JP2004362709A - テープカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】安定したリールロック状態を確保して、落下衝撃等によるテープリールの回転によるテープの弛み発生を防止できるテープカートリッジを提供する。
【解決手段】テープリール14の外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤ27と、このリールロックギヤ27に係合するギヤ部25aを有するリールロック部材25(26)とを備えたリールロック機構において、リールロック時におけるテープリールの上方移動を規制する規制部25eをリールロック部材25のギヤ部25aの直上位置に設ける。この構成により、テープリール14の姿勢を安定に保持して、落下衝撃等によるテープリール14の回転によるテープの弛みを防止する。
【選択図】 図3
【解決手段】テープリール14の外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤ27と、このリールロックギヤ27に係合するギヤ部25aを有するリールロック部材25(26)とを備えたリールロック機構において、リールロック時におけるテープリールの上方移動を規制する規制部25eをリールロック部材25のギヤ部25aの直上位置に設ける。この構成により、テープリール14の姿勢を安定に保持して、落下衝撃等によるテープリール14の回転によるテープの弛みを防止する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープを巻装したテープリールをカートリッジケース内部に有するテープカートリッジに関し、更に詳しくは、カートリッジケース内でテープリールを適正な位置に保ち、テープの弛みを防止したテープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テープカートリッジ内部の単一のテープリールから磁気テープを引き出して情報の記録、再生を行うテープドライブ装置が知られている。この種のテープドライブ装置は、例えば、コンピュータサーバー等の大量のデータを扱うシステムのデータバックアップに多用されている。
【0003】
単一のテープリールを有するテープカートリッジには種々のタイプのものがあり、例えば、磁気テープの繰り出し端に接続されたリーダーブロックがカートリッジケース内に収納配置されたものが知られている。リーダーブロックを備えたテープカートリッジがテープドライブに装着されると、リーダーブロックがチャッキング機構によりチャッキングされ、このリーダーブロックは搬送機構により引き出され、テープドライブの巻取リールまで搬送される。そして、テープカートリッジから引き出された磁気テープが上記巻取リールに巻き取られながら、テープドライブの磁気ヘッドにより情報の記録あるいは再生が行われる。
【0004】
さて、この種のテープカートリッジは、非使用時、テープリールの回転による磁気テープの弛みを防止するために、テープリールの回転を規制するリールロック機構を備えている。このリールロック機構は、従来よりテープリールの外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤと、このリールロックギヤに噛み合うギヤ部を備えたリールロック部材とで構成される。
【0005】
図10及び図11Aに示すように、テープリール101は、一対のリールロック部材102によって回転規制される。テープリール101にはその外周縁部に沿ってリールロックギヤ101aが形成されており、リールロック部材102の先端部にはリールロックギヤ101aに噛み合うギヤ部102aが形成されている。
【0006】
リールロック部材102は、図13Aに示すように、下シェル112の内面に立設された支持軸106の周りに回動可能となっており、リールロックスプリング103の付勢力によって、そのギヤ部102aとリールロックギヤ101aとの間に係合力を発生させ、テープリール101のリールロック状態を維持している。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献を以下に示す。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−115266号公報
【特許文献2】
特開平11−120732号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図12Aに示すように、テープリール101は、上シェル111と下シェル112とを結合してなるカートリッジケース113の内部に収納されており、リールスプリング114の付勢力により常時、下シェル112側へ押し付けられている。テープリール101の下面中央部には、テープドライブ装置の回転軸に係合するチャッキングギヤ115を有する突出部116が形成されており、これが下シェル112の中央部に穿設された開口117に嵌合している。
【0010】
ところが、落下衝撃が加わった際、テープリール101がリールスプリング114の付勢に抗して上昇することがある。テープリール101の上昇移動は、リールロック部材102のギヤ部102aとの係合状態を維持しながら行われる。この状態で、図12Bに示すようにテープリール101が傾くなどして一側方に移動するようなことになると(図12においてSで符示)、テープリール101から遠ざかる位置にあるリールロック部材102にあってはその係合力が瞬間的に弱くなり、衝撃の大きさによってはリールロックギヤ101a(図13においてBで符示。)がリールロック部材102のギヤ部102aの歯を乗り越え、テープリール101が少なくとも一歯分回転してしまうおそれがある(図13A〜C)。
【0011】
このように、上述した構成の従来のリールロック機構においては、例えばテープカートリッジが落下衝撃を受けたときにリールロック状態が瞬間的に弱まり、これが原因でテープリール101の回動を許すことになって、テープの弛みが誘発される可能性がある。
【0012】
テープの弛みは、テープリール101に巻装される磁気テープの巻姿勢を乱したり、テープエッジの損傷を招いたりすることがあるので、落下衝撃等に対するテープリールの適正な回転規制を達成することは、テープカートリッジの信用性を確保するためにも重要視されている。
【0013】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、安定したリールロック状態を確保して、落下衝撃等によるテープリールの回転によるテープの弛み発生を防止できるテープカートリッジを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のテープカートリッジは、リールロック部材のギヤ部とテープリール外周縁部とが係合するリールロック時に、テープリールの上方移動を規制する規制部をリールロック部材に設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明においては、リールロック部材に上記規制部を設けることにより、リールロック時におけるテープリールの上方移動を規制し、これにより、カートリッジケース内部におけるテープリールの傾きを抑えてリールロック状態の安定化を図り、落下衝撃等からテープリールの回転を阻止して、テープの弛み発生を防ぐようにしている。
【0016】
規制部の形成位置は、リールロック時においてテープリールの上方移動を規制できる位置であれば特に限定されず、例えば、リールロック時にテープリールの外周縁部の上面を覆う位置に張出し形成することができる。
【0017】
また、規制部の張出し量も特に限定されないが、当該張出し量が大きいほどテープリールの姿勢保持作用が高くなるので好ましいとされる。なお、リールロック解除時にテープリールと干渉しない程度に規制部の張出し量を設定する必要はある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、例えばコンピュータのデータバックアップに使用されるデータストレージ用磁気テープカートリッジに対して、本発明を適用した例について説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態によるテープカートリッジCを示している。ここで、図1はテープカートリッジCの斜視図、図2はテープカートリッジCを背面側から見たときの分解斜視図である。
【0020】
本実施の形態のテープカートリッジCは、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂材料からなる上シェル11と下シェル12とを結合することにより形成されるカートリッジケース13内に、磁気テープ20を巻装した単一のテープリール14を回転可能に収納して構成される。
【0021】
テープリール14は、上フランジ41と、リールハブ15と一体的な下フランジ42との結合体でなる。テープリール14には、一端に透明なリーダーテープ21が接続された磁気テープ20が磁性面を内向きにして巻装されている。このテープリール14は、リールハブ15の内部に圧入固定されるリング状のベアリング16を有し、そのベアリング16を覆うベアリングキャップ17と上シェル11の内面中央部との間に設けられたリールスプリング18によって下シェル12側に押し付けられている。リールスプリング18は、円筒状をなすコイルバネで構成されている。
【0022】
また、テープリール14の下面中央部には、テープドライブ装置の回転軸に係合するチャッキングギヤ39(図4B)が形成されており、当該チャッキングギヤ39が下シェル12の中央部に形成された開口30を介して外部へ露出されている。
【0023】
テープカートリッジCは、テープドライブ装置に装填されていない非使用時においては、リールロックスプリング23,24によって付勢された一対のリールロック部材25,26により、テープリール14が回転不可能とされている。
すなわち、テープリール14は、その下フランジ42の外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤ27に、各リールロック部材25,26のギヤ部25a,26aが噛み合うことによって回転不可能とされている。
なお、リールロックスプリング23,24及びリールロック部材25,26はそれぞれ、下シェル12の内面に立設された支持軸28,29に回転可能に取り付けられている。
【0024】
また、非使用時においては、磁気テープ20は完全にテープリール14に巻き取られた状態にある。リーダーテープ21の先端部は、リーダーブロック32にクランパ36を介して接続されている。リーダーブロック32は、上シェル11と下シェル12との結合時にカートリッジケース13の正面に形成されるテープ引出し用の開口部35をカートリッジケース13の内方側から閉塞するように配置される。リーダーブロック32は、略コの字形状のリーダーブロックバネ31に弾性的に支持された状態で開口部35内方の収納部37に位置決めされている。
【0025】
一方、テープドライブ装置にテープカートリッジCが装填された使用時においては、テープドライブ装置側のリールロック解除ピンがリールロック解除孔43,44へ挿入されることによりリールロック部材25,26のロックが解除されてテープリール14が回転可能な状態とされると共に、テープドライブ装置側の回転軸の上昇によりテープリール14がカートリッジケース13の中央位置へ持ち上げられる。そして、テープドライブ装置側のチャッキング機構によってリーダーブロック32が開口部35から引き出され、磁気テープ20がカートリッジピン22に当接してガイド作用を受けながらカートリッジケース13の外部へ繰り出される。
【0026】
なお、テープドライブ装置側の回転軸の上昇よりも、リールロックを解除するリールロック解除ピンの挿入のタイミングの方が早く設定されている。
【0027】
このテープカートリッジCにおいては、磁気テープ20への誤記録、誤消去を防止するためのセイフティタブ33が設けられている。このセイフティタブ33は、開口部35の形成面とは反対側のカートリッジケース13の背面にスライド自在に設けられている。
【0028】
また、カートリッジケース13の背面側には、非接触型のIC(半導体集積回路)メモリを搭載したメモリ基板34が収容され、テープドライブ装置側との交信によって、例えば磁気テープ20に記録された内容に関する情報の読み出し/書き込みが行われるようになっている。
【0029】
更に、テープドライブ装置への挿入方向に対して垂直な方向に対向するカートリッジケースケース13の側面部には、テープエンド検出用の透明な窓部材38A,38Bがそれぞれ設けられている。
【0030】
次に、本発明に係るリールロック部材25,26の構成の詳細について図3〜図7を参照して説明する。
ここで、図3はテープカートリッジCの内部構造を上シェル11を取り外して見たときの斜視図であって、テープリール14にあっては下フランジ42側のみ示している。図4Aはリールロック状態にあるテープリール14とリールロック部材25,26との関係を説明する平面図で、Bはその側断面図、図5は下シェル12に組み込まれたリールロック部材25の平面図、図6はリールロック部材25の斜視図、図7は図5における[7]−[7]線方向断面図である。
【0031】
なお、リールロック部材25及びリールロック部材26はそれぞれ同一の構成を有し同一の作用を行うので、代表的に一方のリールロック部材25の構成について説明する。
【0032】
リールロック部材25は、全体的に例えばポリアセタール(POM)等の合成樹脂材料の射出成形体で構成されている。リールロック部材25は支持軸28が嵌挿する内孔25baを有する筒状部25bと、テープリール14のリールロックギヤ27と係合するギヤ部25aを先端部に有するアーム部25cと、テープドライブ装置のリールロック解除ピンが挿入されることによってアーム部25cを上記支持軸28の周りに回動させる被操作部25dとを備えている。
【0033】
なお、ギヤ部25aの成形方法としては、例えば、ギヤ部25aの成形金型を別駒で構成し、金型離型時にスライドさせる、いわゆるスライドコア化によって成形することができる。
【0034】
ギヤ部25aは、アーム部25cの先端から一側方側へ突出形成されており、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27のギヤ幅(高さ)よりも大きなギヤ幅で構成されている(図6B)。
【0035】
被操作部25dの下面には、リールロック解除ピンが進入する孔25daを有しており(図7)、その一側端縁には、リールロック解除ピンの突き上げ力をリールロック部材25の回動力に変換するテーパー面が形成されている。孔25daは、図7に示すように、下シェル12のリールロック解除孔43を介して外部へ露出されている。
【0036】
図5に示すように、リールロック部材25は、下シェル12の内面に立設された支持軸28に筒状部25bを嵌挿させることによって当該支持軸28の周りに回動自在とされている。リールロック部材25は、リールロックスプリング23によってギヤ部25aがテープリール14外周縁のリールロックギヤ27へ係合するリールロック位置へ付勢されている。
【0037】
リールロックスプリング23はトーションバネでなり、そのコイル部が筒状部25bに外嵌されるとともに、一方の腕部がアーム部25cに係止され、他方の腕部が下シェル12の段部12bに係止されている。
【0038】
さて、リールロック部材25には、そのギヤ部25aの直上位置に、リールロック時におけるテープリール14の上方移動を規制する規制部25eが設けられている。本実施の形態の規制部25eは、ギヤ部25aの山の高さと同一の高さに形成された一様なブロック状に構成され、リールロック時においてテープリール14のリールロックギヤ27の一部上面を覆うべく張出し形成されている(図6B)。
【0039】
規制部25eの張出し量は特に限定されないが、テープリール14の上方移動を阻止できる程度にリールロックギヤ24上面とのオーバーラップ量が確保されていればよい。
【0040】
また、規制部25eとリールロックギヤ27との間の隙間Eは適宜調整可能である。特に、隙間Eが小さいほどテープリール14の移動量を少なくできる。隙間Eの上限としては、例えば、下シェル12の開口30と、これに嵌合されるテープリール14の下面中央のチャッキングギヤ39を有する突出部45との間の嵌合量を越えない大きさとされる。隙間Eがこれより大きくなると、テープリール14の横方向の移動量が大きくなると共に、図12Bに示したようなテープリールの傾きを規制できなくなるからである。
【0041】
なお、リールロック部材25にあっては、図7に示すように、支持軸28の先端部が嵌合する上シェル11内面のボス部46が筒状部25bの上面に対向し、これらボス部46と筒状部25bとの間のクリアランスの大きさだけリールロック部材25の上下移動が許容されるに過ぎない構成となっている。つまり、ボス部46によってリールロック部材25の上方移動を阻止するようにしている。
【0042】
本実施の形態のリールロック部材25は以上のように構成されるが、他方側のリールロック部材26もまた同様に構成されている。以下の説明では、リールロック部材26においてリールロック部材25の規制部25eに対応する要素には符号26eを用いて説明するものとする。
【0043】
次に、以上のように構成される本実施の形態の作用について説明する。
【0044】
本実施の形態のテープカートリッジCにおいては、下シェル12に対して各構成部品を組み込むことによって製造される。
図2を参照して、一対のリールロックスプリング23,24及びリールロック部材25,26をそれぞれ支持軸28,29に装着する。磁気テープ20が巻装されリーダーブロック32が接続されたテープリール14,カートリッジピン22、セイフティタブ33、メモリ基板34及び窓部材38A,38Bはそれぞれ所定の位置に組み込まれる。リーダーブロック32は、あらかじめ下シェル12に一体化させておいたリーダーブロックバネ31に係合させて収納部37に配置される。上シェル11は、リールスプリング18を介して下シェル12と組み合わされ、複数本のネジ部材40によって結合される。
【0045】
図3及び図4A,Bは、テープカートリッジCの非使用状態を示している。この状態において、テープリール14のリールロックギヤ27は、一対のリールロック部材25,26のギヤ部25a,26aに各々係合してその回転が規制されている。
【0046】
また、テープリール14は、リールスプリング18の付勢力により、その下面中央部の突出部45が下シェル12の開口30に嵌合してカートリッジケース13の内外を隔絶し、当該開口30を介してのカートリッジケース13内部への異物の侵入を防いでいる(図4B)。このとき、テープリール14の横方向の移動量は、突出部45の外径と開口30の内径との間のクリアランス内とされる。
【0047】
この状態で、テープカートリッジCに例えば落下衝撃が作用すると、テープリール14がリールスプリング18の付勢力に抗してカートリッジケース13内において上方へ移動しようとするが、リールロックギヤ27がリールロック部材25,26の規制部25e,26eに当接することによってテープリール14の上昇が抑止される。
【0048】
なお、リールロック部材25,26はその筒状部25bが上シェル11のボス部46に当接することによりその上方移動が阻止されるので(図7)、規制部25e,26eによってテープリール14の浮上を確実に抑えることができる。
【0049】
一方、テープカートリッジCの使用時においては、テープドライブ装置側の回転軸が上昇してチャッキングギヤ39と係合し、更に上昇を続けてテープリール14を浮上させる動作が行われるが、この動作に先だって、図5に示すようにテープドライブ装置側のリールロック解除ピンPによってリールロック部材25が矢印A方向へ回動され、規制部25eがギヤ部25aと共にリールロックギヤ27から遠ざけられるので、上記回転軸によるテープリール14の浮上動作が阻害されることはない。
【0050】
以上のようにしてテープリール14は例えば図12Bに示したようにカートリッジケース内で大きく移動したり傾くことが防止され、図4Bに示した適正な位置に常に保たれ、安定したリールロック状態を確保することができる。これにより、落下衝撃等によるテープリール14の回転を確実に防止できるので、磁気テープの巻姿勢の異常やテープエッジの損傷等を回避でき、テープカートリッジの信頼性を確保することができる。
また、上記規制部25eをリールロック部材25に一体的に設けたので、部品点数を増大させることもない。
【0051】
(第2の実施の形態)
図8A,Bは本発明の第2の実施の形態によるリールロック部材25の構成を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0052】
本実施の形態では、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27に噛み合い係合するギヤ部25aの直上位置に、テープリール14の上方移動を規制する規制部25e’が設けられている。この規制部25e’にはギヤ部25aの谷形成面と整列する溝25fが設けられている。
【0053】
また、ギヤ部25aの直下位置には、リールロックギヤ27の下面を覆う張出し部25gを突出形成しており、その張出し量は、図8Bに示すようにギヤ部25aの山と同一面となる大きさとされている。
なお、張出し部25gとリールロックギヤ27との間の隙間Fは、任意に調整可能であるが、その大きさは小さいほどよい。
【0054】
以上の構成のリールロック部材25においては、規制部25e’及び張出し部25gは、ギヤ部25aと係合するリールロックギヤ27の上面及び下面をそれぞれ覆い、リールロック時におけるテープリール14の上下移動を規制する機能を果たす。これにより、テープリール14の姿勢安定性を更に高め、適正なリールロック機能を確保することができる。
【0055】
なお、溝25fは、下シェル12に対するテープリール14の組付性向上を図るためのもので、テープリール14の組付時にリールロックギヤ27をギヤ部25aへ案内する機能を有するが、これを省略し、規制部25e’を上述の第1の実施の形態のように溝無しの規制部25eとして構成してもよい。
【0056】
(第3の実施の形態)
図9A,Bは本発明の第3の実施の形態によるリールロック部材25の構成を示している。なお、図において上述の第1,第2の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0057】
本実施の形態では、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27に噛み合い係合するギヤ部25aの直上位置に、テープリール14の上方移動を規制する規制部25e”が設けられている。この規制部25e”にはギヤ部25aの谷と整列する溝25fが設けられている。
【0058】
規制部25e”は、テープリール14側に下向き傾斜となるテーパー状に形成されており、その最大張り出し量は、図9Bに示すようにギヤ部25aよりもテープリール14側に突出している。この構成により、規制部25e”とリールロックギヤ27とのオーバーラップ量を大きくし、テープリール14の上方移動を確実に阻止することができる。
なお、規制部25e”の張出し量は、リールロック解除時に規制部25e”がリールロックギヤ27と干渉しない大きさまで任意に設定可能である。
【0059】
また、ギヤ部25aの直下位置には、リールロックギヤ27の下面を覆う張出し部25gを突出形成しており、その張出し量は、図9Bに示すようにギヤ部25aの山と同一面となる大きさとされている。
なお、張出し部25gとリールロックギヤ27との間の隙間Fは、任意に調整可能であるが、その大きさは小さいほどよい。
【0060】
以上の構成のリールロック部材25においては、規制部25e”及び張出し部25gは、ギヤ部25aと係合するリールロックギヤ27の上面及び下面をそれぞれ覆い、リールロック時におけるテープリール14の上下移動を規制する機能を果たす。これにより、テープリール14の姿勢安定性を更に高め、適正なリールロック機能を確保することができる。
【0061】
なお、溝25fは、下シェル12に対するテープリール14の組付性向上を図るためのもので、テープリール14の組付時にリールロックギヤ27をギヤ部25aへ案内する機能を有するが、これを省略し、規制部25e”を上述の第1の実施の形態のように溝無しの規制部25eとして構成してもよい。
【0062】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0063】
例えば以上の実施の形態では、図1及び図2に示した形態のテープカートリッジCに本発明を適用した例について説明したが、勿論これに限らず、テープリールの外周縁部に係合するギヤ部を有するリールロック部材を備えたテープカートリッジ全般に対して、本発明は適用可能である。
また、テープリールが単一のものに限らず、一対のテープリールを備えたテープカートリッジにも同様に適用可能である。
【0064】
また、以上の各実施の形態では、テープリールの上方移動を規制する規制部をギヤ部の直上位置に設けた構成例について説明したが、これに限らず、例えば上記規制部をギヤ部の側方に設けたり、ギヤ部の山を部分的に突出させて構成することも可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のテープカートリッジによれば、リールロック時にテープリールの上方移動を規制する規制部をリールロック部材に設けたので、テープリールの安定したリールロック状態を確保でき、テープリールの回転によるテープの弛みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテープカートリッジCの全体斜視図である。
【図2】テープカートリッジCを背面側から見たときの分解斜視図である。
【図3】テープカートリッジCの内部構造を上シェル11を取り外して見たときの斜視図であって、テープリールにあっては下フランジ側のみ示している。
【図4】リールロック状態にあるテープリールとリールロック部材との関係を示す図であって、Aは平面図、Bは側断面図である。
【図5】下シェル12に組み込まれたリールロック部材25の平面図である。
【図6】リールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図7】図5における[7]−[7]線方向断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるリールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるリールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図10】従来のテープカートリッジのリールロック機構を説明する平面図である。
【図11】従来のリールロック部材の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図12】テープカートリッジの非使用時におけるテープリールの収納状態を示す側断面図で、Aは通常時、Bは落下衝撃時を示している。
【図13】従来技術の問題点を説明する要部の平面図である。
【符号の説明】
11…上シェル、12…下シェル、13…カートリッジケース、14…テープリール、18…リールスプリング、20…磁気テープ、23,24…リールロックスプリング、25,26…リールロック部材、25a,26a…ギヤ部、25e,26e,25e’,25e”…規制部、25g…張出し部、27…リールロックギヤ、28,29…支持軸、30…開口、39…チャッキングギヤ、43,44…リールロック解除孔、45…突出部、46…ボス部、C…テープカートリッジ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープを巻装したテープリールをカートリッジケース内部に有するテープカートリッジに関し、更に詳しくは、カートリッジケース内でテープリールを適正な位置に保ち、テープの弛みを防止したテープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テープカートリッジ内部の単一のテープリールから磁気テープを引き出して情報の記録、再生を行うテープドライブ装置が知られている。この種のテープドライブ装置は、例えば、コンピュータサーバー等の大量のデータを扱うシステムのデータバックアップに多用されている。
【0003】
単一のテープリールを有するテープカートリッジには種々のタイプのものがあり、例えば、磁気テープの繰り出し端に接続されたリーダーブロックがカートリッジケース内に収納配置されたものが知られている。リーダーブロックを備えたテープカートリッジがテープドライブに装着されると、リーダーブロックがチャッキング機構によりチャッキングされ、このリーダーブロックは搬送機構により引き出され、テープドライブの巻取リールまで搬送される。そして、テープカートリッジから引き出された磁気テープが上記巻取リールに巻き取られながら、テープドライブの磁気ヘッドにより情報の記録あるいは再生が行われる。
【0004】
さて、この種のテープカートリッジは、非使用時、テープリールの回転による磁気テープの弛みを防止するために、テープリールの回転を規制するリールロック機構を備えている。このリールロック機構は、従来よりテープリールの外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤと、このリールロックギヤに噛み合うギヤ部を備えたリールロック部材とで構成される。
【0005】
図10及び図11Aに示すように、テープリール101は、一対のリールロック部材102によって回転規制される。テープリール101にはその外周縁部に沿ってリールロックギヤ101aが形成されており、リールロック部材102の先端部にはリールロックギヤ101aに噛み合うギヤ部102aが形成されている。
【0006】
リールロック部材102は、図13Aに示すように、下シェル112の内面に立設された支持軸106の周りに回動可能となっており、リールロックスプリング103の付勢力によって、そのギヤ部102aとリールロックギヤ101aとの間に係合力を発生させ、テープリール101のリールロック状態を維持している。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献を以下に示す。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−115266号公報
【特許文献2】
特開平11−120732号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図12Aに示すように、テープリール101は、上シェル111と下シェル112とを結合してなるカートリッジケース113の内部に収納されており、リールスプリング114の付勢力により常時、下シェル112側へ押し付けられている。テープリール101の下面中央部には、テープドライブ装置の回転軸に係合するチャッキングギヤ115を有する突出部116が形成されており、これが下シェル112の中央部に穿設された開口117に嵌合している。
【0010】
ところが、落下衝撃が加わった際、テープリール101がリールスプリング114の付勢に抗して上昇することがある。テープリール101の上昇移動は、リールロック部材102のギヤ部102aとの係合状態を維持しながら行われる。この状態で、図12Bに示すようにテープリール101が傾くなどして一側方に移動するようなことになると(図12においてSで符示)、テープリール101から遠ざかる位置にあるリールロック部材102にあってはその係合力が瞬間的に弱くなり、衝撃の大きさによってはリールロックギヤ101a(図13においてBで符示。)がリールロック部材102のギヤ部102aの歯を乗り越え、テープリール101が少なくとも一歯分回転してしまうおそれがある(図13A〜C)。
【0011】
このように、上述した構成の従来のリールロック機構においては、例えばテープカートリッジが落下衝撃を受けたときにリールロック状態が瞬間的に弱まり、これが原因でテープリール101の回動を許すことになって、テープの弛みが誘発される可能性がある。
【0012】
テープの弛みは、テープリール101に巻装される磁気テープの巻姿勢を乱したり、テープエッジの損傷を招いたりすることがあるので、落下衝撃等に対するテープリールの適正な回転規制を達成することは、テープカートリッジの信用性を確保するためにも重要視されている。
【0013】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、安定したリールロック状態を確保して、落下衝撃等によるテープリールの回転によるテープの弛み発生を防止できるテープカートリッジを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のテープカートリッジは、リールロック部材のギヤ部とテープリール外周縁部とが係合するリールロック時に、テープリールの上方移動を規制する規制部をリールロック部材に設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明においては、リールロック部材に上記規制部を設けることにより、リールロック時におけるテープリールの上方移動を規制し、これにより、カートリッジケース内部におけるテープリールの傾きを抑えてリールロック状態の安定化を図り、落下衝撃等からテープリールの回転を阻止して、テープの弛み発生を防ぐようにしている。
【0016】
規制部の形成位置は、リールロック時においてテープリールの上方移動を規制できる位置であれば特に限定されず、例えば、リールロック時にテープリールの外周縁部の上面を覆う位置に張出し形成することができる。
【0017】
また、規制部の張出し量も特に限定されないが、当該張出し量が大きいほどテープリールの姿勢保持作用が高くなるので好ましいとされる。なお、リールロック解除時にテープリールと干渉しない程度に規制部の張出し量を設定する必要はある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、例えばコンピュータのデータバックアップに使用されるデータストレージ用磁気テープカートリッジに対して、本発明を適用した例について説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態によるテープカートリッジCを示している。ここで、図1はテープカートリッジCの斜視図、図2はテープカートリッジCを背面側から見たときの分解斜視図である。
【0020】
本実施の形態のテープカートリッジCは、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂材料からなる上シェル11と下シェル12とを結合することにより形成されるカートリッジケース13内に、磁気テープ20を巻装した単一のテープリール14を回転可能に収納して構成される。
【0021】
テープリール14は、上フランジ41と、リールハブ15と一体的な下フランジ42との結合体でなる。テープリール14には、一端に透明なリーダーテープ21が接続された磁気テープ20が磁性面を内向きにして巻装されている。このテープリール14は、リールハブ15の内部に圧入固定されるリング状のベアリング16を有し、そのベアリング16を覆うベアリングキャップ17と上シェル11の内面中央部との間に設けられたリールスプリング18によって下シェル12側に押し付けられている。リールスプリング18は、円筒状をなすコイルバネで構成されている。
【0022】
また、テープリール14の下面中央部には、テープドライブ装置の回転軸に係合するチャッキングギヤ39(図4B)が形成されており、当該チャッキングギヤ39が下シェル12の中央部に形成された開口30を介して外部へ露出されている。
【0023】
テープカートリッジCは、テープドライブ装置に装填されていない非使用時においては、リールロックスプリング23,24によって付勢された一対のリールロック部材25,26により、テープリール14が回転不可能とされている。
すなわち、テープリール14は、その下フランジ42の外周縁部に沿って形成されたリールロックギヤ27に、各リールロック部材25,26のギヤ部25a,26aが噛み合うことによって回転不可能とされている。
なお、リールロックスプリング23,24及びリールロック部材25,26はそれぞれ、下シェル12の内面に立設された支持軸28,29に回転可能に取り付けられている。
【0024】
また、非使用時においては、磁気テープ20は完全にテープリール14に巻き取られた状態にある。リーダーテープ21の先端部は、リーダーブロック32にクランパ36を介して接続されている。リーダーブロック32は、上シェル11と下シェル12との結合時にカートリッジケース13の正面に形成されるテープ引出し用の開口部35をカートリッジケース13の内方側から閉塞するように配置される。リーダーブロック32は、略コの字形状のリーダーブロックバネ31に弾性的に支持された状態で開口部35内方の収納部37に位置決めされている。
【0025】
一方、テープドライブ装置にテープカートリッジCが装填された使用時においては、テープドライブ装置側のリールロック解除ピンがリールロック解除孔43,44へ挿入されることによりリールロック部材25,26のロックが解除されてテープリール14が回転可能な状態とされると共に、テープドライブ装置側の回転軸の上昇によりテープリール14がカートリッジケース13の中央位置へ持ち上げられる。そして、テープドライブ装置側のチャッキング機構によってリーダーブロック32が開口部35から引き出され、磁気テープ20がカートリッジピン22に当接してガイド作用を受けながらカートリッジケース13の外部へ繰り出される。
【0026】
なお、テープドライブ装置側の回転軸の上昇よりも、リールロックを解除するリールロック解除ピンの挿入のタイミングの方が早く設定されている。
【0027】
このテープカートリッジCにおいては、磁気テープ20への誤記録、誤消去を防止するためのセイフティタブ33が設けられている。このセイフティタブ33は、開口部35の形成面とは反対側のカートリッジケース13の背面にスライド自在に設けられている。
【0028】
また、カートリッジケース13の背面側には、非接触型のIC(半導体集積回路)メモリを搭載したメモリ基板34が収容され、テープドライブ装置側との交信によって、例えば磁気テープ20に記録された内容に関する情報の読み出し/書き込みが行われるようになっている。
【0029】
更に、テープドライブ装置への挿入方向に対して垂直な方向に対向するカートリッジケースケース13の側面部には、テープエンド検出用の透明な窓部材38A,38Bがそれぞれ設けられている。
【0030】
次に、本発明に係るリールロック部材25,26の構成の詳細について図3〜図7を参照して説明する。
ここで、図3はテープカートリッジCの内部構造を上シェル11を取り外して見たときの斜視図であって、テープリール14にあっては下フランジ42側のみ示している。図4Aはリールロック状態にあるテープリール14とリールロック部材25,26との関係を説明する平面図で、Bはその側断面図、図5は下シェル12に組み込まれたリールロック部材25の平面図、図6はリールロック部材25の斜視図、図7は図5における[7]−[7]線方向断面図である。
【0031】
なお、リールロック部材25及びリールロック部材26はそれぞれ同一の構成を有し同一の作用を行うので、代表的に一方のリールロック部材25の構成について説明する。
【0032】
リールロック部材25は、全体的に例えばポリアセタール(POM)等の合成樹脂材料の射出成形体で構成されている。リールロック部材25は支持軸28が嵌挿する内孔25baを有する筒状部25bと、テープリール14のリールロックギヤ27と係合するギヤ部25aを先端部に有するアーム部25cと、テープドライブ装置のリールロック解除ピンが挿入されることによってアーム部25cを上記支持軸28の周りに回動させる被操作部25dとを備えている。
【0033】
なお、ギヤ部25aの成形方法としては、例えば、ギヤ部25aの成形金型を別駒で構成し、金型離型時にスライドさせる、いわゆるスライドコア化によって成形することができる。
【0034】
ギヤ部25aは、アーム部25cの先端から一側方側へ突出形成されており、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27のギヤ幅(高さ)よりも大きなギヤ幅で構成されている(図6B)。
【0035】
被操作部25dの下面には、リールロック解除ピンが進入する孔25daを有しており(図7)、その一側端縁には、リールロック解除ピンの突き上げ力をリールロック部材25の回動力に変換するテーパー面が形成されている。孔25daは、図7に示すように、下シェル12のリールロック解除孔43を介して外部へ露出されている。
【0036】
図5に示すように、リールロック部材25は、下シェル12の内面に立設された支持軸28に筒状部25bを嵌挿させることによって当該支持軸28の周りに回動自在とされている。リールロック部材25は、リールロックスプリング23によってギヤ部25aがテープリール14外周縁のリールロックギヤ27へ係合するリールロック位置へ付勢されている。
【0037】
リールロックスプリング23はトーションバネでなり、そのコイル部が筒状部25bに外嵌されるとともに、一方の腕部がアーム部25cに係止され、他方の腕部が下シェル12の段部12bに係止されている。
【0038】
さて、リールロック部材25には、そのギヤ部25aの直上位置に、リールロック時におけるテープリール14の上方移動を規制する規制部25eが設けられている。本実施の形態の規制部25eは、ギヤ部25aの山の高さと同一の高さに形成された一様なブロック状に構成され、リールロック時においてテープリール14のリールロックギヤ27の一部上面を覆うべく張出し形成されている(図6B)。
【0039】
規制部25eの張出し量は特に限定されないが、テープリール14の上方移動を阻止できる程度にリールロックギヤ24上面とのオーバーラップ量が確保されていればよい。
【0040】
また、規制部25eとリールロックギヤ27との間の隙間Eは適宜調整可能である。特に、隙間Eが小さいほどテープリール14の移動量を少なくできる。隙間Eの上限としては、例えば、下シェル12の開口30と、これに嵌合されるテープリール14の下面中央のチャッキングギヤ39を有する突出部45との間の嵌合量を越えない大きさとされる。隙間Eがこれより大きくなると、テープリール14の横方向の移動量が大きくなると共に、図12Bに示したようなテープリールの傾きを規制できなくなるからである。
【0041】
なお、リールロック部材25にあっては、図7に示すように、支持軸28の先端部が嵌合する上シェル11内面のボス部46が筒状部25bの上面に対向し、これらボス部46と筒状部25bとの間のクリアランスの大きさだけリールロック部材25の上下移動が許容されるに過ぎない構成となっている。つまり、ボス部46によってリールロック部材25の上方移動を阻止するようにしている。
【0042】
本実施の形態のリールロック部材25は以上のように構成されるが、他方側のリールロック部材26もまた同様に構成されている。以下の説明では、リールロック部材26においてリールロック部材25の規制部25eに対応する要素には符号26eを用いて説明するものとする。
【0043】
次に、以上のように構成される本実施の形態の作用について説明する。
【0044】
本実施の形態のテープカートリッジCにおいては、下シェル12に対して各構成部品を組み込むことによって製造される。
図2を参照して、一対のリールロックスプリング23,24及びリールロック部材25,26をそれぞれ支持軸28,29に装着する。磁気テープ20が巻装されリーダーブロック32が接続されたテープリール14,カートリッジピン22、セイフティタブ33、メモリ基板34及び窓部材38A,38Bはそれぞれ所定の位置に組み込まれる。リーダーブロック32は、あらかじめ下シェル12に一体化させておいたリーダーブロックバネ31に係合させて収納部37に配置される。上シェル11は、リールスプリング18を介して下シェル12と組み合わされ、複数本のネジ部材40によって結合される。
【0045】
図3及び図4A,Bは、テープカートリッジCの非使用状態を示している。この状態において、テープリール14のリールロックギヤ27は、一対のリールロック部材25,26のギヤ部25a,26aに各々係合してその回転が規制されている。
【0046】
また、テープリール14は、リールスプリング18の付勢力により、その下面中央部の突出部45が下シェル12の開口30に嵌合してカートリッジケース13の内外を隔絶し、当該開口30を介してのカートリッジケース13内部への異物の侵入を防いでいる(図4B)。このとき、テープリール14の横方向の移動量は、突出部45の外径と開口30の内径との間のクリアランス内とされる。
【0047】
この状態で、テープカートリッジCに例えば落下衝撃が作用すると、テープリール14がリールスプリング18の付勢力に抗してカートリッジケース13内において上方へ移動しようとするが、リールロックギヤ27がリールロック部材25,26の規制部25e,26eに当接することによってテープリール14の上昇が抑止される。
【0048】
なお、リールロック部材25,26はその筒状部25bが上シェル11のボス部46に当接することによりその上方移動が阻止されるので(図7)、規制部25e,26eによってテープリール14の浮上を確実に抑えることができる。
【0049】
一方、テープカートリッジCの使用時においては、テープドライブ装置側の回転軸が上昇してチャッキングギヤ39と係合し、更に上昇を続けてテープリール14を浮上させる動作が行われるが、この動作に先だって、図5に示すようにテープドライブ装置側のリールロック解除ピンPによってリールロック部材25が矢印A方向へ回動され、規制部25eがギヤ部25aと共にリールロックギヤ27から遠ざけられるので、上記回転軸によるテープリール14の浮上動作が阻害されることはない。
【0050】
以上のようにしてテープリール14は例えば図12Bに示したようにカートリッジケース内で大きく移動したり傾くことが防止され、図4Bに示した適正な位置に常に保たれ、安定したリールロック状態を確保することができる。これにより、落下衝撃等によるテープリール14の回転を確実に防止できるので、磁気テープの巻姿勢の異常やテープエッジの損傷等を回避でき、テープカートリッジの信頼性を確保することができる。
また、上記規制部25eをリールロック部材25に一体的に設けたので、部品点数を増大させることもない。
【0051】
(第2の実施の形態)
図8A,Bは本発明の第2の実施の形態によるリールロック部材25の構成を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0052】
本実施の形態では、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27に噛み合い係合するギヤ部25aの直上位置に、テープリール14の上方移動を規制する規制部25e’が設けられている。この規制部25e’にはギヤ部25aの谷形成面と整列する溝25fが設けられている。
【0053】
また、ギヤ部25aの直下位置には、リールロックギヤ27の下面を覆う張出し部25gを突出形成しており、その張出し量は、図8Bに示すようにギヤ部25aの山と同一面となる大きさとされている。
なお、張出し部25gとリールロックギヤ27との間の隙間Fは、任意に調整可能であるが、その大きさは小さいほどよい。
【0054】
以上の構成のリールロック部材25においては、規制部25e’及び張出し部25gは、ギヤ部25aと係合するリールロックギヤ27の上面及び下面をそれぞれ覆い、リールロック時におけるテープリール14の上下移動を規制する機能を果たす。これにより、テープリール14の姿勢安定性を更に高め、適正なリールロック機能を確保することができる。
【0055】
なお、溝25fは、下シェル12に対するテープリール14の組付性向上を図るためのもので、テープリール14の組付時にリールロックギヤ27をギヤ部25aへ案内する機能を有するが、これを省略し、規制部25e’を上述の第1の実施の形態のように溝無しの規制部25eとして構成してもよい。
【0056】
(第3の実施の形態)
図9A,Bは本発明の第3の実施の形態によるリールロック部材25の構成を示している。なお、図において上述の第1,第2の実施の形態と対応する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0057】
本実施の形態では、テープリール14外周縁のリールロックギヤ27に噛み合い係合するギヤ部25aの直上位置に、テープリール14の上方移動を規制する規制部25e”が設けられている。この規制部25e”にはギヤ部25aの谷と整列する溝25fが設けられている。
【0058】
規制部25e”は、テープリール14側に下向き傾斜となるテーパー状に形成されており、その最大張り出し量は、図9Bに示すようにギヤ部25aよりもテープリール14側に突出している。この構成により、規制部25e”とリールロックギヤ27とのオーバーラップ量を大きくし、テープリール14の上方移動を確実に阻止することができる。
なお、規制部25e”の張出し量は、リールロック解除時に規制部25e”がリールロックギヤ27と干渉しない大きさまで任意に設定可能である。
【0059】
また、ギヤ部25aの直下位置には、リールロックギヤ27の下面を覆う張出し部25gを突出形成しており、その張出し量は、図9Bに示すようにギヤ部25aの山と同一面となる大きさとされている。
なお、張出し部25gとリールロックギヤ27との間の隙間Fは、任意に調整可能であるが、その大きさは小さいほどよい。
【0060】
以上の構成のリールロック部材25においては、規制部25e”及び張出し部25gは、ギヤ部25aと係合するリールロックギヤ27の上面及び下面をそれぞれ覆い、リールロック時におけるテープリール14の上下移動を規制する機能を果たす。これにより、テープリール14の姿勢安定性を更に高め、適正なリールロック機能を確保することができる。
【0061】
なお、溝25fは、下シェル12に対するテープリール14の組付性向上を図るためのもので、テープリール14の組付時にリールロックギヤ27をギヤ部25aへ案内する機能を有するが、これを省略し、規制部25e”を上述の第1の実施の形態のように溝無しの規制部25eとして構成してもよい。
【0062】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0063】
例えば以上の実施の形態では、図1及び図2に示した形態のテープカートリッジCに本発明を適用した例について説明したが、勿論これに限らず、テープリールの外周縁部に係合するギヤ部を有するリールロック部材を備えたテープカートリッジ全般に対して、本発明は適用可能である。
また、テープリールが単一のものに限らず、一対のテープリールを備えたテープカートリッジにも同様に適用可能である。
【0064】
また、以上の各実施の形態では、テープリールの上方移動を規制する規制部をギヤ部の直上位置に設けた構成例について説明したが、これに限らず、例えば上記規制部をギヤ部の側方に設けたり、ギヤ部の山を部分的に突出させて構成することも可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のテープカートリッジによれば、リールロック時にテープリールの上方移動を規制する規制部をリールロック部材に設けたので、テープリールの安定したリールロック状態を確保でき、テープリールの回転によるテープの弛みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるテープカートリッジCの全体斜視図である。
【図2】テープカートリッジCを背面側から見たときの分解斜視図である。
【図3】テープカートリッジCの内部構造を上シェル11を取り外して見たときの斜視図であって、テープリールにあっては下フランジ側のみ示している。
【図4】リールロック状態にあるテープリールとリールロック部材との関係を示す図であって、Aは平面図、Bは側断面図である。
【図5】下シェル12に組み込まれたリールロック部材25の平面図である。
【図6】リールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図7】図5における[7]−[7]線方向断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるリールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるリールロック部材25の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図10】従来のテープカートリッジのリールロック機構を説明する平面図である。
【図11】従来のリールロック部材の構成を示す図で、Aはリールロック時の斜視図、Bは要部断面図である。
【図12】テープカートリッジの非使用時におけるテープリールの収納状態を示す側断面図で、Aは通常時、Bは落下衝撃時を示している。
【図13】従来技術の問題点を説明する要部の平面図である。
【符号の説明】
11…上シェル、12…下シェル、13…カートリッジケース、14…テープリール、18…リールスプリング、20…磁気テープ、23,24…リールロックスプリング、25,26…リールロック部材、25a,26a…ギヤ部、25e,26e,25e’,25e”…規制部、25g…張出し部、27…リールロックギヤ、28,29…支持軸、30…開口、39…チャッキングギヤ、43,44…リールロック解除孔、45…突出部、46…ボス部、C…テープカートリッジ。
Claims (4)
- 上シェルと下シェルとを結合することにより形成されるカートリッジケースと、前記カートリッジケース内に回転可能に収納され、磁気テープを巻装したテープリールと、前記カートリッジケースの内面に立設された支持軸に対し回動可能に取り付けられ、前記テープリールの外周縁部に係合するギヤ部を有するリールロック部材とを備えたテープカートリッジにおいて、
前記リールロック部材には、前記ギヤ部と前記テープリールの外周縁部とが係合するリールロック時に前記テープリールの上方移動を規制する規制部が設けられている
ことを特徴とするテープカートリッジ。 - 前記規制部は、リールロック時に前記テープリールの外周縁部の上面を覆う位置に張出し形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。 - 前記規制部は、前記ギヤ部の直上位置に形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。 - 前記ギヤ部の直下位置には、前記テープリールの外周縁部の下面を覆う張出し部が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のテープカートリッジ。
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Cited By (2)
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2003
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