JP2004353056A - 水素生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水電解により水素を生成する、エネルギー効率に優れた水素生成装置を提供する。
【解決手段】第1の燃料供給手段16を備える第1の電極8と、水供給手段14を備える第2の電極7と、両電極7,8に挟持された第1の酸素イオン透過膜9と、両電極7,8に電圧を印加する電圧印加手段23とを備える水素生成手段10と、第2の燃料供給手段16を備える第3の電極8と、酸素供給手段19を備える第4の電極11と、両電極8,11に挟持された第2の酸素イオン透過膜12とを備える発電手段13とを備える。第1、第2の燃料供給手段16と、第1、第3の電極8とが共通である。電圧印加手段23は発電手段13の電力を水素生成手段10に供給する。燃料ガスは、メタンを主成分とする炭化水素ガスである。酸素イオン透過膜9,12は、固体酸化物である。精製手段2と、圧縮手段3とを備える。発電手段13の電力を精製手段2、圧縮手段3に供給する。
【選択図】 図2
【解決手段】第1の燃料供給手段16を備える第1の電極8と、水供給手段14を備える第2の電極7と、両電極7,8に挟持された第1の酸素イオン透過膜9と、両電極7,8に電圧を印加する電圧印加手段23とを備える水素生成手段10と、第2の燃料供給手段16を備える第3の電極8と、酸素供給手段19を備える第4の電極11と、両電極8,11に挟持された第2の酸素イオン透過膜12とを備える発電手段13とを備える。第1、第2の燃料供給手段16と、第1、第3の電極8とが共通である。電圧印加手段23は発電手段13の電力を水素生成手段10に供給する。燃料ガスは、メタンを主成分とする炭化水素ガスである。酸素イオン透過膜9,12は、固体酸化物である。精製手段2と、圧縮手段3とを備える。発電手段13の電力を精製手段2、圧縮手段3に供給する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水の電気分解により水素を生成せしめる水素生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業的に水素を製造する装置として、天然ガスの改質による装置と、水の電気分解(電解)による装置とが知られている。このうち、水を電解する装置としては、一般に常温で水素透過膜の両側に電圧を印加する装置が知られている。ところが、前記装置では、水を電解するために大きな電力を必要とする上、得られる水素は酸素と水蒸気とを含む混合気体であり、精製が面倒であるという問題がある。
【0003】
前記問題を解決するために、固体酸化物からなる酸素イオン透過膜を1対の電極で挟持し、一方の電極に天然ガス等の燃料ガスを供給し、他方の電極に水(水蒸気)を供給するとともに、両電極に電圧を印加して水を電解するようにした水素生成装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
前記水素生成装置は、固体酸化物からなる酸素イオン透過膜を用いることにより700〜800℃の温度で作動することが可能であり、このために小さな電力で水を電解することができる。また、前記水素生成装置は、水が供給される側の電極(還元極)で水の電解により生成した酸素がイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが前記酸素イオン透過膜を透過して、反対側の天然ガスが供給される側の電極(酸化極)に移動し、該酸化極で天然ガスの酸化に用いられる。
【0005】
前記水素生成装置では、上述のように前記還元極での水の電解により生成した酸素が前記酸化極で消費されて前記電解を促進するので、水の電解に要する電力をさらに小さくすることができる。また、前記水素生成装置では、前記還元極での水の電解により生成した酸素が前記酸化極で消費される結果、得られる水素は実質的に酸素を含まず、水蒸気を含むだけであるので、容易に精製することができる。
【0006】
前記水素生成装置で生成された水素は、精製後、高圧で貯蔵容器等に貯蔵されるが、前記水素の精製、昇圧には電力を必要とする。そこで、前記水素生成装置で得られた水素の一部を燃料電池の燃料とし、該燃料電池で得られた電力を前記水の電気分解、精製器、昇圧器等の機器に使用することができれば有利である。前記水素生成装置と燃料電池とを組み合わせたシステムとして、例えば、図3に示す水素生成システムが考えられる。
【0007】
図3に示す水素生成システムは、水素生成装置31で得られた水素の一部を燃料電池32の燃料とし、前記水素の残部を精製器33で精製した後、昇圧器34で昇圧して貯蔵容器35に貯蔵するものである。
【0008】
水素生成装置31は、天然ガスが供給される酸化極36と、水蒸気が供給される還元極37と、酸化極36、還元極37に挟持される酸素イオン透過膜38とからなる。ここで、酸化極36はNi−Y2O3−ZrO2サーメットからなる集電体を備え、還元極37は例えばLa0.6Sr0.4Co0.2F0.8O3の組成を備えるランタンストロンチウム鉄酸化物からなる集電体を備えている。また、酸素イオン透過膜38は、Y2O3(8モル%)−ZrO2等の固体酸化物からなる。そして、酸化極36、還元極37には、図示しない電圧印加手段により、水の電解に必要な電圧が印加されるようになっている。
【0009】
一方、燃料電池32は、酸素含有ガスとしての空気が供給される酸素極39と、水素生成装置31で生成した水素が供給される燃料極40と、酸素極39、燃料極40に挟持される固体高分子形陽イオン交換膜41とからなり、通常80℃以下の温度で運転される。燃料電池32は図示しない導線により、水素生成装置31の電圧印加手段と、精製器33と、昇圧器34とに接続されている。
【0010】
また、精製器33は、例えばゼオライト系吸着剤を用いる圧力スイング型精製器であり、オフガスが燃焼器42で燃焼されて、水素生成装置31の還元極37に水蒸気を供給する蒸発器43を加熱する熱の一部とされるようになっている。尚、蒸発器43を加熱する熱としては、水素生成装置31の排熱も利用される。
【0011】
前記水素生成システムでは、水素生成装置31の酸化極36に天然ガスを供給し、還元極37に水蒸気を供給して、酸化極36、還元極37に電圧を印加すると、還元極37で水蒸気が電解され水素と酸素とが生成する。前記酸素は、還元極37でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが酸素イオン透過膜38を透過し、酸化極36側で前記天然ガスを酸化する。前記天然ガスはメタンを主成分とする炭化水素ガスであり、前記酸化により水と二酸化炭素とを生成する。
【0012】
一方、還元極37で生成した水素は水蒸気を含んでおり、燃料電池32の燃料極40に供給される。前記水素は、その一部が燃料極40でイオン化して水素イオンとなり、該水素イオンが陽イオン透過膜41を透過して、酸素極39側で空気中の酸素と反応して水を生成する。そこで、燃料電池32では、燃料極40と酸素極39とを導線で接続することにより電力を取り出すことができる。
【0013】
次に、前記水素のうち、燃料電池32で消費された残部は、精製器33に供給され、水蒸気等の不純物が除去される。そして、精製器33で精製された水素が昇圧器34に供給され、例えば40MPa程度の圧力に加圧されて貯蔵容器35に貯蔵される。
【0014】
前記水素生成システムでは、燃料電池32で得られた電力を水素生成装置31と精製器33と昇圧器34とに供給することができる。また、水素精製器31の排熱と、精製器33のオフガスの燃焼熱とを、水素生成装置31の還元極37に供給される水蒸気の加熱に利用することができる。従って、前記水素生成システムは、貯蔵容器35に貯蔵される水素をエネルギー的に有利に生成させることができる。
【0015】
しかしながら、図3に示すシステムで用いる水素生成装置31は、700〜800℃の温度で作動するため、電解に必要な反応熱を得るためには加熱しなければならず、さらにエネルギーを必要とするとの不都合がある。
【0016】
【特許文献1】
特表2002−526655号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、水の電気分解により水素を生成するために、エネルギー効率に優れた水素生成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の水素生成装置は、炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第1の燃料供給手段を備える第1の電極と、水を供給する水供給手段を備える第2の電極と、両電極に挟持された第1の酸素イオン透過膜と、両電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、該水供給手段により供給される水を電解して水素を生成させる水素生成手段と、炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第2の燃料供給手段を備える第3の電極と、酸素を供給する酸素供給手段を備える第4の電極と、両電極に挟持された第2の酸素イオン透過膜とを備え、両電極を接続して電力を取り出す発電手段とを備え、第1の燃料供給手段と第2の燃料供給手段とが共通であり、第1の電極と第3の電極とが共通であることを特徴とする。
【0019】
本発明の水素生成装置によれば、前記水素生成手段に燃料ガスを供給する第1の燃料供給手段と、前記発電手段に燃料ガスを供給する第2の燃料供給手段とが共通化されており、共通化された燃料供給手段から該燃料ガスの供給を受ける第1の電極と第3の電極とが共通化されている。従って、装置構成を簡単なものとして、効率よく水素と電力とを得ることができる。
【0020】
本発明の水素生成手段において、前記電圧印加手段は、外部から供給される電力を第1、第2の両電極に印加するものであってもよい。しかし、前記電圧印加手段は前記発電手段により取り出された電力を前記水素生成手段に供給する構成を備えることにより、外部からの電力供給を不要として、水素の生成をさらに効率よく行うことができる。
【0021】
本発明の水素生成装置では、前記燃料ガスとして、メタンを主成分とする炭化水素ガス、例えば天然ガスを用いることができる。天然ガスは電力に比較して安価なエネルギー源であるので、コストを低減する上で好ましい。
【0022】
また、本発明の水素生成装置において、前記酸素イオン透過膜は、固体酸化物であることを特徴とする。前記酸素イオン透過膜が固体酸化物であることにより、前記発電手段は前記水素生成手段の作動温度と同等の700〜800℃の温度で運転することができ、該発電手段の排熱により隣接する該水素生成手段を加熱して、水の電解に必要な反応熱を供給することができる。
【0023】
さらに、本発明の水素生成装置は、前記水素生成手段で生成せしめられた水素を精製する精製手段と、該精製手段で精製された水素を圧縮する圧縮手段とを備え、前記発電手段により取り出された電力を該精製手段と該圧縮手段とに供給する電力供給手段を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の水素生成装置は、前記水素生成手段で生成せしめられた水素を前記精製手段で精製した後、前記圧縮手段で圧縮して昇圧することにより、高圧で貯蔵容器等に貯蔵することができる。
【0025】
前記精製手段としては、例えば圧力スイング吸着法、温度スイング吸着法等の吸着剤を用いて水素を精製する方法による精製器を用いることができる。しかし、前記圧力スイング吸着法では前記吸着剤の再生のために低圧コンプレッサーを使用し、前記温度スイング吸着法では電熱ヒータを使用するため、電力を必要とする。また、前記圧縮手段としてはコンプレッサーを用いることができるが、該コンプレッサーも電力を必要とする。
【0026】
そこで、前記発電手段により取り出された電力を前記電力供給手段により、前記精製手段と圧縮手段とに供給することにより、外部からの電力供給を不要として、前記高圧での貯蔵を効率よく行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の水素生成システムの構成を示すブロック図であり、図2は図1に示す水素生成装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の水素生成システムは、水蒸気の電解により水素を生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された水素を精製する精製器2と、精製器2で精製された水素を圧縮して昇圧するコンプレッサー等の昇圧器3と、昇圧器3で昇圧された水素を貯蔵する貯蔵容器4とを備えている。
【0029】
精製器2は、例えばゼオライト系吸着剤を用いる温度スイング型精製器を用いることができる。精製器2のオフガスは、水素を含んでいるので、燃焼器5で燃焼せしめることにより、水素生成装置1に水蒸気を供給する蒸発器6の加熱に用いることができる。
【0030】
水素生成装置1は、蒸発器6から水蒸気が供給される還元極7と、燃料として炭化水素ガスが供給される酸化極8との1対の電極に挟持された第1の酸素イオン透過膜9を備える水素生成部10と、燃料として炭化水素ガスが供給される燃料極8と、酸素含有ガスとして空気が供給される酸素極11との1対の電極に挟持された第2の酸素イオン透過膜12を備える発電部13とを備えている。水素生成装置1は、水素生成部10に発電部13が積層された構成となっており、水素生成部10の酸化極8は、発電部13の燃料極8を兼ね、酸化極8と燃料極8とが共通化されている。
【0031】
尚、前記炭化水素ガスとしては、天然ガス等のメタンを主成分とする炭化水素ガスが用いられる。図1では、前記炭化水素ガスをメタンとして示す。
【0032】
次に、図2を参照して、水素生成装置1の構成について詳細に説明する。
【0033】
まず、還元極7は、蒸発器6から供給される水蒸気が流通される水蒸気流通路14と、集電体15とを備え、集電体15を介して第1の酸素イオン透過膜9に接している。
【0034】
次に、酸化極(燃料極)8は、燃料としてのメタンが流通されるメタン流通路16と、メタン流通路16の両側に設けられた集電体17,18を備えている。そして、酸化極(燃料極)8は、集電体17を介して第1の酸素イオン透過膜9に接する一方、集電体18を介して第2の酸素イオン透過膜12に接している。
【0035】
次に、酸素極11は、酸素含有ガスとしての空気が流通される空気流通路19と、集電体20とを備え、集電体20を介して第2の酸素イオン透過膜12に接している。
【0036】
従って、水素生成装置1では、還元極7の水蒸気流通路14、集電体15と、第1の酸素イオン透過膜9と、酸化極8のメタン流通路16、集電体17とにより水素生成部10が形成され、燃料極8のメタン流通路16、集電体18と、第2の酸素イオン透過膜12と、酸素極11の空気流通路19、集電体20とにより発電部13が形成されている。そして、酸素極11の集電体20は導線21により酸化極8の集電体17に接続され、還元極7の集電体15は導線22により燃料極8の集電体18に接続されており、導線21,22により発電部13で得られた電力を水素生成部10に供給する電圧印加手段23が構成されている。
【0037】
水素生成装置1において、酸素イオン透過膜9,12は、固体酸化物であるY2O3(8モル%)−ZrO2からなる。また、集電体14,20は、Ni−Y2O3−ZrO2サーメットからなり、集電体17,18は、例えばLa0.6Sr0.4Co0.2F0.8O3の組成を備えるランタンストロンチウム鉄酸化物からなる。
【0038】
次に、本実施形態の水素生成システムの作動について説明する。
【0039】
まず、水素生成装置1の水素生成部10では、還元極7の水蒸気流通路14に流通される水蒸気が電圧印加手段23により印加される電圧により電解され、水素と酸素とを生成する。前記酸素は集電体15内でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体酸化物酸素イオン透過膜9を透過して酸化極8側に移動する。このとき、前記酸素のイオン化により生成した電子は、導線22を介して発電部13の燃料極8に、より詳しくは集電体18に供給される。
【0040】
前記酸素イオンは、酸化極8側の集電体17内で、発電部13の酸素極11から供給される電子を受け取って分子状の酸素を生成し、該酸素がメタン流通路16に流通されているメタンを酸化して水と二酸化炭素とを生成する。この結果、還元極7で生成した酸素が、酸化極8で消費されることになり、還元極7ではより少ないエネルギーで前記水蒸気の電解反応が進行することになる。
【0041】
一方、水素生成装置1の発電部13では、酸素極11の空気流通路19に流通される空気中の酸素が集電体20内でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体酸化物酸素イオン透過膜12を透過して燃料極8側に移動する。このとき、前記酸素のイオン化により生成した電子は、導線21を介して水素生成部10の酸化極8に、より詳しくは集電体16に供給される。
【0042】
前記酸素イオンは、燃料極8側の集電体18内で、水素生成部10の還元極7から供給される電子を受け取って分子状の酸素を生成し、該酸素がメタン流通路16に流通されているメタンを酸化して二酸化炭素と水とを生成する。
【0043】
この結果、水素生成部10の還元極7で水素が生成し、該水素が水蒸気流通路14から取り出される。還元極7では前記水素と同時に酸素が生成するが、該酸素は前述のように酸化極8で消費されるので、水蒸気流通路14から取り出される水素は、実質的に酸素を含まず、水蒸気のみを含んでいる。尚、このとき、水素生成部10は700〜800℃の温度で作動するが、隣接する発電部13もまた700〜800℃の温度で運転されるので、発電部13の排熱を水素生成部10の加熱に利用することができ、好都合である。
【0044】
水蒸気流通路14から取り出される水素は、図1に示すように、精製器2に供給され、前記水蒸気が除去される。次に、精製器2で精製された水素は昇圧器3に供給され、昇圧器3で圧縮されることにより40MPa程度の圧力に昇圧される。精製器2、昇圧器3は、図示しない導線により発電部13と接続されており、発電部13で取り出された電力の一部が精製器2、昇圧器3の動力として使用される。そして、前記圧力に昇圧された水素が貯蔵容器4に貯蔵される。
【0045】
尚、本実施形態の水素生成システムでは、水素生成装置1の排熱と、精製器2のオフガスの燃焼熱とを、蒸発器6の熱源として用いている。
【0046】
図1に示す水素生成システムでは、水素生成装置1の作動温度を800℃、温度スイング型精製器2の吸着温度を常温、再生温度を300℃として、水素の生成を行った。図1に示す水素生成システムでは、2Sm3/時の水素を貯蔵容器4に貯蔵するために、1.1Sm3/時のメタンガス(天然ガス)と、3.4リットル/時の水とを必要とし、発電部13の発電量は2kWであった。
【0047】
そして、貯蔵容器4に貯蔵された水素を生成するためのエネルギー効率は、55%であった。尚、前記エネルギー効率は次式により算出した。
【0048】
エネルギー効率(%)=(貯蔵容器4に貯蔵された水素の燃焼熱/使用したメタンガスの燃焼熱)×100
次に、比較のために、図3に示す水素生成システムで、水素生成装置31の作動温度を800℃、燃料電池32の運転温度を75℃、圧力スイング型精製器33の吸着圧力を0.9MPa、再生圧力を約0.1MPaとして、水素の生成を行った。図3に示す水素生成システムでは、2Sm3/時の水素を貯蔵容器35に貯蔵するために、1.2Sm3/時のメタンガス(天然ガス)と、2.3リットル/時の水とを必要とし、燃料電池32の発電量は3kWであった。
【0049】
そして、貯蔵容器35に貯蔵された水素を生成するためのエネルギー効率は、50%であった。
【0050】
従って、図1に示す水素生成システムによれば、図3に示す水素生成システムよりも、効率よく水素を生成することができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素生成装置を用いる水素生成システムの一構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の水素生成装置の構成を示すブロック図。
【図3】従来の水素生成装置を用いる水素生成システムの一構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…水素生成装置、 2…精製手段、 3…圧縮手段、 7…第2の電極、 8…第1の電極(第3の電極)、 9…第1の酸素イオン透過膜、 10…水素生成手段、 11…第4の電極、 12…第2の酸素イオン透過膜、 13…発電手段、 14…水供給手段、 16…第1の燃料供給手段(第2の燃料供給手段)、19…酸素供給手段、 23…電圧印加手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水の電気分解により水素を生成せしめる水素生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工業的に水素を製造する装置として、天然ガスの改質による装置と、水の電気分解(電解)による装置とが知られている。このうち、水を電解する装置としては、一般に常温で水素透過膜の両側に電圧を印加する装置が知られている。ところが、前記装置では、水を電解するために大きな電力を必要とする上、得られる水素は酸素と水蒸気とを含む混合気体であり、精製が面倒であるという問題がある。
【0003】
前記問題を解決するために、固体酸化物からなる酸素イオン透過膜を1対の電極で挟持し、一方の電極に天然ガス等の燃料ガスを供給し、他方の電極に水(水蒸気)を供給するとともに、両電極に電圧を印加して水を電解するようにした水素生成装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
前記水素生成装置は、固体酸化物からなる酸素イオン透過膜を用いることにより700〜800℃の温度で作動することが可能であり、このために小さな電力で水を電解することができる。また、前記水素生成装置は、水が供給される側の電極(還元極)で水の電解により生成した酸素がイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが前記酸素イオン透過膜を透過して、反対側の天然ガスが供給される側の電極(酸化極)に移動し、該酸化極で天然ガスの酸化に用いられる。
【0005】
前記水素生成装置では、上述のように前記還元極での水の電解により生成した酸素が前記酸化極で消費されて前記電解を促進するので、水の電解に要する電力をさらに小さくすることができる。また、前記水素生成装置では、前記還元極での水の電解により生成した酸素が前記酸化極で消費される結果、得られる水素は実質的に酸素を含まず、水蒸気を含むだけであるので、容易に精製することができる。
【0006】
前記水素生成装置で生成された水素は、精製後、高圧で貯蔵容器等に貯蔵されるが、前記水素の精製、昇圧には電力を必要とする。そこで、前記水素生成装置で得られた水素の一部を燃料電池の燃料とし、該燃料電池で得られた電力を前記水の電気分解、精製器、昇圧器等の機器に使用することができれば有利である。前記水素生成装置と燃料電池とを組み合わせたシステムとして、例えば、図3に示す水素生成システムが考えられる。
【0007】
図3に示す水素生成システムは、水素生成装置31で得られた水素の一部を燃料電池32の燃料とし、前記水素の残部を精製器33で精製した後、昇圧器34で昇圧して貯蔵容器35に貯蔵するものである。
【0008】
水素生成装置31は、天然ガスが供給される酸化極36と、水蒸気が供給される還元極37と、酸化極36、還元極37に挟持される酸素イオン透過膜38とからなる。ここで、酸化極36はNi−Y2O3−ZrO2サーメットからなる集電体を備え、還元極37は例えばLa0.6Sr0.4Co0.2F0.8O3の組成を備えるランタンストロンチウム鉄酸化物からなる集電体を備えている。また、酸素イオン透過膜38は、Y2O3(8モル%)−ZrO2等の固体酸化物からなる。そして、酸化極36、還元極37には、図示しない電圧印加手段により、水の電解に必要な電圧が印加されるようになっている。
【0009】
一方、燃料電池32は、酸素含有ガスとしての空気が供給される酸素極39と、水素生成装置31で生成した水素が供給される燃料極40と、酸素極39、燃料極40に挟持される固体高分子形陽イオン交換膜41とからなり、通常80℃以下の温度で運転される。燃料電池32は図示しない導線により、水素生成装置31の電圧印加手段と、精製器33と、昇圧器34とに接続されている。
【0010】
また、精製器33は、例えばゼオライト系吸着剤を用いる圧力スイング型精製器であり、オフガスが燃焼器42で燃焼されて、水素生成装置31の還元極37に水蒸気を供給する蒸発器43を加熱する熱の一部とされるようになっている。尚、蒸発器43を加熱する熱としては、水素生成装置31の排熱も利用される。
【0011】
前記水素生成システムでは、水素生成装置31の酸化極36に天然ガスを供給し、還元極37に水蒸気を供給して、酸化極36、還元極37に電圧を印加すると、還元極37で水蒸気が電解され水素と酸素とが生成する。前記酸素は、還元極37でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが酸素イオン透過膜38を透過し、酸化極36側で前記天然ガスを酸化する。前記天然ガスはメタンを主成分とする炭化水素ガスであり、前記酸化により水と二酸化炭素とを生成する。
【0012】
一方、還元極37で生成した水素は水蒸気を含んでおり、燃料電池32の燃料極40に供給される。前記水素は、その一部が燃料極40でイオン化して水素イオンとなり、該水素イオンが陽イオン透過膜41を透過して、酸素極39側で空気中の酸素と反応して水を生成する。そこで、燃料電池32では、燃料極40と酸素極39とを導線で接続することにより電力を取り出すことができる。
【0013】
次に、前記水素のうち、燃料電池32で消費された残部は、精製器33に供給され、水蒸気等の不純物が除去される。そして、精製器33で精製された水素が昇圧器34に供給され、例えば40MPa程度の圧力に加圧されて貯蔵容器35に貯蔵される。
【0014】
前記水素生成システムでは、燃料電池32で得られた電力を水素生成装置31と精製器33と昇圧器34とに供給することができる。また、水素精製器31の排熱と、精製器33のオフガスの燃焼熱とを、水素生成装置31の還元極37に供給される水蒸気の加熱に利用することができる。従って、前記水素生成システムは、貯蔵容器35に貯蔵される水素をエネルギー的に有利に生成させることができる。
【0015】
しかしながら、図3に示すシステムで用いる水素生成装置31は、700〜800℃の温度で作動するため、電解に必要な反応熱を得るためには加熱しなければならず、さらにエネルギーを必要とするとの不都合がある。
【0016】
【特許文献1】
特表2002−526655号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、水の電気分解により水素を生成するために、エネルギー効率に優れた水素生成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の水素生成装置は、炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第1の燃料供給手段を備える第1の電極と、水を供給する水供給手段を備える第2の電極と、両電極に挟持された第1の酸素イオン透過膜と、両電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、該水供給手段により供給される水を電解して水素を生成させる水素生成手段と、炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第2の燃料供給手段を備える第3の電極と、酸素を供給する酸素供給手段を備える第4の電極と、両電極に挟持された第2の酸素イオン透過膜とを備え、両電極を接続して電力を取り出す発電手段とを備え、第1の燃料供給手段と第2の燃料供給手段とが共通であり、第1の電極と第3の電極とが共通であることを特徴とする。
【0019】
本発明の水素生成装置によれば、前記水素生成手段に燃料ガスを供給する第1の燃料供給手段と、前記発電手段に燃料ガスを供給する第2の燃料供給手段とが共通化されており、共通化された燃料供給手段から該燃料ガスの供給を受ける第1の電極と第3の電極とが共通化されている。従って、装置構成を簡単なものとして、効率よく水素と電力とを得ることができる。
【0020】
本発明の水素生成手段において、前記電圧印加手段は、外部から供給される電力を第1、第2の両電極に印加するものであってもよい。しかし、前記電圧印加手段は前記発電手段により取り出された電力を前記水素生成手段に供給する構成を備えることにより、外部からの電力供給を不要として、水素の生成をさらに効率よく行うことができる。
【0021】
本発明の水素生成装置では、前記燃料ガスとして、メタンを主成分とする炭化水素ガス、例えば天然ガスを用いることができる。天然ガスは電力に比較して安価なエネルギー源であるので、コストを低減する上で好ましい。
【0022】
また、本発明の水素生成装置において、前記酸素イオン透過膜は、固体酸化物であることを特徴とする。前記酸素イオン透過膜が固体酸化物であることにより、前記発電手段は前記水素生成手段の作動温度と同等の700〜800℃の温度で運転することができ、該発電手段の排熱により隣接する該水素生成手段を加熱して、水の電解に必要な反応熱を供給することができる。
【0023】
さらに、本発明の水素生成装置は、前記水素生成手段で生成せしめられた水素を精製する精製手段と、該精製手段で精製された水素を圧縮する圧縮手段とを備え、前記発電手段により取り出された電力を該精製手段と該圧縮手段とに供給する電力供給手段を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の水素生成装置は、前記水素生成手段で生成せしめられた水素を前記精製手段で精製した後、前記圧縮手段で圧縮して昇圧することにより、高圧で貯蔵容器等に貯蔵することができる。
【0025】
前記精製手段としては、例えば圧力スイング吸着法、温度スイング吸着法等の吸着剤を用いて水素を精製する方法による精製器を用いることができる。しかし、前記圧力スイング吸着法では前記吸着剤の再生のために低圧コンプレッサーを使用し、前記温度スイング吸着法では電熱ヒータを使用するため、電力を必要とする。また、前記圧縮手段としてはコンプレッサーを用いることができるが、該コンプレッサーも電力を必要とする。
【0026】
そこで、前記発電手段により取り出された電力を前記電力供給手段により、前記精製手段と圧縮手段とに供給することにより、外部からの電力供給を不要として、前記高圧での貯蔵を効率よく行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の水素生成システムの構成を示すブロック図であり、図2は図1に示す水素生成装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の水素生成システムは、水蒸気の電解により水素を生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された水素を精製する精製器2と、精製器2で精製された水素を圧縮して昇圧するコンプレッサー等の昇圧器3と、昇圧器3で昇圧された水素を貯蔵する貯蔵容器4とを備えている。
【0029】
精製器2は、例えばゼオライト系吸着剤を用いる温度スイング型精製器を用いることができる。精製器2のオフガスは、水素を含んでいるので、燃焼器5で燃焼せしめることにより、水素生成装置1に水蒸気を供給する蒸発器6の加熱に用いることができる。
【0030】
水素生成装置1は、蒸発器6から水蒸気が供給される還元極7と、燃料として炭化水素ガスが供給される酸化極8との1対の電極に挟持された第1の酸素イオン透過膜9を備える水素生成部10と、燃料として炭化水素ガスが供給される燃料極8と、酸素含有ガスとして空気が供給される酸素極11との1対の電極に挟持された第2の酸素イオン透過膜12を備える発電部13とを備えている。水素生成装置1は、水素生成部10に発電部13が積層された構成となっており、水素生成部10の酸化極8は、発電部13の燃料極8を兼ね、酸化極8と燃料極8とが共通化されている。
【0031】
尚、前記炭化水素ガスとしては、天然ガス等のメタンを主成分とする炭化水素ガスが用いられる。図1では、前記炭化水素ガスをメタンとして示す。
【0032】
次に、図2を参照して、水素生成装置1の構成について詳細に説明する。
【0033】
まず、還元極7は、蒸発器6から供給される水蒸気が流通される水蒸気流通路14と、集電体15とを備え、集電体15を介して第1の酸素イオン透過膜9に接している。
【0034】
次に、酸化極(燃料極)8は、燃料としてのメタンが流通されるメタン流通路16と、メタン流通路16の両側に設けられた集電体17,18を備えている。そして、酸化極(燃料極)8は、集電体17を介して第1の酸素イオン透過膜9に接する一方、集電体18を介して第2の酸素イオン透過膜12に接している。
【0035】
次に、酸素極11は、酸素含有ガスとしての空気が流通される空気流通路19と、集電体20とを備え、集電体20を介して第2の酸素イオン透過膜12に接している。
【0036】
従って、水素生成装置1では、還元極7の水蒸気流通路14、集電体15と、第1の酸素イオン透過膜9と、酸化極8のメタン流通路16、集電体17とにより水素生成部10が形成され、燃料極8のメタン流通路16、集電体18と、第2の酸素イオン透過膜12と、酸素極11の空気流通路19、集電体20とにより発電部13が形成されている。そして、酸素極11の集電体20は導線21により酸化極8の集電体17に接続され、還元極7の集電体15は導線22により燃料極8の集電体18に接続されており、導線21,22により発電部13で得られた電力を水素生成部10に供給する電圧印加手段23が構成されている。
【0037】
水素生成装置1において、酸素イオン透過膜9,12は、固体酸化物であるY2O3(8モル%)−ZrO2からなる。また、集電体14,20は、Ni−Y2O3−ZrO2サーメットからなり、集電体17,18は、例えばLa0.6Sr0.4Co0.2F0.8O3の組成を備えるランタンストロンチウム鉄酸化物からなる。
【0038】
次に、本実施形態の水素生成システムの作動について説明する。
【0039】
まず、水素生成装置1の水素生成部10では、還元極7の水蒸気流通路14に流通される水蒸気が電圧印加手段23により印加される電圧により電解され、水素と酸素とを生成する。前記酸素は集電体15内でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体酸化物酸素イオン透過膜9を透過して酸化極8側に移動する。このとき、前記酸素のイオン化により生成した電子は、導線22を介して発電部13の燃料極8に、より詳しくは集電体18に供給される。
【0040】
前記酸素イオンは、酸化極8側の集電体17内で、発電部13の酸素極11から供給される電子を受け取って分子状の酸素を生成し、該酸素がメタン流通路16に流通されているメタンを酸化して水と二酸化炭素とを生成する。この結果、還元極7で生成した酸素が、酸化極8で消費されることになり、還元極7ではより少ないエネルギーで前記水蒸気の電解反応が進行することになる。
【0041】
一方、水素生成装置1の発電部13では、酸素極11の空気流通路19に流通される空気中の酸素が集電体20内でイオン化して酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体酸化物酸素イオン透過膜12を透過して燃料極8側に移動する。このとき、前記酸素のイオン化により生成した電子は、導線21を介して水素生成部10の酸化極8に、より詳しくは集電体16に供給される。
【0042】
前記酸素イオンは、燃料極8側の集電体18内で、水素生成部10の還元極7から供給される電子を受け取って分子状の酸素を生成し、該酸素がメタン流通路16に流通されているメタンを酸化して二酸化炭素と水とを生成する。
【0043】
この結果、水素生成部10の還元極7で水素が生成し、該水素が水蒸気流通路14から取り出される。還元極7では前記水素と同時に酸素が生成するが、該酸素は前述のように酸化極8で消費されるので、水蒸気流通路14から取り出される水素は、実質的に酸素を含まず、水蒸気のみを含んでいる。尚、このとき、水素生成部10は700〜800℃の温度で作動するが、隣接する発電部13もまた700〜800℃の温度で運転されるので、発電部13の排熱を水素生成部10の加熱に利用することができ、好都合である。
【0044】
水蒸気流通路14から取り出される水素は、図1に示すように、精製器2に供給され、前記水蒸気が除去される。次に、精製器2で精製された水素は昇圧器3に供給され、昇圧器3で圧縮されることにより40MPa程度の圧力に昇圧される。精製器2、昇圧器3は、図示しない導線により発電部13と接続されており、発電部13で取り出された電力の一部が精製器2、昇圧器3の動力として使用される。そして、前記圧力に昇圧された水素が貯蔵容器4に貯蔵される。
【0045】
尚、本実施形態の水素生成システムでは、水素生成装置1の排熱と、精製器2のオフガスの燃焼熱とを、蒸発器6の熱源として用いている。
【0046】
図1に示す水素生成システムでは、水素生成装置1の作動温度を800℃、温度スイング型精製器2の吸着温度を常温、再生温度を300℃として、水素の生成を行った。図1に示す水素生成システムでは、2Sm3/時の水素を貯蔵容器4に貯蔵するために、1.1Sm3/時のメタンガス(天然ガス)と、3.4リットル/時の水とを必要とし、発電部13の発電量は2kWであった。
【0047】
そして、貯蔵容器4に貯蔵された水素を生成するためのエネルギー効率は、55%であった。尚、前記エネルギー効率は次式により算出した。
【0048】
エネルギー効率(%)=(貯蔵容器4に貯蔵された水素の燃焼熱/使用したメタンガスの燃焼熱)×100
次に、比較のために、図3に示す水素生成システムで、水素生成装置31の作動温度を800℃、燃料電池32の運転温度を75℃、圧力スイング型精製器33の吸着圧力を0.9MPa、再生圧力を約0.1MPaとして、水素の生成を行った。図3に示す水素生成システムでは、2Sm3/時の水素を貯蔵容器35に貯蔵するために、1.2Sm3/時のメタンガス(天然ガス)と、2.3リットル/時の水とを必要とし、燃料電池32の発電量は3kWであった。
【0049】
そして、貯蔵容器35に貯蔵された水素を生成するためのエネルギー効率は、50%であった。
【0050】
従って、図1に示す水素生成システムによれば、図3に示す水素生成システムよりも、効率よく水素を生成することができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素生成装置を用いる水素生成システムの一構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の水素生成装置の構成を示すブロック図。
【図3】従来の水素生成装置を用いる水素生成システムの一構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…水素生成装置、 2…精製手段、 3…圧縮手段、 7…第2の電極、 8…第1の電極(第3の電極)、 9…第1の酸素イオン透過膜、 10…水素生成手段、 11…第4の電極、 12…第2の酸素イオン透過膜、 13…発電手段、 14…水供給手段、 16…第1の燃料供給手段(第2の燃料供給手段)、19…酸素供給手段、 23…電圧印加手段。
Claims (5)
- 炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第1の燃料供給手段を備える第1の電極と、水を供給する水供給手段を備える第2の電極と、両電極に挟持された第1の酸素イオン透過膜と、両電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、該水供給手段により供給される水を電解して水素を生成させる水素生成手段と、
炭化水素ガスからなる燃料ガスを供給する第2の燃料供給手段を備える第3の電極と、酸素を供給する酸素供給手段を備える第4の電極と、両電極に挟持された第2の酸素イオン透過膜とを備え、両電極を接続して電力を取り出す発電手段とを備え、
第1の燃料供給手段と第2の燃料供給手段とが共通であり、第1の電極と第3の電極とが共通であることを特徴とする水素生成装置。 - 前記電圧印加手段は前記発電手段により取り出された電力を前記水素生成手段に供給する構成を備えることを特徴とする請求項1記載の水素生成装置。
- 前記燃料ガスは、メタンを主成分とする炭化水素ガスであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の水素生成装置。
- 前記酸素イオン透過膜は、固体酸化物であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の水素生成装置。
- 前記水素生成手段で生成せしめられた水素を精製する精製手段と、該精製手段で精製された水素を圧縮する圧縮手段とを備え、前記発電手段により取り出された電力を該精製手段と該圧縮手段とに供給する電力供給手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の水素生成装置。
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2003
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