JP2005014116A - 導光板金型の溝切削装置用複数バイトセットホルダ− - Google Patents
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Abstract
【課題】40インチ、60インチの大型液晶表示板のバックライトまたはフロントライトに用いる導光板製造用金型(ワ−ク)に溝切削加工する際の切削工具であるバイトの交換時期を出きる限り遅くする。
【解決手段】複数のバイト10が互いに平行な状態で等間隔に配置される基台12e、および、前記複数バイトの刃先高さ位置を加工されるワ−クの溝の深さに対し前記複数のバイトが決められた深さだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構を備える複数バイトセットホルダ−9であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている。一本の溝を加工するのに複数のバイトで切削加工するので、ワ−クの溝切り加工が終了するまでのバイト交換回数が減る。
【選択図】 図2
【解決手段】複数のバイト10が互いに平行な状態で等間隔に配置される基台12e、および、前記複数バイトの刃先高さ位置を加工されるワ−クの溝の深さに対し前記複数のバイトが決められた深さだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構を備える複数バイトセットホルダ−9であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている。一本の溝を加工するのに複数のバイトで切削加工するので、ワ−クの溝切り加工が終了するまでのバイト交換回数が減る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板のバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板の製造に用いる導光板金型(ワ−ク)へ複数のバイトを用いて複数の溝を加工する切削装置のバイトセットホルダ−に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノ−トパソコン、携帯電話、カ−ナビゲ−ション等の液晶表示装置の光拡散板としてバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板が使用されている。図5に導光板を用いたバックライト構造の一例を示す。図中、AはLEDまたはランプ、Bは反射シ−ト、Cは導光板、Dは拡散反射処理面、Eは拡散シ−ト、Fはレンズシ−トである。
【0003】
一般的なLEDバックライトの構造では、サイドまたは下に置かれたLED光が導光板に入射し、その導光板下面に作りこまれた溝状の拡散体により拡散されて液晶へ入射する。この光拡散板は、ダイヤモンドバイト(刃先)や超硬合金(タングステン炭素)刃先を有するV字状切刃を用いてマスタ−の金型ブロック材にV字状溝をバイト(切削)加工し、この溝切り加工された金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0004】
一般に、導光板の溝深さ(H)は、3〜12μmで、ピッチ幅Pは、0.02〜0.5mmであり、ピッチ幅は同一であっても、等差級数的に暫時減少させてもよい。例えば、Pn+1=Pn−0.013(P0=0.4mm)である。
【0005】
また、銀を12〜30nmの厚み蒸着したポリメチルメタクリレ−ト樹脂板(厚み2〜4mm)の銀蒸着面側をダイヤモンドバイトにより溝切りしたものを電極として用い、鉄鋼を電鋳して金型ブロック材を製造し、この金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0006】
金型ブロック材や金属蒸着樹脂板電極のワ−クに直線状の溝を、ダイヤモンドバイトを備えた切削装置を用いてワ−クとダイヤモンドバイトの相対的な動きによりワ−ク表面に一方向の溝を多数切削加工するワ−クの溝切方法は行われている(特許文献1、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−48112号公報(第3−5頁および図1参照)
【特許文献2】
特開2003−39229号公報(第3−5頁および図1、図3参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1および特許文献2に記載の導光板金型加工機は、バイト1本でワ−クに溝を加工するので、ワ−ク寸法が1インチ、5インチ、6インチ、12インチと小さいものであるときはよいが、ワ−ク寸法が30インチ、40インチ、60インチと大きくなると磨耗したダイヤモンドバイトをワ−クの溝加工中に何回も交換する必要があり、バイトの交換のたびにワ−クとバイト刃先の相対位置調整を行うので面倒である。本発明は、1本の溝を複数のバイトにより加工することにより1枚の導光板金型を完成するまでのバイト交換回数を少なくすることができる複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイト保持具であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。
【0010】
複数のバイトを用いて溝を加工するので、溝1本の当りのバイト刃先磨耗量は小さくなるのでバイトの交換時期を遅くすることができ、1枚の導光板金型を完成するまでのバイト交換回数を少なくすることができる。また、n本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置されるので、ワ−クである導光板金型の等間隔に設けられる溝のピッチ幅に合わせて複数バイト保持具を前後方向にスキップして加工していくことにより複数(m本)の溝を導光板金型に加工できる。
【0011】
請求項2の発明は、導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイトセットホルダ−であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対して同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。
【0012】
バイトがワ−クに加工される溝方向に対し、同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されているので、ワ−クの隣り合う溝のピッチ幅が同一であっても、異なっていても溝加工が可能である。
【0013】
請求項3の発明は、前記複数バイトセットホルダ−において、バイトの高さ調節機構は、圧電アクチュエ−タの圧電素子に電圧を印加することにより圧電素子が上下に伸縮することによりバイト刃先の高さ位置が調節されるものであることを特徴とする。
【0014】
圧電素子の長さと印加する電圧の程度によりバイト刃先を上下0.1〜20μmの幅に亘って微調節できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は切削装置の斜視図、図2は複数バイトセットホルダ−の正面図、図3は複数バイトセットホルダ−の断面図、および、図4は別の態様を示す複数バイトセットホルダ−の側面図である。
【0016】
図1に示すの導光板金型用溝切削装置において、1は切削装置、2はワ−ク、3はチャック、4は左右の水平方向(X軸方向)に往復移動可能なテ−ブル、5は作業台ユニット、6は前後方向(Z軸方向)に往復移動可能なサドル、7はコラム、8はシャンク、9は複数バイトセットホルダ−、10はダイヤモンドバイト、11はバイト取り付け用基台、12はバイト高さ調節機構、13は流体吹き付けノズル、14は複数バイトセットホルダ−9を上下方向に移動させる昇降機構、15は操作盤、16はピエゾドライブコントロ−ラ、17はタンク、18はフィルタ、Pはポンプである。
【0017】
昇降機構14は、複数バイトセットホルダ−9をワ−クの加工開始点位置に下降、または複数バイトセットホルダ−9を上昇させて加工開始点位置より遠ざける操作をなすもので、ボ−ルネジ14a、ガイドレ−ル14b、スライダ−(螺合体)14c、サ−ボモ−タ14dおよび昇降機構取付部材14eよりなる。複数バイトセットホルダ−9は、前記昇降機構14のスライダ−14c前面に逆L字型バイト取付基台12eを介して設置される。
【0018】
サ−ボモ−タ14dの回転駆動をボ−ルネジ14aが受けて複数バイトセットホルダ−9が前面に備え付けられたスライダ−14cが鉛直方向に延びる一対のガイドレ−ル14b上を滑走することにより、複数バイトセットホルダ−9に備えられたダイヤモンドバイト10を上下方向(Y軸方向)に昇降することができる。
【0019】
複数バイトセットホルダ−9は、図2および図3に示すようにダイヤモンドバイト10を下部に接着したシャンク8を逆L字型バイト受け座部材12bに取り付け、この逆L字型バイト受け座部材12bをバイト高さ調節機構12を介して逆L字型バイト取付基台14eに設置される。
各逆L字型バイト受け座部材12bは、ワ−クに加工される溝方向に対して各ダイヤモンドバイトが垂直方向に平行でかつ、等間隔に配列される。
【0020】
バイト高さ調節機構12は、前記ダイヤモンドバイト10を下部に接着したシャンク8を固定ボルト12aにより取り付けた逆L字型バイト受け座部材12b、該バイト受け座部材12b上部に上下伸縮可能な圧電素子12cを備えた圧電アクチュエ−タ12d、逆L字型バイト取付基台12e、逆L字型バイト受け座部材12bの背面に固定された凸ガイド12fおよびピエゾドライブコントロ−ラ16よりなる。凸ガイド12fは逆L字型バイト取付基台12eのL部分の面に設けられた上下方向に一対設けられたガイド溝12gに嵌まり、滑ることができる。
【0021】
複数のダイヤモンドバイト10の刃先高さ位置は、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のダイヤモンドバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれの逆L字型バイト受け座部材12bにシャンク8を固定するボルト12aの高さ位置で決まる。複数のダイヤモンドバイト10は、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置される。
各n本のバイト10が切削加工する溝深さhiは、ワ−クに加工される溝深さHの1/nが好ましい。
【0022】
圧電アクチュエ−タ12dはダイヤモンドバイト刃先高さの調節に使用される。圧電アクチュエ−タ12dの圧電素子12cにピエゾドライブコントロ−ラ16の電圧調整ダイヤルを回して電圧を印加すると圧電素子12cが伸びる。印加を止めると圧電素子は元の長さに戻る。圧電素子12cの頂部は、逆L字型バイト取付基台12eに当接している。
【0023】
ダイヤモンドバイト10の刃先形状は、先丸状、六角錐状またはV状であり、刃先の高さは0.5〜5mmが一般である。各ダイヤモンドバイト10の形状は同じである。
【0024】
圧電アクチュエ−タ12dは、NECト−キン株式会社より積層圧電アクチュエ−タがAEシリ−ズ、ASLシリ−ズのグレ−ド番号を付して販売、あるいは株式会社メステックより一軸ステ−ジ圧電アクチュエ−タがM−5516B、M−5517B、M−5518の商品名で販売されている。
【0025】
ピエゾドライブコントロ−ラ16は、株式会社メステックよりM−2664の商品名で市販されている。図3に示すピエゾドライブコントロ−ラ16(増幅器内蔵)おいて、16aはメイン電源、16cは電圧調整ダイヤルである。
【0026】
図1に示す切削装置1に戻って、ベッド20は前記サドル6を載せ、図示されていない油圧アクチュエ−タ機構でサドルを前後方向に移動可能である。サドル6の後部にはコラム7が立架され、前述したようにコラム7前面に昇降機構14が設けられている。サドル6がテ−ブル4に対し前後移動することによりコラム7に取り付けられたダイヤモンドバイト刃先10がワ−クに対し、前後方向にピッチ幅移動する。油圧アクチュエ−タ機構は、空気圧アクチュエ−タ機構、サ−ボモ−タ駆動のボ−ルネジ、またはサ−ボドライブリニアモ−タに置き換えてもよい。
【0027】
NC切削装置1には、ワ−ク、あるいは工具のテ−ブルに対する位置関係が検知できるようX軸スケ−ル、Y軸スケ−ル、Z軸スケ−ルがテ−ブル、コラム、サドルに備え付けられており、センサにより制御部(CPU)の記録部(RAM)に現在のテ−ブルに対する工具位置またはテ−ブルに対するワ−ク位置、ワ−クに対する工具の位置が送信され、演算部でそれらの位置を算出し、制御盤15の表示器に表示できるようになっている。
【0028】
加工されるワ−ク(導光板金型)2としては、銀、金、銅、錫等の金属蒸着樹脂板よりなる電極材料、Niメッキ鋼、銅メッキ鋼等の金型材料が用いられる。ワ−ク厚みは、1〜5mmが一般である。ワ−ク寸法は、導光板が用いられる用途、例えば携帯電話、ノ−トパソコン、モバイル端末、液晶テレビ等の液晶表示板により異なるが、例えば14インチ、17インチ、32インチ、40インチ、60インチの画面寸法である。
【0029】
ノズル13は、シャンク8下部に接着されたダイヤモンドバイト10の背面にその吹出口が位置するように設けられる。ノズル13素材としては、銅管、ポリ(テトラフルオロエチレン)樹脂管が使用される。
ノズル13より噴出される流体は、切削油、圧力空気、オイルミスト等であり、ワ−クとダイヤモンドバイトが接触する加工点に流体は吹き付けられてワ−クの切り込み・切削が行われる。オイルミストは切削油と冷却空気の混合物であるが、ノズルを2本独立して設け、それぞれのノズルより潤滑油、冷却空気を噴出させてノズルより噴出され、両者が交わったところでミストを形成するようにしてもよい。
【0030】
切削装置1のテ−ブル4の駆動は、リニアモ−タ利用のサ−ボドライブ方式、油圧駆動方式、サ−ボモ−タ駆動のボ−ルネジ、のいずれであってもよい。
【0031】
図2及び図3で示される複数バイトセットホルダ−9を備えた図1示される切削装置1を用い、ワ−ク2に直線状に平行に並んだ複数のV字状溝を切削加工する方法を述べる。
先ず、左右(X軸)方向に移動可能なテ−ブル4上にワ−ク2を載置し、操作盤15より加工プログラムとして溝切削加工プログラムソフトを選択し、ついで、制御盤15表示器に表示された指令に基づいて導光板の溝モ−ドを選択した後、制御盤15表示器に表示された指令に基づいて基準点、溝モ−ド、溝加工数(m)、工具切り込み開始点位置、工具反転位置、切り込み深さ、テ−ブル往移動速度、テ−ブル復移動速度、移動ピッチ幅等の加工条件を入力する。
【0032】
ついで、操作盤15の始動ボタンを押し、テ−ブル4、サドル6を移動させた後、昇降機構14によりダイヤモンドバイト10の刃先位置を待機位置に移動させた後、ピエゾドライブコントロ−ラのメイン電源スイッチ16aを入れ、電圧設定ボリュ−ムダイヤルを回し、それぞれのダイヤモンドバイト10高さ位置を調整する。
【0033】
操作盤15の開始ボタンを押して昇降機構14により切削切り込み開始点にダイヤモンドバイト10を下降(−Y軸方向)させ、テ−ブル4を左右方向に移動させることにより、テ−ブル4が右方向から左方向(−X)に移動する際は金型材のワ−ク2に対して切り込み・溝切削が行われ、テ−ブル4が右反転すると昇降機構14によりバイトホルダ−9が上昇され、ダイヤモンドバイト10がワ−ク2に接触しない高さに上昇(+Y軸方向)し、テ−ブル4が左方向から右方向(+X)に移動する際はダイヤモンドバイト10によるワ−ク2への溝加工は行われない。
【0034】
テ−ブル4が左反転位置に到達すると、サドル6が溝のピッチ幅だけ後退するとともに、加工プログラムソフトに基づいてダイヤモンドバイト10が昇降機構14により下降され、ワ−ク右端の開始点位置まで移動する。
【0035】
このワ−ク表面に一方向溝を切削加工する際、ダイヤモンドバイト10とワ−ク2とが接触する加工点に向けてノズル13より冷却流体を吹き付ける。
【0036】
ダイヤモンドバイト10がワ−ク右端の開始点位置まで戻されると、2回目以降のワ−クへの溝切削加工が開始される。すなわち、
前記のテ−ブル左方向の往移動時にダイヤモンドバイトによりワ−クへの切り込み・切削を行う工程、
テ−ブル右反転時に昇降装置14によりダイヤモンドバイトをワ−クに接触しない高さに上昇させてテ−ブルの復移動時にワ−クの切り込み・切削を行わない工程、
およびテ−ブル4が左反転位置に到達すると、次ぎに加工する溝のピッチ幅だけサドル6を後退する(テ−ブル4に対し相対的にダイヤモンドバイトを前方向に移動させる)とともに、昇降装置14によりダイヤモンドバイト10を下降し、ワ−ク右端の開始点位置まで移動する工程、
を繰り返えし、ワ−クに複数の溝を加工する。
【0037】
複数バイトホルダ−9のピッチ幅の移動は、複数バイトホルダ−9に保持されているダイヤモンドバイト10の数をn本、ワ−クに加工される溝数をmとすると、(m+n−1)回行われる。
【0038】
所望するm本の溝の切削加工が終了したら、テ−ブル4、サドル6の移動を停止し、ダイヤモンドバイト10を昇降機構14により待避位置まで上昇させた後、加工ワ−クを洗浄し、乾燥させる。
【0039】
上記加工作業は、制御盤15に内蔵される制御装置(CPU)の記憶部(ROM)に記憶された加工プログラムに則って、テ−ブル4駆動のリニアモ−タ、ダイヤモンドバイト10昇降機構14のボ−ルネジ駆動のサ−ボモ−タ、バイト10の前後移動を司るサドル6駆動の液圧アクチュエ−タのサ−ボドライブ駆動、が行われる。
【0040】
上記ワ−クの溝切削加工の実施例は、図2に示されるn本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置、かつ、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている複数バイトセットホルダ−9を用いた加工例であるが、複数バイトセットホルダ−を図4に示すn本の複数のバイトが互いに平行な状態で配置、かつ、ワ−クに加工される溝方向に対して同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている複数バイトセットホルダ−9をもちいてもよい。
【0041】
この際は、複数バイトホルダ−9のピッチ幅の移動は、複数バイトホルダ−9に保持されているダイヤモンドバイト10の数をn本、ワ−クに加工される溝数をmとすると、(m−1)回行われる。
【0042】
本発明の複数バイトホルダ−9の別態様として、バイトの高さ調節機構12を圧電アクチュエ−タに代えて、ボルト軸部とボルト頭よりなる位置調節ボルトを用い、ボルト軸部が逆L字型バイト取付基台12eのボルト孔を貫通し、バイト受け座部材12bの上部に設けられたネジ孔にネジ込み、ボルト頭を回転することによりバイトの高さを調整するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の複数バイトセットホルダ−は、ワ−クに複数の溝を切削加工する際、1本の溝を加工するのに複数のバイトを用いて加工するので、溝1本当り切削する各バイトの磨耗量が分散されるので、複数バイトセットホルダ−を交換する時期を遅らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削装置の斜視図である。
【図2】本発明の複数バイトセットホルダ−の正面図である。
【図3】図2におけるI−I線断面図である。
【図4】別の態様を示す複数バイトセットホルダ−の側面図である。
【図5】液晶表示板のバックライト構造の斜視図である(公知)。
【符号の説明】
1 切削装置
2 ワ−ク
3 チャック
4 テ−ブル
6 サドル
7 コラム
8 シャンク
9 複数バイトセットホルダ−
10 ダイヤモンドバイト
11 バイト取り付け用基台
12 バイト高さ調節機構
14 昇降機構
16 ピエゾドライブコントロ−ラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示板のバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板の製造に用いる導光板金型(ワ−ク)へ複数のバイトを用いて複数の溝を加工する切削装置のバイトセットホルダ−に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノ−トパソコン、携帯電話、カ−ナビゲ−ション等の液晶表示装置の光拡散板としてバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板が使用されている。図5に導光板を用いたバックライト構造の一例を示す。図中、AはLEDまたはランプ、Bは反射シ−ト、Cは導光板、Dは拡散反射処理面、Eは拡散シ−ト、Fはレンズシ−トである。
【0003】
一般的なLEDバックライトの構造では、サイドまたは下に置かれたLED光が導光板に入射し、その導光板下面に作りこまれた溝状の拡散体により拡散されて液晶へ入射する。この光拡散板は、ダイヤモンドバイト(刃先)や超硬合金(タングステン炭素)刃先を有するV字状切刃を用いてマスタ−の金型ブロック材にV字状溝をバイト(切削)加工し、この溝切り加工された金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0004】
一般に、導光板の溝深さ(H)は、3〜12μmで、ピッチ幅Pは、0.02〜0.5mmであり、ピッチ幅は同一であっても、等差級数的に暫時減少させてもよい。例えば、Pn+1=Pn−0.013(P0=0.4mm)である。
【0005】
また、銀を12〜30nmの厚み蒸着したポリメチルメタクリレ−ト樹脂板(厚み2〜4mm)の銀蒸着面側をダイヤモンドバイトにより溝切りしたものを電極として用い、鉄鋼を電鋳して金型ブロック材を製造し、この金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0006】
金型ブロック材や金属蒸着樹脂板電極のワ−クに直線状の溝を、ダイヤモンドバイトを備えた切削装置を用いてワ−クとダイヤモンドバイトの相対的な動きによりワ−ク表面に一方向の溝を多数切削加工するワ−クの溝切方法は行われている(特許文献1、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−48112号公報(第3−5頁および図1参照)
【特許文献2】
特開2003−39229号公報(第3−5頁および図1、図3参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1および特許文献2に記載の導光板金型加工機は、バイト1本でワ−クに溝を加工するので、ワ−ク寸法が1インチ、5インチ、6インチ、12インチと小さいものであるときはよいが、ワ−ク寸法が30インチ、40インチ、60インチと大きくなると磨耗したダイヤモンドバイトをワ−クの溝加工中に何回も交換する必要があり、バイトの交換のたびにワ−クとバイト刃先の相対位置調整を行うので面倒である。本発明は、1本の溝を複数のバイトにより加工することにより1枚の導光板金型を完成するまでのバイト交換回数を少なくすることができる複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイト保持具であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。
【0010】
複数のバイトを用いて溝を加工するので、溝1本の当りのバイト刃先磨耗量は小さくなるのでバイトの交換時期を遅くすることができ、1枚の導光板金型を完成するまでのバイト交換回数を少なくすることができる。また、n本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置されるので、ワ−クである導光板金型の等間隔に設けられる溝のピッチ幅に合わせて複数バイト保持具を前後方向にスキップして加工していくことにより複数(m本)の溝を導光板金型に加工できる。
【0011】
請求項2の発明は、導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイトセットホルダ−であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対して同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−を提供するものである。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。
【0012】
バイトがワ−クに加工される溝方向に対し、同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されているので、ワ−クの隣り合う溝のピッチ幅が同一であっても、異なっていても溝加工が可能である。
【0013】
請求項3の発明は、前記複数バイトセットホルダ−において、バイトの高さ調節機構は、圧電アクチュエ−タの圧電素子に電圧を印加することにより圧電素子が上下に伸縮することによりバイト刃先の高さ位置が調節されるものであることを特徴とする。
【0014】
圧電素子の長さと印加する電圧の程度によりバイト刃先を上下0.1〜20μmの幅に亘って微調節できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は切削装置の斜視図、図2は複数バイトセットホルダ−の正面図、図3は複数バイトセットホルダ−の断面図、および、図4は別の態様を示す複数バイトセットホルダ−の側面図である。
【0016】
図1に示すの導光板金型用溝切削装置において、1は切削装置、2はワ−ク、3はチャック、4は左右の水平方向(X軸方向)に往復移動可能なテ−ブル、5は作業台ユニット、6は前後方向(Z軸方向)に往復移動可能なサドル、7はコラム、8はシャンク、9は複数バイトセットホルダ−、10はダイヤモンドバイト、11はバイト取り付け用基台、12はバイト高さ調節機構、13は流体吹き付けノズル、14は複数バイトセットホルダ−9を上下方向に移動させる昇降機構、15は操作盤、16はピエゾドライブコントロ−ラ、17はタンク、18はフィルタ、Pはポンプである。
【0017】
昇降機構14は、複数バイトセットホルダ−9をワ−クの加工開始点位置に下降、または複数バイトセットホルダ−9を上昇させて加工開始点位置より遠ざける操作をなすもので、ボ−ルネジ14a、ガイドレ−ル14b、スライダ−(螺合体)14c、サ−ボモ−タ14dおよび昇降機構取付部材14eよりなる。複数バイトセットホルダ−9は、前記昇降機構14のスライダ−14c前面に逆L字型バイト取付基台12eを介して設置される。
【0018】
サ−ボモ−タ14dの回転駆動をボ−ルネジ14aが受けて複数バイトセットホルダ−9が前面に備え付けられたスライダ−14cが鉛直方向に延びる一対のガイドレ−ル14b上を滑走することにより、複数バイトセットホルダ−9に備えられたダイヤモンドバイト10を上下方向(Y軸方向)に昇降することができる。
【0019】
複数バイトセットホルダ−9は、図2および図3に示すようにダイヤモンドバイト10を下部に接着したシャンク8を逆L字型バイト受け座部材12bに取り付け、この逆L字型バイト受け座部材12bをバイト高さ調節機構12を介して逆L字型バイト取付基台14eに設置される。
各逆L字型バイト受け座部材12bは、ワ−クに加工される溝方向に対して各ダイヤモンドバイトが垂直方向に平行でかつ、等間隔に配列される。
【0020】
バイト高さ調節機構12は、前記ダイヤモンドバイト10を下部に接着したシャンク8を固定ボルト12aにより取り付けた逆L字型バイト受け座部材12b、該バイト受け座部材12b上部に上下伸縮可能な圧電素子12cを備えた圧電アクチュエ−タ12d、逆L字型バイト取付基台12e、逆L字型バイト受け座部材12bの背面に固定された凸ガイド12fおよびピエゾドライブコントロ−ラ16よりなる。凸ガイド12fは逆L字型バイト取付基台12eのL部分の面に設けられた上下方向に一対設けられたガイド溝12gに嵌まり、滑ることができる。
【0021】
複数のダイヤモンドバイト10の刃先高さ位置は、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のダイヤモンドバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれの逆L字型バイト受け座部材12bにシャンク8を固定するボルト12aの高さ位置で決まる。複数のダイヤモンドバイト10は、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置される。
各n本のバイト10が切削加工する溝深さhiは、ワ−クに加工される溝深さHの1/nが好ましい。
【0022】
圧電アクチュエ−タ12dはダイヤモンドバイト刃先高さの調節に使用される。圧電アクチュエ−タ12dの圧電素子12cにピエゾドライブコントロ−ラ16の電圧調整ダイヤルを回して電圧を印加すると圧電素子12cが伸びる。印加を止めると圧電素子は元の長さに戻る。圧電素子12cの頂部は、逆L字型バイト取付基台12eに当接している。
【0023】
ダイヤモンドバイト10の刃先形状は、先丸状、六角錐状またはV状であり、刃先の高さは0.5〜5mmが一般である。各ダイヤモンドバイト10の形状は同じである。
【0024】
圧電アクチュエ−タ12dは、NECト−キン株式会社より積層圧電アクチュエ−タがAEシリ−ズ、ASLシリ−ズのグレ−ド番号を付して販売、あるいは株式会社メステックより一軸ステ−ジ圧電アクチュエ−タがM−5516B、M−5517B、M−5518の商品名で販売されている。
【0025】
ピエゾドライブコントロ−ラ16は、株式会社メステックよりM−2664の商品名で市販されている。図3に示すピエゾドライブコントロ−ラ16(増幅器内蔵)おいて、16aはメイン電源、16cは電圧調整ダイヤルである。
【0026】
図1に示す切削装置1に戻って、ベッド20は前記サドル6を載せ、図示されていない油圧アクチュエ−タ機構でサドルを前後方向に移動可能である。サドル6の後部にはコラム7が立架され、前述したようにコラム7前面に昇降機構14が設けられている。サドル6がテ−ブル4に対し前後移動することによりコラム7に取り付けられたダイヤモンドバイト刃先10がワ−クに対し、前後方向にピッチ幅移動する。油圧アクチュエ−タ機構は、空気圧アクチュエ−タ機構、サ−ボモ−タ駆動のボ−ルネジ、またはサ−ボドライブリニアモ−タに置き換えてもよい。
【0027】
NC切削装置1には、ワ−ク、あるいは工具のテ−ブルに対する位置関係が検知できるようX軸スケ−ル、Y軸スケ−ル、Z軸スケ−ルがテ−ブル、コラム、サドルに備え付けられており、センサにより制御部(CPU)の記録部(RAM)に現在のテ−ブルに対する工具位置またはテ−ブルに対するワ−ク位置、ワ−クに対する工具の位置が送信され、演算部でそれらの位置を算出し、制御盤15の表示器に表示できるようになっている。
【0028】
加工されるワ−ク(導光板金型)2としては、銀、金、銅、錫等の金属蒸着樹脂板よりなる電極材料、Niメッキ鋼、銅メッキ鋼等の金型材料が用いられる。ワ−ク厚みは、1〜5mmが一般である。ワ−ク寸法は、導光板が用いられる用途、例えば携帯電話、ノ−トパソコン、モバイル端末、液晶テレビ等の液晶表示板により異なるが、例えば14インチ、17インチ、32インチ、40インチ、60インチの画面寸法である。
【0029】
ノズル13は、シャンク8下部に接着されたダイヤモンドバイト10の背面にその吹出口が位置するように設けられる。ノズル13素材としては、銅管、ポリ(テトラフルオロエチレン)樹脂管が使用される。
ノズル13より噴出される流体は、切削油、圧力空気、オイルミスト等であり、ワ−クとダイヤモンドバイトが接触する加工点に流体は吹き付けられてワ−クの切り込み・切削が行われる。オイルミストは切削油と冷却空気の混合物であるが、ノズルを2本独立して設け、それぞれのノズルより潤滑油、冷却空気を噴出させてノズルより噴出され、両者が交わったところでミストを形成するようにしてもよい。
【0030】
切削装置1のテ−ブル4の駆動は、リニアモ−タ利用のサ−ボドライブ方式、油圧駆動方式、サ−ボモ−タ駆動のボ−ルネジ、のいずれであってもよい。
【0031】
図2及び図3で示される複数バイトセットホルダ−9を備えた図1示される切削装置1を用い、ワ−ク2に直線状に平行に並んだ複数のV字状溝を切削加工する方法を述べる。
先ず、左右(X軸)方向に移動可能なテ−ブル4上にワ−ク2を載置し、操作盤15より加工プログラムとして溝切削加工プログラムソフトを選択し、ついで、制御盤15表示器に表示された指令に基づいて導光板の溝モ−ドを選択した後、制御盤15表示器に表示された指令に基づいて基準点、溝モ−ド、溝加工数(m)、工具切り込み開始点位置、工具反転位置、切り込み深さ、テ−ブル往移動速度、テ−ブル復移動速度、移動ピッチ幅等の加工条件を入力する。
【0032】
ついで、操作盤15の始動ボタンを押し、テ−ブル4、サドル6を移動させた後、昇降機構14によりダイヤモンドバイト10の刃先位置を待機位置に移動させた後、ピエゾドライブコントロ−ラのメイン電源スイッチ16aを入れ、電圧設定ボリュ−ムダイヤルを回し、それぞれのダイヤモンドバイト10高さ位置を調整する。
【0033】
操作盤15の開始ボタンを押して昇降機構14により切削切り込み開始点にダイヤモンドバイト10を下降(−Y軸方向)させ、テ−ブル4を左右方向に移動させることにより、テ−ブル4が右方向から左方向(−X)に移動する際は金型材のワ−ク2に対して切り込み・溝切削が行われ、テ−ブル4が右反転すると昇降機構14によりバイトホルダ−9が上昇され、ダイヤモンドバイト10がワ−ク2に接触しない高さに上昇(+Y軸方向)し、テ−ブル4が左方向から右方向(+X)に移動する際はダイヤモンドバイト10によるワ−ク2への溝加工は行われない。
【0034】
テ−ブル4が左反転位置に到達すると、サドル6が溝のピッチ幅だけ後退するとともに、加工プログラムソフトに基づいてダイヤモンドバイト10が昇降機構14により下降され、ワ−ク右端の開始点位置まで移動する。
【0035】
このワ−ク表面に一方向溝を切削加工する際、ダイヤモンドバイト10とワ−ク2とが接触する加工点に向けてノズル13より冷却流体を吹き付ける。
【0036】
ダイヤモンドバイト10がワ−ク右端の開始点位置まで戻されると、2回目以降のワ−クへの溝切削加工が開始される。すなわち、
前記のテ−ブル左方向の往移動時にダイヤモンドバイトによりワ−クへの切り込み・切削を行う工程、
テ−ブル右反転時に昇降装置14によりダイヤモンドバイトをワ−クに接触しない高さに上昇させてテ−ブルの復移動時にワ−クの切り込み・切削を行わない工程、
およびテ−ブル4が左反転位置に到達すると、次ぎに加工する溝のピッチ幅だけサドル6を後退する(テ−ブル4に対し相対的にダイヤモンドバイトを前方向に移動させる)とともに、昇降装置14によりダイヤモンドバイト10を下降し、ワ−ク右端の開始点位置まで移動する工程、
を繰り返えし、ワ−クに複数の溝を加工する。
【0037】
複数バイトホルダ−9のピッチ幅の移動は、複数バイトホルダ−9に保持されているダイヤモンドバイト10の数をn本、ワ−クに加工される溝数をmとすると、(m+n−1)回行われる。
【0038】
所望するm本の溝の切削加工が終了したら、テ−ブル4、サドル6の移動を停止し、ダイヤモンドバイト10を昇降機構14により待避位置まで上昇させた後、加工ワ−クを洗浄し、乾燥させる。
【0039】
上記加工作業は、制御盤15に内蔵される制御装置(CPU)の記憶部(ROM)に記憶された加工プログラムに則って、テ−ブル4駆動のリニアモ−タ、ダイヤモンドバイト10昇降機構14のボ−ルネジ駆動のサ−ボモ−タ、バイト10の前後移動を司るサドル6駆動の液圧アクチュエ−タのサ−ボドライブ駆動、が行われる。
【0040】
上記ワ−クの溝切削加工の実施例は、図2に示されるn本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置、かつ、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている複数バイトセットホルダ−9を用いた加工例であるが、複数バイトセットホルダ−を図4に示すn本の複数のバイトが互いに平行な状態で配置、かつ、ワ−クに加工される溝方向に対して同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されている複数バイトセットホルダ−9をもちいてもよい。
【0041】
この際は、複数バイトホルダ−9のピッチ幅の移動は、複数バイトホルダ−9に保持されているダイヤモンドバイト10の数をn本、ワ−クに加工される溝数をmとすると、(m−1)回行われる。
【0042】
本発明の複数バイトホルダ−9の別態様として、バイトの高さ調節機構12を圧電アクチュエ−タに代えて、ボルト軸部とボルト頭よりなる位置調節ボルトを用い、ボルト軸部が逆L字型バイト取付基台12eのボルト孔を貫通し、バイト受け座部材12bの上部に設けられたネジ孔にネジ込み、ボルト頭を回転することによりバイトの高さを調整するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の複数バイトセットホルダ−は、ワ−クに複数の溝を切削加工する際、1本の溝を加工するのに複数のバイトを用いて加工するので、溝1本当り切削する各バイトの磨耗量が分散されるので、複数バイトセットホルダ−を交換する時期を遅らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削装置の斜視図である。
【図2】本発明の複数バイトセットホルダ−の正面図である。
【図3】図2におけるI−I線断面図である。
【図4】別の態様を示す複数バイトセットホルダ−の側面図である。
【図5】液晶表示板のバックライト構造の斜視図である(公知)。
【符号の説明】
1 切削装置
2 ワ−ク
3 チャック
4 テ−ブル
6 サドル
7 コラム
8 シャンク
9 複数バイトセットホルダ−
10 ダイヤモンドバイト
11 バイト取り付け用基台
12 バイト高さ調節機構
14 昇降機構
16 ピエゾドライブコントロ−ラ
Claims (3)
- 導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態で等間隔に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイトセットホルダ−であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対し、直角方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。 - 導光板金型に溝を複数のバイトを用いて切削加工する溝切削装置用複数バイトセットホルダ−であって、該複数バイトセットホルダ−は、
n本の複数のバイトが互いに平行な状態に配置される基台、および、
前記複数バイトの刃先高さ位置を、加工されるワ−クの溝の深さHに対し前記複数のバイトが決められた深さhiだけ溝を加工できる高さにそれぞれ調節するバイト高さ調節機構、
を備える複数バイトセットホルダ−であって、前記複数のバイトは、ワ−クに加工される溝方向に対して同一方向に刃先の高さを漸次低くして配置されていることを特徴とする複数バイトセットホルダ−。
(但し、nは2〜10の整数、iはワ−クと接するバイトの順番を示す1からnの整数、およびn本のバイトにより加工されたワ−クの溝の深さhiの合計はHである。)。 - バイトの高さ調節機構は、圧電アクチュエ−タの圧電素子に電圧を印加することにより圧電素子が上下に伸縮することによりバイト刃先の高さ位置が調節されるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の複数バイトセットホルダ−。
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