JP2005019066A - 導光体、照明装置、およびカラー画像表示体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導光体によれば、入射光Aを予め定めた波長帯域に応じて複数の成分光に分光する分光素子14と、複数の波長帯域の成分光に対応してそれぞれ設けられ、対応する波長帯域の成分光を偏向させる複数の偏向素子16と、各偏向素子16に対応してそれぞれ設けられ、対応する偏向素子16によって偏向された成分光をその内部に導光させる複数の導光素子18とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面的に光を導光させ、平面照明光源用として好適な導光体、その導光体から照明光を射出するようにした照明装置、およびこの照明光によって照明されてなる画像表示体に係り、特に空間的に適切に色を分布させ、カラー画像を表示することに適用される導光体、照明装置、および画像表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】
照明装置を備えるディスプレイのうち、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)の普及が顕著であり、表示光を生成するための光源(バックライトやエッジライト)からの照明光を、表示画面に導く導光体を備えるタイプのものの普及も著しい。液晶ディスプレイによってフルカラー表示する場合、カラーフィルターと併用する構成が一般的である。このとき、LCDパネルの背面光源用光学部材としての導光体は、典型的には1〜数mmの厚さの透明樹脂で形成されている。
【0003】
このような液晶ディスプレイを照明する照明装置には、様々なタイプのものがある。1つは、表示画面の背面(観察者と反対側)から、直接表示画面を照明するバックライト方式の照明装置である。また、表示画面の外(側面など)に配置された光源からの照明光を、表示画面の背面に配置された導光体を経由させた上で表示画面を照明するエッジライト方式の照明装置もある。
【0004】
液晶ディスプレイの照明装置としては、エッジライト方式の照明装置が多く用いられている。また、導光体としては、例えば本明細書の出願人が提案しているように、図21に示すように、基板60上に配置されポリマー等の透光性材料からなる導光路62と、基板60の側面端部に設けられた冷陰極管等からなる光源64と、導光路62を保護するために導光路62を基板60と一体化して固定するポリマー等からなるクラッド材66とによって構成された導光体68が用いられている。導光路62の表面には、複数の光射出口70が設けられており、光源64から発せられ導光路62によって導かれた光は、この光射出口70から射出されることによって、導光体68の上方に備えられる図示していない表示画面を照明するようにしている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−155431号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の導光体では、以下のような問題がある。
【0007】
すなわち、従来の導光体では、入射光を効率良く取り入れることも、光源からの光を波長帯域毎に効率良く分配しそれぞれ独立に取り扱うことも容易ではない。特に波長帯域の選択のためにカラーフィルターを利用した場合、白色の入射光に対する光の利用効率が極めて低い。このため、カラー画像が複数色からなるパターン表示などに際して明るい表示を実現することが困難であるという問題がある。
【0008】
したがって、入射光を導光体に取り入れる効率を低下させないためにも、導光体の厚みを薄くすることができず、このような導光体を用いた製品である照明装置やカラー画像表示体もまた、導光体の厚みがネックとなって薄膜化や軽量化が制限され、製造上および流通上のコストを押し上げる要因となっているという問題がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、光源からの光を波長帯域毎に効率良く分配し、それぞれ独立に取り扱えるようにすることによって、空間的に適切に色を分布させた導光体において、光の利用効率の向上を図ることが可能な導光体を提供することにある。
【0010】
また、その第2の目的は、このような導光体を用いることによって、光の利用効率が高く、薄膜化や軽量化を図ることが可能な照明装置およびカラー画像表示体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0012】
すなわち、請求項1の発明の導光体は、上記第1の目的を達成するために、入射光を予め定めた波長帯域に応じて複数の成分光に分光する分光素子と、複数の波長帯域の成分光に対応してそれぞれ設けられ、対応する波長帯域の成分光を偏向させる複数の偏向素子と、各偏向素子に対応してそれぞれ設けられ、対応する偏向素子によって偏向された成分光をその内部に導光させる複数の導光素子とを備えている。
【0013】
従って、請求項1の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、入射光が分光素子に入射し、分光素子により分光された複数の成分光が各導光素子を導光する際に、各成分光が偏向素子によって波長帯域に応じた導光素子へと分配される。
【0014】
このようにして、各導光素子内に、それぞれ予め定めた波長帯域の成分光を導光させることが可能となり、損失が極めて少ない状態で入射光を導光素子に分配することが可能となる。
【0015】
また、偏向素子により偏向された各成分光を、導光素子内において臨界角度以上にすることも容易であり、異なる波長帯域の成分光同士の混合を防ぎつつ、高い光の利用効率を実現することができる。
【0016】
更に、このように極めてシンプルな構成により導光体を安価でかつ簡便に実現でき、軽く薄い導光体を構成することが可能となる。
【0017】
請求項2の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1の発明の導光体において、偏向素子が偏向させる成分光の波長帯域に応じて、この偏向素子の大きさ、およびこの偏向素子と分光素子との相対位置を決定する。
【0018】
従って、請求項2の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、極めて簡便に、かつ正確に波長帯域を選択できる。また、要求される波長帯域が複雑な分布の場合でも、偏向素子の空間的分布や形状などにより、局所的な偏向効率、すなわち成分光に変換する割合を適宜設計することができる。
【0019】
請求項3の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1または請求項2の発明の導光体において、分光素子として、入射光をその波長帯域に応じて赤成分光、緑成分光、および青成分光の各成分光に分光し、複数の偏向素子は、赤成分光を偏向させる赤成分光偏向素子と、緑成分光を偏向させる緑成分光偏向素子と、青成分光を偏向させる青成分光偏向素子とからなる組を少なくとも1つ備えている。
【0020】
従って、請求項3の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、カラーフィルターを使わずに、従来のカラーフィルター用照明装置に適用されている導光体と同様の作用を実現できると共に、極めて高い光利用効率を実現することができる。
【0021】
請求項4の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の導光体において、各導光素子の周囲に、導光素子よりも屈折率の小さい物質を備えている。
【0022】
従って、請求項4の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、屈折率の差による全反射を利用して、極めて損失の少ない導光条件を簡便に実現することができる。特にこの物質を空気とする場合、一般的な樹脂(屈折率1.5前後)を導光素子の材料としても、大きな屈折率差を実現できるため全反射条件が緩くなり、効率の良い導光が容易に行えると共に、非常に安価に製造することができる。
【0023】
請求項5の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至4のうち何れか1項の発明の導光体において、少なくとも分光素子および各偏向素子のうちの何れかを回折素子としている。
【0024】
従って、請求項5の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、極めて薄い構成で実現することができる。特に薄い回折素子の持つ本質的な波長分散は、分光素子として最適である。また、回折素子では、偏向方向の制御、集光位置の制御なども容易であり、各導光素子における精度の高い波長帯域を選択することができる。特に、表面レリーフ型の回折素子は導光素子表面に形成することも可能であり、インジェクション成形やエンボス成形などの方法で安価に量産できる。表面レリーフ型回折素子の中でもブレーズド回折格子の構造を有する回折素子は光の利用効率が極めて高く、最も適している。
【0025】
請求項6の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至4のうち何れか1項の発明の導光体において、少なくとも分光素子および各偏向素子のうちの何れかを、屈折素子または反射素子としている。
【0026】
従って、請求項6の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、簡便な構造で容易に構成することができると共に、光の利用効率を高くすることができる。分光素子として屈折素子を用いる場合には、分散が大きい材料が適している。偏向素子として屈折素子を用いる場合は、プリズムなどを導光素子の表面に形成してもよく、極めて簡便に作成できる。
【0027】
請求項7の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至6のうち何れか1項の発明の導光体において、各偏向素子は、偏向させた成分光を、対応する導光素子に向けて集光するレンズ機能を有している。
【0028】
従って、請求項7の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、集光もしくは発散する成分光を平行光に変換して導光させることができる。これにより、より多くの光を導光することができ、光の利用効率の向上を図ることができる。
【0029】
請求項8の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至7のうち何れか1項の発明の導光体において、分光素子は、分光した各成分光を、対応する偏向素子に向けてそれぞれ集光するレンズ機能を有している。
【0030】
従って、請求項8の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、光源の大きさや光源からの発散による偏向素子付近での光の拡がりを小さくすることができ、波長帯域を正確に選択することが可能となる。
【0031】
請求項9の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至7のうち何れか1項の発明の導光体において、分光素子は、分光した各成分光を、対応する偏向素子に向けてそれぞれ集光するレンズ機能を有し、分光素子による各成分光の集光位置近傍に各偏向素子をそれぞれ配置している。
【0032】
従って、請求項9の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、極めて高精度で波長帯域を選択することが可能となる。また、導光素子への結合効率も極めて高くすることができ、光の利用効率の向上を容易に実現することができる。
【0033】
請求項10の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至9のうち何れか1項の発明の導光体において、各導光素子をシート状または板状とし、更に各導光素子を積層配置している。
【0034】
従って、請求項10の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、シート状もしくは板状の導光素子を独立に作成し、重ねるだけで導光体を構成できるため、極めて簡便に製造することができる。また、光の利用効率の高い導光体を薄い構成で実現することが可能となる。
【0035】
請求項11の発明は、上記第1の目的を達成するために、請求項1乃至9のうち何れか1項の発明の導光体において、各導光素子の形状を長尺の円柱状または角柱状とするとともに、各導光素子をそれぞれ並列に配置している。
【0036】
従って、請求項11の発明の導光体においては、以上のような手段を講じることにより、導光体の厚みを導光素子1つ分の厚みとすることができ、極めて薄い導光体を実現できる。また、各波長帯域の光を、導光素子を並列配置した平面に対する垂直方向から容易に取り出すことができる。
【0037】
請求項12の発明の照明装置は、上記第2の目的を達成するために、請求項1乃至11のうち何れか1項の発明の導光体と、入射光を発する光源と、各導光素子に備えられ、各導光素子の内部を導光する成分光を、照明光として導光体の外部へと射出する複数の射出素子とを備えている。
【0038】
従って、請求項12の発明の照明装置においては、以上のような手段を講じることにより、導光素子を導光する波長帯域の成分光を、適切な空間的強度分布を形成しながら、適切な射出角度範囲を持った光として射出することができる。特に、射出光の角度範囲が十分広い場合には、導光素子の表面を局所的に荒らしたり、屈折率の異なる材質の粒を導光素子に分布させるなどして、簡便な方法で射出素子を形成することができる。
【0039】
このように、極めて光の利用効率が高く、波長帯域毎に独立して射出光の射出強度や射出位置、射出光の射出角度範囲などを設計できる照明装置を安価に簡便に実現することができるのみならず、より薄膜化を図った照明装置を実現することも可能である。
【0040】
特に、赤成分光、緑成分光、青成分光に対応する3つの導光素子を一組として用いることによって、カラーフィルターを使わずとも従来のカラーフィルターを併用する照明装置と同様の作用を実現できると共に、極めて高い光利用効率を実現することが可能となる。
【0041】
請求項13の発明は、上記第2の目的を達成するために、請求項12の発明の照明装置において、光源を分光素子よりも小さい略点状光源としている。
【0042】
従って、請求項13の発明の照明装置においては、以上のような手段を講じることにより、光源から発した入射光を分光素子に効率良く入射することができる。特に、分光素子がレンズ機能を有する場合には、それぞれの波長帯域に対して光源をそれぞれの偏向素子付近に結像させるようにすることで、高い効率でかつ正確に波長帯域を選択することが可能となる。
【0043】
請求項14の発明のカラー画像表示体は、上記第2の目的を達成するために、請求項12または請求項13の発明の照明装置と、各射出素子から射出される照明光によって照明される画素からなる表示素子とを備えている。
【0044】
従って、請求項14の発明のカラー画像表示体においては、以上のような手段を講じることにより、光の利用効率が高く、表示像の視域やカラーバランスなどを任意に設計できる。このようなカラー画像表示体は、安価でかつ簡便に実現でき、また薄肉化を図ることも可能である。ここで、導光素子と画素とを対応させて配置することにより、射出光の損失を低減し、光の利用効率を最大限に高めることが可能となる。
【0045】
請求項15の発明のカラー画像表示体は、上記第2の目的を達成するために、請求項3乃至11の発明のうち何れか1項に記載の導光体と、入射光を発する光源と、各導光素子に備えられ、各導光素子の内部を導光する各成分光を、照明光として導光体の外部へと射出する複数の射出素子と、各射出素子から射出される赤成分光からなる照明光によって照明される画素と、緑成分からなる照明光によって照明される画素と、青成分からなる照明光によって照明される画素とをそれぞれ1つ以上備えている表示素子とを備えている。
【0046】
従って、請求項15の発明のカラー画像表示体においては、以上のような手段を講じることにより、カラーフィルター等を使わずに、極めて高い光利用効率で、明るく、理想的なカラーバランスを持ったカラー画像表示体を実現することができる。
【0047】
請求項16の発明は、請求項15の発明のカラー画像表示体において、光源を分光素子よりも小さい略点状光源としている。
【0048】
従って、請求項16の発明のカラー画像表示体においては、以上のような手段を講じることにより、光源からの光を効率良く利用することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0050】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図6を用いて説明する。
【0051】
図1は、第1の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図である。
【0052】
すなわち、本実施の形態に係る導光体10は、白色LEDなどの光源12から発せられる入射光Aを、予め定めた波長帯域に応じた複数の成分光に分光する分光素子14と、複数の成分光のうち、各成分光に対応してそれぞれ設けられ、対応する波長帯域の成分光を偏向させる複数の偏向素子16と、各偏向素子16に対応してそれぞれ設けられ、対応する偏向素子16によって偏向された成分光をその内部に導光させる複数の導光素子18とを備えてなる。
【0053】
本実施の形態では、分光素子14は、入射光Aを、赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bにそれぞれ分光するものとする。もちろん、それ以上の波長帯域に分光し、それに応じて導光素子18の数を4つ以上としても良い。また、同一の波長帯域の成分光を、複数の導光素子18によって導光するようにしてもよい。
【0054】
図1に示すような導光体10の場合、偏向素子16(#1)は赤成分光Rを偏向させ、偏向された赤成分光Rは導光素子18(#1)の内部を図中に示す主導光方向Fに沿って導光して行く。同様に、偏向素子16(#2)は緑成分光Gを偏向させ、偏向された緑成分光Gは導光素子18(#2)の内部を図中に示す主導光方向Fに沿って導光して行く。偏向素子16(#3)は青成分光Bを偏向させ、偏向された青成分光Bは導光素子18(#3)の内部を図中に示す主導光方向Fに沿って導光して行く。赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bのとりうる波長帯域は図2に示す通りである。なお、この波長帯域は、分光素子14や各偏向素子16の仕様(反射率や反射角度など)、および分光素子14と各偏向素子16との相対位置関係の設計により適宜最適化することができる。
【0055】
分光素子14としては、反射素子、回折素子、屈折素子のうちの何れを用いるようにしても良い。回折素子の例としては、ホログラムや回折格子が挙げられるが、特に適したものとして図3(c)に示すようなブレーズド回折格子がある。図3に示すように表面が凹凸からなる光学素子は、インジェクションやエンボスなどの安価で量産性の高い製造ができることから製造面で有利である。図3(c)に示す回折格子は、光の利用効率を高めるだけでなく、複雑な光学機能を持たせることもできる。例えば、図4は回折格子にレンズ機能も持たせた例である。GRINレンズ、多層膜、体積型ホログラムなど表面の凹凸から成る素子以外の光学素子も、分光素子14として適用可能である。
【0056】
分光素子14にレンズ機能を備えると、分光素子14は、光を各成分光に分光するのみならず、この分光した各成分光を、それぞれ対応する偏向素子16に向けて集光できるようになる。これによって各成分光を効率良く各偏向素子16(#1,#2,#3)に導く。このように、分光素子14による集光位置に偏向素子16が配置できるように導光素子18を適切な厚みにすることによって、非常に高精度な波長選択を簡便に実現できるようにしている。
【0057】
偏向素子16もまた、反射素子、回折素子、屈折素子のうちの何れを用いるようにしても良い。したがって、偏向素子16の例としても、図3(a)に示すような全反射プリズムや、図3(b)に示すような凹面プリズムがある。また、回折素子の例としては、ホログラムや回折格子が挙げられるが、特に適したものとして図3(c)に示すようなブレーズド回折格子がある。図3に示すように表面が凹凸からなる光学素子は、インジェクションやエンボスなどの安価で量産性の高い製造ができることから製造面で有利である。反射素子を用いる場合は、全反射を利用するのが最も光の利用効率が高い。図3(c)に示す回折格子は、光の利用効率を高めるだけでなく、複雑な光学機能を持たせることもできる。例えば、図4は回折格子にレンズ機能も持たせたブレーズド型同心円回折格子の例である。もちろん、GRINレンズ、多層膜、体積型ホログラムなど表面の凹凸から成る素子以外の光学素子も、偏向素子16として適用可能である。
【0058】
図5は、偏向素子16として、反射素子である全反射プリズムを用いた場合において、偏向素子16によって偏向される成分光の状態を示している。この場合、偏向素子16は、分光素子14からの成分光を選択的に偏向して導光素子18へと導く。
【0059】
一方、図6は、偏向素子16として、反射素子である凹面形状のプリズムを用いた場合において、偏向素子16によって偏向される成分光の状態を示している。この場合、偏向素子16はレンズ機能を有するので、分光素子14からの成分光を選択的に偏向すると同時に、平行光状にして導光素子18へと導く。これによって導光素子18における臨界角の制御がより容易となり、導光効率の更なる向上を図るようにしている。
【0060】
各偏向素子16の大きさは、各偏向素子16が偏向させる成分光の波長帯域に応じて決定する。また、各偏向素子16の配置場所は、各偏向素子16が偏向させる成分光の波長帯域に基づく分光素子14との相対位置から決定する。分光素子14と偏向素子16との相対位置関係は、分光素子14が波長帯域に応じて分光した所定の成分光を、所定の偏向素子16に効率良く導くために極めて重要である。
【0061】
このような各偏向素子16(#1,#2,#3)を、図1に示すように、それぞれ対応する導光素子18(#1,#2,#3)の表面に形成する。これによって、非常に簡便に、かつ安価に製造することができる。また、偏向素子16(#1,#2,#3)のみならず分光素子14も同様に導光素子18と一体化して成形することにより、分光素子14と偏向素子16(#1,#2,#3)との相対位置関係を設計通りに高精度で製造することを容易としている。
【0062】
導光体10を構成している各導光素子18(#1,#2,#3)は、シート状または板状とし、それぞれ独立に作製して重ねるだけでよく、導光体10全体の構築を簡便に実現できるようにしている。あるいは、円柱状または角柱状の導光素子18を並列に配置することによって形成するようにしても良い。
【0063】
このとき、各導光素子18(#1,#2,#3)の材質を同一の屈折率を持つものとし、光源12から分光素子14までの間の入射光Aの経路にあたる領域の各導光素子18(#1,#2,#3)を密着、もしくは各導光素子18(#1,#2,#3)の材質と同一の屈折率の接着剤で張り合わせることによって、入射光Aの損失を抑えている。
【0064】
このように入射光Aを各導光素子18(#1,#2,#3)を通して分光素子14に入射させることで、光源12と分光素子14との距離をある程度設けることができ、分光素子14への入射光Aの入射を容易にし、導光体10と光源12とを密着することも可能となるために、導光体10と光源12とを合わせて照明装置を構成した場合、この照明装置の薄膜化を図ることができる。
【0065】
偏向素子16により偏向した光が導光素子18の界面Mで全反射しながら主導光方向Fに沿って進むための条件は、導光素子18の界面Mに対して臨界角を超えた角度で入射することである。臨界角は、導光素子18を構成する材料の屈折率と、導光素子18の周囲Hの媒質の屈折率とから決定される。導光素子18を構成する一般的な材料である樹脂の屈折率は1.5程度である。したがって、本実施の形態では、各導光素子18の周囲Hを、導光素子18よりも屈折率が小さい物質である空気を配置している。空気は屈折率が1.0であるために、この場合臨界角は約42°となる。したがって、それ以上の角度で導光素子18の内部から導光素子18の界面Mに入射した光は全反射するために、導光素子18の外部に漏れ出ることなく、主導光方向Fに沿って導光する。
【0066】
このように、導光素子18内の全反射条件を緩くするとともに、導光素子18に分配された成分光が、異なる波長帯域の成分光と混合することなく導光されるようにしている。
【0067】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る導光体の作用について説明する。
【0068】
すなわち、本実施の形態に係る導光体10に対して、白色LEDなどの光源12から入射光Aが入射されると、入射光Aは分光素子14に導かれる。導光体10を形成している各導光素子18は、同一の屈折率を持ち、光源12から分光素子14までの間の入射光Aの経路にあたる領域の各導光素子18が密着、もしくは各導光素子18の材質と同一の屈折率の接着剤で貼り合わされている。これによって、光源12からの入射光Aの損失が抑えられる。
【0069】
分光素子14に到達した入射光Aは、分光素子14によって、予め定めた複数の波長帯域毎の成分光に分光される。以下、入射光Aは、分光素子14によって図2に示すような赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bにそれぞれ分光された場合を例に説明する。
【0070】
分光素子14と各偏向素子16との相対位置は、分光素子14が分光する成分光の波長帯域に基づいて決定され、その相対位置に基づいて各偏向素子16が配置されている。したがって、分光素子14によって分光された赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bは、偏向素子16(#1)、偏向素子16(#2)、および偏向素子16(#3)にそれぞれ効率的に導かれる。このとき、分光素子14にレンズ機能が付加されると、分光された各成分光が、それぞれ対応する偏向素子16に向けて集光されるので、各成分光が更に効率良く各偏向素子16へと導かれる。
【0071】
偏向素子16(#1)に導かれた赤成分光Rは、偏向素子16(#1)によって偏向され、導光素子18(#1)へと導かれる。同様に、偏向素子16(#2)に導かれた緑成分光Gは、偏向素子16(#2)によって偏向され、導光素子18(#2)へと導かれ、偏向素子16(#3)に導かれた青成分光Bは、偏向素子16(#3)によって偏向され、導光素子18(#3)へと導かれる。
【0072】
偏向素子16もまた、レンズ機能が付加されると、分光素子14からの成分光が選択的に偏向されるのに加えて、平行光状として導光素子18へと導かれるので、臨界角の制御がより容易となり、導光効率の向上が図される。
【0073】
各導光素子18へと導かれた各成分光は、それぞれ導光素子18の内部を図中に示す主導光方向Fに沿って導光される。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る導光体10においては、上記のような作用により、異なる波長帯域の成分光がそれぞれ異なる導光素子18によって導かれるので、他の波長帯域の成分光と混合することなく導光することが可能となる。また、導光素子18内の全反射条件が緩和されるので、導光素子18の外部へ漏出する成分光を低減し、高い導光効率を実現することが可能となる。すなわち、光源12からの光を波長帯域毎に効率良く分配し、それぞれ独立に取り扱えるようにすることによって、光の利用効率の向上を図ることが可能となる。
【0075】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図7から図9を用いて説明する。
【0076】
図7は、第2の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図である。第2の実施の形態に係る導光体11は、第1の実施の形態に係る導光体10の変形例であるので、図7では図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0077】
すなわち、本実施の形態に係る導光体11は、第1の実施の形態に係る導光体10において用いられていた反射型の偏向素子16の代わりに、例えば透過型プリズムのような透過型素子を偏向素子17として用いている点のみが異なる。
【0078】
偏向素子17は、分光素子14からの成分光を、透過させた後に偏向させて対応する導光素子18へと導く。このような透過型の偏向素子17の場合もまた、図8に示すように、分光素子14からの成分光を選択的に偏向させて対応する導光素子18へと導く。
【0079】
また、偏向素子17としてレンズを用いた場合には、図9に示すように、分光素子14からの成分光を選択的に偏向させると同時に、平行光にして対応する導光素子18へと導く。これによって臨界角の制御がより容易となり、導光効率の向上を図っている。
【0080】
上述したように、反射型の偏向素子16に代えて、透過型の偏向素子16を用いた本実施の形態に係る導光体11によっても、第1の実施の形態に係る導光体10と同様の作用効果を奏することができる。
【0081】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図10を用いて説明する。
【0082】
図10は、第3の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図である。第3の実施の形態に係る導光体13は、第1の実施の形態に係る導光体10の変形例であるので、図10では図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0083】
すなわち、本実施の形態に係る導光体13は、第1の実施の形態に係る導光体10において用いられていた反射型の分光素子14の代わりに、例えば透過型ブレーズド回折格子のような透過型素子を分光素子15として用いている点のみが異なる。
【0084】
分光素子15は、光源12から発せられた入射光Aを透過するとともに、予め定めた複数の波長帯域の成分光に分光し、各成分光を対応する各偏向素子16へとそれぞれ分配する。このような構成の導光体13によっても、第1の実施の形態に係る導光体10と同様の作用効果を奏することができる。
【0085】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図2、図11、および図12を用いて説明する。
【0086】
図11は、第4の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図である。第4の実施の形態に係る導光体21は、第3の実施の形態に係る導光体13の変形例であるので、図11では図10と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0087】
すなわち、本実施の形態に係る導光体21は、第3の実施の形態に係る導光体13が単数の分光素子15を備えていたのに対して、図11に示すように、分光素子15(#1)と分光素子15(#2)からなる複数の分光素子を適宜配置している。
【0088】
なお、本実施の形態に係る導光体21は、図11に示すように、2つの分光素子15を直列に配置する場合に限らず、それ以上の数の分光素子15を直列に配置した場合も含まれる。また、複数の分光素子15を同一の導光素子18に配置する場合のみならず、それぞれ別の導光素子18に配置する場合も含まれる。
【0089】
各分光素子15(#1,#2)はそれぞれ、光源12から発せられた入射光Aを透過するとともに、予め定めた複数の波長帯域の成分光に分光し、各成分光をそれぞれ対応する各偏向素子16へと導く。分光素子15としては、ホログラムや回折格子、キノフォーム、プリズムアレイなどを用いる。これにより、1つの波長帯域の成分光を複数の導光素子18の偏向素子16に分配することを容易としている。
【0090】
例えば、分光素子15(#1)が入射光Aを、図2に示す赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bに分光し、それぞれ導光素子18(#1)、導光素子18(#2)、および導光素子18(#3)に導くようにする。同様に分光素子15(#2)が入射光Aを、図2に示す赤成分光R、緑成分光G、および青成分光Bに分光し、それぞれ導光素子18(#4)、導光素子18(#5)、および導光素子18(#6)に導くようにする。
【0091】
このように分光素子15を複数配置することにより、より多くの偏向素子16に対して光を分配できるようにしている。一方、複数の導光素子18に対して、図12のような異なる波長帯域の成分光を分配するようにしても良い。
【0092】
上述したように、本実施の形態に係る導光体21は、複数の分光素子15を備えているので、第3の実施の形態に係る導光体13で奏される作用効果に加えて、より多くの導光素子18に対して成分光を導くことができるという作用効果を有している。
【0093】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を図13から図16を用いて説明する。
【0094】
図13および図14は、第5の実施の形態に係る照明装置の一例を示す斜視図および立断面図である。
【0095】
この照明装置22は、図1に示す第1の実施の形態に係る導光体10と、光源12とを備えている。光源12は、分光素子14よりも小さい略点状とすると、光源12から発せらた入射光Aの大部分を分光素子14に容易に入射させることができるために好ましい。更に、各導光素子18には、各導光素子18の内部を導光する成分光を照明光Sとして導光体10の外部へと射出する複数の射出素子24を備えている。導光体10における各部位については、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0096】
射出素子24は、図14に示すように、導光素子18内の下部に設けられた反射型の光学素子であって、導光素子18の内部を導光する成分光を反射し、図中に示す矢印V方向に沿って導光素子18の外部へと射出させる。そして、この射出した成分光を、照明光Sとして用いる。
【0097】
また、射出素子24は、図15に示すように、導光素子18内の上部に設けられた透過型の光学素子であっても良い。この場合、導光素子18の内部を導光する成分光を透過して、図中に示す矢印V方向に沿って導光素子18の外部へと射出させる。この射出した成分光もまた、照明光Sとして用いる。
【0098】
各導光素子18における射出素子24の大きさ、形状、空間分布等を適切に制御することによって、各導光素子18上の各部から射出される照明光Sの光量、すなわち各色のバランスや輝度分布の制御を可能としている。
【0099】
この射出素子24は、特に射出光の角度範囲が十分広い場合には、導光素子18の表面を局所的に荒らしたり、屈折率の異なる材質の粒を導光素子18に分布させるなどして、簡便な方法で形成することができる。
【0100】
本実施の形態に係る照明装置22は、第1の実施の形態に係る導光体10が用いられているので、波長帯域毎に効率良く分配され、それぞれ別の導光素子18によって効率良く導光された各成分光を照明光Sとして利用するので、明るいカラー照明光を取り出すことができる。
【0101】
照明装置22上における各色の光量およびバランスは、各導光素子18における各射出素子24の大きさ、形状、空間分布等を適切に制御することによって調節する。
【0102】
したがって、本実施の形態に係る照明装置22は、光の利用効率が良く、カラーバランスの取れた、均一な輝度分布の照明を実現でき、LCDパネル等を照明して高品位なカラー画像を表示するのに適している。
【0103】
図16は、本実施の形態に係る照明装置22に、透過型表示素子であるLCDパネル26を重ね合わせてなるカラー画像表示体28を示す部分断面図である。
【0104】
このカラー画像表示体28は、導光素子18から射出された照明光Sが、LCDパネル26のR,G,Bの各画素27(#R、#G、#B)のうちの対応する画素にそれぞれ入射するようにしている。すなわち、導光素子18(#1)から射出された照明光S1はLCDパネル26の画素27(#R)に入射するように、導光素子18(#2)から射出された照明光S2はLCDパネル26の画素27(#G)に入射するように、導光素子18(#3)から射出された照明光S3はLCDパネル26の画素27(#B)に入射するようにそれぞれ調整している。
【0105】
以上のカラー画像表示体28において、射出素子24がLCDパネル26が配置された場所近辺に照明光Sを集光する機能を有する場合、照明光SがLCDパネル26の画素27内で集光もしくは集光に近い状態に細く絞られるため、LCDパネル26と導光体10とが画素27の大きさの範囲内で変位しても、照明光SはLCDパネル26の画素27を照明し続ける。したがって、LCDパネル26と導光体10との組み合わせ時のアライメント誤差の許容量を大きくでき、容易に明るいカラー画像表示体28を実現することができる。また、集光する点と射出素子24の大きさ、LCDパネル26と導光体10との距離により画素27から射出する光の拡がりも制御可能であり、観察者から明るく観察される視域を任意に形成する。
【0106】
これによって、本実施の形態に係る照明装置22を適用してなるカラー画像表示体28のLCDパネル26の各画素27(#R、#G、#B)は、赤成分光Rからなる照明光S1、緑成分光Gからなる照明光S2、青成分光Bからなる照明光S3によってそれぞれ照明される。このとき、各画素27(#R)はカラー画像の赤成分、画素27(#G)は同緑成分、画素27(#B)は同青成分の濃度を表現するようにすれば、カラー画像を表示することができる。
【0107】
このように、各波長帯域の照明光Sがそれぞれ対応する画素27のみを照明するので、カラーフィルターなどは必要なく、極めて光利用効率が高く、明るいフルカラー画像表示を容易に実現することが可能となる。
【0108】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態を図17から図20を用いて説明する。
【0109】
図17および図18は、第6の実施の形態に係る照明装置の一例を示す斜視図および立断面図である。
【0110】
この照明装置30は、円柱状または角柱状の複数の導光素子18を並列に配置して形成してなる導光体と、光源12とを備えている。導光体10における各部位については、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0111】
光源12は、分光素子14よりも小さい略点状とすると、光源12から発せらた入射光Aの大部分を分光素子14に容易に入射させることができるために好ましい。更に、各導光素子18には、図18に示すように、各導光素子18の内部を導光する成分光を照明光Sとして導光体10の外部へと射出する複数の射出素子24を、導光素子18内の下部または上部に備えている。
【0112】
このように3つの導光素子18を一組として多数並列に並べることにより、薄くて軽く、かつR,G,Bの各色を発するカラー表示に優れた照明装置30を実現するようにしている。また、射出素子24の大きさ、形状、空間分布等もまた適切に制御することによって、各導光素子18上の各部から射出される照明光Sの光量を制御し、各色のバランスや輝度分布を調節する。
【0113】
このような構成とすることによっても、波長帯域毎に効率良く分配され、それぞれ別の導光素子18によって効率良く導光された各成分光が照明光Sとして利用されるので、明るいカラー表示を行うことができる。
【0114】
照明装置22上における各色の光量およびバランスは、各導光素子18における射出素子24の大きさ、形状、空間分布等を適切に制御することによって、自在に調節することができる。
【0115】
したがって、本実施の形態に係る照明装置30もまた、光の利用効率の良いカラー画像表示体を実現するのに適している。
【0116】
図19および図20は、本実施の形態に係る照明装置30に、透過型表示素子であるLCDパネル26を重ね合わせてなるカラー画像表示体32を示す平断面図および立断面図である。
【0117】
このカラー画像表示体32は、導光素子18から射出された照明光Sが、LCDパネル26のR,G,Bの各画素27(#R、#G、#B)のうちの対応する画素にそれぞれ入射するようにしている。すなわち、導光素子18(#1)から射出された照明光SはLCDパネル26の画素27(#R)に入射するように、導光素子18(#2)から射出された照明光SはLCDパネル26の画素27(#G)に入射するように、導光素子18(#3)から射出された照明光SはLCDパネル26の画素27(#B)に入射するようにそれぞれ調整している。
【0118】
これによって、第5の実施の形態で説明したものと同様にカラーフィルターなどは必要なく、極めて光利用効率が高く、明るいフルカラー画像表示を容易に実現することが可能となるという作用効果を奏することができる。
【0119】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の導光体によれば、光源からの光を波長帯域毎に効率良く分配し、それぞれ独立に取り扱えるようにすることによって、光の利用効率の向上を図ることができる。
【0121】
また、このような導光体を用いることによって、照明装置およびカラー画像表示体の薄膜化や軽量化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図。
【図2】赤成分光、緑成分光、および青成分光のとりうる波長帯域の一例を示す図。
【図3】分光素子および偏向素子の一例を示す断面図。
【図4】回折格子にレンズ機能を持たせたブレーズド型同心円回折格子の一例を示す平面図および断面図。
【図5】反射素子である全反射プリズムを用いた偏向素子によって偏向される成分光の状態を示す概念図。
【図6】反射素子である凹面形状のプリズムを用いた偏向素子によって偏向される成分光の状態を示す概念図。
【図7】第2の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図。
【図8】表面レリーフ型回折素子を用いた偏向素子によって偏向される成分光の状態を示す概念図。
【図9】透過型プリズムを用いた偏向素子によって偏向される成分光の状態を示す図。
【図10】第3の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図。
【図11】第4の実施の形態に係る導光体の一例を示す概念図。
【図12】6つの成分光からなる波長帯域の一例を示す図。
【図13】第5の実施の形態に係る照明装置の一例を示す斜視図。
【図14】第5の実施の形態に係る照明装置の一例を示す立断面図。
【図15】第5の実施の形態に係る照明装置の別の一例を示す立断面図。
【図16】第5の実施の形態に係る照明装置にLCDパネルを重ね合わせてなるカラー画像表示体の一例を示す部分断面図。
【図17】第6の実施の形態に係る照明装置の一例を示す斜視図。
【図18】第6の実施の形態に係る照明装置の一例を示す立断面図。
【図19】第6の実施の形態に係る照明装置LCDパネルを重ね合わせてなるカラー画像表示体の一例を示す平断面図。
【図20】第6の実施の形態に係る照明装置LCDパネルを重ね合わせてなるカラー画像表示体の一例を示す立断面図。
【図21】従来技術による導光体の構成例を示す斜視図。
【符号の説明】
10,11,13,21,68…導光体、12,64…光源、14,15…分光素子、16,17…偏向素子、18…導光素子、22,30…照明装置、24…射出素子、26…LCDパネル、27…画素、28,32…カラー画像表示体、60…基板、62…導光路、66…クラッド材、70…光射出口
Claims (16)
- 入射光を予め定めた波長帯域に応じて複数の成分光に分光する分光素子と、
前記複数の波長帯域の成分光に対応してそれぞれ設けられ、対応する波長帯域の成分光を偏向させる複数の偏向素子と、
前記各偏向素子に対応してそれぞれ設けられ、対応する偏向素子によって偏向された成分光をその内部に導光させる複数の導光素子と
を備えた導光体。 - 請求項1に記載の導光体において、
前記偏向素子が偏向させる成分光の波長帯域に応じて、この偏向素子の大きさ、およびこの偏向素子と前記分光素子との相対位置を決定するようにした導光体。 - 請求項1または請求項2に記載の導光体において、
前記分光素子は、前記入射光をその波長帯域に応じて赤成分光、緑成分光、および青成分光の各成分光に分光し、
前記複数の偏向素子として、前記赤成分光を偏向させる赤成分光偏向素子と、前記緑成分光を偏向させる緑成分光偏向素子と、前記青成分光を偏向させる青成分光偏向素子とからなる組を少なくとも1つ備えている導光体。 - 請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記各導光素子の周囲に、前記導光素子よりも屈折率の小さい物質を備えるようにした導光体。 - 請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の導光体において、
少なくとも前記分光素子および前記各偏向素子のうちの何れかを回折素子とした導光体。 - 請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の導光体において、
少なくとも前記分光素子および前記各偏向素子のうちの何れかを、屈折素子または反射素子とした導光体。 - 請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記各偏向素子は、前記偏向させた成分光を、対応する導光素子に向けて集光するレンズ機能を有している導光体。 - 請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記分光素子は、前記分光した各成分光を、対応する偏向素子に向けてそれぞれ集光するレンズ機能を有している導光体。 - 請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記分光素子は、前記分光した各成分光を、対応する偏向素子に向けてそれぞれ集光するレンズ機能を有し、
前記分光素子による各成分光の集光位置近傍に前記各偏向素子をそれぞれ配置するようにした導光体。 - 請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記各導光素子をシート状または板状とし、更に各導光素子を積層配置した導光体。 - 請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の導光体において、
前記各導光素子の形状を長尺の円柱状または角柱状とするとともに、前記各導光素子をそれぞれ並列に配置した導光体。 - 請求項1乃至11のうち何れか1項に記載の導光体と、
前記入射光を発する光源と、
前記各導光素子に備えられ、前記各導光素子の内部を導光する成分光を、照明光として前記導光体の外部へと射出する複数の射出素子と
を備えた照明装置。 - 請求項12に記載の照明装置において、
前記光源を前記分光素子よりも小さい略点状光源とした照明装置。 - 請求項12または請求項13に記載の照明装置と、
前記各射出素子から射出される照明光によって照明される画素からなる表示素子と
を備えたカラー画像表示体。 - 請求項3乃至11のうち何れか1項に記載の導光体と、
前記入射光を発する光源と、
前記各導光素子に備えられ、前記各導光素子の内部を導光する各成分光を、照明光として前記導光体の外部へと射出する複数の射出素子と、
前記各射出素子から射出される前記赤成分光からなる照明光によって照明される画素と、前記緑成分からなる照明光によって照明される画素と、前記青成分からなる照明光によって照明される画素とをそれぞれ1つ以上備えている表示素子と
を備えたカラー画像表示体。 - 前記光源を前記分光素子よりも小さい略点状光源とした請求項15に記載のカラー画像表示体。
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