JP2004358872A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することを目的とする。
【解決手段】イジェクタ群52の外周にダミー孔60が形成されているので、圧力室12にハミ出す接着剤のハミ出し量が同一であり、エッチング加工上、発生する大きさのバラツキの影響も受けていない。従って、インク滴の吐出特性に影響の大きい圧力室12の形状は各イジェクタ50いずれも略同一形状をしている。また、各イジェクタ50の支持剛性もほぼ等しくなっている。従って、各イジェクタ50の圧力室12の形状とイジェクタ50の支持剛性とが、ほぼ等しくなっているので、イジェクタ群52の各イジェクタ50の吐出特性が均一化されている。
【選択図】 図2
【解決手段】イジェクタ群52の外周にダミー孔60が形成されているので、圧力室12にハミ出す接着剤のハミ出し量が同一であり、エッチング加工上、発生する大きさのバラツキの影響も受けていない。従って、インク滴の吐出特性に影響の大きい圧力室12の形状は各イジェクタ50いずれも略同一形状をしている。また、各イジェクタ50の支持剛性もほぼ等しくなっている。従って、各イジェクタ50の圧力室12の形状とイジェクタ50の支持剛性とが、ほぼ等しくなっているので、イジェクタ群52の各イジェクタ50の吐出特性が均一化されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置はインクジェット記録ヘッドを主走査方向に往復させ、また記録紙を副走査方向に搬送させて、複数のノズルから選択的にインク滴を吐出させることで記録紙に文字や画像を記録する。インクジェット記録ヘッドは圧力室内のインクをアクチュエータ、例えば、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧電素子を用いて振動板を介して加圧することで、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出する方法が知られている。
【0003】
さて、近年、インクジェット記録装置は高速化の傾向が強まっている。このためインクジェット記録ヘッドを長尺化し、インクジェット記録ヘッド1つあたりのノズル数を増やしてマトリックス状に行列配置することで、より短時間に広い領域に画像形成することが可能なインクジェット記録ヘッドが作られている。
【0004】
また、本出願人は、ノズル、圧力室、アクチュエータ、インク供給路等からなるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ郡を形成し、このイジェクタ群を一つ或いは複数有するインクジェット記録ヘッドにおいて、各イジェクタの圧力室やインク流路となる孔をエッチング加工で形成した各プレートを接着接合して製造するインクジェット記録ヘッドを提案している。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
また、複数のプレートを接着接合して製造され、ノズルが一列に配置されたインクジェット記録ヘッドにおいて、接着剤がノズル溝にハミ出すことによる、インク吐出性能の低下を防止する為、ノズル溝間に接着剤の逃がし用の溝を形成する構成が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−334661号公報
【特許文献2】
特許2003−048323号公報
【特許文献3】
特開平05−330067号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、特開2001−334661号公報及び特許2003−048323号公報に記載されているような、図10に示すインクジェット記録ヘッド312を製造し、各種評価を行った結果、イジェクタ群252の外縁部に配置されたイジェクタ250と外縁部以外に配置されたイジェクタ250とではインク滴の吐出特性が若干異なることを発見した。
【0007】
このインク滴の吐出特性が若干異なる現象について、本出願人が分析した結果、次の(1)から(3)の原因が判った。
【0008】
(1)図10(A)に示すように、各プレートを接着接合して製造する際、接着剤270が圧力室212にハミ出し、圧力室212の形状が若干変わる。
【0009】
さて、イジェクタ群252の外縁部以外の圧力室212は、全周囲に8個の隣接圧力室212が存在する為、接着剤270が塗布される周囲の接着代は隣接圧力室212との間隔となる。この為、接着時に圧力室212にハミ出す接着剤270の量も少なく、ハミ出す接着剤270の量も同じであるので、圧力室212の形状も同一となる。(図10(A)のB1参照)
これに対し、外縁部の圧力室212は、全周囲に圧力室212が存在しない為、接着剤270が塗布される周囲の接着代が多くなる。このため接着時に圧力室212にハミ出す接着剤270の量が多くなる。(図10(A)のB2参照)
つまり、図10(A)のB1とB2とで示すように外縁部以外の圧力室212との外縁部の圧力室212とは接着剤のハミ出し量が異なる。
【0010】
従って、ハミ出す接着剤の量の違いによってイジェクタ群252の外縁部以外の圧力室212の形状と外縁部の圧力室212の形状とが異るため、インク滴の吐出特性が異なる。
【0011】
尚、このことは圧力室212だけでなく、インク連通室216やインク供給路218等についても同じことがいえる。
【0012】
(2)マトリックス状に配置された各イジェクタ250の、例えば圧力室212となる孔をあける際、加工上、特に、エッチング加工では、外側の孔、特に最外孔、すなわち、イジェクタ群252の外縁部のイジェクタ250の圧力室212となる孔はエッジング液が溜まり易く、孔が大きくなる。
【0013】
従って、外縁部以外のイジェクタ250の形状と外縁部のイジェクタ250の形状とが異り、インク滴の吐出特性が異なる。
【0014】
(3)上記(1)に記載したように、イジェクタ群252の外縁部以外のイジェクタ250は、全周囲に8個の隣接イジェクタ250が存在するが、外縁部以外のイジェクタ250は、全周囲にイジェクタ250が存在しない。このため各イジェクタ250の周囲の支持面積(接着代と同じ)が異なる。
【0015】
従って、イジェクタ群252の外縁部以外のイジェクタ250と外縁部のイジェクタ250の支持剛性が異るため、インク滴の吐出特性が異なる。
【0016】
このように(1)から(3)のような原因によって、イジェクタ250がマトリックス状に配置されたイジェクタ群252の外縁部に配置されたイジェクタ250と外縁部以外に配置されたイジェクタ250とでは、吐出特性に差がでる。
【0017】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも、圧力室と、該圧力室と連通しインク滴が吐出されるノズルと、前記圧力室と連通し該圧力室にインクを充填するインク供給路とからなる流路部が形成された流路部プレートと、前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、少なくとも前記流路部と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を構成し、該イジェクタ群の外周の前記流路プレートにダミー孔を設けたことを特徴としている。
【0019】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドでは、イジェクタ群の外周の流路プレートにインク滴の吐出に寄与しないダミー孔が設けられているので、イジェクタ群の外縁部のイジェクタの流路部と外縁部以外の流路部とは、接着剤が塗布される周囲の接着代が略同一面積となり、アクチュエータの接着時に流路部にハミ出す接着剤の量が同じとなる。
【0020】
更に、加工上、特に、エッチング加工では、マトリックス状に配置された孔の最外孔、すなわちダミー孔は大きくなるが、外縁部のイジェクタの流路部は最外孔ではないので大きくならない。
【0021】
従って、各イジェクタの流路部の形状は、ほぼ等しくなり、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0022】
また、イジェクタ群の外縁部のイジェクタと外縁部以外のイジェクタとは、各イジェクタを支持する周囲の支持面積がほぼ等しくなっている。
【0023】
従って、各イジェクタの支持剛性も、ほぼ等しくなっており、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0024】
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1に記載の構成において、前記流路プレートは、複数のプレートを積層して接着接合されていることを特徴としている。
【0025】
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドでは、イジェクタ群の外周にダミー孔が設けられているので、複数のプレートを積層して接着接合する際にイジェクタ群の外縁部のイジェクタの流路部と外縁部以外のイジェクタの流路部とは、接着剤が塗布される周囲の接着代が略同一面積となり、流路部にハミ出す接着剤の量が同じとなる。
【0026】
更に、複数のプレートに流路部を形成する加工上(特にエッチング加工)、外縁部のイジェクタの流路部は最外孔ではないので大きくならない。
【0027】
従って、各イジェクタの流路部の形状は、ほぼ等しくなり、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0028】
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、少なくとも前記圧力室と前記ノズルと前記インク供給路と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の外周にダミー孔が設けられ、前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴としている。
【0029】
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1又は請求項2と同様の作用を奏すが、ダミー孔は、圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されているため、インク吐出特性に大きな影響を与える各圧力室の形状が等しくなっている。
【0030】
また、イジェクタ群の外周に大きなダミー孔を開けるとインクジェット記録ヘッド全体の剛性が低下する。この為、イジェクタ群の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタの吐出特性が不安定となる。
【0031】
しかし、上述したようにダミー孔は、圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されているので、インクジェット記録ヘッド全体の剛性が低下したりすることがない。
【0032】
従って、インクジェット記録ヘッド全体の剛性を維持しつつ、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性がより均一化されている。
【0033】
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドは、前記インクジェット記録ヘッドは、圧力室となる孔が形成された圧力室プレートと、前記圧力室と連通し、インク滴が吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、前記圧力室と連通し、該圧力室にインクを充填するインク供給路となる孔が形成されたインク供給路プレートと、前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、前記ダミー孔は少なくとも前記圧力室プレートに開けられ、該圧力室プレートに開けられた前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴としている
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1乃至請求項3と同様の作用を奏す。
【0034】
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項4に記載の構成において、前記ダミー孔は、前記イジェクタ群の外周を一重又は二重に取り囲んでいることを特徴としている。
【0035】
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1乃至請求項4と同様の作用を奏すが、ダミー孔がイジェクタ群の外周を一重又は二重に取り囲んでいるため、インクジェット記録ヘッドの剛性を低下させずに、各イジェクタの形状を均一化しつつ、インクジェット記録ヘッド全体の剛性も維持されている。このため、イジェクタ群の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタの吐出特性が不安定となることがない。
【0036】
請求項6に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項5に記載の構成において、前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子と、前記圧力室の壁面の少なくとも一部を構成し前記圧電素子の変形によって振動して前記圧力室を膨張又は圧縮させる振動板と、で構成されていることを特徴としている。
【0037】
請求項7に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項5に記載の構成において、前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた前記圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であることを特徴としている。
【0038】
請求項8に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を一つ又は複数有し、各イジェクタの吐出特性が均一化されている請求項1乃至請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドを使用しているので、優れた印字品位の画像の形成を高速に行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
【0040】
図1から図4に示すように、インクジェット記録ヘッド112は、インク滴を吐出するノズル10と、インクを加圧し連通するノズル10からインク滴を吐出させる圧力室12と、ノズル10と圧力室12とを連通するノズル連通室16と、圧力室12に連通するインク供給路18と、を備えたイジェクタ50を有している。
【0041】
図1に示すように、イジェクタ50はマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を構成し、このイジェクタ群52をインクジェット記録ヘッド112は3つ備えている。
【0042】
図2から図4に示すように、各イジェクタ群52の外周にはダミー孔60が配置されている。このダミー孔60は、後述する圧力室プレート32の圧力室12と同形状をし、且つ同ピッチで開けられている。
【0043】
図3、4に示すように、イジェクタ50の圧力室12の上面には振動板34が接着され、振動板34の上面には、圧電素子36が接着され、圧電素子36の上面にはボール半田40を介して配線基板38が接合されている。
【0044】
また、共通インク流路14とイジェクタ50のインク供給路18とが開口部20で連通する。また、共通インク流路14は、図示しないインク供給口に繋がっている。
【0045】
次にインクジェット記録ヘッド112の製造方法の概要を以下に記す。
【0046】
ノズル10が形成されるノズルプレート22と、ノズル連通室16と共通インク流路14となる孔が形成されたインクプールプレート24、26と、ノズル連通室16と共通インク流路14の開口部20となる孔が形成されたスループレート28と、インク供給路18となる孔が形成されたインク供給路プレート30と、圧力室12とダミー孔50となる孔が形成された圧力室プレート32とを順番に積層し接合する。
【0047】
尚、ノズルプレート22の材質はポリイミドであり、ノズルプレート22、インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32の材質はSUSである。また、圧力室12やダミー孔60等になる各孔は、エッチング加工によって形成されている。
【0048】
次にノズルプレート22の表面に撥水コート膜(図示せず)を被覆すると共に、エキシマレーザでノズル10を開ける。
【0049】
ノズル10を形成後に圧力室プレート32に振動板34を接着し、振動板34の上面に各圧力室12に対応した圧電素子36を接着する
そして、最後に圧電素子36毎にボール半田40を形成した配線基板38を圧電素子36と接合する。
【0050】
尚、圧電素子36の両面には電極層が形成されているので、電極層、すなわち圧電素子36と配線基板38とは電気的に接続されている。また、配線基板38と振動板34とは導電性材にて接続されている。
【0051】
このような構成により、駆動電圧波形が圧電素子36に印加されると、圧電素子36と共に振動板34がたわみ変形して圧力室12のインクを加圧し、ノズル10からインク滴が吐出する。
【0052】
さて、本実施形態では、イジェクタ群52の外周にダミー孔60が形成されているが、この作用について以下、(1)から(3)で述べていく。
【0053】
(1)図5に示すように、圧力室プレート32を接着接合する際に圧力室12に接着剤70がハミ出す。尚、判りやすくする為、圧力室プレート32と振動板34との接着接合の際の接着剤70のハミ出しのみを図示し、また、接着剤70の厚み、及び後述する接着剤のハミ出しB1、B2は実際より大きく図示している。
【0054】
イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50の圧力室12は、全周囲に8個の隣接イジェクタ50の圧力室12が存在する為、接着剤70が塗布される周囲の接着代72は隣接イジェクタ50の圧力室12との間隔である。
【0055】
これに対し、外縁部のイジェクタ50の圧力室12は、全周囲にイジェクタ50が存在しないが、外周に圧力室12と同じ形状であり、且つ同じピッチのダミー孔60が配置されている。このため、接着剤70が塗布される周囲の接着代72は、外縁部以外のイジェクタ50の圧力室12と同じとなる。従って、接着時に圧力室12にハミ出す接着剤量70も等しくなる(図5(A)のB1参照)。
【0056】
尚、ダミー孔60はインクを吐出しないので、接着剤70がはハミ出しても問題は無い。(図5(A)のB2参照)。
【0057】
(2)一般的にプレートにマトリックス状に配置された孔をエッチング加工によって形成する場合、外側の孔はエッジング液が溜まり易く、孔が大きくなる。
【0058】
図6(A)に示すグラフは、図6(B)のようにマトリックス状に行列配置された幅Lの孔をエッチング加工によってLが約550μmとなるように形成しようとした場合の孔の大きさのバラツキを模式的に表している。尚、このグラフの横軸は、マトリックス状に形成する圧力室12及びダミー孔60となる孔の列方向(又は行方向)の並びを表わしている。つまり、横軸中央は中央の孔の大きさを、横軸両端は最外孔の孔の大きさを表している。
【0059】
このグラフから判るように、中央から両端側(マトリックス状に形成する孔の外側)に行くほど大きな孔となっており、特に最外孔の孔が大きくなっている。
【0060】
さて、本実施形態では図2及び図6(B)のようにSUS製の圧力室プレート32にマトリックス状に配置されたイジェクタ50の圧力室12となる孔と、その外周にダミー孔60とを形成している。
【0061】
このため圧力室プレート32に形成する孔のうち、最も孔が大きくなる最外孔となる孔は、ダミー孔60である。従って、イジェクタ群52の外縁に配置された圧力室12となる孔は最外孔でないので、あまり大きくなっていない。
【0062】
尚、上述したようにダミー孔60はインク滴を吐出しないので、孔が大きくなっても問題は無い。
【0063】
(3)イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50は全周囲に8個の隣接イジェクタの圧力室12が存在し、外縁部以外のイジェクタ50は全周囲に圧力室12及びダミー孔60が配置されている。また、このダミー孔60は、圧力室12と同形状であり、同ピッチで配置されている。このため、各イジェクタ50を支持する周囲の支持面積(接着代72、74と同じ)が、ほぼ等しくなっている。
【0064】
このように、圧力室12は、ハミ出す接着剤のハミ出し量(図5(A)のB1参照)が同一であり、エッチング加工上、発生する大きさのバラツキの影響も受けていない。従って、インク滴の吐出特性に影響の大きい圧力室12の形状は各イジェクタ50いずれも略同一形状をしている。
【0065】
また、各イジェクタ50の支持剛性も、ほぼ等しくなっているので、イジェクタ群52の各イジェクタ50の吐出特性が均一化されている。
【0066】
尚、図7に示すように圧力室12より大きなダミー孔160としても、各イジェクタ50の形状や支持剛性は均一化されるが、大きなダミー孔160によってインクジェット記録ヘッド113全体の剛性が低下する。
【0067】
或いは、イジェクタ群52の周囲に多数のダミー孔60を、例えば図8のように3周に渡って設けると、より各イジェクタ50の形状や支持剛性は均一化されるが、やはり、ダミー孔60によってインクジェット記録ヘッド115全体の剛性が低下する。
【0068】
このように、インクジェット記録ヘッド113、115全体の剛性が低下すると、図7(A)及び図8(A)に示すようにイジェクタ群52の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタ50のインク滴の吐出特性が不安定となる。
【0069】
従って、本実施形態のように圧力室12と同形状で同一ピッチのダミー孔60をイジェクタ群52の外周、1周にわたって設けるか、或いは図示しないが2周にわたって設ける(二重に取囲む)ことが望ましい。
【0070】
このように圧力室12と同形状で同一ピッチのダミー孔60をイジェクタ群52の1周或いは2周にわたって設けることで、各イジェクタの50の圧力室12の形状や各イジェクタ50の支持剛性を均一化しつつ、インクジェット記録ヘッド112全体の剛性も維持されているため、イジェクタ群52の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタ50の吐出特性が不安定となることがない。
【0071】
次に本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112の作用を説明する。
【0072】
図3(B)の矢印Fのように、インクジェット記録ヘッド112の図示しないインク供給口から導入されたインクが共通インク流路14に充填され、この共通インク流路14からインク供給路18を通って各圧力室12にインクが充填される。
【0073】
各圧力室12にインクが充填された状態で、例えばボール半田40から振動板34へと通電することで圧電素子36が歪み、振動板34を介して圧力室12のインクが加圧され、ノズル10からインク滴が吐出する。
【0074】
尚、前述したようにイジェクタ群52の外周にダミー孔60を設けているので、各イジェクタ50のインク滴の吐出特性は均一化されている。
【0075】
次に第一実施形態のインクジェット記録ヘッド112を備えたインクジェット記録装置102について図9に基づき説明する。
【0076】
インクジェット記録装置102はインクジェット記録ヘッド112を搭載するキャリッジ104、キャリッジ104を主走査方向Mに走査する為の主走査機構106、記録媒体としての記録紙Pを副走査方向Sに走査する為の副走査機構108、及びメンテナンスステーション110等を含んで構成されている。
【0077】
インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10が形成されたノズルプレート22が記録用紙Pと対向するようにキャリッジ104上に搭載されており、主走査機構106によって主走査方向Mに移動されながら記録用紙Pに対してインク滴を吐出することにより、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向への1回の移動が終了すると、副走査機構108によって記録用紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ104を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作を複数回繰り返すことにより、記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
【0078】
本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112は、イジェクタ50がマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を3つ備えている。このため、キャリッジ104の主走査方向Mの一回の移動で、広いバンド領域BEに画像が形成できる。つまり、少ないキャリッジ104の移動回数で記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
【0079】
また、前述したように各イジェクタ50の吐出特性は均一であるのでムラの少ない良好な画像形成が行える
従って、優れた印字品位の画像の形成を高速に行うことができるインクジェット記録装置102となっている。
【0080】
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、圧力室プレート32に圧力室12と同形状、同ピッチのダミー孔60を開けていたが、これに限定されない。例えば、その他のプレートにもダミー孔(例えば、インク供給プレート30にインク供給路18と同形状、同一ピッチのダミー孔を、また、インクプールプレート24、26にノズル連通室16と同形状、同一ピッチのダミー孔)を開けても良い。
【0082】
また、上記実施の形態では、ノズル10、圧力室12、インク供給路18、ノズル連通室16は、それぞれ別々のプレートに形成され接着接合されていたが、これに限定されない。例えば、ノズル、圧力室、インク供給路、ノズル連通室を全て1枚のプレートに形成しても良い。或いは、ノズルのみノズルプレートに形成し、圧力室、インク供給路、ノズル連通室とを別のプレートに形成してノズルプレートと接着接合しても良い。或いは、その他の形態であっても良い。
【0083】
また、上記実施の形態では圧電素子36は、1枚の圧電素子36のたわみ振動によって圧力室12を加圧したが、これに限定されない。例えば、圧電素子を積層する形態であっても良いし、縦振動タイプの圧電素子であっても良い。或いは、その他形態の圧電素子であっても良い。
【0084】
また、上記実施の形態では、アクチュエータは圧電素子36と振動板34とからなっているが、これに限定されない。例えば、圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であっても良いし、静電力や磁力を利用したものであっても良い。或いは、その他の形態のアクチュエータであっても良い。
【0085】
また、上記実施の形態では、インクジェット記録ヘッド112はキャリッジ104によって搬送しながら記録を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、ノズルを記録媒体の全般にわたって配置したインクジェット記録ヘッドを用い、インクジェット記録ヘッドは固定して、記録媒体のみを搬送しながら記録を行っても良い。
【0086】
また、本明細書におけるインクジェット記録とは、記録紙上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりするなど、工業用的に用いられる液滴噴射装置全般に対して本発明を利用することが可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを平面視した図である。
【図2】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタ群とダミー孔と平面視した図である。
【図3】(A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す図である。(B)は(A)のX部の拡大図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図2の拡大図である。
【図6】(A)は、(B)のようにマトリックス状に配置された孔(圧力室とダミー孔)をエッチング加工によって形成する場合の孔の大きさのバラツキを表したグラフである。(B)はマトリックス状に配置された孔(圧力室とダミー孔)を平面視した図である。
【図7】(A)は本発明のその他の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部の断面を示し、接着剤のハミ出しと撓みとを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図である。
【図8】(A)は本発明のその他の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しと撓みとを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図である。
【図9】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを使用したインクジェット記録装置を示す図である。
【図10】(A)は従来のインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しを模式的に表す、(B)のA−A断面の図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタを平面視した図である。
【符号の説明】
10 ノズル
12 圧力室
22 ノズルプレート
18 インク供給路
30 インク供給路プレート
32 圧力室プレート
34 振動板(アクチュエータ)
36 圧電素子(アクチュエータ)
50 イジェクタ
52 イジェクタ群
60 ダミー孔
102 インクジェット記録装置
112 インクジェット記録ヘッド
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置はインクジェット記録ヘッドを主走査方向に往復させ、また記録紙を副走査方向に搬送させて、複数のノズルから選択的にインク滴を吐出させることで記録紙に文字や画像を記録する。インクジェット記録ヘッドは圧力室内のインクをアクチュエータ、例えば、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧電素子を用いて振動板を介して加圧することで、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出する方法が知られている。
【0003】
さて、近年、インクジェット記録装置は高速化の傾向が強まっている。このためインクジェット記録ヘッドを長尺化し、インクジェット記録ヘッド1つあたりのノズル数を増やしてマトリックス状に行列配置することで、より短時間に広い領域に画像形成することが可能なインクジェット記録ヘッドが作られている。
【0004】
また、本出願人は、ノズル、圧力室、アクチュエータ、インク供給路等からなるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ郡を形成し、このイジェクタ群を一つ或いは複数有するインクジェット記録ヘッドにおいて、各イジェクタの圧力室やインク流路となる孔をエッチング加工で形成した各プレートを接着接合して製造するインクジェット記録ヘッドを提案している。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
また、複数のプレートを接着接合して製造され、ノズルが一列に配置されたインクジェット記録ヘッドにおいて、接着剤がノズル溝にハミ出すことによる、インク吐出性能の低下を防止する為、ノズル溝間に接着剤の逃がし用の溝を形成する構成が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−334661号公報
【特許文献2】
特許2003−048323号公報
【特許文献3】
特開平05−330067号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、特開2001−334661号公報及び特許2003−048323号公報に記載されているような、図10に示すインクジェット記録ヘッド312を製造し、各種評価を行った結果、イジェクタ群252の外縁部に配置されたイジェクタ250と外縁部以外に配置されたイジェクタ250とではインク滴の吐出特性が若干異なることを発見した。
【0007】
このインク滴の吐出特性が若干異なる現象について、本出願人が分析した結果、次の(1)から(3)の原因が判った。
【0008】
(1)図10(A)に示すように、各プレートを接着接合して製造する際、接着剤270が圧力室212にハミ出し、圧力室212の形状が若干変わる。
【0009】
さて、イジェクタ群252の外縁部以外の圧力室212は、全周囲に8個の隣接圧力室212が存在する為、接着剤270が塗布される周囲の接着代は隣接圧力室212との間隔となる。この為、接着時に圧力室212にハミ出す接着剤270の量も少なく、ハミ出す接着剤270の量も同じであるので、圧力室212の形状も同一となる。(図10(A)のB1参照)
これに対し、外縁部の圧力室212は、全周囲に圧力室212が存在しない為、接着剤270が塗布される周囲の接着代が多くなる。このため接着時に圧力室212にハミ出す接着剤270の量が多くなる。(図10(A)のB2参照)
つまり、図10(A)のB1とB2とで示すように外縁部以外の圧力室212との外縁部の圧力室212とは接着剤のハミ出し量が異なる。
【0010】
従って、ハミ出す接着剤の量の違いによってイジェクタ群252の外縁部以外の圧力室212の形状と外縁部の圧力室212の形状とが異るため、インク滴の吐出特性が異なる。
【0011】
尚、このことは圧力室212だけでなく、インク連通室216やインク供給路218等についても同じことがいえる。
【0012】
(2)マトリックス状に配置された各イジェクタ250の、例えば圧力室212となる孔をあける際、加工上、特に、エッチング加工では、外側の孔、特に最外孔、すなわち、イジェクタ群252の外縁部のイジェクタ250の圧力室212となる孔はエッジング液が溜まり易く、孔が大きくなる。
【0013】
従って、外縁部以外のイジェクタ250の形状と外縁部のイジェクタ250の形状とが異り、インク滴の吐出特性が異なる。
【0014】
(3)上記(1)に記載したように、イジェクタ群252の外縁部以外のイジェクタ250は、全周囲に8個の隣接イジェクタ250が存在するが、外縁部以外のイジェクタ250は、全周囲にイジェクタ250が存在しない。このため各イジェクタ250の周囲の支持面積(接着代と同じ)が異なる。
【0015】
従って、イジェクタ群252の外縁部以外のイジェクタ250と外縁部のイジェクタ250の支持剛性が異るため、インク滴の吐出特性が異なる。
【0016】
このように(1)から(3)のような原因によって、イジェクタ250がマトリックス状に配置されたイジェクタ群252の外縁部に配置されたイジェクタ250と外縁部以外に配置されたイジェクタ250とでは、吐出特性に差がでる。
【0017】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドは、少なくとも、圧力室と、該圧力室と連通しインク滴が吐出されるノズルと、前記圧力室と連通し該圧力室にインクを充填するインク供給路とからなる流路部が形成された流路部プレートと、前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、少なくとも前記流路部と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を構成し、該イジェクタ群の外周の前記流路プレートにダミー孔を設けたことを特徴としている。
【0019】
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドでは、イジェクタ群の外周の流路プレートにインク滴の吐出に寄与しないダミー孔が設けられているので、イジェクタ群の外縁部のイジェクタの流路部と外縁部以外の流路部とは、接着剤が塗布される周囲の接着代が略同一面積となり、アクチュエータの接着時に流路部にハミ出す接着剤の量が同じとなる。
【0020】
更に、加工上、特に、エッチング加工では、マトリックス状に配置された孔の最外孔、すなわちダミー孔は大きくなるが、外縁部のイジェクタの流路部は最外孔ではないので大きくならない。
【0021】
従って、各イジェクタの流路部の形状は、ほぼ等しくなり、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0022】
また、イジェクタ群の外縁部のイジェクタと外縁部以外のイジェクタとは、各イジェクタを支持する周囲の支持面積がほぼ等しくなっている。
【0023】
従って、各イジェクタの支持剛性も、ほぼ等しくなっており、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0024】
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1に記載の構成において、前記流路プレートは、複数のプレートを積層して接着接合されていることを特徴としている。
【0025】
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドでは、イジェクタ群の外周にダミー孔が設けられているので、複数のプレートを積層して接着接合する際にイジェクタ群の外縁部のイジェクタの流路部と外縁部以外のイジェクタの流路部とは、接着剤が塗布される周囲の接着代が略同一面積となり、流路部にハミ出す接着剤の量が同じとなる。
【0026】
更に、複数のプレートに流路部を形成する加工上(特にエッチング加工)、外縁部のイジェクタの流路部は最外孔ではないので大きくならない。
【0027】
従って、各イジェクタの流路部の形状は、ほぼ等しくなり、マトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
【0028】
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、少なくとも前記圧力室と前記ノズルと前記インク供給路と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の外周にダミー孔が設けられ、前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴としている。
【0029】
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1又は請求項2と同様の作用を奏すが、ダミー孔は、圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されているため、インク吐出特性に大きな影響を与える各圧力室の形状が等しくなっている。
【0030】
また、イジェクタ群の外周に大きなダミー孔を開けるとインクジェット記録ヘッド全体の剛性が低下する。この為、イジェクタ群の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタの吐出特性が不安定となる。
【0031】
しかし、上述したようにダミー孔は、圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されているので、インクジェット記録ヘッド全体の剛性が低下したりすることがない。
【0032】
従って、インクジェット記録ヘッド全体の剛性を維持しつつ、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性がより均一化されている。
【0033】
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドは、前記インクジェット記録ヘッドは、圧力室となる孔が形成された圧力室プレートと、前記圧力室と連通し、インク滴が吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、前記圧力室と連通し、該圧力室にインクを充填するインク供給路となる孔が形成されたインク供給路プレートと、前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、前記ダミー孔は少なくとも前記圧力室プレートに開けられ、該圧力室プレートに開けられた前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴としている
請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1乃至請求項3と同様の作用を奏す。
【0034】
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項4に記載の構成において、前記ダミー孔は、前記イジェクタ群の外周を一重又は二重に取り囲んでいることを特徴としている。
【0035】
請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、請求項1乃至請求項4と同様の作用を奏すが、ダミー孔がイジェクタ群の外周を一重又は二重に取り囲んでいるため、インクジェット記録ヘッドの剛性を低下させずに、各イジェクタの形状を均一化しつつ、インクジェット記録ヘッド全体の剛性も維持されている。このため、イジェクタ群の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタの吐出特性が不安定となることがない。
【0036】
請求項6に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項5に記載の構成において、前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子と、前記圧力室の壁面の少なくとも一部を構成し前記圧電素子の変形によって振動して前記圧力室を膨張又は圧縮させる振動板と、で構成されていることを特徴としている。
【0037】
請求項7に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、請求項1乃至請求項5に記載の構成において、前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた前記圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であることを特徴としている。
【0038】
請求項8に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を一つ又は複数有し、各イジェクタの吐出特性が均一化されている請求項1乃至請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドを使用しているので、優れた印字品位の画像の形成を高速に行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
【0040】
図1から図4に示すように、インクジェット記録ヘッド112は、インク滴を吐出するノズル10と、インクを加圧し連通するノズル10からインク滴を吐出させる圧力室12と、ノズル10と圧力室12とを連通するノズル連通室16と、圧力室12に連通するインク供給路18と、を備えたイジェクタ50を有している。
【0041】
図1に示すように、イジェクタ50はマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を構成し、このイジェクタ群52をインクジェット記録ヘッド112は3つ備えている。
【0042】
図2から図4に示すように、各イジェクタ群52の外周にはダミー孔60が配置されている。このダミー孔60は、後述する圧力室プレート32の圧力室12と同形状をし、且つ同ピッチで開けられている。
【0043】
図3、4に示すように、イジェクタ50の圧力室12の上面には振動板34が接着され、振動板34の上面には、圧電素子36が接着され、圧電素子36の上面にはボール半田40を介して配線基板38が接合されている。
【0044】
また、共通インク流路14とイジェクタ50のインク供給路18とが開口部20で連通する。また、共通インク流路14は、図示しないインク供給口に繋がっている。
【0045】
次にインクジェット記録ヘッド112の製造方法の概要を以下に記す。
【0046】
ノズル10が形成されるノズルプレート22と、ノズル連通室16と共通インク流路14となる孔が形成されたインクプールプレート24、26と、ノズル連通室16と共通インク流路14の開口部20となる孔が形成されたスループレート28と、インク供給路18となる孔が形成されたインク供給路プレート30と、圧力室12とダミー孔50となる孔が形成された圧力室プレート32とを順番に積層し接合する。
【0047】
尚、ノズルプレート22の材質はポリイミドであり、ノズルプレート22、インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32の材質はSUSである。また、圧力室12やダミー孔60等になる各孔は、エッチング加工によって形成されている。
【0048】
次にノズルプレート22の表面に撥水コート膜(図示せず)を被覆すると共に、エキシマレーザでノズル10を開ける。
【0049】
ノズル10を形成後に圧力室プレート32に振動板34を接着し、振動板34の上面に各圧力室12に対応した圧電素子36を接着する
そして、最後に圧電素子36毎にボール半田40を形成した配線基板38を圧電素子36と接合する。
【0050】
尚、圧電素子36の両面には電極層が形成されているので、電極層、すなわち圧電素子36と配線基板38とは電気的に接続されている。また、配線基板38と振動板34とは導電性材にて接続されている。
【0051】
このような構成により、駆動電圧波形が圧電素子36に印加されると、圧電素子36と共に振動板34がたわみ変形して圧力室12のインクを加圧し、ノズル10からインク滴が吐出する。
【0052】
さて、本実施形態では、イジェクタ群52の外周にダミー孔60が形成されているが、この作用について以下、(1)から(3)で述べていく。
【0053】
(1)図5に示すように、圧力室プレート32を接着接合する際に圧力室12に接着剤70がハミ出す。尚、判りやすくする為、圧力室プレート32と振動板34との接着接合の際の接着剤70のハミ出しのみを図示し、また、接着剤70の厚み、及び後述する接着剤のハミ出しB1、B2は実際より大きく図示している。
【0054】
イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50の圧力室12は、全周囲に8個の隣接イジェクタ50の圧力室12が存在する為、接着剤70が塗布される周囲の接着代72は隣接イジェクタ50の圧力室12との間隔である。
【0055】
これに対し、外縁部のイジェクタ50の圧力室12は、全周囲にイジェクタ50が存在しないが、外周に圧力室12と同じ形状であり、且つ同じピッチのダミー孔60が配置されている。このため、接着剤70が塗布される周囲の接着代72は、外縁部以外のイジェクタ50の圧力室12と同じとなる。従って、接着時に圧力室12にハミ出す接着剤量70も等しくなる(図5(A)のB1参照)。
【0056】
尚、ダミー孔60はインクを吐出しないので、接着剤70がはハミ出しても問題は無い。(図5(A)のB2参照)。
【0057】
(2)一般的にプレートにマトリックス状に配置された孔をエッチング加工によって形成する場合、外側の孔はエッジング液が溜まり易く、孔が大きくなる。
【0058】
図6(A)に示すグラフは、図6(B)のようにマトリックス状に行列配置された幅Lの孔をエッチング加工によってLが約550μmとなるように形成しようとした場合の孔の大きさのバラツキを模式的に表している。尚、このグラフの横軸は、マトリックス状に形成する圧力室12及びダミー孔60となる孔の列方向(又は行方向)の並びを表わしている。つまり、横軸中央は中央の孔の大きさを、横軸両端は最外孔の孔の大きさを表している。
【0059】
このグラフから判るように、中央から両端側(マトリックス状に形成する孔の外側)に行くほど大きな孔となっており、特に最外孔の孔が大きくなっている。
【0060】
さて、本実施形態では図2及び図6(B)のようにSUS製の圧力室プレート32にマトリックス状に配置されたイジェクタ50の圧力室12となる孔と、その外周にダミー孔60とを形成している。
【0061】
このため圧力室プレート32に形成する孔のうち、最も孔が大きくなる最外孔となる孔は、ダミー孔60である。従って、イジェクタ群52の外縁に配置された圧力室12となる孔は最外孔でないので、あまり大きくなっていない。
【0062】
尚、上述したようにダミー孔60はインク滴を吐出しないので、孔が大きくなっても問題は無い。
【0063】
(3)イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50は全周囲に8個の隣接イジェクタの圧力室12が存在し、外縁部以外のイジェクタ50は全周囲に圧力室12及びダミー孔60が配置されている。また、このダミー孔60は、圧力室12と同形状であり、同ピッチで配置されている。このため、各イジェクタ50を支持する周囲の支持面積(接着代72、74と同じ)が、ほぼ等しくなっている。
【0064】
このように、圧力室12は、ハミ出す接着剤のハミ出し量(図5(A)のB1参照)が同一であり、エッチング加工上、発生する大きさのバラツキの影響も受けていない。従って、インク滴の吐出特性に影響の大きい圧力室12の形状は各イジェクタ50いずれも略同一形状をしている。
【0065】
また、各イジェクタ50の支持剛性も、ほぼ等しくなっているので、イジェクタ群52の各イジェクタ50の吐出特性が均一化されている。
【0066】
尚、図7に示すように圧力室12より大きなダミー孔160としても、各イジェクタ50の形状や支持剛性は均一化されるが、大きなダミー孔160によってインクジェット記録ヘッド113全体の剛性が低下する。
【0067】
或いは、イジェクタ群52の周囲に多数のダミー孔60を、例えば図8のように3周に渡って設けると、より各イジェクタ50の形状や支持剛性は均一化されるが、やはり、ダミー孔60によってインクジェット記録ヘッド115全体の剛性が低下する。
【0068】
このように、インクジェット記録ヘッド113、115全体の剛性が低下すると、図7(A)及び図8(A)に示すようにイジェクタ群52の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタ50のインク滴の吐出特性が不安定となる。
【0069】
従って、本実施形態のように圧力室12と同形状で同一ピッチのダミー孔60をイジェクタ群52の外周、1周にわたって設けるか、或いは図示しないが2周にわたって設ける(二重に取囲む)ことが望ましい。
【0070】
このように圧力室12と同形状で同一ピッチのダミー孔60をイジェクタ群52の1周或いは2周にわたって設けることで、各イジェクタの50の圧力室12の形状や各イジェクタ50の支持剛性を均一化しつつ、インクジェット記録ヘッド112全体の剛性も維持されているため、イジェクタ群52の中央付近が撓み、中央付近に配置されたイジェクタ50の吐出特性が不安定となることがない。
【0071】
次に本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112の作用を説明する。
【0072】
図3(B)の矢印Fのように、インクジェット記録ヘッド112の図示しないインク供給口から導入されたインクが共通インク流路14に充填され、この共通インク流路14からインク供給路18を通って各圧力室12にインクが充填される。
【0073】
各圧力室12にインクが充填された状態で、例えばボール半田40から振動板34へと通電することで圧電素子36が歪み、振動板34を介して圧力室12のインクが加圧され、ノズル10からインク滴が吐出する。
【0074】
尚、前述したようにイジェクタ群52の外周にダミー孔60を設けているので、各イジェクタ50のインク滴の吐出特性は均一化されている。
【0075】
次に第一実施形態のインクジェット記録ヘッド112を備えたインクジェット記録装置102について図9に基づき説明する。
【0076】
インクジェット記録装置102はインクジェット記録ヘッド112を搭載するキャリッジ104、キャリッジ104を主走査方向Mに走査する為の主走査機構106、記録媒体としての記録紙Pを副走査方向Sに走査する為の副走査機構108、及びメンテナンスステーション110等を含んで構成されている。
【0077】
インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10が形成されたノズルプレート22が記録用紙Pと対向するようにキャリッジ104上に搭載されており、主走査機構106によって主走査方向Mに移動されながら記録用紙Pに対してインク滴を吐出することにより、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。主走査方向への1回の移動が終了すると、副走査機構108によって記録用紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ104を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作を複数回繰り返すことにより、記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
【0078】
本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112は、イジェクタ50がマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を3つ備えている。このため、キャリッジ104の主走査方向Mの一回の移動で、広いバンド領域BEに画像が形成できる。つまり、少ないキャリッジ104の移動回数で記録用紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
【0079】
また、前述したように各イジェクタ50の吐出特性は均一であるのでムラの少ない良好な画像形成が行える
従って、優れた印字品位の画像の形成を高速に行うことができるインクジェット記録装置102となっている。
【0080】
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、圧力室プレート32に圧力室12と同形状、同ピッチのダミー孔60を開けていたが、これに限定されない。例えば、その他のプレートにもダミー孔(例えば、インク供給プレート30にインク供給路18と同形状、同一ピッチのダミー孔を、また、インクプールプレート24、26にノズル連通室16と同形状、同一ピッチのダミー孔)を開けても良い。
【0082】
また、上記実施の形態では、ノズル10、圧力室12、インク供給路18、ノズル連通室16は、それぞれ別々のプレートに形成され接着接合されていたが、これに限定されない。例えば、ノズル、圧力室、インク供給路、ノズル連通室を全て1枚のプレートに形成しても良い。或いは、ノズルのみノズルプレートに形成し、圧力室、インク供給路、ノズル連通室とを別のプレートに形成してノズルプレートと接着接合しても良い。或いは、その他の形態であっても良い。
【0083】
また、上記実施の形態では圧電素子36は、1枚の圧電素子36のたわみ振動によって圧力室12を加圧したが、これに限定されない。例えば、圧電素子を積層する形態であっても良いし、縦振動タイプの圧電素子であっても良い。或いは、その他形態の圧電素子であっても良い。
【0084】
また、上記実施の形態では、アクチュエータは圧電素子36と振動板34とからなっているが、これに限定されない。例えば、圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であっても良いし、静電力や磁力を利用したものであっても良い。或いは、その他の形態のアクチュエータであっても良い。
【0085】
また、上記実施の形態では、インクジェット記録ヘッド112はキャリッジ104によって搬送しながら記録を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、ノズルを記録媒体の全般にわたって配置したインクジェット記録ヘッドを用い、インクジェット記録ヘッドは固定して、記録媒体のみを搬送しながら記録を行っても良い。
【0086】
また、本明細書におけるインクジェット記録とは、記録紙上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりするなど、工業用的に用いられる液滴噴射装置全般に対して本発明を利用することが可能である。
【0087】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを平面視した図である。
【図2】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタ群とダミー孔と平面視した図である。
【図3】(A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す図である。(B)は(A)のX部の拡大図である。
【図4】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図5】(A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図2の拡大図である。
【図6】(A)は、(B)のようにマトリックス状に配置された孔(圧力室とダミー孔)をエッチング加工によって形成する場合の孔の大きさのバラツキを表したグラフである。(B)はマトリックス状に配置された孔(圧力室とダミー孔)を平面視した図である。
【図7】(A)は本発明のその他の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部の断面を示し、接着剤のハミ出しと撓みとを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図である。
【図8】(A)は本発明のその他の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しと撓みとを模式的に表す、(B)のA−A断面図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタとダミー孔とを平面視した図である。
【図9】本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを使用したインクジェット記録装置を示す図である。
【図10】(A)は従来のインクジェット記録ヘッドの要部を示し、接着剤のハミ出しを模式的に表す、(B)のA−A断面の図である。(B)はイジェクタ群のイジェクタを平面視した図である。
【符号の説明】
10 ノズル
12 圧力室
22 ノズルプレート
18 インク供給路
30 インク供給路プレート
32 圧力室プレート
34 振動板(アクチュエータ)
36 圧電素子(アクチュエータ)
50 イジェクタ
52 イジェクタ群
60 ダミー孔
102 インクジェット記録装置
112 インクジェット記録ヘッド
Claims (8)
- 少なくとも、圧力室と、該圧力室と連通しインク滴が吐出されるノズルと、前記圧力室と連通し該圧力室にインクを充填するインク供給路とからなる流路部が形成された流路部プレートと、
前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、
を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、
少なくとも前記流路部と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を構成し、該イジェクタ群の外周の前記流路プレートにダミー孔を設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記流路プレートは、複数のプレートを積層して接着接合されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記インクジェット記録ヘッドは、
圧力室となる孔が形成された圧力室プレートと、
前記圧力室と連通し、インク滴が吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、
前記圧力室と連通し、該圧力室にインクを充填するインク供給路となる孔が形成されたインク供給路プレートと、
前記圧力室に接して該圧力室内のインクを加圧し、前記ノズルからインク滴を吐出させるアクチュエータと、
を接着接合して製造されるインクジェット記録ヘッドであって、
少なくとも前記圧力室と前記ノズルと前記インク供給路と前記アクチュエータとを含んで構成されるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の外周にダミー孔が設けられ、
前記ダミー孔は少なくとも前記圧力室プレートに開けられ、該圧力室プレートに開けられた前記ダミー孔は、前記圧力室と略同一形状であり、且つ、略同一ピッチで配置されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記ダミー孔は、前記イジェクタ群の外周を一重又は二重に取り囲んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電素子と、前記圧力室の壁面の少なくとも一部を構成し前記圧電素子の変形によって前記圧力室を膨張又は圧縮させる振動板と、で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記アクチュエータが、前記圧力室に対応して設けられた前記圧力室内のインクを加熱し発泡させることで加圧する発熱抵抗体であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを使用したインクジェット記録装置。
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