JP2005030286A - ペルトン水車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、余水路が省略された4射以上の進退移動可能なニードル弁を有するペルトン水車が1射運転中運転ニードルに故障を生じても軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転できるペルトン水車の制御装置を提供することにある。
【解決手段】ペルトン水車は4本以上のノズルをそれぞれニードル弁で開閉する。ノズル運転装置13はペルトン水車が1本のノズルで運転中に、当該ノズルのニードル弁8が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転してペルトン水車の運転を継続する。
【選択図】 図5
【解決手段】ペルトン水車は4本以上のノズルをそれぞれニードル弁で開閉する。ノズル運転装置13はペルトン水車が1本のノズルで運転中に、当該ノズルのニードル弁8が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転してペルトン水車の運転を継続する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は4本以上のノズルが進退移動自在なニードル弁で開度制御されるペルトン水車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ペルトン水車は高落差、小流量の発電所に採用される。発電所は取水口から取水した水を導水路で上水槽に引き込み発電する、いわゆる流れ込み式発電所となる。流れ込み式の水力発電所は、図1及び図2に示されるように構成されている。図1はペルトン水車の概略構成図、図2は流れ込み式水力発電所の上水槽部分の構成図である。
【0003】
図2において、図示しない取水口から取水された水は導水路1を経て上水槽2に導かれる。上水槽2に蓄えられた水は水圧鉄管4を経て水車に必要水量を供給する。また、河川法第48条、危害防止のための措置の規定により、万一、水力発電所の故障により発電ができなくなった場合、下流側物件に対し損傷を与えず安全に下流側に水を流すために上水槽2に堰3を設けている。堰3を越えた余水は余水路5で下流側に放流している。
【0004】
図1はペルトン水車の概略構成図で、6射ペルトン水車の例である。
【0005】
図2に示す上水槽2に蓄えられた水は水圧鉄管4でペルトン水車に導かれ、ケーシング6を介してノズル7a〜7fに供給される。ノズル7a〜7fに対応して設けられるニードル弁8a〜8fは進退移動自在であり、ノズル7a〜7fの開度を制御する。ランナ11はノズル7a〜7fからのジェット噴流水をバケットに受け回転する。ランナ11は図示しない発電機と直結されており、ランナ11の回転により発電する。
【0006】
デフレクター9a〜9fはデフレクターサーボ10が進退移動することで回動し、ノズル7a〜7fから噴射する水をランナ11に当らないようにしている。ペルトン水車は高落差の水力発電所に採用される水車の型式であり、ノズル7a〜7fを急速に全閉にすると水圧鉄管4の内部圧力が急激に上昇し水圧鉄管4が損傷する可能性がある。これを回避するためには水圧鉄管4の強度を挙げる必要があり、経済的に割高となる。デフレクター9a〜9fは急速に回動され、ランナ11にノズル7a〜7fの噴流水が当らないようにし発電を停止させると共に、ノズル7a〜7fを緩やかに閉動作させ水圧鉄管4の許容圧力以上に水圧が上昇しないようにしている。
【0007】
一方、近年、土木工事費低減の観点から余水路5を省略する余水路省略ペルトン水車が建設されるようになっている。ペルトン水車はノズル7a〜7f及びデフレクター9a〜9fでランナ11に与える水量を調整することが可能である。発電を停止させる必要が有る場合は、ノズル7a〜7fを開いた状態でデフレクター9a〜9fを回動させランナ11に噴流水が当らないようにして発電を停止させることができる。また、下流側に水を放流することが設備の増加無しで可能であり、余水路5を省略することが可能となる。
【0008】
ペルトン水車のノズル7a〜7fの運転について図3を参照して説明する。図3はノズル7a〜7f(ニードル弁8a〜8f)の運転と上水槽2の水位の関係を表す図である。図3の横軸はニードル弁ストローク(進退移動距離)、縦軸は上水槽水位を表している。
【0009】
さて、ノズル7a〜7fの運転は上水槽2の水位、即ち上水槽2に導水路1を経由して流れ込む流量によりノズル7a〜7fの運転本数を切替えている。これはニードル弁8a〜8f、即ちノズル7a〜7fが全開側のほうが全閉側に比較し効率が良いことに起因している。即ち、上水槽2への流入量が少ない場合には上水槽水位変化に対するニードル弁ストローク量を大きくして効率の良い位置で極力運転するように制御し、上水槽水位への流入量が多い場合には上水槽水位変化に対するニードル弁ストローク量を小さくする。
【0010】
このことを図3により具体的に説明する。図3において上水槽2への流入水量が少ない場合にニードル弁8は特性aの線上を上水槽2の水位に応じて開閉動作する。図3の特性aはニードル弁2本、即ち2射ノズル運転の特性カーブであり、ニードル弁8は上水槽2の水位上昇により全開側に動作する。
【0011】
上水槽水位が更に上昇しニードル弁8が開動作し特性aのa1点に到達すると特性b、即ち4射ノズル運転に移行する運転となる。特性aで運転していた2射ノズル7はb3点まで閉動作し、全閉している4本のノズル7の内の2本が全閉からb3位置まで開動作し、4射運転に切替わることを示している。
【0012】
同様に、更に上水槽水位が上昇し、ニードル弁が特性bのb1点に到達すると運転している4本のノズル7はc1点まで閉動作し、全閉の2本のノズル7がc1点まで開動作し、6射ノズル運転に切替わる。
【0013】
次に6射ノズル運転中に上水槽水位が低下し、6本のノズル7が特性cのc2点まで閉動作すると、最後に開動作した2本のノズル7は全閉に動作し、残りの4本のノズル7は特性bのb2点まで開動作する。更に上水槽2の水位が低下し、運転している4本のノズル7が特性bのb4点まで閉動作すると2番目に運転を開始した2本のノズル7が全閉動作し、残りの2本が特性aのa2点まで開動作する。
【0014】
このようにノズル7を運転するのであるが、運転ニードル切替えの際、開側と閉側のノズル切替点、例えばc1点とc2点のごとく切替点に一定の開度差を設けている理由は、切替点が同一とするとノズル7が開動作した後直ぐに閉動作する、いわゆるハンチング動作をする可能性が高いことからヒステリシスを与えて制御するために開度差を与えている。
【0015】
次に、ノズル7を偶数本、即ち2本,4本,6本で運転する理由について図4を用いて説明する。図4はノズル7の運転とランナ11と図示しない発電機と直結する為の主軸を支える軸受12に作用する荷重を示した図である。
【0016】
図4(a)は対向配置されている2本のノズル7が運転している状態、図4(b)は1本のノズル7が運転している状態、図4(c)は隣り合う2本のノズルが運転しているときの軸受12に作用する荷重状態を示している。
【0017】
図4(a)の場合、ノズル7からランナ11に噴流水が作用することで生じる力はノズル7の開度が同一であれば力の方向が逆で同一の力となるため相殺され、軸受12に対してはノズルの噴流水による力は作用しない。図4(b)は1本ノズル運転の場合を示すが、ノズル7からランナ11に噴流水が作用することで生じる力は力の分解により2個の軸受12に作用する。図4(c)の場合、隣り合う2本のノズル7が運転した場合を示しているが、2本のノズル7により作用する力に挟まれた軸受12は、力の合成により過大な荷重が加わることになる。
【0018】
このように、ペルトン水車のノズル7の運転は対向配置されている2本を運転させ、かつ、軸受12に作用する荷重を相殺させるためにノズルを偶数本で運転するようにしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ペルトン水車には極小流量まで運転したいとの要求があり、極小流量まで運転をするため1射ノズル運転を実現する必要性が生じている。この場合、前述の余水路省略ペルトン水車では運転しているノズルに故障が生じてもノズルを全閉に操作することが出来ないために下流側に放流を継続させる必要がある。
【0020】
また、ペルトン水車は多数のノズルを有しているため、故障ノズルから健全なノズルに切替え、発電運転を継続させることが要求されている。この場合、運転ノズルを規定しないと軸受の許容荷重を大幅に増加させる必要性が生じるため、軸受の受圧面積を増加させることが必要となり、軸受寸法の増加に伴う機器寸法の増加となり、経済的にコスト高となる問題点を有する。
【0021】
本発明の目的は、余水路が省略された4射以上の進退移動可能なニードル弁を有するペルトン水車が1射運転中運転ニードルに故障を生じても軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転できるペルトン水車の制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、4本以上のノズルを有するペルトン水車が1本のノズルで運転中に、当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転してペルトン水車の運転を継続して行うようにしたことにある。
【0023】
本発明は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図5に本発明の一実施例を示す。図5は図1に示すニードル弁8aを制御する構成を示している。
【0025】
図5において、ノズル運転装置13は図2に示す上水槽2の水位(流入水量)に応じてノズル7a〜7fの運転本数を切替える運転信号をニードル弁制御装置14に与える。ノズル運転装置13はノズル7a〜7f(ニードル弁8a〜8f)に対し共通に設けられている。ニードル弁制御装置14はノズル運転装置13からニードル弁8の運転信号を入力するとニードル弁8に制御信号を与え進退移動させる。ノズル運転装置13の運転信号は運転指令と停止指令の両者を含むものとなる。
【0026】
ニードル弁8の弁位置信号はニードル弁制御装置14に帰還され、ニードル弁制御装置14内部で図示しない閉ループを構成している。ニードル弁制御装置14はニードル弁8の運転状態で弁位置信号(弁位置帰還信号)が規定範囲を逸脱すると異常と判断する。ニードル弁制御装置14は異常情報をノズル運転装置13に与える。異常情報には弁位置信号の異常、ニードル弁制御装置14の他の故障情報がある。
【0027】
図6にニードル弁制御装置14の一例構成を示す。
【0028】
図7において、弁位置指令部23の弁目標位置指令と弁位置信号部29の弁位置帰還信号を図示の極性で加算部24に加える。制御出力部28は加算部24から得られる弁位置偏差に基づく制御信号をニードル弁8に出力して制御する。異常判定部27は弁位置帰還信号が異常になると切替スイッチ25をb側に切替え、弁全閉指令部26の全閉指令を制御出力部28から出力する。
【0029】
次に動作を説明する。
【0030】
まず、上述したようにペルトン水車のノズル7は図1のノズル7aと7d,7bと7e,7cと7fの組合わせで運転される。以下、ノズル7aと7dをA群,7bと7eをB群,7cと7fをC群と称する。
【0031】
いま、A群のノズル7aが1本で運転中にノズル7aを制御するニードル弁8aが故障したとして本発明を説明する。本発明ではノズル7aが故障するとノズル7dを制御することになる。
【0032】
さて、図5のニードル弁8はニードル弁8aとなる。ノズル運転装置13のニードル弁8aの運転信号はニードル弁制御装置14入力される。ニードル弁制御装置14は弁位置指令部23の弁目標位置指令と弁位置信号部29の弁位置帰還信号を図示の極性で加算部24に加える。制御出力部28は加算部24から得られる弁位置偏差に基づく制御信号をニードル弁8に出力して制御する。ニードル弁制御装置14はニードル弁8aを閉ループ制御する。
【0033】
このようにしてニードル弁8aだけの運転状態、即ち1本ノズル運転状態において、ニードル弁8aの弁位置帰還信号が何らかの要因により故障したとする。ニードル弁制御装置14は入力された弁位置帰還信号が規定範囲を逸脱すると異常と判断する。
【0034】
ニードル弁8aが異常となり対向配置されているニードル弁8dの制御動作について図7を参照して説明する。図7は対向配置ニードル弁に対する運転指令を出力するフローチャートである。
【0035】
ノズル運転装置13はステップS1においてニードル弁制御装置14からの異常情報によってニードル弁8aの異常を判定する。異常がない場合にはステップS1の判定処理が繰り返し行われる。ステップS1でニードル弁故障と判定するとステップS2に移りどのニードル弁が故障したかを判断する。ニードル弁8aはA群であり、A群故障と判断する。
【0036】
ステップS2からステップS3に移行してA群ニードル弁が運転中であるか否かを判定する。これは、停止中のニードル弁が故障した場合は、1本ノズル運転に無関係であり、停止中の場合はステップS4で故障ニードル群に対し運転禁止指令を出力する。ステップS3で運転群であると判定するとステップS6においてステップS5で判定している1ノズル運転中のアンド条件が成立するか判定する。以上の処理によるステップS6のアンド処理の出力は1ノズル運転中の運転ニードル弁群故障条件となる。
【0037】
一方、ステップS1でニードル弁故障と判定するとステップS2〜ステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障判定と並列処理されるステップS7の故障原因判定処理を実行する。ステップS7の故障原因判定では、故障したニードル弁8aを閉鎖することが可能か、閉鎖することが出来ないかを判定する。ニードル弁を閉鎖できない故障には、ニードル弁制御装置14自身の故障、又はニードル弁8aの機械的な故障等がある。また、ニードル弁を閉鎖可能な故障はニードル弁位置帰還信号の異常がある。
【0038】
ニードル弁位置帰還信号異常の場合はニードル弁制御装置14の異常判定部27で弁位置帰還信号の異常を判定し切替スイッチ25をb側に閉路する。全閉指令部26の全閉指令信号が出力制御部28から出力され故障ニードル弁を全閉に制御する。一方、ニードル弁制御装置14の故障、ニードル弁8aの機械的な故障などの位置帰還信号異常以外の場合は、ニードル弁を駆動できないことから全閉制御することは不可能である。
【0039】
図7に戻り、ステップS7で閉鎖不可能と判断した場合にはステップS8に移りステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障条件とアンドを取り、成立すればステップS9で運転ニードル弁に対し運転ニードル弁運転禁止指令を出力する。ニードル弁8aの運転信号を停止指令としてニードル弁8aを現状開度保持とする。同時に、ステップS11のオア条件処理を経てステップS12に移行して対向配置されているニードル弁8dに対し運転指令を出力しノズル7dを開口させる。
【0040】
この場合、図4(a)の状態でノズルの位置の相違により軸受12に作用する荷重は完全には相殺されないが、いずれにしろ故障ノズルによる荷重と逆方向荷重として作用するため、1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重以下となり、軸受に対し問題を与えることはない。
【0041】
ステップS7における故障原因判定で閉鎖可能と判定すると、閉鎖不可能な場合と同様にステップS10でステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障条件とアンドを取り、条件が成立すればステップS13で運転ニードル弁に対し全閉停止指令を出力すると同時にステップS12で対向配置ニードル弁に対し運転指令を出力する。この場合も前述の説明のごとく軸受荷重は1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重以下となり、軸受に対し問題を与えることはない。
【0042】
ステップS7の故障原因判定で閉鎖可能と判断した場合、ノズル7aを全閉停止操作すると同時に健全なニードル群であるB群又はC群ニードル弁の1本を開動作することも考えられる。しかし、この場合、過渡的に4(c)の状態、すなわち故障ノズルが全閉動作し、隣り合う健全ノズルが開動作している間は1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重を越える可能性があるため採用することはできない。
【0043】
次に、1ノズルから2ノズルへの切替動作を図8に示すフローチャートで説明する。
【0044】
ステップS15において1ノズルから2ノズルへの切替条件、即ち図9に示す上水槽水位とニードル弁ストロークの関係の特性dのd1点に運転ニードル弁ストロークが到達すれば1ノズルから2ノズル切替条件が成立する。ステップS15で1ノズルから2ノズル切替条件が不成立の場合には繰り返しステップS15の処理を行い1→2射切替え条件を監視する。
【0045】
ステップS15で1ノズルから2ノズル切替条件成立と判定するとステップS16に移り運転ニードル群故障判定を実施する。運転ニードル群故障判定は図7で説明した内容と同一である。ステップS16で運転ニードル群故障無しと判定するとステップS20において2ノズル運転に支障ないと判断できるため運転ニードル群2本運転指令を出力し、2ノズル運転に移行する。
【0046】
一方、ステップS16で運転ニードル群故障有りと判定すると、ステップS19において運転ニードル弁に対して全閉停止指令を出力する。同時に、ステップS17において故障ニードル群に対し運転禁止指令を出力して以後運転できない状態とし、更にステップS18で次群ニードル、すなわちB群又はC群ニードル弁2本に対し運転指令を出力し2ノズル運転に移行させる。
【0047】
この場合、故障ニードルが全閉可能な場合は3本ノズル、全閉不可能な故障の場合は4本ノズル運転に過渡的に状態変化することになるが、健全なニードル群2本は同時に開動作を開始するため、ほぼ同一にストロークするため図4(a)の状態となり軸受に作用する力は相殺され、結果的に1ノズル運転時の軸受最大を超えることはない。
【0048】
このようにしてペルトン水車のノズルを制御するのであるが、1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【0049】
なお、以上説明した実施例から把握できる請求項に記載した以外の技術思想(発明)について記載すると下記のようになる。
【0050】
【発明1】4本以上の進退移動自在なニードル弁と、前記ニードル弁の進退移動で開閉される4本以上のノズルと、前記ノズルからのジェット噴流水をバケットに受けるランナと、上水槽への流入水量に応じて自動的に前記ニードル弁の運転本数を切替える制御装置を有する水車発電機において、前記上水槽への流入水量が増加し2本のニードル弁で運転することが必要となった場合で、前記運転ニードル弁と対向するニードル弁が故障していた場合、運転ニードル弁を全閉停止させ、運転ニードル弁と対向しない他のニードル弁2本を運転させる。
【0051】
【発明2】4本以上の進退移動自在なニードル弁と、前記ニードル弁の進退移動で開閉される4本以上のノズルと、前記ノズルからのジェット噴流水をバケットに受けるランナと、上水槽への流入水量に応じて自動的に前記ニードル弁の運転本数を切替える制御装置を有する水車発電機において、2本以上で前記ニードル弁が運転中、前記上水槽への流入水量が減少し、1本ニードル弁で運転することが必要となった場合に、故障ニードル弁と対向するニードル弁へ運転指令を与えない。
【0052】
【発明の効果】
本発明は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペルトン水車の一例構成図である。
【図2】従来の上水槽の構成図である。
【図3】従来のノズル切替説明図である。
【図4】軸受に作用する力の説明図である。
【図5】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図6】ニードル弁制御装置の一例構成図である。
【図7】本発明の動作説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の動作説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明によるノズル切替説明図である。
【符号の説明】
1…導水路、2…上水槽、3…堰、4…水圧鉄管、5…余水路、6…ケーシング、7a〜7f…ノズル、8a〜8f…ニードル弁、9a〜9f…デフレクター、10…デフレクターサーボ、11…ランナ、12…軸受、13…ノズル運転装置、14…ニードル弁制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は4本以上のノズルが進退移動自在なニードル弁で開度制御されるペルトン水車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ペルトン水車は高落差、小流量の発電所に採用される。発電所は取水口から取水した水を導水路で上水槽に引き込み発電する、いわゆる流れ込み式発電所となる。流れ込み式の水力発電所は、図1及び図2に示されるように構成されている。図1はペルトン水車の概略構成図、図2は流れ込み式水力発電所の上水槽部分の構成図である。
【0003】
図2において、図示しない取水口から取水された水は導水路1を経て上水槽2に導かれる。上水槽2に蓄えられた水は水圧鉄管4を経て水車に必要水量を供給する。また、河川法第48条、危害防止のための措置の規定により、万一、水力発電所の故障により発電ができなくなった場合、下流側物件に対し損傷を与えず安全に下流側に水を流すために上水槽2に堰3を設けている。堰3を越えた余水は余水路5で下流側に放流している。
【0004】
図1はペルトン水車の概略構成図で、6射ペルトン水車の例である。
【0005】
図2に示す上水槽2に蓄えられた水は水圧鉄管4でペルトン水車に導かれ、ケーシング6を介してノズル7a〜7fに供給される。ノズル7a〜7fに対応して設けられるニードル弁8a〜8fは進退移動自在であり、ノズル7a〜7fの開度を制御する。ランナ11はノズル7a〜7fからのジェット噴流水をバケットに受け回転する。ランナ11は図示しない発電機と直結されており、ランナ11の回転により発電する。
【0006】
デフレクター9a〜9fはデフレクターサーボ10が進退移動することで回動し、ノズル7a〜7fから噴射する水をランナ11に当らないようにしている。ペルトン水車は高落差の水力発電所に採用される水車の型式であり、ノズル7a〜7fを急速に全閉にすると水圧鉄管4の内部圧力が急激に上昇し水圧鉄管4が損傷する可能性がある。これを回避するためには水圧鉄管4の強度を挙げる必要があり、経済的に割高となる。デフレクター9a〜9fは急速に回動され、ランナ11にノズル7a〜7fの噴流水が当らないようにし発電を停止させると共に、ノズル7a〜7fを緩やかに閉動作させ水圧鉄管4の許容圧力以上に水圧が上昇しないようにしている。
【0007】
一方、近年、土木工事費低減の観点から余水路5を省略する余水路省略ペルトン水車が建設されるようになっている。ペルトン水車はノズル7a〜7f及びデフレクター9a〜9fでランナ11に与える水量を調整することが可能である。発電を停止させる必要が有る場合は、ノズル7a〜7fを開いた状態でデフレクター9a〜9fを回動させランナ11に噴流水が当らないようにして発電を停止させることができる。また、下流側に水を放流することが設備の増加無しで可能であり、余水路5を省略することが可能となる。
【0008】
ペルトン水車のノズル7a〜7fの運転について図3を参照して説明する。図3はノズル7a〜7f(ニードル弁8a〜8f)の運転と上水槽2の水位の関係を表す図である。図3の横軸はニードル弁ストローク(進退移動距離)、縦軸は上水槽水位を表している。
【0009】
さて、ノズル7a〜7fの運転は上水槽2の水位、即ち上水槽2に導水路1を経由して流れ込む流量によりノズル7a〜7fの運転本数を切替えている。これはニードル弁8a〜8f、即ちノズル7a〜7fが全開側のほうが全閉側に比較し効率が良いことに起因している。即ち、上水槽2への流入量が少ない場合には上水槽水位変化に対するニードル弁ストローク量を大きくして効率の良い位置で極力運転するように制御し、上水槽水位への流入量が多い場合には上水槽水位変化に対するニードル弁ストローク量を小さくする。
【0010】
このことを図3により具体的に説明する。図3において上水槽2への流入水量が少ない場合にニードル弁8は特性aの線上を上水槽2の水位に応じて開閉動作する。図3の特性aはニードル弁2本、即ち2射ノズル運転の特性カーブであり、ニードル弁8は上水槽2の水位上昇により全開側に動作する。
【0011】
上水槽水位が更に上昇しニードル弁8が開動作し特性aのa1点に到達すると特性b、即ち4射ノズル運転に移行する運転となる。特性aで運転していた2射ノズル7はb3点まで閉動作し、全閉している4本のノズル7の内の2本が全閉からb3位置まで開動作し、4射運転に切替わることを示している。
【0012】
同様に、更に上水槽水位が上昇し、ニードル弁が特性bのb1点に到達すると運転している4本のノズル7はc1点まで閉動作し、全閉の2本のノズル7がc1点まで開動作し、6射ノズル運転に切替わる。
【0013】
次に6射ノズル運転中に上水槽水位が低下し、6本のノズル7が特性cのc2点まで閉動作すると、最後に開動作した2本のノズル7は全閉に動作し、残りの4本のノズル7は特性bのb2点まで開動作する。更に上水槽2の水位が低下し、運転している4本のノズル7が特性bのb4点まで閉動作すると2番目に運転を開始した2本のノズル7が全閉動作し、残りの2本が特性aのa2点まで開動作する。
【0014】
このようにノズル7を運転するのであるが、運転ニードル切替えの際、開側と閉側のノズル切替点、例えばc1点とc2点のごとく切替点に一定の開度差を設けている理由は、切替点が同一とするとノズル7が開動作した後直ぐに閉動作する、いわゆるハンチング動作をする可能性が高いことからヒステリシスを与えて制御するために開度差を与えている。
【0015】
次に、ノズル7を偶数本、即ち2本,4本,6本で運転する理由について図4を用いて説明する。図4はノズル7の運転とランナ11と図示しない発電機と直結する為の主軸を支える軸受12に作用する荷重を示した図である。
【0016】
図4(a)は対向配置されている2本のノズル7が運転している状態、図4(b)は1本のノズル7が運転している状態、図4(c)は隣り合う2本のノズルが運転しているときの軸受12に作用する荷重状態を示している。
【0017】
図4(a)の場合、ノズル7からランナ11に噴流水が作用することで生じる力はノズル7の開度が同一であれば力の方向が逆で同一の力となるため相殺され、軸受12に対してはノズルの噴流水による力は作用しない。図4(b)は1本ノズル運転の場合を示すが、ノズル7からランナ11に噴流水が作用することで生じる力は力の分解により2個の軸受12に作用する。図4(c)の場合、隣り合う2本のノズル7が運転した場合を示しているが、2本のノズル7により作用する力に挟まれた軸受12は、力の合成により過大な荷重が加わることになる。
【0018】
このように、ペルトン水車のノズル7の運転は対向配置されている2本を運転させ、かつ、軸受12に作用する荷重を相殺させるためにノズルを偶数本で運転するようにしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ペルトン水車には極小流量まで運転したいとの要求があり、極小流量まで運転をするため1射ノズル運転を実現する必要性が生じている。この場合、前述の余水路省略ペルトン水車では運転しているノズルに故障が生じてもノズルを全閉に操作することが出来ないために下流側に放流を継続させる必要がある。
【0020】
また、ペルトン水車は多数のノズルを有しているため、故障ノズルから健全なノズルに切替え、発電運転を継続させることが要求されている。この場合、運転ノズルを規定しないと軸受の許容荷重を大幅に増加させる必要性が生じるため、軸受の受圧面積を増加させることが必要となり、軸受寸法の増加に伴う機器寸法の増加となり、経済的にコスト高となる問題点を有する。
【0021】
本発明の目的は、余水路が省略された4射以上の進退移動可能なニードル弁を有するペルトン水車が1射運転中運転ニードルに故障を生じても軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転できるペルトン水車の制御装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、4本以上のノズルを有するペルトン水車が1本のノズルで運転中に、当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転してペルトン水車の運転を継続して行うようにしたことにある。
【0023】
本発明は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図5に本発明の一実施例を示す。図5は図1に示すニードル弁8aを制御する構成を示している。
【0025】
図5において、ノズル運転装置13は図2に示す上水槽2の水位(流入水量)に応じてノズル7a〜7fの運転本数を切替える運転信号をニードル弁制御装置14に与える。ノズル運転装置13はノズル7a〜7f(ニードル弁8a〜8f)に対し共通に設けられている。ニードル弁制御装置14はノズル運転装置13からニードル弁8の運転信号を入力するとニードル弁8に制御信号を与え進退移動させる。ノズル運転装置13の運転信号は運転指令と停止指令の両者を含むものとなる。
【0026】
ニードル弁8の弁位置信号はニードル弁制御装置14に帰還され、ニードル弁制御装置14内部で図示しない閉ループを構成している。ニードル弁制御装置14はニードル弁8の運転状態で弁位置信号(弁位置帰還信号)が規定範囲を逸脱すると異常と判断する。ニードル弁制御装置14は異常情報をノズル運転装置13に与える。異常情報には弁位置信号の異常、ニードル弁制御装置14の他の故障情報がある。
【0027】
図6にニードル弁制御装置14の一例構成を示す。
【0028】
図7において、弁位置指令部23の弁目標位置指令と弁位置信号部29の弁位置帰還信号を図示の極性で加算部24に加える。制御出力部28は加算部24から得られる弁位置偏差に基づく制御信号をニードル弁8に出力して制御する。異常判定部27は弁位置帰還信号が異常になると切替スイッチ25をb側に切替え、弁全閉指令部26の全閉指令を制御出力部28から出力する。
【0029】
次に動作を説明する。
【0030】
まず、上述したようにペルトン水車のノズル7は図1のノズル7aと7d,7bと7e,7cと7fの組合わせで運転される。以下、ノズル7aと7dをA群,7bと7eをB群,7cと7fをC群と称する。
【0031】
いま、A群のノズル7aが1本で運転中にノズル7aを制御するニードル弁8aが故障したとして本発明を説明する。本発明ではノズル7aが故障するとノズル7dを制御することになる。
【0032】
さて、図5のニードル弁8はニードル弁8aとなる。ノズル運転装置13のニードル弁8aの運転信号はニードル弁制御装置14入力される。ニードル弁制御装置14は弁位置指令部23の弁目標位置指令と弁位置信号部29の弁位置帰還信号を図示の極性で加算部24に加える。制御出力部28は加算部24から得られる弁位置偏差に基づく制御信号をニードル弁8に出力して制御する。ニードル弁制御装置14はニードル弁8aを閉ループ制御する。
【0033】
このようにしてニードル弁8aだけの運転状態、即ち1本ノズル運転状態において、ニードル弁8aの弁位置帰還信号が何らかの要因により故障したとする。ニードル弁制御装置14は入力された弁位置帰還信号が規定範囲を逸脱すると異常と判断する。
【0034】
ニードル弁8aが異常となり対向配置されているニードル弁8dの制御動作について図7を参照して説明する。図7は対向配置ニードル弁に対する運転指令を出力するフローチャートである。
【0035】
ノズル運転装置13はステップS1においてニードル弁制御装置14からの異常情報によってニードル弁8aの異常を判定する。異常がない場合にはステップS1の判定処理が繰り返し行われる。ステップS1でニードル弁故障と判定するとステップS2に移りどのニードル弁が故障したかを判断する。ニードル弁8aはA群であり、A群故障と判断する。
【0036】
ステップS2からステップS3に移行してA群ニードル弁が運転中であるか否かを判定する。これは、停止中のニードル弁が故障した場合は、1本ノズル運転に無関係であり、停止中の場合はステップS4で故障ニードル群に対し運転禁止指令を出力する。ステップS3で運転群であると判定するとステップS6においてステップS5で判定している1ノズル運転中のアンド条件が成立するか判定する。以上の処理によるステップS6のアンド処理の出力は1ノズル運転中の運転ニードル弁群故障条件となる。
【0037】
一方、ステップS1でニードル弁故障と判定するとステップS2〜ステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障判定と並列処理されるステップS7の故障原因判定処理を実行する。ステップS7の故障原因判定では、故障したニードル弁8aを閉鎖することが可能か、閉鎖することが出来ないかを判定する。ニードル弁を閉鎖できない故障には、ニードル弁制御装置14自身の故障、又はニードル弁8aの機械的な故障等がある。また、ニードル弁を閉鎖可能な故障はニードル弁位置帰還信号の異常がある。
【0038】
ニードル弁位置帰還信号異常の場合はニードル弁制御装置14の異常判定部27で弁位置帰還信号の異常を判定し切替スイッチ25をb側に閉路する。全閉指令部26の全閉指令信号が出力制御部28から出力され故障ニードル弁を全閉に制御する。一方、ニードル弁制御装置14の故障、ニードル弁8aの機械的な故障などの位置帰還信号異常以外の場合は、ニードル弁を駆動できないことから全閉制御することは不可能である。
【0039】
図7に戻り、ステップS7で閉鎖不可能と判断した場合にはステップS8に移りステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障条件とアンドを取り、成立すればステップS9で運転ニードル弁に対し運転ニードル弁運転禁止指令を出力する。ニードル弁8aの運転信号を停止指令としてニードル弁8aを現状開度保持とする。同時に、ステップS11のオア条件処理を経てステップS12に移行して対向配置されているニードル弁8dに対し運転指令を出力しノズル7dを開口させる。
【0040】
この場合、図4(a)の状態でノズルの位置の相違により軸受12に作用する荷重は完全には相殺されないが、いずれにしろ故障ノズルによる荷重と逆方向荷重として作用するため、1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重以下となり、軸受に対し問題を与えることはない。
【0041】
ステップS7における故障原因判定で閉鎖可能と判定すると、閉鎖不可能な場合と同様にステップS10でステップS6の1ノズル運転中運転ニードル弁群故障条件とアンドを取り、条件が成立すればステップS13で運転ニードル弁に対し全閉停止指令を出力すると同時にステップS12で対向配置ニードル弁に対し運転指令を出力する。この場合も前述の説明のごとく軸受荷重は1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重以下となり、軸受に対し問題を与えることはない。
【0042】
ステップS7の故障原因判定で閉鎖可能と判断した場合、ノズル7aを全閉停止操作すると同時に健全なニードル群であるB群又はC群ニードル弁の1本を開動作することも考えられる。しかし、この場合、過渡的に4(c)の状態、すなわち故障ノズルが全閉動作し、隣り合う健全ノズルが開動作している間は1ノズル運転時軸受に作用する最大荷重を越える可能性があるため採用することはできない。
【0043】
次に、1ノズルから2ノズルへの切替動作を図8に示すフローチャートで説明する。
【0044】
ステップS15において1ノズルから2ノズルへの切替条件、即ち図9に示す上水槽水位とニードル弁ストロークの関係の特性dのd1点に運転ニードル弁ストロークが到達すれば1ノズルから2ノズル切替条件が成立する。ステップS15で1ノズルから2ノズル切替条件が不成立の場合には繰り返しステップS15の処理を行い1→2射切替え条件を監視する。
【0045】
ステップS15で1ノズルから2ノズル切替条件成立と判定するとステップS16に移り運転ニードル群故障判定を実施する。運転ニードル群故障判定は図7で説明した内容と同一である。ステップS16で運転ニードル群故障無しと判定するとステップS20において2ノズル運転に支障ないと判断できるため運転ニードル群2本運転指令を出力し、2ノズル運転に移行する。
【0046】
一方、ステップS16で運転ニードル群故障有りと判定すると、ステップS19において運転ニードル弁に対して全閉停止指令を出力する。同時に、ステップS17において故障ニードル群に対し運転禁止指令を出力して以後運転できない状態とし、更にステップS18で次群ニードル、すなわちB群又はC群ニードル弁2本に対し運転指令を出力し2ノズル運転に移行させる。
【0047】
この場合、故障ニードルが全閉可能な場合は3本ノズル、全閉不可能な故障の場合は4本ノズル運転に過渡的に状態変化することになるが、健全なニードル群2本は同時に開動作を開始するため、ほぼ同一にストロークするため図4(a)の状態となり軸受に作用する力は相殺され、結果的に1ノズル運転時の軸受最大を超えることはない。
【0048】
このようにしてペルトン水車のノズルを制御するのであるが、1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【0049】
なお、以上説明した実施例から把握できる請求項に記載した以外の技術思想(発明)について記載すると下記のようになる。
【0050】
【発明1】4本以上の進退移動自在なニードル弁と、前記ニードル弁の進退移動で開閉される4本以上のノズルと、前記ノズルからのジェット噴流水をバケットに受けるランナと、上水槽への流入水量に応じて自動的に前記ニードル弁の運転本数を切替える制御装置を有する水車発電機において、前記上水槽への流入水量が増加し2本のニードル弁で運転することが必要となった場合で、前記運転ニードル弁と対向するニードル弁が故障していた場合、運転ニードル弁を全閉停止させ、運転ニードル弁と対向しない他のニードル弁2本を運転させる。
【0051】
【発明2】4本以上の進退移動自在なニードル弁と、前記ニードル弁の進退移動で開閉される4本以上のノズルと、前記ノズルからのジェット噴流水をバケットに受けるランナと、上水槽への流入水量に応じて自動的に前記ニードル弁の運転本数を切替える制御装置を有する水車発電機において、2本以上で前記ニードル弁が運転中、前記上水槽への流入水量が減少し、1本ニードル弁で運転することが必要となった場合に、故障ニードル弁と対向するニードル弁へ運転指令を与えない。
【0052】
【発明の効果】
本発明は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転するようにしているので、軸受に作用する荷重を増加させることなく健全なノズルに切替えて発電運転を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペルトン水車の一例構成図である。
【図2】従来の上水槽の構成図である。
【図3】従来のノズル切替説明図である。
【図4】軸受に作用する力の説明図である。
【図5】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図6】ニードル弁制御装置の一例構成図である。
【図7】本発明の動作説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の動作説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明によるノズル切替説明図である。
【符号の説明】
1…導水路、2…上水槽、3…堰、4…水圧鉄管、5…余水路、6…ケーシング、7a〜7f…ノズル、8a〜8f…ニードル弁、9a〜9f…デフレクター、10…デフレクターサーボ、11…ランナ、12…軸受、13…ノズル運転装置、14…ニードル弁制御装置。
Claims (3)
- 4本以上の進退移動自在なニードル弁と、前記ニードル弁に対応して設けられ、前記ニードル弁の進退移動によって開閉されるノズルと、前記ノズルからのジェット噴流水をバケットに受けるランナとを有するペルトン水車において、上水槽への流入水量に応じて前記ノズルの運転本数を切替えるノズル運転装置と、前記ノズル運転装置で定めた運転ノズルのニードル弁を制御するニードル弁制御装置とを備え、前記ノズル運転装置は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁が故障すると前記運転中ノズルに対向配置されている1本のノズルを運転して前記ペルトン水車の運転を継続して行うようにしたことを特徴とするペルトン水車の制御装置。
- 請求項1記載において、前記ノズル運転装置は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁の故障が閉鎖可能か不可能かを判断し、閉鎖不可能なとき前記運転中ノズルを故障発生時の開度で運転することを特徴とするペルトン水車の制御装置。
- 請求項1記載において、前期ノズル運転装置は1本のノズルで運転中に当該ノズルのニードル弁の故障が閉鎖可能か不可能かを判断し、閉鎖可能なとき前記運転中ノズルを全閉にすることを特徴とするペルトン水車の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003195430A JP2005030286A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | ペルトン水車の制御装置 |
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JP2003195430A JP2005030286A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | ペルトン水車の制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103429886A (zh) * | 2011-01-18 | 2013-12-04 | 阿尔斯通再生能源技术公司 | 附属于水力机械的曲线形导管及用于佩尔顿水轮机转轮的分配组件和水力机械 |
-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003195430A patent/JP2005030286A/ja active Pending
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