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JP2004536167A - 植物油トリグリセリド混合物の固体床吸着による分離 - Google Patents

植物油トリグリセリド混合物の固体床吸着による分離 Download PDF

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Abstract

種子油を2種の実質的に純粋のトリグリセリド分画に分離するための固体床吸着方法。この方法は、種子油、例えばひまし油、好ましくは濃縮物を床中の約40ミクロンより大きな粒子サイズを有する吸着剤に接触させる工程、及びそれに次ぐ、好ましくは最低流れ条件下で、この吸着剤を脱着剤に接触させて、主に第2トリグリセリドを含むラフィネート出力流と主に第1トリグリセリドを含む抽出出力流とを得る工程を含む。ひまし油、ベルノニア油及びレスケレラ油から得られる精製された脂肪酸トリグリセリドエステルは、化学供給原料の再生可能な非石油系供給源を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、トリグリセリド混合物、特に植物油から得られるトリグリセリド混合物の固体床吸着分離に関する。
【背景技術】
【0002】
植物油、例えばひまし油、ベルノニア(vernonia)油、レスケレラ(lesquerella)油から得られるトリグリセリド脂肪酸エステルは、非石油系化学原料の再生性供給源を提供できる。ひまし油、例えばリシノール酸グリセリドから得られる不飽和長鎖脂肪酸エステルは、エチレンのごとき低級オレフィンを用いて例えば複分解(metathesize)して、還元鎖状α−オレフィン、例えば4−ヒドロキシ−1−デセン、及び末端エステル基を有する還元鎖状α−オレフィン、例えばα−デセノエートの末端ジグリセリドエステル及びトリグリセリドエステルを製造できる。この不飽和エステルは、酸化割裂(cleave)して、対応するα,ω−不飽和カルボン酸を製造することができる。α−オレフィン及びエステル又は酸官能化α−オレフィンは、ポリ(オレフィン)の製造におけるモノマー及び熱硬化性樹脂における鎖延長剤としての用途がある。その他に、α−オレフィンは、対応するα−エポキシドに転化することができて、このエポキシドも又、熱硬化性樹脂の製造において有用である。ひまし油から分離したトリグリセリドの場合、対応するα−オレフィンの複分解生成物は、ジエポキシド及びトリエポキシドに転化でき、これらは、エポキシ樹脂を製造するのに非常に有用である。
【0003】
ポリマー工業の化学原料の再生可能供給源として植物油の利点を得るために、植物油は、まずその成分のトリグリセリド脂肪酸エステルの実質的に純粋画分に分離しなければならない。以前には、固体床吸着クロマトグラフィー及び高圧液体クロマトグラフィーを用いて混合物を分離していた。典型的には、これらの分離方法は、供給混合物の希釈溶液を吸着床に適用する工程、その後、供給混合物の成分を分離するのに十分な脱着条件下で、前記吸着床から大量の脱着材料を抽出する工程及び各成分の実質的に純粋の流れを回収する工程を含む。高度分離を行うために、脱着剤は、通常小粒子サイズ、典型的には約30ミクロン(μm)未満で提供される。小粒子サイズの吸着剤が工業的規模の吸着床で用いられると、小粒子サイズのものは、不都合なことに有意の圧力降下を吸着床に発生させ、それは、プラッギング、吸着床の上流端部の早期過飽和及び流れ上の問題点を起こすことなり得る。先行技術方法の他の側面において、吸着剤に適用された希釈供給溶液は、典型的には、供給混合物及び溶媒の全容積に基づいて、約0.1〜約10容積%の供給混合物を含む。又、典型的には、供給混合物に対する脱着剤の容積比は、約1000/1より大きい。従って、これらの従来の吸着床方法は、大量の液体溶媒と脱着剤を取り扱うように設計された装置を必要とする。そのような操作方法は、回収される抽出量の割には経費が高く、操作が複雑である。これらの固有の欠点のせいで、供給混合物を分離する吸着床方法は、典型的には、小規模分析の実験室レベルで使用されるが、工業的規模の大規模操業に採用するには適当でない。
【0004】
米国特許第4,770,819号明細書には、リチウム、カルシウム又は水素イオン−交換ωゼオライト又はシリカ吸着剤を用いて、トリグリセリドからジグリセリドを分離する方法が開示されている。ジグリセリドが、トリグリセリドを実質的に除いて、選択的に吸着されることが教示されている。この吸着剤は、約16〜約60USメッシュ(約1,305ミクロン(μm)〜約250μm)の範囲の粒子サイズを有することが開示されている。又、この方法は、移動床又は擬似移動床流装置(simulated moving bed flow system)に適用可能であり、又商業規模装置に適用できることが開示されている。米国特許第4,770,819号明細書には、トリグリセリド混合物の分離については明らかにされていない。
【0005】
上記観点において、特に植物油、例えば例えばひまし油、ベルノニア(vernonia)油、レスケレラ(lesquerella)油から得られるトリグリセリド混合物を分離する固体床吸着方法を開発することが所望されている。そして、そのような方法は、小粒子サイズの吸着剤を必要とせず、その代わりに工業的規模の装置の操業に適用できる大きな粒子径の吸着剤により受容できる程度の分離が提供できればなお好ましい。その方法が従来技術の方法に比べて比較的に少量の溶媒及び脱着剤を利用するなら、それは、その方法に必要とされる装置の規模を減少させ、複雑さを減らし、また経費を下げる効果を有するので、更に一層好ましい。最後に、その分離が混合物のトリグリセリド成分の実質的に純粋の画分を得るのに十分であれば、最も望ましい。上記の特性を全て有する固体床吸着方法は、植物油から有用な脂肪酸エステルの実質的に純粋な分画を得て、これらの植物油を非石油系再生性化学供給材料の良好な供給源とするのに有利に利用できる。
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
本発明は、植物油から得られるトリグリセリド混合物の新規な分離方法を提供する。この方法は、その脂肪酸成分がリシノール酸、ベルノール酸(vernolic acid)及びレスケロール酸(lesquerolic acid)から選択される一つの主脂肪酸から主として構成される種子油を、吸着条件下で床中の約40ミクロンを超す粒子径を有する吸着剤と接触させることを含む。本発明の製造方法において、それぞれが植物油中の主脂肪酸と同じである、3種の脂肪酸を有することに特徴のある、第1のトリグリセリド生成物は、第2のトリグリセリド生成物に比べてより選択的に吸着剤により吸着される。第2のトリグリセリド生成物は、その植物油中の本源脂肪酸と同一の脂肪酸が2種、1種又はそれを含まないの内のいずれかであることにより特徴付けられる。第2のトリグリセリドは、主に第2のトリグリセリド生成物を含むラフィネート流(raffinate stream)を吸着剤から引き出すことにより第1のトリグリセリド生成物の前に除去される。その後、そのラフィネート流から、精製された第2のトリグリセリド生成物が得られる。第2のトリグリセリド生成物の引き出し後、第1のトリグリセリド生成物が脱着される。第1のトリグリセリド生成物の脱着は、第1のトリグリセリドを含む吸着剤を、第1のトリグリセリドと脱着剤を主に含む抽出流を得るのに十分な脱着条件下に脱着剤と接触させることにより実施でき、又その抽出流からは精製された第1トリグリセリド生成物が得られる。用語「脱着剤(desorbent)」、「ラフィネート流(raffinate stream)」及び「抽出流(extract stream)」並びに本発明に関連して使用される他の技術用語は、以降に詳細に定義し又説明する。
〔発明の効果〕
【0007】
本発明の独創的な方法において、例えばひま植物、ベルノニア植物、レスケレラ植物から得られるトリグリセリドエステル混合物を含む種子油は、2種の精製されたトリグリセリド分画に分離される。有利なことに、本発明の方法は、大きな粒子サイズの吸着剤を使用することができるので、吸着床に不必要な圧力低下をさせないで工業的規模の装置の操業が可能となる。更に有利なことには、好ましい実施形態において、本発明の方法は、高濃度の植物油を吸着床に適用して、供給物をその吸着床に適用するときに必要な溶媒量を減少させることができる。更により有利なことには、工業的規模の用途を目的とした好ましい実施形態において、本発明の方法は、従来技術の方法に比べて、極少量の脱着剤流を用いることができる。極少量の溶媒と極少量の脱着剤流は、有利なことに必要とされる装置のサイズ、その経費、及び液相を取り扱うことの複雑さを減少させる。上記効果の全ては、本発明の方法を工業的規模での操業において適用可能にしている。従って、本明細書記載の方法は、植物から得られる、非石油系化学的供給原料の再生可能の供給源である、精製されたトリグリセリドを得るための魅力的方法である。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の新規な方法において、トリグリセリド混合物を含む種子油は、固体床吸着方法により2種の精製されたトリグリセリド分画に分離される。この新規な方法は、その脂肪酸組成物がリシノール酸(ricinoleic acid)、ベルノール酸(vernolic acid)及びレスクレラ酸(lesquerolic acid)から選択される1種の主脂肪酸を主として含む種子油を、床中にある約40ミクロンより大きい粒子径を有する吸着剤に吸着条件下に接触させる工程を含む。この場合、この用語「主として(predominantly)」は、脂肪酸の全質量に基づいて約50質量%より多いことを意味すると解釈されるべである。本発明の方法において、第1トリグリセリド生成物(均質生成物)は、前記種子油中の主脂肪酸に各々一致する3種の脂肪酸を有することに特徴を有していて、第2のトリグリセリド生成物に比べて、より選択的に吸着される。第2のトリグリセリド生成物(不均質生成物)は、前記種子油中の主脂肪酸に一致する2種又は1種の脂肪酸を有するかあるいは一致する脂肪酸は有さないかのいずれかであることに特徴を有する。好ましい実施形態において、第2のトリグリセリド生成物は、前記種子油中の主脂肪酸に一致する2種脂肪酸及びその種子油中の脂肪酸から選択される第3の脂肪酸(但し、主脂肪酸を除く)を有することに特徴を有する。本発明の方法において、第2のトリグリセリド生成物は、後述のとおり、第2のトリグリセリド生成物を主として含有するラフィネート流を吸着剤から引き出すことにより第1のトリグリセリド生成物の前に除去される。その後、所望により、第2のトリグリセリド生成物は、ラフィネート流から実質的に純粋の形態で得ることができる。ラフィネート流を引き抜いた後、後述のとおり、第1のトリグリセリド生成物と脱着剤を主として含む抽出流が得られるのに十分な脱着条件下に、第1のトリグリセリド生成物を含む吸着剤を脱着剤に接触させることにより、第1のトリグリセリド生成物を脱着させる。所望により、実質的に純粋の第1のトリグリセリド生成物をその抽出流から得ることができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、ひま植物(castor plants)の種子から得ることができるリシノール酸(ricinoleic acid)を約50質量%より多く含む脂肪酸組成物を有する種子油を、固体床吸着法により2種の実質的に純粋のトリグリセリド分画、つまりトリリシノレイン(triricinolein)及びジリシノレイン(diricinolein)に分離する。トリリシノレインは、3種のリシノール脂肪酸分子から由来する。ここでジリシノレインは、2種のリシノール脂肪酸分子及びひまし油中に存在する脂肪酸から選択される第3の脂肪酸分子(但し、リシノール酸は除く)から由来する。この好ましい実施形態において、この方法は、吸着条件下で床中の約40ミクロンより大きい粒子サイズを有する吸着剤に前記ひま植物から得られる前記種子油を接触させる工程を含む。この好ましい実施形態において、トリリシノレインはジリシノレインに対して選択的に吸着される。従って、ジリシノレインは、その吸着剤から主としてジリシノレインを含むラフィネート流を引き出すことによりトリリシノレインの前に除去される。このジリシノレインは、その後、所望により、ラフィネート流から実質的に純粋の形態で得ることができる。ラフィネート流を引き抜いた後、このトリリシノレインは、第1のトリリシノレインと脱着剤を主として含む抽出流が得られるのに十分な脱着条件下に、トリリシノレインを含む脱着剤に接触させることにより、脱着される。所望により、実質的に純粋のトリリシノレインが抽出流から得られる。
【0010】
本発明の他の好ましい実施形態において、この吸着剤は、約70μm(210USメッシュ)より大きい粒子サイズを有する。より好ましい実施形態において、この吸着剤は、約70μm(211USメッシュ)より大きく、約800μm(22USメッシュ)より小さい粒子サイズを有するシリカである。本発明の更に他に好ましい実施形態において、この方法は、後述するとおり、移動床又は擬似移動床流装置において実施される。
【0011】
本明細書に上記したとおり、本発明は、種子油をトリグリセリド生成物に分離することを含む。1つの生成物は、その種子油の主脂肪酸と同一の3種の脂肪酸を有するトリグリセリドである。第2の生成物は、その種子油の主脂肪酸成分に一致する2種又は1種の脂肪酸を有するかあるいは一致する脂肪酸は有さないかのいずれかであるトリグリセリドである。好ましい実施形態において、前記種子油の主脂肪酸成分に一致する2種の脂肪酸及び前記種子中に存在する脂肪酸から選択される第3の脂肪酸(但し、主脂肪酸を除く)を有する。本発明に関する考え方において、第2生成物が前記種子油の主脂肪酸成分に一致する唯1種の脂肪酸及び前記種子中に存在する脂肪酸から個々に選択される2種の脂肪酸(但し、主脂肪酸を除く)を有するトリグリセリドであるとき、その分離が同様に行われる。本発明に関する他の考え方において、第2生成物が前記種子油中に存在する主脂肪酸成分から個々に選択される3種の脂肪酸(但し、主脂肪酸を除く)を有するトリグリセリドであるとき、その分離が同様に行われる。これに代替する実施形態において、第2のトリグリセリド生成物は、主脂肪酸のいずれも含まない。これ以降、本発明は、主脂肪酸に一致する3種の脂肪酸を有する第1のトリグリセリド生成物、及びその種子油中に存在する脂肪酸に一致する2種の脂肪酸とその種子油中に存在する脂肪酸(但し、主脂肪酸を除く)から選択される第3の脂肪酸を有する第2のトリグリセリド生成物を分離することを含む特定の用途に関して記述する。この明細書の詳細な記載に基づいて、当業者は、主脂肪酸に一致する3種の脂肪酸を有する第1トリグリセリド生成物及び主脂肪酸を唯1種有するか又は主脂肪酸を1種も有さない第2のトリグリセリド生成物を分離するためにいかに本発明の方法を実施するかを容易に理解できるであろう。
【0012】
本発明の方法に使用される種子油は、その脂肪酸組成物がリノール酸、ベルノール酸及びレククレラ酸から選択される1種の脂肪酸を主として含む全ての種子油であることができる。前記のとおり、この場合、用語「主として(predominantly)」は、主脂肪酸が約50質量%より多いことを意味する。好ましくは、種子油の脂肪酸は、リノール酸、ベルノール酸及びレスクレラ酸から選択される1種の脂肪酸を約70質量%より多くを含み、より好ましくはリノール酸、ベルノール酸及びレスクレラ酸から選択される1種の主脂肪酸を約85質量%より多く含む。典型的には、この条件を満たす種子油は、ひま植物、ベルノニア植物及びレスクレラ植物から得られる種子油を含む。これらの植物は、自然に、特にインド及びアフリカの熱帯生育地において栽培され、発見される。そのような油は、原材料油、精製油、漂白油及び/又は脱臭油を含めて、いかなる等級のものでも本発明の方法に用いることができる。
【0013】
より具体的に説明すると、ひまし油には、それぞれがグリセロール、三価アルコールと3種の脂肪酸との縮合により得られる2タイプのトリグリセリドの混合物が含まれる。トリグリセリド成分、「トリリシノレイン」の一つにおいて、グリセロールは、リシノール酸(12−ヒドロキシ−cis−9−オクタデセン酸)、この場合における主脂肪酸の三分子とエステル化される。第2のトリグリセリド成分「ジリシノレイン」において、グリセロールは、リシノレイン酸の二分子とエステル化される。ジリシノレイン中の第3ヒドロキシ官能基とひまし油中に典型的に存在する全ての脂肪酸(リシノール酸は除く)とエステル化される。好ましくは第3脂肪酸は、オレイン酸及びパルミチン酸から選択される。典型的なひまし油組成物は、質量に基づいて、以下の、リシノール酸約85〜約90%、リノレン酸約3〜約5%、オレイン酸約2〜5%、パルミチン酸約1〜約3%、ステアリン酸約1〜約2%及びジヒドロキシステアリン酸約1%(±0.3)を含む。ひまし油は、ひま植物油(Ricinus communis)の豆から入手可能である。
【0014】
同様に、ベルノニア油は、下記の典型的な質量の組成物のグリセロール及び脂肪酸から得られるトリグリセリド混合物を含む:ベルノール酸約60〜約77%、リノレン酸約0.1〜約0.4%、シノール酸約9〜約13%、オレイン酸約4〜約20%、及びステアリン酸約2〜約4%。ベルノニア油において、1種のトリグリセリドは、この場合の主脂肪酸である、ベルノール酸分子(12,13−エポキシ−cis−9−オクタデセン酸)から得られる。ベルノニア油中の第2のトリグリセリドは、2種のベルノール酸、及びベルノール酸を除くベルノニア油中に存在する他の脂肪酸のいかなるものからでも得られる第3の脂肪酸を含む。ベルノニア油は、例えば、ベルノニアヒメノレプシス(Vernonia hymenolepsis)、ベルノニアガリメンシス(Vernonia galimensis)、ストケシアラビス(Stokesia lavis)、及びユウホルビアラガセ(Euphorbai lagasae)を含む数種類の植物種から入手できる。
【0015】
同様に、レスケレラ油は、下記の典型的な質量の組成物のグリセロール及び脂肪酸から得られるトリグリセリド混合物を含む:レスケレラ酸約10〜約75%、リノレン酸約約1〜約13%、リノール酸約3〜約8%、オレイン酸約11〜約27%、ステアリン酸約1〜約6%及びパルミチン酸約1〜約6%。より明確には、レスケレラ酸を約50質量%より多く含有するレスケレラ油が本発明の方法に使用される。レスケレラ油中の1種のトリグリセリドが、この場合において主酸であるレスケレラ酸(14−ヒドロキシ−cis−11−エイコサン酸)の3分子から得られる。レスケレラ油中の第2のトリグリセリドは、2種のレスケレラ酸、及びレスケレラ酸を除くレスケレラ油中に存在する他の脂肪酸のいかなるものからでも選択される第3の脂肪酸を含む。レスケレラ油は、例えば、エルデンシピリア(L. densipilia) 及びエルフェンデュレリ(L. fendleri)を含む数種の植物種から入手できる。
【0016】
以下に本発明をより詳細に説明するに当り、明確にするために以降に定義する多くの用語を用いる。用語「供給混合物(feed mixture)」は、以下に示されるように、少なくとも1種の抽出成分と1種のラフィネート成分を得ることができるトリグリセリド混合物を含む種子油を表す。上述のとおり、この種子油の脂肪酸組成物には、約50質量%より多い、リシノール酸、ベルノール酸及びレスケロール酸から選択される1種の主脂肪酸も含有される。用語「原料流(feedstream)」は、本方法において吸着剤を通される種子油を含む流れを表す。用語「抽出成分(extract component)」は、吸着剤によってより選択的に吸着される供給混合物の成分を意味する。他方、用語「ラフィネート成分(raffinate component)」は、吸着剤によってより選択的に吸着されない供給混合物の成分を意味する。これらの抽出成分とラフィネート成分の定義は、「抽出物(extract)」が抽出された溶質を含む溶液と定義され、また「ラフィネート(raffinate)」が1種以上の成分が抽出により除去された後の残留供給溶液として定義される一般の化学的辞書編集法と一致している。(例えば、「化学技術者ハンドブック第5版(Chemical Engineer's Handbook, 5th ed.)」ロバートH.ペリー(Robert H. Perry)著、マックグローヒル出版社(McGraw-Hill Book Company,)1973、第15章第2頁、参照)。したがって、本発明の方法においては、その抽出成分は、種子油中の主脂肪酸と同じの3種の脂肪酸を有することに特徴のある第1のトリグリセリド生成物(均質トリグリセリド(homogenous triglyceride))である。本発明の方法において、ラフィネート成分は、第2のトリグリセリド生成物(不均質トリグリセリド(heterogenous triglyceride))、好ましくは、種子油中の主脂肪酸と同じの2種の脂肪酸と、その種子油中の、前記主脂肪酸を除いた、他の脂肪酸から選択される第3の脂肪酸を有することに特徴を有する。用語「抽出流(extract stream)」は、脱着された抽出成分が吸着剤から除去されるその流れを意味する。用語「ラフィネート流(raffinate stream)」は、ラフィネート成分が吸着剤から除去されるその流れを意味する。用語「脱着剤(desorbent material)」は、一般に、吸着剤から抽出成分を脱着することができる1種又は2種以上の液体成分を意味する。用語「脱着入力流(desorbent input stream)」は、脱着剤が吸着剤を通る流れを意味する。抽出流及びラフィネート流は、脱着剤をいくらか含有しているので、典型的の場合、抽出流及びラフィネート流は、個別に分離手段、例えば分別蒸留に供して、脱着剤を除去し、実質的に純粋のトリグリセリド画分を得る。したがって、用語「抽出生成物(extract product)」及び「ラフィネート生成物(raffinate product)」は、製造された生成物を意味し、その抽出流及びラフィネート流から脱着剤を除去する際、それぞれに対して第1トリグリセリド生成物及び第2トリグリセリド生成物を意味する。あるいは、その抽出流及びラフィネート流は、脱着剤を除去しないで、また精製された抽出物及びラフィネート生成物を単離しないで、そのまま下流操業に用いることができる。
【0017】
本発明の方法に従って、トリグリセリド混合物を含む種子油を生の液体(neat liquid)として吸着剤に適用できる。あるいは、所望であれば、その種子油を溶液として吸着剤に適用できる。その溶液が用いられる場合、所定の要件が全体として満たされれば、どのような溶媒も使用できる。具体的に言えば、この溶媒は、実質的に不活性であり、つまり実質的に全ての種子油成分と実質的に非反応性である。この溶媒は、又分離方法を阻害してはならない。例えば、この溶媒は、溶媒が吸着剤に対して抽出成分の吸着を実質的にブロックするように、吸着剤に選択的に結合してはならない。それに加えて、溶媒がラフィネート流及び抽出流から除去されることが望ましいから、溶媒は、簡便な方法、例えば分別蒸留によりラフィネート流及び抽出流から容易に分離されるように選択できる。これらの性質を典型的に有する溶媒には、これに限定されるべきでないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、及びオクタン、並びにそれらの各種異性体を含む脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素化脂肪族化合物及び塩素化芳香族化合物;メタノール、エタノール、i−プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、及びグリコールを含む極性溶媒;エチルアセテート及びブチルアセテート等のエステル;ジエチルエーテル及びジイソプロピルエーテル等のエーテル;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン、等が含まれる。上記溶媒の全ての混合物、好ましくは非極性及び極性溶媒の混合物も使用することができ、又脂肪酸のトリグリセリドエステルが非極性及び極性要素を有するので、それが好ましい。より好ましくは、この溶媒は、C1-10脂肪族炭化水素及びC1-6アセテートの混合物であり、更により好ましくは、n−ヘキサン及びエチルアセテートの混合物である。
【0018】
溶媒混合物が使用される場合、その溶媒混合物が前記の特性と供給混合物を吸着剤に引き渡す機能を有する限り、溶媒混合物中の溶媒の相対量は、変えることができる。使用される溶媒成分の実際量は、特定の溶媒と用いられる特定の供給混合物に基づいて変えることができる。例えば、二溶媒系において、各溶媒の濃度は、約0容量%より多く、約100容量%より少ない範囲にあり、好ましくは約10容量%より多く、約90容量%より少ない範囲にある。当業者であれば、供給混合物の溶解性を最適化するように溶媒成分の相対量をいかに調整するかは知るところである。溶媒又は溶媒混合物を採用する場合、溶媒又は溶媒混合物中の供給混合物の濃度は、その混合物が所望のとおり吸着剤に引き渡されることを条件として、広範に変えることができる。一般に、溶媒又は溶媒混合物中の供給混合物の濃度は、供給混合物と溶媒との全容量を基準として約50容量%より多い。溶媒又は溶媒混合物中の供給混合物の濃度は、好ましくは、約70容量%より多く、より好ましくは90容量%より多く、更により好ましくは95容量%より多い。最も好ましい実施形態において、本質的に溶媒を含まない。
【0019】
本発明の方法において採用される吸着剤には、本明細書で記載してトリグリセリド混合物の分離により実質的に純粋のトリグリセリド分画を得られることを条件として、どのような公知の吸着剤も含まれる。適切な吸着剤の非限定的事例には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、クレー、例えば、分子篩、ゼオライト、及びメソ多孔性アルミニウムケイ酸塩、を含む結晶性多孔質金属ケイ酸塩;並びに例えばジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを含む架橋ポリスチレンのような、網状合成ポリマー樹脂が含まれる。これら吸着剤は、商取引の供給元から普通に入手可能である。好ましくは、吸着剤はシリカであり、より好ましくはシリカゲルである。好ましい実施形態において、吸着剤は多孔性であり、これは、吸着剤が、供給混合物、脱着剤及び使用されるあらゆる溶媒へのアクセスを提供する通路、孔又は穴を含むことを意味する。典型的には、吸着剤の平均孔サイズは、直径(又は非円形孔の場合、断面寸法)で、約45オングストロームより大きく、好ましくは約55オングストロームより大きい。典型的には、吸着剤の平均孔サイズは、直径(又は断面寸法)で、約500オングストロームより小さく、好ましくは約200オングストロームより小さい。
【0020】
本発明の吸着分離方法において使用される吸着剤は、粒子、例えば球体、凝集体、押出し物、タブレット、顆粒、又は他の規則的又は不規則的形状及び形態であってもよい。あるいは、吸着剤は、吸着剤粒子を凝集するためにバインダー材料又は無機マトリックス中に分散されてもよく、あるいは微粒子状でもよい。更に、バインダー又はマトリックスは、吸着剤粒子を補強できる。耐火性酸化物、例えばシリカ、アルミナ又はシリカ−アルミナは、バインダー又は無機マトリックスとして適切に利用できる。好ましくは、バインダー又はマトリックスは、吸着剤に液体をアクセスできるようにする多孔性物質、つまり通路、孔、及び/又は穴を有する材料である。バインダーとして適切な孔径は、通常、直径(又は断面寸法)で約45オングストロームより大きく約200オングストロームより小さい範囲である。
【0021】
粒子サイズに関して、吸着剤粒子サイズが小さければ小さい程、混合組成物の分離がより良くなることが通常知られている。これに対して、大きな粒子サイズのものは、貧弱な分離結果となると一般に考えられている。したがって、約30ミクロン又はそれ以下のオーダーの吸着剤が分析規模の分離に対して用いられる。しかしながら、不利なことには、吸着剤粒子が小さければ小さい程、吸着床での圧力降下がより大きい。工業規模の分離装置においては、より小さな粒子径は吸着床において相当の圧力降下を生ずるので、不均一流速度、不均一流れ分布及び目詰まり等の流れに関する問題を生ずる。予期せぬことに、種子油のトリグリセリド成分の良好な分離は、吸着剤が大きな粒子サイズを有する場合になし得る。したがって、本発明の方法は、商業規模の分離装置に有利に適用できる。
【0022】
上記事項を参照して、本発明の方法において、吸着剤、又は吸着剤−バインダー複合体の粒子サイズは、典型的には直径(又は非球状粒子の場合の限界寸法)で、約40ミクロン(μm)より大きく(約368USメッシュより小さく)、好ましくは約70μmより大きく(約211USメッシュ小さく)、又より好ましくは約100μmより大きい(約149USメッシュ小さい)。典型的には、吸着剤、又は吸着剤−バインダー複合体の粒子サイズは、約800ミクロン(μm)より小さく(約22USメッシュより大きく)、好ましくは約600μmより大きい(約30USメッシュ大きい)。ここで約40μmより大きい、又より好ましくは約70μmより大きい粒子サイズのものを使用すると、本発明の方法を工業規模の装置により適用可能にできる。
【0023】
本発明の方法において使用される脱着剤は、選択的に吸着された抽出成分を吸着剤から除去できる全ての液体物質である。液相を確保できる実質的に一定の温度及び圧力で一般に操作される吸着分離方法において、信頼できる脱着剤として、幾つかの条件を満たすものが選ばれる。第1に、下記の吸着サイクルにおいて抽出成分が脱着剤を実質的に置換することを阻止するように、脱着剤それ自身は、強く吸着されないように、脱着剤は、適正な質量流速度で吸着剤から抽出成分を置換することができるべきである。第2に、脱着剤は、特定の吸着剤及び特定の供給混合物と適合性がなければならない。具体的にいえば、脱着剤は、吸着剤又は供給混合物のいずれとも実質的に非反応性でなければならず、又ラフィネート成分に関して抽出成分に対する吸着剤の選択性を減少させあるいは破壊すべきでない。脱着剤が供給混合物から容易に分離されることが更に望まれる。供給物の抽出成分を脱着した後、脱着剤及び抽出成分は、典型的には混合された状態で吸着剤から除去される。同様に、ラフィネート成分は、脱着剤と混合状態で吸着剤から引き抜かれている。抽出生成物及びラフィネート生成物の純粋画分が所望の場合、脱着剤は、例えば簡単な分別蒸留により、抽出生成物及びラフィネート生成物から容易に分離されるべきである。この場合、脱着剤を容易に分離させ得る沸点を有する脱着剤が選択されなければならない。しかしながら、抽出流及びラフィネート流は、他の下流操業で直接的に使用されること、又抽出生成物及びラフィネート生成物は、脱着剤から直ちに除去されこともあり得る。そうであるなら、統合化分離(integrated separation)及び下流操業(downstream operations)により決定される他の要素が、当業者により設計される、脱着剤の選択に影響を与え得る。
【0024】
上記特性を典型的に有する脱着剤は、限定することなく、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びオクタン、並びにそれらの異性体を含む;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、及びエチルベンゼン;塩素化脂肪族化合物及び塩素化芳香族化合物、例えば塩化メチレン、クロロホルム、及びクロロベンゼン;極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール及びグリコール等のアルコール、エチルアセテート及びブチルアセテート等のエステル;ジエチルエーテル及びジイソプロピルエーテル等のエーテル、及びアセテトン、及びメチルエチルケトン等のケトン、等が含まる。脂肪酸エステルは非極性要素及び極性要素の両方を有しているので、上記吸着剤のいずれのものの混合物、特に非極性溶媒と極性溶媒の混合物が採用でき、又好ましい。更に好ましくは、吸着剤は、C1-10脂肪族炭化水素及びC1-6酢酸エステルの混合物であり、更により好ましくは、n−ヘキサン及びエチルアセテートの混合物である。他の好ましい実施形態において、脱着剤組成物は、供給混合物を吸着剤に適用するために使用される溶媒と同じである。
【0025】
脱着剤が液体混合物である場合、脱着剤混合物の各々の相対量は、上記のような満足すべき方法で脱着剤混合物が機能する限り、変えることができる。一般に、各脱着剤の相対量は、採用される特定の脱着剤成分及び特定の抽出成分及びラフィネート成分に関するそれらの選択性に基づく。例えば、2成分脱着剤混合物において、各成分の濃度は、第1及び第2の脱着剤成分の合計質量に基づいて、典型的には0質量%より多く、好ましくは約10質量%より多く、又より好ましくは、約40質量%より多い。例えば、2成分脱着剤混合物においては、各成分の濃度は、典型的には第1及び第2の脱着剤成分の合計質量に基づいて、典型的には100質量%より少なく、好ましくは約90質量%より少なく、又より好ましくは、約60質量%より少ない。当業者であれば、所望の分離結果を得るためにいずれの脱着剤混合物であってもその成分の相対量をいかに変えるかは判るであろう。
【0026】
抽出成分及び脱着剤を含む抽出流中の抽出成分の濃度は、ほぼ0容量%抽出成分から典型的には約65容量%抽出成分までの広い範囲で変わり得る。同様に、ラフィネート流中のラフィネート成分の濃度は、ほぼ0容量%ラフィネート成分から典型的には約65容量%ラフィネート成分までの広い範囲で変わり得る。抽出成分は、吸着剤により通常は完全には吸着されないこと、及びラフィネート成分は、吸着剤により通常は完全には非吸着されないことが理解されるべきである。したがって、以降に記載するとおり、少量のラフィネート成分が抽出流中に存在し、又少量の抽出成分がラフィネート流中に存在し得る。
【0027】
工業規模の方法を目標とした、本発明の好ましい実施形態において、脱着剤は、方法に必要とされる液体容量を減少させるために最小量で用いる。用語「最小量(minimal quantity)」は、供給混合物の容量に対する脱着剤の容量の割合が約0.5/1よりより大きいが、約100/1(分析高圧液体クラマトグラフィー(HPLC)法において1000/1より大きいのと対比できる)よりは小さい。より好ましくは、供給混合物に対する脱着剤の容量比は、約10/1より小さく、又最も好ましくは約2/1より小さい。
【0028】
一般に、この発明の方法は、液相状態下で作動する。吸着剤は、床中、典型的には吸着剤を含む筐体又は室を含む固定床中に設けられる。本発明の目的のために、用語「床(bed)」は、又一般に補足的なバルブ、ポンプ、及び様々な液体流の流れを維持するための導管、並びに本発明の方法を実施するのに必要なその他の付属品又は装置を含む。この床は、垂直方向又は水平方向に、又は所望であれば垂直方向又は水平方向に関してある角度を持って傾斜させて構成することができる。この床中の吸着剤は、供給混合物と脱着剤とを交互に接触させることができる。この場合、本方法は準連続状態である。他の実施形態において、供給混合物がセット内の1つ又は2つ以上の吸着剤床を通過し、他方そのセット内の1つ又は2つ以上の他の床を脱着剤が通過するように、適切なバルブ切り替えを備えた吸着剤の2つ又はそれ以上の静的床のセットを用いることができる。供給混合物及び脱着剤の流れは、その床中の吸着剤を通って上方向でも下方向でもよい。静的床式流体−固体接触法に採用されるあらゆる従来の装置を使用することができる。
【0029】
しかしながら、移動床又は擬似移動床流装置は、固定床吸着装置より高い分離効率を有しているので、好ましい。移動床及び擬似移動床法において、吸着操作と脱着操作とが連続的に行われるので、抽出流及びラフィネート流の連続生産、及び供給流と脱着剤流との連続的使用の双方が可能となる。本発明の方法の好ましい一実施において、擬似移動床対向流装置として本技術分野で公知のものが利用できる。この装置において、吸着剤カラムの下方向への複数の液体アクセスポイントの順次移動により、カラムに内蔵される吸着剤の上方向移動を擬似している。このような流れ装置の作動原理及び結果は、米国特許第2,985,589号明細書(D.B.Broughton特許)に記載されている。本発明の方法において使用されるのに適した擬似移動床流装置の他の実施形態は、米国特許第4,402,832号明細書に記載された並流高効率擬似移動床法である。公知技術である他の移動床流装置も適用できる。
【0030】
油のトリグリセリド成分の分離が所望の如く行われる限り、吸着条件は広範囲にわたり変え得る。典型的には、この温度は、約18℃より高い温度に維持される。典型的には、この温度は、約130℃未満であり、好ましくは約75℃未満である。最も好ましくは、この温度は、21℃程度のほぼ環境温度である。通常、この圧力は、この方法の実施温度で液相を維持するの十分高い温度であるが、吸着剤カラムの所与の流れ形態に対して様々なゾーン中の所望の流れが得られるのに必要な最低の圧力には維持されなければならない。典型的には、この圧力は、約1気圧(101kPa)以上である。好ましくは、この圧力は、約100atm(10,118kPa)未満であり、より好ましくは約50atm(5,069kPa)未満である。脱着条件には、吸着条件として使用されたと同じ温度及び圧力範囲が含まれる。供給流及び脱着剤流の流速は、吸着装置の大きさ、そのデザイン、操作方法、及び採用される特定の吸着剤及び供給混合物に基づいて変わる。流速は、時間当り数cm3程度の少なさから時間当り数千ガロンまで変わり得る。本発明の方法に適用され得る吸着装置のサイズは、実験室規模のものからパイロットプラント及び商業的規模のものまで変わり得る。
【0031】
上述の種子油、好ましくはひま植物、ベルノニア植物、レスケレラ植物から得られる種子油が本発明の方法により分離されると、抽出流とラフィネート流が得られ、それらは、その後、お互いから、又供給混合物から、各々特定の流れに現れる抽出成分及びラフィネート成分の濃度の割合で更に区別される。この区別は、一般に「純度(purity)」に関連する。より具体的には、抽出流中の抽出成分の純度は、抽出流中の抽出分の濃度を抽出流中の抽出成分とラフィネート成分の濃度の合計で割ることにより計算される。同様に、ラフィネート流中のラフィネート成分の純度は、ラフィネート流中のラフィネート分の濃度をラフィネート流中の抽出成分とラフィネート成分の濃度の合計で割ることにより計算される。本発明の方法において、抽出成分は第1トリグリセリド、好ましくはトリリシノレインであり、又ラフィネートは、第2のトリグリセリド、好ましくはジリシノレインであることを思い出して頂きたい。濃度は、どのような公知の単位、例えば平方センチメートル当りのグラム数(g/cm3)又はリットル当りのモル数(M)で説明することができる。あるいは、純度を測定する物として、抽出物濃度とラフィネート濃度との比を採ることもできる。例えば、より少なく選択的に吸着されたラフィネート成分の濃度に対するより選択的に吸着された抽出成分の濃度の割合は、抽出流において最も高く、次いで供給流中で高く、又ラフィネート流中で最も低い。同様に、より多く選択的に吸着された抽出成分に対するより少なく選択的に吸着されたラフィネート成分の割合は、ラフィネート中で最も高く、次いで供給流中で高く、又抽出流中で最も低い。
【0032】
純度に関して、本発明の方法により、2種のトリグリセリド生成物の実質的に純粋の分画が得られる。本発明の好ましい実施形態において、ひまし油の精製により、ジリシノレイン及びトリリシノレインの実質的に純粋の分画が得られる。典型的には、第1トリグリセリド、好ましくはトリリシノレインの抽出流中の純度は、抽出流中の第1トリグリセリド及び第2トリグリセリド生成物の濃度に基づいて、約60%より高く、好ましくは約80%より高く、より好ましくは約95%より高く、又最も好ましくは約99%より高い。同様に、第2トリグリセリド、好ましくはジリシノレインの純度は、ラフィネート流中の第1トリグリセリド及び第2トリグリセリド生成物の濃度に基づいて、典型的には約60%より高く、好ましくは約80%より高く、より好ましくは約95%より高く、又最も好ましくは約98%より高い。
【0033】
所望であれば、脱着剤と第1のトリグリセリド生成物好ましくはトリリシノレインを含む抽出出力流又は抽出出力流の少なくとも一部を、分離装置に通すことができる(ここで、脱着剤の少なくとも一部が分離条件下で分離されて減量した脱着剤を含む抽出流を生成する)。好ましくは、抽出生成物中の脱着剤濃度は、抽出生成物の質量に基づいて、約20質量%未満、より好ましくは約5%未満、及び最も好ましくは約0.5質量%未満である。選択肢として、もし所望であれば、脱着剤と第2のトリグリセリド生成物、好ましくはジリリシノレインを含むラフィネート出力流又はラフィネート出力流の少なくとも一部を、分離装置に通すことができる(ここで、脱着剤の少なくとも一部が分離条件下で分離されて減量した脱着剤を含むラフィネート流を生成する)。好ましくは、ラフィネート生成物中の脱着剤濃度は、ラフィネート生成物の質量に基づいて、約20質量%未満、より好ましくは約5%未満、及び最も好ましくは約0.5質量%未満である。各場合において、分離装置は、典型的には分留塔であり、その設計及び操作は当業者によく知られている。
【0034】
種子油トリグリセリド混合物の分離用の様々な吸着剤と脱着剤をテストするために、動的パルス試験機が後述のとおり使用できる。この装置は、例えば約100cm長、約1cm内径の、入口手段と出口手段をその対向端部に有し、吸着剤で充填された室部からなる。この室部は、典型的には周囲温度で大気圧に保たれるが、他の温度及び圧力に維持する手段を具備することもできる。一般に、この室部は、平衡状態を得るために十分な時間、吸着室に脱着剤を通すことにより脱着剤で平衡状態にされる。その後、場合により溶媒又は脱着剤を含む、供給混合物のパルスを適正な時間、例えば約15秒から約2分間の範囲の時間、吸着塔の頂部から噴射する。供給混合物が吸着剤に装填された後、脱着剤流が再開され、トリグリセリド成分が、液体−固体クロマトグラフィーにおいて溶離される。このラフィネート及び抽出流は、高圧液体クロマトグラフィー又は他の適当な手段、例えば屈折率により分析できる。この分析は、連続的オンライン方式で実施でき、又出力の一部分を集めることによりインクレメント法により実施できる。時間の関数として分析をトレースすることが行われる。油成分が吸着床から本質的に完全に溶離された後、供給混合物の第2パルスが適用される。このパルスサイクルは、所望に応じてしばしば繰り返すことができる。
【0035】
下記の用語集を本明細書における補遺として作成する。
【0036】
用語集
ポンド/平方インチ(psiゲージ又は絶対)単位の圧力は、psiの値に6.895を乗ずることによりキロパスカル(kPs)単位に換算できる。(例えば;50psi×6.895=345kPs)
【0037】
用語「供給混合物(feed mixture)」は、少なくとも1種の抽出生成物と1種のラフィネート生成物が含まれるトリグリセリド混合物を含む種子油を意味する。
【0038】
用語「供給流(feedstream)」は、吸着剤を通る種子油を含む流れを示す。
【0039】
用語「抽出成分」は、供給混合物中の一種又はそれ以上の他の成分に比べて、吸着剤によりより選択的に保持される(retained)供給混合物の成分と定義される。
【0040】
用語「抽出流」は、脱着された抽出成分がそれにより脱着剤から除去される、流れと定義される。
【0041】
用語「脱着剤」は、吸着剤から抽出成分を脱着することができる一種又はそれ以上の液体成分を意味する。
【0042】
用語「脱着剤入力流(desorbent input stream)」は、脱着剤がそれを介して吸着剤を通す、流れを意味する。
【0043】
用語「ラフィネート成分」は、供給混合物中の一種又はそれ以上の他の成分に比べて、吸着剤によりより選択的に吸着される供給混合物の成分と定義される。
【0044】
用語「ラフィネート流」は、ラフィネート成分がそれを介して吸着剤から除去される、流れを意味する。
【0045】
用語「抽出生成物(extract product)」は、抽出流から脱着剤を除去した際に得られる生成物と定義される。
【0046】
用語「ラフィネート生成物」は、ラフィネート流から脱着剤を除去した際に得られる生成物と定義される。
【実施例】
【0047】
下記の実施例は説明を目的とするものである。特定の種子油、吸着剤、脱着剤、及び操業条件に係る参照は、本発明の範囲及び精神を制約することを目的とするものではない。本明細書に基づけば、当業者は、添付された特許請求の範囲の範囲内にある本発明の他の実施形態を理解できるであろう。
【0048】
実施例1
全長100cmの直接的に結合された2つのガラス製、水ジャケットカラム(各々、1cm内径で50cm長)に商用シリカ(Aldrich、100〜200USメッシュ、150〜75ミクロンサイズ範囲、60オングストローム孔径)を充填することにより吸着塔を作成した。水ジャケットには水を流さなかった。このカラムは、実験中、室温に維持された。50質量%のエチルアセテート及び50質量%のn−ヘキサンからなる、0.5ml/分の流速の脱着剤入力流をポンプ手段により塔頂から塔底へ向けて形成した。約30分間脱着流を流した後、その流れを止めて、0.5ml/分の流速のひまし油(100%)からなる供給流に置換した。そのひまし油流を約45秒間維持して、吸着床頂部にひまし油0.375mlを装填した。その後、このひまし油流を止めて、脱着剤入力流の流れを再開した。この工程の間、塔の出口部分の圧力は、本質的に大気圧であった。塔の入口部分の圧力は制御されていなかった。しかしながら、この流速が遅いので、入口部分の圧力は、大気圧をさほど上回るとは考えられなかった。塔底から得られた脱着剤出力流は、脱着剤出力流を製品の品質解析用及び得られた分離度の決定用の屈折率検知器に通すことにより時間の関数として解析した。塔から溶離された第1ピークはラフィネート出力流とされ、又塔から溶離された第2ピークは抽出出力流とされた。この出力流が、ひまし油の実質的に全ての成分が吸着床から溶出されたことを示したとき、一連のパルスを第2のひまし油の装填と第2の脱着操作により繰り返した。この一連の操作を合計6パルス繰り返した。
【0049】
第1図は、上記のとおりの6パルスの間の屈折率検知出力を示す。第1図において、屈折率応答及び時間に対する単位は、2軸に沿って増加する値の任意単位(arbitrary unit: au)で簡単に示される。この検知トレース中の2つあるピークは、ひまし油が2種のトリグリセリド成分に分離されたことを示す。6回の検査トレースにおける類似性は、この操作の再現性を表している。図2は、第4噴射の屈折率検知出力をより詳細に示している。ここでも、屈折率応答及び時間軸に沿った単位は、増加する値の任意単位(arbitrary unit: au)で示される。第4噴射の複数の分画(fraction)がパルスを通じて集められた。留分1及び留分6(図2に示される)が、ジリシノレイン及びトリリシノレインに関して高圧流体クロマトグラフィーにより分析された。留分N0.1(ラフィネート流に相当)がほんの少量のトリリシノレイン(51mg/リットル)を伴なう本質的にジリシノレイン(6,128mg/リットル)を含むことが見出された。したがって、このジリシノレイン分画は、99.0%より高い純度を有した。留分N0.2(抽出流に相当)がほんの痕跡量のジリシノレイン(17mg/リットル)を伴なう本質的にトリリシノレイン(11,220mg/リットル)を含むことが見出された。したがって、このトリリシノレイン分画は、99.8%より高い純度を有した。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】第1図は、エチルアセテート及びn−ヘキサンを含む脱着剤を用いたシリカ上のひまし油の分離を説明する、実施例1に記載されたパルステストに係る、時間の関数とした屈折率検知出力のクロマトグラフトレースである。
【図2】第2図は、実施例1の第4噴射(injection)に係る、時間の関数とした屈折率検知出力のより詳細なクロマトグラフトレースである。

Claims (23)

  1. トリグリセリドエステル混合物を含む植物油の分離方法であって、(a)その脂肪酸組成物がリシノール酸、ベルノール酸及びレスクレラ酸から選択される一種の主脂肪酸を主として含む種子油を、前記種子油中の主脂肪酸に各々一致する3種の脂肪酸を有することに特徴を有する第1のトリグリセリド生成物が、前記種子油中の主脂肪酸に一致する2種又は1種の脂肪酸を有するかあるいは一致する脂肪酸は有さないかのいずれかであることに特徴を有する第2のトリグリセリド生成物に比べて、より選択的に吸着剤に吸着されるように、床中にある約40ミクロンより大きい粒子径を有する吸着剤に吸着条件下に接触させる工程、(b)第2のトリグリセリド生成物を主として含有するラフィネート流を吸着剤から引き抜くことにより第2のトリグリセリド生成物を除去する工程、及び(c)第1のトリグリセリド生成物と脱着剤を主として含む抽出流が得られるのに十分な脱着条件下に、第1のトリグリセリド生成物を含む吸着剤を脱着剤に接触させることにより、第1のトリグリセリド生成物を脱着する工程、を含む方法。
  2. 第2のトリグリセリド生成物が種子油中の主脂肪酸と一致する2種の脂肪酸を有することに特徴のある、請求項1に記載の方法。
  3. 種子油がひま植物、ベルノニア植物及びレスクレラ植物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 種子油がひまし油であり、このひまし油が、質量基準で、85〜90%のリシノール酸、3〜5%のリノレン酸、2〜5%のオレイン酸、1〜3%のパルミチン酸、1〜2%のステアリン酸及び1(±0.3)%のジヒドロキシステアリン酸を含む脂肪酸組成物を有する、請求項3に記載の方法。
  5. 種子油がベルノニア植物油であり、このベルノニア植物油が、質量基準で、60〜77%のベルノール酸、0.1〜0.4%のリノレン酸、9〜13%のリノール酸、4〜20%のオレイン酸、及び2〜4%のステアリン酸を含む脂肪酸組成物を有する、請求項3に記載の方法。
  6. 種子油がレスクレラ植物油であり、このレスクレラ植物油が、質量基準で、50%より多く75%までのレスクレラ酸、1〜13%のリノレン酸、3〜8%のリノール酸、11〜27%のオレイン酸、1〜6%のステアリン酸及び1〜6%のパルミチン酸を含む脂肪酸組成物を有する、請求項3に記載の方法。
  7. 植物油が吸着剤に対して生の液体として適用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 植物油が吸着剤に対して溶液として適用され、その溶液が植物油を50容積%より高い濃度で含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. その溶液がC1-10脂肪族炭化水素とC1-6アセテートの混合物から選択される溶媒を用いて調整される、請求項8に記載の方法。
  10. 吸着剤がシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、クレー、分子篩、ゼオライト、結晶性メソポーラスアルミノシリケート及び網目状合成ポリマー樹脂から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 吸着剤がシリカである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 吸着剤が直径又は断面寸法で45オングストロームより大きく、200オングストローム未満の孔径の多孔性である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 吸着剤、又は吸着剤と接着剤から形成された複合体が、直径(又は限界寸法)で70ミクロンより大きく、800ミクロン未満の粒径を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 脱着剤が脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化芳香族炭化水素、アルコール、エステル、ケトン及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 脱着剤がC1-10脂肪族炭化水素とC1-6アセテートの混合物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 吸着及び脱着工程が18℃より高く、130℃未満の温度で行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 吸着及び脱着工程が1.0atm(101kPa)以上で100atm(10,118kPa)未満の圧力下で行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 供給混合物の容積に対する脱着剤の容積が0.5/1より大きく、100/1未満である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. この方法が移動床又は擬似移動床流動装置内で行われる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 第1のトリグリセリド生成物がトリリシノレインであり、第2のトリグリセリド生成物がジリシノレインである、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 第1のトリグリセリド生成物が約95質量%より高い純度で得られ、又第2のトリグリセリド生成物が約95質量%より高い純度で得られる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ひまし油から得られるトリグリセリド混合物の分離方法であって、ひまし油を生の液体として床中の、40ミクロンより大きく、800ミクロン未満の粒子径を有し、選択肢として、直径45オングストロームより大きく、200オングストローム未満の孔径を有する、シリカ吸着剤と接触させ、その接触が第1のトリグリセリド、トリリシノレインが第2のトリグリセリド、ジリシノレインに比べて吸着剤に選択的に吸着されるような吸着条件で実施される工程、その吸着剤をヘキサンとエチルアセテートの混合物を含む脱着剤と接触させる工程、それに続いて前記吸着剤から80%を超える純度を有するジリシノレインと脱着剤を主として含有するラフィネート出力流を引き出す工程、及びそれに続き、前記吸着剤から80%を超える純度を有するトリシノレインと脱着剤を主として含有する抽出流を引き出すのに十分な脱着条件下に、ヘキサンとエチルアセテートの混合物を含む脱着剤を前記吸着剤と接触させる工程、を含む方法。
  23. 移動床又は擬似移動床装置内で実施される、請求項22に記載の方法。
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