JP2005010927A - Icカードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型化が可能で、外部応力からICチップを保護し、信頼性の高いICカードを提供する。
【解決手段】可撓性のシート材料からなり、回路パターン102の形成された回路基板101と、前記回路基板表面に、接続されたICチップ103とを有するカード基板と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルム107,108とを備え、この回路基板のICチップ搭載領域の近傍にスリットSを形成している。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性のシート材料からなり、回路パターン102の形成された回路基板101と、前記回路基板表面に、接続されたICチップ103とを有するカード基板と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルム107,108とを備え、この回路基板のICチップ搭載領域の近傍にスリットSを形成している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードおよびその製造方法に係り、特に薄型のICカードの強度の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
カード上に半導体集積回路チップ(ICチップ)を搭載し、さまざまな機能をもたせたICカードを取りまく技術革新はまさに日進月歩で、新しい機能のCPU、メモリ、カード素材等が着目され、利用技術の高度化も高まる一方である。
【0003】
ICカードは、接触型のものと非接触型のものに分類されるが、最近では各々の特徴を生かし、接触型と非接触型を一体化したいろいろなタイプのICカード(ハイブリッドカード、コンビネーションカードなど)も登場している。
【0004】
例えば、非接触型ICカードは、カード上にコイルとCPUなどのICチップが搭載されてなり、コイルに誘起される起電力により、ICチップが駆動されるしくみである。このICカードは、その一例を図13に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる回路基板101表面に形成されたアルミニウムパターンからなるコイルパターン102と、前記コイルパターンにフェースダウンで異方性導電膜104を介して接続された半導体集積回路チップ(以下ICチップ)103と、このICチップの裏面に樹脂層106を介して貼着された補強板105とで構成されたカード基板の表面及び裏面をPETからなる保護フィルム107、108で被覆して形成される。
【0005】
ICチップ103と回路基板101との接続に際してもさまざまな工夫がなされており、回路基板101上の回路パターンに異方性導電膜を介してICチップ103を搭載したものも提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
このようなICカードは、0.86mm程度と極めて薄いものであるため、カードケースなどに収納してポケットやかばんの中にいれて持ち運びがなされる際、カード基板にかかる応力により破損し易いという問題がある。
【0007】
特に、ICチップの割れや欠けが問題となっており、ICチップの補強が重要な課題となっている。補強板105としては前述したように、通常ICチップとほぼ同程度の大きさで、SUS製ビッカース硬度370以上のものが用いられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−148378号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のICカードは、外部応力に対してICチップの破損が生じ易いという問題があった。
また、薄型化が求められているが、従来のICカードは薄型化しようとすると、補強板を薄くしたり、樹脂の厚さを薄くしたりする必要があり、外部応力により破損し易いという問題があった。
【0010】
ICカードの試験方法として、種々な規格試験があるが、例えば、強度試験(JIS X 6303)によって点圧を与えた場合、チップが破損しやすいという問題があった。
【0011】
また、回路基板は可撓性であるため、補強板側と回路基板側との物性の差による強度差があり、この間に挟まれているICチップが破損し易いという問題があった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、外部応力からICチップを保護し、薄型化が可能で、信頼性の高いICカードを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明のICカードは、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板と、前記回路パターンに接続するように前記回路基板表面に、接続されたICチップとを有するカード基板と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルムとを備え、前記回路基板が前記ICチップの周辺にスリットを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成により、回路基板のICチップ周辺にスリットが形成されているため、外部応力による回路基板の伸びをこのスリットで逃がすことにより、ICチップの割れを抑制することができる。すなわち、このスリットの存在により、ICチップは、回路基板に自由度をもって固定されることになり、回路基板に応力がかかったとしても、ICチップへの伝達は低減される。このように、応力の緩和をはかることができ、従って強度の向上をはかることができるため、ICチップの厚さも薄くすることができる。また、保護フィルムの厚さ、回路基板の厚さも低減することができ、薄型化をはかることができる。
【0014】
また、上記ICカードにおいて、前記スリットは、前記ICチップの対角線上にある2つの角部の近傍に設けられている。
【0015】
この構成により、もっとも力のかかりやすい角部の2箇所にスリットが設けられているため、効率よく応力を逃がすことができ、しかもスリットの存在により回路基板自体の強度の低下を招くこともない。
【0016】
また、上記ICカードにおいて、前記スリットは、前記ICチップの4つの角部の近傍に設けられている。
【0017】
この構成により、ICカードの近傍がスリットに囲まれた、吊り状態をとることになり、より効率よく応力を逃がすことができる。
前記ICチップは、前記回路基板上に絶縁性のフィルムを介して固着されている
【0018】
また、上記ICカードにおいて、ICチップと回路基板との間に絶縁性のフィルムシートが介在しているため、ICチップの周囲の応力をスリットで効率よく逃がした上で、外部応力による回路基板の伸びをこのフィルムシートで抑制することができ、ICチップにかかる応力をさらに緩和することができる。
【0019】
また、上記ICカードにおいて、前記ICチップの裏面に、補強板が配設されている。
この構成により、ICチップが、表面側では絶縁性のフィルムシートで補強され、裏面側では補強板で補強されているため、応力耐性のさらなる向上をはかることができる。
【0020】
さらにまた、前記フィルムシートは、前記ICチップの接続端子に相当する部分を除いて、ICチップの表面全体に配設されている。
この構成により、回路基板上の回路パターンとの接続は異方性導電膜などにより良好に達成され、ICチップ表面に突出する接続端子以外の部分をフィルムシートで埋めることになるため、平坦性が向上するとともに、ICチップの周辺の剛性を高めることが可能となる。
【0021】
また、前記フィルムシートをポリイミドフィルムで構成している。
通常、回路基板はPETなどで構成されるが、この構成により、PETより剛性の高いポリイミドフィルムによって応力による伸びを抑制することができるため、ICチップにかかる応力を緩和することができる。
【0022】
また、前記フィルムシートを、前記補強板と相対向する領域に配設することにより、最も強度的に弱い領域であるICチップの領域に対してのみ、貼着するようにすれば、コストの低減を図ることができる。特にポリイミドなどのコストの高いフィルムの場合にはより有効である。
【0023】
また、前記フィルムシートを前記回路基板表面全体に配設することにより、強度の向上をはかることができる。
【0024】
また本発明のICカードでは、前記フィルムシートはポリイミドフィルムで構成される。
この構成により、応力に対する伸びが少なく、ICチップに対する保護性を高めることができる。
【0025】
また本発明のICカードでは、前記回路基板は前記ICチップの厚さの4分の1以下である。
この構成により、上記効果に加え、より薄型化をはかることができる。
この範囲を外れると厚みオーバー、または強度不足となるという不都合がある。
【0026】
また本発明のICカードは、前記カード基板は総厚が300μm以下である。
この構成により、より薄型化をはかることができる。
【0027】
また本発明のICカードは、総厚が0.76mm以下である。
【0028】
本発明のICカードの製造方法は、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板を用意する工程と、前記回路基板表面に、絶縁性のフィルムシートを介してICチップを載置して、前記回路パターンと電気的に接続し、カード基板を形成する工程と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように保護フィルムを熱圧着により接合する工程とを備えている。
この構成により、容易に強度の高い薄型のICカードを形成することができる。
【0029】
また、本発明のICカードの製造方法では、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板を用意する工程と、前記回路基板の前記ICチップ搭載領域の近傍にスリットを形成する工程と、前記回路基板表面に、ICチップを接続し、カード基板を形成する工程と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように保護フィルムを熱圧着により接合する工程とを備えている。
【0030】
この構成により、スリットを形成する工程を付加するのみで容易に信頼性の高いICカードを形成することが可能となる。また、このスリットをあらかじめパンチングなどで形成しておくことにより、ICチップ搭載工程における、位置決めに利用することも可能である。
【0031】
また本発明のICカードの製造方法では、前記カード基板を形成する工程は、半導体ウェハ上に所望の素子列を形成する工程と、前記半導体ウェハをダイシングし、ICチップを形成する工程と、前記フィルムシートを挟むように前記ICチップを前記回路基板に接合する工程とを含む。
【0032】
この方法によっても容易に強度の高いICカードを形成することができる。またこの絶縁性のフィルムシートに代えて、ポリイミド樹脂など、硬化後に剛性が高くなるような組成をもつ絶縁性樹脂を用いて、塗布形成するようにしてもより作業性を高めることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のICカードおよびその製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のICカードの断面図を図1に示す。また図2(a)はこのICカードの保護フィルム107,108を除去した状態を示す平面図、(b)は要部拡大断面図である。図において、従来の技術で説明したものと同一部位は同一符号で示すものとする。
このICカードは、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板101と、この回路パターンに接続するように回路基板表面に搭載されるICチップ103とを有するカード基板と、このカード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルムとを備え、この回路基板がICチップの周辺にスリットSを備えたことを特徴とする。
他の部分は前述した従来技術と同様に形成されている。すなわち厚さ50μm以下のPENフィルムからなり、厚さ20μm以下のアルミニウム箔で形成された回路パターン102を備えた回路基板101と、この回路基板表面に、厚さ25μm以下のポリイミドフィルムからなるフィルムシート100を介して接続されたICチップ103とを有するカード基板と、ICチップ103の裏面側に接着性樹脂106によって固着された補強板105と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられたポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護フィルム107,108とを備えている。
【0034】
ここでICチップ103表面には図3及び図4にICチップの要部拡大裏面図及び断面図を示すように、バンプ109が突出するように形成されており、このバンプ109は回路基板上の回路パターン102に異方性導電膜110を介して接続されている。
【0035】
このICカードは、次のようにして用いられる。たとえばICカードリーダ/ライタを通じて、ICカードのバンプ(外部接触端子)のVccに回路電圧3V〜5Vが加えられる。
また、バンプを介してクロック信号が供給され、同端子(I/O端子)を通じて情報のシリアル入出力が行われる。
【0036】
この構成により、回路基板101のICチップ103周辺にスリットSが形成されているため、外部応力による回路基板101の伸びをこのスリットSで逃がすことにより、ICチップ103の割れを抑制することができる。すなわち、このスリットSの存在により、ICチップ103は、回路基板101に自由度をもって固定されることになり、回路基板に応力がかかったとしても、ICチップへの伝達は低減される。このように、応力の緩和をはかることができることにより、強度の向上をはかることができるため、ICチップ103の厚さも薄くすることができる。また、保護フィルム107,108の厚さ、回路基板101の厚さも低減することができ、薄型化をはかることができる。
【0037】
また、スリットは、ICチップの4つの角部の近傍に設けられており、ICカードの近傍がスリットに囲まれた、吊り状態をとることになり、より効率よく応力を逃がすことができる。スリットSの最外縁の間隔Lは10mm、スリット幅は1mmで4つの角部にL字状をなすように形成する。スリット幅は0.1〜2mm程度が望ましい。スリット幅を前記範囲にとることにより、強度の向上をはかることができる。
【0038】
また、ICチップの裏面側にSUS製の補強板を備えているためこの補強板105とフィルムシート100とによってICチップは保護されており、またバンプと回路パターンとの接続部もこのフィルムシート100で囲まれているため電気的接続も確実となる。この補強板はSUS301(ステンレス板)で構成されている。ここでICチップが3mm角である場合、補強板は直径6〜8mmとする。なお補強板の形状は円形が望ましい。
【0039】
なお、他は同様にして補強板のみを硬度の異なるもので構成し、強度を測定した。この結果からも、ビッカース硬度530以上のものを用いるのが望ましいことがわかる。すなわち、従来はビッカース硬度370程度のものが用いられていたがこれに比べて、強度が大幅に向上することがわかった。
【0040】
また、接着性樹脂106としては、ワックスなどの離型剤を含有しないものを用いるのが望ましい。これにより強度が従来のワックス含有樹脂に比べて30%以上向上する。これはスリットSの有無にかかわらず強度が向上する。
【0041】
このICカードの総厚さは、0.74mm、カード基板の厚さは300μm以下であった。
【0042】
このICカードをJIS X 6303で規定された試験後も機能障害は生じることなく維持できた。
また動的ねじれ強さについても十分な強度を維持することができた。
さらにまたJIS K 5600に規定されている耐おもり落下性試験についても剥がれが生じることなく、信頼性を維持することができた。
【0043】
なお、ICチップの厚さを小さくし、保護フィルムの厚さ、回路基板の厚さを低減しても、信頼性の低下を招くことなく信頼性の高いICカードを形成することができる。
また、もっともICチップに応力がかかりやすい領域に対してのみ、フィルムシートを貼着するようにすれば、コストの低減を図ることができる。特にポリイミドなどのコストの高いフィルムの場合にはより有効である。
この構成により、応力に対する伸びを低減し、ICチップに対する保護性を高めることができる。
【0044】
なお、前記ICカードでは、補強板としてSUS板を用いたが、これに限定されることなく、他の材料で構成してもよい。また補強板は無くても良い場合もある。
【0045】
また、回路基板についても、PEN,のほかPETなど他の材料を用いても良い。
【0046】
次に、本発明の実施の形態のICカードの製造方法について説明する。図5乃至図10は本発明の実施の形態のICカードの製造工程について説明する。
まず、図5に示すように、回路基板101を形成する。供給ロール200と巻き取りロール201との間で回路基板101となる帯状のフィルムを走行させながら印刷部202でアルミニウムペーストを用いて回路パターンを印刷するとともに加熱焼成し、パンチ部203でスリットSをパンチングする。図6は印刷によりアルミニウムパターンからなる回路パターン102を形成したフィルムシートを示す。図7はスリット形成後のフィルムシートを示す。
【0047】
一方ICチップは半導体ウェハ1上に形成される。
まず、図8に示すように、半導体ウェハ1上に所望の素子列を形成するとともに、図9に示すように、この素子列を構成する各素子の各接続端子部であるバンプ109を高さ25〜40μmとなるように形成する。このとき必要に応じて、バンプ形成領域以外の領域に、ポリイミドフィルムなどのフィルムシート100を貼着しておいてもよい。
【0048】
続いて、ダイシングラインDCでICチップ103に分断する。
【0049】
この図10に示すようにこのICチップ103のバンプ109を異方性導電膜110を介して回路パターン102に接続する。
そして、厚さ50〜150μmの補強板105を加熱硬化型エポキシ配合樹脂である接着性樹脂106を介して固着する。
【0050】
最後に厚さ12.5〜25μmの2枚のポリイミドシートからなる保護フィルム107,108で圧着し、図1に示したようなICカードが形成される。
【0051】
この方法によれば、回路基板がスリットを有しているため、使用時のみならず、ICチップの接続時においても、応力が緩和され、ICチップの破損を抑制することができる。
【0052】
また補強板を固着する際にも、回路基板101のICチップ搭載領域の近傍にはスリットSが存在するため、応力緩和がなされる。
したがって組み立て時のICチップの割れを防止し歩留まりの向上をはかることができる。
【0053】
このようにして容易に作業性よく信頼性の高いICカードを形成することができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
さらに前記実施の形態では、スリットは4角に設けたが、この例では対角線上に2箇所設けたことを特徴とする。
すなわち図11に示すように、ICカードにおいて、スリットSは、ICチップの対角線上にある2つの角部の近傍に設けられている。
【0055】
この構成により、もっとも力のかかりやすい角部の2箇所にスリットが設けられているため、効率よく応力を逃がすことができ、しかもスリットの存在により回路基板自体の強度の低下を招くこともない。
また、回路パターンの形成領域を避けてスリットを形成することにより、回路構成に影響を与えることなく強度の高いICカードを形成することが可能となる。
【0056】
(第3の実施の形態)
さらに前記第1の実施の形態では、ICチップは異方導電性フィルム110を介して回路パターン102に固着されているだけであるが、この例では図12に要部断面図を示すように、スリットSで囲まれたICチップ搭載領域において、ICチップと回路基板との間にポリイミドフィルムからなるフィルムシート100が介在せしめられていることを特徴とする。
この構成によれば、ICチップと回路基板との間に絶縁性のフィルムシートが介在しているため、ICチップの周囲の応力をスリットで効率よく逃がした上で、外部応力による回路基板の伸びをこのフィルムシートで抑制することができ、ICチップにかかる応力をさらに緩和することができる。
なお前記実施の形態では、フィルムシートはICチップの裏面にのみ形成したが、回路基板表面全体を覆うように形成してもよい。他部については前記第1の実施の形態と同様である。
この構成によれば、コストは高くなるが、より信頼性の高いものとなる。
【0057】
なお、このフィルムシートの形成はウェハレベルでフィルムシートを貼着したのち、ダイシングラインに沿って個々のICチップに分断するようにすれば位置決めも容易である。また、半導体ウェハをダイシングし、ICチップを形成したのち、フィルムシート100を挟むようにICチップ103を回路基板101に接合するようにしてもよい。
【0058】
この方法によっても容易に強度の高いICカードを形成することができる。またこの絶縁性のフィルムシートはポリイミド樹脂など、硬化時に剛性が高い絶縁性樹脂に代え、塗布形成するようにしてもより作業性を高めることができる。
加えて、前記実施の形態では補強板が形成されているが、強固に固着されていれば補強板は省くことも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明のICカードは、回路基板のICチップ搭載領域の近傍にスリットが形成されているため、ICチップにかかる応力を緩和することができ、強度の向上をはかることができる。
また、ICチップの厚さを低減することができる。
さらにまた本発明の方法によれば、実装時の応力によってICチップが破損したりすることもなく、容易に、位置ずれもなく信頼性の高いICカードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のICカードの断面図
【図2】(a)は保護フィルムを形成する前のICカードの平面図、(b)は同要部拡大断面図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるICチップの表面側を示す図。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるICチップの断面図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるICカードを示す図
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるICカードを示す図
【図13】従来例のICカードを示す図
【符号の説明】
1 半導体ウェハ
S スリット
101 回路基板
102 回路パターン
103 ICチップ
104 異方性導電膜
105 補強板
106 樹脂層
107,108 保護フィルム
200 供給ロール
201 巻き取りロール
202 印刷部
203 パンチ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードおよびその製造方法に係り、特に薄型のICカードの強度の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
カード上に半導体集積回路チップ(ICチップ)を搭載し、さまざまな機能をもたせたICカードを取りまく技術革新はまさに日進月歩で、新しい機能のCPU、メモリ、カード素材等が着目され、利用技術の高度化も高まる一方である。
【0003】
ICカードは、接触型のものと非接触型のものに分類されるが、最近では各々の特徴を生かし、接触型と非接触型を一体化したいろいろなタイプのICカード(ハイブリッドカード、コンビネーションカードなど)も登場している。
【0004】
例えば、非接触型ICカードは、カード上にコイルとCPUなどのICチップが搭載されてなり、コイルに誘起される起電力により、ICチップが駆動されるしくみである。このICカードは、その一例を図13に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる回路基板101表面に形成されたアルミニウムパターンからなるコイルパターン102と、前記コイルパターンにフェースダウンで異方性導電膜104を介して接続された半導体集積回路チップ(以下ICチップ)103と、このICチップの裏面に樹脂層106を介して貼着された補強板105とで構成されたカード基板の表面及び裏面をPETからなる保護フィルム107、108で被覆して形成される。
【0005】
ICチップ103と回路基板101との接続に際してもさまざまな工夫がなされており、回路基板101上の回路パターンに異方性導電膜を介してICチップ103を搭載したものも提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
このようなICカードは、0.86mm程度と極めて薄いものであるため、カードケースなどに収納してポケットやかばんの中にいれて持ち運びがなされる際、カード基板にかかる応力により破損し易いという問題がある。
【0007】
特に、ICチップの割れや欠けが問題となっており、ICチップの補強が重要な課題となっている。補強板105としては前述したように、通常ICチップとほぼ同程度の大きさで、SUS製ビッカース硬度370以上のものが用いられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−148378号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のICカードは、外部応力に対してICチップの破損が生じ易いという問題があった。
また、薄型化が求められているが、従来のICカードは薄型化しようとすると、補強板を薄くしたり、樹脂の厚さを薄くしたりする必要があり、外部応力により破損し易いという問題があった。
【0010】
ICカードの試験方法として、種々な規格試験があるが、例えば、強度試験(JIS X 6303)によって点圧を与えた場合、チップが破損しやすいという問題があった。
【0011】
また、回路基板は可撓性であるため、補強板側と回路基板側との物性の差による強度差があり、この間に挟まれているICチップが破損し易いという問題があった。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、外部応力からICチップを保護し、薄型化が可能で、信頼性の高いICカードを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明のICカードは、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板と、前記回路パターンに接続するように前記回路基板表面に、接続されたICチップとを有するカード基板と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルムとを備え、前記回路基板が前記ICチップの周辺にスリットを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成により、回路基板のICチップ周辺にスリットが形成されているため、外部応力による回路基板の伸びをこのスリットで逃がすことにより、ICチップの割れを抑制することができる。すなわち、このスリットの存在により、ICチップは、回路基板に自由度をもって固定されることになり、回路基板に応力がかかったとしても、ICチップへの伝達は低減される。このように、応力の緩和をはかることができ、従って強度の向上をはかることができるため、ICチップの厚さも薄くすることができる。また、保護フィルムの厚さ、回路基板の厚さも低減することができ、薄型化をはかることができる。
【0014】
また、上記ICカードにおいて、前記スリットは、前記ICチップの対角線上にある2つの角部の近傍に設けられている。
【0015】
この構成により、もっとも力のかかりやすい角部の2箇所にスリットが設けられているため、効率よく応力を逃がすことができ、しかもスリットの存在により回路基板自体の強度の低下を招くこともない。
【0016】
また、上記ICカードにおいて、前記スリットは、前記ICチップの4つの角部の近傍に設けられている。
【0017】
この構成により、ICカードの近傍がスリットに囲まれた、吊り状態をとることになり、より効率よく応力を逃がすことができる。
前記ICチップは、前記回路基板上に絶縁性のフィルムを介して固着されている
【0018】
また、上記ICカードにおいて、ICチップと回路基板との間に絶縁性のフィルムシートが介在しているため、ICチップの周囲の応力をスリットで効率よく逃がした上で、外部応力による回路基板の伸びをこのフィルムシートで抑制することができ、ICチップにかかる応力をさらに緩和することができる。
【0019】
また、上記ICカードにおいて、前記ICチップの裏面に、補強板が配設されている。
この構成により、ICチップが、表面側では絶縁性のフィルムシートで補強され、裏面側では補強板で補強されているため、応力耐性のさらなる向上をはかることができる。
【0020】
さらにまた、前記フィルムシートは、前記ICチップの接続端子に相当する部分を除いて、ICチップの表面全体に配設されている。
この構成により、回路基板上の回路パターンとの接続は異方性導電膜などにより良好に達成され、ICチップ表面に突出する接続端子以外の部分をフィルムシートで埋めることになるため、平坦性が向上するとともに、ICチップの周辺の剛性を高めることが可能となる。
【0021】
また、前記フィルムシートをポリイミドフィルムで構成している。
通常、回路基板はPETなどで構成されるが、この構成により、PETより剛性の高いポリイミドフィルムによって応力による伸びを抑制することができるため、ICチップにかかる応力を緩和することができる。
【0022】
また、前記フィルムシートを、前記補強板と相対向する領域に配設することにより、最も強度的に弱い領域であるICチップの領域に対してのみ、貼着するようにすれば、コストの低減を図ることができる。特にポリイミドなどのコストの高いフィルムの場合にはより有効である。
【0023】
また、前記フィルムシートを前記回路基板表面全体に配設することにより、強度の向上をはかることができる。
【0024】
また本発明のICカードでは、前記フィルムシートはポリイミドフィルムで構成される。
この構成により、応力に対する伸びが少なく、ICチップに対する保護性を高めることができる。
【0025】
また本発明のICカードでは、前記回路基板は前記ICチップの厚さの4分の1以下である。
この構成により、上記効果に加え、より薄型化をはかることができる。
この範囲を外れると厚みオーバー、または強度不足となるという不都合がある。
【0026】
また本発明のICカードは、前記カード基板は総厚が300μm以下である。
この構成により、より薄型化をはかることができる。
【0027】
また本発明のICカードは、総厚が0.76mm以下である。
【0028】
本発明のICカードの製造方法は、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板を用意する工程と、前記回路基板表面に、絶縁性のフィルムシートを介してICチップを載置して、前記回路パターンと電気的に接続し、カード基板を形成する工程と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように保護フィルムを熱圧着により接合する工程とを備えている。
この構成により、容易に強度の高い薄型のICカードを形成することができる。
【0029】
また、本発明のICカードの製造方法では、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板を用意する工程と、前記回路基板の前記ICチップ搭載領域の近傍にスリットを形成する工程と、前記回路基板表面に、ICチップを接続し、カード基板を形成する工程と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように保護フィルムを熱圧着により接合する工程とを備えている。
【0030】
この構成により、スリットを形成する工程を付加するのみで容易に信頼性の高いICカードを形成することが可能となる。また、このスリットをあらかじめパンチングなどで形成しておくことにより、ICチップ搭載工程における、位置決めに利用することも可能である。
【0031】
また本発明のICカードの製造方法では、前記カード基板を形成する工程は、半導体ウェハ上に所望の素子列を形成する工程と、前記半導体ウェハをダイシングし、ICチップを形成する工程と、前記フィルムシートを挟むように前記ICチップを前記回路基板に接合する工程とを含む。
【0032】
この方法によっても容易に強度の高いICカードを形成することができる。またこの絶縁性のフィルムシートに代えて、ポリイミド樹脂など、硬化後に剛性が高くなるような組成をもつ絶縁性樹脂を用いて、塗布形成するようにしてもより作業性を高めることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のICカードおよびその製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のICカードの断面図を図1に示す。また図2(a)はこのICカードの保護フィルム107,108を除去した状態を示す平面図、(b)は要部拡大断面図である。図において、従来の技術で説明したものと同一部位は同一符号で示すものとする。
このICカードは、可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板101と、この回路パターンに接続するように回路基板表面に搭載されるICチップ103とを有するカード基板と、このカード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルムとを備え、この回路基板がICチップの周辺にスリットSを備えたことを特徴とする。
他の部分は前述した従来技術と同様に形成されている。すなわち厚さ50μm以下のPENフィルムからなり、厚さ20μm以下のアルミニウム箔で形成された回路パターン102を備えた回路基板101と、この回路基板表面に、厚さ25μm以下のポリイミドフィルムからなるフィルムシート100を介して接続されたICチップ103とを有するカード基板と、ICチップ103の裏面側に接着性樹脂106によって固着された補強板105と、前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられたポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護フィルム107,108とを備えている。
【0034】
ここでICチップ103表面には図3及び図4にICチップの要部拡大裏面図及び断面図を示すように、バンプ109が突出するように形成されており、このバンプ109は回路基板上の回路パターン102に異方性導電膜110を介して接続されている。
【0035】
このICカードは、次のようにして用いられる。たとえばICカードリーダ/ライタを通じて、ICカードのバンプ(外部接触端子)のVccに回路電圧3V〜5Vが加えられる。
また、バンプを介してクロック信号が供給され、同端子(I/O端子)を通じて情報のシリアル入出力が行われる。
【0036】
この構成により、回路基板101のICチップ103周辺にスリットSが形成されているため、外部応力による回路基板101の伸びをこのスリットSで逃がすことにより、ICチップ103の割れを抑制することができる。すなわち、このスリットSの存在により、ICチップ103は、回路基板101に自由度をもって固定されることになり、回路基板に応力がかかったとしても、ICチップへの伝達は低減される。このように、応力の緩和をはかることができることにより、強度の向上をはかることができるため、ICチップ103の厚さも薄くすることができる。また、保護フィルム107,108の厚さ、回路基板101の厚さも低減することができ、薄型化をはかることができる。
【0037】
また、スリットは、ICチップの4つの角部の近傍に設けられており、ICカードの近傍がスリットに囲まれた、吊り状態をとることになり、より効率よく応力を逃がすことができる。スリットSの最外縁の間隔Lは10mm、スリット幅は1mmで4つの角部にL字状をなすように形成する。スリット幅は0.1〜2mm程度が望ましい。スリット幅を前記範囲にとることにより、強度の向上をはかることができる。
【0038】
また、ICチップの裏面側にSUS製の補強板を備えているためこの補強板105とフィルムシート100とによってICチップは保護されており、またバンプと回路パターンとの接続部もこのフィルムシート100で囲まれているため電気的接続も確実となる。この補強板はSUS301(ステンレス板)で構成されている。ここでICチップが3mm角である場合、補強板は直径6〜8mmとする。なお補強板の形状は円形が望ましい。
【0039】
なお、他は同様にして補強板のみを硬度の異なるもので構成し、強度を測定した。この結果からも、ビッカース硬度530以上のものを用いるのが望ましいことがわかる。すなわち、従来はビッカース硬度370程度のものが用いられていたがこれに比べて、強度が大幅に向上することがわかった。
【0040】
また、接着性樹脂106としては、ワックスなどの離型剤を含有しないものを用いるのが望ましい。これにより強度が従来のワックス含有樹脂に比べて30%以上向上する。これはスリットSの有無にかかわらず強度が向上する。
【0041】
このICカードの総厚さは、0.74mm、カード基板の厚さは300μm以下であった。
【0042】
このICカードをJIS X 6303で規定された試験後も機能障害は生じることなく維持できた。
また動的ねじれ強さについても十分な強度を維持することができた。
さらにまたJIS K 5600に規定されている耐おもり落下性試験についても剥がれが生じることなく、信頼性を維持することができた。
【0043】
なお、ICチップの厚さを小さくし、保護フィルムの厚さ、回路基板の厚さを低減しても、信頼性の低下を招くことなく信頼性の高いICカードを形成することができる。
また、もっともICチップに応力がかかりやすい領域に対してのみ、フィルムシートを貼着するようにすれば、コストの低減を図ることができる。特にポリイミドなどのコストの高いフィルムの場合にはより有効である。
この構成により、応力に対する伸びを低減し、ICチップに対する保護性を高めることができる。
【0044】
なお、前記ICカードでは、補強板としてSUS板を用いたが、これに限定されることなく、他の材料で構成してもよい。また補強板は無くても良い場合もある。
【0045】
また、回路基板についても、PEN,のほかPETなど他の材料を用いても良い。
【0046】
次に、本発明の実施の形態のICカードの製造方法について説明する。図5乃至図10は本発明の実施の形態のICカードの製造工程について説明する。
まず、図5に示すように、回路基板101を形成する。供給ロール200と巻き取りロール201との間で回路基板101となる帯状のフィルムを走行させながら印刷部202でアルミニウムペーストを用いて回路パターンを印刷するとともに加熱焼成し、パンチ部203でスリットSをパンチングする。図6は印刷によりアルミニウムパターンからなる回路パターン102を形成したフィルムシートを示す。図7はスリット形成後のフィルムシートを示す。
【0047】
一方ICチップは半導体ウェハ1上に形成される。
まず、図8に示すように、半導体ウェハ1上に所望の素子列を形成するとともに、図9に示すように、この素子列を構成する各素子の各接続端子部であるバンプ109を高さ25〜40μmとなるように形成する。このとき必要に応じて、バンプ形成領域以外の領域に、ポリイミドフィルムなどのフィルムシート100を貼着しておいてもよい。
【0048】
続いて、ダイシングラインDCでICチップ103に分断する。
【0049】
この図10に示すようにこのICチップ103のバンプ109を異方性導電膜110を介して回路パターン102に接続する。
そして、厚さ50〜150μmの補強板105を加熱硬化型エポキシ配合樹脂である接着性樹脂106を介して固着する。
【0050】
最後に厚さ12.5〜25μmの2枚のポリイミドシートからなる保護フィルム107,108で圧着し、図1に示したようなICカードが形成される。
【0051】
この方法によれば、回路基板がスリットを有しているため、使用時のみならず、ICチップの接続時においても、応力が緩和され、ICチップの破損を抑制することができる。
【0052】
また補強板を固着する際にも、回路基板101のICチップ搭載領域の近傍にはスリットSが存在するため、応力緩和がなされる。
したがって組み立て時のICチップの割れを防止し歩留まりの向上をはかることができる。
【0053】
このようにして容易に作業性よく信頼性の高いICカードを形成することができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
さらに前記実施の形態では、スリットは4角に設けたが、この例では対角線上に2箇所設けたことを特徴とする。
すなわち図11に示すように、ICカードにおいて、スリットSは、ICチップの対角線上にある2つの角部の近傍に設けられている。
【0055】
この構成により、もっとも力のかかりやすい角部の2箇所にスリットが設けられているため、効率よく応力を逃がすことができ、しかもスリットの存在により回路基板自体の強度の低下を招くこともない。
また、回路パターンの形成領域を避けてスリットを形成することにより、回路構成に影響を与えることなく強度の高いICカードを形成することが可能となる。
【0056】
(第3の実施の形態)
さらに前記第1の実施の形態では、ICチップは異方導電性フィルム110を介して回路パターン102に固着されているだけであるが、この例では図12に要部断面図を示すように、スリットSで囲まれたICチップ搭載領域において、ICチップと回路基板との間にポリイミドフィルムからなるフィルムシート100が介在せしめられていることを特徴とする。
この構成によれば、ICチップと回路基板との間に絶縁性のフィルムシートが介在しているため、ICチップの周囲の応力をスリットで効率よく逃がした上で、外部応力による回路基板の伸びをこのフィルムシートで抑制することができ、ICチップにかかる応力をさらに緩和することができる。
なお前記実施の形態では、フィルムシートはICチップの裏面にのみ形成したが、回路基板表面全体を覆うように形成してもよい。他部については前記第1の実施の形態と同様である。
この構成によれば、コストは高くなるが、より信頼性の高いものとなる。
【0057】
なお、このフィルムシートの形成はウェハレベルでフィルムシートを貼着したのち、ダイシングラインに沿って個々のICチップに分断するようにすれば位置決めも容易である。また、半導体ウェハをダイシングし、ICチップを形成したのち、フィルムシート100を挟むようにICチップ103を回路基板101に接合するようにしてもよい。
【0058】
この方法によっても容易に強度の高いICカードを形成することができる。またこの絶縁性のフィルムシートはポリイミド樹脂など、硬化時に剛性が高い絶縁性樹脂に代え、塗布形成するようにしてもより作業性を高めることができる。
加えて、前記実施の形態では補強板が形成されているが、強固に固着されていれば補強板は省くことも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明のICカードは、回路基板のICチップ搭載領域の近傍にスリットが形成されているため、ICチップにかかる応力を緩和することができ、強度の向上をはかることができる。
また、ICチップの厚さを低減することができる。
さらにまた本発明の方法によれば、実装時の応力によってICチップが破損したりすることもなく、容易に、位置ずれもなく信頼性の高いICカードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のICカードの断面図
【図2】(a)は保護フィルムを形成する前のICカードの平面図、(b)は同要部拡大断面図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるICチップの表面側を示す図。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるICチップの断面図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるICカードの製造工程を示す図
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるICカードを示す図
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるICカードを示す図
【図13】従来例のICカードを示す図
【符号の説明】
1 半導体ウェハ
S スリット
101 回路基板
102 回路パターン
103 ICチップ
104 異方性導電膜
105 補強板
106 樹脂層
107,108 保護フィルム
200 供給ロール
201 巻き取りロール
202 印刷部
203 パンチ部
Claims (9)
- 可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板と、
前記回路パターンに接続するように前記回路基板表面に、接続されたICチップとを有するカード基板と、
前記カード基板の表面及び裏面を覆うように接合せしめられた保護フィルムとを備え、
前記回路基板が前記ICチップの周辺にスリットを備えたことを特徴とするICカード。 - 請求項1に記載のICカードであって、前記スリットは、前記ICチップの対角線上にある2つの角部の近傍に設けられているICカード。
- 請求項1に記載のICカードであって、前記スリットは、前記ICチップの4つの角部の近傍に設けられているICカード。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のICカードであって、前記ICチップは、前記回路基板上に絶縁性のフィルムを介して固着されているICカード。
- 請求項1乃至4に記載のICカードであって、前記ICチップの裏面には、補強板が配設されているICカード。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のICカードであって、前記回路基板は前記ICチップの厚さの4分の1以下であるICカード。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のICカードであって、前記カード基板は総厚が300μm以下であるICカード。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のICカードであって、総厚が0.76mm以下であるICカード。
- 可撓性のシート材料からなり、回路パターンの形成された回路基板を用意する工程と、
前記回路基板の前記ICチップ搭載領域の近傍にスリットを形成する工程と、
前記回路基板表面に、ICチップを接続し、カード基板を形成する工程と、
前記カード基板の表面及び裏面を覆うように保護フィルムを熱圧着により接合する工程とを備えたICカードの製造方法。
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2003
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