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JP2004528088A - 乳管から材料を採取するための装置、方法、およびシステム - Google Patents

乳管から材料を採取するための装置、方法、およびシステム Download PDF

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JP2004528088A
JP2004528088A JP2002580813A JP2002580813A JP2004528088A JP 2004528088 A JP2004528088 A JP 2004528088A JP 2002580813 A JP2002580813 A JP 2002580813A JP 2002580813 A JP2002580813 A JP 2002580813A JP 2004528088 A JP2004528088 A JP 2004528088A
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Abstract

本発明は、細胞材料および他の有用な分析マーカーを含む乳管液を採取するための方法、装置、およびシステムを提供する。本方法は、典型的には、少なくとも1つの乳管にアクセスする段階と、乳房の他の全ての乳管とは別に該乳管から材料を採取する段階とを含む。本装置は、乳房の他の全ての乳管とは別に1つの乳管から液体を採取する機会を提供する乳管アクセス装置を含む。本システムは、一体として使用することにより、アクセスした乳管に特異的な患者の乳房状態を分析するためのシステムを提供する方法および装置を使用する。本発明の方法、装置、およびシステムは、患者の乳房の前癌または癌を同定する上で特に有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体の開示内容が参照として本明細書に組み入れられている、2001年4月16日提出の米国仮出願第60/283,636号の利益と優先権を主張する。本出願はまた、1999年12月28日提出の米国特許出願第09/473,510号並びに37CFR§1.78に準拠した以下の仮出願の各々:1998年12月28日提出の60/114,048号、1999年5月18日提出の60/134,613号、1999年6月12日提出の60/143,476号、1999年7月12日提出の60/143,359号および1999年12月14日提出の60/170,997号の一部継続出願でもある。これらの出願の各々は全体の開示内容が参照として本明細書に組み入れられている。
【0002】
本発明は、哺乳類の乳房の乳管に流体を導入し、乳管から組成物を採取するための医療装置、方法、およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、乳房内の乳管にアクセスし、乳管内に流体を導入し、乳管内から組成物を回収し、乳房内の乳管または乳房の任意の他の部分を損傷することなく、組成物を採取し、分析できるように組成物を乳房外に通過させるための医療装置、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
乳癌は最も多く見られる女性の癌であり、米国だけでも毎年100,000例を超える新たな症例が診断されている。乳癌は、通常、乳管の内層を形成している(lining)細胞(上皮層)から生じ、癌の第I期は、「導管過形成」に至る個々の細胞の過剰増殖を含むと考えられている。過形成細胞には異型になるものもあり、異型過形成細胞の大きなリスクは悪性腫瘍化または癌化する。最初は、癌細胞は乳管内にあり、その状態は非浸潤性乳管癌(DCIS)と呼ばれる。しかし、しばらくすると癌細胞は管環境の外に浸潤し始め、周知であるように、患者に致死的となることがある転移のリスクを呈する。
【0004】
DCIS期までの乳癌は理論上治療可能であるが、早期診断が選択した治療の有効性に重要である。現在では、マンモグラフィが、乳癌を検出する最も周知の診断ツールである。しかし、マンモグラフィは、0.1cm〜1cmのサイズに達してしまっている腫瘍しか検出できないことが多い。このような腫瘍塊は、疾患過程の開始から8〜10年までに達しない。このような後期病期の乳癌の検出は効果的な治療を可能にするには遅すぎることが多い。結果として、乳癌のかなり早期検出を約束する別の診断方法が必要とされる。
【0005】
乳癌は乳房の流体産生乳管の内層から生じると考えられており、さらにヒト乳房はこのような乳管を6〜8本有すると考えられている。サルトリウス(Sartorius)、JAMA 224(6): 823〜827(1973)参照。従って、早期検出に答える研究において、乳癌の研究に献身しているかなりの数の医療団体は、乳房の乳管の乳頭分泌物から回収される細胞の細胞学的分析が、乳癌のリスクのある患者の早期同定に至る有用な情報を提供することができると考え、それを示している。実際、パパニコラウ(Papanicolaou)は、乳頭表面で採取した乳頭分泌物に含有される細胞を分析することによって、乳癌の「Pap」スメアのこのような可能性の発祥に貢献した。パパニコラウ(Papanicolaou)ら、「ヒト乳腺の脱落細胞検査法と乳癌および他の乳房疾患の診断におけるその有用性(Exfoliative Cytology of the Human Mammary Gland and Its Value in the Diagnosis of Cancer and Other Diseases of the Breast)」Cancer(1958)3月/4月377〜409参照。
【0006】
早期検出因子を見つける他の試みは、乳管を生理食塩液で洗浄できるように、手術用顕微鏡を使用して乳管内に挿入した毛髪-様単管流体導入カテーテルのサルトリウス(Sartorius)の使用を含む。流体を導入したら、単管カテーテルを除去し、流体が乳頭を介して乳房から排出されるように乳房を搾る。排出された流体は、典型的には、乳頭の外側表面に集まり、乳頭に向けて位置づけられている毛細管によって除去される。同様に、ラブ(Love)およびバースキー(Barsky)、「乳癌疾患の病期を検討する乳管内視鏡検査法(Breast-duct endoscopy to study stages of cancerous breast disease)、Lancet 348(9033):997-999, 1996は、乳管に単管カテーテルを挿入し、少量の生理食塩液を注入し、カテーテルを除去し、乳房を絞って乳頭の外側表面に戻る流体を採取することを記載している。また、「乳頭分泌患者において切開前の乳管造影術のための乳管カニューレ挿入および局在化するための簡単な方法(A Simple method of Duct Cannulation and Localization for Galactography before Excision in Patients with Nipple Discharge)」、Radiology 1995; 195; 568-569において、ホウ(Hou)らは、「少容量の滅菌した水溶性造影剤(0.5ml〜2.0ml)を注入し、カテーテルを乳房または乳頭に傾斜させて配置し、同じシリンジで造影剤を吸引し、手で乳房をやさしく押して不透明な造影剤を排出させる」ことを記載している。
【0007】
ダイアグノスティックス社(Diagnostics, Inc)は、細胞学的検査用の乳管液を入手するために同様の方法の別の例を開発した。この会社は、細胞学的評価のための乳管液を入手するために使用することができる装置を製造した。この装置は、乳管に流体を注入するための毛髪-様単管乳管カテーテルを備え、その手法は、カテーテル除去後に、毛細血管出血を毛細管で乳頭表面から採取することを指示していた。この装置は、細胞学的評価のために乳管液を採取する目的のために、1976年5月28日以前に販売された。
【0008】
上記の開示内容は、流体を乳管に導入することを考慮しているが、それらは、乳管内から流体を排出させるために外部から適用された圧力を使用している。しかし、排出された流体が乳頭の外に蓄積する場合には、異型または癌細胞を有する流体を排出した個々の乳管を判定するのが、不可能でないにしても非常に困難である。従って、細胞学的調査が陽性と出る場合には、その流体を産生した乳管を同定し、治療することができる可能性は非常に低い。または、他の例では、乳管の括約筋は、有用な試料に必要とされる必要量の乳管液が排出され、採取されるのを妨害することがある。また、括約筋は、細胞の一部が乳頭を通過するのを遮断することがある。
【発明の開示】
【0009】
発明の概要
本発明は、患者が乳癌であるかどうかまたは乳癌を発症する可能性があるかどうかを判定するために、ヒト乳房の乳管網から乳管液および細胞材料を入手するための装置と方法とを含む。本発明の装置および方法により、乳管を破壊することなく、流体および細胞材料を採取することができる。
【0010】
本発明の第1の態様において、哺乳類の乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取する装置は、乳管内に位置づけることができるカテーテルとマニホールド内腔とを備える。カテーテルは近位端と遠位端とを備える。遠位端は、乳管内に洗浄液を送達し、乳管内の細胞材料を収容するための開口部を有する。マニホールドハブはカテーテルと流体的に連絡している。マニホールドハブは、カテーテルの内腔に軸方向に配列されている第1のポートと、ハブ内に流体を注入するためにハブ内に位置づけられている第2のポートと、ハブ内の流体を採取するためにハブ内に位置づけられている第3のポートとを有する遠位端を備える。
【0011】
本発明の別の局面において、本発明の乳管アクセス装置は、乳管内に位置づけることができる細長い部材を含む。細長い部材は、マニホールドハブと流体的に連絡している内腔を備える。
【0012】
本発明はまた、乳管にアクセスして、乳管内の細胞材料を採取するための乳管アクセス装置を含む。本発明の装置は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端の間に延在する管腔とを備える。本発明の装置はまた、カテーテル内腔に流体を送達するための注入ポートを備えるハブを備える。注入ポートは、注入装置と流体的に連絡している。本発明の装置はさらに、ハブ内の流体および細胞材料を収容するための採取ポートを備える。
【0013】
別の局面は、乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取するための乳管アクセス装置を含む。本発明の装置は、乳管内に位置づけるために第1の外径を有する第1の細長い部材と、第1の外径より大きい第2の外径を有する第2の細長い部材とを備える。第2の外径は、第2の細長い部材が乳管に入らない停止部を装置の長さ方向に形成する。
【0014】
本発明はまた、乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取するための乳管アクセス装置を含む。本発明の装置は、近位端を有する第1の細長い部材と、遠位端と、これらの末端間に延在する内腔とを備える。本発明の装置はまた、近位端と遠位端とを有するマニホールドハブを備える。マニホールドハブはまた、内腔と流体的に連絡している下方開口部を有する。細長いガイド部材は、第1の細長い部材の一部を乳管内に位置づけるために第1の細長い部材およびハブの少なくとも一方を介して延在している。
【0015】
本発明のさらに別の局面は、乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取するための乳管アクセス装置を含む。本発明の装置は、開いた位置と閉じた位置の間を移動することができる遠位端と、近位端と、これらの末端間に延在する内腔とを有する第1の細長い部材を備える。本発明の装置はまた、近位端と遠位端とを有するマニホールドハブを備える。マニホールドハブも、内腔と流体的に連絡している下方開口部を有する。
【0016】
本発明によりヒト乳房の乳管網を洗浄する方法は、乳管開口部を介して乳管網の遠位管腔内に、内腔を有するカテーテルの遠位端を挿入する段階と、注入ポートを介してマニホールドハブ内に洗浄液を注入する段階と、乳管網内に洗浄液を導入する段階とを含む。本発明の方法はまた、乳管網から洗浄液および洗浄液によって運ばれる物質を回収する段階と、回収した洗浄液および物質をハブの採取ポートを介して採取装置に送達する段階とを含む。
【0017】
本発明による哺乳類の乳管網から細胞材料を入手するための別の方法は、乳管開口部を介して乳管網の遠位管腔内に、内腔を有する細長い装置の遠位端を挿入する段階と、注入ポートを介してマニホールドハブ内に洗浄液を注入する段階と、内腔を介して乳管網内に洗浄液を導入する段階とを含む。本発明の方法はまた、乳房のある領域をマッサージする段階と、洗浄液および洗浄液によって運ばれる物質をハブの採取ポートを介して乳管網から採取装置に送達する段階とを含む。
【0018】
本発明の一局面は、異型細胞、前癌細胞または癌細胞の存在について回収した細胞材料を分析することができるように、乳管内から洗浄液によって運ばれる細胞材料を入手するための医療装置とその方法とに関する。本発明の別の局面は、医療装置を乳管から除去することなく、また医療装置が位置づけられている乳房または乳管を損傷することなく、生理食塩液などの洗浄液を乳管内に導入し、乳管から回収することを可能にする医療装置に関する。本発明のさらに別の局面は、洗浄液を乳管に導入し、洗浄液と乳管内の細胞材料を混合し、以前から存在している乳管液、注入した洗浄液の少なくとも一部および乳管の上皮内層から分離した細胞からなる組成物を回収することによって、乳管を安全且つ効果的に洗浄する方法に関する。
【0019】
図面の詳細な説明
以下の態様および実施例は本発明を例示するために提供されており、限定するためではない。
【0020】
周知であり、図1に示すように、女性の乳房は複数の乳管を含む。現在では、乳房は6〜8本、おそらくそれ以上の乳管を含むと考えられている。それぞれの乳房の乳頭には並んだ乳管開口部がある。乳管開口部は各々乳管の1つに対応しており、それぞれの乳管に開口部を提供している。各乳管には、枝状の乳管とそれぞれの乳管開口部との間に位置する乳管洞がある。また、乳管内の流体が意図せず乳頭を介して外に漏洩しないように、括約筋が、乳頭の近位の乳管洞の末端部に位置している。括約筋はまた、乳管を破壊しない乳管内圧力レベルも維持している。これらの乳管の1つ以上から採取される流体は、患者が乳癌であるかどうかまたは乳癌のリスクにあるかどうかを同定するに至る有用な情報を提供することができる。
【0021】
図2は、乳管内に洗浄(洗浄)液を導入し、以下:導入した洗浄液、洗浄液を導入する前に乳管内に存在した流体、アクセス装置10および/または洗浄液の存在下において乳管内に形成する天然の流体並びに上皮内層由来の細胞材料を含む乳管由来の細胞材料の全ての混合物、一部の混合物または少なくとも1つを含む組成物を回収するための乳管アクセス装置10を例示する。「洗浄液」という用語は、乳管の上皮内層から細胞を洗い流すために乳管内に導入することができる流体、および/または乳管から細胞を洗い流すためにこれらの細胞および乳管内層からすでに脱落している他の細胞と混合することができる流体をいう。生理食塩液は、洗浄液として使用することができる既知の流体の一例である。洗浄液として使用することができる既知の流体の他の例は以下に考察されている。
【0022】
図1に示すように、本発明の乳管アクセス装置10は、乳管130を破壊またはそれ以外に損傷することなく、乳管130内に洗浄液を導入し、組成物を回収する。これは、乳管アクセス装置10と乳管130との間に圧力差を形成することによって実施される。以下に考察するように、この圧力差は乳管130内の第1の高い流体圧力レベルとアクセス装置10内の第2の低い流体圧力レベルを含む。乳管液を採取のために乳管内から除去するので、確立される圧力差は、洗浄液を注入する前に乳管130内に自然に存在する圧力と実質的に等しいかまたはそれより大きいレベルに乳管130内の圧力を維持する。例えば、乳房に適用される外部からの力の結果として、乳管130内の圧力と比較して、アクセス装置10内の圧力が低いことにより、通常の乳管圧を下回る乳管内圧を生じることなく、組成物を乳管130から排出させられる。結果として、乳管130は破壊しない。圧力が低い領域は、図3に示すように、乳管130の外側の位置に確立されても、または乳管130内に位置づけられる孤立チャンバー内に確立されてもよい。また、圧力が低い領域により、回収された組成物は抵抗が最も小さい通路を通って第2の低圧領域に自然に流れ、そこで分析のために採取することができる。圧力差は約0.1psi〜5.0psiであってもよい。
【0023】
図3に示すように、乳管アクセス装置10は、単管の細長い乳管アクセス部材11、例えば、カテーテルまたはステント(本明細書において以降「カテーテル」と呼ぶ)およびハブ20を備える。カテーテル11は、乳管130に流入する洗浄液および乳管130から回収される組成物のための通路を確立するために、乳管130内に導入される第1の遠位端12を有する。ポート19は、乳管方向に開くように、カテーテル11の第1の末端12の近位に位置する。好ましい態様において、ポート19は、カテーテル11の径方向に延在する開口部を有する。しかし、カテーテル11の長さ方向に平行方向に延在するものなどの他の開口部を使用することもできる。カテーテル11はまた、遠位端12に反対方向に第2の近位端14も有する。内腔13は、両端12および14の間のカテーテル11の内側に延在する。内腔13は、内径が約0.006インチ〜0.030インチである。好ましい態様において、内径は約0.025インチである。別の好ましい態様において、内径は約0.020インチである。カテーテル11はまた、壁厚が約0.005インチである。しかし、壁厚をできるだけ薄くすることによって、総外径が同じであっても内径を大きくすることができる。カテーテル11は、全体の長さが約10〜25ミリメーターである。好ましい態様において、カテーテル11の可動長さは約15ミリメーターである。他の好ましい態様において、カテーテルの可動長さは、さらに長く、例えば、約25ミリメーター以下である。このような長さにより所定の洗浄位置に到達することが可能になる。
【0024】
カテーテル11の第2の近位端14は、図3に記載するように、ハブまたはウェル20(本明細書において以降「ハブ」と呼ぶ)内に開いている。近位端14において、内腔の開好物は、径が約0.006〜約0.030インチである。好ましい態様において、内径は約0.023インチである。カテーテル11は、外径が約0.010〜0.040インチである。好ましい態様において、外径は約0.035インチである。
【0025】
図3からわかるように、カテーテル11の近位端14はハブ20の遠位端21まで続く。または、近位端14は、ハブ20内に延在するように位置づけられても、または近位端14はハブ20の遠位端21に達する手前まで続いてもよい。カテーテル11が遠位端21の手前まで続く場合には、カテーテル11は、接続用導管部分28または他の種類の流体通路によってハブ20に接続されてもよい。カテーテル11の近位端14とハブ20の遠位端21の間の接続がどのようであろうと、ハブ20の遠位端21は、外径が約4ミリメーターであり、内径が約3ミリメーターである。壁厚は約0.5ミリメーターである。接続用導管部分の遠位端の外径は約3ミリメーターである。
【0026】
ハブ20はまた、図3〜5に示すように、注入ポート25と採取ポート27とを備える。これらのポート25および27は各々、管などの任意の既知の流体ラインに接続されている。以下の態様は、これらのポート25および27に接続されている管26および28に関して開示されているが、当業者に理解されるように、任意の種類の流体導管がポート25および27に固定されても、または連続した一片の部材としてポート25および27と共に一体として形成されてもよい。注入ポート25は、注入管26に接続されて固定され、そこから流体がハブ20およびカテーテル11に注入される。流体がカテーテル11およびハブ20から採取される採取管28は採取ポート27に固定される。
【0027】
注入管26は任意の長さであってもよく、例えば、それは長さ約0.25インチ〜4フィートであってもよく、洗浄液を乳管に注入するための注入シリンジ78または他の注入構造に接続されてもよい。同様に、採取管28は任意の長さであってもよく、例えば、それは長さ約0.25インチ〜4フィートであってもよく、ハブ20内に吸引されるように、組成物を採取するための採取導管、採取シリンジ79または他の採取装置に接続されてもよい。注入シリンジ78および採取シリンジ79は、ルアーロック、摩擦どめまたは締りばめを含む、任意の既知の方法でそれぞれの管26および28に固定またはそれ以外の方法で接続してもよい。
【0028】
注入ポート25は、カテーテル11の近位端14のできるだけ近くに位置づけられる。好ましい態様において、注入ポート25は、両者間の距離が最短になるように、ハブ20の遠位端21に隣接して配置される。注入ポート25が遠位端21の開口部から間隔をおいて配置されている場合には、遠位端21の構造的強度のために必要とされる、0.0375インチ以下などの距離lだけそこから分離されているだけである。別の態様において、注入ポート25は、約1ミリメーター以下の距離だけ遠位端21から間隔を置いて配置されていてもよい。好ましい他の態様において、この距離は約0.5または0.25ミリメーターである。
【0029】
図4に例示するように、注入ポートおよび接続(connection)ポート25および27は、洗浄液が注入ポート25を介して注入され、同時に採取ポート27を介して除去されるように、互いに間隔をおいて配置されている。採取ポート27は、注入ポート25と比較して、遠位端21と同じ距離の位置または遠位端21からさらに離れた位置に位置づけられている。このように、遠位管28は、注入管26と比較して、ハブ20のカテーテル11に近くない位置に接続されている。ポート25および27は、約0〜0.010インチであってもよく、好ましくは約0.0375インチ以下である距離lの間隔をおいて互いに配置されている。図4の態様において、採取ポート27とハブ20の近位端との間の距離は約2ミリメーターである。
【0030】
注入ポート25は、採取ポート27と比較してハブ20内に任意の長手方向の位置および周囲方向の位置を有してもよい。例えば、図5に示すように、注入ポート25および採取ポート27は、ハブ20の内壁の同じ高さの位置にあってもよいが、90または180度などの数多くの角度で互いに分岐(offset)してもよい。ポート25および27が180度分岐(offset)している場合には、それらは、図5に示すように、互いにハブ20をはさんで向こう側に位置づけられている。別の態様において、採取ポート27は、ハブ20の側壁の注入ポート25の上方に配置されてもよい。採取ポート27は注入ポート25と長手方向に並んで配列されても、または注入ポート25から周囲方向に分岐(offset)して配置されてもよい。図6に例示する別の態様において、注入ポート25は、上記のようにハブ20の内壁に開口部を形成し、採取ポート27は、ハブ20の近位端23に、カテーテル11と軸方向に並んで開口部を形成する。同様に、注入した流体および採取した組成物がカテーテル11、ハブ20並びに両方の管26および28内にあるのが見られるように、ハブ20、カテーテル11、注入ポート25、注入管26、採取ポート27および採取管28は、好ましくは、透明な材料で形成される。
【0031】
管26および28は、ハブ20およびカテーテル11内の流体の流動を調節または抑制するための流体流動制御装置を備えてもよい。これらの制御装置には、ストップコック、弁、圧力クリップまたはそれぞれの管26および28またはカテーテル11を閉鎖または開閉することができる他の制御部材が挙げられてもよいが、これらに限定されない。これらの制御装置(弁またはストップコック)は、例えば、管26および28内の流体の流動を別個に制御できるように、互いに独立して動作することができる。従って、乳管の洗浄手技における流体流動を制御するパターンは、例えば、採取管が閉じているときに開いている注入管、採取管が開いているときに開いている注入管、採取管が開いているときに閉じている注入管および採取管が閉じているときに閉じている注入管を含んでもよい。また、望ましい場合に担当者が管26および28内の流体の流動を手で停止できるように、管26および28は、指もしくはクランプまたは他の締め付け構造もしくは圧縮構造で圧縮可能または締め付け可能であってもよい。
【0032】
ハブ20の遠位端21または接続用導管部分は乳頭の外側表面に接触して、カテーテル11が意図した位置より深く乳管130内に入らないように、停止構造29として作用することができる。または、カテーテル11は、乳頭または生体の他の部分に接触して、乳管の最初の分岐または乳管130内のさらに深部の別の洗浄位置などの所定の洗浄位置を越えてカテーテル11がそれ以上導入されないようにおよびその末端部12が入らないように停止構造29として作用する肩部または他の膨大部を有してもよい。本明細書において使用する「洗浄位置」という句は、乳管の括約筋と最初の乳管分岐または洗浄が意図されている最初の乳管分岐の間の乳管の位置を記載する。この位置は測定値によって予め決定されていても、または導入中の感触に基づいて決定されてもよい。例えば、洗浄予定の分岐が乳房内の最初の乳管分岐の近位である場合には、遠位端12が洗浄予定の最初の分岐の近位で、洗浄されない遠位分岐と洗浄される最初の分岐の間にあるように、カテーテル11が肩部/停止構造29によって位置づけられると洗浄位置に達する。
【0033】
図3に示す別の態様において、装置10は、所定の深さが乳管130内で達成され、適切な洗浄位置、例えば、最初の乳管の分岐を越えた位置が達成されるように、停止構造29として作用して、末端12からカラーまでの距離を越えて入らないように、カテーテル11の外側部分に配置、適用または構築されたカラーを備えてもよい。図3に示す停止構造29は、異なる洗浄位置が達成されるように、スライドできてもまたはカテーテル11に調節可能であるように保持されてもよい。また、カテーテル11は、カテーテル11の遠位端12の乳管130への進入深さを示す印を側壁に有してもよい。好ましい態様において、担当者がカテーテル11を進ませたいと希望している乳房内の深さに対応する位置−洗浄位置まで停止構造29をカテーテル11の長さ方向にスライドさせることができる。洗浄位置に到達したら、停止構造29が乳頭に接触したら、カテーテル11が乳管130内にそれ以上はいらないように、停止構造29をカテーテル11のその位置に固定する。停止構造29はカテーテル11の長さ方向に調節可能であるように位置づけることができるので、カテーテル11の遠位端12が乳管内の任意の望ましい洗浄位置に配置されるように、乳管内のカテーテル11の有効な側を変更することができる。
【0034】
上記態様のいずれかにおいて、停止構造29は乳頭、患者の生体の別の部分または患者に隣接して配置されている人工的な構造物(示していない)に接触することができる。人工的な構造物の高さは、個々の患者それぞれに対して調節可能であるように設定することができる。
【0035】
カテーテル11の遠位端が乳管130の洗浄位置に位置づけられたら、上記のように停止構造29を乳頭、生体の隣接部分または人工的な構造物にしっかり留める。こうなっているとき、遠位端12が乳管洞120(図1)または最初の分岐の手前135などの(図1)乳管130の主要部分132の所定の望ましい位置に位置づけられるように、カテーテル11は乳管括約筋110を超えて延在している。カテーテル11が乳管内に延在する長さは約10〜30ミリメーターである。好ましい態様において、カテーテル11の可動長さは約13ミリメーターであるが、この長さは25ミリメーター以下であってもよい。好ましい態様において、カテーテル11の可動長さは約15ミリメーターであるが、この長さは25ミリメーター以下であってもよい。上記のように、乳頭と乳管130の最初の分岐135の間の任意の地点または乳管130の最初の分岐135よりさらに深部の任意の地点にカテーテル11の遠位端12を位置づけることができるように、カテーテル11の大きさを決めることができる。同様に、遠位端120が乳管分岐のいずれか1つに位置づけられるように大きさを決めることができる。その位置がどこであろうと、完全な細胞学的調査を実施するのに必要な量の組成物が回収されるように、カテーテル11は手技中乳管130内に維持される。
【0036】
カテーテル11は、乳管開口部を介して、乳管の括約筋110を通過し、乳管洞120内に至る通路に適合するように横方向(長さ方向に対してある角度の方向)に可撓性である材料で形成される。カテーテル11はまた、乳管130内への挿入中に破壊しないように長手方向に剛性である。結果として、カテーテル11は、横方向に可撓性で、長手方向に堅い。カテーテル11は、管状のカテーテル部分に形成されるとき好適な特性を有する生物学的に適合性のポリマー樹脂または金属を含んでもよい。例示的な材料には、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、それらのコポリマー等が挙げられる。近位部分は遠位部分と同じ材料または異なる材料で形成されてもよい。選択的に、カテーテル11の全ての部分または一部の部分だけを、金属もしくはポリマーブレードまたは他の従来の強化層で強化してもよい。
【0037】
カテーテル11を形成するために使用される材料の特性の結果として、カテーテル11は、患者に不快感を生じることなく、乳頭を介して、乳管の括約筋110を通過して乳管洞120に容易に移動することができる。また、カテーテル11の横方向の可撓性は、乳頭の外側と乳管洞120の間の通路の形状に適合することができるので、破壊および患者の損傷を低下する。カテーテル11の横方向の可撓性は、使用者の選択に応じて変更することができる。例えば、乳管130に迅速且つ容易に挿入することができる、横方向にはごくわずかに可撓性で幾分剛性のカテーテル11を好む医師もいる。このようなカテーテル11の剛性は迅速な導入を可能にする。その理由は、その強度により乳頭から乳管洞120までの通路をカテーテルの形状に適合させるからである。逆に、乳頭内に位置づけられてからカテーテルが遭遇する全ての曲がりに適合する非常に可撓性の大きいカテーテルを使用することを希望する医師もいる。上記のように、カテーテル11の長手方向の堅さ(柱強度)により、圧力下でも破壊または変形することなく、括約筋110を通過して乳管洞120にカテーテルを進ませることができる。しかし、同時にそれは上記の剛性のカテーテルより患者には快適となりうる。
【0038】
カテーテル11は乳管開口部を介して遠位端を導入し、乳房の乳管の括約筋を通過して第1の末端12を位置づけることを可能にするように放射状に寸法を有し、例えば、典型的には、アクセス管の外径は実質的に0.010インチ〜0.10インチの範囲であり、ポート19の外径は約0.010〜0.050インチであり、好ましい範囲は約0.010〜0.030インチである。好ましい外径は約0.025インチであってもよい。外径は、患者にとって快適となるように徐々に傾斜がつけられている。これはわずかずつの連続的な傾斜またはわずかずつの段階的な一連の傾斜によって達成されうる。カテーテル11は、好ましくは、約0.15〜0.075インチの長さの範囲内において傾斜をつけられる。
【0039】
好ましい態様において、カテーテル11が目的の機能を実行する能力に影響しないように、外径が内径と同じサイズに近くなるようにカテーテル11の側壁はできるだけ薄く形成される。カテーテル11の薄い側壁は、軸負荷下において高い柱強度を示す上記のものなどの材料で形成することができる。カテーテル11の内径は、実質的に、約0.005〜0.099インチの範囲内である。約0.005〜0.047インチの範囲の内径であることが好ましい場合があり、好ましい内径は約0.022インチである。
【0040】
図3の局部透視線で示すように、カテーテル11を乳管内にガイドし、適切に位置づけるためにカテーテル11の遠位端12から延在するように、ガイド部材(拡張器)40がハブ20およびカテーテル11内に位置づけられてもよい。ガイド部材40は約35〜55ミリメーターの長さであり、好ましい長さは約44ミリメーターである。ガイド部材40は、カテーテル11の乳管開口部および乳管内への滑らかな導入を可能にする。カテーテル11が滑らかに、且つ痛みを生じないで乳管130内に導入されるように、この滑らかな挿入は乳管開口部を拡張する段階を含んでもよい。ガイド部材40は、ガイドワイヤなどの、針状体、細長い拡張器または生体の開口部にカテーテルを進ませるために使用される任意の他の種類のカテーテルガイドを含んでもよい。ガイド部材40は金属または硬性プラスチックで製造されてもよく、乳管開口部の1つをやさしく探針し、進ませ、拡張するために遠位端44に傾斜付きおよび/または非傷害性の先端部41を有してもよい。図8参照。ガイド部材40は、カテーテル11をガイドする以外に、カテーテル11を堅くし、乳管内に容易に位置づけられる能力を増加する。
【0041】
ガイド部材40の長さは、遠位端44がカテーテル11の遠位端12から延在し、ガイド部材40の傾斜がそれ自体とカテーテル11との間に滑らかな変化を形成するように選択される。結果として、ガイド部材40の長さはカテーテル11、ハブ20およびカテーテル11とハブ20の間に延在する任意の導管の長さに依存する。ガイド部材40は近位端45または長さ方向のある地点から遠位端44まで長さ方向に傾斜している。結果として、遠位端44の径は近位端45の径より小さい。理想的には、ガイド部材40の傾斜は、カテーテル11が乳管開口部内に導入されるとき、その変化が患者に感じられないように、カテーテル11の遠位端12と滑らかな変化を形成する。カテーテル11とガイド部材40との間の変化が滑らかで、目立たないほど、手技は患者にとって快適である。従って、ガイド部材40とカテーテル11の間の変化点において、外径がカテーテル11の外径と実質的に同じであるか、または0.001または0.002インチだけごくわずかに小さくなるようにガイド部材40はサイズが決められる。また、カテーテル11とガイド部材40の間に滑らかな変化が形成されるように、カテーテル11の内腔17は、図6に示すように、遠位端12に斜めの側壁を有してもよい。ガイド部材40の傾斜は、ガイド部材40がハブ20を介して延在するとき、カテーテル11内に位置する地点まで続いてもよい。乳管130へのアクセスが完了したら、ガイド部材40は抜き取られ、遠位端12が乳管内の乳管括約筋を通過するようにカテーテル11が位置づけられる。
【0042】
ガイド部材40は、ハブ20内に挿入され、ハブ20から除去されるとき、図3〜5に示すように、カテーテルの反対側にあるハブ20の第2の末端23の漏れ防止(pneumostatic)シール42(または採取ポート27)を介して通過する。ガイド部材40がハブ20内に位置づけられると、シール42はガイド部材40の形状に適合して、ハブ20をガイド部材40のところで密封し、カテーテル11に挿入するためにガイド部材40を支持し、配列する助けとなる。シール42はまたハブ20の強度を維持し、ハブ20内に確立される圧力の維持を助け、カテーテル11が乳管130内に位置づけられ、洗浄液を注入/回収する前にガイド部材40を除去することを可能にする。多数の異なる種類のシールを使用することができるが、ガイド部材40を進入および除去する場合でも、ハブ内に滅菌環境を提供するために水密膜または鞘でなければならない。シール42はまた、ガイド部材40を乳管130およびカテーテル11の内外で操作できるように、ガイド部材40に適当な抵抗性を提供しなければならない。同様の機能を発揮する他の種類のシールも使用することができる。
【0043】
以下の説明は装置10の用途を例示している。しかし、これらの説明は、本明細書に開示されている他の装置にも同様に適用できる。図7Aは、装置10を使用して乳管130に充填し、所定の時間の間乳管130内に導入した流体を保持させられることを図示している。例えば、流体は1秒〜1時間以上の間乳管130内に保持されうる。好ましい態様において、流体は10秒〜10分間乳管130内に保持される。図7Bは、乳管130への充填中および充填後に乳管130内に維持される組成物をカテーテル11を介して取り出し、生物材料を含む組成物を乳管内から採取することを図示している。図7Cは、別個に乳管内に流体を注入し、乳管から組成物を採取するために、注入管26および採取管28がアクセスした乳管の外側に位置づけられている本発明の一態様によるハブ20を図示する。しかし、上記のように、ハブ20は、乳管内に延在するように配列され、サイズを決められてもよい。当業者に理解されるように、カテーテル11およびハブ20は、乳管の括約筋110を通過してカテーテル11を挿入できるように寸法が決められる。
【0044】
上記の態様のいずれかにおいて、注入管および採取管26および28は、ハブ20内に流入およびハブ20から流出する洗浄液の流動を制御するために、上記のストップコックまたは弁を備えてもよい。また、上記のように、乳管に洗浄液を注入するために、シリンジ78が注入管26の末端部に挿入されてもよい。シリンジ79はまた、採取管28に低圧領域を形成するために採取管26の末端部に挿入されてもよく、以下に考察するように組成物を回収するためにハブ20の少なくとも一部に挿入されてもよい。
【0045】
乳管130内に洗浄液を注入し、組成物を回収する手技中には、アクセス装置10が乳管から抜け落ちないことが重要である。このように、乳頭に対するアクセス装置10の動きを制限し、できれば遠位端12が洗浄位置を越えて進行しないように、乳管130の外部に位置する、図6に示す固定構造60をカテーテル11、ハブ20および/またはアクセス装置10の別の部分に取り付けてもよい。停止構造とも呼ばれる固定構造60は、カテーテル11の長さ方向に平行な方向またはカテーテル11の長さ方向に対してある角度の方向(横方向への動き)への装置10の動きを防止することができる。固定構造60は、接着剤を有する少なくとも1面を有する医療用テープまたはボディーテープなどの細長い部材を含んでもよい。結果として、固定構造60は、装置が乳管から滑り落ちないことを確実にするために、手技中に装置10を乳房に張り付ける、紐で縛る、結びつける、テープでとめるまたはそれら以外の方法で固定することができる。このような固定方法は担当医に装置を良好に制御させ、装置10を担当医または助手が保持する必要性をなくす。また、装置20が経験する動きの量が減ると、患者は不快感が減少し、担当医の手は自由になり、担当医がしなければならない作業が減り、乳頭領域に一度に必要な手の数が減る。
【0046】
好ましい態様において、カテーテル11またはハブ20を収容する固定構造60の開口部などの、任意の既知の接続を使用して固定構造60の第1の末端をカテーテル11またはハブ20に取り付けることができる。固定構造60の下側面は、固定構造60の残りまたは残りの一部を患者に固定するための接着剤を備える。または、下側面は、同時係属米国特許出願第09/793,110号に開示されている乳頭カバーを保有するために、患者に取り付けられている膜などの、生体にすでに固定されている粘着剤を有する膜に固定構造60をしっかりと取り付けられる接着剤を備えてもよい。粘着剤は、固定構造60が、適用中に担当医またはそれ自体にくっつく可能性を低下する。上記態様のいずれかにおいて、固定構造60は、接着剤/粘着剤を露出するために、固定構造60の下側面から分離される剥離層を備えてもよい。固定構造60は、接着剤または粘着剤が被覆された下側面を有する帯状の材料を備えることが開示されているが、管腔を生体に固定する任意の既知の方法も使用することができる。
【0047】
乳管内に位置づけられている1つ以上の部材はカテーテル11の時期尚早の動きまたは離脱を防止することもできる。例えば、カテーテル11の第1の末端12は、以下の段階によって、乳管の括約筋を一旦通過すると固定することができる:(1)乳管の括約筋を通過した乳管内のある深度の位置に第1の末端12を配置するおよび(2)固定構造をセットする。固定構造をセットする段階は、停止構造29として作用し、注入および採取手技中に乳管の括約筋の先に装置10を保持するバルーン(示していない)を膨張させる段階を含む。
【0048】
カテーテル11は、乳管開口部を介して、乳管の乳管管腔に容易に挿入するために、長さの少なくとも一部が強化されているカテーテル本体の遠位部分を有してもよい。カテーテル本体の強化した遠位部分は、平均曲げ硬さが約0.010インチ-lbs〜約0.5インチ-lbsの範囲であってもよい。典型的には、遠位部分の曲げ方さは約0.105インチ-lbsである。遠位端12は、典型的には、近位端14より少なくとも大きい、従って75Dより大きいジュロメーター範囲の硬度を有する。遠位端12の硬度は約70D〜約90Dの範囲であってもよい。近位端14は、遠位端12より可撓性が小さく、堅くなく、硬度が低くてもよい。カテーテル11の近位端14のジュロメーターは約45A〜約100Aの範囲であってもよく、典型的には、約80Aである。(近位端より堅い)遠位端12は乳管に挿入することができるが、一方近位端14はハブの注入または採取装置に接続することができ、遠位部分を乳管内に留置中にねじれないという利点を近位端14の可撓性はカテーテルに提供する。また、遠位端12が一旦乳管内に留置されたら、カテーテル11は乳管から抜け落ちる傾向が少ないという利点を近位端14の可撓性は提供する。遠位端12の堅さは、乳管130へのアクセスを成功させるために、遠位端12および遠位先端部のプロープ様の品質を要求する活動である、乳管の開口部および乳管130自体へのアクセスを可能にすることによって手技に利点を与えている。
【0049】
カテーテル11の本体は、放射線不透過性フィラー、着色剤、強化材料、ブレードおよびらせん状強化要素などの強化層等などの他の成分をさらに含んでもよい。特に、乳管への進入性またはプローブ様能力を増強すると同時に、選択的にカテーテル11が乳管開口部が小さい乳管へも容易にアクセスできるように、壁厚および外径を制限するために、遠位端12を強化することもできると思われる。
【0050】
図9に示すように、カテーテル11は非傷害性先端68を備えてもよい。乳管開口部を介して進入し、乳管内を進行するとき乳頭(例えば、拡張器を使用しない場合)および乳管130への外傷を少なくするまたは外傷を生じないために、先端部68は外径に合わせて作られてもおよび/または丸められてもよい。先端部68は、洗浄手技が終了した後、乳管からツールを抜くとき外傷を少なくするまたは外傷を生じない様式であってもよい。先端部68は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、それらのコポリマー等を含む軟質ポリマーを含んでもよい。先端部68は、径が約0.012インチ(0.031mm)〜約0.020インチ(0.051mm)の範囲であってもよく、さらに典型的には、径は約0.014インチ(0.036mm)〜約0.018インチ(0.46mm)である。先端部68の長さ(カテーテル本体66の遠位端から延在する)は約0.25cm〜約2.5cmの範囲であってもよく、さらに典型的には、約0.50cm〜約1.8cmの範囲である。
【0051】
乳管アクセス装置10'の別の態様を図10〜12に例示する。この態様は、遠位端12'、本体部分13'および近位端14'を有する細長いアクセス部材(カテーテル)11'を含む。カテーテル11'の長さは、カテーテル11に関して上記するものと同じである。遠位端12'はカテーテル11に関して上記するものとほぼ同じであり、ほぼ同じ寸法を有する。近位端14'は、本体部分13'の外径より大きい外径を有するウェル18'を備える。例えば、カテーテル11'の外径は約0.030〜約0.035インチであり、ウェル18'の外径は約5〜6ミリメーターであり、側壁な0.5ミリメーターである。ウェル18'と本体部分13'の接続部に形成されている下方の外側肩部19'は、カテーテル11'が乳管130の目的の位置よりさらに深部に挿入されないように停止構造として作用することができる。一態様において、この肩部は、遠位端12'から約15ミリメーターの位置にある。ウェル18'の内部は、乳房に流体を誘導し、乳房内から流体および細胞(細胞塊)を回収するために、近位端14'から遠位端12'に延在するカテーテル内腔17'の一部を形成する。ウェル18'は、内径約4.25ミリメーター、外径約5〜5.5ミリメーター、長さ約5ミリメーターである。上記の態様の場合と同様に、カテーテル11'を乳管内に導入して位置づけるために、ガイド部材40または40'(拡張器)がカテーテル11'内に位置づけられていてもよい。または、カテーテル11'は、ガイド部材40および40'を使用しないで、乳管130への導入を可能にする非外傷性の遠位先端部12'を有してもよい。
【0052】
この態様はまた、離脱可能であるようにウェル18'内に固定されているハブ20'を含む。ハブ20'は、摩擦どめまたは締りばめを含む任意の既知の方法でウェル18'内に固定することができる。例えば、ウェル18'の内側側壁の溝24'の隆起部23'等をスナップ固定することによって、ハブ20'をウェル18'内に固定することができる。別の態様において、隆起部23'は内側側壁の一部であり、溝24'はハブ20'内に形成されてもよい。例示してある態様において、ハブ20'の遠位端21'は、ルアーロックまたは摩擦どめによってウェル18'内に保持される。図12に示すように、ハブ20'の遠位端21'がウェル18'内に位置づけられている場合に摩擦どめが達成されるように、ハブ20'の遠位端21'はカテーテルウェル18'の内径より0.025ミリメーター小さい約2ミリメーターの外径を有する傾斜のついた領域を含む。ハブ20'は、カテーテル11'の内径より大きい内径を有してもよい。
【0053】
ハブ20と同様に、ハブ20'は、流体がハブ20'から漏洩するのを防止する閉じた近位端22'を備える(ハブ20に関して図4に示すように)。ハブ20と異なり、ハブ20'の末端22'は、挿入可能なガイド部材40および40'を収容するために中央に位置づけられている開口部を備えていない。しかし、ハブ20と同様に、ハブ20'は、注入ポート25および採取ポート27と同じであり、注入ポート25および採取ポート27と同じに動作する注入ポート25'および採取ポート27'を備える。同様に、ポート25'およびポート27'は、ハブ20に関して上記した方法および方向のいずれかでハブ20'の側壁に位置づけることができる。好ましい態様において、ハブ20'は総長さが約12ミリメーターであり、注入ポート25'は、約6ミリメーターの距離だけ採取ポート27'から間隔をおいて配置されている。注入ポート25'は、ハブ20'の遠位端から約1ミリメーターの距離だけ間隔をおいて配置されており、近位端22'から約10ミリメーターの距離だけ間隔をおいて配置されている。結果として、採取ポート27'が近位端22'に位置するとき、注入ポート25'は採取ポート27'から約10ミリメーターの間隔をおいて配置されている。
【0054】
別の態様において、注入ポート25'は、カテーテル11'またはウェル18'の側壁内に形成されている。対応する開口部もハブ20'の側壁内に形成されてもよく、注入ポート25'を介して導入される流体がカテーテル11'に流入して、乳管130内に移動するように、ウェル18'のポート25'と並んで配列されてもよい。この態様では、注入ポート25'は、乳頭表面にできるだけ近くに位置づけられる。
【0055】
カテーテル11を乳管内に位置づけるために、拡張器40'がハブ20およびカテーテル11を介して位置づけられている装置10と異なり、装置10'は、先ず乳管130内にカテーテル11'を配置し、カテーテル11'にハブ20'を固定することによって位置づけられている。この態様では、図11に示すように、遠位端41'がカテーテル11'の遠位端12'を介して、それを超えて延在するように、拡張器40'がカテーテル11'内に位置づけられる。拡張器40'のハンドル42'がウェル18'の近くに配置されても、またはウェル18'内に一部が配置されてもよい。拡張器40'がカテーテル11'内に位置づけられたら、乳頭を介して、末端12'が所定の洗浄位置に到達する乳管130の望ましい深さまでカテーテル11'を導入する。一態様において、望ましい深さは乳管の括約筋の遠位であり、乳管の最初の分岐の近位である。カテーテル11'が望ましい深さに設置されたら、拡張器40'をカテーテル11'から離脱し、ハブ20'の遠位端21'を介して延在する流体通路35'がカテーテル11'の管腔に並列されるように、ハブ20'の遠位端21'をウェル18'内に固定するが、カテーテル18'は乳管130内に依然として存在する。これにより、ハブ20'とカテーテル11'との間に流体通路が形成される。ハブ20'がウェル18'内に固定されたら、装置10に関して以下に考察するものと同じ方法で、ハブ20'を含む装置10'を作動させる。
【0056】
カテーテル11およびハブ20と同様に、ウェル18'は、単独またはハブ20'と一体として、乳管130内に位置づけられてからは、カテーテル11を一方の側に傾斜または脱落させない。結果として、装置10および10'のこれらの部分は、乳管130がねじれるように、および/または流体および生物学的材料の乳管120からの流動が妨害されるように乳管130をねじったり、変形したりしない。
【0057】
以下の考察はカテーテル11およびカテーテル11'の両方に適用可能であるが、説明を簡単にするために、この考察はカテーテル11に限定する。第1の態様において、カテーテル11の遠位端12を閉じた位置で乳管130内に挿入し、乳管の括約筋の遠位部などの望ましい位置に到達したら、開く。図13に示すように、カテーテル11の遠位端12は、乳管に導入される前は閉じている。閉じているとき、遠位端12の外径は上記に考察したものと同じで、約0.010〜0.035インチであり、好ましい径は約0.030インチである。一態様において、遠位端12の外径は、従来の拡張器の遠位端の外径とほぼ同じである。図14に示すように、遠位端12は、カテーテル11の内壁と外壁の間に延在する側壁211によって規定される開口部210も備える。遠位端12が乳管内に導入され、位置づけられたら、カテーテル11の内腔が乳管に対して開くように、遠位端12は、開閉構造200によって開口部210に沿って開かれる。カテーテル11は、良好な柱強度を含む任意の既知の可撓性生体適合性材料で形成されてもよい。例えば、材料にはポリエチレン、高密度ポリエチレン、ウレタンまたは他の既知のプラスチックが挙げられてもよい。または、図13に示すように、電流、熱等などの刺激に応答して開いた遠位端12を達成する任意の既知の生体適合性形状記憶材料によって、カテーテル11の遠位端12またはカテーテル11の全てを形成することができる。一態様において、形状記憶材料はニッケル-チタン(NiTiまたはニチノール(Nitinol))である。
【0058】
図14に示すように、開いているとき、遠位端12は、開いた状態の内径が少なくとも約0.020〜0.025インチである。開いた状態の遠位端12の内径は、側壁の開口部210および開閉構造200または形状記憶材料によって提供される可撓性のために、従来のカテーテルのものより大きいことがある。開閉構造200および/または形状記憶材料は、採取した細胞試料および細胞塊をカテーテル11内に捕獲するために、遠位端12を閉じるためにも使用することができる。
【0059】
第1の態様において、開閉構造200は、カテーテル11の側壁に延在するワイヤ251を備える。図14に示すように、ワイヤ251は、カテーテル11の遠位端に接続されている遠位端252を有する。ワイヤ251の近位端253は、オペレータが操作できるように、カテーテル11の近位端から延在する。ワイヤ251の代わりにレバーまたは一連のレバーを使用してもよい。別の態様において、開閉構造200は、カテーテルの内腔に位置づけられているガイド部材40を備えてもよい。このガイド部材40は、開いた位置で固定するまで、カテーテルの遠位端12を拡大して開く。開放可能な張力を有する膨張可能なバネおよび/または形状記憶材料を使用してもよい。図14A〜14Bに示すように、第1のワイヤ251は開口部の一方の側まで達していてもよく、第2のワイヤ251は、カテーテルの側壁を開口部を越えたところまで延在してもよい。開口部210の側面を別個にまたは同時に開閉または閉鎖するために、2本のワイヤを別個または一緒に作動することができる。これらの図に示す態様は、非外傷性の丸められた遠位端を備える。図14Cは、開口部210がカテーテル11に対して斜めであり、カテーテルの可動部分が固定部分より大きい態様を例示する。
【0060】
図15および16に例示する別の態様において、カテーテル11の遠位端12は、主要な固定部分305と、開閉構造350が活性化されたとき近位端14の方向に移動することができる遠位スライド部分310とを備える。図16に示すように、遠位端312がカテーテル11の非-動部分の末端を越えてスライドするように、スライド部分310はカテーテル11の長さ方向に移動される。スライド部分が十分に牽引されると、遠位端12は、カテーテル11の長軸方向に延在する開口部315を備える。開口部315は、カテーテルの長軸方向に約0.006〜0.025インチ延在し、図1に例示する態様について上記したものとほぼ同じであるカテーテル11の内径と交差して延在する。
【0061】
開閉構造350は、図15に示すように、近位端14からスライド部分310まで延在するワイヤ351または他の部材を備えてもよい。カテーテル11のスライド部分310が、カテーテル11に沿って近位端14の方向に移動するように、担当医はワイヤ351の近位端を引くことができる。次いで、カテーテルが乳管130に挿入される前および乳房からカテーテル11を離脱させる準備の際などの、スライド部分310が閉じた位置にあることが意図される場合には、ワイヤ351を遠位端12の方向に下方に引く。
【0062】
別の態様において、カテーテル11は図15に例示するものに類似している。しかし、近位端12は、1つのスライド部分を備える代わりに、1対のスライド部分305および310を備える。同様に、開閉構造350は、示すように2本のワイヤ351を備える。第1のワイヤ351は、近位端14または遠位端12の方に動かされるとき、第1のスライド部分310を移動させる。第2のワイヤ351は、第1のスライド部分310と同様の方法で第2のスライド部分310を移動させる。カテーテル11が乳管内に位置づけられている場合などの、これらのスライド部分310の両方が開いた位置にある場合には、カテーテル11の開口部355の径は約0.006インチ〜0.025インチである。好ましい態様において、内径は約0.020〜0.025インチである。
【0063】
図17は本発明の別の態様を例示する。この態様では、スライド部分310は、下方向で、カテーテル11の遠位端から離れる方向に移動する。スライド部分310が開閉構造350の影響下でした方向に移動するとき、乳管内から試料(細胞塊、流体等)を採取するために開口部359が遠位端12に形成されるように、それはカテーテル11の遠位端12の残りの部分から離れる方向に移動することもできる。また、カテーテル11内に試料を捕獲するためにスライド部材310を使用することができる。操作時には、閉じたカテーテル11が乳管内に導入されて、固定される。次に、開閉構造350のワイヤまたは連結装置351を使用してスライド部材310を開く。カテーテル11の遠位端12が開いたら、洗浄液が乳管に導入される。乳房に適用される外部からの圧力を使用して試料を開いた遠位端12に採取できると同時に、乳房をマッサージするかまたはカテーテル11の近位端14に陰圧を適用する。ワイヤまたは連結装置351を引くと、カテーテル11の遠位端12が閉じられる。
【0064】
図18に示す別の態様において、遠位端12は傾斜した表面部分410と丸みのある末端部分420とを備える。傾斜した表面部分410はカテーテルの長手方向の側壁から丸みのある末端部分420まで延在する。傾斜した表面部分410は、カテーテル11の長軸に対してある角度で延在する、カテーテル11の内腔17の開口部を備える。傾斜した表面部分420の角度の結果として、分岐、特に角度のある分岐に流体を容易に且つ直接導入するために、管腔17の開口部を乳管分岐の方向に向けることができる。管腔17開口部の配向により、これらの分岐から試料をより容易に採取することもできる。さらに、採取がより容易で、効率的であるように、開口部はカテーテル管腔の従来の開口部より大きくてもよい。傾斜した表面の角度は約30〜60度であり、好ましい角度は約40度〜45度である。図18に示すように、丸みのある末端部分420は、カテーテル11の外側側壁から傾斜した表面部分410の角度のある表面414の最遠位部分412まで延在する遠位端12に膨らんだ先端部を形成する。丸みのある末端部分420は遠位端12にいかなる鋭い端も生じず、カテーテル11の乳管への滑らかな導入を可能にする。
【0065】
以下の考察はカテーテル11およびカテーテル11'に等しく適用可能である。しかし、説明を明確にするために、考察はカテーテル11だけに絞る。図19に示すように、ガイド部材40は、遠位端44に中実の断面を有する従来の拡張器であってもよい。または、ガイド部材は図20〜22に例示する遠位端の1つを備えてもよい。遠位端44を例示しているこれらは各々、乳頭、乳管内層および/または括約筋に薬剤を搬送および/または送達することができるように中空である少なくとも一部分を有する。薬剤は、潤滑剤、局所麻酔剤および抗生物質を含む上記の薬剤のいずれかを含む。遠位端が搬送することができる薬剤の1つはリドカインである。
【0066】
図20に例示されるカテーテル先端部は、拡張器40周囲に間隔をおいて配置されている複数の開口部49を備える。開口部49は、主軸が拡張器の長軸に対して垂直であるように拡張器40に延在する。これらの開口部49は、拡張器40の遠位端44に近づくにつれて小さくなってもよい。開口部49は、拡張器が乳管に導入されて位置づけられるとき、乳頭、乳管内層または括約筋に適用される所定の量の薬剤を搬送する。図21に例示される態様では、開口部の主軸は、拡張器40の長軸に平行に延在する。図22に例示される態様では、遠位端44は、遠位端44の周囲にランダムなパターンまたは所定のパターンで位置づけられている複数の小さい開口部を備える。上記の態様のいずれかにおいて、遠位端44を薬剤に浸すことによって薬剤を開口部49に提供する。別の態様において、薬剤は、拡張器40の近位端の開いている内腔48を介して遠位端44の開口部49に導入される。拡張器40の近位端は、内腔48の近位端内に薬剤を導入する薬剤導入システムを収容していてもよい。次いで、薬剤は管腔48を流動して、開口部49から流出し、乳管内層に接触する。一態様において、導入システムはシリンジまたは他の既知の薬剤導入部剤を備える。これらの薬剤導入開口部はガイド部材40への使用に限定されない。代わりに、それらは上記カテーテル11および11'のいずれかの遠位端に提供されてもよい。
【0067】
例示的な態様において、カテーテル11および11'および/または拡張器40および40'の遠位部分および近位部分は同時押し出しされてもよい。同時押し出し過程は、遠位部分に対する近位部分の断面構造の差を収容する際の中間体を形成してもよい。
【0068】
本発明はまた、乳管から細胞材料を採取するシステムとキットとを提供する。本発明のシステムは、上記アクセス装置10および10'のいずれか、乳管に注入する所定の溶液(選択的)、カテーテルを使用するための取扱説明書および乳管にアクセスして、組成物を回収する洗浄液並びに選択的に、米国特許出願第09/473,510号に考察されている薬剤のいずれか1つまたは組み合わせを含む。アクセス装置10の上記態様のいずれかをシステムに使用することが可能である。取扱説明書は、少なくとも1つの管腔カテーテル11を有する提供されている乳管アクセス装置10を乳管に導入する段階と、カテーテル11を介して洗浄液を乳管に導入する段階であって、少なくとも2mlの容量が所定の時間の間乳管内に存在する段階と、乳房をマッサージしたことにより、乳管内の組成物の少なくとも一部をアクセス装置の管腔を介して採取する段階とを含む、ヒト乳管から組成物を入手する方法などの本明細書に記載されている方法のいずれかを記載することができる。
【0069】
上記のアクセス装置10および10'または以下に考察されている方法のいずれかに使用される洗浄液は、以前に参照として組み入れられている米国特許出願第09/473,510号に開示されているもののいずれかであってもよい。例えば、キット60は、生理食塩液、リン酸緩衝生理食塩液、非吸収性液、等張液、浸透圧液、低張液、高張液、タンパク質、コロイド、糖、ポリマー、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PRG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、合成コロイド、抗体、結合タンパク質、アルブミンまたは本明細書に開示されているもしくは当技術上既知の任意の他の洗浄液を含んでもよい。また、洗浄液は、米国特許出願第09/473,510に考察されている薬剤のいずれかを含んでもよい。
【0070】
上記のように、本発明は乳管を洗浄する方法も含む。この方法は、一般に、上記の乳管アクセス装置10および10'のいずれか1つを乳管130に導入する段階と、乳管130内の望ましい位置にカテーテル11および11'の第1の末端12を配置する段階と、乳管130を洗浄するために乳管130内に洗浄液を導入する段階と、乳管由来の細胞材料を含む組成物を乳房から回収する段階と、細胞学的調査のために回収した組成物を採取する段階とを含む。明確にするために、本発明による方法は、それが装置10に関するように考察されている。しかし、この考察は装置10'にも全て適用可能である。
【0071】
方法の開始時に、乳管アクセスする患者の乳頭をアルコールで清潔にし、セルメティックス(cerumetix)で脱角質化する。次いで、吸引カップを乳頭および乳輪に配置し、流体を産生している乳管を同定するために患者の乳頭を吸引する。次いで、上記カテーテルの1つから延在する上記拡張器の1つを使用して、流体を産生する乳頭にアクセスする。
【0072】
本発明の方法はまた、乳管開口部を介して乳管に導入するためのカテーテル11を備える装置を準備する段階も含む。望ましい洗浄位置に達しているように、カテーテル11を乳管130に挿入する前またはカテーテル11を乳管130に挿入した後に、担当医は、カテーテル11が乳管130に挿入されるのに必要とする深さを決定することができる。担当医が挿入深さを決定する場合には、乳管網内の遠位端12の望ましい位置づけを確立するために停止構造29を使用することができる。または、担当医は、所定の深さでカテーテル11の挿入を停止する停止構造を所定の位置に備える、事前にサイズ決定した装置10を使用することができる。
【0073】
次いで、担当医は拡張器40を入手し、ハブ20およびカテーテル11(または上記のようにカテーテル)内にそれを位置づける。この段階中に、担当医は、乳管開口部を適切なサイズに拡張するために使用する必要がある拡張器40のサイズを決定することができる。または、拡張器40は、装置10のハブ20およびカテーテル11内にすでに位置づけられていてもよい。この場合には、担当医は、特定の患者に必要なサイズ要件−長さおよび外径を満たす装置10を選択する。拡張器40がカテーテル11内にしっかり位置づけられたら、拡張器40およびカテーテルを乳管開口部内に進ませ、乳管の括約筋110を通過して、最初の分岐135の手前の乳管130の主要な管132までの乳管洞120および/または開口部内に進行させる。しかし、上記のように、その末端120が乳管130または乳管の分岐内の任意の地点に位置づけられるようにカテーテル11を進行させてもよい。カテーテルが乳管130内に適切に固定されたら、担当医が目的とする位置に装置10を保持するために、固定構造60(提供されている場合)を本体または他の固定されている部材に適用することができる。また、カテーテル11が乳管130内に不快感を生ずることなく固定されたら、拡張器40をカテーテル11から抜いてもよい。
【0074】
上記のように、カテーテル11を乳管130内に位置づける前または位置づけた後に、シリンジ78および79を注入管26および採取管28に接続してもよい。本発明の方法は、注入シリンジに抵抗が感じられるまで、10ml〜25mlの容量の洗浄液を乳管130に導入する段階を含む。その時点で考えられることは、乳管は注入液が満たされているということである。この段階をシステムの下処理をする段階とも呼ばれる。乳管が充填されたら、注入管26を閉じ、採取管28を開く。
【0075】
少なくとも2mlの容量は、約1秒以下〜約1時間の範囲であってもよく、任意の時間を範囲を含んでもよい所定の時間の間乳管130に保持されることが可能である。洗浄液が乳管130内に保持される間に、洗浄液は、外部から適用した乳房マッサージに応答して乳管130内にすでに存在する乳管液と混合することができる。乳房は、好ましくは底部からマッサージされ、次いで絞られる。乳管130内の流体は乳管壁由来の細胞材料または既存していた乳管液にすでに存在していた細胞材料を蓄積しているので、アクセスした乳管内の濁った流体は透明または部分的に透明なハブ20に流入し、採取管28を介してハブから流出させられる。流体を流出させるために、注入管26が開けられ、追加の注入液がハブ20内に流入させられ、濁った流体をより多く採取管28を介して流出させる。採取段階の前または間に、乳管130に洗浄液を再度充填してもよい。例えば、注入に対する抵抗点が感じられるまで、洗浄液を乳管130に注入してもよく、その時点では、乳管は洗浄液が充填されており、注入した流体は所定の時間の間乳管内に滞在させられると考えられる。
【0076】
マニホールドハブ20がアクセス装置10内に存在する場合には、洗浄液が乳管液と混合し、細胞材料が乳管130から流出してハブ20内に流入したら、採取管28に低(陰)圧を形成することによって(例えば、シリンジを使用して、シリンジ内に材料を採取するように引く)乳管壁を崩壊させる危険を生じることなく、採取管28からの採取を促進することができる。追加の方法としてまたは別の方法として、上記のように、採取した材料を充填したハブ20を、注入管26からの洗浄液の注入を使用して採取管28に噴出させてもよい。注入および採取管26および28に流入およびそこから流出する流体は、上記のように制御することができる。
【0077】
乳管130内に洗浄液を導入中、担当医は、(1)乳管が充填されるまで洗浄液を充填し、次いで流体の混合を助けるために乳房をマッサージして、絞ってもよく、または(2)段階的に乳管を充填し、各充填段階の間に乳房をマッサージして、絞ってもよい。基底部から上方向に乳房をマッサージして絞ると、注入した流体および乳管液、洗浄液と細胞材料の混合物の採取が促進される。乳房をマッサージして絞るという行為は乳管壁の細胞も幾分分離させることができ、それによってこの手技による細胞材料の収率が増加される。採取管腔を用いた混合物の獲得は、ハブ20または管腔17に適用される吸引力によってさらに促進される場合もある。
【0078】
乳管130内に注入される洗浄液の総量は乳管のサイズに依存する。例えば、乳房が大きいと乳管も大きく、小さい乳管の小さい乳房と比較して多量の洗浄液を収容する。注入される洗浄液の容量は約10ml〜約50ml以上の範囲であってもよく、多数の乳管は12ml〜25mlを収容する。流体の量は乳管のサイズにより変わるので、乳管は、通常、装置10を介して流体を導入する担当医がある程度のレベルの抵抗を感じたとき満たされていると考えられる。
【0079】
乳管130内に洗浄液を保持するための所定の長さの時間が過ぎたら、注入された流体およびそれが混合した乳管の内容物は採取される。乳管130にアクセスして、乳管130内に流体を注入するために乳管アクセス装置10を使用する場合には、流体および乳管内容物の混合物を採取するために留置カテーテル11を乳管130内に保持する。上記のように、本発明の好ましい態様は、乳管にアクセスして、流体と乳管内容物の混合物を入手するために、上記単管カテーテル11を使用することである。しかし、以前に参照として組み入れられている米国特許出願第09/473,510号に記載されている二重管腔装置の1つを使用することもできる。また、上記のように、どのカテーテルを使用しようと、カテーテルは、注入期間中、所定の待機時間中(例えば、1秒未満または約1秒から1時間)、洗浄液と乳管液と乳管由来の細胞材料との混合物の採取期間中乳管130内に保持される。
【0080】
本発明の方法は、アクセスした乳管由来の細胞材料もしくは乳管液を、任意の他の乳管の細胞材料もしくは乳管液または乳頭表面にたまたま存在する細胞材料もしくは乳管液に接触させることなく、1つの乳管にアクセスして、その乳管由来の細胞材料を入手することを可能にする。これは別個の乳管由来の流体の汚染を防ぎ、それによって患者の他の乳管から分離して、1つの個別の乳管を分析する機会を提供する。1つの乳管にアクセスすることは、採取した流体および細胞材料を他の乳管のものと混合または接触させることなく、選択した乳管から乳管液および細胞材料を採取する機会も提供する。これはまた、アクセスした乳管の状態を別個に分析する機会も提供する。
【0081】
洗浄方法の改良法は、標準的または典型的な仰臥(顔が上を向く)位ではなく、洗浄手技中患者は椅子に腰掛けていることを含んでもよい。また、患者は、乳頭および乳房が下になった腹位で、顔を下にした状態で洗浄されてもよい。顔を下にした腹位は重力という利点があり、流出ポートが開いているとき、手技中乳管を採取容器に排出させる。従って、洗浄手技は、流出管腔が閉じておき、開いている流入管腔を介して洗浄液を乳管に注入する段階と、乳管が充填されたら流入管腔を閉じる段階と、乳房の底部から乳房を絞るもしくはマッサージまたはその両者を行う段階と、洗浄液を採取するために流出管腔を開く段階とを含んでもよい。
【0082】
乳管に導入される洗浄液は任意の生体適合性剤および溶液を含んでもよい。従って、洗浄液は、例えば、生理食塩液、リン酸緩衝生理食塩液を含んでもよい。追加の方法としてまたは別の方法として、洗浄液は、流体または薬剤が乳管壁を介して拡散または乳管から出て、生体の他の部分に流入する能力を低下する1つもしくは複数の薬剤または溶液を含んでもよい。従って、洗浄液は、非吸収性液、等張液、浸透圧液、低張液または高張液を含んでもよい。流体または薬剤は、手技中に乳管から入手されるまたは入手可能な材料の量を促進、増加および/または最適化するために乳管に投与することができる。注入された洗浄液を含んでもよい薬剤または溶液は、例えば、タンパク質、コロイド、糖、ポリマー、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グリセロール、スクロース、ラフィノース、フルクトース、ラクツロース、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール(PRG)、マルトデキストリン、デキストラン(例えば、デキストラン70)、ヒドロキシエチルデンプン、液体ゼラチン、アルブミン、合成コロイド、抗体もしくは抗体の一部または結合タンパク質を含んでもよい。
【0083】
洗浄液が乳管内に注入されたら、洗浄液および乳管液を乳管から採取して、細胞材料を分離して、調査することができる。乳管から回収される流体は生体液の構成成分、例えば、乳管液に典型的に見られるもの、例えば、水、細胞、細胞マーカー、分子マーカー、核酸、タンパク質、細胞の残骸、塩または有機分子を含んでもよい。これらの構成成分は、流体を入手する際に担当医の目的に応じて任意の適当な方法によって分析することができる。
【0084】
流体は、例えば、乳管上皮細胞および異常な細胞を含む分子材料および細胞材料を含むことがある。具体的には、細胞材料は、例えば、完全な細胞、細胞の残骸、タンパク質、核酸、ポリペプチド、糖タンパク質、脂質、脂肪、糖タンパク質、小有機分子、代謝物および高分子からなる群から選択される物質を含んでもよい。乳管上皮細胞および/または乳管液中の分子および細胞材料の分析は、米国特許出願第09/473,510号に記載されているように進行することができる。完全な細胞は、細胞の状態を分析するために、細胞学または任意の他の好適な方法によって調査することができる。乳房または乳管の状態を評価するために、細胞、タンパク質、核酸または他の分子の予後情報について細胞を分析することができる。細胞の取り出しは薬剤の存在下において実施してもよく、好ましくは浸透圧および/または腫脹剤の作用が、分析することができる細胞の取り出しを提供する。
【0085】
回収した流体は、例えば、水、細胞マーカー、分子マーカー、核酸、タンパク質、細胞の残骸、塩または有機分子を含む乳管液の構成成分をさらに含んでもよい。例えば、細胞学によって、および流体の構成成分のいずれかの任意の評価を行うために、分子または細胞マーカー、細胞特性を同定する分析を実施することができる。
【0086】
診断することが望ましい乳管の状態には、癌または前癌状態が挙げられる。前癌状態は異型乳管過形成(ADH)または非浸潤性乳管癌(DCIS)を含んでもよい。診断剤は、例えば、線維性状態、嚢胞性状態または乳汁分泌に関連する状態を含む他の乳房関連状態を診断する能力も有することができる。
【0087】
診断剤を乳管液と混合することができる(洗浄手技中または流体を採取後)。細胞材料、乳管液、一般に、または乳管から入手された他の材料に存在する他のマーカーを、例えば、結合アッセイ、免疫組織化学を含む、探索されるマーカーについて、または生物材料から入手された生物分子を識別し、同定する他の分析技術を使用して、適宜分析することができる。
【0088】
診断剤は、例えば、化学的標識または抗体を含む、乳管の病変もしくは他の異常または特徴的な解剖学的もしくは分子的識別因子を検出するための標識を含んでもよい。例えば、蛍光標識またはビオチン化標識を含む標識は病変の位置を可視化する能力を提供することができる。結合抗体が同定可能であるように、抗体を標識することもできる。抗体は、完全な抗体または例えば、Fab断片、重および/または軽鎖断片、1本鎖抗体および抗体-介助型診断について通常既知であり、その分野において使用されている他の改変抗体を含む抗体の一部であってもよい。診断抗体または他の標識は数多くのマーカーであってもよい。
【0089】
理解されているように、乳管における癌性または前癌性乳管上皮細胞の存在を示す可能性のある可溶性因子または他の成分の存在について細胞材料を分析する。乳管から回収された上皮細胞は、癌または前癌細胞の存在を示すと思われるタンパク質マーカー、核酸マーカー、染色体異常または他の特徴的な変化について分析することができる。また、乳管に見られる他の細胞も、正常な乳管液と比較したこれらの細胞の増減またはこれらの細胞自体の質について分析することができる。従って、例えば、可溶性内容物もしくは乳管上皮細胞の分泌産物も含む他の乳管液成分について乳管の状態を分析することができ、または例えば、細胞の形態について、タンパク質マーカーについて、核酸マーカーについておよび生化学的マーカーについて乳管上皮細胞自体を分析することができる。
【0090】
また、例えば、核、細胞質、ゴルジ装置または細胞の他の部分を含む細胞成分の形態的異常について乳管の細胞のいずれかを分析することができる。細胞の形態は、乳管上皮細胞が正常である(すなわち、前癌もしくは癌でないまたは別の癌性異常が見られない)、前癌状態である(すなわち、過形成、異型乳管過形成(ADH)もしくは非浸潤性乳管癌(LG-DCIS)または癌状態である(すなわち、高悪性度乳管癌(HG-DCIS)または浸潤性癌を含む)かどうかを確立する助けとなることができる。
【0091】
細胞内容物の分析は、一般に、細胞の前癌または癌状態の進行を捕らえることによって、形態学によって確立されるものと同様の病期分けを確立する助けとなることができる。細胞が凝集しているかどうか(例えば、細胞塊状態)または乳管上皮細胞を乳管から回収された他の細胞種(例えば、マクロファージ、リンパ球、泡末細胞および乳管液の他の考えられる成分)と比較することによって、細胞を分析することができる。例えば、細胞内もしくは細胞表面のタンパク質マーカー、核酸マーカー、生化学的マーカーを含む乳管上皮細胞の分子的な内容物もしくは形態について、または悪性腫瘍の任意の徴候について乳管上皮細胞を分析することができる。
【0092】
乳管上皮細胞の染色体異常も、周知であるように、情報を提供することができ、癌または前癌を同定するためのマーカーとして作用することができる。多数の既知の乳癌マーカーが、容易に入手できる乳癌に関する医学書内で考察されており、記載されている。
【0093】
流体と乳管由来の流体の混合物を採取する目的のために乳管に流体を投与する段階は、吸収性の洗浄液が乳管から乳房に一部吸収されるということによって複雑になる。従って、乳管内に存在していた乳管液を含むと考えたとしても、回収される流体は注入した流体より少ない。乳管内の流体容量を増加または維持することができる薬剤を洗浄液に加えることは本発明の方法に大きな利点となる。従って、本発明は、乳管から流体を採取する過程において、非吸収性液または例えば、腫脹または浸透圧液のような、実際に流体を抜き取る流体を投与する段階を提供する。非吸収性液を投与する段階は、注入および回収される任意の所定の容量の流体中の乳管液および細胞回収物をモニターするまたは標準化する方法を担当医に提供するという利点も有する。例えば、10mlの非吸収液を乳管に投与し、9.5mlのその液を採取する。おそらく、100の上皮クラスターが採取された流体中に含有される。この情報は注記することができ、同一の乳管についてさらに手技を行う際に比較することができる。非吸収性液を使用するという利点は、注入された流体のほとんどまたは全てが回収されると乳管液の収率が増加するということであり、担当医は、注入した量と採取した量の軌跡を保存することができる。
【0094】
流体は乳管に吸収されないことおよび注入した流体の全てまたはほとんどの採取が可能であるということを考慮して、注入した量が採取した量に相関するように、方法を標準化するために、非吸収性液を使用することができる。乳管内の採取可能な流体の量を増加するために使用することができる他の薬剤を本発明に使用することもできる。このような薬剤の例は同時係属米国特許出願第09/473,510号に開示されている。
【0095】
上記のカテーテルの種々の特徴は、洗浄手技の実施を容易にする働きをすることができる。例えば、狭い遠位端は、洗浄手技を実施するために、乳管開口部に進入し、乳管内をカテーテルを進行させる能力をカテーテルに提供しており、近位部分の大きい径は、カテーテルが乳管のさらに深度の深い部分に進入することを阻害しており、遠位端および近位部分が始まる部位にカテーテルの進入を停止しており、非外傷性先端部は、乳管の組織壁に外傷を生じることなく、乳管に侵入する能力をカテーテルに提供しており、カテーテルの遠位部分の少なくとも一部に配置されている堅い材料(例えば、堅いワイヤまたは支持用ブレード等)は、乳管内へのカテーテルの進入および進行をよりよく制御する堅さを担当医に提供しており、管腔のポートは、注入管腔から乳管内に液体を注入する能力および吸引管腔内に乳管から流体を吸引または採取する能力をカテーテルに提供している。
【0096】
上記の発明は、理解を明確にする目的のために例示および実施例によっていくぶん詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、ある種の変更および改良を加えることができることは、本発明の教示内容に鑑みて当業者に容易に明らかである。カテーテルは、両側が開いている多重同心配列または隣接配列管腔を含んでもよいことも考慮されている。また、洗浄液として造影液を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
(図1)乳管に挿入される本発明による乳管アクセス装置を示す。
(図2)ハブ、カテーテル、注入管腔および採取管腔並びに格納式拡張装置を有する乳管アクセス装置を例示する。
(図3)本発明による乳管アクセス装置の略図である。
(図4−図6)本発明による乳管アクセス装置の断面図である。
(図7A)乳管に注入液を満たしたものを例示する。
(図7B)アクセス管腔を介して乳管内に注入された流体が採取される二方向の流れを例示する。
(図7C)アクセスした乳管に流体を注入し、アクセスした乳管の外で流体を採取する容量を有する、乳管にアクセスする単管カテーテルを例示する。
(図8)非外傷性先端部を有する本発明による拡張器を例示する。
(図9)非外傷性先端部を有する本発明によるカテーテルを例示する。
(図10−図12)本発明による乳管アクセス装置の別の態様を例示する。
(図13)形状記憶材料から形成されており、開いた位置と閉じた位置との間を移動することができる遠位端を有するカテーテルを例示する。
(図14)開いた末端部と開閉システムを有するカテーテルを例示する。
(図14A−図14C)図14に例示するカテーテルの別の態様を例示する。
(図15)閉じた位置にあるスライド部分を有する開閉可能なカテーテルを例示する。
(図16)開いた位置にあるスライド部分を有する開閉可能なカテーテルを例示する。
(図17)開いた位置にあるスライド部分を有する開閉可能なカテーテルの別の態様を例示する。
(図18)カテーテルの別の態様を示す。
(図19−図22)乳管拡張器の異なる遠位端を例示する。

Claims (80)

  1. 哺乳類の乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取するための装置であって、
    乳管内に位置づけるためのカテーテルであって、近位端と遠位端とを有し、該遠位端が乳管内に洗浄液を送達し乳管内の細胞材料を収容するための開口部を備えるカテーテルと、
    カテーテルと流体的に連絡しているマニホールドハブであって、カテーテルの内腔に軸方向に配列されている第1のポート、ハブに流体を注入するためにハブ内に位置づけられている第2のポート、およびハブ内の流体を採取するためにハブ内に位置づけられている第3のポートを有する遠位端を備えるマニホールドハブと
    を備える装置。
  2. マニホールドハブが、装置の長軸に平行に延在する少なくとも1つの側壁を備え、該少なくとも1つの側壁が注入ポートと採取ポートとを備える、請求項1記載の装置。
  3. 注入ポートおよび採取ポートが、ハブの少なくとも1つの側壁に沿って互いに配列されている、請求項2記載の装置。
  4. 注入ポートが、採取ポートに対して第1のポートに近位に位置づけられている、請求項3記載の装置。
  5. 採取ポートが、ハブの注入ポートと近位端との間に位置づけられている、請求項3記載の装置。
  6. ハブが実質的に円形の断面を有し、注入ポートおよび採取ポートがハブの周囲に互いに周囲方向に間隔をおいて配置されている、請求項2記載の装置。
  7. 注入ポートに接続されている注入ラインと、採取ポートに接続されている採取ラインとをさらに備える、請求項1記載の装置。
  8. 注入ラインおよびハブに流体を送達するために、注入ラインの末端に離脱可能であるように固定されている流体注入用部材をさらに備える、請求項7記載の装置。
  9. 注入用部材がシリンジを備える、請求項8記載の装置。
  10. 採取ラインの末端に離脱可能であるように固定されている採取用部材をさらに備える、請求項7記載の装置。
  11. 採取用部材がシリンジを備える請求項10記載の装置。
  12. カテーテルの遠位開口部が、閉じた位置と開いた位置との間を移動することができる、請求項1記載の装置。
  13. カテーテルの遠位開口部を開いた位置と閉じた位置との間で移動させる構造をさらに備える、請求項12記載の装置。
  14. 構造が、カテーテルの近位端と遠位端との間に延在するワイヤを備える、請求項13記載の装置。
  15. カテーテルの遠位端が、刺激の適用に応答して開く形状記憶材料から形成されている、請求項12記載の装置。
  16. 刺激が熱または電流を含む請求項15記載の装置。
  17. 形状記憶材料がニチノールである請求項15記載の装置。
  18. 遠位端が開いた位置にある場合、遠位端がカテーテルの近位端より大きい開口部を有する、請求項12記載の装置。
  19. 乳管内にカテーテルを導入するためのガイド部材をさらに備える、請求項1記載の装置。
  20. ガイド部材が傾斜した遠位端を有する拡張器を備える、請求項19記載の装置。
  21. 拡張器の遠位端が、薬剤を収容するための少なくとも1つの開口部を備える、請求項20記載の装置。
  22. 薬剤がリドカインである請求項21記載の装置。
  23. マニホールドハブの遠位端が、カテーテル内に離脱可能であるように固定されている、請求項1記載の装置。
  24. マニホールドハブの遠位端が、カテーテルとルアーロック接続を形成する、請求項23記載の装置。
  25. 乳管内に位置づけるための、内腔を含む第1の細長い部材と、該第1の部材に離脱可能であるように固定されており、該第1の細長い部材の近位端と流体的に連絡しているマニホールドハブとを備える乳管アクセス装置。
  26. マニホールドハブが、細長い部材の内腔に軸方向に配列されている第1の開口部を備える、請求項25記載の装置。
  27. 第1の開口部が、細長い部材に固定されているハブの遠位端に配置されている、請求項26記載の装置。
  28. マニホールドハブが、注入ポートおよび採取ポートを有する側壁を備え、該注入ポートは該採取ポートと第1の開口部との間に位置づけられている、請求項27記載の装置。
  29. 第1の開口部がマニホールドハブの近位端に位置づけられ、該マニホールドハブの側壁が該第1の開口部と該マニホールドハブの遠位端との間に延在する、請求項26記載の装置。
  30. ハブの遠位端がカテーテルの内腔と流体的に連絡している開口部を備え、側壁が該ハブに流体を送達するための流体注入ポートを備え、第1の開口部が該マニホールドハブから流体を採取するための採取ポートを形成する、請求項28記載の装置。
  31. ハブの遠位端が、カテーテルの内腔と流体的に連絡している開口部を備え、側壁が、ハブ内の流体を収容するための流体採取ポートを備え、第1の開口部が、ハブに流体を送達するための流体注入ポートを形成する、請求項28記載の装置。
  32. 細長い部材が、開いた位置と閉じた位置との間を移動することができる遠位端を有するカテーテルを含む、請求項25記載の装置。
  33. 末端が閉じた位置にある場合に、カテーテルの遠位端が第1の内径を有し、末端が開いた位置にある場合に、カテーテルの遠位端が第2のより大きい内径を有する、請求項31記載の装置。
  34. 開いた位置と閉じた位置との間に遠位端を移動させるための構造をさらに備える、請求項32記載の装置。
  35. 乳管にアクセスして、乳管内から細胞材料を採取するための乳管アクセス装置であって、
    近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間に延在する内腔を有する細長い部材、ならびに
    該細長い部材に離脱可能であるように固定されているハブであって、カテーテル内腔に流体を送達するための、注入装置と流体的に連絡している注入ポートと、ハブ内の流体および細胞材料を収容するための採取ポートとを備えるハブ
    を備える装置。
  36. 管腔がハブに対して開いている請求項34記載の装置。
  37. 採取ポートが、流体採取装置と流体的に連絡している、請求項35記載の装置。
  38. 流体採取装置が、ハブ内に陰圧を形成するための供給源、および流体採取ポートと流体採取装置との間に延在する流体採取ラインを備える、請求項36記載の装置。
  39. 注入装置からハブに流体を送達するための、注入ポートと注入装置との間に延在する管部材をさらに備える、請求項35記載の装置。
  40. ハブが、細長い部材の近位端内に離脱可能であるように位置づけられる遠位端を備える、請求項35記載の装置。
  41. 乳管にアクセスして、乳管内の細胞材料を採取するための乳管アクセス装置であって、乳管内に位置づけるためにサイズ調整した第1の外径を有する第1の細長い部材と、乳管に入らないように第1の外径より大きい第2の外径を有する第2の細長い部材とを備える装置。
  42. 第1の細長い部材が、乳管内に流体を導入し、乳管内の流体を収容するための内腔を有するカテーテルを含む、請求項40記載の装置。
  43. 第2の細長い部材が、カテーテルの内腔と流体通路を形成するために遠位端に下方ポートを備えるハブを備える、請求項41記載の装置。
  44. ハブが、下方ポートの上方に間隔をおいて配置されている第1および第2のサイドポートをさらに備える、請求項42記載の装置。
  45. 第1および第2のサイドポートが、下方ポートに対してハブの側壁に沿って同じ高さにある、請求項43記載の装置。
  46. 第1および第2のサイドポートが、下方ポートに対してハブの側壁に沿って異なる高さにある、請求項42記載の装置。
  47. カテーテルが約0.50インチ以下の外径を有する請求項41記載の装置。
  48. 外径が約0.010インチ〜0.050インチの範囲内である請求項46記載の装置。
  49. 内腔の径が約0.007インチ以上である請求項41記載の装置。
  50. ハブの第1のポートに接続されている注入管と、ハブの第2のポートに接続されている採取管とをさらに備える、請求項42記載の装置。
  51. マニホールドが、約0.01cc〜1.0ccの範囲の容量を有する、請求項42記載の装置。
  52. 乳管にアクセスして、乳管内の細胞材料を採取するための乳管アクセス装置であって、近位端と、遠位端と、両端の間に延在する内腔とを有する第1の細長い部材と;近位端と遠位端とを有し、内腔と流体的に連絡している下方開口部を有するマニホールドハブと;乳管内に第1の細長い部材の一部を位置づけるために、第1の細長い部材およびハブの少なくとも一方を介して延在する細長いガイド部材とを含む装置。
  53. 第1の細長い部材が、近位端にウェルを有するカテーテルを含む、請求項51記載の装置。
  54. カテーテルが乳管内に位置づけられガイド部材が内腔から除去された後にウェル内に離脱可能であるように固定されている遠位端をハブが備える、請求項52記載の装置。
  55. ハブの遠位端が、カテーテルのウェルとルアーロック固定を形成する、請求項53記載の装置。
  56. ガイド部材が、複数の開口部を有する遠位端を備える、請求項51記載の装置。
  57. 開口部が、乳管の内層に投与するための薬剤を保有する、請求項54記載の装置。
  58. 乳管にアクセスして乳管内の細胞材料を採取するための乳管アクセス装置であって、開いた位置と閉じた位置との間を移動することができる遠位端と、近位端と、両端の間に延在する内腔とを有する第1の細長い部材、および近位端と遠位端とを有し、内腔と流体的に連絡している下方開口部を有するマニホールドハブを含む装置。
  59. 細長い部材の遠位端が、閉じた位置にある場合に第1の内径を有し、開いた位置にある場合に第2のより大きい径を有する、請求項56記載の装置。
  60. 細長い部材がカテーテルを含み、遠位カテーテル開口部を開いた位置と閉じた位置との間で移動させるための構造をさらに備える、請求項56記載の装置。
  61. 構造が、カテーテルの近位端と遠位端との間に延在するワイヤを備える、請求項58記載の装置。
  62. カテーテル遠位端が、刺激の適用に応答して開く形状記憶材料から形成されている、請求項57記載の装置。
  63. 刺激が熱または電流を含む請求項60記載の装置。
  64. 形状記憶材料がニチノールである請求項60記載の装置。
  65. ヒト乳房の乳管網を洗浄する方法であって、
    内腔を有するカテーテルの遠位端を乳管開口部を介して、乳管網の遠位管腔に挿入する段階、
    注入ポートを介してマニホールドハブに洗浄液を注入する段階、
    乳管網に洗浄液を導入する段階、
    乳管網から洗浄液および洗浄液によって運ばれる物質を回収する段階、ならびに
    ハブの採取ポートを介して採取装置に回収された洗浄液および物質を送達する段階を含む方法。
  66. ハブに洗浄液を注入する段階が、注入管を介して注入装置から注入ポートまで洗浄液を送達する段階を含む、請求項63記載の方法。
  67. 洗浄液および物質を回収する段階が、ハブ内に陰圧を適用する段階を含む、請求項63記載の方法。
  68. 陰圧が採取装置によって適用される請求項65記載の方法。
  69. 乳房を外部からマッサージし、その結果、洗浄液および物質がハブの方向に進ませられる段階をさらに含む、請求項65記載の方法。
  70. 洗浄液および物質を採取装置に送達する段階がハブに洗浄液を注入する段階を含む、請求項63記載の方法。
  71. 乳管網に洗浄液を導入する段階が、ハブ内に正の流体注入圧を適用する段階を含む、請求項63記載の方法。
  72. 哺乳類の乳管網から細胞材料を入手する方法であって、
    内腔を有する細長い装置の遠位端を乳管開口部を介して、乳管網の遠位管腔に挿入する段階、
    注入ポートを介してマニホールドハブに洗浄液を注入する段階、
    管腔を介して乳管網に洗浄液を導入する段階、
    乳房の一領域をマッサージする段階、ならびに
    ハブの採取ポートを介して乳管網から採取装置に洗浄液および洗浄液によって運ばれる物質を送達する段階を含む方法。
  73. 少なくとも2mlの洗浄液を所定の時間の間、乳管内に保持する段階をさらに含む、請求項70記載の方法。
  74. 所定の時間が1秒より短い請求項71記載の方法。
  75. 所定の時間が約1秒〜1時間の間である請求項71記載の方法。
  76. ハブの少なくとも一部に陰圧を形成する段階をさらに含む、請求項70記載の方法。
  77. 陰圧が採取装置によって形成される請求項74記載の方法。
  78. 採取管が採取ポートと採取装置との間に延在する、請求項70記載の方法。
  79. 洗浄液および物質を採取装置に送達する段階がハブに洗浄液を注入する段階を含む、請求項70記載の方法。
  80. 乳管網内に洗浄液を導入する段階が、ハブ内に正の流体注入圧を適用する段階を含む、請求項70記載の方法。
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