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JP2005008869A - シート状ポリ乳酸架橋発泡体及びその製造方法 - Google Patents

シート状ポリ乳酸架橋発泡体及びその製造方法 Download PDF

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JP2005008869A JP2004150221A JP2004150221A JP2005008869A JP 2005008869 A JP2005008869 A JP 2005008869A JP 2004150221 A JP2004150221 A JP 2004150221A JP 2004150221 A JP2004150221 A JP 2004150221A JP 2005008869 A JP2005008869 A JP 2005008869A
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Yoshiyuki Oka
善之 岡
Fusakichi Akimaru
房吉 秋丸
Junichi Tainaka
純一 田井中
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Abstract

【課題】 耐熱性と柔軟性を両立させ、真空成形、圧縮成形等の二次成形が容易なシート状ポリ乳酸架橋発泡体を提供する。さらに、その最適な製造方法を提供する。
【解決手段】 温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×103〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であるポリ乳酸90〜10重量%、及び、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×103〜1.0×105Pa・sであるポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂10〜90重量%からなる生分解性樹脂と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを用いてなる架橋発泡体であって、かつ、ゲル分率が10%以上であるシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性と柔軟性を両立させ、真空成形、圧縮成形等の二次成形が容易なポリ乳酸架橋発泡体およびその製造方法に関するものである。
従来より、ポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリウレタン系樹脂発泡体等の樹脂発泡体が軽量性、断熱性、成形性、緩衝性等に優れていることから、工業的に製造され、広汎な用途で用いられてきている。しかし、これらの樹脂発泡体は、軽量ではあるものの廃棄する場合には嵩張り、再利用が困難であった。特に、樹脂を架橋させた架橋樹脂発泡体の場合は、マテリアルリサイクルは事実上不可能であるという欠点があった。また、これらの樹脂発泡体は、土中に埋没させても半永久的に残存し、焼却あるいは埋め立てによるゴミ廃棄場所の確保等で地球環境を汚染し、自然の景観を損なう場合も少なくなかった。
一方、廃棄処分問題の観点から、自然環境中で微生物等により分解される生分解性樹脂が研究、開発され、既にフィルムや繊維では生分解性樹脂を用いた製品が商品化されている。また、発泡体においても、生分解性樹脂を用いた押出発泡体が開発されている。これらの生分解性樹脂の中でも、とりわけポリ乳酸については、主原料となる乳酸がコーンスターチやコーンシロップなどを発酵させることで製造できるため、植物由来のクリーンな生分解性樹脂として注目を浴び、その活用のための研究が盛んに行われている。
しかし、ポリ乳酸を始め脂肪族ポリエステル樹脂は、重縮合時に発生する水などのために高分子量化することが難しく、発泡体を作成するために必要な溶融粘度を樹脂に付与することが困難であった。
これを解決するために、ポリ乳酸にポリイソシアネートを配合して鎖連結し、重量平均分子量及び数平均分子量を高め、且つ、その多分散度を6以下とすることで溶融粘度を向上させる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、多官能のグリコール、カルボン酸等を用いて分岐をさせて溶融粘度を向上させる方法も提案されている(特許文献2参照)。この様にして溶融粘度を向上させることで比較的高発泡倍率のポリ乳酸発泡体を得ることは可能となるものの、得られた発泡体または発泡粒子は無架橋であるため、得られた発泡体を加熱し、真空成形などを行い所望の形状に賦形しようと試みると、耐熱性が不十分であるために複雑な形状に加工することは困難であり、使用される用途が制限されていた。
これを解決する方法として、ポリエステル樹脂を過酸化物を用いて架橋させる方法(特許文献3参照)の利用が考えられる。しかし、ポリ乳酸はα位のメチル基の電子供与性のために三級炭素上に生成するラジカルが不安定であるため、単に過酸化物を用いるだけでは分解反応が優先してしまい、架橋反応が起こりにくい。事実、特許文献3にはコハク酸ブチレンを架橋させる実施例は記載されているが、ポリ乳酸を架橋させる実施例は記載されていない。
また、ポリ乳酸は、その他に、耐衝撃性、柔軟性に劣るという欠点があるが、この欠点を解消し、常温で良好な弾性、緩衝性を有する発泡体を得る方法として、ポリ乳酸とジカルボン酸成分とジオール成分とを構造単位として含む乳酸系ポリエステル共重合体を用いた発泡性粒子が提案されている(特許文献4参照)。この技術によれば、柔軟性と機械的強度の制御が可能であるが、しかし、該技術ではポリマーのガス浸透性を利用して揮発性化合物を吸収させて発泡させた発泡粒子を開示するものであり、熱分解型発泡剤を分解させて発生させたガスを利用して発泡させることは開示されていない。その上、ポリマーの重合方法が煩雑になるために、元来ポリエチレン等の汎用プラスチックと比較して高価である生分解性樹脂の価格が更に上がってしまい、使用される用途が制限されるという懸念点があった。
また、ポリ乳酸と脂肪族ポリカーボネートとをラジカル反応開始剤の存在下、窒素雰囲気下で溶融混合して得られる樹脂組成物を用いてなる発泡体が提案されている(特許文献5参照)。この方法によれば、ポリマーの混合比率を変えることで柔軟性と機械的強度の制御が可能であるが、発泡剤の分解ガスを保持するために十分な粘度を与えるために架橋させると、溶融粘度が高くなりすぎてシート状に成形することが困難となるため、シート状の架橋発泡体を得ることは不可能であった。
特開2001−98044号公報 特開2000−169546号公報 特開2002−60501号公報 特開平8−253617号公報 特開2002−371172号公報
そこで本発明は、上記従来技術に鑑み、耐熱性と柔軟性がともに良好であって、真空成形、圧縮成形等の二次成形が容易なシート状ポリ乳酸架橋発泡体を提供すること、およびその最適な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を採用するものであり、また、本発明のシート状ポリ乳酸架橋発泡体及びその製造方法は以下の態様とすることが好ましい。
(1)温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であるポリ乳酸90〜10重量%、及び、温度1705Pa・sであるポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂10〜90重量%からなる生分解性樹脂と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを用いてなる架橋発泡体であって、かつ、ゲル分率が10%以上であるシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(2)前記生分解性ポリエステル樹脂が、ラクトン樹脂、脂肪族ポリエステル、芳香族共重合ポリエステル、及び天然直鎖状ポリエステル系樹脂の中から選ばれた少なくとも一種である上記(1)記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(3)非生分解性の熱可塑性樹脂が、樹脂全体の50重量%以下の量、配合されてなる上記(1)または(2)記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(4)前記架橋助剤が多官能性メタクリル酸系化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(5)前記架橋助剤が、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジメタクリレートから選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(6)温度120℃で1時間放置後の寸法変化率が5%以内である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体である。
(7)温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であるポリ乳酸90〜10重量%、及び、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×105Pa・sであるポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂10〜90重量%からなる生分解性樹脂と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを含む樹脂組成物を成形しシートを得る工程、該シートに電離性放射線を照射し該樹脂組成物を架橋させ架橋シートを得る工程、さらに該架橋シートを該熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度で熱処理しシート状架橋発泡体とする工程を含むシート状ポリ乳酸架橋発泡体の製造方法である。
このように、本発明は、前記した目的、つまり耐熱性と柔軟性を両立させ、真空成形、圧縮成形等の二次成形が容易なシート状ポリ乳酸架橋発泡体、およびその最適な製造方法を得ること、について、鋭意検討した結果、特定のポリ乳酸と、特定の生分解性ポリエステル樹脂(ポリ乳酸以外)と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを用いてなるシート状架橋発泡体とし、かつ、そのゲル分率を10%以上とすることにより、かかる目的を達成できることを究明したことによるものである。
本発明によれば、耐熱性と柔軟性がともに良好であって、真空成形、圧縮成形等の二次成形が容易なシート状ポリ乳酸架橋発泡体を再現良く製造できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明で使用するポリ乳酸は、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であることが必要である。
溶融粘度が1.0×102Pa・sを下回るとポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂との相溶性が著しく低下するばかりでなく、得られる発泡体の耐熱性の低下にも繋がる。一方、溶融粘度が1.0×104Pa・sを上回ってもポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂との相溶性が低下するほか、生産性が低下する。また、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂と熱分解型発泡剤と架橋助剤とからなる樹脂組成物は、ポリ乳酸及びポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂の融点以上で、かつ熱分解型発泡剤の分解温度以下で溶融混練し、シート状に成形する必要がある。これらを勘案すると、溶融混練する時の温度は130℃〜190℃程度の範囲で行うことが好ましく、このため170℃での溶融特性を把握しておくのが非常に重要となる。
また、本発明で使用するポリ乳酸は、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であることが必要である。耐熱性を向上させるためには、乳酸の光学活性が高い方が好ましいが、通常繊維用として使用されるようなl体がほぼ100%のポリ乳酸樹脂では、結晶性が高く、架橋発泡体とするに際し、電子線照射などを施しても架橋反応が進みにくい。乳酸の光学活性が低くなると、ポリ乳酸の結晶性、融点が低下するため、得られる発泡体の耐熱性が低下するため好ましくない。上記を勘案すると、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であることが好ましく、より好ましくは、d体とl体のモル比率がd/l=97/3〜80/20又はd/l=3/97〜20/80である。さらに、商業的に考えれば、天然に存在するl−乳酸の方が容易に入手できるため、実質的には、d体とl体のモル比率がd/l=2/98〜30/70である方が、より好ましい。
上記のポリ乳酸を製造する方法としては、従来より公知の方法を用いても良く、例えば乳酸を縮合重合させる方法、環状二量体(ラクチド)を開環重合する方法などが挙げられる。また、d、lそれぞれの乳酸は、トウモロコシ等を主原料とし、デンプンをグルコースに分解し乳酸菌で発酵させる方法、エチレンを酸化しラクトニトリルを経由してd、l乳酸のラセミ体を合成、これを光学分割する方法等により合成することが可能である。
また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ポリ乳酸以外の樹脂が共重合したものであってもよい。また、必要に応じて多官能イソシアネート、多官能グリシジルエステル等の鎖延長剤を添加し、溶融粘度を調整することは好ましい実施の態様である。
次に本発明で使用するポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂について説明する。ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂は、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×105Pa・sであることが必要である。
溶融粘度が1.0×102Pa・sを下回るとポリ乳酸との相溶性が著しく低下するばかりでなく、得られる発泡体の耐熱性の低下にも繋がるし、また、1.0×105Pa・sを上回ってもポリ乳酸との相溶性が低下するほか、生産性が低下する。これは前述したポリ乳酸の場合と同様である。
上記ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂としては、例えば合成高分子としては、以下のラクトン樹脂、例えば、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンや4−メチルカプロラクトン、2,2,4−トリメチルカプロラクトンなどの各種メチル化ラクトンの単独重合体または共重合体、及びそれらの混合物、以下に代表される脂肪族ポリエステル、例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/カーボネート等のジオールとジカルボン酸または該酸無水物等の誘導体を重縮合してなる脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート等の芳香族共重合ポリエステル、ポリヒドロキシブチレート・バリレート等の天然直鎖状ポリエステル系樹脂が挙げられる。これらポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂は共重合体であってもよく、単独で用いてもよいし、2種類以上併用して用いることもできる。これらの中でも、ポリ乳酸との相溶性が良好で、電子線に対する架橋性が類似しており、ポリ乳酸の有しない柔軟性に優れている点で、ポリエチレンサクシネート、ポリブテンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/カーボネート等が特に好ましく、中でもポリブチレンテレフタレート/アジペートが最も好ましい。
また、これらの生分解性ポリエステル樹脂においても、多官能カルボン酸やグリコールを用いて分岐させたり、多官能イソシアネート、多官能グリシジルエーテル等の鎖延長剤を用いる等、従来より公知の方法により溶融粘度を調整することができる。
また上記以外の樹脂を添加して用いてもよく、例えば、酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、硝酸酢酸セルロース等の生分解性セルロースエステル等、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリロイシン等のポリペプチドや、ポリビニルアルコール等、澱粉として、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉などの生澱粉、酢酸エステル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、アミロース等の加工澱粉等、セルロース、カラギーナン、キチン・キトサン質等の天然高分子といった、生分解性を有する樹脂を添加してもよい。
さらに、本発明の架橋発泡体は、上記した生分解性樹脂の他に、非生分解性の熱可塑性樹脂が、本発明の目的を損なわない範囲で配合されたものであってもよい。この非生分解性樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー等の汎用樹脂が挙げられる。この非生分解性熱可塑性樹脂の配合量は樹脂全体の0〜50重量%であることが好ましい。50重量%を上回ると生分解性が損なわれる可能性があるため好ましくない。これら非生分解性熱可塑性樹脂は、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性樹脂だけでは発現しない機能を付与するために好ましく用いることが出来る。
尚、本発明における溶融粘度は、東洋精機製作所製「キャピログラフ1C−PMD−C」を用いて、温度170℃で、ノズル径1.0ミリ、L/D=10のノズルを用いて、剪断速度100sec-1で測定した溶融粘度の値である。
本発明においては、耐熱性と柔軟性を両立させるために、上記ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂の混合比率(重量比)は10/90〜90/10であることが必要であり、好ましくは15/85〜85/15、さらに好ましくは20/80〜80/20である。ポリ乳酸の混合比率が多くなるほど耐熱性や剛性は向上するが、柔軟性が低下するため、シート状の発泡体として巻き取ることができなくなる他、緩衝性が低下する傾向にある。ポリ乳酸の含有量が多い場合は例えば剛性と耐熱性の必要な自動車用天井材や容器等に好適となる。逆にポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂が多くなるほど柔軟性は向上するが耐熱性が低下する傾向にあり、緩衝材として使用するのに好適となる。
本発明で使用する発泡剤としては、常温で液体または固体の化合物でポリ乳酸及びポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂の融点以上に加熱された時に分解または気化する化合物であればシート化や架橋反応を実質的に妨害しないかぎり任意のものが使用できるが、中でも熱分解型発泡剤で、かつ、分解温度が120℃〜270℃の範囲のものが好ましい。その具体的な例としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩等のアゾ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、N,N’ージニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩を挙げることができる。この中でもアゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウムが特に好ましく用いられる。アゾジカルボンアミドにおいては、そのpHが7付近の中性のものが好ましい。
上記発泡剤の分解温度を調節するため、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等の分解温度調節剤が併用添加されているものも好ましく用いることができる。
尚、これらの発泡剤はポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂からなる樹脂混合物100重量部に対して0.1〜40重量部の範囲内の量で使用され、それぞれの種類や発泡倍率によって任意に混合量を変えることができる。
本発明で使用する架橋助剤とは、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂からなる樹脂混合物に効率よく架橋構造を導入するために用いるものであり、主として多官能性モノマーを架橋助剤として用いることが出来る。架橋助剤を併用すると、少ない放射線量で効率よく架橋構造を導入することが出来るため、生産性が向上する他、樹脂の劣化も防ぐことができ、好ましく用いられる。
これら架橋助剤は特に限定されず、従来公知の多官能性モノマー、例えば、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート等のアクリレート系またはメタクリレート系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリアリルエステル、シュウ酸ジアリル等のカルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸またはイソシアヌール酸のアリルエステル;N−フェニルマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジプロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合物;ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーを使用することができ、取り扱いやすさと汎用性等の点から、多官能性メタクリル酸系化合物が好ましく、これらの中でもエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート等のエステル系の多官能性モノマーが特に好ましく用いられる。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ポリ乳酸は架橋しにくい樹脂であるため、ポリ乳酸の含有量が高い場合は、3官能以上の架橋助剤と2官能の架橋助剤とを併用することが、少ない添加量で良好な架橋発泡体を得ることが出来るため、好ましい。これらのなかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレートと、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートまたは1,9−ノナンジオールジメタクリレートの何れかとを重量比率で1:3〜3:1の比率で混合したものを用いると、良好な架橋発泡体が得られるため、特に好ましい。
これらの多官能モノマーの添加量は、少なすぎると良好な架橋発泡体が得られず、多すぎると得られた発泡体の成形性が低下し、また成形時に混練性が低下し、粗大気泡などが発生する恐れがあるため、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂からなる樹脂混合物100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜7重量部である。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において、各種添加剤成分を添加してもよい。例えば、添加剤として架橋剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、核剤、可塑剤、抗菌剤、生分解促進剤、発泡剤分解促進剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、充填剤、防臭剤、増粘剤、発泡助剤、気泡安定剤、金属害防止剤、加水分解速度調整剤などであり、これらを単独もしくは2種類以上併用して添加してもよい。特に、ポリ乳酸は酸化劣化し易いポリマーであり、外観美麗な発泡体を得るためには酸化防止剤を含んでいることが好ましい。
尚、上記ポリ乳酸架橋発泡体は、その架橋度を示すゲル分率が10%以上であり、好ましくは15%以上、最も好ましくは20%以上である。このような架橋度の架橋発泡体とすることにより、シート状の架橋発泡体を再加熱して真空成形や圧縮成形、スタンピング成形等を行うことにより所望の形状に加工することができ、この際、発泡体の耐熱性が高くなるため、成形性が大幅に向上し、低温から高温の広い成形温度範囲で、容易に成形できるようになるので好ましい。
本発明においては、このように樹脂に架橋構造を導入することで柔軟性と耐熱性を両立させ、成形性が向上するため、無架橋発泡体を用いるよりも架橋発泡体とすることで使用される用途が広がる。
本発明でいうゲル分率とは、以下の方法にて算出した値のことである。すなわち、生分解性樹脂発泡体サンプルを50mg精密に秤量し、25℃のクロロホルム25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、金網上の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出する。
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量した生分解性樹脂架橋発泡体の重量(mg)}×100
本発明において、生分解性樹脂発泡体に架橋構造を導入する方法としては特に限定されないが、例えば、電離性放射線を所定線量照射する方法、過酸化物による架橋、シラン架橋などをあげることができる。
本発明のポリ乳酸架橋発泡体は、温度120℃で1時間放置後の寸法変化率が、縦、横、厚みのいずれの方向でも5%以内であることが好ましい。即ち、本発明のポリ乳酸架橋発泡体は耐熱性良好であるので、加熱寸法変化率が小さい。これに対し、ポリ乳酸以外の生分解性脂肪族ポリエステル樹脂単独からなる発泡体の場合には、耐熱性が不足し、加熱寸法変化率が大きい。
本発明でいう寸法変化率とは、JIS K6767:1999に準拠し、以下の方法により測定したものである。シート状ポリ乳酸架橋発泡体を15cm角の正方形に正確に切り取り、120℃に設定した熱風循環式乾燥機の中に1時間放置する。1時間経過後、オーブンから取り出し、約1時間、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で冷却する。1時間経過後、サンプルの縦、横及び厚み方向の寸法を測定し、以下の式に基づいてそれぞれの方向での寸法変化率を百分率で算出する。
加熱寸法変化率(%)=[{オーブンに入れる前のサンプル長−オーブンから取り出した後のサンプル長}/オーブンに入れる前のサンプル長]×100
本発明の生分解性樹脂架橋発泡体の形態はシート状である。シート状にすることにより、生産性が優れるだけでなく、生分解速度を速くすることができる。生分解性樹脂架橋発泡体シートの厚みは、好ましくは0.1〜100mmである。これらのシートは、一旦発泡成形した後にスライス加工や融着加工などの二次加工を施すことによっても所望の厚みに容易に加工できる。
本発明の発泡体の発泡倍率は、1.5〜50倍であることが好ましい。発泡倍率が1.5倍を下回ると軽量性、柔軟性が低下傾向となり、また、発泡倍率が50倍を上回ると機械的特性および成形加工性が低下傾向となる。
次に本発明のシート状ポリ乳酸架橋発泡体の製造方法について説明する。
本発明のポリ乳酸架橋発泡体は、ポリ乳酸、ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂、熱分解型発泡剤、架橋助剤からなる混合物を用いて発泡性シートを成形せしめた後、該発泡性シートに電離性放射線を照射し、該樹脂を架橋せしめ、しかる後、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡を行なわせることによって製造できるが、その好ましい具体例を以下に示す。
本発明法において、ポリ乳酸、ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂と熱分解型発泡剤や架橋助剤との混合は従来公知の混合方法によって行うことができる。例えば、ヘンシェルミキサによる混合、バンバリミキサによる混合、ミキシングロールによる混合、混練押出機による混合、発泡剤、架橋促進剤を溶解した溶液に樹脂を浸せきする方法などがあり、単独または併用して使用される。特に、樹脂が粉末状の場合、ヘンシェルミキサによる粉末混合が便利である。なお、本発明で用いるポリ乳酸、ポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂は加熱下で加水分解を受けやすいため、予め真空乾燥機で含有水分率を0.1重量%以下に低下させておくことが好ましい。
ついで、上記混合物を好ましくは真空ベント付きの単軸溶融押出機、または、好ましくは二軸溶融押出機を用い、シート状に成形する。ヘンシェルミキサ等により予め混合しておかずとも、タンデム型溶融押出機等を用いて、直接混合することもできる。この場合は、押出機上部にホッパードライヤー等の乾燥設備を設置しておくことが好ましい。連続シート状の発泡体を製造する場合、発泡剤の分解温度以下での押出成形によりシート状に成形しておくことが好ましい。尚、押出時の溶融混練温度は、発泡剤の分解開始温度より10℃以上低温とすることが好ましい。具体的には120℃〜240℃、好ましくは130℃〜190℃の範囲内である。また、この際、シートの厚みは0.1〜50mmであるのが好ましい。シートの厚みが0.1mm未満であると発泡成形時にシート表面からのガス抜けが多く、均一な発泡体となりにくく、50mmを超えるとシートの剛性が高くなりすぎ、連続生産時の巻き取り性等に支障を生じることがある。
次いで、押出成形により得られた発泡性シート状物の架橋は電離性放射線を照射することで行われる。電離性放射線としては、電子線加速機からの電子線がエネルギーが均一であるため好ましく、照射線量としては、架橋助剤の種類、目的とする架橋の割合によっても異なるが、一般的に10〜300kGyであり、好ましくは20〜200kGy、さらに好ましくは40〜150kGyの範囲である。10kGy未満では樹脂を均一に架橋させることは難しく、しかも発泡剤の分解ガスを十分保持するための溶融粘度が得られにくく、300kGyを超えると樹脂の劣化が激しくなり、何れも良好な架橋発泡体を得ることが難しい。また、ポリ乳酸の含有量が多くなるほど、架橋性が低下するため、シートを予め余熱した状態で照射を行うと効率よく樹脂を架橋させることができる。シートの予熱温度はポリ乳酸の含有量によっても異なるが、シートの表面温度が30〜60℃の範囲であることが好ましい。シートの表面温度が30℃を下回ると架橋させるために照射線量を高くする必要があり、樹脂の劣化や生産性の低下に繋がる。60℃を超えるとシートの表面に汚れやゴミなどが付着しやすくなり、外観美麗な発泡体が得られにくくなるため好ましくない。
本発明のシート状ポリ乳酸樹脂架橋発泡体を製造する際、ポリ乳酸を均一に架橋させるためには、照射後の被照射シートの温度を制御することが有効である。電離性放射線を照射すると被照射シートが電離性放射線のエネルギーを吸収し、発熱する。この時、照射後の被照射シートの表面温度がポリ乳酸のガラス転移温度(通常57℃程度)以上、かつ被照射シートのビカット軟化温度未満の範囲になるように電離性放射線の照射線量を制御すると、特に外観美麗で二次加工性に優れた良好な発泡体を得ることが出来る。照射後のシート温度がポリ乳酸のガラス転移温度に到達していないと、結晶部分において架橋が起こりにくくなることから、ポリ乳酸の架橋性にムラが発生し良好な発泡体が得られなくなり、ビカット軟化温度以上まで到達するとシート状に巻き取ろうとするときの張力でシートが変形してしまうため好ましくない。上述の様に被照射シートの照射後のシート温度を制御するには、照射時の予熱温度と電離性放射線の照射線量とを適宜調整すればよい。
尚、ビカット軟化温度はJIS K7206に準拠して電離性放射線の照射前のシートについて測定した温度のことである。
また、電子線の加速電圧を制御することでも、様々な厚みの被照射物に対して均一に架橋させることができる。加速電圧は200〜1500kVが好ましく、より好ましくは300〜1200kVである。加速電圧が200kVを下回ると全体を均一に架橋させることができなったり、電子線の飛程が短くなり放電孔が発生し外観が低下するため好ましくなく、加速電圧が1500kVを上回ると表裏面と内層部分でのゲル分率差が大きくなるため生産安定性が低下するため好ましくない。
しかる後、架橋されたシート状物を熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度で熱処理し、発泡させる。発泡成形のための熱処理には、従来公知の方法を用いればよく、例えば、縦型及び横型の熱風発泡炉、或いは薬液浴発泡炉などで行うことができる。ポリ乳酸、生分解性ポリエステル樹脂は加水分解を起こしやすい樹脂であるので、薬液浴上で発泡させるよりも、縦型及び横型熱風発泡炉で発泡を行った方が表面状態の良好な発泡体が得られる。また、必要に応じて発泡成形を行う前に予熱を行い、樹脂を軟化させておくと少ない熱量で、安定した発泡体を得ることができる。
次に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。
尚、実施例及び比較例において発泡体の評価は以下の基準に基づいて行った。
[寸法変化性]
シート状発泡体の縦、横及び厚み方向全てにおいて、
寸法変化性:○・・・寸法変化率が5%以内である。
寸法変化性:×・・・寸法変化率が5%超である。
[圧縮回復性]
圧縮回復性の評価は、JISK6767の圧縮永久歪みの測定方法に準拠して測定し、以下の基準で評価した。
圧縮回復性:○・・・圧縮永久歪みが15%未満
圧縮回復性:×・・・圧縮永久歪みが15%以上
[外観]
外観の評価は、株式会社小坂研究所製表面粗さ測定器SURFCORDER SE−2300を用いて、シート状発泡体のシート表面粗さのRa75の値を測定し、以下の基準で評価した。
外観:○・・・Ra75値が20μm未満
外観:×・・・Ra75値が20μm以上
[二次加工性]
直径D、深さHの垂直円筒状の雌型上において、シート状発泡体を表面温度が約160℃になるように加熱し、真空成形機を用いてストレート成形したときに、発泡体が破れることなく円筒状に展開、伸長される限界での成形絞り比H/Dの値を測定し、以下の基準で評価した。
二次加工性:○・・・成形絞り比0.50以上
二次加工性:×・・・成形絞り比0.50未満
[実施例1]
温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が5.2×103Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=3/97であるポリ乳酸30重量部と、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が0.9×103Pa・sであるポリブチレンテレフタレート/アジペート70重量部(テレフタル酸とアジピン酸の比率はモル比で1:1)と、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド4.5kg、架橋助剤として1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート2kg、トリメチロールプロパントリメタクリレート2kg、酸化防止剤として“イルガノックス1010”(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)0.3kg、“AO−412S”(旭電化(株)製)0.3kgを準備し、シリンダーの前半部分の温度を175℃、後半部分の温度を160℃に設定し、L/D=21のベント付き二軸押出機に導入し、Tダイから押し出し、厚みが1.5mmの架橋発泡用シートに成形した。このシートを予め40℃に予熱しておいて、95kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に連続的に導入し、240℃で3〜4分加熱発泡して連続シート状の架橋発泡体として巻取った。
このようにして得られた発泡体の厚みは2.7mm、ゲル分率は30%、見掛け密度75kg/m3であった。
[実施例2〜4及び比較例1〜4]
表1に示したポリマーを用いた以外は実施例1と同様の方法によりシート状架橋発泡体を作製して、評価した。
[実施例5]
ポリ乳酸と生分解性ポリエステル樹脂以外に、非生分解性の樹脂として、ポリエステルエラストマーを配合した表1に示す組成の樹脂を用いた以外は実施例1と同様にしてシートを作製し、電子線の照射線量を120kGyとした以外は実施例1と同様の方法によりシート状架橋発泡体を作製した。得られた発泡体は柔軟性にすこぶる優れる発泡体であった。
[実施例6]
ポリ乳酸と生分解性ポリエステル樹脂以外に、非生分解性の樹脂として、エチレン・プロピレンランダム共重合体を配合した表1に示す組成の樹脂を用い、シリンダー前半部分の温度を185℃とした以外は実施例1と同様にしてシートを作製し、電子線の照射線量を80kGyとした以外は実施例1と同様の方法によりシート状架橋発泡体を作製した。得られた発泡体は剛性が高い発泡体であった。
Figure 2005008869
[比較例5]
温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が5.2×103Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=3/97であるポリ乳酸30重量部と、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.2×103Pa・sであるポリブチレンテレフタレート/アジペート70重量部と、酸化防止剤として“イルガノックス1010”(チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)0.3kg、“AO−412S”(旭電化(株)製)0.3kgを準備し、シリンダーの前半部分の温度を175℃、後半部分の温度を160℃に設定し、L/D=21のベント付き二軸押出機に導入し、押出機途中より発泡剤として炭酸ガスを約4.1wt%注入し、サーキュラーダイから押し出し、厚み0.9mmのシート状無架橋発泡体を作製した。得られた発泡体のゲル分率は0%、見掛け密度は110kg/m3であった。
本発明のシート状ポリ乳酸架橋発泡体は、デスクマット、フロアマットなどのマット類、床材、壁材、天井材などの建築用材料、パイプカバー、エアコン、長尺屋根等の断熱材、粘着テープ用の基材、紙管巻芯等の緩衝材、車輌や鉄道等のドア基材、ピラー、シートバック、天井基材、ダッシュインシュレータやフロアーインシュレータ等のインシュレータ等の車輌用内装材、パッキン材等の幅広い用途に使用可能なものである。

Claims (7)

  1. 温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であるポリ乳酸90〜10重量%、及び、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×105Pa・sであるポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂10〜90重量%からなる生分解性樹脂と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを用いてなる架橋発泡体であって、かつ、ゲル分率が10%以上であるシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  2. 前記生分解性ポリエステル樹脂が、ラクトン樹脂、脂肪族ポリエステル、芳香族共重合ポリエステル、及び天然直鎖状ポリエステル系樹脂の中から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  3. 非生分解性の熱可塑性樹脂が、樹脂全体の50重量%以下の量、配合されてなる請求項1または2記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  4. 前記架橋助剤が多官能性メタクリル酸系化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  5. 前記架橋助剤が、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジメタクリレートから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  6. 温度120℃で1時間放置後の寸法変化率が5%以内である請求項1〜5のいずれかに記載のシート状ポリ乳酸架橋発泡体。
  7. 温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×104Pa・s、d体とl体のモル比率がd/l=98/2〜70/30又はd/l=2/98〜30/70であるポリ乳酸90〜10重量%、及び、温度170℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が1.0×102〜1.0×105Pa・sであるポリ乳酸以外の生分解性ポリエステル樹脂10〜90重量%からなる生分解性樹脂と、熱分解型発泡剤と、架橋助剤とを含む樹脂組成物を成形しシートを得る工程、該シートに電離性放射線を照射し該樹脂組成物を架橋させ架橋シートを得る工程、さらに該架橋シートを該熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度で熱処理しシート状架橋発泡体とする工程を含むシート状ポリ乳酸架橋発泡体の製造方法。
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