JP2004530884A - Ephb2のキナーゼドメインを調節する方法 - Google Patents
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Abstract
被験体における卵巣癌または前立腺癌を、この被験体由来のサンプル(好ましくは血清サンプル)中のhK11を検出することによって診断、予知およびモニタリングするための方法が、提供される。hK11は、hK11を検出またはhK11に結合する試薬(好ましくは、hK11またはその一部と特異的に反応性である抗体)を使用して測定され得る。hK11に関連する腫瘍に関する画像化法がまた記載され、この方法は、この腫瘍を画像化するための標識を有する、hK11に結合する因子を使用する。
Description
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、癌に対する診断法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
前立腺特異的抗原(PSA)は、最も記載された癌マーカーであり、そして前立腺癌の診断およびモニタリングに関して現在広範に使用されている(12)。PSAは、セリンプロテアーゼであるヒトカリクレインファミリーのメンバーであり、キモトリプシン様酵素活性を有する。ヒトカリクレインファミリーの別のメンバーであるヒト腺カリクレイン2(hK2)は、新たな潜在的前立腺生物マーカーである(5)。近年、ヒトカリクレイン遺伝子ファミリーは、DNAレベルおよびアミノ酸レベルの両方で顕著な類似性を共有する15個のメンバーを含むように拡張されてきた(6、25)。ヒトカリクレイン遺伝子ファミリーの全てのメンバーは、染色体19q13.4上に局在し、分泌型のセリンプロテアーゼをコードする。近年、このファミリーの2つのメンバーであるhK6およびhK10が前立腺癌または卵巣癌の診断およびモニタリングについての潜在的な生物マーカーであることが、報告された(26、27)。さらに、同一ファミリーの多くの他のメンバーは、卵巣癌および他の癌において過剰発現または過少発現されることが見出された(28〜37)。
【0003】
hK11をコードする遺伝子は、最初Yoshidaらによってクローニングされ、トリプシン様セリンプロテアーゼと命名された(8)。新たに確立されたカリクレイン遺伝子命名法に従って、この遺伝子は、現在ヒトカリクレイン11(KLK11;そのタンパク質はhK11として呼ばれる)として知られている(7)。組織抽出物または生物学的体液中のhK11タンパク質を測定する方法は、現在存在しない。逆転写ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)によって、KLK11遺伝子が多くの組織中(脳、皮膚、唾液腺、胃、前立腺および腸を含む)に発現されることが、実証された(9)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本出願人らは、正常な被験体と比較して、癌、特に前立腺癌および卵巣癌を有する患者において、血清中のhK11濃度が顕著に増加されていることを見出した。よって、hK11は、癌の診断、モニタリング(すなわち、進行または治療処置のモニタリング)および予知についての新たな生物マーカーを構成する。特に、hK11は、前立腺癌または卵巣癌の診断、モニタリングおよび予知について用いられ得、そして術前または再発後の生物マーカーとして使用され得る。
【0005】
kH11およびhK11に結合する因子を使用して、卵巣癌または前立腺癌を検出し、そしてこれらは卵巣癌または前立腺癌の診断的評価、およびこのような障害に対する素因を有する患者の同定において、使用され得る。
【0006】
用語「検出する」または「検出」としては、標的hK11、そのサブユニットもしくは標的に結合した試薬の組み合わせなどの存在もしくは非存在を確立する、アッセイ、画像化または他の方法、あるいは、卵巣もしくは前立腺の癌、転移、病期もしくは類似の状態の1つ以上の実際の特性についてのアッセイ、画像化、確認、確率もしくは測定する他の方法が挙げられる。この用語は、hK11についての診断的適用、予後的適用およびモニタリング適用を包含する。
【0007】
hK11の存在を測定する方法を使用して、hK11を検出または使用することによって卵巣癌または前立腺癌をモニタリングし得る。
【0008】
本発明は、被験体における前立腺癌または卵巣癌の診断およびモニタリングに関する方法に関し、この方法は、被験体由来のサンプル中のhK11を測定する方法を包含する。hK11は、hK11またはhK11をコードする核酸配列を検出する試薬を使用して測定され得る。
【0009】
本発明の1つの局面において、被験体中の癌マーカーhK11の発現を検出するための方法が提供され、被験体からサンプルを得る工程、およびこのサンプルにおいてhK11をコードする核酸配列またはhK11核酸配列によってコードされるタンパク質産物を検出する工程を包含する。
【0010】
本発明の1つの局面において、以下の工程を包含する卵巣癌または前立腺癌について被験体をスクリーニングする方法が、提供される:(a)被験体より生物学的サンプルを得る工程;(b)このサンプル中のhK11の量を検出する工程;および(c)検出されたこのhK11の量を予め決定された標準と比較する工程。ここで、予め決定された標準レベルの検出とは異なる(例えば、より多い)hK11レベルの検出は、疾患を示す。
【0011】
別の局面において、本発明は、前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体において、前立腺癌または卵巣癌の存在を検出するための診断法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体から得られる生物学的サンプル(例えば、細胞、組織または体液)中のhK11のレベルを測定する工程;(b)測定されたhK11ポリペプチドレベルを予め決定された標準(例えば、標準コントロール)中のhK11レベルと比較する工程。ここで、標準レベルの検出とは異なる(例えば、より多い)hK11レベルの検出は、疾患を示す。
【0012】
予め決定された標準は、癌を有さない正常コントロール被験体由来のサンプル(例えば、正常の細胞、組織または体液)、異なる疾患病期を有する被験体由来のサンプル、またはその被験体の他のサンプル由来のサンプルについて測定されたレベルに一致する。正常コントロールである標準と比較された被験体中の増大されたhK11ポリペプチドレベルは、一般的には前立腺癌または卵巣癌を示す。
【0013】
本発明はまた、前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体において、前立腺癌または卵巣癌の存在を検出するための診断法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体由来の生物学的サンプル(例えば、細胞、組織または体液)中のhK11転写レベルを測定する工程;および(b)測定されたhK11転写レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の生物学的サンプル(例えば、正常な細胞、組織または体液)中のhK11転写レベルと比較する工程。ここで、この被験体中のhK11転写レベル対この予め決定された標準(例えば、正常コントロール)中のhK11転写レベルの変化(例えば、増加)は、前立腺癌または卵巣癌に関連する。
【0014】
なおさらに本発明は、被験体において、転移の開始について前立腺癌または卵巣癌をモニタリングする方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)転移していることが知られていない前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体を同定する工程;(b)この被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;および(c)この被験体において測定されたhK11レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の同一型の生物学的サンプルにおけるhK11レベルと比較する工程。ここで、この被験体におけるhK11転写レベル対この予め決定された標準(例えば、正常コントロール)におけるhK11転写レベルの変化(例えば、増加)は、転移した癌に関連する。
【0015】
本発明の別の局面は、前立腺癌または卵巣癌に罹患する被験体における前立腺癌または卵巣癌の病期をモニタリングする方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体を同定する工程;(b)この被験体に関するhK11の基底線レベルを確立するために、この被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;(c)この被験体由来の同一型の生物学的サンプルにおいて、その後の時期でのhK11レベルを測定する工程;および(d)測定されたhK11レベルをhK11基底線レベルと比較する工程。ここで、この被験体において測定されたhK11レベル対この被験体におけるhK11基底線レベルの増加は、進行する癌に関連し、そして、測定されたhK11レベル対hK11基底線レベルの減少は、退行または寛解する癌に関連する。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、hK11は、hK11と結合する物質、好ましくはhK11に特異的な抗体を使用して測定される。
【0017】
従って、本発明は、被験体由来の生物学的サンプル中のhK11を定量することによって、この被験体中の前立腺癌または卵巣癌を検出するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と反応させる工程;(b)この生物学的サンプル中のhK11レベルを測定するために、この検出可能な物質を検出する工程;および(c)このhK11レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の生物学的サンプル中のhK11レベルと比較する工程。ここで、hK11レベルの変化(例えば、増加)は、前立腺癌または卵巣癌を示す。
【0018】
本発明の方法の実施形態は、以下の工程を包含する:(a)被験体由来の生物学的サンプルを、酵素で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と反応させる工程;(b)この酵素に対する基質を添加する工程(ここで、この基質は、この基質、またはこの酵素および基質の反応産物が蛍光複合体を形成するように選択される);(c)この蛍光複合体の蛍光を測定することによって、この生物学的サンプル中のhK11を定量する工程;および(d)この定量されたレベルを、予め決定された標準(例えば、この被験患者由来の他の生物学的サンプル(例えば、以前またはその後に採取された生物学的サンプル)、またはコントロール被験体由来の他の生物学的サンプル)に関して得られたレベルと比較する工程。1つの実施形態において、この定量されたレベルは、前立腺癌または卵巣癌を有さない被験体(すなわち、正常コントロール)について定量されたレベルと比較される(ここで、コントロール被験体と比較したhK11レベルの増加は、前立腺癌または卵巣癌を示す)。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、以下の工程を包含する:
(a)生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な第1の抗体、およびhK11に特異的な第2の抗体(好ましくは、固定化されている)とインキュベートする工程;
(b)この第1の抗体をこの第2の抗体から分離して、第1の抗体相および第2の抗体相を提供する工程;
(c)この第1の抗体相または第2の抗体相におけるこの検出可能な物質を検出し、これによりこの生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;および
(d)この測定されたhK11レベルを、予め決定された標準由来(例えば、正常コントロールまたはこの被験体の他の生物学的サンプル(例えば、以前またはその後の生物学的サンプル)由来)の生物学的サンプルについて測定されたレベルと比較する工程。
【0020】
本発明はまた、卵巣癌または前立腺癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される方法を企図する。よって、本発明は、hK11、および卵巣癌または前立腺癌の特異的指示薬である他のマーカーの存在について、生物学的サンプルを分析するための方法を企図する。他の卵巣癌マーカーとしては、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン2、カリクレイン3、カリクレイン4、カリクレイン5、KLK5遺伝子、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、KLK9遺伝子、カリクレイン10、KLK10遺伝子、カリクレイン15、およびKLK15遺伝子のようなマーカー;CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)ならびに癌胎児抗原(CEA)が挙げられる。好ましくは、他のマーカーは、カリクレインに対するマーカーである。本発明の1つの局面において、他の卵巣癌マーカーは、KLK4、hK6、hK8、KLK8、hK9、KLK9、hK10、KLK10およびCA125のうちの1つ以上である。他の前立腺癌マーカーとしては、hK2、hK3、hK4、hK6、hK10、KLK5、KLK10、HER−2、KLK15および前立腺特異的抗原が挙げられる。本明細書中に記載される方法は、これらのマーカー、またはこれらのマーカーについての核酸を検出するために、試薬を含ませることによって改変され得る。
【0021】
本発明の1つの局面に従って、hK11および1つ以上の他のカリクレインを標的化するように構築されている因子を被験体に投与する工程を包含するインビボ法が、提供される。
【0022】
本発明は、画像化のために標識を保有し、hK11に結合し、よって哺乳動物を画像化する、1つ以上の因子をその哺乳動物に投与する工程を包含するインビボ法を企図する。
【0023】
本発明の好ましい局面に従って、卵巣癌または前立腺癌を画像化するためのインビボ法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)カリクレイン11に結合する因子を患者に注入する工程であって、この因子は、卵巣癌または前立腺癌を画像化するための標識を保有する;
(b)この因子をインビボでインキュベートさせて、卵巣癌または前立腺癌に関連するカリクレイン11に結合させる工程;および
(c)卵巣癌または前立腺癌に局在したこの標識の存在を検出する工程。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、因子は、カリクレイン11を認識する抗体である。本発明の別の実施形態において、この因子は、カリクレイン11を認識する化学物質である。
【0025】
本発明の1つの局面において、hK11に特異的な抗体を投与し、この抗体をこの被験体内の癌細胞中のhK11に結合させ、そしてこの患者内でのこの抗体の局在を測定することによって、被験体における卵巣または前立腺の癌細胞または卵巣または前立腺の腫瘍を局在化するための方法が、提供される。別の関連の局面において、抗体は、例えば、放射性同位元素で、検出可能に標識される。
【0026】
因子は、カリクレインを画像化するための標識を保有する。画像化に有用な標識の例としては、放射性標識、蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、核磁気共鳴活性標識、陽電子放射断層撮影(「PET」)スキャナーによって検出可能な陽電子放射同位元素、化学発光因子(chemiluminescer)(例えば、ルシフェリン)および酵素的マーカー(例えば、ペルオキシダーゼまたはホスファターゼ)が挙げられる。近距離放射エミッター(例えば、近距離ディテクタープローブによって検出可能な同位元素)もまた、使用され得る。
【0027】
本発明はまた、卵巣癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される局在法または画像化法を企図する。例えば、卵巣癌を画像化するための方法はさらに、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、カリクレイン10、カリクレイン15、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)および癌胎児抗原(CEA)(好ましくは、CA125)に結合する因子のうちの1つ以上を、患者に注入する工程を包含し得る。前立腺癌を画像化するための方法はさらに、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン10、カリクレイン15、HER−2または前立腺特異的抗原に結合する因子のうちの1つ以上を患者に注入する工程をさらに包含し得る。核酸分子はまた、これらの他のマーカーについて検出され得る。
【0028】
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットに関する。
【0029】
本発明はまた、hK11に特異的な抗体が卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するに十分な条件下でこの抗体を被験体に投与することによって、この細胞を阻害または殺傷するための方法に関する。別の局面において、卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するための方法が、提供され、この方法は、細胞毒性部分と複合体化されているhK11に特異的な抗体を、卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するに十分な条件下で投与する工程を包含する。この細胞毒性部分は、非限定的例示として、化学療法剤、光活性化毒素、または放射性因子であり得る。
【0030】
本発明の他の目的、特性および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。しかし、本発明の好ましい実施形態を示す場合、詳細な説明および特定の実施例は、例示の目的でのみ与えられる。なぜなら、本発明の精神および範囲内での種々の変化および改変は、この詳細な説明より当業者に明らかであるからである。
【0031】
(発明の詳細な説明)
本発明は、生物学的サンプル中のhK11ポリペプチドレベルまたはhK11核酸レベルを定量的および定性的に検出(正常なレベルおよび異常なレベルの決定を含む)するための方法に関する。ポリペプチドレベルの検出または転写レベルの検出を介して正常コントロールと比較したhK11ポリペプチドの過剰発現を検出するための本発明に従う診断方法が、癌(前立腺癌および卵巣癌を含む)の存在を検出するために使用され得る。
【0032】
「hK11」、「hK11タンパク質」、または「hK11ポリペプチド」によって、Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)においてhK11について開示されるアミノ酸配列と同一であるかまたは実質的に類似するアミノ酸配列を有する、タンパク質またはそのフラグメントが意味される。Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)において開示されるhK11タンパク質と「実質的に類似する」ポリペプチドは、上記hK11タンパク質の構造も活性を変化させない保存的アミノ酸置換を含み得る。本発明の診断方法は、ヒト以外の種において癌を診断またはモニタリングするために使用される場合、本明細書中で使用される用語「hK11」は、その種由来のカリクレイン11を包含する。この用語はまた、ヒトカリクレイン11のすべてのホモログ、天然に存在する対立遺伝子改変体、アイソフォーム、および前駆体を包含する。一般に、例えば、ヒトカリクレイン11の天然に存在する対立遺伝子改変体は、Genbank登録番号XM009005およびAB012917に示される配列に対して有意な相同性(70〜90%)を共有する。hK11フラグメントは、好ましくは、生物学的に活性であり、すなわち、全長hK11タンパク質の生物学的効果または物理学的効果を発揮する。
【0033】
「hK11核酸」または「KLK11」は、Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)に開示されるhK11タンパク質をコードするかまたは同じ構造および活性を有するポリペプチドをコードする、RNAおよびDNAの両方を包含することになっている。
【0034】
用語「被験体」とは、前立腺癌もしくは卵巣癌または本明細書中に記載される状態に罹患している温血動物(例えば、哺乳動物)を指す。好ましくは、「被験体」とは、哺乳動物を指し、最も好ましくはヒトを指す。
【0035】
用語「サンプル」、「生物学的サンプル」などは、hK11を発現するかまたはhK11を含むことが公知であるかまたは含むと疑われる、物質を意味する。試験サンプルは、供給源から得られたまま直接使用され得るか、またはそのサンプルの特徴を改変するための前処理の後に使用され得る。そのサンプルは、任意の生物学的供給源(例えば、組織、体液、抽出物、または細胞培養物(細胞(例えば、腫瘍細胞)、細胞溶解物、および生理学的液体(例えば、全血、血漿、血清、唾液、眼房水、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水、滑液、腹腔液など)を含む))に由来し得る。従って、生物学的サンプルは、血液、尿、唾液、組織生検、または剖検材料であり得る。好ましくは、そのサンプルは、血清である。そのサンプルは、動物(好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト)から入手され得る。そのサンプルは、使用前に処理(例えば、血液からの血漿の調製、粘性液の希釈など)され得る。処理方法は、濾過、滅菌、抽出、濃縮、妨害成分の不活化、試薬の添加などを包含し得る。タンパク質が、上記サンプルから単離され得、そして本発明の方法において利用され得る。
【0036】
本明細書中に記載される方法は、被験体由来の生物学的サンプルにおけるhK11を定量することによって、前立腺癌または卵巣癌を診断およびモニタリングするために適合され得る。これらの適用は、試験される被験体由来のサンプル中で定量されるhK11の量が、所定の標準物(例えば、その被験体由来の別のサンプルもしくはより早期のサンプル(例えば、hK11基底線レベル)について定量されたレベル、またはコントロールサンプルについて定量されたレベル)と比較されることを必要とする。正常な被験体または健常な被験体に由来するコントロールサンプルについてのレベルは、予想統計研究および/または遡及的統計研究によって確立され得る。臨床的に明らかな疾患も異常も有さない健常な被験体が、統計研究のために選択され得る。正常コントロールサンプルまたは同じ被験体について定量された以前のレベルと比較して、統計学的に異なるhK11レベルの認定によって、診断がなされ得る。一般的に、被験体中で測定されたhK11の、正常なコントロールにおけるレベルと比較して上昇したレベルは、前立腺癌または卵巣癌を示す。「上昇したレベル」とは、一般的には、正常なコントロールの>90パーセンタイル〜95パーセンタイル、好ましくは95パーセンタイルを指す。
【0037】
本明細書中に記載される方法は、例えば、宿主から新たに取り出された一群の細胞において、悪性細胞または前悪性細胞の存在の確率を評価するために使用され得る。このような方法は、腫瘍を検出するため、腫瘍の増殖を定量するため、ならびに疾患の診断および予後を補助するために、使用され得る。これらの方法は、癌転移の存在を検出するため、ならびに手術後、癌化学療法後、および/もしくは放射線療法後にすべての腫瘍組織が存在しないことまたは除去されたことを確認するために、使用され得る。これらの方法はさらに、癌化学療法および腫瘍再発をモニタリングするために使用され得る。
【0038】
前立腺癌または卵巣癌と診断された被験体におけるhK11レベルのモニタリングは、未だ転移していない癌における転移の開始を測定する際に有用である。この方法において、転移していることが既知ではない前立腺癌または卵巣癌に罹患している被験体が、同定される。その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルが測定され、そして正常コントロールまたは転移を有する被験体に由来する同じ型の生物学的サンプル中のhK11レベルと比較される。その患者において測定されたhK11レベルの、標準物に対する変化は、転移している癌と関連する。
【0039】
前立腺癌または卵巣癌に罹患している患者における前立腺癌または卵巣癌の病期もまた、決定される。その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルが、その被験体についてのhK11基底線レベルを確立するために測定される。その後、同じ型の生物学的サンプル中のhK11レベルが、後の時期に(例えば、医師による計画的診断時に)測定される。測定されたhK11レベルは、その被験体についてのhK11基底線レベルと比較される。この方法において、その被験体におけるhK11基底線レベルに対するその被験体中で測定されたhK11レベルの減少は、退行しているかまたは寛解期にある癌に関連する。被験体について確立されたhK11基底線レベルと比較した、測定されたhK11レベルの増加は、疾患の進行または転移を示し得る。
【0040】
被験体由来の生物学的サンプルにおけるポリペプチドレベルまたは遺伝子(例えば、hK11)の転写レベルを測定するために使用され得る方法は、当業者に周知である。種々の方法が、hK11に関与する卵巣癌または前立腺癌の診断評価または予後評価のため、およびそのような障害に罹る傾向がある被験体の同定のために、使用され得る。これらの方法の例としては、放射免疫測定法、逆転写酵素PCT(RT−PCR)アッセイ、グリッディング(gridding)、免疫組織化学アッセイ、インサイチュハイブリダイゼーションアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロットアッセイ、およびELISAアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質に特異的な抗体(またはその誘導体)を使用するアッセイが、生物学的流体においてそのタンパク質を検出するために頻繁に好ましい。方法は、例えば、hK11(ペプチドフラグメントを含む)に対する抗体を利用し得る。特に、その抗体は、例えば、非障害状態または改変型(例えば、全長より短い)hK11の存在と比較して過剰量または過少量のいずれかのhK11(これは、障害状態または障害状態への進行と相関する)の検出のために使用され得る。
【0041】
hK11タンパク質または誘導体(例えば、酵素結合体または標識された誘導体)と特異的に反応する抗体が、種々のサンプルにおけるhK11タンパク質を検出するために使用され得る。それらの抗体は、診断試薬または予後試薬として使用され得、そしてそれらの抗体は、hK11発現レベルの異常、あるいはhK11の構造、および/または時間的位置、組織位置、細胞位置、もしくは亜細胞位置の異常を検出するために、使用され得る。特に、それらの抗体は、悪性疾患または前悪性疾患の存在の可能性を評価するため、そして転移および疾患状態の開始を決定するために、使用され得る。抗体はまた、hK11タンパク質に関与する障害(例えば、卵巣癌または前立腺癌)および他の状態に対する効果を決定するために、インビトロで潜在的な治療化合物をスクリーニングするために使用され得る。インビトロ免疫アッセイはまた、特定の治療の効力を評価またはモニタリングするために使用され得る。本発明はまた、本発明の抗体と薬学的に受容可能なキャリアもしくは希釈剤とを含む、薬学的組成物を企図する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、被験体において、その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11を定量することによって前立腺癌または卵巣癌をモニタリングまたは診断するための診断方法を企図し、その方法は、そのサンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されたhK11特異的抗体と反応させる工程、およびその検出可能な物質を検出する工程を包含する。
【0043】
別の実施形態において、本発明は、個体において、卵巣癌または前立腺癌の進行をモニタリングする方法を提供し、この方法は、
(a)hK11タンパク質に結合する抗体を、その個体由来のサンプルと接触させて、そのサンプル中でその抗体とhK11タンパク質とを含む複合体を形成させる工程;
(b)そのサンプル中の複合体形成の存在または量を決定または検出する工程;
(c)時間的により後の時点で、工程(a)および(b)を反復する工程;ならびに
(d)工程(b)の結果を、工程(c)の結果と比較する工程;
を包含し、複合体形成の量の差異は、その個体における卵巣癌または前立腺癌の疾患、疾患病期、および/もしくは進行を示す。
【0044】
複合体の量はまた、異なる病期の卵巣癌の危険がない個体または異なる病期の卵巣癌に罹患していない個体からの複合体の量を示す値と比較され得る。
【0045】
hK11に特異的な抗体は、科学的供給源または商業的供給源から得られ得る。あるいは、単離されたネイティブhK11または組換えhK11が、抗体、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、および免疫学的に活性なフラグメント(例えば、Fabフラグメントまたは(Fab)2フラグメント)、抗体重鎖、ヒト化抗体、抗体軽鎖、遺伝子操作した単鎖Fv分子(Ladnerら、米国特許第4,946,778号)またはキメラ抗体(例えば、マウス抗体の結合特異性を含むが、残りの部分がヒト起源である、抗体)を調製するために使用され得る。抗体(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、フラグメント、およびキメラを含む)が、当業者に公知の方法を使用して調製され得る。好ましくは、本発明の方法において使用される抗体は、その抗体が10−7M以上のKaで結合する場合に、hK11に対して反応性である。本発明の好ましいサンドイッチイムノアッセイにおいて、マウスポリクローナル抗体およびウサギポリクローナル抗体が、使用される。
【0046】
hK11と特異的に反応する抗体が、タンパク質の抗原決定基とその抗体との間の結合相互作用に頼る公知の任意のイムノアッセイにおいて使用され得る。そのようなアッセイの例は、放射性同位元素標識免疫測定法、酵素免疫法(例えば、ELISA)、免疫蛍光、免疫沈降、ラテックス凝集試験、赤血球凝集反応試験、および組織化学試験である。それらの抗体は、そのような病理学的状態を診断および処置するために、サンプル中のhK11を検出および定量するために使用され得る。
【0047】
hK11に特異的な抗体は、検出可能な物質で標識され得、そしてその検出可能な物質の存在に基づいて生物学的サンプル中で位置決定され得る。検出可能な物質の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:放射性同位体(例えば、3H、14C、35S、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド燐光体)、発光標識(例えば、ルミノール);酵素標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、アセチルコリンエステラーゼ)、ビオチニル基(これは、光学的方法または比色的方法により検出され得る蛍光マーカーもしくは酵素活性を含む、印が付いたアビジン(例えば、ストレプトアビジン)により検出され得る)、二次レポーターにより認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの実施形態において、標識は、起こり得る立体障害を減少するために種々の長さのスペーサーアームを介して結合される。抗体はまた、電子顕微鏡により容易に可視化される高電子密度物質(例えば、フェリチンまたはコロイド状金)にも結合され得る。
【0048】
一次抗原−抗体反応が、hK11に対して反応性の抗体について特異性を有する二次抗体の導入によって増幅される、間接的方法もまた使用され得る。例として、hK11に対する特異性を有する抗体がウサギIgG抗体である場合、その二次抗体は、本明細書中に記載される検出可能な物質で標識されたヤギ抗ウサギガンマグロブリンであり得る。
【0049】
hK11に特異的な抗体は、細胞傷害性部分と結合され得る。適切な細胞傷害性部分としては、化学療法剤、光活性化毒素、または放射性因子が挙げられる。細胞傷害性因子の例としては、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、ゲロニン、メルファラン、ブレオマイシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、またはヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAP、PAPII、PAP−S)が挙げられるが、これらに限定されず、そして光活性化因子の例としては、ジヒドロピリジン、およびオメガ−コノトキシンが挙げられる。適切な放射性因子としては、125I、111In、123I、32Pおよび本明細書中に記載される他のものが挙げられる。
【0050】
上記の抗体を複合体化または標識するための方法は、当業者によって容易に達成され得る。(例えば、Inman,Methods In Enzymology,Vol.34,Affinity Techniques,Enzyme Purification:Part B,Jakoby and Wichek(eds.),Academic Press,New York,p.30,1974;and Wilchek and Bayer,”The Avidin−Biotin Complex in Bioanalytical Applications,”Anal.Biochem.171:1−32,1988(酵素またはリガンド結合パートナーを用いて抗体を複合体化または標識する方法に関して)を参照のこと)。
【0051】
抗体の他の共有結合改変および非共有結合改変(例えば、この抗体を含む癌細胞の阻害または殺傷を誘導するために、その抗体と同時投与または抗体の後に投与される、因子を含む)が、本明細書中に含まれる。
【0052】
抗体(hK11)またはサンプルは、細胞、抗体などを固定化し得るキャリアまたは固体支持体上に固定化され得る。例えば、このキャリアまたは固体支持体は、ニトロセルロース、またはガラス、ポリアクリルアミド、斑レイ岩、および磁鉄鉱であり得る。他の適切なキャリアの例は、アガロース、セルロース、デキストラン、Sephadex、Sepharose、リポソーム、カルボキシメチルセルロースポリスチレン、濾紙、イオン交換樹脂、プラスチック、ポリアミンメチルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー、アミノ酸コポリマー、エチレン−マレイン酸コポリマー、ナイロン(登録商標)、シルクなどであり得る。支持材料は、任意の可能な形態(configuration)(球形(例えば、ビーズ)、円筒形(例えば、試験管またはウェルの内表面、あるいは棒の外表面)、または平面(例えば、シート、試験ストリップを含む)を有し得る。固定化された抗体は、公知の化学法または物理法(例えば、臭化シアンカップリング)を使用してこの材料を適切な不溶性キャリアと反応させることによって調製され得る。
【0053】
時間分解蛍光測定を使用して、シグナルを検出し得る。例えば、Christopoulos TK and Diamandis EP,Anal.Chem.1992:64:342−346に記載される方法が、慣用的な時間分解蛍光測定器とともに使用され得る。
【0054】
従って、本発明の1つの実施形態に従って、方法が提供され、この方法において、hK11抗体が酵素で標識されており、この酵素に対する基質が添加され、ここで、この基質は、この基質、またはこの酵素と基質との反応産物が、ランタニド金属との蛍光複合体を形成するように、選択される。ランタニド金属が添加され、そして、hK11が、この蛍光複合体の蛍光を測定することによって、このサンプル中で定量される。hK11に特異的な抗体は、酵素で直接的または間接的に標識され得る。酵素は、この酵素の基質、またはこの酵素と基質との反応産物の、ランタニド金属(例えば、ユーロピウムおよびテルビウム)と複合体化する能力に基づいて選択される。適切な酵素の例としては、アルカリホスファターゼおよびβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。好ましくは、この酵素は、アルカリホスファターゼである。hK11抗体はまた、酵素で間接的に標識され得る。例えば、この抗体は、リガンド結合対の1つのパートナーに結合体化され得、そしてこの酵素は、このリガンド結合対の他のパートナーに結合され得る。典型例としては、アビジン−ビオチン、およびリボフラビン−リボフラビン結合タンパク質が挙げられる。1つの実施形態において、抗体は、ビオチン化され、そして酵素は、ストレプトアビジンに結合される。
【0055】
この方法において、サンプル中でhK11に結合される抗体は、この酵素に対する基質を添加することによって検出される。この基質は、ランタニド金属(例えば、ユーロピウム、テルビウム、サマリウムおよびジスプロシウム(好ましくは、ユーロピウムおよびテルビウム)の存在下で、この基質、またはこの酵素と基質との反応産物がランタニド金属と蛍光複合体を形成するように、選択される。そのような蛍光複合体を提供する酵素およびこの酵素に対する基質の例は、Diamandisに対する米国特許第5,3112,922号、および参考文献10、25および30に記載される。例示の目的で、抗体がアルカリホスファターゼで直接的または間接的に標識される場合、この方法において使用される基質は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、5−フルオロサリチルホスフェートまたはジフルニサルホスフェートであり得る。この複合体の蛍光強度は、典型的には時間分解蛍光測定器(例えば、CyberFluor 615 Imunoanalyzer(Nordion Internationl,Kanata,Ontario)を使用して測定される。
【0056】
1つの実施形態に従って、本発明は、免疫アッセイによりhK11を測定することによって血液サンプル(例えば、血清)中のhK11を測定するための手段を提供する。種々の免疫アッセイ法を使用してhK11を測定し得ることは、当業者に明らかである。一般に、hK11免疫アッセイ法は、競合的または非競合的であり得る。競合法は、典型的には、固定化されているかまたは固定化可能なhK11に対する抗体(抗hK11)およびhK11の標識化形態を使用する。サンプルhK11および標識化hK11は、抗hK11に対する結合を競合する。抗hK11に結合された、生じた標識化hK11(結合画分)の未結合のままである画分(非結合画分)からの分離後、この結合画分または非結合画分のいずれかにおけるこの標識の量は、測定され、そして任意の慣用的様式(例えば、標準曲線との比較)で試験サンプル中のhK11の量と相関され得る。
【0057】
好ましくは、非競合法は、hK11の測定のために使用され、最も一般的な方法は、「サンドイッチ」法である。このアッセイにおいて、2つの抗hK11抗体が使用される。これらの抗hK11抗体のうちの1つは、直接的または間接的に標識され(時々、「検出抗体」と称される)、そしてそのもう一方は、固定化されているかまたは固定化可能である(時々、「捕捉抗体」と称される)。この捕捉抗体および検出抗体は、試験サンプルと同時または連続的に接触され得る。連続法は、捕捉抗体をサンプルとインキュベートし、その後、予め決定された時間で検出抗体を添加することによって達成され得る(時々、「順方向(forward)」法と称される;または検出抗体は、先ずサンプルとともにインキュベートされ得、次いで、捕捉抗体が添加され得る(時々、「逆方向(reverse)」法と称される)。必要なインキュベーションが生じた後、このアッセイを完了させるために、捕捉抗体は、液体試験混合物より分離され、そして分離された捕捉抗体相の少なくとも一部、またはその液体試験混合物の残りにおいて、標識が測定される。一般に、標識は、捕捉抗体相において測定される。なぜなら、捕捉抗体相は、捕捉抗体と検出抗体(との間の「サンドイッチ」)によって結合されたhK11を含むからである。
【0058】
hK11について典型的な2箇所の免疫測定(immunometric)アッセイにおいて、捕捉抗体および検出抗体のうち1つまたは両方は、ポリクローナル抗体である。検出抗体において使用される標識は、当該分野において慣用的に公知であるもののいずれかより選択され得る。標識は、酵素または化学発光部分であり得るが、これはまた、放射性同位元素、発蛍光団、検出可能なリガンド(例えば、そのリガンドに対する標識結合パートナーによる二次的結合によって検出可能である)などであり得る。好ましくは、抗体は、基質を添加することによって検出される酵素で標識され、この基質は、この酵素と基質との反応産物が蛍光複合体を形成するように選択される。捕捉抗体は、試験混合物の残りより分離されるための手段を提供するように選択される。従って、捕捉抗体は、既に固定化された形態または不溶化形態でこのアッセイに導入され得るか、または固定化可能な形態(すなわち、このアッセイに対する捕捉抗体の導入の後に固体化が達成されるのを可能にする形態)であり得る。固定化された捕捉抗体は、固相(例えば、磁気粒子、ラテックス粒子、マイクロタイタープレートウェル、ビーズ、キュベット、または他の反応容器)に共有結合的または非共有結合的に結合された抗体を含み得る。固定化可能な捕捉抗体の例は、リガンド部分(例えば、ハプテン、ビオチンなど)を用いて化学的に改変されている抗体、およびこのリガンドに対する結合パートナー(例えば、抗体、アビジンなど)の固定化形態との接触によって引き続き固定化され得る抗体である。1つの実施形態において、捕捉抗体は、固相に結合されている捕捉抗体体に対する種特異的抗体を使用して固定化され得る。
【0059】
本発明の特定のサンドウィッチ免疫アッセイ方法は、hK11に反応性の2種の抗体(例えば、抗hK11モノクローナル抗体および抗hK11ポリクローナル抗体)、酵素的標識(例えば、抗hK11ポリクローナル抗体に特異的な抗体に結合体化された酵素)で標識されたhK11に反応性の抗体に対する特異性を有する二次抗体、およびこの酵素に対する蛍光発生基質を使用する。一つの実施形態において、この酵素は、アルカリホスファターゼ(ALP)であり、その基質は、5−フルオロサリチルリン酸である。ALPは、蛍光発生基質、5−フルオロサリチルリン酸からリン酸を切り離し、5−フルオロサリチル酸を生成する(FSA)。次いで、5−フルオロサリチル酸は、時間分解様式においてTb3+蛍光を測定することにより定量され得る形態FSA−Tb(3+)−EDTAの高度に蛍光を発する三重複合体を形成し得る。蛍光強度は、従来型の蛍光定量法または本明細書中に記載されるような時間分解蛍光光度計を使用して測定される。別の実施形態において、この酵素は、アルカリホスファターゼ(ALP)であり、その基質は、ジフルニサルリン酸(diflunisal phosphate)(DIFP)である。ALPは、DIFPからリン酸を切断し、ジフルニサル(diflunisal)(DIF)を産生する。これは、時間分解蛍光定量法または従来型の蛍光定量法によりモニターされ得る、高度に蛍光を発するテルビウム複合体を形成する。
【0060】
核酸法はまた、前立腺癌または卵巣癌の指標である異常な細胞増殖のマーカーとして、hK11の転写レベルを検出するため使用され得る。PCRおよび他の核酸法(例えば、リガーゼ連鎖反応(LCR))および核酸配列ベースの増幅(NASABA)は、悪性細胞を検出するために使用され得る。例えば、RT−PCRは、mRNA種の複合混合物における特異的なmRNA集団の存在を検出するために使用され得る。
【0061】
hK11遺伝子の発現および定量化は、格子上に整列されたクローンへのハイブリダイゼーションを使用して検出され得る。例えば、hK11遺伝子をコードするcDNAは、基材(例えば、ガラス、ニトロセルロース、ナイロン、またはプラスチック)に固定され得、目的の組織から単離されたRNAまたはRNAのcDNAコピーであり得る分析物とともにインキュベートされ得る。基材に結合されたクローンと分析物との間のハイブリダイゼーションは、分析物の放射活性標識または蛍光標識あるいはハイブリッドを検出するように設計された二次分子を含むいくつかの手段によって、検出および定量され得る。遺伝子発現レベルの定量化は、既知の標準物質から決定されるシグナルの強度と比較して、分析物からのシグナルの強度の比較により実施され得る。標準は、hK11をコードする遺伝子をインビトロ転写し、収量を定量し、次いでその材料を使用して、標準曲線を作成することによって得られ得る。
【0062】
hK11に特異的な抗体を、免疫組織化学解析において(例えば、細胞レベルおよび亜細胞より小さい(sub−subcellular)レベルにおいて)使用して、hK11タンパク質を検出し、そのタンパク質を特定の卵巣腫瘍細胞または前立腺腫瘍細胞および組織ならびに特定の亜細胞の位置に局在化し、そして発現レベルを定量し得る。
【0063】
光学顕微鏡および電子顕微鏡を使用して抗原を局在化するための当該分野で公知の細胞化学的な技術は、hK11タンパク質の検出に使用され得る。一般的に、抗体は、検出可能な物質で標識され得、そしてhK11タンパク質は、検出可能な物質の存在に基づいて、組織および細胞に局在化され得る。
【0064】
検出可能な物質として放射活性標識が使用される場合、hK11タンパク質は、ラジオオートグラフィーによって局在化され得る。ラジオオートグラフィーの結果は、種々の光学的方法、または細粒子(grain)を数えることにより、ラジオオートグラフ中の粒子の密度を決定することによって、定量され得る。
【0065】
本発明の一つの局面において、hK11に特異的な抗体は、卵巣癌または前立腺癌の管理の画像化方法論において使用される。本発明は、1以上のカリクレイン(kallikrein)に関連する腫瘍、好ましくは卵巣癌に関連するカリクレイン、最も好ましくはhK11を画像化する方法を提供する。
【0066】
本発明はまた、卵巣癌または前立腺癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される画像化方法を企図する。例えば、卵巣癌を画像化する方法はさらに、ヒト角層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、カリクレイン10、カリクレイン15、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)または癌胎児抗原(CEA)、好ましくはCA125に結合する1以上の因子を患者に注射する工程を包含する。好ましくは、各因子は、標識され、その結果、画像化の際に識別され得る。前立腺癌を画像化する方法はさらに、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン10、カリクレイン15、HER−2、および前立腺特異的抗原に結合する1以上の因子を患者に注射する工程を包含する。
【0067】
一つの実施形態において、この方法は、インビボ方法であり、被験体または患者は、画像化標識を有し、カリクレインを標的化または結合し得る1以上の因子を投与される。因子は、インビボでインキュベートされ、そして腫瘍(好ましくは、卵巣腫瘍または前立腺腫瘍)に関連するカリクレインに結合する。標識の存在は、卵巣癌または前立腺癌に局在化され、この局在化された標識は、当業者に公知の画像化デバイスを使用して検出される。
【0068】
因子は、カリクレインを認識する抗体または化学実体であり得る。本発明の一つの局面において、因子は、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体、またはそれらのフラグメント、あるいはそれらの構築物(単鎖抗体、二機能性抗体、分子認識単位、およびペプチドまたはペプチドを模した実体を含むが、これらに限定されない)である。本発明のこの方法において使用されるカリクレインに特異的な抗体は、科学的供給源または営利的供給源から入手され得るか、あるいは、単離されたネイティブのカリクレインまたは組換え型カリクレインは、本明細書中に記載されるように抗体などの調製のために利用され得る。
【0069】
因子は、カリクレインに特異的であり、カリクレインに結合する抗体に対するエピトープを模倣したペプチドであり得る。このペプチドは、従来の固相化学を使用する市販の合成機によって産生され得る。例えば、N2S2キレート剤が複合体化されるチロシン、リジン、またはフェニルアラニンのいずれかを含むペプチドが、調製され得る(米国特許第4,897,255号を参照のこと)。次いで、抗カリクレインペプチド結合体は、放射性標識(例えば、ナトリウム99mTc過テクネチウム酸またはナトリウム188Re過レニウム酸(perrhenate))と組み合わされ、そしてカリクレイン産生腫瘍を局在化するために使用され得る。
【0070】
因子は、カリクレインを画像化するための標識を有する。この因子は、放射性核種画像化における使用のために標識され得る。具体的には、この因子は、放射性同位元素で直接的にかまたは間接的に標識され得る。本発明において使用され得る放射性同位元素の例としては、以下が挙げられる:277Ac、211At、128Ba、131Ba、7Be、204Bi、205Bi、206Bi、76Br、77Br、82Br、109Cd、47Ca、11C、14C、36Cl、48Cr、51Cr、62Cu、64Cu、67Cu、165Dy、155Eu、18F、153Gd、66Ga、67Ga、68Ga、72Ga、198Au、3H、166Ho、111In、133mIn、155mIn、123I、125I、131I、189Ir、191mIr、192Ir、194Ir、52Fe、55Fe、59Fe、177Lu、15O、191m−191Os、109Pd、32P、33P、42K、226Ra、186Re、188Re、82mRb、153Sm、46Sc、47Sc、72Se、75Se、105Ag、22Na、24Na、89Sr、35S、38S、177Ta、96Tc、99mTc、201Tl、202Tl、113Sn、117mSn、121Sn、166Yb、169Yb、175Yb、88Y、90Y、62Znおよび65Zn。好ましくは、放射性同位元素は、131I、125I、123I、111I、99mTc、90Y、186Re、188Re、32P、153Sm、67Ga、201Tl77Br、または18F、であり、フォトスキャニングデバイスで画像化される。
【0071】
放射活性同位元素で生物学的因子を標識するための手順は、一般に当該分野で公知である。米国特許第4,302,438号は、トリチウム標識手順を記載する。マウスモノクローナル抗体に特に適合されたヨード化、トリチウム標識、および35S標識は、Goding,J.W.(前出、124〜126頁)およびその中において援用される参考文献に記載される。抗体、その結合部分、プローブ、またはリガンドのような生物学的因子をヨード化するための他の手順は、科学文献に記載される(HunterおよびGreenwood,Nature 144:945(1962)、Davidら、Biochemistry 13:1014−1021(1974)、および米国特許第3,867,517号ならびに米国特許第4,376,110号を参照のこと)。因子についてのヨード化手順は、Greenwood,F.ら、Biochem.J.89:114−123(1963);Marchalonis.J.,Biochem.J.113:299−305(1969);およびMorrison,Mら、Immunochemistry,289−297(1971)により記載される。99mTc標識手順は、Burchiel,Sら(編)、Tumor Imaging:The Radioimmunochemical Detection of Cancer,New York:Masson 111−123(1982)中でRhodes,Bらにより記載され、そしてその中において援用される参考文献に記載される。テクネチウム−99mでの抗体またはフラグメントの標識はまた、例えば、米国特許第5,317,091号、米国特許第4,478,815号、米国特許第4,478,818号、米国特許第4,472,371号、米国特許第Re32,417号、および米国特許第4,311,688号に記載される。111Inを標識する生物学的因子に適切な手順は、Hnatowich,D.J.ら、J.Immul.Methods,65:147−157(1983)、Hnatowich,D.ら、J.Applied Radiation,35:554−557(1984)、およびBuckley,R.G.ら、F.E.B.S.166:202−204(1984)により記載される。
【0072】
因子はまた、本発明のインビボ方法の目的のため、磁性常同位元素で標識され得る。磁気共鳴画像に有用な元素の例として、ガドリニウム、テルビウム、スズ、鉄、またはそれらの同位元素が挙げられる(インビボ核磁気共鳴画像における考察に関して、例えば、Schaeferら、(1989)JACC 14,472−480;Shreveら、(1986)Magn.Reson.Med.3,336−340;Wolf,G.L.,(1984)Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16.93−95;Wesbeyら、(1984)Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16,145−155;Rungeら、(1984)Invest.Radiol.19,408−415を参照のこと)。
【0073】
放射性標識化因子の場合、因子は、患者に投与され得、因子が結合するカリクレインを有する腫瘍に局在化され、そして、例えば、γカメラまたは放射(emission)トモグラフィーを使用する放射核スキャニング(radionuclear scannning)のような公知の技術を使用して、インビボで検出または「画像化」される。[例えば、A.R.Bradwellら、「Developments in Antibody Imaging」Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,R.W.Baldwinら、(編)65−85頁(Academic Press 1985)を参照のこと]。Brookhaven Nationl Labboratoryに設置されPet VIと示されるような、陽電子放射長軸断断層撮影スキャナー(positron emission transaxial tomography scanner)はまた、放射性標識が陽電子(例えば、11C、18Fe、15O、および13N)を放射する場合、使用され得る。
【0074】
放射性同位元素標識化因子を使用する全身画像化技術は、原発性腫瘍および転移した腫瘍の両方を局在化するために使用され得る。同じエピトープ特異性を有する、カリクレインに特異的な抗体、またはそのフラグメントは、適切な放射性同位元素と結合されるか、または組み合わされ、非経口投与される。卵巣癌または前立腺癌に関して、投与は、好ましくは、静脈内である。標識の体内分布は、シンチグラフィーによりモニターされ得、そして標識の蓄積は、癌細胞の存在に関係する。全身画像化技術は、米国特許第4,036,945号および米国特許第4,311,688号に記載される。抗体および抗体フラグメントに結合され得る、診断および治療(therapeuticuse)に有用な因子の他の例としては、メタロチオネインおよびフラグメントが挙げられる(米国特許第4,732,864号を参照のこと)。これらの因子は、診断段階(staging)および癌(特に卵巣癌または前立腺癌)の可視化において有用であり、結果として外科処置プロトコルおよび/または放射線処置プロトコルは、より効果的に使用され得る。
【0075】
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットを企図する。このキットは、使用前にさらに希釈され得る濃縮物(凍結乾燥組成物を含む)としてか、または使用濃度(ここで、バイアルが1以上の投薬量を含む)でかのいずれかで、カリクレインのエピトープに特異的に結合する抗体または抗体フラグメント、および抗体の、腫瘍細胞に関連するそのエピトープへの結合を検出する手段を備え得る。キットがインビボ使用について意図される場合、単回投薬量は、滅菌された容器中で提供され得、因子の所望の量および濃度を有する。直接の使用のための処方物を提供する容器は、通常、他の試薬を必要とせず、例えば、ここでキットは、インビボ画像化のための放射性標識化抗体調製物を備える。
【0076】
本発明の診断方法は、サンプル中のhK11を定量するための診断キットを使用して実施され得る。例としては、キットは、hK11に特異的な抗体、酵素で標識された抗体に対する抗体;およびその酵素に対する基質を備え得る。キットはまた、マイクロタイタープレートウェル、標準物質、アッセイ希釈液、洗浄緩衝液、接着プレートカバー、および/またはこのキットを使用する本発明の方法を実施するための指示書を備え得る。
【0077】
本発明はまた、核酸分子を使用して、hK11発現癌細胞の増殖を抑制する方法を提供する。
【0078】
hK11タンパク質をコードする遺伝子は、高レベルの所望のhK11をコードするフラグメントを発現するベクターを細胞または組織にトランスフェクトすることにより、止められ得る。このような構築物は、細胞を翻訳不能なセンス配列またはアンチセンス配列で満たし得る。DNAへの組み込みがない場合でさえ、このようなベクターは、すべてのコピーが内在性ヌクレアーゼにより無力にされるまで、RNA分子を転写し続け得る。
【0079】
遺伝子発現の改変は、アンチセンス分子、DNA、RNAまたはPNAを設計することにより、得られ得る。アンチセンス核酸分子は、hK11タンパク質をコードする遺伝子の調節領域、すなわちプロモーター、エンハンサー、およびイントロンに対する分子である。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、転写開始部位(例えば、リーダー配列の−10と+10の間の領域)に由来する。アンチセンス分子はまた、転写物のリボゾームへの結合を妨げることによりmRNAの翻訳をブロックするように設計され得る。阻害はまた、「三重らせん」塩基対形成方法論を使用して達成され得る。三重らせん対形成は、ポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の結合のために十分に開く、二重らせんの能力を損なう。三重DNAを使用する治療の進歩は、Gee J Eらにより、概説された(Huber B EおよびB I Carr(1994)Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co,Mt Kisco N.Y.)。
【0080】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒する酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーションにより作用し、内ヌクレオチド結合分解性切断が続く。従って、本発明は、hK11タンパク質をコードする配列の、内ヌクレオチド結合分解性切断を特異的かつ効果的に触媒し得る、操作されたハマーヘッドモチーフリボザイム分子を企図する。
【0081】
任意の潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、以下の配列、GUA、GUU、およびGUCを含むリボザイム切断部位について、標的分子を走査することにより、最初に同定され得る。一旦、この部位が同定されれば、切断部位を含む標的遺伝子の領域に相当する15ヌクレオチドと20ヌクレオチドとの間の短いRNA配列は、オリゴヌクレオチドを実行不能(inoperable)にし得る2次構造の特徴について評価され得る。候補の標的の適合性はまた、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用して、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの接触性を試験することにより決定され得る。
【0082】
ベクターを細胞または組織に導入する方法は、インビボ療法、インビトロ療法、およびエキソビボ療法に適した、当業者に公知の方法を含む。エキソビボ療法に関して、ベクターは、患者から得られ、そして同じ患者への自家移植のためにクローン増殖された幹細胞へ導入され得る(米国特許第5,399,493号および同第5,437,994号を参照のこと)。トランスフェクションによる送達およびリポソームによる送達は、当該分野で公知である。
【0083】
なおさらに、本発明は、hK11タンパク質の生物学的活性を調節する能力について化合物を評価する方法を提供する。従って、本発明は、前立腺癌または卵巣癌の処置において潜在的に有用である。例えば、hK11に結合する物質、あるいはタンパク質およびそのタンパク質に結合する物質との相互作用を阻害または増強する物質が評価され得る。一つの実施形態において、この方法は、物質とタンパク質との間の複合体を形成させる条件下で、このタンパク質および試験化合物に結合する物質とともに、既知濃度のhK11を提供すること、ならびに複合体を取り出すこと、および/または検出することを包含する。
【0084】
他の実施形態において、本発明は、hK11タンパク質のインヒビターを同定する方法を提供し、以下を包含する:
(a)hK11タンパク質およびhK11タンパク質に結合する物質、または相互作用する各々の少なくとも一部分を含有する反応混合物を提供すること;
(b)反応混合物を1以上の試験化合物と接触させること;
(c)hK11タンパク質と物質との相互作用を阻害する化合物を同定する。
【0085】
hK11タンパク質の生物学的活性を調節する化合物はまた、その化合物の存在下または非存在下での、組織および細胞におけるタンパク質の発現パターンならびに発現量を比較することによって同定され得る。さらに、hK11タンパク質の生物学的活性を調節する化合物はまた、酵素活性の調節(すなわち、阻害または増強)についてアッセイすることにより同定され得る。
【0086】
特定の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用される反応混合物は、細胞全体である。他の実施形態において、反応混合物は、細胞溶解物または精製されたタンパク質組成物である。本発明の方法は、試験化合物のライブラリーを使用して、実施され得る。このような因子は、(動物、植物、真菌および/または微生物から単離されるような)タンパク質、ペプチド、核酸、糖質、有機低分子、および天然物抽出物ライブラリーであり得る。
【0087】
本発明のなお別の局面は、因子発見ビジネスを行う方法を提供し、以下を包含する:
(a)因子のhK11タンパク質およびこのタンパク質と結合する物質に結合する能力、またはhK11タンパク質とこのタンパク質に結合する物質との相互作用を阻害もしくは増強する能力、あるいはhK11タンパク質の酵素活性を調節する能力により、因子を同定するための1以上のアッセイシステムを提供すること;
(b)動物における効果および毒性について、工程(a)で同定された因子、またはそのさらなるアナログの治療プロファイリングを行うこと;そして
(c)工程(b)で同定された1以上の因子を含有する薬学的調製物を、受容可能な治療プロフィールを有するように処方すること。
【0088】
特定の実施形態において、本発明の方法はまた、売り物の薬学的調製物を分配するための分配システムを確立する段階を含み得、そして必要に応じて、薬学的調製物を市販するための販売グループを確立することを包含し得る。
【0089】
抗体、アンチセンス核酸分子、ならびに本発明に従って同定された物質および化合物は、hK11タンパク質の生物学的活性を調節するために使用され得、そしてそれらは、前立腺癌および卵巣癌のような状態の処置において使用され得る。従って、この物質および化合物は、前立腺癌および卵巣癌のような障害に罹患した個体への投与にための組成物中に処方され得る。特に、抗体、アンチセンス核酸分子、物質および化合物は、癌細胞内または癌細胞上にhK11タンパク質を有する患者を処置するために使用され得る。
【0090】
従って、本発明はまた、本発明の方法を使用して同定される1以上の物質または化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤あるいは希釈剤を含む組成物に関する。癌のような障害を処置または予防する方法がまた提供され、この方法は、本発明の方法を使用して同定される物質または化合物、抗体、hK11アンチセンス分子、あるいは本発明の組成物の、それを必要とする患者への投与を包含する。
【0091】
本発明はまた、癌(例えば、前立腺癌または卵巣癌)の重篤度を予防あるいはその重篤度を減少させるための免疫療法のアプローチを提供する。被験体の癌の臨床徴候または症状は、癌に対する被験体の免疫応答の刺激に起因する患者への有益な効果を示す。免疫応答を刺激することとは、本発明のワクチン調製物の投与に応答して、免疫応答を誘導すること、または免疫エフェクター細胞の活性を増強することをいう。癌の予防は、例えば遺伝的性質または発癌物質への曝露よって癌を発症しやすい患者における、癌の出現のときまでの時間増加によって示され得る。癌の重篤度の減少は、腫瘍のサイズまたは増殖速度の減少により示され得る。
【0092】
本発明は、ワクチンが投与される被験体において、hK11タンパク質に対する抗体の産生を刺激または増強するためのワクチンを広く企図する。
【0093】
本発明はまた、被験体において、hK11タンパク質に対する抗体の産生を刺激または増強する方法を提供する。この方法は、被験体に、抗体の産生をを刺激または増強するために有効な用量で、本発明のワクチンを投与することを包含する。
【0094】
本発明はさらに、癌(特に前立腺癌および卵巣癌)の再発を処置する、予防する、または遅延させるための方法を提供する。この方法は、被験体に、癌の再発を処置する、予防する、または遅延させるために有効な用量で、本発明のワクチンを投与することを包含する。
【0095】
ワクチンは、hK11タンパク質、それに由来するペプチド、もしくは化学的に生成された合成ペプチド、またはこれらの分子の任意の組合せ、あるいはその融合タンパク質またはそのペプチドに由来し得る。タンパク質、ペプチドなどは、hK11タンパク質の1以上のエピトープに対応する1以上のアミノ酸配列を含むように合成され得る、あるいは組換え的にまたは別に生物学的に調製され得る。hK11タンパク質のエピトープは、いくつかの例において、天然に存在するタンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列のバリエーションが抗原性であり得、そして癌に対する防御免疫または抗腫瘍原性効果を与え得る可能性を含むことが理解される。配列のバリエーションは、アミノ酸置換、伸長、欠失、短縮(truncation)、補間(interpolation)およびそれらの組合せを、制限無く含み得る。このようなバリエーションは、それらを含むタンパク質が、免疫原性であり、ワクチンとして投与される場合、このようなポリペプチドに対する抗体は、防御免疫および/または抗腫瘍原性活性を提供するために十分な程度に、天然に存在するhK11タンパク質と交差反応するならば、本発明の範囲内である。
【0096】
hK11タンパク質、ペプチドなどは、当該分野で公知の方法を使用して免疫応答を誘導し得るワクチンに組み込まれ得る。タンパク質、ペプチドなどの抗原性を増強する技術は、当該分野で公知であり、多量体構造内への組み込み、高度に免疫原性のタンパク質キャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH))、またはジフテリア類毒素に結合させること、およびアジュバントまたは免疫応答の任意の他のエンハンサーと組合せて投与することを包含する。
【0097】
ワクチンは、(免疫学的に受容可能な希釈剤およびキャリアならびに一般に使用されるフロイント完全アジュバント、サポニン、ミョウバンなどのようなアジュバントを含む)生理学的に受容可能な媒質と組み合わせ得る。
【0098】
hK11タンパク質に対する抗体に対する抗イディオタイプ抗体もまた、ワクチンとして有用であり、同様に処方され得ることが、さらに理解される。
【0099】
ワクチンの投与は、一般に、癌(特に、前立腺癌および卵巣癌)の予防または処置に適用可能である。
【0100】
癌の予防および/または処置のための、本発明に従うワクチンの患者への投与は、癌を除去する外科的手順の前または後、癌の処置のための化学療法の手順の前または後、および癌の処置のための放射線療法の前または後、ならびにそれらの任意の組合せに行われ得る。付随する副作用が、他の利用可能な処置(例えば、外科手術、化学療法、放射線療法)と比較して、実質的に最小であるので、本発明に従う癌の免疫療法は、癌の予防および/または処置のための好ましい処置である。ワクチンは、癌を有しないが、癌を発症する危険性のある被験体において、癌(特に前立腺癌および卵巣癌)を予防する潜在性または能力を有する。
【0101】
以下の非限定的実施例は、本発明の例示である。
【実施例】
【0102】
(実施例1)
(材料および方法)
組換えhK11タンパク質を、hK10タンパク質について他で詳細に記載されている手順(11)を使用して産生した。簡単には、完全なKLK11 cDNAコード配列を、EasySelectTM Pichia pastoris yeast expression system(Invitrogen)にクローニングした。挿入物の配列の確からしさを、二本鎖DNA配列決定によって確認した。安定な酵母クローンを同定し、そしてメタノールの存在下で5日間培養した。次いで、これらの細胞をスピンダウンし、この組換えhK11を含む上清を回収した。
【0103】
この組換えhK11タンパク質を、記載されるような、カチオン交換クロマトグラフィー、その後のVydac C4カラムでの逆相勾配クロマトグラフィー(11)を使用することによってこの上清より精製した。画分中のhK11の存在を、抗hK11ペプチド抗体を使用するウエスタンブロッティングで確認した。精製した組換えhK11の純度および分子量を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびクーマシー青での染色によって評価した。この精製した組換えhK11のタンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン(Pierce Chemical Co.)を較正として用いる二シンコニン酸法によって決定した。この組換えhK11タンパク質のポジティブな同定および特徴付けを、以前に記載されるように(11)、トリプシン消化およびナノ電気スプレー質量分光測定法を使用することによって達成した。
【0104】
(hK11に対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生)
この精製した組換えhK11タンパク質を使用して、ウサギおよびマウスを免疫した。hK11(100μg)を、雌Balb/cマウスおよびNew Zealand白ウサギに皮下注射した。このタンパク質を、最初の注射のためにフロイント完全アジュバントに希釈し、そして後の注射のためにフロイント不完全アジュバントに希釈した。注射を、3週間間隔でウサギには6回、マウスには3回繰り返した。血液を、これらの動物より取り出し、抗体生成のために試験した。スクリーニング戦略は、hK10について他で記載されているもの(11)と同様であった。ウサギポリクローナル抗体を、さらに精製することなく免疫蛍光測定アッセイを開発するために使用した。
【0105】
hK11に対するモノクローナル抗体を、以前に記載されるように(38)、標準的なハイブリドーマ技術を使用することによって産生した。ポジティブなクローンを、記載されるように(11)組織培養上清をスクリーニングすることによって同定した。ポジティブなクローンを、24ウェルプレートおよび6ウェルプレートに連続的に広げた。上清を、IgGイソタイプ決定を実施することによってさらに特徴付け、そしてクローンを、限界希釈に供した。次いで、これらのクローンをフラスコ中で増殖させて、無血清培地中に多量の上清を生成した。モノクローナル抗体を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用することによって上清から精製した。
【0106】
(hK11についての免疫蛍光測定アッセイ)
(標準アッセイ手順)
コーティング緩衝液(50mmol/L Tris(pH7.80)を含む)中に希釈した精製抗hK11モノクローナル抗体を、96ウェルの白ポリスチレンマイクロタイタープレート(100μL/500ng/ウェル)に分配し、室温で一晩インキュベートした。次いで、このプレートを、洗浄緩衝液(10mmol/L Tris緩衝液(pH7.8)中、9g/L NaClおよび0.5g/L Tween−20を含む)で3回洗浄した。100μLのhK11較正(60g/L BSA中の組換えhK11)またはサンプルを、50μLのアッセイ緩衝液とともに各ウェル中に適用した。このアッセイ緩衝液は、50mmol/L Tris緩衝液(pH7.80)(1リットル当たり60g BSA、0.5mol KCl,0.5g Tween−20、10g ウシ免疫グロブリン、100mL ヤギ血清および25mLマウス血清を含む)であった。このプレートを旋回式攪拌器上で2時間インキュベートして、hK11分子をプレートに結合させた。次いで、このプレートを6回洗浄した。続いて、このプレートを、ウェル当たり100μLのウサギ抗hK11ポリクローナル抗体(アッセイ緩衝液中に2,000倍希釈した)で1時間インキュベートした。次いで、このプレートを、洗浄緩衝液で6回洗浄した。100μLのアルカリホスファターゼ結合体化ヤギ抗ウサギ抗体(Jackson Immuno Research)(アッセイ緩衝液中に3,000倍希釈した)を、各ウェルに添加し、30分間インキュベートし、そして上記のように6回洗浄した。最後に、100μLの1mmol/L ジフルニサルリン酸(DFP)(基質緩衝液(0.1mol/L Tris(pH9.1)、0.1M NaClおよび1mmol/L MgCl2)中に希釈した)を、各ウェルに添加し、そして10分間インキュベートした。100μLの現像液(1mol/L Trisベース、0.4mol/L 水酸化ナトリウム、2mmol/L TbCl3および3mmol/L EDTA)を、各ウェルにピペッティングして1分間混合した。蛍光を、以前に記載されるように(10)、CyberFluor 615 Immunoanalyzer(MDS Nordion,Kanata,Ontario,Canada)での時間分解蛍光測定器で測定した。較正およびデータ換算を、自動的に行った。
【0107】
(アッセイ特性の決定)
アッセイ特性を、基本的に他で記載されている(11)ように決定した。
【0108】
(ヒト組織細胞質ゾル抽出物および生物学的体液)
ヒト組織細胞質ゾル抽出物を、以下のように調製した。種々の凍結ヒト組織(0.2g)を、ドライアイス上で微細粉末に粉砕した。溶出緩衝液(1mL(50mmol/L Tris(pH8.0)、150mmol/L NaCl、5mmol/L EDTA、10g/L NP−40界面活性剤、1mmol/L フェニルメチルスルホニルフロリド、1g/L アプロチニン、1g/L ロイペプチンを含む))を、組織粉末に添加し、そしてこの混合物を、10分毎に振盪および混合を繰り返しながら氷上で30分間インキュベートした。次いで、この混合物を、14,000rpmで4℃にて30分間遠心分離した。次いで、上清(細胞質ゾル抽出物)を回収した。試験したこの生物学的体液は、慣用的な生化学的試験に供したサンプルの残りであった。全ての組織細胞質ゾル抽出物および生物学的体液を、使用するまで−80℃で保存した。
【0109】
(回収率)
組換えhK11を、種々の濃度でヒト血清サンプル中に添加し、そして開発したhK11免疫アッセイで測定した。次いで、内因性濃度を差し引いた後に、回収率を算出した。
【0110】
(サイズ排除HPLCでの生物学的体液の分画)
生物学的体液を、基本的に他で記載されている(11)ように、シリカベースゲル濾過カラムで分画した。この画分を回収し、そして開発した免疫アッセイでhK11について分析した。
【0111】
(免疫組織化学)
マウスモノクローナル抗体を、上記のように、酵母細胞にて産生したhK11全長組換えタンパク質に対して惹起した。hK11に対する免疫組織化学染色を、標準的な免疫ペルオキシダーゼ法に従って行った。簡単には、パラフィン包埋した組織切片(4μm)を固定し、そしてロウを取り除いた。内因性ペルオキシダーゼ活性を、3%過酸化水素水で15分間ブロックした。次いで、切片を、0.4%ペプシン(pH2.0)で42℃にて5分間処理し、そして20%タンパク質ブロッカー(Signet Labs)で10分間ブロックした。次いで、一次抗体を、1:3,000希釈で室温にて1時間添加した。洗浄後、ビオチン化抗マウス抗体(Signet Labs)を添加し、抗体希釈緩衝液(Dako)で4倍に希釈した。インキュベーションおよび洗浄の後、ストレプトアビジンタグ化西洋ワサビペルオキシダーゼを、室温で30分間添加した。洗浄後、アミノエチルカルバゾール(AEC)を5〜10分間用いて検出を果たした。次いで、スライドを、ヘマトキシリンで対比染色し、次いでカバーガラスをマウントした。
【0112】
(hK11のホルモン調節)
hK11のホルモン調節を研究するために、基本的に他で記載されている(39)ように、種々の細胞株を培養し、次いで、種々のステロイドで刺激した。全てのステロイドホルモンを、最終濃度10−8Mで使用した。組織培養上清を、7日後に回収し、hK11の分析およびコントロールとしての前立腺特異的抗原の分析のために使用した。PSA分析を、他で記載されている方法(40)で行った。
【0113】
(結果)
組換えhK11タンパク質を、細菌発現系および酵母発現系の両方で産生した。このタンパク質を、以前に記載されている(11)ように、イオン交換クロマトグラフィーおよび逆相液体クロマトグラフィーの連続サイクルを使用して精製した。タンパク質の同定を、ナノ電気スプレー質量分光測定法(11)によって確認した。高度に精製したタンパク質の濃縮(SDS−PAGEによって>99%)を、ウシ血清アルブミンを標準として用いて、二シンコニン酸総タンパク質法によって達成した。
【0114】
モノクローナルマウス抗体およびポリクローナルウサギ抗体を、標準的技術(38)を使用して惹起した。ELISA型サンドイッチアッセイにおいて、高親和性モノクローナル抗体を、マイクロタイタープレートのコーティングのために使用し(捕捉抗体)、そしてポリクローナルウサギ抗体を、検出のために使用した。以前に記載されている(10)ように、アルカリホスファターゼで標識したヤギ抗ウサギポリクローナル二次抗体もまた使用して、アルカリホスファターゼの活性を、時間分解蛍光測定によって検出した。最少の可能な検出限界を得るために、このアッセイを、使用した試薬の量およびインキュベート時間の点で注意深く最適化した。最適な条件を上記する。
【0115】
このアッセイについての典型的な較正曲線を、図1に示す。95%の信頼度で0と区別され得る分析物の濃度として規定される検出限界は、0.1μg/Lであり、ダイナミックレンジは50μg/Lに広がる。同時(within−run)および日差(day−to−day)での精度研究は、測定範囲内で<10%のCVを産生する。添加した組換えhK11の血清への回収率は、平均50%であった(表1)。このアッセイの交差反応性を、他の相同のカリクレインに対してさらに評価した。hK2、hK4、hK6、hK10およびhK13(研究室内で産生した)を1,000μg/Lまでのレベルで試験した場合、これらのタンパク質からは検出可能な交差反応性を見出さなかった。PSA(hK3)について、使用したPSAを精漿から精製した場合、いくつかの交差反応性を検出した。1,000μg/Lおよび10,000μg/Lの精漿PSAにおいて、hK11の等価な濃度は、それぞれ0.23μg/Lおよび3.2μg/Lであり、0.028%の平均交差反応性を産生した。しかし、細菌中で産生した組換えPSAで交差反応性を試験した場合、交差反応性は、かなり低かった(0.0003%)。よって、より高い交差反応性が精漿PSAを用いて見出されたことは、この調製物中のhK11夾雑物に起因するようであると、結論付けた。PSAがhK11免疫アッセイと交差反応しないさらなる証拠を、以下の段落で提供する。
【0116】
種々のヒト組織におけるhK11タンパク質の分布を研究するために、細胞質ゾル抽出物を、上記のように調製し、hK11を、開発した免疫アッセイによって定量した。全ての値を、抽出物の総タンパク質含量について補正した。データを、図2に示す。最高レベルのhK11を前立腺において、続いて胃、気管、皮膚および結腸において見出した。最低レベルを、下垂体、精巣、肺、小腸および精嚢において見出した。hK11の細胞性分布を研究するために、腸上皮におけるパラフィン包埋した組織において免疫組織化学的に局在化した(図3A、B)。染色は、上皮細胞の細胞質に限定された。
【0117】
hK11の存在を、種々の生物学的体液においてさらに試験した。データを表2に示す。hK11を、試験した体液全てにおいて検出し、羊水および泌乳中の女性の乳汁において、最大レベルを観察した。これらの体液中でのhK11の存在は、hK11が分泌タンパク質であることのさらなる証拠を提供する。
【0118】
精漿中のhK11をさらに定量し、このセリンプロテアーゼが前立腺において最大レベルで存在するという事実を得た(図2)。異なる5つの前立腺組織抽出物中のhK11をまた、PSA(hK3)とともに定量し、これらの相対的アバンダンスを確立した。これらのデータを表3に示す。精漿中のhK11濃度は、表2に示す他の生物学的体液のいずれよりも平均で100倍より高い。前立腺組織抽出物において、hK11レベルは、PSAレベルの約1/250より低く、PSAレベルとhK11レベルとの間の相関はない。精漿において、hK11レベルはまた、PSAの約1/300より低い。精漿においてPSA濃度とhK11濃度との間の相関がないこと(表3)は、この体液中の比較的多量のPSAによってこのアッセイが影響されないことをさらに示唆する。別の前立腺のカリクレインであるhK2は、PSAの約1/100〜1/500より低いレベルで精漿中に存在する(41)。よって、hK11は、PSAの1/300のレベルおよびhK2とほぼ等しいレベルで精漿中に存在するようである。
【0119】
組織培養系は、hK3およびhK2のホルモン調節を研究するためにこれまでに確立されている(39)。この研究において使用した細胞株は、LNCaP(前立腺癌)、PC−3(AR)(アンドロゲンレセプターを安定的にトランスフェクトした前立腺癌細胞株)、MCF−7(乳癌)、MFM−223(乳癌)、ZR−75(乳癌)、BT−474(乳癌)、T−47D(乳癌)、BT20(乳癌)およびBG−1(卵巣癌)であった。これらの細胞株全てから、2つのみ(MCF−7およびBT−474)が、ホルモン刺激の際に検出可能なhK11を産生および分泌し得た。図4から観察することができるように、hK11タンパク質産生は、両方の細胞株において主にエストラジオールによって高度に刺激され、そして他のステロイドホルモンによって低度に刺激される。対照的に、PSA(hK3)は、BT−474細胞において、ジヒドロテストステロン(DHT)およびプロゲスチンノルゲストレルによって高度にアップレギュレートされる。これまでのデータに従って、PSAの産生は、MCF−7細胞株においては見出されなかった(39)。これらのデータは、KLK11遺伝子がこれらの細胞株において主にエストロゲンによって強度にアップレギュレートされることを、強く示唆する。
【0120】
40人の見かけ上健康な女性(25歳〜60歳)および32人の男性(30歳〜65歳)の血清において、hK11を定量した。得られた値の分布を、図5Aおよび5Bに示す。前立腺の存在に明らかに起因して、男性は、約3倍高いレベルを有する。男性の中央値(0.32μg/L)および女性の中央値(0.11μg/L)は、有意に異なる(マンホイットニー試験によってp<0.01)。さらなる分析について、女性について0.25μg/Lおよび男性について0.50μg/Lの上方参照範囲(upper reference range)(95パーセンタイル)を、考慮した。
【0121】
種々の悪性腫瘍を有する患者由来の114個の血清サンプルの全てを、hK11がこれらのいずれかにおいて増大されているか否かを試験するために分析した。データを表4に示す。hK11増大の最大パーセントは、卵巣癌および前立腺癌を有する患者において観察された。卵巣癌組織におけるhK11の免疫組織化学的局在化を、図3C、Dに示す。
【0122】
アッセイによって決定された精漿および血清におけるhK11の分子形態を試験するために、高いhK11を有する1つの精漿および1つの血清サンプルを、ゲル濾過カラムで分離した。データを図6に示す。精漿中のhK11は、分子量30kDaに対応する単一のピークとして溶出する(遊離hK11)。血清において、主要な30kDa形態に加えて、分子量約100kDaに対応する小さなピーク(<10%)が存在する。これは、PSAについて示されたように(42、43)、血清プロテイナーゼインヒビターに結合したhK11を示し得る。
【0123】
(考察)
既知の癌生物マーカーの全ての中で、前立腺特異的抗原(PSA)は、その組織特異性に起因して最も価値がある。増大した血清PSAレベルは、前立腺癌を有する患者において見られ、そしてこの試験は、この疾患の診断およびモニタリングに広範に使用される。PSAは、ヒト組織カリクレイン遺伝子ファミリーのメンバーであり、これは、分子量30kDaの分泌型セリンプロテアーゼである(5、6、25および44)。このファミリーの別のメンバーであるヒト腺カリクレイン2(hK2)は、前立腺癌についての新しい生物マーカーである(5)。より最近、カリクレイン遺伝子ファミリーの別の2つのメンバーであるhK6およびhK10は、卵巣癌についての新たな生物マーカーとして提唱された(26、27)。現在15つの既知のカリクレイン遺伝子が存在するが、多くのファミリーメンバーは、詳細には研究されていない(6、25)。
【0124】
組換えhK11タンパク質を、酵母発現系および細菌発現系の両方で産生した。これらのタンパク質は、クロマトグラフィーによって高度に精製され、そしてモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を産生するために免疫原として使用された。これらの抗体を使用して、生物学的体液および組織抽出物におけるhK11定量に適切な高感受性免疫アッセイを開発した。他のいくつかのカリクレイン(hK2、hK3、hK4、hK6、hK10)(6,25)と同様に、hK11は、前立腺において高度に発現され、そして他の多くの組織において低度に発現される(図2)。多くの生物学的体液(羊水および泌乳中の女性の乳汁を含む)は、多量のhK11を含む(表2)、しかし、最大レベルは、精漿において見られる(表3)。
【0125】
hK11は、上皮細胞によって分泌され、そしてこれらの細胞のゴルジ装置に代表されるような、核上画分に免疫局在化されている(図3)。このファミリーの他の多くのメンバーと同様に、hK11は、2つの乳癌細胞株において、ステロイドホルモン、特にエストラジオールによってアップレギュレートされる(図4)。このファミリーの他のメンバー(例えば、PSA、hK2およびhK4)は、アンドロゲンによってアップレギュレートされ(6、25、39)、その一方他のカリクレインは、エストロゲンによってアップレギュレートされる(6、25、45)。
【0126】
本明細書中に記載されるアッセイは、生物学的体液中のhK11の遊離形態を主に検出する(図6)。血清を用いるデータは、hK11もまた、他のカリクレインと同様に(42、43)プロテイナーゼインヒビターとの複合体形態で存在し得ることを示唆する。血清でのより低い回収率(約50%;表1)は、hK11が循環中への侵入の際にプロテイナーゼインヒビターに結合し得ることをさらに示唆する。
【0127】
hK11は前立腺に存在するが、その濃度は、PSAより実質的に低い(表3)。しかし、hK11濃度およびhK2濃度は前立腺組織抽出物および精漿の両方においてほぼ等しいようである(41)。PSAはセメノゲリン(semenogelin)を切断し得、そして血清融解を容易にすることが、以前に示された(46)。さらに、hK2は、PSAのプロ形態を活性化し得る(47〜49)。より最近、前立腺に発現される別のカリクレインであるhK15(33)は、hK2より効率的にPSAのプロ形態を活性化することが、示された(50)。
【0128】
血清hK11濃度は、卵巣癌および前立腺癌を有する患者の大多数において増大された(表4)。hK11タンパク質は、卵巣癌組織において免疫組織化学的に局在化された(図3)。陽性は、腫瘍細胞の細胞質において優性に見られた。
【0129】
本発明は、本明細書中に記載される特定の実施形態による範囲に限定されない。なぜなら、このような実施形態は、本発明の1つの局面の単一の例示でしかなく、そして任意の機能的等価実施形態は、本発明の範囲内であると意図されるからである。実際、本明細書中に示されそして記載されるものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の記載および添付の図面から当業者に明らかとなる。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【0130】
本明細書中に参照される全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願の各々の全体が参考として援用されることが具体的および個別に示されているのと同程度に、その全体が参考として援用される。本明細書中で言及された全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明と合わせて使用され得る本明細書中で報告される抗体、方法論などを記載および開示する目的で、本明細書中に参考として援用される。本明細書中の全ての記載事項は、本発明が以前の発明によってこのような開示を予期する権利を与えられないという承認として解釈されるべきではない。
【0131】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、その文脈が明らかに他を示されない限り、単数形「a」、「an」および「the」は、複数の参照を含むということに、注意せねばならない。よって、例えば、「抗体(antibody)」に対する参照は、1つ以上の抗体(antibodies)および当業者に知られるその等価物などに対する参照である。
【0132】
以下の完全な列挙は、本明細書中に参照される参考文献を示す。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
【表4】
1.この値は、健康な男性の95パーセンタイルを示す。
2.卵巣癌を有する女性について、その70%が0.25μg/Lより多いhK11を有した(健康な女性の95パーセンタイル)。
【0137】
【表5】
本発明は、ここで、図面に関連して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1は、hK11免疫蛍光測定アッセイの較正曲線を示す。このアッセイは、0.1μg/L(最小検出限界)〜50μg/Lの動的範囲を有する。ゼロ標準の蛍光が、他の全ての測定値から差引かれた。
【図2】図2は、種々のヒト組織の細胞質抽出物のヒトカリクレイン11(hK11)含量を示す。すべてのhK11濃度は、総タンパク質量について補正された。
【図3】図3は、hK11タンパク質組織の免疫組織化学局在化を示す。染色は、実施例1に記載されるように、モノクローナル抗hK11抗体を用いて実施された。(A)小腸上皮細胞の核上細胞質における強い染色を示す(もとの倍率×400)。(B)Aと同じ組織の別の切片を示す。(C)卵巣の侵襲性乳頭漿液細胞癌の上皮細胞におけるhK11の免疫組織化学染色を示す(もとの倍率×400)。(D)Cと同じ組織の別の切片)を示す。
【図4】図4は、乳癌細胞株BT−474およびMCF−7におけるhK11産生のホルモン調節を示す。組織培養上清中の最高hK11タンパク質濃度が、エストラジオールで処理された細胞において観察された。BT−474細胞において、以前に記載された(23)ように、ジヒドロテストステロンおよびノルゲストレルを用いて誘導された後に、組織培養上清中の最高PSAレベルが観察された。略語:AL、アルコール(ネガティブコントロール);aldo、アルドステロン;estra、エストラジオール;dexa、デキサメタゾン;DHT、ジヒドロテストステロン;norg、ノルゲストレル。
【図5A】図5Aは、40人の女性のhK11血清濃度の分布を示す。中央値について、実施例1を参照のこと。
【図5B】図5Bは、32人の男性のhK11血清濃度の分布を示す。中央値について、実施例1を参照のこと。
【図6】血清サンプル(A)および精漿サンプル(B)のゲル濾過カラム上での高速液体クロマトグラフィー分離を示す。血清において、33kDa付近の大ピークが、100kDa付近の小ピークとともに示される。その大ピークは、hK11の遊離形態を示す。精漿において、この酵素の遊離形態のみが、検出可能である。
【0001】
(発明の分野)
本発明は、癌に対する診断法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
前立腺特異的抗原(PSA)は、最も記載された癌マーカーであり、そして前立腺癌の診断およびモニタリングに関して現在広範に使用されている(12)。PSAは、セリンプロテアーゼであるヒトカリクレインファミリーのメンバーであり、キモトリプシン様酵素活性を有する。ヒトカリクレインファミリーの別のメンバーであるヒト腺カリクレイン2(hK2)は、新たな潜在的前立腺生物マーカーである(5)。近年、ヒトカリクレイン遺伝子ファミリーは、DNAレベルおよびアミノ酸レベルの両方で顕著な類似性を共有する15個のメンバーを含むように拡張されてきた(6、25)。ヒトカリクレイン遺伝子ファミリーの全てのメンバーは、染色体19q13.4上に局在し、分泌型のセリンプロテアーゼをコードする。近年、このファミリーの2つのメンバーであるhK6およびhK10が前立腺癌または卵巣癌の診断およびモニタリングについての潜在的な生物マーカーであることが、報告された(26、27)。さらに、同一ファミリーの多くの他のメンバーは、卵巣癌および他の癌において過剰発現または過少発現されることが見出された(28〜37)。
【0003】
hK11をコードする遺伝子は、最初Yoshidaらによってクローニングされ、トリプシン様セリンプロテアーゼと命名された(8)。新たに確立されたカリクレイン遺伝子命名法に従って、この遺伝子は、現在ヒトカリクレイン11(KLK11;そのタンパク質はhK11として呼ばれる)として知られている(7)。組織抽出物または生物学的体液中のhK11タンパク質を測定する方法は、現在存在しない。逆転写ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)によって、KLK11遺伝子が多くの組織中(脳、皮膚、唾液腺、胃、前立腺および腸を含む)に発現されることが、実証された(9)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本出願人らは、正常な被験体と比較して、癌、特に前立腺癌および卵巣癌を有する患者において、血清中のhK11濃度が顕著に増加されていることを見出した。よって、hK11は、癌の診断、モニタリング(すなわち、進行または治療処置のモニタリング)および予知についての新たな生物マーカーを構成する。特に、hK11は、前立腺癌または卵巣癌の診断、モニタリングおよび予知について用いられ得、そして術前または再発後の生物マーカーとして使用され得る。
【0005】
kH11およびhK11に結合する因子を使用して、卵巣癌または前立腺癌を検出し、そしてこれらは卵巣癌または前立腺癌の診断的評価、およびこのような障害に対する素因を有する患者の同定において、使用され得る。
【0006】
用語「検出する」または「検出」としては、標的hK11、そのサブユニットもしくは標的に結合した試薬の組み合わせなどの存在もしくは非存在を確立する、アッセイ、画像化または他の方法、あるいは、卵巣もしくは前立腺の癌、転移、病期もしくは類似の状態の1つ以上の実際の特性についてのアッセイ、画像化、確認、確率もしくは測定する他の方法が挙げられる。この用語は、hK11についての診断的適用、予後的適用およびモニタリング適用を包含する。
【0007】
hK11の存在を測定する方法を使用して、hK11を検出または使用することによって卵巣癌または前立腺癌をモニタリングし得る。
【0008】
本発明は、被験体における前立腺癌または卵巣癌の診断およびモニタリングに関する方法に関し、この方法は、被験体由来のサンプル中のhK11を測定する方法を包含する。hK11は、hK11またはhK11をコードする核酸配列を検出する試薬を使用して測定され得る。
【0009】
本発明の1つの局面において、被験体中の癌マーカーhK11の発現を検出するための方法が提供され、被験体からサンプルを得る工程、およびこのサンプルにおいてhK11をコードする核酸配列またはhK11核酸配列によってコードされるタンパク質産物を検出する工程を包含する。
【0010】
本発明の1つの局面において、以下の工程を包含する卵巣癌または前立腺癌について被験体をスクリーニングする方法が、提供される:(a)被験体より生物学的サンプルを得る工程;(b)このサンプル中のhK11の量を検出する工程;および(c)検出されたこのhK11の量を予め決定された標準と比較する工程。ここで、予め決定された標準レベルの検出とは異なる(例えば、より多い)hK11レベルの検出は、疾患を示す。
【0011】
別の局面において、本発明は、前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体において、前立腺癌または卵巣癌の存在を検出するための診断法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体から得られる生物学的サンプル(例えば、細胞、組織または体液)中のhK11のレベルを測定する工程;(b)測定されたhK11ポリペプチドレベルを予め決定された標準(例えば、標準コントロール)中のhK11レベルと比較する工程。ここで、標準レベルの検出とは異なる(例えば、より多い)hK11レベルの検出は、疾患を示す。
【0012】
予め決定された標準は、癌を有さない正常コントロール被験体由来のサンプル(例えば、正常の細胞、組織または体液)、異なる疾患病期を有する被験体由来のサンプル、またはその被験体の他のサンプル由来のサンプルについて測定されたレベルに一致する。正常コントロールである標準と比較された被験体中の増大されたhK11ポリペプチドレベルは、一般的には前立腺癌または卵巣癌を示す。
【0013】
本発明はまた、前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体において、前立腺癌または卵巣癌の存在を検出するための診断法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体由来の生物学的サンプル(例えば、細胞、組織または体液)中のhK11転写レベルを測定する工程;および(b)測定されたhK11転写レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の生物学的サンプル(例えば、正常な細胞、組織または体液)中のhK11転写レベルと比較する工程。ここで、この被験体中のhK11転写レベル対この予め決定された標準(例えば、正常コントロール)中のhK11転写レベルの変化(例えば、増加)は、前立腺癌または卵巣癌に関連する。
【0014】
なおさらに本発明は、被験体において、転移の開始について前立腺癌または卵巣癌をモニタリングする方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)転移していることが知られていない前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体を同定する工程;(b)この被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;および(c)この被験体において測定されたhK11レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の同一型の生物学的サンプルにおけるhK11レベルと比較する工程。ここで、この被験体におけるhK11転写レベル対この予め決定された標準(例えば、正常コントロール)におけるhK11転写レベルの変化(例えば、増加)は、転移した癌に関連する。
【0015】
本発明の別の局面は、前立腺癌または卵巣癌に罹患する被験体における前立腺癌または卵巣癌の病期をモニタリングする方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体を同定する工程;(b)この被験体に関するhK11の基底線レベルを確立するために、この被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;(c)この被験体由来の同一型の生物学的サンプルにおいて、その後の時期でのhK11レベルを測定する工程;および(d)測定されたhK11レベルをhK11基底線レベルと比較する工程。ここで、この被験体において測定されたhK11レベル対この被験体におけるhK11基底線レベルの増加は、進行する癌に関連し、そして、測定されたhK11レベル対hK11基底線レベルの減少は、退行または寛解する癌に関連する。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、hK11は、hK11と結合する物質、好ましくはhK11に特異的な抗体を使用して測定される。
【0017】
従って、本発明は、被験体由来の生物学的サンプル中のhK11を定量することによって、この被験体中の前立腺癌または卵巣癌を検出するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と反応させる工程;(b)この生物学的サンプル中のhK11レベルを測定するために、この検出可能な物質を検出する工程;および(c)このhK11レベルを、予め決定された標準(例えば、正常コントロール)由来の生物学的サンプル中のhK11レベルと比較する工程。ここで、hK11レベルの変化(例えば、増加)は、前立腺癌または卵巣癌を示す。
【0018】
本発明の方法の実施形態は、以下の工程を包含する:(a)被験体由来の生物学的サンプルを、酵素で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と反応させる工程;(b)この酵素に対する基質を添加する工程(ここで、この基質は、この基質、またはこの酵素および基質の反応産物が蛍光複合体を形成するように選択される);(c)この蛍光複合体の蛍光を測定することによって、この生物学的サンプル中のhK11を定量する工程;および(d)この定量されたレベルを、予め決定された標準(例えば、この被験患者由来の他の生物学的サンプル(例えば、以前またはその後に採取された生物学的サンプル)、またはコントロール被験体由来の他の生物学的サンプル)に関して得られたレベルと比較する工程。1つの実施形態において、この定量されたレベルは、前立腺癌または卵巣癌を有さない被験体(すなわち、正常コントロール)について定量されたレベルと比較される(ここで、コントロール被験体と比較したhK11レベルの増加は、前立腺癌または卵巣癌を示す)。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、以下の工程を包含する:
(a)生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な第1の抗体、およびhK11に特異的な第2の抗体(好ましくは、固定化されている)とインキュベートする工程;
(b)この第1の抗体をこの第2の抗体から分離して、第1の抗体相および第2の抗体相を提供する工程;
(c)この第1の抗体相または第2の抗体相におけるこの検出可能な物質を検出し、これによりこの生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;および
(d)この測定されたhK11レベルを、予め決定された標準由来(例えば、正常コントロールまたはこの被験体の他の生物学的サンプル(例えば、以前またはその後の生物学的サンプル)由来)の生物学的サンプルについて測定されたレベルと比較する工程。
【0020】
本発明はまた、卵巣癌または前立腺癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される方法を企図する。よって、本発明は、hK11、および卵巣癌または前立腺癌の特異的指示薬である他のマーカーの存在について、生物学的サンプルを分析するための方法を企図する。他の卵巣癌マーカーとしては、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン2、カリクレイン3、カリクレイン4、カリクレイン5、KLK5遺伝子、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、KLK9遺伝子、カリクレイン10、KLK10遺伝子、カリクレイン15、およびKLK15遺伝子のようなマーカー;CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)ならびに癌胎児抗原(CEA)が挙げられる。好ましくは、他のマーカーは、カリクレインに対するマーカーである。本発明の1つの局面において、他の卵巣癌マーカーは、KLK4、hK6、hK8、KLK8、hK9、KLK9、hK10、KLK10およびCA125のうちの1つ以上である。他の前立腺癌マーカーとしては、hK2、hK3、hK4、hK6、hK10、KLK5、KLK10、HER−2、KLK15および前立腺特異的抗原が挙げられる。本明細書中に記載される方法は、これらのマーカー、またはこれらのマーカーについての核酸を検出するために、試薬を含ませることによって改変され得る。
【0021】
本発明の1つの局面に従って、hK11および1つ以上の他のカリクレインを標的化するように構築されている因子を被験体に投与する工程を包含するインビボ法が、提供される。
【0022】
本発明は、画像化のために標識を保有し、hK11に結合し、よって哺乳動物を画像化する、1つ以上の因子をその哺乳動物に投与する工程を包含するインビボ法を企図する。
【0023】
本発明の好ましい局面に従って、卵巣癌または前立腺癌を画像化するためのインビボ法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:
(a)カリクレイン11に結合する因子を患者に注入する工程であって、この因子は、卵巣癌または前立腺癌を画像化するための標識を保有する;
(b)この因子をインビボでインキュベートさせて、卵巣癌または前立腺癌に関連するカリクレイン11に結合させる工程;および
(c)卵巣癌または前立腺癌に局在したこの標識の存在を検出する工程。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、因子は、カリクレイン11を認識する抗体である。本発明の別の実施形態において、この因子は、カリクレイン11を認識する化学物質である。
【0025】
本発明の1つの局面において、hK11に特異的な抗体を投与し、この抗体をこの被験体内の癌細胞中のhK11に結合させ、そしてこの患者内でのこの抗体の局在を測定することによって、被験体における卵巣または前立腺の癌細胞または卵巣または前立腺の腫瘍を局在化するための方法が、提供される。別の関連の局面において、抗体は、例えば、放射性同位元素で、検出可能に標識される。
【0026】
因子は、カリクレインを画像化するための標識を保有する。画像化に有用な標識の例としては、放射性標識、蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、核磁気共鳴活性標識、陽電子放射断層撮影(「PET」)スキャナーによって検出可能な陽電子放射同位元素、化学発光因子(chemiluminescer)(例えば、ルシフェリン)および酵素的マーカー(例えば、ペルオキシダーゼまたはホスファターゼ)が挙げられる。近距離放射エミッター(例えば、近距離ディテクタープローブによって検出可能な同位元素)もまた、使用され得る。
【0027】
本発明はまた、卵巣癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される局在法または画像化法を企図する。例えば、卵巣癌を画像化するための方法はさらに、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、カリクレイン10、カリクレイン15、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)および癌胎児抗原(CEA)(好ましくは、CA125)に結合する因子のうちの1つ以上を、患者に注入する工程を包含し得る。前立腺癌を画像化するための方法はさらに、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン10、カリクレイン15、HER−2または前立腺特異的抗原に結合する因子のうちの1つ以上を患者に注入する工程をさらに包含し得る。核酸分子はまた、これらの他のマーカーについて検出され得る。
【0028】
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットに関する。
【0029】
本発明はまた、hK11に特異的な抗体が卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するに十分な条件下でこの抗体を被験体に投与することによって、この細胞を阻害または殺傷するための方法に関する。別の局面において、卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するための方法が、提供され、この方法は、細胞毒性部分と複合体化されているhK11に特異的な抗体を、卵巣癌細胞または前立腺癌細胞を阻害または殺傷するに十分な条件下で投与する工程を包含する。この細胞毒性部分は、非限定的例示として、化学療法剤、光活性化毒素、または放射性因子であり得る。
【0030】
本発明の他の目的、特性および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。しかし、本発明の好ましい実施形態を示す場合、詳細な説明および特定の実施例は、例示の目的でのみ与えられる。なぜなら、本発明の精神および範囲内での種々の変化および改変は、この詳細な説明より当業者に明らかであるからである。
【0031】
(発明の詳細な説明)
本発明は、生物学的サンプル中のhK11ポリペプチドレベルまたはhK11核酸レベルを定量的および定性的に検出(正常なレベルおよび異常なレベルの決定を含む)するための方法に関する。ポリペプチドレベルの検出または転写レベルの検出を介して正常コントロールと比較したhK11ポリペプチドの過剰発現を検出するための本発明に従う診断方法が、癌(前立腺癌および卵巣癌を含む)の存在を検出するために使用され得る。
【0032】
「hK11」、「hK11タンパク質」、または「hK11ポリペプチド」によって、Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)においてhK11について開示されるアミノ酸配列と同一であるかまたは実質的に類似するアミノ酸配列を有する、タンパク質またはそのフラグメントが意味される。Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)において開示されるhK11タンパク質と「実質的に類似する」ポリペプチドは、上記hK11タンパク質の構造も活性を変化させない保存的アミノ酸置換を含み得る。本発明の診断方法は、ヒト以外の種において癌を診断またはモニタリングするために使用される場合、本明細書中で使用される用語「hK11」は、その種由来のカリクレイン11を包含する。この用語はまた、ヒトカリクレイン11のすべてのホモログ、天然に存在する対立遺伝子改変体、アイソフォーム、および前駆体を包含する。一般に、例えば、ヒトカリクレイン11の天然に存在する対立遺伝子改変体は、Genbank登録番号XM009005およびAB012917に示される配列に対して有意な相同性(70〜90%)を共有する。hK11フラグメントは、好ましくは、生物学的に活性であり、すなわち、全長hK11タンパク質の生物学的効果または物理学的効果を発揮する。
【0033】
「hK11核酸」または「KLK11」は、Genbank登録番号XM009005およびAB012917ならびにYoshidaら(8)に開示されるhK11タンパク質をコードするかまたは同じ構造および活性を有するポリペプチドをコードする、RNAおよびDNAの両方を包含することになっている。
【0034】
用語「被験体」とは、前立腺癌もしくは卵巣癌または本明細書中に記載される状態に罹患している温血動物(例えば、哺乳動物)を指す。好ましくは、「被験体」とは、哺乳動物を指し、最も好ましくはヒトを指す。
【0035】
用語「サンプル」、「生物学的サンプル」などは、hK11を発現するかまたはhK11を含むことが公知であるかまたは含むと疑われる、物質を意味する。試験サンプルは、供給源から得られたまま直接使用され得るか、またはそのサンプルの特徴を改変するための前処理の後に使用され得る。そのサンプルは、任意の生物学的供給源(例えば、組織、体液、抽出物、または細胞培養物(細胞(例えば、腫瘍細胞)、細胞溶解物、および生理学的液体(例えば、全血、血漿、血清、唾液、眼房水、脳脊髄液、汗、尿、乳汁、腹水、滑液、腹腔液など)を含む))に由来し得る。従って、生物学的サンプルは、血液、尿、唾液、組織生検、または剖検材料であり得る。好ましくは、そのサンプルは、血清である。そのサンプルは、動物(好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト)から入手され得る。そのサンプルは、使用前に処理(例えば、血液からの血漿の調製、粘性液の希釈など)され得る。処理方法は、濾過、滅菌、抽出、濃縮、妨害成分の不活化、試薬の添加などを包含し得る。タンパク質が、上記サンプルから単離され得、そして本発明の方法において利用され得る。
【0036】
本明細書中に記載される方法は、被験体由来の生物学的サンプルにおけるhK11を定量することによって、前立腺癌または卵巣癌を診断およびモニタリングするために適合され得る。これらの適用は、試験される被験体由来のサンプル中で定量されるhK11の量が、所定の標準物(例えば、その被験体由来の別のサンプルもしくはより早期のサンプル(例えば、hK11基底線レベル)について定量されたレベル、またはコントロールサンプルについて定量されたレベル)と比較されることを必要とする。正常な被験体または健常な被験体に由来するコントロールサンプルについてのレベルは、予想統計研究および/または遡及的統計研究によって確立され得る。臨床的に明らかな疾患も異常も有さない健常な被験体が、統計研究のために選択され得る。正常コントロールサンプルまたは同じ被験体について定量された以前のレベルと比較して、統計学的に異なるhK11レベルの認定によって、診断がなされ得る。一般的に、被験体中で測定されたhK11の、正常なコントロールにおけるレベルと比較して上昇したレベルは、前立腺癌または卵巣癌を示す。「上昇したレベル」とは、一般的には、正常なコントロールの>90パーセンタイル〜95パーセンタイル、好ましくは95パーセンタイルを指す。
【0037】
本明細書中に記載される方法は、例えば、宿主から新たに取り出された一群の細胞において、悪性細胞または前悪性細胞の存在の確率を評価するために使用され得る。このような方法は、腫瘍を検出するため、腫瘍の増殖を定量するため、ならびに疾患の診断および予後を補助するために、使用され得る。これらの方法は、癌転移の存在を検出するため、ならびに手術後、癌化学療法後、および/もしくは放射線療法後にすべての腫瘍組織が存在しないことまたは除去されたことを確認するために、使用され得る。これらの方法はさらに、癌化学療法および腫瘍再発をモニタリングするために使用され得る。
【0038】
前立腺癌または卵巣癌と診断された被験体におけるhK11レベルのモニタリングは、未だ転移していない癌における転移の開始を測定する際に有用である。この方法において、転移していることが既知ではない前立腺癌または卵巣癌に罹患している被験体が、同定される。その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルが測定され、そして正常コントロールまたは転移を有する被験体に由来する同じ型の生物学的サンプル中のhK11レベルと比較される。その患者において測定されたhK11レベルの、標準物に対する変化は、転移している癌と関連する。
【0039】
前立腺癌または卵巣癌に罹患している患者における前立腺癌または卵巣癌の病期もまた、決定される。その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルが、その被験体についてのhK11基底線レベルを確立するために測定される。その後、同じ型の生物学的サンプル中のhK11レベルが、後の時期に(例えば、医師による計画的診断時に)測定される。測定されたhK11レベルは、その被験体についてのhK11基底線レベルと比較される。この方法において、その被験体におけるhK11基底線レベルに対するその被験体中で測定されたhK11レベルの減少は、退行しているかまたは寛解期にある癌に関連する。被験体について確立されたhK11基底線レベルと比較した、測定されたhK11レベルの増加は、疾患の進行または転移を示し得る。
【0040】
被験体由来の生物学的サンプルにおけるポリペプチドレベルまたは遺伝子(例えば、hK11)の転写レベルを測定するために使用され得る方法は、当業者に周知である。種々の方法が、hK11に関与する卵巣癌または前立腺癌の診断評価または予後評価のため、およびそのような障害に罹る傾向がある被験体の同定のために、使用され得る。これらの方法の例としては、放射免疫測定法、逆転写酵素PCT(RT−PCR)アッセイ、グリッディング(gridding)、免疫組織化学アッセイ、インサイチュハイブリダイゼーションアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロットアッセイ、およびELISAアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質に特異的な抗体(またはその誘導体)を使用するアッセイが、生物学的流体においてそのタンパク質を検出するために頻繁に好ましい。方法は、例えば、hK11(ペプチドフラグメントを含む)に対する抗体を利用し得る。特に、その抗体は、例えば、非障害状態または改変型(例えば、全長より短い)hK11の存在と比較して過剰量または過少量のいずれかのhK11(これは、障害状態または障害状態への進行と相関する)の検出のために使用され得る。
【0041】
hK11タンパク質または誘導体(例えば、酵素結合体または標識された誘導体)と特異的に反応する抗体が、種々のサンプルにおけるhK11タンパク質を検出するために使用され得る。それらの抗体は、診断試薬または予後試薬として使用され得、そしてそれらの抗体は、hK11発現レベルの異常、あるいはhK11の構造、および/または時間的位置、組織位置、細胞位置、もしくは亜細胞位置の異常を検出するために、使用され得る。特に、それらの抗体は、悪性疾患または前悪性疾患の存在の可能性を評価するため、そして転移および疾患状態の開始を決定するために、使用され得る。抗体はまた、hK11タンパク質に関与する障害(例えば、卵巣癌または前立腺癌)および他の状態に対する効果を決定するために、インビトロで潜在的な治療化合物をスクリーニングするために使用され得る。インビトロ免疫アッセイはまた、特定の治療の効力を評価またはモニタリングするために使用され得る。本発明はまた、本発明の抗体と薬学的に受容可能なキャリアもしくは希釈剤とを含む、薬学的組成物を企図する。
【0042】
一実施形態において、本発明は、被験体において、その被験体由来の生物学的サンプル中のhK11を定量することによって前立腺癌または卵巣癌をモニタリングまたは診断するための診断方法を企図し、その方法は、そのサンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されたhK11特異的抗体と反応させる工程、およびその検出可能な物質を検出する工程を包含する。
【0043】
別の実施形態において、本発明は、個体において、卵巣癌または前立腺癌の進行をモニタリングする方法を提供し、この方法は、
(a)hK11タンパク質に結合する抗体を、その個体由来のサンプルと接触させて、そのサンプル中でその抗体とhK11タンパク質とを含む複合体を形成させる工程;
(b)そのサンプル中の複合体形成の存在または量を決定または検出する工程;
(c)時間的により後の時点で、工程(a)および(b)を反復する工程;ならびに
(d)工程(b)の結果を、工程(c)の結果と比較する工程;
を包含し、複合体形成の量の差異は、その個体における卵巣癌または前立腺癌の疾患、疾患病期、および/もしくは進行を示す。
【0044】
複合体の量はまた、異なる病期の卵巣癌の危険がない個体または異なる病期の卵巣癌に罹患していない個体からの複合体の量を示す値と比較され得る。
【0045】
hK11に特異的な抗体は、科学的供給源または商業的供給源から得られ得る。あるいは、単離されたネイティブhK11または組換えhK11が、抗体、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体、および免疫学的に活性なフラグメント(例えば、Fabフラグメントまたは(Fab)2フラグメント)、抗体重鎖、ヒト化抗体、抗体軽鎖、遺伝子操作した単鎖Fv分子(Ladnerら、米国特許第4,946,778号)またはキメラ抗体(例えば、マウス抗体の結合特異性を含むが、残りの部分がヒト起源である、抗体)を調製するために使用され得る。抗体(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、フラグメント、およびキメラを含む)が、当業者に公知の方法を使用して調製され得る。好ましくは、本発明の方法において使用される抗体は、その抗体が10−7M以上のKaで結合する場合に、hK11に対して反応性である。本発明の好ましいサンドイッチイムノアッセイにおいて、マウスポリクローナル抗体およびウサギポリクローナル抗体が、使用される。
【0046】
hK11と特異的に反応する抗体が、タンパク質の抗原決定基とその抗体との間の結合相互作用に頼る公知の任意のイムノアッセイにおいて使用され得る。そのようなアッセイの例は、放射性同位元素標識免疫測定法、酵素免疫法(例えば、ELISA)、免疫蛍光、免疫沈降、ラテックス凝集試験、赤血球凝集反応試験、および組織化学試験である。それらの抗体は、そのような病理学的状態を診断および処置するために、サンプル中のhK11を検出および定量するために使用され得る。
【0047】
hK11に特異的な抗体は、検出可能な物質で標識され得、そしてその検出可能な物質の存在に基づいて生物学的サンプル中で位置決定され得る。検出可能な物質の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:放射性同位体(例えば、3H、14C、35S、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド燐光体)、発光標識(例えば、ルミノール);酵素標識(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、アセチルコリンエステラーゼ)、ビオチニル基(これは、光学的方法または比色的方法により検出され得る蛍光マーカーもしくは酵素活性を含む、印が付いたアビジン(例えば、ストレプトアビジン)により検出され得る)、二次レポーターにより認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)。いくつかの実施形態において、標識は、起こり得る立体障害を減少するために種々の長さのスペーサーアームを介して結合される。抗体はまた、電子顕微鏡により容易に可視化される高電子密度物質(例えば、フェリチンまたはコロイド状金)にも結合され得る。
【0048】
一次抗原−抗体反応が、hK11に対して反応性の抗体について特異性を有する二次抗体の導入によって増幅される、間接的方法もまた使用され得る。例として、hK11に対する特異性を有する抗体がウサギIgG抗体である場合、その二次抗体は、本明細書中に記載される検出可能な物質で標識されたヤギ抗ウサギガンマグロブリンであり得る。
【0049】
hK11に特異的な抗体は、細胞傷害性部分と結合され得る。適切な細胞傷害性部分としては、化学療法剤、光活性化毒素、または放射性因子が挙げられる。細胞傷害性因子の例としては、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、ゲロニン、メルファラン、ブレオマイシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン、またはヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質(PAP、PAPII、PAP−S)が挙げられるが、これらに限定されず、そして光活性化因子の例としては、ジヒドロピリジン、およびオメガ−コノトキシンが挙げられる。適切な放射性因子としては、125I、111In、123I、32Pおよび本明細書中に記載される他のものが挙げられる。
【0050】
上記の抗体を複合体化または標識するための方法は、当業者によって容易に達成され得る。(例えば、Inman,Methods In Enzymology,Vol.34,Affinity Techniques,Enzyme Purification:Part B,Jakoby and Wichek(eds.),Academic Press,New York,p.30,1974;and Wilchek and Bayer,”The Avidin−Biotin Complex in Bioanalytical Applications,”Anal.Biochem.171:1−32,1988(酵素またはリガンド結合パートナーを用いて抗体を複合体化または標識する方法に関して)を参照のこと)。
【0051】
抗体の他の共有結合改変および非共有結合改変(例えば、この抗体を含む癌細胞の阻害または殺傷を誘導するために、その抗体と同時投与または抗体の後に投与される、因子を含む)が、本明細書中に含まれる。
【0052】
抗体(hK11)またはサンプルは、細胞、抗体などを固定化し得るキャリアまたは固体支持体上に固定化され得る。例えば、このキャリアまたは固体支持体は、ニトロセルロース、またはガラス、ポリアクリルアミド、斑レイ岩、および磁鉄鉱であり得る。他の適切なキャリアの例は、アガロース、セルロース、デキストラン、Sephadex、Sepharose、リポソーム、カルボキシメチルセルロースポリスチレン、濾紙、イオン交換樹脂、プラスチック、ポリアミンメチルビニルエーテル−マレイン酸コポリマー、アミノ酸コポリマー、エチレン−マレイン酸コポリマー、ナイロン(登録商標)、シルクなどであり得る。支持材料は、任意の可能な形態(configuration)(球形(例えば、ビーズ)、円筒形(例えば、試験管またはウェルの内表面、あるいは棒の外表面)、または平面(例えば、シート、試験ストリップを含む)を有し得る。固定化された抗体は、公知の化学法または物理法(例えば、臭化シアンカップリング)を使用してこの材料を適切な不溶性キャリアと反応させることによって調製され得る。
【0053】
時間分解蛍光測定を使用して、シグナルを検出し得る。例えば、Christopoulos TK and Diamandis EP,Anal.Chem.1992:64:342−346に記載される方法が、慣用的な時間分解蛍光測定器とともに使用され得る。
【0054】
従って、本発明の1つの実施形態に従って、方法が提供され、この方法において、hK11抗体が酵素で標識されており、この酵素に対する基質が添加され、ここで、この基質は、この基質、またはこの酵素と基質との反応産物が、ランタニド金属との蛍光複合体を形成するように、選択される。ランタニド金属が添加され、そして、hK11が、この蛍光複合体の蛍光を測定することによって、このサンプル中で定量される。hK11に特異的な抗体は、酵素で直接的または間接的に標識され得る。酵素は、この酵素の基質、またはこの酵素と基質との反応産物の、ランタニド金属(例えば、ユーロピウムおよびテルビウム)と複合体化する能力に基づいて選択される。適切な酵素の例としては、アルカリホスファターゼおよびβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。好ましくは、この酵素は、アルカリホスファターゼである。hK11抗体はまた、酵素で間接的に標識され得る。例えば、この抗体は、リガンド結合対の1つのパートナーに結合体化され得、そしてこの酵素は、このリガンド結合対の他のパートナーに結合され得る。典型例としては、アビジン−ビオチン、およびリボフラビン−リボフラビン結合タンパク質が挙げられる。1つの実施形態において、抗体は、ビオチン化され、そして酵素は、ストレプトアビジンに結合される。
【0055】
この方法において、サンプル中でhK11に結合される抗体は、この酵素に対する基質を添加することによって検出される。この基質は、ランタニド金属(例えば、ユーロピウム、テルビウム、サマリウムおよびジスプロシウム(好ましくは、ユーロピウムおよびテルビウム)の存在下で、この基質、またはこの酵素と基質との反応産物がランタニド金属と蛍光複合体を形成するように、選択される。そのような蛍光複合体を提供する酵素およびこの酵素に対する基質の例は、Diamandisに対する米国特許第5,3112,922号、および参考文献10、25および30に記載される。例示の目的で、抗体がアルカリホスファターゼで直接的または間接的に標識される場合、この方法において使用される基質は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート、5−フルオロサリチルホスフェートまたはジフルニサルホスフェートであり得る。この複合体の蛍光強度は、典型的には時間分解蛍光測定器(例えば、CyberFluor 615 Imunoanalyzer(Nordion Internationl,Kanata,Ontario)を使用して測定される。
【0056】
1つの実施形態に従って、本発明は、免疫アッセイによりhK11を測定することによって血液サンプル(例えば、血清)中のhK11を測定するための手段を提供する。種々の免疫アッセイ法を使用してhK11を測定し得ることは、当業者に明らかである。一般に、hK11免疫アッセイ法は、競合的または非競合的であり得る。競合法は、典型的には、固定化されているかまたは固定化可能なhK11に対する抗体(抗hK11)およびhK11の標識化形態を使用する。サンプルhK11および標識化hK11は、抗hK11に対する結合を競合する。抗hK11に結合された、生じた標識化hK11(結合画分)の未結合のままである画分(非結合画分)からの分離後、この結合画分または非結合画分のいずれかにおけるこの標識の量は、測定され、そして任意の慣用的様式(例えば、標準曲線との比較)で試験サンプル中のhK11の量と相関され得る。
【0057】
好ましくは、非競合法は、hK11の測定のために使用され、最も一般的な方法は、「サンドイッチ」法である。このアッセイにおいて、2つの抗hK11抗体が使用される。これらの抗hK11抗体のうちの1つは、直接的または間接的に標識され(時々、「検出抗体」と称される)、そしてそのもう一方は、固定化されているかまたは固定化可能である(時々、「捕捉抗体」と称される)。この捕捉抗体および検出抗体は、試験サンプルと同時または連続的に接触され得る。連続法は、捕捉抗体をサンプルとインキュベートし、その後、予め決定された時間で検出抗体を添加することによって達成され得る(時々、「順方向(forward)」法と称される;または検出抗体は、先ずサンプルとともにインキュベートされ得、次いで、捕捉抗体が添加され得る(時々、「逆方向(reverse)」法と称される)。必要なインキュベーションが生じた後、このアッセイを完了させるために、捕捉抗体は、液体試験混合物より分離され、そして分離された捕捉抗体相の少なくとも一部、またはその液体試験混合物の残りにおいて、標識が測定される。一般に、標識は、捕捉抗体相において測定される。なぜなら、捕捉抗体相は、捕捉抗体と検出抗体(との間の「サンドイッチ」)によって結合されたhK11を含むからである。
【0058】
hK11について典型的な2箇所の免疫測定(immunometric)アッセイにおいて、捕捉抗体および検出抗体のうち1つまたは両方は、ポリクローナル抗体である。検出抗体において使用される標識は、当該分野において慣用的に公知であるもののいずれかより選択され得る。標識は、酵素または化学発光部分であり得るが、これはまた、放射性同位元素、発蛍光団、検出可能なリガンド(例えば、そのリガンドに対する標識結合パートナーによる二次的結合によって検出可能である)などであり得る。好ましくは、抗体は、基質を添加することによって検出される酵素で標識され、この基質は、この酵素と基質との反応産物が蛍光複合体を形成するように選択される。捕捉抗体は、試験混合物の残りより分離されるための手段を提供するように選択される。従って、捕捉抗体は、既に固定化された形態または不溶化形態でこのアッセイに導入され得るか、または固定化可能な形態(すなわち、このアッセイに対する捕捉抗体の導入の後に固体化が達成されるのを可能にする形態)であり得る。固定化された捕捉抗体は、固相(例えば、磁気粒子、ラテックス粒子、マイクロタイタープレートウェル、ビーズ、キュベット、または他の反応容器)に共有結合的または非共有結合的に結合された抗体を含み得る。固定化可能な捕捉抗体の例は、リガンド部分(例えば、ハプテン、ビオチンなど)を用いて化学的に改変されている抗体、およびこのリガンドに対する結合パートナー(例えば、抗体、アビジンなど)の固定化形態との接触によって引き続き固定化され得る抗体である。1つの実施形態において、捕捉抗体は、固相に結合されている捕捉抗体体に対する種特異的抗体を使用して固定化され得る。
【0059】
本発明の特定のサンドウィッチ免疫アッセイ方法は、hK11に反応性の2種の抗体(例えば、抗hK11モノクローナル抗体および抗hK11ポリクローナル抗体)、酵素的標識(例えば、抗hK11ポリクローナル抗体に特異的な抗体に結合体化された酵素)で標識されたhK11に反応性の抗体に対する特異性を有する二次抗体、およびこの酵素に対する蛍光発生基質を使用する。一つの実施形態において、この酵素は、アルカリホスファターゼ(ALP)であり、その基質は、5−フルオロサリチルリン酸である。ALPは、蛍光発生基質、5−フルオロサリチルリン酸からリン酸を切り離し、5−フルオロサリチル酸を生成する(FSA)。次いで、5−フルオロサリチル酸は、時間分解様式においてTb3+蛍光を測定することにより定量され得る形態FSA−Tb(3+)−EDTAの高度に蛍光を発する三重複合体を形成し得る。蛍光強度は、従来型の蛍光定量法または本明細書中に記載されるような時間分解蛍光光度計を使用して測定される。別の実施形態において、この酵素は、アルカリホスファターゼ(ALP)であり、その基質は、ジフルニサルリン酸(diflunisal phosphate)(DIFP)である。ALPは、DIFPからリン酸を切断し、ジフルニサル(diflunisal)(DIF)を産生する。これは、時間分解蛍光定量法または従来型の蛍光定量法によりモニターされ得る、高度に蛍光を発するテルビウム複合体を形成する。
【0060】
核酸法はまた、前立腺癌または卵巣癌の指標である異常な細胞増殖のマーカーとして、hK11の転写レベルを検出するため使用され得る。PCRおよび他の核酸法(例えば、リガーゼ連鎖反応(LCR))および核酸配列ベースの増幅(NASABA)は、悪性細胞を検出するために使用され得る。例えば、RT−PCRは、mRNA種の複合混合物における特異的なmRNA集団の存在を検出するために使用され得る。
【0061】
hK11遺伝子の発現および定量化は、格子上に整列されたクローンへのハイブリダイゼーションを使用して検出され得る。例えば、hK11遺伝子をコードするcDNAは、基材(例えば、ガラス、ニトロセルロース、ナイロン、またはプラスチック)に固定され得、目的の組織から単離されたRNAまたはRNAのcDNAコピーであり得る分析物とともにインキュベートされ得る。基材に結合されたクローンと分析物との間のハイブリダイゼーションは、分析物の放射活性標識または蛍光標識あるいはハイブリッドを検出するように設計された二次分子を含むいくつかの手段によって、検出および定量され得る。遺伝子発現レベルの定量化は、既知の標準物質から決定されるシグナルの強度と比較して、分析物からのシグナルの強度の比較により実施され得る。標準は、hK11をコードする遺伝子をインビトロ転写し、収量を定量し、次いでその材料を使用して、標準曲線を作成することによって得られ得る。
【0062】
hK11に特異的な抗体を、免疫組織化学解析において(例えば、細胞レベルおよび亜細胞より小さい(sub−subcellular)レベルにおいて)使用して、hK11タンパク質を検出し、そのタンパク質を特定の卵巣腫瘍細胞または前立腺腫瘍細胞および組織ならびに特定の亜細胞の位置に局在化し、そして発現レベルを定量し得る。
【0063】
光学顕微鏡および電子顕微鏡を使用して抗原を局在化するための当該分野で公知の細胞化学的な技術は、hK11タンパク質の検出に使用され得る。一般的に、抗体は、検出可能な物質で標識され得、そしてhK11タンパク質は、検出可能な物質の存在に基づいて、組織および細胞に局在化され得る。
【0064】
検出可能な物質として放射活性標識が使用される場合、hK11タンパク質は、ラジオオートグラフィーによって局在化され得る。ラジオオートグラフィーの結果は、種々の光学的方法、または細粒子(grain)を数えることにより、ラジオオートグラフ中の粒子の密度を決定することによって、定量され得る。
【0065】
本発明の一つの局面において、hK11に特異的な抗体は、卵巣癌または前立腺癌の管理の画像化方法論において使用される。本発明は、1以上のカリクレイン(kallikrein)に関連する腫瘍、好ましくは卵巣癌に関連するカリクレイン、最も好ましくはhK11を画像化する方法を提供する。
【0066】
本発明はまた、卵巣癌または前立腺癌に対する複数のマーカーを使用する、本明細書中に記載される画像化方法を企図する。例えば、卵巣癌を画像化する方法はさらに、ヒト角層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、カリクレイン10、カリクレイン15、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)または癌胎児抗原(CEA)、好ましくはCA125に結合する1以上の因子を患者に注射する工程を包含する。好ましくは、各因子は、標識され、その結果、画像化の際に識別され得る。前立腺癌を画像化する方法はさらに、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン10、カリクレイン15、HER−2、および前立腺特異的抗原に結合する1以上の因子を患者に注射する工程を包含する。
【0067】
一つの実施形態において、この方法は、インビボ方法であり、被験体または患者は、画像化標識を有し、カリクレインを標的化または結合し得る1以上の因子を投与される。因子は、インビボでインキュベートされ、そして腫瘍(好ましくは、卵巣腫瘍または前立腺腫瘍)に関連するカリクレインに結合する。標識の存在は、卵巣癌または前立腺癌に局在化され、この局在化された標識は、当業者に公知の画像化デバイスを使用して検出される。
【0068】
因子は、カリクレインを認識する抗体または化学実体であり得る。本発明の一つの局面において、因子は、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体、またはそれらのフラグメント、あるいはそれらの構築物(単鎖抗体、二機能性抗体、分子認識単位、およびペプチドまたはペプチドを模した実体を含むが、これらに限定されない)である。本発明のこの方法において使用されるカリクレインに特異的な抗体は、科学的供給源または営利的供給源から入手され得るか、あるいは、単離されたネイティブのカリクレインまたは組換え型カリクレインは、本明細書中に記載されるように抗体などの調製のために利用され得る。
【0069】
因子は、カリクレインに特異的であり、カリクレインに結合する抗体に対するエピトープを模倣したペプチドであり得る。このペプチドは、従来の固相化学を使用する市販の合成機によって産生され得る。例えば、N2S2キレート剤が複合体化されるチロシン、リジン、またはフェニルアラニンのいずれかを含むペプチドが、調製され得る(米国特許第4,897,255号を参照のこと)。次いで、抗カリクレインペプチド結合体は、放射性標識(例えば、ナトリウム99mTc過テクネチウム酸またはナトリウム188Re過レニウム酸(perrhenate))と組み合わされ、そしてカリクレイン産生腫瘍を局在化するために使用され得る。
【0070】
因子は、カリクレインを画像化するための標識を有する。この因子は、放射性核種画像化における使用のために標識され得る。具体的には、この因子は、放射性同位元素で直接的にかまたは間接的に標識され得る。本発明において使用され得る放射性同位元素の例としては、以下が挙げられる:277Ac、211At、128Ba、131Ba、7Be、204Bi、205Bi、206Bi、76Br、77Br、82Br、109Cd、47Ca、11C、14C、36Cl、48Cr、51Cr、62Cu、64Cu、67Cu、165Dy、155Eu、18F、153Gd、66Ga、67Ga、68Ga、72Ga、198Au、3H、166Ho、111In、133mIn、155mIn、123I、125I、131I、189Ir、191mIr、192Ir、194Ir、52Fe、55Fe、59Fe、177Lu、15O、191m−191Os、109Pd、32P、33P、42K、226Ra、186Re、188Re、82mRb、153Sm、46Sc、47Sc、72Se、75Se、105Ag、22Na、24Na、89Sr、35S、38S、177Ta、96Tc、99mTc、201Tl、202Tl、113Sn、117mSn、121Sn、166Yb、169Yb、175Yb、88Y、90Y、62Znおよび65Zn。好ましくは、放射性同位元素は、131I、125I、123I、111I、99mTc、90Y、186Re、188Re、32P、153Sm、67Ga、201Tl77Br、または18F、であり、フォトスキャニングデバイスで画像化される。
【0071】
放射活性同位元素で生物学的因子を標識するための手順は、一般に当該分野で公知である。米国特許第4,302,438号は、トリチウム標識手順を記載する。マウスモノクローナル抗体に特に適合されたヨード化、トリチウム標識、および35S標識は、Goding,J.W.(前出、124〜126頁)およびその中において援用される参考文献に記載される。抗体、その結合部分、プローブ、またはリガンドのような生物学的因子をヨード化するための他の手順は、科学文献に記載される(HunterおよびGreenwood,Nature 144:945(1962)、Davidら、Biochemistry 13:1014−1021(1974)、および米国特許第3,867,517号ならびに米国特許第4,376,110号を参照のこと)。因子についてのヨード化手順は、Greenwood,F.ら、Biochem.J.89:114−123(1963);Marchalonis.J.,Biochem.J.113:299−305(1969);およびMorrison,Mら、Immunochemistry,289−297(1971)により記載される。99mTc標識手順は、Burchiel,Sら(編)、Tumor Imaging:The Radioimmunochemical Detection of Cancer,New York:Masson 111−123(1982)中でRhodes,Bらにより記載され、そしてその中において援用される参考文献に記載される。テクネチウム−99mでの抗体またはフラグメントの標識はまた、例えば、米国特許第5,317,091号、米国特許第4,478,815号、米国特許第4,478,818号、米国特許第4,472,371号、米国特許第Re32,417号、および米国特許第4,311,688号に記載される。111Inを標識する生物学的因子に適切な手順は、Hnatowich,D.J.ら、J.Immul.Methods,65:147−157(1983)、Hnatowich,D.ら、J.Applied Radiation,35:554−557(1984)、およびBuckley,R.G.ら、F.E.B.S.166:202−204(1984)により記載される。
【0072】
因子はまた、本発明のインビボ方法の目的のため、磁性常同位元素で標識され得る。磁気共鳴画像に有用な元素の例として、ガドリニウム、テルビウム、スズ、鉄、またはそれらの同位元素が挙げられる(インビボ核磁気共鳴画像における考察に関して、例えば、Schaeferら、(1989)JACC 14,472−480;Shreveら、(1986)Magn.Reson.Med.3,336−340;Wolf,G.L.,(1984)Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16.93−95;Wesbeyら、(1984)Physiol.Chem.Phys.Med.NMR 16,145−155;Rungeら、(1984)Invest.Radiol.19,408−415を参照のこと)。
【0073】
放射性標識化因子の場合、因子は、患者に投与され得、因子が結合するカリクレインを有する腫瘍に局在化され、そして、例えば、γカメラまたは放射(emission)トモグラフィーを使用する放射核スキャニング(radionuclear scannning)のような公知の技術を使用して、インビボで検出または「画像化」される。[例えば、A.R.Bradwellら、「Developments in Antibody Imaging」Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,R.W.Baldwinら、(編)65−85頁(Academic Press 1985)を参照のこと]。Brookhaven Nationl Labboratoryに設置されPet VIと示されるような、陽電子放射長軸断断層撮影スキャナー(positron emission transaxial tomography scanner)はまた、放射性標識が陽電子(例えば、11C、18Fe、15O、および13N)を放射する場合、使用され得る。
【0074】
放射性同位元素標識化因子を使用する全身画像化技術は、原発性腫瘍および転移した腫瘍の両方を局在化するために使用され得る。同じエピトープ特異性を有する、カリクレインに特異的な抗体、またはそのフラグメントは、適切な放射性同位元素と結合されるか、または組み合わされ、非経口投与される。卵巣癌または前立腺癌に関して、投与は、好ましくは、静脈内である。標識の体内分布は、シンチグラフィーによりモニターされ得、そして標識の蓄積は、癌細胞の存在に関係する。全身画像化技術は、米国特許第4,036,945号および米国特許第4,311,688号に記載される。抗体および抗体フラグメントに結合され得る、診断および治療(therapeuticuse)に有用な因子の他の例としては、メタロチオネインおよびフラグメントが挙げられる(米国特許第4,732,864号を参照のこと)。これらの因子は、診断段階(staging)および癌(特に卵巣癌または前立腺癌)の可視化において有用であり、結果として外科処置プロトコルおよび/または放射線処置プロトコルは、より効果的に使用され得る。
【0075】
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットを企図する。このキットは、使用前にさらに希釈され得る濃縮物(凍結乾燥組成物を含む)としてか、または使用濃度(ここで、バイアルが1以上の投薬量を含む)でかのいずれかで、カリクレインのエピトープに特異的に結合する抗体または抗体フラグメント、および抗体の、腫瘍細胞に関連するそのエピトープへの結合を検出する手段を備え得る。キットがインビボ使用について意図される場合、単回投薬量は、滅菌された容器中で提供され得、因子の所望の量および濃度を有する。直接の使用のための処方物を提供する容器は、通常、他の試薬を必要とせず、例えば、ここでキットは、インビボ画像化のための放射性標識化抗体調製物を備える。
【0076】
本発明の診断方法は、サンプル中のhK11を定量するための診断キットを使用して実施され得る。例としては、キットは、hK11に特異的な抗体、酵素で標識された抗体に対する抗体;およびその酵素に対する基質を備え得る。キットはまた、マイクロタイタープレートウェル、標準物質、アッセイ希釈液、洗浄緩衝液、接着プレートカバー、および/またはこのキットを使用する本発明の方法を実施するための指示書を備え得る。
【0077】
本発明はまた、核酸分子を使用して、hK11発現癌細胞の増殖を抑制する方法を提供する。
【0078】
hK11タンパク質をコードする遺伝子は、高レベルの所望のhK11をコードするフラグメントを発現するベクターを細胞または組織にトランスフェクトすることにより、止められ得る。このような構築物は、細胞を翻訳不能なセンス配列またはアンチセンス配列で満たし得る。DNAへの組み込みがない場合でさえ、このようなベクターは、すべてのコピーが内在性ヌクレアーゼにより無力にされるまで、RNA分子を転写し続け得る。
【0079】
遺伝子発現の改変は、アンチセンス分子、DNA、RNAまたはPNAを設計することにより、得られ得る。アンチセンス核酸分子は、hK11タンパク質をコードする遺伝子の調節領域、すなわちプロモーター、エンハンサー、およびイントロンに対する分子である。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、転写開始部位(例えば、リーダー配列の−10と+10の間の領域)に由来する。アンチセンス分子はまた、転写物のリボゾームへの結合を妨げることによりmRNAの翻訳をブロックするように設計され得る。阻害はまた、「三重らせん」塩基対形成方法論を使用して達成され得る。三重らせん対形成は、ポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の結合のために十分に開く、二重らせんの能力を損なう。三重DNAを使用する治療の進歩は、Gee J Eらにより、概説された(Huber B EおよびB I Carr(1994)Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co,Mt Kisco N.Y.)。
【0080】
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒する酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーションにより作用し、内ヌクレオチド結合分解性切断が続く。従って、本発明は、hK11タンパク質をコードする配列の、内ヌクレオチド結合分解性切断を特異的かつ効果的に触媒し得る、操作されたハマーヘッドモチーフリボザイム分子を企図する。
【0081】
任意の潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、以下の配列、GUA、GUU、およびGUCを含むリボザイム切断部位について、標的分子を走査することにより、最初に同定され得る。一旦、この部位が同定されれば、切断部位を含む標的遺伝子の領域に相当する15ヌクレオチドと20ヌクレオチドとの間の短いRNA配列は、オリゴヌクレオチドを実行不能(inoperable)にし得る2次構造の特徴について評価され得る。候補の標的の適合性はまた、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用して、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの接触性を試験することにより決定され得る。
【0082】
ベクターを細胞または組織に導入する方法は、インビボ療法、インビトロ療法、およびエキソビボ療法に適した、当業者に公知の方法を含む。エキソビボ療法に関して、ベクターは、患者から得られ、そして同じ患者への自家移植のためにクローン増殖された幹細胞へ導入され得る(米国特許第5,399,493号および同第5,437,994号を参照のこと)。トランスフェクションによる送達およびリポソームによる送達は、当該分野で公知である。
【0083】
なおさらに、本発明は、hK11タンパク質の生物学的活性を調節する能力について化合物を評価する方法を提供する。従って、本発明は、前立腺癌または卵巣癌の処置において潜在的に有用である。例えば、hK11に結合する物質、あるいはタンパク質およびそのタンパク質に結合する物質との相互作用を阻害または増強する物質が評価され得る。一つの実施形態において、この方法は、物質とタンパク質との間の複合体を形成させる条件下で、このタンパク質および試験化合物に結合する物質とともに、既知濃度のhK11を提供すること、ならびに複合体を取り出すこと、および/または検出することを包含する。
【0084】
他の実施形態において、本発明は、hK11タンパク質のインヒビターを同定する方法を提供し、以下を包含する:
(a)hK11タンパク質およびhK11タンパク質に結合する物質、または相互作用する各々の少なくとも一部分を含有する反応混合物を提供すること;
(b)反応混合物を1以上の試験化合物と接触させること;
(c)hK11タンパク質と物質との相互作用を阻害する化合物を同定する。
【0085】
hK11タンパク質の生物学的活性を調節する化合物はまた、その化合物の存在下または非存在下での、組織および細胞におけるタンパク質の発現パターンならびに発現量を比較することによって同定され得る。さらに、hK11タンパク質の生物学的活性を調節する化合物はまた、酵素活性の調節(すなわち、阻害または増強)についてアッセイすることにより同定され得る。
【0086】
特定の好ましい実施形態において、本発明の方法で使用される反応混合物は、細胞全体である。他の実施形態において、反応混合物は、細胞溶解物または精製されたタンパク質組成物である。本発明の方法は、試験化合物のライブラリーを使用して、実施され得る。このような因子は、(動物、植物、真菌および/または微生物から単離されるような)タンパク質、ペプチド、核酸、糖質、有機低分子、および天然物抽出物ライブラリーであり得る。
【0087】
本発明のなお別の局面は、因子発見ビジネスを行う方法を提供し、以下を包含する:
(a)因子のhK11タンパク質およびこのタンパク質と結合する物質に結合する能力、またはhK11タンパク質とこのタンパク質に結合する物質との相互作用を阻害もしくは増強する能力、あるいはhK11タンパク質の酵素活性を調節する能力により、因子を同定するための1以上のアッセイシステムを提供すること;
(b)動物における効果および毒性について、工程(a)で同定された因子、またはそのさらなるアナログの治療プロファイリングを行うこと;そして
(c)工程(b)で同定された1以上の因子を含有する薬学的調製物を、受容可能な治療プロフィールを有するように処方すること。
【0088】
特定の実施形態において、本発明の方法はまた、売り物の薬学的調製物を分配するための分配システムを確立する段階を含み得、そして必要に応じて、薬学的調製物を市販するための販売グループを確立することを包含し得る。
【0089】
抗体、アンチセンス核酸分子、ならびに本発明に従って同定された物質および化合物は、hK11タンパク質の生物学的活性を調節するために使用され得、そしてそれらは、前立腺癌および卵巣癌のような状態の処置において使用され得る。従って、この物質および化合物は、前立腺癌および卵巣癌のような障害に罹患した個体への投与にための組成物中に処方され得る。特に、抗体、アンチセンス核酸分子、物質および化合物は、癌細胞内または癌細胞上にhK11タンパク質を有する患者を処置するために使用され得る。
【0090】
従って、本発明はまた、本発明の方法を使用して同定される1以上の物質または化合物、および薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤あるいは希釈剤を含む組成物に関する。癌のような障害を処置または予防する方法がまた提供され、この方法は、本発明の方法を使用して同定される物質または化合物、抗体、hK11アンチセンス分子、あるいは本発明の組成物の、それを必要とする患者への投与を包含する。
【0091】
本発明はまた、癌(例えば、前立腺癌または卵巣癌)の重篤度を予防あるいはその重篤度を減少させるための免疫療法のアプローチを提供する。被験体の癌の臨床徴候または症状は、癌に対する被験体の免疫応答の刺激に起因する患者への有益な効果を示す。免疫応答を刺激することとは、本発明のワクチン調製物の投与に応答して、免疫応答を誘導すること、または免疫エフェクター細胞の活性を増強することをいう。癌の予防は、例えば遺伝的性質または発癌物質への曝露よって癌を発症しやすい患者における、癌の出現のときまでの時間増加によって示され得る。癌の重篤度の減少は、腫瘍のサイズまたは増殖速度の減少により示され得る。
【0092】
本発明は、ワクチンが投与される被験体において、hK11タンパク質に対する抗体の産生を刺激または増強するためのワクチンを広く企図する。
【0093】
本発明はまた、被験体において、hK11タンパク質に対する抗体の産生を刺激または増強する方法を提供する。この方法は、被験体に、抗体の産生をを刺激または増強するために有効な用量で、本発明のワクチンを投与することを包含する。
【0094】
本発明はさらに、癌(特に前立腺癌および卵巣癌)の再発を処置する、予防する、または遅延させるための方法を提供する。この方法は、被験体に、癌の再発を処置する、予防する、または遅延させるために有効な用量で、本発明のワクチンを投与することを包含する。
【0095】
ワクチンは、hK11タンパク質、それに由来するペプチド、もしくは化学的に生成された合成ペプチド、またはこれらの分子の任意の組合せ、あるいはその融合タンパク質またはそのペプチドに由来し得る。タンパク質、ペプチドなどは、hK11タンパク質の1以上のエピトープに対応する1以上のアミノ酸配列を含むように合成され得る、あるいは組換え的にまたは別に生物学的に調製され得る。hK11タンパク質のエピトープは、いくつかの例において、天然に存在するタンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列のバリエーションが抗原性であり得、そして癌に対する防御免疫または抗腫瘍原性効果を与え得る可能性を含むことが理解される。配列のバリエーションは、アミノ酸置換、伸長、欠失、短縮(truncation)、補間(interpolation)およびそれらの組合せを、制限無く含み得る。このようなバリエーションは、それらを含むタンパク質が、免疫原性であり、ワクチンとして投与される場合、このようなポリペプチドに対する抗体は、防御免疫および/または抗腫瘍原性活性を提供するために十分な程度に、天然に存在するhK11タンパク質と交差反応するならば、本発明の範囲内である。
【0096】
hK11タンパク質、ペプチドなどは、当該分野で公知の方法を使用して免疫応答を誘導し得るワクチンに組み込まれ得る。タンパク質、ペプチドなどの抗原性を増強する技術は、当該分野で公知であり、多量体構造内への組み込み、高度に免疫原性のタンパク質キャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH))、またはジフテリア類毒素に結合させること、およびアジュバントまたは免疫応答の任意の他のエンハンサーと組合せて投与することを包含する。
【0097】
ワクチンは、(免疫学的に受容可能な希釈剤およびキャリアならびに一般に使用されるフロイント完全アジュバント、サポニン、ミョウバンなどのようなアジュバントを含む)生理学的に受容可能な媒質と組み合わせ得る。
【0098】
hK11タンパク質に対する抗体に対する抗イディオタイプ抗体もまた、ワクチンとして有用であり、同様に処方され得ることが、さらに理解される。
【0099】
ワクチンの投与は、一般に、癌(特に、前立腺癌および卵巣癌)の予防または処置に適用可能である。
【0100】
癌の予防および/または処置のための、本発明に従うワクチンの患者への投与は、癌を除去する外科的手順の前または後、癌の処置のための化学療法の手順の前または後、および癌の処置のための放射線療法の前または後、ならびにそれらの任意の組合せに行われ得る。付随する副作用が、他の利用可能な処置(例えば、外科手術、化学療法、放射線療法)と比較して、実質的に最小であるので、本発明に従う癌の免疫療法は、癌の予防および/または処置のための好ましい処置である。ワクチンは、癌を有しないが、癌を発症する危険性のある被験体において、癌(特に前立腺癌および卵巣癌)を予防する潜在性または能力を有する。
【0101】
以下の非限定的実施例は、本発明の例示である。
【実施例】
【0102】
(実施例1)
(材料および方法)
組換えhK11タンパク質を、hK10タンパク質について他で詳細に記載されている手順(11)を使用して産生した。簡単には、完全なKLK11 cDNAコード配列を、EasySelectTM Pichia pastoris yeast expression system(Invitrogen)にクローニングした。挿入物の配列の確からしさを、二本鎖DNA配列決定によって確認した。安定な酵母クローンを同定し、そしてメタノールの存在下で5日間培養した。次いで、これらの細胞をスピンダウンし、この組換えhK11を含む上清を回収した。
【0103】
この組換えhK11タンパク質を、記載されるような、カチオン交換クロマトグラフィー、その後のVydac C4カラムでの逆相勾配クロマトグラフィー(11)を使用することによってこの上清より精製した。画分中のhK11の存在を、抗hK11ペプチド抗体を使用するウエスタンブロッティングで確認した。精製した組換えhK11の純度および分子量を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびクーマシー青での染色によって評価した。この精製した組換えhK11のタンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン(Pierce Chemical Co.)を較正として用いる二シンコニン酸法によって決定した。この組換えhK11タンパク質のポジティブな同定および特徴付けを、以前に記載されるように(11)、トリプシン消化およびナノ電気スプレー質量分光測定法を使用することによって達成した。
【0104】
(hK11に対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生)
この精製した組換えhK11タンパク質を使用して、ウサギおよびマウスを免疫した。hK11(100μg)を、雌Balb/cマウスおよびNew Zealand白ウサギに皮下注射した。このタンパク質を、最初の注射のためにフロイント完全アジュバントに希釈し、そして後の注射のためにフロイント不完全アジュバントに希釈した。注射を、3週間間隔でウサギには6回、マウスには3回繰り返した。血液を、これらの動物より取り出し、抗体生成のために試験した。スクリーニング戦略は、hK10について他で記載されているもの(11)と同様であった。ウサギポリクローナル抗体を、さらに精製することなく免疫蛍光測定アッセイを開発するために使用した。
【0105】
hK11に対するモノクローナル抗体を、以前に記載されるように(38)、標準的なハイブリドーマ技術を使用することによって産生した。ポジティブなクローンを、記載されるように(11)組織培養上清をスクリーニングすることによって同定した。ポジティブなクローンを、24ウェルプレートおよび6ウェルプレートに連続的に広げた。上清を、IgGイソタイプ決定を実施することによってさらに特徴付け、そしてクローンを、限界希釈に供した。次いで、これらのクローンをフラスコ中で増殖させて、無血清培地中に多量の上清を生成した。モノクローナル抗体を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用することによって上清から精製した。
【0106】
(hK11についての免疫蛍光測定アッセイ)
(標準アッセイ手順)
コーティング緩衝液(50mmol/L Tris(pH7.80)を含む)中に希釈した精製抗hK11モノクローナル抗体を、96ウェルの白ポリスチレンマイクロタイタープレート(100μL/500ng/ウェル)に分配し、室温で一晩インキュベートした。次いで、このプレートを、洗浄緩衝液(10mmol/L Tris緩衝液(pH7.8)中、9g/L NaClおよび0.5g/L Tween−20を含む)で3回洗浄した。100μLのhK11較正(60g/L BSA中の組換えhK11)またはサンプルを、50μLのアッセイ緩衝液とともに各ウェル中に適用した。このアッセイ緩衝液は、50mmol/L Tris緩衝液(pH7.80)(1リットル当たり60g BSA、0.5mol KCl,0.5g Tween−20、10g ウシ免疫グロブリン、100mL ヤギ血清および25mLマウス血清を含む)であった。このプレートを旋回式攪拌器上で2時間インキュベートして、hK11分子をプレートに結合させた。次いで、このプレートを6回洗浄した。続いて、このプレートを、ウェル当たり100μLのウサギ抗hK11ポリクローナル抗体(アッセイ緩衝液中に2,000倍希釈した)で1時間インキュベートした。次いで、このプレートを、洗浄緩衝液で6回洗浄した。100μLのアルカリホスファターゼ結合体化ヤギ抗ウサギ抗体(Jackson Immuno Research)(アッセイ緩衝液中に3,000倍希釈した)を、各ウェルに添加し、30分間インキュベートし、そして上記のように6回洗浄した。最後に、100μLの1mmol/L ジフルニサルリン酸(DFP)(基質緩衝液(0.1mol/L Tris(pH9.1)、0.1M NaClおよび1mmol/L MgCl2)中に希釈した)を、各ウェルに添加し、そして10分間インキュベートした。100μLの現像液(1mol/L Trisベース、0.4mol/L 水酸化ナトリウム、2mmol/L TbCl3および3mmol/L EDTA)を、各ウェルにピペッティングして1分間混合した。蛍光を、以前に記載されるように(10)、CyberFluor 615 Immunoanalyzer(MDS Nordion,Kanata,Ontario,Canada)での時間分解蛍光測定器で測定した。較正およびデータ換算を、自動的に行った。
【0107】
(アッセイ特性の決定)
アッセイ特性を、基本的に他で記載されている(11)ように決定した。
【0108】
(ヒト組織細胞質ゾル抽出物および生物学的体液)
ヒト組織細胞質ゾル抽出物を、以下のように調製した。種々の凍結ヒト組織(0.2g)を、ドライアイス上で微細粉末に粉砕した。溶出緩衝液(1mL(50mmol/L Tris(pH8.0)、150mmol/L NaCl、5mmol/L EDTA、10g/L NP−40界面活性剤、1mmol/L フェニルメチルスルホニルフロリド、1g/L アプロチニン、1g/L ロイペプチンを含む))を、組織粉末に添加し、そしてこの混合物を、10分毎に振盪および混合を繰り返しながら氷上で30分間インキュベートした。次いで、この混合物を、14,000rpmで4℃にて30分間遠心分離した。次いで、上清(細胞質ゾル抽出物)を回収した。試験したこの生物学的体液は、慣用的な生化学的試験に供したサンプルの残りであった。全ての組織細胞質ゾル抽出物および生物学的体液を、使用するまで−80℃で保存した。
【0109】
(回収率)
組換えhK11を、種々の濃度でヒト血清サンプル中に添加し、そして開発したhK11免疫アッセイで測定した。次いで、内因性濃度を差し引いた後に、回収率を算出した。
【0110】
(サイズ排除HPLCでの生物学的体液の分画)
生物学的体液を、基本的に他で記載されている(11)ように、シリカベースゲル濾過カラムで分画した。この画分を回収し、そして開発した免疫アッセイでhK11について分析した。
【0111】
(免疫組織化学)
マウスモノクローナル抗体を、上記のように、酵母細胞にて産生したhK11全長組換えタンパク質に対して惹起した。hK11に対する免疫組織化学染色を、標準的な免疫ペルオキシダーゼ法に従って行った。簡単には、パラフィン包埋した組織切片(4μm)を固定し、そしてロウを取り除いた。内因性ペルオキシダーゼ活性を、3%過酸化水素水で15分間ブロックした。次いで、切片を、0.4%ペプシン(pH2.0)で42℃にて5分間処理し、そして20%タンパク質ブロッカー(Signet Labs)で10分間ブロックした。次いで、一次抗体を、1:3,000希釈で室温にて1時間添加した。洗浄後、ビオチン化抗マウス抗体(Signet Labs)を添加し、抗体希釈緩衝液(Dako)で4倍に希釈した。インキュベーションおよび洗浄の後、ストレプトアビジンタグ化西洋ワサビペルオキシダーゼを、室温で30分間添加した。洗浄後、アミノエチルカルバゾール(AEC)を5〜10分間用いて検出を果たした。次いで、スライドを、ヘマトキシリンで対比染色し、次いでカバーガラスをマウントした。
【0112】
(hK11のホルモン調節)
hK11のホルモン調節を研究するために、基本的に他で記載されている(39)ように、種々の細胞株を培養し、次いで、種々のステロイドで刺激した。全てのステロイドホルモンを、最終濃度10−8Mで使用した。組織培養上清を、7日後に回収し、hK11の分析およびコントロールとしての前立腺特異的抗原の分析のために使用した。PSA分析を、他で記載されている方法(40)で行った。
【0113】
(結果)
組換えhK11タンパク質を、細菌発現系および酵母発現系の両方で産生した。このタンパク質を、以前に記載されている(11)ように、イオン交換クロマトグラフィーおよび逆相液体クロマトグラフィーの連続サイクルを使用して精製した。タンパク質の同定を、ナノ電気スプレー質量分光測定法(11)によって確認した。高度に精製したタンパク質の濃縮(SDS−PAGEによって>99%)を、ウシ血清アルブミンを標準として用いて、二シンコニン酸総タンパク質法によって達成した。
【0114】
モノクローナルマウス抗体およびポリクローナルウサギ抗体を、標準的技術(38)を使用して惹起した。ELISA型サンドイッチアッセイにおいて、高親和性モノクローナル抗体を、マイクロタイタープレートのコーティングのために使用し(捕捉抗体)、そしてポリクローナルウサギ抗体を、検出のために使用した。以前に記載されている(10)ように、アルカリホスファターゼで標識したヤギ抗ウサギポリクローナル二次抗体もまた使用して、アルカリホスファターゼの活性を、時間分解蛍光測定によって検出した。最少の可能な検出限界を得るために、このアッセイを、使用した試薬の量およびインキュベート時間の点で注意深く最適化した。最適な条件を上記する。
【0115】
このアッセイについての典型的な較正曲線を、図1に示す。95%の信頼度で0と区別され得る分析物の濃度として規定される検出限界は、0.1μg/Lであり、ダイナミックレンジは50μg/Lに広がる。同時(within−run)および日差(day−to−day)での精度研究は、測定範囲内で<10%のCVを産生する。添加した組換えhK11の血清への回収率は、平均50%であった(表1)。このアッセイの交差反応性を、他の相同のカリクレインに対してさらに評価した。hK2、hK4、hK6、hK10およびhK13(研究室内で産生した)を1,000μg/Lまでのレベルで試験した場合、これらのタンパク質からは検出可能な交差反応性を見出さなかった。PSA(hK3)について、使用したPSAを精漿から精製した場合、いくつかの交差反応性を検出した。1,000μg/Lおよび10,000μg/Lの精漿PSAにおいて、hK11の等価な濃度は、それぞれ0.23μg/Lおよび3.2μg/Lであり、0.028%の平均交差反応性を産生した。しかし、細菌中で産生した組換えPSAで交差反応性を試験した場合、交差反応性は、かなり低かった(0.0003%)。よって、より高い交差反応性が精漿PSAを用いて見出されたことは、この調製物中のhK11夾雑物に起因するようであると、結論付けた。PSAがhK11免疫アッセイと交差反応しないさらなる証拠を、以下の段落で提供する。
【0116】
種々のヒト組織におけるhK11タンパク質の分布を研究するために、細胞質ゾル抽出物を、上記のように調製し、hK11を、開発した免疫アッセイによって定量した。全ての値を、抽出物の総タンパク質含量について補正した。データを、図2に示す。最高レベルのhK11を前立腺において、続いて胃、気管、皮膚および結腸において見出した。最低レベルを、下垂体、精巣、肺、小腸および精嚢において見出した。hK11の細胞性分布を研究するために、腸上皮におけるパラフィン包埋した組織において免疫組織化学的に局在化した(図3A、B)。染色は、上皮細胞の細胞質に限定された。
【0117】
hK11の存在を、種々の生物学的体液においてさらに試験した。データを表2に示す。hK11を、試験した体液全てにおいて検出し、羊水および泌乳中の女性の乳汁において、最大レベルを観察した。これらの体液中でのhK11の存在は、hK11が分泌タンパク質であることのさらなる証拠を提供する。
【0118】
精漿中のhK11をさらに定量し、このセリンプロテアーゼが前立腺において最大レベルで存在するという事実を得た(図2)。異なる5つの前立腺組織抽出物中のhK11をまた、PSA(hK3)とともに定量し、これらの相対的アバンダンスを確立した。これらのデータを表3に示す。精漿中のhK11濃度は、表2に示す他の生物学的体液のいずれよりも平均で100倍より高い。前立腺組織抽出物において、hK11レベルは、PSAレベルの約1/250より低く、PSAレベルとhK11レベルとの間の相関はない。精漿において、hK11レベルはまた、PSAの約1/300より低い。精漿においてPSA濃度とhK11濃度との間の相関がないこと(表3)は、この体液中の比較的多量のPSAによってこのアッセイが影響されないことをさらに示唆する。別の前立腺のカリクレインであるhK2は、PSAの約1/100〜1/500より低いレベルで精漿中に存在する(41)。よって、hK11は、PSAの1/300のレベルおよびhK2とほぼ等しいレベルで精漿中に存在するようである。
【0119】
組織培養系は、hK3およびhK2のホルモン調節を研究するためにこれまでに確立されている(39)。この研究において使用した細胞株は、LNCaP(前立腺癌)、PC−3(AR)(アンドロゲンレセプターを安定的にトランスフェクトした前立腺癌細胞株)、MCF−7(乳癌)、MFM−223(乳癌)、ZR−75(乳癌)、BT−474(乳癌)、T−47D(乳癌)、BT20(乳癌)およびBG−1(卵巣癌)であった。これらの細胞株全てから、2つのみ(MCF−7およびBT−474)が、ホルモン刺激の際に検出可能なhK11を産生および分泌し得た。図4から観察することができるように、hK11タンパク質産生は、両方の細胞株において主にエストラジオールによって高度に刺激され、そして他のステロイドホルモンによって低度に刺激される。対照的に、PSA(hK3)は、BT−474細胞において、ジヒドロテストステロン(DHT)およびプロゲスチンノルゲストレルによって高度にアップレギュレートされる。これまでのデータに従って、PSAの産生は、MCF−7細胞株においては見出されなかった(39)。これらのデータは、KLK11遺伝子がこれらの細胞株において主にエストロゲンによって強度にアップレギュレートされることを、強く示唆する。
【0120】
40人の見かけ上健康な女性(25歳〜60歳)および32人の男性(30歳〜65歳)の血清において、hK11を定量した。得られた値の分布を、図5Aおよび5Bに示す。前立腺の存在に明らかに起因して、男性は、約3倍高いレベルを有する。男性の中央値(0.32μg/L)および女性の中央値(0.11μg/L)は、有意に異なる(マンホイットニー試験によってp<0.01)。さらなる分析について、女性について0.25μg/Lおよび男性について0.50μg/Lの上方参照範囲(upper reference range)(95パーセンタイル)を、考慮した。
【0121】
種々の悪性腫瘍を有する患者由来の114個の血清サンプルの全てを、hK11がこれらのいずれかにおいて増大されているか否かを試験するために分析した。データを表4に示す。hK11増大の最大パーセントは、卵巣癌および前立腺癌を有する患者において観察された。卵巣癌組織におけるhK11の免疫組織化学的局在化を、図3C、Dに示す。
【0122】
アッセイによって決定された精漿および血清におけるhK11の分子形態を試験するために、高いhK11を有する1つの精漿および1つの血清サンプルを、ゲル濾過カラムで分離した。データを図6に示す。精漿中のhK11は、分子量30kDaに対応する単一のピークとして溶出する(遊離hK11)。血清において、主要な30kDa形態に加えて、分子量約100kDaに対応する小さなピーク(<10%)が存在する。これは、PSAについて示されたように(42、43)、血清プロテイナーゼインヒビターに結合したhK11を示し得る。
【0123】
(考察)
既知の癌生物マーカーの全ての中で、前立腺特異的抗原(PSA)は、その組織特異性に起因して最も価値がある。増大した血清PSAレベルは、前立腺癌を有する患者において見られ、そしてこの試験は、この疾患の診断およびモニタリングに広範に使用される。PSAは、ヒト組織カリクレイン遺伝子ファミリーのメンバーであり、これは、分子量30kDaの分泌型セリンプロテアーゼである(5、6、25および44)。このファミリーの別のメンバーであるヒト腺カリクレイン2(hK2)は、前立腺癌についての新しい生物マーカーである(5)。より最近、カリクレイン遺伝子ファミリーの別の2つのメンバーであるhK6およびhK10は、卵巣癌についての新たな生物マーカーとして提唱された(26、27)。現在15つの既知のカリクレイン遺伝子が存在するが、多くのファミリーメンバーは、詳細には研究されていない(6、25)。
【0124】
組換えhK11タンパク質を、酵母発現系および細菌発現系の両方で産生した。これらのタンパク質は、クロマトグラフィーによって高度に精製され、そしてモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を産生するために免疫原として使用された。これらの抗体を使用して、生物学的体液および組織抽出物におけるhK11定量に適切な高感受性免疫アッセイを開発した。他のいくつかのカリクレイン(hK2、hK3、hK4、hK6、hK10)(6,25)と同様に、hK11は、前立腺において高度に発現され、そして他の多くの組織において低度に発現される(図2)。多くの生物学的体液(羊水および泌乳中の女性の乳汁を含む)は、多量のhK11を含む(表2)、しかし、最大レベルは、精漿において見られる(表3)。
【0125】
hK11は、上皮細胞によって分泌され、そしてこれらの細胞のゴルジ装置に代表されるような、核上画分に免疫局在化されている(図3)。このファミリーの他の多くのメンバーと同様に、hK11は、2つの乳癌細胞株において、ステロイドホルモン、特にエストラジオールによってアップレギュレートされる(図4)。このファミリーの他のメンバー(例えば、PSA、hK2およびhK4)は、アンドロゲンによってアップレギュレートされ(6、25、39)、その一方他のカリクレインは、エストロゲンによってアップレギュレートされる(6、25、45)。
【0126】
本明細書中に記載されるアッセイは、生物学的体液中のhK11の遊離形態を主に検出する(図6)。血清を用いるデータは、hK11もまた、他のカリクレインと同様に(42、43)プロテイナーゼインヒビターとの複合体形態で存在し得ることを示唆する。血清でのより低い回収率(約50%;表1)は、hK11が循環中への侵入の際にプロテイナーゼインヒビターに結合し得ることをさらに示唆する。
【0127】
hK11は前立腺に存在するが、その濃度は、PSAより実質的に低い(表3)。しかし、hK11濃度およびhK2濃度は前立腺組織抽出物および精漿の両方においてほぼ等しいようである(41)。PSAはセメノゲリン(semenogelin)を切断し得、そして血清融解を容易にすることが、以前に示された(46)。さらに、hK2は、PSAのプロ形態を活性化し得る(47〜49)。より最近、前立腺に発現される別のカリクレインであるhK15(33)は、hK2より効率的にPSAのプロ形態を活性化することが、示された(50)。
【0128】
血清hK11濃度は、卵巣癌および前立腺癌を有する患者の大多数において増大された(表4)。hK11タンパク質は、卵巣癌組織において免疫組織化学的に局在化された(図3)。陽性は、腫瘍細胞の細胞質において優性に見られた。
【0129】
本発明は、本明細書中に記載される特定の実施形態による範囲に限定されない。なぜなら、このような実施形態は、本発明の1つの局面の単一の例示でしかなく、そして任意の機能的等価実施形態は、本発明の範囲内であると意図されるからである。実際、本明細書中に示されそして記載されるものに加えて、本発明の種々の改変は、前述の記載および添付の図面から当業者に明らかとなる。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【0130】
本明細書中に参照される全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願の各々の全体が参考として援用されることが具体的および個別に示されているのと同程度に、その全体が参考として援用される。本明細書中で言及された全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明と合わせて使用され得る本明細書中で報告される抗体、方法論などを記載および開示する目的で、本明細書中に参考として援用される。本明細書中の全ての記載事項は、本発明が以前の発明によってこのような開示を予期する権利を与えられないという承認として解釈されるべきではない。
【0131】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において使用される場合、その文脈が明らかに他を示されない限り、単数形「a」、「an」および「the」は、複数の参照を含むということに、注意せねばならない。よって、例えば、「抗体(antibody)」に対する参照は、1つ以上の抗体(antibodies)および当業者に知られるその等価物などに対する参照である。
【0132】
以下の完全な列挙は、本明細書中に参照される参考文献を示す。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
【表4】
1.この値は、健康な男性の95パーセンタイルを示す。
2.卵巣癌を有する女性について、その70%が0.25μg/Lより多いhK11を有した(健康な女性の95パーセンタイル)。
【0137】
【表5】
本発明は、ここで、図面に関連して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1は、hK11免疫蛍光測定アッセイの較正曲線を示す。このアッセイは、0.1μg/L(最小検出限界)〜50μg/Lの動的範囲を有する。ゼロ標準の蛍光が、他の全ての測定値から差引かれた。
【図2】図2は、種々のヒト組織の細胞質抽出物のヒトカリクレイン11(hK11)含量を示す。すべてのhK11濃度は、総タンパク質量について補正された。
【図3】図3は、hK11タンパク質組織の免疫組織化学局在化を示す。染色は、実施例1に記載されるように、モノクローナル抗hK11抗体を用いて実施された。(A)小腸上皮細胞の核上細胞質における強い染色を示す(もとの倍率×400)。(B)Aと同じ組織の別の切片を示す。(C)卵巣の侵襲性乳頭漿液細胞癌の上皮細胞におけるhK11の免疫組織化学染色を示す(もとの倍率×400)。(D)Cと同じ組織の別の切片)を示す。
【図4】図4は、乳癌細胞株BT−474およびMCF−7におけるhK11産生のホルモン調節を示す。組織培養上清中の最高hK11タンパク質濃度が、エストラジオールで処理された細胞において観察された。BT−474細胞において、以前に記載された(23)ように、ジヒドロテストステロンおよびノルゲストレルを用いて誘導された後に、組織培養上清中の最高PSAレベルが観察された。略語:AL、アルコール(ネガティブコントロール);aldo、アルドステロン;estra、エストラジオール;dexa、デキサメタゾン;DHT、ジヒドロテストステロン;norg、ノルゲストレル。
【図5A】図5Aは、40人の女性のhK11血清濃度の分布を示す。中央値について、実施例1を参照のこと。
【図5B】図5Bは、32人の男性のhK11血清濃度の分布を示す。中央値について、実施例1を参照のこと。
【図6】血清サンプル(A)および精漿サンプル(B)のゲル濾過カラム上での高速液体クロマトグラフィー分離を示す。血清において、33kDa付近の大ピークが、100kDa付近の小ピークとともに示される。その大ピークは、hK11の遊離形態を示す。精漿において、この酵素の遊離形態のみが、検出可能である。
Claims (27)
- 卵巣癌または前立腺癌について被験体をスクリーニングする方法であって、該方法は、(a)被験体より生物学的サンプルを得る工程;(b)該サンプル中のhK11の量を検出する工程;および、(c)検出された該hK11の量を予め決定された標準と比較する工程、を包含し、ここで、予め決定された標準レベルとは異なるhK11レベルの検出は、疾患を示す、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記予め決定された標準は、正常コントロール由来のサンプル中のhK11レベルであり、該正常コントロールと比較した前記被験体におけるhK11レベルの増加は、疾患を示す、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、該方法は、工程(b)において、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、KLK4遺伝子、カリクレイン6、カリクレイン8、KLK8遺伝子、カリクレイン9、KLK9遺伝子、カリクレイン10、KLK10遺伝子、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)および癌胎児抗原(CEA)のうちの1つ以上を検出することをさらに含む、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、該方法は、工程(b)において、カリクレイン2、KLK5遺伝子、HER−2、KLK10遺伝子、KLK15遺伝子および前立腺特異的抗原のうちの1つ以上を検出することをさらに含む、方法。
- 前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体において前立腺癌または卵巣癌の病期をモニタリングする方法であって、該方法は、(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患する被験体を同定する工程;(b)該被験体のついてのhK11基底線レベルを確立するために該被験体由来の生物学的サンプル中のhK11レベルを測定する工程;(c)該被験体由来の同一型の生物学的サンプルにおいて、その後の時期でのhK11レベルを測定する工程;および(d)該測定されたhK11レベルを該hK11基底線レベルと比較する工程、を包含し、ここで、該被験体において測定されたhK11レベル対該被験体におけるhK11基底線レベルの増加は、進行する癌に関連し、そして測定されたhK11レベル対hK11基底線レベルの減少は、退行または寛解する癌に関連する、方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記hK11は、hK11に特異的な抗体を使用して測定される、方法。
- 前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体において前立腺癌または卵巣癌の存在を検出するための方法であって、該方法は、(a)前立腺癌または卵巣癌を罹患することが予想される被験体由来の生物学的サンプル中のhK11転写レベルを測定する工程;および(b)hK11の測定された転写レベルを予め決定された標準由来の生物学的サンプル中のhK11転写レベルと比較する工程、を包含する、方法。
- 被験体由来のサンプル中のhK11を測定することによって、該被験体における前立腺癌または卵巣癌を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)該被験体由来の生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と接触させる工程;
(b)該サンプル中のhK11を測定するために該検出可能な物質を検出する工程;および
(c)該測定されたhK11レベルを予め決定された標準について得られたレベルと比較する工程、
を包含する、方法。 - 被験体における前立腺癌または卵巣癌を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)該被験体由来の生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な第1の抗体、および固定化されているhK11に特異的な第2の抗体と反応させる工程;
(b)該第1の抗体を該第2の抗体から分離して、第1の抗体相および第2の抗体相を提供する工程;
(c)該第1の抗体相または第2の抗体相における該検出可能な物質を検出し、これにより該生物学的サンプル中のhK11を測定する工程;ならびに
(d)該測定されたhK11を、予め決定された標準について測定されたレベルと比較する工程、
を包含する、方法。 - 前記生物学的サンプルが血清である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項8または9に記載の方法であって、前記予め決定された標準は、健康なコントロール被験体由来のサンプルまたは該被験体の他のサンプル由来のサンプルにおけるhK11レベルに一致する、方法。
- 予め決定された標準レベルの検出より多いhK11の量の検出は、疾患、または疾患の進行の増加した危険を示す、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項9に記載の方法であって、工程(a)において、前記第1の抗体および第2の抗体が、前記生物学的サンプルと同時または連続して接触される、方法。
- 請求項6、8または9に記載の方法であって、前記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、免疫学的に活性な抗体フラグメント、ヒト化抗体、抗体重鎖、抗体軽鎖、遺伝子操作された単鎖Fv分子、またはキメラ抗体である、方法。
- 前記検出可能な物質が、アルカリホスファターゼである、請求項8または9に記載の方法。
- 前記アルカリホスファターゼが、蛍光原物質を使用して検出される、請求項15に記載の方法。
- 前記蛍光原物質が、4−メチルウンベリフェリルホスファターゼ、5−フルオロサリチルホスフェートまたはジフルニサルホスフェートである、請求項16に記載の方法。
- hK11が時間分解蛍光を使用して測定される、請求項16または17に記載の方法。
- 前立腺癌または卵巣癌を検出するための方法であって、該方法は、(a)被験体由来の生物学的サンプルを、酵素で直接的または間接的に標識されているhK11に特異的な抗体と反応させる工程;(b)該酵素に対する基質を添加する工程であって、ここで、該基質は、該基質、または該酵素および基質の反応産物が蛍光複合体を形成するように、選択される、工程;(c)該蛍光複合体の蛍光を測定することによって該生物学的サンプル中のhK11を定量する工程;ならびに(d)該定量されたレベルを予め決定された標準について得られたレベルと比較する工程、を包含する、方法。
- 前記酵素がアルカリホスファターゼであり、そして前記基質が、4−メチルウンベリフェリルホスファターゼ、5−フルオロサリチルホスフェートまたはジフルニサルホスフェートである、請求項19に記載の方法。
- hK11に関連する腫瘍を画像化するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)hK11に結合する因子が該腫瘍に関連するhK11に結合することを可能にするに十分な時間にわたって、該腫瘍を該因子とインキュベートする工程であって、ここで、該因子は、該腫瘍を画像化するための標識を保有する、工程;
(b)該腫瘍に局在化される該標識の存在を検出する工程、
を包含する、方法。 - 請求項21に記載の方法であって、該方法は、工程(a)において、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン9、カリクレイン10、カリクレイン15、CA125、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチド酸(LPA)または癌胎児抗原(CEA)に結合する因子のうちの1つ以上とインキュベートすることをさらに含む、方法。
- 請求項22に記載の方法であって、各因子は、工程(b)において識別され得るように標識されている、方法。
- 前記因子がhK11を認識する抗体である、請求項21、22または23に記載の方法。
- 請求項21〜24のいずれか1項に記載の方法であって、前記標識が、放射性同位元素、蛍光標識、核磁気共鳴活性標識、陽電子放射断層撮影(「PET」)スキャナーによって検出可能な陽電子放射同位元素、化学発光因子または酵素的マーカーである、方法。
- 請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法を実施するための、キット。
- 請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法を実施するためのキットであって、酵素で標識されたhK11に特異的な抗体;および該酵素に対する基質、を含む、キット。
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