JP2005032350A - 基準磁気信号記録装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスクに基準磁気信号を記録する場合に、多数の記録部を有する磁気ヘッドを用いて、多数の信号を同時記録することで書込時間を短縮する。
【解決手段】磁気ヘッドの先端部構造として、強磁性体材料薄膜で形成された書込ヨーク1とバックヨーク2が、硬質セラミックで形成されたスライダ3の側壁に設けられている。スライダ3に各ヨーク1、2を形成した後に、スライダ3の面から集束イオンビーム加工することにより溝4a〜4cを形成する。これにより、スライダ3、バックヨーク2、書込ヨーク1の全ての材料が局部的に除去され、これらの溝4a〜4bにより磁気的書き込みが阻害され、書込ヨーク1の4つの記録部5a〜5dのみにより磁気記録がなされる。この磁気ヘッドにより、磁気ディスク上に同時に複数の基準磁気信号を形成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気ヘッドの先端部構造として、強磁性体材料薄膜で形成された書込ヨーク1とバックヨーク2が、硬質セラミックで形成されたスライダ3の側壁に設けられている。スライダ3に各ヨーク1、2を形成した後に、スライダ3の面から集束イオンビーム加工することにより溝4a〜4cを形成する。これにより、スライダ3、バックヨーク2、書込ヨーク1の全ての材料が局部的に除去され、これらの溝4a〜4bにより磁気的書き込みが阻害され、書込ヨーク1の4つの記録部5a〜5dのみにより磁気記録がなされる。この磁気ヘッドにより、磁気ディスク上に同時に複数の基準磁気信号を形成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度磁気記録媒体である磁気ディスクにトラック位置決めのための基準磁気信号を書き込むための基準磁気信号記録装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクなどの高密度磁気記録媒体の使用時には、トラック位置決めのための基準磁気信号が予め記録されている。このための基準磁気信号は、古くはディスクをドライブに装着後に、ヘッドアームを外部に設けたプッシュピンにより位置決めして記録することが行われている。近年では、トラック密度の増加に伴い、ドライブ機構の精度、剛性などの制約により、このような方法では要求を満足し得る精密な基準磁気信号の記録が困難となっている。
【0003】
高精度の基準磁気信号記録技術として、磁気ディスクをドライブに組み込む前に、特許文献1のように高精度かつ高剛性のスピンスタンドを用いて、基準磁気信号を書き込む方法が最近では採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−330571号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような装置は高価であり、特に高いトラック密度に対応した基準磁気信号の記録は長時間を要することから、基準磁気信号の書き込みに要する費用が増大するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、記録媒体への基準磁気信号の書込時間を短縮し得る基準磁気信号記録装置及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る基準磁気信号記録装置は、磁気ディスクから成る記録媒体にその半径位置に対応する基準磁気信号を磁気ヘッドにより記録する装置であって、前記磁気ヘッドは半径方向に複数の記録部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る基準磁気信号記録装置の製造方法は、磁気ヘッドを単一の記録手段によって構成し、該単一の記録手段の記録媒体対向部分に記録媒体対向面に設けた1つ以上の溝から成る記録阻害部を設けて半径方向に複数の記録部を形成した基準磁気信号記録装置において、前記記録阻害部は複数の記録部に渡る記録幅を有する前記磁気ヘッドの少なくとも主要部分を形成した後に、前記記録媒体対向面を部分的に溝加工することにより形成することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
先の「発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような課題は、本発明に係るトラック横断方向に複数の記録部を有する磁気ヘッドを用いて基準磁気信号を書き込むことによって解決される。このための磁気ヘッドは、幅の広い磁気ヘッドの記録部に、集束イオンビーム(FIB)加工などの手段により溝加工して、部分的に磁気記録を阻害することによって構成する。例えば、N個の記録部をピッチPで設けた磁気ヘッドを用いれば、1回の書き込みによってN個の基準磁気信号が書き込まれ、書込処理時間を1/Nに短縮することが可能である。
【0010】
一般に、磁気ディスクの直径は数10mmであり、記録部の幅も数mm〜10数mmあるのに対し、磁気ヘッドの記録幅は広いものでも数100μmである。このため、基準磁気信号を記録領域全体に書き込むためには、半径位置を変えて繰り返し記録する必要がある。上述したN個の記録部を半径方向にピッチPで設けた磁気ヘッドの場合には、1周の基準磁気信号記録が完了した後に半径をNPだけ変えて、次の周の基準磁気信号記録を行うことを繰り返すことにより、磁気ディスクの記録領域全体に渡るピッチPの基準磁気信号を記録することが可能である。
【0011】
基準磁気信号は一般的にバースト信号と呼ばれる形状に記録し、複数のバースト信号によって構成することが好ましい。この場合に、第1バースト信号と第2バースト信号のトラック方向の信号位相を逆位相とすることが、オフセットの変動を相殺できるために好ましい。また、第3バースト信号を第1バースト信号とは位相を90度異なる位置に設けることで、移動方向の検出が可能となり、また位置計測精度も改善されるため好ましい。第3バースト信号のオフセット変動を相殺するため、これと逆位相となる第4バースト信号を設けることが好ましい。これら4つのバースト信号から成る基準磁気信号はディスク全面に設けてもよいが、データ記録領域と基準磁気信号領域の区別を明瞭にするため、回転方向に等間隔かつ間歇的に設けることが好適である。
【0012】
基準磁気信号は同心円状に記録してもよいが、螺旋状に記録することも可能である。同心円状に記録する際には、個々の半径位置での記録終了後に、磁気ヘッドを移動するための時間が必要になるが、螺旋状に記録すると磁気ヘッドの移動は信号記録と並行して行われ、磁気ヘッドの移動に要する時間が節約される。また、同心円状の記録では不可避的に発生する記録信号の継目がなく、記録された基準磁気信号を用いて行われる位置制御の精度も改善されるという利点がある。
【0013】
複数のバースト信号を螺旋状に記録する場合には、第1バースト信号を記録領域の全半径範囲に渡って記録した後に、第2バースト信号を記録する。このようにすることで、それぞれのバースト信号は全記録半径範囲に渡って連続的に記録され、記録の継目での段差状の誤差の変化を避けることができる。
【0014】
螺旋状に基準磁気信号を記録する際に、例えばN個の記録部をピッチPで設けた磁気ヘッドを用いる場合に、1回転当りNPだけ半径が変化するように一様に磁気ヘッドを移動させれば、記録領域全体に基準磁気信号を記録することができる。
【0015】
また、基準磁気信号は間引いて記録することも可能であり、例えば1回転当り2NPだけ半径が変化するように一様に磁気ヘッドを移動させると、記録領域の半分の領域に基準磁気信号を記録することができ、書込時間は半減される。このような基準磁気信号は、磁気ヘッドの移動速度によっては検出不能となる可能性があるが、ドライブ組立後に基準磁気信号を書き直す工程を含む場合には、基準磁気信号が検出不能となる磁気ヘッドの移動を避ける処理をすることができる。
【0016】
予め信号が消去されている磁気ディスクを基準磁気信号記録装置に取り付けて、基準磁気信号を書き込むこともできるが、磁気ディスクの取り扱い中に局部的な磁化が生ずる可能性もあるため、記録直前に信号を消去することが好ましい。このためには、複数の記録部を有する第1磁気ヘッドに加えて、この第1磁気ヘッドの記録幅(先の例ではP)と同等又はこれよりも広い記録幅を有する第2磁気ヘッドを基準磁気信号記録装置に設け、基準磁気信号を記録する直前に初期化を行うことが好ましい。この初期化は一方向に磁化することによっても、或いは交流信号を書き込むことによっても可能である。後者の場合に、第2磁気ヘッドで初期書き込みされた信号を、局部的に消去することによって基準磁気信号が形成される。
【0017】
一般に、磁気ディスクに書き込まれる制御信号としては、精密位置決めに用いられるバースト信号の他に、クロック信号、セクタアドレスを識別するためのパターン、トラックアドレスを識別するためのパターンなどが書き込まれる。第2磁気ヘッドはこれらの信号を書き込むために用いることも可能である。
【0018】
第2磁気ヘッドは複数トラックに跨る記録幅を持っており、個別のトラックを識別するトラックアドレスを識別するためのパターンを記録することは難しい。しかし、記録を螺旋状に行うことで、1回転内の何れかの位置でトラックアドレスを識別するためのパターンが変化し、その位置でのセクタアドレスを参照することにより、個別のトラック位置を識別することが可能となる。更に、第2磁気ヘッドによる記録を複数の螺旋状に行うことは、1回転内でのトラックアドレスを識別するためのパターンが複数回変化し、複数回の個別トラック識別が可能となるために好ましい。
【0019】
図1は基準磁気信号記録装置に用いる実施の形態に係る磁気ヘッドの先端部構造の説明図であり、強磁性体材料薄膜で形成された書込ヨーク1とバックヨーク2が硬質セラミックで形成されたスライダ3の側壁に設けられた状態が模式的に示されている。なお、図1には記録部を4つのみ設けた磁気ヘッドを例示したが、実際には数10〜数100個の記録部を設けた磁気ヘッドが用いられる。
【0020】
スライダ3に書込ヨーク1、バックヨーク2を形成した後に、スライダ3の面からFIB加工することにより溝4a〜4cを形成する。これにより、スライダ3、バックヨーク2、書込ヨーク1の全ての材料が局部的に除去され、この溝4a〜4bにより磁気的書き込みが阻害され、書込ヨーク1の4つの記録部5a〜5dのみにより磁気記録がなされる。
【0021】
図2は磁気ディスクDに基準磁気信号を形成するための基準磁気信号記録装置の構成図である。記録すべき磁気ディスクDはチャック機構11によりチャックされ、チャック機構11は精密エンコーダを備えたエアスピンドルモータ12により駆動されるようになっている。ヘッドアーム移動機構13a、13bにはそれぞれヘッドアーム14a、14bが固定され、ヘッドアーム14a、14bの先端には磁気ヘッド15a、15bが取り付けられ、磁気ヘッド15a、15bは磁気ディスクDの表面に近接するようにされている。そして、エアスピンドルモータ12、ヘッドアーム位置決め装置13a、13b、磁気ヘッド15a、15bは制御装置16に接続され、これらは制御装置16の指令により動作するようにされている。磁気ヘッド15aは図1に示した複数の記録部を有し、磁気ヘッド15bは溝を有せず、書込ヨーク1の全幅に渡って磁気記録が行われる幅広磁気ヘッドとされている。
【0022】
図3は装置によって記録される基準磁気信号を示し、この基準磁気信号はエアスピンドルモータ12に装着された精密エンコーダの信号に基づいて、制御装置16がヘッドアーム位置決め装置13a、13bを制御しながら磁気ヘッド15a、15bに信号を送る公知の装置によって形成することができる。基準磁気信号の書き込みは、幅広磁気ヘッド15bにより記録部全体に交流信号を記録し、次いで複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより、所定の部分のみの記録信号を消去することによって行う。
【0023】
図3において、第1〜第4の4つのバースト信号B1〜B4は、トラック横断方向に90度ずつ相互に位相が異なるように記録されている。バースト信号B1〜B4に先立つ回転方向部分には、全域に渡ってクロック信号Cが記録されており、基準信号を用いて制御する際は、このクロック信号Cに同期するように制御装置16内ののクロック発振器発信器を同期させる。また、4つのバースト信号B1〜B4の回転方向の後方には磁気ヘッド15bによるアドレスを識別するためのパターンAPが記録されており、磁気ヘッドが記録領域全体の中でどの位置にあるのかを示す粗信号として用いられる。
【0024】
単一のトラックアドレス信号の最小分解能は1回の書込幅NPに相当し、磁気ヘッド15aがN個の記録部分を持つ場合には、これらのN周期のトラック位置において同一のトラックアドレス信号が記録されるが、信号記録を螺旋状に行う場合には、1回転内でのトラックアドレス信号が変化する位置を読み取ることによって、N周期の何れの位置に磁気ヘッドが位置しているかを知ることができる。
【0025】
図4はトラックアドレスを識別するためのパターンAPの配置例と特定のトラックを識別する原理の説明図であり、左端A’は右端Aと同じ角度位置を表している。トラックアドレスを識別するためのパターンAPはNPの幅に渡って同一信号k〜k+9が記録されており、セクタ0のインデックスに相当する角度位置で、螺旋の数(実施の形態の場合は4)だけ増加する値にアドレスが割り当てられている。
【0026】
いま、中央部に示した矢印Xの位置を磁気ヘッドが通過した場合に、セクタjの位置において、トラックアドレスがk+6からk+5に変化する。この変化を検知すれば、全セクタの数をmとしたとき、4j/mだけインデックス位置におけるトラックアドレスの値に加算した値が、読み取りの半径位置に対応する値として得られる。なお、インデックス位置におけるトラックアドレスの値は、それぞれの位置で読まれたトラックアドレス値に4j/mの整数部を加えればよい。
【0027】
なお、記録幅よりも広い書込幅を有する磁気ヘッド15bを用いて、トラックアドレスを複数の螺旋状に記録する場合に、最後の螺旋の記録時に、最初の螺旋で記録されたトラックアドレスを一部消去してしまうという問題が生ずる。このような場合には、最後の螺旋記録に際してはトラックアドレスを記録せず、前後の回転位置でのトラックアドレスと、バースト信号から求められる磁気ヘッドの移動量によってトラックアドレスを決定することが好ましい。
【0028】
スピンドルモータ12には、キヤノン株式会社製の「エアスピンドルSP−5083K型」を使用し、ヘッドアーム移動機構13a、13bにはキヤノン株式会社製の「ロータリーポジショナKPaM160」を用いた。これらを剛性の高いベースの上に設置したものは、キヤノン株式会社製の「次世代サーボトラックライタSW1650型」が使用できる。
【0029】
エアスピンドルモータ12の回転中心とヘッドアーム14a、14bの回転中心との間隔、及び磁気ヘッド15a、15bの記録位置とヘッドアーム14a、14bの回転中心との間隔は、ドライブの仕様に一致するように設定した。
【0030】
複数の記録部を有する磁気ヘッド15aは、記録幅15μmの磁気ヘッドを集束イオンビーム加工により、50個所の0.15μmの記録部を0.3μmピッチで残すことにより形成した。幅広磁気ヘッド15bには同じ記録幅15μmの磁気ヘッドを溝加工することなくそのまま用いた。制御装置16は公知の技術によって構成し、全体をパーソナルコンピュータによって制御した。
【0031】
第1の実施例として、予め直流消去した磁気ディスクDに複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより基準磁気信号を記録する例について述べると、先ず磁気ディスクDをスピンドルモータ12に取り付けて回転させた状態で、磁気ディスクDの表面に、図5に示す初期化装置21を接近、離脱することによって、磁気ディスクDの全面を一様に磁化した。初期化装置21はイレーザ(消去装置)とも呼ばれ、永久磁石22を高透磁率を有する2つのヨーク23a、23bで挟むことで構成され、先端部分に磁場を発生する機能を持っている。先端部分に発生する磁場の強さは、磁気ディスクDの抗磁率の2〜3倍以上となるように、磁石特性及び形状を選択し、初期化装置21を磁気ディスクDに近付けることで、磁気ディスクD全体が一様かつ完全に飽和磁化するようにされている。
【0032】
次に、磁気ヘッド15aを記録半径の一端に位置決めし、制御装置16からスピンドルモータ12に付属するエンコーダの信号に同期した書込信号を磁気ヘッド15aに与えることによって書き込みを行った。磁気ヘッド15aの半径方向の位置は、制御装置16によって制御されるヘッドアーム移動機構13a、ヘッドアーム14aによって決定される。制御装置16は磁気ディスクD上に目的とする基準磁気信号が記録されるように、ヘッドアーム移動機構13aと磁気ヘッド15aへの書込信号を制御する。
【0033】
この方法によって、図3に示す4つのバースト信号B1〜B4の記録を行った後に、磁気ディスクDの全面に磁性コロイドを塗布し、磁気ディスクDの表面の磁化状態を顕微鏡観察したところ、目的とする信号に対応する磁化パターンが認められた。
【0034】
次に、第2の実施例として、幅広磁気ヘッド15bで信号を書き込んだ後に、複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより記録を部分的に消去することにより、基準磁気信号を記録する例について述べる。キヤノン株式会社製の「次世代サーボトラックライタSW1650型」には、ヘッドアーム移動機構9が一式しか設けられていないため、幅広磁気ヘッド15bを取り付けた第1のサーボトラックライタと複数の記録部を有する磁気ヘッド15aを取り付けた第2のサーボトラックライタとを用い、第1のサーボトラックライタにより、幅広磁気ヘッド15bでの信号記録を行った後に、磁気ディスクDを第2のサーボトラックライタに移し代え、複数の記録部を有する磁気ヘッド15aによる信号記録を行った。
【0035】
なお、このような方法は幅広磁気ヘッド15bで記録した信号と磁気ヘッド15aで記録した信号の中心位置とを一致させるための調整が必要であり、商業的な基準磁気信号の書き込みには、2つのヘッドアーム移動機構13a、13bを有するサーボトラックライタを使用し、磁気ディスクDを装着し直すことなく、双方の信号を記録することが好ましい。
【0036】
この装置を用いて、図3に示したそれぞれの信号を書き込んだ結果、何れの基準磁気信号を記録した磁気ディスクDからも、位置に対応する再生信号が得られることを確認した。また、書き込みに要する時間は、従来の方式による書き込みに比較して約1/100に低減した。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る基準磁気信号記録装置は、複数の記録部を有する磁気ヘッドにより、複数の基準磁気信号を同時に記録することが可能であり、基準磁気信号記録に要する時間を大幅に短縮することができ、高密度磁気記録装置の製造コストを低減できる。
【0038】
また、本発明に係る基準磁気信号記録装置の製造方法は、単一の記録手段の記録媒体対向面に1つ以上の溝から成る記録阻害部を設けることにより、複数の記録部を有する磁気ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドの先端部構造の説明図である。
【図2】基準磁気信号記録装置の構成図である。
【図3】記録される基準磁気信号の説明図である。
【図4】トラックアドレスを識別するためのパターンの説明図である。
【図5】永久磁石を用いた初期化装置の説明図である。
【符号の説明】
1 書込ヨーク
2 バックヨーク
3 スライダ
4a〜4c 溝
5a〜5d 記録部
11 チャック機構
12 エアスピンドルモータ
13a、13b ヘッドアーム移動機構
14a、14b ヘッドア持つ磁気ヘッド
15b 幅広磁気ヘッド
16 制御装置
D 磁気ディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度磁気記録媒体である磁気ディスクにトラック位置決めのための基準磁気信号を書き込むための基準磁気信号記録装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクなどの高密度磁気記録媒体の使用時には、トラック位置決めのための基準磁気信号が予め記録されている。このための基準磁気信号は、古くはディスクをドライブに装着後に、ヘッドアームを外部に設けたプッシュピンにより位置決めして記録することが行われている。近年では、トラック密度の増加に伴い、ドライブ機構の精度、剛性などの制約により、このような方法では要求を満足し得る精密な基準磁気信号の記録が困難となっている。
【0003】
高精度の基準磁気信号記録技術として、磁気ディスクをドライブに組み込む前に、特許文献1のように高精度かつ高剛性のスピンスタンドを用いて、基準磁気信号を書き込む方法が最近では採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−330571号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような装置は高価であり、特に高いトラック密度に対応した基準磁気信号の記録は長時間を要することから、基準磁気信号の書き込みに要する費用が増大するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、記録媒体への基準磁気信号の書込時間を短縮し得る基準磁気信号記録装置及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る基準磁気信号記録装置は、磁気ディスクから成る記録媒体にその半径位置に対応する基準磁気信号を磁気ヘッドにより記録する装置であって、前記磁気ヘッドは半径方向に複数の記録部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る基準磁気信号記録装置の製造方法は、磁気ヘッドを単一の記録手段によって構成し、該単一の記録手段の記録媒体対向部分に記録媒体対向面に設けた1つ以上の溝から成る記録阻害部を設けて半径方向に複数の記録部を形成した基準磁気信号記録装置において、前記記録阻害部は複数の記録部に渡る記録幅を有する前記磁気ヘッドの少なくとも主要部分を形成した後に、前記記録媒体対向面を部分的に溝加工することにより形成することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
先の「発明が解決しようとする課題」の欄で述べたような課題は、本発明に係るトラック横断方向に複数の記録部を有する磁気ヘッドを用いて基準磁気信号を書き込むことによって解決される。このための磁気ヘッドは、幅の広い磁気ヘッドの記録部に、集束イオンビーム(FIB)加工などの手段により溝加工して、部分的に磁気記録を阻害することによって構成する。例えば、N個の記録部をピッチPで設けた磁気ヘッドを用いれば、1回の書き込みによってN個の基準磁気信号が書き込まれ、書込処理時間を1/Nに短縮することが可能である。
【0010】
一般に、磁気ディスクの直径は数10mmであり、記録部の幅も数mm〜10数mmあるのに対し、磁気ヘッドの記録幅は広いものでも数100μmである。このため、基準磁気信号を記録領域全体に書き込むためには、半径位置を変えて繰り返し記録する必要がある。上述したN個の記録部を半径方向にピッチPで設けた磁気ヘッドの場合には、1周の基準磁気信号記録が完了した後に半径をNPだけ変えて、次の周の基準磁気信号記録を行うことを繰り返すことにより、磁気ディスクの記録領域全体に渡るピッチPの基準磁気信号を記録することが可能である。
【0011】
基準磁気信号は一般的にバースト信号と呼ばれる形状に記録し、複数のバースト信号によって構成することが好ましい。この場合に、第1バースト信号と第2バースト信号のトラック方向の信号位相を逆位相とすることが、オフセットの変動を相殺できるために好ましい。また、第3バースト信号を第1バースト信号とは位相を90度異なる位置に設けることで、移動方向の検出が可能となり、また位置計測精度も改善されるため好ましい。第3バースト信号のオフセット変動を相殺するため、これと逆位相となる第4バースト信号を設けることが好ましい。これら4つのバースト信号から成る基準磁気信号はディスク全面に設けてもよいが、データ記録領域と基準磁気信号領域の区別を明瞭にするため、回転方向に等間隔かつ間歇的に設けることが好適である。
【0012】
基準磁気信号は同心円状に記録してもよいが、螺旋状に記録することも可能である。同心円状に記録する際には、個々の半径位置での記録終了後に、磁気ヘッドを移動するための時間が必要になるが、螺旋状に記録すると磁気ヘッドの移動は信号記録と並行して行われ、磁気ヘッドの移動に要する時間が節約される。また、同心円状の記録では不可避的に発生する記録信号の継目がなく、記録された基準磁気信号を用いて行われる位置制御の精度も改善されるという利点がある。
【0013】
複数のバースト信号を螺旋状に記録する場合には、第1バースト信号を記録領域の全半径範囲に渡って記録した後に、第2バースト信号を記録する。このようにすることで、それぞれのバースト信号は全記録半径範囲に渡って連続的に記録され、記録の継目での段差状の誤差の変化を避けることができる。
【0014】
螺旋状に基準磁気信号を記録する際に、例えばN個の記録部をピッチPで設けた磁気ヘッドを用いる場合に、1回転当りNPだけ半径が変化するように一様に磁気ヘッドを移動させれば、記録領域全体に基準磁気信号を記録することができる。
【0015】
また、基準磁気信号は間引いて記録することも可能であり、例えば1回転当り2NPだけ半径が変化するように一様に磁気ヘッドを移動させると、記録領域の半分の領域に基準磁気信号を記録することができ、書込時間は半減される。このような基準磁気信号は、磁気ヘッドの移動速度によっては検出不能となる可能性があるが、ドライブ組立後に基準磁気信号を書き直す工程を含む場合には、基準磁気信号が検出不能となる磁気ヘッドの移動を避ける処理をすることができる。
【0016】
予め信号が消去されている磁気ディスクを基準磁気信号記録装置に取り付けて、基準磁気信号を書き込むこともできるが、磁気ディスクの取り扱い中に局部的な磁化が生ずる可能性もあるため、記録直前に信号を消去することが好ましい。このためには、複数の記録部を有する第1磁気ヘッドに加えて、この第1磁気ヘッドの記録幅(先の例ではP)と同等又はこれよりも広い記録幅を有する第2磁気ヘッドを基準磁気信号記録装置に設け、基準磁気信号を記録する直前に初期化を行うことが好ましい。この初期化は一方向に磁化することによっても、或いは交流信号を書き込むことによっても可能である。後者の場合に、第2磁気ヘッドで初期書き込みされた信号を、局部的に消去することによって基準磁気信号が形成される。
【0017】
一般に、磁気ディスクに書き込まれる制御信号としては、精密位置決めに用いられるバースト信号の他に、クロック信号、セクタアドレスを識別するためのパターン、トラックアドレスを識別するためのパターンなどが書き込まれる。第2磁気ヘッドはこれらの信号を書き込むために用いることも可能である。
【0018】
第2磁気ヘッドは複数トラックに跨る記録幅を持っており、個別のトラックを識別するトラックアドレスを識別するためのパターンを記録することは難しい。しかし、記録を螺旋状に行うことで、1回転内の何れかの位置でトラックアドレスを識別するためのパターンが変化し、その位置でのセクタアドレスを参照することにより、個別のトラック位置を識別することが可能となる。更に、第2磁気ヘッドによる記録を複数の螺旋状に行うことは、1回転内でのトラックアドレスを識別するためのパターンが複数回変化し、複数回の個別トラック識別が可能となるために好ましい。
【0019】
図1は基準磁気信号記録装置に用いる実施の形態に係る磁気ヘッドの先端部構造の説明図であり、強磁性体材料薄膜で形成された書込ヨーク1とバックヨーク2が硬質セラミックで形成されたスライダ3の側壁に設けられた状態が模式的に示されている。なお、図1には記録部を4つのみ設けた磁気ヘッドを例示したが、実際には数10〜数100個の記録部を設けた磁気ヘッドが用いられる。
【0020】
スライダ3に書込ヨーク1、バックヨーク2を形成した後に、スライダ3の面からFIB加工することにより溝4a〜4cを形成する。これにより、スライダ3、バックヨーク2、書込ヨーク1の全ての材料が局部的に除去され、この溝4a〜4bにより磁気的書き込みが阻害され、書込ヨーク1の4つの記録部5a〜5dのみにより磁気記録がなされる。
【0021】
図2は磁気ディスクDに基準磁気信号を形成するための基準磁気信号記録装置の構成図である。記録すべき磁気ディスクDはチャック機構11によりチャックされ、チャック機構11は精密エンコーダを備えたエアスピンドルモータ12により駆動されるようになっている。ヘッドアーム移動機構13a、13bにはそれぞれヘッドアーム14a、14bが固定され、ヘッドアーム14a、14bの先端には磁気ヘッド15a、15bが取り付けられ、磁気ヘッド15a、15bは磁気ディスクDの表面に近接するようにされている。そして、エアスピンドルモータ12、ヘッドアーム位置決め装置13a、13b、磁気ヘッド15a、15bは制御装置16に接続され、これらは制御装置16の指令により動作するようにされている。磁気ヘッド15aは図1に示した複数の記録部を有し、磁気ヘッド15bは溝を有せず、書込ヨーク1の全幅に渡って磁気記録が行われる幅広磁気ヘッドとされている。
【0022】
図3は装置によって記録される基準磁気信号を示し、この基準磁気信号はエアスピンドルモータ12に装着された精密エンコーダの信号に基づいて、制御装置16がヘッドアーム位置決め装置13a、13bを制御しながら磁気ヘッド15a、15bに信号を送る公知の装置によって形成することができる。基準磁気信号の書き込みは、幅広磁気ヘッド15bにより記録部全体に交流信号を記録し、次いで複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより、所定の部分のみの記録信号を消去することによって行う。
【0023】
図3において、第1〜第4の4つのバースト信号B1〜B4は、トラック横断方向に90度ずつ相互に位相が異なるように記録されている。バースト信号B1〜B4に先立つ回転方向部分には、全域に渡ってクロック信号Cが記録されており、基準信号を用いて制御する際は、このクロック信号Cに同期するように制御装置16内ののクロック発振器発信器を同期させる。また、4つのバースト信号B1〜B4の回転方向の後方には磁気ヘッド15bによるアドレスを識別するためのパターンAPが記録されており、磁気ヘッドが記録領域全体の中でどの位置にあるのかを示す粗信号として用いられる。
【0024】
単一のトラックアドレス信号の最小分解能は1回の書込幅NPに相当し、磁気ヘッド15aがN個の記録部分を持つ場合には、これらのN周期のトラック位置において同一のトラックアドレス信号が記録されるが、信号記録を螺旋状に行う場合には、1回転内でのトラックアドレス信号が変化する位置を読み取ることによって、N周期の何れの位置に磁気ヘッドが位置しているかを知ることができる。
【0025】
図4はトラックアドレスを識別するためのパターンAPの配置例と特定のトラックを識別する原理の説明図であり、左端A’は右端Aと同じ角度位置を表している。トラックアドレスを識別するためのパターンAPはNPの幅に渡って同一信号k〜k+9が記録されており、セクタ0のインデックスに相当する角度位置で、螺旋の数(実施の形態の場合は4)だけ増加する値にアドレスが割り当てられている。
【0026】
いま、中央部に示した矢印Xの位置を磁気ヘッドが通過した場合に、セクタjの位置において、トラックアドレスがk+6からk+5に変化する。この変化を検知すれば、全セクタの数をmとしたとき、4j/mだけインデックス位置におけるトラックアドレスの値に加算した値が、読み取りの半径位置に対応する値として得られる。なお、インデックス位置におけるトラックアドレスの値は、それぞれの位置で読まれたトラックアドレス値に4j/mの整数部を加えればよい。
【0027】
なお、記録幅よりも広い書込幅を有する磁気ヘッド15bを用いて、トラックアドレスを複数の螺旋状に記録する場合に、最後の螺旋の記録時に、最初の螺旋で記録されたトラックアドレスを一部消去してしまうという問題が生ずる。このような場合には、最後の螺旋記録に際してはトラックアドレスを記録せず、前後の回転位置でのトラックアドレスと、バースト信号から求められる磁気ヘッドの移動量によってトラックアドレスを決定することが好ましい。
【0028】
スピンドルモータ12には、キヤノン株式会社製の「エアスピンドルSP−5083K型」を使用し、ヘッドアーム移動機構13a、13bにはキヤノン株式会社製の「ロータリーポジショナKPaM160」を用いた。これらを剛性の高いベースの上に設置したものは、キヤノン株式会社製の「次世代サーボトラックライタSW1650型」が使用できる。
【0029】
エアスピンドルモータ12の回転中心とヘッドアーム14a、14bの回転中心との間隔、及び磁気ヘッド15a、15bの記録位置とヘッドアーム14a、14bの回転中心との間隔は、ドライブの仕様に一致するように設定した。
【0030】
複数の記録部を有する磁気ヘッド15aは、記録幅15μmの磁気ヘッドを集束イオンビーム加工により、50個所の0.15μmの記録部を0.3μmピッチで残すことにより形成した。幅広磁気ヘッド15bには同じ記録幅15μmの磁気ヘッドを溝加工することなくそのまま用いた。制御装置16は公知の技術によって構成し、全体をパーソナルコンピュータによって制御した。
【0031】
第1の実施例として、予め直流消去した磁気ディスクDに複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより基準磁気信号を記録する例について述べると、先ず磁気ディスクDをスピンドルモータ12に取り付けて回転させた状態で、磁気ディスクDの表面に、図5に示す初期化装置21を接近、離脱することによって、磁気ディスクDの全面を一様に磁化した。初期化装置21はイレーザ(消去装置)とも呼ばれ、永久磁石22を高透磁率を有する2つのヨーク23a、23bで挟むことで構成され、先端部分に磁場を発生する機能を持っている。先端部分に発生する磁場の強さは、磁気ディスクDの抗磁率の2〜3倍以上となるように、磁石特性及び形状を選択し、初期化装置21を磁気ディスクDに近付けることで、磁気ディスクD全体が一様かつ完全に飽和磁化するようにされている。
【0032】
次に、磁気ヘッド15aを記録半径の一端に位置決めし、制御装置16からスピンドルモータ12に付属するエンコーダの信号に同期した書込信号を磁気ヘッド15aに与えることによって書き込みを行った。磁気ヘッド15aの半径方向の位置は、制御装置16によって制御されるヘッドアーム移動機構13a、ヘッドアーム14aによって決定される。制御装置16は磁気ディスクD上に目的とする基準磁気信号が記録されるように、ヘッドアーム移動機構13aと磁気ヘッド15aへの書込信号を制御する。
【0033】
この方法によって、図3に示す4つのバースト信号B1〜B4の記録を行った後に、磁気ディスクDの全面に磁性コロイドを塗布し、磁気ディスクDの表面の磁化状態を顕微鏡観察したところ、目的とする信号に対応する磁化パターンが認められた。
【0034】
次に、第2の実施例として、幅広磁気ヘッド15bで信号を書き込んだ後に、複数の記録部を有する磁気ヘッド15aにより記録を部分的に消去することにより、基準磁気信号を記録する例について述べる。キヤノン株式会社製の「次世代サーボトラックライタSW1650型」には、ヘッドアーム移動機構9が一式しか設けられていないため、幅広磁気ヘッド15bを取り付けた第1のサーボトラックライタと複数の記録部を有する磁気ヘッド15aを取り付けた第2のサーボトラックライタとを用い、第1のサーボトラックライタにより、幅広磁気ヘッド15bでの信号記録を行った後に、磁気ディスクDを第2のサーボトラックライタに移し代え、複数の記録部を有する磁気ヘッド15aによる信号記録を行った。
【0035】
なお、このような方法は幅広磁気ヘッド15bで記録した信号と磁気ヘッド15aで記録した信号の中心位置とを一致させるための調整が必要であり、商業的な基準磁気信号の書き込みには、2つのヘッドアーム移動機構13a、13bを有するサーボトラックライタを使用し、磁気ディスクDを装着し直すことなく、双方の信号を記録することが好ましい。
【0036】
この装置を用いて、図3に示したそれぞれの信号を書き込んだ結果、何れの基準磁気信号を記録した磁気ディスクDからも、位置に対応する再生信号が得られることを確認した。また、書き込みに要する時間は、従来の方式による書き込みに比較して約1/100に低減した。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る基準磁気信号記録装置は、複数の記録部を有する磁気ヘッドにより、複数の基準磁気信号を同時に記録することが可能であり、基準磁気信号記録に要する時間を大幅に短縮することができ、高密度磁気記録装置の製造コストを低減できる。
【0038】
また、本発明に係る基準磁気信号記録装置の製造方法は、単一の記録手段の記録媒体対向面に1つ以上の溝から成る記録阻害部を設けることにより、複数の記録部を有する磁気ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドの先端部構造の説明図である。
【図2】基準磁気信号記録装置の構成図である。
【図3】記録される基準磁気信号の説明図である。
【図4】トラックアドレスを識別するためのパターンの説明図である。
【図5】永久磁石を用いた初期化装置の説明図である。
【符号の説明】
1 書込ヨーク
2 バックヨーク
3 スライダ
4a〜4c 溝
5a〜5d 記録部
11 チャック機構
12 エアスピンドルモータ
13a、13b ヘッドアーム移動機構
14a、14b ヘッドア持つ磁気ヘッド
15b 幅広磁気ヘッド
16 制御装置
D 磁気ディスク
Claims (21)
- 磁気ディスクから成る記録媒体にその半径位置に対応する基準磁気信号を磁気ヘッドにより記録する装置であって、前記磁気ヘッドは半径方向に複数の記録部を有することを特徴とする基準磁気信号記録装置。
- 前記磁気ヘッドは単一の記録手段によって構成し、該単一の記録手段の記録媒体対向部分に1つ以上の記録阻害部を設けることによって、半径方向に前記複数の記録部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記録阻害部は前記磁気ヘッドの媒体対向面に設けた溝としたことを特徴とする請求項2に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記記録媒体の半径方向に信号記録部と信号無記録部とを交互に一定の間隔で繰り返し記録する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記信号記録部と前記信号無記録部を一定の狭い角度範囲にのみ記録する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記一定の狭い角度範囲を回転方向に、複数かつ等間隔に記録する手段を有することを特徴とする請求項5に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記一定の狭い角度範囲に設けた前記信号記録部と前記信号無記録部を第1信号記録部とし、該第1信号記録部の回転方向近傍に第2信号記録部を設け、該第2信号記録部に記録する信号は前記第1信号記録部に記録する信号と半径方向で逆位相とすることを特徴とする請求項5に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記第1信号記録部に隣接して第3信号記録部を設け、該第3信号記録部に記録する信号は前記第1信号記録部に記録する信号と半径方向で位相が90度異なるようにすることを特徴とする請求項6に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記第1及び第2信号記録部に隣接して第4信号記録部を設け、該第4信号記録部に記録する信号は前記第1信号記録部に記録する信号と半径方向で位相が90度異なるようにすることを特徴とする請求項7に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記複数の信号記録部を回転方向に等間隔かつ間歇的に記録する手段を有することを特徴とする請求項4〜9の何れか1つの請求項に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記基準磁気信号の半径方向の位相が回転方向において一様に変化することを特徴とする請求項1〜10の何れか1つの請求項に記載の基準磁気信号記録装置。
- 記録半径を回転角に比例して変化させる螺旋状記録手段を有することを特徴とする請求項11に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記螺旋の1回転当りの半径変化は、記録信号幅の2倍以上としたことを特徴とする請求項12に記載の基準磁気信号記録装置。
- 記録領域全体に渡って前記第1信号記録部への記録処理を終えた後に、前記記録領域全体に渡る前記第2信号記録部への記録処理を行うことを特徴とする請求項11又は12又は13に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記複数の記録部を有する前記第1磁気ヘッドに加えて、単一の記録部を有する第2磁気ヘッドを設け、該第2磁気ヘッドの記録幅は前記第1磁気ヘッドの記録幅と同一又は大きくし、前記第1磁気ヘッドによる信号記録に先立ち前記第2磁気ヘッドによって前記信号記録とは異なる信号の書き込みを行うことを特徴とする請求項1〜14の何れか1つの請求項に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記第2磁気ヘッドは交流信号を書き込み、前記第1磁気ヘッドは直流信号を書き込み前記第2磁気ヘッドの記録信号を消去することを特徴とする請求項15に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記第2磁気ヘッドは回転方向において前記第1磁気ヘッドの書込範囲以外にも記録を行い、該記録はクロック信号、回転方向のアドレスを識別するためのパターン、半径方向のアドレスを識別するためのパターンの何れか、又はこれらの全てのパターンを含むことを特徴とする請求項15に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記第2磁気ヘッドは前記半径方向のアドレスを識別するためのパターンを螺旋状に記録することを特徴とする請求項17に記載の基準磁気信号記録装置。
- 前記半径方向のアドレスを識別するためのパターンを記録する螺旋は複数の螺旋から成ることを特徴とする請求項18に記載の基準磁気信号記録装置。
- 磁気ヘッドを単一の記録手段によって構成し、該単一の記録手段の記録媒体対向部分に記録媒体対向面に設けた1つ以上の溝から成る記録阻害部を設けて半径方向に複数の記録部を形成した基準磁気信号記録装置において、前記記録阻害部は複数の記録部に渡る記録幅を有する前記磁気ヘッドの少なくとも主要部分を形成した後に、前記記録媒体対向面を部分的に溝加工することにより形成することを特徴とする基準磁気信号記録装置の製造方法。
- 前記記録阻害部の形成は集束イオンビーム加工によることを特徴とする請求項20に記載の基準磁気信号記録装置の製造方法。
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