JP2005034740A - 保護層形成材の塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両に対して、保護層形成材を確実且つ良好に塗布する。
【解決手段】ローラ機構部は、ローラ48を回転自在に支持し、保護層形成材を供給する複数のノズル孔114を設けるパイプ112と、前記ローラ48と前記パイプ112との間に介装されるカラー部材124とを備える。カラー部材124は、径方向に分割される割り部材126a、126bを備える。割り部材126a、126bは、中心から外周に連通する複数の孔部188、190を備える。孔部188及び190のうち孔部188a及び190aは、軸方向の端部189、191に接近する方向に傾斜し、該端部189、191に連通している。
【選択図】図7
【解決手段】ローラ機構部は、ローラ48を回転自在に支持し、保護層形成材を供給する複数のノズル孔114を設けるパイプ112と、前記ローラ48と前記パイプ112との間に介装されるカラー部材124とを備える。カラー部材124は、径方向に分割される割り部材126a、126bを備える。割り部材126a、126bは、中心から外周に連通する複数の孔部188、190を備える。孔部188及び190のうち孔部188a及び190aは、軸方向の端部189、191に接近する方向に傾斜し、該端部189、191に連通している。
【選択図】図7
Description
本発明は、塗装が終了した車両の塗装部を主とする外表面に保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関し、特に、前記外表面に接触させるローラによって液状の保護層形成材を塗布する保護層形成材の塗布装置に関する。
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラや船等で搬送されたりすることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管及び搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち、表面層の品質が侵されるおそれがある。このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、塗装部を保護することができる。また、除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
剥離性保護層が乾燥する前の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、このローラを転がすことによって保護層形成材の塗布を行っている。
このような作業の自動化を図るとともに塗布品質を均一化させるために、ボディ上に保護層形成材を注ぎ出した後、エアを吹き付けることによって保護層形成材を広げる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば保護層形成材の塗布工程における作業の多くが自動化され、作業者の負担を軽減するとともに、タクトタイムを向上させることができて好適である。
ところで、前記の特許文献2で開示されている方法では、保護層形成材の広がり具合が必ずしも均一ではなく、また、保護層形成材が飛散することを防ぐために、ルーフの縁部には適用していない。
さらに、近時の自動車のボディはより複雑な形状となりつつあり、凹凸部や複雑な曲面を有するものがある。このような凹凸部や曲面にはエアノズルによって保護層形成材を広げるということが困難である。さらにまた、塗装品質が特に重要視されている箇所には保護層形成材をより厚く塗る必要があるが、エアノズルで保護層形成材を広げる場合には塗膜の厚さを調整することは困難である。
このようなことから、エアノズルで保護層形成材を広げた後に、数人の作業者がルーフの縁部や凹凸部等の細部にローラで保護層形成材を塗布して仕上げの処理を行う必要がある。従って、保護層形成材の塗布処理は一部を人手作業に頼っており、作業者の負担となるとともに、作業者の熟練度によって塗布品質にばらつきが発生する。
作業者の作業を軽減し、且つ、作業の品質を均一にするためには、作業者が従来用いているローラを産業用のロボットに適用することが検討される。この場合、ポンプを用いて保護層形成材をローラに対して自動的に供給できるようにすると好適である。
ところで、ローラの内部に供給された保護層形成材は、ローラの表面まで必ずしも均一に染みわたらないことがあり、特に、ローラの端部には染みわたりにくく、この部分が乾燥してしまうことがある。この結果、車両に塗布した保護層形成材の塗膜が不均一となったり、塗りむらが生じてしまうことがある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、保護層形成材を確実且つ良好に塗布することが可能な保護層形成材の塗布装置を提供することを目的とする。
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を前記ローラに供給する供給機構部と、を有し、前記ローラは、外周に設けられた円筒状の保護層形成材吸収保持部と、前記ローラの軸心に配置され、前記保護層形成材を供給するための複数のノズル孔を外周部に設ける管部材と、前記保護層形成材吸収保持部と前記管部材との間に介装され、内周面から外周面に連通する複数の孔部を具備する円筒状のカラー部材と、を備え、前記孔部の少なくとも1つは、内周面から外周面に向かって軸方向の端部に接近する方向に、傾斜し又は曲がって形成されていることを特徴とする。
このように、カラー部材に、内周から外周へ連通する孔部を設け、且つ、該孔部を端部に向かって接近する方向に傾斜し又は曲げて形成することにより、端部近傍に保護層形成材を確実に供給することができる。従って、車両に塗布した保護層形成材の塗膜が均一となり、保護層形成材を確実且つ良好に塗布することができる。
この場合、前記孔部の少なくとも1つは、前記カラー部材の外周の端部に連通していると、端部に対してより確実に保護層形成材を供給することができる。
また、前記カラー部材は、径方向に分割される2つの割り部材からなる構成であると、カラー部材の内面の清掃が可能であるとともに組み立てが容易である。
前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を用いるとよい。これにより、車両の塗装部をより確実に保護することができ、しかも除去するときには剥がしやすい。
本発明に係る保護層形成材の塗布装置によれば、カラー部材には中心から外周に連通する複数の孔部が設けられ、そのうち少なくとも1つの孔部は、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部に接近する方向に傾斜し又は曲がって形成されている。従って、保護層形成材をローラの表面まで均一に染みわたらせることができ、特に、ローラの端部にも保護層形成材を染みわたらせることができる。この結果、車両に塗布した保護層形成材の塗膜が均一となり、塗りむらの発生を防止することができる。
また、カラー部材は、径方向に分割される2つの割り部材からなる構成であるため、カラー部材の内面の清掃が可能であるとともに組み立てが容易である。
以下、本発明に係る保護層形成材の塗布装置について実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る保護層形成材の塗布装置10は、自動車の搬送ライン12に設けられており、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布する。
塗布装置10は、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b及び16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a〜16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a〜16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a〜16cは、それぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a〜28cによって制御される。
ロボット16a及び16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に備えられている。ロボット16aは進行方向の前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向の後方に備えられている。ロボット16a〜16cは、搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
塗布材管路22の途中には、ポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a〜16cへ供給する。保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温になるように制御されている。ロボット16a〜16cの先端部には、それぞれ塗布材管路22によって保護層形成材が供給されるローラ機構部34が設けられている。
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とし、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有する。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合及び温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的及び物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品する際に、保護層形成材を除去する場合等には容易に剥離することができる。
図3に示すように、ロボット16a〜16cは、例えば、産業用の多関節型のロボットであり、ベース部40と、該ベース部40を基準にして順に、第1アーム42、第2アーム44及び第3アーム46とを有し、該第3アーム46の先端にローラ機構部34が設けられている。ローラ機構部34は、第3アーム46に対して着脱自在であり、所謂、エンドエフェクタとして作用する。
第1アーム42は、軸J1、J2によってベース部40に対して水平及び垂直に回動可能である。第2アーム44は、第1アーム42と軸J3で回動可能に連結されるとともに、前記第2アーム44は、軸J4によって捻れ回転が可能である。第3アーム46は、第2アーム44と軸J5で回動可能に連結されるとともに、前記第3アーム46は、軸J6によって捻れ回転が可能である。
このような6軸構成のロボット16a〜16cの動作によって、先端部に接続されたローラ機構部34は、車両14の近傍における任意の位置に移動可能であって、且つ、任意の向きに設定可能である。換言すれば、ローラ機構部34は6自由度の移動が可能である。なお、ロボット16a〜16cは、回転動作以外にも伸縮動作、平行リンク動作等の動作部を有するものであってもよい。
図4〜図6に示すように、ローラ機構部34は、ロボット16a(16b、16c)の第3アーム46の先端部に取り付けられており、円筒形状で保護層形成材を吸収して蓄えることができるローラ48と、第3アーム46に対する取付部であるスラスト回転部69とを有する。スラスト回転部69は、取付部材70と、該取付部材70に対してベアリング72を介して回転自在に支持されているスラスト回転部材74と、該スラスト回転部材74の下部に取り付けられたベース部76とを有する。
ローラ機構部34は、ベース部76の両端部に設けられた空気圧シリンダ78、80と、ベース部76から下方に延在する2つの下方延在部76aの略下端に揺動軸82を介して揺動自在に軸支された揺動部材84と、ローラ48を保持するホルダ86と、前記ホルダ86と揺動部材84とを接続する接続部88とを有する。揺動部材84は、上方に延在する2つの上方延在部84aを有し、該上方延在部84aの略上端には、揺動軸82と平行にピン90が設けられている。このピン90は、下方延在部76aに形成された長孔91に移動自在に挿入される。
ローラ機構部34は、空気圧シリンダ78及び80のロッド78a及びロッド80aから力を受けて、前記揺動軸82を中心として回転する2つのピン押圧部材92及び94を有する。ピン押圧部材92の押圧面92aは、ロッド78aが縮退するとき図6における前記ピン90の左面を押圧し、ピン押圧部材94の押圧面94aは、ロッド80aが縮退するとき図6における前記ピン90の右面を押圧する。
スラスト回転部材74の上部には、回転規制部材96が設けられており、該回転規制部材96の上面の凹部96aには、取付部材70から下方に突出する小突起98が配置されている。小突起98の幅は凹部96aの幅よりやや小さく、この隙間の範囲において、スラスト回転部材74はスラスト方向に回転自在となっている。ここで、スラスト方向とは、ローラ48の自体の軸心と直交する方向であり、第3アーム46の軸心Cを中心とした回転方向である(図6参照)。なお、取付部材70を第3アーム46に取り付けるためのボルト100を小突起98に兼用してもよい。
接続部88には、上部と下部で対向する2つのクランパ102及び104が設けられる。クランパ102が揺動部材84に固定される一方、クランパ104がホルダ86に固定され、前記クランパ102、104がアルミパイプ106を保持することにより前記揺動部材84と前記ホルダ86とが連結される。アルミパイプ106の表面には、このアルミパイプ106の分断線となる環状溝106aが設けられている。
ホルダ86は、図4及び図5に示すように、板状のホルダ本体86eを備える。ホルダ本体86eの一端には、固定ホルダ部86aがボルト86bによって固定される一方、前記ホルダ本体86eの他端には、可動ホルダ部86cが軸部材86dを介して回転自在に装着される。固定ホルダ部86aには、ナット110aによって連結部材110bが固定され、この連結部材110bの一端側開口には、塗布材管路22が接続される。
連結部材110bの他端側開口には、中空状のパイプ(管部材)112の第1端部112aが接続される。パイプ112は、塗布材管路22から供給される保護層形成材をローラ48内に供給するとともに、前記ローラ48を回転自在に支持する。この第1端部112aには、複数(例えば、2箇所)の図示しない円錐状の溝が形成されており、この溝に連結部材110b側から図示しない埋め込みボルト等が係合することによって、パイプ112が連結部材110bに強固に装着される。パイプ112の第2端部112bは閉塞されている。
パイプ112には、供給された保護層形成材をローラ48の内部へと送給するための複数のノズル孔114が形成されている。パイプ112は、ステンレス鋼材により形成されると好適であり、例えば、SUS304系材料(オーステナイト系に分類される鋼管:日本工業規格準拠)により形成されると一層好適である。
可動ホルダ部86cの先端側には、円形溝部86fが形成されている。この可動ホルダ部86cは、スプリング116の付勢作用下に旋回可能であり、該スプリング116の弾発力によって前記円形溝部86fに前記パイプ112の第2端部112bが係合される。これにより、パイプ112が確実に保持される。
図5及び図7に示すように、ローラ48の外周部は、保護層形成材を吸収して蓄えることが可能な材質(スポンジや植毛体等)で、車両14の表面に接触して該保護層形成材を塗布する中空状の塗布部材(保護層形成材吸収保持部)48aとなっており、この塗布部材48aの両端の開口部48bに、Oリング120を介して液密に装着される端部キャップ122を備える。
端部キャップ122の中心には、孔部122aが形成され、この孔部122aにパイプ112が直接挿通されることにより、前記端部キャップ122は、塗布部材48aと一体的に前記パイプ112に対して回転自在に支持される。パイプ112と孔部122aとは、塗布部材48aの内部に保護層形成材を保持可能な程度に嵌め合いが調整されている。
図7及び図8に示すように、ローラ48は、パイプ112と塗布部材48aとの間に介装されるカラー部材124を備える。カラー部材124は、径方向に2分割される2つの割り部材126a、126bからなり、各割り部材126a、126b間には、ローラ48の軸方向に延在して所定の隙間Sを設けたスリット状の溝部(開口部)128a、128bが形成される。
カラー部材124は、2つの割り部材126a及び126bに分割可能であることから、内面の清掃が可能であるとともに組み立てが容易である。つまり、割り部材126a及び126bを組み立てる際には、該割り部材126a及び126bによりパイプ112を挟持すればよい。
割り部材126a、126bには、カラー部材182の内周面から外周面に連通する複数の孔部188、190が設けられる。孔部188、190は、それぞれ割り部材126a、126bの外周部に千鳥状に分散して開口し且つ軸方向に略均一に分散して形成されている。
複数の孔部188のうち、割り部材126aにおける両端の複数の孔部188aは、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部189に接近する方向に傾斜し、端部189において開口部を有する。同様に、複数の孔部190のうち、割り部材126bにおける両端の複数の孔部190aは、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部191に接近する方向に傾斜し、端部191において開口部を有する。
ノズル孔114から吐出した保護層形成材は、孔部188a及び190aを通り、カラー部材124の両端部(つまり、割り部材126a、126bの端部189、191)に確実に供給され、塗布部材48aの両端部に染み込む。従って、塗布部材48aの両端部が乾燥することを防止できる。
図9に示すように、ローラ48に保護層形成材を供給するための液圧及び空圧の複合回路(供給機構部)150は、コンプレッサ152と、該コンプレッサ152の吐出部に接続されたエアタンク154と、空気圧の供給・遮断の切り換えを行う手動の空圧投入弁156と、制御部18から供給される電気信号によって2次側圧力を減少させるレギュレータ操作弁160と、該レギュレータ操作弁160の2次圧によってパイロット操作されて塗布材管路22の圧力を減少させるレギュレータ158とを有する。また、複合回路150は、レギュレータ158の2次側管路及び水管路26が接続されたMCV(Material Control Valve:供給切換弁)162と、MCV162の2次側とローラ48との間に設けられたトリガ弁164とを有する。MCV162の内部には、塗布材管路22及び水管路26の連通・遮断の切り換えを行う切換弁162a、162bが設けられており、該切換弁162a、162bの2次側は連通している。なお、図9中、破線は空気圧管路を示す。
MCV162、トリガ弁164及びレギュレータ操作弁160は、空気圧パイロット式に限らず、電気ソレノイド等の駆動方式のものでもよい。
複合回路150は、さらに、空圧投入弁156から供給される空気圧を切り換えることによって切換弁162a、162bをパイロット式で操作するMCV切換電磁弁166と、トリガ弁164をパイロット操作するトリガ切換電磁弁168とを有する。
MCV切換電磁弁166は、制御部18から供給される電気信号によって、切換弁162a、162bのいずれか一方を連通させるとともに他方を遮断し、水と保護層形成材とを切り換えてトリガ弁164に供給する。トリガ切換電磁弁168は、制御部18から供給される電気信号によってトリガ弁164を連通・遮断状態に切り換えて、ローラ48に水又は保護層形成材を供給する。
塗布材管路22及び水管路26の途中には、それぞれ手動の止め弁170、172が設けられている。止め弁170及び172は、通常、連通状態に維持されている。複合回路150において、空気の排出口にはそれぞれサイレンサ174が設けられており、排気音を低減させている。コンプレッサ152、ポンプ32及び水供給源24には、過剰な圧力上昇を防止するリリーフ弁(図示せず)が設けられている。
なお、複合回路150におけるコンプレッサ152、エアタンク154、水供給源24及びポンプ32は、各ロボット16a、16b、16cに共通であり、それ以外の機器は各ロボット16a、16b、16cに個別に備えられている。
次に、このように構成される塗布装置10を用いて、車両14に保護層形成材を塗布する動作について説明する。
まず、予め、各ロボット16a〜16cに対して動作の教示を行う。具体的には、ロボット16a〜16cに対し、車両14のボンネット部14a、ルーフ中央部14b及びルーフ後方部14cをそれぞれ分担させて、各担当部に保護層形成材を塗布させるように教示する。そして、教示したティーチングデータは、制御部18の所定の記録部に記録し、保持しておく(図1参照)。なお、車両14が、例えば、セダン型であるときには、ロボット16cはトランク部を分担する。
すなわち、図10に示すように、ロボット16aの第3アーム46と車両14の表面との距離を適当に保ち、揺動部材84の傾斜角度を所定の角度θとなるように教示する。揺動部材84の傾斜角度は、基本的に角度θを維持しているが、例えば、凹部200及び凸部202は無視し、揺動部材84の傾斜角度を多少変化させるようにしてもよい。このように浅い凹部200や比較的低い凸部202を無視することにより、ロボット16aの動作教示が容易になる。
次に、ロボット16aを、図10中、右方向へ移動させながら、車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド80aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。また、ロッド78aが延出するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。これにより、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、ピン90の右側面を比較的弱い力で押圧し、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84及びローラ48は、揺動軸82を中心として反時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
一方、図11に示すように、ロボット16aを左方向に移動させながら車両14に保護層形成材を塗布する際には、ロッド78aが縮退する方向に比較的弱い力Faを発生するように、左側の空気圧シリンダ78に空気を供給する。また、ロッド80aが延出するように右側の空気圧シリンダ80に空気を供給する。これにより、左側のピン押圧部材92の押圧面92aは、ピン90の左側面を比較的弱い力Faで押圧し、右側のピン押圧部材94の押圧面94aは、前記ピン90から離間する。従って、揺動部材84及びローラ48は、揺動軸82を中心として時計方向の力を受けることになり、ローラ48が適当な押圧力で車両14の表面に押圧される。
このように、ロボット16aの進行方向に応じて空気圧シリンダ78及び80に供給する空気の流れの方向と圧力とを制御することにより、ローラ48を車両14の表面に対して適度に押圧することができる。
その後、ロボット16a〜16cによって保護層形成材が塗布された車両14は、搬送ライン12によって次工程へ搬送される。そして、ロボット16a〜16cは、車両14に干渉することのない待機姿勢を保持し、次の車両14が搬入されるまで待機する。このとき、トリガ弁164を遮断させ保護層形成材の供給を停止させる。塗布された保護層形成材は、自然乾燥又は送風しながら乾燥させて可剥離性保護層を形成し、車両14の塗装部を保護する。
この場合、図5及び図7に示すように、パイプ112の第1端部112aに塗布材管路22が接続され、この塗布材管路22から供給される保護層形成材は、前記パイプ112の複数のノズル孔114からカラー部材124内に吐出される。
ところで、カラー部材182を構成する各割り部材126a、126b間には、ローラ48の軸方向に延在してスリット状の溝部128a、128bが形成されるとともに、前記割り部材126a、126bには、中心から外周に連通する複数の孔部188、190が設けられている。
このため、保護層形成材は、溝部128a、128bに沿ってローラ48内に送給されるとともに、カラー部材182の回転による遠心力を介して複数の孔部188、190から前記ローラ48内に吐出される。
しかも、ローラ48内にカラー部材124が収容されているため、このローラ48内に必要量の保護層形成材が迅速に充填される。ローラ48内の空間部容積が大幅に削減されているからである。このため、カラー部材124を使用しない構成に比べ、高レスポンスを維持して保護層形成材による塗布作業が効率的に遂行されるという利点がある。
さらに、カラー部材124を構成する2つの割り部材126a及び126bには、外周面の端部189及び191に連通する孔部188a及び190aを備えることから、保護層形成材は、塗布部材48aの両端部に確実に供給され、この部分が乾燥することがない。
これにより、保護層形成材は、塗布部材48aの表面まで略均一に染みわたり、車両14に塗布した保護層形成材の塗膜を均一とすることができる。また、塗りむらが生じない。
なお、カラー部材124には、溝部128a、128bを設けなくてもよい。
また、図12Aに示すように、端部189よりやや中央寄りの箇所に開口部を有する孔部188bも、孔部188aと同様に、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部189に接近する方向に傾斜させてもよい。同様に端部191よりやや中央寄りの箇所に開口部を有する孔部190bも、孔部190aと同様に傾斜させてもよい。このようにすることにより、カラー部材124の端部189、191の近傍が乾燥することをより確実に防止できる。
図12Bに示すように、中心部に対して対称的に全ての孔部188c、190cを傾斜させてもよい。このように孔部188cが全て同じ形状であると、孔部188cを削孔して成形する場合、削孔する加工が容易である。
さらに、図12Cに示すように、孔部188d及び190dは、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部189に接近する方向に曲がって形成されていてもよい。また、図12Dに示すように、孔部188eは、軸方向に捻れた螺旋形状であってもよい。
本発明に係る保護層形成材の塗布装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…塗布装置 12…搬送ライン
14…車両 16a、16b、16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
32…ポンプ 34…ローラ機構部
40、76…ベース部 48…ローラ
48a…塗布部材 158…レギュレータ
160…レギュレータ操作弁 164…トリガ弁
168…トリガ切換電磁弁 112…パイプ
114…ノズル孔 124…カラー部材
128a、128b…溝部
14…車両 16a、16b、16c…ロボット
18…制御部 20…タンク
32…ポンプ 34…ローラ機構部
40、76…ベース部 48…ローラ
48a…塗布部材 158…レギュレータ
160…レギュレータ操作弁 164…トリガ弁
168…トリガ切換電磁弁 112…パイプ
114…ノズル孔 124…カラー部材
128a、128b…溝部
Claims (4)
- 車両の搬送ラインの近傍に設けられ、ティーチング動作可能なロボットと、
前記ロボットに接続され、回転自在なローラを備えるローラ機構部と、
乾燥後に剥離性保護層として作用する液状の保護層形成材を前記ローラに供給する供給機構部と、
を有し、
前記ローラは、外周に設けられた円筒状の保護層形成材吸収保持部と、
前記ローラの軸心に配置され、前記保護層形成材を供給するための複数のノズル孔を外周部に設ける管部材と、
前記保護層形成材吸収保持部と前記管部材との間に介装され、内周面から外周面に連通する複数の孔部を具備する略円筒状のカラー部材と、
を備え、
前記孔部の少なくとも1つは、内周面から外周面に向かって、軸方向の端部に接近する方向に傾斜し又は曲がって形成されていることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。 - 請求項1記載の保護層形成材の塗布装置において、
前記孔部の少なくとも1つは、前記カラー部材の外周の端部に連通していることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。 - 請求項1又は2記載の保護層形成材の塗布装置において、
前記カラー部材は、径方向に分割される複数の割り部材からなることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護層形成材の塗布装置において、
前記保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤であることを特徴とする保護層形成材の塗布装置。
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