JP2004351023A - 光音響プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象の表面から深部に至るまでの広範囲な信号を同時に高精度に検出できる光音響プローブを提供する。
【解決手段】光ファイバ22を用いた光照射部3と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブ23である。検出器1,2は、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bに、光照射部3の光軸をはずれて同心円状に配置されている。光照射部3は、同心円状領域4a,4bの中心に配置され、かつ、光照射部3の先端面3aが、測定対象27から離間している。
【選択図】 図2
【解決手段】光ファイバ22を用いた光照射部3と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブ23である。検出器1,2は、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bに、光照射部3の光軸をはずれて同心円状に配置されている。光照射部3は、同心円状領域4a,4bの中心に配置され、かつ、光照射部3の先端面3aが、測定対象27から離間している。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織などの測定対象に光を照射し、照射した光を吸収することによって膨張したときに生ずる音波を検出することで、測定対象の内部の光吸収係数(光吸収体)の分布状況等を検出する光音響プローブに関する。
【0002】
従来、この種の光音響プローブとしては、例えば、次の非特許文献1に記載のものが提案されている。
【0003】
【非特許文献1】
Roy G.M.Kolkman, Magdalena C.Pilatou, Erwin Hondebrink, Frits F.M.De Mul, Photo−acoustic A−scanning and monitoring of blood content in tissue,”Biomedical Optoacoustics”, Proceedings of SPIE , Vol.3916(2000), p76−83
【0004】
非特許文献1に記載の光音響プローブは、例えば、図16に示すように、光ファイバ51の周囲にリング状の圧電素子52を検出器として備えている。また、光ファイバ51の先端面51a及び圧電素子52を、生体組織などの測定対象53の表面53aに密着して用いるように構成されている。
このように構成された光音響プローブを用いて、例えば、生体での主な光吸収体であるヘモグロビンの分布を観測する場合には、光音響プローブを組織表面53aに密着して光ファイバ51の先端面51aからパルスレーザ光を組織内部に照射する。そして、図17(光音響プローブとしては便宜上、検出器52のみを示してある。)に示すように、組織内部のヘモグロビンに照射エネルギーを吸収させることで生じる音波を圧電素子52で検出する。そして、電極等を介して図示省略した信号処理手段や表示手段等に送信し、該表示手段等で検出結果を表示する。
【0005】
ところで、このような従来の光音響プローブに用いられるリング型検出器は、次のような特性を有している。
(1)リングの中心軸上に位置する信号発生源で発生した信号に対する感度が高い。
(2)リングの中心軸上に位置する信号発生源が同じ深さにある場合、中心軸からの距離が短い位置にある(リングの径の小さい)検出器ほど、信号発生源で発生した信号に対する感度は高いが、横分解能は低下する。
(3)検出器の幅(リングの外径とリングの内径との差)が大きくなると、発生した信号に対する感度は高くなるが、分解能は低下する。
(4)信号発生源と検出器との距離が深さ方向に離れると、発生した信号に対する感度や、横分解能が低下する。
(5)信号発生源で発生する音波の検出器に対する入射角度が大きくなると感度が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の光音響プローブは、測定対象から一定の距離に配置されているため、リング型の音波検出器をなす圧電素子を測定対象に密着して使用した場合、リング状の圧電素子の中心軸上に位置する測定対象のうち、その表面近傍領域で発生した信号は、音波検出器である圧電素子に対し、大きな入射角度で入射し感度が低くなってしまう。このため、従来の光音響プローブでは、測定対象の表面を検出することが困難であった。
【0007】
また、この種の光音響プローブにおいては、信号発生源から検出器である圧電素子までの距離の違いが、時間の違いとなって検出され、分解能に大きく影響を与える。例えば、検出器までの距離の差が大きい2つの点は、それぞれ別個の2つの点として計測することができるが、検出器までの距離の差が小さい2つの点はそれぞれ別個の2つの点として計測することができない。
このため、検出器である圧電素子が測定対象に密着して使用する従来の光音響プローブでは、測定対象の表面付近の軸方向分解能が低くなってしまうという欠点がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、測定対象の表面から深部に至るまでの広範囲な信号発生源からの信号を同時に高精度に検出できる光音響プローブを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて少なくとも1つの同心円状に配置されているとともに、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴としている。
【0010】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記検出器が、リング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に少なくとも1つ配置されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸に対して対称に複数個配置されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記光照射部から射出される光の照射範囲を調節する照射範囲調節手段を前記光照射部の先端面前方に設けたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のように検出器を複数の高さ位置ごとに配置すれば、例えば、組織深部の信号発生源からの信号を下部の検出器で検出し、組織表面近傍の信号発生源からの信号を上部の検出器で検出することによって、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
【0014】
すなわち、上部の検出器を組織表面から離して配置することができるため、組織表面近傍の信号発生源で生じる信号の該検出器への入射角度を小さくすることができ、従来の装置では検出できなかった組織表面の信号発生源で生じる信号を検出することができる。
しかし、検出器を測定対象から離して配置すると、組織深部での検出感度や、横分解能が低下することになる。しかるに、本発明では、検出器を複数段の高さ位置ごとに配置するようにしたので、例えば、組織深部の信号発生源で生じる信号を測定対象に密着させた検出器で検出し、組織表面近傍の信号発生源で生じる信号を測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器で検出するようにすることで、測定対象の深さに応じて、検出感度や横分解能の良い検出器で検出することができ、組織表面から組織深部に至るまで信号発生源を感度よく検出することができる。
また、測定対象に近い高さ位置(すなわち下部)に配置される検出器を、上部に配置される検出器よりも大きな径で形成すれば、下部の検出器が上部の検出器による組織表面近傍の信号発生源で生じる信号の検出の邪魔とならないようにすることができる。
また、光照射部を、前記同心円状領域の中心に配置し、かつ、該光照射部の先端面が測定対象から離間するように構成すれば、上部の高さ位置に配置される検出器での検出の邪魔とならないようにすることができる。
なお、検出器は、リング状に形成されたものを、各高さ位置の前記同心円状領域に配置してもよい。或いは、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸に対して対称に複数個配置してもよい。
【0015】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光量調節手段が、前記光照射部の射出光路上に挿脱可能に設けられたレンズで構成されているのが好ましい。
【0016】
または、本発明の光音響プローブにおいては、前記光量調節手段が、前記光照射部の射出光路上を移動可能に設けられたレンズで構成されているのが好ましい。
【0017】
本発明の光音響プローブにおいて、光量調節手段として、光射出部の射出光路を挿脱可能、又は光照射部の射出光路上を移動可能なレンズ、例えば、スライド式やレボルバ等に装着された回転式のレンズユニットを備えると、レーザの照射面積を変化させることができる。例えば、組織表面近傍を観測する場合は、照射面積を小さくして入射する。この場合は、組織表面から離間した上部の検出器で検出する。一方、組織深部を観測する場合は、広い照射面積で高エネルギーの照射光を入射する。この場合は、組織表面に密着した下部の検出器で検出する。
【0018】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子を用いて構成されているのが好ましい。
本発明の光音響プローブの測定対象となる、例えば、生体組織は、水に比べて音波の減衰が大きい。
この場合、高周波成分ほど、指数関数的に減衰するために、生体深部からの信号は高調波成分が失われてしまう。そのため、生体深部の信号発生源の分布等を観測する場合には下部に位置する検出器には、低周波に中心感度を持つ検出器を用いるのが適している。
一方、生体表面近傍からの信号は、生体での伝搬距離が短いため、高周波成分の減衰が少ない。また、高周波成分は、生体の微細な構造情報をもっているため、高周波を検出することは、微細構造を観測することに等しい。そのため、上部に位置する検出器には、高周波に中心感度をもつ検出器を用いるのが好ましい。
【0019】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器の幅が、異なる高さ位置に応じて異なるようにするのが好ましい。
上述のように、下部に位置する検出器には、生体深部を測定するために低周波に中心感度を持つ検出器を用いるのが好ましい。
更に、下部に位置する検出器を上部に位置する検出器に比べて幅を大きくすれば、低周波成分をより高感度で検出することができる。
【0020】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記リングの中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴としている。
前記検出器を同じ大きさのリング状に形成しても、複数の高さ位置に間隔をおいて配置すれば、下部に配置された検出器が上部に配置された検出器での検出の邪魔とならないようにすることができ、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
【0021】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、径の異なる複数のリング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に、複数配置されているのが好ましい。
径の異なる検出器は、同じ高さ位置にあっても分解能や検出感度が異なる。このため、各同心円状領域に、径の異なる検出器を複数配置すれば、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号に対し、分解能や分解能のよい検出器を選択して検出することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
【0022】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて複数の同心円状に配置されているのが好ましい。
このように構成しても、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号をより感度良く検出することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
【0023】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、該測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁が設けられているのが好ましい。
上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁で反射した音波を上部の検出器が拾うと、直接到達する信号(音波)に対して時間的に遅れて検出されるため偽信号となり、ノイズとなってしまう。しかるに、本発明のように、測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるような傾斜をつけて内壁を構成すれば、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁で反射した音波が上部の検出器に到達しないようにして、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0024】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、凹溝が形成された内壁が設けられているのが好ましい。
内壁をこのように構成すれば、上記と同様に、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁で反射した音波が検出器に到達しないようにして、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0025】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、透過性の材質からなる内壁が設けられているのが好ましい。
このように構成すれば、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁での音波の反射を抑えて、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0026】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光照射部が、複数の光ファイバを用いて構成されているのが好ましい。
このように構成すれば、例えば、組織の深度に応じて異なる周波数で測定対象を照射することができる。また、より明るい光量で測定対象を照射することができるため、より高精度な検出を行なうことができる。
【0027】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光照射部の先端面が、最も測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器よりも測定対象に近い位置にあるのが好ましい。
このように構成すれば、測定対象に近づけてより明るい光量で照射することができるため、より高精度な検出を行うことができる。
【0028】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から同じ高さ位置に離間していることを特徴としている。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより広範囲かつ高精度な検出を行なうことができる。
【0029】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、その周囲に配置されている検出器の高さ位置と同じで、最も外側の前記光照射部の先端面が、測定対象に密着するようにするのが好ましい。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより広範囲かつ高精度な検出を行なうことができる上、測定対象に対し、外側の照射部からの光を内壁に邪魔されず光量ロスなく測定対象に照射することができる。
【0030】
また、本発明の光音響プローブにおいては、最も外側の前記光照射部が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域に配置された前記検出器の外側に配置してもよい。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより高精度な検出を行なうことができる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明の以下に示す各実施例の光音響プローブを用いて構成される測定装置の概略構成図である。
図1の測定装置は、例えば、Q−switched Nd:YAGレーザなどのナノ秒パルスレーザを発するレーザ装置21と、レーザ光を測定対象である組織27に伝送するための光ファイバ22と、本発明の光音響プローブ23と、前記圧電素子で検出した信号を伝送するためのケーブル24と、レーザ光の照射操作等をする操作部及び光音響プローブ23から伝送された信号を変換処理するための信号処理部等を備えたコンピュータ25と、処理された信号を表示するための表示装置26とを備えている。
【0032】
第1実施例
図2は本発明の光音響プローブの第1実施例を示す要部概略構成図であり、(a)は観察対象側から見た平面図、(b)は光軸に沿う断面図である。図3は第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置の一構成例を示す概略図である。
本実施例の光音響プローブ23は、検出器1,2と、光ファイバ22を用いた光照射部3とをハウジング4の内部に有して構成されている。
ハウジング4には、異なる高さ位置ごとに径が異なり測定対象27に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bが設けられている。
検出器1,2は、PVDF(ポリフッカビニリデン)よりなるリング状に形成された圧電素子で構成されている。検出器1は、検出器2に比べて径が小さく形成されている。また、検出器1は、測定対象27から離れた高さ位置にある同心円状領域4aに設けられている。検出器2は、測定対象27に近い高さ位置にある同心円状領域4bに設けられており、測定時に測定対象27の表面に密着するようになっている。なお、検出器1,2には、夫々、電極及びケーブル24の配線(図2において図示省略)が接続されている。
光照射部3は、同心円状領域4a,4bの中心に配置されている。また、光照射部3の先端面3aは、測定対象27から離間している。
ハウジング4の内部は、測定対象27の表面との間で空間部5が形成されるようになっている。また、ハウジング4には、超音波伝達媒体注入口(図示省略)が設けられている。そして、空間部5には、ハウジング4に設けた超音波伝達媒体注入口から超音波伝達媒体が充填され、組織内部の信号発生源が膨張する際に生じる信号が超音波伝達媒体を介して組織に密着していない検出器に伝搬されるようになっている。超音波伝達媒体としては、超音波ゼリー、光学的に透明な固体ガラス、透明容器に入れられた水などが用いられる。
【0033】
そして、図3に示す第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置では、血管の分布を観測することができるように、操作部25aを介してレーザ装置21から波長532nmのレーザ光が発せられるようになっている。また、組織の表面近傍の信号発生源からの信号は検出器1で、それ例外の組織深部の信号発生源からの信号であって全反射しない角度(例えば45度)で入射する信号は検出器2で検出する。コンピュータ25の信号処理部25bでは、検出器1,2でそれぞれ検出された時間に基づき、組織内部における信号発生源の位置を計算する。そして、計算結果から得られた信号発生源(血液)の位置を表示装置26に表示するようになっている。
【0034】
図4は第1実施例の光音響プローブにおけるそれぞれ異なる高さに設けられた検出器1,2による測定対象中の光軸上にあって異なる深さに位置する信号発生源からの信号に対する分解能の関係を示す説明図である。図中、Z1,Z2は組織表面近傍の信号発生源、Z3は組織深部の信号発生源である。
例えば、組織表面近傍の信号発生源Z1,Z2が照射されたレーザ光を吸収することによって膨張する際には、それぞれの信号発生源Z1,Z2から発生した信号(音波)は、時間的な幅をもって伝搬する。
このとき、信号発生源Z1から検出器2までの距離r12と信号発生源Z2から検出器2までの距離r22との差|r22−r12|と、信号発生源Z1から検出器1までの距離r11と信号源Z2から検出器1までの距離r21との差|r21−r11|との大小が検出器としての圧電素子の分解能に影響する。
【0035】
図4においては、|r22−r12|<|r21−r11|であり、組織表面近傍の信号発生源Z1,Z2に対しては、より離れた位置に配置された検出器1のほうが検出器2に比べてZ方向(光軸方向)の分解能が高くなる。
但し、検出器は、信号発生源からの距離が離れるにしたがって感度、横分解能が低下するという性質を有している。
また、測定対象に密着させていないと、レーザ光の組織表面で反射することによるノイズや、音波の反射、屈折等による感度精度の低下が考えられる。
このため、図4に示すような組織深部に位置する信号発生源Z3からの信号を検出する場合は、検出器2のほうが、検出器1に比べて信号の検出感度が高くなる。
【0036】
しかるに、第1実施例の光音響プローブによれば、例えば、毛細血管の分布を観測する場合など、ある程度の深さの幅を持っている測定対象を観測する場合であっても、組織深部からの信号に対して検出器2で検出し、それ以外の組織表面近傍からの信号に対して検出器1で検出することができるので、組織の表面近傍から深部に至るまで同時に高精度に検出できる。
【0037】
なお、例えば、図5に示す参考例のように、検出器2よりも上部に配置される検出器1の径を検出器2の径よりも大きく形成した場合には、組織の表面近傍に位置する信号源Z0からの信号が検出器2で干渉されてしまい、検出器1で検出するのが困難となり、高精度な検出を行なうことができない。
しかるに、第1実施例の光音響プローブでは、検出器2よりも上部に配置される検出器1の径を検出器2よりも小さく形成したので、組織の表面近傍に位置する信号源Z0からの信号が検出器2で干渉されることなく、検出器1で検出することができ、高精度な検出を行なうことができる。
【0038】
また、第1実施例の光音響プローブでは、光照射部3の先端面3aを測定対象27から離間したので、信号源から発生した信号が光照射部3の先端で干渉されることなく、検出器1で検出することができる。
【0039】
なお、第1実施例の光音響プローブでは、検出器1及び検出器2を、それぞれ1つのリング状に形成した圧電素子で構成したが、径の異なる同心円状領域4a,4bのそれぞれにおいて、複数個の圧電素子を光軸に対し対称に配置して構成してもよい。このように構成しても、光軸上の任意深度に位置する信号源からの信号を複数方向から検出できるため、検出精度が向上する。
【0040】
第2実施例
図6は本発明の光音響プローブの第2実施例を示す概略構成図であり、(a)は測定対象の表面近傍観測時、(b)は測定対象の深部観測時の状態を示している。
第2実施例の光音響プローブ23では、光照射部から照射される光の照射範囲を調節する照射範囲調節手段としての凸レンズ6が、ハウジング4内に設けられた通路4c内をスライド可能に設けられており、凸レンズ6は、光照射部3の先端面3a前方の射出光路に挿脱可能になっている。
このように構成された第2実施例の光音響プローブを用いて測定対象27の表面近傍を観測する場合には、図6(a)に示すように、凸レンズ6を光照射部3の光軸上に位置するようにスライドさせる。すると、光照射部3からの射出光が凸レンズ6を介して収束され、照射範囲が狭められた状態で測定対象27の表面近傍を照射する。そして、照射により測定対象27の表面近傍の信号発生源から発せられる音波を、検出器1を介して検出する。
このようにすれば、信号発生源が限定されるため、測定対象27の表面近傍での横分解能が高くなる。
【0041】
なお、この場合には、照射光が収束されて測定対象の一部分を照射するため、照射された測定対象27(組織)における単位面積あたりの照射エネルギー(フルエンス)が高くなる。しかし、単位面積あたりの照射エネルギーが高すぎると、照射した測定対象27である組織にダメージを与えてしまう。そこで、このような照射の場合には、図1や、図3に示すコンピュータ25等を介して、光ファイバ22を介して照射するレーザ光のフルエンス(単位当たりの照射エネルギー)が測定対象27である組織の表面近傍において組織にダメージを与えない程度の所定量となるようにレーザ光の射出エネルギーを小さくする。
【0042】
一方、第2実施例の光音響プローブを用いて測定対象27の組織深部を観測する場合には、図6(a)に示すように、凸レンズ6を光照射部3の光軸から外れるようにスライドさせる。すると、光照射部3からの射出光が発散され、照射範囲を広げられた状態で測定対象27を照射する。そして、照射により測定対象27の深部の信号発生源から発せられる音波を、検出器2を介して検出する。
この場合には、照射光が発散されて測定対象の広範囲を照射するため、照射された範囲における単位面積あたりの照射エネルギー(フルエンス)が低くなる。そこで、このような照射の場合には、図1や、図3に示すコンピュータ25等を介して、光ファイバ22を介して照射するレーザ光のフルエンス(単位当たりの照射エネルギー)が測定対象27である組織深部において検出器2で検出しやすい程度の所定量となるようにレーザ光の射出エネルギーを大きくする。
このようにすれば、大きい出射エネルギーのレーザ光でもって組織の深部を広範囲に照射できるため、組織深部からの信号が得やすくなる。
【0043】
なお、第2実施例の光音響プローブでは、照射範囲調節手段として、光照射部3の射出光路に挿脱可能に設けられたレンズに凸レンズ6を用いて構成したが、凹レンズを用いて構成し、凹レンズを光軸上に移動したときに、照射範囲が広がるようにしてもよい。
【0044】
また、上記レンズの光照射部3の射出光路への挿脱可能な構成は限定されるものではなく、例えば、スライダー等で直線的にスライドさせるものでも、あるいはレボルバ等の円盤状部材により回転させてスライドさせるものでもよい。
【0045】
また、第2実施例の光音響プローブでは、照射範囲調節手段として、レンズを光照射部の射出光路上に挿脱可能に設けて構成したが、レンズを光照射部の射出光路上を光軸に沿って移動可能に設けて構成してもよい。このように構成した場合には、レンズを上下に移動させることにより測定対象への照射範囲や集光位置を調整することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0046】
第3実施例
図7は本発明の光音響プローブの第3実施例を示す断面図である。
第3実施例の光音響プローブ23では、検出器1として、例えば20MHzの高周波に中心感度をもつリング状の圧電素子が、測定対象27である生体組織から離れた高さ位置に配置され、検出器2として、例えば3MHzの低周波に中心感度をもつリング状の圧電素子が測定対象27である生体組織に密着する高さ位置に配置されて構成されている。
【0047】
生体組織は、水に比べて音波の減衰が大きく、高周波成分になればなるほど、指数関数的に減衰する。このため、生体深部の信号発生源からの信号は高周波成分が失われてしまう。
しかるに、第3実施例の光音響プローブでは、低周波に中心感度をもつ検出器1で生体深部の信号発生源からの信号を検出するようにしたので、生体深部の信号発生源の分布等を精度良く測定することができる。
一方、生体表面近傍からの信号は生体での伝搬距離が短いために高周波成分の減衰が少ない。また、高周波成分は、生体の微細な構造情報をもっているため、高周波成分を検出することは、生体の微細な構造情報を検出することに等しい。
しかるに、第3実施例の光音響プローブでは、高周波に中心感度を持つ検出器2で生体表面近傍の信号発生源からの信号を検出するようにしたので、生体表面近傍の信号発生源の分布等を微細情報に至るまで精度良く測定することができる。
【0048】
なお、第3実施例の光音響プローブでは、上記のように、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子で検出器を構成したが、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器の幅が、測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器に比べて大きくなるように構成してもよい。このように構成しても、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器で低周波成分を感度良く検出することができる。
さらに、第3実施例の光音響プローブにおいて、生体組織に密着する位置に配置される検出器2の幅(外径と内径との差)を上部に位置する検出器1に比べて大きく形成してもよい。このようにすると、検出器2で低周波成分をより高感度で検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0049】
第4実施例
図8は本発明の光音響プローブの第4実施例を示す断面図である。
第4実施例の光音響プローブ23では、検出器1,2が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて光照射部3の光軸をはずれて配置されている。また、光照射部3は、検出器1,2のリングの中心に配置され、かつ、先端面3aが測定対象27から離間している。
第4実施例の光音響プローブによれば、検出器1,2を同じ大きさのリング状に形成しても、複数の高さ位置に間隔をおいて配置すれば、下部に配置された検出器2が上部に配置された検出器1での測定対象27の表面近傍の信号発生源からの信号の検出の邪魔とならないようにすることができ、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0050】
第5実施例
図9は本発明の光音響プローブの第5実施例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は下から見た図である。
第5実施例の光音響プローブ23では、同心円状領域4aに、径の異なる複数のリング状に形成された検出器11,12が配置され、同心円状領域4bに、径の異なる複数のリング状に形成された検出器21,22が配置されている。
【0051】
同じ高さ位置の検出器であっても、検出器のリングの径の大きさによって、分解能や検出感度は異なる。即ち、同じ高さ位置の検出器の場合、検出感度は内側の(径の小さい)検出器の方が高く、横分解能は外側の(径の大きい)検出器の方が高い。
しかるに、第5実施例の光音響プローブによれば、大きさの異なる複数のリング状検出器を上下それぞれに複数配置したので、上部、下部夫々の位置において、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号に対し、分解能や分解能のよい検出器を選択して検出することができ、検出感度、横分解能を同時に高くして精度よく測定することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0052】
第6実施例
図10は本発明の光音響プローブの第6実施例を示す図であり、(b)は断面図、(a)は下から見た図、(c)は本実施例の光音響プローブにおける検出器の変形例を示す説明図である。
第6実施例の光音響プローブ23では、検出器1a〜1fが、同心円状領域4aに光照射部3の光軸に対して対称にリング状に配置されるとともに、検出器2a〜2fが、同心円状領域4aに光照射部3の光軸に対して対称にリング状に配置されている。
第6実施例の光音響プローブによれば、第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
なお、各同心円状領域4a,4bに配置された検出器1a〜1f、検出器2a〜2fの形状及び大きさは全てが同じであっても、或いは異なっていてもよい。
また、同心円状領域4aに配置される検出器の個数と、同心円状領域4bに配置される検出器の個数は、同じであっても、或いは異なっていてもよい。
また、図10(a),(b)の例では、各同心円状領域に配置するための各検出器を、夫々独立して形成されたPVDF等の圧電素子に夫々電極を設けて構成したが、図10(c)に示すように、同心円状に形成されたPVDFに複数の電極を別個に同心円状に配置しても複数の検出器を構成することができる。この場合、各電極の下の領域のPVDFで発生した電荷がそれぞれに接続された配線を通じて流れることになる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0054】
第7実施例
図11は本発明の光音響プローブの第7実施例を示す断面図である。
第7実施例の光音響プローブ23では、測定対象27に近い高さ位置に配置された検出器2とその高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器1との間に、測定対象27に近い高さ位置から測定対象27から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁4dが設けられている。
【0055】
上部の検出器1と下部の検出器2との間の空間部5を区画する内壁4で反射した音波を検出器1が拾うと、検出器1に直接到達する信号(音波)に対して時間的に遅れて検出されることになるため偽信号となり、ノイズとなってしまう。
しかるに、第7実施例の光音響プローブによれば、測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるような傾斜をつけて内壁4dを構成したので、信号源からの音波の内壁4dでの反射を無くすことができる、或いは内壁4dでの音波の反射波の反射方向をずらして検出器1に到達しないようにすることができ、その結果、検出器1で検出される信号のノイズを抑えることができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0056】
第8実施例
図12は本発明の光音響プローブの第8実施例を示す断面図である。
第8実施例の光音響プローブ23では、測定対象27に近い高さ位置に配置された検出器2とその高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器1との間には、凹溝が形成された内壁4d’が設けられている。
第8実施例の光音響プローブによれば、凹溝を形成して内壁4d’を構成したので、信号源からの音波の内壁4d’での反射を無くすことができる、或いは内壁4d’での音波の反射波の反射方向をずらして検出器1に到達しないようにすることができ、その結果、第7実施例の光音響プローブと同様に、検出器1で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0057】
また、上記各実施例の光音響プローブにおける内壁を透過性の材質で構成すると好ましい。このように構成すれば、上部の高さ位置にある検出器1とそれよりも下部の高さ位置にある検出器2との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁での音波の反射を抑えて、検出器での検出される信号のノイズを抑える効果が得られる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0058】
第9実施例
図13は本発明の光音響プローブの第9実施例を示す図で、(a)は下方から見た図、(b)は(a)の断面図である。
第9実施例の光音響プローブ23では、第1実施例の光音響プローブにおける光照射部3が、同心円状領域の中央に配置された複数の光ファイバ22a,22b,・・・で構成されている。
第9実施例の光音響プローブによれば、各光ファイバ22a,22b,・・・にそれぞれ異なる波長のレーザ光を伝搬させることにより組織の深度に応じて異なる周波数で測定対象を照射することができる。また、各光ファイバに同じ波長のレーザ光を伝搬させる場合は、より均一で明るい光量で計測対象を照射することができるため、より高精度な検出を行なうことができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0059】
第10実施例
図14は本発明の光音響プローブの第10実施例を示す図であって、(a)は下から見た図、(b)は断面図、(c)は(a),(b)に示した構成の一変形例を示す断面図、(d)は(a),(b)に示した構成の他の変形例を示す断面図である。
第10実施例の光音響プローブ23では、図14(a),(b)に示すように、リング状の圧電素子で構成された検出器1,2が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象27に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bに、光照射部31〜37の光軸をはずれて配置されている。検出器2は、検出器1に比べて幅が大きく形成されている。光照射部31は、同心円状領域4a,4bの中心に配置されるとともに、光照射部32〜37が、異なる高さ位置に配置された光検出部の間に同心円状に複数配置されている。また、光照射部31,32・・・の先端面31a,32a,・・・は、測定対象27から同じ高さ位置に離間している。
【0060】
第10実施例の光音響プローブによれば、異なる位置に配置された光照射部を介して、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、計測対象に対しより高精度な検出を行なうことができる。また、各光照射部は、先端面が測定対象から同じ高さ位置に離間しているため、検出器1による信号発生源からの音波の検出の邪魔にならずに済む。
【0061】
また、図14(c)に示す変形例の光音響プローブでは、図14(a),(b)に示した光音響プローブにおける光照射部31の先端面31aが、その周囲に配置されている検出器1の高さ位置と同じで、最も外側の光照射部32〜37の先端面32a〜37aが、それらの周囲に配置されている検出器2の高さ位置と同じで測定対象27に密着するようになっている。
本変形例の光音響プローブによれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができる。
【0062】
また、図14(d)の変形例に示す光音響プローブでは、図14(c)に示した変形例における最も外側の光照射部32〜37が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域4bに配置された検出器2の外側に配置されている。
本変形例の光音響プローブによれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0063】
その他、各実施例の構成を含めて、本発明の光音響プローブは、図15に示すように、光照射部3の先端面3aが、最も測定対象27から離れた高さ位置に配置された検出器1よりも測定対象27に近い位置にあってもかまわない。
【0064】
このように、本発明の光音響プローブは、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような特徴を備えている。
【0065】
(1)前記照射範囲調節手段が、前記光照射部の射出光路に挿脱可能に設けられたレンズで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光音響プローブ。
【0066】
(2)前記照射範囲調節手段が、前記光照射部の射出光路上を移動可能に設けられたレンズで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光音響プローブ。
【0067】
(3)前記検出器が、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)、(2)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0068】
(4)前記検出器が、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器ほど低周波に中心感度を持ち、測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器ほど高周波に中心感度をもつことを特徴とする上記(3)に記載の光音響プローブ。
【0069】
(5)前記検出器の幅が、異なる高さ位置に応じて異なることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0070】
(6)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記リングの中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴とする光音響プローブ。
【0071】
(7)前記検出器が、径の異なる複数のリング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に、複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0072】
(8)前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて複数の同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0073】
(9)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、該測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0074】
(10)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、凹溝が形成された内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0075】
(11)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、透過性の材質からなる内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0076】
(12)前記光照射部が、複数の光ファイバを用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0077】
(13)前記光照射部の先端面が、最も測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器よりも測定対象に近い位置にあることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0078】
(14)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から同じ高さ位置に離間していることを特徴とする光音響プローブ。
【0079】
(15)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、その周囲に配置されている検出器の高さ位置と同じで、最も外側の前記光照射部の先端面が、測定対象に密着していることを特徴とする光音響プローブ。
【0080】
(16)最も外側の前記光照射部が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域に配置された前記検出器の外側に配置されていることを特徴とする上記(15)に記載の光音響プローブ。
【0081】
【発明の効果】
本発明の光音響プローブによれば、組織表面から深部に至るまでの信号を同時に高精度に検出できる光音響プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例の光音響プローブを用いて構成される測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の光音響プローブの第1実施例を示す要部概略構成図であり、(a)は観察対象側から見た平面図、(b)は光軸に沿う断面図である。
【図3】第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置の一構成例を示す概略図である。
【図4】第1実施例の光音響プローブにおけるそれぞれ異なる高さに設けられた検出器1,2による測定対象内部の異なる信号発生源からの信号に対する分解能の関係を示す説明図である。
【図5】第1実施例の光音響プローブに対する比較例を示す説明図である。
【図6】本発明の光音響プローブの第2実施例を示す概略構成図であり、(a)は測定対象の深部観測時、(b)は測定対象の表面近傍観測時の状態を示している。
【図7】本発明の光音響プローブの第3実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の光音響プローブの第4実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の光音響プローブの第5実施例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は下から見た図である。
【図10】本発明の光音響プローブの第6実施例を示す図であり、(b)は断面図、(a)は下から見た図、(c)は本実施例の光音響プローブにおける検出器の変形例を示す説明図である。
【図11】本発明の光音響プローブの第7実施例を示す断面図である。
【図12】本発明の光音響プローブの第8実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の光音響プローブの第9実施例を示す図で、(a)は下方から見た図、(b)は(a)の断面図である。
【図14】本発明の光音響プローブの第10実施例を示す図であって、(a)は下から見た図、(b)は断面図、(c)は(a),(b)に示した構成の一変形例を示す断面図、(d)は(a),(b)に示した構成の他の変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の光音響プローブのその他の変形例を示す断面図である。
【図16】光音響プローブの一従来例を示す断面図である。
【図17】図16の光音響プローブを用いて、組織内部の赤血球等を観測するときの状態説明図である。
【符号の説明】
1,11,12,1a,1b,1c,1d,1e,1f,2,21,22,2a,2b,2c,2d,2e,2f 検出器
3,31,32,33,34,35,36,37 光照射部
3a,31a,32a,33a 先端面
4 ハウジング
4a,4b 同心円状領域
4c 通路
4d,4d’ 内壁
5 空間部(超音波伝達媒体充填部)
6 凸レンズ
21 レーザ
22,22a,22b,22c,22d,22e,22f 光ファイバ
23 光音響プローブ
24 ケーブル
25 コンピュータ25
25a 操作部
25b 信号処理部
26 表示装置
27 測定対象
Z1,Z2 組織表面近傍の信号源
Z3 組織深部の信号源
【0001】
本発明は、生体組織などの測定対象に光を照射し、照射した光を吸収することによって膨張したときに生ずる音波を検出することで、測定対象の内部の光吸収係数(光吸収体)の分布状況等を検出する光音響プローブに関する。
【0002】
従来、この種の光音響プローブとしては、例えば、次の非特許文献1に記載のものが提案されている。
【0003】
【非特許文献1】
Roy G.M.Kolkman, Magdalena C.Pilatou, Erwin Hondebrink, Frits F.M.De Mul, Photo−acoustic A−scanning and monitoring of blood content in tissue,”Biomedical Optoacoustics”, Proceedings of SPIE , Vol.3916(2000), p76−83
【0004】
非特許文献1に記載の光音響プローブは、例えば、図16に示すように、光ファイバ51の周囲にリング状の圧電素子52を検出器として備えている。また、光ファイバ51の先端面51a及び圧電素子52を、生体組織などの測定対象53の表面53aに密着して用いるように構成されている。
このように構成された光音響プローブを用いて、例えば、生体での主な光吸収体であるヘモグロビンの分布を観測する場合には、光音響プローブを組織表面53aに密着して光ファイバ51の先端面51aからパルスレーザ光を組織内部に照射する。そして、図17(光音響プローブとしては便宜上、検出器52のみを示してある。)に示すように、組織内部のヘモグロビンに照射エネルギーを吸収させることで生じる音波を圧電素子52で検出する。そして、電極等を介して図示省略した信号処理手段や表示手段等に送信し、該表示手段等で検出結果を表示する。
【0005】
ところで、このような従来の光音響プローブに用いられるリング型検出器は、次のような特性を有している。
(1)リングの中心軸上に位置する信号発生源で発生した信号に対する感度が高い。
(2)リングの中心軸上に位置する信号発生源が同じ深さにある場合、中心軸からの距離が短い位置にある(リングの径の小さい)検出器ほど、信号発生源で発生した信号に対する感度は高いが、横分解能は低下する。
(3)検出器の幅(リングの外径とリングの内径との差)が大きくなると、発生した信号に対する感度は高くなるが、分解能は低下する。
(4)信号発生源と検出器との距離が深さ方向に離れると、発生した信号に対する感度や、横分解能が低下する。
(5)信号発生源で発生する音波の検出器に対する入射角度が大きくなると感度が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の光音響プローブは、測定対象から一定の距離に配置されているため、リング型の音波検出器をなす圧電素子を測定対象に密着して使用した場合、リング状の圧電素子の中心軸上に位置する測定対象のうち、その表面近傍領域で発生した信号は、音波検出器である圧電素子に対し、大きな入射角度で入射し感度が低くなってしまう。このため、従来の光音響プローブでは、測定対象の表面を検出することが困難であった。
【0007】
また、この種の光音響プローブにおいては、信号発生源から検出器である圧電素子までの距離の違いが、時間の違いとなって検出され、分解能に大きく影響を与える。例えば、検出器までの距離の差が大きい2つの点は、それぞれ別個の2つの点として計測することができるが、検出器までの距離の差が小さい2つの点はそれぞれ別個の2つの点として計測することができない。
このため、検出器である圧電素子が測定対象に密着して使用する従来の光音響プローブでは、測定対象の表面付近の軸方向分解能が低くなってしまうという欠点がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、測定対象の表面から深部に至るまでの広範囲な信号発生源からの信号を同時に高精度に検出できる光音響プローブを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて少なくとも1つの同心円状に配置されているとともに、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴としている。
【0010】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記検出器が、リング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に少なくとも1つ配置されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸に対して対称に複数個配置されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明による光音響プローブにおいては、前記光照射部から射出される光の照射範囲を調節する照射範囲調節手段を前記光照射部の先端面前方に設けたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明のように検出器を複数の高さ位置ごとに配置すれば、例えば、組織深部の信号発生源からの信号を下部の検出器で検出し、組織表面近傍の信号発生源からの信号を上部の検出器で検出することによって、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
【0014】
すなわち、上部の検出器を組織表面から離して配置することができるため、組織表面近傍の信号発生源で生じる信号の該検出器への入射角度を小さくすることができ、従来の装置では検出できなかった組織表面の信号発生源で生じる信号を検出することができる。
しかし、検出器を測定対象から離して配置すると、組織深部での検出感度や、横分解能が低下することになる。しかるに、本発明では、検出器を複数段の高さ位置ごとに配置するようにしたので、例えば、組織深部の信号発生源で生じる信号を測定対象に密着させた検出器で検出し、組織表面近傍の信号発生源で生じる信号を測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器で検出するようにすることで、測定対象の深さに応じて、検出感度や横分解能の良い検出器で検出することができ、組織表面から組織深部に至るまで信号発生源を感度よく検出することができる。
また、測定対象に近い高さ位置(すなわち下部)に配置される検出器を、上部に配置される検出器よりも大きな径で形成すれば、下部の検出器が上部の検出器による組織表面近傍の信号発生源で生じる信号の検出の邪魔とならないようにすることができる。
また、光照射部を、前記同心円状領域の中心に配置し、かつ、該光照射部の先端面が測定対象から離間するように構成すれば、上部の高さ位置に配置される検出器での検出の邪魔とならないようにすることができる。
なお、検出器は、リング状に形成されたものを、各高さ位置の前記同心円状領域に配置してもよい。或いは、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸に対して対称に複数個配置してもよい。
【0015】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光量調節手段が、前記光照射部の射出光路上に挿脱可能に設けられたレンズで構成されているのが好ましい。
【0016】
または、本発明の光音響プローブにおいては、前記光量調節手段が、前記光照射部の射出光路上を移動可能に設けられたレンズで構成されているのが好ましい。
【0017】
本発明の光音響プローブにおいて、光量調節手段として、光射出部の射出光路を挿脱可能、又は光照射部の射出光路上を移動可能なレンズ、例えば、スライド式やレボルバ等に装着された回転式のレンズユニットを備えると、レーザの照射面積を変化させることができる。例えば、組織表面近傍を観測する場合は、照射面積を小さくして入射する。この場合は、組織表面から離間した上部の検出器で検出する。一方、組織深部を観測する場合は、広い照射面積で高エネルギーの照射光を入射する。この場合は、組織表面に密着した下部の検出器で検出する。
【0018】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子を用いて構成されているのが好ましい。
本発明の光音響プローブの測定対象となる、例えば、生体組織は、水に比べて音波の減衰が大きい。
この場合、高周波成分ほど、指数関数的に減衰するために、生体深部からの信号は高調波成分が失われてしまう。そのため、生体深部の信号発生源の分布等を観測する場合には下部に位置する検出器には、低周波に中心感度を持つ検出器を用いるのが適している。
一方、生体表面近傍からの信号は、生体での伝搬距離が短いため、高周波成分の減衰が少ない。また、高周波成分は、生体の微細な構造情報をもっているため、高周波を検出することは、微細構造を観測することに等しい。そのため、上部に位置する検出器には、高周波に中心感度をもつ検出器を用いるのが好ましい。
【0019】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器の幅が、異なる高さ位置に応じて異なるようにするのが好ましい。
上述のように、下部に位置する検出器には、生体深部を測定するために低周波に中心感度を持つ検出器を用いるのが好ましい。
更に、下部に位置する検出器を上部に位置する検出器に比べて幅を大きくすれば、低周波成分をより高感度で検出することができる。
【0020】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記リングの中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴としている。
前記検出器を同じ大きさのリング状に形成しても、複数の高さ位置に間隔をおいて配置すれば、下部に配置された検出器が上部に配置された検出器での検出の邪魔とならないようにすることができ、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
【0021】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、径の異なる複数のリング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に、複数配置されているのが好ましい。
径の異なる検出器は、同じ高さ位置にあっても分解能や検出感度が異なる。このため、各同心円状領域に、径の異なる検出器を複数配置すれば、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号に対し、分解能や分解能のよい検出器を選択して検出することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
【0022】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて複数の同心円状に配置されているのが好ましい。
このように構成しても、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号をより感度良く検出することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
【0023】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、該測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁が設けられているのが好ましい。
上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁で反射した音波を上部の検出器が拾うと、直接到達する信号(音波)に対して時間的に遅れて検出されるため偽信号となり、ノイズとなってしまう。しかるに、本発明のように、測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるような傾斜をつけて内壁を構成すれば、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁で反射した音波が上部の検出器に到達しないようにして、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0024】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、凹溝が形成された内壁が設けられているのが好ましい。
内壁をこのように構成すれば、上記と同様に、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁で反射した音波が検出器に到達しないようにして、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0025】
また、本発明の光音響プローブにおいては、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、透過性の材質からなる内壁が設けられているのが好ましい。
このように構成すれば、上部の検出器とそれよりも下部にある検出器との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁での音波の反射を抑えて、上部の検出器で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0026】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光照射部が、複数の光ファイバを用いて構成されているのが好ましい。
このように構成すれば、例えば、組織の深度に応じて異なる周波数で測定対象を照射することができる。また、より明るい光量で測定対象を照射することができるため、より高精度な検出を行なうことができる。
【0027】
また、本発明の光音響プローブにおいては、前記光照射部の先端面が、最も測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器よりも測定対象に近い位置にあるのが好ましい。
このように構成すれば、測定対象に近づけてより明るい光量で照射することができるため、より高精度な検出を行うことができる。
【0028】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から同じ高さ位置に離間していることを特徴としている。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより広範囲かつ高精度な検出を行なうことができる。
【0029】
また、本発明による光音響プローブは、光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、その周囲に配置されている検出器の高さ位置と同じで、最も外側の前記光照射部の先端面が、測定対象に密着するようにするのが好ましい。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより広範囲かつ高精度な検出を行なうことができる上、測定対象に対し、外側の照射部からの光を内壁に邪魔されず光量ロスなく測定対象に照射することができる。
【0030】
また、本発明の光音響プローブにおいては、最も外側の前記光照射部が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域に配置された前記検出器の外側に配置してもよい。
このように構成すれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、測定対象に対しより高精度な検出を行なうことができる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明の以下に示す各実施例の光音響プローブを用いて構成される測定装置の概略構成図である。
図1の測定装置は、例えば、Q−switched Nd:YAGレーザなどのナノ秒パルスレーザを発するレーザ装置21と、レーザ光を測定対象である組織27に伝送するための光ファイバ22と、本発明の光音響プローブ23と、前記圧電素子で検出した信号を伝送するためのケーブル24と、レーザ光の照射操作等をする操作部及び光音響プローブ23から伝送された信号を変換処理するための信号処理部等を備えたコンピュータ25と、処理された信号を表示するための表示装置26とを備えている。
【0032】
第1実施例
図2は本発明の光音響プローブの第1実施例を示す要部概略構成図であり、(a)は観察対象側から見た平面図、(b)は光軸に沿う断面図である。図3は第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置の一構成例を示す概略図である。
本実施例の光音響プローブ23は、検出器1,2と、光ファイバ22を用いた光照射部3とをハウジング4の内部に有して構成されている。
ハウジング4には、異なる高さ位置ごとに径が異なり測定対象27に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bが設けられている。
検出器1,2は、PVDF(ポリフッカビニリデン)よりなるリング状に形成された圧電素子で構成されている。検出器1は、検出器2に比べて径が小さく形成されている。また、検出器1は、測定対象27から離れた高さ位置にある同心円状領域4aに設けられている。検出器2は、測定対象27に近い高さ位置にある同心円状領域4bに設けられており、測定時に測定対象27の表面に密着するようになっている。なお、検出器1,2には、夫々、電極及びケーブル24の配線(図2において図示省略)が接続されている。
光照射部3は、同心円状領域4a,4bの中心に配置されている。また、光照射部3の先端面3aは、測定対象27から離間している。
ハウジング4の内部は、測定対象27の表面との間で空間部5が形成されるようになっている。また、ハウジング4には、超音波伝達媒体注入口(図示省略)が設けられている。そして、空間部5には、ハウジング4に設けた超音波伝達媒体注入口から超音波伝達媒体が充填され、組織内部の信号発生源が膨張する際に生じる信号が超音波伝達媒体を介して組織に密着していない検出器に伝搬されるようになっている。超音波伝達媒体としては、超音波ゼリー、光学的に透明な固体ガラス、透明容器に入れられた水などが用いられる。
【0033】
そして、図3に示す第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置では、血管の分布を観測することができるように、操作部25aを介してレーザ装置21から波長532nmのレーザ光が発せられるようになっている。また、組織の表面近傍の信号発生源からの信号は検出器1で、それ例外の組織深部の信号発生源からの信号であって全反射しない角度(例えば45度)で入射する信号は検出器2で検出する。コンピュータ25の信号処理部25bでは、検出器1,2でそれぞれ検出された時間に基づき、組織内部における信号発生源の位置を計算する。そして、計算結果から得られた信号発生源(血液)の位置を表示装置26に表示するようになっている。
【0034】
図4は第1実施例の光音響プローブにおけるそれぞれ異なる高さに設けられた検出器1,2による測定対象中の光軸上にあって異なる深さに位置する信号発生源からの信号に対する分解能の関係を示す説明図である。図中、Z1,Z2は組織表面近傍の信号発生源、Z3は組織深部の信号発生源である。
例えば、組織表面近傍の信号発生源Z1,Z2が照射されたレーザ光を吸収することによって膨張する際には、それぞれの信号発生源Z1,Z2から発生した信号(音波)は、時間的な幅をもって伝搬する。
このとき、信号発生源Z1から検出器2までの距離r12と信号発生源Z2から検出器2までの距離r22との差|r22−r12|と、信号発生源Z1から検出器1までの距離r11と信号源Z2から検出器1までの距離r21との差|r21−r11|との大小が検出器としての圧電素子の分解能に影響する。
【0035】
図4においては、|r22−r12|<|r21−r11|であり、組織表面近傍の信号発生源Z1,Z2に対しては、より離れた位置に配置された検出器1のほうが検出器2に比べてZ方向(光軸方向)の分解能が高くなる。
但し、検出器は、信号発生源からの距離が離れるにしたがって感度、横分解能が低下するという性質を有している。
また、測定対象に密着させていないと、レーザ光の組織表面で反射することによるノイズや、音波の反射、屈折等による感度精度の低下が考えられる。
このため、図4に示すような組織深部に位置する信号発生源Z3からの信号を検出する場合は、検出器2のほうが、検出器1に比べて信号の検出感度が高くなる。
【0036】
しかるに、第1実施例の光音響プローブによれば、例えば、毛細血管の分布を観測する場合など、ある程度の深さの幅を持っている測定対象を観測する場合であっても、組織深部からの信号に対して検出器2で検出し、それ以外の組織表面近傍からの信号に対して検出器1で検出することができるので、組織の表面近傍から深部に至るまで同時に高精度に検出できる。
【0037】
なお、例えば、図5に示す参考例のように、検出器2よりも上部に配置される検出器1の径を検出器2の径よりも大きく形成した場合には、組織の表面近傍に位置する信号源Z0からの信号が検出器2で干渉されてしまい、検出器1で検出するのが困難となり、高精度な検出を行なうことができない。
しかるに、第1実施例の光音響プローブでは、検出器2よりも上部に配置される検出器1の径を検出器2よりも小さく形成したので、組織の表面近傍に位置する信号源Z0からの信号が検出器2で干渉されることなく、検出器1で検出することができ、高精度な検出を行なうことができる。
【0038】
また、第1実施例の光音響プローブでは、光照射部3の先端面3aを測定対象27から離間したので、信号源から発生した信号が光照射部3の先端で干渉されることなく、検出器1で検出することができる。
【0039】
なお、第1実施例の光音響プローブでは、検出器1及び検出器2を、それぞれ1つのリング状に形成した圧電素子で構成したが、径の異なる同心円状領域4a,4bのそれぞれにおいて、複数個の圧電素子を光軸に対し対称に配置して構成してもよい。このように構成しても、光軸上の任意深度に位置する信号源からの信号を複数方向から検出できるため、検出精度が向上する。
【0040】
第2実施例
図6は本発明の光音響プローブの第2実施例を示す概略構成図であり、(a)は測定対象の表面近傍観測時、(b)は測定対象の深部観測時の状態を示している。
第2実施例の光音響プローブ23では、光照射部から照射される光の照射範囲を調節する照射範囲調節手段としての凸レンズ6が、ハウジング4内に設けられた通路4c内をスライド可能に設けられており、凸レンズ6は、光照射部3の先端面3a前方の射出光路に挿脱可能になっている。
このように構成された第2実施例の光音響プローブを用いて測定対象27の表面近傍を観測する場合には、図6(a)に示すように、凸レンズ6を光照射部3の光軸上に位置するようにスライドさせる。すると、光照射部3からの射出光が凸レンズ6を介して収束され、照射範囲が狭められた状態で測定対象27の表面近傍を照射する。そして、照射により測定対象27の表面近傍の信号発生源から発せられる音波を、検出器1を介して検出する。
このようにすれば、信号発生源が限定されるため、測定対象27の表面近傍での横分解能が高くなる。
【0041】
なお、この場合には、照射光が収束されて測定対象の一部分を照射するため、照射された測定対象27(組織)における単位面積あたりの照射エネルギー(フルエンス)が高くなる。しかし、単位面積あたりの照射エネルギーが高すぎると、照射した測定対象27である組織にダメージを与えてしまう。そこで、このような照射の場合には、図1や、図3に示すコンピュータ25等を介して、光ファイバ22を介して照射するレーザ光のフルエンス(単位当たりの照射エネルギー)が測定対象27である組織の表面近傍において組織にダメージを与えない程度の所定量となるようにレーザ光の射出エネルギーを小さくする。
【0042】
一方、第2実施例の光音響プローブを用いて測定対象27の組織深部を観測する場合には、図6(a)に示すように、凸レンズ6を光照射部3の光軸から外れるようにスライドさせる。すると、光照射部3からの射出光が発散され、照射範囲を広げられた状態で測定対象27を照射する。そして、照射により測定対象27の深部の信号発生源から発せられる音波を、検出器2を介して検出する。
この場合には、照射光が発散されて測定対象の広範囲を照射するため、照射された範囲における単位面積あたりの照射エネルギー(フルエンス)が低くなる。そこで、このような照射の場合には、図1や、図3に示すコンピュータ25等を介して、光ファイバ22を介して照射するレーザ光のフルエンス(単位当たりの照射エネルギー)が測定対象27である組織深部において検出器2で検出しやすい程度の所定量となるようにレーザ光の射出エネルギーを大きくする。
このようにすれば、大きい出射エネルギーのレーザ光でもって組織の深部を広範囲に照射できるため、組織深部からの信号が得やすくなる。
【0043】
なお、第2実施例の光音響プローブでは、照射範囲調節手段として、光照射部3の射出光路に挿脱可能に設けられたレンズに凸レンズ6を用いて構成したが、凹レンズを用いて構成し、凹レンズを光軸上に移動したときに、照射範囲が広がるようにしてもよい。
【0044】
また、上記レンズの光照射部3の射出光路への挿脱可能な構成は限定されるものではなく、例えば、スライダー等で直線的にスライドさせるものでも、あるいはレボルバ等の円盤状部材により回転させてスライドさせるものでもよい。
【0045】
また、第2実施例の光音響プローブでは、照射範囲調節手段として、レンズを光照射部の射出光路上に挿脱可能に設けて構成したが、レンズを光照射部の射出光路上を光軸に沿って移動可能に設けて構成してもよい。このように構成した場合には、レンズを上下に移動させることにより測定対象への照射範囲や集光位置を調整することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0046】
第3実施例
図7は本発明の光音響プローブの第3実施例を示す断面図である。
第3実施例の光音響プローブ23では、検出器1として、例えば20MHzの高周波に中心感度をもつリング状の圧電素子が、測定対象27である生体組織から離れた高さ位置に配置され、検出器2として、例えば3MHzの低周波に中心感度をもつリング状の圧電素子が測定対象27である生体組織に密着する高さ位置に配置されて構成されている。
【0047】
生体組織は、水に比べて音波の減衰が大きく、高周波成分になればなるほど、指数関数的に減衰する。このため、生体深部の信号発生源からの信号は高周波成分が失われてしまう。
しかるに、第3実施例の光音響プローブでは、低周波に中心感度をもつ検出器1で生体深部の信号発生源からの信号を検出するようにしたので、生体深部の信号発生源の分布等を精度良く測定することができる。
一方、生体表面近傍からの信号は生体での伝搬距離が短いために高周波成分の減衰が少ない。また、高周波成分は、生体の微細な構造情報をもっているため、高周波成分を検出することは、生体の微細な構造情報を検出することに等しい。
しかるに、第3実施例の光音響プローブでは、高周波に中心感度を持つ検出器2で生体表面近傍の信号発生源からの信号を検出するようにしたので、生体表面近傍の信号発生源の分布等を微細情報に至るまで精度良く測定することができる。
【0048】
なお、第3実施例の光音響プローブでは、上記のように、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子で検出器を構成したが、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器の幅が、測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器に比べて大きくなるように構成してもよい。このように構成しても、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器で低周波成分を感度良く検出することができる。
さらに、第3実施例の光音響プローブにおいて、生体組織に密着する位置に配置される検出器2の幅(外径と内径との差)を上部に位置する検出器1に比べて大きく形成してもよい。このようにすると、検出器2で低周波成分をより高感度で検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0049】
第4実施例
図8は本発明の光音響プローブの第4実施例を示す断面図である。
第4実施例の光音響プローブ23では、検出器1,2が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて光照射部3の光軸をはずれて配置されている。また、光照射部3は、検出器1,2のリングの中心に配置され、かつ、先端面3aが測定対象27から離間している。
第4実施例の光音響プローブによれば、検出器1,2を同じ大きさのリング状に形成しても、複数の高さ位置に間隔をおいて配置すれば、下部に配置された検出器2が上部に配置された検出器1での測定対象27の表面近傍の信号発生源からの信号の検出の邪魔とならないようにすることができ、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時に高精度に検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0050】
第5実施例
図9は本発明の光音響プローブの第5実施例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は下から見た図である。
第5実施例の光音響プローブ23では、同心円状領域4aに、径の異なる複数のリング状に形成された検出器11,12が配置され、同心円状領域4bに、径の異なる複数のリング状に形成された検出器21,22が配置されている。
【0051】
同じ高さ位置の検出器であっても、検出器のリングの径の大きさによって、分解能や検出感度は異なる。即ち、同じ高さ位置の検出器の場合、検出感度は内側の(径の小さい)検出器の方が高く、横分解能は外側の(径の大きい)検出器の方が高い。
しかるに、第5実施例の光音響プローブによれば、大きさの異なる複数のリング状検出器を上下それぞれに複数配置したので、上部、下部夫々の位置において、同じ高さ位置に配置された検出器でもって異なる深度の信号発生源からの信号に対し、分解能や分解能のよい検出器を選択して検出することができ、検出感度、横分解能を同時に高くして精度よく測定することができる。このため、組織表面から深部に至るまでの信号発生源からの信号を同時により高精度に検出することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0052】
第6実施例
図10は本発明の光音響プローブの第6実施例を示す図であり、(b)は断面図、(a)は下から見た図、(c)は本実施例の光音響プローブにおける検出器の変形例を示す説明図である。
第6実施例の光音響プローブ23では、検出器1a〜1fが、同心円状領域4aに光照射部3の光軸に対して対称にリング状に配置されるとともに、検出器2a〜2fが、同心円状領域4aに光照射部3の光軸に対して対称にリング状に配置されている。
第6実施例の光音響プローブによれば、第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
なお、各同心円状領域4a,4bに配置された検出器1a〜1f、検出器2a〜2fの形状及び大きさは全てが同じであっても、或いは異なっていてもよい。
また、同心円状領域4aに配置される検出器の個数と、同心円状領域4bに配置される検出器の個数は、同じであっても、或いは異なっていてもよい。
また、図10(a),(b)の例では、各同心円状領域に配置するための各検出器を、夫々独立して形成されたPVDF等の圧電素子に夫々電極を設けて構成したが、図10(c)に示すように、同心円状に形成されたPVDFに複数の電極を別個に同心円状に配置しても複数の検出器を構成することができる。この場合、各電極の下の領域のPVDFで発生した電荷がそれぞれに接続された配線を通じて流れることになる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0054】
第7実施例
図11は本発明の光音響プローブの第7実施例を示す断面図である。
第7実施例の光音響プローブ23では、測定対象27に近い高さ位置に配置された検出器2とその高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器1との間に、測定対象27に近い高さ位置から測定対象27から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁4dが設けられている。
【0055】
上部の検出器1と下部の検出器2との間の空間部5を区画する内壁4で反射した音波を検出器1が拾うと、検出器1に直接到達する信号(音波)に対して時間的に遅れて検出されることになるため偽信号となり、ノイズとなってしまう。
しかるに、第7実施例の光音響プローブによれば、測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるような傾斜をつけて内壁4dを構成したので、信号源からの音波の内壁4dでの反射を無くすことができる、或いは内壁4dでの音波の反射波の反射方向をずらして検出器1に到達しないようにすることができ、その結果、検出器1で検出される信号のノイズを抑えることができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0056】
第8実施例
図12は本発明の光音響プローブの第8実施例を示す断面図である。
第8実施例の光音響プローブ23では、測定対象27に近い高さ位置に配置された検出器2とその高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器1との間には、凹溝が形成された内壁4d’が設けられている。
第8実施例の光音響プローブによれば、凹溝を形成して内壁4d’を構成したので、信号源からの音波の内壁4d’での反射を無くすことができる、或いは内壁4d’での音波の反射波の反射方向をずらして検出器1に到達しないようにすることができ、その結果、第7実施例の光音響プローブと同様に、検出器1で検出される信号のノイズを抑えることができる。
【0057】
また、上記各実施例の光音響プローブにおける内壁を透過性の材質で構成すると好ましい。このように構成すれば、上部の高さ位置にある検出器1とそれよりも下部の高さ位置にある検出器2との間の内壁での音波の反射を無くす、或いは内壁での音波の反射を抑えて、検出器での検出される信号のノイズを抑える効果が得られる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0058】
第9実施例
図13は本発明の光音響プローブの第9実施例を示す図で、(a)は下方から見た図、(b)は(a)の断面図である。
第9実施例の光音響プローブ23では、第1実施例の光音響プローブにおける光照射部3が、同心円状領域の中央に配置された複数の光ファイバ22a,22b,・・・で構成されている。
第9実施例の光音響プローブによれば、各光ファイバ22a,22b,・・・にそれぞれ異なる波長のレーザ光を伝搬させることにより組織の深度に応じて異なる周波数で測定対象を照射することができる。また、各光ファイバに同じ波長のレーザ光を伝搬させる場合は、より均一で明るい光量で計測対象を照射することができるため、より高精度な検出を行なうことができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0059】
第10実施例
図14は本発明の光音響プローブの第10実施例を示す図であって、(a)は下から見た図、(b)は断面図、(c)は(a),(b)に示した構成の一変形例を示す断面図、(d)は(a),(b)に示した構成の他の変形例を示す断面図である。
第10実施例の光音響プローブ23では、図14(a),(b)に示すように、リング状の圧電素子で構成された検出器1,2が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象27に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域4a,4bに、光照射部31〜37の光軸をはずれて配置されている。検出器2は、検出器1に比べて幅が大きく形成されている。光照射部31は、同心円状領域4a,4bの中心に配置されるとともに、光照射部32〜37が、異なる高さ位置に配置された光検出部の間に同心円状に複数配置されている。また、光照射部31,32・・・の先端面31a,32a,・・・は、測定対象27から同じ高さ位置に離間している。
【0060】
第10実施例の光音響プローブによれば、異なる位置に配置された光照射部を介して、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができるため、計測対象に対しより高精度な検出を行なうことができる。また、各光照射部は、先端面が測定対象から同じ高さ位置に離間しているため、検出器1による信号発生源からの音波の検出の邪魔にならずに済む。
【0061】
また、図14(c)に示す変形例の光音響プローブでは、図14(a),(b)に示した光音響プローブにおける光照射部31の先端面31aが、その周囲に配置されている検出器1の高さ位置と同じで、最も外側の光照射部32〜37の先端面32a〜37aが、それらの周囲に配置されている検出器2の高さ位置と同じで測定対象27に密着するようになっている。
本変形例の光音響プローブによれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができる。
【0062】
また、図14(d)の変形例に示す光音響プローブでは、図14(c)に示した変形例における最も外側の光照射部32〜37が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域4bに配置された検出器2の外側に配置されている。
本変形例の光音響プローブによれば、より多くの光量でもってより広範囲を照射することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1実施例の光音響プローブとほぼ同じである。
【0063】
その他、各実施例の構成を含めて、本発明の光音響プローブは、図15に示すように、光照射部3の先端面3aが、最も測定対象27から離れた高さ位置に配置された検出器1よりも測定対象27に近い位置にあってもかまわない。
【0064】
このように、本発明の光音響プローブは、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような特徴を備えている。
【0065】
(1)前記照射範囲調節手段が、前記光照射部の射出光路に挿脱可能に設けられたレンズで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光音響プローブ。
【0066】
(2)前記照射範囲調節手段が、前記光照射部の射出光路上を移動可能に設けられたレンズで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光音響プローブ。
【0067】
(3)前記検出器が、異なる高さ位置に応じて、周波数感度が異なる圧電素子を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)、(2)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0068】
(4)前記検出器が、測定対象に近い高さ位置に配置された検出器ほど低周波に中心感度を持ち、測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器ほど高周波に中心感度をもつことを特徴とする上記(3)に記載の光音響プローブ。
【0069】
(5)前記検出器の幅が、異なる高さ位置に応じて異なることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0070】
(6)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、同じ大きさのリング状に形成され、複数の高さ位置に間隔をおいて前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記リングの中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴とする光音響プローブ。
【0071】
(7)前記検出器が、径の異なる複数のリング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に、複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0072】
(8)前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて複数の同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0073】
(9)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、該測定対象に近い高さ位置から測定対象から離れるにしたがって径が大きくなるように傾斜をつけた内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0074】
(10)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、凹溝が形成された内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0075】
(11)測定対象に近い高さ位置に配置された検出器と該高さ位置よりも測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器との間には、透過性の材質からなる内壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0076】
(12)前記光照射部が、複数の光ファイバを用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0077】
(13)前記光照射部の先端面が、最も測定対象から離れた高さ位置に配置された検出器よりも測定対象に近い位置にあることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の光音響プローブ。
【0078】
(14)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から同じ高さ位置に離間していることを特徴とする光音響プローブ。
【0079】
(15)光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて配置され、前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置されるとともに、異なる高さ位置に配置された前記光検出部の間に同心円状に複数配置され、かつ、該光照射部の先端面が、その周囲に配置されている検出器の高さ位置と同じで、最も外側の前記光照射部の先端面が、測定対象に密着していることを特徴とする光音響プローブ。
【0080】
(16)最も外側の前記光照射部が、測定対象に近い高さ位置の同心円状領域に配置された前記検出器の外側に配置されていることを特徴とする上記(15)に記載の光音響プローブ。
【0081】
【発明の効果】
本発明の光音響プローブによれば、組織表面から深部に至るまでの信号を同時に高精度に検出できる光音響プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例の光音響プローブを用いて構成される測定装置の概略構成図である。
【図2】本発明の光音響プローブの第1実施例を示す要部概略構成図であり、(a)は観察対象側から見た平面図、(b)は光軸に沿う断面図である。
【図3】第1実施例の光音響プローブを用いた測定装置の一構成例を示す概略図である。
【図4】第1実施例の光音響プローブにおけるそれぞれ異なる高さに設けられた検出器1,2による測定対象内部の異なる信号発生源からの信号に対する分解能の関係を示す説明図である。
【図5】第1実施例の光音響プローブに対する比較例を示す説明図である。
【図6】本発明の光音響プローブの第2実施例を示す概略構成図であり、(a)は測定対象の深部観測時、(b)は測定対象の表面近傍観測時の状態を示している。
【図7】本発明の光音響プローブの第3実施例を示す断面図である。
【図8】本発明の光音響プローブの第4実施例を示す断面図である。
【図9】本発明の光音響プローブの第5実施例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は下から見た図である。
【図10】本発明の光音響プローブの第6実施例を示す図であり、(b)は断面図、(a)は下から見た図、(c)は本実施例の光音響プローブにおける検出器の変形例を示す説明図である。
【図11】本発明の光音響プローブの第7実施例を示す断面図である。
【図12】本発明の光音響プローブの第8実施例を示す断面図である。
【図13】本発明の光音響プローブの第9実施例を示す図で、(a)は下方から見た図、(b)は(a)の断面図である。
【図14】本発明の光音響プローブの第10実施例を示す図であって、(a)は下から見た図、(b)は断面図、(c)は(a),(b)に示した構成の一変形例を示す断面図、(d)は(a),(b)に示した構成の他の変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の光音響プローブのその他の変形例を示す断面図である。
【図16】光音響プローブの一従来例を示す断面図である。
【図17】図16の光音響プローブを用いて、組織内部の赤血球等を観測するときの状態説明図である。
【符号の説明】
1,11,12,1a,1b,1c,1d,1e,1f,2,21,22,2a,2b,2c,2d,2e,2f 検出器
3,31,32,33,34,35,36,37 光照射部
3a,31a,32a,33a 先端面
4 ハウジング
4a,4b 同心円状領域
4c 通路
4d,4d’ 内壁
5 空間部(超音波伝達媒体充填部)
6 凸レンズ
21 レーザ
22,22a,22b,22c,22d,22e,22f 光ファイバ
23 光音響プローブ
24 ケーブル
25 コンピュータ25
25a 操作部
25b 信号処理部
26 表示装置
27 測定対象
Z1,Z2 組織表面近傍の信号源
Z3 組織深部の信号源
Claims (4)
- 光ファイバを用いた光照射部と、圧電素子からなる検出器とを有する光音響プローブであって、
前記検出器が、異なる高さ位置ごとに径が異なり、かつ、測定対象に近い高さ位置になるにしたがって径が大きい複数の同心円状領域に、前記光照射部の光軸をはずれて少なくとも1つの同心円状に配置されているとともに、
前記光照射部が、前記同心円状領域の中心に配置され、かつ、該光照射部の先端面が、測定対象から離間していることを特徴とする光音響プローブ。 - 前記検出器が、リング状に形成され、各高さ位置の前記同心円状領域に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光音響プローブ。
- 前記検出器が、各高さ位置の前記同心円状領域に、前記光照射部の光軸に対して対称に複数個配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光音響プローブ。
- 前記光照射部から射出される光の照射範囲を調節する照射範囲調節手段を前記光照射部の先端面前方に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光音響プローブ。
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