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JP2004510445A - 酪農製品 - Google Patents

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JP2004510445A
JP2004510445A JP2002533663A JP2002533663A JP2004510445A JP 2004510445 A JP2004510445 A JP 2004510445A JP 2002533663 A JP2002533663 A JP 2002533663A JP 2002533663 A JP2002533663 A JP 2002533663A JP 2004510445 A JP2004510445 A JP 2004510445A
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cmp
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cheese
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JP2002533663A
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マッカーシー,アンソニー
マクドノウ,エリザベス,セシリア
オコナー,ジョン,アンソニー
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ビーオーピーエー・アイルランド・リミテッド
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Abstract

乳製品タンパク質を含む酪農製品であって、当該製品は少なくとも半固形で、0.15重量%以上のカゼインマクロペプチド(CMP)を含む。CMP:ホエータンパク質の質量比は1:4.9以上である。この製品はナチュラルチーズかプロセスチーズであり得る。所望の製品を得るためには、天然カゼイン分離タンパク質(NCI)源を水分及び脂肪源と組合せて凝固させる。

Description

【0001】
(序論)
本発明は、酪農製品に関するものである。
【0002】
ミルクからのチーズの製造は、伝統的にはレンネット酵素を用いてミルクを凝固させることによって行われる。凝固物はホエー(乳清)を搾り出して収縮し、カード(凝乳)になる傾向をもつ。次にカードからのホエーの除去が行われる。カードは、いくつかの異なる方法で行われ得る処理をされて、最終産物のチーズになる。カゼインマクロペプチド(CMP)は、レンネットのκ−カゼインに対する作用の結果、カゼインタンパク質から切り出され、通常このCMPの約90%はホエーとともに除去される。従って、伝統的なチーズは、ミネラルとタンパク質が豊富な優れた栄養源であるが、ホエータンパク質だけでなくCMPも少量しか含まれていない。
【0003】
CMPは、治療的な面で有益であることが知られている。多くの研究者がCMPは消化器系の調節において有意な生物活性を有していることを報告している(Stanら(1983) Fiziol Zh SSSR 69, 855−859)。また、研究(OtaniらMilchwissenschaft 47 (8) 1992)により、CMPが有糸分裂生起を阻害し得ること、及びこれが食物抗原に対するアトピー反応を防止するのを助けるべく免疫系を調節し得ることも分かった。CMPは、ビフィズス菌(体によい物質(probiotic))を増やす(bifidogenic)特性を有することもわかった(Azumaら(1984) Agric. Biol. Chem., 48 (8), 2159−2164)。加えて、CMPはコレラ毒素に対して抑制効果を有することも分かっており(Kawasakiら(1992) Biosci. Biotech. Biochem., 56, 195−198)、また全てのインフルエンザウイルス株を阻害することが立証されている(Kawasakiら(1993) Biosci. Biotech. Biochem., 57, 1214−1215)。CMPの特性及び可能な用途については、Int. Dairy Journal 6, 327−341におけるAbd El−Salarnら(1996)において検討されている。
【0004】
CMPは異種タンパク質の群である。CMPはκ−カゼインの全ての遺伝的変異体及び翻訳後修飾を含む(YvonらReprod Nutr Dev (1994) 527−537)。この結果、CMPは2種のアミノ酸配列(変異体タイプA及びB)を有し得、これらはリン酸化の程度が異なっており、また最も顕著な相違点として糖鎖部分の量、位置、及び種類の幅が異なっている。最も多くを占める糖はシアル酸である。κ−カゼインは、遺伝的変異体の種類にもよるが14〜15個のスレオニン残基を有する、アミノ酸スレオニンの豊富な源である。しかし、κ−カゼインの約80%はCMPタンパク質に存在している。CMPは約7000KDaの分子量を有し、従って小型のタンパク質に近いものと考えることができる。糖鎖結合の程度のためにCMPは、その分子量が本来有するより非常に大きい流体力学的体積を有し、従って限外濾過膜によって捕捉される。カゼインマクロペプチドには様々な呼び名があり、例えばカゼイン マクロペプチド、カゼインマクロペプチド、カゼイン由来ペプチド、カゼイングリコペプチドと称され、時には誤ってグリコマクロペプチドなどとも呼ばれている。CMPが含む糖質部分の量はさまざまである。しかし、CMPの小部分は糖質部分をほとんど含まないか全く含まないことがあり、従ってそれは部分的にはグリコマクロペプチドではないということになる。しかし、グリコマクロペプチド或いはGMPは、CMPの主たる構成要素(50〜75%)である。糖質部分によって、GMPが12%トリクロロ酸溶液に溶解し得ることになる。多くの分析的測定技術では、トリクロロ酸溶液を用いて少なくとも糖鎖結合していないCMPの部分を取り除く前処理を行う。例えば、The Official Journal of the European Communities(L228/10 Annex IV)に公開された方法がそうである。これを詳しく述べると、酪農製品におけるGMPを測定するHPLC法であって、サンプルに存在するチーズホエーのレベルを計算するためにGMPの量を利用するものである。特定されたGMP分に対して、対応するCMPの量は1.33〜2倍大きい量であることが推定され得る。CMPの異種性ために、測定には困難が伴う。しかし、さまざまな適切な方法論が存在する。例えば、Lenilら(Journal of Dairy Research (1991), 58, 321−328)の方法では、イオン交換クロマトグラフィを用いてTCA処理の必要をなくし、GMPの量でなくCMPの量をそのものを測定する。チーズにおけるCMPの量を決定するための間接的な方法では、シアル酸のレベルまたはスレオニンのレベルを測定する。
【0005】
CMPホエータンパク質と比較して、特にβ−ラクトグロブリン(BLg)及びα−ラクトアルブミン(ALa)はミルクアレルギー誘発物質として知られている(Internet Symposium on Food Allergens 2(l):9−74 (2000) http:/www.food−allergens.de)。また、チーズにおけるホエータンパク質の存在は、特にモッツァレラチーズにおいてその機能に悪影響を及ぼす。
【0006】
FaquantらTechnique Laitiere & Marketing 1988 No. 1028, 21−23には、精密濾過を用いてカゼインタンパク質からホエータンパク質を分離することが記載されている。
【0007】
EP−A−0 542 583には、精密濾過を用いて水溶性のホエー即ち乳清タンパク質を取り除き、その後乳清を取り除いた(deserumproteinised)材料に加熱処理を施して、変質してチーズになるのに適すると言われる酪農材料を作製するプロセスが記載されている。このプロセスは、ホエー分離ステップにおいて、チーズミルクの体積の約80%を取り除き、従ってCMPの80%も取り除かれる。この結果、最終製品のチーズにおいては、伝統的なチーズと比較して最大2倍のCMPが存在することになるが、製造者は保持されたホエーの処理/処分のコストを依然として負うことになる。
【0008】
PCT/NZ95/00086には、ホエータンパク質を除去した乳タンパク質濃縮物(wpdMPC)の製造プロセス、及び酪農製品の製造におけるwpdMPC製品の用途について記載されている。
【0009】
US−A−5 378 478には、脱脂乳の限外濾過及び蒸発によりチーズ製造のための乳タンパク質濃縮物を製造することが記載されている。CMP成分と全てのホエータンパク質が保持される。
【0010】
EP−A−0 435 573には、Dorr Oliver限外濾過保持液を用いた脱脂チーズの製造方法が記載されている。得られる製品には、通常ミルクに存在する全てのCMP及び全てのホエータンパク質を保持している。
【0011】
別の方法では、生乳製品からホエータンパク質またはCMPを除去即ち単離する。そして、ホエータンパク質またはCMPを最終産物に再導入する。しかし、このようなプロセスでは、追加の処理過程が含まれることになり、またホエータンパク質の多くが依然として存在することになる。
【0012】
WO−A−00/49885には、骨や歯の障害を処置するための乳タンパク質水解物の利用について記載されている。電気透析、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、蒸発、噴霧乾燥、限外濾過、及び凍結乾燥の組合せによって、カゼイングリコマクロペプチド(CGMP)をスイートホエーから抽出する。CGMPは、食品または液体の腸溶性成分にCMPを多く含ませるために用いられる。発酵させたゲル状の乳製品はCMPを豊富に含むが、ホエータンパク質のレベルも依然として高い。
【0013】
WO−A−94/15952には、κ−カゼイン、グリコマクロペプチドまたはCMPの製造方法が記載されている。CMPは第一のステップとしてレンネットホエーによってカゼインから除去される。乳糖及びミネラルの一部を限外濾過によってホエーから除去し、ホエータンパク質濃縮物(WPC)を作り出す。次に、主なホエータンパク質をタンパク質の熱変性及び沈殿のプロセスによってWPCから除去し、溶液中にCMP及びいくらかの非タンパク質窒素を残すようにする。次にその上清を過剰濾過、噴霧乾燥によってさらに濃縮し、その後タンパク質のない食物製品に組み入れる。
【0014】
US−A−4, 919, 943には、ホエータンパク質を一旦取り除くが、後にそのホエータンパク質を最終産物に再導入するプロセスが記載されている。これによってホエータンパク質に関する機能上の問題が解決されるが、そのホエータンパク質は最終産物に依然として存在し、アレルギーの問題の生ずる可能性を残す。また処理のコストも高くなる。
【0015】
従って、CMPを豊富に含むとともに、アレルギー誘発性を低減させ、機能を高めた乳タンパク質を含む酪農製品の必要性が存在する。また、そのような製品を商業的工場の規模で製造する方法の必要性も存在する。
【0016】
(発明の概要)
本発明によれば、乳タンパク質を含む酪農製品であって、前記製品が少なくとも半固形で、0.15重量%以上のカゼインマクロペプチド(CMP)を含み、かつCMP:ホエータンパク質の質量比が1:4.9以上であることを特徴とする酪農製品が提供される。明確化のため説明すると、本明細書においては、例えば1:2の比率は1:4の比率よりも大きいものである。従って、比率が大きくなるほど、ホエータンパク質のレベルが小さくなる。
【0017】
本明細書においては、「少なくとも半固形の」とは、特に下記のよに測定された耐変形力が最大450g以上であるチーズを指す。
【0018】
初めに、このチーズは16mm立方に切断され、食品用ラップで包まれて、5℃のインキュベータに2時間置かれる。Stable Micro Systems TA.XT2iテクスチャーアナライザ(texture analyser)を、
Pre−test speed: 0.4 mm/s
Test speed: 0.4 mm/s
Post−test speed: 0.4 mm/s
Distance: 11.2 mm (70% compression)
Trigger type: auto−20g
Time: 5 secs
Data acquisition rate: 50 pps
という設定で、TPAモードで用いる。
プローブの種類:5kgロードセルを備えた35mmシリンダとする。
試験セットアップ:サンプルをシリンダの下の中央に配置し、テストを開始する。全テストの間に読み出され記録された最大力を選択することによって最大耐変形力(peak force)を決定する。
【0019】
多くの食品の用途のために、例えばサンドウィッチやピザ用として固形または半固形の食品を有することは有益である。耐変形最大力が450g未満のチーズをスライスまたは薄片におろすことは非常に困難である。しかし、一般的にチーズはスライス及び薄片におろすためにはより硬いものである必要がある。本発明のチーズは、最終産物のテクスチャーが非常に幅広くなるように作られる。
【0020】
また本発明は、カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含み、CMP:ホエータンパク質の比が非常に大きく、かつI.D.F. 4: 1985の方法で測定した全固形分が50重量%以上となるような、少なくとも半固形の酪農製品を提供する。
【0021】
別の形態では、本発明は、カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含み、かつI.D.F. 4: 1985の方法で測定した全固形分が42重量%以上となるような、少なくとも半固形の酪農製品を提供する。
【0022】
別の形態では、本発明は、カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含む少なくとも半固形の酪農製品を提供し、前記製品は、製造時に、B.S. 770 1963の方法で測定したとき1.0%以上、好ましくは1.5%以上の塩化ナトリウム分を含む。本明細書においては、ホエーを除去する必要がなく、その結果その塩は製品中に残ることになるので、「製造時に」とは、その塩が液体混合物に混合されて、チーズミルクに直接影響を及ぼすことを意味する。従って、その塩は液体混合物がチーズになる時点、即ちレンネット添加による凝固の時点で同じ比率で存在することになる。従って、例えばチーズを粉砕して加塩したり、或いはチーズを塩水に漬けたり、乾燥塩をチーズ表面にこすりつけたりするような、後のチーズを処理する過程が不要となることになる。
【0023】
更に別の形態では、本発明は、本発明は、カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含み、かつ生物学的な機能を有する添加物を含む少なくとも半固形の酪農製品を提供する。好ましくは、その生物学的な機能を有する添加物は、少なくとも消費者において望ましい生物学的効果をつくりだすのに十分な量存在する。正確な必要量は、消費されるチーズの量及び添加物の性質に応じて大幅に異なる。法律の規制を破ることは望まないが、本発明の製品が含み得る量は、添加物の性質にもよるが、最終製品で25%以上の添加物を有し得る。
【0024】
本発明の好ましい実施態様では、製品はCMP:ホエータンパク質の質量比が1:4.5、好ましくは1:4.0、最も好ましくは1:3.5、理想的には1:3以上の数値を有する。ホエータンパク質のレベルが低くなっているため、ALA及びBLgホエータンパク質に対するアレルギー反応を有する人にとって、最終製品のアレルギー誘発性は低くなっている。更に、ホエータンパク質が少ないことからテクスチャー、風味、溶解性、伸び性等のチーズの機能上の特性が改善される。ALa及びBLgタンパク質がアレルギー誘発物質であり、CMPがアレルギー反応を抑えるのを助けることから、CMP:ホエータンパク質の比が大きいことは特に有益である。
【0025】
或る実施態様では、製品は、CMPを0.25重量%以上、好ましくは0.35重量%以上、より好ましくは0.45重量%以上、さらに好ましくは0.55重量%以上、最も好ましくは0.75重量%以上含む。
【0026】
特に好ましい実施態様では、CMPレベルは、チーズの0.85重量%超、最も好ましくは0.95重量%超である。
【0027】
CMPレベルを高めることの利益は、ホエーを取り除く量を減らし、最終的には全くホエーを取り除かないようにすることによって達成される。処分すべきホエーの量が少ないことから、処分のコストが低減し、究極的にはゼロになる。得られるチーズはCMPレベルが高められており、ホエータンパク質が実質的に無くなり、またCMPの生物活性のために消費者にとって非常に有益なものとなる。
【0028】
基本的に、ホエーの生じないチーズ製造の他の利点は、プロセスの間に加えられる塩がホエーのなかに失われるために必要となる加塩や塩水漬けや乾燥塩のこすりつけのような処理が不要となる点である。更に、例えば一定のビタミンやフルクトオリゴ糖等の体に良い物質(prebiotics)のような物理的及び生物学的機能を有する水溶性の栄養素や成分を、ホエーのなかに失わせたり、汚染させることなくチーズに組み入れることができる。
【0029】
また、このプロセスは、健康促進特性または他の技術的または商業的な利益を有する不溶性成分、例えば繊維、脂質、及び油溶性成分を組み入れることも可能にする。伝統的なチーズ製造ではホエー分離プロセスによって、これらの成分の多くがホエーのなかに失われることになる。
【0030】
本発明の製品は、2.5重量%未満、好ましくは1.75重量%未満、最も好ましくは1.4重量%未満、理想的には1.25重量%未満のホエータンパク質を含む。
【0031】
本製品は、プロセスチーズ製品またはナチュラルチーズ製品であり得る。プロセスチーズ製品は乳化用の塩を含み、ナチュラルチーズ製品はそのような塩は含まない。
【0032】
別の形態では、本発明は、少なくとも半固形の酪農製品の製造方法であって、
(i)必要に応じて加熱及び混合による補助を加えながら、(a)製品の7〜85重量%がNCIタンパク質となるような量の天然カゼイン単離物(NCI)タンパク質源と、(b)製品の10〜85重量%が水分となるような量の水分源と、(c)製品の0.1〜60重量%が脂肪となるような量の脂肪源と、(d)pHを約6.5〜5.0に低下させるための、外部的に添加されたものか、または混合物に対する培養液の作用によって内部的に生成された商品用の酸とを混合する過程と、
(ii)このように形成された混合物を、室温またはそれ以下の温度で前記混合物を少なくとも半固形製品に変換するために十分な程度に、レンネット酵素のような凝固剤の作用にさらす過程とを含む方法を提供する。
【0033】
これによって、消費に適した低レベルで高レベルのCMPという利点を有する半固形製品が得られる。
【0034】
本明細書において、用語「NCI」即ち天然カゼイン塩は、全カゼインから乳清タンパク質を除去することによって作られる製品を指す。全カゼインは、酵素によってパラカゼインに加水分解されていないカゼインを指す。しかし、本発明の製品を作り出すためには任意の全カゼインを用いることができる。本発明には全カゼインの理想的な源、NCIについて詳細に説明されている。しかし、この説明は限定を意図したものと解してはならない。他の適切な全カゼインの源としては、カゼイン塩、例えばカゼインカルシウム、またはカゼインカルシウムナトリウム等が挙げられる。さまざまな塩と結合されたこれらの製品が、どのように操作されて様々な最終製品のテクスチャー及び物理的機能を生じ得るかを当業者は即座に理解されよう。
【0035】
少なくとも半固形の酪農製品を作り出すために用いられるこのプロセスでは、カゼインからCMPを遊離させるためにレンネット酵素を使用し、このようにして液体材料がより扱いやすい固形または半固形に変換される。
【0036】
好ましくは、NCIの量は、最終製品の7〜60重量%がNCIタンパク質となるような量である。最も好ましくは、NCIの量は、最終製品の15〜30重量%がNCIタンパク質となるような量である。この製品はNCIタンパク質成分を85%有することから、乾燥状態または半乾燥状態で消費され得るが、より有用な製品はより低いタンパク質レベルで得られる。タンパク質レベルが高くなると製品の硬さが増し、消費者にとって扱いにくいものとなり得る。タンパク質がより低い範囲で存在するとき、特に20〜25%のタンパク質範囲にあるときには半固形の製品が作り出され、これは成形、スライス、賽の目に切断すること、及び薄片におろすことができ、容易に消費することができる。
【0037】
或る実施態様では、水分の量が、製品の20〜76重量%が水分となるような量である。理想的には、水分の量は、製品の30〜60重量%が水分となるような量である。最も好ましくは、水分の量が、製品の40〜58重量%が水分となるような量である。
【0038】
水分の範囲が低くなると、微生物安定性が改善されるが、人の感覚的な面の特性はやや低下した製品が得られることになる。水分範囲が高くなると、製品の微生物安定性は低下し、また用途全体からみてやや柔らかすぎるものとなり得る。水分は中間的な範囲にすることで、良好な微生物安定性と改善された感覚的な面の特性とを有し、更に低レベルのホエータンパク質と高レベルのCMPの利益を維持している、非常に有用な製品が得られる。
【0039】
更に別の実施態様では、脂肪の量が、製品の0.1〜50重量%が脂肪となるような量である。理想的には、脂肪の量は、製品の5〜40重量%が脂肪となるような量である。最も好ましくは、脂肪の量は、製品の10〜35重量%が脂肪となるような量である。
【0040】
脂肪のレベルが低下すると、得られる製品の感覚的な面の特性は低下し得るが、脂肪のレベルが高くなると、得られる製品において、栄養学的に有益なミネラルを脂肪がとって代わることになり、栄養面で劣ったものとなる。
【0041】
好ましくは、レンネット添加時の温度が30〜65℃の範囲である。最も好ましくは、レンネット添加時の温度は約50℃である。この高い温度によって、混合段階においてより高い固形分を用いることが可能にある。
【0042】
或る形態では、混合物は、
前記混合物を低温殺菌する過程と、
低温殺菌された混合物を冷却する過程と、
前記混合物をレンネット酵素の作用にさらす過程の前か後に、前記混合物に酸生成培養液の接種または酸性化処理を施す過程とによって半固形製品に変換される。
【0043】
別の形態では、混合物は、
酸性化する過程の前か後に、前記混合物をレンネット酵素の作用にさらす過程と、
そのように形成された産物を低温低温殺菌、包装、及び冷却する過程とによって半固形製品に変換される。
【0044】
酸性化は、食品用の酸、例えば乳酸、クエン酸、リン酸等を用いて直接酸性化するか、または酸生成培養液を接種し、一定時間かけて発酵させることによって達成され得る。
【0045】
製品を酸性化することの利益は、製品の風味及び微生物安定性を改善し、酵素の凝固活性を高められることである。pH範囲の最高値では、凝固活性が低下し処理時間が長くなる。加えて、保存時安定性が低下し風味は十分に酸味を含まないものとなり得る。pH範囲の最低値では、保存時安定性は良好となるが、(加熱処理が必要な場合)加熱処理時のタンパク質の安定性が低下する。また、風味は酸味がやや強すぎるものとなる。
【0046】
NCIを少なくとも部分的に酸性化でき、それにより上述の従来のプロセスにおける酸性化の必要性が軽減または無くなることは当業者であれば即座に理解されよう。またこの酸性化処理は、最終製品のチーズにさまざまなテクスチャーや溶解特性を与えるためのNCIの脱塩を助ける。
【0047】
本発明は、添付の図面とともに、単なる例示として提示された以下の発明の説明を参照することで、より明確に理解されよう。
【0048】
(詳細な説明)
本発明は、少なくとも半固形の酪農製品の製造方法を提供するものであり、既存の技術を越えた多くの独特で有用な利点を有する。本発明は、CMP:全ホエータンパク質の質量比が大幅に変えられた、商品となり得る半固形の酪農製品を提供する。CMPは食品内で生成され、最小限の処理によってその食品内に保持される。さらに本発明は、ホエーを生じさせないチーズの製造方法を提供する。
【0049】
ホエータンパク質は異種のタンパク質の群であって、さまざまな技術によって測定される。ホエータンパク質には、乳清タンパク質、アルブミン、及び可溶性タンパク質等のさまざまな呼び名がある。チーズホエーにおける主なタンパク質の一般的な配分は、β−ラクトグロブリン45%、α−ラクトアルブミン18%、血清アルブミン、免疫グロブリン及びリポタンパク質がそれぞれ5%、酵素が約2%、及び重要なものとして、CMPが15〜20%である(Marshall S. C. Food Res. Quar. 1991, 51, p81)。
【0050】
本明細書において、ホエータンパク質は典型的なチーズホエーのタンパク質を含む。しかし、本明細書はCMP:ホエータンパク質の比が変えられ得ることを開示している。本明細書においては、用語「ホエータンパク質」は、通常存在する超えた量のCMPまでは含まない。ホエータンパク質濃度を測定するためのより基本的な技術のいくつかはこのタンパク質分の溶解度に依存したものであり、即ち決まった条件下での窒素溶解度がホエータンパク質濃度の測定手段と考えられている。しかし、熟成したチーズにおいては、カゼインタンパク質は加水分解されて一般に分子量が1000未満の可溶性ペプチドを放出し得る。これによって可溶性窒素分は増加するが、上記の定義のようなホエータンパク質は増加しないので、上記の測定基準は適切な基準となり得ないことになる。チーズの熟成期間中の変性したホエータンパク質の運命については争いがあったが、変性しないホエータンパク質であるα−ラクトアルブミン及びβ−ラクトグロブリンは、チーズの熟成期間中の加水分解に対する耐性を有するというということで意見の一致をみている。従って、これらはHPLCによって測定することが可能である。一般的には、β−ラクトグロブリンのような主要なタンパク質を測定し、対照との比較によって、或いはβ−ラクトグロブリンが全ホエータンパク質の45%を含むという仮定に基づいて全タンパク質の量を計算する。或いは、一般的ではないが、α−ラクトアルブミン成分を測定し、0.18で除することよって全ホエータンパク質を計算することも可能である。本明細書は、ここで説明する技術を用いてホエーの通常の比率をいかに変更するかを開示したものであるから、より明確化して、CMPレベルを0.2で除することによってホエータンパク質分を決定することも適切といえる。しかし、β−ラクトグロブリン及びα−ラクトアルブミンのレベルは季節によって僅かに変化し得る。より正確な測定方法は、β−ラクトグロブリン(Blg)成分を測定し、α−ラクトアルブミン(Ala)及びCMPはクロマトグラフィーによって決定する方法である。微量タンパク質及び酵素は、以下のように計算される。
【0051】
微量タンパク質=BLg×17/45
次に全ホエータンパク質成分は、
全ホエータンパク質=BLg+Ala+CMP+微量タンパク質
で計算される。
【0052】
別の方法は、メイオニンやシスチンのような硫黄含有アミノ酸成分の量を測定することである。ホエータンパク質はカゼインと比較してこれらのアミノ酸を多く含み、硫黄含有アミノ酸:全タンパク質の比をホエータンパク質レベルを間接的に決定するために利用することもできる。
【0053】
カゼインのレンネットによる加水分解の間に生成されるCMPの量は、使用される条件によって変わってくる。κ−カゼインは全カゼインタンパク質の10〜15%に相当する。CMPはκ−カゼインの36.84%に相当する。従って、カゼインから3.68〜5.5重量%のCMP(全カゼインに対する重量比)が生成され得る。チーズの製造中にミルクが凝固する場合、85%以上のCMPが遊離されなければならない(Dagleish D. G. J. Dy. Res. 1979, 46, 653)。従って、チーズ製造中においてはより低い3.13%の濃度が可能である。これらの数値はCMPがホエータンパク質の15〜20%を含むこと(Marshall S.C. Fd. Res. Quart. 1991, 51, 81−91)、即ちCMP:ホエータンパク質の比が1:6.66〜1:5であるという推定と一致する。CMPは非常に水溶性が高いことから、同様に非常に水溶性の高いホエータンパク質と同様に分離する傾向がある。従って、チーズが有するCMPは、CMP:ホエータンパク質の比についてはホエーに存在するものと類似の比となるが、全体量についての比は非常に小さくなることが予測される。実際には、これらの比はずっと高い数値となり得る。ホエータンパク質はCMPより非常にサイズが大きく、従ってカゼインカードによってより容易に物理的に捕捉されることになる。ホエータンパク質は、さまざまな処理条件の結果さらに凝集して、それらがチーズカードに捕捉される率が非常に高められることがある。さらに、ホエータンパク質はチオール−ジスルフィド交換によってカゼインと複合体を形成し、カゼインによって化学的に捕捉され、CMPよりも高い率でチーズに捕捉され得る。実際にはチーズは約1:10のCMP:ホエータンパク質比を有り得る。
【0054】
本明細書においては、用語「カゼインマクロポリペプチド」または「CMP」は、レンネットまたは何らかの市販のミルク凝固剤を作用によりκ−カゼインの105番目のアミノ酸と106番目のアミノ酸の間の位置で切断された結果生成されるペプチドを表す意図で用いられる。
【0055】
現時点で利用可能な技術は、例えば伝統的なチーズにおけるような低レベルのCMPと小さいCMP:ホエータンパク質比とを有するチーズとともに、UF(限外濾過)ミルクから作られたチーズのような高レベルのCMPと小さいCMP:ホエータンパク質比とを有するチーズを提供し得る。しかし、これら従来技術は、高レベルのCMPと大きいCMP:ホエータンパク質比とを有するものは提供しない。
【0056】
本発明においては、高レベルのCMPと大きいCMP:ホエータンパク質比の両方を有する乳製品タンパク質を含む、少なくとも半固形の酪農製品を作ることができることがわかった。
【0057】
本発明は、チーズの製造者において必要な投資額が非常に小さくて済むとともに付加価値のある特性を備えた完成品及び副産物の両方を作り出す、新規なチーズ製造方法を提供する。さらに本発明は、チーズ製造者がホエーを処理する装置を備える必要性をなくす可能性を提供する。加えて、チーズの塩水漬けや粉砕または乾燥塩のこすりつけによる加塩処理が本プロセスでは不要である。
【0058】
本発明のプロセスは、CMPが食品内部において生成され、内部に自然に保持され、必要な処置が最小限で済むという点で有利である。
【0059】
重要な点として、本発明は、製品が広く受け入れられるために必要な、チーズとしての重要な機能上の特性を有するチーズを提供する。具体的には、半固形の製品は、そのテクスチャーのために薄片におろしたりスライスするのに適しており、ピザのトッピング用として必要な伸びる性質を示す。
【0060】
伝統的なチーズ製造プロセス
通常のチーズ製造手順では、切断、培養、加熱、洗浄、チェダリング、及びプレシング等のさまざまなプロセスによって、レンネット添加したカードからホエーを分離する。従って、CMP及びホエータンパク質のレベルは、チーズの重量に対する比で、CMPについて約0.03〜0.10%の範囲、ホエータンパク質について0.28〜0.62%の範囲の極めて低い水準である。当然、カードが洗浄された場合、CMPとホエータンパク質の両方が同程度減少し、即ちCMP:ホエータンパク質の比は概ね影響を受けずに維持される。
【0061】
ミルクを予備濃縮するため限外濾過を用いて作られた伝統的なチーズ
凝固する前に乳タンパク質を濃縮するために限外濾過を用いて作られたチーズは、限外濾過されていないミルクを用いて作られた同程度のチーズと比較して、9倍以上のCMPレベルを有し得る。実際のレベルはUF(限外濾過)プロセスの間に用いられる濃縮係数によって決まる。伝統的な製造プロセスと同様に、カードを飲料水で洗浄した場合にはCMPとホエータンパク質のレベルがゼロ近くまで低減し得る。一般的に限外濾過膜はCMPとホエータンパク質の両方を同程度濃縮することから、CMPとホエータンパク質の両方は単に比例して増加することに注目することは重要である。従って、これらの追加の過程とは無関係に、かつ限外濾過による予備処理の程度とは無関係に、CMP:ホエータンパク質の比は概ね保存される。従って、CMP:ホエータンパク質の比が約1:5以下に維持される。
【0062】
本発明の技術を用いたチーズの製造
本発明は、CMP:ホエータンパク質の比が1:4.9以上、典型的には1:2〜1:4の範囲にある半固形製品を提供する。全CMPのレベルは製造手順によって変わってくるが、チーズの重量に対する比で0.15重量%以上であり一般的には0.3〜1%の範囲、即ち伝統的なチーズ製造法を用いて達成できるレベルの約10倍である。
【0063】
例えば、好ましい実施態様では、ホエータンパク質はNCIタンパク質の5%以下まで低減する。このNCIは無脂肪の乾燥状態で約85%のタンパク質成分を有し、水分及び脂肪と結合されて水分50%でタンパク質25%の最終的な組成を達成する。これにより、CMPのレベルが約0.74〜1.1%でCMP:ホエータンパク質の比が1:1.7〜1:1.1のチーズが得られる。
【0064】
本発明の製品の製造プロセスでは、開始材料としてミルクを用いる。2段階プロセスの第1の段階では、このミルクが有している殆どのホエータンパク質から、既知の方法を用いて乳糖を除去して、天然カゼイン単離物(NCI)を生成する。プロセスの第2段階では、NCIを他の成分と混合し、その後ホエーを除去する必要なくチーズに変換する。明細書全体を通じて、特に断りがなければ、「ミルク」とは、全乳、乳脂(クリーム)、脱脂乳、部分脱脂乳、無糖練乳、またはこれらの組合せと解され、さらに加熱処理、脂肪またはタンパク質の標準化処理、pH調整や何らかの非乳性の脂肪またはタンパク質の添加がされたものでもよい。
【0065】
本発明では、レンネット添加のために50℃を超える温度を用いることが可能であることがわかった。チーズへのレンネット添加のための温度は通常は30℃であり、最適温度は40℃であり、またレンネットは55℃で不活性化する(Cheese and Fermented milk Foods by Frank Kosikowski 2nd ed. 1982 p420−421)。驚くべきことに、上述の条件下で、反応速度を所定のものとすると、最大65℃の温度を用いることができるということを我々は発見した。このより高い温度によって混合段階においてより高い固形分、具体的には42%超、好ましくは50%以上の全固形分を用いることが可能となる。より高い熱安定性を有するレンネット酵素を用いることで、更に高い全固形分を達成することもできる。そのような酵素は当業者にはよく知られており、動物、細菌、真菌、または遺伝子組換え体の酵素源のなかの1つ以上から選択される。
【0066】
図1を参照すると、本プロセスの第1段階の概略が示されている。好ましい実施態様では、生の全乳を開始材料として用いる。生の全乳を低温殺菌して脱脂し、精密濾過にかけて、保持液中のホエータンパク質分を全タンパク質の10%未満、好ましくは5〜6%に低減させる。このミルクは、ミルクのミネラルの一部を可溶化し、かつ保持液からのそれらの一部除去を促進するために、例えば塩酸または他の適切な食品用の酸により、或いは微生物発酵によって部分酸化させてもよい。これにより、保持液の機能上の特性及び得られるチーズのテクスチャー、溶解性、及び伸び性が変化することになる。その後、保持液を限外濾過(UF)にかけて、乳頭成分を全固形分の6%未満、好ましくは約1〜2%まで低下させる。精密濾過の保持液は、限外濾過にかける前にレンネット酵素で凝固させ得る。従って、限外濾過膜はCMPを概ね保持するとともに、限外濾過によってホエータンパク質も概ね保持されることになる。これらは、その前の精密濾過過程によって実質的に除去されている。しかし、好ましい実施態様では、レンネット添加による凝固がより後の段階でなされる。従って、このプロセスにおいて、ホエー即ち乳清はチーズ製造段階で通常用いられる酵素や細菌に汚染されない。さらに、これらの細菌や酵素の作用の副産物によって乳清が汚染されることもない。この結果、このプロセスの乳清は伝統的なチーズのホエーと比較して優れた機能上の特性を独特の風味を有する。このプロセスの第1段階の保持液材料は、「天然カゼイン単離物」(NCI)、または(天然)ホスホカゼイナート(Phosphocaseinate)として知られている(FaquantらTechnique Laitiere & Marketing 1988 no. 1028, 2123)。NCIは水分除去によって更に濃縮し、好ましくは乾燥により約5%の水分を含む粉末にするが、液体またはペースト状でも使用できる。このプロセスは、実施例1においてより詳細に説明する。
【0067】
プロセスの第2段階の概要は図2に示されている。第1段階で作製されたNCIを、2つの方法即ちナチュラルチーズ法とプロセスチーズ法を用いて、高レベルのCMPと大きいCMP:ホエータンパク質比とを有する半固形酪農製品に変換する。
【0068】
両方法では、NCIは初めに水のなかで約20%(最終製品に対する重量比)のタンパク質を有するように再構成される。クリーム、無水乳脂肪(AMF)、バター油、植物油のような脂肪源を加えて、最終製品における約20〜25%を脂肪分を達成する。塩、特に塩化ナトリウムを味付けのために加える。
【0069】
ステップ1においては、成分即ちNCI,水、脂肪、及び塩を、均質化しかつ塊が無くなるまで混合する。混合は、例えばGreen Bay MachineryのツインスクリュークッカーやDamrowのシングルスクリューのような、1本または2本のスクリューを備えたスクリュークッカー、リボンブレンダー、またはパドル式混合器を用いて行う。StephanクッカーまたはScanernaクッカーを用いてもよい。また、固形分が高い場合には、例えばWenger製のもののようなツインスクリュー同時回転式押出器等の押出器を用いることもできる。混合は、好ましくは約50℃の温度で行う。
【0070】
プロセスチーズ法
ステップ2においては、当業者によく知られた乳化のための塩を添加して、最終製品の溶解特性またはテクスチャーを改変する。これらの塩は最終製品の保存期間や風味にも影響する。乳化用の塩は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、ヘキサ メタ リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム、EDTAのなかの1つ以上から選択され得る。
【0071】
ステップ3では、Chr. Hansens製のChymaxのようなレンネット酵素調製物または他の市販の材料を加える。濃度はさまざまであり得るが、混合物1kg当たり0.25mlで十分である。50℃の温度で、たいていの市販のレンネット酵素調製物が破壊されると考えられているが、酵素及び基質(κ−カゼイン)の濃度は、通常のチーズ製造の場合より約10倍高くなり得る。この結果、レンネット酵素の作用は、カゼインが熱変性するより十分前の段階で加水分解するのを可能にするようなペースで進行する。レンネット酵素は、図2に示すように乳化用の塩を添加する前に加えられてもよい。
【0072】
ステップ4は、例えば72℃で30秒間という時間と温度との組合せでも適切な低温殺菌処理を行う。過剰な時間・温度では、チーズの風味やテクスチャーが損なわれ得るが、時間・温度が不足している場合には微生物及び他の質の問題が生じ得る。これは、直接の調理用の蒸気の注入により、または間接的な加熱によって達成できる。製品と加熱媒体との温度差(ΔT)を低く維持したり、こすられた粗い加熱面を用いるたり、または両者を組合せりことによって製品が熱で損なわれるのを防止することが必要であり得る。
【0073】
ステップ5では、適切な食品用の酸、即ち以下に限定されないが、酢酸、クエン酸、乳酸、リン酸、またはグルコノデルタラクトン(GDL)等を用いて約4.6〜5.2のpHまで酸性化する。好ましくは、この酸性化処理は、局部的なpH値の低下を最小限にするために、全固形分(TS)が10%以下の希薄溶液を用いて強くかき混ぜながら行う。レンネット酵素の作用を速めるには6.6以下のpHが好ましい。しかし、低温殺菌過程でのタンパク質の熱変性及び凝固を避けるためには、5.0を超えるpHが望ましい。熱凝固の生じやすさは、当業者に公知のさまざまな要素、例えばタンパク質濃度、イオンを含む環境、低温殺菌プラントの種類、及び時間・温度条件によって左右され、約6.40〜5.4のpH値が一般的に十分な熱安定性と凝固時間の短縮を提供する。酸性化過程は、レンネット添加過程(ステップ3)の前または後に行うことができる。
【0074】
全ての必要な酸性化がステップ3の前に完了しない場合、最終的なpH調整をこの時点で行うことができる。この場合もやはり、通常の食品用の酸を用いることができる。また、包装した後に漸次pHが低下するのが望ましい場合には、グルコノデルタラクトン或いは実際にはスターター培養液、特に好熱菌培養液を低温殺菌の後に加えることができる。同様にさまざまな手段によって、包装後の製品において比較的静的なpHを達成することができる。このような手段としては、第1に、低温殺菌は酸を生成する培養液を除去する傾向があり、または発酵可能な基質の量を制限することによっても達成できる。
【0075】
ナチュラルチーズ製造プロセス
ステップ1におけるNCI、水、脂肪、及び塩の混合の後、プロセスチーズ法について説明したステップ4のような低温殺菌を行う(ステップ6)。
【0076】
ステップ7において、混合物の冷却は、当業者に周知のさまざまな方法、例えば氷の添加、COの注入、または静止冷却による間接的な冷却によって達成される。温度は、製品を柔らかく維持するに十分でかつ容器にポンピング・注入するのに適した温度が通常望ましく、この温度は例えば脂肪分のレベルと種類、水分及びpH等の組成上の特性によって左右される。通常、40℃超の温度で十分である。またその温度は、酸性化が可能な程度に十分低いものでなければならない。食品用の酸が用いられる場合の温度は、温度の上昇及び局所的なpHの低下によって生ずる凝固を回避するために、約70℃未満であるのが好ましい。好熱菌培養液を用いる場合は、(使用される培養液の熱感受性によって左右されるが)52℃以下の温度が必要である。一般的に、約50℃の温度が適当である。
【0077】
ステップ8において、市販の酪農用培養物、具体的には好熱菌培養液を用いて、発酵可能な糖質基質の利用可能性に応じて必要な酸性化を施す。例えば、Chris Hansen DVS好熱菌培養液ABT−21、TCC 4またはTCC 21による最終製品100g当たり1〜2gの利用可能な乳糖成分の発酵を利用して、適切なpHの低下をもたらすことができる。NCI中の残存する乳糖がこれを提供することができ、または何らかの発酵可能な糖質を加えることができる。乳糖の量は狭く臨海的なものではなく、製品の初期pH、望ましい最終pH、及びバッファリング能力によって左右される。一般的に、約2%の乳糖が適切である。乳糖を加えることができるが、その添加量は製品における一定のテクスチャーや感覚的な面の要求、または保存寿命の要求のみによって限定されるということを当業者であれば理解されよう。保存中に体によい特性や風味を発生させる非スターター乳酸菌や、風味を変えるための外的な多糖類生産手段(exo−polysaccharide producer)を含む培養液を用いることもできる。
【0078】
ステップ9では、プロセスチーズ法のステップ3について説明したのと同種の酵素を用いる。しかし、使用されるレベルはステップ3で使用したレベルの約半分から10分の1である。低温殺菌の後に加える場合には、「ナチュラル法」において生ずる酵素の熱変性は、「プロセス法」の場合と比較して非常に少なく、また苦い風味が発生するのが避けられるべきものである場合、残存レンネット酵素の活性が高レベルであることは一般に望ましくない。また、ナチュラル法を用いても、低温殺菌の前または低温殺菌直前の加熱段階の間にレンネット酵素を追加することも可能であり、前述のように50℃台の何れかの温度であればよい結果が得られる。
【0079】
プロセスチーズ法とナチュラルチーズ法
ステップ10における包装は、この時点では製品が柔らかい塊であり容易にポンピングや成形ができることから容易に行うことができる。その製品は15〜10℃まで冷却されて、風味の発生が必要な場合には一定時間そのまま保存される。10℃未満の温度は、より長期間の保存のために用いられるべきである。製品は保存時に固まって半固形となり、その後必要に応じて再成形されたり、スライスや薄片におろされる。
【0080】
本発明のプロセスの主な利点の一つは、何れかのプロセスを用いるチーズ製造業者が、製造中にホエーを作り出さすに済むという点である。伝統的なチーズ工場では、製造するチーズ1部当たり約19部の非常に腐敗しやすいミルクとホエーを処理しなければならないが、このために少なからず資本面、作業面の負担がかかり、そして多くの場合環境面の負担もかかることから、上記の利益は非常に大きいものとなる。本発明のプロセスは、独特の栄養面の特性を有するチーズを1部製造するために、保存安定性の高い乾燥した成分約0.5部(但し、液体NCI及びクリームのような腐敗しやすい成分は除かれていない)と、0.5部の水(この水は液体のクリームまたは液体NCIが使用される場合には部分的または全てそれらによって提供され得る)とを処理すれば済む。本発明のプロセスによって達成される資本の節約は非常に大きく、少なく見積もっても同一の製造能力を有する伝統的な工場の場合の10分の1に低減する。他の利点として、成分の安定性及び変換プロセスの単純さのために、ミルクの産地でない場所でもこのチーズが製造できる点が挙げられる。加えて、この変換即ちチーズ製造プロセスは、店舗やレストランにおいて容易に実施することができる。製造時間も、数時間を要する従来の方法とは異なり、分単位の短時間で済む。
【0081】
【実施例1】
NICの製造
精密濾過/限外濾過
精密濾過の場合、Crossflow精密濾過システム(MFS−7, Tetra Pak Filtration, Aarhus, Denmark)が用いられる。このユニットは、7枚のセラミック膜要素からなり、各要素は0.2mの表面積を有し、全膜面積は1.4mである。使用される膜(Societe des Ceramiques Technique−Membralox, Bazet, France)平均孔径が0.1μm、チャネル径が4mmのものであり、アルミニウムをベースにしたセラミック膜である。このプラントは連続モードで使用される。
【0082】
限外濾過ステップでは、バッチ濃縮限外濾過システムを用いる。このユニットは2枚の膜を有し、各膜は6.4mの表面積を有し、全膜面積は12.8mとなる。使用される膜は、KOCH type−HFK131である。この膜は、渦巻形で名目上の遮断分子量(MWCO)が5000〜8000ダルトンの範囲であるポリエーテルスルフォンである。
【0083】
処理操作条件
精密濾過プラントは、テトラパック式均一膜間圧力(UTMP)制御システム(Tetra Pak designed Uniform Transmembrane Pressure)を用いて動作する。このシステムは、膜面積全体にわたる一様な膜間圧力を達成する。
【0084】
精密濾過は50℃で行われる。保持液入口及び出口の圧力は、それぞれ4.5bar及び2.6barであり、透過液入口及び出口の圧力は、3.8bar及び2.2barである。
【0085】
プラントを作動させるとき、入口及び出口での膜間圧力(TMP)の圧力差は0.3に維持される。この圧力差の数値は、
保持液入口圧(PRi)=4.5bar
透過液入口圧(PRi)=3.8bar
TMP入口圧     =0.7bar
保持液出口圧(PRi)=2.6bar
透過液出口圧(PRi)=2.2bar
TMP入口圧     =0.4bar
圧力差(TMPi−TMPo)=0.3bar
と計算される。
【0086】
このプラントは、濃縮係数(CF)2.5X、透過液流量50L/m/hで動作する。MF(精密濾過)のための濃縮係数は、
CF=(保持液流+透過液流)/透過液流
と計算される。
【0087】
限外濾過プラントは、入口圧力4bar、出口圧量1.5barで動作する。
【0088】
NCIプロセス条件
このプロセスは図1に示されている。
【0089】
低温殺菌した脱脂乳をGlanbia Ingredients, Ballyragget Factory, Co. Kilkennyの生産工程から入手した。この材料を50℃まで加熱し、MF(精密濾過)プラントにおいてCFが2.5X、透過液流量50L/m/hで処理した。ミセルのカゼインはMF(精密濾過)の間に保持され、ダイアフィルトレーションを用いて更に洗浄される。
【0090】
ダイアフィルトレーションは、MF(精密濾過)保持液をダイアフィルトレーション水で8%TSまで希釈し、それをMF(精密濾過)プラントに再び通すことによって、バッチ式で行った。MFは、同様に50℃においてCFが2.5X、透過液流量50L/m/hで行った。
【0091】
DF(ダイアフィルトレーション)ステップで得られたMF保持液を、全固形分の10%まで希釈した。この材料を72℃で16秒間HTST低温殺菌した。次にこの材料の限外濾過及びダイアフィルトレーションを50℃で行った。
【0092】
UF(限外濾過)保持液(NCI)を50℃で全固形分TSの20〜25%に乾燥した。ノズルで微粒化される噴霧乾燥器(APV Anhydro, Copenhagen, Denmark)を用いた。入口及び出口の空気温度は、それぞれ200℃及び98℃であった。
【0093】
このNCI製造の実施例は、この実施例に限定されるものではないことを理解されたい。実際、別の操作パラメータでも目的は達成でき、例えばより大きい流量及び濃縮係数(CF)を用いても達成できる。また、噴霧乾燥処理の前に、またはその処理に代えて、蒸発処理を行ってもよい。実際、十分な量のタンパク質が得られるならば、MF/UF保持液を用いてもよい。さらに、当業者に知られているように、UF及びMF中のpHを低くすることによってカルシウムの一部除去が容易になる。
【0094】
【実施例2】
ナチュラルチーズ法の使用
以下の配合は、その下の示す手順を用いて作られる。
【0095】
【表1】
Figure 2004510445
【0096】
【表2】
Figure 2004510445
【0097】
ホエーが流出しないことから、最終産物の組成は以下のようになる。
【0098】
【表3】
Figure 2004510445
【0099】
残りは、主としてミネラルと有機塩からなる。
【0100】
【実施例3】
プロセスチーズ法
【0101】
【表4】
Figure 2004510445
【0102】
【表5】
Figure 2004510445
【0103】
実施例1と同様に、ホエーを除去する必要はなく、最終産物の組成は以下の通りとなる。
【0104】
【表6】
Figure 2004510445
【0105】
残りは、主としてミネラルと有機塩からなる。
【0106】
本発明は、本明細書において説明した実施例に限定されず、その細部を変更して実施することができる。例えば、プラントのオイルは、本明細書で説明したようにクリームを用いるのではく、魚油や他の種の油を用いてもよい。物理的または生物学的機能を有する他の成分を加えて、地域市場の好みに合わせた最終製品を作り出してもよい。実際、ホエーを除去する必要がないことから変更された成分が製品に残ることいなり、ホエーのなかに大部分が失われる傾向がないので、本技術は上記の改変に理想的に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
補助的な製品を含む、天然カゼイン単離物(NCI)の製造の概要を示す図。
【図2】
NCIをナチュラルチーズまたはプロセスチーズに転換するための一実施例のプロセスを示す概略的なブロック図。

Claims (43)

  1. 乳タンパク質を含む酪農製品であって、
    前記製品が少なくとも半固形で、0.15重量%以上のカゼインマクロペプチド(CMP)を含み、かつCMP:ホエータンパク質の質量比が1:4.9以上であることを特徴とする酪農製品。
  2. CMP:ホエータンパク質の質量比が、1:4.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の酪農製品。
  3. CMP:ホエータンパク質の質量比が、1:4以上であることを特徴とする請求項1に記載の酪農製品。
  4. CMP:ホエータンパク質の質量比が、1:3.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の酪農製品。
  5. CMP:ホエータンパク質の質量比が、1:3以上であることを特徴とする請求項1に記載の酪農製品。
  6. CMPを0.15重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の酪農製品。
  7. CMPを0.25重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の酪農製品。
  8. CMPを0.35重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の酪農製品。
  9. CMPを0.45重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の酪農製品。
  10. CMPを0.55重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の酪農製品。
  11. CMPを0.65重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の酪農製品。
  12. CMPを0.75重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の酪農製品。
  13. CMPを0.85重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の酪農製品。
  14. CMPを0.95重量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の酪農製品。
  15. 生物学的機能を有する添加物を1種以上含むことを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の酪農製品。
  16. 全固形分が42重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の酪農製品。
  17. カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含む少なくとも半固形の酪農製品であって、2.5重量%未満のホエータンパク質を含むことを特徴とする酪農製品。
  18. カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含む少なくとも半固形の酪農製品であって、全固形分が42重量%以上であることを特徴とする酪農製品。
  19. カゼインマクロペプチド(CMP)を0.15重量%以上含む少なくとも半固形の酪農製品であって、製造時に1重量%以上の塩化ナトリウム分を含むことを特徴とする酪農製品。
  20. CMPを0.15重量%以上含む少なくとも半固形の酪農製品であって、生物学的な機能を有する添加物を含むことを特徴とする酪農製品。
  21. チーズ製品であることを特徴とする請求項1乃至20の何れかに記載の酪農製品。
  22. 前記チーズ製品がナチュラルチーズ製品であることを特徴とする請求項21に記載の酪農製品。
  23. 前記チーズ製品がチーズ食品であることを特徴とする請求項21若しくは22に記載の酪農製品。
  24. 実質的に本願明細書中に記載の酪農製品。
  25. 少なくとも半固形の酪農製品の製造方法であって、
    (i)必要に応じて加熱及び混合による補助を加えながら、(a)製品の7〜85重量%がNCIタンパク質となるような量の天然カゼイン単離物(NCI)タンパク質源と、(b)製品の10〜85重量%が水分となるような量の水分源と、(c)製品の0.1〜60重量%が脂肪となるような量の脂肪源とを混合する過程と、
    (ii)このように形成された混合物を、室温またはそれ以下の温度で前記混合物を少なくとも半固形製品に変換するため、及び/または混合物中におけるκ−カゼインの50%以上が105番目のアミノ酸残基と106番目のアミノ酸残基との間で加水分解するために十分な程度に、レンネット酵素のような凝固剤の作用にさらす過程とを含むことを特徴とする方法。
  26. NCIの量が、製品の7〜60重量%がNCIタンパク質となるような量であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. NCIの量が、製品の15〜30重量%がNCIタンパク質となるような量であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  28. 水分の量が、製品の20〜76重量%が水分となるような量であることを特徴とする請求項25乃至27の何れかに記載の方法。
  29. 水分の量が、製品の30〜60重量%が水分となるような量であることを特徴とする請求項25乃至28の何れかに記載の方法。
  30. 水分の量が、製品の40〜58重量%が水分となるような量であることを特徴とする請求項25乃至29の何れかに記載の方法。
  31. 脂肪の量が、製品の0.1〜50重量%が脂肪となるような量であることを特徴とする請求項25乃至30の何れかに記載の方法。
  32. 脂肪の量が、製品の5〜40重量%が脂肪となるような量であることを特徴とする請求項25乃至31の何れかに記載の方法。
  33. 脂肪の量が、製品の10〜35重量%が脂肪となるような量であることを特徴とする請求項25乃至32の何れかに記載の方法。
  34. レンネット添加時の温度が、30〜65℃の範囲にあることを特徴とする請求項25乃至33の何れかに記載の方法。
  35. レンネット添加時の温度が、約50℃であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 酸性化の過程を含むことを特徴とする請求項25乃至35の何れかに記載の方法。
  37. 前記酸が、酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸、グルコノデルタラクトンの一種以上から選択されうる食品用の酸であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 酸性化がスターター培養液、特に好熱菌培養液の作用によって達成されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
  39. 前記混合物を半固形製品に変換する過程が、
    前記混合物を低温殺菌する過程と、
    低温殺菌された混合物を冷却する過程と、
    食品用の酸を用いるか、混合物に対する培養液の作用によって酸性化する過程と、
    前記混合物をレンネット酵素の作用にさらす過程とを含むことを特徴とする請求項25乃至38の何れかに記載の方法。
  40. 前記混合物を半固形製品に変換する過程が、
    前記混合物を酸性化する過程と、
    前記混合物をレンネット酵素の作用にさらす過程と、
    食品用の乳化するための塩を添加する過程と、
    前記混合物を酸性化する過程と、
    そのように形成された産物を低温低温殺菌する過程とを含むことを特徴とする請求項25乃至38の何れかに記載の方法。
  41. 前記半固形酪農製品が、5〜15分間で製造されることを特徴とする請求項39若しくは40に記載の方法。
  42. 実質的に本願明細書中に記載の方法。
  43. 請求項25乃至42の何れかに記載の方法により製造された製品。
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