JP2004524933A - 人工呼吸装置 - Google Patents
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Abstract
本発明はペルフルオロカーボンを導入することによる患者の人工呼吸装置に関し、その際、該装置はエアロゾル発生器(3)を有し、該エアロゾル発生器を用いることによりペルフルオロカーボンのエアロゾルが形成される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルフルオロカーボンを導入することによる患者の人工呼吸装置に関し、その際、該装置はエアロゾル発生器を有し、該エアロゾル発生器を用いることによりペルフルオロカーボンのエアロゾルが形成される。
【0002】
人工呼吸は、医学において、呼吸窮迫、肺疾患または肺不全を伴う患者の治療のために有効に使用される手段の1つである。呼吸窮迫症候群((acute) respiratory distress syndrome, (A)RDS)(これはヒアリン膜症としても公知であり、殊に早産児の場合にしばしば発症する)の原因の1つは、天然肺サーファクタントの欠乏にある。成人の場合、例えば振盪症を誘発する外傷、熱傷または感染症により肺を損傷した後に上記症候群を発症し得る。内因性サーファクタントは、肺胞上での自然の液体被膜の表面張力を低下させるという生命にとって重要な機能を有する。サーファクタントの欠乏は、肺胞の表面張力の上昇および肺胞の虚脱(アテレクターゼ)およびしばしば肺全体の虚脱を招く。これにより、虚脱された肺領域の換気は不可能となり、ガス交換への関与は不可能となる。虚脱された部位の機能を再開させるためには、例えば最初に肺に空気を充填する際と同一の仕事量が毎回の呼吸において保証されねばならない。自発呼吸をする患者の呼吸仕事量はそれにより著しく高められる。引き続く身体への負担は身体の消耗を招き、肺への負荷により病的状態が強められる。このことは、身体への不十分な酸素の導入および体内における二酸化炭素の有毒な濃度により、殊に新生児の場合30%を上回るまでの死亡率を招く。
【0003】
このような子供および成人の患者は、人工呼吸を用いて治療される。換気処置は種々の形で適用され得る(例えば持続気道陽圧、CPAP;間欠的強制換気、IMV)。圧力下にある呼吸ガス(例えば酸素−空気−混合物)を用いた肺の人工的な拡張によって、疾患により堅固になった肺(低いコンプライアンス)において呼吸が行われる。吸気および呼気のサイクルにおける圧力および体積の変化により、気道壁および肺胞壁に対して著しい剪断力が影響を与える。この剪断力が高ければ高いほど肺は堅固になり、それというのも、肺を拡張させるためにそれだけ一層高い呼吸圧力が用いられねばならないからである。上記過程の拡張効果により、肺の損傷が進行した形での疾患がさらに強められる。
【0004】
RDSにおいてサーファクタントの欠乏した早生児および新生児の場合、サーファクタントは医薬品として気管内チューブ(気管中に導入されている呼吸用チューブ)により注入されてよい。しかしながら、存在するサーファクタントの欠乏に付加的に肺の構造上の未熟さを有する子供の場合、または振盪症および/または感染症により異常に高いサーファクタント消費量を有する全ての年齢の患者の場合、サーファクタントの投与は成功していない。
【0005】
ペルフルオロカーボン(Perfluorcarbone, PFC)はポリフッ素化された炭素、即ちその炭素主鎖が少なくとも部分的に過フッ素化されているが、しかしながら他のハロゲン置換基、例えば臭素を含有してもよい化合物である。これが、数多くの技術分野において既に久しく使用されてきた化学的に完全に不活性な化合物であることは明白である。
【0006】
医学においても、この化合物は、この化合物がサーファクタントの代替物として発見される以前に既に血液の代替物として使用されており、それというのもこの化合物中において酸素、二酸化炭素および他のガスは極めて良好に可溶性であり、それによりこの化合物は血液と比較して2〜3倍の酸素およびCO2の容量を有するからである。従ってこの化合物は、一方でサーファクタントの類似物質として、および他方でガス、殊に酸素および二酸化炭素のための輸送剤としての二つの作用を有する。低下された表面張力により強力に改善された肺の拡張性(コンプライアンス)と共に、酸素摂取およびCO2排出は重度の疾患を有する肺においても可能である。さらに、内因性サーファクタントの生成はペルフルオロカーボンにより誘発される。現在、最少吸収量の毒性作用に関する指摘は存在していない。肺組織に対する病原菌の影響も排除可能であった。
【0007】
近年、ペルフルオロカーボンは、肺の治療のためにも、人工の液体呼吸の分野においても使用されている。
【0008】
WO 95/31191には患者の呼吸を容易にするための方法が開示されており、この場合、患者が呼吸機器なしで呼吸できるようにするためにペルフルオロカーボン含有液体が肺に注入される。
【0009】
DE 19719280C1には、式RF[CF2−CH2]RHのフッ素化アルカンおよびその酸素輸送媒体としての使用、および肺の洗浄による肺の再生の方法が開示されている。
【0010】
EP 583358B1には、部分的液体呼吸(partial liquid ventilation, PLV)のための医薬品としての液体フルオロ炭化水素の使用が記載されている。この場合、フルオロ炭化水素−液体は、患者の全肺容量の0.1%〜50%の量で使用される。
【0011】
完全液体呼吸(total liquid ventilation, TLV;この場合、肺は呼吸液体で完全に充填されいる)の場合の欠点は、とりわけ、このために必要な装置、即ち特別な液体呼吸機器がガス換気器よりも極めてコストがかかるという点にある。部分的液体呼吸(PLV)は、この問題を単に部分的に考慮しているに過ぎない。確かに、肺が単に部分的に液体で充填されているに過ぎないため、ガス呼吸機器が使用されることができるが、しかしながら依然として多量の呼吸液体が使用されねばならず、液体は重力に基づき肺中で不均一に分布され、これは液体がサーファクタントの代替物であるべき場合には殊に不利である。さらに、液体が存在しない肺の上方部位における部分的液体呼吸の場合、より強力に破裂された肺の小泡が存在することが判明した。酸素化、換気および肺の機序への影響は、肺不全の種々のモデルに関する種々の動物実験により試験された(3、4、5、6)。PLVの臨床適用観察は、ARDS(acute respiratory distress syndrome)、胎便吸引症候群、先天性横隔膜ヘルニアおよび早生児呼吸窮迫症候群(RDS)のためのものである(7、8、9)。PLVの実施には細心の注意が不可欠であり、それというのも、レスピレータのパラメータの調節は、ペルフルオロカーボンで充填された肺により、ガス換気の場合とは別の効果を有するからである(11、12)。所望の充填レベルの充填および維持には、多くの経験が必要とされる。PLVの中断はガス交換の迅速な悪化を招く。FRC−容量を不完全に満たした試験では、PLVのより低い有効性が示された(13)。ガス交換および肺循環に対するPLVのこれらの著しい副次的効果により、PLVの使用は単に制限されて可能であるに過ぎない。PAGEのさらなる拡張を可能にするために、その適用がより容易であり、さらに、重大な副次的効果へのより低いポテンシャルを有する技術が開発されねばならない。
【0012】
慣用のエアロゾル発生器は既に十分に公知である。このエアロゾル発生器により、種々の方法(1物質流ノズル、遠心力による噴霧、濃縮、蒸発、分散、超音波、ノズル噴霧等)でのエアロゾル形成が可能となる。エアロゾル形成の物理的原理は、例えばK. Dirnagel, Atemwegs- und Lungenkrankheiten, Jahrgang 5, Nr. 1/1979, 第22-27頁に記載されている。殊にこの刊行物には、2物質流ノズル(ノズル噴霧器)、超音波噴霧器および噴射ガス噴霧器について記載されている。Gottschalkら(Atemwegs- und Lungenkrankheiten, 1978, 第378-380頁)により、電解アノードを製造するための機器が開示されており(VEP Transformatoren- und Roentgenwerk "Hermann Matern", Dresden製)、これはエアロゾルへの4ないし1または0.1kV(イオン電流12ないし3または0.3nA)の充電が可能である。他の噴霧器は、Montgomeryら, 1987, The Lancet, 第480頁;Matthys, 1990, Lung 第645-652頁に記載されている。慣用のエアロゾル治療は、とりわけ、一般に人工呼吸を施されていない患者への医薬品の投与に利用される。従って、長きに亘り、できる限り小型で持ち運び可能であり、かつ患者自身が操作可能であるエアロゾル発生器を提供する努力がなされてきた。従ってエアロゾル技術は次第に小型の計量供給吸入装置へと発展し、その際、その都度個々の噴霧推進流が患者により吸入されるべきであるが、しかしながらより長期の呼吸には適合していない。方法の改善に対する最も本質的な困難は、DirnagelによるAtemw.-Lungenkrh. Jahrgang 12, Nr. 5, 1986, 第212-215頁の記載によれば、エアロゾルの沈着が、エアロゾル製造技術と関連があるのではなく、患者の挙動から、および患者の呼吸路の解剖状態および機能状態から決定される要因に強力に依存していることである。
【0013】
エアロゾルは確かに人工呼吸を施される患者において既に使用されているが、しかしながら従来その使用は呼吸ガスへの医薬品の混合に制限されている。人工呼吸を施された患者に呼吸ガスへの医薬品の付加により医薬品を投与することは現在では標準的な治療であり、これについては例えばFrankelら Critical Care Medicine, 第15巻, Nr. 11, 第1051頁, 1987; Outwaterら, AJDC, 第142巻, 第512頁参照。ここではSPAG(small-particle aerosol generator)単位が、患者の外部において呼吸機器に接続されており、その際、医薬品のエアロゾルは複数のバルブを介して呼吸ガスに導入されることができる。冒頭に記載されたEP 583358に記載の通りペルフルオロカーボンを使用した部分的液体呼吸を扱ったEP 908178A1には、確かに医薬品を含有するフルオロカーボンのエアロゾルが記載されているが、しかしながら呼吸液体の投与への言及も、それに適当であろう装置への言及も存在しない。
【0014】
同様に、ノズル噴霧器および超音波噴霧器は使用されたが、しかしながらエアロゾルは呼吸ガス/呼吸液体とは別個に投与された(Matthys, Lung(1990) Suppl.: 645-652; Montgomeryら, CHEST(1995), 第774頁)。
【0015】
患者の外部および患者から離れて形成されたエアロゾルの気管内チューブによる投与は、エアロゾル配置のために本質的に困難である。エアロゾル粒子の大部分は、その内径が元来の上気道の内径よりも著しく狭い気管内チューブとの壁部接触により損失され、従ってエアロゾル粒子は液体に変化する。より大きな粒子のこの種の分離は、可能な限り微細な粒径が所望される医薬の投与の場合、場合によっては有利でさえあり得るであろう。しかしながら、欠点は、医薬品の有効性が著しく低下するという点である。
【0016】
従って本発明の課題は、公知技術水準の液体呼吸法の欠点を少なくとも部分的に回避する、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンを用いた患者の人工呼吸装置を提供することであった。
【0017】
上記課題は、ペルフルオロカーボンを肺に導入することによる患者の呼吸装置であって、該装置が呼吸機器、エアロゾル発生器およびチューブ系を有しており、該チューブ系はチューブ領域を有しており、該チューブ領域は、複数のチューブを結合し、患者と接触し、かつ気管内チューブを含んでいる呼吸装置により解決され、その際、該装置は、エアロゾル発生器が、患者の体内の、吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域内かまたはその遠位に配置されていることを特徴とする。
【0018】
驚異的にも、エアロゾルの形の慣用のペルフルオロカーボンを使用する人工呼吸は、サーファクタントとしてのみならず、ガス輸送体としてのペルフルオロカーボンの作用をも、慣用の液体呼吸の場合よりも良好に利用していることが示され、それというのも殊に、ペルフルオロカーボンの作用は、PLVとは異なり、治療期間を超えて持続するからである。
【0019】
呼吸媒体としてのペルフルオロカーボンのエアロゾルの排気下の人工呼吸を可能にする装置は、公知技術水準では従来公知でない。従って、本発明による装置により、ペルフルオロカーボンを用いた呼吸の新規の方式が可能となり、その際、ペルフルオロカーボンはエアロゾルの形で投与される。
【0020】
本発明による装置により、最少量のペルフルオロカーボンで間に合わせること、およびこの量を極めて迅速に均一に全肺表面上に分配することが可能となる。もう1つの利点は、液体が集積せず、肺の容積が液体の充填により低下しないことである。これにより患者への影響は明らかに低下し、肺中の液体により変更された呼吸機序において不可避である危険は低減される。さらに、本発明による装置は容易に操作可能である。
【0021】
本発明による装置のベースとして適当な呼吸機器は、それぞれ、呼吸ガスを気管内チューブまたは同様の装置を介して患者に導入する標準的な呼吸機器であってよい。例えばNelcor Infantstar 950 Cは適当である。
【0022】
通常、本発明による装置中で使用される呼吸機器は、少なくとも2本の呼吸用チューブからなるチューブ系を有する機器である。呼吸ガスはこのうち一方のチューブにより患者に導かれ、他方のチューブにより患者から排出される。通常、2本のチューブは所定の箇所でY形部分により合流する。Y形部分は通常、チューブコネクタを介して気管内チューブと結合されている。この挿入結合部(チューブコネクタ)は数多くの呼吸機器において備えられており、これにより、患者が動物であるか、子供であるかまたは成人であるかに応じて種々の直径の気管内チューブがY形部分に接続されることができる。呼吸媒体が双方向に流動できるようにするチューブ領域は、吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域と呼称される。残りのチューブ領域は単に呼気段階かまたは吸気段階でガスを導くに過ぎない。従ってこの吸気段階および呼気段階でガスを導く領域は、気管内チューブ、備えられている場合にはチューブコネクタおよびY形部分の脚部を含む。
【0023】
エアロゾル発生器は、患者の体内の、エアロゾルが吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域内かまたはその遠位に形成されるように配置されている。図1に記載された本発明による装置の実施例に関しては、エアロゾル発生器は、エアロゾルが”P”で印付けられた領域内かまたはその遠位に形成されるように配置されている。
【0024】
有利に、管状物またはチューブ内のエアロゾルを患者まで導くべき距離はできる限り短いことが好ましい。エアロゾル発生器が直接気管内チューブ中に配置されていることは殊に有利である。
【0025】
有利に、エアロゾル発生器は、エアロゾルが患者の体内に、有利に気管の領域内に(従って深部の気道への分配が保証される)、さらに有利には肺の領域内に形成されるように配置されている。
【0026】
エアロゾル発生器は、気管内チューブの終端部から遠位に配置されていてもよく、従って気管内チューブを越えて患者の体内に内側へ突出していてもよい。この実施態様の場合、エアロゾルとチューブ壁部とのいかなる接触も回避され、従ってエアロゾルは妨げられることなく気管または気管支または肺中で(配置に応じて)分布し得る。
【0027】
複数のエアロゾル発生器を、例えば各肺に対してエアロゾル発生器1個ずつを使用することも可能である。
【0028】
この方法を用いて、患者の体内でのエアロゾルの形成により、エアロゾルの特性、例えばエアロゾルの粒径、小液滴径範囲、噴霧密度および噴霧量を極めて良好に制御することができる。エアロゾルをマスクまたは噴射管またはチューブを用いて適用する場合、エアロゾル化されたより多量の物質が損失され得る。しかしながらエアロゾルが患者の体内で形成される場合、肺表面まで導くべきエアロゾル小液滴を有する除去分がより少量であることから、大きさ、分布および量をより良好に制御することが可能である。これにより、呼吸用チューブ内でのエアロゾルの凝縮が回避され、従って患者に導入されるエアロゾルの量は低減される。
【0029】
本発明によるエアロゾル発生器は、その終端部でエアロゾルを発生する装置である。このエアロゾル発生器は、ノズル、チューブ、カテーテルまたは同様の器具からなっていてよい。
【0030】
カテーテルが使用される場合、例えばカテーテルの先端部は吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域の内部、有利に気管内チューブ内に配置されていてよい。殊に有利に、カテーテルの先端部は気管内チューブの終端部に存在するか、または気管内チューブを若干越えて患者の体内に内側へ突出している。
【0031】
気管内チューブ自体がエアロゾル発生器の機能を担うように気管内チューブを仕上げることも可能であり、本発明のために有利である。例えば、気管内チューブの壁部には、気管内チューブの内壁または外壁または双方において開口部を有する空所、殊に管が配置されていてよい。この開口部はノズルのように機能することができ、その際、エアロゾルはこの開口部で形成される。
【0032】
エアロゾルの製造法は本発明において決定的要因となるものではなく、全ての適当な方法により、例えば1物質流ノズル、2物質流ノズル、遠心力による噴霧、濃縮、蒸発、噴射ガス、分散、超音波、ノズル噴霧等(上記参照)を用いて行われてよい。超音波噴霧およびノズル噴霧は殊に有利である。組合せも、場合により有利であり得る。エアロゾル製造の上記の全ての方法は、任意にカテーテルと組み合わされてよい。
【0033】
エアロゾルは有利にペルフルオロカーボンと適当な呼吸媒体との混合により製造される。呼吸媒体は有利に空気−酸素−混合物であるが、他の適当な混合物または空気または酸素も呼吸媒体として使用できる。
【0034】
殊に有利に、装置はエアロゾル発生器として噴霧カテーテルを有する。適当なカテーテルは例えばTrudell Medical Group社のTrudell-噴霧カテーテルである。
【0035】
この技術は極めて微小なカテーテルからなり(型により外径0.1〜2mm)、カテーテルの最も外側の終端部でエアロゾルを形成するために、圧力液体/圧力ガス−噴霧技術を利用している。このカテーテルは複数のガスおよび液体の毛管状物を有する唯一の押出成形体からなる。これらの毛管状物は収斂し、かつカテーテルの最も外側の終端部の極めて微小な開口部において終わっている。ガス流および液体流はそれぞれの毛管状物を貫流し、開口部を経て流出する。ガスと液体との緊密な接触は、約1ml/分〜0.05 l/分の範囲内の低いガス流動速度において最も効果的な噴霧を導く。この系の運転のために、それぞれのガス混合物は50psiを上回る圧力で使用されてよい。本発明のために酸素−空気−混合物は殊に適当であるが、しかしながら当業者に公知である別の慣用の呼吸ガスが使用されてもよい。別個の装置中の、ガスおよび液体の一緒に制御された導入管も可能である。液体は、換気器の吸気段階に調和させて、または注入器により手動または機械的な導入により連続的に導入されてよい。カテーテルは当初の液体体積の95%を上回って肺に排出する。
【0036】
エアロゾル小液滴の粒径は予め調節されてもよいし、溶液/液体の割合の規則により選択されてもよい。これは、適当なカテーテル型を選択することによっても達成され得る。これにより、所望の出力およびガス流に応じて約5μmおよびそれを上回る平均エアロゾル粒径を有するエアロゾルが達成され得る。
【0037】
ペルフルオロカーボンとして、部分的液体呼吸にも適当な全ての公知のペルフルオロカーボンを使用することができる。ペルフルオロカーボンとは、ガス交換に適当であり、従ってヒトまたは動物の患者の人工呼吸に適当である、非毒性の、有利に液体のフッ素化炭素化合物であると理解される。これは、フッ素の代わりに別のハロゲンで置換されていてもよい。殊に、Alliance社のペルフルブロン(Perflubron)(ペルフルオロオクチルブロミド、PFOB、C8F17Br)、F2-Chemicals GBのペルフルオロデカリン(C10F18)、3MのFC77(C8F17O)、FC5080(C8F18)、FC43(C12Fx)、FC3280、FC3283、およびMiteniの混合物RM101は適当である。毒性に関しては、後で分解可能なフッ素ラジカルまたはフッ化水素に関する純度が重要である。他の適当なペルフルオロカーボンは、EP 908178 A1に記載されている。
【0038】
有利に使用されるエアロゾル形のペルフルオロカーボンの量は、その都度のペルフルオロカーボンまたはペルフルオロカーボン混合物の特性、殊に蒸気圧および粘性に依存する。十分なガス交換が行われ得り、ペルフルオロカーボンでの肺表面の十分な被覆が行われるようにエアロゾルの肺表面が達成されることは重要である。この場合、肺表面が湿潤されているのが有利であるが、しかしながらより大量の液体の集積は不必要であり、不所望である。
【0039】
本発明のもう1つの視点は、呼吸装置と組み合わせた、患者の呼吸に適当なペルフルオロカーボンのエアロゾルを製造するためのエアロゾル発生器の使用である。エアロゾル発生器として、上記のエアロゾル発生器の各々が使用されてよい。
【0040】
本発明のもう1つの視点は、患者の人工呼吸の手段としての、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用である。既に冒頭に記載されたように、慣用の方法、即ちTLVおよびPLVにおけるペルフルオロカーボンの適用は著しい欠点を有する。従って、人工呼吸のための慣用の手段を用いた幾つかの適用は治療が困難であろう。驚異的にも、ペルフルオロカーボンのエアロゾルが使用される場合、治療は極めてより有効である。従って、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンは、ARDSおよびRDS(サーファクタント欠乏)、肺炎、および例えば肺の未熟さにその起源を有するかまたは例えば横隔膜ヘルニアの際に限局性である肺形成不全の治療のための手段として適当である。
【0041】
従って本発明のもう1つの視点は、ペルフルオロカーボンを肺へ導入することによる患者の人工呼吸法にも関し、その際、吸気段階および呼気段階でガスを導き、気管内チューブを含み、かつ患者と接触しているチューブ領域において、ペルフルオロカーボンはエアロゾル形へともたらされ、肺に導入される。
【0042】
本発明のもう1つの実施態様は、ペルフルオロカーボンを医薬品と組み合わせて使用することである。
【0043】
ここで、エアロゾルとして導入されたペルフルオロカーボンは、付加的に、医薬品のための輸送機能を果たす。殊に、到達が困難な、または予め封鎖された肺領域において、導入された医薬品の分配を可能にする。これに関して、医薬品は適当な方法、例えば乳化、ミセル化により、または付加的な媒介物質によっても、ペルフルオロカーボン中に導入される。医薬品は、媒体物中に充填されて、例えばリポソームまたはウィルス性媒介物、例えばベクター中に充填されてペルフルオロカーボンに付加されてよい。使用される物質に応じて、医薬品の混合物または充填物の適当な種類が当業者により使用されてよい。PulmoSpheres TM(Alliance社から市販されている)の形の医薬品を、ペルフルオロカーボンとの組合せで使用することも可能である。
【0044】
肺により吸収され得る全ての医薬品は原理的に適当である。処置のために使用されるペルフルオロカーボンへ医薬品を適当に導入することにより、肺の意図的な治療が実施される得る。有利な適用範囲はこれに関する上記の適用、および血管拡張剤(アドレノメデュリン、ポスタサイクリン)、炎症阻害剤(例えばコルチコイド)および細胞増殖抑止剤(例えばシス−プラチン、5−フルオロウラシル)が使用される適用である。
【0045】
エアロゾルを、例えばベクターまたはリポソームを介するRNA(およびRNAi)の転写を含む遺伝子導入の際の輸送剤として効果的に使用することも可能である。
【0046】
その都度の医薬品はペルフルオロカーボンのエアロゾルと一緒に意図的に肺に導入されるため、TLVまたはPLVにおいて呼吸媒体に医薬品を混合する際にあり得る場合よりも、医薬品のより厳密な投与およびより良好な吸収が保証され得る。従って、本発明により、重大な疾患、例えば膵線維症の意図的かつ有効な治療も可能となる。
【0047】
以下の図および実施例により、本発明はその幾つかの有利な実施態様において詳説されるはずである。
【0048】
図
図1は、気管内チューブ(2)により患者(4)と接続されている常用の呼吸機器(1)とエアロゾルガス発生器(3)とからなる、本発明による装置を示す。呼吸機器には2本のチューブ(5、6)が接続されており、これらのチューブを通じて呼吸ガスは流動できる。この場合、ガスは、チューブ(5)を通じて常に患者の方向へと流動し(吸気)、もう1方のチューブ(6)を通じて常に患者から流出する(呼気)。この2本のチューブ(5、6)はY形部分(7)で合流し、例えばチューブコネクタ(8)を通じて気管内チューブに接続されている。Pで示されたチューブ領域は、吸気段階および呼気段階でガスを導く領域である。エアロゾルガス発生器は、エアロゾルが、呼気段階のみならず吸気段階でもガスを導く領域P内(ここでは特に気管内チューブの終端部)で形成されるように配置されている。
【0049】
図2は、気管内チューブ(22)内に導入されているTrudell-カテーテル(9)を示す。ここでは、エアロゾル(10)は患者の体内のカテーテルの先端部において初めて形成される。
【0050】
図3は、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしての動脈の酸素分圧(PaO2)を示す。
【0051】
図4は、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしてのPaO2を示す。
【0052】
図5は、ターミナル(terminal)動的コンプライアンスおよび肺過膨張を測定するためのmean ± SEMとしてのターミナルコンプライアンスC20/cを示す。高いC20/c−値は高いターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張の低減を示す。これは、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後に得られたものである。
【0053】
この装置を用いることにより、5〜20μmの粒径範囲が達成され得た。
【実施例】
【0054】
実施例1
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた呼吸によるガス交換および肺機序の持続的改善
酸素化、換気および肺の機序に対するエアロゾル化されたペルフルオロカーボンの影響を、続発性ARDSを有する、サーファクタントが除去された子ブタで試験した。現在、エアロゾル化されたPFCの適用について記載された刊行物は公知でない。FC77(下記参照)、ペルフルオロオクチルブロミド(C8F17Br)、FC43およびペルフルオロデカリンを用いた治療に効果が見られた(結果は示されていない)。
【0055】
材料および方法
この研究は当該の動物保護当局から認証を受けたものである。3.5〜4.3kgの体重を有する最高で生後10日の新生子ブタ20体を、試験のために直接選定した。筋肉内におけるアザペロン(1mg/kgKG)およびドルミクム(Dormicum)(登録商標)(ミダゾラム0.5mg/kgKG)を用いた鎮静化の際、末梢の静脈留置カニューレを穿刺した。ケタネスト(Ketanest) S(登録商標)(ケタミン)5mg/kg、ドルミクム(Dormicum)(登録商標)1.0mg/kgおよびフェンタニル2.5μg/kgのボーラス注入により麻酔を開始し、次いでミダゾラム1.5mg/kg/h、フェンタニル0.01mg/kg/hおよびケタミンS15mg/kg/hの持続注入を行った。動物の気管切開を行い、気管内チューブ(マリンクロット(Mallinckrodt)(登録商標)、内径4.0mm)を、この気管内チューブの遠心端を用いて気管分岐部の3.5cm上方に配置した。
【0056】
気管内圧を、5Chカテーテルにより分岐部の10mm上方で測定した。双方の状況を硬性気管支鏡を用いて検査した。気管内チューブを挿入した後、機械的な呼吸を開始させた。動物をノルキュロン(Norcuron)(登録商標)(ベクロニウム)0.2mg/kgKGで弛緩させ、次いでベクロニウム0.2mg/kgKG/hの持続注入を行った。付加的に、5μg/kgKGの連続投与量のフェンタニルを静脈内に注入した。4.5Chロック部(Schleuse)(Cook,ドイツ)を手術により右内頚静脈中に留置した。これを通じて、4Ch熱希釈カテーテル(Arrow, Erding, ドイツ)を、肺動脈圧および心臓時間容積(Herzzeitvolumen)の測定のために挿入した。右大腿動脈中に、20ゲージカニューレ(Arrow)を手術により挿入し、Paratrend-7蛍光センサを血液ガスのオンライン測定のために挿入した。動脈血液ガス分析を、治療の間は15分間隔で、観察段階においては30分間隔で実施した。(ABL 330, Radiometer Copenhagen, デンマーク)。呼吸容量を熱線流速計(MIM GmbH, Krugzell)で測定し、新生児呼吸モニタFlorian(登録商標)NRM-200(MIM)で表示させた。肺過膨張を判定するために、C20/c(20%ターミナル動的コンプライアンス/動的コンプライアンス)(18)を測定した。通常の人工呼吸(間欠的強制換気、IMV)を、新生児用呼吸機器インファントスター(Infant Star)950(Mallinckrodt, Hennef, ドイツ)を用いて実施した。呼吸ガスを39℃に加熱し、湿潤させた(MR 700, Fischer & Paykel, Welzheim, ドイツ)。呼吸数は50呼吸/分であり、ピーク圧 (PIP)を32cmH2Oに、かつ陽性呼気終圧(PEEP)を8cmH2Oに調節した。
【0057】
その都度30ml/kgの洗浄体積の生理食塩水(0.9%)を用いて気管支肺胞洗浄を繰り返し行うことにより、肺不全を誘発した。十分な肺の損傷のための有効な基準として、1時間に亘る80mmHg未満のPaO2が必要であった。肺不全を完全に誘発した後に、動物を後続の治療群へと無作為化(randomisieren)した:
1.エアロゾル−PFC、2.FRC−PLV、3.低容量(LV)−PLV、4.制御(IMV)。群の比較可能性を確実にするため、呼吸調節は変更しなかった。エアロゾル−PFCは、エアロゾルカテーテル(酸素ジェットエアロゾル発生器、Trudell Medical Inc.TM, トロント、カナダ)(粒径5〜8μm)を通じて、FC77(登録商標)(C8F18およびC8F16O、密度1.78g/cm3、3M、Neuss, ドイツ)(20、31)10ml/kg/hを維持した。カテーテルは束ねられた毛管状物から成り、この毛管状物はガスおよび液体をカテーテルの先端部にまで導き、そこで収斂された流れによりエアロゾルを形成する。酸素0.05リットル/分のガス流を用いることにより最も効果的な噴霧が達成され得た。LV−PLV群は、気管内で液体形のFC77(登録商標)10ml/kg/hを維持した。FRC−PLV群の肺を、FC77(登録商標)30ml/kgで30分の期間に亘って充填し、次いで、蒸発損失を補填するために20ml/kg/分を補充投与した。制御群において、IMVにより人工呼吸を行った。2時間後、特別な呼吸を終了し、6時間に亘りIMV−呼吸下で制御した。
【0058】
データ分析および統計値:mean±SEMとしての値。データにガウス分布が存在するか否かを調べた後、two-way ANOVAを用いて、群の間の有効な差異の存在を調べた。有効な差異が存在する場合、Bonferroni post-hoc試験を付加的に適用した。0.05未満のp−値を有効として評価した。
【0059】
結果
動脈酸素分圧(PaO2):
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療により、未治療の制御群と比較してPaO2は明らかに上昇した(p<0.001)。PaO2の上昇は、エアロゾル−PFCで治療された動物の場合、FRC−PLV群の場合よりも平面的である(図3)。PFC−治療の終了後、エアロゾル−PFC群においてはPaO2の持続的な上昇が見られたが、しかしながらFRC−PLV群においてはこの上昇は見られなかった。治療の終了後6時間が経過した後、エアロゾル−PFCで治療された子ブタは、他の全ての群よりも明らかに高いPaO2値を有していた(p<0.01):エアロゾル−PFC:406.4±26.9mmHg、FRC−PLV:217.3±50.5mmHg、LV−PLV:96.3±18.9mmHg、制御群:67.6±8.4mmHg;p<0.001。
【0060】
酸素化指標:
酸素化指標(OI)を以下の式により算出した:
([MAP(cmH2O)xFiO2/PaO2(mmHg)]x100)(16)
OIは、平均気道圧(MAP)および吸息酸素濃度(FiO2)が高められた場合に上昇し、PaO2の上昇と共に低下する。PaO2の上昇と反比例して、29.9±3.4のOIはエアロゾル−PFC治療の初めの30分間で17.1±3.8に低下した。初めの30分間でのOIの低下はFRC−PLV群において明らかにより迅速であり強力ではあったが(31.3±1.5から5.1±0.6)しかしながら2時間の治療後、エアロゾル−PFCおよびFRC−PLVの双方の群のOIは、LV−PLVおよび制御群のOIよりも明らかに低かった(p<0.001)。エアロゾル−PFC治療によるOIの上昇は、制御群と比較して治療の終了後6時間不変であった(p<0.001)。それに対してFRC−PLV群の場合、PFCの滴注終了後にOIの急速な悪化を示し、その際、OIは15分間以内に7.7±2.5から21.2±13.3の上昇を示した(第1表)。
【0061】
二酸化炭素除去:
治療開始の60分後に、エアロゾル−PFC治療は、制御群の動物(p<0.01)およびLV−PLVで治療した動物(p<0.01)よりも明らかに低いPaCO2値を示した(図4)。この効果は、エアロゾル治療の終了後6時間に亘り持続した(p<0.01)。FRC−PLVでの治療30分後に、この群のPaCO2は、制御群およびLV−PLV群のPaCO2よりも明らかに低かった(p<0.01)。ペルフルオロカーボン治療の開始後8時間において、エアロゾル−PFC群のPaCO2とFRC−PLV群のPaCO2には統計的に有効でない差が存在するに過ぎなかった(24.2±1.7mmHg対35.9±2.8mmHg)。エアロゾル−PFC群において最も低いPaCO2を測定した:24.2±1.7mmHg、FRC−PLV:35.9±2.8mmHg、LV−PLV:56.7±12.4mmHg、制御群:60.6±5.1mmHg;p<0.01。
【0062】
換気効率指標:
換気を、使用された呼吸パラメータの関数として記載するために、”換気効率指標”(VEI)を算出した:
(3800/(PIP−PEEP(cmH2O))x呼吸数(cpm)xPaCO2)(17)
エアロゾル−PFCで治療した群におけるVEIは、治療開始60分後には、制御群よりも明らかに高かった(0.116±0.011対0.071±0.011;p<0.05)。換気効率指標の迅速な上昇を、FRC−PLV群において観察した。30分後、FRC−PLV群におけるVEIは制御群のVEIよりも明らかに高かった(0.099±0.011対0.071±0.011;p<0.05)。PFC−導入の終了後、FRC−PLV群のVEIは、治療の開始の前の出発レベルの値に低下したが、エアロゾル−PFC群のVEIは治療の開始の前の出発レベルの値に低下しなかった(第1表)。
【0063】
肺機能:
エアロゾル−PFC群およびFRC−PLV群の動的コンプライアンスは15分間以内に改善された。High C20/c値は高いターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張の低下を示す(17)。エアロゾル−PFC治療の120分後、C20/cは明らかに(p<0.01)制御群およびLV−PLV群よりも高かった(図5)。FRC−PLV群は2時間の治療後に、制御群およびLV−PLV群より明らかに高いC20/c値を有していたが(p<0.001)、このプラスの効果は治療直後に失われた。後続の観察期間において、制御群に対する有効な差はもはや存在しなかった。これに対して、エアロゾル−PFC群の後治療におけるC20/cの持続的な上昇は、制御群およびLV−PLV群で測定された値の約二倍の値であり(p<0.01)、エアロゾル−PFC群のC20/c値は、FRC−PLV群よりも明らかに高かった(p<0.001)。ターミナルコンプライアンス、C20/cはエアロゾル−PFC群において最も高かった。p<0.001。
【0064】
循環パラメータ:
心臓時間容積、中心静脈圧および体温に関して、群の間に有効な差異は存在しなかった。
【0065】
安全性測定:
エアリークの不在および熱希釈カテーテルの位置を、レントゲン透視により制御した。気管内圧は全ての群において同じであった。観察段階の間、LV−PLV群の動物は気胸症を発症した。
【0066】
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療により、肺のガス交換および肺機序が部分的液体呼吸と同様に強力に改善され、効果はより長く持続した。
【0067】
呼吸外傷性炎症反応の存在に関する肺プローブの試験により、エアロゾル−PFCおよびFRC−PLVでの呼吸は、LV−PLVでの呼吸または慣用の呼吸よりも明らかに低いインターロイキン1βおよびインターロイキン8遺伝子発現を導くことが示された(K. von der Hardt. M. Kandlerら、刊行物として提示されたもの)。圧力の誘発された肺胞の過膨張なしに肺のガス交換を改善することが原因であろう。低下された剪断力を伴う低下された圧外傷および量外傷はARDSの炎症カスケードの低下を導き、これにより、永続する疾患プロセスが回避される(26、27、28、29、30)。
【0068】
総括的に言えば、上記試験は、エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療が、呼吸のための、新規で効果的であり、安全で容易に取り扱い可能なペルフルオロカーボン適用法であることを示す。
【0069】
【表1】
【0070】
刊行物:
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明による装置を示す概略図。
【0076】
【図2】気管内チューブ(22)内に導入されているTrudell-カテーテル(9)を示す概略図。
【0077】
【図3】エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしての動脈の酸素分圧(PaO2)を示す図。
【0078】
【図4】エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしてのPaO2を示す図。
【0079】
【図5】ターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張を測定するためのmean ± SEMとしてのターミナルコンプライアンスC20/cを示す図。
【符号の説明】
【0080】
1 呼吸機器
2 気管内チューブ
3 エアロゾルガス発生器
4 患者
5 チューブ
6 チューブ
7 Y形部分
8 チューブコネクタ
9 Trudell-カテーテル
10 エアロゾル
22 気管内チューブ
【0001】
本発明は、ペルフルオロカーボンを導入することによる患者の人工呼吸装置に関し、その際、該装置はエアロゾル発生器を有し、該エアロゾル発生器を用いることによりペルフルオロカーボンのエアロゾルが形成される。
【0002】
人工呼吸は、医学において、呼吸窮迫、肺疾患または肺不全を伴う患者の治療のために有効に使用される手段の1つである。呼吸窮迫症候群((acute) respiratory distress syndrome, (A)RDS)(これはヒアリン膜症としても公知であり、殊に早産児の場合にしばしば発症する)の原因の1つは、天然肺サーファクタントの欠乏にある。成人の場合、例えば振盪症を誘発する外傷、熱傷または感染症により肺を損傷した後に上記症候群を発症し得る。内因性サーファクタントは、肺胞上での自然の液体被膜の表面張力を低下させるという生命にとって重要な機能を有する。サーファクタントの欠乏は、肺胞の表面張力の上昇および肺胞の虚脱(アテレクターゼ)およびしばしば肺全体の虚脱を招く。これにより、虚脱された肺領域の換気は不可能となり、ガス交換への関与は不可能となる。虚脱された部位の機能を再開させるためには、例えば最初に肺に空気を充填する際と同一の仕事量が毎回の呼吸において保証されねばならない。自発呼吸をする患者の呼吸仕事量はそれにより著しく高められる。引き続く身体への負担は身体の消耗を招き、肺への負荷により病的状態が強められる。このことは、身体への不十分な酸素の導入および体内における二酸化炭素の有毒な濃度により、殊に新生児の場合30%を上回るまでの死亡率を招く。
【0003】
このような子供および成人の患者は、人工呼吸を用いて治療される。換気処置は種々の形で適用され得る(例えば持続気道陽圧、CPAP;間欠的強制換気、IMV)。圧力下にある呼吸ガス(例えば酸素−空気−混合物)を用いた肺の人工的な拡張によって、疾患により堅固になった肺(低いコンプライアンス)において呼吸が行われる。吸気および呼気のサイクルにおける圧力および体積の変化により、気道壁および肺胞壁に対して著しい剪断力が影響を与える。この剪断力が高ければ高いほど肺は堅固になり、それというのも、肺を拡張させるためにそれだけ一層高い呼吸圧力が用いられねばならないからである。上記過程の拡張効果により、肺の損傷が進行した形での疾患がさらに強められる。
【0004】
RDSにおいてサーファクタントの欠乏した早生児および新生児の場合、サーファクタントは医薬品として気管内チューブ(気管中に導入されている呼吸用チューブ)により注入されてよい。しかしながら、存在するサーファクタントの欠乏に付加的に肺の構造上の未熟さを有する子供の場合、または振盪症および/または感染症により異常に高いサーファクタント消費量を有する全ての年齢の患者の場合、サーファクタントの投与は成功していない。
【0005】
ペルフルオロカーボン(Perfluorcarbone, PFC)はポリフッ素化された炭素、即ちその炭素主鎖が少なくとも部分的に過フッ素化されているが、しかしながら他のハロゲン置換基、例えば臭素を含有してもよい化合物である。これが、数多くの技術分野において既に久しく使用されてきた化学的に完全に不活性な化合物であることは明白である。
【0006】
医学においても、この化合物は、この化合物がサーファクタントの代替物として発見される以前に既に血液の代替物として使用されており、それというのもこの化合物中において酸素、二酸化炭素および他のガスは極めて良好に可溶性であり、それによりこの化合物は血液と比較して2〜3倍の酸素およびCO2の容量を有するからである。従ってこの化合物は、一方でサーファクタントの類似物質として、および他方でガス、殊に酸素および二酸化炭素のための輸送剤としての二つの作用を有する。低下された表面張力により強力に改善された肺の拡張性(コンプライアンス)と共に、酸素摂取およびCO2排出は重度の疾患を有する肺においても可能である。さらに、内因性サーファクタントの生成はペルフルオロカーボンにより誘発される。現在、最少吸収量の毒性作用に関する指摘は存在していない。肺組織に対する病原菌の影響も排除可能であった。
【0007】
近年、ペルフルオロカーボンは、肺の治療のためにも、人工の液体呼吸の分野においても使用されている。
【0008】
WO 95/31191には患者の呼吸を容易にするための方法が開示されており、この場合、患者が呼吸機器なしで呼吸できるようにするためにペルフルオロカーボン含有液体が肺に注入される。
【0009】
DE 19719280C1には、式RF[CF2−CH2]RHのフッ素化アルカンおよびその酸素輸送媒体としての使用、および肺の洗浄による肺の再生の方法が開示されている。
【0010】
EP 583358B1には、部分的液体呼吸(partial liquid ventilation, PLV)のための医薬品としての液体フルオロ炭化水素の使用が記載されている。この場合、フルオロ炭化水素−液体は、患者の全肺容量の0.1%〜50%の量で使用される。
【0011】
完全液体呼吸(total liquid ventilation, TLV;この場合、肺は呼吸液体で完全に充填されいる)の場合の欠点は、とりわけ、このために必要な装置、即ち特別な液体呼吸機器がガス換気器よりも極めてコストがかかるという点にある。部分的液体呼吸(PLV)は、この問題を単に部分的に考慮しているに過ぎない。確かに、肺が単に部分的に液体で充填されているに過ぎないため、ガス呼吸機器が使用されることができるが、しかしながら依然として多量の呼吸液体が使用されねばならず、液体は重力に基づき肺中で不均一に分布され、これは液体がサーファクタントの代替物であるべき場合には殊に不利である。さらに、液体が存在しない肺の上方部位における部分的液体呼吸の場合、より強力に破裂された肺の小泡が存在することが判明した。酸素化、換気および肺の機序への影響は、肺不全の種々のモデルに関する種々の動物実験により試験された(3、4、5、6)。PLVの臨床適用観察は、ARDS(acute respiratory distress syndrome)、胎便吸引症候群、先天性横隔膜ヘルニアおよび早生児呼吸窮迫症候群(RDS)のためのものである(7、8、9)。PLVの実施には細心の注意が不可欠であり、それというのも、レスピレータのパラメータの調節は、ペルフルオロカーボンで充填された肺により、ガス換気の場合とは別の効果を有するからである(11、12)。所望の充填レベルの充填および維持には、多くの経験が必要とされる。PLVの中断はガス交換の迅速な悪化を招く。FRC−容量を不完全に満たした試験では、PLVのより低い有効性が示された(13)。ガス交換および肺循環に対するPLVのこれらの著しい副次的効果により、PLVの使用は単に制限されて可能であるに過ぎない。PAGEのさらなる拡張を可能にするために、その適用がより容易であり、さらに、重大な副次的効果へのより低いポテンシャルを有する技術が開発されねばならない。
【0012】
慣用のエアロゾル発生器は既に十分に公知である。このエアロゾル発生器により、種々の方法(1物質流ノズル、遠心力による噴霧、濃縮、蒸発、分散、超音波、ノズル噴霧等)でのエアロゾル形成が可能となる。エアロゾル形成の物理的原理は、例えばK. Dirnagel, Atemwegs- und Lungenkrankheiten, Jahrgang 5, Nr. 1/1979, 第22-27頁に記載されている。殊にこの刊行物には、2物質流ノズル(ノズル噴霧器)、超音波噴霧器および噴射ガス噴霧器について記載されている。Gottschalkら(Atemwegs- und Lungenkrankheiten, 1978, 第378-380頁)により、電解アノードを製造するための機器が開示されており(VEP Transformatoren- und Roentgenwerk "Hermann Matern", Dresden製)、これはエアロゾルへの4ないし1または0.1kV(イオン電流12ないし3または0.3nA)の充電が可能である。他の噴霧器は、Montgomeryら, 1987, The Lancet, 第480頁;Matthys, 1990, Lung 第645-652頁に記載されている。慣用のエアロゾル治療は、とりわけ、一般に人工呼吸を施されていない患者への医薬品の投与に利用される。従って、長きに亘り、できる限り小型で持ち運び可能であり、かつ患者自身が操作可能であるエアロゾル発生器を提供する努力がなされてきた。従ってエアロゾル技術は次第に小型の計量供給吸入装置へと発展し、その際、その都度個々の噴霧推進流が患者により吸入されるべきであるが、しかしながらより長期の呼吸には適合していない。方法の改善に対する最も本質的な困難は、DirnagelによるAtemw.-Lungenkrh. Jahrgang 12, Nr. 5, 1986, 第212-215頁の記載によれば、エアロゾルの沈着が、エアロゾル製造技術と関連があるのではなく、患者の挙動から、および患者の呼吸路の解剖状態および機能状態から決定される要因に強力に依存していることである。
【0013】
エアロゾルは確かに人工呼吸を施される患者において既に使用されているが、しかしながら従来その使用は呼吸ガスへの医薬品の混合に制限されている。人工呼吸を施された患者に呼吸ガスへの医薬品の付加により医薬品を投与することは現在では標準的な治療であり、これについては例えばFrankelら Critical Care Medicine, 第15巻, Nr. 11, 第1051頁, 1987; Outwaterら, AJDC, 第142巻, 第512頁参照。ここではSPAG(small-particle aerosol generator)単位が、患者の外部において呼吸機器に接続されており、その際、医薬品のエアロゾルは複数のバルブを介して呼吸ガスに導入されることができる。冒頭に記載されたEP 583358に記載の通りペルフルオロカーボンを使用した部分的液体呼吸を扱ったEP 908178A1には、確かに医薬品を含有するフルオロカーボンのエアロゾルが記載されているが、しかしながら呼吸液体の投与への言及も、それに適当であろう装置への言及も存在しない。
【0014】
同様に、ノズル噴霧器および超音波噴霧器は使用されたが、しかしながらエアロゾルは呼吸ガス/呼吸液体とは別個に投与された(Matthys, Lung(1990) Suppl.: 645-652; Montgomeryら, CHEST(1995), 第774頁)。
【0015】
患者の外部および患者から離れて形成されたエアロゾルの気管内チューブによる投与は、エアロゾル配置のために本質的に困難である。エアロゾル粒子の大部分は、その内径が元来の上気道の内径よりも著しく狭い気管内チューブとの壁部接触により損失され、従ってエアロゾル粒子は液体に変化する。より大きな粒子のこの種の分離は、可能な限り微細な粒径が所望される医薬の投与の場合、場合によっては有利でさえあり得るであろう。しかしながら、欠点は、医薬品の有効性が著しく低下するという点である。
【0016】
従って本発明の課題は、公知技術水準の液体呼吸法の欠点を少なくとも部分的に回避する、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンを用いた患者の人工呼吸装置を提供することであった。
【0017】
上記課題は、ペルフルオロカーボンを肺に導入することによる患者の呼吸装置であって、該装置が呼吸機器、エアロゾル発生器およびチューブ系を有しており、該チューブ系はチューブ領域を有しており、該チューブ領域は、複数のチューブを結合し、患者と接触し、かつ気管内チューブを含んでいる呼吸装置により解決され、その際、該装置は、エアロゾル発生器が、患者の体内の、吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域内かまたはその遠位に配置されていることを特徴とする。
【0018】
驚異的にも、エアロゾルの形の慣用のペルフルオロカーボンを使用する人工呼吸は、サーファクタントとしてのみならず、ガス輸送体としてのペルフルオロカーボンの作用をも、慣用の液体呼吸の場合よりも良好に利用していることが示され、それというのも殊に、ペルフルオロカーボンの作用は、PLVとは異なり、治療期間を超えて持続するからである。
【0019】
呼吸媒体としてのペルフルオロカーボンのエアロゾルの排気下の人工呼吸を可能にする装置は、公知技術水準では従来公知でない。従って、本発明による装置により、ペルフルオロカーボンを用いた呼吸の新規の方式が可能となり、その際、ペルフルオロカーボンはエアロゾルの形で投与される。
【0020】
本発明による装置により、最少量のペルフルオロカーボンで間に合わせること、およびこの量を極めて迅速に均一に全肺表面上に分配することが可能となる。もう1つの利点は、液体が集積せず、肺の容積が液体の充填により低下しないことである。これにより患者への影響は明らかに低下し、肺中の液体により変更された呼吸機序において不可避である危険は低減される。さらに、本発明による装置は容易に操作可能である。
【0021】
本発明による装置のベースとして適当な呼吸機器は、それぞれ、呼吸ガスを気管内チューブまたは同様の装置を介して患者に導入する標準的な呼吸機器であってよい。例えばNelcor Infantstar 950 Cは適当である。
【0022】
通常、本発明による装置中で使用される呼吸機器は、少なくとも2本の呼吸用チューブからなるチューブ系を有する機器である。呼吸ガスはこのうち一方のチューブにより患者に導かれ、他方のチューブにより患者から排出される。通常、2本のチューブは所定の箇所でY形部分により合流する。Y形部分は通常、チューブコネクタを介して気管内チューブと結合されている。この挿入結合部(チューブコネクタ)は数多くの呼吸機器において備えられており、これにより、患者が動物であるか、子供であるかまたは成人であるかに応じて種々の直径の気管内チューブがY形部分に接続されることができる。呼吸媒体が双方向に流動できるようにするチューブ領域は、吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域と呼称される。残りのチューブ領域は単に呼気段階かまたは吸気段階でガスを導くに過ぎない。従ってこの吸気段階および呼気段階でガスを導く領域は、気管内チューブ、備えられている場合にはチューブコネクタおよびY形部分の脚部を含む。
【0023】
エアロゾル発生器は、患者の体内の、エアロゾルが吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域内かまたはその遠位に形成されるように配置されている。図1に記載された本発明による装置の実施例に関しては、エアロゾル発生器は、エアロゾルが”P”で印付けられた領域内かまたはその遠位に形成されるように配置されている。
【0024】
有利に、管状物またはチューブ内のエアロゾルを患者まで導くべき距離はできる限り短いことが好ましい。エアロゾル発生器が直接気管内チューブ中に配置されていることは殊に有利である。
【0025】
有利に、エアロゾル発生器は、エアロゾルが患者の体内に、有利に気管の領域内に(従って深部の気道への分配が保証される)、さらに有利には肺の領域内に形成されるように配置されている。
【0026】
エアロゾル発生器は、気管内チューブの終端部から遠位に配置されていてもよく、従って気管内チューブを越えて患者の体内に内側へ突出していてもよい。この実施態様の場合、エアロゾルとチューブ壁部とのいかなる接触も回避され、従ってエアロゾルは妨げられることなく気管または気管支または肺中で(配置に応じて)分布し得る。
【0027】
複数のエアロゾル発生器を、例えば各肺に対してエアロゾル発生器1個ずつを使用することも可能である。
【0028】
この方法を用いて、患者の体内でのエアロゾルの形成により、エアロゾルの特性、例えばエアロゾルの粒径、小液滴径範囲、噴霧密度および噴霧量を極めて良好に制御することができる。エアロゾルをマスクまたは噴射管またはチューブを用いて適用する場合、エアロゾル化されたより多量の物質が損失され得る。しかしながらエアロゾルが患者の体内で形成される場合、肺表面まで導くべきエアロゾル小液滴を有する除去分がより少量であることから、大きさ、分布および量をより良好に制御することが可能である。これにより、呼吸用チューブ内でのエアロゾルの凝縮が回避され、従って患者に導入されるエアロゾルの量は低減される。
【0029】
本発明によるエアロゾル発生器は、その終端部でエアロゾルを発生する装置である。このエアロゾル発生器は、ノズル、チューブ、カテーテルまたは同様の器具からなっていてよい。
【0030】
カテーテルが使用される場合、例えばカテーテルの先端部は吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域の内部、有利に気管内チューブ内に配置されていてよい。殊に有利に、カテーテルの先端部は気管内チューブの終端部に存在するか、または気管内チューブを若干越えて患者の体内に内側へ突出している。
【0031】
気管内チューブ自体がエアロゾル発生器の機能を担うように気管内チューブを仕上げることも可能であり、本発明のために有利である。例えば、気管内チューブの壁部には、気管内チューブの内壁または外壁または双方において開口部を有する空所、殊に管が配置されていてよい。この開口部はノズルのように機能することができ、その際、エアロゾルはこの開口部で形成される。
【0032】
エアロゾルの製造法は本発明において決定的要因となるものではなく、全ての適当な方法により、例えば1物質流ノズル、2物質流ノズル、遠心力による噴霧、濃縮、蒸発、噴射ガス、分散、超音波、ノズル噴霧等(上記参照)を用いて行われてよい。超音波噴霧およびノズル噴霧は殊に有利である。組合せも、場合により有利であり得る。エアロゾル製造の上記の全ての方法は、任意にカテーテルと組み合わされてよい。
【0033】
エアロゾルは有利にペルフルオロカーボンと適当な呼吸媒体との混合により製造される。呼吸媒体は有利に空気−酸素−混合物であるが、他の適当な混合物または空気または酸素も呼吸媒体として使用できる。
【0034】
殊に有利に、装置はエアロゾル発生器として噴霧カテーテルを有する。適当なカテーテルは例えばTrudell Medical Group社のTrudell-噴霧カテーテルである。
【0035】
この技術は極めて微小なカテーテルからなり(型により外径0.1〜2mm)、カテーテルの最も外側の終端部でエアロゾルを形成するために、圧力液体/圧力ガス−噴霧技術を利用している。このカテーテルは複数のガスおよび液体の毛管状物を有する唯一の押出成形体からなる。これらの毛管状物は収斂し、かつカテーテルの最も外側の終端部の極めて微小な開口部において終わっている。ガス流および液体流はそれぞれの毛管状物を貫流し、開口部を経て流出する。ガスと液体との緊密な接触は、約1ml/分〜0.05 l/分の範囲内の低いガス流動速度において最も効果的な噴霧を導く。この系の運転のために、それぞれのガス混合物は50psiを上回る圧力で使用されてよい。本発明のために酸素−空気−混合物は殊に適当であるが、しかしながら当業者に公知である別の慣用の呼吸ガスが使用されてもよい。別個の装置中の、ガスおよび液体の一緒に制御された導入管も可能である。液体は、換気器の吸気段階に調和させて、または注入器により手動または機械的な導入により連続的に導入されてよい。カテーテルは当初の液体体積の95%を上回って肺に排出する。
【0036】
エアロゾル小液滴の粒径は予め調節されてもよいし、溶液/液体の割合の規則により選択されてもよい。これは、適当なカテーテル型を選択することによっても達成され得る。これにより、所望の出力およびガス流に応じて約5μmおよびそれを上回る平均エアロゾル粒径を有するエアロゾルが達成され得る。
【0037】
ペルフルオロカーボンとして、部分的液体呼吸にも適当な全ての公知のペルフルオロカーボンを使用することができる。ペルフルオロカーボンとは、ガス交換に適当であり、従ってヒトまたは動物の患者の人工呼吸に適当である、非毒性の、有利に液体のフッ素化炭素化合物であると理解される。これは、フッ素の代わりに別のハロゲンで置換されていてもよい。殊に、Alliance社のペルフルブロン(Perflubron)(ペルフルオロオクチルブロミド、PFOB、C8F17Br)、F2-Chemicals GBのペルフルオロデカリン(C10F18)、3MのFC77(C8F17O)、FC5080(C8F18)、FC43(C12Fx)、FC3280、FC3283、およびMiteniの混合物RM101は適当である。毒性に関しては、後で分解可能なフッ素ラジカルまたはフッ化水素に関する純度が重要である。他の適当なペルフルオロカーボンは、EP 908178 A1に記載されている。
【0038】
有利に使用されるエアロゾル形のペルフルオロカーボンの量は、その都度のペルフルオロカーボンまたはペルフルオロカーボン混合物の特性、殊に蒸気圧および粘性に依存する。十分なガス交換が行われ得り、ペルフルオロカーボンでの肺表面の十分な被覆が行われるようにエアロゾルの肺表面が達成されることは重要である。この場合、肺表面が湿潤されているのが有利であるが、しかしながらより大量の液体の集積は不必要であり、不所望である。
【0039】
本発明のもう1つの視点は、呼吸装置と組み合わせた、患者の呼吸に適当なペルフルオロカーボンのエアロゾルを製造するためのエアロゾル発生器の使用である。エアロゾル発生器として、上記のエアロゾル発生器の各々が使用されてよい。
【0040】
本発明のもう1つの視点は、患者の人工呼吸の手段としての、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用である。既に冒頭に記載されたように、慣用の方法、即ちTLVおよびPLVにおけるペルフルオロカーボンの適用は著しい欠点を有する。従って、人工呼吸のための慣用の手段を用いた幾つかの適用は治療が困難であろう。驚異的にも、ペルフルオロカーボンのエアロゾルが使用される場合、治療は極めてより有効である。従って、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンは、ARDSおよびRDS(サーファクタント欠乏)、肺炎、および例えば肺の未熟さにその起源を有するかまたは例えば横隔膜ヘルニアの際に限局性である肺形成不全の治療のための手段として適当である。
【0041】
従って本発明のもう1つの視点は、ペルフルオロカーボンを肺へ導入することによる患者の人工呼吸法にも関し、その際、吸気段階および呼気段階でガスを導き、気管内チューブを含み、かつ患者と接触しているチューブ領域において、ペルフルオロカーボンはエアロゾル形へともたらされ、肺に導入される。
【0042】
本発明のもう1つの実施態様は、ペルフルオロカーボンを医薬品と組み合わせて使用することである。
【0043】
ここで、エアロゾルとして導入されたペルフルオロカーボンは、付加的に、医薬品のための輸送機能を果たす。殊に、到達が困難な、または予め封鎖された肺領域において、導入された医薬品の分配を可能にする。これに関して、医薬品は適当な方法、例えば乳化、ミセル化により、または付加的な媒介物質によっても、ペルフルオロカーボン中に導入される。医薬品は、媒体物中に充填されて、例えばリポソームまたはウィルス性媒介物、例えばベクター中に充填されてペルフルオロカーボンに付加されてよい。使用される物質に応じて、医薬品の混合物または充填物の適当な種類が当業者により使用されてよい。PulmoSpheres TM(Alliance社から市販されている)の形の医薬品を、ペルフルオロカーボンとの組合せで使用することも可能である。
【0044】
肺により吸収され得る全ての医薬品は原理的に適当である。処置のために使用されるペルフルオロカーボンへ医薬品を適当に導入することにより、肺の意図的な治療が実施される得る。有利な適用範囲はこれに関する上記の適用、および血管拡張剤(アドレノメデュリン、ポスタサイクリン)、炎症阻害剤(例えばコルチコイド)および細胞増殖抑止剤(例えばシス−プラチン、5−フルオロウラシル)が使用される適用である。
【0045】
エアロゾルを、例えばベクターまたはリポソームを介するRNA(およびRNAi)の転写を含む遺伝子導入の際の輸送剤として効果的に使用することも可能である。
【0046】
その都度の医薬品はペルフルオロカーボンのエアロゾルと一緒に意図的に肺に導入されるため、TLVまたはPLVにおいて呼吸媒体に医薬品を混合する際にあり得る場合よりも、医薬品のより厳密な投与およびより良好な吸収が保証され得る。従って、本発明により、重大な疾患、例えば膵線維症の意図的かつ有効な治療も可能となる。
【0047】
以下の図および実施例により、本発明はその幾つかの有利な実施態様において詳説されるはずである。
【0048】
図
図1は、気管内チューブ(2)により患者(4)と接続されている常用の呼吸機器(1)とエアロゾルガス発生器(3)とからなる、本発明による装置を示す。呼吸機器には2本のチューブ(5、6)が接続されており、これらのチューブを通じて呼吸ガスは流動できる。この場合、ガスは、チューブ(5)を通じて常に患者の方向へと流動し(吸気)、もう1方のチューブ(6)を通じて常に患者から流出する(呼気)。この2本のチューブ(5、6)はY形部分(7)で合流し、例えばチューブコネクタ(8)を通じて気管内チューブに接続されている。Pで示されたチューブ領域は、吸気段階および呼気段階でガスを導く領域である。エアロゾルガス発生器は、エアロゾルが、呼気段階のみならず吸気段階でもガスを導く領域P内(ここでは特に気管内チューブの終端部)で形成されるように配置されている。
【0049】
図2は、気管内チューブ(22)内に導入されているTrudell-カテーテル(9)を示す。ここでは、エアロゾル(10)は患者の体内のカテーテルの先端部において初めて形成される。
【0050】
図3は、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしての動脈の酸素分圧(PaO2)を示す。
【0051】
図4は、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしてのPaO2を示す。
【0052】
図5は、ターミナル(terminal)動的コンプライアンスおよび肺過膨張を測定するためのmean ± SEMとしてのターミナルコンプライアンスC20/cを示す。高いC20/c−値は高いターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張の低減を示す。これは、エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後に得られたものである。
【0053】
この装置を用いることにより、5〜20μmの粒径範囲が達成され得た。
【実施例】
【0054】
実施例1
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた呼吸によるガス交換および肺機序の持続的改善
酸素化、換気および肺の機序に対するエアロゾル化されたペルフルオロカーボンの影響を、続発性ARDSを有する、サーファクタントが除去された子ブタで試験した。現在、エアロゾル化されたPFCの適用について記載された刊行物は公知でない。FC77(下記参照)、ペルフルオロオクチルブロミド(C8F17Br)、FC43およびペルフルオロデカリンを用いた治療に効果が見られた(結果は示されていない)。
【0055】
材料および方法
この研究は当該の動物保護当局から認証を受けたものである。3.5〜4.3kgの体重を有する最高で生後10日の新生子ブタ20体を、試験のために直接選定した。筋肉内におけるアザペロン(1mg/kgKG)およびドルミクム(Dormicum)(登録商標)(ミダゾラム0.5mg/kgKG)を用いた鎮静化の際、末梢の静脈留置カニューレを穿刺した。ケタネスト(Ketanest) S(登録商標)(ケタミン)5mg/kg、ドルミクム(Dormicum)(登録商標)1.0mg/kgおよびフェンタニル2.5μg/kgのボーラス注入により麻酔を開始し、次いでミダゾラム1.5mg/kg/h、フェンタニル0.01mg/kg/hおよびケタミンS15mg/kg/hの持続注入を行った。動物の気管切開を行い、気管内チューブ(マリンクロット(Mallinckrodt)(登録商標)、内径4.0mm)を、この気管内チューブの遠心端を用いて気管分岐部の3.5cm上方に配置した。
【0056】
気管内圧を、5Chカテーテルにより分岐部の10mm上方で測定した。双方の状況を硬性気管支鏡を用いて検査した。気管内チューブを挿入した後、機械的な呼吸を開始させた。動物をノルキュロン(Norcuron)(登録商標)(ベクロニウム)0.2mg/kgKGで弛緩させ、次いでベクロニウム0.2mg/kgKG/hの持続注入を行った。付加的に、5μg/kgKGの連続投与量のフェンタニルを静脈内に注入した。4.5Chロック部(Schleuse)(Cook,ドイツ)を手術により右内頚静脈中に留置した。これを通じて、4Ch熱希釈カテーテル(Arrow, Erding, ドイツ)を、肺動脈圧および心臓時間容積(Herzzeitvolumen)の測定のために挿入した。右大腿動脈中に、20ゲージカニューレ(Arrow)を手術により挿入し、Paratrend-7蛍光センサを血液ガスのオンライン測定のために挿入した。動脈血液ガス分析を、治療の間は15分間隔で、観察段階においては30分間隔で実施した。(ABL 330, Radiometer Copenhagen, デンマーク)。呼吸容量を熱線流速計(MIM GmbH, Krugzell)で測定し、新生児呼吸モニタFlorian(登録商標)NRM-200(MIM)で表示させた。肺過膨張を判定するために、C20/c(20%ターミナル動的コンプライアンス/動的コンプライアンス)(18)を測定した。通常の人工呼吸(間欠的強制換気、IMV)を、新生児用呼吸機器インファントスター(Infant Star)950(Mallinckrodt, Hennef, ドイツ)を用いて実施した。呼吸ガスを39℃に加熱し、湿潤させた(MR 700, Fischer & Paykel, Welzheim, ドイツ)。呼吸数は50呼吸/分であり、ピーク圧 (PIP)を32cmH2Oに、かつ陽性呼気終圧(PEEP)を8cmH2Oに調節した。
【0057】
その都度30ml/kgの洗浄体積の生理食塩水(0.9%)を用いて気管支肺胞洗浄を繰り返し行うことにより、肺不全を誘発した。十分な肺の損傷のための有効な基準として、1時間に亘る80mmHg未満のPaO2が必要であった。肺不全を完全に誘発した後に、動物を後続の治療群へと無作為化(randomisieren)した:
1.エアロゾル−PFC、2.FRC−PLV、3.低容量(LV)−PLV、4.制御(IMV)。群の比較可能性を確実にするため、呼吸調節は変更しなかった。エアロゾル−PFCは、エアロゾルカテーテル(酸素ジェットエアロゾル発生器、Trudell Medical Inc.TM, トロント、カナダ)(粒径5〜8μm)を通じて、FC77(登録商標)(C8F18およびC8F16O、密度1.78g/cm3、3M、Neuss, ドイツ)(20、31)10ml/kg/hを維持した。カテーテルは束ねられた毛管状物から成り、この毛管状物はガスおよび液体をカテーテルの先端部にまで導き、そこで収斂された流れによりエアロゾルを形成する。酸素0.05リットル/分のガス流を用いることにより最も効果的な噴霧が達成され得た。LV−PLV群は、気管内で液体形のFC77(登録商標)10ml/kg/hを維持した。FRC−PLV群の肺を、FC77(登録商標)30ml/kgで30分の期間に亘って充填し、次いで、蒸発損失を補填するために20ml/kg/分を補充投与した。制御群において、IMVにより人工呼吸を行った。2時間後、特別な呼吸を終了し、6時間に亘りIMV−呼吸下で制御した。
【0058】
データ分析および統計値:mean±SEMとしての値。データにガウス分布が存在するか否かを調べた後、two-way ANOVAを用いて、群の間の有効な差異の存在を調べた。有効な差異が存在する場合、Bonferroni post-hoc試験を付加的に適用した。0.05未満のp−値を有効として評価した。
【0059】
結果
動脈酸素分圧(PaO2):
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療により、未治療の制御群と比較してPaO2は明らかに上昇した(p<0.001)。PaO2の上昇は、エアロゾル−PFCで治療された動物の場合、FRC−PLV群の場合よりも平面的である(図3)。PFC−治療の終了後、エアロゾル−PFC群においてはPaO2の持続的な上昇が見られたが、しかしながらFRC−PLV群においてはこの上昇は見られなかった。治療の終了後6時間が経過した後、エアロゾル−PFCで治療された子ブタは、他の全ての群よりも明らかに高いPaO2値を有していた(p<0.01):エアロゾル−PFC:406.4±26.9mmHg、FRC−PLV:217.3±50.5mmHg、LV−PLV:96.3±18.9mmHg、制御群:67.6±8.4mmHg;p<0.001。
【0060】
酸素化指標:
酸素化指標(OI)を以下の式により算出した:
([MAP(cmH2O)xFiO2/PaO2(mmHg)]x100)(16)
OIは、平均気道圧(MAP)および吸息酸素濃度(FiO2)が高められた場合に上昇し、PaO2の上昇と共に低下する。PaO2の上昇と反比例して、29.9±3.4のOIはエアロゾル−PFC治療の初めの30分間で17.1±3.8に低下した。初めの30分間でのOIの低下はFRC−PLV群において明らかにより迅速であり強力ではあったが(31.3±1.5から5.1±0.6)しかしながら2時間の治療後、エアロゾル−PFCおよびFRC−PLVの双方の群のOIは、LV−PLVおよび制御群のOIよりも明らかに低かった(p<0.001)。エアロゾル−PFC治療によるOIの上昇は、制御群と比較して治療の終了後6時間不変であった(p<0.001)。それに対してFRC−PLV群の場合、PFCの滴注終了後にOIの急速な悪化を示し、その際、OIは15分間以内に7.7±2.5から21.2±13.3の上昇を示した(第1表)。
【0061】
二酸化炭素除去:
治療開始の60分後に、エアロゾル−PFC治療は、制御群の動物(p<0.01)およびLV−PLVで治療した動物(p<0.01)よりも明らかに低いPaCO2値を示した(図4)。この効果は、エアロゾル治療の終了後6時間に亘り持続した(p<0.01)。FRC−PLVでの治療30分後に、この群のPaCO2は、制御群およびLV−PLV群のPaCO2よりも明らかに低かった(p<0.01)。ペルフルオロカーボン治療の開始後8時間において、エアロゾル−PFC群のPaCO2とFRC−PLV群のPaCO2には統計的に有効でない差が存在するに過ぎなかった(24.2±1.7mmHg対35.9±2.8mmHg)。エアロゾル−PFC群において最も低いPaCO2を測定した:24.2±1.7mmHg、FRC−PLV:35.9±2.8mmHg、LV−PLV:56.7±12.4mmHg、制御群:60.6±5.1mmHg;p<0.01。
【0062】
換気効率指標:
換気を、使用された呼吸パラメータの関数として記載するために、”換気効率指標”(VEI)を算出した:
(3800/(PIP−PEEP(cmH2O))x呼吸数(cpm)xPaCO2)(17)
エアロゾル−PFCで治療した群におけるVEIは、治療開始60分後には、制御群よりも明らかに高かった(0.116±0.011対0.071±0.011;p<0.05)。換気効率指標の迅速な上昇を、FRC−PLV群において観察した。30分後、FRC−PLV群におけるVEIは制御群のVEIよりも明らかに高かった(0.099±0.011対0.071±0.011;p<0.05)。PFC−導入の終了後、FRC−PLV群のVEIは、治療の開始の前の出発レベルの値に低下したが、エアロゾル−PFC群のVEIは治療の開始の前の出発レベルの値に低下しなかった(第1表)。
【0063】
肺機能:
エアロゾル−PFC群およびFRC−PLV群の動的コンプライアンスは15分間以内に改善された。High C20/c値は高いターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張の低下を示す(17)。エアロゾル−PFC治療の120分後、C20/cは明らかに(p<0.01)制御群およびLV−PLV群よりも高かった(図5)。FRC−PLV群は2時間の治療後に、制御群およびLV−PLV群より明らかに高いC20/c値を有していたが(p<0.001)、このプラスの効果は治療直後に失われた。後続の観察期間において、制御群に対する有効な差はもはや存在しなかった。これに対して、エアロゾル−PFC群の後治療におけるC20/cの持続的な上昇は、制御群およびLV−PLV群で測定された値の約二倍の値であり(p<0.01)、エアロゾル−PFC群のC20/c値は、FRC−PLV群よりも明らかに高かった(p<0.001)。ターミナルコンプライアンス、C20/cはエアロゾル−PFC群において最も高かった。p<0.001。
【0064】
循環パラメータ:
心臓時間容積、中心静脈圧および体温に関して、群の間に有効な差異は存在しなかった。
【0065】
安全性測定:
エアリークの不在および熱希釈カテーテルの位置を、レントゲン透視により制御した。気管内圧は全ての群において同じであった。観察段階の間、LV−PLV群の動物は気胸症を発症した。
【0066】
エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療により、肺のガス交換および肺機序が部分的液体呼吸と同様に強力に改善され、効果はより長く持続した。
【0067】
呼吸外傷性炎症反応の存在に関する肺プローブの試験により、エアロゾル−PFCおよびFRC−PLVでの呼吸は、LV−PLVでの呼吸または慣用の呼吸よりも明らかに低いインターロイキン1βおよびインターロイキン8遺伝子発現を導くことが示された(K. von der Hardt. M. Kandlerら、刊行物として提示されたもの)。圧力の誘発された肺胞の過膨張なしに肺のガス交換を改善することが原因であろう。低下された剪断力を伴う低下された圧外傷および量外傷はARDSの炎症カスケードの低下を導き、これにより、永続する疾患プロセスが回避される(26、27、28、29、30)。
【0068】
総括的に言えば、上記試験は、エアロゾル化されたペルフルオロカーボンを用いた治療が、呼吸のための、新規で効果的であり、安全で容易に取り扱い可能なペルフルオロカーボン適用法であることを示す。
【0069】
【表1】
【0070】
刊行物:
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明による装置を示す概略図。
【0076】
【図2】気管内チューブ(22)内に導入されているTrudell-カテーテル(9)を示す概略図。
【0077】
【図3】エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしての動脈の酸素分圧(PaO2)を示す図。
【0078】
【図4】エアロゾル−PFC、FRC−PLV、LV−PLV、制御における治療の際の、およびサーファクタントが除去された新生子ブタにおける治療後の観察段階の際の、肺不全の誘発の前および後のmean ± SEMとしてのPaO2を示す図。
【0079】
【図5】ターミナル動的コンプライアンスおよび肺過膨張を測定するためのmean ± SEMとしてのターミナルコンプライアンスC20/cを示す図。
【符号の説明】
【0080】
1 呼吸機器
2 気管内チューブ
3 エアロゾルガス発生器
4 患者
5 チューブ
6 チューブ
7 Y形部分
8 チューブコネクタ
9 Trudell-カテーテル
10 エアロゾル
22 気管内チューブ
Claims (14)
- ペルフルオロカーボンを肺に導入することによる患者の呼吸装置であって、該装置が呼吸機器、エアロゾル発生器およびチューブ系を有しており、該チューブ系はチューブ領域を有しており、該チューブ領域は、複数のチューブを結合し、患者と接触し、吸気段階および呼気段階でガスを導き、かつ気管内チューブを含んでいる、ペルフルオロカーボンを肺に導入することによる患者の呼吸装置において、エアロゾル発生器が、患者の体内の、吸気段階および呼気段階でガスを導くチューブ領域内かまたはその遠位に配置されていることを特徴とする呼吸装置。
- エアロゾル発生器が、患者の体内の、気管内チューブ内かまたはその遠位に配置されている、請求項1記載の装置。
- 気管内チューブの壁部に、チューブの内壁および/または外壁への開口部を有する空所が配置されており、エアロゾルはこの開口部で形成される、請求項1または2記載の装置。
- エアロゾル発生器がカテーテルを有する、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
- エアロゾル発生器が、ノズル噴霧、遠心力による噴霧、濃縮、蒸発、噴射ガス、分散または超音波によるエアロゾル形成に適当である、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
- 患者の呼吸に適当なペルフルオロカーボンのエアロゾルを製造するための、呼吸装置と組み合わせたエアロゾル発生器の使用。
- ペルフルオロカーボンに医薬品を混合する、請求項6記載の使用。
- 患者の人工呼吸のための、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用。
- ARDSまたはRDSの治療のための、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用。
- 肺形成不全の治療のための、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用。
- 肺炎の治療のための、エアロゾルの形のペルフルオロカーボンの使用。
- ペルフルオロカーボンを医薬品と組み合わせて使用する、請求項8から11までのいずれか1項記載の使用。
- ペルフルオロカーボンを肺に導入することによる患者の人工呼吸法において、吸気段階および呼気段階でガスを導き、気管内チューブを含み、かつ患者と接触しているチューブ領域内でペルフルオロカーボンをエアロゾル形にし、肺に導入することを特徴とする人工呼吸法。
- ペルフルオロカーボンに医薬品を混合する、請求項13記載の方法。
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