JP2005037520A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動モータの自重を積極的に利用することで、駆動ユニットを画像形成装置本体により簡単にかつ高精度に位置決めして組み付けることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】駆動ユニット19を装置本体の側板1aの内側に位置させ、駆動モータ20を側板1aの開口27に内側から貫通させるとともに、筺体26の側板26aの各下端部26a1,26a2をそれぞれ各爪部材29a,29bに鉛直方向下向きに係合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに鉛直方向に略(ほぼ)位置決めされる。このとき、駆動ユニット19はその自重Wにより時計方向に回転付勢され、筺体26の側板26aが装置本体の側板1aに押し付けられる。したがって、駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19が各爪部材29a,29bから脱落することはない。
【選択図】 図4
【解決手段】駆動ユニット19を装置本体の側板1aの内側に位置させ、駆動モータ20を側板1aの開口27に内側から貫通させるとともに、筺体26の側板26aの各下端部26a1,26a2をそれぞれ各爪部材29a,29bに鉛直方向下向きに係合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに鉛直方向に略(ほぼ)位置決めされる。このとき、駆動ユニット19はその自重Wにより時計方向に回転付勢され、筺体26の側板26aが装置本体の側板1aに押し付けられる。したがって、駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19が各爪部材29a,29bから脱落することはない。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば感光体、現像ローラあるいは転写ローラ等の画像形成を司る回転部材を回転駆動するための駆動ユニットを備える画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体とその周辺部品(例えば帯電器や感光体に残存するトナーを除去するクリーナーなど)を一体に感光体カートリッジとしたものや、現像器を単独で装置本体から着脱可能なように構成したもの、あるいはそれらの作像プロセスに関わるものを一体的にプロセスカートリッジとしてユーザーが簡単に交換できるようにしたものなど、画像形成装置の像形成部(作像系)がカートリッジ化された作像ユニットが数多く提案されている。
【0003】
このような作像ユニットは、装置本体において鉛直方向にかつ対向して配置した一対の側板内に位置決めされて支持されているとともに、感光体や現像ローラなどの回転部材の回転軸方向(以下、長手方向ともいう)に挿抜可能に構成されているか、装置本体の鉛直上方に着脱可能に構成されている。また、カートリッジ内の感光体や現像ローラなどの回転部材への駆動モータ回転の駆動伝達系において、カートリッジ側(作像ユニット側)の駆動入力手段と装置本体側(駆動ユニット側)の駆動出力手段との接続部(例えば、歯車の噛み合い部)は前述の一対の側板の内側に設けられるのが、一般的である。
このように作像系をユニット化することで、装置本体に対して作像系の各構成部品の取り付けが容易になり、組立作業性やメンテナンス性が向上する。
【0004】
また、従来、例えば感光体、現像ローラあるいは転写ローラ等の画像形成を司る回転部材の駆動源である駆動モータ、この駆動モータの回転トルクを回転部材に出力する駆動出力歯車、これらの駆動モータおよび駆動出力歯車の間に配設されて駆動モータの回転を減速して駆動出力歯車に伝達する歯車列、および駆動出力歯車に対する駆動モータ回転の伝達あるいは遮断を制御する電磁クラッチ等の駆動伝達遮断部材等を支持部材で支持することで、駆動系の構成部品が一体的にユニット化された駆動ユニットも種々開発されている。
【0005】
このように駆動系をユニット化することで、前述の作像系と同様に、装置本体に対して駆動系の各構成部品の取り付けが容易になり、組立作業性やメンテナンス性が向上する。
また、画像形成に関わる作像系の回転部材に駆動モータの回転を伝達する駆動歯車自体およびそれらの歯車の取り付けなどには高精度が要求される場合が多い。例えば歯車の取り付け時などに歯車の歯面に傷が付くと、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題が生じるため、その取り扱いには十分な注意を払う必要がある。そこで、前述のように駆動系をユニット化することにより、歯車単体を付け外しする場合に比べてこのような問題の発生を防止することができる。
【0006】
駆動系のユニット化として、従来、低騒音や低振動を目的とする駆動ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、動力伝達を制御する電磁クラッチ等の電装部品が設けられた駆動ユニットが従来提案されているが、このような駆動ユニットとして、電装部品が交換しやすいように工夫されて設けられた駆動ユニットも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、装置本体の鉛直に立設された側板に駆動ユニットを取り付けられた駆動ユニットにおいて、駆動モータの自重による問題の対応、つまり、駆動モータの自重で垂れ下がることによるモータ取付用防振部材の破損を防止することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】
【特開平14−258563号公報】
【特許文献2】
【特許第3376234号公報】
【特許文献3】
【特開平13−337502号公報】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の特許文献1および2に開示されているような駆動モータを含む駆動ユニットの場合、ユニット全体を装置本体の一対の側板の内側に配置することが一般的である。
しかしながら、このようにユニット全体を一対の側板の内側に配置すると、これら一対の側板間の距離をプロセスカートリッジの長手方向の寸法以上に大きくする必要があるため、装置全体の大型化につながってしまう。これを回避するために、必要最少限の駆動伝達接続部のみを装置本体の側板内側に配置し、駆動ユニットの駆動モータ部は装置本体の側板に形成された開口を通して側板の外側に設けることが考えられるが、駆動モータは駆動伝達接続部の歯車などのその他の駆動部品に比べて圧倒的に重いため、この駆動モータの自重により装置本体の側板の鉛直面に取り付ける際の重量バランスが非常に悪い。
【0009】
そして、駆動ユニットを側板に取り付ける際に、作業者は片手で駆動ユニットを保持しつつ、駆動ユニットの位置決め部と側板の位置決め部とを係合させた状態で、ねじを締め込むことが要求されるため、前述のように重量バランスが悪いと、著しく組立作業性が悪く、駆動ユニットを側板に対して高精度に位置決めされず正規の位置にない状態で組み付けられる可能性がある。このように、駆動ユニットが正規の位置に組み付けられないと、バンディング等の異常画像が発生して画像の品質が低下してしまうおそれがある。
【0010】
また、駆動伝達接続部における駆動ユニット側の駆動出力歯車を装置本体の側板の開口に通す際に、歯車が側板の開口のエッジ部と接触して歯面等に傷を付けてしまう可能性もあり、これによっても組立作業性が悪くなるばかりでなく、画像品質が低下してしまうおそれがある。
更に、特許文献3には、駆動モータの自重による問題の対応については開示されているものの、駆動モータの自重を積極的に利用することによる駆動ユニットの装置本体への組立性の向上や歯車の歯面の保護については何ら開示されていないばかりでなく、示唆もされていない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動モータの自重を積極的に利用することで、駆動ユニットを画像形成装置本体により簡単にかつ高精度に位置決めして組み付けることのできる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、対向配置されかつ鉛直方向に立設された一対の側板に、着脱可能に支持された作像系の回転部材と、前記一対の側板の一方の側板に取り付けられるとともに、駆動モータおよびこの駆動モータの駆動力を前記回転部材に伝達する複数の歯車からなる駆動輪列をそれぞれ支持部材に一体的に支持してなる駆動ユニットとを少なくとも備えている画像形成装置において、前記一対の側板の一方の側板に、前記駆動モータが貫通可能な開口が形成されているとともに、前記一方の側板の前記回転部材側面に、前記支持部材の下端部が係合する係合部が設けられており、前記駆動ユニットを前記一方の側板の前記回転部材側に位置させた状態で前記駆動モータを前記一方の側板の開口に前記回転部材側から貫通させるとともに前記支持部材の下端部を前記係合部に係合させることで、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して略位置決めするようになっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記一方の側板と前記支持部材との間に、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して正規に位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記作像系が複数の作像ユニットで構成されており、これらの複数の作像ユニットのうち、少なくとも1つ以上の作像ユニットの回転部材が前記駆動モータの駆動力により駆動されるようになっていることを特徴としている。
【0014】
【発明の作用および効果】
このように構成された本発明の画像形成装置によれば、駆動ユニットが装置本体における一方の側板の回転部材側に位置された状態で、駆動モータのみが一方の側板の開口に回転部材側から貫通されるとともに、駆動ユニットの支持部材の下端部が側板の回転部材側の係合部に係合されることで、駆動ユニットが一方の側板に対して略位置決めされる。
【0015】
このとき、駆動モータの大部分が一方の側板の回転部材側と反対側に位置するが、駆動ユニットの駆動輪列は側板の開口を貫通せず、一方の側板の回転部材側に位置する。そして、駆動モータの重量が駆動輪列および支持部材の合計重量よりはるかに大きく、駆動ユニットの重心が駆動モータ側に位置するので、前述のように駆動ユニットが一方の側板に対して略位置決めされた状態では、この駆動ユニットの重心は一方の側板の回転部材側と反対側に位置するようになる。これにより、駆動ユニットの支持部材が回転付勢されて一方の側板に押し付けられるので、組立作業者が駆動ユニットから手を放しても、駆動ユニットは係合部から脱落しなく、略位置決めされた状態で安定に支持される。したがって、その後の駆動ユニットのねじ等の締着具による締結を簡単に行うことができ、組立作業性が向上する。
【0016】
また、駆動モータのみが一方の側板の開口に貫通されるが、駆動ユニットの駆動輪列は側板の開口を貫通しないので、駆動ユニットの一連の組み立て作業において側板の開口のエッジ部で駆動輪列の各歯車の歯面が傷付くようなことはない。これにより、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題を防止することができる。
そして、組立作業性が向上し、かつ各歯車の損傷が防止されることで、作像系の回転部材を高精度に回転制御できるので、画像の品質を従来に比べて良好にすることができる。
【0017】
特に、請求項2の発明によれば、駆動ユニットが略位置決めされた後、位置決め手段により一方の側板に対して高精度に位置決めされる。これにより、作像系の回転部材を更に高精度に回転制御できるので、画像の品質をより一層良好にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図、図2はこの例の画像形成装置に用いられている感光体およびその駆動ユニットを模式的に示す側面図、図3は図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【0019】
図1に示すように、この例の画像形成装置1はロータリ現像方式の画像形成装置であり、概略的には、露光装置2、ロータリ式現像装置3、露光装置2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像がロータリ式現像装置3からのトナーによって現像されて可視像化されたトナー像が形成される感光体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、感光体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写装置6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写装置8、給紙カセット9に収容された紙7を給紙ローラ10aで二次転写装置8に給送する給紙装置10、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット11、および定着ユニット11で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ12からなっている。
【0020】
作像系のロータリ式現像装置3は、回転可能に設けられたロータリフレーム13aを有するロータリ13と、このロータリ13に搭載された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ14,15,16,17とを備えている。各現像カートリッジ14,15,16,17は、それぞれ、回転部材である現像ローラ14a,15a,16a,17aを備えている。そして、ロータリ13が回転制御されることで、各現像カートリッジ14,15,16,17が順次現像位置に設定され(図1に示す状態では、イエロー(Y)の現像カートリッジ14が現像位置に設定され、その現像ローラ14aが感光体4に当接している)。このロータリ式現像装置3は、各現像カートリッジ14,15,16,17がロータリ13のロータリフレーム13aに一体的に取り付けられた作像ユニットとして構成されている。
【0021】
図2および図3に示すように、作像系の回転部材である感光体4の一端側には、感光体駆動入力歯車4aおよび回転軸4bがともに同軸上にかつ感光体4と一体に設けられ、また、感光体4の他端側には、回転軸4cが同軸上にかつ感光体4と一体に設けられている。これらの感光体4、感光体駆動入力歯車4a、回転軸4b,4c、および図示しない帯電器およびクリーナが一体的に組み立てられて感光体カートリッジ(感光体ユニット;作像ユニットの1つ)18として構成されている。そして、感光体カートリッジ18は、画像形成装置1の前側(ユーザ側)より図2に矢印Aで示す感光体4の長手方向に移動させることで着脱可能に画像形成装置1の本体(以下、装置本体ともいう)の一対の側板1a,1bに装着されるようになっている。これらの一対の側板1a,1bは、互いに対向して配置されかつ鉛直方向に立設されている。
【0022】
感光体カートリッジ18が装置本体に装着された状態では、一方の回転軸4bが感光体ユニット18の一方の側板18aに回転可能に支持されているとともに、他方の回転軸4cが感光体ユニット18の他方の側板18bに回転可能に支持されている。更に、回転軸4bが装置本体の一方の側板1aに回転可能に支持されているとともに、感光体ユニット18の他端側の側板18bが装置本体の他方の側板1bに取り付けられている。
【0023】
回転軸4bを支持する側板1aには、感光体4を回転駆動する駆動ユニット19が取り付けられている。この駆動ユニット19は、感光体4を回転するための回転トルク(駆動力)を出力する駆動モータ20と、駆動モータ20の回転軸20aに固定された駆動モータ歯車21と、感光体駆動出力歯車22と、大径歯車23および小径歯車24からなる減速歯車対25と、板金からなり2つの側板26a,26bを有するコ字状の筺体26とから構成されている。
【0024】
感光体駆動出力歯車22は感光体駆動入力歯車4aに噛合可能であり、大径歯車23は駆動モータ歯車21に噛合しかつ小径歯車24は感光体駆動出力歯車22に噛合している。そして、筺体26の一方の側板26aに、回転軸20aがこの側板26aの孔(不図示)を回転可能に貫通するようにして駆動モータ20が固定されるとともに、筺体26の両側板26a,26bに感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25がそれぞれ回転可能に支持されている。すなわち、駆動モータ20、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25が、支持部材である筺体26に一体的に取り付けられることで、駆動ユニット19が構成されている。
【0025】
側板1aの内面(つまり、感光体ユニット18側)は駆動ユニット19の取付面1a1となっている。また、側板1aには、駆動モータ20が貫通可能な開口27が穿設されているとともに、2つの位置決め用孔28a,28bが穿設されている。そして、一方の位置決め用孔28aは鉛直方向および水平方向とも、高精度に位置決めされている。また、他方の位置決め用孔28bは感光体4の長手方向に直交する方向にかつ水平方向に延びる長孔に形成されている。この長孔の上下縁は上下方向(鉛直方向)に高精度に位置決めされている。
【0026】
側板1aの内面には、筺体26の一方の側板26aの下端部26a1が鉛直方向下向きに係合可能な係合部であるL字状の爪部材29aが設けられているとともに、同じく側板26aの下端部26a2が鉛直方向下向きに係合可能な係合部であるL字状の爪部材29bが設けられている。2つの爪部材29a,29bは同じ形状の爪部材であり、側板1aを切り起こして設けることもできるし、側板1aと別部材で形成したものを側板1aに固定して設けることもできる。その場合、これらの爪部材29a,29bには、いずれも、一方の側板26aの各下端部26a1,26a2が感光体4の長手方向に直交する方向にかつ水平方向に移動可能に係合するようになっている。
【0027】
一方、筺体26の一方の側板26aには、位置決め用孔28a,28bにそれぞれ嵌合可能な2つの位置決め用ボス30a,30bが立設されている。一方の位置決め用ボス30aは一方の位置決め用孔28aに嵌合されることで、側板1aに対して鉛直方向および水平方向ともに高精度に位置決めされる。また、他方の位置決め用ボス30bは他方の位置決め用孔28bに嵌合されることで、側板1aに対して鉛直方向に高精度に位置決めされる。すなわち、位置決め用孔28a,28bと位置決め用ボス30a,30bとにより、一方の側板1aと筺体26との間に、駆動ユニット19を一方の側板26aに対して正規に位置決めする位置決め手段が構成されている。
【0028】
次に、駆動モータ20、21、22および25が筺体26に組み付けられた駆動ユニット19の装置本体の側板1aへの取付けについて説明する。
駆動ユニット19を側板1aの内側(感光体ユニット18側)に位置させ、この状態で、図4に示すように駆動ユニット19の駆動モータ20を側板1aの開口27に内側から貫通させるとともに、側板26aの各下端部26a1,26a2をそれぞれ各爪部材29a,29bに鉛直方向下向きに係合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに鉛直方向に略(ほぼ)位置決めされ、この状態では、駆動モータ20の大部分が側板1aの外側(感光体ユニット18側と反対側)に位置するとともに、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25からなる駆動輪列が側板1aの内側(感光体ユニット18側)に位置している。
【0029】
ところで、駆動モータ20の重量が、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25からなる駆動輪列および筺体26の合計重量よりはるかに大きいので、駆動ユニット19の重心Gは駆動モータ20側に位置する。したがって、前述のように駆動ユニット19が鉛直方向に略位置決めされた状態では、図4に示すように駆動ユニット19の重心Gは側板1aの外側(感光体ユニット18側と反対側)位置するようになる。このため、駆動ユニット19にその自重Wによる図4において時計方向の回転モーメントMが加えられ、駆動ユニット19は、各爪部材29a,29bに支持された側板26aの各下端部26a1,26a2を中心に(具体的には、両下端部26a1,26a2を結ぶ直線を中心に)時計方向に回転付勢される。したがって、駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19は各爪部材29a,29bから脱落することがなく安定している。
【0030】
そして、駆動ユニット19を鉛直方向に上下動させて他方の位置決め用ボス30bを長孔の位置決め用孔28bに完全に嵌合させるとともに、水平方向に左右動させて一方の位置決め用ボス30aを一方の位置決め用孔28aに完全に嵌合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに対して鉛直方向および水平方向ともに正規位置に高精度に位置決めされる。このとき、側板26aの各下端部26a1,26a2がそれぞれ各爪部材29a,29bで支持されかつ駆動ユニット19が時計方向に回転付勢されることにより、駆動ユニット19が安定しているので、組立作業者が両手を使うことで、この位置決め作業が簡単にかつ確実に行われるようになる。駆動ユニット19が高精度に位置決めされた状態では、筺体26の側板26aの取付面26a2が装置の側板1aの取付面1a1に密着するようになる。最後に、ねじあるいはボルト等の締着具31a,31bで筺体26を側板1aに締結して固定することにより、駆動ユニット19が側板1aに高精度に位置決めされて取り付けられる。
このように、駆動ユニット19が側板1aに取り付けられた状態では、駆動ユニット19の感光体駆動出力歯車22が感光体4の感光体駆動入力歯車4aに噛合するようになる。
【0031】
この例の画像形成装置1によれば、次の効果が得られる。
すなわち、従来のように装置本体の側板に位置決めした駆動ユニットを手で保持してねじ締めする場合には、かなりの重量物の駆動モータを有する駆動ユニットを片手で支えながら、位置決めボスを位置決め孔に探りながら嵌合し、その後でねじ締めを行わなければならないので、駆動ユニットが位置ずれすることなくねじ締めを行うことは難しく、駆動ユニットを高精度に位置決めして側板に取り付けることはできない。これに対して、この例の画像形成装置1によれば、筺体26の側板26aを各爪部材29a,29bに支持させた後は、駆動ユニット19の自重W(大部分が駆動モータ20の自重)により駆動ユニット19が装置本体の側板に押し付けられるので、組立作業者が駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19は爪部材29a,29bから脱落しない。このように、駆動ユニット19の自重Wを積極的に利用することで、駆動ユニット19は略位置決めされた状態で安定に支持されるようになる。これにより、その後の駆動ユニット19の締着具31a,31bによる締結を簡単に行うことができ、組立作業性が向上する。しかも、駆動ユニット19を高精度に位置決めされて装置本体の側板1aの正規位置に取り付けることができる。
【0032】
また、駆動ユニット19を側板1aの内側から、駆動モータ20のみを側板1aの開口17を貫通させるが、駆動輪列の各歯車21,22,23,24は開口17を貫通させずに、駆動ユニット19の側板1aへの取付を完了させているので、一連の組み立て作業において開口17のエッジ部で各歯車21,22,23,24の歯面に傷が付くようなことはなくなる。これにより、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題を防止することができる。
そして、組立作業性が向上し、かつ各歯車21,22,23,24の損傷が防止されることで、感光体4を高精度に回転制御できるので、画像の品質を従来に比べてより一層良好にすることができる。
【0033】
なお、前述の例では、位置決め用孔28a,28b、爪部材29a,29b、位置決め用ボス30a,30b、および締着具31a,31bはいずれも2個設けるものとしているが、本発明はこれに限定されることはなく、それぞれ、1個以上任意の数だけ設けることができる。
【0034】
また、前述の例では、本発明をロータリ現像方式の画像形成装置1にかつ作像系の回転部材である感光体4に適用して説明しているが、本発明は、これらのロータリ現像方式の画像形成装置1および感光体4に限定されるものではなく、少なくとも例えば現像ローラや転写ローラ等の画像形成を司る回転部材と、この作像系の回転部材を回転駆動するための駆動ユニットとを備える画像形成装置であれば、どのような画像形成装置にも適用することができる。また、駆動ユニットは作像系の複数の回転部材を回転駆動するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図である。
【図2】この例の画像形成装置に用いられている感光体およびその駆動ユニットを模式的に示す図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【図4】駆動ユニットの装置本体への取付を説明する図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、1a,1b…側板、1a1…側板1aの取付面、2…露光装置、3…ロータリ式現像装置、4…感光体、4a…感光体駆動入力歯車、4b,4c…回転軸、5…中間転写媒体、6…一次転写装置、7…記録媒体、8…二次転写装置、10…給紙装置、11…定着ユニット、13…ロータリ、14,15,16,17…イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ、18…感光体ユニット、18a,18b…側板、19…駆動ユニット、20…駆動モータ、20a…駆動モータ20の回転軸、21…駆動モータ歯車、22…感光体駆動出力歯車、23…大径歯車、24…小径歯車、25…歯車対、26…筺体、26a,26b…側板、26a1…側板26aの下端部、26a2…側板26aの取付面、27…開口、28a,28b…位置決め用孔(位置決め手段)、29a,29b…爪部材(係合部)、30a,30b…位置決め用ボス(位置決め手段)、31a,31b…締着具
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば感光体、現像ローラあるいは転写ローラ等の画像形成を司る回転部材を回転駆動するための駆動ユニットを備える画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、感光体とその周辺部品(例えば帯電器や感光体に残存するトナーを除去するクリーナーなど)を一体に感光体カートリッジとしたものや、現像器を単独で装置本体から着脱可能なように構成したもの、あるいはそれらの作像プロセスに関わるものを一体的にプロセスカートリッジとしてユーザーが簡単に交換できるようにしたものなど、画像形成装置の像形成部(作像系)がカートリッジ化された作像ユニットが数多く提案されている。
【0003】
このような作像ユニットは、装置本体において鉛直方向にかつ対向して配置した一対の側板内に位置決めされて支持されているとともに、感光体や現像ローラなどの回転部材の回転軸方向(以下、長手方向ともいう)に挿抜可能に構成されているか、装置本体の鉛直上方に着脱可能に構成されている。また、カートリッジ内の感光体や現像ローラなどの回転部材への駆動モータ回転の駆動伝達系において、カートリッジ側(作像ユニット側)の駆動入力手段と装置本体側(駆動ユニット側)の駆動出力手段との接続部(例えば、歯車の噛み合い部)は前述の一対の側板の内側に設けられるのが、一般的である。
このように作像系をユニット化することで、装置本体に対して作像系の各構成部品の取り付けが容易になり、組立作業性やメンテナンス性が向上する。
【0004】
また、従来、例えば感光体、現像ローラあるいは転写ローラ等の画像形成を司る回転部材の駆動源である駆動モータ、この駆動モータの回転トルクを回転部材に出力する駆動出力歯車、これらの駆動モータおよび駆動出力歯車の間に配設されて駆動モータの回転を減速して駆動出力歯車に伝達する歯車列、および駆動出力歯車に対する駆動モータ回転の伝達あるいは遮断を制御する電磁クラッチ等の駆動伝達遮断部材等を支持部材で支持することで、駆動系の構成部品が一体的にユニット化された駆動ユニットも種々開発されている。
【0005】
このように駆動系をユニット化することで、前述の作像系と同様に、装置本体に対して駆動系の各構成部品の取り付けが容易になり、組立作業性やメンテナンス性が向上する。
また、画像形成に関わる作像系の回転部材に駆動モータの回転を伝達する駆動歯車自体およびそれらの歯車の取り付けなどには高精度が要求される場合が多い。例えば歯車の取り付け時などに歯車の歯面に傷が付くと、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題が生じるため、その取り扱いには十分な注意を払う必要がある。そこで、前述のように駆動系をユニット化することにより、歯車単体を付け外しする場合に比べてこのような問題の発生を防止することができる。
【0006】
駆動系のユニット化として、従来、低騒音や低振動を目的とする駆動ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、動力伝達を制御する電磁クラッチ等の電装部品が設けられた駆動ユニットが従来提案されているが、このような駆動ユニットとして、電装部品が交換しやすいように工夫されて設けられた駆動ユニットも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、装置本体の鉛直に立設された側板に駆動ユニットを取り付けられた駆動ユニットにおいて、駆動モータの自重による問題の対応、つまり、駆動モータの自重で垂れ下がることによるモータ取付用防振部材の破損を防止することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】
【特開平14−258563号公報】
【特許文献2】
【特許第3376234号公報】
【特許文献3】
【特開平13−337502号公報】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の特許文献1および2に開示されているような駆動モータを含む駆動ユニットの場合、ユニット全体を装置本体の一対の側板の内側に配置することが一般的である。
しかしながら、このようにユニット全体を一対の側板の内側に配置すると、これら一対の側板間の距離をプロセスカートリッジの長手方向の寸法以上に大きくする必要があるため、装置全体の大型化につながってしまう。これを回避するために、必要最少限の駆動伝達接続部のみを装置本体の側板内側に配置し、駆動ユニットの駆動モータ部は装置本体の側板に形成された開口を通して側板の外側に設けることが考えられるが、駆動モータは駆動伝達接続部の歯車などのその他の駆動部品に比べて圧倒的に重いため、この駆動モータの自重により装置本体の側板の鉛直面に取り付ける際の重量バランスが非常に悪い。
【0009】
そして、駆動ユニットを側板に取り付ける際に、作業者は片手で駆動ユニットを保持しつつ、駆動ユニットの位置決め部と側板の位置決め部とを係合させた状態で、ねじを締め込むことが要求されるため、前述のように重量バランスが悪いと、著しく組立作業性が悪く、駆動ユニットを側板に対して高精度に位置決めされず正規の位置にない状態で組み付けられる可能性がある。このように、駆動ユニットが正規の位置に組み付けられないと、バンディング等の異常画像が発生して画像の品質が低下してしまうおそれがある。
【0010】
また、駆動伝達接続部における駆動ユニット側の駆動出力歯車を装置本体の側板の開口に通す際に、歯車が側板の開口のエッジ部と接触して歯面等に傷を付けてしまう可能性もあり、これによっても組立作業性が悪くなるばかりでなく、画像品質が低下してしまうおそれがある。
更に、特許文献3には、駆動モータの自重による問題の対応については開示されているものの、駆動モータの自重を積極的に利用することによる駆動ユニットの装置本体への組立性の向上や歯車の歯面の保護については何ら開示されていないばかりでなく、示唆もされていない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動モータの自重を積極的に利用することで、駆動ユニットを画像形成装置本体により簡単にかつ高精度に位置決めして組み付けることのできる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、対向配置されかつ鉛直方向に立設された一対の側板に、着脱可能に支持された作像系の回転部材と、前記一対の側板の一方の側板に取り付けられるとともに、駆動モータおよびこの駆動モータの駆動力を前記回転部材に伝達する複数の歯車からなる駆動輪列をそれぞれ支持部材に一体的に支持してなる駆動ユニットとを少なくとも備えている画像形成装置において、前記一対の側板の一方の側板に、前記駆動モータが貫通可能な開口が形成されているとともに、前記一方の側板の前記回転部材側面に、前記支持部材の下端部が係合する係合部が設けられており、前記駆動ユニットを前記一方の側板の前記回転部材側に位置させた状態で前記駆動モータを前記一方の側板の開口に前記回転部材側から貫通させるとともに前記支持部材の下端部を前記係合部に係合させることで、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して略位置決めするようになっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2の発明は、前記一方の側板と前記支持部材との間に、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して正規に位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記作像系が複数の作像ユニットで構成されており、これらの複数の作像ユニットのうち、少なくとも1つ以上の作像ユニットの回転部材が前記駆動モータの駆動力により駆動されるようになっていることを特徴としている。
【0014】
【発明の作用および効果】
このように構成された本発明の画像形成装置によれば、駆動ユニットが装置本体における一方の側板の回転部材側に位置された状態で、駆動モータのみが一方の側板の開口に回転部材側から貫通されるとともに、駆動ユニットの支持部材の下端部が側板の回転部材側の係合部に係合されることで、駆動ユニットが一方の側板に対して略位置決めされる。
【0015】
このとき、駆動モータの大部分が一方の側板の回転部材側と反対側に位置するが、駆動ユニットの駆動輪列は側板の開口を貫通せず、一方の側板の回転部材側に位置する。そして、駆動モータの重量が駆動輪列および支持部材の合計重量よりはるかに大きく、駆動ユニットの重心が駆動モータ側に位置するので、前述のように駆動ユニットが一方の側板に対して略位置決めされた状態では、この駆動ユニットの重心は一方の側板の回転部材側と反対側に位置するようになる。これにより、駆動ユニットの支持部材が回転付勢されて一方の側板に押し付けられるので、組立作業者が駆動ユニットから手を放しても、駆動ユニットは係合部から脱落しなく、略位置決めされた状態で安定に支持される。したがって、その後の駆動ユニットのねじ等の締着具による締結を簡単に行うことができ、組立作業性が向上する。
【0016】
また、駆動モータのみが一方の側板の開口に貫通されるが、駆動ユニットの駆動輪列は側板の開口を貫通しないので、駆動ユニットの一連の組み立て作業において側板の開口のエッジ部で駆動輪列の各歯車の歯面が傷付くようなことはない。これにより、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題を防止することができる。
そして、組立作業性が向上し、かつ各歯車の損傷が防止されることで、作像系の回転部材を高精度に回転制御できるので、画像の品質を従来に比べて良好にすることができる。
【0017】
特に、請求項2の発明によれば、駆動ユニットが略位置決めされた後、位置決め手段により一方の側板に対して高精度に位置決めされる。これにより、作像系の回転部材を更に高精度に回転制御できるので、画像の品質をより一層良好にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図、図2はこの例の画像形成装置に用いられている感光体およびその駆動ユニットを模式的に示す側面図、図3は図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【0019】
図1に示すように、この例の画像形成装置1はロータリ現像方式の画像形成装置であり、概略的には、露光装置2、ロータリ式現像装置3、露光装置2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像がロータリ式現像装置3からのトナーによって現像されて可視像化されたトナー像が形成される感光体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、感光体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写装置6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写装置8、給紙カセット9に収容された紙7を給紙ローラ10aで二次転写装置8に給送する給紙装置10、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット11、および定着ユニット11で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ12からなっている。
【0020】
作像系のロータリ式現像装置3は、回転可能に設けられたロータリフレーム13aを有するロータリ13と、このロータリ13に搭載された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ14,15,16,17とを備えている。各現像カートリッジ14,15,16,17は、それぞれ、回転部材である現像ローラ14a,15a,16a,17aを備えている。そして、ロータリ13が回転制御されることで、各現像カートリッジ14,15,16,17が順次現像位置に設定され(図1に示す状態では、イエロー(Y)の現像カートリッジ14が現像位置に設定され、その現像ローラ14aが感光体4に当接している)。このロータリ式現像装置3は、各現像カートリッジ14,15,16,17がロータリ13のロータリフレーム13aに一体的に取り付けられた作像ユニットとして構成されている。
【0021】
図2および図3に示すように、作像系の回転部材である感光体4の一端側には、感光体駆動入力歯車4aおよび回転軸4bがともに同軸上にかつ感光体4と一体に設けられ、また、感光体4の他端側には、回転軸4cが同軸上にかつ感光体4と一体に設けられている。これらの感光体4、感光体駆動入力歯車4a、回転軸4b,4c、および図示しない帯電器およびクリーナが一体的に組み立てられて感光体カートリッジ(感光体ユニット;作像ユニットの1つ)18として構成されている。そして、感光体カートリッジ18は、画像形成装置1の前側(ユーザ側)より図2に矢印Aで示す感光体4の長手方向に移動させることで着脱可能に画像形成装置1の本体(以下、装置本体ともいう)の一対の側板1a,1bに装着されるようになっている。これらの一対の側板1a,1bは、互いに対向して配置されかつ鉛直方向に立設されている。
【0022】
感光体カートリッジ18が装置本体に装着された状態では、一方の回転軸4bが感光体ユニット18の一方の側板18aに回転可能に支持されているとともに、他方の回転軸4cが感光体ユニット18の他方の側板18bに回転可能に支持されている。更に、回転軸4bが装置本体の一方の側板1aに回転可能に支持されているとともに、感光体ユニット18の他端側の側板18bが装置本体の他方の側板1bに取り付けられている。
【0023】
回転軸4bを支持する側板1aには、感光体4を回転駆動する駆動ユニット19が取り付けられている。この駆動ユニット19は、感光体4を回転するための回転トルク(駆動力)を出力する駆動モータ20と、駆動モータ20の回転軸20aに固定された駆動モータ歯車21と、感光体駆動出力歯車22と、大径歯車23および小径歯車24からなる減速歯車対25と、板金からなり2つの側板26a,26bを有するコ字状の筺体26とから構成されている。
【0024】
感光体駆動出力歯車22は感光体駆動入力歯車4aに噛合可能であり、大径歯車23は駆動モータ歯車21に噛合しかつ小径歯車24は感光体駆動出力歯車22に噛合している。そして、筺体26の一方の側板26aに、回転軸20aがこの側板26aの孔(不図示)を回転可能に貫通するようにして駆動モータ20が固定されるとともに、筺体26の両側板26a,26bに感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25がそれぞれ回転可能に支持されている。すなわち、駆動モータ20、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25が、支持部材である筺体26に一体的に取り付けられることで、駆動ユニット19が構成されている。
【0025】
側板1aの内面(つまり、感光体ユニット18側)は駆動ユニット19の取付面1a1となっている。また、側板1aには、駆動モータ20が貫通可能な開口27が穿設されているとともに、2つの位置決め用孔28a,28bが穿設されている。そして、一方の位置決め用孔28aは鉛直方向および水平方向とも、高精度に位置決めされている。また、他方の位置決め用孔28bは感光体4の長手方向に直交する方向にかつ水平方向に延びる長孔に形成されている。この長孔の上下縁は上下方向(鉛直方向)に高精度に位置決めされている。
【0026】
側板1aの内面には、筺体26の一方の側板26aの下端部26a1が鉛直方向下向きに係合可能な係合部であるL字状の爪部材29aが設けられているとともに、同じく側板26aの下端部26a2が鉛直方向下向きに係合可能な係合部であるL字状の爪部材29bが設けられている。2つの爪部材29a,29bは同じ形状の爪部材であり、側板1aを切り起こして設けることもできるし、側板1aと別部材で形成したものを側板1aに固定して設けることもできる。その場合、これらの爪部材29a,29bには、いずれも、一方の側板26aの各下端部26a1,26a2が感光体4の長手方向に直交する方向にかつ水平方向に移動可能に係合するようになっている。
【0027】
一方、筺体26の一方の側板26aには、位置決め用孔28a,28bにそれぞれ嵌合可能な2つの位置決め用ボス30a,30bが立設されている。一方の位置決め用ボス30aは一方の位置決め用孔28aに嵌合されることで、側板1aに対して鉛直方向および水平方向ともに高精度に位置決めされる。また、他方の位置決め用ボス30bは他方の位置決め用孔28bに嵌合されることで、側板1aに対して鉛直方向に高精度に位置決めされる。すなわち、位置決め用孔28a,28bと位置決め用ボス30a,30bとにより、一方の側板1aと筺体26との間に、駆動ユニット19を一方の側板26aに対して正規に位置決めする位置決め手段が構成されている。
【0028】
次に、駆動モータ20、21、22および25が筺体26に組み付けられた駆動ユニット19の装置本体の側板1aへの取付けについて説明する。
駆動ユニット19を側板1aの内側(感光体ユニット18側)に位置させ、この状態で、図4に示すように駆動ユニット19の駆動モータ20を側板1aの開口27に内側から貫通させるとともに、側板26aの各下端部26a1,26a2をそれぞれ各爪部材29a,29bに鉛直方向下向きに係合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに鉛直方向に略(ほぼ)位置決めされ、この状態では、駆動モータ20の大部分が側板1aの外側(感光体ユニット18側と反対側)に位置するとともに、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25からなる駆動輪列が側板1aの内側(感光体ユニット18側)に位置している。
【0029】
ところで、駆動モータ20の重量が、駆動モータ歯車21、感光体駆動出力歯車22および減速歯車対25からなる駆動輪列および筺体26の合計重量よりはるかに大きいので、駆動ユニット19の重心Gは駆動モータ20側に位置する。したがって、前述のように駆動ユニット19が鉛直方向に略位置決めされた状態では、図4に示すように駆動ユニット19の重心Gは側板1aの外側(感光体ユニット18側と反対側)位置するようになる。このため、駆動ユニット19にその自重Wによる図4において時計方向の回転モーメントMが加えられ、駆動ユニット19は、各爪部材29a,29bに支持された側板26aの各下端部26a1,26a2を中心に(具体的には、両下端部26a1,26a2を結ぶ直線を中心に)時計方向に回転付勢される。したがって、駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19は各爪部材29a,29bから脱落することがなく安定している。
【0030】
そして、駆動ユニット19を鉛直方向に上下動させて他方の位置決め用ボス30bを長孔の位置決め用孔28bに完全に嵌合させるとともに、水平方向に左右動させて一方の位置決め用ボス30aを一方の位置決め用孔28aに完全に嵌合させる。これにより、駆動ユニット19が側板1aに対して鉛直方向および水平方向ともに正規位置に高精度に位置決めされる。このとき、側板26aの各下端部26a1,26a2がそれぞれ各爪部材29a,29bで支持されかつ駆動ユニット19が時計方向に回転付勢されることにより、駆動ユニット19が安定しているので、組立作業者が両手を使うことで、この位置決め作業が簡単にかつ確実に行われるようになる。駆動ユニット19が高精度に位置決めされた状態では、筺体26の側板26aの取付面26a2が装置の側板1aの取付面1a1に密着するようになる。最後に、ねじあるいはボルト等の締着具31a,31bで筺体26を側板1aに締結して固定することにより、駆動ユニット19が側板1aに高精度に位置決めされて取り付けられる。
このように、駆動ユニット19が側板1aに取り付けられた状態では、駆動ユニット19の感光体駆動出力歯車22が感光体4の感光体駆動入力歯車4aに噛合するようになる。
【0031】
この例の画像形成装置1によれば、次の効果が得られる。
すなわち、従来のように装置本体の側板に位置決めした駆動ユニットを手で保持してねじ締めする場合には、かなりの重量物の駆動モータを有する駆動ユニットを片手で支えながら、位置決めボスを位置決め孔に探りながら嵌合し、その後でねじ締めを行わなければならないので、駆動ユニットが位置ずれすることなくねじ締めを行うことは難しく、駆動ユニットを高精度に位置決めして側板に取り付けることはできない。これに対して、この例の画像形成装置1によれば、筺体26の側板26aを各爪部材29a,29bに支持させた後は、駆動ユニット19の自重W(大部分が駆動モータ20の自重)により駆動ユニット19が装置本体の側板に押し付けられるので、組立作業者が駆動ユニット19から手を放しても、駆動ユニット19は爪部材29a,29bから脱落しない。このように、駆動ユニット19の自重Wを積極的に利用することで、駆動ユニット19は略位置決めされた状態で安定に支持されるようになる。これにより、その後の駆動ユニット19の締着具31a,31bによる締結を簡単に行うことができ、組立作業性が向上する。しかも、駆動ユニット19を高精度に位置決めされて装置本体の側板1aの正規位置に取り付けることができる。
【0032】
また、駆動ユニット19を側板1aの内側から、駆動モータ20のみを側板1aの開口17を貫通させるが、駆動輪列の各歯車21,22,23,24は開口17を貫通させずに、駆動ユニット19の側板1aへの取付を完了させているので、一連の組み立て作業において開口17のエッジ部で各歯車21,22,23,24の歯面に傷が付くようなことはなくなる。これにより、バンディングなどの画像欠陥につながるという問題を防止することができる。
そして、組立作業性が向上し、かつ各歯車21,22,23,24の損傷が防止されることで、感光体4を高精度に回転制御できるので、画像の品質を従来に比べてより一層良好にすることができる。
【0033】
なお、前述の例では、位置決め用孔28a,28b、爪部材29a,29b、位置決め用ボス30a,30b、および締着具31a,31bはいずれも2個設けるものとしているが、本発明はこれに限定されることはなく、それぞれ、1個以上任意の数だけ設けることができる。
【0034】
また、前述の例では、本発明をロータリ現像方式の画像形成装置1にかつ作像系の回転部材である感光体4に適用して説明しているが、本発明は、これらのロータリ現像方式の画像形成装置1および感光体4に限定されるものではなく、少なくとも例えば現像ローラや転写ローラ等の画像形成を司る回転部材と、この作像系の回転部材を回転駆動するための駆動ユニットとを備える画像形成装置であれば、どのような画像形成装置にも適用することができる。また、駆動ユニットは作像系の複数の回転部材を回転駆動するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を概略的に示す図である。
【図2】この例の画像形成装置に用いられている感光体およびその駆動ユニットを模式的に示す図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【図4】駆動ユニットの装置本体への取付を説明する図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、1a,1b…側板、1a1…側板1aの取付面、2…露光装置、3…ロータリ式現像装置、4…感光体、4a…感光体駆動入力歯車、4b,4c…回転軸、5…中間転写媒体、6…一次転写装置、7…記録媒体、8…二次転写装置、10…給紙装置、11…定着ユニット、13…ロータリ、14,15,16,17…イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各現像カートリッジ、18…感光体ユニット、18a,18b…側板、19…駆動ユニット、20…駆動モータ、20a…駆動モータ20の回転軸、21…駆動モータ歯車、22…感光体駆動出力歯車、23…大径歯車、24…小径歯車、25…歯車対、26…筺体、26a,26b…側板、26a1…側板26aの下端部、26a2…側板26aの取付面、27…開口、28a,28b…位置決め用孔(位置決め手段)、29a,29b…爪部材(係合部)、30a,30b…位置決め用ボス(位置決め手段)、31a,31b…締着具
Claims (3)
- 対向配置されかつ鉛直方向に立設された一対の側板に、着脱可能に支持された作像系の回転部材と、前記一対の側板の一方の側板に取り付けられるとともに、駆動モータおよびこの駆動モータの駆動力を前記回転部材に伝達する複数の歯車からなる駆動輪列をそれぞれ支持部材に一体的に支持してなる駆動ユニットとを少なくとも備えている画像形成装置において、
前記一対の側板の一方の側板に、前記駆動モータが貫通可能な開口が形成されているとともに、前記一方の側板の前記回転部材側面に、前記支持部材の下端部が係合する係合部が設けられており、
前記駆動ユニットを前記一方の側板の前記回転部材側に位置させた状態で前記駆動モータを前記一方の側板の開口に前記回転部材側から貫通させるとともに前記支持部材の下端部を前記係合部に係合させることで、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して略位置決めするようになっていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記一方の側板と前記支持部材との間に、前記駆動ユニットを前記一方の側板に対して正規に位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記作像系が複数の作像ユニットで構成されており、これらの複数の作像ユニットのうち、少なくとも1つ以上の作像ユニットの回転部材が前記駆動モータの駆動力により駆動されるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
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