JP2004529477A - 燃料電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、燃料電池およびその製造方法に関する。個別燃料電池を製造するため、まず編物(10)またはこれに類似の多孔性担持構造部、たとえば織物またはニッケル物または網状物を、1本または複数本の金属製ワイヤー(12)から形成させ、次にその上に正極・電解質・負極ユニット(CEA)を層状に段階的に被着させる。次に個別電池から燃料電池スタックを組み立てる。この場合個別電池はバイポーラープレート(14)によって互いに分離されている。担持構造部(10)の構成により、該担持構造部(10)内に場所的に異なる流動抵抗を創出することができ、よって個別燃料電池内での反応過程を所望の態様で制御することができる(図1)。
Description
【技術分野】
【0001】
燃料電池は公知のように電気化学的エネルギー変換器であり、化学的エネルギーを直接電流に変換するものである。このため、いわゆる個別(燃料)電池の正極側には燃料が、そして負極側には酸素または空気がそれぞれ連続的に供給される。その基本原理はこれら反応物を電解質によって空間的に分離することを特徴としている。電解質はイオンまたは陽子に対して導電性があるが、電子に対しては導電性がない。したがって酸化反応と還元反応とは場所的に異なる個所で進行し、すなわち正極と負極とで進行する。このようにして酸化剤と還元剤との間で生じる電子交換は外部の電気回路を介して行なわれる。この限りでは燃料電池は電気回路の一部である。
【背景技術】
【0002】
1個の燃料電池は、所望の出力と電圧とに応じて、並列および/または直列に結線される複数の個別電池から構成される。これら個別電池はそれぞれ電解質・電極ユニット(CEA cathode-electrolyt-anode とも呼ばれる)から成っている。個別電池は導電性の終端板または中間板(いわゆるバイポーラープレート)により互いに結合され、1つの積層体(いわゆるスタック)にまとめられる。従来の概念では、ガス状の反応物はバイポーラープレートにフライス加工した溝を介して反応層の電極表面上に分配される。このフライス溝の形成は非常にコスト高である。同時に、このようにして製造した燃料電池は、反応層を広い面積にわたってカバーしなければならず、よって物質交換が阻害されるので、比重および比容積に関わる出力密度は比較的小さい。
【0003】
さらに、前記CEAを形成する負極・電解質・正極層を、担持層として用いられる多孔性の固体基板上に被着させた燃料電池の構成が知られている。個別燃料電池をこのように構成すると、作動中に熱力学的応力が発生する。この熱力学的応力は、負極・電解質・正極層と多孔性の固体基板とで熱膨張が異なっているために生じるものである。また、反応速度が異なっているために、個々の担持層板を介して異なった反応温度が発生し、この反応温度の相違も熱力学的応力の原因になる。このような熱力学的応力の結果、かなりの機能障害が発生し、個別燃料電池を破損させることになる。特にこの種の燃料電池を自動車の技術分野で使用すると、走行中の振動によって付加的に負荷が生じるので、この問題はさらに深刻なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記の問題を解消し、低コストの製造態様を保証するような燃料電池およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は請求項1または3と14に記載の構成によって解決される。
本発明の中核的思想は、個別燃料電池に対し金属ワイヤーから構成される担持構造部を使用し、その上に正極・電解質・負極ユニットを被着させることである。ワイヤーから成るこのような担持構造部(もちろん多孔性である。有利には金属製の編物(Gestrick)の形態であるが、これ以外に金属製のニット物(Gewirk)、織物(Gewebe)、或いは網状物(Geflecht)として構成されていてよい)を使用すると、種々の分野でかなりの利点が生じる。主要な利点は、この種の担持構造部は3次元の弾性と可動性とをもっているために、3次元のすべての次元である程度自在な可動性があるという点にある。担持構造部の内部で個々のワイヤー(たとえば編物のループ)が変形または変位することにより、負極・電解質・正極コーティング部(=CEA)とこれを取り囲んでいる金属構造部との熱膨張の相違を相殺または補償することができる。特にセラミック構造(正極・電解質・負極ユニットはこの種の構造を形成する)に対し問題がある引張り応力は許容レベルに保持される。
【0006】
独立請求項3の他の構成は特に有利な構成を記載している。金属ワイヤーから構成された多孔性の担持構造部により(機能的には燃料電池の反応流体が貫流する)、(ガス状の)反応物をCEAの能動表面にわたって目的に応じて分配させることが可能になる。編物等、すなわち織物、ニット物、或いは網状物は流動的に透過であり、いわゆる反応流体は編物等を、すなわち多孔性の担持構造部を貫流するので、担持構造部を適当に構成することにより、特に場所的に構成を異ならせることにより、異なる膨張方向または流動方向においていわゆる格付け(Gradierung)を達成できる。すなわち、異なる領域を、および/または、異なる方向で貫流している流体に対し、異なる流動抵抗を作用させることができる。このため、たとえば担持構造部の(任意の)流動横断面積は他の領域では目的に応じて異なっていてもよい。これにより、担持構造部の異なる領域で異なる流速が生じる。
【0007】
その結果、CEAユニットの能動表面における反応挙動を目的に応じて調整することができる。たとえば、個別燃料電池の供給領域では大量の新鮮な反応流体が提供されるが、このような供給領域において、CEAユニットの能動表面に対し平行な方向で比較的高い流速を反応流体に対し作用させることにより、および/または、CEAユニットのほうへ延びる流動方向で比較的高い流動抵抗を反応流体に対し作用させることにより、反応性を緩和させることが可能になる。逆に、たとえば個別燃料電池の排出領域においてはわずかな量の新鮮な反応流体しか提供されないので、反応性を高めるため、CEAユニットの能動表面に対し平行な方向で反応流体に対し低い流速を与えることにより、および/または、CEAユニットのほうへ延びる流動方向で反応流体に比較的小さい流動抵抗を作用させることができる。このようにCEAユニットの能動表面において反応挙動を目的に応じて調整することにより、目的に応じて熱応力を減少させることができ、或いは、ある程度十分に回避することができ、これにより従来の技術における前記問題を解消させることができる。
【0008】
前記異なる流動挙動または流速を所望の態様で得るため、担持構造部または編物等はたとえばその厚さ方向において「格付け」されていてよい。この場合、担持構造部または編物の内部の自由横断面積または有効横断面積は負極・電解質・正極のほうへ減少する。これはたとえば編物のメッシュ幅、および/または、担持構造部を形成しているワイヤーの太さ、部材密度、編物等のメッシュ形状、ループ湾曲度、および/または、使用するワイヤーの表面特性を変化させることによって達成できる。したがって、所望の流動効果に応じて編物の場合には編み方を対応的に適合させることができるので、ワイヤーを適当に編むことができ、或いは所望のいわゆる「格付け」の点で目的に応じて編むことができる。
【0009】
これに関連して指摘しておくと、以下では簡単のために編物だけを取上げ、或いは一般的に担持構造部について述べるが、これによって他の前記変形実施形態、すなわち金属ワイヤーから成る織物またはニット物または網状物を除外するわけではない。「担持構造部」または「編物」という概念は常に個別燃料電池のCEAユニットのための本発明による多孔性担持構造部に対し使用されるものであり、すなわち1本または複数本のワイヤーから編物またはニット物または網状物または織物の形態で構成されている前記担持構造部に対し使用されるものである。
【0010】
担持構造部のいわゆる格付けに話を戻すと、すなわち反応流体に対し場所的に異なった流動抵抗に話を戻すと、担持構造部のいわゆる格付けを、負極・電解質・正極ユニットの接触面に対し平行な方向において達成することができ、或いは、この方向において流動抵抗を目的に応じて変化させることができる。たとえば、反応物および反応生成物の流動方向において自由流動横断面積または有効流動横断面積をこのように変化させることにより、物質転化およびエネルギー解放の均一化を達成できる。というのは、たとえば流動方向において流動経路が拡大することにより、速度が緩慢になることで反応時間が遅くなる作用は、媒体が乏しくなることで補償できるからである。また、反応物のその後の流動方向における格付け、すなわち流動横断面積の変化は、(たとえば)編物を適宜構成することにより達成でき、すなわちメッシュ幅、ワイヤーの太さ、部材密度、メッシュ形状、ループ湾曲度、および/またはワイヤーの表面特性を相違させることによって達成できる。
【0011】
この場合、編物または担持構造部内に適当な管路を形成してよい。管路の自由横断面積は管路の長さ方向に変化しており、したがってこの管路はいわゆる発散性(択一的に収斂性)の管路である。これらの管路を担持構造部の表面に設けると、担持構造部上またはその内部に適当な管路を刻設または圧入する(プロファイル)ことによって前記の異なる流動条件を生じさせることが可能である。担持構造部表面へのこれら管路の刻設または圧入はたとえばダイ或いはローラを用いて行うことができる。
【0012】
担持構造部のワイヤーは、有利な実施形態では、ニッケル、および/または、フェライト系合金またはオーステナイト系合金、および/または特殊鋼を含んでいる。たとえばNiFe22、インコネル(Inconel ; 商品名)、FeCrAloy、或いは特殊鋼を使用できる。すなわちニッケル材は、(完成した個別燃料電池において)前記CEAの担持構造部に当接している正極の反応性を改善させる。この場合ワイヤーを耐食性の材料で被覆して、高温燃料電池の場合でもガス状反応物による腐食を阻止してよい。さらに、ワイヤーを異なる材料から組み合わせてもよく、たとえば種々のワイヤーをまとめて担持構造部を形成したり、或いは種々のワイヤーを担持構造部内でまとめてもよく、たとえば行なわれる反応に対するその影響に関し場所的に適当に配置することができる。
【0013】
負極・電解質・正極層を担持構造部に被着させるための特に有利な方法は熱的コーティング方法である。たとえば火炎溶射方法(簡単な溶射 ; High Velocity Oxygen Flame Spraying)またはプラズマ溶射方法(大気プラズマ溶射方法、真空プラズマ溶射方法、低圧プラズマ溶射方法を適用することができる。プラズマはたとえば直流電圧によって発生でき、或いは誘導性高周波励起によって生成でき、この場合層を生成させるために粉末、サスペンション、液状出発物質および/またはガス状出発物質を使用できる。真空プラズマ溶射方法または低圧プラズマ溶射方法を適用する場合には、プラズマ源は高速ノズルを備えていてよく、この場合1bar以下の反応器圧で、たとえば50mbarと300mbarの間の反応器圧で非常に密な層が生成できる。
【0014】
予め適宜製造した編物または担持構造部から出発して、正極・電解質・負極ユニットのためのコーティング部を構築した本発明による個別燃料電池を製造するため、まず編物の片側、すなわち担持構造部側に正極を形成させる。この場合編物または担持構造部はこの領域で予めわずかに圧縮されていてよく、或いは以下で詳細に述べるように他の前処理を施していてよい。正極の母材としては、たとえばニッケルまたはNiAl合金をZrO2との混合物で用いることができる。NiAl合金の場合には、アルミニウムをたとえば水酸化カリウム溶液で処理することができるので、硬く結合された高導電性の、高多孔性のニッケル・ZrO2複合層が生じる。これに関連して指摘しておくと、第1の層として担持構造部上にいわゆる正極基層またはいわゆるカバー層を被着させることができ、正極基層またはカバー層に対してもニッケル、ニッケル合金、或いはニッケル・アルミニウム合金を使用できる。このような正極基層またはカバー層を用いると、この面内での燃料電池反応物の電子を好適に均一分布させることができる。
【0015】
適宜被着させた第1の電極層(これまでの説明によれば正極層)の上には、電解質層とその上に第2の電極層(これまでの説明によれば負極層)とを被着させることができ、これによって正極・電解質・負極ユニット全体が編物上に生成される。なお、第1の層としてこのいわゆるCEAの負極層を編物上に被着させ、その後この上に電解質を被着させ、最後にその上に正極層を被着させてもよい。
【0016】
電極(正極または負極)を編物上に被着させるためにプラズマ溶射方法を使用できるようにするため、編物の該当する側を予め適当に準備して、被着の際に電極材料が編物内に深く侵入しすぎないようにしてよく、或いはその必要がある。この目的のため、いわゆる「溶射遮断部」または「ビームブレーキ」または「ビームストッパー」を使用することができる。この呼び名は、正極(場合によっては負極)を被着させる編物表面または担持構造部表面上に、或いはその領域に、溶射またはビームが編物または担持構造部を貫通するのを阻止する層が設けられているような処置すべてに向けられている。このような溶射遮断部を形成させるため、編物または担持構造部の表面付近に補助的なワイヤーを織入れるか、網状に挿入するか、或いは編入れることができる。この補助的なワイヤーは溶出可能な材料から成っているので、後で除去することができる。このようなワイヤーの材料としてはたとえばアルミニウムが適しており、水酸化カリウムを使用することにより洗い落とすことができる。これとは択一的に、いわゆる溶射遮断部を形成するこの種のワイヤーはプラスチックから成っていてもよく、高温でたとえば酸素または水素を使用して除去でき、すなわちいわば燃焼させることができる。
【0017】
さらに、いわゆるビームストッパーまたは溶射遮断部として、編物等の正極・電解質・負極側に適当な充填材、たとえばペースト状の充填材を設けることができる。この充填材は場合によっては乾燥或いは硬化され、電極層を被着させた後に燃焼或いはその他の方法で除去される。いわばカバー層を形成するこの充填材は、たとえばいわゆるレイタンス(これは、のろに似たスラグ材である)によって形成され、燃え尽きるようにたとえばグラファイトをベースにしている。ペースト状の充填材としては、金属製のレイタンス以外にセラミックのレイタンスを、特に編物の粗構造の領域或いは本発明による多孔性の担持構造部の領域に使用することができる。セラミック充填材も個別電池製造後に洗い落とすことができる。
【0018】
本発明の1つの有利な実施形態は、担持構造部がコーティング不能な密な土台の上に設置され、反対側から熱的溶射方法により溶射されることを特徴としている。その結果密な土台の領域にデポジションが起こり、或いはそこで担持構造部内にいわゆるカバー層が形成される。この方法の利点は、溶射材として正極材を使用できるので、後でビームブレーキを除去する必要がないことである。これに加えて、「溶射遮断部」または「ビームブレーキ」としてグラファイトフォイルも使用できる。グラファイトフォイルは編物の第1の層に差し込まれ(たとえばローラ等により差し込む)、この場合電極と最上位のワイヤーループまたはワイヤー領域との電気接触を保証するため、後者をたとえば露出ブラッシング(freibuersten)することができる。
【0019】
電極または正極とこれに対向している担持構造部の側との間の表面をできるだけ平滑にするため、電極材を被着する際に担持構造部を、本発明に従って提案される(プラズマ)溶射方法により、土台の凸状の表面にわたって張ることができる。というのは、次に面内にまっすぐに置くことにより、場合によっては表面に孔があるときにこの孔を塞ぐからである。
【0020】
担持構造部の安定性または寸法安定性を改善し、且つ担持構造部内部での電気抵抗をできるだけ小さくするため、担持構造部を形成しているワイヤーをその接触点において有利には互いに固定結合させてよい。この固定結合は接着、蝋付け、焼結、或いは溶接によって行うことができる。高温での適当な炉内での焼結は、適当な押圧力で実施するのが有利である。
【0021】
担持構造部の個々のワイヤー間でそのそれぞれの接触個所において上記のごとく溶接することは、たとえば抵抗溶接により達成でき、このため2つの金属電極を用いて電流インパルスを担持構造部の上面および下面にて該担持構造部に流す。有利には、この溶接を保護ガス雰囲気でまたは真空中で行なうのがよい。溶接電極としては直線電極、プレートまたはローラを使用することができる。担持構造部が電極に溶着するのを避けるため、電極表面を適宜手入れしておく必要があり、たとえば適当な被覆部を有している必要がある。この被覆部は溶着を阻止し、或いは担持構造部に対する境界抵抗は可能な限り小さいので、接触面にはほとんどオーム熱が露顕しない。
【0022】
特に電極材で熱コーティング工程を実施している間に熱負荷を適性にするため、担持構造部の強度を増大させる処置をとってもよい。これにより、たとえば引張り荷重を受けている担持構造部の膨出およびデフォルトを回避することができる。このような強度増大要素はたとえば金属製のワイヤーフレームまたはワイヤー織物またはワイヤー格子である。他方適当な縦ワイヤーを取り付けてもよい。この場合、ワイヤー間隔はたとえば0.5mmないし20mmの範囲に選定してよい。さらに、織り込んだ縁板または縁帯を、たとえばメタルフォイルから成る縁板または縁帯を、同様に担持構造部の強度を増大させるために使用してもよい。縁板または縁帯はコーティング工程後に切離すことができるが、担持構造部に残しておいて個別燃料電池の縁を密封させるために使用してもよい。
【0023】
これに関連して述べておくと、たとえば編物の縁は、個別燃料電池の形成のため(いくつかの個別燃料電池はまとめられて1つのスタックを形成する)、適当にプレスしていわゆる縁板を形成させるようにしてもよい。たとえばこの縁板により編物を(正極・電解質・負極ユニットを前述の態様でこの上に被着させた後に)このユニットの反対側によって、冒頭で述べたバイポーラープレートに溶接することができる(或いは適当に形状拘束的に結合させても、或いは融着等の物質結合を行なってもよい)。この利点は、編物の縁とバイポーラープレートとの間に独自のパッキンを必要しないことである。特にこれは、この結合部をたとえばCEAユニットの電解質層の形成と同時に電解質材によって補助的に密封する場合に有効である。
【0024】
同様にこれに関連して述べておくと、編物または担持構造部はその全体を、電流の誘導を保証する方法、たとえば冷間溶接、溶接、蝋付け或いは焼結のような方法によりバイポーラープレートと結合させることができる。この種の方法は大量生産にとって完成されたものであり、最適に適用できる。前記電流の誘導は、電流を所望どおりに発生させるばかりでなく、個別電池から個別電池へ転送できることを保証するものである。
【0025】
編物と正極・電解質・負極ユニットとの接触を改善させるため、或いはいわゆる溶射遮断部またはビームブレーキとして、および/または、被着されるべき正極・電解質・負極ユニットに関連して担持構造部に対する補強手段として、担持構造部または編物の正極付近の層の中間空間を、孔形成材を混合させた充填材、特に導電性充填材で充填させてもよい。この充填材は編物内または担持構造部内に残り、すなわち電極層を被着させた後、当初述べた溶射遮断部またはビームブレーキとは異なり除去されない。この種の充填材としてたとえば適当な特殊鋼ペーストを使用でき、特殊鋼ペーストはたとえば焼結によりCEA電極ユニットのための有効性担持体へ置換される。
【0026】
他方、電極付近の編物層(等)を、電極層を被着させる前に多孔性のカバー層とともに、たとえば金属材或いはセラミック材から成るカバー層とともに焼結させてもよい。これもこの領域での編物の安定性を向上させる。これに比較しうる態様で、特に編物の正極側に、電極層を被着させる前に多孔性のフォイル、たとえば導電性材料から成るフォイルを被着させてもよい。フォイルのこの多孔性は、フォイルを被着させた後にはじめて機械的方法または電気化学的方法または熱的方法で(フォイルにいわゆる孔形成材を装入することにより)発生させることができる。この場合前記孔が必要なのは、(もちろん)、編物(或いは一般的に担持構造部)とこれに当接している電極層との間に反応物の所望の通路を形成できるようにするためである。
【0027】
前述したように、ワイヤーの横断面を変化させる以外に、担持構造部の材料組成も局所的に変化させることができる。これによりガスの内的改質を正極側で制御することができる。ガスの内的改質は吸熱的に経過し、特にニッケルによって実現され、すなわちニッケルは触媒として作用する。燃料電池のいわゆる燃料ガス装入でニッケル表面成分が減少すると、改質過程が変化し、したがって燃料電池内の燃料ガスの反応性が変化し、よっていわば冷却が生じる。この冷却は局所的に電池の出力を低下させる。それ故担持構造部の構成と材料組成とは、一般的に、改質過程の均一性、物質転換の均一性、および個別燃料電池の出力解放の均一性を達成するためのパラメータである。
【0028】
上述した個別電池の構成は特に効率的な製造プロセスを可能にさせる。この製造プロセスは連続的に経過することができる。すなわち、まず1本のワイヤーから編物ベルトまたはベルト状担持構造部を連続的に製造でき、(詳細に前述したように)場所的に異なる流動抵抗を生成させるために所望のいわゆる格付けを実現できるとともに、個々のワイヤー交差点の間での溶接、一般的には結合を実現できる。次に、このようにして形成した編物ベルトを連続的にさらに処理することができ、この場合連続的に順次前記正極層と電解質層と負極層とを被着させることができる。最後に、このようにして形成したいわゆる燃料電池ベルトから切断により個別燃料電池を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明による個別燃料電池の実施形態とその方法とを添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明による燃料電池の構成を部分断面図で示したもので、この種の個別燃料電池を組み立てて燃料電池ユニット全体のいわゆるスタックを形成させるものである。図示した個別電池は金属ワイヤー12から成る編物10を有している。編物10はその上に配置される負極・電解質・正極ユニットCEAを担持する担持構造物として用いる。なお図中Cは負極で、Eは電解質、Aは正極である。編物10のCEAユニットとは逆の側には、燃料電池または個別燃料電池の構成において通常用いられるバイポーラープレート14が設けられている。
【0031】
個別燃料電池がいわゆるSOFC(Solid Oxid Fuel Cell)型式のもので、したがって高温燃料電池である場合には、電解質としてたとえばY2O3で安定化させたセラミック固体ZrO2を使用することができる。この電解質は酸素イオンに対して伝導性がある。正極層に対しては、本実施形態ではたとえばNi-YSZを使用している。負極層に対してはペロブスカイト酸化物、たとえばLSM(lanthanum-strontium-manganese-compound ランタン・ストロンチウム・マンガン複合物)を使用することができる。なお、電流を発生させての電気化学的過程は当業者に知られているものなので、ここでは詳細に説明しないが、公知のように、CEAの正極側(A)と適当な燃料ガスとを接触させ、且つCEAユニットの負極側(C)を空気酸素と接触させると、電気化学的過程により個別燃料電池内に矢印31で示すような電流或いはこれに対応する電圧ポテンシャルが発生する。この場合少なくとも燃料ガスは編物10を貫通するように誘導され、図1の図示では図面の面に対し垂直に誘導される。したがって燃料ガスはCEAユニットとバイポーラープレート14との間で案内される。図2では燃料ガスは矢印24にしたがって編物10内へ流入し、このため(下)稜13にはいわゆる燃料ガス導入部がある。
【0032】
編物10を形成しているワイヤー12はニッケル合金から成っており、その結果導入される反応物(燃料ガス)に対し耐食性があるとともに、空気に対しても耐食性がある。すでに詳細に説明したように、編物10はその厚さと密度の点で、CEA層に至る矢印31の方向、すなわち反応物の前進運動方向においても、また燃料ガスの主流動方向(図1においては図面の面に対し垂直な方向、図2では矢印24の方向)においても、場所的に異なった流動抵抗が生じるように流動横断面積に関し「格付け」されている。このいわゆる格付けを達成するため、編物10の内部では編物10のメッシュ密度は場所的に異なっている(この点は図ではあまりわからない)。同様にすでに述べたように、編物10の個々のワイヤー12は溶接工程等により互いに結合されているので、(矢印31に従って)電流を案内するうえで可能な限り小さな電気抵抗が達成されている。
【0033】
編物10のCEAユニットとは逆の側の(下部)側面には管路16が形成されている。管路16は燃料ガスの流動方向24に延びており、したがって燃料ガスを編物10の全面または全体積にわたって分配させるので好ましい。この管路と対応するような管路17を、(通常のように)バイポーラープレート14の編物10側の上面に設けてもよい。少なくとも、編物10内にたとえば圧入により成形された管路16は、図2に示すように発散するように延び、すなわち流動方向24において横断面が拡大している。その結果個別燃料電池の燃料ガス入口(稜13)の付近の流速は反対側の出口領域15における流速よりも大きい。このため、流動方向24に見て個別燃料電池の長手方向において物質転化およびエネルギー解放が均一化される。すなわち、横断面が拡大していることにより燃料ガスの流速が個別燃料電池の長手方向において小さくなるので、流動経路全体にわたって反応物の静力学的圧力が正極により均一化される。その結果、個別燃料電池全体にわたって出力密度は均一になる。
【0034】
図1では、すでに述べたように、編物10とCEAユニットから成っている個別燃料電池はバイポーラープレート14上に配置されている。このようなバイポーラープレート・編物・CEA電池を幾つか並べることにより、個別電池の任意のスタックを構築することができ、スタックは全体的に燃料電池のコア領域を形成する。もちろん、CEAユニットの負極側または負極層に境を接しているパイポーラープレート(図1では図示した個別電池の上方にある別の個別電池のバイポーラープレート)と、図示した個別電池の負極層Cとの間にも流動管路が形成されるように配慮すべきことは公知のとおりである。これもたとえば編物挿入物によって実現されていてよい。さらに、個々の個別電池間の気密な密封が保証されている必要があり、且つ電流の供給(たとえば負極側の編物挿入物または導電性ペーストを介して行なわれる)も保証される必要がある。このような構成は従来の技術から十分に知られているので、ここではこれ以上詳細に立ち入ることはしない。
【0035】
以上説明した個別電池を製造するため、以下に図3を用いて説明する方法を適用することができる。この方法によれば、1本の連続したワイヤー12(或いは複数本のワイヤーを同時でもよい)を編み機50に挿入し、そこで編むことによって所定の編物ベルト52を形成させる。編物ベルト52は編み機50を連続的に離れる。編み方に応じて前述したいわゆる格付けを編物に導入することができ、すなわち場所によって異なる編物密度を生じさせて、場所によって異なる流動抵抗が得られるようにする。さらに、ワイヤーの性質によって編物の性質、特にその化学的な性質が決定される。
【0036】
次の段階として、連続的な編物ベルト52をローラユニットに供給する。ローラユニットは上部ローラ53と下部ローラ54とから成り、該ローラユニットにおいて編物ベルト52を転動させる。上部ローラ53と下部ローラ54には多機能性がある。すなわち上部ローラ53は鍛造打型を有しており、鍛造打型は編物ベルト52の通過方向に対し横方向に指向し、交互に発散する流路(図2において符号16で示した流路)を編物10または編物ベルト52に刻設する。さらに、導電性の両ローラ53と54には電流を作用させるので、編物ベルト52が通過するときに、編物10内で互いに隣接しているワイヤー12が溶接される。これにより、すでに述べたように編物10内部で低オームの抵抗が達成され、個別燃料電池から電子を放出するうえで好都合に作用する。
【0037】
次に、このように処理した編物ベルト52を密な土台58を介して案内し、逆の側からプラズマ溶射方法によるコーティングプロセスIで圧縮材または正極材で照射する。この正極材は、密な土台58の領域でそこにある編物10または編物ベルト52の表面にいわゆるデポジションの形態で固着し、編物10(または52)のいわゆるカバー層11(または第1の表面層)を(編物の「下面」に)形成する。このカバー層11は同時に正極側にも利用できるので有利である。正極材と硬い土台58との結合を避けるため、土台58に分離材を備えさせてよい。
【0038】
もちろんコーティングプロセスIも連続的に行なう。この場合圧縮材としてはニッケル或いはニッケル合金・ZrO2混合物を使用することができる。正極側にすでに薄いカバー層11を備えている編物ベルト52をたとえば転向ローラ60で転向或いは回転させた後、他のコーティングプロセスIIでもう一度非常に薄い正極層を被着させる。この非常に薄い正極層は、コーティングプロセスIで事前に被着されて正極層としても機能するカバー層11と結合して正極全体(図1の符号Aを参照)を形成する。コーティングプロセスIIのために編物ベルト52を回転させることが必要なのは、すでに述べたようにコーティングプロセスIで材料をして編物ベルト52を貫通させてその下稜に挿入した後に、材料をもう一度上方から被着させることができるようにするためである。
【0039】
この場合、コーティングプロセスIIでは、編物ベルト52を(図面の面に対し垂直な面内で)凸状の支持面62を介して案内し或いは緊張せしめることにより(これに関してはすでに述べた)、特に平滑な正極面を達成できる。総じて、方法ステップIとIIから成るこのような処置を取ることにより、非常に薄くて有利には平滑な正極表面を得ることができる。次にコーティングプロセスIIIで同様にプラズマ溶射方法によりCEAユニットの電解質(E、図1を参照)を被着させ、コーティングプロセスIVで負極材(C)を被着させる。プラズマ溶射方法を適用する場合、直流電圧励起方式を使用する。この場合それぞれの層の材料は粉末の形態で使用する。すべてのコーティングプロセスI,II,III,IVは編物ベルト52を常時前進させながら連続的に経過する。個々の製造ステップの間にさらにクリーニングステップを設けてもよい。さらに、それぞれの熱溶射プロセスはゲートを備えた別個のチャンバー内で行ない、有利には保護ガス雰囲気中で行なうので、酸化過程とこれに対し相互関係にある汚染とを十分回避することができる。
【0040】
製造方法が終了すると、コーティングした編物ベルト52を系統化することにより、たとえば(レーザー或いは水噴射等を用いて)切断することにより個々の個別電池構造を得ることができる。これらの個別電池をさらに処理して1つの燃料電池スタックを得ることができる。この場合固定、密封、接触等の方法ステップが実施される。総じて、本発明による方法は簡潔で極めて低コストの個別燃料電池製造方法を提供し、個別燃料電池は本発明による構成により特に好ましい性質を熱応力に関し有しており、特に非定常使用に対しても適している。
【0041】
もちろん、上述した連続的な製造方法に代えて他の(公知の)製造方法を採用してもよい。たとえばまず編物ベルトを編み、これを系統化する(たとえばベルトの巻回、横置き設置)ことが可能である。系統化した部材をいわゆるプレス型で板状部材にプレスした後、CEAユニットのためのいわゆる溶射遮断部および/または担持層を被着させる。その後、他のステップで電極用のコーティングと電解質用のコーティングを行なう。基本的には、上述した方法ステップは金属ワイヤーまたはワイヤーから構成された他の担持構造部にも適用でき、たとえばニット物、網状物、または織物にも適用できる。なお、本願の特許請求の範囲の内容を逸脱しなければ、詳細の多くは上記の実施態様とは異なっていてもよい。特に、本発明の対象である部材としての燃料電池は、編物から形成される多孔質の担持構造部10に限定されるものではなく、金属ワイヤー12から構成される織物、網状物、またはニット物も使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】バイポーラープレート上に配置された個別燃料電池の一部分の概略断面図(図2のA−A断面図)である。
【図2】発散性流動管路を刻設した前記個別電池の編物の平面図(図1のB−B断面図)である。
【図3】本発明による製造方法を説明する概略図である。
【0001】
燃料電池は公知のように電気化学的エネルギー変換器であり、化学的エネルギーを直接電流に変換するものである。このため、いわゆる個別(燃料)電池の正極側には燃料が、そして負極側には酸素または空気がそれぞれ連続的に供給される。その基本原理はこれら反応物を電解質によって空間的に分離することを特徴としている。電解質はイオンまたは陽子に対して導電性があるが、電子に対しては導電性がない。したがって酸化反応と還元反応とは場所的に異なる個所で進行し、すなわち正極と負極とで進行する。このようにして酸化剤と還元剤との間で生じる電子交換は外部の電気回路を介して行なわれる。この限りでは燃料電池は電気回路の一部である。
【背景技術】
【0002】
1個の燃料電池は、所望の出力と電圧とに応じて、並列および/または直列に結線される複数の個別電池から構成される。これら個別電池はそれぞれ電解質・電極ユニット(CEA cathode-electrolyt-anode とも呼ばれる)から成っている。個別電池は導電性の終端板または中間板(いわゆるバイポーラープレート)により互いに結合され、1つの積層体(いわゆるスタック)にまとめられる。従来の概念では、ガス状の反応物はバイポーラープレートにフライス加工した溝を介して反応層の電極表面上に分配される。このフライス溝の形成は非常にコスト高である。同時に、このようにして製造した燃料電池は、反応層を広い面積にわたってカバーしなければならず、よって物質交換が阻害されるので、比重および比容積に関わる出力密度は比較的小さい。
【0003】
さらに、前記CEAを形成する負極・電解質・正極層を、担持層として用いられる多孔性の固体基板上に被着させた燃料電池の構成が知られている。個別燃料電池をこのように構成すると、作動中に熱力学的応力が発生する。この熱力学的応力は、負極・電解質・正極層と多孔性の固体基板とで熱膨張が異なっているために生じるものである。また、反応速度が異なっているために、個々の担持層板を介して異なった反応温度が発生し、この反応温度の相違も熱力学的応力の原因になる。このような熱力学的応力の結果、かなりの機能障害が発生し、個別燃料電池を破損させることになる。特にこの種の燃料電池を自動車の技術分野で使用すると、走行中の振動によって付加的に負荷が生じるので、この問題はさらに深刻なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記の問題を解消し、低コストの製造態様を保証するような燃料電池およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は請求項1または3と14に記載の構成によって解決される。
本発明の中核的思想は、個別燃料電池に対し金属ワイヤーから構成される担持構造部を使用し、その上に正極・電解質・負極ユニットを被着させることである。ワイヤーから成るこのような担持構造部(もちろん多孔性である。有利には金属製の編物(Gestrick)の形態であるが、これ以外に金属製のニット物(Gewirk)、織物(Gewebe)、或いは網状物(Geflecht)として構成されていてよい)を使用すると、種々の分野でかなりの利点が生じる。主要な利点は、この種の担持構造部は3次元の弾性と可動性とをもっているために、3次元のすべての次元である程度自在な可動性があるという点にある。担持構造部の内部で個々のワイヤー(たとえば編物のループ)が変形または変位することにより、負極・電解質・正極コーティング部(=CEA)とこれを取り囲んでいる金属構造部との熱膨張の相違を相殺または補償することができる。特にセラミック構造(正極・電解質・負極ユニットはこの種の構造を形成する)に対し問題がある引張り応力は許容レベルに保持される。
【0006】
独立請求項3の他の構成は特に有利な構成を記載している。金属ワイヤーから構成された多孔性の担持構造部により(機能的には燃料電池の反応流体が貫流する)、(ガス状の)反応物をCEAの能動表面にわたって目的に応じて分配させることが可能になる。編物等、すなわち織物、ニット物、或いは網状物は流動的に透過であり、いわゆる反応流体は編物等を、すなわち多孔性の担持構造部を貫流するので、担持構造部を適当に構成することにより、特に場所的に構成を異ならせることにより、異なる膨張方向または流動方向においていわゆる格付け(Gradierung)を達成できる。すなわち、異なる領域を、および/または、異なる方向で貫流している流体に対し、異なる流動抵抗を作用させることができる。このため、たとえば担持構造部の(任意の)流動横断面積は他の領域では目的に応じて異なっていてもよい。これにより、担持構造部の異なる領域で異なる流速が生じる。
【0007】
その結果、CEAユニットの能動表面における反応挙動を目的に応じて調整することができる。たとえば、個別燃料電池の供給領域では大量の新鮮な反応流体が提供されるが、このような供給領域において、CEAユニットの能動表面に対し平行な方向で比較的高い流速を反応流体に対し作用させることにより、および/または、CEAユニットのほうへ延びる流動方向で比較的高い流動抵抗を反応流体に対し作用させることにより、反応性を緩和させることが可能になる。逆に、たとえば個別燃料電池の排出領域においてはわずかな量の新鮮な反応流体しか提供されないので、反応性を高めるため、CEAユニットの能動表面に対し平行な方向で反応流体に対し低い流速を与えることにより、および/または、CEAユニットのほうへ延びる流動方向で反応流体に比較的小さい流動抵抗を作用させることができる。このようにCEAユニットの能動表面において反応挙動を目的に応じて調整することにより、目的に応じて熱応力を減少させることができ、或いは、ある程度十分に回避することができ、これにより従来の技術における前記問題を解消させることができる。
【0008】
前記異なる流動挙動または流速を所望の態様で得るため、担持構造部または編物等はたとえばその厚さ方向において「格付け」されていてよい。この場合、担持構造部または編物の内部の自由横断面積または有効横断面積は負極・電解質・正極のほうへ減少する。これはたとえば編物のメッシュ幅、および/または、担持構造部を形成しているワイヤーの太さ、部材密度、編物等のメッシュ形状、ループ湾曲度、および/または、使用するワイヤーの表面特性を変化させることによって達成できる。したがって、所望の流動効果に応じて編物の場合には編み方を対応的に適合させることができるので、ワイヤーを適当に編むことができ、或いは所望のいわゆる「格付け」の点で目的に応じて編むことができる。
【0009】
これに関連して指摘しておくと、以下では簡単のために編物だけを取上げ、或いは一般的に担持構造部について述べるが、これによって他の前記変形実施形態、すなわち金属ワイヤーから成る織物またはニット物または網状物を除外するわけではない。「担持構造部」または「編物」という概念は常に個別燃料電池のCEAユニットのための本発明による多孔性担持構造部に対し使用されるものであり、すなわち1本または複数本のワイヤーから編物またはニット物または網状物または織物の形態で構成されている前記担持構造部に対し使用されるものである。
【0010】
担持構造部のいわゆる格付けに話を戻すと、すなわち反応流体に対し場所的に異なった流動抵抗に話を戻すと、担持構造部のいわゆる格付けを、負極・電解質・正極ユニットの接触面に対し平行な方向において達成することができ、或いは、この方向において流動抵抗を目的に応じて変化させることができる。たとえば、反応物および反応生成物の流動方向において自由流動横断面積または有効流動横断面積をこのように変化させることにより、物質転化およびエネルギー解放の均一化を達成できる。というのは、たとえば流動方向において流動経路が拡大することにより、速度が緩慢になることで反応時間が遅くなる作用は、媒体が乏しくなることで補償できるからである。また、反応物のその後の流動方向における格付け、すなわち流動横断面積の変化は、(たとえば)編物を適宜構成することにより達成でき、すなわちメッシュ幅、ワイヤーの太さ、部材密度、メッシュ形状、ループ湾曲度、および/またはワイヤーの表面特性を相違させることによって達成できる。
【0011】
この場合、編物または担持構造部内に適当な管路を形成してよい。管路の自由横断面積は管路の長さ方向に変化しており、したがってこの管路はいわゆる発散性(択一的に収斂性)の管路である。これらの管路を担持構造部の表面に設けると、担持構造部上またはその内部に適当な管路を刻設または圧入する(プロファイル)ことによって前記の異なる流動条件を生じさせることが可能である。担持構造部表面へのこれら管路の刻設または圧入はたとえばダイ或いはローラを用いて行うことができる。
【0012】
担持構造部のワイヤーは、有利な実施形態では、ニッケル、および/または、フェライト系合金またはオーステナイト系合金、および/または特殊鋼を含んでいる。たとえばNiFe22、インコネル(Inconel ; 商品名)、FeCrAloy、或いは特殊鋼を使用できる。すなわちニッケル材は、(完成した個別燃料電池において)前記CEAの担持構造部に当接している正極の反応性を改善させる。この場合ワイヤーを耐食性の材料で被覆して、高温燃料電池の場合でもガス状反応物による腐食を阻止してよい。さらに、ワイヤーを異なる材料から組み合わせてもよく、たとえば種々のワイヤーをまとめて担持構造部を形成したり、或いは種々のワイヤーを担持構造部内でまとめてもよく、たとえば行なわれる反応に対するその影響に関し場所的に適当に配置することができる。
【0013】
負極・電解質・正極層を担持構造部に被着させるための特に有利な方法は熱的コーティング方法である。たとえば火炎溶射方法(簡単な溶射 ; High Velocity Oxygen Flame Spraying)またはプラズマ溶射方法(大気プラズマ溶射方法、真空プラズマ溶射方法、低圧プラズマ溶射方法を適用することができる。プラズマはたとえば直流電圧によって発生でき、或いは誘導性高周波励起によって生成でき、この場合層を生成させるために粉末、サスペンション、液状出発物質および/またはガス状出発物質を使用できる。真空プラズマ溶射方法または低圧プラズマ溶射方法を適用する場合には、プラズマ源は高速ノズルを備えていてよく、この場合1bar以下の反応器圧で、たとえば50mbarと300mbarの間の反応器圧で非常に密な層が生成できる。
【0014】
予め適宜製造した編物または担持構造部から出発して、正極・電解質・負極ユニットのためのコーティング部を構築した本発明による個別燃料電池を製造するため、まず編物の片側、すなわち担持構造部側に正極を形成させる。この場合編物または担持構造部はこの領域で予めわずかに圧縮されていてよく、或いは以下で詳細に述べるように他の前処理を施していてよい。正極の母材としては、たとえばニッケルまたはNiAl合金をZrO2との混合物で用いることができる。NiAl合金の場合には、アルミニウムをたとえば水酸化カリウム溶液で処理することができるので、硬く結合された高導電性の、高多孔性のニッケル・ZrO2複合層が生じる。これに関連して指摘しておくと、第1の層として担持構造部上にいわゆる正極基層またはいわゆるカバー層を被着させることができ、正極基層またはカバー層に対してもニッケル、ニッケル合金、或いはニッケル・アルミニウム合金を使用できる。このような正極基層またはカバー層を用いると、この面内での燃料電池反応物の電子を好適に均一分布させることができる。
【0015】
適宜被着させた第1の電極層(これまでの説明によれば正極層)の上には、電解質層とその上に第2の電極層(これまでの説明によれば負極層)とを被着させることができ、これによって正極・電解質・負極ユニット全体が編物上に生成される。なお、第1の層としてこのいわゆるCEAの負極層を編物上に被着させ、その後この上に電解質を被着させ、最後にその上に正極層を被着させてもよい。
【0016】
電極(正極または負極)を編物上に被着させるためにプラズマ溶射方法を使用できるようにするため、編物の該当する側を予め適当に準備して、被着の際に電極材料が編物内に深く侵入しすぎないようにしてよく、或いはその必要がある。この目的のため、いわゆる「溶射遮断部」または「ビームブレーキ」または「ビームストッパー」を使用することができる。この呼び名は、正極(場合によっては負極)を被着させる編物表面または担持構造部表面上に、或いはその領域に、溶射またはビームが編物または担持構造部を貫通するのを阻止する層が設けられているような処置すべてに向けられている。このような溶射遮断部を形成させるため、編物または担持構造部の表面付近に補助的なワイヤーを織入れるか、網状に挿入するか、或いは編入れることができる。この補助的なワイヤーは溶出可能な材料から成っているので、後で除去することができる。このようなワイヤーの材料としてはたとえばアルミニウムが適しており、水酸化カリウムを使用することにより洗い落とすことができる。これとは択一的に、いわゆる溶射遮断部を形成するこの種のワイヤーはプラスチックから成っていてもよく、高温でたとえば酸素または水素を使用して除去でき、すなわちいわば燃焼させることができる。
【0017】
さらに、いわゆるビームストッパーまたは溶射遮断部として、編物等の正極・電解質・負極側に適当な充填材、たとえばペースト状の充填材を設けることができる。この充填材は場合によっては乾燥或いは硬化され、電極層を被着させた後に燃焼或いはその他の方法で除去される。いわばカバー層を形成するこの充填材は、たとえばいわゆるレイタンス(これは、のろに似たスラグ材である)によって形成され、燃え尽きるようにたとえばグラファイトをベースにしている。ペースト状の充填材としては、金属製のレイタンス以外にセラミックのレイタンスを、特に編物の粗構造の領域或いは本発明による多孔性の担持構造部の領域に使用することができる。セラミック充填材も個別電池製造後に洗い落とすことができる。
【0018】
本発明の1つの有利な実施形態は、担持構造部がコーティング不能な密な土台の上に設置され、反対側から熱的溶射方法により溶射されることを特徴としている。その結果密な土台の領域にデポジションが起こり、或いはそこで担持構造部内にいわゆるカバー層が形成される。この方法の利点は、溶射材として正極材を使用できるので、後でビームブレーキを除去する必要がないことである。これに加えて、「溶射遮断部」または「ビームブレーキ」としてグラファイトフォイルも使用できる。グラファイトフォイルは編物の第1の層に差し込まれ(たとえばローラ等により差し込む)、この場合電極と最上位のワイヤーループまたはワイヤー領域との電気接触を保証するため、後者をたとえば露出ブラッシング(freibuersten)することができる。
【0019】
電極または正極とこれに対向している担持構造部の側との間の表面をできるだけ平滑にするため、電極材を被着する際に担持構造部を、本発明に従って提案される(プラズマ)溶射方法により、土台の凸状の表面にわたって張ることができる。というのは、次に面内にまっすぐに置くことにより、場合によっては表面に孔があるときにこの孔を塞ぐからである。
【0020】
担持構造部の安定性または寸法安定性を改善し、且つ担持構造部内部での電気抵抗をできるだけ小さくするため、担持構造部を形成しているワイヤーをその接触点において有利には互いに固定結合させてよい。この固定結合は接着、蝋付け、焼結、或いは溶接によって行うことができる。高温での適当な炉内での焼結は、適当な押圧力で実施するのが有利である。
【0021】
担持構造部の個々のワイヤー間でそのそれぞれの接触個所において上記のごとく溶接することは、たとえば抵抗溶接により達成でき、このため2つの金属電極を用いて電流インパルスを担持構造部の上面および下面にて該担持構造部に流す。有利には、この溶接を保護ガス雰囲気でまたは真空中で行なうのがよい。溶接電極としては直線電極、プレートまたはローラを使用することができる。担持構造部が電極に溶着するのを避けるため、電極表面を適宜手入れしておく必要があり、たとえば適当な被覆部を有している必要がある。この被覆部は溶着を阻止し、或いは担持構造部に対する境界抵抗は可能な限り小さいので、接触面にはほとんどオーム熱が露顕しない。
【0022】
特に電極材で熱コーティング工程を実施している間に熱負荷を適性にするため、担持構造部の強度を増大させる処置をとってもよい。これにより、たとえば引張り荷重を受けている担持構造部の膨出およびデフォルトを回避することができる。このような強度増大要素はたとえば金属製のワイヤーフレームまたはワイヤー織物またはワイヤー格子である。他方適当な縦ワイヤーを取り付けてもよい。この場合、ワイヤー間隔はたとえば0.5mmないし20mmの範囲に選定してよい。さらに、織り込んだ縁板または縁帯を、たとえばメタルフォイルから成る縁板または縁帯を、同様に担持構造部の強度を増大させるために使用してもよい。縁板または縁帯はコーティング工程後に切離すことができるが、担持構造部に残しておいて個別燃料電池の縁を密封させるために使用してもよい。
【0023】
これに関連して述べておくと、たとえば編物の縁は、個別燃料電池の形成のため(いくつかの個別燃料電池はまとめられて1つのスタックを形成する)、適当にプレスしていわゆる縁板を形成させるようにしてもよい。たとえばこの縁板により編物を(正極・電解質・負極ユニットを前述の態様でこの上に被着させた後に)このユニットの反対側によって、冒頭で述べたバイポーラープレートに溶接することができる(或いは適当に形状拘束的に結合させても、或いは融着等の物質結合を行なってもよい)。この利点は、編物の縁とバイポーラープレートとの間に独自のパッキンを必要しないことである。特にこれは、この結合部をたとえばCEAユニットの電解質層の形成と同時に電解質材によって補助的に密封する場合に有効である。
【0024】
同様にこれに関連して述べておくと、編物または担持構造部はその全体を、電流の誘導を保証する方法、たとえば冷間溶接、溶接、蝋付け或いは焼結のような方法によりバイポーラープレートと結合させることができる。この種の方法は大量生産にとって完成されたものであり、最適に適用できる。前記電流の誘導は、電流を所望どおりに発生させるばかりでなく、個別電池から個別電池へ転送できることを保証するものである。
【0025】
編物と正極・電解質・負極ユニットとの接触を改善させるため、或いはいわゆる溶射遮断部またはビームブレーキとして、および/または、被着されるべき正極・電解質・負極ユニットに関連して担持構造部に対する補強手段として、担持構造部または編物の正極付近の層の中間空間を、孔形成材を混合させた充填材、特に導電性充填材で充填させてもよい。この充填材は編物内または担持構造部内に残り、すなわち電極層を被着させた後、当初述べた溶射遮断部またはビームブレーキとは異なり除去されない。この種の充填材としてたとえば適当な特殊鋼ペーストを使用でき、特殊鋼ペーストはたとえば焼結によりCEA電極ユニットのための有効性担持体へ置換される。
【0026】
他方、電極付近の編物層(等)を、電極層を被着させる前に多孔性のカバー層とともに、たとえば金属材或いはセラミック材から成るカバー層とともに焼結させてもよい。これもこの領域での編物の安定性を向上させる。これに比較しうる態様で、特に編物の正極側に、電極層を被着させる前に多孔性のフォイル、たとえば導電性材料から成るフォイルを被着させてもよい。フォイルのこの多孔性は、フォイルを被着させた後にはじめて機械的方法または電気化学的方法または熱的方法で(フォイルにいわゆる孔形成材を装入することにより)発生させることができる。この場合前記孔が必要なのは、(もちろん)、編物(或いは一般的に担持構造部)とこれに当接している電極層との間に反応物の所望の通路を形成できるようにするためである。
【0027】
前述したように、ワイヤーの横断面を変化させる以外に、担持構造部の材料組成も局所的に変化させることができる。これによりガスの内的改質を正極側で制御することができる。ガスの内的改質は吸熱的に経過し、特にニッケルによって実現され、すなわちニッケルは触媒として作用する。燃料電池のいわゆる燃料ガス装入でニッケル表面成分が減少すると、改質過程が変化し、したがって燃料電池内の燃料ガスの反応性が変化し、よっていわば冷却が生じる。この冷却は局所的に電池の出力を低下させる。それ故担持構造部の構成と材料組成とは、一般的に、改質過程の均一性、物質転換の均一性、および個別燃料電池の出力解放の均一性を達成するためのパラメータである。
【0028】
上述した個別電池の構成は特に効率的な製造プロセスを可能にさせる。この製造プロセスは連続的に経過することができる。すなわち、まず1本のワイヤーから編物ベルトまたはベルト状担持構造部を連続的に製造でき、(詳細に前述したように)場所的に異なる流動抵抗を生成させるために所望のいわゆる格付けを実現できるとともに、個々のワイヤー交差点の間での溶接、一般的には結合を実現できる。次に、このようにして形成した編物ベルトを連続的にさらに処理することができ、この場合連続的に順次前記正極層と電解質層と負極層とを被着させることができる。最後に、このようにして形成したいわゆる燃料電池ベルトから切断により個別燃料電池を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明による個別燃料電池の実施形態とその方法とを添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明による燃料電池の構成を部分断面図で示したもので、この種の個別燃料電池を組み立てて燃料電池ユニット全体のいわゆるスタックを形成させるものである。図示した個別電池は金属ワイヤー12から成る編物10を有している。編物10はその上に配置される負極・電解質・正極ユニットCEAを担持する担持構造物として用いる。なお図中Cは負極で、Eは電解質、Aは正極である。編物10のCEAユニットとは逆の側には、燃料電池または個別燃料電池の構成において通常用いられるバイポーラープレート14が設けられている。
【0031】
個別燃料電池がいわゆるSOFC(Solid Oxid Fuel Cell)型式のもので、したがって高温燃料電池である場合には、電解質としてたとえばY2O3で安定化させたセラミック固体ZrO2を使用することができる。この電解質は酸素イオンに対して伝導性がある。正極層に対しては、本実施形態ではたとえばNi-YSZを使用している。負極層に対してはペロブスカイト酸化物、たとえばLSM(lanthanum-strontium-manganese-compound ランタン・ストロンチウム・マンガン複合物)を使用することができる。なお、電流を発生させての電気化学的過程は当業者に知られているものなので、ここでは詳細に説明しないが、公知のように、CEAの正極側(A)と適当な燃料ガスとを接触させ、且つCEAユニットの負極側(C)を空気酸素と接触させると、電気化学的過程により個別燃料電池内に矢印31で示すような電流或いはこれに対応する電圧ポテンシャルが発生する。この場合少なくとも燃料ガスは編物10を貫通するように誘導され、図1の図示では図面の面に対し垂直に誘導される。したがって燃料ガスはCEAユニットとバイポーラープレート14との間で案内される。図2では燃料ガスは矢印24にしたがって編物10内へ流入し、このため(下)稜13にはいわゆる燃料ガス導入部がある。
【0032】
編物10を形成しているワイヤー12はニッケル合金から成っており、その結果導入される反応物(燃料ガス)に対し耐食性があるとともに、空気に対しても耐食性がある。すでに詳細に説明したように、編物10はその厚さと密度の点で、CEA層に至る矢印31の方向、すなわち反応物の前進運動方向においても、また燃料ガスの主流動方向(図1においては図面の面に対し垂直な方向、図2では矢印24の方向)においても、場所的に異なった流動抵抗が生じるように流動横断面積に関し「格付け」されている。このいわゆる格付けを達成するため、編物10の内部では編物10のメッシュ密度は場所的に異なっている(この点は図ではあまりわからない)。同様にすでに述べたように、編物10の個々のワイヤー12は溶接工程等により互いに結合されているので、(矢印31に従って)電流を案内するうえで可能な限り小さな電気抵抗が達成されている。
【0033】
編物10のCEAユニットとは逆の側の(下部)側面には管路16が形成されている。管路16は燃料ガスの流動方向24に延びており、したがって燃料ガスを編物10の全面または全体積にわたって分配させるので好ましい。この管路と対応するような管路17を、(通常のように)バイポーラープレート14の編物10側の上面に設けてもよい。少なくとも、編物10内にたとえば圧入により成形された管路16は、図2に示すように発散するように延び、すなわち流動方向24において横断面が拡大している。その結果個別燃料電池の燃料ガス入口(稜13)の付近の流速は反対側の出口領域15における流速よりも大きい。このため、流動方向24に見て個別燃料電池の長手方向において物質転化およびエネルギー解放が均一化される。すなわち、横断面が拡大していることにより燃料ガスの流速が個別燃料電池の長手方向において小さくなるので、流動経路全体にわたって反応物の静力学的圧力が正極により均一化される。その結果、個別燃料電池全体にわたって出力密度は均一になる。
【0034】
図1では、すでに述べたように、編物10とCEAユニットから成っている個別燃料電池はバイポーラープレート14上に配置されている。このようなバイポーラープレート・編物・CEA電池を幾つか並べることにより、個別電池の任意のスタックを構築することができ、スタックは全体的に燃料電池のコア領域を形成する。もちろん、CEAユニットの負極側または負極層に境を接しているパイポーラープレート(図1では図示した個別電池の上方にある別の個別電池のバイポーラープレート)と、図示した個別電池の負極層Cとの間にも流動管路が形成されるように配慮すべきことは公知のとおりである。これもたとえば編物挿入物によって実現されていてよい。さらに、個々の個別電池間の気密な密封が保証されている必要があり、且つ電流の供給(たとえば負極側の編物挿入物または導電性ペーストを介して行なわれる)も保証される必要がある。このような構成は従来の技術から十分に知られているので、ここではこれ以上詳細に立ち入ることはしない。
【0035】
以上説明した個別電池を製造するため、以下に図3を用いて説明する方法を適用することができる。この方法によれば、1本の連続したワイヤー12(或いは複数本のワイヤーを同時でもよい)を編み機50に挿入し、そこで編むことによって所定の編物ベルト52を形成させる。編物ベルト52は編み機50を連続的に離れる。編み方に応じて前述したいわゆる格付けを編物に導入することができ、すなわち場所によって異なる編物密度を生じさせて、場所によって異なる流動抵抗が得られるようにする。さらに、ワイヤーの性質によって編物の性質、特にその化学的な性質が決定される。
【0036】
次の段階として、連続的な編物ベルト52をローラユニットに供給する。ローラユニットは上部ローラ53と下部ローラ54とから成り、該ローラユニットにおいて編物ベルト52を転動させる。上部ローラ53と下部ローラ54には多機能性がある。すなわち上部ローラ53は鍛造打型を有しており、鍛造打型は編物ベルト52の通過方向に対し横方向に指向し、交互に発散する流路(図2において符号16で示した流路)を編物10または編物ベルト52に刻設する。さらに、導電性の両ローラ53と54には電流を作用させるので、編物ベルト52が通過するときに、編物10内で互いに隣接しているワイヤー12が溶接される。これにより、すでに述べたように編物10内部で低オームの抵抗が達成され、個別燃料電池から電子を放出するうえで好都合に作用する。
【0037】
次に、このように処理した編物ベルト52を密な土台58を介して案内し、逆の側からプラズマ溶射方法によるコーティングプロセスIで圧縮材または正極材で照射する。この正極材は、密な土台58の領域でそこにある編物10または編物ベルト52の表面にいわゆるデポジションの形態で固着し、編物10(または52)のいわゆるカバー層11(または第1の表面層)を(編物の「下面」に)形成する。このカバー層11は同時に正極側にも利用できるので有利である。正極材と硬い土台58との結合を避けるため、土台58に分離材を備えさせてよい。
【0038】
もちろんコーティングプロセスIも連続的に行なう。この場合圧縮材としてはニッケル或いはニッケル合金・ZrO2混合物を使用することができる。正極側にすでに薄いカバー層11を備えている編物ベルト52をたとえば転向ローラ60で転向或いは回転させた後、他のコーティングプロセスIIでもう一度非常に薄い正極層を被着させる。この非常に薄い正極層は、コーティングプロセスIで事前に被着されて正極層としても機能するカバー層11と結合して正極全体(図1の符号Aを参照)を形成する。コーティングプロセスIIのために編物ベルト52を回転させることが必要なのは、すでに述べたようにコーティングプロセスIで材料をして編物ベルト52を貫通させてその下稜に挿入した後に、材料をもう一度上方から被着させることができるようにするためである。
【0039】
この場合、コーティングプロセスIIでは、編物ベルト52を(図面の面に対し垂直な面内で)凸状の支持面62を介して案内し或いは緊張せしめることにより(これに関してはすでに述べた)、特に平滑な正極面を達成できる。総じて、方法ステップIとIIから成るこのような処置を取ることにより、非常に薄くて有利には平滑な正極表面を得ることができる。次にコーティングプロセスIIIで同様にプラズマ溶射方法によりCEAユニットの電解質(E、図1を参照)を被着させ、コーティングプロセスIVで負極材(C)を被着させる。プラズマ溶射方法を適用する場合、直流電圧励起方式を使用する。この場合それぞれの層の材料は粉末の形態で使用する。すべてのコーティングプロセスI,II,III,IVは編物ベルト52を常時前進させながら連続的に経過する。個々の製造ステップの間にさらにクリーニングステップを設けてもよい。さらに、それぞれの熱溶射プロセスはゲートを備えた別個のチャンバー内で行ない、有利には保護ガス雰囲気中で行なうので、酸化過程とこれに対し相互関係にある汚染とを十分回避することができる。
【0040】
製造方法が終了すると、コーティングした編物ベルト52を系統化することにより、たとえば(レーザー或いは水噴射等を用いて)切断することにより個々の個別電池構造を得ることができる。これらの個別電池をさらに処理して1つの燃料電池スタックを得ることができる。この場合固定、密封、接触等の方法ステップが実施される。総じて、本発明による方法は簡潔で極めて低コストの個別燃料電池製造方法を提供し、個別燃料電池は本発明による構成により特に好ましい性質を熱応力に関し有しており、特に非定常使用に対しても適している。
【0041】
もちろん、上述した連続的な製造方法に代えて他の(公知の)製造方法を採用してもよい。たとえばまず編物ベルトを編み、これを系統化する(たとえばベルトの巻回、横置き設置)ことが可能である。系統化した部材をいわゆるプレス型で板状部材にプレスした後、CEAユニットのためのいわゆる溶射遮断部および/または担持層を被着させる。その後、他のステップで電極用のコーティングと電解質用のコーティングを行なう。基本的には、上述した方法ステップは金属ワイヤーまたはワイヤーから構成された他の担持構造部にも適用でき、たとえばニット物、網状物、または織物にも適用できる。なお、本願の特許請求の範囲の内容を逸脱しなければ、詳細の多くは上記の実施態様とは異なっていてもよい。特に、本発明の対象である部材としての燃料電池は、編物から形成される多孔質の担持構造部10に限定されるものではなく、金属ワイヤー12から構成される織物、網状物、またはニット物も使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】バイポーラープレート上に配置された個別燃料電池の一部分の概略断面図(図2のA−A断面図)である。
【図2】発散性流動管路を刻設した前記個別電池の編物の平面図(図1のB−B断面図)である。
【図3】本発明による製造方法を説明する概略図である。
Claims (45)
- 正極・電解質・負極ユニット(CEA)を備えた少なくとも1つの個別電池と少なくとも1つのバイポーラープレート(14)とを積層させたスタックを有する燃料電池において、
個別電池が、多孔性の担持構造部(10)であってその上に被着させた正極・電解質・負極ユニット(CEA)を担持する前記多孔性の担持構造部(10)として金属製の編物(10)またはニット物または網状物を有していることを特徴とする燃料電池。 - 編物(10)またはニット物または網状物によって形成される担持構造部(10)が正極・電解質・負極ユニット(CEA)とバイポーラープレート(14)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
- 正極・電解質・負極ユニット(CEA)を備えた少なくとも1つの個別電池と、少なくとも1つのバイポーラープレート(14)と、金属ワイヤーから構成される多孔性の担持構造部、特に編物(10)またはニット物または網状物または織物の形態の担持構造部であって、その上に正極・電解質・負極ユニット(CEA)を被着させた前記担持構造部とを積層させたスタックを有する燃料電池において、流体を貫流させる担持構造部(10)が流動方向(24)においておよび/またはこれに対して垂直な方向において流動抵抗が減少している燃料電池。
- 流動抵抗の減少が、担持構造部(10)を形成しているワイヤー(12)の太さを変化させることにより、および/または、担持構造部(10)を形成させる際に種々選定されるメッシュ厚および/または材料厚により、および/または、メッシュ形状および/または担持構造部(10)内のループの表面特性を変化させることにより達成されていることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池。
- 流動抵抗の減少が、流動横断面を変化させることにより、特に流動横断面を拡張させることにより達成されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の燃料電池。
- 流動抵抗の減少が、担持構造部(10)に発散するように設けた管路(16)によって達成されていることを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池。
- 担持構造部のワイヤー(12)が、ニッケル、および/または、フェライト系合金またはオーステナイト系合金、および/または特殊鋼から成り、或いはこのような構成物を有していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 担持構造部のワイヤー(12)が少なくとも部分的に耐食性材料で被覆されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- (材料および/またはサイズおよび/または表面に関し)異なったワイヤー(12)が担持構造部(10)内で組み合わされていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 縁板または縁帯が担持構造部(10)内に形成され、および/または、多孔性の補強層または多孔性のフォイルが担持構造部(10)の表面に被着されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 担持構造部(10)のワイヤー(12)がその接触点および当接点において互いに結合され、特に接着され、或いは蝋付けまたは焼結または溶接されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 担持構造部(10)の上にまず正極(A)が被着され、正極の上に電解質(E)が被着され、電解質(E)の上に負極(C)が被着されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一つに記載の燃料電池。
- 正極構造の母材としてニッケルまたはニッケル合金またはニッケル・アルミニウム合金がそれぞれ混合物で、特にZrO2との混合物で使用されていることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池。
- 正極・電解質・負極ユニット(CEA)を備えた少なくとも1つの個別電池と少なくとも1つのバイポーラープレート(14)とを積層させたスタックを有する燃料電池の製造方法であって、少なくとも1つの個別電池が金属ワイヤーから構成される編物またはニット物または網状物または織物の形態の多孔性の担持構造部を有し、多孔性の担持構造部の上に正極・電解質・負極ユニット(CEA)が被着されている前記燃料電池の製造方法において、
−金属ワイヤー(12)から担持構造部(10)を形成させるステップと、
−次に正極・電解質・負極ユニット(CEA)を担持構造部(10)の上に被着させるステップと、
を特徴とする製造方法。 - 正極・電解質・負極ユニット(CEA)を被着させる際に順次、第1の電極層(正極または負極)を担持構造部(10)の上に被着させ、その後電解質(E)を第1の電極層の上に被着させ、続いて第2の電極層(負極または正極)を電解質の上に被着させることを特徴とする、請求項14に記載の製造方法。
- 担持構造部(10)を構築している間または構築した後にして且つ一方または両方の電極層を被着させる前に、担持構造部の内部または上にいわゆる溶射遮断部またはビームブレーキを担持構造部の内部の表面付近または担持構造部の表面上に形成または被着させることを特徴とする、請求項14または15に記載の製造方法。
- 溶射遮断部またはビームブレーキとして、特に後に溶出可能な材料から成るワイヤを使用し、該ワイヤーを担持構造部に加工し、特に織入れまたは編入れすることを特徴とする、請求項16に記載の製造方法。
- ワイヤーがアルミニウムから成り、時間的に電極層を担持構造部に被着させた後にアルミニウムワイヤーをたとえば水酸化カリウム溶液で洗い落とすことを特徴とする、請求項17に記載の製造方法。
- ワイヤーが少なくともほぼ炭素から成り、時間的に電極層を担持構造部に被着させた後に該ワイヤーを酸素または水素を用いて溶出または反応させることを特徴とする、請求項17に記載の製造方法。
- 溶射遮断部またはビームブレーキとして充填材を使用し、該充填材を電極側で担持構造部(10)に挿入し、場合によっては硬化させることを特徴とする、請求項16に記載の製造方法。
- 時間的に電極層を担持構造部の上に被着させている間或いは被着させた後に、充填材を除去することを特徴とする、請求項20に記載の製造方法。
- セラミック充填材または金属製充填材またはグラファイトから形成される充填材(いわゆるレイタンス)を使用することを特徴とする、請求項20または21に記載の製造方法。
- 時間的に電極層を担持構造部の上に被着させている間或いは被着させた後に、充填材を洗い落とし、または燃焼させ、或いは反応させることを特徴とする、請求項20から23までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 溶射遮断部またはビームブレーキとしてグラファイトフォイルを使用し、該グラファイトフォイルを電極側で担持構造部の上または内部に挿入し、特にローラ等で押し込むことを特徴とする、請求項16に記載の製造方法。
- 担持構造部(10)を密な土台(58)上に設置し、溶射遮断部またはビームブレーキを熱噴射方法により形成させ、担持構造部を照射することによりデポジションまたはカバー層(11)を密な土台(58)付近に生成させることを特徴とする、請求項16に記載の製造方法。
- デポジションまたはカバー層(11)が電極層の少なくとも一部分を形成していることを特徴とする、請求項25に記載の製造方法。
- 担持構造部の正極付近の層の中間空間を、孔形成材を混合させた充填材、特に導電性充填材で充填させることを特徴とする、請求項1から26までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 担持構造部の正極付近の層を、電極層を被着させる前に、たとえば金属材またはセラミック材または金属・セラミック材から成る多孔性カバー層で焼結させることを特徴とする、請求項1から27までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 特に担持構造部の電極側に、電極層を被着させる前に、多孔性フォイル、特に導電性の材料から成る多孔性のフォイルを被着させることを特徴とする、請求項1から28までのいずれか一つに記載の製造方法。
- フォイルの多孔性を、該フォイルを被着させた後に、特に機械的方法または電気化学的方法または熱的方法で生じさせることを特徴とする、請求項29に記載の製造方法。
- 電極層、特に正極を、熱的コーティング方法で担持構造部(10)上に被着させ、この場合溶射遮断部またはビームブレーキまたはカバー層(11)が担持構造部内への電極材料の過度の侵入を阻止することを特徴とする、請求項1から30までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 熱的コーティング方法として火炎溶射方法またはプラズマ溶射方法、特に大気プラズマ溶射方法または真空プラズマ溶射(VPS)方法または低圧プラズマ溶射(LPPS)方法を使用することを特徴とする、請求項31に記載の製造方法。
- 第1の層として担持構造部(10)上に電極基層またはカバー層(11)を被着させ、該電極基層またはカバー層(11)の上に能動電極を被着させ、電極基層に対しニッケルまたはニッケル合金またはニッケル・アルミニウム合金を使用することを特徴とする、請求項1から32までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 担持構造部の熱的コーティング工程の前に、強度増大要素、たとえば金属製ワイヤーフレームまたはワイヤー織物またはワイヤー格子または縦ワイヤーを担持構造部(10)内に加工することを特徴とする、請求項1から33までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 縁板または縁帯、特にメタルフォイルから成る縁板または縁帯を担持構造部内に加工し、および/または、担持構造部(10)の縁を、縁帯の形成に適するようにプレスすることを特徴とする、請求項34に記載の製造方法。
- 担持構造部(10)の互いに並置されているワイヤー(12)を接着または蝋付けまたは焼結または溶接により、たとえば電気抵抗溶接または冷間溶接により互いに結合させることを特徴とする、請求項1から35までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 担持構造部を形成させた後、金属製電極を担持構造部の上側または下側に当接させ、担持構造部を形成しているワイヤーを結合させるため、特に保護ガス雰囲気で電流インパルスを作用させることを特徴とする、請求項36に記載の製造方法。
- 担持構造部をして直線電極またはプレートまたはローラを連続的に通過させて連続的に溶接することを特徴とする、請求項36または37に記載の製造方法。
- 担持構造部(10)を、導電性を保証する方法により、たとえば冷間溶接または溶接または蝋付けまたは焼結により、バイポーラープレート(14)と結合させることを特徴とする、請求項1から38までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 担持構造部(10)のメッシュ幅および/またはループ密度および/またはループ湾曲度および/またはメッシュ形状、および/または、担持構造部を形成させるために使用するワイヤーの太さをその構築中に変化させて、担持構造部内に長さ方向または厚さ方向で異なる流動抵抗を生じさせ、特に厚さに関し担持構造部を格付けることを特徴とする、請求項1から39までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 流動横断面が変化するように発散している管路を担持構造部内に形成させることを特徴とする、請求項1から40までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 発散している管路を、担持構造部を構築する際に、ワイヤーの厚さ、メッシュ密度、ワイヤーの太さ、および/またはループ形状を適宜選定することにより形成させることを特徴とする、請求項41に記載の製造方法。
- 発散している管路(16)を、担持構造部を構築した後に刻設または圧入により形成させることを特徴とする、請求項41に記載の製造方法。
- 個々の作業ステップで担持構造部(10)を、特に凸状の土台表面(62)を介して緊張させることを特徴とする、請求項1から43までのいずれか一つに記載の製造方法。
- 担持構造部を連続的に帯状に形成させること、次の製造ステップ、すなわち担持構造部(10)の互いに並置されているワイヤー(12)の型押し、圧縮、結合、溶射遮断部またはビームブレーキまたはカバー層(11)の被着または挿入、電極層の被着、溶射遮断部またはビームブレーキの解除、および/またはこのようにして生じたベルトを分断することによる個別電池の組み立てのような次の製造ステップが、互いに順次経過する作業ステップによる連続的な作業態様で互いに接続していることを特徴とする、請求項1から44までのいずれか一つに記載の製造方法。
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