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JP2005028615A - 生分解性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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JP2005028615A
JP2005028615A JP2003193343A JP2003193343A JP2005028615A JP 2005028615 A JP2005028615 A JP 2005028615A JP 2003193343 A JP2003193343 A JP 2003193343A JP 2003193343 A JP2003193343 A JP 2003193343A JP 2005028615 A JP2005028615 A JP 2005028615A
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acid
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JP2003193343A
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English (en)
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Masayuki Sukigara
正幸 鋤柄
Mitsuyoshi Itada
光善 板田
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Life and Living Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適する生分解性フィルムであって、種々雑多な形状、突起のある形状のゴミなどを入れても破れ難く、且つ落下などの衝撃を作用させた場合にも、エアーバッグ緩衝材として使用した場合に圧縮衝撃力を加えても破断しない生分解性多層フィルムを提供する。
【解決手段】多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層が多層フィルムの少なくとも一表面を形成しており、JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り6mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り3mJ/μm以上であることを特徴とする生分解性多層フィルム。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートシール性の改良された生分解性多層フィルムに関するものである。特に、生分解性を有し引裂強度、耐衝撃性に優れ、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルム、一般包装用フィルム、またはシュリンク包装用フィルムとして適する生分解性多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
合成高分子化合物はその優れた特性からプラスチックとして広範囲に使用されるようになったが、その使用量の増加と共に廃棄物量も増大しており、この廃棄プラスチックをどの様に処理するかが大きな社会問題になっている。焼却処理すると発熱量が大きいため焼却炉を傷めやすいことや、有害物質を生成するおそれがあること等の問題点があり、埋め立て処理すると腐らないためいつまでも環境中に残留するという問題点もある。更に、分別・回収、再生のコストを考えるとリサイクルだけでは完全な問題解決は困難である。
【0003】
この様な環境問題への高まりの中で、環境への負荷を低減して、社会を持続可能なものにするために、廃棄後に自然環境下で分解する生分解性プラスチックが求められるようになっている。
これまでに知られている生分解性プラスチックとしては、澱粉系ポリマー、微生物によって生産された脂肪族ポリエステル系樹脂、化学合成による脂肪族ポリエステル系樹脂、及びそれらの化学構造を一部変性したタイプの樹脂、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂などが知られている。
これらの生分解性プラスチックの中で、ポリ乳酸系樹脂は他の生分解性プラスチックに比べて、透明性、剛性、加工性に優れ、特にその延伸フィルムは、腰が強く、透明性に優れる点から、各種包装用フィルム、袋、窓付き容器の窓貼り用フィルム、封筒窓貼り用フィルム、セロファン代替用フィルムとして適している。
【0004】
しかしながら、ポリ乳酸系樹脂は未延伸の状態では脆い樹脂であり、フィルムとしての機械的強度に欠ける樹脂である。そこで、二軸延伸することにより機械的強度を向上させフィルムとして使用可能な物性と成り、そのままでは熱収縮性のフィルムとなり、その後熱処理することにより、寸法安定性を付与できることが特開平6−23836号公報(特許文献1)、松本他「材料」Vol.43, No.495, pp.1520−1524, Dec. 1994(非特許文献1)に記載の論文、特開平7−207041号公報(特許文献2)及び特開平7−256753号公報(特許文献3)に開示されている。しかしながら、これらの公報の実施例および論文で開示されているフィルムは、テンター法による二軸延伸フィルムであり、引張破断強度、引張破断伸びは向上してはいるが引裂強度の劣るフィルムしか得られていない。
【0005】
生分解性フィルムは、そのまま自然界で微生物の作用によって分解すると言う性質から、例えば生ゴミ用袋として有効に使用されるが、種々雑多な形状、突起のある形状の生ゴミを入れた場合でも破れ難いことが大変重要であり、且つコスト削減のためできるだけフィルム厚さは薄い方が好ましいので単位厚み当りの引裂強度の強いフィルムが求められている。また、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルム、一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムは取り扱い上、内容物の入った袋、包装物を投げたり落としたり、空気の入った状態のエアーバッグ緩衝材を衝撃力で圧縮したりすることがあるため、同時に単位厚み当りの衝撃強度も強いことが求められる。加えて、用途、使用目的によっては内容物が外から確認できる様に透明性も求められることがある。
【0006】
加えて、フィルムを袋状にして使用する場合、通常の製袋機においては熱によるシールが一般的であり、フィルムのヒートシール性は大変重要である。また、一般的な包装用フィルムにおいても包んだものを密封するためにはヒートシール性は必須である。また、エアーバッグ緩衝材の場合、シール強度が緩衝性能に直接影響するため、フィルム強度と同時にシール強度が必要になる。
特開平8−323946号公報(特許文献4)にはシール層としてポリ乳酸系フィルムの融点より10℃以上融点の低い生分解性樹脂を用いることでシール性を改良できることは開示されているが、シール性と同時に引裂強度、耐衝撃強度、透明性に優れるフィルムについては開示されていない。また、特開平10−100353号公報(特許文献5)には、ポリ乳酸系延伸フィルムにポリ乳酸系重合体とは別の生分解性脂肪族ポリエステル未延伸フィルムを積層する事で透明性とヒートシール性に優れたフィルムを提供する事が開示されているが、延伸フィルムであるため引裂強度の劣るフィルムしか得られていない。
【0007】
また、テンター法による製膜技術は、インフレーション法に比べてフィルムの厚み斑が少なく、また単位時間あたりの生産量を大きくできる点およびフィルムの厚みが厚い場合にはテンター法でないと製膜できない点でインフレーション法に比べて有利であるが、設備建設費はインフレーション法の設備に比べて数倍以上となり、また、少品種大量生産には向くが、フィルムの市場規模が比較的小さく、多品種少量生産の必要な場合、および厚みが薄くなりインフレーション法が適用できるようになるとインフレーション法が経済的に有利になってくる。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−23836号公報
【特許文献2】
特開平7−207041号公報
【特許文献3】
特開平7−256753号公報
【特許文献4】
特開平8−323946号公報
【特許文献5】
特開平10−100353号公報
【非特許文献1】
松本他「材料」Vol.43, No.495, pp.1520−1524, Dec. 1994
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適する生分解性多層フィルムであって、上記の通り種々雑多な形状、突起のある形状のゴミなどを入れても破れ難く、且つ落下などの衝撃を作用させた場合にも、エアーバッグ緩衝材として使用した場合に圧縮衝撃力を加えても破断しない引裂強度と衝撃強度の改良された生分解性多層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とが特定の割合で混合された層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層を多層フィルムの少なくとも一表面に形成させることで、特定の単位厚みあたりの引裂強度と単位厚みあたりの衝撃強度とヒートシール性を有する生分解性多層フィルムとすることで、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適する、種々雑多な形状、突起のある形状のゴミなどを入れても破れ難く、且つ落下などの衝撃を作用させた場合にも、エアーバッグ緩衝材として使用した場合に圧縮衝撃力を加えても破断しない生分解性フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
1)多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層が多層フィルムの少なくとも一表面を形成しており、JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り6mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り3mJ/μm以上であることを特徴とする生分解性多層フィルム。
【0012】
2)熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層がガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)からなることを特徴とする1)に記載の生分解性多層フィルム。
3)JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り8mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り4mJ/μm以上であり、且つ濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が20%未満であることを特徴とする1)又は2)に記載の生分解性多層フィルム。
【0013】
4)JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り10mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り5mJ/μm以上であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
5)ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層が、ポリ乳酸系樹脂(A)90〜40重量部と、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)10〜60重量部とからなるフィルムであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
【0014】
6) 濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が15%未満であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
7)インフレーション法によって製膜されたことを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
8)前記1)〜7)のいずれかに記載の生分解性多層フィルムを用いたエアーバッグ緩衝材。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、具体的に説明する。本発明の多層フィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度が10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とからなる層を有する。該ポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を50重量%以上含有する共重合体であって、ポリ乳酸単独重合体および乳酸と他のヒドロキシカルボン酸およびラクトン類からなる群より選ばれる化合物との共重合体である。乳酸単量体単位の含有量が50重量%未満の場合、フィルムの耐熱性および透明性が低下する傾向にある。好ましくはポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を80重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物であり、さらに好ましくは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を90重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物である。
【0016】
乳酸には光学異性体として、L−乳酸とD−乳酸が存在し、それらが重合してできるポリ乳酸には、D−乳酸単位が約10%以下でL−乳酸単位が約90%以上、又はL−乳酸単位が約10%以下でD−乳酸単位が約90%以上であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以上の結晶性ポリ乳酸と、D−乳酸単位が10%〜90%でL−乳酸単位が90%〜10%であるポリ乳酸で、光学純度が約80%以下の非晶性ポリ乳酸とがあることが知られている。本発明で用いるポリ乳酸系樹脂(A)は特に好ましくは、光学純度が85%以上の結晶性ポリ乳酸単独、又は光学純度が85%以上の結晶性ポリ乳酸と光学純度が80%以下の非晶性ポリ乳酸とからなる混合物である。
【0017】
乳酸との共重合成分として用いられる単量体として、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。また、脂肪族環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらにメチル基などの種々の基が置換したラクトン類が挙げられる。また、ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等、多価アルコールとしては、ビスフェノール/エチレンオキサイド付加反応物などの芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。
【0018】
ポリ乳酸系樹脂(A)の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法などの公知の方法を採用できる。また、ポリイソシアネート、ポリエポキシ化合物、酸無水物、多官能酸塩化物などの結合剤を使用して分子量を増大する方法を用いることもできる。
ポリ乳酸系樹脂(A)の重量平均分子量は10000〜1000000の範囲が好ましい。分子量が10000未満では機械的物性の劣るフィルムしか得られにくく、1000000を超えると溶融粘度が高くなり、通常の加工機械では物性の安定したフィルムが得られにくい。
【0019】
本発明で用いられるガラス転移温度が10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)とは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内で生合成されるポリ(ヒドロキシアルカン酸)などの脂肪族ポリエステル、およびこれらの生分解性ポリエステルの一部が生分解性を失わない範囲で芳香族化合物に置換された構造を持つ脂肪族芳香族ポリエステルから選ばれた少なくとも1種であり、示差走査熱量測定(JIS−K−7121)でのガラス転移温度Tgが10℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは、−20℃以下の生分解性ポリエステル1種または2種以上からなるポリマー組成物である。生分解性ポリエステル(B)のTgが10℃を超えると得られるフィルムの耐衝撃性向上の効果を発現しない場合が多い。
【0020】
脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステルとしては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸(生分解性を妨げない範囲で、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸を含んでも良い)と、エチレングリコール、1,3−プロピオングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂肪族ジオールの中からそれぞれ1種以上選んだ重縮合が例として挙げられる。環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状モノマーの中から1種以上選んだ開環重合体が例として挙げられる。合成系脂肪族ポリエステルとしては、無水コハク酸とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の環状酸無水物とオキシラン類の共重合体が例として挙げられる。また、菌体内で生合成されるポリ(ヒドロキシアルカン酸)としては、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシ吉草酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシヘキサン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシプロピオン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−4−ヒドロキシ酪酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシオクタン酸)共重合体、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−3−ヒドロキシデカン酸)共重合体等が例として挙げられる。また、脂肪族芳香族ポリエステルとしては、ポリブチレンコハク酸フタル酸共重合体、ポリエチレンコハク酸フタル酸共重合体、ポリブチレンアジピン酸フタル酸共重合体、ポリエチレンアジピン酸フタル酸共重合体、ポリエチレングルタル酸テレフタル酸共重合体、ポリブチレングルタル酸テレフタル酸共重合体、ポリブチレンコハク酸アジピン酸フタル酸共重合体などが例として挙げられる。
【0021】
本発明で用いられるガラス転移温度Tgが10℃以下の生分解性ポリエステル(B)として特に好ましく用いられるものは、上記の内で比較的透明性の良いとされる炭素数2個から10個の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2個から10個の脂肪族ジオールを主成分として重縮合した脂肪族ポリエステルであり、その具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペート、ポリブチレングルタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート等が挙げられる。
【0022】
生分解性ポリエステル(B)の重合方法としては、直接法、間接法などの公知の方法を採用できる。直接法では、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分として上記ジカルボン酸化合物その酸無水物又は誘導体を選択し、脂肪族ジオール成分として上記ジオール化合物又はその誘導体を選択して重縮合を行う方法で、重縮合に際して発生する水分を除去しながら高分子量物を得ることができる。間接法では、直接法により重縮合されたオリゴマーに少量の鎖延長剤、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を添加して高分子量化して得ることができる。生分解性ポリエステル(B)の重量平均分子量は、2万〜50万の範囲が好ましく、さらに好ましくは重量平均分子量5万〜25万の範囲である。分子量が2万より小さいとポリ乳酸系樹脂(A)とブレンドされ延伸して得られたフィルムにおいて機械的強度、衝撃強度等の実用物性の向上が十分に得られにくく、分子量が50万を越えると成形加工性に劣る場合がある。また、溶融押出時におけるポリ乳酸系樹脂(A)と生分解性ポリエステル(B)の粘度のバランスが、得られるフィルムにおけるミクロ相分離構造に影響を与えるため、ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量にあわせて生分解性ポリエステル(B)の分子量を選択する事が好ましい。
【0023】
本発明の生分解性多層フィルムにおいてポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下の(A)以外の生分解性ポリエステル(B)のフィルム中における重量割合は、好ましくは(A):(B)=90:10〜40:60の範囲である。生分解性ポリエステル(B)が10%未満であると耐衝撃性の改善効果が少なくなる傾向にあり、生分解性ポリエステル(B)の合計重量が60%を超えるとフィルムの全体の透明性が低下する傾向にある。更に好ましい重量割合は(A):(B)=85:15〜50:50で、特に好ましくは(A):(B)=75:25〜60:40の範囲である。
【0024】
本発明の生分解性多層フィルムのシール層に用いられる熱可塑性生分解性樹脂としては、熱可塑性の澱粉系ポリマー、微生物によって生産された脂肪族ポリエステル系樹脂、化学合成による脂肪族ポリエステル系樹脂、及びそれらの化学構造を一部変性したタイプの樹脂、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂、およびこれらの樹脂に可塑剤を加えた樹脂、これらの樹脂同士をブレンドした樹脂混合物などが挙げられる。好ましくは非晶性のポリ乳酸系樹脂、およびガラス転移温度Tgが10℃以下であるポリ乳酸系樹脂(A)以外の生分解性ポリエステル(B)であり、特に好ましくはガラス転移温度Tgが10℃以下であるポリ乳酸系樹脂(A)以外の生分解性ポリエステル(B)である。
【0025】
又、本発明の生分解性多層フィルムのポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層における生分解性ポリエステル(B)は、フィルムの切断面を観察した際、連続層である(A)相マトリックス中に分散して存在する(B)からなるドメインが板状又は棒状の形態でミクロ相分離して多数存在し、そしてその板状又は棒状のドメインはフィルム外表面に対してほぼ平行に存在し、且つ該板状又は棒状のドメインの1片の厚さが350nm以下であることが好ましい。更に好ましくは該板状又は棒状のドメインの1片の厚さが300nm以下でミクロ相分離構造を取るものである。ここで、板状のドメインとは平面板状のみでなく曲面状の板状のドメイン、3次元的に少しねじれた曲面板状のドメイン、およびこれらの板状ドメインが部分的に折れ曲がった形の物も含むものであり、棒状のドメインとは直線状のみでなく、曲線状の棒状ドメイン、3次元的にねじれた曲線状の棒状ドメイン及びこれらの棒状ドメインが部分的に折れ曲がった形の棒状ドメインも含むものである。
【0026】
このようなミクロ相分離構造をとることで、(A)相マトリックス中の薄い板状又は棒状の(B)相ドメインがフィルムの衝撃強度、引裂強度を効果的に向上させて且つ透明性を阻害しない厚さとなっているので、耐衝撃性と引裂強度と透明性の優れるフィルムとなると考えられる。フィルムの切断面における板状又は棒状のドメインの厚さが350nmを超えると、例えば、可視光の透過性を阻害する要因としての生分解性ポリエステル(B)の結晶サイズが可視光波長(380〜780nm)と同等もしくはそれより大きくなるなどして、透明性が低下する傾向にある。また、フィルムのMD方向および/又はTD方向の何れか一方向の切断面における板状又は棒状のドメインの長さは、好ましくは約1μm以上、より好ましくは約5μm以上である。
【0027】
本発明の生分解性多層フィルムは、JIS−K−7128(B法)で測定した引裂強度がフィルムの単位厚み当り6mN/μm以上であることが必要である。好ましくは単位厚み当りの引裂強度が8mN/μm以上100mN/μm以下であり、更に好ましくは10mN/μm以上100mN/μm以下であり、特に好ましくは15mN/μm以上100mN/μm以下である。単位厚み当りの引裂強度が6mN/μm未満では、引裂強度が250mNを超えるフィルムを得るためには40μm以上の厚さのフィルムが必要になり、透明性が悪化すると共に製品コストが増加して経済的に不利になる。また、フィルム使用時の加工機械の仕様からフィルム厚みを厚くできない場合もあり、不利になる。単位厚み当りの引裂強度が100mN/μmを超えるフィルムはポリ乳酸系樹脂では得られ難い。
【0028】
引裂強度がフィルムの単位厚み当り6mN/μm以上のフィルムを得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層を含むフィルムであることが必要であり、好ましくはインフレーション法でブローアップ比を5倍以下、且つMD方向速度比を30倍以下にすることである。更に好ましくはブローアップ比を4倍以下にし、且つMD方向速度比を20倍以下にすることであり、特に好ましくはブローアップ比を1.2倍以上3倍以下にし、且つMD方向速度比を2倍以上15倍以下にコントロールすることである。また、押出時の溶融樹脂の樹脂温度は、通常100℃〜250℃の範囲から選ばれるが、好ましくは160℃〜220℃の範囲であり、特に好ましくは180℃〜210℃の範囲である。ブローアップ比、及びMD方向速度比の求め方は後述する。
【0029】
本発明の生分解性フィルムはASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当たり3mJ/μm以上であることが必要である。使用に際して必要となる衝撃強度は用途よって異なるが、衝撃強度が単位厚み当たり3mJ/μm未満では、一般的に使用される際に必要な100mJ程度の衝撃強度を得るために必要なフィルム厚みが30μmを超えることになり、耐衝撃性は得られても透明性が劣り、またフィルムコストも高くなってしまう。また、フィルム使用時の加工機械の仕様からフィルム厚みを厚くできない場合もあり、不利になる。好ましくは、単位厚み当たりの衝撃強度が4mJ/μm以上300mJ/μm以下であり、更に好ましくは5mJ/μm以上300mJ/μm以下であり、特に好ましくは6mJ/μm以上300mJ/μm以下である。衝撃強度が単位厚み当たり300mJ/μmを超えるフィルムはポリ乳酸系樹脂では得られ難い。
【0030】
衝撃強度が単位厚み当たり3mJ/μm以上のフィルムを得るためには、フィルム中におけるガラス転移温度Tgが10℃以下の(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の重量割合を、フィルム全体の10%以上とすることが好ましく、更に好ましくは(B)の重量割合を15%以上とすることであり、特に好ましくは(B)の重量割合を25%以上とし、且つブローアップ比を1.2倍以上、MD方向速度比を2倍以上にコントロールすることである。また、ブローアップ比とMD方向速度比をコントロールする事で、前述のポリ乳酸系樹脂(A)を含む樹脂層における生分解性ポリエステル(B)の板状又は棒状のドメインの厚さをコントロールし、且つその板状又は棒状のドメインがフィルム外表面にほぼ平行に存在させることで衝撃強度を向上させるので好ましい。
【0031】
加えて、本発明の生分解性フィルムは、JIS Z−1707法に従いシール圧力0.5MPa、シール時間0.2秒の条件でヒートシールした時のシール強度が10N/15mm幅以上であることが好ましい。更に好ましくはシール強度が15N/15mm幅以上100N/15mm幅以下のフィルムであり、特に好ましくはシール強度が20N/15mm幅以上100N/15mm幅以下のフィルムである。シール強度が10N/15mm幅未満ではヒートシール強度が不足して、袋、包装フィルムとしての機能を果たせないことがある。また、エアーバッグ緩衝材の場合、シール強度が不足すると緩衝材としての機能を果たせなくなる場合がある。シール強度が100N/15mm幅を超えるフィルムは生分解性フィルムでは得られ難い。
【0032】
シール強度を向上させるには、多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層が多層フィルムの少なくとも一表面を形成している事が必要である。また、(A)と(B)との混合物からなる層における(B)の割合を多くすること、およびフィルム全体の配向度を高めないようにインフレーション法で製膜する事が好ましい。
【0033】
本発明の生分解性多層フィルムは、濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が20%未満であることが好ましい。より好ましくは曇り度(Haze)が0.1%以上15%未満であり、更に好ましくは0.1%以上10%未満であり、特に好ましくは0.1%以上5%未満である。Hazeが20%以上になると透明性が低下して、袋の内容物が見え難くなる場合があり、及び一般包装用フィルムにおいては被包装物がフィルムを通して鮮明に見えなくなり、美観を損ねて商品価値を低下させる場合がある。また、エアーバッグ緩衝材においては、フィルムの透明性が低下するとそれによって保護される物品が小さな物の場合に、緩衝材に隠れて見えず、物品を取り忘れるという問題を生じ易い。
【0034】
曇り度(Haze)が20%未満であるフィルムを得るためには、本発明の生分解性多層フィルム中においてガラス転移温度Tgが10℃以下であるポリ乳酸系樹脂(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の含まれる量が重量比率において60重量%以下の範囲内であることが好ましい。また、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層において、連続相である(A)相マトリックス中に、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)相が板状又は棒状のドメインとしてミクロ相分離して多数存在し、該板状又は棒状のドメインの厚さが350nm以下で、フィルム表面にほぼ平行に存在することが好ましく、更に好ましくは該板状又は棒状のドメインの厚さが300nm以下で存在することである。
【0035】
本発明の生分解性多層フィルムには、上記の樹脂の他に、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤、防曇剤、帯電防止剤、防錆剤などの公知の添加剤を、本発明の要件と特性を損なわない範囲で配合することが可能である。特にフィルムに柔軟性が必要となる用途の場合には、必要に応じて可塑剤などを添加してフィルムに柔軟性を付与することが好ましい。可塑剤としては、当業界で一般に用いられているものから選択使用でき、樹脂組成物に10重量%程度添加してもブリードアウトしないものが好ましい。例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、オキシ酸エステル、エポキシ系可塑剤等が含まれる。具体例としては、トリアセチン(TA)、トリブチリン(TB)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、ジオクチルセバケート(DBS)、トリエチレングリコールジアセテート、グリセリンエステル類、オレイン酸ブチル(BO)、アジピン酸エーテル・エステル、エポキシ化大豆油(ESO)、等が挙げられる。
【0036】
また、本発明のフィルムは多層フィルムである。特にフィルム本体の物性を維持しながらフィルムの表面特性のみを改良する場合には、必要最小限の厚みにコントロールした表層のみに機能を発現する添加剤を加えて、中間層はフィルム物性を維持する組成からなる多層フィルムとすることで、フィルム本体の物性の変化を最小限にしながら目的とする表面特性を付与できるので好ましい。特に好ましくは表層に有機物および、または無機物の滑り剤、帯電防止剤、防曇剤などを含む層を有する多層フィルムである。また、表層にブロッキング防止剤を含む層を持つ層構成にすることで、加工時の延伸前の樹脂及び延伸後のフィルムのブロッキング、シワを防止でき、加工性が向上するので好ましい。
【0037】
次に、本発明のフィルムの製造方法について述べる。
本発明の生分解性多層フィルムの製造方法は、Tダイキャスト法、インフレーション法など公知の方法が用いられるが、好ましい製造方法はインフレーション法であり、更に好ましくはブローアップ比が5倍未満であるインフレーション法である。インフレーション法によるフィルム形成方法とは、例えば株式会社産業調査会事典出版センターの1997年3月24日発行の「実用プラスチック成型加工事典」の第199〜202頁に記載されている様な方法である。具体的には、複数の単軸又は二軸押出機に原料樹脂を供給して溶融混合し、そのまま円筒状の多層ダイよりチューブ状に共押出された多層溶融樹脂を、封入した空気の力でバブル状に膨らませ空冷または水冷してピンチロールで挟み込んでフラットにして引き取る方法である。
【0038】
このインフレーション法のメリットは設備費が比較的安価で操作が容易であること、適用樹脂の範囲が広いこと、大量生産には向かないが、中規模の生産、多品種な生産に適すこと、成形条件をコントロールすることでフィルムの長手方向(MD方向)および横方向(TD方向)のバランスの取れたフィルムが得られること、Tダイ法に比べて耳ロスが少ないこと、チューブ状で得られるので包装用の袋には、シームレスの袋が得られ、底シールのみでよく便利であること、一端を切り開いて広幅のフィルムにもでき、また両端を切って2枚のフィルムにすることもできること、空気の吹き込み量の調整でフィルム幅を広範囲に変えられることなどである。
【0039】
インフレーション法で本発明の生分解性多層フィルムを得るためには、ポリ乳酸系樹脂(A)と、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)との混合物からなる層と熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層の樹脂組成、樹脂温度、樹脂押出量と注入する空気量、ダイ出のフィルム冷却速度およびピンチロールでできたフィルムを巻き取る速度をコントロールするなどして、MD方向速度比およびブローアップ比をコントロールし、フィルムの長手方向(MD方向)の配向の程度と幅方向(TD方向)の配向の程度を調整し、JIS−K7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度、およびASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度を特定の範囲内にすることが必要である。
【0040】
本発明において、MD方向速度比、ブローアップ比は、
MD方向速度比=(バブル形成し冷却後のフィルムをピンチロールで巻き取る速度)÷(押出量とダイリップ開口部面積から計算で求めたダイ出口で溶融樹脂の流れ出るMD方向の速度)
ブローアップ比=(最終的に得られたチューブ状フィルムを切り開きフラット状にした時のフィルムの全幅)÷(外側ダイリップ周長と内側ダイリップ周長との平均値)
から求めた。好ましい製膜条件としては、ブローアップ比が5倍以下であり、且つMD方向速度比が30倍以下であり、更に好ましくは、MD方向速度比が20倍以下であり且つブローアップ比が4倍以下であり、特に好ましくはMD方向速度比が2倍以上15倍以下であり且つブローアップ比が1.2倍以上3倍以下である。
製膜後の最終的なフィルム厚みは、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは7〜50μmである。
【0041】
本発明の生分解性多層フィルムは、シュリンク包装用フィルムとして用いる場合には製膜後に、熱処理を行わない方が好ましい。特にMD方向へ収縮させて包装するような場合には、MD方向の収縮率が高い方が好ましく、好ましくは140℃で1分加熱された場合にMD方向に10%以上収縮するフィルムであり、更に好ましくは20%以上収縮するフィルムである。また、非収縮フィルムとして使用する場合には、使用したポリ乳酸系樹脂(A)のガラス転移温度Tg以上で融点Tm以下の温度範囲内でフィルムを熱処理することで寸法安定性を向上させることが好ましい。その方法としては、インフレーション法で製膜されたフィルムであれば、製膜後に内部に気体を密封して圧力を保持してフィルムを緊張状態にして外部より熱風等で加熱、熱処理する方法、または一旦フラットフィルムに切り出した後にクリップで両端を把持した状態で熱処理ゾーンを通過させる方法、または熱ロールに接触させて熱処理する方法が挙げられる。Tダイキャスト法であれば、そのまま、クリップで両端を把持した状態で熱処理ゾーンを通過させる方法、または熱ロールに接触させて熱処理する方法などがある。好ましい熱処理条件としては、フィルムのガラス転移温度Tg以上で融点Tm以下の温度範囲で、1秒以上熱処理する方法であり、特に好ましくはTg+5℃以上、融点以下の温度範囲で2秒以上熱処理する方法である。熱収縮率を下げる目的で、TD方向、及び/又はMD方向に張力を緩和させて熱処理することも熱収縮率を低下させるのに有効である。
【0042】
本発明の生分解性多層フィルムは、用途によっては帯電防止剤、滑り剤およびブロッキング防止剤などのコーティングを行って使用されることが好ましい。この場合、ポリ乳酸系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルムに比べて親水性であるが、帯電防止剤、滑り剤およびブロッキング防止剤などを、本発明の生分解性多層フィルム表面に均一に塗布するためには、塗布面となるフィルム表面をコロナ処理によりさらに親水化処理することが好ましい。この親水化処理によって、塗膜の均一性が向上し、帯電防止性や滑り性が効率的に発揮される。その際の表面張力としては、400μN/cm〜600μN/cmの範囲が好ましい。
本発明の生分解性多層フィルムは、生分解性を有するフィルムで、引裂強度と耐衝撃性に優れ、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適するフィルムである。
【0043】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に具体的に説明する。
実施例および比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
(1)ポリ乳酸重合体のD、L乳酸組成、光学純度
ポリ乳酸重合体の光学純度は、前述の通りポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される。
光学純度(%)=|[L]−[D]|、但し、[L]+[D]=100
(|[L]−[D]|は[L]−[D]の絶対値を表す。)
ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率は、試料を1N−NaOHでアルカリ分解後に1N−HClで中和して蒸留水で濃度調整した加水分解試料(液)について、光学異性体分離カラムを装着した島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC:LC−10A−VP)にて、紫外線UV254nmでのL−乳酸とD−乳酸の検出ピーク面積比(垂線法による面積測定)から、ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸の重量比率[L](単位%)、ポリ乳酸重合体を構成するD−乳酸の重量比率[D](単位%)を求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
【0044】
(2)ポリ乳酸重合体の重量平均分子量Mw
東ソー製のゲルパーミエイションクロマトグラフィー装置(GPC:データ処理部GPC−8020、検出器RI−8020)を用いて、以下の測定条件で、標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算して重量平均分子量Mwを求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
カラム:昭和電工製、商品名Shodex K−805とK−801の連結カラム[7.8mm経60cm長]
溶離液:クロロホルム
試料溶液濃度:0.2wt/vol%
試料溶液注入量:200μl
溶媒流速:1ml/分
カラム・検出器温度:40℃
【0045】
(3)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
JIS−K−7121及びJIS−K−7122に準拠して、示差走査熱量計(DSC)で−100℃から200℃まで昇温して、Tg、Tmを測定した。すなわち、標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したサンプルから約10mgを切り出した後、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(熱流速型DSC)、DSC−7型を用いて、窒素ガス流量25ml/分、10℃/分で−100℃から200℃まで昇温し、描かれるDSC曲線の昇温時の融解(吸熱)ピーク頂点から融点Tm(℃)、昇温時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移温度)をTg(単位℃)として測定し、1製品当り4点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
【0046】
(4)MD方向速度比、ブローアップ比
MD方向速度比、ブローアップ比は、以下の式で求めた。
MD方向速度比=(バブル形成し冷却後のフィルムをピンチロールで巻き取る速度)÷(押出量とダイリップ開口部面積から計算で求めたダイ出口で溶融樹脂の流れ出るMD方向の速度)
ブローアップ比=(最終的に得られたチューブ状フィルムを切り開きフラット状にした時のフィルムの全幅)÷(外側ダイリップ周長と内側ダイリップ周長との平均値)
(5)フィルムの全層厚み、各層厚み(μm)
フィルムの全層厚みは、JIS−K−7130に従い、マイクロメータを用いて測定、各層厚みは顕微鏡で多層フィルムの断面を観察して測定した。
【0047】
(6)衝撃強度(mJ)、衝撃強度/全層厚み(mJ/μm)
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したポリ乳酸系樹脂フィルムから試験片として25μm厚み225mm250mm角の四角形状フィルムを1種フィルム当り30枚切り出した後、ASTM−D1709−91(A法)に準拠して、東洋精機製のダート衝撃試験装置を用いて、50%破壊エネルギー(Dart強度:単位mJ)を標準状態下で測定した。また、衝撃強度/全層厚みは、求めた衝撃強度の値を(5)で求めた全層厚みで割って求めた。その結果から次のように評価した。
優 :衝撃強度/全層厚みの値が5mJ/μm以上のフィルム
良 :衝撃強度/全層厚みの値が4mJ/μm以上のフィルム
可 :衝撃強度/全層厚みの値が3mJ/μm以上のフィルム
不可:衝撃強度/全層厚みの値が3mJ/μm未満のフィルム
(7)引張破断強度(MPa)、引張破断伸び(%)、引張弾性率(MPa)フィルムの引張破断強度、引張破断伸び及び引張弾性率はASTM−D882に従って測定した。
【0048】
(8)引裂強度(mN)、引裂強度/全層厚み(mN/μm)
フィルムのMD方向、TD方向の引裂強度(mN)は、JIS−K7128(B法)に従って測定した。また、引裂強度/全層厚みは、求めた引裂強度の値を(5)で求めた全層厚みで割って求めた。その結果から次のように評価した。
優 :MD方向、TD方向両方共に引裂強度/全層厚みの値が10mN/μm以上であるフィルム
良 :MD方向、TD方向両方共に引裂強度/全層厚みの値が8mN/μm以上であるフィルム
可 :MD方向、TD方向両方共に引裂強度/全層厚みの値が6mN/μm以上であるフィルム
不可:MD方向、TD方向の少なくとも一方の引裂強度/全層厚みの値が6mN/μm未満であるフィルム
【0049】
(9)曇り度(Haze、%)
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したフィルムサンプルから試験片として25m厚み50mm角の正方形状フィルムに切り出した後、ASTM D1003−95に準拠して、日本電色工業製の濁度計(ヘーズメーター)、NDH−1001DP型を用いて、曇り度(Haze:単位%)を標準状態下で測定し、1種フィルム当たり6点の算術平均値(有効数字2桁)をもって測定値とした。
【0050】
(10)ヒートシール強度(N/15mm)
ヒートシール強度はJIS Z1707に従い、シール圧力を0.5MPa、シール時間を0.2秒として、80℃からフィルムが溶断するまでの温度範囲で10℃ごとにシール強度を測定し、その最大値をそのフィルムのシール強度とした。シールバーは1/2インチ(約12.7ミリ)幅の物を用いた。また、シール強度はMD方向(フィルム長手方向)とTD方向(フィルム幅方向)の両方の値を測定した。シール強度測定においてシール強度がフィルムの強度以上で、フィルムの破断が先に起こる場合には、シール強度はフィルム破断時の強度以上と言う表現をつけた。また、フィルムの表と裏で樹脂組成の異なるフィルムに関しては、シール層とシール層をヒートシールした場合のシール強度をそのフィルムのシール強度とした。その結果から次のように評価した。
優 :シール強度が20N/15mm以上のフィルム
良 :シール強度が15N/15mm以上のフィルム
可 :シール強度が10N/15mm以上のフィルム
不可:シール強度が10N/15mm未満のフィルム
【0051】
(11)140℃でのMD方向の熱収縮率(%)
140℃、1分間加熱時のMD方向の熱収縮率はASTM D−2732に準拠して測定した。
(12)耐引裂性テスト(ノッチ無し)
MD方向に平行に300ミリ角のフィルム片を切り出し、フィルム片の中央部を手で引き裂いた。その結果から次のように評価した。
◎ :引き裂く際に大きな抵抗があり、手では引き裂き難い。
○ :引き裂く際に少し抵抗があり、容易には引き裂けない。
× :容易に手で引き裂けた。
【0052】
(13)エアーバッグ緩衝材の耐破裂性テスト
幅150ミリに切り出したフィルムを縦方向(MD方向)にシール層同士を合掌貼りにヒートシールし、できたチューブに空気を入れながら縦の長さが130ミリのピロ−タイプの空気袋になる様に上下もヒートシールした。ヒートシール条件は(11)で最高のシール強度を記録した温度で、シール圧力を0.5MPa、シール時間を0.2秒とした。こうしてできた空気袋を縦120ミリ、幅50ミリ(面積60cm)の長方形の加圧盤で挟んで上から10mm/分の速度で加圧盤を押して荷重をかけて、破裂時の荷重を測定した。その結果を以下の様に評価した。
優 :荷重160Kg以上(破袋圧力26N/cm以上)で破袋したフィルム
良 :荷重120Kg以上(破袋圧力20N/cm以上)で破袋したフィルム
可 :荷重80Kg以上(破袋圧力13N/cm以上)で破袋したフィルム
不可:荷重80Kg未満(破袋圧力13N/cm未満)で破袋したフィルム
【0053】
(14)総合評価
引裂強度、衝撃強度、シール強度及び耐破裂性テストの評価結果から以下の基準で総合評価した。
優 :引裂強度、衝撃強度、シール強度及び耐破裂性テストの全ての評価が優であるフィルム。
良 :引裂強度、衝撃強度、シール強度及び耐破裂性テストの内の1つ以上の評価が良で、残りは全て優であるフィルム。
可 :引裂強度、衝撃強度、シール強度及び耐破裂性テストの内の1つ以上の評価が可で、残りは全て良か優であるフィルム。
不可:引裂強度、衝撃強度、シール強度及び耐破裂性テストの内の1つ以上の評価が不可であるフィルム。
【0054】
以下の実施例および比較例に用いたポリ乳酸系樹脂は、特表平4−504731号公報の実施例1B〜7Bに記載された方法に従って触媒量、重合条件、モノマー組成などをコントロールして重合し得られた、表1に示した重量平均分子量、光学純度、Tg、Tmを持つ結晶性ポリ乳酸(A1)、(A2)及び非晶性ポリ乳酸(A3)である。また、ガラス転移温度Tgが10℃以下であるポリ乳酸系樹脂以外の生分解性ポリエステル(B1)、(B2)、(B3)、(B4)として昭和高分子社製、商品名、ビオノーレ#3001、ビオノーレ#3020、ビオノーレ#3010MB、BASF社の商品名、エコフレックス、可塑剤(C)として日精化学工業社のATBC(アセチルクエン酸トリブチル)を用いた。ただし、本発明における樹脂の組成がこれに限定されるものではない。
【0055】
【実施例1〜9及び比較例1〜2】
実施例1〜9及び比較例1〜2においては、表1の結晶性ポリ乳酸(A1)、(A2)、非晶性ポリ乳酸(A3)、及び生分解性ポリマー(B1)、(B2)、(B3)、(B4)を表2の組成にドライブレンドした後、同方向2軸押出機を用いて溶融ブレンドし、ペレタイズして各組成毎のペレットを得た。ただし、表2の組成で可塑剤(C)を含む系では、二軸押出機において可塑剤(C)を添加、混合してペレットを得た。こうして得た表2の組成のペレットを用いて、表3及び表4の層構成になる様に単層ダイまたは多層ダイを用いて溶融樹脂を押出した。押出時の樹脂温度は、表2の#1組成、#2組成は210℃、#6組成は180℃、これら以外の組成は200℃であった。また、押出時には、外側ダイリップ直径を110ミリ、内側ダイリップ直径を108〜108.2ミリから選択し、リップクリアランス0.9〜1.0から選択して円筒ダイより押出し、チューブ状に押出された溶融樹脂に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながらチューブ内へエアーを注入してバブルを形成し、得られたフィルムをピンチロールへ導きチューブ状のフィルムをフラット状2枚のフィルムとして巻き取りロールで巻き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおけるフィルム巻き取り速度を微調整した後にピンチロールで巻き取り、最終厚みが30μmのフィルムを得た。また、多層フィルムにおいては、各押出機の押出量をコントロールして各層の厚みを調整した。
実施例1〜9及び比較例1〜2で得られたフィルムの物性評価結果を表3、表4に示した。
【0056】
【比較例3】
比較例3においては、結晶性ポリ乳酸(A1)を単軸押出機で210℃でTダイより押出し、キャスティングロールで急冷し、150μmの未延伸シートを作成した。この未延伸シートを、続いてMD方向(長手方向)に75℃で3倍ロール延伸し、続いてTD方向(幅方向)にテンターで75℃で3.5倍延伸し、引き続き130℃で5秒、熱処理を行い15μmの二軸延伸ポリ乳酸フィルムを得た。また、上記で得た表2の#6組成のペレットを単軸押出機を用いて180℃でTダイより押出し、45℃のキャスティングロールで急冷して15μmの未延伸フィルムを得た。こうして得られた2種のフィルムを、両方とも片面コロナ処理した後にポリウレタン系の溶剤型接着剤をおよそ1μmとなる様に二軸延伸ポリ乳酸フィルムのコロナ処理面に均一に塗布し、残りの1枚のフィルムのコロナ処理面を接着面にしてローラーで圧着し、続いて乾燥炉内で数秒間乾燥し、更に40℃で3日間エージングした。こうして得られたドライラミフィルムの物性を表4に示した。
【0057】
【比較例4】
比較例4においては、3層ダイを用いて中心層(コア層)に表1のポリ乳酸(A1)をフィルム全体の80重量%となる様に単軸押出機で押出し、両外層(スキン層)には上記の通り得られた表2の#6組成のペレットを単軸押出機で溶融押出し、各層10重量%になる様に共押出した。押出は溶融樹脂温度を200℃にしてTダイより押出し、45℃のキャスティングロールで急冷し、68ミクロンの未延伸フィルムを作成し、続いてMD方向(長手方向)に70℃で1.5倍ロール延伸し、続いてTD方向(幅方向)にテンターで75℃で1.5倍延伸して30μmの3層共押出フィルムを得た。こうして得られたフィルムの物性を表4に示した。
【0058】
表3、4より、本実施例で得られたヒートシール性生分解性多層フィルムは、JIS−K7128(B法)で測定したフィルムの単位厚み当りの引裂強度が6mN/μm以上で、ASTM D1709−91(A法)で測定した単位厚み当りの衝撃強度が3mJ/μm以上のフィルムであり、シール強度が10N/15mm幅以上であり、生分解性を有し引裂強度、耐衝撃性、ヒートシール性と透明性に優れ、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適する生分解性多層フィルムであることが分かる。
【0059】
【表1】
Figure 2005028615
【0060】
【表2】
Figure 2005028615
【0061】
【表3】
Figure 2005028615
【0062】
【表4】
Figure 2005028615
【0063】
【発明の効果】
本発明の生分解性多層フィルムは、多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層が多層フィルムの少なくとも一表面を形成しており、生分解性を有し引裂強度、耐衝撃性、ヒートシール性と透明性に優れ、ゴミ袋、一般袋用フィルム、エアーバッグ緩衝材用フィルムおよび一般包装用フィルム、シュリンク包装用フィルムとして適する生分解性フィルムである。

Claims (8)

  1. 多層フィルムであって、ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層と、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層より構成され、該熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層が多層フィルムの少なくとも一表面を形成しており、JIS−K−7128(B法)で測定した多層フィルムの引裂強度が単位厚み当り6mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り3mJ/μm以上であることを特徴とする生分解性多層フィルム。
  2. 熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層がガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)からなることを特徴とする請求項1に記載の生分解性多層フィルム。
  3. JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り8mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り4mJ/μm以上であり、且つ濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が20%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性多層フィルム。
  4. JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が単位厚み当り10mN/μm以上であり、ASTM−D1709−91(A法)で測定した衝撃強度が単位厚み当り5mJ/μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
  5. ポリ乳酸系樹脂(A)とガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)の混合物からなる層が、ポリ乳酸系樹脂(A)90〜40重量部と、ガラス転移温度Tgが10℃以下である(A)以外の生分解性ポリエステル(B)10〜60重量部とからなるフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
  6. 濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が15%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
  7. インフレーション法によって製膜されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性多層フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性多層フィルムを用いたエアーバッグ緩衝材。
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