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JP2005024214A - フッ素化合物ガスの分離精製装置 - Google Patents

フッ素化合物ガスの分離精製装置 Download PDF

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JP2005024214A JP2003270292A JP2003270292A JP2005024214A JP 2005024214 A JP2005024214 A JP 2005024214A JP 2003270292 A JP2003270292 A JP 2003270292A JP 2003270292 A JP2003270292 A JP 2003270292A JP 2005024214 A JP2005024214 A JP 2005024214A
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Abstract

【課題】安定した高い回収率で運転できてコストパフォーマンスが高いフッ素化合物ガスの分離精製装置を提供する。
【解決手段】沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスのうち、比較的高沸点の高沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第1精留塔1と、上記第1精留塔1の塔頂部から導出された頂部気体から残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔3a,3bと、上記吸着塔3a,3bから導出された気体から、上記高沸点フッ素化合物ガスよりも低沸点の低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第2精留塔2とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、パーフルオロカーボン等のフッ素化合物ガスの分離精製装置に関するものである。
半導体製造工業においては、ドライエッチング装置のエッチングガスやCVD装置のチャンバークリーニングガス等として、CF、C、SF等のパーフルオロカーボンが使用されている。これらのパーフルオロカーボンは非常に安定な化合物であり地球温暖化に対する影響が大きいため、大気に放出した場合の環境への悪影響が懸念されている。従って、半導体製造工程から排出される排ガスに含まれるこれらのパーフルオロカーボンは、回収するかあるいは分解して大気に放出することが好ましい。
ところが、パーフルオロカーボンは、加熱燃焼やプラズマ処理等によって分解させると、HFやSO等の有害物質を生じるため、大気放出するためにはそれを除害する必要があり、低コストでの除害も困難である。また、半導体製造工程等において実際に消費されるパーフルオロカーボンは、全体の30〜50%程度であることから、残りのパーフルオロカーボンを多量に含む排ガスを分解処理したのでは、まだ使用できるガスを分解してしまうのであり、エネルギー効率および資源効率が極めて悪い。そこで、このようなパーフルオロカーボンを多量に含む排ガスを分解処理するのではなく、効率的に回収する方法の開発に対する期待が高くなっている。
ここで、上記のようなパーフルオロカーボンを回収する方法について、出願人が把握している先行技術文献として、下記のものがある。
特開平3−135410号 特開平8−240382号
上記特許文献1に記載された方法は、2つの吸着塔を並列させて配置し、圧力スイング方式によりフッ素化合物ガスを吸着して回収するものである。このような吸着塔による吸着回収は、ガス状のフッ素化合物を吸着剤に吸着し、吸着能力が低下してきたらガス状で放出されたフッ素化合物ガスを回収する。このように、吸着剤による吸着でフッ素化合物を回収するため、吸着剤の吸着能力の低下が比較的はやく、比較的短期間ごとのメンテナンスが必要で、メンテナンスコストがかかるという問題がある。また、吸着ガスを脱着させた脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しやすく、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要が生じている。さらに、フッ素化合物をガス状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とする。このため、回収ガスを液状にして貯蔵すべく、多くの場合は冷凍機を別途併設する必要が生じている。このように、吸着方式による回収方法は、設備に要するコスト効率がよくないという問題が生じている。
一方、上記特許文献2に記載された方法は、沸点の異なる複数のガスが混じった混合ガスを複数の精留塔を直列配置することにより分離回収するものである。このように、精留塔による深冷分離による回収では、沸点の差を利用し、冷却によって液化した液体と残留気体とを分離することによりフッ素化合物を分離回収することが行なわれる。このため、深冷分離の際に十分液化しなかった微量のガスが残留気体に不純物として混入することがあり、比較的回収効率が悪いという問題がある。複数の精留塔を直列配置して沸点の異なる複数のガスを深冷分離する場合、精留塔による回収効率が悪いと、次の精留塔に高沸点のフッ素化合物ガスが混入して固化し、トラブルの原因となるおそれがある。また、分離回収処理しようとする排ガスの供給量に大きな変動があると、精留塔の運転条件にも変動をきたし、回収効率の低下を起こすことがあり、安定的な回収効率の実現という点にも課題が残されていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高いフッ素化合物ガスの分離精製装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、フッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する精留塔と、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留した上記フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔とを備えたことを要旨とする。
また、本発明の第2のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスのうち、比較的高沸点の高沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第1精留塔と、上記第1精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔と、上記吸着塔から導出された気体から、上記高沸点フッ素化合物ガスよりも低沸点の低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第2精留塔とを備えたことを要旨とする。
また、本発明の第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記複数種類のフッ素ガス化合物のうちいずれか所定のフッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する精留塔と、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から残留した上記所定のフッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔とを含んで分離精製手段が構成され、上記分離精製手段が上記複数種類のフッ素化合物ガスのそれぞれに対応して複数組設けられていることを要旨とする。
すなわち、本発明の第1のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、まず、フッ素化合物ガスを精留塔で深冷分離により塔底部の液体として分離し、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離する。このように、深冷分離で残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべて各段に回収効率が向上する。特に、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
また、本発明の第2のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、まず、フッ素化合物ガスを第1精留塔および第2精留塔で深冷分離により塔底部の液体として分離し、上記第1精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離する。このように、深冷分離で残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべて高沸点フッ素化合物ガスの回収効率が格段に向上する。特に、高沸点フッ素化合物ガスの深冷分離は、低沸点フッ素化合物ガスに比べて分離精度が低くなるため、吸着塔による残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、高沸点フッ素化合物ガスが完全に分離除去されたガスが第2精留塔に導入され、ここで低沸点化合物ガスの深冷分離が行なわれるため、第2精留塔の塔底部の液体として分離される低沸点フッ素化合物ガスに高沸点フッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される低沸点フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。また、吸着塔によって残留した高沸点フッ素化合物ガスを完全に除去するため、第2精留塔や配管内に高沸点フッ素ガスが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
上記第1および第2のフッ素化合物ガスの分離精製装置において、上記吸着塔に吸着された高沸点フッ素化合物ガスを脱着した脱着ガスを上記第1精留塔に対して供給するようになっている場合には、脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しても、吸着分離された高沸点フッ素化合物ガスが改めて第1精留塔に供給されて深冷分離されるため、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要がなくなる。また、フッ素化合物ガスが第1精留塔の塔底部から必ず液状で回収されるため、製品ガスの回収ラインを重複して設ける必要がなく、回収ガス貯蔵用の大容量タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
上記第1および第2のフッ素化合物ガスの分離精製装置において、上記排ガスがフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを含み、上記第2精留塔に対して寒冷源として液化したフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを供給するようになっている場合には、装置の系内にフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスとフッ素化合物ガス以外のガスが侵入しないため、系内雰囲気の維持管理がしやすくなる。また、この場合において、上記フッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスが窒素ガスである場合には、液化窒素が第2精留塔の寒冷源となり、十分な低温で低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離でき、十分な回収効率を確保できる。
また、本発明の第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、まず、フッ素化合物ガスを精留塔で深冷分離により塔底部の液体として分離し、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離する。このように、深冷分離で残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべてフッ素化合物ガスの回収効率が格段に向上する。特に、高沸点フッ素化合物ガスの深冷分離は、低沸点フッ素化合物ガスに比べて分離精度が低くなるため、吸着塔による残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、高沸点フッ素化合物ガスが完全に分離除去されたガスが次の精留塔に導入され、ここで低沸点化合物ガスの深冷分離が行なわれるため、次の精留塔の塔底部の液体として分離される低沸点フッ素化合物ガスに高沸点フッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される低沸点フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。また、吸着塔によって残留した高沸点フッ素化合物ガスを完全に除去するため、次の精留塔や配管内に高沸点フッ素ガスが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
上記第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置において、上記分離精製手段は、比較的高沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものから順に、低沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものが直列状に配されている場合には、高沸点のフッ素化合物ガスから順次低沸点のフッ素化合物ガスを効率よく分離回収することができる。また、各精留塔での深冷分離において、1つ前の精留塔で深冷分離されずに残留したフッ素化合物ガスが吸着塔で吸着分離されるため、1つ前の高沸点側のフッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される各フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。
上記第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置において、上記吸着塔に吸着されたフッ素化合物ガスを脱着した脱着ガスを、直前の精留塔に対して供給するようになっている場合には、脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しても、吸着分離された高沸点フッ素化合物ガスが改めて直前の精留塔に供給されて深冷分離されるため、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要がなくなる。また、フッ素化合物ガスが必ず直前の精留塔の塔底部から液状で回収されるため、製品ガスの回収ラインを重複して設ける必要がなく、回収ガス貯蔵用の大容量タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
上記第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置において、上記排ガスがフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを含み、上記各分離精製手段の精留塔のうち、最も低沸点のフッ素化合物ガスを深冷分離する精留塔に対して寒冷源として液化したフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを供給するようになっている場合には、装置の系内にフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスとフッ素化合物ガス以外のガスが侵入しないため、系内雰囲気の維持管理がしやすくなる。また、この場合において、上記フッ素化合物ガス利用設備に使用されるが窒素ガスである場合には、液化窒素が最も低沸点のフッ素化合物ガスを深冷分離する精留塔の寒冷源となり、十分な低温で低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離でき、十分な回収効率を確保できる。
つぎに、本発明のフッ素化合物ガスの分離精製装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例のフッ素化合物ガスの分離精製装置を示す図である。
この装置は、比較的高沸点のフッ素化合物ガスであるSF(沸点:−30〜40℃)と、比較的低沸点のフッ素化合物ガスであるCF(沸点:−150〜160℃)およびNを含む混合ガスを供給ガスとし、この混合ガスからSFおよびCFを分離精製するものである。
この装置は、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスのうち、比較的高沸点のSFを深冷分離により塔底部の液体として分離する第1精留塔1と、上記第1精留塔1の塔頂部から導出された頂部気体から残留したSFを吸着分離する吸着塔3a,3bと、上記吸着塔3a,3bから導出されたガスから、上記SFよりも低沸点のCFを深冷分離により塔底部の液体として分離する第2精留塔2とを備えている。
図において、4は緩衝タンクであり、供給ガスが導入されて一時的に保留され、半導体製造装置等から排出される供給ガスの圧力変動を緩衝する。5は圧縮機であり、上記緩衝タンク4から導出された供給ガスを所定の圧力まで昇圧させる。6は冷却器であり、圧縮機5で昇圧されて昇温された供給ガスを常温付近まで水冷する。
7a,7bは前処理塔であり、常温付近まで冷却された供給ガスから、後の深冷分離で固化する成分であるHOおよびCOを吸着除去する。この前処理塔7a,7bには、吸着剤として、例えば、COの吸着能力に優れた合成ゼオライト等を用いることができるが、これに限定するものではない。
上記前処理塔7a,7bは、この例では2塔一組で構成され、一方が常温の供給ガスが流通されて水分等の吸着を行なっている間、他方は高温の脱着ガスが流通されて吸着された水分等の脱着が行なわれるサーマルスイング式の吸着塔である。図において、9は供給ガスを各前処理塔7a,7bに流通させる供給ガス路であり、10a,10bは脱着ガスを各前処理塔7a,7bに流通させる脱着ガス路である。上記供給ガス路9および脱着ガス路10a,10bには、2塔の前処理塔7a,7bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路10aは、前処理塔7a,7bに脱着ガスを導入するものであり、第2精留塔2の塔頂に接続された塔頂ガス排出路13が接続され、第2精留塔2の塔頂から導出された窒素ガスを再生ヒータ11で加熱して脱着ガスとして導入する。上記塔頂ガス排出路13には、再生ヒータ11をバイパスするバイパス路14が設けられており、脱着後の塔内の冷却の際には、バイパス路14を介して加熱しない窒素ガスを導入するようになっている。また、脱着ガス路10bは、上記脱着ガス路10aから導入されて塔内を流通した脱着ガスを放出する放出路12が接続されている。
8は第1熱交換器であり、上記前処理塔7a,7bでHOおよびCOが吸着除去された供給ガスを第1精留塔1に導入する際に冷却する。この第1熱交換器8により、供給ガスはSFの沸点である−30〜40℃近傍まで冷却される。
上記第1精留塔1は、塔頂付近に設けられた凝縮器15と、塔中腹部の精留部16と、塔底部のヒータ17とを備えて構成されている。上記凝縮器15は、冷凍機ユニット18の寒冷源により、塔頂部の供給ガスをSFの沸点以下である−30〜40℃まで冷却し、供給ガス中高沸点のSFを液化する。上記精留部16は、上記凝縮器15で液化された液状のSFが塔内を流下する際に供給ガスと気液接触してガス状のSFを液化させて深冷分離し、流下させる。上記ヒータ17は、塔内を流下して塔底部に混入しようとする低沸点成分を加熱して気化させ、塔底部の高沸点成分の純度を向上する。
上記第1精留塔1の底部には、深冷分離されて塔底部に溜まった液状のSFを製品SFとして回収する回収路19が接続されている。一方、上記第1精留塔1の頂部には、SFが深冷分離されて残った供給ガスが導出される導出路20が接続されている。上記導出路20は、第1熱交換器8を経由して、ここで第1精留塔1に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。また、上記導出路20の下流端は、吸着塔3a,3bに接続されている。
上記吸着塔3a,3bは、第1精留塔1の塔頂部から導出された供給ガスから、第1精留塔1による深冷分離で完全に分離されずに残存したSFを吸着除去する。この吸着塔3a,3bには、吸着剤として、例えば、SFの吸着能力に優れたモレキュラーシーブや活性炭等の吸着剤を好適に用いることができるが、これに限定するものではなく、各種の吸着剤を用いることが可能である。
上記吸着塔3a,3bは、この例では2塔一組で構成され、一方が高圧の供給ガスが流通されて吸着を行なっている間、他方は真空ポンプ21で常圧から減圧状態に維持されて吸着物質の脱着が行なわれる圧力スイング式の吸着塔である。図において、22は供給ガスを各吸着塔3a,3bに流通させる供給ガス路であり、23は真空ポンプ21に接続されて脱着ガスを排出する脱着ガス路である。上記供給ガス路22および脱着ガス路23には、2塔の吸着塔3a,3bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路23には、真空ポンプ21が設けられた回収路24が接続されている。上記回収路24の下流端は緩衝タンク4に接続され、上記吸着塔3a,3bに吸着されたSFが脱着された脱着ガスを上記第1精留塔1に対して再び供給するようになっている。
このようにすることにより、脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しても、吸着分離されたSFが改めて第1精留塔1に供給されて深冷分離されるため、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要がなくなる。また、SFが、必ず第1精留塔1の塔底部から液状で回収されるため、製品ガスの回収ラインを重複して設ける必要がなく、回収ガス貯蔵用の大容量タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
上記回収路24には、真空ポンプ21をバイパスするバイパス路25が設けられている。
26は第2熱交換器であり、上記吸着塔3a,3bでSFが吸着除去された供給ガスを第2精留塔2に導入する際に冷却する。この第2熱交換器26により、供給ガスはCFの沸点である−150〜160℃近傍まで冷却される。
上記第2精留塔2は、塔頂付近に設けられた凝縮器27と、塔中腹部の精留部28と、塔底部のヒータ29とを備えて構成されている。上記凝縮器27は、液化したキャリアガスである液体窒素の供給路30が接続され、上記液体窒素の寒冷源により、塔頂部の供給ガスをCFの沸点以下である−150〜160℃まで冷却し、供給ガス中低沸点のCFを液化する。上記精留部28は、上記凝縮器27で液化された液状のCFが塔内を流下する際に供給ガスと気液接触してガス状のCFを液化させて深冷分離し、流下させる。上記ヒータ29は、塔内を流下して塔底部に混入しようとする低沸点成分を加熱して気化させ、塔底部の高沸点成分の純度を向上する。
上記第2精留塔2の底部には、深冷分離されて塔底部に溜まった液状のCFを製品CFとして回収する回収路71が接続されている。一方、上記第2精留塔2の頂部には、CFが深冷分離されて残ったキャリアガスである窒素ガスが気化された窒素ガスとが導出される塔頂ガス排出路13が接続されている。
上記塔頂ガス排出路13は、第2熱交換器26を経由して、ここで第2精留塔2に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。一方、上記凝縮器27に導入された液体窒素は凝縮により冷熱を奪われて気化し、排出路70から排出される。この排出路70は、第2熱交換器26を経由して、ここで第2精留塔2に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。また、上記排出路70の下流端は、第2精留塔2の塔頂部からキャリアガスが排出される塔頂ガス排出路13に接続され、これらの窒素ガスがここで合流する。また、上記塔頂ガス排出路13の下流端は、上述したように、前処理塔7a,7bの脱着ガス路10aに接続されている。
このように、上記第2精留塔2に対して寒冷源として液化したキャリアガスである液体窒素を供給するようになっているため、装置の系内にキャリアガスとフッ素化合物ガス以外のガスが侵入しないため、系内雰囲気の維持管理がしやすくなる。そして、第2精留塔2の塔頂ガスであるキャリアガスも、凝縮器27に寒冷源として供給された液化窒素も、前処理塔7a,7bの脱着ガスとして利用でき、ガスの利用効率に優れる。この窒素ガスは、もともと水分や二酸化炭素等を含まないため、前処理なしで脱着ガスとして用いることができ、設備的なメリットが大きい。また、液化窒素を第2精留塔2の寒冷源とすることにより、十分な低温でCFを深冷分離でき、十分な回収効率を確保できる。
以上のように、上記フッ素化合物ガスの分離精製装置によれば、深冷分離で残留したSFを吸着塔3a,3bで吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべてSFの回収効率が格段に向上する。特に、SFの深冷分離は、より低沸点のCF等に比べて分離精度が低くなるため、吸着塔3a,3bによる残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、SFが完全に分離除去されたガスが第2精留塔2に導入され、ここでCFの深冷分離が行なわれるため、第2精留塔2の塔底部の液体として分離されるCFに高沸点のSFが混入することがほとんどなくなり、回収されるCFの純度が大幅に向上する。
また、吸着塔3a,3bによって残留したSFを完全に除去するため、第2精留塔2や配管内にSFが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって第1および第2精留塔1,2の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、SFおよびCFを深冷分離によりいずれも塔底部の液体として分離して液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔3a,3bは、深冷分離による残留SFを吸着するため、従来の吸着塔3a,3bだけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。
このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
図2は、本発明の第2の実施例のフッ素化合物ガスの分離精製装置を示す図である。
この装置は、沸点が異なる3種類のフッ素化合物ガスおよびキャリアガスを含む混合ガスを供給ガスとし、この混合ガスから各フッ素化合物ガスを分離精製するものである。
この例の供給ガスは、上記フッ素化合物ガスとして、最も高沸点のSF(沸点:−30〜40℃)、次に沸点の高いC(沸点:−80〜90℃)、最も低沸点のCF(沸点:−150〜160℃)を含み、キャリアガスとしてNが含まれている。
上記分離精製装置は、上記3種類のフッ素ガス化合物のうちいずれか所定のフッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する精留塔(図示の符号34,35,36)と、上記精留塔の塔頂部からそれぞれ導出された頂部気体から残留した上記所定のフッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔(図示の符号37a,37b,38a,38b,39a,39b)とを含んで分離精製手段が構成されている(図示の符号31,32,33)。そして、上記分離精製手段が、上記3種類のフッ素化合物ガスのそれぞれに対応して3組設けられている。
上記第1分離精製手段31は第1精留塔34と第1吸着塔37a,37bを含んで構成され、第2分離精製手段32は第2精留塔35と第2吸着塔38a,38bを含んで構成され、第3分離精製手段33は第3精留塔36と第3吸着塔39a,39bを含んで構成されている。上記第1〜第3分離精製手段31,32,33は、比較的高沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものから順に、低沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものが直列状に配されている。
上記第1分離精製手段31でSFを分離精製し、第2分離精製手段32でC分離精製し、第3分離精製手段33でCF分離精製するよう配置され、この順で分離精製処理が行なわれるようになっている。
このようにすることにより、高沸点のフッ素化合物ガスから順次低沸点のフッ素化合物ガスを効率よく分離回収することができる。また、各分離精製手段31,32,33での深冷分離において、1つ前の精留塔で深冷分離されずに残留したフッ素化合物ガスは吸着塔で吸着分離されるため、1つ前の高沸点側のフッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される各フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。
図において、40aは緩衝タンクであり、供給ガスが導入されて一時的に保留され、半導体製造装置等から排出される供給ガスの圧力変動を緩衝する。5は圧縮機であり、上記緩衝タンク40aから導出された供給ガスを所定の圧力まで昇圧させる。6は冷却器であり、圧縮機5で昇圧されて昇温された供給ガスを常温付近まで水冷する。
7a,7bは前処理塔であり、常温付近まで冷却された供給ガスから、後の深冷分離で固化する成分であるHOおよびCOを吸着除去する。この前処理塔7a,7bには、吸着剤として、例えば、COの吸着能力に優れた合成ゼオライト等を用いることができるが、これに限定するものではない。
上記前処理塔7a,7bは、この例では2塔一組で構成され、一方が常温の供給ガスが流通されて水分等の吸着を行なっている間、他方は高温の脱着ガスが流通されて吸着された水分等の脱着が行なわれるサーマルスイング式の吸着塔である。図において、9は供給ガスを各前処理塔7a,7bに流通させる供給ガス路であり、10a,10bは脱着ガスを各前処理塔7a,7bに流通させる脱着ガス路である。上記供給ガス路9および脱着ガス路10a,10bには、2塔の前処理塔7a,7bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路10aは、前処理塔7a,7bに脱着ガスを導入するものであり、第3吸着塔39a,39bの塔頂に接続された処理ガス排出路69が接続され、導出された窒素ガスを再生ヒータ11で加熱して脱着ガスとして導入する。上記処理ガス排出路69には、再生ヒータ11をバイパスするバイパス路14が設けられており、脱着後の塔内の冷却の際には、バイパス路14を介して加熱しない窒素ガスを導入するようになっている。また、脱着ガス路10bは、上記脱着ガス路10aから導入されて塔内を流通した脱着ガスを放出する放出路12が接続されている。
40bは緩衝タンクであり、上記前処理塔7a,7bでHOおよびCOが吸着除去された供給ガスを第1精留塔34に導入する前に一時的に保留し、第1精留塔34に導入される供給ガスの圧力変動を緩衝する。
このように、第1精留塔34に導入される供給ガスを前処理する前処理塔7a,7bを備え、上記前処理塔7a,7bに導入する前に緩衝タンク40aを設けるとともに、前処理塔7a,7bから導出された供給ガスを第1精留塔34に導入する前に緩衝タンク40bを設けている。前処理塔7a,7bに導入する供給ガスを緩衝タンク40aで緩衝することから、前処理塔7a,7bに導入される供給ガスの圧力が均一化し、吸着能力が安定する。また、前処理塔7a,7bから導出されて第1精留塔34に導入される供給ガスを緩衝タンク40bで緩衝することから、第1精留塔34に導入される供給ガスの圧力が安定し、第1精留塔34による深冷分離が安定して行なわれる。特に、サーマルスイング方式の弁操作により前処理塔7a,7bから導出されるガス圧が変動しやすいことから効果的である。さらに、このように緩衝タンク40a,40bを複数分散して配置することにより、それぞれの緩衝タンク40a,40bで圧力を維持できることから、圧縮機5の動力を節減し、ランニングコストや設備コストを抑えることが可能となる。
8は第1熱交換器であり、上記前処理塔7a,7bでHOおよびCOが吸着除去された供給ガスを第1精留塔34に導入する際に冷却する。この第1熱交換器8により、供給ガスはSFの沸点である−30〜40℃近傍まで冷却される。
上記第1精留塔34は、塔頂付近に設けられた凝縮器41と、塔中腹部の精留部42と、塔底部のヒータ43とを備えて構成されている。上記凝縮器41は、冷凍機ユニット18の寒冷源により、塔頂部の供給ガスをSFの沸点以下である−30〜40℃まで冷却し、供給ガス中高沸点のSFを液化する。上記精留部42は、上記凝縮器41で液化された液状のSFが塔内を流下する際に供給ガスと気液接触してガス状のSFを液化させて深冷分離し、流下させる。上記ヒータ43は、塔内を流下して塔底部に混入しようとする低沸点成分を加熱して気化させ、塔底部の高沸点成分の純度を向上する。
上記第1精留塔34の底部には、深冷分離されて塔底部に溜まった液状のSFを製品SFとして回収する回収路19が接続されている。一方、上記第1精留塔34の頂部には、SFが深冷分離されて残った供給ガスが導出される導出路20が接続されている。上記導出路20は、第1熱交換器8を経由して、ここで第1精留塔34に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。また、上記導出路20の下流端は、緩衝タンク44aを経由して第1吸着塔37a,37bに接続されている。
ここで、第1吸着塔37a,37bに導入する供給ガスを緩衝タンク44aで緩衝することから、第1吸着塔37a,37bに導入される供給ガスの圧力が均一化し、吸着能力が安定する。
上記第1吸着塔37a,37bは、第1精留塔34の塔頂部から導出された供給ガスから、第1精留塔34による深冷分離で完全に分離されずに残存したSFを吸着除去する。この第1吸着塔37a,37bには、吸着剤として、例えば、SFの吸着能力に優れたモレキュラーシーブや活性炭等の吸着剤を好適に用いることができるが、これに限定するものではなく、各種の吸着剤を用いることが可能である。
上記第1吸着塔37a,37bは、この例では2塔一組で構成され、一方が高圧の供給ガスが流通されて吸着を行なっている間、他方は真空ポンプ21で常圧から減圧状態に維持されて吸着物質の脱着が行なわれる圧力スイング式の吸着塔である。図において、22は供給ガスを各第1吸着塔37a,37bに流通させる供給ガス路であり、23は真空ポンプ21に接続されて脱着ガスを排出する脱着ガス路である。上記供給ガス路22および脱着ガス路23には、2塔の吸着塔37a,37bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路23には、真空ポンプ21が設けられた回収路24が接続されている。上記回収路24の下流端は緩衝タンク40aに接続され、上記第1吸着塔37a,37bに吸着されたSFを脱着した脱着ガスを、前処理塔7a,7bの前に配置された緩衝タンク40aに導入して第1精留塔34に再び供給するようになっている。また、上記回収路24には分岐路45が設けられており、この分岐路45の下流端が、圧縮機46を経由して前処理塔7a,7bの後すなわち第1精留塔34の前に配置された緩衝タンク40bに導入して第1精留塔34に再び供給するようになっている(図示のA−Aが繋がっている)。
このようにすることにより、脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しても、吸着分離されたSFが改めて第1精留塔34に供給されて深冷分離されるため、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要がなくなる。また、SFが、必ず第1精留塔34の塔底部から液状で回収されるため、製品ガスの回収ラインを重複して設ける必要がなく、回収ガス貯蔵用の大容量タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
また、第1吸着塔37a,37bの脱着ガスを、上記複数の緩衝タンク40a,40bに分散して戻すことから、第1精留塔34に導入される供給ガスの圧力変動をより緩慢にして第1精留塔34のより安定的な運転のために効果的である。さらに、第1吸着塔37a,37bから導出されて第2精留塔35に導入される供給ガスを緩衝タンク44bで緩衝することから、第2精留塔35に導入される供給ガスの圧力が安定し、第2精留塔35による深冷分離が安定して行なわれる。特に、スイング方式の弁操作により第1吸着塔37a,37bから導出されるガス圧が変動しやすいことから効果的である。さらに、このように緩衝タンク44a,44bを複数分散して配置することにより、それぞれの緩衝タンク44a,44bで圧力を維持できることから、圧縮機5等の動力を節減し、ランニングコストや設備コストを抑えることが可能となる。
上記回収路24には、真空ポンプ21をバイパスするバイパス路25が設けられている。
26は第2熱交換器であり、上記第1吸着塔37a,37bでSFが吸着除去された供給ガスを第2精留塔35に導入する際に冷却する。この第2熱交換器26により、供給ガスはCの沸点である−80〜90℃近傍まで冷却される。
上記第2精留塔35は、塔頂付近に設けられた凝縮器47と、塔中腹部の精留部48と、塔底部のヒータ49とを備えて構成されている。上記凝縮器47は、冷凍機ユニット50の寒冷源により、塔頂部の供給ガスをCの沸点以下である−80〜90℃まで冷却し、供給ガス中2番目に低沸点のCを液化する。上記精留部48は、上記凝縮器47で液化された液状のCが塔内を流下する際に供給ガスと気液接触してガス状のCを液化させて深冷分離し、流下させる。上記ヒータ49は、塔内を流下して塔底部に溜まった液状のCを加熱し、過冷却による固化等を防止する。
上記第2精留塔35の底部には、深冷分離されて塔底部に溜まった液状のCを製品Cとして回収する回収路51が接続されている。一方、上記第2精留塔35の頂部には、Cが深冷分離された塔頂ガスが導出される塔頂ガス排出路52が接続されている。
上記塔頂ガス排出路52は、第2熱交換器26を経由して、ここで第2精留塔35に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。この塔頂ガス排出路52の下流端は、緩衝タンク53aを経由して第2吸着塔38a,38bに接続されている。
ここで、第2吸着塔38a,38bに導入する供給ガスを緩衝タンク53aで緩衝することから、第2吸着塔38a,38bに導入される供給ガスの圧力が均一化し、吸着能力が安定する。
上記第2吸着塔38a,38bは、第2精留塔35の塔頂部から導出された供給ガスから、第2精留塔35による深冷分離で完全に分離されずに残存したCを吸着除去する。この第2吸着塔38a,38bには、吸着剤として、例えば、Cの吸着能力に優れたモレキュラーシーブや活性炭等の吸着剤を好適に用いることができるが、これに限定するものではなく、各種の吸着剤を用いることが可能である。
上記第2吸着塔38a,38bは、この例では2塔一組で構成され、一方が高圧の供給ガスが流通されて吸着を行なっている間、他方は真空ポンプ21で常圧から減圧状態に維持されて吸着物質の脱着が行なわれる圧力スイング式の吸着塔である。図において、54は供給ガスを各第2吸着塔38a,38bに流通させる供給ガス路であり、55は真空ポンプ21に接続されて脱着ガスを排出する脱着ガス路である。上記供給ガス路54および脱着ガス路55には、2塔の吸着塔38a,38bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路55には、真空ポンプ21が設けられた回収路56が接続されている。上記回収路56の下流端は、圧縮機57を経由して緩衝タンク44aに接続され、上記第2吸着塔38a,38bに吸着されたCを脱着した脱着ガスを、第1吸着塔37a,37bの前に配置された緩衝タンク44aに導入して第2精留塔35に再び供給するようになっている。また、上記回収路56には分岐路58が設けられており、この分岐路58の下流端が第1吸着塔37a,37bの後すなわち第2精留塔35の前に配置された緩衝タンク44bに導入して第2精留塔35に再び供給するようになっている(図示のB−Bが繋がっている)。
このようにすることにより、脱着ガスにキャリアガス等の不純ガスが混入しても、吸着分離されたCが改めて第2精留塔35に供給されて深冷分離されるため、脱着ガスの精製装置を別途併設する必要がなくなる。また、Cが、必ず第2精留塔35の塔底部から液状で回収されるため、製品ガスの回収ラインを重複して設ける必要がなく、回収ガス貯蔵用の大容量タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
また、第2吸着塔38a,38bの脱着ガスを、上記複数の緩衝タンク44a,44bに分散して戻すことから、第2精留塔35に導入される供給ガスの圧力変動をより緩慢にして第2精留塔35のより安定的な運転のために効果的である。さらに、第2吸着塔38a,38bから導出されて第3精留塔36に導入される供給ガスを緩衝タンク53bで緩衝することから、第3精留塔36に導入される供給ガスの圧力が安定し、第3精留塔36による深冷分離が安定して行なわれる。特に、スイング方式の弁操作により第2吸着塔38a,38bから導出されるガス圧が変動しやすいことから効果的である。さらに、このように緩衝タンク53a,53bを複数分散して配置することにより、それぞれの緩衝タンク53a,53bで圧力を維持できることから、圧縮機5の動力を節減し、ランニングコストや設備コストを抑えることが可能となる。
上記回収路56には、真空ポンプ21をバイパスするバイパス路25が設けられている。
59は第3熱交換器であり、上記第2吸着塔38a,38bでCが吸着除去された供給ガスを第3精留塔36に導入する際に冷却する。この第3熱交換器59により、供給ガスはCFの沸点である−150〜160℃近傍まで冷却される。
上記第3精留塔36は、塔頂付近に設けられた凝縮器60と、塔中腹部の精留部61と、塔底部のヒータ62とを備えて構成されている。上記凝縮器60は、液化したキャリアガスである液体窒素の供給路30が接続され、上記液体窒素の寒冷源により、塔頂部の供給ガスをCFの沸点以下である−150〜160℃まで冷却し、供給ガス中最も低沸点のCFを液化する。上記精留部61は、上記凝縮器60で液化された液状のCFが塔内を流下する際に供給ガスと気液接触してガス状のCFを液化させて深冷分離し、流下させる。上記ヒータ62は、塔内を流下して塔底部に混入しようとする低沸点成分を加熱して気化させ、塔底部の高沸点成分の純度を向上する。
上記第3精留塔36の底部には、深冷分離されて塔底部に溜まった液状のCFを製品CFとして回収する回収路71が接続されている。一方、上記第3精留塔36の頂部には、CFが深冷分離されて残ったキャリアガスである窒素ガスが気化された窒素ガスが導出される塔頂ガス排出路63が接続されている。
上記塔頂ガス排出路63は、第3熱交換器59を経由して、ここで第3精留塔36に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。上記塔頂ガス排出路63の下流端は、第3吸着塔39a,39bに接続されている。
この第3吸着塔39a,39bは、第3精留塔36の塔頂部から導出された供給ガスから、第3精留塔36による深冷分離で完全に分離されずに残存したCFを吸着除去する。この第3吸着塔39a,39bには、吸着剤として、例えば、CFの吸着能力に優れたモレキュラーシーブや活性炭等の吸着剤を好適に用いることができるが、これに限定するものではなく、各種の吸着剤を用いることが可能である。
上記第3吸着塔39a,39bは、この例では2塔一組で構成され、一方が高圧の供給ガスが流通されて吸着を行なっている間、他方は真空ポンプ21で常圧から減圧状態に維持されて吸着物質の脱着が行なわれる圧力スイング式の吸着塔である。図において、64は供給ガスを各第2吸着塔38a,38bに流通させる供給ガス路であり、65は真空ポンプ21に接続されて脱着ガスを排出する脱着ガス路である。上記供給ガス路64および脱着ガス路65には、2塔の吸着塔39a,39bで交互に吸着と脱着を行うように開閉制御される弁(図示せず)が設けられている。
脱着ガス路65には、真空ポンプ21が設けられた回収路67が接続されている。上記回収路67の下流端は、圧縮機66を経由して緩衝タンク53aに接続され、上記第3吸着塔39a,39bに吸着されたCFを脱着した脱着ガスを、第2吸着塔38a,38bの前に配置された緩衝タンク53aに導入して第3精留塔36に再び供給するようになっている。また、上記回収路67には分岐路68が設けられており、この分岐路68の下流端が第2吸着塔38a,38bの後すなわち第3精留塔36の前に配置された緩衝タンク53bに導入して第3精留塔36に再び供給するようになっている(図示のC−Cが繋がっている)。
一方、上記第3吸着塔39a,39bでCFが吸着されて残ったキャリアガスである窒素ガスは、処理ガス排出路69により排出される。一方、上記凝縮器60に導入された液体窒素は凝縮により冷熱を奪われて気化し、排出路70から排出される。この排出路70は、第3熱交換器59を経由して、ここで第3精留塔36に導入される供給ガスと熱交換が行なわれる。また、上記排出路70の下流端は、第3吸着塔39a,39bからキャリアガスが排出される処理ガス排出路69に接続され、これらの窒素ガスがここで合流する。また、上記処理ガス排出路69の下流端は、上述したように、ヒータ11を経由して前処理塔7a,7bに接続されている。
このように、上記第3精留塔36に対して寒冷源として液化したキャリアガスである液体窒素を供給するようになっているため、装置の系内にキャリアガスとフッ素化合物ガス以外のガスが侵入しないため、系内雰囲気の維持管理がしやすくなる。そして、第3精留塔36の塔頂ガスであるキャリアガスも、凝縮器60に寒冷源として供給された液化窒素も、前処理塔7a,7bの脱着ガスとして利用でき、ガスの利用効率に優れる。この窒素ガスは、もともと水分や二酸化炭素等を含まないため、前処理なしで脱着ガスとして用いることができ、設備的なメリットが大きい。また、液化窒素を第3精留塔36の寒冷源とすることにより、十分な低温でCFを深冷分離でき、十分な回収効率を確保できる。
以上のように、上記フッ素化合物ガスの分離精製装置によれば、深冷分離で残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべてフッ素化合物ガスの回収効率が格段に向上する。特に、高沸点のフッ素化合物ガスの深冷分離は、低沸点フッ素化合物ガスに比べて分離精度が低くなるため、吸着塔による残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、高沸点フッ素化合物ガスが完全に分離除去されたガスが次の精留塔に導入され、ここで低沸点化合物ガスの深冷分離が行なわれるため、次の精留塔の塔底部の液体として分離される低沸点のフッ素化合物ガスに高沸点のフッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される比較的低沸点側のフッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。
また、各分離精製手段31,32,33において、吸着塔によって残留した高沸点フッ素化合物ガスを完全に除去するため、次の精留塔や配管内に高沸点フッ素ガスが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。
また、各吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
なお、図1に示した第1の実施の形態において、CFを深冷分離する第2精留塔2の下流側に、第2精留塔2において完全に分離除去できずにわずか残存したCFを吸着分離する第2吸着塔を設けるようにしてもよい。このようにすることにより、「2種類含まれるフッ素化合物ガスのうちいずれかを深冷分離する精留塔と、その精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から残留した上記フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔とを含んで構成される分離精製手段が、上記2種類のフッ素化合物ガスのそれぞれに対応して2組設けられた」構成となる。
また、図2に示した第2の実施の形態において、第1精留塔34と第1吸着塔37a,37bと第2精留塔35の関係および、第2精留塔35と第2吸着塔38a,38bと第3精留塔36の関係は、それぞれ、本発明の「比較的高沸点の高沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第1精留塔と、上記第1精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔と、上記吸着塔から導出された気体から、上記高沸点フッ素化合物ガスよりも低沸点の低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第2精留塔」という関係を充足する。
また、上記各実施の形態において、前処理塔,各吸着塔は、例示したものに限定するものではなく、サーマルスイング方式、圧力スイング方式等、運転方式を限定するものではなく、いずれの前処理塔,吸着塔において、どの運転方式を採用してもよい。
また、上記図1に示した第1の実施の形態はSFとCFの2種類のフッ素化合物ガスを精製分離するものを例示し、図2の第2の実施の形態では、SF、C、CFの3種類のフッ素化合物ガスを精製分離するものを例示したが、これらに限定するものではなく、相互に沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを分離精製するものであれば、各種のガスの組合せを適用することができ、ガスの種類も2種類や3種類に限定するものではなく、4種類以上を分離精製する装置とすることもできる。
また、上記各実施の形態のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、例えば、液晶製造装置や有機EL製造装置等を含む半導体製造装置をはじめとするフッ素化合物ガス利用設備からの排ガスを処理するのに好適に用いられる。
この場合、上記キャリアガスに相当するのは、(1)半導体製造工程に使用するガスである真空ポンプパージ用もしくは排ガス希釈用の窒素ガス、(2)フッ素化合物ガスの分解副生成ガス(COF,CF,SF等)、(3)フッ素化合物ガスのエッチングもしくはクリーニング作用により発生したガス(SiF等)、(4)その他のエッチングガス(Cl,BCl,HBr等)である。
上記フッ素化合物ガスの分離精製装置により、上記半導体製造装置排ガスを一旦別のPFC回収装置で処理し、濃縮PFC含有排ガスとしてから処理することもできる。また上記排ガスを直接処理することも可能である。直接処理する場合、上記キャリアガスは殆どが上記(1)の窒素ガスであるが、(2)(3)(4)のような腐食性のガスを除去する吸着塔等の前処理装置が必要となる。
以上のように、本発明の第1のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、深冷分離で残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべて各段に回収効率が向上する。特に、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
また、本発明の第2のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、深冷分離で残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべて高沸点フッ素化合物ガスの回収効率が格段に向上する。特に、高沸点フッ素化合物ガスの深冷分離は、低沸点フッ素化合物ガスに比べて分離精度が低くなるため、吸着塔による残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、高沸点フッ素化合物ガスが完全に分離除去されたガスが第2精留塔に導入され、ここで低沸点化合物ガスの深冷分離が行なわれるため、第2精留塔の塔底部の液体として分離される低沸点フッ素化合物ガスに高沸点フッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される低沸点フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。また、吸着塔によって残留した高沸点フッ素化合物ガスを完全に除去するため、第2精留塔や配管内に高沸点フッ素ガスが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
また、本発明の第3のフッ素化合物ガスの分離精製装置は、深冷分離で残留したフッ素化合物ガスを吸着塔で吸着分離するため、深冷分離だけによる回収にくらべてフッ素化合物ガスの回収効率が格段に向上する。特に、高沸点フッ素化合物ガスの深冷分離は、低沸点フッ素化合物ガスに比べて分離精度が低くなるため、吸着塔による残留分の吸着分離により、回収効率が飛躍的に高くなる。そして、高沸点フッ素化合物ガスが完全に分離除去されたガスが次の精留塔に導入され、ここで低沸点化合物ガスの深冷分離が行なわれるため、次の精留塔の塔底部の液体として分離される低沸点フッ素化合物ガスに高沸点フッ素化合物ガスが混入することがほとんどなくなり、回収される低沸点フッ素化合物ガスの純度が大幅に向上する。また、吸着塔によって残留した高沸点フッ素化合物ガスを完全に除去するため、次の精留塔や配管内に高沸点フッ素ガスが混入して固化することによるトラブルの発生を防止できる。しかも、分離回収処理しようとする供給ガスの供給量に大きな変動があって精留塔の運転条件に変動をきたしても、安定的な回収効率が実現される。さらに、フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離し、フッ素化合物ガスを液状で回収するため、回収されたガスを貯蔵するために大容量の貯蔵タンクを必要とせず、冷凍機を併設する必要もない。また、吸着塔は、深冷分離による残留フッ素化合物ガスを吸着するため、従来の吸着塔だけによる回収に比べ、脱着周期が大幅に延長するとともに吸着剤の寿命も延長でき、メンテナンスコストを大幅に節減することができる。このように、上記分離精製装置は、吸着分離による回収方法の欠点と深冷分離による回収方法の欠点とを補完し、安定した高い回収率で運転でき、しかも設備効率もよくメンテナンス周期も長くできてコストパフォーマンスが高くなる。
本発明のフッ素化合物ガスの分離精製装置の一実施の形態を示す構成図である。 本発明のフッ素化合物ガスの分離精製装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
符号の説明
1 第1精留塔
2 第2精留塔
3a 吸着塔
3b 吸着塔
4 緩衝タンク
5 圧縮機
6 冷却器
7a 前処理塔
7b 前処理塔
8 第1熱交換器
9 供給ガス路
10a 脱着ガス路
10b 脱着ガス路
11 再生ヒータ
12 放出路
13 塔頂ガス排出路
14 バイパス路
15 凝縮器
16 精留部
17 ヒータ
18 冷凍機ユニット
19 回収路
20 導出路
21 真空ポンプ
22 供給ガス路
23 脱着ガス路
24 回収路
25 バイパス路
26 第2熱交換器
27 凝縮器
28 精留部
29 ヒータ
30 供給路
31 第1分離精製手段
32 第2分離精製手段
33 第3分離精製手段
34 第1精留塔
35 第2精留塔
36 第3精留塔
37a 第1吸着塔
37b 第1吸着塔
38a 第2吸着塔
38b 第2吸着塔
39a 第3吸着塔
39b 第3吸着塔
40a 緩衝タンク
40b 緩衝タンク
41 凝縮器
42 精留部
43 ヒータ
44a 緩衝タンク
44b 緩衝タンク
45 分岐路
46 圧縮機
47 凝縮器
48 精留部
49 ヒータ
50 冷凍機ユニット
51 回収路
52 塔頂ガス排出路
53a 緩衝タンク
53b 緩衝タンク
54 供給ガス路
55 脱着ガス路
56 回収路
57 圧縮機
58 分岐路
59 第3熱交換器
60 凝縮器
61 精留部
62 ヒータ
63 塔頂ガス排出路
64 供給ガス路
65 脱着ガス路
66 圧縮機
67 回収路
68 分岐路
69 処理ガス排出路
70 排出路
71 回収路

Claims (8)

  1. フッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する精留塔と、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留した上記フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔とを備えたことを特徴とするフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  2. 沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記供給ガスに含まれるフッ素化合物ガスのうち、比較的高沸点の高沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第1精留塔と、上記第1精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から、残留した高沸点フッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔と、上記吸着塔から導出された気体から、上記高沸点フッ素化合物ガスよりも低沸点の低沸点フッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する第2精留塔とを備えたことを特徴とするフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  3. 上記吸着塔に吸着された高沸点フッ素化合物ガスを脱着した脱着ガスを上記第1精留塔に対して供給するようになっている請求項2記載のフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  4. 上記排ガスがフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを含み、上記第2精留塔に対して寒冷源として液化したフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを供給するようになっている請求項2または3記載の分離精製装置。
  5. 沸点が異なる複数種類のフッ素化合物ガスを含む供給ガスからフッ素化合物ガスを分離精製する装置であって、上記複数種類のフッ素ガス化合物のうちいずれか所定のフッ素化合物ガスを深冷分離により塔底部の液体として分離する精留塔と、上記精留塔の塔頂部から導出された頂部気体から残留した上記所定のフッ素化合物ガスを吸着分離する吸着塔とを含んで分離精製手段が構成され、上記分離精製手段が上記複数種類のフッ素化合物ガスのそれぞれに対応して複数組設けられていることを特徴とするフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  6. 上記分離精製手段は、比較的高沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものから順に、低沸点のフッ素化合物ガスを分離精製するものが直列状に配されている請求項5記載のフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  7. 上記吸着塔に吸着されたフッ素化合物ガスを脱着した脱着ガスを、その直前の精留塔に対して供給するようになっている請求項5または6記載のフッ素化合物ガスの分離精製装置。
  8. 上記排ガスがフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを含み、上記各分離精製手段の精留塔のうち、最も低沸点のフッ素化合物ガスを深冷分離する精留塔に対して寒冷源として液化したフッ素化合物ガス利用設備に使用されるガスを供給するようになっている請求項5〜7のいずれか一項に記載の分離精製装置。
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