JP2005033898A - 車両の電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メモリ効果を防止するとともに、電力を安定して供給する。
【解決手段】各電源ユニット201、202はそれぞれ、二次電池301、302と、電源ユニット201、202のそれぞれの出力電圧値を昇降するコンバータ401、402とを含む。コンバータ401、402は、二次電池301、302のそれぞれと対応して接続されている。また、コンバータ401、402は互いに直列に接続されている。この状態で、コンバータ401、402により、各電源ユニット201、202毎に、電圧比(電源ユニットの出力電圧に対する二次電池の電圧値の比率)を設定し、電圧比に従った電流値を個々の二次電池301、302から放電させる。
【選択図】 図1
【解決手段】各電源ユニット201、202はそれぞれ、二次電池301、302と、電源ユニット201、202のそれぞれの出力電圧値を昇降するコンバータ401、402とを含む。コンバータ401、402は、二次電池301、302のそれぞれと対応して接続されている。また、コンバータ401、402は互いに直列に接続されている。この状態で、コンバータ401、402により、各電源ユニット201、202毎に、電圧比(電源ユニットの出力電圧に対する二次電池の電圧値の比率)を設定し、電圧比に従った電流値を個々の二次電池301、302から放電させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の電源装置に関し、特に、電動機を駆動源とする車両の電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題を考慮して、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車のように、電動モータ等の電動機を駆動源とする車両が注目されている。このような車両には、電動機に電力を供給するため、ニッケル水素バッテリ等の二次電池が搭載されている。
【0003】
ところで、この二次電池においては、容量をある程度残した状態で放電を中止して再度充電を行なうと、初回に放電を中止した付近で少し電圧が低めに推移する傾向がある。このような充放電を繰返すと、毎回放電を中止した付近でくたびれた電圧挙動となる。この現象はメモリ効果と呼ばれ、このメモリ効果を防止するためには、一旦十分な放電を行なうことにより解消されることが知られている。
【0004】
特開平9−298805号公報(特許文献1)は、充放電時の二次電池からの放熱性を向上させ、熱による劣化の要因を低減し、二次電池の長寿命化を図り、さらに二次電池の残存容量や充電状態を容易に知ることができ、かつメモリ効果による電圧の低下を防止できる電源装置を開示する。特許文献1に開示された電源装置は、分割した形態で搭載された4つの二次電池と、各二次電池を直列あるいは並列に接続するスイッチと、必要に応じて単独、あるいは組み合わせて充放電して電動車両用電力を供給するコントローラとを含む。
【0005】
この公報に開示された発明によると、各二次電池を分離して電動車両に搭戴し、充放電時の二次電池からの放熱性を向上させることで、熱による劣化の要因を低減し、二次電池の長寿命化を図ることができ、1つの二次電池を放電しきるまで放電させることで、メモリ効果による放電電圧の低下、放電可能時間の低下を防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−298805号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−298805号公報に開示された電源装置は、二次電池の接続をスイッチにより切換えて、電力を放電する二次電池を選択しているため、回路が切断されて電力の供給が寸断される場合が生じる。また、二次電池が瞬間的に切換わるので供給される電力の電圧値が急に変動する。したがって、安定して電力を供給できないという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、メモリ効果を防止するとともに、電力を安定して供給することができる電源装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る車両の電源装置は、電動機を駆動源とする車両に搭載され、前記電動機に電力を供給する複数の電源ユニットを含む車両の電源装置である。各電源ユニットは、二次電池と、二次電池に接続され、前記電源ユニットの出力電圧値を昇降するための電圧変更手段とを含む。電源装置は、電圧変更手段を互いに直列に接続するための接続手段を含む。
【0010】
第1の発明によると、電源ユニットは電動機に電力を供給する。このとき、個々の電源ユニットに含まれる電圧変更手段により、各電源ユニットの出力電圧値を任意の値に設定し、個々の電圧変更手段の電圧比(電源ユニットからの出力電圧値に対する二次電池の電圧値の比率)を各電源ユニット毎に設定する。このようにして、電圧比がそれぞれ設定された電源ユニットの電圧変更手段を、接続手段により互いに直列に接続すると、電圧比に従った電流値を個々の二次電池から放電させることができる。このため、メモリ効果の解消のために特定の二次電池からの放電を優先させ、その二次電池を十分に放電させることができる。さらに、この場合、電源ユニットの接続は切換わらないので、電力は寸断されず、また、供給される電力の電圧値が急に変動することもない。これにより、電力を絶え間なく連続して供給することができる。その結果、メモリ効果を防止し、かつ電力を安定して供給できる電源装置を提供できる。
【0011】
第2の発明に係る車両の電源装置は、第1の発明の構成に加え、複数の電源ユニットの電圧値の合計が、予め定められた値となるように各前記電圧変更手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0012】
第2の発明によれば、制御手段は、電源ユニットの電圧値の合計が予め定められた値となるように電圧変更手段を制御する。これにより、電動機やインバータ等の電気機器に供給される電力の電圧値は、常に予め定められた値となるので、電動機等に負担をかけることがない。
【0013】
第3の発明に係る車両の電源装置においては、第1または第2のいずれかの発明の構成に加え、車両には、電力により作動する補機が搭載され、二次電池の中の少なくともいずれか一つは、前記補機に電力を供給する。
【0014】
第3の発明によれば、少なくともいずれか一つの二次電池は、電力により作動する補機に電力を供給する。これにより、補機に供給する電力を、電動機に電力を供給する電源装置から供給できるので、別途、補機用の電源を搭載する必要がない。
【0015】
第4の発明に係る車両の電源装置は、第1ないし第3のいずれかの発明の構成に加え、複数の電圧変更手段のうちの少なくともいずれか2つが並列に接続されるように、接続手段による接続を切換えるための手段をさらに含む。
【0016】
第4の発明によれば、切換え手段は、電圧変更手段のうちの少なくともいずれか2つが並列に接続されるように接続手段による接続を切換える。これにより、たとえばいずれか一つの二次電池の残存容量がなくなった場合でも、残存容量のある二次電池から電力を供給できる。すなわち、残存容量のない二次電池と接続している電圧変更手段と、残存容量のある二次電池と接続している電圧変更手段とを並列に接続すれば、残存容量のある二次電池から電力を供給することができる。よって、車両を走行させつつ、二次電池を完全放電させ、メモリ効果を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る電源装置を搭載した車両のパワーユニットについて説明する。尚、後述する電源ユニットは、全ての実施の形態それぞれにおいて、図示された個数に限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、パワーユニットは、ディファレンシャルギア(図示せず)を介して車輪(図示せず)を駆動する電動モータ100と、電動モータ100に接続されたインバータ102と、インバータ102に接続された電源ユニット201、202と、各電源ユニット201、202に接続されたバッテリECU(Electronic Control Unit)103と、パワーユニットを制御するモータECU104を含む。尚、モータECU104は、インバータ102と、各電源ユニット201、202と、バッテリECU103のそれぞれに接続されている。ここで、電動モータ100は、車両減速時の回生エネルギを電気に変換し二次電池に電力を充電するモータジェネレータであってもかまわない。また、本実施の形態に係る電源装置を搭載した車両は、電動モータのみを駆動源とする電動自動車に限定されず、内燃機関および電動モータのいずれか一方を駆動源とするハイブリッド自動車、または燃料電池により発電し、電動モータを駆動させて走行する燃料電池自動車であってもかまわない。
【0020】
インバータ102は、直流電流を交流電流に変換し、電動モータ100を駆動させる。
【0021】
各電源ユニット201、202は、インバータ102を介して、電動モータ100に電力を供給する。また、各電源ユニット201、202はそれぞれ、二次電池301、302と、電源ユニット201、202のそれぞれの出力電圧値を昇降するコンバータ401、402とを含む。
【0022】
コンバータ401、402は、二次電池301、302のそれぞれに対応して接続されている。また、コンバータ401と402は、コネクタ105により互いに直列接続となるように接続されている。尚、コンバータ401、402自体は、一般的な周知技術を用いればよく、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0023】
バッテリECU103は、二次電池301、302それぞれの電圧値、電流値、および残存容量を検知し、検知結果を信号としてモータECU104に送信する。なお、電圧値、電流値、および残存容量を検知する方法については、一般的な周知技術を用いればよく、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0024】
パワーユニットを流れる電力の電圧値および電流値は、それぞれ電圧計106と、電流計108により検知される、電圧計106および電流計108はそれぞれモータECU104に接続されており、検知された電圧値および電流値がモータECU104に入力される。
【0025】
モータECU104は、運転者からの加速要求に応じて電動モータ100が駆動するように、インバータ102を制御する。また、モータECU104は、電圧計106、電流計108、バッテリECU103からの検知信号に基づいて、所望の電圧値で電力がインバータ102に供給されるように、コンバータ401、402を制御する。
【0026】
図2を参照して本実施の形態に係るモータECU104が実行するプログラムの制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0027】
ステップ(以下「ステップ」をSと表わす。)100にて、モータECU104は、電圧計106、電流計108およびバッテリECU103からの検知信号から、パワーユニットの電圧値および電流値と、二次電池301、302それぞれの電流値、電圧値および残存容量を検知する。
【0028】
S200にて、モータECU104は、電源ユニット201、202の出力電圧値V(1)およびV(2)を設定する。ここで、出力電圧値V(1)およびV(2)は、その合計値が、電動モータ100の定格電圧値となるように設定される。
【0029】
S300にて、モータECU104は、電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されたか否かを判別する。電源スイッチがオフ操作された場合は処理が終了する。そうでない場合は、処理はS100に戻る。
【0030】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るモータECU104の動作を説明する。
【0031】
電源スイッチ(図示せず)がオン操作され、処理がスタートすると、電圧計106、電流計108、およびバッテリECU103からの検知信号に基づいて、パワーユニットの電圧値および電流値と、二次電池301、302それぞれの電流値、電圧値および残存容量を検知する(S100)。次に電源ユニット201、202それぞれの出力電圧値を設定し(S200)、電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されたか否かを判別する(S300)。
【0032】
電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されれば(S300においてYES)、処理が終了する。そうでない場合(S300においてNO)は、上述の処理を繰返す。
【0033】
ここで、図3を参照して、本実施の形態に係る電源装置の動作について詳細に説明する。
【0034】
図3に示すように、二次電池301および302から放電される電力の電流値をそれぞれI(B(1))、I(B(2))とする。また、パワーユニットの電流値(電動モータ100に供給される電力の電流値)をI(S)とする。ここで、コンバータ401と402は直列に接続されているため、コンバータ401および402(電源ユニット201および202)を流れる電力の電流値もI(S)となる。
【0035】
また、電源ユニット201と202の出力電圧値の合計、すなわちパワーユニットの電圧値(電動モータ100に供給される電力の電圧値)をV(S)とし、各コンバータ401、402における電圧値(各電源ユニット201および202の出力電圧値)をそれぞれV(C(1))、V(C(2))とする。
【0036】
まず、二次電池301の出力電流値I(B(1))を導出する。このとき、二次電池301が出力する電力の電力値W(B(1))と、コンバータ401における電力値W(C(1))を求める。
【0037】
電力値は、電圧値と電流値の積であるため、二次電池301の電圧値W(B(1))、およびコンバータ401における電力値W(C(1))はそれぞれ、
W(B(1))=V(B(1))・I(B(1))
W(C(1))=V(C(1))・I(S)
となる。
【0038】
ここで、コンバータ401における電力は、二次電池301から供給されているため、
W(B(1))=W(C(1))
である。したがって、
I(B(1))={V(C(1))/V(B(1))}・I(S)
となる。同様にして二次電池302から放電される電流値I(B(2))は
I(B(2))={V(C(2))/V(B(2))}・I(S)
となる。
【0039】
上記のI(B(1))とI(B(2))とにより、二次電池から放電される電力の電流値は、コンバータにおけるの電圧値(電源ユニットの出力電圧値)に対する二次電池の電圧値の比(電圧比)によって決定することがわかる。すなわち、コンバータにおける電圧値を設定し、電圧比を設定することで、二次電池の電流値を所望のものにすることができる。
【0040】
ここで、たとえば、二次電池301の放電量を、二次電池302の放電量よりも大きくし、二次電池301を優先的に放電させて二次電池301のメモリ効果を解消させたい場合を想定する。この場合、モータECU104は、各二次電池301、302の電圧値V(B(1))、V(B(2))に基づいて、電源ユニット201の電圧比V(C(1))/V(B(1))が、電源ユニット202の電圧比V(C(2))/V(B(2))よりも大きくなるように、各コンバータ401、402における電圧値V(C(1))、V(C(2))を昇圧または降圧して設定する。
【0041】
このように設定すれば、上記のI(B(1))とI(B(2))とにより、I(B(1))>I(B(2))となるため、二次電池301の放電量が大きくなり、優先的に放電することとなる。逆に、二次電池302は放電が抑制されることとなる。
【0042】
このとき、電源ユニット201、202の接続を切換えることなく、コンバータ401、402の電圧値V(C(1))、V(C(2))を変更することで二次電池の電流値I(B(1))、I(B(2))を設定することができる。よって、任意の二次電池の放電を優先させるとともに、電力を絶え間なく連続して供給することができる。このため、電動モータ100に安定して電力を供給しつつ、二次電池を十分に放電させてメモリ効果を解消できる。
【0043】
また、コンバータ401、402の電圧値V(C(1))、V(C(2))を変更する際、その合計値V(S)が、電動モータ100の定格電圧値となるように変更すれば、パワーユニットを流れる電力の電圧値(電動モータ100に供給される電力の電圧値)を、常に定格電圧値とすることができる。これにより、電動モータ100や、インバータ102に負担をかけることなく、任意の二次電池の放電を優先させることができる。
【0044】
さらに、たとえば、二次電池301と二次電池302との間で、温度あるいは構造に基づく出力差があった場合を想定する。この場合、二次電池301と、二次電池302を単に直列に接続していると、出力の低い一方の出力に、他方の出力が影響を受ける。すなわち出力の高い二次電池も、出力の低い二次電池が出すことのできる電流値しか出せない。しかしながら、本実施の形態に係る電源装置のように構成すれば、二次電池301、302それぞれの電流値を個々に設定することができるため、出力差があった場合でも、各二次電池301、302の出力を十分に引き出すことができる。
【0045】
以上のようにして、本実施の形態に係る電源装置は、各電源ユニット201、202に含まれるコンバータ401、402により、各電源ユニット201、202の出力電圧値を任意の値に設定し、電圧比(電源ユニットの出力電圧に対する二次電池の電圧値の比率)を各電源ユニット201、202毎に設定する。このようにして、電圧比がそれぞれ設定された電源ユニット201、202のコンバータ401、402を、コネクタ105により互いに直列に接続すると、電圧比に従った電流値を個々の二次電池301、302から放電させることができる。このため、メモリ効果の解消のために、二次電池301あるいは二次電池302からの放電を優先させ、その二次電池を十分に放電させることができる。さらに、この場合、電源ユニット201、202の接続を切換えることがないので、電源装置としての電圧値が急に変動することもない。その結果、メモリ効果を防止し、かつ電力を安定して供給できる電源装置を提供できる。
【0046】
<第2の実施の形態>
図4を参照して、第2の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0047】
本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態に係る電源ユニットに加えて、電源ユニット203をさらに含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0048】
本実施の形態に係る電源装置によれば、電源ユニット203の分だけ高い電圧値で、電動モータ100に電力を供給できる。これにより、電動モータ100における電力値を大きくし、出力を増加することができる。その結果、車両の動力性能を向上させることができる。尚、接続される電源ユニットの数は限定されず、車両の諸元に応じて任意に設定してもよい。
【0049】
<第3の実施の形態>
図5を参照して、第3の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0050】
本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態の構成に加え、二次電池302にコネクタ110を介して接続された空調ユニット112をさらに含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0051】
二次電池302は空調ユニット112に電力を供給し、空調ユニット112は二次電池302から供給される電力により作動する。
【0052】
本実施の形態に係る電源装置によれば、二次電池302は、空調ユニット112に電力を供給するので、別途空調ユニット112用の電源を搭載する必要がない。尚、本実施の形態に係る電源装置は、空調ユニット112以外の補機類、たとえば、シガーソケット、カーナビゲーションシステム、オーディオ、照明等にも適用可能である。また、二次電池302を車外電源として利用してもよい。また、複数の二次電池から補機類に電力を供給するように構成してもよい。
【0053】
<第4の実施の形態>
図6を参照して、第4の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0054】
図6(A)に示すように、本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態の構成に加え、コンバータ401およびコンバータ402が互いに直列に接続されている状態から、並列に接続された状態となるように、コネクタ116による接続を切換える切換スイッチ118を含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0055】
コネクタ116は、コンバータ401の正極とコンバータ402の正極とを接続する第1コネクタ116Aと、コンバータ401の負極とコンバータ402の負極とを接続する第2コネクタ116Bと、コンバータ401の負極とコンバータ402の正極とを接続する第3コネクタ116Cとを含む。
【0056】
切換スイッチ118は、第1コネクタ116Aの接続を開閉する第1スイッチ118Aと、第2コネクタ116Bの接続を開閉する第2スイッチ118Bと、第3コネクタ116Cの接続を開閉する第3スイッチ118Cとを含む。
【0057】
[直列接続]
第1スイッチ118Aおよび第2スイッチ118Bを開いた状態にし、第3スイッチ118Cを閉じた状態にすると、コンバータ401およびコンバータ402は直列に接続される。
【0058】
[並列接続]
第1スイッチ118Aおよび第2スイッチ118Bを閉じ、第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、図6(B)に示すように、コンバータ401およびコンバータ402は並列に接続される。
【0059】
本実施の形態に係る電源装置においては、コンバータ401と402の接続状態を、直列接続から並列接続に切換えることができる。これにより、直列接続にした状態で、二次電池301または302のいずれか一方の残存容量がなくなり電力を供給できない状態となっても、並列接続に切換えることで、他方から電力を供給し、電動モータ100を駆動することができる。すなわち一方の二次電池の残存容量を無くし、完全放電にした状態でも車両を走行させることができる。
【0060】
さらに、第1スイッチ118Aを閉じ、第2スイッチ118Bおよび第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、コンバータ401をパワーユニットの接続から完全に切離すことができる。また、第2スイッチ118Bを閉じ、第1スイッチ118Aおよび第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、コンバータ402をパワーユニットの接続から切離した状態とすることができる。これにより、残存容量がなくなった二次電池と対応したコンバータをパワーユニットの接続から切離し、二次電池の過放電を防止することができる。
【0061】
尚、本実施の形態においては、電源ユニットは2つであるが、例えば電源ユニットを3つ以上備え、それらのうちの少なくとも2つの電源ユニットのコンバータの接続が切換えられるように構成してもよい。
【0062】
以上のように、本実施の形態に係る電源装置によれば、切換えスイッチ118は、コンバータ401、402が並列に接続されるようにコネクタ116による接続を切換える。これにより、直列接続にした状態で、二次電池301または302のいずれか一方の残存容量がなくなり、電力を供給できない状態となっても、並列接続に切換えることで、他方から電力を供給し、電動モータ100を駆動することができる。すなわち一方の二次電池の残存容量を無くし、完全放電にした状態でも車両を走行させることができる。よって、車両を走行させつつ、二次電池を完全放電させることができ、メモリ効果を防止できる。さらに、残存容量がなくなった二次電池と対応したコンバータをパワーユニットの接続から切離し、二次電池の過放電を防止することができる。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電源装置を搭載した車両のパワーユニットを示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るモータECUが実行するプログラムの制御構造を表わすフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【符号の説明】
100 電動モータ、104 モータECU、105 コネクタ、106 電圧計、112 空調ユニット、116 コネクタ、116A 第1コネクタ、116B 第2コネクタ、116C 第3コネクタ、118 切換えスイッチ、118A 第1スイッチ、118B 第2スイッチ、118C 第3スイッチ、201,202 電源ユニット、301,302 二次電池、401,402 コンバータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の電源装置に関し、特に、電動機を駆動源とする車両の電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題を考慮して、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車のように、電動モータ等の電動機を駆動源とする車両が注目されている。このような車両には、電動機に電力を供給するため、ニッケル水素バッテリ等の二次電池が搭載されている。
【0003】
ところで、この二次電池においては、容量をある程度残した状態で放電を中止して再度充電を行なうと、初回に放電を中止した付近で少し電圧が低めに推移する傾向がある。このような充放電を繰返すと、毎回放電を中止した付近でくたびれた電圧挙動となる。この現象はメモリ効果と呼ばれ、このメモリ効果を防止するためには、一旦十分な放電を行なうことにより解消されることが知られている。
【0004】
特開平9−298805号公報(特許文献1)は、充放電時の二次電池からの放熱性を向上させ、熱による劣化の要因を低減し、二次電池の長寿命化を図り、さらに二次電池の残存容量や充電状態を容易に知ることができ、かつメモリ効果による電圧の低下を防止できる電源装置を開示する。特許文献1に開示された電源装置は、分割した形態で搭載された4つの二次電池と、各二次電池を直列あるいは並列に接続するスイッチと、必要に応じて単独、あるいは組み合わせて充放電して電動車両用電力を供給するコントローラとを含む。
【0005】
この公報に開示された発明によると、各二次電池を分離して電動車両に搭戴し、充放電時の二次電池からの放熱性を向上させることで、熱による劣化の要因を低減し、二次電池の長寿命化を図ることができ、1つの二次電池を放電しきるまで放電させることで、メモリ効果による放電電圧の低下、放電可能時間の低下を防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−298805号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−298805号公報に開示された電源装置は、二次電池の接続をスイッチにより切換えて、電力を放電する二次電池を選択しているため、回路が切断されて電力の供給が寸断される場合が生じる。また、二次電池が瞬間的に切換わるので供給される電力の電圧値が急に変動する。したがって、安定して電力を供給できないという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、メモリ効果を防止するとともに、電力を安定して供給することができる電源装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る車両の電源装置は、電動機を駆動源とする車両に搭載され、前記電動機に電力を供給する複数の電源ユニットを含む車両の電源装置である。各電源ユニットは、二次電池と、二次電池に接続され、前記電源ユニットの出力電圧値を昇降するための電圧変更手段とを含む。電源装置は、電圧変更手段を互いに直列に接続するための接続手段を含む。
【0010】
第1の発明によると、電源ユニットは電動機に電力を供給する。このとき、個々の電源ユニットに含まれる電圧変更手段により、各電源ユニットの出力電圧値を任意の値に設定し、個々の電圧変更手段の電圧比(電源ユニットからの出力電圧値に対する二次電池の電圧値の比率)を各電源ユニット毎に設定する。このようにして、電圧比がそれぞれ設定された電源ユニットの電圧変更手段を、接続手段により互いに直列に接続すると、電圧比に従った電流値を個々の二次電池から放電させることができる。このため、メモリ効果の解消のために特定の二次電池からの放電を優先させ、その二次電池を十分に放電させることができる。さらに、この場合、電源ユニットの接続は切換わらないので、電力は寸断されず、また、供給される電力の電圧値が急に変動することもない。これにより、電力を絶え間なく連続して供給することができる。その結果、メモリ効果を防止し、かつ電力を安定して供給できる電源装置を提供できる。
【0011】
第2の発明に係る車両の電源装置は、第1の発明の構成に加え、複数の電源ユニットの電圧値の合計が、予め定められた値となるように各前記電圧変更手段を制御するための制御手段をさらに含む。
【0012】
第2の発明によれば、制御手段は、電源ユニットの電圧値の合計が予め定められた値となるように電圧変更手段を制御する。これにより、電動機やインバータ等の電気機器に供給される電力の電圧値は、常に予め定められた値となるので、電動機等に負担をかけることがない。
【0013】
第3の発明に係る車両の電源装置においては、第1または第2のいずれかの発明の構成に加え、車両には、電力により作動する補機が搭載され、二次電池の中の少なくともいずれか一つは、前記補機に電力を供給する。
【0014】
第3の発明によれば、少なくともいずれか一つの二次電池は、電力により作動する補機に電力を供給する。これにより、補機に供給する電力を、電動機に電力を供給する電源装置から供給できるので、別途、補機用の電源を搭載する必要がない。
【0015】
第4の発明に係る車両の電源装置は、第1ないし第3のいずれかの発明の構成に加え、複数の電圧変更手段のうちの少なくともいずれか2つが並列に接続されるように、接続手段による接続を切換えるための手段をさらに含む。
【0016】
第4の発明によれば、切換え手段は、電圧変更手段のうちの少なくともいずれか2つが並列に接続されるように接続手段による接続を切換える。これにより、たとえばいずれか一つの二次電池の残存容量がなくなった場合でも、残存容量のある二次電池から電力を供給できる。すなわち、残存容量のない二次電池と接続している電圧変更手段と、残存容量のある二次電池と接続している電圧変更手段とを並列に接続すれば、残存容量のある二次電池から電力を供給することができる。よって、車両を走行させつつ、二次電池を完全放電させ、メモリ効果を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る電源装置を搭載した車両のパワーユニットについて説明する。尚、後述する電源ユニットは、全ての実施の形態それぞれにおいて、図示された個数に限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、パワーユニットは、ディファレンシャルギア(図示せず)を介して車輪(図示せず)を駆動する電動モータ100と、電動モータ100に接続されたインバータ102と、インバータ102に接続された電源ユニット201、202と、各電源ユニット201、202に接続されたバッテリECU(Electronic Control Unit)103と、パワーユニットを制御するモータECU104を含む。尚、モータECU104は、インバータ102と、各電源ユニット201、202と、バッテリECU103のそれぞれに接続されている。ここで、電動モータ100は、車両減速時の回生エネルギを電気に変換し二次電池に電力を充電するモータジェネレータであってもかまわない。また、本実施の形態に係る電源装置を搭載した車両は、電動モータのみを駆動源とする電動自動車に限定されず、内燃機関および電動モータのいずれか一方を駆動源とするハイブリッド自動車、または燃料電池により発電し、電動モータを駆動させて走行する燃料電池自動車であってもかまわない。
【0020】
インバータ102は、直流電流を交流電流に変換し、電動モータ100を駆動させる。
【0021】
各電源ユニット201、202は、インバータ102を介して、電動モータ100に電力を供給する。また、各電源ユニット201、202はそれぞれ、二次電池301、302と、電源ユニット201、202のそれぞれの出力電圧値を昇降するコンバータ401、402とを含む。
【0022】
コンバータ401、402は、二次電池301、302のそれぞれに対応して接続されている。また、コンバータ401と402は、コネクタ105により互いに直列接続となるように接続されている。尚、コンバータ401、402自体は、一般的な周知技術を用いればよく、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0023】
バッテリECU103は、二次電池301、302それぞれの電圧値、電流値、および残存容量を検知し、検知結果を信号としてモータECU104に送信する。なお、電圧値、電流値、および残存容量を検知する方法については、一般的な周知技術を用いればよく、ここではその詳細な説明は繰返さない。
【0024】
パワーユニットを流れる電力の電圧値および電流値は、それぞれ電圧計106と、電流計108により検知される、電圧計106および電流計108はそれぞれモータECU104に接続されており、検知された電圧値および電流値がモータECU104に入力される。
【0025】
モータECU104は、運転者からの加速要求に応じて電動モータ100が駆動するように、インバータ102を制御する。また、モータECU104は、電圧計106、電流計108、バッテリECU103からの検知信号に基づいて、所望の電圧値で電力がインバータ102に供給されるように、コンバータ401、402を制御する。
【0026】
図2を参照して本実施の形態に係るモータECU104が実行するプログラムの制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0027】
ステップ(以下「ステップ」をSと表わす。)100にて、モータECU104は、電圧計106、電流計108およびバッテリECU103からの検知信号から、パワーユニットの電圧値および電流値と、二次電池301、302それぞれの電流値、電圧値および残存容量を検知する。
【0028】
S200にて、モータECU104は、電源ユニット201、202の出力電圧値V(1)およびV(2)を設定する。ここで、出力電圧値V(1)およびV(2)は、その合計値が、電動モータ100の定格電圧値となるように設定される。
【0029】
S300にて、モータECU104は、電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されたか否かを判別する。電源スイッチがオフ操作された場合は処理が終了する。そうでない場合は、処理はS100に戻る。
【0030】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るモータECU104の動作を説明する。
【0031】
電源スイッチ(図示せず)がオン操作され、処理がスタートすると、電圧計106、電流計108、およびバッテリECU103からの検知信号に基づいて、パワーユニットの電圧値および電流値と、二次電池301、302それぞれの電流値、電圧値および残存容量を検知する(S100)。次に電源ユニット201、202それぞれの出力電圧値を設定し(S200)、電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されたか否かを判別する(S300)。
【0032】
電源スイッチ(図示せず)がオフ操作されれば(S300においてYES)、処理が終了する。そうでない場合(S300においてNO)は、上述の処理を繰返す。
【0033】
ここで、図3を参照して、本実施の形態に係る電源装置の動作について詳細に説明する。
【0034】
図3に示すように、二次電池301および302から放電される電力の電流値をそれぞれI(B(1))、I(B(2))とする。また、パワーユニットの電流値(電動モータ100に供給される電力の電流値)をI(S)とする。ここで、コンバータ401と402は直列に接続されているため、コンバータ401および402(電源ユニット201および202)を流れる電力の電流値もI(S)となる。
【0035】
また、電源ユニット201と202の出力電圧値の合計、すなわちパワーユニットの電圧値(電動モータ100に供給される電力の電圧値)をV(S)とし、各コンバータ401、402における電圧値(各電源ユニット201および202の出力電圧値)をそれぞれV(C(1))、V(C(2))とする。
【0036】
まず、二次電池301の出力電流値I(B(1))を導出する。このとき、二次電池301が出力する電力の電力値W(B(1))と、コンバータ401における電力値W(C(1))を求める。
【0037】
電力値は、電圧値と電流値の積であるため、二次電池301の電圧値W(B(1))、およびコンバータ401における電力値W(C(1))はそれぞれ、
W(B(1))=V(B(1))・I(B(1))
W(C(1))=V(C(1))・I(S)
となる。
【0038】
ここで、コンバータ401における電力は、二次電池301から供給されているため、
W(B(1))=W(C(1))
である。したがって、
I(B(1))={V(C(1))/V(B(1))}・I(S)
となる。同様にして二次電池302から放電される電流値I(B(2))は
I(B(2))={V(C(2))/V(B(2))}・I(S)
となる。
【0039】
上記のI(B(1))とI(B(2))とにより、二次電池から放電される電力の電流値は、コンバータにおけるの電圧値(電源ユニットの出力電圧値)に対する二次電池の電圧値の比(電圧比)によって決定することがわかる。すなわち、コンバータにおける電圧値を設定し、電圧比を設定することで、二次電池の電流値を所望のものにすることができる。
【0040】
ここで、たとえば、二次電池301の放電量を、二次電池302の放電量よりも大きくし、二次電池301を優先的に放電させて二次電池301のメモリ効果を解消させたい場合を想定する。この場合、モータECU104は、各二次電池301、302の電圧値V(B(1))、V(B(2))に基づいて、電源ユニット201の電圧比V(C(1))/V(B(1))が、電源ユニット202の電圧比V(C(2))/V(B(2))よりも大きくなるように、各コンバータ401、402における電圧値V(C(1))、V(C(2))を昇圧または降圧して設定する。
【0041】
このように設定すれば、上記のI(B(1))とI(B(2))とにより、I(B(1))>I(B(2))となるため、二次電池301の放電量が大きくなり、優先的に放電することとなる。逆に、二次電池302は放電が抑制されることとなる。
【0042】
このとき、電源ユニット201、202の接続を切換えることなく、コンバータ401、402の電圧値V(C(1))、V(C(2))を変更することで二次電池の電流値I(B(1))、I(B(2))を設定することができる。よって、任意の二次電池の放電を優先させるとともに、電力を絶え間なく連続して供給することができる。このため、電動モータ100に安定して電力を供給しつつ、二次電池を十分に放電させてメモリ効果を解消できる。
【0043】
また、コンバータ401、402の電圧値V(C(1))、V(C(2))を変更する際、その合計値V(S)が、電動モータ100の定格電圧値となるように変更すれば、パワーユニットを流れる電力の電圧値(電動モータ100に供給される電力の電圧値)を、常に定格電圧値とすることができる。これにより、電動モータ100や、インバータ102に負担をかけることなく、任意の二次電池の放電を優先させることができる。
【0044】
さらに、たとえば、二次電池301と二次電池302との間で、温度あるいは構造に基づく出力差があった場合を想定する。この場合、二次電池301と、二次電池302を単に直列に接続していると、出力の低い一方の出力に、他方の出力が影響を受ける。すなわち出力の高い二次電池も、出力の低い二次電池が出すことのできる電流値しか出せない。しかしながら、本実施の形態に係る電源装置のように構成すれば、二次電池301、302それぞれの電流値を個々に設定することができるため、出力差があった場合でも、各二次電池301、302の出力を十分に引き出すことができる。
【0045】
以上のようにして、本実施の形態に係る電源装置は、各電源ユニット201、202に含まれるコンバータ401、402により、各電源ユニット201、202の出力電圧値を任意の値に設定し、電圧比(電源ユニットの出力電圧に対する二次電池の電圧値の比率)を各電源ユニット201、202毎に設定する。このようにして、電圧比がそれぞれ設定された電源ユニット201、202のコンバータ401、402を、コネクタ105により互いに直列に接続すると、電圧比に従った電流値を個々の二次電池301、302から放電させることができる。このため、メモリ効果の解消のために、二次電池301あるいは二次電池302からの放電を優先させ、その二次電池を十分に放電させることができる。さらに、この場合、電源ユニット201、202の接続を切換えることがないので、電源装置としての電圧値が急に変動することもない。その結果、メモリ効果を防止し、かつ電力を安定して供給できる電源装置を提供できる。
【0046】
<第2の実施の形態>
図4を参照して、第2の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0047】
本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態に係る電源ユニットに加えて、電源ユニット203をさらに含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0048】
本実施の形態に係る電源装置によれば、電源ユニット203の分だけ高い電圧値で、電動モータ100に電力を供給できる。これにより、電動モータ100における電力値を大きくし、出力を増加することができる。その結果、車両の動力性能を向上させることができる。尚、接続される電源ユニットの数は限定されず、車両の諸元に応じて任意に設定してもよい。
【0049】
<第3の実施の形態>
図5を参照して、第3の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0050】
本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態の構成に加え、二次電池302にコネクタ110を介して接続された空調ユニット112をさらに含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0051】
二次電池302は空調ユニット112に電力を供給し、空調ユニット112は二次電池302から供給される電力により作動する。
【0052】
本実施の形態に係る電源装置によれば、二次電池302は、空調ユニット112に電力を供給するので、別途空調ユニット112用の電源を搭載する必要がない。尚、本実施の形態に係る電源装置は、空調ユニット112以外の補機類、たとえば、シガーソケット、カーナビゲーションシステム、オーディオ、照明等にも適用可能である。また、二次電池302を車外電源として利用してもよい。また、複数の二次電池から補機類に電力を供給するように構成してもよい。
【0053】
<第4の実施の形態>
図6を参照して、第4の実施の形態に係る電源装置について説明する。
【0054】
図6(A)に示すように、本実施の形態に係る電源装置は、前述の第1の実施の形態の構成に加え、コンバータ401およびコンバータ402が互いに直列に接続されている状態から、並列に接続された状態となるように、コネクタ116による接続を切換える切換スイッチ118を含む。なお、その他のハードウェア構成、処理フローについては前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0055】
コネクタ116は、コンバータ401の正極とコンバータ402の正極とを接続する第1コネクタ116Aと、コンバータ401の負極とコンバータ402の負極とを接続する第2コネクタ116Bと、コンバータ401の負極とコンバータ402の正極とを接続する第3コネクタ116Cとを含む。
【0056】
切換スイッチ118は、第1コネクタ116Aの接続を開閉する第1スイッチ118Aと、第2コネクタ116Bの接続を開閉する第2スイッチ118Bと、第3コネクタ116Cの接続を開閉する第3スイッチ118Cとを含む。
【0057】
[直列接続]
第1スイッチ118Aおよび第2スイッチ118Bを開いた状態にし、第3スイッチ118Cを閉じた状態にすると、コンバータ401およびコンバータ402は直列に接続される。
【0058】
[並列接続]
第1スイッチ118Aおよび第2スイッチ118Bを閉じ、第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、図6(B)に示すように、コンバータ401およびコンバータ402は並列に接続される。
【0059】
本実施の形態に係る電源装置においては、コンバータ401と402の接続状態を、直列接続から並列接続に切換えることができる。これにより、直列接続にした状態で、二次電池301または302のいずれか一方の残存容量がなくなり電力を供給できない状態となっても、並列接続に切換えることで、他方から電力を供給し、電動モータ100を駆動することができる。すなわち一方の二次電池の残存容量を無くし、完全放電にした状態でも車両を走行させることができる。
【0060】
さらに、第1スイッチ118Aを閉じ、第2スイッチ118Bおよび第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、コンバータ401をパワーユニットの接続から完全に切離すことができる。また、第2スイッチ118Bを閉じ、第1スイッチ118Aおよび第3スイッチ118Cを開いた状態にすると、コンバータ402をパワーユニットの接続から切離した状態とすることができる。これにより、残存容量がなくなった二次電池と対応したコンバータをパワーユニットの接続から切離し、二次電池の過放電を防止することができる。
【0061】
尚、本実施の形態においては、電源ユニットは2つであるが、例えば電源ユニットを3つ以上備え、それらのうちの少なくとも2つの電源ユニットのコンバータの接続が切換えられるように構成してもよい。
【0062】
以上のように、本実施の形態に係る電源装置によれば、切換えスイッチ118は、コンバータ401、402が並列に接続されるようにコネクタ116による接続を切換える。これにより、直列接続にした状態で、二次電池301または302のいずれか一方の残存容量がなくなり、電力を供給できない状態となっても、並列接続に切換えることで、他方から電力を供給し、電動モータ100を駆動することができる。すなわち一方の二次電池の残存容量を無くし、完全放電にした状態でも車両を走行させることができる。よって、車両を走行させつつ、二次電池を完全放電させることができ、メモリ効果を防止できる。さらに、残存容量がなくなった二次電池と対応したコンバータをパワーユニットの接続から切離し、二次電池の過放電を防止することができる。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電源装置を搭載した車両のパワーユニットを示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るモータECUが実行するプログラムの制御構造を表わすフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る電源ユニットの接続状態を示す図である。
【符号の説明】
100 電動モータ、104 モータECU、105 コネクタ、106 電圧計、112 空調ユニット、116 コネクタ、116A 第1コネクタ、116B 第2コネクタ、116C 第3コネクタ、118 切換えスイッチ、118A 第1スイッチ、118B 第2スイッチ、118C 第3スイッチ、201,202 電源ユニット、301,302 二次電池、401,402 コンバータ。
Claims (4)
- 電動機を駆動源とする車両に搭載され、前記電動機に電力を供給する複数の電源ユニットを含む車両の電源装置であって、
各前記電源ユニットは、
二次電池と、
前記二次電池に接続され、前記電源ユニットの出力電圧値を昇降するための電圧変更手段とを含み、
前記電源装置は、前記電圧変更手段を互いに直列に接続するための接続手段を含む、車両の電源装置。 - 前記複数の電源ユニットの出力電圧値の合計が、予め定められた値となるように各前記電圧変更手段を制御するための制御手段をさらに含む、請求項1に記載の車両の電源装置。
- 前記車両には、電力により作動する補機が搭載され、
前記二次電池の中の少なくともいずれか一つは、前記補機に電力を供給する、請求項1または2のいずれかに記載の車両の電源装置。 - 前記電源装置は、前記電圧変更手段のうちの少なくともいずれか2つが並列に接続されるように、前記接続手段による接続を切換えるための手段をさらに含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の電源装置。
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