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JP2005028663A - 成形品厚さ制御システム及び方法 - Google Patents

成形品厚さ制御システム及び方法 Download PDF

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JP2005028663A JP2003194477A JP2003194477A JP2005028663A JP 2005028663 A JP2005028663 A JP 2005028663A JP 2003194477 A JP2003194477 A JP 2003194477A JP 2003194477 A JP2003194477 A JP 2003194477A JP 2005028663 A JP2005028663 A JP 2005028663A
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Kazuyoshi Kobayashi
和義 小林
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】断面形状のパターンデータに基づいて押出ダイのリップクリアランスを制御するようにして、所望の断面形状を有する成形品を容易に成形することができるようにする。
【解決手段】押出ダイから押し出された樹脂が基材13上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置と、該厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品25の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御装置とを有し、該成形品厚さ制御装置は、前記成形品25の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形品厚さ制御システム及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム成形機、ダイコータ装置、ラミネータ等を使用する成形品の生産ラインにおいては、紙、金属箔(はく)、樹脂フィルム等の薄膜状の基材上に樹脂層をコーティングするために、加熱され、溶融させられた樹脂をスリット状の開口を備えるノズルからフィルム状に押し出して、前記基材上に所定の幅の薄い樹脂層を塗布するようになっている。この場合、生産ラインには加熱シリンダ内に配設されたスクリュを回転させて樹脂を加熱し、溶融させて押し出すように構成されている押出装置が配設され、該押出装置から押し出された樹脂をノズルに供給し、該ノズルのスリット状の開口からフィルム状に押し出して、冷却ロールの表面に延展したり、基材上に所定の幅の薄い樹脂層を塗布したりするようになっている。そして、前記生産ラインにおいては、生産された成形品の厚さを計測してフィードバックし、前記生産ラインによる成形品の厚さを制御するためのシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図2は従来の成形品厚さ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【0004】
ここでは、基材としての樹脂フィルム上に薄い樹脂層を塗布したフィルムを製品フィルムとして成形する生産ラインについて説明する。該生産ラインの成形品厚さ制御システムにおいて成形品の厚さ制御が開始されると、まず、スリット状の開口を備えるノズルを有するTダイにおけるノズルのリップ部におけるクリアランス、すなわち、リップクリアランスの設定が行われる。この場合、制御装置は、前記リップクリアランスの値として、あらかじめ記憶された記憶値を使用するか否かを判断する。そして、記憶値を使用しない場合には、前記リップクリアランスの値を基準値に設定する。また、記憶値を使用する場合には、記憶手段に格納された記憶値を呼び出し、前記リップクリアランスの値を前記記憶値に設定する。なお、前記Tダイは、自動厚さ調整ダイであり、スリット状の開口におけるスリットの長手方向に関する各部分におけるリップクリアランスを、制御装置からの指令によって、自動的に調整することができるようになっている。
【0005】
続いて、製品フィルムの成形運転が開始される。そして、成形運転中は、前記生産ラインの途中に配設され、製品フィルムの厚さを計測する膜厚計が現在の製品フィルムの厚さを計測する。なお、前記膜厚計は、製品フィルムの幅方向に関し、各所の厚さを計測することができるものである。これにより、製品フィルムの幅方向に関する厚さの変化も計測することができる。そして、制御装置は、前記膜厚計の出力信号を受信し、計測された製品フィルムの幅方向に関する厚さの変化量が目標値の誤差範囲内に収まっているか否か、すなわち、製品フィルムの厚さが幅方向に関して均一であり、製品フィルムの厚さ精度が目標精度に到達しているか否かを判断する。そして、目標精度に到達している場合、製品フィルムの厚さの計測が繰り返し行われる。
【0006】
また、製品フィルムの厚さ精度が目標精度に到達していない場合、制御装置は、計測された製品フィルムの厚さに基づき、該製品フィルムの厚さを均一にするためのTダイにおけるノズルのリップクリアランスの値を演算する。この場合、スリット状の開口におけるスリットの長手方向に関する各所におけるリップクリアランスの値を、それぞれ、演算する。すなわち、制御位置と制御量を演算する。そして、制御装置は、演算された値となるようにTダイにおけるノズルのリップクリアランスを制御する。そして、目標精度に到達している場合、製品フィルムの厚さの計測が繰り返し行われる。
【0007】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS101 リップクリアランスを設定する。
ステップS102 記憶値を使用するか否かを判断する。記憶値を使用しない場合はステップS103に進み、記憶値を使用する場合はステップS104に進む。
ステップS103 リップクリアランスの値を基準値に設定する。
ステップS104 記憶値を呼び出す。
ステップS105 リップクリアランスの値を記憶値に設定する。
ステップS106 成形運転を開始する。
ステップS107 現在の製品フィルムの厚さを計測する。
ステップS108 目標精度に到達しているか否かを判断する。目標精度に到達している場合はステップS107に戻り、目標精度に到達していない場合はステップS109に進む。
ステップS109 計測厚さに基づき厚さを均一にするためのリップクリアランスの値を演算する。
ステップS110 リップクリアランスを制御する。
【0008】
このように、前記成形品厚さ制御システムにおいては、製品フィルムの厚さを計測してフィードバック制御を行うことによって均一な厚さの製品フィルムを成形することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−238737号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の成形品厚さ制御システムにおいては、均一な厚さの製品フィルムしか成形することができず、所望の断面形状を有する製品フィルムを成形することができなかった。
【0011】
図3は従来の成形品厚さ制御システムにおける製品フィルムの断面を示す図、図4は従来の成形品厚さ制御システムにおけるノズルの開口の形状を示す図である。
【0012】
図3(a)には、厚さ精度が目標精度に到達していない製品フィルム101の横断面が示されている。該製品フィルム101は、基材としての樹脂フィルム102、及び、該樹脂フィルム102上に塗布された樹脂層103を有する。ここで、前記樹脂フィルム102は、上面に模様、印刷パターン等から成る突出部102aを備えている。この場合、膜厚計によって計測される厚さは、樹脂フィルム102の下面から樹脂層103の上面までの距離である。この場合、該樹脂層103の上面に凹凸が多数形成され、製品フィルム101の厚さ精度が目標精度に到達していないので、制御装置は、計測された製品フィルム101の厚さに基づき、該製品フィルム101の厚さを均一にするためのTダイにおけるノズルのリップクリアランスを演算する。演算としては、前記樹脂層103の上面の凹凸と逆のパターンになるように計算される。
【0013】
そして、制御装置は、ノズルの開口104のが図4(a)に示されるような形状を有するTダイにおけるノズルのリップクリアランスを演算された値となるように制御する。これにより、Tダイのノズルの開口104の形状は図4(b)に示されるようになる。すると、前記ノズルの開口104から押し出されて樹脂フィルム102上に塗布された樹脂層103の横断面も図4(b)に示されるようなノズルの開口104の形状と同様になるので、製品フィルム101の厚さは、図3(b)に示されるように均一なものとなる。
【0014】
しかし、計測された厚さが均一になるようにTダイのリップクリアランスを制御するので、製品フィルム101の外観、感触等に変化を付けることが要求される場合であっても、前記模様、印刷パターン等から成る突出部102aと同様の突出部を製品フィルム101の表面に形成することができない。
【0015】
もっとも、物性の相違に基づいてフィルムの厚さを計測する膜厚計を使用することによって、突出部102aと同様の突出部を製品フィルム101の表面に形成することができる。
【0016】
図5は従来の他の成形品厚さ制御システムにおける製品フィルムの断面を示す図、図6は従来の他の成形品厚さ制御システムにおけるノズルの開口の形状を示す図である。
【0017】
図5(a)には、厚さ精度が目標精度に到達していない製品フィルム105の横断面が示されている。該製品フィルム105は、基材としての樹脂フィルム106、及び、該樹脂フィルム106上に塗布された樹脂層107を有する。ここで、前記樹脂フィルム106は、上面に模様、印刷パターン等から成る突出部106aを備えている。この場合、物性の相違に基づいてフィルムの厚さを計測する膜厚計によって計測される厚さは、樹脂フィルム106と樹脂層107との境界面から樹脂層107の上面までの距離である。この場合、樹脂層107の上面に凹凸が多数形成され、樹脂層107の厚さ精度が目標精度に到達していないので、制御装置は、計測された樹脂層107の厚さに基づき、樹脂層107の厚さを均一にするためのTダイのリップクリアランスを演算する。演算としては、前記境界面から樹脂層107の上面の凹凸の逆のパターンになるように計算される。
【0018】
そして、制御装置は、ノズルの開口108が図6(a)に示されるような形状を有するTダイにおけるノズルのリップクリアランスを演算された値となるように制御する。これにより、Tダイのノズルの開口108の形状は図6(b)に示されるようになる。すると、前記ノズルの開口108から押し出されて樹脂フィルム106上に塗布された樹脂層107の横断面も図6(b)に示されるようなノズルの開口108の形状と同様になるので、樹脂層107の厚さは、図5(b)に示されるように均一なものとなる。そのため、突出部106aと同様の突出部を製品フィルム105の表面に形成することができる。
【0019】
しかし、何らかの原因で樹脂フィルム106の表面に不要な突出部や窪(くぼ)みが形成されている場合、このような不要な突出部や窪みまでもが、製品フィルム105の表面に形成されてしまう。また、突出部106aと同様の突出部を表面に形成することなく、均一な厚さの製品フィルム105を得ることもできなくなってしまう。
【0020】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、断面形状のパターンデータに基づいて押出ダイのリップクリアランスを制御するようにして、所望の断面形状を有する成形品を容易に成形することができる成形品厚さ制御システム及び方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の成形品厚さ制御システムにおいては、押出ダイから押し出された樹脂が基材上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置と、該厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御装置とを有し、該成形品厚さ制御装置は、前記成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する。
【0022】
本発明の他の成形品厚さ制御システムにおいては、さらに、前記成形品厚さ制御装置は、前記パターンデータを格納するパターンデータ記憶部を備える。
【0023】
本発明の更に他の成形品厚さ制御システムにおいては、さらに、前記成形品厚さ制御装置は、前記パターンデータに基づき、前記成形品の厚さの目標値を補正するパターンデータ補正部を備える。
【0024】
本発明の更に他の成形品厚さ制御システムにおいては、さらに、前記成形品厚さ制御装置は、前記成形品の断面形状が前記パターンデータ記憶部から呼び出したパターンデータに対応する断面形状となるように前記押出ダイのリップクリアランスを制御する。
【0025】
本発明の成形品厚さ制御方法においては、押出ダイから押し出された樹脂が基材上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御方法であって、前記成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの概略を示す概念図、図7は本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの制御装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1において、10は成形品を生産する生産ラインとしてのコーティングラインであり、基材供給装置を有し、該基材供給装置の供給ロール12から帯状のシート状物である基材13が繰り出され、複数のガイドローラの周囲に架け回されて、図1において矢印Aで示される方向に搬送されて、押出コーティング部11に供給される。なお、本発明の成形品厚さ制御システムは、フィルム成形機、ダイコータ装置、ラミネータ等を使用する成形品の生産ラインであれば、いかなる種類の成形品の生産ラインにも適用することができるものであるが、ここでは、基材13上に樹脂層をコーティングするコーティングラインに適用した場合について説明する。また、前記基材13は、連続するフィルムやシートのような帯状のシート状物であれば、いかなる材質のものであってもよく、例えば、樹脂、紙、布、金属、セラミクス、ガラス繊維、カーボン繊維等の材質から成るもの、これら材料のすべて若しくは一部の複合体、又は、これら材料のすべて若しくは一部の積層体であってもよい。
【0029】
そして、前記基材13は、押出コーティング部11に配設された冷却ローラ14とニップローラ15とに挟まれて搬送されるが、前記冷却ローラ14とニップローラ15との間の部分において、押出ダイとしてのフラットダイ16のノズルから押し出されるフィルム状の樹脂としてのコート材17が塗布される、すなわち、コーティングされる。なお、前記冷却ローラ14は、冷却ローラ駆動源としての図示されない冷却ローラ回転用モータによって回転させられる。そして、前記供給ロール12から冷却ローラ14までの基材13の搬送路の途中には、複数の搬送用のローラ、基材13にAC(Anchor Coat:アンカーコート)剤を塗布するACコータ、AC剤を乾燥させるドライヤー等が配設されていてもよい。
【0030】
ここで、前記フラットダイ16は、Tダイ、コートハンガーダイ等のスリット状の開口を備える出口ノズルを有するダイであり、樹脂供給管23を介して押出装置21のヘッドに接続され、該押出装置21から押し出された溶融樹脂が流入するようになっている。なお、前記フラットダイ16は、自動厚さ調整ダイであり、コート材17の膜厚を調整するために可動リップを備え、前記出口ノズルの開口の間隔、すなわち、スリット状の開口におけるスリットの広さが調整可能となっている。この場合、前記可動リップは、スリット状の開口におけるスリットの長手方向に関して複数の部分に分割され、各部分が独立して駆動されるようになっている。そして、前記可動リップの各部分におけるリップクリアランスは、後述されるリップ駆動装置33によって自動的に調整することができるようになっている。そのため、フラットダイ16のノズルから押し出されるコート材17の膜厚を、該コート材17の幅方向における各所で調整することができる。すなわち、前記コート材17の幅方向における膜厚分布を調整することができる。さらに、前記フラットダイ16はコート材17の幅を調整するためのディッケルを備えていてもよいし、内部の溶融樹脂の温度を制御するためのヒータを備えていてもよい。
【0031】
そして、前記押出装置21は、加熱シリンダ、該加熱シリンダを加熱するヒータ、前記加熱シリンダ内に配設された回転スクリュ、前記加熱シリンダ内に原料樹脂を供給するためのホッパ等を備える樹脂フィーダ等を有する。なお、前記回転スクリュは、スクリュ駆動源としてのスクリュ回転用モータによって回転させられる。そして、樹脂フィーダから供給された、ペレット状の樹脂は、回転スクリュによって混練され溶融されて、前記押出装置21から押し出され、樹脂供給管23を介して、フラットダイ16に供給される。なお、該フラットダイ16のノズルから押し出されるコート材17は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、ポリプロピレン(PP)等であるが、いかなる種類の樹脂であってもよい。
【0032】
また、前記冷却ローラ14とニップローラ15との間の部分において、基材13上にコート材17がコーティングされた帯状のシート状物である製品としての成形品25は、図1において矢印Bで示される方向に搬送され、巻き取り機の巻き取りロール27によって巻き取られる。なお、前記冷却ローラ14から巻き取りロール27までの成形品25の搬送路の途中には、成形品25の厚さを計測する厚さ計測装置としての膜厚計36が配設されている。該膜厚計36は、例えば、赤外線、β線、γ線等を利用して厚さを計測するものであってもよいし、磁気センサと光センサとを組み合わせたものであってもよい。この場合、膜厚計36は、図示されないガイド部材に沿って、図1において矢印Cで示されるように、成形品25の搬送方向に直交する方向、すなわち、成形品25の幅方向に往復し、該成形品25の幅方向における厚さ分布を計測することができる。なお、前記膜厚計36は、成形品25におけるコート材17だけの膜厚を計測するものであってもよいが、本実施の形態においては、基材13と該基材13上にコーティングされたコート材17との膜厚を合計した厚さ、すなわち、成形品25全体の厚さを計測するものとして説明する。
【0033】
ここで、31は成形品25の厚さを制御するための制御装置であり、膜厚計36と通信可能に接続されている。前記制御装置31は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ、プリンタ等の出力手段、通信インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。なお、前記制御装置31は、単一のコンピュータであってもよいし、複数のコンピュータが有機的に結合した分散型サーバであってもよい。また、前記制御装置31は独立して存在するものであってもよいし、コーティングライン10全体を制御する制御装置のような他の制御装置の一部であってもよいし、大型のコンピュータの内部に構築された複数のシステムの一つであってもよい。
【0034】
そして、前記制御装置31は、機能の観点から、図7に示されるように、あらかじめ設定された成形品25の厚さの目標値と、膜厚計36が計測した成形品25の厚さの実測値とを比較する比較部41、成形品25の厚さの実測値に基づき、成形品25の厚さを所定値にするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算するクリアランス演算部42、成形品25の断面パターンに関するパターンデータに基づき、フラットダイ16のリップクリアランス及び計測された成形品25の計測値としての計測厚さの目標値を補正するパターンデータ補正部43、あらかじめ設定されたフラットダイ16のリップクリアランスの値を格納するクリアランスデータ記憶部44、及び、あらかじめ設定された成形品25の断面パターンに関するパターンデータを格納するパターンデータ記憶部45を有する。なお、本実施の形態において、成形品25の断面とは横断面、すなわち、成形品25の搬送方向に直交する方向の断面を意味するものとする。
【0035】
この場合、前記制御装置31は、図1において矢印Dで示されるように、成形品25の厚さの実測値を膜厚計36から受信し、フラットダイ16のリップクリアランスを演算した値とするための制御値を、図1において矢印Eで示されるように、リップ駆動装置33に送信する。該リップ駆動装置33は、制御装置31と通信可能に接続され、該制御装置31から受信した制御値に基づいて、フラットダイ16の可動リップを駆動させて該可動リップの各部分におけるリップクリアランスを調整するための装置である。なお、前記リップ駆動装置33は、制御装置31と一体的に形成されていてもよい。
【0036】
そして、可動リップを駆動させるアクチュエータが電気モータ、電気ヒータ等を備える電動アクチュエータである場合、前記リップ駆動装置33は駆動電流を電動アクチュエータに供給する。また、可動リップを駆動させるアクチュエータが油圧シリンダ装置等を備える油圧アクチュエータである場合、前記リップ駆動装置33は圧油を油圧アクチュエータに供給する。本実施の形態においては、可動リップを駆動させるアクチュエータが空圧シリンダ装置等を備える空圧アクチュエータであり、前記リップ駆動装置33が、図1において矢印Fで示されるように、圧縮空気を空圧アクチュエータに供給するものとして説明する。この場合、リップ駆動装置33は、図示されない空気ポンプ、空気タンク等を有する空気供給装置からの圧縮空気を所定の圧力にまで減圧して、図示されない管路を介して、フラットダイ16の各空圧アクチュエータに供給する。
【0037】
また、前記可動リップは、スリット状の出口ノズルにおけるスリットの長手方向に関して複数の部分に分割され、各部分がそれぞれの空圧アクチュエータによって、独立して駆動される。そして、前記可動リップの各部分におけるリップクリアランスは、各空圧アクチュエータによって調整される。
【0038】
本実施の形態において、前記制御装置31及びリップ駆動装置33は、フラットダイ16のリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御装置を構成する。この場合、該成形品厚さ制御装置は、膜厚計36からフィードバックされた前記成形品25の厚さに基づいて、前記フラットダイ16のリップクリアランスを制御する。
【0039】
次に、前記構成の成形品厚さ制御システムの動作について説明する。まず、均一な厚さの成形品25を成形する場合の動作について説明する。
【0040】
図8は本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第1の図、図9は本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第1の図、図10は本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第1の図、図11は本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【0041】
まず、生産ラインとしてのコーティングライン10の運転を開始する前に、オペレータは、制御装置31の入力手段を操作して、フラットダイ16のノズルのリップ部におけるクリアランス、すなわち、リップクリアランスの設定を行う。これにより、成形品厚さ制御システムによる厚さ制御が開始される。そして、制御装置31は、オペレータの入力に基づいて、前記リップクリアランスの値として、あらかじめ記憶された記憶値を使用するか否かを判断する。
【0042】
この場合、リップクリアランスの値として、フラットダイ16の製造時やコーティングライン10への据え付け時に設定された基準値、及び、過去の実験、経験等に基づいて設定され、あらかじめクリアランスデータ記憶部44に格納された記憶値を使用することができる。なお、前記基準値及び記憶値は、コート材17の膜厚の値に対応して定められているが、コート材17の材質、温度等の条件を考慮して定められていることが望ましい。
【0043】
そして、記憶値を使用しない場合、前記制御装置31は、リップクリアランスの値を基準値に設定する。また、記憶値を使用する場合、前記制御装置31はクリアランスデータ記憶部44に格納された記憶値を呼び出し、前記リップクリアランスの値を前記記憶値に設定する。
【0044】
続いて、オペレータは、制御装置31の入力手段を操作して、パターン制御を行うか否かの決定を行う。そして、パターン制御を行わないと決定すると、成形品25の断面形状が、シート状物としての通常の断面形状となるように厚さ制御が行われる。ここで、シート状物としての通常の断面形状とは、図8に示されるように、厚さが均一で、上下の面に凹凸がなくフラットな断面パターン46に対応するものである。また、パターン制御を行うと決定すると、成形品25の断面形状が、パターンデータ記憶部45に格納されたパターンデータの中からオペレータによって選択された断面パターンに対応する断面形状となるように厚さ制御を行うパターン制御処理が行われる。そして、制御装置31は、オペレータの入力に基づいて、パターン制御を行うか否かを判断する。
【0045】
まず、パターン制御を行わない場合について説明する。この場合、コーティングライン10の運転が開始されると、運転中は、該コーティングライン10の途中に配設された膜厚計36によって、現在の成形品25の厚さが計測される。この場合、膜厚計36は、成形品25の幅方向に往復し、該成形品25の幅方向における厚さ分布を計測する。また、前記膜厚計36は、基材13と該基材13上にコーティングされたコート材17との膜厚を合計した厚さ、すなわち、成形品25全体の厚さを計測する。
【0046】
そして、制御装置31は、前記膜厚計36の出力信号を受信し、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布が目標値の誤差範囲内に収まっているか否か、すなわち、成形品25の厚さが幅方向に関して均一であり、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かを判断する。ここで、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0047】
また、成形品25の断面が、図9(a)に示されるようになっていて、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していない場合、制御装置31は、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布に基づき、成形品25の厚さを均一にするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。ここで、前記成形品25は、図9(a)に示されるように、基材13及び該基材13上にコーティングされたコート材17を有する。また、前記基材13は、上面に模様、印刷パターン等から成る突出部13aを備えている。この場合、膜厚計36によって計測される厚さは、基材13の下面からコート材17の上面までの距離である。この場合、コート材17の上面に凹凸が多数形成され、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していないので、制御装置31は、計測された成形品25の厚さ分布、すなわち、成形品25の厚さの実測値に基づき、成形品25の厚さを所定値にするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。演算としては、前記コート材17の上面の凹凸と逆のパターンになるように計算される。
【0048】
そして、制御装置31は、フラットダイ16のリップクリアランスを演算した値とするための制御値をリップ駆動装置33に送信する。すると、該リップ駆動装置33は、リップクリアランスが演算された値となるように、フラットダイ16の可動リップを駆動させる空圧アクチュエータに圧縮空気を供給する。これにより、図10(a)に示されるように、フラットな断面パターンに対応する形状のノズルの開口19が、図10(b)に示されるような形状になる。すると、前記ノズルの開口19から押し出されたコート材17が基材13上にコーティングされ、成形品25の断面は、図9(b)に示されるように、厚さが均一でフラットなものとなる。
【0049】
続いて、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が、再び行われる。そして、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0050】
このように、厚さが均一で、上下の面に凹凸がなくフラットな断面パターン46に対応する断面形状となるように厚さ制御が行われると、基材13が突出部13aを備えている場合のように、フラットでない断面形状を有する場合であっても、均一な厚さのフラットな断面形状の成形品25を成形することができる。
【0051】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 リップクリアランスを設定する。
ステップS2 記憶値を使用するか否かを判断する。記憶値を使用しない場合はステップS3に進み、記憶値を使用する場合はステップS4に進む。
ステップS3 リップクリアランスの値を基準値に設定する。
ステップS4 記憶値を呼び出す。
ステップS5 リップクリアランスの値を記憶値に設定する。
ステップS6 パターン制御を行うか否かを判断する。パターン制御を行わない場合はステップS7に進み、パターン制御を行う場合はステップS12に進む。
ステップS7 コーティングライン10の運転を開始する。
ステップS8 現在の成形品25の厚さを計測する。
ステップS9 目標精度に到達しているか否かを判断する。目標精度に到達している場合はステップS8に戻り、目標精度に到達していない場合はステップS10に進む。
ステップS10 計測厚さに基づき厚さを均一にするためのリップクリアランスの値を演算する。
ステップS11 リップクリアランスを制御する。
ステップS12 パターン制御処理を行う。
【0052】
次に、厚さが均一でなく、所定の断面形状を有する成形品25を成形する場合の動作について説明する。
【0053】
図12は本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第2の図、図13は本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第2の図、図14は本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第2の図、図15は本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第3の図、図16は本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第3の図、図17は本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第3の図、図18は本発明の実施の形態におけるパターン制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0054】
まず、オペレータが、制御装置31の入力手段を操作して、パターン制御を行うと決定すると、成形品25の断面形状がパターンデータ記憶部45に格納されたパターンデータの中からオペレータによって選択された断面パターンに対応する断面形状となるように、厚さ制御が行われる。この場合、オペレータは、制御装置31の入力手段を操作して、パターンデータ記憶部45に格納されている成形品25の断面パターンに関するパターンデータの中から所望のパターンデータを選択する。そして、制御装置31は、オペレータの入力に基づいて、パターン制御を行うと判断すると、パターンデータ記憶部45から、オペレータが選択したパターンデータを呼び出す。ここでは、該パターンデータは、図12に示されるように、突出部46aを備える断面パターン46である場合について説明する。
【0055】
続いて、コーティングライン10の運転が開始されると、制御装置31は、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータに基づき、設定されたフラットダイ16の各部におけるリップクリアランスの値を補正する。そして、コーティングライン10の運転中は、該コーティングライン10の途中に配設された膜厚計36によって、現在の成形品25の厚さが計測される。この場合、膜厚計36は、成形品25の幅方向に往復し、該成形品25の幅方向における厚さ分布を計測する。また、前記膜厚計36は、基材13と該基材13上にコーティングされたコート材17との膜厚を合計した厚さ、すなわち、成形品25全体の厚さを計測する。
【0056】
そして、制御装置31は、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータに基づき、計測厚さの目標値を補正する。すなわち、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布の目標値が、図12に示されるような突出部46aを備える断面パターン46に対応するものとなるようにする。
【0057】
続いて、制御装置31は、前記膜厚計36の出力信号を受信し、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布が目標値の誤差範囲内に収まっているか否か、すなわち、成形品25の断面が図12に示されるような断面パターン46に対応し、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かを判断する。そして、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0058】
また、成形品25の断面が、図13(a)に示されるようになっていて、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していない場合、制御装置31は、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布に基づき、成形品25の断面が図12に示されるような断面パターン46に対応する形状にするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。ここで、前記成形品25は、図13(a)に示されるように、基材13及び該基材13上にコーティングされたコート材17を有する。また、前記基材13は、上面に模様、印刷パターン等から成る突出部13aを備えている。この場合、膜厚計によって計測される厚さは、基材13の下面からコート材17の上面までの距離である。そして、コート材17の上面に凹凸が多数形成され、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していないので、制御装置31は、計測された成形品25の厚さ分布、すなわち、成形品25の厚さの実測値に基づき、成形品25の厚さ分布を図12に示されるような断面パターン46に対応するものにするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。
【0059】
そして、制御装置31は、フラットダイ16のリップクリアランスを演算した値とするための制御値をリップ駆動装置33に送信する。すると、該リップ駆動装置33は、リップクリアランスが演算された値となるように、フラットダイ16の可動リップを駆動させる空圧アクチュエータに圧縮空気を供給する。これにより、図14(a)に示されるように、フラットな断面パターンに対応する形状のノズルの開口19が、図14(d)に示されるような形状になる。
【0060】
ここで、成形品25の厚さ分布を、厚さが均一で、上下の面に凹凸がなくフラットなものにする場合であれば、ノズルの開口19は図14(b)に示されるような形状となる。しかし、前述されたように、制御装置31は、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータに基づき、設定されたフラットダイ16のリップクリアランスの値を補正している。そのため、成形品25の厚さ分布を図12に示されるような断面パターン46に対応するものにするために、ノズルの開口19は、図14(b)に示されるような形状に図14(c)に示されるような補正パターン47を加算して得られる図14(d)に示されるような形状とされる。なお、図14(c)に示されるような補正パターン47は、前記パターンデータとしての図12に示されるような断面パターン46に対応する。
【0061】
これにより、前記ノズルの開口19から押し出されたコート材17が基材13上にコーティングされ、成形品25の断面は、図13(b)に示されるように、突出部25aを備えるもの、すなわち、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータとしての図12に示されるような断面パターン46に対応するものとなる。
【0062】
続いて、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が、再び行われる。そして、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0063】
次に、オペレータが選択したパターンデータが、図15に示されるように、両端に突出部46bを備える断面パターン46である場合について説明する。この場合、パターンデータが図12に示されるような断面パターン46である場合と同様に、コーティングライン10の運転が開始されると、制御装置31は、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータに基づき、設定されたフラットダイ16のリップクリアランスの値を補正する。そして、コーティングライン10の運転中は、前記コーティングライン10の途中に配設された膜厚計36によって、現在の成形品25の厚さが計測される。
【0064】
そして、制御装置31は、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータに基づき、計測厚さの目標値を補正し、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布の目標値が、図15に示されるような突出部46bを備える断面パターン46に対応するものとなるようにする。
【0065】
続いて、制御装置31は、前記膜厚計36の出力信号を受信し、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布が目標値の誤差範囲内に収まっているか否か、すなわち、成形品25の断面が図15に示されるような断面パターン46に対応し、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かを判断する。そして、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0066】
また、成形品25の断面が、図16(a)に示されるようになっていて、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していない場合、制御装置31は、計測された成形品25の幅方向における厚さ分布に基づき、成形品25の断面が図15に示されるような断面パターン46に対応する形状にするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。ここで、前記成形品25は、図16(a)に示されるように、基材13及び該基材13上にコーティングされたコート材17を有する。また、前記基材13は、上面に模様、印刷パターン等から成る突出部13aを備えている。この場合、膜厚計によって計測される厚さは、基材13の下面からコート材17の上面までの距離である。そして、コート材17の上面に凹凸が多数形成され、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達していないので、制御装置31は、計測された成形品25の厚さ分布、すなわち、成形品25の厚さの実測値に基づき、成形品25の厚さ分布を図15に示されるような断面パターン46に対応するものにするためのフラットダイ16のリップクリアランスの値を演算する。
【0067】
そして、制御装置31は、フラットダイ16のリップクリアランスを演算した値とするための制御値をリップ駆動装置33に送信する。すると、該リップ駆動装置33は、リップクリアランスが演算された値となるように、フラットダイ16の可動リップを駆動させる空圧アクチュエータに圧縮空気を供給する。これにより、図17(a)に示されるように、フラットな断面パターンに対応する形状のノズルの開口19が、図17(d)に示されるような形状になる。
【0068】
ここで、成形品25の厚さ分布を図15に示されるような断面パターン46に対応するものにするために、ノズルの開口19は、図17(b)に示されるような形状に図17(c)に示されるような補正パターン47を加算して得られる図17(d)に示されるような形状とされる。なお、図17(c)に示されるような補正パターン47は、前記パターンデータとしての図15に示されるような断面パターン46に対応する。
【0069】
これにより、前記ノズルの開口19から押し出されたコート材17が基材13上にコーティングされ、成形品25の断面は、図16(b)に示されるように、突出部25bを備えるもの、すなわち、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータとしての図15に示されるような断面パターン46に対応するものとなる。
【0070】
続いて、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が、再び行われる。そして、成形品25の厚さ精度が目標精度に到達している場合、膜厚計36による成形品25の幅方向における厚さ分布の計測、計測厚さの目標値の補正、及び、制御装置31による成形品25の厚さ精度が目標精度に到達しているか否かの判断が繰り返し行われる。
【0071】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS12−1 パターンデータを呼び出す。
ステップS12−2 コーティングライン10の運転を開始する。
ステップS12−3 リップクリアランスのパターンデータを補正する。
ステップS12−4 現在の成形品25の厚さを計測する。
ステップS12−5 計測厚さのパターンデータを補正する。
ステップS12−6 目標精度に到達しているか否かを判断する。目標精度に到達している場合はステップS12−4に戻り、目標精度に到達していない場合はステップS12−7に進む。
ステップS12−7 計測厚さに基づき設定断面パターンにするためのリップクリアランスの値を演算する。
ステップS12−8 リップクリアランスを制御する。
【0072】
このように、本実施の形態においては、パターンデータ記憶部45から呼び出したパターンデータとしての断面パターン46に対応する断面形状となるように厚さ制御が行われるので、所望の断面形状を有する成形品25を容易に成形することができる。
【0073】
そのため、例えば、基材13の断面形状が上面に模様、印刷パターン等から成る突出部13aを備えている場合であって、前記突出部13aと同様の突出部を成形品25の表面に形成することによって成形品25の外観、感触等に変化を付けることが要求されるときには、対応するパターンデータを使用したパターン制御を行うことによって、図13(b)に示されるような前記突出部13aと同様の突出部25aを備える成形品25を容易に成形することができる。
【0074】
また、例えば、基材13の断面形状が上面に前記突出部13aを備えている場合であっても、厚さが均一でフラットな成形品25が要求されるときには、パターン制御を行わないことによって、図9(b)に示されるような厚さが均一でフラットな成形品25を容易に成形することができる。
【0075】
さらに、基材13の断面形状がいかなるものであっても、所望のパターンデータを使用したパターン制御を行うことによって、図16(b)に示されるように、所望の断面形状を備える成形品25を容易に成形することができる。
【0076】
なお、本実施の形態においては、パターン制御を行わない場合に、図8に示されるような厚さが均一で、上下の面に凹凸がなくフラットな断面パターン46に対応する断面形状の成形品25を成形するになっているが、図8に示されるような厚さが均一で、上下の面に凹凸がなくフラットな断面パターン46をパターンデータとして、パターンデータ記憶部45に格納するようにしてもよい。この場合、厚さが均一でフラットな成形品25が要求されるときであっても、対応するパターンデータを使用したパターン制御を行うこととなる。
【0077】
さらに、本実施の形態においては、膜厚計36が成形品25におけるコート材17だけの膜厚を計測するものである場合について説明したが、前記膜厚計36は、成形品25におけるコート材17だけの膜厚を計測するものであってもよい。この場合、基材13の断面形状が既知であれば、所望のパターンデータを使用したパターン制御を行うことによって、所望の断面形状を備える成形品25を容易に成形することができる。
【0078】
要するに、膜厚計36によるコート材17の測定厚さに、基材13の厚みデータを加算させて、加算データとパターンデータを比較演算してパターン制御を行ってもよいし、パターンデータに基材13の厚みでデータを補正値として補正パターンデータを作成し、補正パターンデータと膜厚計36によるコート材17の測定厚さとを比較演算してパターン制御を行うようにしてもよい。
【0079】
さらに、本実施の形態における成形品厚さ制御システムは、基材上に樹脂層をコーティングするコーティングラインだけでなく、基材上に樹脂フィルムをラミネートするラミネータに適用することもできる。
【0080】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0081】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、成形品厚さ制御システムにおいては、押出ダイから押し出された樹脂が基材上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置と、該厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御装置とを有し、該成形品厚さ制御装置は、前記成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する。
【0082】
この場合、成形品厚さ制御装置が成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて押出ダイのリップクリアランスを制御するので、所望の断面形状を有する成形品を容易に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの概略を示す概念図である。
【図2】従来の成形品厚さ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】従来の成形品厚さ制御システムにおける製品フィルムの断面を示す図である。
【図4】従来の成形品厚さ制御システムにおけるノズルの開口の形状を示す図である。
【図5】従来の他の成形品厚さ制御システムにおける製品フィルムの断面を示す図である。
【図6】従来の他の成形品厚さ制御システムにおけるノズルの開口の形状を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第1の図である。
【図9】本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第1の図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第1の図である。
【図11】本発明の実施の形態における成形品厚さ制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第2の図である。
【図13】本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第2の図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第2の図である。
【図15】本発明の実施の形態における成形品の断面パターンを示す第3の図である。
【図16】本発明の実施の形態における成形品の断面を示す第3の図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるノズルの開口の形状を示す第3の図である。
【図18】本発明の実施の形態におけるパターン制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
13 基材
16 フラットダイ
17 コート材
25 成形品
31 制御装置
33 リップ駆動装置
36 膜厚計
43 パターンデータ補正部
45 パターンデータ記憶部
46 断面パターン

Claims (5)

  1. (a)押出ダイから押し出された樹脂が基材上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置と、
    (b)該厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御装置とを有し、
    (c)該成形品厚さ制御装置は、前記成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御することを特徴とする成形品厚さ制御システム。
  2. 前記成形品厚さ制御装置は、前記パターンデータを格納するパターンデータ記憶部を備える請求項1に記載の成形品厚さ制御システム。
  3. 前記成形品厚さ制御装置は、前記パターンデータに基づき、前記成形品の厚さの目標値を補正するパターンデータ補正部を備える請求項1又は2に記載の成形品厚さ制御システム。
  4. 前記成形品厚さ制御装置は、前記成形品の断面形状が前記パターンデータ記憶部から呼び出したパターンデータに対応する断面形状となるように前記押出ダイのリップクリアランスを制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形品厚さ制御システム。
  5. (a)押出ダイから押し出された樹脂が基材上にコーティングされた成形品の厚さを計測する厚さ計測装置からフィードバックされた前記成形品の厚さに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御する成形品厚さ制御方法であって、
    (b)前記成形品の断面パターンに関するパターンデータに基づいて、前記押出ダイのリップクリアランスを制御することを特徴とする成形品厚さ制御方法。
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