、多色印刷の場合は、1色目のインクと2色目のインクとが混ざり合って滲み易く、仕上がりが悪くなる。
【0018】
これに対して、上記吸収性ポリウレタン樹脂はポリエチレンオキサイドにより水性インクに含まれる溶媒成分を吸って膨潤する機能を与えられているので、水性インクが上記インク吸収材に接触すると、インク吸収材に溶媒成分が吸収されて比較的速やかに乾燥するとともに、インク吸収材は膨潤することによってインク接触部位に溶媒成分を保持しようとするので、溶媒成分が該接触部位から周囲に広がっていくことはない。従って、着色成分の滲みを少なくすることができ、インク濃度の低下を防止できる。
【0019】
上記吸収性ポリウレタン樹脂に、更に、吸収剤を加えることにより、上記ポリエチレンオキサイドによる吸収が補助又は促進され、インクの乾燥性及びインクの定着性が向上する。
上記吸収剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤が好適に用いられる。
【0020】
上記シリカ(二酸化ケイ素)としては特に限定されないが、含水無晶形で粒径20〜30nm程度の球形の1次粒子が、2次的、3次的に凝集して1つの粒子をつくっている、比表面積、細孔容積の大きなものが、インク吸収材の吸収性向上の観点から好ましい。
上記シリカの大きさとしては、平均粒径が1〜15μm程度であることが好ましい。1μm未満であると、比表面積及び細孔容積が充分に大きくなく、15μmを超えると、均一に分散させることが困難になる。平均粒径のより好ましい上限は10μm程度である。
【0021】
上記吸収性ポリウレタン樹脂とシリカとを含有するインク吸収材からなるインク吸収層に水性インクで印刷を行なうと、上記吸収性ポリウレタン樹脂の吸収・膨潤作用に加えて、シリカの有する比表面積及び細孔容積が大きいという構造上の特性によって、水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する能力が高まり、インクの乾燥性が向上する。しかも、シリカの細孔内に水性インク中の着色成分が捕捉されるため、着色成分が必要以上に周囲に浸透していくことが防止され、鮮やかなプリント品が得られる。
【0022】
上記炭酸カルシウムは、樹脂溶液と混和性がよいので、炭酸カルシウムを含有するインク吸収材をバーコーター、グラビアコーター等によってコーティングした場合に塗膜(インク吸収層)の平滑性を損なわない。しかも、炭酸カルシウムは、平均粒径が0.1〜3μmと小さいため均一に分散し易いので、得られるインク吸収層は水性インクの吸収むらが実質的にないものになり、一定のインク濃度を有する印刷物が得られる。
【0023】
上記架橋アクリル酸塩は、ポリマーの長い鎖同士がところどころ結合して三次元網目構造を形成したものであり、吸収作用を有する。すなわち、この架橋アクリル酸塩は、溶媒成分を含んでいないときは収縮して全体が密になっているが、上記鎖は多くの親水基(カルボキシル基)を有するため、水中に入れると水に溶けようとして広がりはじめる。上記親水基はその電荷がマイナス側に片寄っているため、親水基同士が反発し、それによって広がりが更に助長される。しかし、上記架橋アクリル酸塩は、三次元網目構造を有するため、ある程度膨潤して広がるとそれ以上は広がらず、網目構造中に溶媒成分を閉じ込めた状態になる。
上記架橋アクリル酸塩は、通常10〜50μm程度の粒径を有する。
【0024】
このような架橋アクリル酸塩と上記吸収性ポリウレタン樹脂とを含有するインク吸収材からなるインク吸収層に水性インクで印刷を行なうと、上記吸収性ポリウレタン樹脂の吸収・膨潤作用に加えて、架橋アクリル酸塩の吸収・膨潤作用によって水性インクに含まれる溶媒成分を吸収する能力が高まり、インクの乾燥性が向上する。しかも、架橋アクリル酸塩を含有することによってインク吸収層の表面に微細な凹凸ができ、この微細な凹凸によって水性インク中の着色成分が捕捉され、着色成分が必要以上に周囲に浸透していくことが防止され、鮮やかなプリント品が得られる。
【0025】
上記シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩の含有量は、上記吸収性ポリウレタン樹脂100重量部に対して、30〜500重量部であることが好ましい。30重量部未満であると、インクの乾燥性及びインクの滲み防止効果が不充分であり、500重量部を超えると、上記吸収剤がシリカである場合は上記インク吸収材をターポリン原反に塗工した場合の接着性が損なわれ、上記吸収剤が炭酸カルシウム又は架橋アクリル酸塩である場合は炭酸カルシウム又は架橋アクリル酸塩の分散不良を招き易くなり、インク吸収層の表面の状態が悪くなる。
【0026】
上記インク吸収層の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μm未満であると、上記インク吸収材に水性インクを確実に吸収させて乾燥・定着させることが困難になる。一方、100μmを超えても乾燥速度や、塗工面の状態は変わらないので、100μmを超えると経済的に不利になる。
【0027】
上記インク吸収層表面層は、(A)ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなるか、又は、(B)ポリカーボネートポリオールをポリオール成分とし、脂肪族ポリイソシアネートをポリイソシアネート成分とするポリウレタン樹脂粒子の水性エマルジョンと、アセトアセチル化ポリビニルアルコールと、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
【0028】
上記インク吸収層表面層が上記(A)の態様である場合、用いるインク吸収材は上記インク吸収層に対して用いるものと同様なものである。
【0029】
上記インク吸収層表面層が上記(B)の態様である場合、ポリウレタン樹脂粒子の水性エマルジョンを含有するインク吸収材がインク吸収層中間層の表面に塗工され、乾燥してインク吸収層表面層が形成されるが、この際、インク吸収層表面層中にポリウレタン樹脂粒子により多数の微細な細孔を有する多孔質構造が形成される。この多孔質構造中にインクに含まれる溶媒が吸収されるので、インク吸収性と乾燥性とが向上する。
【0030】
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。脂肪族ポリイソシアネートをポリイソシアネート成分とすることにより、インク吸収層表面層が耐光性に優れるものとなる。尚、本発明の効果を損なわない範囲で3価以上のポリイソシアネートを併用することもできる。
上記ポリウレタン樹脂粒子の平均粒径は3.0μm以下であることが好ましい。3.0μmを超えると、水性エマルジョンの安定性が充分でないうえに、形成されるインク吸収層表面層において、多孔質構造の空隙率が高すぎて、被膜強度が弱くなるとともに、インクに含まれる着色成分が吸収されてしまうので、発色が悪くなる。
【0031】
上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールを反応させて得られるアセタール化ポリビニルアルコールの1種である。
ポリビニルアルコールは、水溶性であるので、これをインク吸収層表面層中に配合すれば、水性インクの吸収性には優れるが、得られるインクジェットプリンター用ターポリンシートを水に浸漬すると、インク吸収層表面層からポリビニルアルコールが抽出されて、インク吸収層表面層が粗面となり、印刷像が破壊される。また、透明粘着剤付きの透明樹脂フィルムをプリント面にラミネートする場合においても、インク吸収層表面層と透明粘着剤層との間に水が侵入すると、層間の接着強度が低くなり、容易に剥離するので、看板に施工した場合は、雨、風によって最上層の透明樹脂フィルム層が剥がれやすくなる。
【0032】
これに対して、上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールはポリビニルアルコールのインク吸収性を保持し、水性インクに対する吸収性、膨潤性を有し、横方向への滲みを防ぐとともに、乾燥性に優れるうえに、アセトアセチル化されているために水に不溶性であるので、得られたインク吸収層表面層は水に溶解せず、耐水性に優れる。
【0033】
上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールの含有量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して10〜500重量部であることが好ましい。10重量部未満であると、形成されるインク吸収層表面層が充分なインク吸収性と乾燥性とを持たず、画像が滲むとともに、乾燥に長時間を要することになる。一方、500重量部を超えると、アセトアセチル化ポリビニルアルコールに起因する吸収性と膨潤性とが過度になり、得られた画像が水に浸漬すると、被膜強度が低下し、場合によっては、インク吸収層表面層の破壊に至り、結果として印刷像が破壊される。
【0034】
上記吸収剤としては、シリカ及び炭酸カルシウムが好適に用いられる。上記シリカや炭酸カルシウムとしては、上記インク吸収層において用いられるものと同様なものを用いることができる。
上記シリカや炭酸カルシウムを、上記ポリウレタン樹脂及び上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールからなる樹脂溶液中に添加し、攪拌すると、樹脂溶液中で均一に分散し、これを塗工した場合に形成されるインク吸収層表面層中でも均一に分布する。シリカ又は炭酸カルシウムを含有するインク吸収層表面層は、上記ポリウレタン樹脂のみからなるインク吸収層表面層よりも、更に多数の細孔を有する多孔質構造をとり、空隙容積も大きくなる。この空隙部分には、水性インクに含まれる溶媒成分を吸収するとともに、着色成分を保持(定着)する機能があることから、シリカ又は炭酸カルシウムがインク吸収層表面層中に均一に分布することによって、インク吸収性と乾燥性とが更に良好になる。
【0035】
上記シリカ及び炭酸カルシウムの含有量は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、5〜500重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、インク中の溶媒成分、着色成分の吸収力が弱くなり横方向にインクが滲むとともに乾燥に要する時間が長くなる。また、光を透過させた場合の発色性が悪くなる。一方、500重量部を超えると、インク吸収層表面層の被膜強度が弱くなり、インク吸収層中間層との接着強度が弱くなるとともに、看板等に施工した場合は、粘着剤付きの透明樹脂フィルムが剥離することがある。
【0036】
上記インク吸収層表面層の厚みは、5〜100μmであることが好ましい。5μm未満であると、インク中の溶媒成分、着色成分の吸収力が弱くなり横方向にインクが滲むとともに乾燥に要する時間が長くなる。また、光を透過させた場合の発色性が悪くなる。一方、100μmを超えると、被膜強度が弱くなり、爪等による引掻きでインク吸収層表面層が剥がれたりすることがある。
【0037】
上記インク吸収層中間層は、(1)インク吸収層表面層のインクの吸収性能を補い、(2)ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着力を向上させ、(3)インク吸収層表面層の製膜工程でコーティング法による塗工時にヌレ性を付与させるために設けられる。
【0038】
上記インク吸収層中間層は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂と、吸収剤とを含有するインク吸収材からなることが好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂等を挙げることができる。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートを主成分とするアクリル系樹脂等を挙げることができる。
上記ポリウレタン系樹脂やアクリル系樹脂はターポリン原反の表面(PVCシート)との接着性に優れている。
【0039】
上記吸収剤としては、シリカ及び炭酸カルシウムが好適に用いられる。上記シリカや炭酸カルシウムとしては、上記インク吸収層において用いられるものと同様なものを用いることができる。
上記シリカ及び炭酸カルシウムは、インク吸収力に優れ、また、ヌレ性を発現することができる。
上記シリカ及び炭酸カルシウムの含有量は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂100重量部に対して、1〜500重量部であることが好ましい。1重量部未満であると、インク吸収力及びヌレ性が充分ではなく、500重量部を超えると、インク吸収層中間層の膜強度が弱くなり、ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着が不充分となる。
【0040】
上記インク吸収層中間層の厚みは、0.2〜50μmであることが好ましい。0.2μm未満であると、中間層の厚みが薄すぎるためにターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層との接着面積が低下し、充分な接着強度が得られにくく、また、生産上、均一な塗膜を形成するのが難しい。一方、50μmを超えると、インク吸収層中間層の膜強度が弱くなり、ターポリン原反の表面(PVCシート)とインク吸収層表面層との接着が不充分となる。
【0041】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、質量が700g/m2以下であるものである。700g/m2を超えると、インクジェットプリンターの送りローラーがもつ性能以上の荷重となり、送りローラー部分でシートが滑ることによって適正にシートを送れなかったり、送りローラーと接触した部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分が送られないためにシートが盛り上がる等して、その結果、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触したり、引っかかる等の不具合が発生する。
【0042】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であることが好ましい。なお、5%モジュラスはJIS Z 0237に準拠して測定され、測定温度は23±2℃である。
【0043】
インクジェットプリンター用ターポリンシートをプリンターで送るときに、送りローラーと接触している部分としていない部分との両方において、応力はシートの流れ方向に対して約45°の方向にかかるが、ターポリン原反中の織布の糸の配列が、シートの流れ方向及び幅方向に碁盤目状になっていることから、流れ方向及び幅方向へのモジュラスは高いものの、斜め方向のモジュラスは低くなっている。このため、45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm未満であると、送りローラーと接触する部分だけが送られて、送りローラーに接触していない部分との応力差が発生することによって、斜め方向にシートが伸びてしまい、その結果、シートがプリンターから浮いて盛り上がってくるという不具合が発生する。このため、盛り上がったシートがプリンターヘッドに接触し、引っかかる等の不具合が発生する。
【0044】
本発明のインクジェットプリンター用ターポリンシートは、上から300gの重り、アルミ板、インクジェットプリンター用ターポリンシート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりでインクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下であるものである。送りローラーでインクジェットプリンター用ターポリンシートを送る力はインクジェットプリンターの性能上制約されているので、インクジェットプリンター用ターポリンシートの質量が700g/m2以下であっても、インクジェットプリンター用ターポリンシートでは、送りローラーに接触している部分と接触していない部分とで、シートの送られる力に差が生じることから、シートの滑り性が悪くなると、浮き、盛り上がりの現象が発生する。良好にシートを送り出すには、シートの質量が700g/m2以下であることに加え、シートが適度な滑り性を有することが必要になるが、上記荷重を測定することにより、シートのプリンターに接触した部分の滑り性を評価することができ、シート裏面の滑り性がよければ、浮きや、皺を抑制することができる。なお、重りの質量を300gとしたのは、100、200、300gの荷重にてテストを行った結果、300g荷重で評価を行なった場合に、得られる結果の精度に優れ、相関がとれるからである。
【0045】
インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mmを超えると、ガラス板とシート裏面との滑り性が悪いことから、インクジェットプリンター本体とシートとが接触している部分の滑り性が不充分となる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
<実施例1>
平均重合度1300のポリ塩化ビニル樹脂100重量部に、可塑剤DOP40重量部と共に、安定剤としてCa−Zn系安定剤1.0〜3.0重量部及び/又はBa−Zn系安定剤1.0〜3.0重量部と、酸化チタン顔料(白色顔料)10〜35重量部を配合してなるシート材料をカレンダー加工法によって成形し、厚み150μmのポリ塩化ビニル樹脂シート(PVCシート)を得た。
【0048】
上からPVCシート/織布(糸の太さ500×500デニール)/PVCシートの順に積層し、熱ラミネーター機によって3層ラミネートをして接着、冷却した後に、得られたターポリン原反を巻き取った。
【0049】
ポリエステル系ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学社製、パンデックスT−5265)100重量部に対して、溶剤としてメチルエチルケトンを400重量部、シリカ(塩野義製薬社製、カープレックスBS―312AM、平均粒径7.2μm)を20重量部配合して、インク吸収層中間層用のインク吸収材を調製した。このインク吸収材を上記ターポリン原反のPVCシート面に塗工し、乾燥させて、厚み10μmのインク吸収層中間層を形成した。
【0050】
次に、ポリウレタン樹脂水性エマルジョン(大日本インキ化学工業社製、ボンディック2250、ポリカーボネートポリオールと、脂肪族イソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂の水性エマルジョン、樹脂粒径0.2μm)を樹脂分が100重量部になるように配合し、これにアセトアセチル化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、Z―200)を固形分で100重量部加え、攪拌、混合し、更に炭酸カルシウムを5重量部加え、攪拌、混合してインク吸収層表面層用のインク吸収材を調製した。
【0051】
このインク吸収層表面層用のインク吸収材を上記インク吸収層中間層の上に塗工し、乾燥させて、厚み30μmのインク吸収層表面層を積層したインクジェットプリンター用ターポリンシートを得た。
【0052】
<実施例2〜5、比較例1〜9>
表1及び表2に記載した構成・組成で、ターポリン原反を作成し、各インク吸収材を調製し塗工したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリンター用ターポリンシートを作製した。
【0053】
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートについて、(1)質量、(2)シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラス、及び、(3)滑り性を測定した。上記(2)の5%モジュラスはJIS Z 0237に準拠して測定し、上記(3)滑り性としては、図4に示すように、上から300gの重り(分銅)3、60×100mmのアルミ板4、25×100mmのインクジェットプリンター用ターポリンシート1、及び、100×200mmのガラス板5を積み重ねて、バネばかりでインクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重を測定し評価した。
【0054】
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートについて、更に、(4)印刷時のシートの搬送性、(5)印刷性(インクの吸収力、乾燥性、反射光での発色性)、(6)耐水性、(7)折れ痕、(8)インク吸収層表面層、インク吸収層中間層、及び、ターポリン原反の接着強度、(9)滲み、を下記の様にして評価した。結果を表1及び表2に示した。
【0055】
(4)印刷時のシートの搬送性
(4)−1 測定方法
水性顔料インクを用いるフルカラーインクジェットプリンターJV−2(ミマキエンジニアリング社製)にて、各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートのインク吸収層表面層にインク噴射量C100%、M100%、Y100%、M100%、CM200%、CY200%、MY200%、CMY300%、CMYK400%で、1000mm×300mmの四角形をベタ印刷して、印刷時におけるシートの搬送性(送りローラー部で浮き、皺がないか)、インク吸収性、及び、乾燥性を目視とノギスを用いて測定した。
【0056】
なお、上記において、例えばインク噴射量C100%とは、青色(シアン、C)インク用のインクヘッドから噴射することができる最大のインク量を噴射して印刷を行ったことを意味する。また、CMYK400%とは、青色(シアン、C)、赤色(マゼンタ、M)、黄色(イエロー、Y)、黒色(ブラック、K)をそれぞれ最大に噴射した場合の100%×4色=400%で印刷したことを意味する。
【0057】
(4)−2 判定方法
インクジェットプリンター(ミマキエンジニアリング社製、JV−2)でプリントしたときに、適正にシートが送られている場合は○と評価し、送りローラー周辺部でシートの盛り上がりが発生したり、プリンターヘッドがシートに接触、引っかかり等が発生したりした場合は×と評価した。
【0058】
(5)印刷性(インクの吸収力、乾燥性、反射光での発色性)
(インクの吸収力)
上記のようにして印刷した四角形の縦、横の寸法が、21mm×21mm以内である場合を○、印刷した四角形の一辺でも21mmを超える場合を×とした。
【0059】
(乾燥性)
上記CMYK400%の印刷物の乾燥時間が10分以内である場合を○、10分を越える場合を×とした。
【0060】
(発色性)
上記のようにして作成したプリント品を目視にて判定し、インクの色濃度が鮮明である場合を○、不鮮明である場合を×とした。
【0061】
(6)耐水性
上記のようにして作成したプリント品を40℃の温水の中に7日間浸漬し、取り出した後の外観変化を目視にて判定した。外観変化がない場合を○、インクの流れ、インク吸収層の外観に変化がある場合を×とした。
【0062】
(7)折れ痕
各実施例及び比較例で得られたインクジェットプリンター用ターポリンシートの1部分を軽く折り曲げた後に折れ痕が残っているかどうかを目視にて判定した。折れ痕が残っていない場合を○、残っている場合を×とした。
【0063】
(8)インク吸収層表面層、インク吸収層中間層、及び、ターポリン原反の接着強度
インク吸収層表面層の上に10mm幅のセロハンテープを貼り、その上で荷重3kgの送りローラーを10往復させた後で、温度23℃において、引張試験機にてセロハンテープを300mm/分で180°剥離して、セロハンテープとフィルムとの接着強度を測定した。接着力が150g/10mm幅以上のときは○、150g/10mm幅未満の場合を×とした。
【0064】
(9)滲み
1000mm×1000mmサイズの画像データを各インクジェットプリンター用ターポリンシートのインク吸収層表面層上にプリントした印刷物の寸法を1mm目盛りの定規で測定した。
画像データの寸法に対して差が±2%以内の場合を○とし、画像データの寸法に対して差が±2%を超える場合、及び、ヘッドに接触してプリントが中止となった場合を×とした。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
表1及び表2中の記載事項の補足説明を以下に記載した。
(1)インク吸収層表面層
ポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテル系ポリウレタン樹脂・・・サンプレンHMP―17A(三洋化成工業社製)
炭酸カルシウム・・・カルライトKT、白石中央研究所社製、平均粒径2.3μm
シリカ・・・カープレックスBS312AM、塩野義製薬社製、平均粒径7.2μm
【0068】
(2)インク吸収層中間層
ポリウレタン系樹脂・・・サンプレンHMP―17A、三洋化成工業社製
アクリル系樹脂・・・ラックスキン105、セイコー化成社製、溶剤系
シリカ・・・カープレックスBS312AM、塩野義製薬社製、平均粒径7.2μm
炭酸カルシウム・・・カルライトKT、白石中央研究所社製、平均粒径2.3μm
【0069】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、インクジェットプリンターで出力するときに、送りローラー周辺部でシートの浮き、皺等が発生せず、パソコンで作成した通りのサイズで出力でき、プリント品を懸垂幕、垂れ幕として使用するときに軽微な外力によってシートに折れ筋、皺等が寄らないインクジェットプリンター用ターポリンシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターポリン原反の片面にインク吸収層が積層している態様のインクジェットプリンター用ターポリンシートの断面図である。
【図2】ターポリン原反の片面にインク吸収層中間層及びインク吸収層表面層がこの順に積層している態様のインクジェットプリンター用ターポリンシートの断面図である。
【図3】ターポリン原反の断面図である。
【図4】インクジェットプリンター用ターポリンシートの滑り性を評価するための積層体の正面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンター用ターポリンシート
2 ターポリン原反
3 300gの重り
4 アルミ板
5 ガラス板
11 PVCシート
12 織布
13 インク吸収層
14 インク吸収層表面層
15 インク吸収層中間層
Claims (4)
- PVCシート、織布、及び、PVCシートがこの順に積層してなるターポリン原反の片面に、インク吸収層、又は、インク吸収層表面層及びインク吸収層中間層が積層してなるインクジェットプリンター用ターポリンシートであって、
質量が700g/m2以下であり、かつ、シートの流れ方向及び幅方向に対して45°斜め方向の5%モジュラスが15N/25mm以上であり、かつ、上から300gの重り、アルミ板、前記インクジェットプリンター用ターポリンシート、及び、ガラス板を積み重ねて、バネばかりで前記インクジェットプリンター用ターポリンシートを引っ張ったときに、前記インクジェットプリンター用ターポリンシートが滑り出す時点での荷重が600g/25mm以下である
ことを特徴とするインクジェットプリンター用ターポリンシート。 - インク吸収層は、ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂100重量部と、シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤30〜500重量部とを含有するインク吸収材からなり、厚みが5〜100μmであることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンター用ターポリンシート。
- インク吸収層表面層は、ポリオール成分にポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールが含まれるポリウレタン樹脂100重量部と、シリカ、炭酸カルシウム、及び、架橋アクリル酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤30〜500重量部とを含有するインク吸収材からなり、厚みが5〜100μmであり、
インク吸収層中間層は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂100重量部と、シリカ及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤1〜500重量部とを含有するインク吸収材からなり、厚みが0.2〜50μmである
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンター用ターポリンシート。 - インク吸収層表面層は、ポリカーボネートポリオールをポリオール成分とし、脂肪族ポリイソシアネートをポリイソシアネート成分とし、平均粒径が3.0μm以下であるポリウレタン樹脂粒子の水性エマルジョンをポリウレタン樹脂分100重量部と、アセトアセチル化ポリビニルアルコール10〜500重量部と、シリカ及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤5〜500重量部とを含有するインク吸収材からなり、厚みが5〜100μmであり、
インク吸収層中間層は、ポリウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂100重量部と、シリカ及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の吸収剤1〜500重量部とを含有するインク吸収材からなり、厚みが0.2〜50μmである
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンター用ターポリンシート。
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-
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