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JP2004529158A - 混成殺腫瘍ヘルペスウイルスベクター - Google Patents

混成殺腫瘍ヘルペスウイルスベクター Download PDF

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Abstract

高度に有効かつ安全なHSV由来の混成殺腫瘍ベクターを、個体中の充実性腫瘍の治療に提供する。該ベクターは、それぞれ細胞破壊能力をもつ誘導可能な毒性遺伝子を担持するアンプリコン型反復単位の複数の反復をもつ欠損ウイルスゲノム、および第二の成分としての非分裂細胞中で複製が不能であるHSV突然変異体ヘルパーウイルスである、2個の主成分を含んで成る。該ベクターは、脳の悪性病変ならびに肺、膵、腎、結腸、胃および他の型の癌を包含する多様な種類の充実性腫瘍の治療に使用してよい。提供されるベクターはまた、付加的な治療と組合せでの個体への投与にも適する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、単純疱疹ウイルス(HSV)由来ベクター、および悪性疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
参考文献の一覧
以下は、本願明細書にて引用される従来技術の刊行物の一覧である。
【0002】
【表1】
Figure 2004529158
【0003】
上記の技術の本明細書により認容は、本技術が添付されたクレームで特定される本発明の特許性に何らかの様式で関連することの表示として解釈されるべきでない。
【背景技術】
【0004】
HSV−1およびHSV−2(顔および性器系統のHSV)に感染した細胞は、典型的に、重大なウイルス複製前の細胞を破壊するよう運命づけられた自殺遺伝子を発現するよう誘導される。この影響を克服しかつウイルス複製のための細胞を確保するために、ウイルスは、強力なmRNA不安定化/分解活性をもつHSV−1ビリオンの58kDaの構造的成分、ビリオン宿主シャットオフ(virion host shutoff)(vhs)(UL41)遺伝子を発現することにより、即座の反撃に着手する。vhsタンパク質は、細胞中へのウイルスの進入の間に、ウイルスの脱殻に際して細胞の細胞質中に出される(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。最近の実験に基づけば、vhsタンパク質は、ハウスキーピング遺伝子およびウイルス後感染に誘導されるストレス関連自殺遺伝子を包含する、感染した細胞のmRNAの即座の不活性化/分解により細胞の自殺機能を無効にし、また、抗アポトーシス遺伝子をコードするかもしれないと思われる。mRNA分解活性の結果、宿主細胞のタンパク質合成が止められ、自殺タンパク質が産生されず、そして細胞はある時間の期間の間生き延びて、標的細胞の死亡の前にウイルス複製を可能にする。
【0005】
vhs遺伝子中に1個の突然変異を担持するHSV−1突然変異体が開発された。野性型HSV−1の感染は宿主mRNAの分解を伴う一方、ビリオン宿主シャットオフ(vhs)機能に欠陥のあるHSV突然変異体(「vhs1突然変異体」)は継続される細胞タンパク質合成を可能にする。細胞へのその感染が複製しかつ潜伏から再活性化するその能力において減弱されることが示された、UL41NHBと命名される1個のこうした突然変異体が開発された(特許文献1)。
【0006】
ヘルパーHSVとともにプロモーターの制御下に最低1種の挿入された遺伝子を含んで成るHSV由来アンプリコン(amplicon)が開示されている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。こうした系の一例において、関連するヘルパーウイルスは正常宿主細胞中で制限された複製能力のものである(特許文献2)。別の例において、組換えHSVベクターは選択された細胞型に標的を定めかつそれを感染させるよう改変されている(特許文献3)。
【0007】
脳腫瘍の発生率は100,000人あたり5〜14.1であると推定される。神経膠腫は原発性腫瘍の40〜60%に上り、その75%は悪性である。神経膠種はヒト脳で生じる最も普遍的な原発性腫瘍である。悪性神経膠腫は成人の原発性脳腫瘍の30%に上り、そして等級により2つの範疇すなわち未分化星状細胞腫および膠芽腫に分割される。米国における悪性神経膠種の推定される発生率は100,000人あたり14.7であり、年間およそ10,000〜15,000の新たな症例を表す。改良された攻撃的外科治療、放射線治療および化学療法にもかかわらず、悪性神経膠種はほぼ常に致死的であり;膠芽腫(大部分の悪性神経膠種)の全体の5年生存率は5.5%未満であり、そして生存の中央値はおよそ52週間である。これらの数字は過去30年にわたって事実上変えられないままである。全身腫瘍の治療は、中枢神経系の転移の発生のためしばしば失敗する。進行した段階は治癒可能性を示さない。大部分の神経膠腫は、いかなる完全に有効な治療も伴わない乏しい予後を有する。
【0008】
最近、HSVウイルスベクターがヒトでの臨床使用におけるそれらの有効性および安全性について評価された。一研究において、34.5タンパク質(神経病理学の主要な一決定子)をコードする遺伝子に欠陥のあるHSV突然変異体ウイルスを含んで成るHSV由来ベクターを、再発性神経膠腫を伴う患者で試験した。この突然変異は、非分裂細胞中での複製に必要とされる34.5遺伝子座およびICP6(リボヌクレオチド還元酵素(RR))中の双方の枯渇を有する「G207」と命名される多突然変異された条件付きで複製するHSVベクターである(非特許文献7)。G207突然変異体は現在、再発性膠芽腫についてフェーズI臨床試験で試験されており、ここで、それが非毒性でありかつ重大な有害事象を伴わないことが示されたが、しかしその有効性は未だ示されていない。加えて、突然変異されたベクター中への抗腫瘍形成遺伝子(とりわけサイトカイン遺伝子)の挿入が提案されている(非特許文献8)。
【0009】
別の研究において、HSVタイプ1のチミジンキナーゼおよびガンシクロビル遺伝子治療が、以前に未治療の多形膠芽腫を伴う成人において、外科的切除および放射線に対する補助療法として評価された(非特許文献9)。フェーズIII試験において、未治療の多形膠芽腫を伴う患者は、標準的な外科および放射線治療、もしくは標準的治療および外科手術の間の補助遺伝子治療のいずれかを受領した。該治療の臨床的安全性が決定され、かつ、双方の群で比較に値したが、しかし、遺伝子治療と対照患者との間で有意の臨床的差異は存在しなかった。
【0010】
それらの安全性をなお維持する、ヒト腫瘍の治療に対する高い有効性を有するHSV由来のウイルス殺腫瘍(oncolytic)ベクターが望ましい。
【特許文献1】
Leib,D.,1997
【特許文献2】
Efstathiou S.ら,1999
【特許文献3】
Spear,M.A.2000
【非特許文献1】
ReadとFrenkel,1983
【非特許文献2】
Kwongら 1988
【非特許文献3】
KwongとFrenkel,1987
【非特許文献4】
SpaeteとFrenkel,1982
【非特許文献5】
Frenkelら,1994
【非特許文献6】
Vlazny,D.A.ら,1981
【非特許文献7】
Rabkin,Sら 2000
【非特許文献8】
markert,J,2001
【非特許文献9】
Ranov,N.G.,2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
悪性疾患の治療のための安全かつ高度に有効なHSV由来ベクターを提供するために、標的腫瘍細胞を排除することの機会を高め、それが分裂しない非悪性細胞中で複製しないよう設計されるためになお安全のままであることができる、最低1種の二元的なウイルス武器(dual viral weaponry)をこうしたベクター中で提供することが望ましい。
【0012】
本発明により、こうした配合(composite)ベクターが提供される。本発明のHSV由来ベクターは2つの主成分、すなわち、それぞれが細胞破壊能力をもつ誘導可能な毒性遺伝子を担持する、アンプリコン型の反復単位(repeat unit)の複数の反復(reiteration)をもつ欠損ウイルスゲノムである一成分(「アンプリコン」)、および、第二の成分、非分裂細胞中での複製が不能であるか、もしくは少なくともこうした細胞中で有意に低い複製能力を有するHSV突然変異体ヘルパーウイルス(「ヘルパーウイルス」)を含んで成る。本発明のこうした混成ベクターは、本明細書でときに「混成殺腫瘍ベクター」と称することができる。
【0013】
好ましくは、ヘルパーウイルスはビリオン宿主シャットオフ(vhs−UL41)遺伝子中で突然変異される。より好ましくは、ヘルパーウイルスは、vhs遺伝子ならびにリボヌクレオチド還元酵素(RR)遺伝子双方中で二重突然変異される。
【0014】
こうしたベクターの二元的なウイルスアーム(dual viral arm)は、その安全性を維持しつつ該ベクターの有効性を実質的に高める。短い時間の期間に多コピーで発現されるアンプリコン上の細胞傷害性外来遺伝子の効果的発現、ならびに、(見かけ上アポトーシスを誘導することにより)細胞を細胞死に駆動する突然変異されたヘルパーの能力の双方により標的の悪性細胞を攻撃する、本発明のベクターの二元的な成分は、その安全性を維持しつつ該ベクターの有効性を実質的に高める。「高められた有効性」という用語は、該ベクターの1成分のみ(すなわち毒性遺伝子を含んで成るアンプリコンもしくはヘルパーベクター)の有効性より高い有効性を意味すると理解されるべきである。
【0015】
アンプリコンおよびHSVの突然変異体の組合せを含んで成るこうした混成殺腫瘍ベクターは記述されていない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、有効量の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来アンプリコン欠損ウイルスゲノム、およびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルス、ならびに製薬学的に許容できる担体、賦形剤もしくは希釈剤を含んで成る、個体における充実性腫瘍の治療での使用のための製薬学的組成物が提供される。
【0017】
「有効量」という用語は、個体への投与に際して所望の治療効果を達成することができるHSV由来のウイルス成分のそれぞれの量を指す。アンプリコンに関して、有効量は、短い時間の期間に外来毒性遺伝子の所望の発現量をもたらすようであることができる。ヘルパー成分の有効量は、(遺伝子発現に必要な機能を提供することにより)アンプリコンの効果を高めるような、および、好ましくは、ヘルパーウイルスを細胞に対し細胞傷害性にする量であることができる。ヘルパーウイルスがvhs突然変異体である場合、有効量は標的細胞の死亡に至るようであることができる。
【0018】
該混成ベクターのアンプリコン成分において、欠損ゲノムは外来毒性遺伝子を担持するよう工作される。「外来毒性遺伝子」という用語は、標的細胞により天然に発現されずかつ制御された様式で細胞を破壊するよう設計される遺伝子に関する。いかなるこうした毒性遺伝子も本発明により使用してよく、そして、該遺伝子は、治療されるべき腫瘍の種類ならびに付加的な因子に基づき当業者により選ばれてよい。アンプリコン中のこうした毒性遺伝子の一例はチミジンキナーゼ(TK)をコードする遺伝子であり、これは細胞中で発現される場合にそれらをガンシクロビルに対して感受性にして、宿主DNAの複製の完全な阻害および分裂細胞の破壊を生じさせる。アンプリコン中に配置されるべき他の型の毒性外来遺伝子は、例えば、腫瘍壊死因子(TNF)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)およびP53である。こうした毒性遺伝子はTet On系の制御下に置くことができ、テトラサイクリンで治療される場合にのみ毒性遺伝子の発現を可能にする。他の毒性遺伝子を、他の適するプロモーターもしくは誘導物質の制御下で発現されるように構築してよい。本発明のアンプリコンはまた、1種もしくはそれ以上のプロモーターの制御下の多数の毒性遺伝子を含んでもよい。こうした毒性遺伝子を、所望の細胞もしくは組織中でのみ発現される細胞もしくは組織特異的プロモーター(例えば、前立腺細胞のみでの前立腺特異的抗原(PSA)の発現を制御するプロモーター)の制御下に構築してもまたよい。
【0019】
本発明はまた、個体における充実性腫瘍の治療のための製薬学的組成物の製造のための、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来のアンプリコン欠損ウイルスゲノムおよびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルスの使用も提供する。
【0020】
その局面の別のものにより、本発明は、有効量の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来のアンプリコン欠損ウイルスゲノム、およびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルスの組合せ剤を含んで成るHSV由来ウイルスベクターの投与を含んで成る、充実臓器の腫瘍を有する個体の治療方法を提供する。好ましくは、ヘルパーウイルスはvhs遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る。最も好ましくは、突然変異体ヘルパーウイルスはRR遺伝子中にもまた1個の突然変異を担持する。
【0021】
本発明の「治療」という用語は、充実性腫瘍に罹っている患者の病状のいかなる軽減も意味すると理解されるべきである。こうした軽減は、腫瘍の大きさの低下、腫瘍の成長速度の低下、腫瘍関連の症状の軽減、転移の予防などであるかもしれない。
【0022】
好ましい一態様により、本発明のヘルパーウイルスは、突然変異されたビリオン宿主シャットオフ(vhs)遺伝子を担持するよう構築され、こうしたベクターはときに「vhs突然変異体」と称される。vhs突然変異体ウイルスの細胞傷害性効果は、感染した細胞における顕著な細胞のアポトーシスの誘導に関連することが示された。加えて、突然変異されたvhs遺伝子により、該混成ベクターのアンプリコン成分により担持される毒性遺伝子の転写されたmRNAは、(突然変異されないvhs遺伝子の場合でのとおり)即座に分解かつ不活性化されず、従って、毒性遺伝子の発現およびvhs成分のアポトーシス効果の増強を可能にし、全体として該混成ベクターの高められた有効性をもたらす。
【0023】
本発明のヘルパーウイルスはRR遺伝子中にもまた1個の突然変異を含んでよい。RR酵素は休止中の非分裂細胞中でのウイルス複製に不可欠である一方、ウイルスは成長する細胞中で活性である細胞のRRを使用することができる。RR突然変異が、該酵素の小さなRRサブユニット(I39遺伝子)中に導入された。これはそれを不活性にする。RR突然変異の使用は、いかなる複製するウイルスも隣接する正常細胞に広がらせないことにより、該ベクターを遺伝子治療における使用により安全にさせる。該ヘルパーベクターは、RR突然変異を単独でもしくは突然変異体vhsと一緒に含有してよい。とは言え、(下の図3に示されるとおり)、ニューロン細胞中でのvhs突然変異体の成長は該ベクターをより安全にすることに制限され、vhsヘルパーの機械装置中へのRR突然変異体の導入は、遺伝子治療における潜在的使用にそれをなおより安全にすることができる。
【0024】
本発明の混成ベクターの2成分は、細胞をヘルパーウイルスに感染させること、および同一の細胞をアンプリコンプラスミドでトランスフェクトすることによるか、もしくは、ヘルパーウイルスDNAおよびアンプリコンプラスミドでの細胞の二重トランスフェクション、次いで、その後個体に投与することができる双方の成分を含んで成る細胞のストックを生成させるためのウイルスおよびアンプリコンの混合物の反復される連続的繁殖によるかのいずれかで得られるかもしれない。あるいは、アンプリコンを、最初に、Pac−1およびPac−2シグナルを欠きそして従ってパッケージングされることが可能でない非感染性のvhs突然変異されたHSVヘルパーウイルスを含んで成る細胞系の細胞中で成長させてもよい。この様式で、感染性のヘルパーウイルスなしにエクスビボで大量のアンプリコンを調製することが可能であり、vhs突然変異体ウイルスのビリオン中にパッケージングされたアンプリコンをもたらす。こうしたパッケージングされたアンプリコンは感染性である。すなわち、それらは細胞中に進入しかつ外来細胞傷害性遺伝子ならびにvhs−1突然変異体遺伝子双方を導入することができる。こうしたアンプリコンを、ヘルパーウイルスを伴わずに個体に投与してよい。すなわち、本発明のベクターの双方の成分が、パッケージングされたアンプリコン中に存在することができる。
【0025】
本発明のHSV由来の混成殺腫瘍ベクターは、上皮、線維芽細胞およびニューロン細胞を包含する広範な宿主範囲を有し、そして従って、例えば、神経芽腫および多形膠芽腫を包含する脳の悪性病変、肺、膵、腎、結腸および胃癌のような多様な充実臓器の腫瘍の治療に適する。
【0026】
典型的には、本発明により、該ベクターは腫瘍中に直接局所注入により個体に投与することができる。しかしながら、ときに、ベクターの成分を、全身で、静脈内に(i.v.)、皮下に(s.c.)、筋肉内に(i.m.)、腹腔内に(i.p.)もしくは経口でを包含する他の投与経路により投与してもまたよい。こうした成分は、当業者により選ばれる特定の投与経路に適する当該技術分野で既知の製剤のいずれかで製造することができる。
【0027】
本発明のHSV由来の混成ベクターは、典型的には、以下の特徴を有することができる:(SpaeteとFrenkel,1982,Frenkelら,1994)
(i)HSVアンプリコンは、線維芽細胞、上皮およびニューロン細胞に標的を定めることができる用途の広いベクターである。
(ii)該系は、ヘルパーウイルス、およびアンプリコンDNA配列の複数の反復を含有する構築された欠損ゲノムよりなる。
(iii)2個のcisに作用するシグナル、すなわちDNA複製起点および切断パッケージングシグナルが、ヘルパーウイルスの存在下でのアンプリコンの繁殖に必要とされる。
【0028】
該アンプリコンは、OriSもしくはOriLいずれかの複製起点を使用することができる。
(iv)該欠損ウイルスゲノムは、クローン化されたトランスジーン(transgege)配列を包含するアンプリコン配列の複数の頭から尾の(head to tail)反復を伴う「循環(endless)」コンカテマーDNA分子を生じる回転する環の機構(rolling circle mechanism)により複製する。
(v)該ヘルパーウイルスは、transに、複製酵素(例えばウイルスのDNAポリメラーゼ、ヘリカーゼ、プライマーゼ、リガーゼおよびDNA結合タンパク質)を包含するDNA複製およびパッケージングの機械装置、ならびにHSVビリオンのタンパク質および糖タンパク質を包含するパッケージング機能を供給する。
(vi)長い複製されたDNAコンカテマーは、パッケージング過程の間に切断される。HSVにおいて、切断/パッケージングシグナル「pac−1」および「pac−2」が配列中に存在する。
(vii)切断されたDNA分子は、大きさが単一から複数の反復単位までの範囲にわたる(それらの全体の大きさが個々のアンプリコンの大きさから無傷のHSV−1ゲノム(152kb)までに対応する)。切断/パッケージング過程の詳細を決定するために、われわれは、異なる大きさのアンプリコンを受領した細胞中に存在するウイルスDNA分子をパルスフィールド電気泳動により分析した。これらの実験の結果は、切断/パッケージングがheadfulの拘束もまた必要としたことを示し、パッケージングされた分子の大多数はそれらの大きさが136−150kbの範囲のおおよそゲノム長のDNAにわたった。切断は、ウイルスゲノムがパッケージングの過程で構造的ビリオンに「供給」される際に起こる。
(viii)切断の正確な位置、およびその結果のパッケージングは、全部のヘルペスウイルス中で良好に保存されるpac−1およびpac−2シグナルにより決定される(Romiら、1999)。切断はpac−1シグナルから40〜44bp、およびpac−2シグナルから35〜35bp離れて起こることが示されている。
(ix)pac−1およびpac−2要素はヘルパーウイルスのパッケージングにもまた必要とされる。HSV−1欠損ゲノムの反復単位はそれらの大きさが17kbに達する可能性がある。より大きな大きさのウイルスアンプリコンは、反復単位の大きさが17kbに達するまで、DNA複製の過程で無作為に欠失される(KwongとFrenkel,1985)。17kbより小さい大きさの反復を含有する欠損ウイルスゲノムは、50回以上の連続継代の間、ウイルスストック中で安定繁殖することができる。
【0029】
HSV由来のアンプリコンはまた、該ベクターの検出を可能にするマーカー遺伝子も担持してよい。こうした遺伝子は、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)マーカー遺伝子のような既知のマーカー遺伝子のいずれであってもよい。
【0030】
本発明により、2種の上述された成分を含んで成る混成殺腫瘍HSV由来ベクターを、付加的な治療もしくは成分と組合せで個体に投与してよい。こうした一成分は、例えば、治療される個体の免疫活性を高めるペプチドをコードする遺伝子を含んで成る付加的なウイルスベクターであるかもしれない。こうしたベクターの一例は、「免疫原性」遺伝子を含有するヘルペスウイルス6(HHV−6)もしくはHHV−7由来のアンプリコン(Romiら、1999)のようなリンパ球向性細胞を感染させることが可能なものである。免疫原性遺伝子は、例えば、IL−2、IL−4、IL−10もしくはインターフェロンのようなインターロイキンをコードしかつ投与に際して細胞中のこうしたペプチドの発現を高める遺伝子であるかもしれない。「免疫原性」ベクターは、HSV由来ベクターとの多様な組合せで投与してよい。付加的な成分は、上述された投与経路のいずれかにより、かつ、混成殺腫瘍HSV由来ベクターの投与の前、間もしくは後の多様な時点で個体に投与してよい。
【0031】
従って、本発明はさらに、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物、および、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来のアンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を包含する、2種の製薬学的組成物の組合せ剤を提供し、該組合せ剤は充実性腫瘍の治療のために個体に投与することを意図しており、この治療において、前記第二の組成物は時間Tに投与され、前記時間Tは前記第一の製薬学的組成物の投与の前、間もしくは後である。
【0032】
上の組合せ剤は、前記第一および前記第二の製薬学的組成物を包含する包装の形態であってよい。
【0033】
本発明は、さらに、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る、有効量の第一の製薬学的組成物を前記個体に投与すること、および、前、間もしくはその後の時間Tに、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来アンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を前記個体に投与することを含んで成る、個体における充実性腫瘍の治療方法を提供する。
【0034】
本発明は、さらに、個体における充実性腫瘍の治療のための、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物の使用を提供し、この治療は、前記第一の組成物を個体に投与すること、および前、間もしくはその後の時間Tに、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来のアンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を前記個体に投与することを包含する。
【0035】
なおさらに、本発明は、使用のための指示書(direction)と一緒に、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物、および、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来のアンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を含んで成るキットを提供する。
【0036】
さらに、治療される個体に投与される付加的な治療は、例えば免疫応答のレベルを高めることが意図される治療(例えばインターフェロン)、または放射線もしくは化学療法のような腫瘍細胞の治療およびターゲッティングのような、充実性腫瘍を有する個体に典型的に投与されるいずれの他の治療であってもよい。
【0037】
以下において、本発明は以下の制限しない実施例に関して例示されることができる。
【0038】
実施例
実施例1
材料および方法
細胞培養物:−小脳顆粒ニューロン(granular neuron)について高度に濃縮された初代培養物を、8日齢のBALB−Cマウスから調製した。培養物はマウス脳から作成した。細胞をトリプシン処理し、そして標準培地(1mg/mlブドウ糖を補充されたイーグル基礎培地、10%ウシ胎児血清、25mM KCl、2mMグルタミン、50μg/mlゲンタマイシンおよび250ng/mlアムホテリシンB)中のポリ−L−リシンで被覆された皿上に置いた。シトシン−β−アラビノフラモシド[Cytosine−β−arabinofuramoside:(Ara−C)](10μM)を、プレーティングの18〜22時間後に培地に添加して、非ニューロン細胞の複製を予防した。
ウイルス:−HSV−1(KOS)が野性型ウイルスとしてはたらいた。ビリオン関連宿主シャットオフ(virion associated host shutoff)突然変異体を、一般的BudR突然変異誘発、および、これが感染性ビリオン内で細胞中にもたらされるビリオン機能であることを再保証するためのアクチノマイシンDの存在下で宿主タンパク質合成を止めなかった突然変異体の選択により、−1(KOS)からわれわれの研究室で生じさせた(ReadとFrenkel,1983)。ウイルスストックを、0.01pfu/細胞の入力(input)感染多重度(m.o.i.)でVero細胞を使用して制限継代を用いて作成した。
小脳顆粒細胞のHSV感染:−顆粒ニューロンを、ニューロンをプレーティングした後に4日感染させた。生存可能な細胞の数を、トリパンブルー排除アッセイを使用する各実験で測定した。ニューロンを馴化培地で2回洗浄してAra−Cを除去し、そしてその後、本文中に述べられたとおり適切なウイルスのm.o.i.に曝露させた。感染は1%胎児血清を含む199V培地中でであった。細胞を37℃で2時間感染させた。その後、接種を除去し、そして、馴化培地を、37℃でさらなるインキュベーション前に添加した。
感染性ウイルス収量のアッセイ:−異なるp.i.時間で、感染した小脳顆粒ニューロンを収穫し、そして、3周期の凍結および融解により破壊してウイルスを放出させた。感染性ウイルスを、Vero細胞でのプラークアッセイにより力価測定した(titered)。
トリパンブルー生存率アッセイ:−ニューロンの生存はトリパンブルー排除アッセイにより測定した。細胞を、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS)、pH7.4中0.1%のトリパンブルーの溶液中で10分間インキュベートし、そしてその後PBSで2回洗浄した。それぞれおよそ500個の細胞を含有した3個の無作為に選ばれた野を、位相差および明視野顕微鏡検査により分析した。暗青色色素を排除する細胞を生存可能として計数した一方、青色に染色された細胞を死亡として評価した。
MTTアッセイ:−以前に記述された手順の一変法を使用した。すなわち、ニューロン培養物(96穴プレート中)を、標準培地中0.5mg/ml MTTとともに37℃で60分間インキュベートした。MTT溶液を吸引し、そして細胞を200ml DMSO中で溶解した。MTTホルマザンの量を、バイオテック(Bio−tek)マイクロプレートリーダー(Wiooski、米国バーモント州)にて490/690での吸光度を測定することにより定量した。
DAPIでのDNA染色:−細胞をポリ−l−リシンで被覆されたカバーガラス上で成長させた。細胞を感染させた。実験の完了に際して、細胞をリン酸緩衝生理的食塩水pH−7.4(PBS)で洗浄し、そして4%ホルムアルデヒド(PBS中)中で10分間固定した。固定後に、ニューロンをPBSで洗浄し、10μg/ml DAPI(4,6−ジアミノ−2−フェニルインドール)で5分間染色し、そしてPBSで2回洗浄し;一滴の没食子酸N−プロピルもしくはグリセロールのいずれかを添加して蛍光を増強し、それをUV光学顕微鏡検査により検出した。完了した場合に、細胞をPBSで洗浄し、そしてPBS中45ホルムアルデヒド中で固定した。固定および洗浄した後に、10mg/ml DAPIで染色し、洗浄し、そして一滴のグリセロールを添加して蛍光を増強し、それをUV光学顕微鏡検査により検出した。
結果
マウス小脳顆粒ニューロン中の野性型(wt)およびvhs−1突然変異体ウイルスの複製:
マウス小脳顆粒ニューロン中でのwt HSV−1(KOS)およびvhs−1突然変異体ウイルスの複製を多様な感染多重度(m.o.i.)で分析した。図3は、0.1、1および10PFU/細胞の入力m.o.i.での感染後(p.i.)48時間までのニューロン細胞中の感染性ウイルスの収量を比較する。結果として生じるウイルスストックの力価測定はVero細胞で行った。該結果は、wtウイルスがニューロン細胞中で豊富に複製したことを示した。感染性ウイルスの収量は、0.1pfu/細胞の入力m.o.i.に感染した培養物で最高であった(入力ウイルスの1428倍増幅)。それらは1および10PFU/細胞の入力m.o.i.でより低かった(p.i.48時間までに入力ウイルスのそれぞれ62および4.6倍増幅。対照的に、vhs−1突然変異体はニューロンサンプル中で十分に複製せず、感染性ウイルスの収量は、それぞれ、0.1PFU/細胞のvhs−1突然変異体ウイルスに感染した細胞で2倍の入力ウイルス、ならびに1および10PFU/細胞に感染した細胞でウイルス増幅なしに対応した。該データに基づけば、vhs−1突然変異体が脳細胞中で複製する制限された能力のみを所有すると結論することができる。
プログラムされた細胞死(アポトーシス)の誘導:MTTアッセイ:
vhs機能は宿主細胞のmRNAの不安定化/分解を引き起こすため、感染した細胞がプログラムされた細胞死を経験するよう誘導されたかどうか、および、vhs−1突然変異体が小脳顆粒ニューロンに対しより毒性であったかどうかを決定することは興味深かった。精製された小脳ニューロン培養物の二重の96穴の培養物をHSV−1(KOS)もしくはvhs−1突然変異体ウイルスに感染させた。細胞の生存率を、p.i.12、24、36および48時間にMTTホルマザンの取り込みにより測定し、バイオテック(Bio−tek)マイクロプレートリーダーでの490/690の吸光度により定量した。該実験を、異なる入力m.o.i.を使用して類似の結果を伴い、数回反復した。例示的一実験は、1、5および10PFU/細胞のHSV−1(KOS)もしくはvhs−1突然変異体ウイルスの入力m.o.i.での精製された顆粒ニューロン培養物の96穴単層の感染を伴った。図4に示されるとおり、wt HSV−1(KOS)でのニューロンの感染はp.i.48時間までにアポトーシスを引き起こさなかった一方、vhs−1突然変異体ウイルスの感染は顕著な(50%まで)アポトーシスに付随された。
トリパンブルーアッセイ:
MTTアッセイと平行して、ニューロンの生存率をトリパンブルー排除アッセイにより測定した。暗青色色素を排除する細胞を生存として計数した一方、青色に染色された細胞を死亡として評価した。図5に示されるとおり、3PFU/細胞のm.o.i.でのKOSウイルス感染はp.i.48時間までに実質的な細胞死を引き起こさなかった一方、50および70%近い死亡ニューロン細胞が、vhs−1に感染した細胞中で死亡していた。
細胞死の特徴づけ:DAPIアッセイ
感染がアポトーシス死を生じさせたかどうかを検査するために、ニューロンの培養物を、ポリ−L−リシン支持体を伴うカバーガラス上で成長させた。異なる時間の長さの間のwtおよびvhs突然変異体ウイルスでの感染後に、細胞をホルムアルデヒドで固定し、DAPI(4,6−ジアミノ−2−フェニルインドール)で染色し、そして蛍光顕微鏡で検査した。図6は、未感染の顆粒ニューロンの核が楕円形状を伴い大きさが均一に見え、そして、マウス細胞に典型的な、中程度の強度でむしろ均一に染色されかつ光る領域で斑点を付けられたことを示す。KOSへの曝露の12時間後に、細胞は変化されないように見えた一方、vhsウイルスに曝露された細胞では、いくつかのニューロンの核がそれらの楕円形状を喪失し、そして明るい円形の点のように見えた。死亡過程が進行した際に、分解された核(円形区画)の数が増大した。vhsウイルスへの曝露の24時間後に、全部の核は辺縁化、断片化、および個々の粒子への凝集を受けた一方、KOSに曝露された細胞のいくつかが、劣化過程の最初の兆候を示した。これらの結果は、アポトーシスのニューロン死につながる高カリウムを枯渇された小脳顆粒ニューロンのDAPI染色の観察結果と区別できない。一緒にすれば、われわれの結果は、ウイルス感染に誘発される死亡がアポトーシスの特徴を有することを示す。
【0039】
偽感染した細胞、もしくはHSV−1(KOS)、HSV−2(6)およびvhs−1突然変異体に感染した細胞中の、ハウスキーピング遺伝子ならびに感染後に誘導されるストレス関連遺伝子(チューブリンおよび熱ショック70タンパク質(HSP−70)のような)のmRNAの分解に対するウイルス感染の影響を分析した(結果は示されない)。いくつかの結論をこの例示的実験から引き出すことができる。すなわち、(i)vhs機能は、細胞をアクチノマイシンDの存在下で感染させた場合もまたmRNAの分解が起きて一緒になって宿主ウイルス遺伝子の感染後の転写を予防するために、感染後のウイルス遺伝子発現を必要としない。(ii)vhs機能はチューブリンのような遺伝子を分解する。(iii)熱ショック「ストレス」mRNAは、ウイルス感染に応答して誘導される70タンパク質を感染後に誘導した。アクチノマイシンD処理は、KOS中のその蓄積およびvhs−1突然変異体ウイルス感染を予防した。
【0040】
上の図に示されるとおり、8日齢のBalbCマウスの小脳顆粒ニューロンを使用する上の実験は:(i)wtウイルスは小脳顆粒ニューロン中で良好に複製する一方、vhs−1突然変異体の複製は感染後48時間まででさえ起こらなかった(ii)wtウイルス感染はアポトーシスを誘導しない一方、突然変異体ウイルス感染は、細胞生存率のミトコンドリアMTT(臭化3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェンルテトラゾリウム)アッセイにより測定されるところの誘導された顕著な細胞死を有する(iii)同様に、トリパンブルーアッセイは、vhs−1感染での顕著な死亡に比較して、wtウイルス感染後に細胞死を示さなかった。(iv)ニューロン細胞死は、Dapi蛍光により判断されるところの細胞の劣化および核の破壊を伴うアポトーシスを反映した、ことを示す。vhs−1突然変異体ウイルス感染は、より顕著なアポトーシス、およびより早期にwtウイルスにより引き起こされる制限されたアポトーシスを引き起こす。
【0041】
上の結果はまた、wtウイルスが、ウイルス感染に応答して誘導される宿主の死亡遺伝子を包含する感染した細胞のmRNAの不安定化/分解をvhsのRNアーゼに開始させることにより、感染後の宿主遺伝子発現を阻害することも示す。対照的に、細胞のmRNAはvhs−1突然変異体ウイルス感染において効率的に発現されて顕著なアポトーシスをもたらす。上に示されたとおり、細胞の生存はウイルス複製に有利であり、また、アポトーシスを引き起こさなかったwtウイルスは小脳ニューロン中で良好に複製した一方、細胞を殺すvhs−1突然変異体は、感染後48時間まででさえマウスニューロン中で複製しなかった。
【0042】
実施例2
材料および方法
H1299ヒト肺癌細胞系の細胞を、1および10pfu/細胞の感染多重度でHSV−1突然変異体(vhs−1、γ34.5および34.5、vhs二重突然変異体により例示される)に感染させた。肺細胞中で、ヘルパーウイルスは、安全であるためにその複製を予防する突然変異を担持しなければならない。生存可能および死亡した細胞の数を、トリパンブルーアッセイにより感染後14、24、36、48、72および96時間に測定した。
トリパンブルーアッセイ
細胞を、リン酸緩衝生理的食塩水中0.1%のトリパンブルーを含有する溶液中で1分インキュベートした。その後、500個の細胞を明視野顕微鏡により計数した。青色色素を排除する細胞を生存可能として計数した一方、青色に染色された細胞を死亡として評価した。
結果
結果は図7〜9に示し、そして以下のとおり要約することができる:
(1)肺細胞中の(アンプリコンを含有する全部のサンプル中の)p53遺伝子の良好な発現が、ヒト肺癌細胞中でのウェスタンブロットで示される。
(2)感染における細胞死に関して:
(i)1(図7A)および10(図7B)pfu/細胞のvhs−1感染(図7)は、感染後3および4日にピーク(それぞれ90、および93%の細胞死)に達する、指数的に作用する顕著な細胞死をもたらした。
(ii)p53を含有するアンプリコンの添加は細胞死を増大させた。すなわち、図に示されるとおり、vhs−1ヘルパーおよびp53アンプリコンの二重感染は、各時点で増大された細胞死を伴い生じた(例えば、感染後(p.i.)2日に、vhsおよびvhs+p53に感染した培養物中でそれぞれ20および40%の細胞死が存在した)。
(iii)図8に示されるとおり、1および10pfu/細胞での34.5での感染は不完全な死をもたらし、それは徐々に増大して、1pfu/細胞の感染で30%の死亡、および3pfu/細胞の感染で60%の死亡に達した。死亡は感染後3ないし4日にゆっくりとプラトーに達していた。
(iv)34.5突然変異体ヘルパーおよびp53アンプリコンでの細胞の二重感染は、有意に増大された死亡をもたらした。死亡は感染後2と3日との間に指数的に増大して、p.i.3日に88%に達し、また、p.i.4日に90%でプラトーに達した。
(v)図9に示されるとおり、二重突然変異体34.5×vhsに感染した肺癌細胞は、p.i.2と3日との間で既に指数的な細胞死を受けた。死亡は、感染後2日までに10%であり、そしてp.i.3日までに指数的に90%まで増大した。
(vi)死亡は、p53アンプリコンの添加により、より迅速に増大しかつ付加的な有効性に達し、p.i.3および4日にそれぞれ93および100%に達した。
(3)類似の結果が、MTTアッセイ(ミトコンドリアの機能性により細胞の生存率を測定する)を使用して得られた(示されない)。
【0043】
実施例3
チミジンキナーゼ(tk)遺伝子を含有するHSV−1アンプリコンを構築した。該アンプリコンを多様な細胞に感染させ、そして、感染した細胞中でのtk遺伝子発現を、上述されたところのウェスタンブロット分析により評価する。
【0044】
加えて、単独、もしくは突然変異されたhvs遺伝子を含有するHSVヘルパーウイルスと組合せの、tkを含んで成るアンプリコンに感染した細胞のガンシクロビル誘導性の死亡を、上述されたところのトリパンブルーもしくはMTTアッセイを使用して評価する。
【0045】
実施例4
TNFをコードする遺伝子を含有するHSV−1アンプリコンを構築した。多様な感染した細胞中でのTNF遺伝子の発現、ならびに、単独、もしくは突然変異されたhvs遺伝子を含有するHSV由来のヘルパーベクターと組合せの、TNFを含んで成るアンプリコンに感染した細胞の細胞死を、上述されたとおり評価する。
【0046】
実施例5
インビボでの腫瘍の成長に対するHSV vhs突然変異体ベクターのインビボでの影響
ヌードマウスに、ヒト膠芽腫細胞系の細胞を皮下で注入する。腫瘍の成長の多様な段階で、マウスを以下の群に分割する:
(a)偽注入を受領する対照マウス。
(b)vhs−1突然変異体HSVベクターの注入を受領するマウス;
(c)1種もしくはそれ以上の毒性遺伝子を担持するHSVアンプリコンおよびvhs−1突然変異体HSVヘルパーウイルスの組合せ剤の注入を受領するマウス;
(d)感染性ヘルパーウイルスを欠くがしかしアンプリコンを被包化するビリオン中に1種もしくはそれ以上の毒性遺伝子およびvhs−1突然変異体タンパク質を担持する、純粋なHSVアンプリコン(pac−1、pac−2欠失およびvhs突然変異体ヘルパーウイルスを含んで成る細胞中で成長される)の注入を受領するマウス;
(e)HSVベクターの注入の前、それと一緒にもしくは後の多様な時点で、IL−2をコードする遺伝子を含有するHVV−6もしくはHVV−7由来アンプリコンの全身注入と一緒に(a)−(d)の治療のそれぞれを受領するマウス。
【0047】
ウイルスベクターをマウスの腫瘍中に直接注入し、そして、群のそれぞれでの腫瘍の成長を、注入後の多様な時点で測定し、かつ、対照群の腫瘍の成長と比較する。
【0048】
付加的なインビボ実験において、前述のベクターを、内的臓器内の高度に悪性の腫瘍に対する別の例としての、ヌードマウスの膵悪性細胞もしくは肺悪性細胞(long malignant cell)から成長された腫瘍に注入する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】発明にかかる、本発明の混成殺腫瘍HSV−1由来ベクターの2成分の一例を示す図解である。示される一成分は、最低1種の毒性遺伝子の複数の反復を担持するHSV−1アンプリコンであり、そして、第二の成分は、分裂細胞中での複製能力をもちかつ細胞の自殺死機能を誘導するビリオン宿主シャットオフ(vhs)機能中の1個の突然変異ならびにリボヌクレオチド還元酵素(RR)遺伝子中の1個の突然変異を担持する、突然変異体のHSV−1由来ヘルパーウイルスである。
【図2】発明にかかる、p53、ウイルスの複製起点(ori)およびパッケージングシグナル(pac)を担持するHSV由来の殺腫瘍HSV−1アンプリコンである、本発明の混成殺腫瘍ベクターの一成分の一例を示す図解である。
【図3】発明にかかる、こうした細胞中に感染した野性型HSV(KOS)ベクターに比較した、マウス小脳顆粒ニューロン中への感染後のvhs−1突然変異体ヘルパーウイルスの複製を示す図解である。複製を、多様な感染多重度(m.o.i.)および感染後多様な時点で測定した。
【図4】発明にかかる、非感染マウスニューロン細胞(偽対照)、および多様な感染多重度での細胞の感染後多様な時点のかつMTTアッセイにより測定されるところのvhs−1突然変異体ベクターでの感染後のマウスニューロン細胞の生存率を示す図解である。
【図5】発明にかかる、非感染(偽)対照細胞と比較した、細胞の感染後多様な時点でのかつトリパンブルーアッセイにより測定されるところの、HSV由来ベクター(KOS)もしくはvhs−1突然変異体ベクターのいずれかでの細胞の感染後のニューロン細胞の生存率を示す図解である。
【図6】発明にかかる、感染およびDAPI染色後多様な時点での、KOSもしくはvhs−1ウイルスベクターに感染したマウスニューロン細胞培養物の写真を示す。アポトーシスが、vhs−1に感染した細胞でみられる。
【図7】発明にかかる、単独、もしくはp53遺伝子を担持するHSV−1アンプリコンベクターと組合せの、vhs−1突然変異体ヘルパーウイルスに感染したH1299ヒト肺癌細胞の細胞死のパーセントを示す図解である。ベクターを、1プラーク形成単位(pfu)/細胞(図7A)および10pfu/細胞(図7B)の感染多重度で感染させ、そして、生存可能な死細胞の数を、感染後多様な時点でトリパンブルーアッセイにより測定した。
【図8】発明にかかる、1pfu/細胞(図8A)もしくは3pfu/細胞(図8B)の感染多重度の単独、もしくはp53遺伝子を含んで成るHSV−1由来アンプリコンと組合せの、34.5突然変異を担持するHSV由来ベクターで感染後の、細胞の感染後多様な時点でのかつトリパンブルーアッセイにより測定されるところの、H1299ヒト肺癌細胞の細胞死を示す図解である。
【図9】発明にかかる、1pfu/細胞(図9A)もしくは10pfu/細胞(図9B)の感染多重度での、p53細胞傷害性遺伝子を担持するHSV−1アンプリコンと組合せの34.5およびvhs突然変異体遺伝子を担持する二重に突然変異されたHSV−1ベクターでの感染後の、細胞の感染後多様な時点でのかつトリパンブルーアッセイにより測定されるところの、H1299ヒト肺癌細胞の生存率を示す図解である。

Claims (26)

  1. 有効量の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来のアプリコン欠損ウイルスゲノム、およびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルス、ならびに製薬学的に許容できる担体、賦形剤もしくは希釈剤を含んで成る、個体における充実性腫瘍の治療での使用のための製薬学的組成物。
  2. 前記HSV由来のヘルパーベクターが、ビリオン宿主シャットオフ(vhs)遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項1記載の製薬学的組成物。
  3. 前記ヘルパーベクターが、リボヌクレオチド還元酵素(RR)遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項1もしくは2記載の製薬学的組成物。
  4. 前記細胞傷害性外来遺伝子が、P53、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRIAL)およびチミジンキナーゼ(TK)から選択される、上の請求項のいずれか記載の製薬学的組成物。
  5. 前記充実性腫瘍が脳腫瘍である、上の請求項のいずれか記載の製薬学的組成物。
  6. 個体における充実性腫瘍の治療のための製薬学的組成物の製造のための、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来のアンプリコン欠損ウイルスゲノムおよびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルスの使用。
  7. 前記突然変異体ヘルパーウイルスがvhs遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項6記載の使用。
  8. 前記ヘルパーベクターがRR遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項6もしくは7記載の使用。
  9. 前記細胞傷害性外来遺伝子が、P53、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRIAL)およびチミジンキナーゼ(TK)から選択される、請求項6−8のいずれか記載の使用。
  10. 前記充実性腫瘍が脳腫瘍である、請求項6−9のいずれか記載の使用。
  11. 有効量の、最低1種の細胞傷害性外来遺伝子を含んで成るHSV由来のアンプリコン欠損ウイルスゲノム、およびHSV由来の突然変異体ヘルパーウイルスの組合せ剤を含んで成る、HSV由来ウイルスベクターの充実臓器の腫瘍を有する個体への投与を含んで成る、前記個体の治療方法。
  12. 前記突然変異体ヘルパーベクターがvhs遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項11記載の方法。
  13. 前記ヘルパーベクターがRR遺伝子中に1個の突然変異を含んで成る、請求項11もしくは12記載の方法。
  14. HSV由来アプリコン中の細胞傷害性外来遺伝子が、P53、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRIAL)もしくはチミジンキナーゼ(TK)である、請求項11−13のいずれか記載の方法。
  15. 前記充実性腫瘍が脳腫瘍である、請求項11−14のいずれか記載の方法。
  16. 有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物、および、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来アプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を包含する2種の製薬学的組成物の組合せ剤であって、該組合せ剤は充実性腫瘍の治療のために個体に投与するために意図され、その治療において前記第二の組成物が前記第一の製薬学的組成物の投与の前、間もしくは後に投与される、組合せ剤。
  17. 前記第一および前記第二の製薬学的組成物を包含する包装の形態にある、請求項16記載の2種の製薬学的組成物の組合せ剤。
  18. 前記第二の製薬学的組成物中の前記ウイルス由来アンプリコンが、ヒトヘルペス6(HHV−6)もしくはヒトヘルペス7(HHV−7)由来アンプリコンである、請求項16もしくは17記載の組合せ剤。
  19. 有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る、有効量の第一の製薬学的組成物を個体に投与すること、および前、間もしくはその後の時間Tに、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来アプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を前記個体に投与すること、を含んで成る、前記個体における充実性腫瘍の治療方法。
  20. 前記第二の製薬学的組成物中の前記ウイルス由来アプリコンが、HHV−6もしくはHHV−7由来アンプリコンである、請求項19記載の方法。
  21. 個体における充実性腫瘍の治療のための、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物の使用であって、その治療は、前記第一の組成物を個体に投与すること、および、前、間もしくはその後の時間Tに、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来アンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を前記個体に投与すること、を包含する使用。
  22. 前記第二の製薬学的組成物中の前記ウイルス由来アンプリコンがHHV−6もしくはHHV−7由来アンプリコンである、請求項21記載の使用。
  23. 使用のための指示書と一緒に、有効量の、HSV由来の突然変異体ヘルパーベクターと一緒の、最低1種の毒性外来遺伝子を担持するHSV由来の欠損ウイルスアンプリコンゲノムを含んで成る第一の製薬学的組成物、および、有効量の、治療される個体の免疫系を高めることが可能なペプチドをコードする遺伝子を担持するウイルス由来アンプリコンを含んで成る第二の製薬学的組成物を含んで成るキット。
  24. 前記第二の製薬学的組成物中の前記ウイルス由来アンプリコンがHHV−6もしくはHHV−7由来アンプリコンである、請求項23記載のキット。
  25. 前記組成物が付加的な治療を受領する個体に投与される、請求項1−5のいずれか記載の組成物。
  26. 前記組成物が付加的な治療を受領する個体に投与される、請求項11−15のいずれか記載の方法。
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