JP2004352944A - 水性路面表示塗料用重合体ラテックスおよび水性路面表示塗料 - Google Patents
水性路面表示塗料用重合体ラテックスおよび水性路面表示塗料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスを提供する。
【解決手段】水性媒体中、特定組成の単量体混合物であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部を重合して得られることを特徴とする水性路面表示塗料用重合体ラテックス。
【選択図】なし
【解決手段】水性媒体中、特定組成の単量体混合物であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部を重合して得られることを特徴とする水性路面表示塗料用重合体ラテックス。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性路面表示塗料用重合体ラテックスおよび水性路面表示塗料に関する。より詳しくは、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
路面表示塗料は、環境汚染や施工時の危険性を考慮して、溶剤塗料から水性塗料に代わりつつある。水性路面表示塗料には、機械的安定性、保存安定性および乾燥性に優れること、塗膜の耐汚染性に優れること、さらには寒冷地で問題となる低温造膜性に優れることが求められている。
従来、例えば、特許文献1には、アニオン的に安定化された重合体ラテックスに、多官能性アミン重合体を配合した水性路面表示塗料が開示されている。しかしながら、このような水性路面表示塗料は、塗料の乾燥性および塗膜の耐汚染性に比較的優れるものの、塗料の保存安定性および機械的安定性が不十分である上に、低温造膜性に劣るものであった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−60308号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下の(1)および(2)の手段により解決された。
(1)水性媒体中、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜30重量%およびこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体99.9〜70重量%からなる単量体混合物(A)であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の合計量は100重量部である。)を重合して得られることを特徴とする水性路面表示塗料用重合体ラテックス。
(2)前記(1)に記載の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、着色顔料20〜200重量部および充填剤100〜400重量部を含んでなる水性路面表示塗料。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスは、水性媒体中、エチレン性不飽和カルボン酸単量体1〜30重量%およびこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体99〜70重量%からなる単量体混合物(A)であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合(以下、「第1段階重合」ともいう。)した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の合計量は100重量部である。)を重合(以下、「第2段階重合」ともいう。)して得られることを特徴とする。
【0007】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などが挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸およびアクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましく使用される。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などの各種の塩の形態で用いることもできる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用できる。
【0008】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。この使用量が少ないと、水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣り、逆に多いと水性路面表示塗料の乾燥性に劣り、かつ塗料粘度が高くなりすぎ取り扱い難くなる。
【0009】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体;(メタ)アクリルアミドなどのようなエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;塩化ビニルなどのようなハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のようなカルボン酸ビニルエステル;などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用できる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、上記の中でも、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましく使用できる。
【0010】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の99.9〜70重量%、好ましくは99.5〜90重量%である。この使用量が少ないと、水性路面表示塗料の乾燥性に劣り、かつ塗料粘度が高くなるため、取り扱い難くなり、逆に多いと、水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣る。
【0011】
単量体混合物(A)は、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(以下、「計算Tg(A)」ともいう。)が0℃以上のものである。計算Tg(A)は、10℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。計算Tg(A)の上限は、通常、100℃、好ましくは90℃である。計算Tg(A)が低いと、塗膜の耐汚染性に劣り、逆に高すぎると、低温造膜性に劣る傾向がある。
【0012】
ここで、単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(Tg)は、下記(1)式より計算される値である。
【0013】
【数1】
【0014】
(1)式は、i番目(iは1以上の整数である。)の単量体(Mi)の単独重合体のガラス転移温度(Tg(Mi):単位は絶対温度である。)と、2以上の単量体からなる単量体混合物を共重合して得られる共重合体中における各単量体単位の重量分率(W(Mi))と、該共重合体の見積もられるガラス転移温度(Tg;単位は絶対温度である。)との関係を示すものである。なお、本発明においては、共重合体中における各単量体単位の重量分率(W(Mi))は、単量体混合物における各単量体の重量分率に等しいものとして計算する。
【0015】
各単量体の単独重合体のガラス転移温度(Tg(Mi))は、例えば、「POLYMER HANDBOOK(Fourth edition)」;J.Brandrup,E.H.Immergut and E.A.Grulke;AWiley−Interscience Publicationに記載されている。代表的なTg(Mi)としては、例えば、スチレン(373K)、メタクリル酸メチル(378K)、アクリル酸エチル(249K)、アクリル酸ブチル(219K)、アクリル酸2−エチルヘキシル(223K)、メタクリル酸ブチル(318K)、アクリル酸(360K)、メタクリル酸(501K)などが挙げられる。
単量体混合物(A)の単量体組成は、上記の点を考慮して選択する必要がある。
【0016】
第1段階重合に用いる単量体混合物(A)の使用量は、10〜60重量部、好ましくは15〜50重量部である。この使用量が少ないと水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣り、塗膜の耐汚染性に劣る。単量体混合物(A)の使用量が多いと、水性路面表示塗料の乾燥性および低温造膜性に劣る。
【0017】
第1段階重合においては、水性媒体中、界面活性剤の存在下または不在下に、前記の単量体混合物(A)を共重合する。
【0018】
水性媒体としては、通常、水が使用され、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒と水との混合物を使用することもできる。
水性媒体の使用量は、単量体混合物(A)と後述するエチレン性不飽和単量体(B)との合計100重量に対して、通常、100〜1000重量部、好ましくは150〜300重量部である。
【0019】
第1段階重合において用いる界面活性剤としては、乳化重合において通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、有機硫酸エステル塩系界面活性剤、有機スルフォン酸塩系界面活性剤などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン性界面活性剤;などが好ましく挙げられる。
【0020】
有機硫酸エステル塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウムなどの炭素数12〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイド付加数2〜30のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩;などが挙げられる。
【0021】
有機スルフォン酸塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリルスルフォン酸ナトリウム、ラウリルスルフォン酸カリウム、ステアリルスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキルスルフォン酸塩;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸カリウムなどの炭素数12〜30のアルキルベンゼンスルフォン酸塩;ドデシルナフタレンスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜30のアルキルナフタレンスルフォン酸塩;ラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどの炭素数20〜40のアルキルスルホコハク酸塩;ドデシルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数20〜40のアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩;ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
【0022】
第1段階重合における界面活性剤の使用量は、単量体混合物(A)100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。この使用量が多すぎると、乾燥性を低下させる傾向にある。
【0023】
第1段階重合においては、界面活性剤を使用せずに、単量体混合物(A)を共重合することができる。界面活性剤を使用しないことで、塗料の乾燥性により優れる重合体ラテックスが得られる。
第1段階重合において界面活性剤を使用しない場合は、無機塩の存在下に、単量体混合物(A)を共重合すると、粗大凝集物の発生を抑制しながら、安定的に共重合体粒子を形成することができる。
【0024】
無機塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。なかでも、トリポリリン酸ナトリウムが好ましく使用できる。
無機塩の使用量は、単量体混合物(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜0.5重量部、より好ましくは0.1〜0.4重量部である。
【0025】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などのような水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス−2,4− ジメチルバレロニトリル、アゾイソブチロニトリルなどのような油溶性開始剤:過酸化物とナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレートなどの還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、などを使用することができる。これらのなかでも、水溶性開始剤が好ましく、過硫酸塩がより好ましく使用できる。
重合開始剤の使用量は、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計100重量に対して、通常、0.1〜5重量部である。
重合開始剤は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。
【0026】
単量体混合物(A)は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。重合反応を制御しやすい点から、単量体混合物(A)を反応器に連続的に添加することが好ましい。この場合、単量体混合物の組成は、均一であっても、経時で変化させてもよい。
【0027】
第1段階重合においては、通常の乳化重合で使用される、粒子径調節剤、酸素捕捉剤、連鎖移動剤、分散剤などの重合副資材を所望により適量使用してもよい。
【0028】
重合温度は、通常、5〜95℃、好ましくは50〜90℃の範囲で適宜設定される。
【0029】
第1段階重合の後、重合系のpHを7以上、好ましくはpH7.5〜11、より好ましくはpH9〜10に調整する。重合系のpHが7未満の状態で、第2段階重合を行なうと、粗大凝集物が多量に発生するため、安定的に水性路面表示塗料用重合体ラテックスを得ることができない。
重合系のpHを7以上に調整する時点は、第1段階重合において、単量体混合物(A)の重合転化率が、好ましくは65〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%の範囲にある時点である。この範囲であれば、諸物性に優れた重合体ラテックスが得られる。
【0030】
重合系のpHを7以上に調整するためには、重合系に塩基性物質を添加する。
塩基性物質としては、例えば、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;などが挙げられる。これらのうち、水性路面表示塗料の乾燥性により優れる点で、揮発性の塩基性物質が好ましく、アンモニアがより好ましく使用できる。塩基性物質は、水溶液の状態で重合系に添加することが好ましく、その濃度は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
塩基性物質の重合系への添加量は、重合系のpHが上記範囲になるように適宜調節すればよい。
【0031】
第2段階重合は、上記のように重合系のpHを調整した後、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部、好ましくは85〜50重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計量は100重量部である。)を乳化重合する。
【0032】
エチレン性不飽和単量体(B)としては、単量体混合物(A)において例示したものが使用でき、単独の単量体であっても、2以上の単量体からなる単量体混合物であってもよい。
エチレン性不飽和単量体(B)としては、芳香族ビニル単量体および/またはエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましく使用できる。
なお、第2段階重合において安定的に乳化重合を行なうために、エチレン性不飽和単量体(B)はエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含まないものであることが好ましい。
【0033】
エチレン性不飽和単量体(B)は、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(以下、「計算Tg(B)」ともいう。)が0℃未満のものである。計算Tg(B)は、−10℃以下であることが好ましく、下限は、通常、−80℃、好ましくは−40℃である。計算Tg(B)が高いと、低温造膜性に劣り、逆に低すぎると耐汚染性に劣る傾向がある。
計算Tg(B)は、前述した計算Tg(A)と同様に求めることができる。
【0034】
有機カルボン酸塩系界面活性剤としては、乳化重合において通常使用されるものが使用できるが、なかでも炭素数10〜60を有する有機カルボン酸塩系界面活性剤が好ましく挙げられる。
有機カルボン酸塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの炭素数10〜20の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸トリエタノールアミン等の炭素数15〜60を有し、エチレンオキサイド付加数が2〜20であるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウムなどのロジン酸塩;などが挙げられる。これらの有機カルボン酸塩系界面活性剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機カルボン酸塩系界面活性剤の中でも、重合安定性および水性路面表示塗料の乾燥性に優れる点で、炭素数10〜20の脂肪酸塩および/またはロジン酸塩が好ましく、オレイン酸カリウムおよび/またはロジン酸カリウムがより好ましく使用できる。
【0035】
有機カルボン酸塩系界面活性剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体(B)100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。この使用量が少なすぎると、第2段階重合において、粗大凝集物が発生し易くなり、逆に多すぎると、塗料の乾燥性に劣る傾向がある。
【0036】
第2段階重合においては、本発明の効果を本質的に阻害しない限り、前記の有機カルボン酸塩系界面活性剤以外の界面活性剤を併用することもできる。このような別種の界面活性剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体(B)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.2重量部以下であり、使用しないことが特に好ましい。この使用量が多すぎると、塗料の乾燥性を低下させる傾向がある。
【0037】
エチレン性不飽和単量体(B)は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。重合反応を制御しやすい点から、エチレン性不飽和単量体(B)を、前記の有機カルボン酸系界面活性剤を用いて、水性媒体に乳化させた状態で、反応器に連続的に添加することが好ましい。この場合、単量体混合物の組成は、均一であっても、経時で変化させてもよい。
【0038】
以上のようにして第2段階重合を行い、所望の重合転化率になった時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。
重合反応を停止する際の重合転化率は、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計量に対して、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%である。
【0039】
重合反応を停止した後、所望により、未反応の単量体を除去した後、固形分濃度やpHを調整して、水性路面表示塗料用重合体ラテックスが得られる。
【0040】
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの体積平均粒子径は、通常、50〜3000nm、好ましくは500〜2000nm、より好ましくは600〜1500nmである。
【0041】
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスには、所望により、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤、pH調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、増粘剤などの配合剤を配合してもよい。
【0042】
本発明の水性路面表示塗料は、前記の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、着色顔料20〜200重量部および充填剤100〜400重量部を含んでなるものである。
【0043】
着色顔料としては、水性路面表示塗料に通常使用されるものが使用でき、例えば、酸化チタン、黄鉛、弁柄、シアニンブルー、シアニングリーンなどが挙げられる。着色顔料の配合量は、重合体ラテックスの固形分100重量部当たり、20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部、より好ましくは40〜100重量部である。この配合量が少ないと、隠蔽力が不足して水性路面表示塗料として不適であり、逆に多いと、着色顔料を分散し難くなると共に、水性路面表示塗料の粘度が高くなり取り扱い難くなる。
【0044】
充填剤としては、水性路面表示塗料に通常使用されるものが使用でき、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硅石粉、セライト、クレー、タルク、マイカ、アルミナなどが挙げられる。充填剤の配合量は、重合体ラテックス固形分100重量部当たり、100〜400重量部、好ましくは150〜300重量部、より好ましくは170〜250重量部である。この配合量が少ないと、水性路面表示塗料の固形分濃度が低くなり乾燥性に劣り、逆に多いと、充填剤を分散し難くなると共に、水性路面表示塗料の粘度が高くなり取り扱い難くなる。
【0045】
本発明の水性路面表示塗料には、さらにシランカップリング剤を配合してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニル系シランカップリング剤;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどのメタクリロキシ系シランカップリング剤;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;などが挙げられる。これらの中でも、塗料の保存安定性に優れる点で、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく使用できる。これらのシランカップリング剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
シランカップリング剤を配合する場合、その配合量は、重合体ラテックス固形分100重量部あたり、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部、特に好ましくは0.3〜1重量部である。
【0047】
本発明の水性路面表示塗料には、さらに必要に応じて分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、増粘剤などを適宜添加することができる。
造膜助剤としては、例えば、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ベンジルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどが挙げられる。
凍結防止剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールなどが挙げられる。
これらの添加剤を添加する場合、揮発性有機化合物(VOC)抑制の観点から、常圧における沸点が254℃以下である添加剤の添加量は、水性路面表示塗料全体の5重量%以下、より好ましくは3重量%以下であることが好ましい。
【0048】
本発明の水性路面表示塗料の固形分濃度は、50重量%以上であることが好ましく、60〜90重量%の範囲であることがより好ましく、70〜85重量%の範囲であることが特に好ましい。この固形分濃度が低すぎると塗料の乾燥性に劣る傾向にあり、逆に高すぎると、塗料の製造が困難となる。
【0049】
本発明の水性路面表示塗料を製造する方法としては、通常の水性路面表示塗料を製造する方法が採用できる。例えば、重合体ラテックスに、所望により分散剤や消泡剤などを添加して、ドライピグメント法によって、着色顔料および充填剤を分散し、その後、所望の造膜助剤、凍結防止剤などを混合して水性路面表示塗料を製造する。
【0050】
本発明の水性路面表示塗料は、スプレー、エアレススプレー、ロール、ブラシなどの公知の塗布方法により、路面上に塗布できる。なかでも、エアレススプレーによる塗布に好適に使用できる。
【0051】
本発明の水性路面表示塗料は、夜間や霧のような悪天候時における路面表示物の視認性を向上させるために、表示塗布面表面にガラスビーズを散布した路面表示物にも好適に使用できる。
【0052】
【実施例】
以下に、実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。なお以下の記載における「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0053】
重合体ラテックスの物性は以下のように行なった。
(1)重合体ラテックスの体積平均粒子径
光散乱型粒子径測定装置N4(コールター社製)を用いて測定した。
【0054】
水性路面表示塗料の物性測定は、以下のように行なった。
(2)塗料の保存安定性
得られた塗料の粘度を測定した後、50℃で30日間保存した後の粘度を測定した。保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を計算して、下記の基準で表示した。
○:変化率10%未満
△:変化率10%以上20%未満
×:変化率20%以上
(3)塗料の機械的安定性
マロン式機械的安定性試験機にて測定した。作製した水性路面表示用塗料75gを秤量し、荷重15Kg/cm2、回転数1000rpmで10分間処理した。処理後の塗料を予め秤量しておいた100メッシュ金網にて濾過した後、105℃で2時間乾燥した。乾燥後、金網上の残渣物を秤量して、塗料75gに対する比率を計算して、下記基準で表示した。
○:0.2%未満
△:0.2%以上0.5%未満
×:0.5%以上
【0055】
(4)塗料の乾燥性
得られた塗料をガラス板上に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、無風状態下で、JIS K5665に準じてタイヤ付着性を観察した。タイヤに付着しなくなった時間で示す。
(5)低温造膜性
水性路面表示用塗料をアスファルト紙に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、3℃の冷蔵庫に12時間放置した。その後、塗膜の状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:亀裂なし
△:少し亀裂あり
×:多数の亀裂あり
(6)塗膜の耐汚染性
得られた塗料をアスファルト紙に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、20℃、相対湿度65%の雰囲気下で、24時間乾燥した。その後、アスファルト紙を10×10cmに切り出し、その上を自転車にて10回通過した後、塗膜の表面状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:汚れなし
△:少し汚れる
×:非常に汚れる
【0056】
(実施例1)
攪拌機付き容器に、メタクリル酸2−エチルヘキシル10.8部、スチレン23.8部、メタクリル酸ブチル6.1部、アクリル酸0.08部およびメタクリル酸0.52部を添加して単量体混合物(A)41.3部を調製した。単量体混合物(A)の単量体組成から計算される計算Tg(A)を表1に示す。
別の攪拌機付き容器に、アクリル酸ブチル35.7部、メタクリル酸メチル23部、ロジン酸カリウム0.53部およびイオン交換水12部を添加し、攪拌して単量体(B)の乳化物を調製した。単量体(B)の単量体組成から計算される計算Tg(B)を表1に示す。
【0057】
攪拌機付き反応器に、イオン交換水73部およびトリポリリン酸ナトリウム0.05部を添加して、攪拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム0.3部を反応器に添加して、5分間経過した後、上記の単量体混合物(A)の連続添加を開始し、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した。単量体混合物(A)の添加を完了した後、反応温度を85℃に昇温して反応を継続し、重合転化率が80%に達した時点で、重合系のpHが9.5になるように、2%アンモニア水溶液を反応器に添加した。(ここで、添加した2%アンモニア水溶液の量は9部であった。)
引き続き、上記の単量体(B)の乳化物を、4時間に亘り、反応器に連続的に添加した。単量体乳化物(B)の添加を完了した後、さらに2時間反応を継続した。この時点における重合転化率は98%であり、pHは9.5であった。
反応終了後、重合体ラテックスの固形分濃度の調整とアンモニア水でのpH調整を行い、固形分濃度55%、pH10.5の重合体ラテックスAを得た。
重合体ラテックスAの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
【0058】
重合体ラテックスAを固形分で100部、酸化チタン80部、炭酸カルシウム240部、分散剤としてマレイン酸−アクリル酸共重合体塩(アクアリック TL−37:(株)日本触媒製)の30%水溶液5部、およびシリコーン系消泡剤1部を攪拌しながら混合した。得られた混合物に、さらに、凍結防止剤としてメタノール8部を添加して、水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0059】
(実施例2)
反応器に予め添加するトリポリリン酸ナトリウムの量を0.1部に変更し、単量体(B)の乳化物を表1に示す組成に変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスBを得た。重合体ラテックスBの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスBを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を3時間30分間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスCを得た。重合体ラテックスCの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスCを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0061】
(実施例4)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスDを得た。重合体ラテックスDの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスDを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0062】
(比較例1)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスEを得た。重合体ラテックスEの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスEを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0063】
(比較例2)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を3時間30分間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスFを得た。重合体ラテックスFの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスFを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示用塗料を調製した。しかしながら、その調製の過程で、配合安定性に劣るために、配合物が固化し、使用に耐え得る塗料が得られなかった。そのため、水性路面表示塗料としての物性測定は行なわなかった。
【0064】
(比較例3)
単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスGを得た。重合体ラテックスGの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスGを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0065】
(比較例4)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を5時間とし、単量体(B)の乳化物の連続添加時間を2時間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスHを得た。重合体ラテックスHの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスHを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から次のようなことがわかる。
2段目の重合において使用する単量体の計算Tg(B)が、本発明で規定する範囲より高い比較例1の重合体ラテックスEを用いると、塗料の低温造膜性に劣る。
1段目の重合において、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を使用しないで製造した重合体ラテックスFを用いると、配合安定性に劣り、使用に耐え得る水性路面表示塗料が得られない。
2段目の重合において、ラウリル硫酸ナトリウムを用いた比較例3の重合体ラテックスGを用いると、塗料の乾燥性に劣る。
1段目の重合において使用する単量体混合物(A)全量が74部であり、その割合が本発明で規定する範囲より多い比較例4の重合体ラテックスHを用いると、塗料の低温造膜性に劣る。
【0068】
これらの比較例に対して、本発明で規定する範囲で製造して得られる重合体ラテックスA〜Dを用いると、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料が得られている。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性路面表示塗料用重合体ラテックスおよび水性路面表示塗料に関する。より詳しくは、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
路面表示塗料は、環境汚染や施工時の危険性を考慮して、溶剤塗料から水性塗料に代わりつつある。水性路面表示塗料には、機械的安定性、保存安定性および乾燥性に優れること、塗膜の耐汚染性に優れること、さらには寒冷地で問題となる低温造膜性に優れることが求められている。
従来、例えば、特許文献1には、アニオン的に安定化された重合体ラテックスに、多官能性アミン重合体を配合した水性路面表示塗料が開示されている。しかしながら、このような水性路面表示塗料は、塗料の乾燥性および塗膜の耐汚染性に比較的優れるものの、塗料の保存安定性および機械的安定性が不十分である上に、低温造膜性に劣るものであった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−60308号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下の(1)および(2)の手段により解決された。
(1)水性媒体中、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜30重量%およびこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体99.9〜70重量%からなる単量体混合物(A)であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の合計量は100重量部である。)を重合して得られることを特徴とする水性路面表示塗料用重合体ラテックス。
(2)前記(1)に記載の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、着色顔料20〜200重量部および充填剤100〜400重量部を含んでなる水性路面表示塗料。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスは、水性媒体中、エチレン性不飽和カルボン酸単量体1〜30重量%およびこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体99〜70重量%からなる単量体混合物(A)であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合(以下、「第1段階重合」ともいう。)した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の合計量は100重量部である。)を重合(以下、「第2段階重合」ともいう。)して得られることを特徴とする。
【0007】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などが挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸およびアクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましく使用される。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などの各種の塩の形態で用いることもできる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用できる。
【0008】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。この使用量が少ないと、水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣り、逆に多いと水性路面表示塗料の乾燥性に劣り、かつ塗料粘度が高くなりすぎ取り扱い難くなる。
【0009】
前記エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体;(メタ)アクリルアミドなどのようなエチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体;塩化ビニルなどのようなハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のようなカルボン酸ビニルエステル;などが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、または2種類以上を混合して使用できる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、上記の中でも、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましく使用できる。
【0010】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用量は、単量体混合物(A)全量の99.9〜70重量%、好ましくは99.5〜90重量%である。この使用量が少ないと、水性路面表示塗料の乾燥性に劣り、かつ塗料粘度が高くなるため、取り扱い難くなり、逆に多いと、水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣る。
【0011】
単量体混合物(A)は、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(以下、「計算Tg(A)」ともいう。)が0℃以上のものである。計算Tg(A)は、10℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。計算Tg(A)の上限は、通常、100℃、好ましくは90℃である。計算Tg(A)が低いと、塗膜の耐汚染性に劣り、逆に高すぎると、低温造膜性に劣る傾向がある。
【0012】
ここで、単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(Tg)は、下記(1)式より計算される値である。
【0013】
【数1】
【0014】
(1)式は、i番目(iは1以上の整数である。)の単量体(Mi)の単独重合体のガラス転移温度(Tg(Mi):単位は絶対温度である。)と、2以上の単量体からなる単量体混合物を共重合して得られる共重合体中における各単量体単位の重量分率(W(Mi))と、該共重合体の見積もられるガラス転移温度(Tg;単位は絶対温度である。)との関係を示すものである。なお、本発明においては、共重合体中における各単量体単位の重量分率(W(Mi))は、単量体混合物における各単量体の重量分率に等しいものとして計算する。
【0015】
各単量体の単独重合体のガラス転移温度(Tg(Mi))は、例えば、「POLYMER HANDBOOK(Fourth edition)」;J.Brandrup,E.H.Immergut and E.A.Grulke;AWiley−Interscience Publicationに記載されている。代表的なTg(Mi)としては、例えば、スチレン(373K)、メタクリル酸メチル(378K)、アクリル酸エチル(249K)、アクリル酸ブチル(219K)、アクリル酸2−エチルヘキシル(223K)、メタクリル酸ブチル(318K)、アクリル酸(360K)、メタクリル酸(501K)などが挙げられる。
単量体混合物(A)の単量体組成は、上記の点を考慮して選択する必要がある。
【0016】
第1段階重合に用いる単量体混合物(A)の使用量は、10〜60重量部、好ましくは15〜50重量部である。この使用量が少ないと水性路面表示塗料の機械的安定性および保存安定性に劣り、塗膜の耐汚染性に劣る。単量体混合物(A)の使用量が多いと、水性路面表示塗料の乾燥性および低温造膜性に劣る。
【0017】
第1段階重合においては、水性媒体中、界面活性剤の存在下または不在下に、前記の単量体混合物(A)を共重合する。
【0018】
水性媒体としては、通常、水が使用され、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒と水との混合物を使用することもできる。
水性媒体の使用量は、単量体混合物(A)と後述するエチレン性不飽和単量体(B)との合計100重量に対して、通常、100〜1000重量部、好ましくは150〜300重量部である。
【0019】
第1段階重合において用いる界面活性剤としては、乳化重合において通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、有機硫酸エステル塩系界面活性剤、有機スルフォン酸塩系界面活性剤などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン性界面活性剤;などが好ましく挙げられる。
【0020】
有機硫酸エステル塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸アンモニウムなどの炭素数12〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイド付加数2〜30のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩;などが挙げられる。
【0021】
有機スルフォン酸塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリルスルフォン酸ナトリウム、ラウリルスルフォン酸カリウム、ステアリルスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜20のアルキルスルフォン酸塩;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸カリウムなどの炭素数12〜30のアルキルベンゼンスルフォン酸塩;ドデシルナフタレンスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数12〜30のアルキルナフタレンスルフォン酸塩;ラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどの炭素数20〜40のアルキルスルホコハク酸塩;ドデシルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウムなどの炭素数20〜40のアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩;ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩などが挙げられる。
【0022】
第1段階重合における界面活性剤の使用量は、単量体混合物(A)100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。この使用量が多すぎると、乾燥性を低下させる傾向にある。
【0023】
第1段階重合においては、界面活性剤を使用せずに、単量体混合物(A)を共重合することができる。界面活性剤を使用しないことで、塗料の乾燥性により優れる重合体ラテックスが得られる。
第1段階重合において界面活性剤を使用しない場合は、無機塩の存在下に、単量体混合物(A)を共重合すると、粗大凝集物の発生を抑制しながら、安定的に共重合体粒子を形成することができる。
【0024】
無機塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。なかでも、トリポリリン酸ナトリウムが好ましく使用できる。
無機塩の使用量は、単量体混合物(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜0.5重量部、より好ましくは0.1〜0.4重量部である。
【0025】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などのような水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス−2,4− ジメチルバレロニトリル、アゾイソブチロニトリルなどのような油溶性開始剤:過酸化物とナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレートなどの還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤、などを使用することができる。これらのなかでも、水溶性開始剤が好ましく、過硫酸塩がより好ましく使用できる。
重合開始剤の使用量は、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計100重量に対して、通常、0.1〜5重量部である。
重合開始剤は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。
【0026】
単量体混合物(A)は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。重合反応を制御しやすい点から、単量体混合物(A)を反応器に連続的に添加することが好ましい。この場合、単量体混合物の組成は、均一であっても、経時で変化させてもよい。
【0027】
第1段階重合においては、通常の乳化重合で使用される、粒子径調節剤、酸素捕捉剤、連鎖移動剤、分散剤などの重合副資材を所望により適量使用してもよい。
【0028】
重合温度は、通常、5〜95℃、好ましくは50〜90℃の範囲で適宜設定される。
【0029】
第1段階重合の後、重合系のpHを7以上、好ましくはpH7.5〜11、より好ましくはpH9〜10に調整する。重合系のpHが7未満の状態で、第2段階重合を行なうと、粗大凝集物が多量に発生するため、安定的に水性路面表示塗料用重合体ラテックスを得ることができない。
重合系のpHを7以上に調整する時点は、第1段階重合において、単量体混合物(A)の重合転化率が、好ましくは65〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%の範囲にある時点である。この範囲であれば、諸物性に優れた重合体ラテックスが得られる。
【0030】
重合系のpHを7以上に調整するためには、重合系に塩基性物質を添加する。
塩基性物質としては、例えば、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;などが挙げられる。これらのうち、水性路面表示塗料の乾燥性により優れる点で、揮発性の塩基性物質が好ましく、アンモニアがより好ましく使用できる。塩基性物質は、水溶液の状態で重合系に添加することが好ましく、その濃度は、1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
塩基性物質の重合系への添加量は、重合系のpHが上記範囲になるように適宜調節すればよい。
【0031】
第2段階重合は、上記のように重合系のpHを調整した後、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部、好ましくは85〜50重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計量は100重量部である。)を乳化重合する。
【0032】
エチレン性不飽和単量体(B)としては、単量体混合物(A)において例示したものが使用でき、単独の単量体であっても、2以上の単量体からなる単量体混合物であってもよい。
エチレン性不飽和単量体(B)としては、芳香族ビニル単量体および/またはエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が好ましく使用できる。
なお、第2段階重合において安定的に乳化重合を行なうために、エチレン性不飽和単量体(B)はエチレン性不飽和カルボン酸単量体を含まないものであることが好ましい。
【0033】
エチレン性不飽和単量体(B)は、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度(以下、「計算Tg(B)」ともいう。)が0℃未満のものである。計算Tg(B)は、−10℃以下であることが好ましく、下限は、通常、−80℃、好ましくは−40℃である。計算Tg(B)が高いと、低温造膜性に劣り、逆に低すぎると耐汚染性に劣る傾向がある。
計算Tg(B)は、前述した計算Tg(A)と同様に求めることができる。
【0034】
有機カルボン酸塩系界面活性剤としては、乳化重合において通常使用されるものが使用できるが、なかでも炭素数10〜60を有する有機カルボン酸塩系界面活性剤が好ましく挙げられる。
有機カルボン酸塩系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの炭素数10〜20の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸トリエタノールアミン等の炭素数15〜60を有し、エチレンオキサイド付加数が2〜20であるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウムなどのロジン酸塩;などが挙げられる。これらの有機カルボン酸塩系界面活性剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機カルボン酸塩系界面活性剤の中でも、重合安定性および水性路面表示塗料の乾燥性に優れる点で、炭素数10〜20の脂肪酸塩および/またはロジン酸塩が好ましく、オレイン酸カリウムおよび/またはロジン酸カリウムがより好ましく使用できる。
【0035】
有機カルボン酸塩系界面活性剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体(B)100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。この使用量が少なすぎると、第2段階重合において、粗大凝集物が発生し易くなり、逆に多すぎると、塗料の乾燥性に劣る傾向がある。
【0036】
第2段階重合においては、本発明の効果を本質的に阻害しない限り、前記の有機カルボン酸塩系界面活性剤以外の界面活性剤を併用することもできる。このような別種の界面活性剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体(B)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.2重量部以下であり、使用しないことが特に好ましい。この使用量が多すぎると、塗料の乾燥性を低下させる傾向がある。
【0037】
エチレン性不飽和単量体(B)は、反応器に一括で、分割して、または連続的に添加してもよい。重合反応を制御しやすい点から、エチレン性不飽和単量体(B)を、前記の有機カルボン酸系界面活性剤を用いて、水性媒体に乳化させた状態で、反応器に連続的に添加することが好ましい。この場合、単量体混合物の組成は、均一であっても、経時で変化させてもよい。
【0038】
以上のようにして第2段階重合を行い、所望の重合転化率になった時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。
重合反応を停止する際の重合転化率は、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)との合計量に対して、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%である。
【0039】
重合反応を停止した後、所望により、未反応の単量体を除去した後、固形分濃度やpHを調整して、水性路面表示塗料用重合体ラテックスが得られる。
【0040】
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの体積平均粒子径は、通常、50〜3000nm、好ましくは500〜2000nm、より好ましくは600〜1500nmである。
【0041】
本発明の水性路面表示塗料用重合体ラテックスには、所望により、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤、pH調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、凍結防止剤、増粘剤などの配合剤を配合してもよい。
【0042】
本発明の水性路面表示塗料は、前記の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、着色顔料20〜200重量部および充填剤100〜400重量部を含んでなるものである。
【0043】
着色顔料としては、水性路面表示塗料に通常使用されるものが使用でき、例えば、酸化チタン、黄鉛、弁柄、シアニンブルー、シアニングリーンなどが挙げられる。着色顔料の配合量は、重合体ラテックスの固形分100重量部当たり、20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部、より好ましくは40〜100重量部である。この配合量が少ないと、隠蔽力が不足して水性路面表示塗料として不適であり、逆に多いと、着色顔料を分散し難くなると共に、水性路面表示塗料の粘度が高くなり取り扱い難くなる。
【0044】
充填剤としては、水性路面表示塗料に通常使用されるものが使用でき、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硅石粉、セライト、クレー、タルク、マイカ、アルミナなどが挙げられる。充填剤の配合量は、重合体ラテックス固形分100重量部当たり、100〜400重量部、好ましくは150〜300重量部、より好ましくは170〜250重量部である。この配合量が少ないと、水性路面表示塗料の固形分濃度が低くなり乾燥性に劣り、逆に多いと、充填剤を分散し難くなると共に、水性路面表示塗料の粘度が高くなり取り扱い難くなる。
【0045】
本発明の水性路面表示塗料には、さらにシランカップリング剤を配合してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのビニル系シランカップリング剤;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどのメタクリロキシ系シランカップリング剤;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;などが挙げられる。これらの中でも、塗料の保存安定性に優れる点で、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく使用できる。これらのシランカップリング剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
シランカップリング剤を配合する場合、その配合量は、重合体ラテックス固形分100重量部あたり、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部、特に好ましくは0.3〜1重量部である。
【0047】
本発明の水性路面表示塗料には、さらに必要に応じて分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、増粘剤などを適宜添加することができる。
造膜助剤としては、例えば、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ベンジルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどが挙げられる。
凍結防止剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールなどが挙げられる。
これらの添加剤を添加する場合、揮発性有機化合物(VOC)抑制の観点から、常圧における沸点が254℃以下である添加剤の添加量は、水性路面表示塗料全体の5重量%以下、より好ましくは3重量%以下であることが好ましい。
【0048】
本発明の水性路面表示塗料の固形分濃度は、50重量%以上であることが好ましく、60〜90重量%の範囲であることがより好ましく、70〜85重量%の範囲であることが特に好ましい。この固形分濃度が低すぎると塗料の乾燥性に劣る傾向にあり、逆に高すぎると、塗料の製造が困難となる。
【0049】
本発明の水性路面表示塗料を製造する方法としては、通常の水性路面表示塗料を製造する方法が採用できる。例えば、重合体ラテックスに、所望により分散剤や消泡剤などを添加して、ドライピグメント法によって、着色顔料および充填剤を分散し、その後、所望の造膜助剤、凍結防止剤などを混合して水性路面表示塗料を製造する。
【0050】
本発明の水性路面表示塗料は、スプレー、エアレススプレー、ロール、ブラシなどの公知の塗布方法により、路面上に塗布できる。なかでも、エアレススプレーによる塗布に好適に使用できる。
【0051】
本発明の水性路面表示塗料は、夜間や霧のような悪天候時における路面表示物の視認性を向上させるために、表示塗布面表面にガラスビーズを散布した路面表示物にも好適に使用できる。
【0052】
【実施例】
以下に、実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。なお以下の記載における「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0053】
重合体ラテックスの物性は以下のように行なった。
(1)重合体ラテックスの体積平均粒子径
光散乱型粒子径測定装置N4(コールター社製)を用いて測定した。
【0054】
水性路面表示塗料の物性測定は、以下のように行なった。
(2)塗料の保存安定性
得られた塗料の粘度を測定した後、50℃で30日間保存した後の粘度を測定した。保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を計算して、下記の基準で表示した。
○:変化率10%未満
△:変化率10%以上20%未満
×:変化率20%以上
(3)塗料の機械的安定性
マロン式機械的安定性試験機にて測定した。作製した水性路面表示用塗料75gを秤量し、荷重15Kg/cm2、回転数1000rpmで10分間処理した。処理後の塗料を予め秤量しておいた100メッシュ金網にて濾過した後、105℃で2時間乾燥した。乾燥後、金網上の残渣物を秤量して、塗料75gに対する比率を計算して、下記基準で表示した。
○:0.2%未満
△:0.2%以上0.5%未満
×:0.5%以上
【0055】
(4)塗料の乾燥性
得られた塗料をガラス板上に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、無風状態下で、JIS K5665に準じてタイヤ付着性を観察した。タイヤに付着しなくなった時間で示す。
(5)低温造膜性
水性路面表示用塗料をアスファルト紙に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、3℃の冷蔵庫に12時間放置した。その後、塗膜の状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:亀裂なし
△:少し亀裂あり
×:多数の亀裂あり
(6)塗膜の耐汚染性
得られた塗料をアスファルト紙に厚さ200μmのアプリケーターで塗布し、20℃、相対湿度65%の雰囲気下で、24時間乾燥した。その後、アスファルト紙を10×10cmに切り出し、その上を自転車にて10回通過した後、塗膜の表面状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:汚れなし
△:少し汚れる
×:非常に汚れる
【0056】
(実施例1)
攪拌機付き容器に、メタクリル酸2−エチルヘキシル10.8部、スチレン23.8部、メタクリル酸ブチル6.1部、アクリル酸0.08部およびメタクリル酸0.52部を添加して単量体混合物(A)41.3部を調製した。単量体混合物(A)の単量体組成から計算される計算Tg(A)を表1に示す。
別の攪拌機付き容器に、アクリル酸ブチル35.7部、メタクリル酸メチル23部、ロジン酸カリウム0.53部およびイオン交換水12部を添加し、攪拌して単量体(B)の乳化物を調製した。単量体(B)の単量体組成から計算される計算Tg(B)を表1に示す。
【0057】
攪拌機付き反応器に、イオン交換水73部およびトリポリリン酸ナトリウム0.05部を添加して、攪拌しながら80℃に昇温した。過硫酸カリウム0.3部を反応器に添加して、5分間経過した後、上記の単量体混合物(A)の連続添加を開始し、3時間に亘り、反応器に連続的に添加した。単量体混合物(A)の添加を完了した後、反応温度を85℃に昇温して反応を継続し、重合転化率が80%に達した時点で、重合系のpHが9.5になるように、2%アンモニア水溶液を反応器に添加した。(ここで、添加した2%アンモニア水溶液の量は9部であった。)
引き続き、上記の単量体(B)の乳化物を、4時間に亘り、反応器に連続的に添加した。単量体乳化物(B)の添加を完了した後、さらに2時間反応を継続した。この時点における重合転化率は98%であり、pHは9.5であった。
反応終了後、重合体ラテックスの固形分濃度の調整とアンモニア水でのpH調整を行い、固形分濃度55%、pH10.5の重合体ラテックスAを得た。
重合体ラテックスAの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
【0058】
重合体ラテックスAを固形分で100部、酸化チタン80部、炭酸カルシウム240部、分散剤としてマレイン酸−アクリル酸共重合体塩(アクアリック TL−37:(株)日本触媒製)の30%水溶液5部、およびシリコーン系消泡剤1部を攪拌しながら混合した。得られた混合物に、さらに、凍結防止剤としてメタノール8部を添加して、水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0059】
(実施例2)
反応器に予め添加するトリポリリン酸ナトリウムの量を0.1部に変更し、単量体(B)の乳化物を表1に示す組成に変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスBを得た。重合体ラテックスBの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスBを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を3時間30分間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスCを得た。重合体ラテックスCの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスCを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0061】
(実施例4)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスDを得た。重合体ラテックスDの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスDを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0062】
(比較例1)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスEを得た。重合体ラテックスEの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスEを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0063】
(比較例2)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を3時間30分間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスFを得た。重合体ラテックスFの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスFを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示用塗料を調製した。しかしながら、その調製の過程で、配合安定性に劣るために、配合物が固化し、使用に耐え得る塗料が得られなかった。そのため、水性路面表示塗料としての物性測定は行なわなかった。
【0064】
(比較例3)
単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスGを得た。重合体ラテックスGの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスGを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0065】
(比較例4)
単量体混合物(A)および単量体(B)の乳化物の組成を表1に示すように変更し、単量体混合物(A)の連続添加時間を5時間とし、単量体(B)の乳化物の連続添加時間を2時間とする以外は、実施例1と同様に重合して、重合体ラテックスHを得た。重合体ラテックスHの体積平均粒子径を測定し、その結果を表1に示す。
重合体ラテックスAに代えて重合体ラテックスHを使用する以外は、実施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の物性を測定し、その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1から次のようなことがわかる。
2段目の重合において使用する単量体の計算Tg(B)が、本発明で規定する範囲より高い比較例1の重合体ラテックスEを用いると、塗料の低温造膜性に劣る。
1段目の重合において、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を使用しないで製造した重合体ラテックスFを用いると、配合安定性に劣り、使用に耐え得る水性路面表示塗料が得られない。
2段目の重合において、ラウリル硫酸ナトリウムを用いた比較例3の重合体ラテックスGを用いると、塗料の乾燥性に劣る。
1段目の重合において使用する単量体混合物(A)全量が74部であり、その割合が本発明で規定する範囲より多い比較例4の重合体ラテックスHを用いると、塗料の低温造膜性に劣る。
【0068】
これらの比較例に対して、本発明で規定する範囲で製造して得られる重合体ラテックスA〜Dを用いると、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料が得られている。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的安定性、保存安定性、乾燥性および低温造膜性に優れ、かつ塗膜の耐汚染性に優れる水性路面表示塗料、並びに該塗料に好適な水性路面表示塗料用重合体ラテックスが提供される。
Claims (2)
- 水性媒体中、エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.1〜30重量%およびこれと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体99.9〜70重量%からなる単量体混合物(A)であって、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃以上である単量体混合物(A)10〜60重量部を共重合した後、重合系のpHを7以上に調整し、次いで、有機カルボン酸塩系界面活性剤の存在下に、その単量体組成から計算される重合体のガラス転移温度が0℃未満であるエチレン性不飽和単量体(B)90〜40重量部(但し、単量体混合物(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の合計量は100重量部である。)を重合して得られることを特徴とする水性路面表示塗料用重合体ラテックス。
- 請求項1に記載の水性路面表示塗料用重合体ラテックスの固形分100重量部に対して、着色顔料20〜200重量部および充填剤100〜400重量部を含んでなる水性路面表示塗料。
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2003
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