[go: up one dir, main page]

JP2005004163A - 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005004163A
JP2005004163A JP2003324183A JP2003324183A JP2005004163A JP 2005004163 A JP2005004163 A JP 2005004163A JP 2003324183 A JP2003324183 A JP 2003324183A JP 2003324183 A JP2003324183 A JP 2003324183A JP 2005004163 A JP2005004163 A JP 2005004163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
particles
film
optical functional
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003324183A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Moto
隆裕 本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003324183A priority Critical patent/JP2005004163A/ja
Priority to US10/568,662 priority patent/US20060227695A1/en
Publication of JP2005004163A publication Critical patent/JP2005004163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】透光性微粒子含有層(光学機能性層)における透光性微粒子の分散性及び樹脂層の密着性に優れた光学機能性フィルムを提供する。
【解決手段】透明支持体上に、少なくとも透光性微粒子をバインダー樹脂中に分散した光学機能性層を少なくとも1層有する光学機能性フィルムにおいて、該透光性微粒子として、粒子表面が微細凸形状を有する微粒子を含有することを特徴とする光学機能性フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明支持体上に、透光性微粒子を含有するバインダー樹脂層を有する光学機能性フィルムに関する。詳しくは、透光性微粒子の分散性及びバインダー樹脂との密着性が良く、膜強度に優れた光学機能性フィルム、即ち、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示に用いる防眩性フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム等の画像表示素子やこれらを保護フィルムに用いた偏光板やタッチパネル等の液晶表示素子に関する。
また、この光学機能性フィルムや偏光板を用いた画像表示装置に関する。
近年、プラスチック製品が、加工性、軽量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これらプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、電界放射型ディスプレイ(FED)などのディスプレイや携帯電話などのディスプレイの表面や家電製品などのタッチパネルなどに、耐擦傷性を付与する目的でハードコートフィルムを貼合して用いることが多い。また、従来のガラス製品に対しても、飛散防止のためにプラスチックフィルムを貼合する場合が増えているが、フィルム表面の硬度不足のため、その表面にハードコート層を形成することが広く行われている。
従来のハードコートフィルムは、通常、熱硬化型樹脂又は紫外線硬化型樹脂などの活性エネルギー線重合性樹脂をプラスチック透明支持体上に直接、又は1μm程度のプライマー層を介して3〜15μm程度の薄い塗膜を形成して製造している。しかしながら、前記従来のハードコートフィルムは、そのハードコート層の硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、極めて強い外力が加えられると下地のプラスチック透明支持体が変形し、それに応じてハードコート層も変形してしまうため、十分に満足できるものではなかった。例えば、プラスチック透明支持体として広く利用されているポリエチレンテレフタレートフィルムやセルロースエステルフィルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコートフィルムにおいては、鉛筆硬度でHから2Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9Hには全く及ばないものである。
ハードコート層の厚みを単に厚くすれば、得られたハードコートフィルムの硬度は向上するが、ハードコート層の割れや剥がれが生じやすくなると同時に硬化収縮によるハードコートフィルムのカールが大きくなるという問題がある。
ハードコート層に無機微粒子などの充填剤を添加させてハードコート層の硬度を向上させる技術(文献 特開2000−214791号公開)が提案されているが、この方法では、硬度の改良は僅かであり、基材との密着性が低下する問題や、ハードコート層が脆くなり、クラックが発生しやすくなる問題が生じることが多く、実用上問題であり、更なる改善が求められていた。
一方、防眩性フィルムや防眩性反射防止フィルムは陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイにおいて、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、表面突起による光を拡散させる防眩性機能を有しており、ディスプレイの最表面に配置される。
近年、液晶表示装置の広視野角化、高速応答化と並び、高精細化、即ち高画質に対する要求が非常に高くなっている。この高精細化には、液晶セルサイズの微小化が必要となるが、セルサイズが小さくなるにつれて、防眩性反射防止フィルムの表面突起が微小なレンズ機能を果たす、いわゆる「レンズ効果」によって、光が防眩性フィルム等を透過し、ユーザーの目にとどく際に輝度にバラツキが生じる、「ギラツキ」という問題が発生し、表示品位が劣化するという問題があった。
これに対し、特許文献1〜7などに記載されるように、防眩層の屈折率と、これに含まれる透光性粒子の屈折率との間に屈折率差をつけて、防眩層内を通過する光を内部散乱させて、このギラツキを抑える方式が提案されている。しかしながら、近年の高精細画像表示への要求が高まり、ギラツキの改善と文字ボケ・混色防止等のより一層の向上が望まれている。
特許文献8には、その表面に凹凸を有したり、多孔質性を有して拡散反射を少なくする超微粒子を用いる技術が公開されているが、この技術によっても十分なギラツキの改善と文字ボケの防止の効果は得られなかった。
また、特許文献9〜11には、低屈折率層や高屈折率層に無機粒子を添加して、屈折率を調整したり、物理的強度(耐摩耗性)を付与する技術が記載されているが、未だ不十分であり、更なる性能向上が求められていた。
特開平11−95012号公報 特開平11−305010号公報 特開平11−326608号公報 特開2000−338310号公報 特開2001−154004号公報 特開2000−75133号公報 特開2000−227509号公報 特開平5−13021号公報 特開昭59−50401号公報 特開平8−110401号公報 特開2001−166104号公報
従って、本発明は、上記の如き透明支持体上に透光性微粒子をバインダー樹脂中に含有する光学機能性層を有する各種光学機能性フィルムにおける種々の問題を解決することをその目的とするものである。
すなわち、本発明の目的は、透光性微粒子含有層(光学機能性層)における透光性微粒子の分散性及び樹脂層の密着性に優れた光学機能性フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、表面の硬度が大きく、カールや脆性を改良した光学機能性フィルムとしてのハードコートフィルムを提供すること、さらには、反射防止性能、防眩性能等の更なる機能を有する機能性ハードコートフィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、視野角拡大特性に優れ、ギラツキが改善、文字ボケ・混色が改善され、更に防眩性が付与された、高精細画像表示適性のある、光学機能性フィルムとしての防眩性フィルム、反射防止フィルム又は防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、膜硬度が更に向上した、防眩性フィルム、反射防止フィルム又は防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、かかる光学機能性フィルムを備えた偏光板、画像表示装置及び液晶表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成されることが見出された。
(1)透明支持体上に、少なくとも透光性微粒子をバインダー樹脂中に分散した光学機能性層を少なくとも1層有する光学機能性フィルムにおいて、該透光性微粒子として、粒子表面が微細凸形状を有する微粒子を含有することを特徴とする光学機能性フィルム。
(2)該透光性微粒子が、該粒子の凸部に接するように滑らかに包ラク面で囲んだ包ラク面体の表面積に対する該粒子の表面積の比率が1.1倍以上であることを特徴とする上記(1)記載の光学機能性フィルム。
(3)該透光性微粒子が、球状粒子(コア粒子)表面に微小粒子を固着させたものである上記(1)又は(2)記載の光学機能性フィルム。
(4)表面に固着させた微小粒子の大きさがコア粒径の1/3以下であることを特徴とする上記(3)に記載の光学機能性フィルム。
(5)該透光性微粒子のコア粒子が無機粒子または有機粒子であり、表面に固着させた微小粒子が無機粒子であることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載の防眩性フィルム。
(6)該透光性微粒子が金属物質の微小片を表面に担持した光触媒性を有する金属化合物微粒子であることを特徴とする上記(5)に記載の防眩性フィルム。
(7)該透光性微粒子の平均粒径が0.4〜20μmであり、該光学機能性層がハードコート性を有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
(8)該透光性微粒子の平均粒径が0.4〜20μmであり、該光学機能性層が防眩性を有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
(9)上記(7)に記載のハードコート性を有する光学機能性層の上部に又は上記(8)に記載の防眩性を有する光学機能性層の上部に、隣接する下層よりも屈折率の低い低屈折率層を有し、反射防止性を有することを特徴とする光学機能性フィルム。
(10)該透光性微粒子の平均粒径が0.005〜0.1μmであり、該光学機能性層が、反射防止性を有することを特徴とする上記(1)〜(6)及び(9)のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
(11)偏光子の両面を保護フィルムで挟持した偏光板において、保護フィルムの少なくとも一方が、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光学機能性フィルムであることを特徴とする偏光板。
(12)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光学機能性フィルム又は上記(11)に記載の偏光板を搭載したことを特徴とする画像表示装置。
本発明に従い、透明支持体上に透光性微粒子をバインダー樹脂中に分散した光学機能性層を少なくとも1層有する光学機能性フィルムにおいて、該透光性微粒子として、粒子表面が微細凸形状を有する微粒子(以下「表面凸状粒子」とも称する)を用いることにより、光学機能性層における透光性微粒子の分散性及び樹脂層の密着性が格段に向上し、これにより、ハードコート性を有する光学機能性層においては、ハードコート性能が向上すること、すなわち、硬度が向上し、カールや脆性が改良されることを、防眩性を有する光学機能性層においては、防眩性能が向上すること、すなわち、視野角拡大やギラツキ改善されること、反射防止性を有する光学機能性層においては、反射防止性能や反射防止層の膜強度が向上することを見出したものである。これは、光学機能性層において、表面凸状粒子がバインダーマトリックスに対してアンカリングされるために微粒子の分散性が向上するとともにバインダーとの結合力を高め、これが上記の如き各種性能に有効に寄与するものと推定される。なお、ハードコート性と防眩性及び/又は反射防止性とを兼備する光学機能性層においては、上記のいずれの性能をも有効に向上させることができる。
本発明によれば、透光微粒子含有層における透光性微粒子の分散性及び樹脂層の密着性に優れた光学機能性フィルムを得ることができる。
また、本発明によれば、表面の硬度が大きく、カールや脆性を改良したハードコートフィルムを得ることができ、さらには、反射防止性能、防眩性能等の更なる機能を有する機能性ハードコートフィルムを得ることができる。
さらに、視野角拡大特性に優れ、ギラツキの改善並びに文字ボケ・混色の改善された、高精細画像表示適性のある防眩性フィルムまたは防眩性反射防止フィルムを得ることができる。加えて、上記性能に優れた偏光板を備えた液晶表示装置、画像表示装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について更に詳述する。
本発明の光学機能性フィルムは、透明支持体上に、少なくとも本発明の表面凸状粒子をバインダー樹脂中に分散する光学機能性層を少なくとも1層有するものであり、該光学機能性層は1層でも2層以上でもよく、また、透明支持体上であれば、透明支持体上に直接設けられていても、下塗り層等を介して設けられていても、他の光学機能性層を介して設けられていてもよく、また、最表面層であってもよい。具体的には、例えば下記の態様が挙げられる。
(i)光学機能性層が、ハードコート性を有するハードコート層である態様。
図1の概略断面図に示すように、本発明の好ましい光学機能性フィルムの一つの形態は、透明支持体2上に、光学機能性層として、硬化性樹脂4に表面凸状粒子5が分散したハードコート層3を有する、ハードコートフィルムである。表面凸形状を有する粒子は硬化性樹脂との結合力を高めることができ、ハードコートフィルムの鉛筆硬度を3H以上、好ましくは4H以上と、表面硬度を格段に向上させることができ、さらにカールや脆性の改良効果を達成することができる。ハードコート層中に用いる場合には、表面凸状粒子の平均粒径は、0.4〜20μmであることが好ましい。
ハードコートフィルムの層構成は、図1に示されるものに制限されず、例えば、更にその表面に反射防止層、紫外線・赤外線吸収層、選択波長吸収層、帯電防止層、電磁波シールド層やさらに防汚性層などの機能を有する機能性ハードコートフィルムであってもよく、また、他の機能性フィルムにおけるハードコート層として適用することにより、表面強度に優れた偏光フィルムや位相差フィルム、光学補償フィルムなどの光学フィルムを提供することもできる。
(ii)光学機能性層が、防眩性を有する防眩性層である態様。
図2の概略断面図に示すように、透明支持体12上に、光学機能性層として、透光性バインダーマトリックスに表面凸状粒子15が分散した防眩性層13を有する防眩性フィルム11である。更に必要に応じて、図2に示すように、防眩性層の上に、下層よりも屈折率の低い低屈折率層(すなわち反射防止層)14を有する防眩性反射防止フィルムであってもよい。防眩性層の透光性微粒子として表面凸状粒子を用いることによって、視野角を拡大させ、ギラツキ改善並びに文字ボケ・混色防止の両立した、高精細画像表示適性のある防眩性フィルムを得ることができる。防眩性層中に用いる場合には、表面凸状粒子の平均粒径は、0.4〜20μmであることが好ましい。
防眩性フィルムの層構成は、図2に示されるものに制限されず、例えば、防眩性層の下層に、平滑なハードコート層を設け、フィルム強度を上げる構成としたものも含まれる。該ハードコート層に更に本発明の表面凸状粒子を分散させてもよい。また、防眩性層自体が、ハードコート性を有し、ハードコート層の機能を兼ねていても良い。
(iii)光学機能性層が、反射防止性を有する反射防止層である態様。
上記図2の概略断面図に示すように、本発明の表面凸状粒子を分散する光学機能性層が、低屈折率層14(反射防止層)であってもよい。あるいは、本発明の光学機能性層が、該低屈折率層と防眩性層との間に更に設けられる高屈折率層又は中屈折率層であってもよい。また、防眩性層の屈折率を調整することにより高屈折率層としての機能を持たせてもよい。
表面凸形状を有する粒子を薄層の低屈折率層、高屈折率層又は中屈折率層に用いることにおいて、液分散性の良化により膜厚の均一性が達成され反射防止性能が向上するほか、耐摩耗性などの膜強度を向上させることができる。反射防止層中に用いる場合には、表面凸状粒子の平均粒径は、0.005〜0.1μmであることが好ましい。
以上のように、表面凸状粒子を含有する光学機能性層は、単独で用いるだけでなく、ハードコート層と防眩性層の両層に用いる構成、ハードコート層(高屈折率性)と低屈折率層の両層に用いる構成、防眩性層(高屈折率性)と低屈折率層の両層に用いる構成、ハードコート層、高屈折率層と低屈折率層の3層に用いる構成など2層以上とすることもできる。その際、用いる表面凸状粒子は同じものであっても良いし、異なっていても良い。
<透明支持体>
本発明の光学機能性フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。透明支持体の光透過率は80%以上が好ましく、86%以上がより好ましい。透明支持体のヘイズは2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。透明支持体の屈折率は1.4〜1.7が好ましい。厚さは25〜1000μmが好ましい。また、本発明のハードコート層をフィルム以外のシート状、パネル状の基材に適用することも可能である。
透明支持体には各種添加剤を添加することができる。例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤、赤外線吸収剤、レターデーション調整剤等の各種添加剤が含有される。これらの添加量は、光透過性や力学特性に影響をあたえない範囲で添加することができ、透明支持体の0.01〜25質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましい。
また、滑り性を付与するために、不活性無機化合物又は有機化合物の粒子を透明支持体に添加しても良い。無機化合物としては、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルク及びカオリンが含まれる。また、発明協会公開技報2001−1745号公報、19頁(2001年3月15日発行)に記載のものも使用できる。
また、透明支持体に表面処理を実施しても良い。表面処理の例には、薬品(酸またはアルカリ)処理、機械処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、オゾン酸化処理など既存の処理を用いることができ、薬品(酸またはアルカリ)処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、グロー放電処理が好ましく用いられる。
その他、支持体としてセルロースアセテートを用いる場合、発明協会公開技報2001−1745号公報(2001年3月15日発行)に記載の技術を利用することができる。
<光学機能性層>
本発明の光学機能性層は、透光性微粒子と、該透光性微粒子を保持するバインダーマトリックスからなり、該透光性微粒子として特定形状の表面凸状粒子を含有することを特徴とする。バインダーマトリックスは後述するバインダー樹脂や重合開始剤のほか、屈折率調整や高強度化のために添加される超微粒子フィラー、耐傷性を付与するためのシランカップリング剤やその他の添加剤を含む塗布液を塗布・乾燥・硬化させたものである。
具体的には、前述の通り、ハードコート層、防眩層、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層等が挙げられる。
<表面に微細な凸部を有する微粒子(表面凸状粒子)>
本発明で用いられる特定の透光性微粒子は、粒子表面に微細な凸部を有する微粒子(表面凸状粒子)である。表面凸状粒子は、粒子自身の表面が微細な凸状形状である粒子であってもよいし、粒子(コア粒子)の表面に微細な小粒子(微小粒子)を固着させてなる粒子であってもよい。表面凸状粒子は、球形状であることが好ましく、球形状のコア粒子表面に微小粒子を固着させた表面凸状球形粒子であることが更に好ましい。本発明の表面凸状粒子は、その特定形状のゆえに、バインダー樹脂層のバインダーマトリックスとの界面面積を増加させることによりその結合力を増加させ、樹脂層の表面硬度を高めるとともに、そのアンカリング効果により、分散性が向上するものと推定される。
本発明の表面凸状粒子とは、粒子の表面が滑らかな曲線で表すことができないが、粒子の凸部に接するように滑らかに包ラク面で囲んだ包ラク面体がほぼ球形で表現でき、包ラク面体の表面積に対する該粒子の表面積が1.1倍以上のものをいう。好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍以上である。
本発明の表面凸状粒子は、凸部を結ぶ包ラク面の面積と該粒子の表面の面積を比較することにより、評価、判定することができる。AFMを用い、粒子の表面プロフィールを測り基準面に対する実粒子の面積を求め、基準面の面積と比較すれば良い。あるいは、SEM等により、包ラク面体の粒子径を求め、気体吸着法等の手段で粒子の表面積を求め、比較することによっても良い。実粒子の面積と基準面の面積比が1.1倍以上のものは表面に凸があると判定され、本発明の効果を発現することができる。
表面凸形状を有する粒子としては、金属酸化物、金属水酸化物、含水金属酸化物、金属硫化物、及びポリマー粒子やこれらの複合化物等が挙げられる。具体的には、WO3、シーアイ化成(株)製のような微細TiO2、チタン工業(株)製のP101のような含水酸化チタン(Ti(O)(OH)2、)、ナカライ(株)製のような含水酸化ジルコニウム(ZrO2・xH2O)、SiO2、ZnO、ZnS、CuS、StTiO3、StAL23、CoWO4等の粒子、架橋アクリル、ポリスチレン、PMMA粒子等が挙げられる。
コア粒子の表面に固着する微小粒子の被覆度は、本発明の効果が現れる範囲で任意に選ぶことができる。一般には、被覆率は3%以上であり、全面が被覆されていてもよい。被覆率は好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜60%である。
本発明の表面凸状粒子は、無機化合物、有機化合物及びこれらの混合体のいずれでもよい。
有機粒子としては、従来公知の合成樹脂粒子、天然高分子粒子から選ばれる、ガラス転移点50℃以上のものが挙げられる。好ましくはガラス転移点80℃以上である。具体的には、(メタ)アクリル樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエーテル系樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリカーボネート、セルロース類、ゼラチン、デンプン、キチン、キトサン等であり、より好ましくは(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂等の樹脂粒子である。
また、固着させる微小粒子としては、主として無機粒子が用いられる。例えば、金属単体、金属酸化物、含水金属酸化物、金属窒化物及びこれらの複合化物等が挙げられ、好ましくは金属単体、金属酸化物である。金属単体としては金属銀が好ましい。
表面凸状粒子は、例えば、東レリサーチセンター(株)編「微粒子ポリマーの新展開」に記載のヘテロ凝集法を利用する方法或いはコア粒子表面からの重合反応による方法、粉体工学会編「粒子設計工学」(1987年)、北原文雄、古沢邦夫「最新コロイド化学」P.30(講談社サイエンティフィク(株)、1990年刊)等に記載のハイブリダイゼーション法、メカノフュージョン法を用いる乾式混合法、等を用いて容易に製造することができる。また、ある種の表面凸状粒子はコア粒子の表面に微小粒子を析出させることにより製造できる。
本発明の表面凸状粒子は、金属物質の微小片(微小粒子に相当)を表面に担持した光導電性を有する金属化合物粒子(コア粒子に相当)であってもよい。これにより、担持する微小粒子の粒径が揃い、コア粒子の粒径を均一にすることができる。金属物質の微小片を表面に担持した光触媒性を有する金属化合物粒子とは、照射された活性光の光吸収によって活性化されて近傍に存在する金属物質をその表面に担持させるものであり、具体的には、TiO2、RTiO3(Rはアルカリ土類金属原子)、AB2-xx3-xx10(Aは水素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族元素に属する金属原子、Eは周期律表の4族元素に属する金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、SnO2、ZrO2、ZnO、Bi23、WO3、Fe23、Cu2O、V25、MoO3、Al23、Cr23、ZnS、MoS2、FeS、CuS、PbS、MoSe2、PbSe、CuSe、SiCなどを挙げることができる。また、光触媒性を有する金属化合物粒子の表面に微小片として担持される金属物質は、担持された状態で親水性を発現するものが好ましいが、金属物質自体は親水性でも疎水性でもよく、種々の公知の金属物質を用いることができる。好ましい金属物質は、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、Wなどが挙げられる。金属物質の微小片を表面に担持した光導電性金属化合物粒子としては特開2001−130158号の〔0034〕〜〔0056〕に記載のものが使用できる。
本発明の表面凸状粒子は表面処理を施して用いることも好ましい。表面処理法としてはプラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理とカップリング剤を使用する化学的表面処理があるが、カップリング剤の使用が好ましい。カップリング剤としては、後述する一般式(1)の化合物も含めたカップリング剤(例、チタンカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられ、該表面凸状粒子がシリカの場合はシランカップリング処理が特に好ましい。
一般式(1)の化合物は、ハードコート層の表面凸状粒子の表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いても良いし、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させても良い。
本発明の透光性微粒子において、2種類以上の粒子径の異なる透光性微粒子、或いは異なる2種以上の透光性微粒子を併用して用いてもよい。素材種が2種類以上でも、粒径が2種類以上でも、その制限は無い。
本発明の光学機能性層には、本発明の表面凸状粒子以外に、従来公知の真球又は不定形の無機粒子又は有機粒子の透光性微粒子を含有しても良い。その具体例として、例えば、特開2001−281405号の〔0020〕に記載の粒子や市販のアルミナ粒子や架橋メラミン樹脂粒子や架橋ベンゾグアナミン樹脂粒子などを挙げることができる。好ましい粒径は0.4μm〜18μm、より好ましくは1〜10μmである。コストを高めないために、本発明の表面凸状粒子と併用することができる。
これらの公知の粒子は、本発明の表面凸状粒子を含めた全透光性微粒子の包ラク面体の全表面積に対する該粒子の全表面積が1.1倍以上であり、且つ全透光性微粒子中の50質量%未満で使用される。この範囲内において、本発明の効果、特に耐傷特性改善効果を有効に発現することができる。
<バインダーマトリックス>
バインダーマトリックスは、バインダー樹脂や重合開始剤、屈折率調整や高強度化のために添加される超微粒子フィラーやその他の添加剤を含む塗布液を塗布・乾燥・硬化させたものである。バインダーマトリックスの屈折率とは、本発明の表面凸状粒子や防眩性および内部拡散性を付与するための透光性微粒子を含まない光機能性層の屈折率を意味し、これらの粒子を除いた層を作成して評価することができる。
バインダーマトリックスは、目的とする光学機能性層に応じて、種々のバインダー樹脂及びその他の添加剤を適宜選択して設計することができる。以下、光学機能性層ごとに説明する。
〔ハードコート層〕
本発明の光学機能性フィルムにおいて、ハードコート層に用いる表面凸状粒子の好ましい平均粒径は0.4〜20μmであり、より好ましくは0.8〜12μm、特に好ましくは1.8〜6.0μmである。
また、光学機能性フィルムにおいて、ハードコート層に用いる透光性微粒子の好ましい添加量はハードコート層中の、1〜50vol%であり、より好ましくは2〜30vol%、特に好ましくは、5〜20vol%である。
球状粒子をコア粒子としてその表面に微細な小粒子を固着した粒子としては、コア粒子の平均粒径は0.3〜19μmが適当であり、好ましくは平均粒径0.3〜12μmであり、より好ましくは平均粒径0.8〜5.9μmである。形状が球状である粒子としては、粒子の最短径と最長径の比が0.7〜1のものが挙げられる。固着する微小粒子は、球形粒子が好ましく、その粒子径はコア粒子粒径の1/3以下である。好ましくは1/5以下であり、更に好ましくは1/10〜1/1000の範囲である。具体的に、固着させる微小粒子の平均粒径は0.005〜5μmが適当であり、好ましくは0.01〜3μmであり、より好ましくは0.01〜1μmである。
ハードコート層の層厚は3〜60μmが好ましく、より好ましくは10〜50μm、更に好ましくは10〜40μmである。膜厚が薄すぎると、十分な表面硬度を得ることができなくなり、また好ましい範囲の透光性微粒子を含有できなくなる、といった弊害が生じる。一方、膜厚が厚すぎると、フィルムを曲げることができなくなりハンドリングが難しくなる、塗布液粘度上昇による塗布性不良となる、といった弊害が生じやすく好ましくない。
ハードコート層のヘイズは10%以下であることが好ましく、3%以下であることより好ましく、2%以下であることが特に好ましい。10%より大きいと白っぽくなり透明性が失われ始める可能性がある。
(バインダー樹脂及び開始剤)
ハードコート層のバインダー樹脂としては、公知の硬化性樹脂を用いることができ、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線重合性樹脂などがあるが、活性エネルギー線重合性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としてはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのプレポリマーの架橋反応を利用することも可能である。また、特開平11−52103号〔0012〕〜〔0032〕、〔0052〕〜〔0076〕に記載の化合物も好ましく用いることができる。
ハードコート層には本発明の表面凸状球形粒子及び硬化性樹脂の他に、従来公知の真球ならびに不定形の無機粒子又は有機粒子の透光性微粒子、重合開始剤、その他の添加剤を含有しても良い。
架橋された重合性樹脂を含む活性エネルギー線重合性樹脂層は、多官能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の透明支持体上に塗布し、多官能モノマーを重合させることにより形成できる。これらのモノマーの重合性官能基としては、ラジカル重合性不飽和二重結合基や開環重合性の環状エーテル基が好ましい。重合性不飽和二重結合基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などを挙げることができ、反応性の観点よりアクリロイル基、メタアクリロイル基が好ましく用いられる。また、環状エーテル基としては、エポキシ基、オキセタン基、テトラヒドロフリル基、イミノエーテル基などを挙げることができ、エポキシ基、オキセタン基が好ましい。
多官能重合性不飽和二重結合基含有モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのグリコール系の(メタ)アクリレート、n−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリ(メタ)アクリレート、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、など)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、など)の反応によるポリエステル系ポリオールのオリゴマーと(メタ)アクリレートの反応物などのポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAとグリシジル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールとグリシジル(メタ)アクリレートの反応物などのエポキシアクリレート類、ポリイソシアネートとポリオールの縮合生成物からなるポリイソシアネートポリウレタン系オリゴマーとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリレートの反応によって得られるポリウレタンポリアクリレート類などを挙げることができる。
また、開環重合性環状エーテル化合物しては、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体などの環状エーテル誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。
これらの環状エーテル化合物は、上記のような環状構造を3個以上同一分子内に有する化合物が好ましい。例えば3官能グリシジルエーテルとしてはトリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど、4官能以上のグリシジルエーテルとしてはソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、3官能以上の脂環式エポキシとしてはエポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、3官能以上のオキセタン類としてはOX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
表面弾性率の調整、硬化収縮を低減、密着性改良などのため、必要に応じて単官能のモノマーを多官能モノマーに添加することも可能である。単官能のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの極性基含有のアクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、スチレン、ビニルアセテート、無水マレイン酸などの既存のモノマーが挙げられる。
一方、同一分子内に1個又は2個の開環重合性基を有する化合物も必要に応じて併用することができ、好ましい化合物としては、単官能または2官能のグリシジルエーテル類、単官能または2官能の脂環式エポキシ類、単官能または2官能のオキセタン類が挙げられ、種々の市販又は公知の化合物を使用することができる。
同様に、必要に応じて少なくとも2個以上の重合性基を含有するオリゴマーあるいはポリマーを多官能モノマーに添加することも可能である。ラジカル重合性基を含有するオリゴマー又はポリマーとしては、(メタ)アクリロイル基、アリル基などの重合性基をペンダント基に有するオリゴマー・ポリマーがあり、例としては、水酸基を有するオリゴマー・ポリマーと(メタ)アクリル酸のエステル誘導体、カルボン酸を有するオリゴマー・ポリマーと水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど)やアリルアルコールなどのエステル誘導体、グリシジルメタアクリレートの開環重合体、クロルエチル基の脱塩酸反応によるアクリロイル基を導入した重合体などが挙げられる。
また、同一分子内に3個以上の開環重合性基を有する化合物として、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有していることが特に好ましい。
Figure 2005004163
一般式(1)中、R1は水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。L1は単結合又は二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。P1は開環重合性基を含む一価の基であり、好ましいP1としては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基である。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート、ポリメチルグリシジルメタクリレート、ポリエポキシシクロヘキシルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキセタンなどが挙げられる。
単官能のモノマー、少なくとも2個以上の重合性不飽和二重結合基を含有するオリゴマー若しくはポリマー又は開環重合性の環状エーテル化合物を添加する場合には、重合性不飽和二重結合含有モノマー対する添加量は50質量%以下が好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。単官能のモノマー、少なくとも2個以上の重合性不飽和二重結合基を含有するオリゴマー若しくはポリマー又は開環重合性の環状エーテル化合物の割合が多くなり過ぎると所望の硬度が得られなくなる。
本発明の表面凸状粒子のうち表面に無機化合物を有するものや屈折率調整などのために添加する無機微粒子は活性エネルギー線重合性樹脂との親和性が悪いため単に両者を混合するだけでは界面が破壊しやすく、膜として割れやすく、耐傷性を改善することは容易ではない。無機微粒子と活性エネルギー線重合性樹脂との親和性を改良するため、無機微粒子表面を、有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することが好ましい。表面修飾剤は、一方で無機微粒子と結合を形成し、他方で活性エネルギー線重合性樹脂と高い親和性を有することが好ましい。無機微粒子の表面と結合を生成し得る化合物としては、シリコン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムなどの金属アルコキシド化合物や、リン酸エステル、ホスホン酸基、硫酸エステル、スルホン酸基、カルボン酸基などを有するアニオン性化合物が好ましい。また活性エネルギー線重合性樹脂とは化学的に結合させることが好ましく、末端にビニル性重合基などを導入したものが好適である。例えば、エチレン性不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマーから活性エネルギー線重合性樹脂を合成する場合は、金属アルコキシド化合物またはアニオン性化合物の末端に重合性不飽和二重結合基や開環重合性環状エーテル基を有していることが好ましい。
これら表面修飾剤の代表例としては、下記のものが挙げられる。
(不飽和二重結合基含有のカップリング剤)
金属アルコキシド化合物、
2C=C(CH3)COOC36Si(OCH33
2C=CHCOOC24OTi(OC253
(アニオン性化合物)
2C=C(CH3)COOC24OCOC510OPO(OH)2
(H2C=C(CH3)COOC24OCOC510O)2POOH、
2C=C(CH3)COOC24OSO3H、
2C=CHCOO(C510COO)2H、
2C=CHCOOC510COOHなど、
リン酸エステル、ホスホン酸基、硫酸エステル、スルホン酸基、カルボン酸基などを有するグリシジル基含有シランカップリング剤など。
これらの微粒子の表面修飾は、溶液中でなされることが好ましい。表面修飾剤を溶解した溶液に微粒子を添加し、超音波、スターラー、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー、ペイントシェーカー、サンドグラインダーを用いて、撹拌、分散することが好ましい。
表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの公知の溶剤が挙げられる。
本発明では基材にプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルム自身の耐熱性が低いため、硬化性樹脂を加熱により硬化させる場合は、できるだけ低温で硬化させることが好ましい。その場合の加熱温度は、140℃以下、より好ましくは100℃以下である。一方で光の作用による硬化は、低温で架橋反応が進行する場合が多く、好ましく用いられる。
ハードコート層に活性エネルギー線重合性樹脂を使用する場合、活性エネルギー線としては、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などが挙げられるが、紫外線が好ましく、なかでは紫外線によりラジカル又はカチオンを発生させる重合開始剤を添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また紫外線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化を進行させることができる場合があり、好ましく用いることができる。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下である。
光ラジカル重合開始剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。例えば、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)に記載のカルボニル化合物(アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、ベンゾイン類、安息香酸エステル類、チオキサントン類等)、特開昭63−298339号公報等記載の有機ハロゲン化合物類、特開2002−16539号公報等記載の有機ホウ酸化合物類、特開昭61−166544号公報記載のジスルホン類等が挙げられる。
具体的には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、およびチオキサントンなどが含まれる。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーズケトンチオキサントンおよびチオキサントンなどが含まれる。さらに、増感助剤(フェニルグリシン等)を用いてもよい。
上記のラジカル重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、エポキシ基、オキセタン基から選ばれるカチオン重合性基を2個以上含有する多官能化合物のカチオン開環重合体が好ましい。多官能化合物の開環重合は光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射及び/又は加熱により行うことができる。
特に、カチオン重合性基含有化合物として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂環式ポリエポキシ化合物を含有し且つ該脂環式ポリエポキシ化合物の含有量がエポキシ化合物の全質量に基づいて30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であるエポキシ化合物(エポキシ化合物の混合物)を用いると、カチオン重合速度、厚膜硬化性、解像度、紫外線透過性などが一層良好になり、しかも樹脂組成物の粘度が低くなって製膜が円滑に行われるようになる。
具体例として、例えば特開平11−242101号公報〔0084〕〜〔0086〕に記載の化合物等が挙げられる。オキセタニル基を含有する化合物としては、分子中に含有されるオキセタニル基の数は1〜10、好ましくは1〜4である。これらの化合物は、エポキシ基含有化合物と併用することが好ましい。具体的には、例えば特開2000−239309号公報〔0024〕〜〔0025〕に記載の化合物を挙げることができる。
光酸発生剤は、光の作用により酸を発生する化合物であり、具体的には、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号等に種々の例が記載されており、これら公知の化合物を使用することができる。ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やs−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。光の作用で塩基を発生する化合物も公知のものを使用することができ、具体的にはニトロベンジルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類等を挙げることができる。
カチオンを発生させる光酸発生剤として、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の化合物やスルホン酸のニトロベンジルエステルなど、非イオン性の化合物が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている化合物など種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのスルホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF6 -、SbF6 -、AsF6 -、B(C654 -などが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わり、またはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダー樹脂に導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、ホルミル基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダー樹脂は塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
重合開始剤は、それぞれ組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような化合物の場合は単独で用いることができる。重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することが更に好ましい。
活性エネルギー線重合性樹脂の塗布液は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などの有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して作製する。
(耐擦傷性付与シランカップリング剤)
本発明のハードコート層及び低屈折率層のうちの少なくとも1層の塗布液に、下記一般式(2)の化合物が含有され、塗布され、乾燥・硬化されることが、耐擦傷性付与に対して好ましい。
一般式(2)
(R11)m−Si(OR12)n
一般式(2)中、R11は置換又は無置換の、アルキル基又はアリール基を表す。R12は置換又は無置換の、アルキル基又はアシル基を表す。mは0〜3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4である。
一般式(2)において、R11は置換又は無置換の、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、t−ブチル、sec−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては特に制限はないが、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシリル、トリエトキシシリル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が好ましい。
これらのうちで更に好ましくは水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくはエポキシ基、重合性のアシルオキシ基(アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ)、重合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルアミノ)である。またこれら置換基は更に置換されていても良い。
12は置換又は無置換のアルキル基又はアシル基を表す。アルキル基、アシル基及び置換基の説明は上記R11の場合と同じである。R12は好ましくは無置換のアルキル基又は無置換のアシル基であり、特に好ましくは無置換のアルキル基である。
mは0〜3の整数を表す。nは1〜4の整数を表す。mとnの合計は4である。R1又はR2が複数存在するとき、複数のR1もしくはR2はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。mとして好ましくは0、1、2であり、特に好ましくは1である。
また、一般式(2)の化合物の他、そのオリゴマー反応物(ゾル)であることも、ハードコート層や低屈折率層の強度をさらに高めるため好ましい。さらには、カップリング反応性シリル基含有のポリマーを含有させることも好ましい。これらの化合物の具体例として、例えば、特開平11−52103号公報[0010]〜[0047]、同11−106704号公報[0013]〜[0043]、特開2000−275403号公報[0015]〜[0026]等に記載の化合物が挙げられる。
一般式(2)の化合物の添加量は、該化合物を含有する層の全固形分の1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%が最も好ましい。
(超微粒子フィラー)
透光性バインダーマトリックスの屈折率を調整するため、上記の透光性微粒子とは別に平均粒径が0.2μm以下の金属酸化物、含水金属酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物あるいは有機高分子から成る超微粒子フィラーを添加することができる。その平均粒径は好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である。バインダー樹脂との屈折率差の大きい無機超微粒子フィラーが好ましい。例えば、金属の酸化物、含水酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属原子としては、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましい。特に、Si、Ti、Zr、AL、In、Zn、Sn、Sbなどより選ばれる少なくとも1種の金属原子の酸化物が挙げられる。これら超微粒子フィラー形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、棒状、不定形、中空等のほか、表面に凸を有する球形状微粒子などのいずれも好ましく用いられるが、球状が分散性が良くより好ましい。この超微粒子フィラーは、その充填量によりカール防止、表面硬度向上にも寄与できる。ハードコート層が超微粒子フィラーを含有する場合、透光性バインダーマトリックスの屈折率は、主にハードコート層を構成するバインダー樹脂と無機超微粒子フィラー各々の屈折率とこれらの混合比率で決まる。
無機超微粒子フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの超微粒子フィラーの添加量は、ハードコート層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%であり、特に好ましくは30〜50質量%である。尚、このような超微粒子フィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダー樹脂に該超微粒子フィラーが分散した複合体は、光学的に均一な物質として振舞い、超微粒子フィラーは前述した透光性微粒子とはその機能が異なる。
(他の添加剤)
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、各種の重合開始剤その他添加剤と共に溶剤に溶解、塗布、乾燥後、電離放射線または熱による重合反応により硬化することができる。
本発明のハードコート層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性をより確保するために、フッ素系界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド基含有ノニオン化合物、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等)、シリコーン系界面活性剤(エチレングリコール、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロキサン化合物等)の何れかの、あるいはその両者をハードコート層形成用の塗布組成物中に含有することができる。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の防眩性反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。
さらには、低屈折率層を形成するために用いられる塗布組成物の濡れ性を十分に保持できるようにするために、界面活性剤の種類と使用量を調整して、ハードコート層の表面エネルギーを25mN・m-1〜70mN・m-1の範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは、35mN・m-1〜70mN・m-1である。
(ハードコート層の作成方法)
本発明のハードコートフィルムの作製は、透明支持体上に活性エネルギー線重合性樹脂塗料をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、エクストルージョン法、ブレード法などの公知の薄膜形成方法で形成、乾燥、活性エネルギー線照射して作製することができる。
さらに、透明支持体とのハードコート層の密着性を向上させる目的で、所望により、透明支持体の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステルなどの共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエステル、ゼラチンなどの水溶性ポリマーなどが挙げられる。
ハードコート層は、単層でも可能であるが、2層以上の構成も可能である。多層構成のものは順次表面弾性率の異なる層を積層して作成することもできる。多層構成の場合、層の弾性率はそれぞれの層の弾性率の厚み補正の平均から求めることができる。
これらの作成したハードコート層の上には、反射防止層、紫外線や赤外線の吸収層、選択波長吸収層、帯電防止層、電磁波シールド層や防汚性層などの機能を有する薄膜を設けることができ、高硬度の機能性フィルムとして供される。これらの機能性薄膜は、公知の機能性材料の溶液を塗布する湿式法や、スパッターや蒸着などの真空成膜する乾式法により作成することができる。これらのハードコート層はプラスチックのシートやフィルムの表面の傷つき防止として使用される他、表面に機能性薄膜を設けたものはLCD、PDPやELなどのFPD(フラットパネルディスプレイ)やCRTなどのディスプレイ材料の表面保護やショーウインドウなどに用いることができる。
{防眩性層}
本発明の光学機能性フィルムにおいて、防眩性層に用いる表面凸状粒子の好ましい平均粒径は0.4〜20μmであり、より好ましくは1.0〜12μm、特に好ましくは1.8〜6.0μmである。
防眩性層は、防眩性や内部散乱性を付与するための透光性微粒子と透光性微粒子を保持する透光性バインダーマトリックスからなる。透光性バインダーマトリックスは後述するバインダー樹脂や重合開始剤の他、屈折率調整や高強度化のために添加される超微粒子フィラー、耐傷性を付与するためのシランカップリング剤などやその他の添加剤を含む塗布液を塗布・乾燥・硬化させたものである。
防眩性層の層厚は1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜7μm、更に好ましくは3〜5μmである。膜厚が薄すぎると、防眩性フィルムとしての表面硬度が低下したり、好ましい範囲の透光性微粒子を含有できなくなる、といった弊害が生じる。一方、膜厚が厚すぎると、塗布液粘度上昇による塗布性不良といった弊害が生じやすく好ましくない。防眩性層の厚みの定義は、防眩性層の下層成分(あるいは、下層が無い場合は支持体成分)の最も防眩性層側箇所から、防眩性層の透光性微粒子が無い、最も薄い箇所を基準として、その間の垂直距離とする。
このようにして形成された本発明の防眩性フィルムの450nm〜650nmでの鏡面平均反射率、積分反射率はともに2.5%以下であることが好ましく、2.2%以下がより好ましく、1.9%以下がさらに好ましい。該反射率が2.5%よりも大きいと、室内の蛍光灯の画面への映り込みが顕著になり視認性が悪くなり、好ましくない。
防眩性フィルムの表面凸凹は、JIS−B−0601(1994年版)に規定される基準長2.5mm、カットオフ値が0.8mmで測定したときの中心線平均表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.2μm以下であることが特に好ましい。ただし、0.02μm未満では、フィルム搬送性が悪くなり好ましくない。ここで、中心線平均粗さRaは表面の凹凸の平均的な粗さを表すパラメータであり、この値が大きいほど表面の平均的な粗さが大きくなる。
防眩性フィルムの表面のヘイズ値が低いほど、表示のボケを小さくして明瞭なディスプレイ表示を得ることができるが、ヘイズ値が低すぎると、映り込み及び面ギラ(シンチレーション)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生する。逆に、ヘイズ値が高すぎると白っぽくなり(白化;黒濃度低下)、好ましくない。防眩性層に適度な表面凹凸形状を設け、外光による映り込みの起こらない防眩性を付与するには透光性バインダーマトリックスと透光性微粒子の屈折率の差をゼロか又は2.5以下とし、表面ヘイズを7〜25%に制御することが好ましく、10〜20%とすることがより好ましい。
一方、視野角特性を改良するにはバックライトから出射された光が視認側の防眩性層で内部散乱されればされるほど視野角特性が良くなるが、しかし、あまり散乱されすぎると、後方散乱が大きくなり、正面輝度が減少する。あるいは、散乱が大きすぎて画像鮮明性が劣化する等の問題が生じ、好ましくない。従って、透光性バインダーマトリックスと透光性微粒子の屈折率の差を0.05以上2.5以下とし、内部散乱へイズを30〜80%とすることが好ましく、35〜70%が更に好ましく、40〜60%が特に好ましい。
内部散乱ヘイズと表面ヘイズが存在する状態は、全ヘイズ値として35%以上であることで視野角改良効果が発揮され、35〜90%が好ましく、45〜80%がより好ましく、50〜70%が特に好ましい。
内部散乱ヘイズを制御する方法としては、透光性バインダーマトリックスと透光性微粒子との屈折率差を上げる、透光性微粒子の濃度を上げる、もしくは膜厚を厚くするなどの方法がある。
ヘイズ値(曇価)は、JIS−K−7105に準じ、村上色彩技術研究所製HR−100を用いてを測定できる。
本発明の防眩性反射防止フィルムが、上記範囲のヘイズ値及び平均反射率であることにより、透過画像の劣化を伴なわずに良好な防眩性反射防止性が得られる。防眩性反射防止フィルムの強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることが特に好ましい。
(透光性微粒子)
本発明の光学機能性層が防眩性層である場合、該防眩性層に透光性微粒子として粒子表面に微細な凸部を有する表面凸状粒子が含有されていることを特徴とする。更には、表面凸状粒子は、球状粒子(コア粒子)表面に微小粒子を固着させた、表面に凸形状を有する球形状微粒子であることが好ましい。表面凸状微粒子を防眩性層に用いることにより、防眩性付与及び内部散乱性付与の機能を各々、効果的に発現することができる。
透光性微粒子の平均粒径は0.4〜20μmであり、好ましくは1.0〜12μm、より好ましくは1.8〜6.0μmである。そのうち、防眩性を付与するための透光性微粒子(以下、防眩性粒子又はAR粒子と称することある)の粒径は0.8〜20μmが好ましく、より好ましくは1.6〜12μm、特に好ましくは2.4〜6μmであり、防眩性層の厚みと同程度か厚みよりも大きな粒径の粒子が好ましく、防眩層の厚みの0.8倍〜2.0倍でである粒径であることが好ましく、0.9倍〜1.4倍であることがより好ましい。透光性バインダーマトリックスの屈折率との差がゼロか又は0.05以下であることが好ましい。
一方、内部散乱性を付与する粒子(以下、散乱粒子又はIS粒子と称することもある)は、内部散乱を起こすだけでなく、防眩性を付与する粒子であっても構わない。または防眩性付与には寄与せず、層内に埋め込まれる粒子であってもよい。防眩性を高めすぎないため、この場合には、防眩性層の厚みよりも小さな粒径の粒子であることが好ましく、その粒径は0.4〜8.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜6.0μm、特に好ましくは1.8〜4.0μmである。
内部散乱性粒子(IS粒子)の屈折率は、防眩性層の透光性バインダーマトリックスの屈折率とは異なり、透光性バインダーマトリックスの屈折率との差が0.05〜2.5であることが好ましい。屈折率差が0.05より小さいと十分な散乱をおこさせるために多量のIS粒子を添加する必要が生じ好ましくない。
本発明の表面凸状粒子は、2種類以上の粒子径の異なる透光性微粒子、或いは異なる2種以上の透光性微粒子を併用して用いてもよい。素材種が2種類以上でも、粒径が2種類以上でも、その制限は無い。それらの混合を行うことにより、表示品位に関わる視野角特性と外光の写り込みを各々独自に最適化することができ、透光性微粒子の混合比により細かい設定が可能となり、1種類の場合よりも制御が可能となり、様々な設計を容易にすることができる。
本発明の表面凸状粒子は単分散性が高いほど、拡散特性にばらつきが少なくなり、ヘイズの設計が容易となり好ましい。
表面凸状粒子の好ましい添加量は防眩性層中に、30〜1000mg/m2であり、より好ましくは300〜800mg/m2である。そのうち、AR粒子の使用量は0〜600mg/m2が好ましく、IS粒子の使用量は、0〜800mg/m2が好ましい。両者を併用する場合、AR粒子とIS粒子の比率に特に制限はない。
(透光性バインダーマトリックス)
透光性バインダーマトリックスは、後述するバインダー樹脂や重合開始剤、屈折率調整や高強度化のために添加される超微粒子フィラーやその他の添加剤を含む塗布液を塗布・乾燥・硬化させたものである。透光性バインダーマトリックスの屈折率は防眩性や内部散乱性を付与するための透光性微粒子を含まない防眩性層の屈折率であり、防眩性や内部散乱性を付与するための透光性微粒子を除いた層を作成して評価することができる。
透光性バインダーマトリックスの屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.90であり、更に好ましくは1.64〜1.80である。屈折率を上記範囲とするには、主たる構成素材であるバインダー樹脂及び無機超微粒子フィラー等の種類及び量割合を適宜選択すれることにより達成される。屈折率が小さすぎると反射防止性が低下する。さらに、これが大きすぎると、本発明の防眩性フィルムの反射光の色味が強くなり好ましくない。
透光性バインダーマトリックスと透光性微粒子の屈折率の大小は、特に制限はないが、文字ボケをより少なくするためには、上記記載の屈折率差の範囲内で、防弦性層の屈折率を低くする方が好ましいし、防眩性反射防止フィルムとして、より反射率を低くするためには、防眩性層の屈折率を高くする方が好ましく、設計コンセプトによって適宜選択される。
(バインダー樹脂及び開始剤)
防眩性層に用いるバインダー樹脂は、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダー樹脂は架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダー樹脂を得るためには、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
また、屈折率を調整するため(高屈折率化にするため)には、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことも好ましい。
上記のエチレン性不飽和基を有するモノマーは、重合性基を2〜10個含有することが好ましく、2〜8個の多官能モノマーが好ましい。具体的には、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等)と重合性不飽和二重結合基含有の有機酸((メタ)アクリル酸、クロトン酸等)とのポリエステル化合物、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、ビニルベンゼンの誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、(メタ)アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)等が挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。これらのなかでも、3官能〜8官能のアクリレート又はメタクリレートが、膜硬度、即ち耐傷性の観点で好ましい。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤及び/又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射及び/又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤及び/又は熱ラジカル開始剤、透光性微粒子および無機超微粒子フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後、電離放射線照射及び/又は熱による重合反応により硬化して防眩性層を形成することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。例えば、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)に記載のカルボニル化合物(アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、ベンゾイン類、安息香酸エステル類、チオキサントン類等)、特開昭63−298339号公報等記載の有機ハロゲン化合物類、特開2002−16539号公報等記載の有機ホウ酸化合物類、特開昭61−166544号公報記載のジスルホン類等が挙げられる。
光重合開始剤に加えて、光増感剤(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーズケトンチオキサントン等)、増感助剤(フェニルグリシン等)を用いてもよい。
上記のラジカル重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、エポキシ基、オキセタン基から選ばれるカチオン重合性基を2個以上含有する多官能化合物のカチオン開環重合体が好ましい。多官能化合物の開環重合は光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射及び/又は加熱により行うことができる。
特に、カチオン重合性基含有化合物として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂環式ポリエポキシ化合物を含有し且つ該脂環式ポリエポキシ化合物の含有量がエポキシ化合物の全質量に基づいて30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であるエポキシ化合物(エポキシ化合物の混合物)を用いると、カチオン重合速度、厚膜硬化性、解像度、紫外線透過性などが一層良好になり、しかも樹脂組成物の粘度が低くなって製膜が円滑に行われるようになる。
具体例として、例えば特開平11−242101号公報の明細書中の段落番号〔0084〕〜〔0086〕に記載の化合物等が挙げられる。
オキセタニル基を含有する化合物としては、分子中に含有されるオキセタニル基の数は1〜10、好ましくは1〜4である。これらの化合物は、エポキシ基含有化合物と併用することが好ましい。具体的には、例えば特開2000−239309号公報明細書中の段落番号〔0024〕〜〔0025〕に記載の化合物を挙げることができる。従って、エポキシ基、オキセタン基から選ばれるカチオン重合性基を2個以上含有する多官能化合物、光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤、透光性微粒子および無機超微粒子フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後、電離放射線の照射及び/又は熱による重合反応により硬化して防眩性層を形成することができる。
光酸発生剤は、光の作用により酸を発生する化合物であり、具体的には、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号公報等に種々の例が記載されておりこれら公知の化合物を使用することができる。ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。光の作用で塩基を発生する化合物も公知のものを使用することができ、具体的にはニトロベンジルカルバメート類、ジニトロベンジルカルバメート類等を挙げることができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わり、またはそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダー樹脂に導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、ホルミル基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダー樹脂は塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
本発明の防眩性層は更に、上記一般式(2)のシランカップリング剤を含有することが、耐擦傷性が付与されるため、好ましい。
一般式(2)の化合物の適宜な添加量は、該化合物を含有する層の全固形分の1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%が最も好ましい。
(超微粒子フィラー)
透光性バインダーマトリックスの屈折率を調整するため、上記の透光性微粒子とは別に平均粒径が0.2μm以下の金属酸化物、含水金属酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物及び有機高分子から選択される少なくとも1種の超微粒子フィラーを添加することができる。その平均粒径は好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である。バインダー樹脂との屈折率差の大きい無機超微粒子フィラーが好ましい。例えば、金属の酸化物、含水酸化物、窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ましく、金属原子としては、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、PbおよびNiが好ましい。特に、Si、Ti、Zr、AL、In、Zn、Sn、Sbなどより選ばれる少なくとも1種の金属原子の酸化物が挙げられる。これら超微粒子フィラー形状は特に制限されるものではなく、例えば、球状、板状、繊維状、棒状、不定形、中空等のほか、表面に凸形状を有する球形状微粒子などのいずれも好ましく用いられる。中でも、球状のものが分散性が良好である点で好ましい。この超微粒子フィラーは、その充填量によりカール防止、表面硬度向上にも寄与できる。防眩性層が超微粒子フィラーを含有する場合、透光性バインダーマトリックスの屈折率は、主に防眩性層を構成するバインダー樹脂と無機超微粒子フィラー各々の屈折率とこれらの混合比率で決まる。
無機超微粒子フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの超微粒子フィラーの添加量は、防眩性層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%であり、特に好ましくは30〜50質量%である。尚、このような超微粒子フィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダー樹脂に該超微粒子フィラーが分散した複合体は、光学的に均一な物質として振舞い、超微粒子フィラーは前述した透光性微粒子とはその機能が異なる。
(他の添加剤)
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーや架橋性官能基を有するモノマーは、各種の重合開始剤その他の添加剤と共に溶剤に溶解、塗布、乾燥後、電離放射線または熱による重合反応により硬化することができる。
本発明の防眩性層は、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性をより確保するために、フッ素系界面活性剤(例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸アミド基含有ノニオン化合物、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等)、シリコーン系界面活性剤(エチレングリコール、プロピレングリコール等のオリゴマー等の各種の置換基で側鎖や主鎖の末端が変性されたポリジメチルシロキサン化合物等)の何れかの、あるいはその両者を防眩性層形成用の塗布組成物中に含有することができる。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、本発明の防眩性反射防止フィルムの塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いられる。
さらには、低屈折率層を形成するために用いられる塗布組成物の濡れ性を十分に保持できるようにするために、界面活性剤の種類と使用量を調整して、防眩性層の表面エネルギーを25mN・m-1〜70mN・m-1の範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは、35mN・m-1〜70mN・m-1である。
(防眩性層塗布液溶剤)
防眩性層を形成するための塗布液の溶剤は、防眩性の発現や下層(透明支持体)と防眩性層との間の密着性の両立を計るために、下層(透明支持体)を溶解する少なくとも一種類以上の溶剤と、下層(透明支持体)を溶解しない少なくとも一種類以上の溶剤から構成することが好ましい。例えば透明支持体として、トリアセチルセルロース支持体を用いる場合、トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類が、トリアセチルセルロースを溶解する溶剤うちの少なくとも一種類よりも高沸点であることが好ましい。さらに好ましくは、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30度以上であることであり、最も好ましくは50度以上であることである。
トリアセチルセルロースを溶解する溶剤として、炭素子数が3〜12のエーテル類:具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等、炭素数が3〜12のケトン類:具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等、炭素数が3〜12のエステル類:具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトン等、2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、およびアセト酢酸エチル等が挙げられる。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンが挙げられる。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースを溶解する溶剤の総量(A)とトリアセチルセルロースを溶解しない溶剤の総量(B)の質量割合(A/B)は、5/95〜50/50が好ましく、より好ましくは10/90〜40/60であり、さらに好ましく15/85〜30/70である。
(防眩性層の作成方法)
本発明の防眩性反射防止フィルムは以下の方法で形成することができ、防眩性層もその一つであるが、この方法に制限されない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。次に、防眩性層を形成するための塗布液を、リバースグラビア法(グラビアコート法、マイクログラビアコート法などに分類される)、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法が特に好ましい。その後、光照射あるいは加熱して、防眩性層を形成するためのモノマーを重合して硬化する。これにより防眩性層が形成される。
〔低屈折率層〕
本発明の低屈折率層は、低屈折率バインダーとして、動摩擦係数0.03〜0.15、水に対する接触角90〜120度の熱または電離放射線により架橋する含フッ素ポリマー、および膜強度向上、低反射率性能向上のための表面凸状超微粒子フィラーを用いることを特徴とする。
本発明の光学機能性フィルムにおいて、低屈折率層の屈折率は1.38〜1.49の範囲が好ましく、1.38〜1.44がより好ましい。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化達成のために好ましい。
m・λ/4×0.7<n11<m・λ/4×1.3 ・数式(I)
式(I)中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の層厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層に用いられる架橋性の含フッ素ポリマーとして、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)の縮合生成物、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素ポリマーが挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等であり、その具体例として、例えば、特開2001−281405号公報の段落〔0040〕に記載の化合物等が挙げられる。
架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報に知られている。
また上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えば、オレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
本発明の低屈折率層に用いられる表面凸状超微粒子フィラー(L)の平均粒径は0.001〜0.2μmであることが好ましく、0.005〜0.1μmであることがより好ましい。フィラーの粒径はなるべく均一(単分散)であることが好ましい。
本発明の表面凸状超微粒子フィラー(L)は低屈折バインダーとの結合力に優れるため、低屈折率層の膜強度を高めることができるほか、塗布液安定性に優れるため低屈折率層の層厚を均一にすることができ、反射率を下げることができる。
また、表面凸状超微粒子フィラー(L)は低屈折率のものが好ましく用いられ、表面凸状有機超微粒子フィラー(L)であっても表面凸状無機超微粒子フィラー(L)であってもかまわないが、膜強度向上の点から表面凸状無機超微粒子フィラー(L)が好ましい。
超微粒子フィラー(L)の添加量は、低屈折率層の全質量の5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であると更に好ましく、15〜30質量%が特に好ましい。
表面凸状無機超微粒子フィラー(L)は、非晶質であることが好ましい。表面凸状無機超微粒子フィラー(L)は、前記防眩層用無機粒子と同様の化合物が挙げられ、金属原子としてはMg、Ca、BおよびSiが特に好ましい。二種類の金属を含む無機化合物を用いてもよい。特に好ましい無機化合物として、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウムが挙げられる。
本発明の表面凸状超微粒子フィラー(L)の一部を、表面凸形状を有しない超微粒子フィラーに置き換えることができる。その時の表面凸状超微粒子フィラー(L)の割合は50〜100%の範囲であり、これにより、表面凸状超微粒子フィラー(L)効果を減ずることなくコストを低下することができ好ましい。
該表面凸状無機超微粒子フィラー(L)は表面処理を施して用いることも好ましい。表面処理法は前述したハードコート層中の表面凸状粒子の表面処理方法、手順を用いることができる。
更に、低屈折率層は、前記一般式(2)で表される化合物を、耐擦傷性付与の目的で含有させてもよい。本発明の防眩性層及び低屈折率層の少なくともいずれか一方に、前記一般式(2)で表される化合物を含有させることが好ましい。
低屈折率層を形成するために用いる塗布液の溶媒組成としては、単独および混合のいずれでもよく、混合のときは、沸点が100度以下の溶媒が50〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜100%、より好ましくは90〜100%である。沸点が100度以下の溶媒が50%以下であると、乾燥速度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化し、塗布膜厚にもムラが生じるため、反射率などの光学特性も悪化する。
好ましい溶媒としては、特開2002−148404号公報の[0031]〜[0032]に記載の溶媒を用いることができる。特に、ケトン類、エステル類の中の各沸点の違う溶媒からの選択が好ましく、特に好ましくはケトン類である。
本発明に係る低屈折率層成分を前述の組成の溶媒で希釈することにより本発明の低屈折率層用塗布液が調製される。塗布液濃度は、塗布液の粘度、低屈折率層素材の比重などを考慮して適宜調節される事が好ましいが、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
低屈折率層の形成は低屈折率層塗布液を防眩性層上に塗布し、光照射又は加熱して低屈折率層が形成される。このようにして、表面凹凸形状を有する防眩性層上に表面凹凸に沿って均一な厚みの低屈折率層を有する本発明の防眩性反射防止フィルムが得ることができる。
〔中屈折率層及び高屈折率層〕
反射防止性能をより高くするために、低反射率層の下層に特開2000−47004号公報等に記載の中屈折率層及び高屈折率層を設けることもできる。
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱低屈折率層形成組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。上記に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
さらに有機置換されたケイ素系化合物をこれに含めることができる。これらのケイ素系化合物は下記一般式(3)で表される化合物、またはその加水分解生成物である。
一般式(3) RapRbq SiZ(4-p-q)
ここでRa及びRbは、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子〜アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、p+qが1または2である条件下で、p及びqはそれぞれ0、1または2である。
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち粉末または水および/またはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として、市販されている。これらをさらに上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用する。
上記より高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げることができる。
上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に分散したシリカゲルも使用することができる。
高屈折率層の屈折率は、一般に1.70〜2.20である。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
〔その他の機能性層〕
本発明の光学機能性フィルムには、さらに、防汚層、滑り層、防湿層、帯電防止層、電磁波シールド層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、選択波長吸収層、偏光分離層、下塗り層、易接着層、及び保護層などの機能性薄層を設けることができ、光学機能性フィルムとして供される。特に、発明協会公開技報2001−1745号公報、32頁〜45頁(2001年3月15日発行)に記載の技術を好ましく用いることができる。これらの機能性薄層は、公知の機能性材料の溶液を塗布する湿式法やスパッターや真空蒸着などの乾式法により作製することができる。
<光学機能性フィルムの用途>
本発明の光学機能性フィルムは、各種液晶表示装置(LCD)や陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電界放射型ディスプレイ(FED)のような各種画像表示装置用の表示素子や携帯電話などのディスプレイや家電製品などのタッチパネルなどとして用いることができる。
その具体例として、CRTやPDPなどの画像表示装置やタッチパネルなどの最表面に、本発明の防眩性フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に貼り付けることにより外光反射による像の映りこみのない防眩性に優れ、ギラツキ、文字ボケ・混色の改善された画像表示装置を得ることができる。さらに、本発明のハードコート層、反射防止層などを有する光学機能性フィルムを用いることでこれらの機能性に優れた画像表示装置を得ることができる。
また、別の具体例として、例えば液晶表示装置に用いられる偏光板に適用することができる。すなわち、偏光板の偏光子(偏光膜)の最外層の視認側保護フィルムとして用いる場合、鉛筆硬度や耐擦傷性に優れたハードコート性を有する偏光板、外光反射による像の映りこみのない防眩性に優れ、ギラツキの改善され、さらに文字ボケ・混色の改善された偏光板や外光反射によるコントラストの低下のない反射防止性に優れた偏光板を得ることができる。加えて、従来の偏光板に光学機能フィルムを貼り付ける場合に比べて、偏光板に用いていた保護フィルムを1枚減ずることができ、コストを下げ、偏光板を薄く軽くするができ好ましい。
また、本発明の偏光板の好ましい態様として偏光子の一方の保護フィルム上に液晶性化合物含有することからなる光学異方層を有し、他方の視認側保護フィルムとして本発明の防眩性反射防止フィルムを用いたものを挙げることができる。これにより、液晶表示装置の液晶セルを光学的に補償することができ、本発明の防眩性フィルムと併用することにより液晶表示装置の視野角特性を格段に向上させることができる。
本発明の光学機能性フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いる場合、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest-Host)、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)等の各モードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043等に記載されている。
また、透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
[偏光板]
本発明の光学機能性フィルム付きの偏光板は、偏光膜を挟む、2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に上記光学機能性フィルムを用いてなる。光学機能性フィルムとして本発明の防眩性反射防止フィルムを最表面に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、高精細適性のある偏光板とすることができ、また、光学機能性フィルムに防汚性層を付与することで防汚性にも優れた偏光板とすることができる。本発明のハードコートフィルムを偏光板の最表面に使用することにより、耐擦傷性に優れた偏光板とすることができる。また、本発明の反射防止フィルムを偏光板の最表面に使用することにより、反射防止性に優れた偏光板とすることができる。
本発明の偏光板において光学機能性フィルムが保護フィルムを兼ねることで、製造コストを低減できる他、軽量化、省資源化することができる。
本発明の光学機能性フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設け偏光板に貼るなどしてディスプレイの最表面に配置することが好ましい。該光学機能性フィルムの透明支持体がトリアセチルセルロースの場合は偏光板の偏光膜を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、本発明の光学機能性フィルムをそのまま保護フィルムに用いることができる。
保護フィルム(例えば、セルロースアセテートフィルム)の遅相軸と偏光子の透過軸とは、液晶表示装置の液晶モードに応じて、実質的に平行あるいは傾斜させるように配置する。
本発明の光学機能性フィルム付きの偏光板は、光学機能性フィルムの透明支持体上に光学機能性層を形成した後、反対側の透明支持体面に表面処理を実施し、偏光膜と貼りあわせることにより得られる。表面処理は、公知の手法を用いることができる。一例としてアルカリ鹸化処理を挙げることができる。アルカリ鹸化処理は、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬する方法やアルカリ液を該表面処理面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する方法により行うことができる。
[偏光膜]
偏光膜は、いかなる偏光膜をも適用することができ、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が挙げられる。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することができる。また、偏光膜は従来の製法で作製したものでも、斜め延伸して作成したものでも用いることができる。
[偏光板を構成するその他のフィルム]
本発明の偏光板には、偏光膜の両側に配置することができる保護膜の一つとして防眩性反射防止フィルムを用いることができることを述べてきたが、他方の保護膜として透明支持体およびディスコティック液晶の配向を固定した光学異方層から構成される光学補償フィルムを用いることができる。
[液晶性化合物]
本発明に用いられる液晶化合物は、棒状液晶でも、ディスコティック液晶でも良く、またそれらが高分子液晶、もしくは低分子液晶、さらには、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものでも用いることができる。
棒状液晶としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。なお、棒状液晶性には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶として用いることができる。言い換えると、棒状液晶は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章および特開2000−304932号公報に記載がある。
本発明の液晶性化合物として最も好ましいのは、ディスコティック液晶である。本発明のディスコティック液晶の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻,141頁(1985年)、hysics lett,A,78巻,82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻,70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告(J.Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻,2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック液晶は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。
[光学異方層]
本発明の光学異方層は、ディスコティック構造単位を有する化合物からなる層であって、ディスコティック構造単位の面の透明支持体面に対する角度が、光学異方層の深さ方向に変化していることが好ましい。
上記ディスコティック構造単位の面の傾斜角度は、一般に、光学異方層の深さ方向でかつ光学異方層の底面からの距離の増加と共に増加または減少している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加することが好ましい。更に、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化等を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していることが好ましい。更に、傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
上記光学異方層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコティックネマチック相)を維持して冷却することにより得られる。あるいは、上記光学異方層は、ディスコティック化合物及び他の化合物(更に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチック相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射等により)、さらに冷却することにより得られる。本発明に用いるディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度としては、70〜300度が好ましく、特に70〜170度が好ましい。
例えば、支持体側のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物又は配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいはディスコティック化合物とともに使用する他の化合物(例、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマー)を選択することにより調整することができる。更に、傾斜角の変化の程度も上記選択により調整することができる。
上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に1〜50質量%(好ましくは5〜30質量%)の量にて使用される。更に、好ましい重合性モノマーの例としては、多官能アクリレートが挙げられる。官能基の数は3官能以上が好ましく、4官能以上が更に好ましい。最も好ましいのは6官能モノマーである。6官能モノマーの好ましい例としては、ジペンタエリストリトールヘキサアクリレートが挙げられる。また、これら官能基数の異なる多官能モノマーを混合して使用することも可能である。
上記ポリマーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物に傾斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマーでも使用することができる。ポリマー例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。上記ポリマーは、液晶性ディスコティック化合物の配向を阻害しないように、ディスコティック化合物に対して一般に0.1〜10質量%(好ましくは0.1〜8質量%、特に0.1〜5質量%)の量にて使用される。
本発明の光学補償シートは、セルロースアセテートフィルム、その上に設けられた配向膜及び配向膜上に形成されたディスコティック液晶からなる光学補償シートであって、配向膜が架橋されたポリマーからなるラビング処理された膜である。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
下記に示す方法で、コア粒子表面に微小粒子を固着させた、表面に凸を有する微粒子を作成した。
<表面凸状粒子1の作成>
平均粒径12μmのポリメチルメタクリレート粒子70質量部及び平均粒径0.02μmのシリカ(AEROSIL、日本アエロジル(株)製)30質量部、ハイブリダイザーにより15000rpm、15分間処理する乾式凝集攪拌法で複合化させた。
<表面凸状粒子2の作成>
平均粒径4μmのシリカ粒子(サイリシア、富士シリシア製)100質量部、メタノール200質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)30質量部を加え、1時間攪拌してシリカ粒子表面をカップリング処理した。上澄み液を除去し、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製)200質量部を加え、2時間攪拌し、1時間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥して表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径4.1μmの表面凸シリカ粒子を得た。
<表面凸状粒子3の作成>
平均粒径4μmのシリカ粒子100質量部、メタノール200質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20質量部を加え、1時間攪拌してシリカ粒子表面をカップリング処理した。上澄み液を除去し、平均粒径0.02μmのアルミナゾル(アルミナゾル520、日産化学(株)製)70質量部を加え、2時間攪拌し、30分間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥して表面に平均粒径0.02μmのアルミナ粒子が吸着した平均粒径4μmの表面凸を有するシリカ粒子を得た。
<表面凸状粒子4の作成>
平均粒径0.6μmの酸化チタン粒子(ルチル型、和光純薬(株)製)100質量部、メタノール200質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20質量部を加え、1時間攪拌して酸化チタン表面をカップリング処理した。上澄み液を除去し、平均粒径0.2μmのコロイダルシリカ粒子(スノーテックス、日産化学(株)製)80質量部を加え、2時間攪拌し、1時間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥して表面に平均粒径0.2μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径0.9μmの表面凸を有する酸化チタン粒子を得た。
<表面凸状粒子5の作成>
平均粒径0.6μmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製)100質量部、メタノール200質量部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20質量部を加え、1時間攪拌して酸化チタン表面をカップリング処理した。上澄み液を除去し、平均粒径0.2μmのコロイダルシリカ(スノーテックス、日産化学(株)製)80質量部を加え、2時間攪拌し、1時間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥して表面に平均粒径0.2μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径0.8μmの表面凸を有する酸化亜鉛粒子を得た。
<表面凸状粒子6の作成>
平均粒径3.5μmの架橋アクリル粒子(MX-150、綜研化学(株)製)80質量部及び平均粒径0.03μmの酸化チタン(STO1、石原産業(株)製)20質量部を、ハイブリダイザーにより20000rpm、15分間処理する乾式凝集攪拌法で複合化させた。
<表面凸状粒子7の作成>
酸化チタン粉末(和光純薬(株)製、ルチル型、平均粒径0.4μ)100質量部を0.2規定硝酸銀水溶液600質量部中に混合し、攪拌しながら100W高圧水銀灯にてパイレックスフィルターを通して15分間照射した。その後、粒子を濾過し、純水で洗い、乾燥して粒子表面に金属銀が析出した、平均粒径0.47μmの表面凸を有する酸化チタン−銀複合粒子を得た。
<表面凸状粒子8の作成>
酸化亜鉛粉末(堺化学(株)製、平均粒径0.35μ)100質量部を0.2規定硝酸銀水溶液800質量部中に混合し、攪拌しながら100W高圧水銀灯にてパイレックスフィルターを通して20分間照射した。その後、粒子を濾過し、純水で洗い、乾燥して粒子表面に金属銀を析出した、平均粒径0.39μmの表面凸を有する酸化亜鉛−銀複合粒子を得た。
<表面凸を有さない粒子H1>
表面凸状粒子1の作成に用いた平均粒径12μmのポリメチルメタクリレート粒子を使用した。
<表面凸を有さない粒子H2>
表面凸状粒子2の作成に用いた平均粒径4μmのシリカ粒子を使用した。
<プライマー層付きPETベースの作製>
厚さ125μmのPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、屈折率1.64)の両面をコロナ処理し、屈折率1.55、ガラス転移温度37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス(LX407C5、日本ゼオン(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(FS−10D、石原産業(株)製)を乾燥後の膜厚が0.1μmとなるように混合し、片面に塗布しプライマー層を形成した。
<ハードコート層塗布液(H−1)の調製>
メチルエチルケトン中にグリシジルメタクリレートを溶解させ、熱重合開始剤を滴下しながら75℃で1時間30分反応させ、得られた反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥してポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分子量は8,000)を作製した。このポリグリシジルメタクリレート30質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶解した溶液に、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295;大阪有機化学工業(株)製)160質量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)3質量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2074、ローディア社製)7質量部を50質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹拌しながら混合し、ハードコート層塗布液を調整した。
<ハードコート層塗布液(H−4)〜(H−13)の調製>
ハードコート層塗布液(H−1)に表1に記載した量の表面凸を有する粒子を添加してハードコート層塗布液(H−4)〜(H−11)を調製した。また、同様の操作で比較粒子を添加してハードコート層塗布液(H−12)〜(H−13)を調製した。
<ハードコートフィルムの作製>
作成したプライマー層付きPETフィルム上に、ハードコート層塗布液を表1に記載の硬化後の厚みになるように、エクストルージョン方式で塗布、乾燥し、紫外線を照射してハードコート層を硬化させ、ハードコートフィルム(HF−1)〜(HF−13)を作製した。
Figure 2005004163
得られたハードコートフィルムに対して以下の方法で評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2005004163
(鉛筆硬度試験)
鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハードコートフィルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、9.8Nの荷重にて傷が認められない鉛筆の硬度の値である。
(密着性試験)
ハードコート表面にカッターを用いて、1mm×1mmの間隔で傷をつけ、100個の升目に、セロテープ(登録商標 No405;ニチバン(株)製)を貼り付け30秒後にセロテープを剥がし、剥がれたり、エッジが欠けた升目の数を観察した。
(割れ性試験)
フィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときにひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価した。直径40mmの曲率でも割れが生じないものを○、40から60mmの曲率で割れるものを△、60mmで割れてしまうものを×とした。
(カールの評価)
作成したハードコートフィルムのカールの曲率半径が0.2m以上を○、0.2m未満0.1m以上を△、0.1m未満を×とした。
表2に示される結果から以下のことが明らかである。
本発明の表面凸状粒子をハードコート層の添加粒子として用い作製したハードコートフィルムは、添加粒子を含有しないハードコートフィルムや表面凸を有しない微粒子を添加したハードコートフィルムよりも鉛筆硬度が高く優れていることが分かる。また、密着性にも優れ、割れ性試験やカール評価においても良好な性能を有することが分かる。
実施例2
〔ハードコートフィルムの反射防止フィルムへの応用〕
<反射防止層の作製>
(1)高屈折率層塗布液(a−1)の調製
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、アニオン性モノマー(PM−21、日本化薬(株)製)3.8質量部、カチオン性モノマー(DMAEA、(株)興人製)1.0質量部およびシクロヘキサノン65.2質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)とを、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量)と二酸化チタンとの体積比が80/20、光重合開始剤と光増感剤との質量比が4/1、そして、光重合開始剤と光増感剤の合計量とモノマーの合計量との質量比が5/100になるようにメチルエチルケトンに添加し、高屈折率層の屈折率が1.81となるように調製した。
(2)低屈折率層塗布液(a−2)の調製
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製)60質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5質量部、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)2質量部、メガファック531A(C817SO2N(C37)CH2CH2OCOCH=CH2、大日本インキ化学工業(株)製)10質量部、メチルエチルケトン100質量部、および下記に示す二酸化ケイ素微粒子分散液を添加混合、攪拌して、低屈折率層の塗布液を調製した。
二酸化ケイ素微粒子分散液は、二酸化ケイ素微粒子(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散調整した。
ハードコートフィルム上に、表3に記載したようにそれぞれの層の層厚、屈折率値となるように塗布液を調整、塗布、紫外線照射し、反射防止性ハードコートフィルムを作成した。これらの反射防止ハードコートフィルムの特性を表3に示した。塗布液の塗布および紫外線照射はハードコート層の形成と同様に行った。
Figure 2005004163
表3で示される表面反射率は次のようにして測定した。
(表面反射率の測定)
裏面をサンドペーパーで擦り、黒マジックを塗り裏面の反射が起こらないようにした試料を作製し、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜650nmの波長領域における入射光5゜における正反射の表面反射率を求めた。
表3に示されるように、本発明のハードコートフィルムを用いた反射防止フィルムは、極めて良好な反射防止性能を有することが確認された。
実施例3
〔反射防止フィルムのPDP前面板への応用〕
プラズマディスプレイ(PDP−433HD−U、パイオニア社製)の前面板表面の反射防止フィルムを剥がし、表7記載の反射防止性ハードコートフィルム(HBF−4)を屈折率1.52のアクリル系粘着材で貼り合せた。三波長蛍光灯(ナショナルパナック蛍光灯FL40SS・EX−D/37)を室内照明として用いた部屋で観測した結果、視認性が極めて良好なプラズマディスプレイであることが分かり、このことから、本発明によって得られる反射防止性ハードコートフィルムは画像表示装置であるPDP前面板に好適であることが確認された。
実施例4
下記に示す方法で、コア粒子表面に微小粒子を固着させた、表面に凸形状を有する微粒子(表面凸状粒子)を作成した。
<表面凸状粒子11の作成>
平均粒径4μmのポリメチルメタクリレート粒子 70wt%及び平均粒径0.01μmのシリカ(AEROSIL MOX170、日本アエロジル(株)製)30wt%を、ハイブリダイザーにより16000rpm、5分間処理する乾式凝集攪拌法で複合化させた。
<表面凸状粒子12の作成>
平均粒径2μmのシリカ粒子(サイリシア、富士シリシア製)100g、メタノール200g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20gを加え、1時間攪拌し表面をカップリング処理した。その後、上澄み液を除去した。次に、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、10分間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥し、表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径2μmの表面凸状シリカ粒子を得た。
<表面凸状粒子13の作成>
平均粒径2μmのシリカ粒子にかえて平均粒径4μmのシリカ粒子を用いて、表面凸状粒子12の作成と同様に表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径4μmの表面凸形状を有するシリカ粒子を得た。
<表面凸状粒子14の作成>
平均粒径2μmのシリカ粒子100g、メタノール200g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20gを加え、1時間攪拌し表面をカップリング処理した。その後、上澄み液を除去した。次に、平均粒径0.02μmのアルミナゾル(アルミナゾル520、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、10分間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥し、表面に平均粒径0.02μmのアルミナ粒子が吸着した平均粒径2μmの表面凸形状を有するシリカ粒子を得た。
<表面凸状粒子15の作成>
平均粒径0.6μmの酸化チタン粒子(ルチル型、和光純薬(株)製)100g、メタノール200g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製)20gを加え、1時間攪拌し表面をカップリング処理した。その後、上澄み液を除去した。次に、平均粒径0.2μmのコロイダルシリカ粒子(スノーテックス、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、10分間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥し、表面に平均粒径0.2μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径0.9μmの表面凹凸酸化チタン粒子を得た。
<表面凸状粒子16の作成>
平均粒径0.6μmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製)100g、蒸留水200gに、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、10分間静置後に上澄み液を除去し、真空乾燥し、表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径0.6μmの表面凹凸酸化亜鉛粒子を得た。
<表面凸状粒子17の作成>
平均粒径1.6μmのスチレンラテックス100g、蒸留水100gに、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径1.6μmの表面凸形状を有するスチレン粒子を得た。
<表面凸状粒子18の作成>
平均粒径6μmのスチレンラテックス100g、蒸留水100gに、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、表面に平均粒径0.02μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径6μmの表面凸形状を有するスチレン粒子を得た。
<表面凸状粒子19の作成>
平均粒径1.5μmの架橋アクリル粒子(MX-150、綜研化学(株)製)70質量%及び平均粒径0.03μmの酸化チタン(STO1、石原産業(株)製)30質量%を、ハイブリダイザーにより16000rpm、5分間処理する乾式凝集攪拌法で複合化させた。
<防眩性層用塗布液の調製>
防眩性層塗布液(BG−11)を下記処方で仕込み、攪拌し調製した。
{防眩性層塗布液(BG−11)処方}
デソライトZ7526(JSR(株)製、屈折率1.51、シリカ超微粒子分散物含有 ハードコート液(透光性樹脂)) 100質量部
表面凸状粒子11(屈折率1.49) 24質量部
表面凸状粒子12(屈折率1.44) 6質量部
KBM−5103(信越化学(株)製、屈折率1.42、γ―アクリロキシプロピルト リメトキシシラン) 1質量部
メチルエチルケトン 32質量部
メチルイソブチルケトン 128質量部
<防眩性層の塗設、光拡散フィルムの作製>
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製、TD−80U)上に、上記防眩性層塗布液(BG−11)を表面凸状粒子11の塗布量が2g/m2になるように塗工し、溶剤乾燥後、180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ光拡散フィルム(A−101)を作製した。このフィルムの防眩性層乾燥膜厚は4.5μmであった。透光性バインダーの屈折率は1.51であった。
<低屈折率層用塗布液の調製>
下記処方で原料を仕込み、攪拌後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液(TK−11)を調製した。
{低屈折率層用塗布液(TK−11)処方}
JN−7228(JSR製、熱架橋性含フッ素ポリマー、屈折率1.42、固形分濃度 6質量%) 100質量部
MEK−ST(日産化学(株)製、平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%、 SiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物) 10質量部
メチルエチルケトン 35質量部
シクロヘキサノン 5質量部
下記シランカップリングゾル液 20質量部
(シランカップリングゾル液の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にメチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM5103(商品名、信越化学工業社製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート4部を加え混合した後、イオン交換水30部を加え、65℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、シランカップリングゾル液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
光拡散フィルム(A−101)の防眩性層上に、上記低屈折率層用塗布液(TK−11)をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.1μmの低屈折率層を形成し、防眩性反射防止フィルム(A−101)を作製した。
表面凸状粒子を表4に示すように変更して、防眩性層塗布液(BG−11)と同様に防眩性層塗布液を作成し、前記光拡散フィルム(A−101)及び防眩性反射防止フィルム(A−101)と同様に光拡散フィルム、及び防眩性反射防止フィルム(A−102)〜(A−109)を作成した。
Figure 2005004163
<防眩性反射防止フィルムの評価>
得られた防眩性反射防止フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表5に示した。
(1)鏡面反射率
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
<視認側偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。
作製した防眩性反射防止フィルム(A−101)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、防眩性反射防止フィルム(A−101)の透明支持体(トリアセチルセルロース)が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。また、光学補償フィルム(KH−101)をセルロースアセテートフィルムが偏光膜側になるようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の反対側に貼り付けた。偏光膜の透過軸と光学補償フィルム(KH−101)の遅相軸とは平行になるように配置した。このようにして防眩性反射防止性偏光板(BHHA−101)を作製した。
光学補償フィルム(KH−101)は特開2002−55230号公報の段落番号〔0064〕〜〔0076〕に記載の方法で作製した。
防眩性反射防止性偏光板(BHHA−101)を作製したのと同様に、防眩性反射防止フィルム(A−102)〜(A−109)を用いて防眩性反射防止性偏光板(BHHA−102)〜(BHHA−109)を作製した。
<バックライト側偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。市販のトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム製、フジタックTD80)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。また、光学補償フィルム(KH−101)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように反対側に貼り付けた。このようにしてバックライト側偏光板を作製した。
<液晶表示装置の作製>
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに偏光板(BHHA−101)〜(BHHA−109)を、それぞれ光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側に貼り付けた。またバックライト側には、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側偏光板を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
<液晶表示装置の評価>
作製した液晶表示装置について、以下の項目の評価を行った。結果を表5に示した。
(2)防眩性評価
作製した防眩性反射防止フィルムを、(株)DELL社製15インチUXGAノートPCに実装し、ルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を映し、蛍光灯の反射像のボケの程度を、以下の基準で目視評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎
蛍光灯の輪郭が良くわからない :○
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :△
蛍光灯がはっきり分かる :×
(3)ギラツキ評価
作製した防眩性反射防止フィルムを、(株)DELL社製15インチUXGAノートPCに実装し、ギラツキ(防眩性反射防止フィルムの表面突起のレンズ効果が原因の輝度バラツキ)の程度を、以下の基準で目視評価した。
全くギラツキが見られない :◎
ほとんどギラツキが見られない :○
わずかにギラツキがある :△
不快なギラツキがある :×
(4)視野角
測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までの8段階で視野角を測定した。
視野角はコントラスト比が10以上で階調反転のない範囲を求めた。黒側の階調反転はL1とL2との間の反転で判定した。
(5)文字ボケ評価
作製した防眩性反射防止フィルムを、(株)DEL社製15インチUXGAノートPCに実装し、文字ボケの程度を以下の基準で評価した。
全く文字ボケが見られない :◎
ほとんど文字ボケが見られない :○
わずかに文字ボケがある :△
文字ボケがある :×
Figure 2005004163
表5の結果から以下のことが分かった。
本発明の表面に凸形状を有する微粒子を防眩性層の透光性微粒子として用いて作製した防眩性反射防止フィルムを用いた偏光板を貼り付けた表示装置は、反射防止性に優れ、その視野角は広い上に、外光の写りこみにくさ(防眩性)にも非常に優れており、ギラツキや文字呆けにも優れていることが確認できた。
実施例5
<表面凸状粒子20の作成>
平均粒径16μmの架橋ポリスチレン粒子100g、蒸留水100gに、平均粒径0.2μmのコロイダルシリカ(スノーテックス、日産化学(株)製)100gを加え、2時間攪拌し、表面に平均粒径0.2μmのシリカ粒子が吸着した平均粒径16.2μmの表面凸形状を有する架橋ポリスチレン粒子を得た。
<表面凸状粒子21の作成>
酸化チタン粉末(和光純薬(株)製、ルチル型、平均粒径0.42μm)200gを0.1規定硝酸銀水溶液600g中に混合し、攪拌しながら100w高圧水銀灯にてパイレックスフィルターを通して3分間照射した。その後、粒子を濾過し、1リッターの水で洗い乾燥することで粒子表面に平均粒径0.02μmの金属銀を析出させ、平均粒径0.45μmの表面凸形状を有する酸化チタン粒子を得た。
<表面凸状粒子22の作成>
酸化亜鉛粉末(堺化学(株)製、平均粒径0.38μm)200gを0.1規定硝酸銀水溶液600g中に混合し、攪拌しながら100w高圧水銀灯にてパイレックスフィルターを通して2分間照射した。その後、粒子を濾過し、1リットルの水で洗い乾燥することで粒子表面に平均粒径0.02μmの金属銀を析出させ、平均粒径0.42μmの表面凸形状を有する酸化亜鉛粒子を得た。
防眩層厚み、表面に凸形状を有する微粒子を表6に示すように変更して、実施例4と同様にして防眩性層塗布液を作成し、防眩性反射防止フィルム(B−101)〜(B−105)を作成し、更に実施例4と同様にして評価した結果を表7に示した。
Figure 2005004163
Figure 2005004163
本発明の凸状粒子を防眩性層の透光性微粒子として用いて作製した防眩性反射防止フィルムを用いた偏光板を貼り付けた表示装置は、反射防止性に優れ、その視野角は広く、実施例4に挙げた本発明には及ばないものの、外光の写りこみにくさ(防眩性)にも優れており、ギラツキや文字呆けも見られないことが確認できた。
本発明の光学機能性フィルムの基本構成を示す断面模式図である。 防眩性フィルムの基本構成を示す断面模式図である。
符号の説明
1 ハードコートフィルム
2 透明支持体
3 ハードコート層
4 硬化性樹脂
5 表面凸状粒子
11 防眩性フィルム
12 透明支持体
13 防眩性層
14 低屈折率層
15 透光性微粒子(防眩性粒子)
16 透光性微粒子(内部散乱性粒子)

Claims (10)

  1. 透明支持体上に、少なくとも透光性微粒子をバインダー樹脂中に分散した光学機能性層を少なくとも1層有する光学機能性フィルムにおいて、該透光性微粒子として、粒子表面が微細凸形状を有する微粒子を含有することを特徴とする光学機能性フィルム。
  2. 該透光性微粒子が、該粒子の凸部に接するように滑らかに包ラク面で囲んだ包ラク面体の表面積に対する該透光性微粒子の表面積の比率が1.1倍以上であることを特徴とする請求項1記載の光学機能性フィルム。
  3. 該透光性微粒子が、球状粒子(コア粒子)表面に微小粒子を固着させたものである請求項1又は2記載の光学機能性フィルム。
  4. 表面に固着させた微小粒子の大きさがコア粒径の1/3以下であることを特徴とする請求項3記載の光学機能性フィルム。
  5. 該透光性微粒子の平均粒径が0.4〜20μmであり、該光学機能性層がハードコート性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
  6. 該透光性微粒子の平均粒径が0.4〜20μmであり、該光学機能性層が防眩性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
  7. 請求項5に記載のハードコート性を有する光学機能性層の上部又は請求項6に記載の防眩性を有する光学機能性層の上部に、隣接する層よりも屈折率の低い低屈折率層を有し、反射防止性を有することを特徴とする光学機能性フィルム。
  8. 該透光性微粒子の平均粒径が0.005〜0.1μmであり、該光学機能性層が、反射防止性を有することを特徴とする請求項1〜請求項4及び請求項7のいずれかに記載の光学機能性フィルム。
  9. 偏光子の両面を保護フィルムで挟持した偏光板において、保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜8のいずれかに記載の光学機能性フィルムであることを特徴とする偏光板。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の光学機能性フィルム又は請求項9に記載の偏光板を搭載したことを特徴とする画像表示装置。
JP2003324183A 2002-09-30 2003-09-17 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置 Pending JP2005004163A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003324183A JP2005004163A (ja) 2002-09-30 2003-09-17 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置
US10/568,662 US20060227695A1 (en) 2003-09-17 2004-09-17 Recording media

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285818 2002-09-30
JP2003140498 2003-05-19
JP2003324183A JP2005004163A (ja) 2002-09-30 2003-09-17 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005004163A true JP2005004163A (ja) 2005-01-06

Family

ID=34108499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003324183A Pending JP2005004163A (ja) 2002-09-30 2003-09-17 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005004163A (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082701A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Nitto Denko Corporation 反射防止ハードコートフィルム、光学素子および画像表示装置
WO2006134893A1 (ja) * 2005-06-15 2006-12-21 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 光学フィルム及び光学フィルム用支持体
JP2007316576A (ja) * 2006-04-26 2007-12-06 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、偏光板、画像表示装置および防眩性ハードコートフィルムの製造方法
JP2007334064A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板および画像表示装置
JP2008146021A (ja) * 2006-09-08 2008-06-26 Fujifilm Corp 光学フィルム
WO2008140283A1 (en) 2007-05-16 2008-11-20 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
JP2009083224A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液
JP2011028245A (ja) * 2009-06-25 2011-02-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板、複合偏光板および液晶表示装置
JP2011186888A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Toppan Printing Co Ltd タッチパネル用ハードコート基材およびそれを用いたタッチパネル
JP2012083741A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Nitto Denko Corp 光拡散素子、光拡散素子付偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置
WO2014065531A1 (ko) * 2012-10-23 2014-05-01 동우화인켐 주식회사 방현층 형성용 조성물, 방현 필름, 편광판 및 표시장치
WO2014119561A1 (ja) * 2013-01-29 2014-08-07 富士フイルム株式会社 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
JP2015155636A (ja) * 2014-01-20 2015-08-27 フリージアハウス株式会社 遮熱体及びその形成方法
US9176264B2 (en) 2010-09-17 2015-11-03 Nitto Denko Corporation Light-diffusing element, polarizing plate having light-diffusing element attached thereto, polarizing element, and liquid crystal display device equipped with those components
US9417364B2 (en) 2010-09-17 2016-08-16 Nitto Denko Corporation Light-diffusing element and polarizing plate provided therewith
JP2016212269A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 株式会社ダイセル 反射防止材
JP2020008860A (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 エスケイシー・カンパニー・リミテッドSkc Co., Ltd. 光学多層フィルム、これを含む光学部品および表示装置
WO2020137786A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 東山フィルム株式会社 反射防止フィルムおよびその製造方法
WO2020262271A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30 富士フイルム株式会社 組成物、膜および光センサ
KR20240043703A (ko) 2022-09-27 2024-04-03 디아이씨 가부시끼가이샤 활성 에너지선 경화성 조성물, 경화물, 및 필름
KR20240043702A (ko) 2022-09-27 2024-04-03 디아이씨 가부시끼가이샤 활성 에너지선 경화성 조성물, 경화물, 및 필름

Cited By (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8062731B2 (en) 2005-02-01 2011-11-22 Nitto Denko Corporation Antireflection hard coating film, optical element and image display
JP2006240292A (ja) * 2005-02-01 2006-09-14 Nitto Denko Corp 反射防止ハードコートフィルム、光学素子および画像表示装置
WO2006082701A1 (ja) * 2005-02-01 2006-08-10 Nitto Denko Corporation 反射防止ハードコートフィルム、光学素子および画像表示装置
WO2006134893A1 (ja) * 2005-06-15 2006-12-21 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 光学フィルム及び光学フィルム用支持体
JP2007316576A (ja) * 2006-04-26 2007-12-06 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、偏光板、画像表示装置および防眩性ハードコートフィルムの製造方法
JP2007334064A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Nitto Denko Corp 防眩性ハードコートフィルム、それを用いた偏光板および画像表示装置
JP2008146021A (ja) * 2006-09-08 2008-06-26 Fujifilm Corp 光学フィルム
WO2008140283A1 (en) 2007-05-16 2008-11-20 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
JP2010527046A (ja) * 2007-05-16 2010-08-05 エルジー・ケム・リミテッド アンチグレアフィルム用組成物およびそれを用いて製造したアンチグレアフィルム
US8216669B2 (en) 2007-05-16 2012-07-10 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
EP2147073B1 (en) * 2007-05-16 2016-06-22 LG Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
JP2009083224A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液
JP2016006519A (ja) * 2009-06-25 2016-01-14 住友化学株式会社 偏光板、複合偏光板および液晶表示装置
JP2011028245A (ja) * 2009-06-25 2011-02-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板、複合偏光板および液晶表示装置
JP2011186888A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Toppan Printing Co Ltd タッチパネル用ハードコート基材およびそれを用いたタッチパネル
JP2012083741A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Nitto Denko Corp 光拡散素子、光拡散素子付偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置
KR101825245B1 (ko) * 2010-09-17 2018-02-02 닛토덴코 가부시키가이샤 광확산 소자, 광확산 소자가 부착된 편광판, 편광 소자 및 이것들을 사용한 액정 표시 장치
US9176264B2 (en) 2010-09-17 2015-11-03 Nitto Denko Corporation Light-diffusing element, polarizing plate having light-diffusing element attached thereto, polarizing element, and liquid crystal display device equipped with those components
US9417364B2 (en) 2010-09-17 2016-08-16 Nitto Denko Corporation Light-diffusing element and polarizing plate provided therewith
KR101927681B1 (ko) * 2010-09-17 2018-12-11 닛토덴코 가부시키가이샤 광확산 소자 및 광확산 소자를 가진 편광판
US9804304B2 (en) 2010-09-17 2017-10-31 Nitto Denko Corporation Light-diffusing element, polarizer having light-diffusing element, and liquid crystal display device having same
CN104769460A (zh) * 2012-10-23 2015-07-08 东友精细化工有限公司 防眩层形成用组合物、防眩膜、偏光板及显示装置
WO2014065531A1 (ko) * 2012-10-23 2014-05-01 동우화인켐 주식회사 방현층 형성용 조성물, 방현 필름, 편광판 및 표시장치
JP2014145902A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Fujifilm Corp 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
WO2014119561A1 (ja) * 2013-01-29 2014-08-07 富士フイルム株式会社 電飾用シート、電飾用印刷物およびその製造方法ならびに電飾看板
JP2015155636A (ja) * 2014-01-20 2015-08-27 フリージアハウス株式会社 遮熱体及びその形成方法
JP2016212269A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 株式会社ダイセル 反射防止材
JP2020008860A (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 エスケイシー・カンパニー・リミテッドSkc Co., Ltd. 光学多層フィルム、これを含む光学部品および表示装置
WO2020137786A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 東山フィルム株式会社 反射防止フィルムおよびその製造方法
JPWO2020137786A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02
KR20210107798A (ko) * 2018-12-26 2021-09-01 히가시야마 필름 가부시키가이샤 반사 방지 필름 및 그 제조 방법
JP7299631B2 (ja) 2018-12-26 2023-06-28 東山フイルム株式会社 反射防止フィルムおよびその製造方法
KR102674370B1 (ko) 2018-12-26 2024-06-11 히가시야마 필름 가부시키가이샤 반사 방지 필름 및 그 제조 방법
WO2020262271A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30 富士フイルム株式会社 組成物、膜および光センサ
JPWO2020262271A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30
JP7312824B2 (ja) 2019-06-27 2023-07-21 富士フイルム株式会社 組成物、膜および光センサ
KR20240043703A (ko) 2022-09-27 2024-04-03 디아이씨 가부시끼가이샤 활성 에너지선 경화성 조성물, 경화물, 및 필름
KR20240043702A (ko) 2022-09-27 2024-04-03 디아이씨 가부시끼가이샤 활성 에너지선 경화성 조성물, 경화물, 및 필름

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4271922B2 (ja) 防眩性反射防止フィルム、偏光板、それを用いた液晶表示装置および防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP5124603B2 (ja) 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、及びそれらを用いた画像表示装置
JP2005004163A (ja) 光学機能性フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP5264605B2 (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置
WO2012096400A1 (ja) 反射防止フィルム、反射防止フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP5172986B2 (ja) 防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP2007256844A (ja) 光学フィルム、反射防止フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた偏光板およびディスプレイ装置
JP2007108725A (ja) 光学フィルム、反射防止フィルム、それを用いた偏光板およびディスプレイ装置
JP2005115359A (ja) 光学機能フィルム、反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置
JP2007188070A (ja) 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、画像表示装置並びに液晶表示装置
JP2008105191A (ja) 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板、表示装置、及び光学フィルムの製造方法
JP2010060743A (ja) 防眩フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
JP4985049B2 (ja) 光学積層体
JP5322560B2 (ja) 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2009080256A (ja) 防眩フィルム
JP2007293229A (ja) 光学積層体
JP4580774B2 (ja) 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、並びにそれらを用いた表示装置
JP5408991B2 (ja) 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2003315505A (ja) 反射防止フィルムの製造方法
JP2009265645A (ja) 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
JP5340591B2 (ja) 光学積層体
JP2020079914A (ja) 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置
JP2006030740A (ja) 反射防止フィルム、それを用いた偏光板、並びにそれらを用いた画像表示装置、反射防止フィルムの製造方法
JP5449760B2 (ja) 塗布組成物、積層体及び積層体の製造方法
JP4962192B2 (ja) 光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060525

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090520