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JP2005033559A - 故障診断装置 - Google Patents

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JP2005033559A
JP2005033559A JP2003196764A JP2003196764A JP2005033559A JP 2005033559 A JP2005033559 A JP 2005033559A JP 2003196764 A JP2003196764 A JP 2003196764A JP 2003196764 A JP2003196764 A JP 2003196764A JP 2005033559 A JP2005033559 A JP 2005033559A
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JP
Japan
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failure
operation state
unit
state signal
failure diagnosis
Prior art date
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Pending
Application number
JP2003196764A
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English (en)
Inventor
Kaoru Yasukawa
薫 安川
Koji Adachi
康二 足立
Eigo Nakagawa
英悟 中川
Tetsukazu Satonaga
哲一 里永
Kiichi Yamada
紀一 山田
Koki Uetoko
弘毅 上床
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Priority to US10/889,055 priority patent/US7174264B2/en
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Priority to US11/407,294 priority patent/US7275009B2/en
Priority to US11/645,673 priority patent/US7324909B2/en
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism

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  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)
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Abstract

【課題】故障を診断する装置において、様々な部材について、また様々な故障状態について、簡易、低コスト、簡単な判定手法で、診断できるようにする。
【解決手段】故障診断部200は、駆動部材を単体動作させて動作状態信号や用紙通過時間を測定し、判定基準としての特徴量(Vm,σv,Tqs,σts)を抽出して記憶媒体232に保存する。用紙通過故障判定部244は、装置を通常動作させたときの用紙通過時間に基づき、ブロックごとに故障の有無を判定する。診断対象ブロック決定部252は、故障ブロックが複数あると判定されたときには、詳細診断を行なう順序を決定する。駆動部材を単体動作させた実働状態でも動作状態信号Vfを取得し、動作状態故障判定部242は、判定基準としての特徴量を参照して、正常範囲に対するずれの度合いに基づき、駆動部材の故障の有無や故障の状態、他の動力伝達部材の故障の有無や故障内容の診断を行なう。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写装置、プリンタ装置、ファクシミリ装置、あるいはそれらの機能を兼ね備えた複合機などのオフィス機器やその他の機器(たとえば家電品や自動車など)に用いられる駆動機構部の故障や動作不良などを診断する故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の機械、とりわけ複写機あるいはプリンタなどのオフィス機器においては高い生産性が要求されるため故障による遅滞が許容されず、故障を速やかに検知して解決することが求められている。
【0003】
また、自動車や航空、ロボットや半導体設計装置など、他の産業機器においても動作制御などの手段として、信頼性が高く、高速・高精度での動作が可能な部材が数多く搭載されている。取り分け、モータやソレノイドなどの駆動部材や、この駆動部材に連動して動作する機構部材は、モータなどを駆動する駆動回路も含めて、他の電子部品(抵抗やコンデンサなどの受動電子部品あるいはトランジスタやIC(集積回路))に比べて、一般的に、故障発生の頻度が高い。特に使用環境が劣悪である場合には、通常の方法で使用していたとしても、検出が困難な様々な異常や故障が発生し、その修復には多大な労力を要することになる。
【0004】
このため、故障を自己診断にて検知する仕組み(自己診断システム;Diagnostics system)が種々提案されている。この自己診断システムでは、たとえば、装置が動作しているときの信号をモニタして、予め正常時に取得しメモリに記憶しておいた信号(期待値)と比較することで、故障発生の有無を診断し、故障箇所を特定するようにしている。複写機やプリンタなどには、モータ、ソレノイド、クラッチなどの駆動部材が搭載されており、これらの駆動部材を流れる動作電流を検出し、その電流値から各駆動部品の異常や回路の異常を診断するする。
【0005】
たとえば、特許文献1には、ポリゴンモータ、ソレノイド、クラッチなどの複数の負荷を有する装置における異常(故障)を検知するための仕組みが提案されている。この特許文献1に記載の技術では、各負荷の電流値を検出するための電流検出手段と、各負荷をオン/オフ制御し、各状態で電流検出手段により検出された電流値に基づいて各負荷における故障の検出を行なう故障検出処理手段とを設ける。故障検出処理手段は、負荷の全てをオフするように制御し、負荷の全てがオフされた状態で検出された電流値を初期電流値として取得する。そして、初期電流値が所定値より大きいか否かを判定する(第1の判定処理)。また、オフされた負荷ごとに1つずつ順にオンするように制御し、負荷の1つがオンされるごとにその状態で検出された電流値が初期電流値より増加したか否かを判定する(第2の判定処理)。最後に、第1および第2の判定処理の判定結果に応じて各負荷における故障の検出を行なう。この仕組みにより、コストを掛けることなく、故障の検出範囲を広くすることができる自己診断システムを提供している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−228056号公報
【0007】
図19は、特許文献1に記載の故障診断の仕組みの一例を示す回路図(特許文献1の図2)である。この自己診断システムは、CPU440からの命令によりポリゴンモータ441、ソレノイド442、およびクラッチ443を駆動する。そして、各ドライバやモータなどの駆動部材に供給される電流を、抵抗411の両端の電位差を検知することによって検知する。この電流値を反映する電圧は、オペアンプ407,403を含む増幅回路で増幅された後に、CPU440に通知される。CPU440は、入力ポートA/DINに入力された電圧値すなわち検知された電流値をモニタし、入力された電圧値に基づき、ポリゴンモータ441、ソレノイド442、およびクラッチ443の故障診断を行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の仕組みでは、モータ、ソレノイド、およびクラッチなどの駆動部材に流れる動作電流のみを判定指標としているので、モータなどの駆動部材の断線や短絡以外の故障を検出することが難しい。たとえば、ステッピングモータのB相線(他のA相線、NA相線、NB相線もほぼ同様の状態を示す)が断線した場合には、ほぼ正常値と同じ電流が流れるので、特許文献1に記載の仕組みでは、このB相線断線故障を検出することはできない。
【0009】
また、特許文献1に記載の仕組みでは、負荷の全てがオフされた状態で検出された電流値を初期電流値として取得し、初期電流値が所定値より大きいか否か(第1の判定処理)と、負荷の1つがオンされた状態で検出された電流値が初期電流値より増加したか否か(第2の判定処理)の双方の判定結果に応じて故障判定しているので、モータの駆動力を伝達する動力伝達部材についての故障を検知することが難しい。たとえばモータ自体が正常である場合には、その回転動力を伝える動力伝達部材の動作不良、たとえばギア不良(たとえばスリップや脱落)、ベアリングの不良、ベルトの外れ、ソレノイドのプランジャ動き不良などの動作不良が生じても、これらの動作不良を判定することは難しい。モータ自体が正常であるから、モータがオンされた状態で検出される動作電流値は、初期電流値より増加するからである。
【0010】
この問題を解決するため、ギア不良やベアリング不良などの動力伝達部材の動作不良を検出する構成を個別に設けることも考えられるが、部材の数が増すに従いコストが上昇する。
【0011】
また、複数の駆動部材や動力伝達部材を有する装置に対しては、駆動部材や動力伝達部材ごと電流検出機構を設ける必要があり、部材の数が増すに従いコストが上昇する。
【0012】
特許文献1に記載の仕組みのように、1つずつ順にオンするように制御し、負荷の1つがオンされるごとにその状態で電流検出することも考えられるが、この場合、電流検出機構を削減することはできても、全てについて順にオンするように制御しなければならず、判定処理に時間が掛かるという新たな問題を招く。
【0013】
また、従来の故障診断手法の多くは、動作状態を監視して正常値と比較することで、故障発生の有無を診断するものであるから、故障が発生してからでなければ、診断結果を利用することができない。故障が発生した場合、その修復には労力を要するので、故障検知が速やかにできたとしても、修復までの間のシステムダウンを避けることはできない。故障を予知できればシステムダウンを避けることができると考えられるが、故障を予知する方向での具体的な提案は殆どないのが実情である。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記問題の少なくとも1つを改善し得る故障診断装置を提供することを目的とする。様々な部材について、また様々な故障状態について、あるいは故障の生じる可能性について、簡易な構成で、低コストで、あるいは簡単な判定手法で、故障診断が可能な装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の故障診断装置は、電流供給を受けて動作する駆動部材や駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材などの、複数の構成部材を含む駆動機構が所定期間動作している間の動作状態を示す動作状態信号を検出する動作状態信号検出部と、動作状態信号検出部が検知した動作状態信号の、この動作状態信号について予め定められている正常範囲に対するずれの程度に基づいて、駆動機構を構成する個々の構成部材について、故障診断を行なう故障診断部とを備えるものとした。
【0016】
ずれの程度の判定は、たとえば、装置の定格範囲を基準特徴量として、実働状態にて測定した動作状態信号と比較することで行なうとよい。あるいは、装置が正常である状態で複数回測定した動作状態信号の分布を基準特徴量として、実働状態にて測定した動作状態信号とを比較することで行なってもよい。後者の場合、装置の個体差の影響を排除できる利点がある。一方前者は、装置ごとに基準特徴量を測定する手間を割愛することができる。分布を基準特徴量として判断すれば、その分布を現す平均値と標準偏差といった数値データを判定指標として簡単に診断できるようになる。また基準特徴量としてメモリに保持する情報も平均値と標準偏差の2つのデータだけでよく、サンプリング点の全データを記憶する必要がないので、メモリ容量を少なくできる利点もある。
【0017】
故障診断の内容としては、駆動部材やこの駆動部材を動作させる駆動回路の故障の有無だけでなく、電流供給を受けることなく動作しかつ駆動部材の動力を他の部材に伝達する動力伝達部材の故障の有無や故障発生部材の特定(故障箇所の特定)や、故障状態の特定も含む。また、実際に故障が発生した場合だけでなく、将来の故障発生の可能性、あるいは発生箇所や故障内容の特定も含む。
【0018】
本発明に係る第2の故障診断装置は、装置の通常動作状態において、駆動機構ごとに、つまり、駆動部材と駆動部材に対応した電流供給を受けることなく動作する動力伝達部材とを一単位とする駆動機構のブロックごとに、当該駆動機構の動作状態を示すブロック動作状態信号を検出するブロック動作状態信号検出部、および各駆動機構を単体動作させた状態でその1つの前記駆動機構が所定期間動作している間の当該駆動機構を構成する個々の部材の動作状態を示す動作状態信号を検出する動作状態信号検出部とを有する信号検出部を備えるものとした。また、ブロック動作状態信号検出部が検知したブロック動作状態信号に基づいて駆動機構の故障の有無を判定することで詳細な故障診断を行なう駆動機構を決定する診断対象ブロック決定部、および当該診断対象ブロック決定部が故障であると決定した駆動機構内の各構成部材について前記故障診断を行なう動作状態故障判定部とを有する故障診断部を備えるものとした。
【0019】
本発明に係る第3の故障診断装置は、駆動機構の動作状態を示す動作状態信号を複数回に亘って検出する動作状態信号検出部と、複数回に亘って動作状態信号検出部が検知した動作状態信号に基づいて得られる動作状態信号の分布と、動作状態信号の正常範囲を示す分布とを比較することで、複数の構成部材の将来の故障発生を予測する故障診断部とを備えるものとした。
【0020】
【作用】
本発明に係る第1の故障診断装置においては、故障診断部は、実働状態で測定した動作状態信号が、正常範囲に対してどの程度ずれているのかに基づいて故障診断を行なう。単に、正常値でないから駆動部材や駆動回路が異常であると判定するものではなく、ずれの程度を参照することで、駆動部材や駆動回路の故障内容(たとえば断線故障なのか短絡故障なのかだけでなく、他の故障状態も)を特定する。また、これら駆動以外の部材、たとえば動力伝達部材についても、故障の有無や故障状態を特定する。
【0021】
本発明に係る第2の故障診断装置においては、先ず通常動作をさせた状態で、診断対象ブロック決定部にて、各駆動機構を一単位とするブロックごとに故障の有無を判定し、故障と判定されたブロック(駆動機構)について、さらに、動作状態故障判定部にて、詳細に故障診断を行なう。詳細な故障診断の対象範囲を予めブロック単位で絞っておくことで、詳細な故障診断を行なうべき箇所を減らす趣旨である。
【0022】
本発明に係る第3の故障診断装置においては、実働状態の動作状態信号が正常範囲にある場合であっても、動作状態信号検出部は、動作状態信号を複数回に亘って検出する。故障診断部は、この動作状態信号の分布と正常範囲を示す分布とを比較することで、将来の故障発生を予測する。分布の比較という簡単な判定により、故障発生を予測できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
<<故障診断装置を搭載した画像形成装置の構成例>>
図1は、本発明に係る故障診断装置の一実施形態を搭載した画像形成装置の構成例を示す図である。この画像形成装置1は、たとえば原稿の画像を読み取る画像読取部(スキャナ部)を備え画像読取部読み取った画像データに基づいて原稿画像に対応する画像を印刷する複写装置機能、パソコンなどから入力された印刷データ(画像を表すデータ)に基づいて印刷出力するプリンタ機能、およびファクシミリ画像を印刷出力可能なファクシミリ送受信機能を備えた複合機であって、デジタルプリント装置として構成されているものである。図1は、この画像形成装置1における、印刷用紙上に画像を転写する機能部分に着目した、機構部分(ハードウェア構成)の断面図を示している。
【0025】
図示する画像形成装置1は、大別して、入力された画像データに基づいて画像を印刷用紙上に形成(印刷出力)する機能を有する画像形成部30と、印刷用紙を画像形成部30の印字部に給送する給紙搬送機構部50と、画像形成後の印刷用紙を機外に排出する排紙搬送機構部70とを備えている。各部は、回転力によって被搬送体の一例である印刷用紙を所定方向に移動させるロール部材を含んで構成されている。
【0026】
画像形成部30は、図示しない画像処理部から入力された画像データに基づいて、たとえば、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙などの印刷用紙上に可視画像を形成する、すなわち印刷出力する。このため、画像形成部30は、たとえば画像形成装置1をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
【0027】
たとえば画像形成部30の中央部には、感光体ドラムロール32が配され、この感光体ドラムロール32の周囲には、一次帯電器33、現像ロール34aおよび現像クラッチ34bからなる現像器34、あるいは転写ロール35、クリーナロール36、ランプ37などが配設されている。転写ロール35は、感光体ドラムロール32と対向して配され、その間に用紙を挟持して搬送するように、対構造をなしている。
【0028】
また画像形成部30は、画像形成データに基づいて潜像を感光体ドラムロール32に記録するための書込走査光学系(以下レーザスキャナという)39を有する。レーザスキャナ39には、図示しないホストコンピュータなどから入力された画像データに基づきレーザ光Lを変調して出力するレーザ39aと、このレーザ39aから出力されたレーザ光Lを感光体ドラムロール32上に走査するためのポリゴンミラー(回転多面鏡)39bおよび反射ミラー39cなどの光学系を有する。
【0029】
給紙搬送機構部50は、画像形成部30に印刷用紙を搬送するための給紙トレイ51と、給紙系統の搬送路52を構成する複数のロールや用紙タイミングセンサなどで構成されている。給紙搬送機構部50のロールとしては、単体構造のものと、2つが対向して配されその間に用紙を挟持して搬送する対構造のものとがある。たとえば、搬送路52上には、ロール部材として、給紙トレイ51側から画像形成部30に向けて順に、ピックアップロール54、給紙ロール対55、第1搬送ロール対56、第2搬送ロール対57、および第3搬送ロール対58が設けられている。
【0030】
ピックアップロール54の近傍には、このピックアップロール54を作動させるためのソレノイド61が設けられている。また、第3搬送ロール対58近傍の搬送路52上の前流側(図中左側)には、搬送路52上で搬送されてきた印刷用紙を一旦停止させるための停止ツメ62と、この停止ツメ62を作動させるためのソレノイド63とが設けられている。
【0031】
また、搬送路52上には、センサ部材として、給紙ロール対55と第1搬送ロール対56との間に第1センサ65が、第2搬送ロール対57と第3搬送ロール対58との間に第2センサ66が、また第3搬送ロール対58と転写ロール35との間に第3センサ67が、それぞれ設けられている。
【0032】
給紙ロール対55は、用紙を、第1センサ65および第1搬送ロール対56へ導くことに加えて、重送(2枚以上の給紙)を防ぐためのサバキの役割も受け持つ。第1搬送ロール対56および第2搬送ロール対57は、用紙を感光体ドラムロール32に導くための役目を果たす。
【0033】
ソレノイド63は、第2センサ66がオンしてから、一定の時間経た後に、用紙を停止ツメ62で一旦停止させるために使われる。この目的は、用紙内での書出位置と感光体ドラムロール32上の像の位置を合わせるためのタイミングを合わせるためである。
【0034】
排紙搬送機構部70は、画像形成部30にて印刷用紙上に画像形成された印刷済み用紙を機外にて受け取るための排紙トレイ(外部トレイ)71と、排紙系統の搬送路72を構成する複数のロールやセンサなどで構成されている。排紙搬送機構部70のロールとしては、2つが対向して配され、その間に用紙を挟持して搬送する対構造のものが使用されている。たとえば、搬送路72上には、ロール部材として、画像形成部30の転写ロール35側から排紙トレイ71に向けて順に、定着ロール対74と排出ロール対76とを有する。
【0035】
また、搬送路72上には、センサ部材として、定着ロール対74と排出ロール対76との間に第4センサ78が、また排出ロール対76と排紙トレイ71との間に第5センサ79が、それぞれ設けられている。
【0036】
各センサ65,66,67,78,79(以下纏めて用紙タイミングセンサ69ともいう)は、用紙通過時間検出部を構成する用紙検知部材(用紙タイミングセンサ)であり、被搬送体の一例である印刷用紙が所定のタイミングで搬送されているかどうか検出するために設置されている。各センサで得られた検知信号は、印刷用紙の搬送タイミングや搬送時間(用紙通過時間)を計測する計測部(図示せず)に入力されるようになっている(後述する図3を参照)。
【0037】
用紙検知部材をなす各用紙タイミングセンサ69は、設置場所に応じて様々な形状や特性のものを使用できる。基本的には、一対の発光素子(たとえば発光ダイオード)と受光素子(たとえばフォトダイオードやフォトトランジスタ)で構成されているものを用いる。発光素子と受光素子の両者が一体となったフォトインタラプタを用いてもよい。
【0038】
また、各用紙タイミングセンサ69は、透過型(遮断型ともいわれる)および反射型のうちの何れであってもよい。ここで透過型のセンサは、発光素子と受光素子とを対向配置させておき、その間に印刷用紙が搬送されていない状態では、受光素子は発光素子の光を受光しオン状態となる一方で、両者間を印刷用紙が通過する状態では、発光素子からの光が印刷用紙によって遮断されることでオフ状態となるものである。これに対して、反射型のセンサは、発光素子からの光が印刷用紙で反射され、その反射光が受光素子に入射するように配置しておく。そして、印刷用紙が搬送されていない状態では、受光素子は発光素子からの光を受光せずオフ状態となる一方で、印刷用紙が通過する状態では、発光素子からの光が印刷用紙によって反射され入射することでオン状態となるものである。図1に示す本実施形態の構成では、全ての用紙タイミングセンサ69について、反射型のフォトインタラプタを用いている。
【0039】
なお、印刷用紙の通過タイミングが、印刷用紙の搬送開始から各センサを通過する時間が所定の時間範囲から外れている場合、画像形成装置1は、正常にプリントできないとして、用紙搬送を、その時点、その位置で停止させる。これを、通常ジャムと呼ぶ。
【0040】
また、画像形成装置1は、装置内の各駆動機構部90(ブロック91〜94)の振動を検出する駆動機構振動検出部80を備えている。駆動機構振動検出部80は、装置内の振動をブロックごとに検出するための振動センサ82を有する。振動センサ82としては、加速度を検知するタイプの加速度センサや、機械から発生する音を検知するタイプの音響センサを使用することができる。本例では、感光体ドラムロール32の直下で、図示しない本体シャーシに振動センサ82を固定している。なお、この振動センサ82を取り付ける位置は、特に限定しない。画像形成装置1内部で、各ブロック91〜94の駆動機構部の加速度や作動音が全て検出できる位置であればよく、感光体ドラムロール32の直下に限らず、何れでもよい。
【0041】
画像形成装置1の駆動機構部90(各ブロック91〜94)は、1つのモータによりできるだけ有効に活用できるように、ギア、シャフト、ベアリング、ベルト、ロールなどを使って、幾つかの方向にモータの動力が伝達するように構成されている(後述する図2を参照)。また、このような構造の駆動機構部90は、画像形成装置1内にて、駆動機構のベース(マスター,動力源)となる駆動モータ(本例ではモータ96〜99)を動作単位として幾つかのブロックに分けて、ブロックごとに動作するように構成されている。
【0042】
ソレノイドやクラッチは、駆動部材の一例でもあるが、これらは駆動モータの駆動力が伝達される他の部材に対する切替機構として機能するので、駆動モータに対してスレーブの関係にあり、この点では、ギア、シャフト、ベアリング、ベルトなどと同様に動力伝達部材の一例でもある。駆動モータをベースとして動作単位を設定してブロック分割するのは、このためである。
【0043】
たとえば、図示した画像形成装置1においては、4つのブロック91〜94に分けて、動作するようになっている。具体的には、第1ブロック91は、ピックアップロール54、給紙ロール対55、およびソレノイド61、並びに、モータ96や図示しないギアやクラッチなど構成されている。ピックアップロール54および給紙ロール対55は、モータ96でギアを通して駆動されている。第1搬送ロール対56および第2搬送ロール対57は、モータ97でギアを通して駆動されている。
【0044】
第2ブロック92は、第1搬送ロール対56および第2搬送ロール対57、並びに、並びに、モータ97や図示しないギアやクラッチなど構成されている。第3ブロック93は、ソレノイド63、第3搬送ロール対58、転写ロール35、感光体ドラムロール32、およびクリーナロール36、並びに、モータ98や図示しないギアやベルトやプーリなどで構成されている。第4ブロック94は、現像ロール34a、定着ロール対74、および排出ロール対76、並びに、モータ99や図示しないギアやソレノイドやベルトやプーリなどで構成されている。
【0045】
<画像形成装置の動作の概要>
上記構成の画像形成装置1において、印刷用紙上に画像を形成する際には、先ず、プリント開始とともに、ソレノイド61が動作し、ピックアップロール54を押し下げる。これとほぼ同時に、画像形成装置1内の各種ロール(対)を回転させるためのモータ96〜99が回転動作を始める。ソレノイド61により押し下げられたピックアップロール54は、給紙トレイ51の最上面の印刷用紙に接触し、印刷用紙1枚を給紙ロール対55に導く。
【0046】
ソレノイド63は、第2センサ66がオンしてから、一定の時間経た後に、印刷用紙を停止ツメ62で一旦停止させる。この後、印刷用紙内での書出位置と感光体ドラムロール32上の像の位置が合う所定のタイミングにて、ソレノイド63は停止ツメ62を解除する。これにより、停止ツメ62が元に戻り、第3搬送ロール対58が、感光体ドラムロール32と転写ロール35との間に印刷用紙を送り出す。
【0047】
画像形成部30においては先ず、潜像形成用の光源としてのレーザ39aが、図示しないホストコンピュータからの画像生成用のデータによって駆動されることで、画像データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光Lをポリゴンミラー39bに向けて照射する。このレーザ光Lは、さらに反射ミラー39cなどの光学系を介して一次帯電器33によって帯電された感光体ドラムロール32上を走査することで、感光体ドラムロール32上に静電潜像を形成する。
【0048】
この静電潜像は、所定色(たとえばブラック;黒)のトナーが供給される現像器34によってトナー像とされ(現像され)、このトナー像は、搬送路52を通過してきた用紙が感光体ドラムロール32と転写ロール35との間を通過する間に、転写ロール35によって印刷用紙上に転写される。
【0049】
そして、感光体ドラムロール32上に残ったトナーや潜像は、クリーナロール36およびランプ37で清掃および消去される。現像ロール34aには、現像クラッチ34bが設けられており、この現像クラッチ34bを使って現像タイミングを調節する。
【0050】
トナーが転写された印刷用紙は、定着ロール対74で加熱および加圧されて、印刷用紙にトナーが定着する。最後に、印刷用紙は、排出ロール対76によって、機外の排紙トレイ71に排出される。
【0051】
なお、画像形成部30の構成は上述したものに限らず、たとえば、中間転写ベルトを1つあるいは2つ備えた中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものとしてもよい。また、図では、単色印刷用の画像形成部30を示しているが、カラー用の画像形成部30として構成してもよい。この場合、エンジン部の構成としては、たとえば、K,Y,M,Cの出力色ごとに同様の画像形成プロセスを繰り返してカラー画像を形成するもの、たとえば単一のエンジン(感光体ユニット)で各色の画像を順に形成しつつ、これを1色ずつ中間転写体に重ね転写してカラー画像を形成するマルチパス型(サイクル型/ロータリー型)の構成、あるいは、各出力色に対応する複数のエンジンを、たとえばK→Y→M→Cの順にインライン状に配列し、K,Y,M,Cの画像を4つのエンジンで並列的(同時進行的)に処理するように構成したタンデム型の何れとしてもよい。
【0052】
<駆動機構の構成例>
図2は、図1に示した画像形成装置1に使用される駆動機構部90の一構成例を示す図である。
【0053】
画像形成装置の駆動機構部は、1つのモータでできるだけ有効に活用できるように、モータ902、ギア904(図では904a,904b,904cで構成)、シャフト906、ロールもしくはロール対908、クラッチ910、あるいは図示しないベアリングなどを使って、幾つかの方向に力が伝達するように構成されている。モータ902は、図1のモータ96〜99に相当する。またロールもしくはロール対908は、図1のピックアップロール54や給紙ロール対55、あるいは搬送ロール対56〜58、感光体ドラムロール32や転写ロール35、定着ロール対74、排出ロール対76に相当する。このような構成は、図1に示した第1ブロック91や第2ブロック92などに適用される。
【0054】
また、場合によっては、前記の部品に加えて、プランジャ(鉄心)912aと図示しない電磁石とが組み合わされて構成されているソレノイド912、ベルト916、プーリ918(図では918a,918bで構成)なども使って、さらに複雑な動きができるように構成される場合もある。このような構成は、図1に示した第3ブロック93や第4ブロック94などに適用される。
【0055】
<<画像形成装置における故障診断機能>>
次に、画像形成装置1における故障診断機能について説明する。画像形成装置1内でジャムが発生した場合、その原因としては、ジャムを検出したセンサまでの駆動機構部が関わっているということが推定できる。ジャムは、用紙タイミングセンサ69を所定の時間範囲内で通過しなかった場合に生じるので、たとえば、第2センサ66で印刷用紙が止まっている場合は、第1センサ65から第2センサ66までの駆動機構部に原因があると考えられる。図1では、第2ブロック92の駆動機構部である。
【0056】
同様の考え方に依れば、第1センサ65で用紙が停止しているなら、第1ブロック91の駆動機構部で故障が生じていることになる。第3センサ67なら、第3ブロック93の駆動機構部で故障が生じていることになる。第4センサ78または第5センサ79では、第4ブロック94の駆動機構部で故障が生じていることになる。以上のように、故障は、ジャムを検出する用紙タイミングセンサ69を使ってブロック単位で判定することで、故障の発生したブロックを限定することができる。
【0057】
ただし、ジャム発生の中には、徐々に時間がずれて最終的にセンサが検出した場合、原因が複数のブロックに亘っている場合もある。この場合は、たとえば第2センサ66なら第1ブロック91および第2ブロック92の各駆動機構部が診断の対象になる。
【0058】
なお、実際には、故障が複数のブロックに亘っているかどうかを予め検出する手段がない。このため、本実施形態においては、故障診断のフローとして、故障を検出したセンサに最も近いブロックの駆動機構部を最初に診断して、異常がなければ次のブロックへ順次診断する方法を採る。この点については、後で詳細に説明する。
【0059】
<故障診断装置の第1例>
図3は、駆動機構部90の動作状態を検証する故障診断装置の第1例を示す図である。なお、ここでは、ロールやロール対その他の可動部を駆動する動力源として、ステッピングモータやソレノイドあるいはクラッチを用いる例で説明する。この図3は、各ブロック91〜94内でのステッピングモータ112、122、およびクラッチ132(纏めて駆動部材ともいう)を駆動する駆動回路や、ステッピングモータ112などの動作状態を検出する機能要素に着目して、それらを構成する回路部材とその接続関係とを示している。
【0060】
なお、駆動機構部90の各ブロックは、必ずしも、ステッピングモータやソレノイドあるいはクラッチの全てを備えているとは限らないが、ここでは、これら全てを備えているものとして説明する。後述する第2例や第3例の構成においても同様である。なお、ステッピングモータ(SM)112は、図1のモータ96〜99や図2のモータ902に相当する。ソレノイド(SO)122は、図2のソレノイド912に相当する。また、クラッチ(CL)132は、図2のクラッチ910に相当する。
【0061】
この第1例の故障診断装置3は、駆動機構部90の動作状態を示す信号として、モータ、ソレノイド、あるいはクラッチなどの駆動部材に流れる動作電流を反映した信号を用いる点に特徴を有する。以下具体的に説明する。
【0062】
図示するように、第1例の故障診断装置3は、コントロール回路102と、直流電源104と、ステッピングモータ112を駆動する第1駆動部110と、ソレノイド122を駆動する第2駆動部120と、クラッチ132を駆動する第3駆動部130と、動作電流検出抵抗142を有する駆動部動作電流検出部140とを備えている。動作電流検出抵抗142の一方の端子142aには、ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132の各動作電流Ism,Iso,Islが入力され、他方の端子142bは接地されるようになっている。
【0063】
つまり、1つの動作電流検出抵抗142が、ステッピングモータ112やソレノイド122などの複数の駆動部材について共通に使用される構成となっている。なお図では示さないが、動作電流検出抵抗142には、装置内のその他の部材、たとえばランプやファンの電流も流れるように構成している。したがって、ステッピングモータ112やソレノイド122などの動作を停止(オフ)させた場合であっても、動作電流検出抵抗142に流れる電流はゼロとはならない。
【0064】
駆動部動作電流検出部140は、駆動機構部90が所定期間動作している間の動作状態を示す動作状態信号として、ステッピングモータ112などの駆動部材の動作電流を示す信号を検出する動作状態信号検出部の一例である。動作電流検出抵抗142は、電流検出部材の一例である。
【0065】
ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132のそれぞれの所定端子(112c,122a、132a)には、直流電源104から所定電圧(たとえば+24V)の直流電圧が印加されるようになっている。
【0066】
コントロール回路102は、ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132の動作を制御するための各種の制御信号を生成する駆動信号生成部150と、印刷用紙の搬送タイミングを算出する計測部162と、駆動部動作電流検出部140により得られる動作状態信号や計測部162により得られる用紙通過時間を所定の手順に従って処理して所定の特徴量を求め、予め取得しておいた正常状態での特徴量である基準特徴量と実働状態での特徴量である実働特徴量とを比較することにより、駆動機構部90の故障の有無(動作異常か否か)を診断する故障診断部200とを有する。
【0067】
駆動信号生成部150は、各駆動部材の動作開始や動作停止を制御する制御部の一例である。用紙検知部材をなす各用紙タイミングセンサ69と計測部162とで、各用紙タイミングセンサ69間を所定区間として、その間の印刷用紙の搬送時間を動作状態信号として検出する用紙通過時間検出部160の全体が構成される。また、用紙通過時間検出部160は、ブロックごとに、そのブロックの動作状態を示すブロック動作状態信号を検出するブロック動作状態信号検出部としての機能も備える。
【0068】
計測部162の出力信号のうちの一方(時間検知信号Stime)は故障診断部200に入力され、他方(エラー信号Serr )は、駆動信号生成部150と故障診断部200に入力される。故障診断部200は、用紙通過時間検出部160にて検知した用紙通過時間に基づいて、ブロック単位で故障の有無を判定し、故障と判定されたブロック(駆動機構)について、さらに、詳細に故障診断を行なうことが可能となっている。
【0069】
計測部162では、用紙が用紙タイミングセンサ65,66,67,78,79を通過する時間を監視して、予定の時間外に通過した場合にはジャムが発生したとして用紙搬送用の駆動部を停止させる。この停止動作には、異常な印刷や用紙自体がクラッシュして機構の破損を防ぐ意味も持っている。これらのジャム検知を目的とした用紙タイミングセンサは、現在市販されている殆ど全ての複写機に標準的に装備されている。したがって、ブロック単位での故障判定に用紙通過時間を利用することは、通常新たにセンサを設ける必要がないという意味で、コストの点でメリットがある。
【0070】
駆動信号生成部150は、ステッピングモータ112の動作を制御するための制御信号(本例ではON/OFF,CLK,Fw/Rev)を生成するステッピングモータ駆動信号生成部(以下SM駆動信号生成部ともいう)152と、ソレノイド122の動作を制御するための制御信号(本例ではON/OFF)を生成するソレノイド駆動信号生成部(以下SO駆動信号生成部ともいう)154と、クラッチ132の動作を制御するための制御信号(本例ではON/OFF)を生成するクラッチ駆動信号生成部(以下CL駆動信号生成部ともいう)156とを有する。
【0071】
計測部162の入力端IN1〜IN5のそれぞれには、対応する用紙タイミングセンサ69から検知信号SO1〜SO5(各1ビット/計5ビット)が入力されるようになっている。計測部162は、用紙タイミングセンサ69からの検知信号SO1〜SO5に基づいて、用紙先端部が各センサを通過する時間を算出し、算出した用紙通過時間を現す時間検知信号Stimeを故障診断部200に渡す。
【0072】
また、計測部162は、算出した通過時間が、予め定められている基準の時間範囲内(所定のタイミングの範囲内)にあるか否かを判定する。基準の時間範囲外の場合、記録用紙の搬送工程に故障が発生したと判断し、以降の用紙搬送工程を中止するよう、駆動信号生成部150にエラー信号Serr を通知する。これを受けて、駆動信号生成部150内の駆動信号生成部152,154,156は、ステッピングモータ112、ソレノイド122、クラッチ132の動作を停止させることで、駆動機構部90を停止させ、用紙搬送を停止する。この時は通常ジャムが発生したと呼ばれる。このような動作は、画像形成装置の一般的な動作であり、従来のものでも備わっている機能である。
【0073】
ステッピングモータ112を駆動する第1駆動部110は、駆動回路として、モータドライバ回路114を有する。コントロール回路102のSM駆動信号生成部152からは、端子OUT1からステッピングモータ112を回転および停止させるための制御信号ON/OFFが、端子OUT2からクロック信号CLK1が、また端子OUT3から正転(Fw)および逆転(Rev)を規定する制御信号Fw/Revが、それぞれモータドライバ回路114に入力される。
【0074】
モータドライバ回路114は、これらの信号に基づいて4相(A,NA,B,NB;Nは対応する反転相を意味する)の各信号を生成し、ステッピングモータ112の所定端子(112a,122na、112b,112nb;nは対応する反転入力を意味する)に入力する。ステッピングモータ112の動作電流Ismは、このモータドライバ回路114を通して、駆動部動作電流検出部140の動作電流検出抵抗142に導かれる。
【0075】
ソレノイド122を駆動する第2駆動部120は、駆動回路として、トランジスタ123、ベース電流制限用抵抗125、エミッタ用抵抗126、およびダイオード128を有する。ソレノイド122をオンオフさせるための制御信号ON/OFFを出力するSO駆動信号生成部154の端子OUT4は、ベース電流制限用抵抗125を介してトランジスタ123のベースに接続されている。トランジスタ123のコレクタはソレノイド122の端子122bに接続されている。また、トランジスタ123のベースとエミッタとの間にエミッタ用抵抗126が接続され、エミッタは動作電流検出抵抗142の端子142aに接続されている。これにより、ソレノイド122の動作電流Isoが動作電流検出抵抗142に導かれる。
【0076】
また、ソレノイド122のオン/オフ時に、ソレノイド122に生じる逆起電力を回生させ、トランジスタ123のコレクタ電圧が定格を超えないようにするため、ダイオード128がソレノイド122と並列接続されている。SO駆動信号生成部154は、ソレノイド122を駆動する際には端子OUT4をハイ(High)にしてトランジスタ123を導通させることで、ソレノイド122をオンさせる。逆に、オフさせるには、端子OUT4をロー(Low)とし、トランジスタ123をオフさせてソレノイド122をオフさせる。
【0077】
クラッチ132の駆動回路は、トランジスタ133、ベース電流制限用抵抗135、エミッタ用抵抗136、およびダイオード138を有する。クラッチ132をオンオフさせるための制御信号ON/OFFを出力するCL駆動信号生成部156の端子OUT5は、ベース電流制限用抵抗155を介してトランジスタ133のベースに接続されている。トランジスタ133のコレクタはクラッチ132の端子132bに接続されている。また、トランジスタ133のベースとエミッタとの間にエミッタ用抵抗136が接続され、エミッタは動作電流検出抵抗142の端子142aに接続されている。これにより、クラッチ132の動作電流Iclが動作電流検出抵抗142に導かれる。
【0078】
また、クラッチ132のオン/オフ時に、クラッチ132に生じる逆起電力を回生させ、トランジスタ133のコレクタ電圧が定格を超えないようにするため、ダイオード138がクラッチ132と並列接続されている。CL駆動信号生成部156は、クラッチ132を駆動する際には端子OUT5をハイにしてトランジスタ133を導通させることで、クラッチ132をオンさせる。逆に、オフさせるには、端子OUT5をローとし、トランジスタ133をオフさせてクラッチ132をオフさせる。
【0079】
動作状態信号検出部の一例である駆動部動作電流検出部140は、動作電流検出抵抗142の他に、増幅回路143とA/D変換器148とを有する。A/D変換器148には、故障診断部200の端子OUT6からクロック信号CLK2が入力される。A/D変換器148によりデジタル化された動作電流を表す検知データDcurrは、故障診断部200の入力端子IN6〜IN17に入力される。なお、本例のA/D変換器148としては、12ビットのものを用いる。なお、12ビットに限らず、分解能やメモリ容量あるいはコストなどを考慮して決定すればよく、それ以下もしくはそれ以上としてもよい。
【0080】
増幅回路143は、オペアンプ(演算増幅器;OP)144と、オペアンプ144の非反転端子(+)と動作電流検出抵抗142の端子142aとの間に設けられた入力抵抗145と、オペアンプ144の反転端子(−)と出力との間に設けられた負帰還抵抗146と、オペアンプ144の反転端子(−)と接地との間に設けられた抵抗147とを備えて構成されている。図示するように、抵抗147の接地側は、動作電流検出抵抗142の接地点の極近傍であるのが好ましい。
【0081】
増幅回路143は、オペアンプ144、入力抵抗145、負帰還抵抗146、および抵抗147によって、非反転型増幅器を構成する。動作電流検出抵抗142の一端142aは、入力抵抗145を介してオペアンプ144の非反転端子(+)に接続されており、負帰還抵抗146の抵抗値R146と抵抗147の抵抗値R147の比(抵抗比)により、増幅回路143の増幅率が決定される。本例では、非反転型増幅器を構成するので、その増幅率は、1+R147/R146となる。
【0082】
駆動機構部90の動作電流を検出する際には、直流電源104からステッピングモータ112などの駆動部材への電力供給路途中に設けられた動作電流検出抵抗142を利用する。動作電流検出抵抗142としては、たとえば1Ω以下など、抵抗値が低い抵抗体を用いるのがよい。このような抵抗体としては、温度特性や抵抗値精度に優れたもの、たとえば、銅ニッケル合金などからなるものが好ましい。
【0083】
動作電流検出抵抗142に電流が流れると、その両端(142aと142bとの間)には電圧降下(電位差)が生じる。この電位差を検出すれば、各ブロック91〜94の駆動部材を流れる電流を検出することができる。増幅回路143は、この動作電流検出抵抗142の両端の電位差を検知し、増幅して、A/D変換器148に渡す。
【0084】
なお、ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132の各動作電流Ism,Iso,Icl(以下纏めて動作電流Ioともいう)を区別して検知するため、実際の電流検出時には、各駆動信号生成部152,154,156からステッピングモータ112、ソレノイド122、クラッチ132などへ、個別に制御信号ON/OFFを一定時間(たとえば100〜200ms(ミリ秒)程度)オン状態を与え、その間に、動作電流検出抵抗142の両端に発生する電圧を増幅回路143で増幅した後、故障診断部200の端子OUT6から出力されるクロック信号CLK2に同期して、A/D変換器148でデジタル信号(検知データDcurr)に変換する。
【0085】
たとえば、診断対象をステッピングモータ112とする場合には、SM駆動信号生成部152が御信号ON/OFFをオン状態としてから、200ms間、動作電流検出抵抗142で得られる動作電流Ismに対応する電圧(動作電流検出抵抗142の両端電圧)をA/D変換器148で検知データDcurrに変換する。また、診断対象をソレノイド122とする場合には、SO駆動信号生成部154が制御信号ON/OFFをオン状態としてから、100ms間、動作電流検出抵抗142で得られる動作電流Isoに対応する電圧(動作電流検出抵抗142の両端電圧)をA/D変換器148で検知データDcurrに変換する。
【0086】
A/D変換器148に与えるクロック信号CLK2の周波数としては、たとえば、200ms期間ではサンプル数nが約1365で、100ms期間ではサンプル数nが約683程度となる値とする。なお、ここでは、サンプル数nを、200ms期間では約1365、100ms期間では約683としたが、このサンプル数n自体は、余り厳密に制約されるものではない。検知データDcurrとして故障診断部200に取り込まれる各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkの集合(計n個)に、故障判定に必要な特徴部分を含んでいればよく、各データvkを保存するためのメモリ容量やデータ処理時の計算速度などを考慮して決定すればよい。この点では、故障診断部200は、メモリ容量や計算速度に基づいてクロック信号CLK2の周波数を切替可能な構成としておくのがよい。
【0087】
ここで、動作電流が多量に流れる場合には、動作電流検出抵抗142によって目立った電圧降下が発生し、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材に定格の電圧を供給できなくなる問題が生じる。この場合には、抵抗体(たとえば1Ω以下)からなる動作電流検出抵抗142に代えて、ホール素子を用いた電流センサやコイルにより検知される誘導起電力を積分することで電流を検知するタイプのものを、電流検出部材として用いるとよい。
【0088】
なお、ホール素子やコイルを利用して電流を検出する仕組みは周知の技術であるので、ここではその構成の図示を割愛するとともにその作用説明も割愛する。ホール素子やコイルなどを利用すると、電流検出部材の両端には電圧降下が殆ど生じないので、前述の問題を解消できる。なお、抵抗体を用いる場合、電圧降下の問題があるものの、簡易な構成で動作電流を検知できる利点がある。
【0089】
故障診断部200は、たとえば、動作電流検出抵抗142で検知された動作電流を反映した検知データDcurrに基づき、動作電流の実効値、時間軸上で突出したピークを有する衝撃電流、オン後の過渡応答、あるいは周波数軸上で突出したピークを有する狭帯域電流などを監視対象とし、それらを検出して解析を行ない、故障診断に好適な特徴量を抽出する。なお、解析には、たとえば動作電流の実効値の大小関係や時間的な変化の差を解析する手法の他、高速デジタルフーリエ変換による周波数スペクトル解析などにより、特定ピークの周波数やその大きさを調べる手法を採ることができる。
【0090】
動作電流の実効値を特徴量としてその大小関係に基づく判定を用いると、比較的簡易な判定が可能である。大小関係の判定の際には、平均値と分散(標準偏差)を特徴量として使用した分布特性を利用する手法を用いることもできる。一方、衝撃電流などの発生時点が正確に分かると、タイミングチャートと照らし合わせて機械の詳細な情報を得ることができ、また起動時の電流や衝撃電流の過渡応答を把握して故障の検知や機械の経年変化の解析を行なうことができる。また、高速デジタルフーリエ変換を利用すれば、起動時の電流や衝撃電流をスペクトルに変換してそれらの特性を数値化して記録することができ、電流変化を明確に認識することができる。
【0091】
また、ステッピングモータ112やソレノイド122などの複数の駆動部材に流れる動作電流を、1つの動作電流検出抵抗142で検知する構成としているので、駆動部動作電流検出部140は、全駆動部材について、一箇所にて動作電流Ioを検知できる。よって、複数の駆動回路を有する装置であっても、駆動部動作電流検出部140をコンパクトかつ低コストに構成することができる。
【0092】
<故障診断装置の第2例>
図4は、駆動機構部90の動作状態を検証する故障診断装置の第2例を示す図である。この第2例の故障診断装置3は、駆動機構部90の動作状態を示す信号として、モータ、ソレノイド、あるいはクラッチなどの駆動部材を動作させた際の、その駆動部材が属する駆動機構部90(ブロック)の振動状態を反映した信号(たとえば作動音信号)を用いる点に特徴を有する。なお、第1例と同様の機能をなす機能部分については、第1例と同様の参照符号を用いて示し、それらについての動作説明は割愛する。
【0093】
この第2例の故障診断装置3は、第1例の駆動部動作電流検出部140に代えて、加速度センサ182を有する駆動機構振動検出部180を備えている。振動検出部180は、駆動機構部90が所定期間動作している間の動作状態を示す動作状態信号として振動を反映した信号を検出する動作状態信号検出部の一例であって、図1に示す駆動機構振動検出部80に相当する。加速度センサ182は、動作状態信号を検出するセンサ部材の一例であって、図1に示す振動センサ82に相当する。1つの加速度センサ182が、ステッピングモータ112やソレノイド122などの複数の駆動部材について共通に使用される構成となっている。
【0094】
第1例の駆動部動作電流検出部140を取り除いており、ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132の各動作電流Ism,Iso,Iclは、動作電流検出抵抗142を介することなく、直接に接地に導かれる。
【0095】
動作状態信号検出部の一例である振動検出部180は、加速度センサ182の他に、チャージアンプ(積分型増幅器)184とA/D変換器188とを有する。A/D変換器188は、第1例のA/D変換器148と同様のもので、故障診断部200とは第1例と同様にして接続されている。
【0096】
加速度センサ182は、駆動部部材の振動加速度に比例した電気信号を検知する。加速度センサ182は、一般的な圧電式を用いているため、チャージアンプ184により、電荷信号を電圧信号に変換する。
【0097】
振動センサ82として加速度センサ182を利用した構成では、音響センサなどを利用した場合より、外部ノイズの影響を受け難い点で有利である。また、ステッピングモータ112などの各駆動部材について、1つの加速度センサ182で振動を検知するので、振動検出部180は、全駆動部材について、一箇所にて振動を検知できる。よって、複数の駆動回路を有する装置であっても、振動検出部180をコンパクトかつ低コストに構成することができる。
【0098】
振動検出部180における振動の検出においても、第1例の電流検出の場合と同様に、ステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132の各動作状態における振動を区別して検知するため、実際の振動検出時には、各駆動信号生成部152,154,156からステッピングモータ112、ソレノイド122、クラッチ132などへ、個別に制御信号ON/OFFを一定時間(たとえば100〜200ms程度)オン状態を与え、その間に、加速度センサ182に発生する電荷をチャージアンプ184で電圧に変換、増幅した後、故障診断部200の端子OUT6から出力されるクロック信号CLK2に同期して、A/D変換器188でデジタル信号(検知データDosci)に変換する。
【0099】
故障診断部200は、検知データDcurrについての解析と同様に、たとえば、加速度センサ182で検知された加速度(振動に起因したもの)を反映した検知データDosciに基づき、加速度の実効値、時間軸上で突出したピークを有する加速度、オン後の過渡応答、あるいは周波数軸上で突出したピークなどを監視対象とし、それらを検出して解析を行なう。加速度の実効値の大小関係に基づく判定を用いると、比較的簡易な判定が可能である。
【0100】
なお、図では示さないが、加速度センサ182に代えて、音響センサを振動センサ82として使用することもできる。画像形成装置1内における音の発生要因としては、部品どうしの衝突や、印刷用紙が位置合せ部品に当接するとき、印刷用紙が撓んでシュートに当たるときなど、印刷用紙の搬送過程でその印刷用紙と部品とが衝突して生じるものの他、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材のオン/オフ時などにも発生する。このような音は発生時間が特定されているために検出も比較的容易であり、これらを対象とした、その後の音圧の経年推移などの監視が可能である。
【0101】
そこで、故障診断部200は、音響センサで検知された、機械から発生する音に基づいて故障を検知する方法を採る。たとえば、時間軸上で突出したピークを有する衝撃音や、周波数軸上で突出したピークを有する狭帯域音を監視対象とし、それらを検出して解析を行なう。解析には、たとえば音圧レベルの大きさや時間的な変化の他、高速デジタルフーリエ変換による周波数スペクトル解析などにより、特定ピークの周波数やその大きさを調べる手法を採ることができる。衝撃音などの発生時点が正確に分かるとタイミングチャートと照らし合わせて機械の詳細な情報を得ることができ、また衝撃音の変化を把握して故障の検知や機械の経年変化の解析を行なうことができる。また、高速デジタルフーリエ変換を利用すれば、衝撃音をスペクトルに変換して衝撃音の特性を数値化して記録することができ、衝撃音の変化を明確に認識することができる。
【0102】
なお、複写機能やプリンタ機能を備えた画像形成装置1から発生する衝撃音は、設置環境の背景雑音と機械本体の定常騒音とが重なり合った中に埋没してしまうことがある。また衝撃音には変化がないにも拘わらず背景雑音のみが変化する場合もある。たとえば、機械設置環境の背景雑音は、昼と夜、機械近傍に作業者がいるかいないかなどにより変化する。これらの場合、故障と誤検出する場合も生じるので、これらを考慮した解析手法、すなわち背景雑音を含まず純粋に衝撃音のみの特性を検出する手法を採るのが望ましい。また、機械の経時変化により、部品同士の衝突音が変化する(たとえば大きくなる)こともある。依って、衝撃音自体の経年変化を正確に抽出し把握する解析手法を採るのが望ましい。
【0103】
<故障診断装置の第3例>
図5は、駆動機構部90の動作状態を検証する故障診断装置の第3例を示す図である。この第3例の故障診断装置3は、駆動機構部90の動作状態を示す信号として、モータ、ソレノイド、あるいはクラッチなどの駆動部材に流れる動作電流を反映した信号と、これら駆動部材を動作させた際の、その駆動部材が属する駆動機構部90(ブロック)の振動状態を反映した信号の双方を用いる点に特徴を有する。
【0104】
つまり、この第3例の故障診断装置3は、図示するように、上記第1例の駆動部動作電流検出部140と第2例の振動検出部180の双方を備えている。駆動部動作電流検出部140および振動検出部180の機能や作用は、第1例および第2例と同様であるので、ここでは、それらについての説明は割愛する。
【0105】
<故障診断装置のブロック対応>
図6は、上記第1例〜第3例の故障診断装置3を構成する場合における、駆動機構部90のブロック分割との対応を説明する図である。先ず、図6(A)はその第1例を示しており、駆動部動作電流検出部140と故障診断部200とを除く各機能部分(たとえば各駆動部110,120,130や駆動信号生成部150)を駆動機構部90のブロック91〜94ごとに設け、これに対して、駆動部動作電流検出部140や振動検出部180と故障診断部200とを、全ブロックに対して1系統を共通に設けている点に特徴を有する。なお、直流電源104も、全ブロックに対して共通に設けるようにしてもよい。
【0106】
こうすることで、動作電流検出抵抗142には、ブロック91〜94の各々から動作電流Ioが流れるので、駆動部動作電流検出部140は、全ブロックおよび全駆動部材について、一箇所にて動作電流Ioを検知できるようになるので、故障診断装置3をコンパクトかつ低コストに構成することができる。よって、小型の画像形成装置1に適用するのに都合がよい。
【0107】
一方、図6(B)はその第2例を示しており、第1例の構成に加えて、駆動部動作電流検出部140や振動検出部180もブロック91〜94ごとに設け、故障診断部200を全ブロックに対して1系統を共通に設けている点に特徴を有する。この第2例の場合、動作電流Ioをブロック91〜94ごとに検知し、ブロック91〜94ごとの検知結果を故障診断部200に入力する構成とする。
【0108】
こうすることで、構成がやや大規模にはなるものの、動作電流Ioを検知する動作電流検出抵抗142や加速度を検知する加速度センサ182あるいは作動音を検知する図示しない音響センサを、ブロックの物理的な配置に応じて、適切な場所に配置することで、検知対象部材の近傍で検知することができる。これらはアナログ信号系統であるが、ブロックごとに検知した後に、デジタルデータDcurr,Dosciに変換してから一箇所の故障診断部200に渡すことができる。
【0109】
第1例の構成では、各ブロックの動作電流Ioの信号線を動作電流検出抵抗142の端子142aまで引き延ばさなければならないなど、アナログ信号系統の引回しが長くなりがちで、ノイズの影響を受け易い。これに対して、第2例の構成では、ブロックごとに動作電流を検知する構成であるので、アナログ信号系統の引回しを短くすることができ、ノイズの影響を受け難い(耐ノイズ性に優れる)。
【0110】
また、第1例の構成では、作動音や加速度を一箇所で検知する構成であるので、大型の装置の場合、振動センサの配置位置が検知対象ブロックからかなり離れた状態になり得るので、感度低下や背景雑音の影響を受け易いなど、検知性能上の問題を生じ得る。これに対して、第2例の構成では、ブロックごとに検知する構成であるので、検査対象部材の極近傍で振動を検知可能となるから、これらの問題に対して、第1例よりも優位である。よって、第2例の構成は、大型の画像形成装置1に適用するのに都合がよい。
【0111】
また、ブロックごとに動作電流や振動を検知する構成であるので、このブロックごとに検知される動作状態信号に基づいてブロックごとに故障の有無を判定し、故障と判定されたブロックについて、さらに、詳細に故障診断を行なうことができる。詳細な故障診断の対象範囲を予めブロック単位で絞っておくことで、詳細な故障診断を行なうべき箇所を減らすことができる。用紙通過時間を利用することでブロック単位での故障判定を行なう構成は、画像形成装置のように被搬送体を搬送する機構を備えた装置への適用に限定されるが、この第2例の構成を利用すれば、あらゆる装置にブロック単位での故障判定を行なう仕組みを適用できる。
【0112】
<故障診断部の一構成例>
図7は、故障診断部200の構成例を示す機能ブロック図である。故障診断部200は、駆動回路と、モータ、ソレノイド、およびクラッチなどの駆動部材と、この駆動部材と連結したギア、ベアリング、ベルト、あるいはロールなどを、1つのモータを共通に使用して、そのモータの駆動力が伝達される範囲(典型例としては図2で示す単位)ごとにブロックに分けて、ブロックのそれぞれについて、故障の有無を診断したり、将来の故障の可能性を診断(故障推定)したりする点に特徴を有する。よって、1つのブロックは、モータは必ず1つであるが、ソレノイドやクラッチその他の駆動部材を複数備える場合もある。以下、具体的に説明する。
【0113】
図示するように、故障診断部200は、駆動部動作電流検出部140あるいは振動検出部180などの動作状態信号検出部からの動作状態信号(前例では検知データDcurr,Dosci)を、一定時間、所定の手順に従って処理し、処理済みデータに基づいて所定の特徴量を求める動作状態特徴量取得部210と、計測部162により得られる用紙通過時間を所定の手順に従って処理し、処理済みデータに基づいて所定の特徴量を求める用紙通過時間特徴量取得部220とを備える。
【0114】
また、故障診断部200は、故障診断時の判定指標となる基準特徴量を所定の記憶媒体(好ましくは不揮発性の半導体メモリ)232に格納する基準特徴量格納部230を備える。なお図示しないが、基準特徴量格納部230には、記憶媒体232の他に、記憶媒体232に基準特徴量を書き込むための書込制御部や、記憶された基準特徴量を記憶媒体232から読み出すための読出制御部が設けられる。
【0115】
基準特徴量としては、たとえば、駆動機構部90を構成する機構部材(モータやソレノイドなどの駆動部材を含む)や機構部材を駆動する電気部材(駆動信号生成部150や駆動回路)が正常に動作している正常状態で、各特徴量取得部210,220により取得された特徴量を使用する。あるいは、各特徴量取得部210,220で得られる特徴量に代えて、画像形成装置1におけるステッピングモータ112などの動作電流や振動の定格値を利用してもよい。
【0116】
また、故障が検知された場合に、その故障箇所や故障状態を判定するための基準特徴量として、各構成部材が故障時に、各特徴量取得部210,220により取得された特徴量を使用する。この故障状態に関する基準特徴量は、当該装置の各部材を強制的に故障状態にして特徴量取得部210,220により検知したものであってもよいし、管理センタなどに集約されるメンテナンス情報に基づいて取得した情報を用いてもよい。画像形成装置1と管理センタとをネットワーク接続しておき、記憶媒体232に格納されている故障時の情報を定期的に更新するようにしてもよい。
【0117】
また、故障診断部200は、記憶媒体232に格納しておいた基準特徴量と故障診断時に各特徴量取得部210,220で得られる特徴量である実働特徴量とを比較することにより、診断対象ブロックに故障が発生しているか否かや将来故障が生じる可能性など故障に関わる診断処理を行なう故障判定部240と、故障診断部200内の各機能部や駆動信号生成部150を制御する制御部250とを備える。
【0118】
故障判定部240は、動作状態特徴量取得部210にて取得される動作状態信号に関わる特徴量に基づいて故障判定処理を行なう動作状態故障判定部242と、用紙通過時間特徴量取得部220にて取得される用紙通過時間に関わる特徴量に基づいて故障判定処理を行なう用紙通過故障判定部244と、用紙通過時間特徴量取得部220にて取得される用紙通過時間に関わる特徴量に基づいて故障予測処理を行なう用紙通過故障予測部246とを有する。
【0119】
また、故障判定部240は、動作状態故障判定部242や用紙通過故障判定部244が故障判定をした場合や用紙通過故障予測部246が故障予測判定をした場合に、記憶媒体232に保持しておいた故障時の情報を参照して、その故障がどのような状態のものであるのかを特定する故障状態特定部248を有する。
【0120】
制御部250は、用紙通過時間検出部160からの信号を用いて用紙通過故障判定部244にて故障診断された結果を利用して、故障箇所を特定する診断対象ブロックや処理順序を決定する診断対象ブロック決定部252と、基準特徴量の取得と実働特徴量の取得や診断の各モードを切り替えるため切替部として、第1切替部(SW1)254および第2切替部(SW2)256を有している。また、制御部250は、時刻情報(年月日や時分秒)を取得するシステム時計258を有する。システム時計258は、図示しない時計用チップを有しており、時刻情報を取得する。このシステム時計258は、電源断時や停電時などに時刻情報が消滅しないよう、バックアップ用電池を備えており、常に現時点の時刻を保持している。
【0121】
また、故障診断部200は、故障判定結果や検査内容をカスタマーに通知する通知部270を備える。故障判定部240は、故障判定結果(故障の有無、故障箇所、故障内容)や故障予測結果(故障可能性の有無、故障箇所、故障内容)あるいは検査内容や取得した動作状態信号を通知部270に通知する。通知部270は、たとえば、故障判定部240から受け取った故障判定結果などを、お客様(画像形成装置1の操作者や所有者)、画像形成装置1をメンテナンス(保守、維持、管理)するカスタマーエンジニア、あるいは画像形成装置1を管理している管理センタなどのカスタマーに通知する。
【0122】
たとえば、お客様に直接知らせる場合は、画像形成装置1にアラームを知らせるような、たとえば表示パネルやスピーカなどで知らせることができる。お客様は、それを見てあるいは聞いて、故障箇所や故障内容をサービスセンタに知らせることができる。また、画像形成装置1をメンテナンスするカスタマーエンジニアに直接知らせる場合は、公衆電話回線や、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System )などの携帯端末を使って、故障発生などを連絡することができる。また、故障箇所や故障内容のデータをカスタマーエンジニアが所有する端末に送ることもできる。また、画像形成装置1を管理している管理センタなどに知らせる場合は、カスタマーエンジニアに直接知らせる場合と同様に、公衆電話回線や携帯端末を使うこともできる。また、インターネットを利用した連絡もできる。これらの場合も、故障箇所や故障内容のデータを管理センタの端末に送ることもできる。
【0123】
また、画像形成装置1(故障状態特定部248)側で故障箇所や故障内容を特定せずに、故障診断部200にて行なった故障診断の検査内容とそこで使用した動作状態信号などのデータを管理センタに通知し、管理センタ側で故障箇所や故障内容を特定するようにしてもよい。
【0124】
<動作状態信号に基づく故障判定処理の基本;その1>
図8は、上記故障診断部200における、動作状態信号に基づく故障判定処理手順の第1例を示すフローチャートである。この第1例は、動作状態信号として、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材に流れる動作電流を反映した信号、およびこれら駆動部材を動作させた際の、その駆動部材が属する駆動機構部90(ブロック)の振動状態を反映した信号のうちの何れか一方を使用する点に特徴を有する。なお、故障診断の判定に用いる特徴量としては、動作状態信号の実効値相当の値を用いる。よって、この第1例は、上記図3、図4、図5に示した何れの故障診断装置3でも実施可能なものである。なお、図5に示した第3例の構成では、駆動部動作電流検出部140および振動検出部180の何れか一方の検知データを使用すればよい。
【0125】
故障診断部200は、先ず、対象部材を単体動作させる(S100)。たとえば、駆動信号生成部150は、各ステッピングモータ112などの各駆動部材を1つずつ順にオンするように制御する。動作状態特徴量取得部210は、この単体動作時に、故障判定に用いる判定基準値として、基準特徴量を求める。
【0126】
たとえば、動作状態特徴量取得部210は、1回の測定に際して、たとえば式(1)に従って、100〜200ms間取り込んだ検知データDcurr,Dosciの何れか一方について、各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkを2乗し、積分することで、故障判定に必要な特徴量Vnを得る(S101)。式(1)は、概ね動作電流の実効値に対応する値を求めることと等しい。所定期間の波形データをこのようにして数値データ化することで、波形パターンの比較ではなく、数値データの比較によって、簡単に故障診断できるようになる。
【数1】
Figure 2005033559
【0127】
ここで、第1例では、正常な状態での、駆動機構部90の動作状態信号(デジタル化された検知データDcurr,Dosciの何れか一方)に基づく特徴量Vnの測定をm回(たとえば100回程度)行ない(S102)、後の故障判定に使用する基準値を求める。たとえば、各測定で得られる特徴量Vnの平均値Vmと標準偏差σvと求め、この求めた平均値Vmと標準偏差σvとを、故障を検出するため基準として用いる基準特徴量とする(S104)。基準特徴量格納部230は、この基準特徴量(Vm,σv)を動作状態特徴量取得部210から受け取り、記憶媒体232(たとえば不揮発性メモリ)に格納する(S106)。
【0128】
故障診断部200は、他の駆動部材についても、上記ステップS100〜S106と同様の処理を繰り返すことで(S108)、診断対象の駆動機構部90についての各基準特徴量(Vm,σv)を取得してメモリに格納する。
【0129】
また、動作状態特徴量取得部210は、実働状態においても、上記と同様にして、対象部材を単体動作させ(S110)、100〜200ms間取り込んだ検知データDcurr,Dosci、すなわち各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkを、式(1)に従って、2乗し、積分することで、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材が実働状態(故障状態であるのか正常状態であるのかは問わない)での実働特徴量Vfを得る(S111)。
【0130】
動作状態故障判定部242は、動作状態特徴量取得部210によって得られる実働特徴量Vfを、検査対象部材やブロックに対応する基準特徴量格納部230から取り出した基準特徴量(Vm,σv)と比較して、診断対象部位やブロックの故障の有無、あるいはブロック内の各部の故障状態を判断する(S112)。たとえば、この比較は、正常時の特徴量Vnの平均値±3×標準偏差内、すなわちVm±3σv内に検査対象部材の実働特徴量Vfが入っているかどうかを調べることで行なう。動作状態故障判定部242は、実働特徴量VfがVm±3σv以内の場合は診断対象部位やブロックが正常であると判定し(S114−YES,S116)、実働特徴量VfがVm±3σv以内に入っていなければ、診断対象部位やブロックに故障が発生していると判定する(S114−NO,S118)。
【0131】
なお、上記判定基準Vm±3σvは一例であってその他の判定基準を用いることもできる。たとえば、正常動作している駆動機構部90の動作状態信号Vnの分布の広がりが小さいときは、判定基準をVm±2σvやVm±σvとしてもよい。この点は、後述する他の判定においても同様である。
【0132】
故障診断部200は、他の駆動部材についても、上記ステップS110〜S118と同様の処理を繰り返すことで、診断対象の駆動機構部90を構成する全ての駆動部材について、動作電流検出抵抗142で検知される動作電流信号に基づいて、故障の有無を判定する(S120)。たとえば、ステップS120では、ステップS114,S118にて故障判定した場合であっても、さらに他の部材についても、故障の有無を判定する。こうすることで、故障が複数箇所に発生している場合に、この複数の故障を漏れなく特定することができる。この点では、後述する図13のステップS618,S620のように、ある駆動部材について故障が発見された時点で、他の駆動部材に関しての故障判定処理を行なわないのとは異なる。
【0133】
上記第1例の故障判定処理手順に依れば、各駆動部材が正常である状態のときに、個別に動作させて各々の動作電流を取得して、後の故障判定に使用する基準値を求めてメモリに格納しておき、実働状態でも、同様にして、個別に動作させて各々の動作電流を取得して、メモリに格納しておいた基準値と比較することで、故障の有無や故障箇所を特定するようにした。
【0134】
このため、実働状態の動作電流が正常時の動作電流と異なる限り、診断対象の駆動部材や、その駆動部材の駆動力を他の部材に伝達するギアやベルトなどの動作異常を検知することができる。たとえば、正常時の動作電流(実効値)よりも実働時の動作電流(実効値)が小さければ断線故障であると判定できるし、正常時の動作電流(実効値)よりも実働時の動作電流(実効値)が異常に大きければ短絡故障であると判定することができ、短絡による故障と断線による故障とを区別して特定することができる。
【0135】
また、上記処理手順は、特許文献1に記載の技術のように、動作電流が初期電流値より増加したか否かに基づいて判定しているものではなく、動作電流が正常範囲内にあるか否かによって故障の有無を判定する。これにより、モータ自体が正常である場合であっても、実働時の動作電流(実効値)の大小関係や分布を比べることで、ギア不良(たとえばスリップや脱落)、ベアリング不良、ベルト外れ、あるいはプランジャ動き不良などの動作不良が生じたときに、そのときの動作電流が正常範囲よりも下側もしくは上側に外れていれば、これらの動作不良を検知することができる。
【0136】
また、上記処理手順では、駆動部材を1つずつ順にオンするように制御し、1つがオン状態で検出された実働電流と初期電流とに基づいて故障判定を行なうので、コストを掛けることなく、故障の検出範囲を広くすることができる。たとえば、ソレノイド122用の駆動回路(第2駆動部120)が故障し、ソレノイド122に電流が流れ続けるような事態が発生した場合であっても、他の駆動部材についての故障判定時にはソレノイド122をオフさせて診断を行なうので、ソレノイド故障の影響を受けることなく、他の駆動部材についての故障判定を行なうことができる。
【0137】
<動作状態信号に基づく故障判定処理の基本;その2>
図9は、図7に示した故障診断部における、動作状態信号に基づく故障判定処理手順の第2例を示すフローチャートである。この第2例は、動作状態信号として、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材に流れる動作電流を反映した信号、およびこれら駆動部材を動作させた際の、その駆動部材が属する駆動機構部90(ブロック)の振動状態を反映した信号の双方を使用する点に特徴を有する。この第2例は、1つの事象について複数の観点から判定を行なうことで、正常時の特徴量と故障時の特徴量とが複雑に入り組んだ分布を形成するような場合に、正常であるのか故障であるのかを切り分ける点に特徴を有する。よって、この第2例は、上記図5に示した第3例の故障診断装置3のみにて実施可能なものである。
【0138】
動作状態特徴量取得部210は、対象部材を単体動作させ(S200)、1回の測定に際して、たとえば式(1)に従って、100〜200ms間取り込んだ検知データDcurrについて、各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkを2乗し、積分することで、故障判定に必要な特徴量Vn1を得る(S201A)。また同時に取り込んだ検知データDosciについて、各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkを2乗し、積分することで、故障判定に必要な特徴量Vn2を得る(S201B)。
【0139】
ここで、第2例では、正常な状態での、駆動機構部90の動作状態信号(検知データDcurr)に基づく特徴量Vn1の測定をm回(たとえば100回程度)行ない(S202A)、各測定で得られる特徴量Vn1の平均値Vm1と標準偏差σv1とを、故障を検出するため基準として用いる基準特徴量とする(S204A)。同様に、動作状態信号(検知データDosci)に基づく特徴量Vn2の測定をm回(たとえば100回程度)行ない(S202B)、各測定で得られる特徴量Vn2の平均値Vm2と標準偏差σv2とを、故障を検出するため基準として用いる基準特徴量とする(S204A)。基準特徴量格納部230は、これらの基準特徴量(Vm1,σv1,Vm2,σv2)を動作状態特徴量取得部210から受け取り、記憶媒体232(たとえば不揮発性メモリ)に格納する(S206)。
【0140】
故障診断部200は、他の駆動部材についても、上記ステップS200〜S206と同様の処理を繰り返すことで(S208)、診断対象の駆動機構部90についての各基準特徴量(Vm1,σv1,Vm2,σv2)を取得してメモリに格納する。
【0141】
また、動作状態特徴量取得部210は、実働状態においても、上記と同様にして、対象部材を単体動作させ(S210)、100〜200ms間取り込んだ検知データDcurr,Dosci、すなわち各サンプル点k(k=1〜n)のデータvkを、式(1)に従って、2乗し、積分することで、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材が実働状態(故障状態であるのか正常状態であるのかは問わない)での実働特徴量Vf1(検知データDcurrから),Vf2(検知データDosciから)を得る(S211A,S211B)。
【0142】
動作状態故障判定部242は、動作状態特徴量取得部210によって得られる実働特徴量Vf1,Vf2と、検査対象部材やブロックに対応する基準特徴量格納部230から取り出した基準特徴量(Vm1,σv1,Vm2,σv2)とについて、2次元的な相関を利用する、すなわち1つの事象について複数の観点(ここでは動作電流と振動に基づく各特徴量)から判定を行なうことで、診断対象部位やブロックの故障の有無を判断する(S212)。この比較は、たとえば、正常時の特徴量Vnの平均値±3×標準偏差内、すなわちVm±3σv内に検査対象部材の実働特徴量Vfが入っているかどうかを調べることで行なう。動作状態故障判定部242は、実働特徴量(Vf1,Vf2)が正常範囲内の場合は診断対象部位やブロックが正常であると判定し(S216)、実働特徴量VfがVm±3σv以内に入っていなければ、診断対象部位やブロックに故障が発生していると判定する(S218)。
【0143】
故障診断部200は、他の駆動部材についても、上記ステップS210〜S218と同様の処理を繰り返すことで、診断対象の駆動機構部90を構成する全ての駆動部材について、加速度センサ182で検知される振動を反映した加速度信号に基づいて、故障の有無を判定する(S220)。
【0144】
この第2例の処理手順に依れば、複数の観点から判定を行なうようにしたので、各判定に関しては第1例と同様の効果を享受できることに加えて、多次元的な解析が可能となり、一方の特徴量についてだけでは正常時と故障時とが複雑に入り組んだ分布を形成するような場合であっても、多次元的には、正常時の分布と故障時の分布とを切り分けることができる、すなわち故障を検知することができる。
【0145】
<用紙通過時間に基づく故障判定処理の基本>
図10は、図7に示した故障診断部における、用紙通過時間に基づく故障判定処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の故障診断装置3は、用紙通過時間に基づく故障判定処理を行なうことが可能になっている。なおここでは、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材やそれに連動して動作する駆動系全般には故障や動作不良がなく、給紙ロール対55や搬送ロール対56,57、あるいは定着ロール対74や排出ロール対76(以下纏めて用紙搬送系のロール部材という)に、破損や摩耗が生じていて、これによって用紙通過時間に支障を来す搬送異常が生じているものとして説明する。ここでは説明を割愛するが、用紙通過時間に支障が生じている場合に、その原因が駆動系全般による故障や動作不良に基づくものであるのか否かを事前に判定しておくことで、切り分けることができるからである。
【0146】
先ず用紙通過時間特徴量取得部220は、画像形成装置1が正常状態にあるときに、画像形成装置1の通常動作(たとえば複写など)でq回の動作をさせて、所定の用紙タイミングセンサ69間の用紙通過時間Tnを収集する(S300,S302)。繰返回数qは、1つのセンサ間の組合せについて、約100回程度であればよい。なお、この測定は、検査しようとする部品が新しいとき、たとえば、画像形成装置1の出荷時や部品交換時(当然に正常時である)に実施するのがよい。
【0147】
用紙通過時間特徴量取得部220は、収集した用紙通過時間Tnについて、それぞれの用紙タイミングセンサ69間の組合せの用紙通過時間の平均値Tqと標準偏差σtとを計算する(S304)。基準特徴量格納部230は、この平均値Tqと標準偏差σtとを用紙通過時間特徴量取得部220から受け取り、故障予測診断を行なうため基準として用いる基準特徴量(Tqs,σts)として、各用紙タイミングセンサ69の組合せが分かるように記憶媒体232(たとえば不揮発性メモリ)に格納する(S306)。
【0148】
故障診断部200は、他のセンサ間の組合せについても、上記ステップS300〜S306と同様の処理を繰り返すことで(S308)、全てのセンサの組合せについて、基準特徴量(Tqs,σts)を取得してメモリに格納する。
【0149】
また、用紙通過時間特徴量取得部220は、実働状態においても、用紙通過時間Tfを測定する(S310)。用紙通過故障予測部246は、この実働状態の特徴量である実働特徴量(用紙通過時間Tf)を、基準特徴量格納部230の記憶媒体232から取り出した対応する用紙タイミングセンサ69間の基準特徴量(平均値Tqsと標準偏差σts)と比較して、診断対象センサ間の搬送異常の有無を判断する(S312)。この比較は、動作状態信号に基づく故障判定処理と同様に、正常時の用紙通過時間Tnの平均値±3×標準偏差内、すなわちTqs±3σts内に、検査対象部材の実働特徴量Tfが入っているかどうかを調べることで行なう。用紙通過故障予測部246は、実働特徴量TfがTqs±3σts以内の場合は用紙搬送系のロール部材が正常であると判定し(S314−YES,S316)、実働特徴量TfがTqs±3σts以内に入っていなければ、用紙搬送系のロール部材に破損や摩耗が生じていると判定する(S314−NO,S318)。
【0150】
故障診断部200は、他のセンサ間の組合せについても、上記ステップS310〜S318と同様の処理を繰り返すことで(S320)、他のセンサ間についても、搬送異常の有無を判定する、すなわち用紙搬送系のロール部材に破損や摩耗が生じているか否かを判定する。
【0151】
この第3例の処理手順に依れば、故障判定の指標が第1例の動作状態信号(動作電流や振動)とは異なり用紙通過時間であるものの、判定手法そのものは第1例と相違なく、よって、第1例と同様の効果を享受できる。すなわち、用紙タイミングセンサ間の用紙通過時間が正常範囲内であるか否かに基づいて判断すれば、動作電流や振動の異常としては現れずに用紙通過時間のずれとして現れる搬送異常があると、この搬送異常を検知することができる。たとえば、動作電流や振動の観点だけでは検知が難しい、用紙搬送系のロール部材に生じる破損や摩耗を検知することができる。
【0152】
<用紙通過時間に基づく故障予測処理の基本>
図11は、図7に示した故障診断部における、用紙通過時間に基づく故障予測処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の故障診断装置3は、用紙通過時間検出部160(詳しくは計測部162)で検出された用紙通過時間Tfが正常範囲にある場合であっても、故障予測診断を行なうことが可能になっている。基準特徴量(Tqs,σts)に関しては、用紙通過時間に基づく故障判定処理(S300〜S306)により既に記憶媒体232に格納されている。
【0153】
故障診断部200は、システム時計258からの時刻情報に基づき、予め定められている期間ごとに故障予測処理を定期的に行なう(S330−YES)。そして、故障診断部200は、上述の故障判定処理にて正常と判定された場合であっても(S320−YES)、故障予測処理を行なうタイミングであれば(S332−YES)、用紙通過時間に基づく故障判定処理における基準特徴量(Tqs,σts)を取得する場合と同様に、画像形成装置1の通常動作で約100程度の動作をさせて、各用紙タイミングセンサ69間の用紙通過時間データを収集する(S340,S342)。そして、用紙通過時間特徴量取得部220は、収集した実働状態の用紙通過時間の分布と、予め取得しておいた真の正常時の分布とを比較することで、用紙搬送系のロール部材の故障発生を予測する。
【0154】
たとえば、用紙通過故障予測部246は、各用紙タイミングセンサ69間の用紙通過時間の標準偏差σtを計算し、これを実働状態の特徴量(σtf)とする(S344)。用紙通過故障予測部246は、この実働状態の特徴量(標準偏差σtf)を、基準特徴量格納部230の記憶媒体232から取り出した対応する用紙タイミングセンサ69間の基準特徴量(標準偏差σts)と比較して、用紙搬送系のロール部材の故障予測を行なう(S346)。
【0155】
この予測診断のための比較は、たとえば、実働状態の特徴量(標準偏差σtf)が、正常時の用紙通過時間の標準偏差σtsの3〜4倍以上であれば、特に近い将来に故障が起こると判定することで行なう。用紙通過故障予測部246は、実働特徴量σtfが3σts〜4σts以内の場合は用紙搬送系のロール部材が正常であると判定し(S354−YES,S356)、実働特徴量σtfが3σts〜4σtsを超えている場合には、用紙搬送系のロール部材が近い将来故障すると判定する(S354−NO,S358)。
【0156】
故障診断部200は、他のセンサ間の組合せについても、上記ステップS310〜S358と同様の処理を繰り返すことで(S360)、他のセンサ間についても、用紙搬送系の故障発生の可能性を判定する。
【0157】
このように、第4例の処理手順に依れば、用紙通過時間を定期的に検査し(すなわち常に監視し)、検出した用紙通過時間がたとえ正常であっても、用紙通過時間の分布と正常時の分布とを比較することにより、機械の稼動部の異常や経年変化による故障や動作不良などの起きる可能性を予測する。機械の経年変化による故障の発生を早期にかつ正確に判断することができる。これにより、システムダウンを起こさないように、メンテナンス計画を立てることができる。結果として、サービスコストの低減を図ることもできる。
【0158】
なお、検知データの経時データに基づいて故障予測を行なう仕組み(故障カーブを利用したもの)が知られているが、この場合、過去のデータを多数蓄積しておき、その履歴カーブを採って判定する、すなわち用紙通過時間そのものの経時変化を調べる必要がある。また、この経時変化に基づく判定は、必ずしも故障発生の可能性を容易に判定できるものではなく、経験やノウハウを要する。
【0159】
これに対して、第4例の処理手順では、用紙通過時間そのものの経時変化を調べる必要はなく、たとえば出荷時などに取得しておいた正常時の分布と実働状態で取得した用紙通過時間の分布とを比較することで、故障が生じ得るか否かを判定するので、簡単に故障発生を予測できる。たとえば、標準偏差を判定指標値として使用すれば、数値データの単純な比較でその判定が可能となる。
【0160】
なお、上記故障予測処理の説明では、実働時の標準偏差σtfと正常時の標準偏差σtsとを比較することで故障予測を診断していたが、その手法はこれに限定されない。たとえば、実働状態の用紙通過時間の分布と正常時の分布とを比較する手法として、両者の平均値同士を比較するようにしてもよい。たとえば、実働状態の平均値が正常時の平均値よりも所定範囲外になっていれば故障が生じると予測してもよい。分布形状としては差がないが、使用に連れて、全体としてずれが生じる故障に対して有効な判定手法である。また、このような故障に対しては、平均値を判定指標とする代わりに、メジアン(中央値)を使用することもできる。
【0161】
また、上記故障予測処理の説明では、用紙通過時間に基づいて故障予測処理を行なっていたが、動作状態信号に基づく故障判定処理にて正常であると判定された場合において、前述と同様にして、その動作状態信号に基づいて故障予測処理を行なうこともできる。たとえば、動作状態信号として取得した動作電流や振動が正常範囲にあっても、その正常時に動作電流や振動を複数回測定し、その分布と予め取得しておいた真の正常時の分布とを比較するなど、これら駆動部材などの経年推移の監視を行なうことで、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材やそれに連動して動作する動力伝達部材(ギアやベルトなど)を含む駆動系全般について、故障や動作不良の発生を予測することができる。
【0162】
<故障状態特定処理の基本>
図12は、上記図8〜図10にて故障判定した場合(S118,S218,S318)、あるいは図11にて故障予測判定した場合(S358)に、さらに故障発生箇所の詳細や故障内容を特定する故障状態特定処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0163】
たとえば、駆動機構部90を構成する部材としては、ステッピングモータ112やソレノイド122などの駆動部材や、ステッピングモータ112の駆動力を伝達するクラッチ、ギア、ベアリング、ベルト、ロールなどの動力伝達部材があるが、これらの各部材が故障した際に、ステッピングモータ112やソレノイド122などの動作電流やそれらが属するブロック(駆動機構部90)の振動がどのようになるのかを示す情報を故障情報(故障時の動作状態信号)として、記憶媒体232に保持しておく。
【0164】
同じ駆動部材について測定した動作電流や同じ駆動機構について測定した振動が正常範囲から外れている場合、その駆動部材そのものやこれを駆動する駆動回路の故障とは限らず、その駆動部材の駆動力を伝達する動力伝達部材に故障が発生していることを反映して、動作電流や振動に違いが見られることがある。故障状態特定部248は、この特質を利用して、測定した動作電流や振動の正常範囲に対するずれの程度を判定指標として、駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材について故障診断を行なう。たとえば、動作電流を監視したステッピングモータ112そのものの故障の有無だけでなく、他の部材の故障の有無や、その故障はどのような内容(故障モード)であるのかなどを特定する。
【0165】
このため、動作状態故障判定部242や用紙通過故障判定部244は、故障判定(S118,S218,S318)をすると、その旨と、そのときの実働状態の特徴量(たとえばVf,σtf)を故障状態特定部248に通知する(S400)。故障状態特定部248は、実働状態の特徴量が、正常範囲に対して大きいかのか、それとも小さいのかや、どの程度大きい/小さいのかを判定することで、故障箇所や故障内容を特定する。たとえば、そのときの実働状態の特徴量(たとえばVf,σtf)が、記憶媒体232に保持しておいた故障情報の何れに該当するのかを検索する(S402)。そして、該当した故障箇所および故障モードの情報を通知部270に通知する(S404)。たとえば、ステッピングモータ112の動作電流Ismが正常時からずれているというだけでなく、動作電流や振動の正常値からのずれ具合に基づいて、故障箇所がギアであると特定し、またギアがスリップしているのか脱落しているのかといった故障内容(故障モード)を特定する。
【0166】
このように、動作電流や振動を監視して、予め調べておいた異常時の動作電流や振動と比べることで、動作電流を監視した部材の故障の有無だけでなく、他の部材に故障が生じていないかや、どのような故障であるのかを検知することができ、従来のシステムよりも高度な故障診断機能を実現することができる。
【0167】
また同様にして、用紙通過故障予測部246は、故障予測判定(S358)をすると、その旨と、そのときの実働状態の特徴量(たとえばVf,σtf)を故障状態特定部248に通知する(S410)。故障状態特定部248は、そのときの実働状態の特徴量(たとえばVf,σtf)が、記憶媒体232に保持しておいた故障情報の何れに該当するのかを検索する(S412)。そして、該当した故障箇所および故障内容の情報を通知部270に通知する(S414)。こうすることで、動作電流を監視した部材の故障発生の可能性だけでなく、他の部材に故障が生じる可能性や、どのような故障が生じ得るのかを検知することができ、従来のシステムよりも高度な故障診断機能を実現することができる。
【0168】
<<故障診断装置の全体動作の処理手順>>
図13は、図7に示した故障診断部における、故障診断(故障有無判定に限らず故障予測も含む)に関わる処理手順の全体概要の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、用紙通過時間に基づく故障判定処理において、実働特徴量Tf(用紙通過時間)が基準時間範囲に入っていない場合すなわちジャムが発生している場合に限って、動作状態信号に基づく故障箇所の特定処理を行なう一方で、実働特徴量Tfが基準時間範囲に入っている場合には、実働特徴量Tfに基づいて故障予測処理を行なう点を特徴とする。また、故障判定処理としては、図8に示した第1例の手法を採用する。
【0169】
<基準特徴量収集処理>
先ず、故障診断部200は、故障診断を行なうための基礎データとして、基準特徴量を収集する。たとえば制御部250は、基準特徴量収集処理を開始すると、先ず、第1切替部254および第2切替部256の双方をデータ収集側に切り替える(S500)。用紙通過時間検出部160は、ステップS300と同様にして、画像形成装置1が通常動作(たとえば複写)をしている間に、各用紙タイミングセンサ69間についての用紙通過時間を検出し、検出結果を故障診断部200の用紙通過時間特徴量取得部220に渡す(S502)。そして、このようなデータ取得をq回繰り返す(S504)。
【0170】
用紙通過時間特徴量取得部220は、用紙通過時間検出部160が収集したq回分の用紙通過時間データに基づき、それぞれの用紙タイミングセンサ69間の組合せについて、それぞれの平均値Tqと標準偏差σtを求める(S506)。基準特徴量格納部230は、この平均値Tqと標準偏差σtとを故障予測診断を行なうため基準特徴量(Tqs,σts)として、各用紙タイミングセンサ69の組合せが分かるように、記憶媒体232に格納する(S508)。
【0171】
一方、動作状態信号の収集のため、制御部250は、実際に画像形成装置1に複写するといった通常動作をさせないように駆動信号生成部150に指示を出し、検査対象ブロック内の駆動機構部90の各部材を単体で動作させる(S510)。動作状態信号検出部の一例である駆動部動作電流検出部140や振動検出部180は、この単体動作状態にて、ステップS101と同様にして、検査対象ブロック内の各駆動部材について、動作状態信号(デジタル化された検知データDcurr,Dosciの何れか一方)を収集する(S512)。そして、このようなデータ取得をm回繰り返す(S514)。
【0172】
たとえば、駆動信号生成部150の各駆動信号生成部152,154,156は、画像形成装置1内の全てのブロック91〜94およびそのブロック内のステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132などの各駆動部材を順次動作させる。駆動部動作電流検出部140や振動検出部180は、この動作に同期して、前述したように、約100ms〜200ms間、検知データDcurr,Dosciを収集する。
【0173】
動作状態特徴量取得部210は、駆動部動作電流検出部140や振動検出部180が収集した検知データDcurr,Dosciに基づき、前述のようにして、データ処理を行ない、故障判定に必要な特徴量Vnを求め、さらにm回分の特徴量Vnに基づいて、故障判定を行なうため基準特徴量としての、特徴量Vnの平均値Vmと標準偏差σvとを求める(S516)。基準特徴量格納部230は、この基準特徴量、すなわち平均値Vmと標準偏差σvとを、ブロック91〜94やそのブロック内のステッピングモータ112、ソレノイド122、およびクラッチ132などの各駆動部材と対応付けて、記憶媒体232に格納する(S518)。
【0174】
以上の処理によって、基準特徴量収集は完了する。このように、基準特徴量収集では、基本的に正常な状態での画像形成装置1の動作状態信号と用紙通過時間とを収集して、特徴量を抽出するための前述のような所定のデータ処理をして、記憶媒体232に基準特徴量として格納するという手順を踏む。なお、この基準特徴量収集は、通常、画像形成装置1の出荷時や、市場で動いている画像形成装置1で部品交換を実施したときなどに行なうのがよい。記憶媒体232に不揮発性メモリを使用するのが好ましいのは、画像形成装置1の電源をオフしても、このようにして取得し記憶媒体232に格納した基準特徴量が消失しないようにするためである。
【0175】
<故障判定処理>
次に、故障診断部200の制御部250は、故障判定処理を起動する。たとえば制御部250は、故障箇所判定処理を開始すると、先ず、第1切替部254を診断1側に、また第2切替部256を診断2側に、それぞれ切り替える(S600)。用紙通過時間検出部160は、画像形成装置1が通常動作(たとえば複写)をしている間に、各用紙タイミングセンサ69間についての用紙通過時間を検出し、検出結果を故障診断部200の用紙通過時間特徴量取得部220に渡す(S602)。
【0176】
また、用紙通過時間検出部160は、各用紙タイミングセンサ69を印刷用紙が通過する時間(実働特徴量Tf)が、予め決められた基準の時間範囲に入っているかどうかを判定する(S604)。基準の時間範囲に入っていなければ、用紙通過時間検出部160は、ジャムが発生したと判定し、駆動信号生成部150と故障判定部240にエラー信号Serr を通知する(S604−NO,S606)。これを受けて、駆動信号生成部150内の駆動信号生成部152,154,156は、ステッピングモータ112、ソレノイド122、クラッチ132の動作を停止させることで、駆動機構部90を停止させ、用紙搬送を停止する(S608)。
【0177】
<故障箇所特定処理>
また、ジャムが発生すると、制御部250は、故障発生箇所の特定処理を起動する。たとえば、制御部250の診断対象ブロック決定部252は、用紙通過時間検出部160からの用紙通過時間データを用いて、故障診断を実施するブロックを決定する(S610)。具体的には、用紙通過時間検出部160にてジャムを検知した用紙タイミングセンサ69の位置から、検査対象のブロック数と検査の順位を決める。たとえば図1で説明すると、第3センサ67がジャムを検出した場合には、検査すべきブロックは、第3ブロック93、第2ブロック92、および第1ブロック91の3箇所となる。また、第3センサ67が直接関わっている故障の可能性の高いブロックが第3ブロック93であるから、最初に第3ブロック93について検査を実施するよう、検査の順位を設定する。
【0178】
次に、駆動信号生成部150と駆動部動作電流検出部140や振動検出部180とが連携して、最初に検査するブロックNiについて、ステッピングモータ112→ソレノイド122→クラッチ132の順に、それぞれを診断対象駆動部材として単体で動作させる(S612)。駆動部動作電流検出部140や振動検出部180は、この単体動作状態で、検査対象ブロックNi内の各駆動部材について、動作状態信号(基準特徴量に対応する検知データDcurr,Dosciの何れか一方)を収集する(S614)。
【0179】
また、動作状態特徴量取得部210は、駆動部動作電流検出部140や振動検出部180により収集された検知データDcurr,Dosciに基づき、前述のようにして、データ処理を行ない、故障判定に必要な実働状態の特徴量Vnを求め、これを実働特徴量Vfとして動作状態故障判定部242に渡す(S616)。
【0180】
動作状態故障判定部242は、検査対象ブロックNi内の診断対象駆動部材(たとえばステッピングモータ112)に対応する基準特徴量(平均値Vm,標準偏差σv)を基準特徴量格納部230の記憶媒体232から取り出し、動作状態特徴量取得部210から渡された実働特徴量Vfが、正常範囲たとえばVm±3σv内に入っているかどうかを調べる、すなわち診断対象駆動部材について故障の有無を判定する(S618)。そして、動作状態故障判定部242は、実働特徴量VfがVm±3σv内に入っていない場合には、その診断対象駆動部材に故障が存在すると判定し、その旨(故障判定)を通知部270に通知する(S618−NO,S620)。
【0181】
なお、ここでの故障判定は、診断対象駆動部材の故障の有無(故障箇所特定)だけであるが、これに限らず、上記図12に示したように、実働特徴量Vfが、正常範囲からどの程度ずれているのかに基づき、動作電流や振動を監視したステッピングモータ112などの駆動部材の故障の有無だけでなく、その故障の内容や、他の動力伝達部材の故障の有無や、その故障はどのような故障内容であるのかなどを特定するようにしてもよい。
【0182】
一方、診断対象駆動部材の実働特徴量VfがVm±3σv内に入っている場合は(S618−YES)、制御部250は、検査対象ブロックNi内の全ての駆動部材について、上述の故障判定処理を行なったか否かを調べる(S622)。未判定の駆動部材が存在する場合(S622−NO)、制御部250は、残りの駆動部材、たとえばソレノイド122やクラッチ132について上述のような手順を踏んだ故障判定処理を行なうよう指示を出す。駆動信号生成部150や故障診断部200は、以下上述と同様にして、各診断対象駆動部材について故障の有無を判定する。なお、ステップS612〜S618において、参照符号smはステッピングモータ112についての処理であることを、参照符号soはソレノイド122についての処理であることを、参照符号clはクラッチ132についての処理であることを、それぞれ示している。
【0183】
検査対象ブロックNi内の全ての駆動部材について、上述の故障箇所判定処理が完了すると(S622−YES)、制御部250は、診断対象ブロック決定部252が決定した検査対象ブロックの全てについて、上述の故障箇所判定処理を行なったか否かを調べる(S624)。未判定のブロックが存在する場合(S624−NO)、制御部250は、次のブロックについて上述のような手順を踏んだ故障箇所判定処理を行なうよう指示を出す。駆動信号生成部150や故障診断部200は、以下上述と同様にして、各診断対象駆動部材について故障箇所判定処理を行なう。
【0184】
故障診断部200は、上記故障箇所判定処理過程(S610〜S618)において、診断対象ブロック決定部252が決定した検査対象ブロックの全てについて、故障が存在せず無事に処理が完了すると、正常判定終了し、その旨(正常判定)を通知部270に通知する(S624−YES,S626)。
【0185】
なお、上記処理過程から分かるように、本例の処理手順では、何れか1箇所にて故障が発見されると、直ちにその旨(故障判定)を通知部270に通知し、他の部材についての故障箇所判定を停止する。また、本例の処理手順では、ステップS604にてジャムを検知したにも拘わらず、その後の故障箇所判定処理にて故障箇所を特定できなかったときは、故障箇所は存在せず、正常であると判定する。
【0186】
<故障予測処理>
一方、故障診断部200は、上記ステップS604にて、実働状態の用紙通過時間(実働特徴量Tf)が正常範囲にある場合、故障予測処理を起動する(S600)。そして、故障診断部200は画像形成装置1の通常動作で約100程度の動作をさせて、用紙通過時間検出部160により各用紙タイミングセンサ69間の用紙通過時間データを収集する(S602)。用紙通過時間特徴量取得部220は、各用紙タイミングセンサ69間の用紙通過時間Tfの標準偏差σtを計算する(S604)。用紙通過故障予測部246は、この標準偏差σtfが、基準特徴量格納部230の記憶媒体232から取り出した対応する用紙タイミングセンサ69間の基準特徴量(標準偏差σts)の3〜4倍以上であるか否かを判定する(S606)。
【0187】
そして、用紙通過故障予測部246は、実働状態の標準偏差σtfが基準の標準偏差σtsに対して所定範囲外(たとえば3〜4倍以上)である場合には、近い将来に故障が起こると判定し、その旨(故障予測判定)を通知部270に通知する(S606−NO,S608)。一方、実働状態の標準偏差σtfが基準の標準偏差σtsに対して所定範囲内である場合には、正常であると判定し、その旨(正常判定)を通知部270に通知する(S606−YES,S610)。
【0188】
通知部270は、上記各種の判定処理結果(正常判定、故障判定、および故障予測判定の何れか)の通知を受け、それらの情報をカスタマーに通知する(S620)。
【0189】
このように、図13に示す処理手順に依れば、画像形成装置1の駆動機構部90を、駆動機構のベースとなる駆動モータを動作単位とするブロック(本例では4ブロック)に分け、用紙通過時間検出機構と合わせて、ブロック単位で故障判定を行なうようにしたので、判定処理時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0190】
また、故障を検出すると、駆動部材の動作を停止させるようにしたので、故障により駆動部材に電力が供給され続けることや、異常な動作を回避することができ、安全性を確保することができる。
【0191】
また、検査結果をカスタマーに通知するようにしたので、迅速な対応通知が可能となり、ダウンタイムの大幅な低減が可能となる。
【0192】
また、用紙タイミングセンサ69にて検知した用紙通過時間に基づいて取得した特徴量を判定指標とした判定において正常であっても、基準特徴量を求める場合と同様にして用紙通過時間を複数回測定し両者を比較することで、用紙搬送ロールについての故障予測診断を行なうようにしたので、故障に至る前に計画的なメンテナンスが可能となり、大幅なサービスコストの低減を図ることができる。
【0193】
<故障診断手法の具体例;ステッピングモータとソレノイド>
次に、具体的な事例を参照して、上記構成の故障診断装置3の動作について説明する。図14の各図(A)〜(H)は、図1に示した画像形成装置1におけるステッピングモータ112とソレノイド122の動作状態の波形例を示す図である。
【0194】
ここで、波形図(A),(B)は、動作電流検出抵抗142による正常に動作しているステッピングモータ112の動作電流Ismの波形と振動センサ82の一例として用いた加速度センサ182により検知された振動波形である。また、波形図(C),(D)は、ステッピングモータ112のB相線が断線故障している場合における、動作電流波形と振動波形である。
【0195】
(A)〜(D)の何れの波形も、SM駆動信号生成部152の端子OUT1からモータドライバ回路114に入力される制御信号ON/OFFを約280ms間オン状態とした場合において、オン後の約300ms期間の波形を示している。なお、実際に故障検出に利用する信号波形としては、ステッピングモータ112の動作開始から、すなわち制御信号ON/OFFをオン状態としてから約200ms程度で十分である。
【0196】
ステッピングモータ112は、SM駆動信号生成部152からモータドライバ回路114に入力されるクロック信号CLK1用の配線が断線していても、本例での信号を取り込む約200ms時間、全く動作しないと言うことはなく、滑らかでないが回転動作を行なう。
【0197】
B相線断線時の動作電流波形は、図14(A)に示すように正常動作時の動作電流波形と大差ない。これに対して、その際の振動波形(D)は、正常動作時の振動波形(B)とかなり異なる。なお、図では示さないが、A相、NA相、NB相の各線の断線もB相線断線と同様な症状を示す。
【0198】
これらのことから、ステッピングモータ112のB相線に断線故障が存在するか否かは、振動センサ82(加速度センサ182)による検知結果を参照して判定することで判定可能である。
【0199】
波形図(E),(F)は、動作電流検出抵抗142による正常に動作しているソレノイド122の動作電流Isoの波形と振動センサ82の一例として用いた加速度センサ182により検知された振動波形である。波形図(G),(H)は、ソレノイド122のプランジャ(図2のプランジャ912aを参照)がやや弱く拘束された故障状態における、ソレノイド122の動作電流波形と振動波形である。
【0200】
ソレノイド122は、電磁石と鉄心(プランジャ912a)とを組み合せて構成されており、SO駆動信号生成部154の指示に基づきトランジスタ123をオンさせることで電磁石に電流を流すと、磁力が発生して鉄心が吸引され、電磁石と鉄心との相対位置が変化し、逆に電流を遮断すると、ばねなどの付勢力により電磁石と鉄心との相対位置が吸引前の状態に戻される。依って、動作電流やバネ機構に不具合があると、プランジャの動きがスムーズでない(拘束された)状態となる。
【0201】
ここで、(E)〜(F)の何れの波形も、SO駆動信号生成部154の端子OUT4から駆動回路(トランジスタ123のベース側)に入力される制御信号ON/OFFを約160ms間オン状態とした場合において、オン後の約300ms期間の波形を示している。なお、実際に故障検出に利用する信号波形としては、ソレノイド122の動作開始から、すなわち制御信号ON/OFFをオン状態としてから約100ms程度で十分である。
【0202】
波形図(E),(G)から分かるように、ソレノイド122の動作電流波形は、動作開始直後の立上り部分の段差に、僅かではあるが、正常な動作とこの場合の故障の動作に差が見られる。一方、波形図(F),(H)から分かるように、振動波形については、プランジャが拘束されている部材(図示を割愛する)より強く振動させるため、正常時のソレノイドの振動波形とに差が見られる。
【0203】
ここでは図示を割愛するが、さらにプランジャを強く拘束していくと、部材自体が動かなくなり、電流波形の立上り部分は、段差がなくなり、また、殆ど振動が伝わらなくなり、振動波形は殆ど何もない、すなわちゼロで一定である。
【0204】
なお、(A),(C),(E),(G)の各動作電流波形中で、電流がゼロにならず、約170mA程度流れているのは、画像形成装置1のランプやファン(図1では図示せず)が常時使用されているからである。しかし、この電流は、駆動機構部90の動作電流とは無関係に流れるので、駆動機構部90の故障判定処理に影響を与えることはない。
【0205】
上記事例では、ステッピングモータ112やソレノイド122の故障事例を示したが、クラッチ132の断線故障についても、同様にして考えることができる。また、ステッピングモータ112、ソレノイド122、クラッチ132の故障として、これらを構成するコイル部材などの全断線(ステッピングモータ112の場合には各相全ての断線)や全短絡などが生じたときには、電流センサとして用いた動作電流検出抵抗142により、動作電流がゼロもしくは一定ということを検知することができ、これらの故障を容易に検出可能である。その具体的な事例は図示を割愛する。
【0206】
また、上記事例では、ステッピングモータ112やソレノイド122の故障として、これら駆動部材自体が故障している場合の例を挙げたが、駆動部材自体の故障に限らず、駆動部材の動作不良(動作しているが正常ではない状態)が生じた場合にも駆動電流や振動に変化が見られるので、正常時に対するずれや波形状態の変化などに基づいて、これらの動作不良についても判定することができる。
【0207】
また、駆動機構部90を構成する他の部品であるギア、ベアリング、ベルト、ロールなどの故障や動作不良に関しても、これらの故障や動作不良が動作電流や振動の変化として現れるので、正常時に対するずれや波形状態の変化などに基づいて、これらの故障や動作不良も同様にして判定可能である。たとえば、図1の各ブロック91〜94(駆動機構部90)における、たとえば、ギアの歯のカケ、脱落、あるいはスリップなどの故障や動作不良に関しても、これらの事象が生じると、動作電流波形が正常時と異なるか、もしくは振動波形が正常時と異なるので、前述の動作状態信号に基づく故障判定により、これらの事象を判定することができる。
【0208】
<故障診断手法の具体例;複数の故障の峻別>
図15は、図1の第1ブロック91(駆動機構部90)の駆動部材に流れる動作電流を動作状態信号とし、正常時の特徴量VnとB相線断線故障およびギアスリップ故障時の各特徴量Vfを横軸にヒストグラムで表した図である。動作状態信号は、計測ごとにばらつくが、ある一定の範囲に入っている。正常か故障かの判別の最も簡単な方法としては、実働状態(ここでは故障時)の特徴量Vfが、正常時の特徴量Vfの平均値Vmを中心とする標準偏差σf内に入っているか否かによって、故障か否かを判定することができる。
【0209】
図15の場合であれば、ステッピングモータ112のB相線断線故障かギアスリップ故障かの判定も、その判定基準Vm±3σvより大きいか小さいかによって判定が可能となる。なお、図15のみでは、断線故障と正常の分布は一部重なっているので、故障判定を正確にできるとは限らないが、このような場合(実際には殆ど全て)、図16の特徴量に基づく判定も行なうことで、正確な故障判定が可能になる。
【0210】
図16は、図1の第1ブロック91(駆動機構部90)の振動波形を動作状態信号として、正常時の特徴量VnとB相線断線故障、ギアスリップ故障、およびギア脱落故障時の各特徴量Vfを横軸にヒストグラムで表した図である。動作状態信号は、計測ごとにばらつくが、ある一定の範囲に入っている。正常か故障かの判別の最も簡単な方法としては、実働状態(ここでは故障時)の特徴量Vfが、正常時の特徴量Vfの平均値Vmを中心とする標準偏差σf内に入っているか否かによって、故障か否かを判定することができる。図16の場合であれば、ステッピングモータ112の断線、ギアの脱落、あるいはギアスリップ故障の判定も、そのVm±3σvより大きいか小さいかによって判定が可能となる。
【0211】
なお、ギアスリップ故障とステッピングモータ112のB相線断線故障は、それぞれの振動の分布の一部が重なっているので、両者の故障を峻別することができない。ただし、ステッピングモータ112の動作電流Ismを動作状態信号とする判定方法を用いることで、図15に示したように、ギアスリップ故障とB相線断線故障を峻別することができる。つまり、1つの事象について複数の観点から判定を行なうことで、複数の故障がある場合に、一方の故障時の特徴量が複雑に入り組んだ分布を形成するような場合であっても、他方の故障時の特徴量を参照することで、複数の故障を切り分けることができる。
【0212】
<故障診断手法の具体例;複数の特徴量に基づく判定>
図17は、図1の第4ブロック94(駆動機構部90)のステッピングモータ112の動作電流Ismと振動波形の双方を動作状態信号とし、正常時の特徴量(Vn1,Vn2)とベルト外れ故障時の特徴量(Vf1,Vf2)との関係を示した散布図である。ここでは、ヒストグラム図は図示を割愛するが、動作電流Ismについての特徴量Vn1および振動についての特徴量Vn2の何れについても、正常時と故障時の各分布の一部が重なる。このため、図15や図16に示したような、1つの特徴量についての故障判定の手法では、大部分が誤判定になる。
【0213】
これに対して、1つの事象について複数の観点から判定を行なうことで、正常時の特徴量と故障時の特徴量とが複雑に入り組んだ分布を形成するような場合であっても、正常であるのか故障であるのかを切り分けることができる。この考え方は、図16で説明した、複数の故障を切り分ける考え方と類似している。
【0214】
このような手法としては、たとえば、多変量解析の手法で一般的な、線形判別分析、2次判別分析、あるいは正準判別分析などの手法を利用するのが好適である。たとえば、図17に示すような分布の場合には、線形判別分析を適用すると、図中に示す判別境界線によって、正常特徴量と故障特徴量とを、完全に分離することができるので、正常であるのか故障であるのかを、正確に判定することができる。
【0215】
<故障診断手法の具体例;用紙搬送ロールの故障判定>
図18は、用紙搬送ロールについての故障判定の具体例を説明する図である。ジャムが発生した場合、その直前の駆動機構部を含むブロックが故障していると考えられる。しかし、ジャムが発生していても、駆動部材の動作電流や振動には、正常時との差が殆ど現れない。このため、前述の動作電流や振動に基づく特徴量Vnを判定指標とする手法では、用紙搬送用のロールの故障(破損や摩耗など)を判定することは難しい。一方、用紙搬送用のロールの故障が発生すると、図18に示すように、印刷用紙が各用紙タイミングセンサ69を通過するタイミング時間の標準偏差が大きくなる特徴を持つ。このことを故障判定に利用することで、搬送ロール故障の判定が可能となる。以下、具体的に説明する。
【0216】
先ず、画像形成装置1の出荷時や部品交換時に、図1に示す各用紙タイミングセンサ69を使って検出した用紙通過時間Stimeに基づいて、各センサ間の時間分布を解析する。たとえば、その平均値Tqと標準偏差σtとを計算する。そして、この平均値Tqと標準偏差σtとを基準特徴量としてメモリ(本例では図7の記憶媒体232)に記憶しておく。
【0217】
次に、実働時にジャムを検出した場合、そのジャムを検出したセンサ以前のセンサ、たとえば、ジャムを第3センサ67で検知したなら、第1〜第3の各センサ65〜67がジャムに関わっていると考えられる。そこで、それらのセンサ間の用紙搬送時間と、メモリに格納しておいた基準特徴量と比較することによって、ロールの故障を判定する。基準特徴量との比較は、基準特量量として格納している平均値Tqからのずれが、同じく基準特徴量として格納している標準偏差σtの3倍〜4倍以上もになるとロールの故障と判定する。
【0218】
また、前述の特徴量を定期的に測定し、メモリに格納しておいた基準特徴量とと比較することで、近い将来に故障する部品を推定することができる。図18(B)に示すように、部品が悪くなってきた場合、時間分布の標準偏差の広がりが大きくなるので、たとえば、センサ間の用紙搬送時間については、基準特徴量として格納している平均値Tqからのずれが、同じく基準特徴量として格納している標準偏差σtの3倍〜4倍程度になると、そこに関わっている部品(この場合用紙搬送用のロール)が近い将来故障すると考えられる。
【0219】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0220】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0221】
たとえば、上記実施形態では、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、あるいはそれらの機能を組み合わせて有する複合機などの画像形成装置に故障診断装置を適用した事例で示したが、故障診断装置3適用される装置は、画像形成装置に限らず、家電品や自動車などその他の機器に適用してもよい。
【0222】
また、上記実施形態で示した故障診断装置3の構成では、実働状態で取得した動作状態信号の正常範囲に対するずれの程度を参照することで故障診断を行なう第1の構成、ブロックごとに故障診断を行ない故障しているブロックを測定した後に、その故障ブロックについてさらに詳細に故障診断を行なう第2の構成、将来の故障発生の可能性や故障内容を特定する第3の構成、の全てを備えているものとして説明したが、第1〜第3の構成の何れかを1つあるいは何れか2つの任意の組合せのものであってもよい。
【0223】
また、上記実施形態で説明した故障診断に関わる機能部分(特に故障診断部200内の各部)は、ハードウェアにより構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づいて電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。よって、本発明に係る故障診断装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。ソフトウェアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
【0224】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第1の構成に依れば、実働状態で測定した動作状態信号が、正常範囲に対してどの程度ずれているのかに基づいて故障診断を行なうようにしたので、動作状態信号を監視するだけで、駆動部材の短絡故障や断線故障に限らず、ギア、ベアリング、ベルト、ロールなどの駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材についても、故障や動作不良の有無やその状態を特定することができるようになった。様々な部材について、また様々な故障状態について、柔軟に故障の有無や故障の状態、あるいは故障の生じる可能性を判定することができる。動力伝達部材に故障や動作不良が生じると、その影響が動作状態信号に現れるからである。
【0225】
また、本発明の第2の構成に依れば、駆動部材とその駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材とを一単位とするブロックごとに故障の有無を判定し、故障と判定されたブロックについて、さらに、詳細に故障診断を行なうようにしたので、詳細な故障診断の対象範囲を予めブロック単位で絞っておくことで、詳細な故障診断を行なうべき箇所を減らすことができる。これにより、駆動部材や動力伝達部材を多数備えた装置であっても、故障診断処理時間の短縮を図ることができるようになった。
【0226】
また、本発明の第3の構成に依れば、実働状態の動作状態信号が正常範囲にある場合であっても、動作状態信号を複数回に亘って検出し、その分布と正常範囲を示す分布とを比較することで、将来の故障発生を予測するようにしたので、簡単な判定により、故障発生を予測できるようになった。故障発生を予測できると、故障に至る前に計画的なメンテナンスが可能となり、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
【0227】
このように、本発明に依れば、様々な部材について、また様々な故障状態について、あるいは故障の生じる可能性について、簡易な構成で、低コストで、簡単な判定手法で、診断することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る故障診断装置の一実施形態を搭載した画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に使用される駆動機構部の一構成例を示す図である。
【図3】駆動機構部の動作状態を検証する故障診断装置の第1例を示す図である。
【図4】駆動機構部の動作状態を検証する故障診断装置の第2例を示す図である。
【図5】駆動機構部の動作状態を検証する故障診断装置の第3例を示す図である。
【図6】上記第1例〜第3例の故障診断装置を構成する場合における、駆動機構部のブロック分割との対応を説明する図である。
【図7】故障診断部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】図7に示した故障診断部における、動作状態信号に基づく故障判定処理手順の第1例を示すフローチャートである。
【図9】図7に示した故障診断部における、動作状態信号に基づく故障判定処理手順の第2例を示すフローチャートである。
【図10】図7に示した故障診断部における、用紙通過時間に基づく故障判定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図7に示した故障診断部における、用紙通過時間に基づく故障予測処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】故障状態特定処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図13】図7に示した故障診断部における、故障診断に関わる処理手順の全体概要の一例を示すフローチャートである。
【図14】図1に示した画像形成装置におけるステッピングモータとソレノイドの動作状態の波形例を示す図である。
【図15】図1の第1ブロックの駆動部材に流れる動作電流を動作状態信号とし、正常時の特徴量VnとB相線断線故障およびギアスリップ故障時の各特徴量Vfを横軸にヒストグラムで表した図である。
【図16】図1の第1ブロックの振動波形を動作状態信号として、正常時の特徴量VnとB相線断線故障、ギアスリップ故障、およびギア脱落故障時の各特徴量Vfを横軸にヒストグラムで表した図である。
【図17】図1の第4ブロックのステッピングモータの動作電流Ismと振動波形の双方を動作状態信号とし、正常時の特徴量(Vn1,Vn2)とベルト外れ故障時の特徴量(Vf1,Vf2)との関係を示した散布図である。
【図18】用紙搬送ロールについての故障判定の具体例を説明する図である。
【図19】特許文献1に記載の故障診断の仕組みの一例を示す回路図(特許文献1の図2)である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、3…故障診断装置、30…画像形成部、32…感光体ドラムロール、33…一次帯電器、34…現像器、34a…現像ロール、34b…現像クラッチ、35…転写ロール、36…クリーナロール、37…ランプ、39…レーザスキャナ、50…給紙搬送機構部、52,72…搬送路、54,55,56,57,58,74,76…ロール(ロール対)、61,63…ソレノイド、62…停止ツメ、65,66,67,69,78,79…用紙タイミングセンサ、70…排紙搬送機構部、80…駆動機構振動検出部、82…振動センサ、90…駆動機構部、91〜94…駆動機構部のブロック、96〜99…モータ、100…動作状態信号検出部、102…コントロール回路、104…直流電源、110,120,130…駆動部、112…ステッピングモータ、114…モータドライバ回路、122…ソレノイド、132…クラッチ、140…駆動部動作電流検出部、142…動作電流検出抵抗、143…増幅回路、148…A/D変換器、150…駆動信号生成部、152…SM駆動信号生成部、154…SO駆動信号生成部、156…CL駆動信号生成部、160…用紙通過時間検出部、162…計測部、180…駆動機構振動検出部、182…加速度センサ、184…チャージアンプ、188…A/D変換器、200…故障診断部、210…動作状態特徴量取得部、220…用紙通過時間特徴量取得部、230…基準特徴量格納部、232…記憶媒体、240…故障判定部、242…動作状態故障判定部、244…用紙通過故障判定部、246…用紙通過故障予測部、248…故障状態特定部、250…制御部、252…診断対象ブロック決定部、254,256…切替部、270…通知部、902…モータ、904…ギア、906…シャフト、908…ロール対、910…クラッチ、912…ソレノイド、916…ベルト、918…プーリ

Claims (28)

  1. 電流供給を受けて動作する駆動部材や当該駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材などの、複数の構成部材を含む駆動機構を有する装置に生じる故障を診断する故障診断装置であって、
    前記駆動機構が所定期間動作している間の動作状態を示す動作状態信号を検出する動作状態信号検出部と、
    前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号の、当該動作状態信号について予め定められている正常範囲に対するずれの程度に基づいて、前記駆動機構を構成する個々の構成部材について、故障診断を行なう故障診断部と
    を備えたことを特徴とする故障診断装置。
  2. 前記駆動機構は複数の前記駆動部材を含み、
    前記複数の駆動部材を個々にオンオフ可能な制御信号を生成する駆動信号生成部をさらに備え、
    前記動作状態信号検出部は、前記複数の駆動部材について共通に使用される検知部材を有し、前記駆動信号生成部による1つの前駆駆動部材に対するオン制御時に前記検知部材により前記動作状態信号を検出し、
    前記故障診断部は、前記駆動信号生成部が前記複数の駆動部材の何れかをオンさせた状態にて、前記動作状態信号検出部により検知される、前記複数の駆動部材についての各動作状態信号に基づいて、前記複数の駆動部材を含む前記複数の構成部材の各々について、前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記故障診断部は、前記動作状態信号検出部が検知した前記動作状態信号に基づいて前記故障診断をするのに適した特徴量を抽出し、当該特徴量と、前記動作状態信号の前記正常範囲を示す基準特徴量とに基づいて、前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  4. 前記故障診断部は、前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号が、予め取得しておいた前記複数の構成部材の、それぞれの故障時の動作状態信号の何れに該当するかを判定することで、前記複数の構成部材の何れに故障が生じているのかおよび故障の内容の少なくとも一方を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  5. 前記動作状態信号検出部は、前記駆動部材に流れる動作電流を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動部動作電流検出部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  6. 前記動作状態信号検出部は、前記駆動機構の振動を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動機構振動検出部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  7. 前記駆動機構は、被搬送体を搬送する搬送系統に使用されるものであり、
    前記動作状態信号検出部は、前記被搬送体の通過を検知する複数の検知部と、当該複数の検知部から得られる検知信号に基づいて前記被搬送体の搬送タイミングや搬送時間を前記動作状態信号として計測する計測部とを含む被搬送体通過時間検出部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  8. 前記故障診断部は、前記動作状態信号が前記正常範囲外にあるとき、電流供給を受けて動作する駆動部材の駆動力を電流供給を受けることなく他の部材に伝達する動力伝達部材について前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  9. 前記動作状態信号検出部は、前記駆動部材に流れる動作電流を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動部動作電流検出部と、前記駆動機構の振動を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動機構振動検出部とを有し、
    前記故障診断部は、前記駆動部動作電流検出部が検知した動作電流と前記駆動機構振動検出部が検知した振動のそれぞれが、各々に対応する前記正常範囲内にあるか否かを、多次元的に解析することで、電流供給を受けて動作する駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材について前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  10. 複数の前記駆動機構を備え、
    前記動作状態信号検出部は、装置の通常動作状態において、駆動機構ごとに、当該駆動機構の動作状態を示すブロック動作状態信号を検出するブロック動作状態信号検出部を有し、
    前記故障診断部は、前記ブロック動作状態信号検出部が検知したブロック動作状態信号に基づいて当該駆動機構の故障の有無を判定することで詳細な故障診断を行なう駆動機構を決定する診断対象ブロック決定部と、当該診断対象ブロック決定部が故障であると決定した駆動機構内の各構成部材について前記故障診断を行なう動作状態故障判定部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  11. 前記故障診断部は、前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号と、当該動作状態信号についての前記正常範囲とを比較することで、将来の故障発生を予測する故障予測部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  12. 前記動作状態信号検出部は前記動作状態信号を複数回に亘って検出し、
    前記故障診断部の前記故障予測部は、複数回に亘って前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号に基づいて得られる動作状態信号の分布と、動作状態信号の前記正常範囲を示す分布とを比較することで、将来の故障発生を予測する
    ことを特徴とする請求項11に記載の故障診断装置。
  13. 電流供給を受けて動作する駆動部材や当該駆動部材の駆動力を電流供給を受けることなく他の部材に伝達する動力伝達部材とを含む駆動機構を複数有する装置に生じる故障を診断する故障診断装置であって、
    装置の通常動作状態において、駆動機構ごとに、当該駆動機構の動作状態を示すブロック動作状態信号を検出するブロック動作状態信号検出部、および各駆動機構を単体動作させた状態でその1つの前記駆動機構が所定期間動作している間の当該駆動機構を構成する個々の部材の動作状態を示す動作状態信号を検出する動作状態信号検出部とを有する信号検出部と、
    前記ブロック動作状態信号検出部が検知したブロック動作状態信号に基づいて当該駆動機構の故障の有無を判定することで詳細な故障診断を行なう駆動機構を決定する診断対象ブロック決定部、および当該診断対象ブロック決定部が故障であると決定した駆動機構内の各構成部材について前記故障診断を行なう動作状態故障判定部を有する故障診断部と
    を備えたことを特徴とする故障診断装置。
  14. 前記駆動機構は、被搬送体を搬送する搬送系統に使用されるものであり、
    前記ブロック動作状態信号検出部は、前記被搬送体の通過を検知する複数の検知部と、当該複数の検知部から得られる検知信号に基づいて前記被搬送体の搬送タイミングや搬送時間を前記動作状態信号として計測する計測部とを含む被搬送体通過時間検出部を有し
    前記駆動機構を構成する個々の部材の動作状態を示す動作状態信号を検出する動作状態信号検出部は、前記駆動部材に流れる動作電流を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動部動作電流検出部および前記駆動機構の振動を示す信号を前記動作状態信号として検出する駆動機構振動検出部の少なくとも一方を有し、
    前記診断対象ブロック決定部は、前記被搬送体通過時間検出部が検出した前記搬送タイミングや搬送時間に基づいて、前記故障診断の対象とする駆動機構を決定し、
    前記動作状態故障判定部は、前記診断対象ブロック決定部が決定した駆動機構について、前記駆動部動作電流検出部により得られる動作電流または前記駆動機構振動検出部により得られる振動に基づいて、前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項10または13に記載の故障診断装置。
  15. 前記診断対象ブロック決定部は、前記故障診断の対象とする駆動機構が複数存在すると決定したときには、各駆動機構の前記故障診断を行なう順序を決定し、
    前記動作状態故障判定部は、前記診断対象ブロック決定部が決定した複数の駆動機構について、当該診断対象ブロック決定部が決定した順序に従って、前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項14に記載の故障診断装置。
  16. 電流供給を受けて動作する駆動部材や当該駆動部材の駆動力を他の部材に伝達する動力伝達部材などの、複数の構成部材を含む駆動機構を有する装置に生じる故障を診断する故障診断装置であって、
    前記駆動機構の動作状態を示す動作状態信号を複数回に亘って検出する動作状態信号検出部と、
    複数回に亘って前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号に基づいて得られる動作状態信号の分布と、動作状態信号の正常範囲を示す分布とを比較することで、前記複数の構成部材の将来の故障発生を予測する故障診断部と
    を備えたことを特徴とする故障診断装置。
  17. 前記動作状態信号検出部は定期的に前記動作状態信号を複数回に亘って検出し、
    前記故障診断部は、前記定期的に前記故障発生を予測する
    ことを特徴とする請求項11または16に記載の故障診断装置。
  18. 前記駆動機構は、被搬送体を搬送する搬送系統に使用されるものであり、
    前記動作状態信号検出部は、前記被搬送体の通過を検知する複数の検知部と、当該複数の検知部から得られる検知信号に基づいて前記被搬送体の搬送タイミングや搬送時間を前記動作状態信号として前記複数回に亘って計測する計測部とを含む被搬送体通過時間検出部を有し、
    前記故障診断部は、前記複数回に亘って前記被搬送体通過時間検出部が検知した搬送タイミングや搬送時間に基づいて得られる搬送タイミングや搬送時間の分布と、搬送タイミングや搬送時間の前記正常範囲を示す分布とを比較することで、前記搬送系統の将来の故障発生を予測する
    ことを特徴とする請求項11または16記載の故障診断装置。
  19. 前記駆動機構は、回転力によって前記被搬送体を所定方向に移動させるロール部材を含み、
    前記故障診断部は、前記ロール部材の将来の故障発生を予測する
    ことを特徴とする請求項18に記載の故障診断装置。
  20. 正常時において前記動作状態信号検出部により検出した動作状態信号に基づいて得られる前記正常範囲を示す情報を格納する記憶部を備え、
    前記故障診断部は、前記記憶部から前記正常範囲を示す情報を読み出して前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1、13、15のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  21. 前記記憶部は、複数の前記駆動機構部を各々単独動作させて前記動作状態信号検出部により検出した各動作状態信号に基づいて得られる、各駆動機構部についての前記正常範囲を示す情報を格納する
    ことを特徴とする請求項20に記載の故障診断装置。
  22. 前記記憶部は、前記駆動機構を有する装置の出荷時または前記構成部材の交換後の各正常時において前記動作状態信号検出部により検出した動作状態信号に基づいて得られる前記正常範囲の情報を格納する
    ことを特徴とする請求項20に記載の故障診断装置。
  23. 前記故障診断部が行なった診断の情報をカスタマーに通知する通知部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1、13、15のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  24. 前記故障診断部は、前記正常範囲を現す平均値および標準偏差に基づいて前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1、13、15のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  25. 前記故障診断部は、前記動作状態信号をデジタル化した各サンプリング点のデータを2乗し積分した値と前記正常範囲とを比較して前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項1、13、15のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  26. 前記動作状態信号検出部は、前記動作状態信号の取得を複数回行ない、
    前記故障診断部は、前記動作状態信号をデジタル化した各サンプリング点のデータを2乗し積分した値を複数個得て、この複数の値に基づいて平均値と標準偏差とを算出し、この平均値および標準偏差と、前記正常範囲を現す平均値および標準偏差とを比較することで、前記故障診断を行なう
    ことを特徴とする請求項25に記載の故障診断装置。
  27. 前記故障診断部は、前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号が、前記正常範囲を現す平均値±(標準偏差×3)以内にあるとき、正常であると判定する
    ことを特徴とする請求項1、13、15のうちの何れか1項に記載の故障診断装置。
  28. 前記通知部は、前記診断の情報として、故障箇所、故障内容、および検査内容と前記動作状態信号検出部が検知した動作状態信号、のうちの少なくとも1つを前記カスタマーに通知する
    ことを特徴とする請求項27に記載の故障診断装置。
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