JP2004347751A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触帯電系において、画像流れを防止・抑制する。
【解決手段】装置内部や近傍の温湿度などの環境条件によって、帯電バイアスをDC、AC+DCに切り替えたり、その大きさを制御する。高湿側の場合、より画像流れの発生しにくいDCにしたり、AC帯電でもAC電流を小さくする。また、モード(コピー、FAX、プリンタなど)や画像モード(文字、写真など)、解像度などによってもその大きさや切り替え条件を変えても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】装置内部や近傍の温湿度などの環境条件によって、帯電バイアスをDC、AC+DCに切り替えたり、その大きさを制御する。高湿側の場合、より画像流れの発生しにくいDCにしたり、AC帯電でもAC電流を小さくする。また、モード(コピー、FAX、プリンタなど)や画像モード(文字、写真など)、解像度などによってもその大きさや切り替え条件を変えても良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
接触式の帯電手段を有する電子写真方式の画像形成装置の制御方法に関する。より詳しくは、電子写真感光体、静電記録誘電体などの被帯電体である像担持体に、該像担持体の表面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行し、該像担持体の帯電処理手段は、帯電部材を該像担持体に当接させて表面を帯電させる接触式の帯電手段である画像形成装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、像担持体である感光ドラム表面を帯電処理する手段機器としては、従来、コロナ放電器が広く利用されてきた。これは、コロナ放電器をその放電開口部を被帯電体である感光ドラムに対向させて非接触に配置し、放電開口部からのコロナ電流に感光ドラム表面をさらすことで所定の極性・電位に帯電処理するものである。しかし、高圧電源を必要とする、オゾンが大量に発生するなどの問題がある。
【0003】
これに対し、電圧を印加した帯電部材を感光ドラムに接触させて帯電処理する接触式の帯電方法は、電源の低電圧化が図れる、オゾンの発生量が少ないなどの長所があるため、近年注目され使用に供されている。接触式の帯電部材である帯電ローラ用いた従来の画像形成装置を図9に基づいて説明する。
【0004】
図9は従来の画像形成装置要部の断面図であり、同図において、1は像担持体としての感光ドラムであり、該感光ドラム1の表面は先ず前露光ランプ15によって帯電電位をほぼ0Vに除電された後、一次帯電ローラ2によって一様な電位(例えば−700V)に帯電される。次いで、原稿に対応した不図示の画像露光手段から画像露光3が感光ドラム1上に照射されることによって感光ドラム1上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4によって現像されてトナー像として顕像化される。
【0005】
一方、転写材Pは所定のタイミングで給送され、感光ドラム1上のトナー像は、バイアスローラ(転写ローラ)12に印加されたバイアスによる静電力によって転写材担持体である転写ベルト21に担持された転写材Pに転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは、転写ベルト21によって担持搬送され、定着ローラ対14を通過することによって加熱及び加圧されることによってトナー像の定着を受ける。
【0006】
尚、転写後に感光ドラム1上に残留したトナーはドラムクリーニング装置5によって除去され、感光ドラム1は再び前露光ランプ15による光照射によって残留電位が除電されて次の画像形成に供される。
【0007】
又、転写ベルト21上には、画像形成装置内の主に現像装置4の動作中や転写時に飛散したトナー或は画像形成前後のカブリトナーが付着したり、転写材搬送中のジャムにより直接転写してしまうこと等によりトナーが付着することがあり、これらの付着したトナーを除去するためのクリーニング装置16が転写ベルト21に接触して配置されている。
【0008】
なお、帯電ローラ2は各種処方・層構成のものが使用できるが、例えば中心の芯金と、その外周に形成した導電層と、更にその外周に形成した抵抗層、保護層とからなる。
【0009】
帯電ローラ2は芯金の両端部を不図示の軸受部材に回転自由に軸受させて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1面に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−109332号公報
【特許文献2】
特開平11−194579号公報
【特許文献3】
特開平11−174785号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例において、画像形成装置の画像形成動作を続けていくと、特に高湿環境下において画像がボケる、いわゆる画像流れといった問題が発生することが知られている。この現象は、帯電時に発生する放電生成物などが感光ドラム表面に付着し、さらに空気中に含まれる水分が吸着することによって感光ドラムの表面抵抗が低下して電荷の横流れが起きて潜像コントラストが低下することに起因する。
【0012】
また、感光ドラム表面に付着するものとしては放電生成物の他にも現像剤としてのトナーやそれに含まれる添加剤もある。
【0013】
構成的には、感光ドラムなどの像担持体表面に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置においては特に顕著に発生しうる。
【0014】
この問題に対しては、従来、感光ドラムの内部あるいは近傍に感光ドラム表面を加熱・乾燥させるための加熱手段(ヒータ)を設置することで対策している。たとえ放電生成物などが感光ドラム表面に付着しても表面抵抗が低下しないので、画像流れの発生を防止しようとするものである。
【0015】
しかしながら、近年環境問題に対する意識が高まり、特に待機時のエネルギー消費の削減が求められて来ており、加熱手段(ヒータ)の使用は困難になっている。
【0016】
詳細は実施例の中で述べるが、帯電方式は印加するバイアスの方式によって大きく2つに分けられる。接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、DCにACを重畳させるいわゆるAC帯電である。上述した、帯電時に発生する放電生成物などが感光ドラム表面に付着する量としては、AC帯電の方が大きく、画像流れのレベルも悪化する。また、画像形成動作の繰り返しによる感光ドラム表面の劣化も比較的大きい。
【0017】
一方、帯電均一性や画像濃度均一性といった問題に対しては、AC帯電の方が優れている。
【0018】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、感光ドラムなどの像担持体の為の加熱手段(ヒータ)を用いず、画像濃度均一性を保ち、さらに画像流れという画像不良の無い信頼性の高い画像形成装置を安価に提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体と、該像担持体に接触してその表面を帯電させる接触式帯電部材と、該接触式帯電部材に帯電バイアスを印加する手段とを有し、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置において、画像形成装置内部あるいは近傍の温湿度などの環境条件を検知し、その結果に応じて、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとAC+DCのどちらかに切り替えることを特徴とする。
【0020】
また請求項2に記載の発明は、上記環境条件とは、画像形成開始時の装置内部あるいは近傍の温湿度や空気中の水分量などのデータ、あるいは画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであることを特徴とする。
【0021】
また請求項3に記載の発明は、環境条件が高湿度側の場合には、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、低湿度側ではDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電となるように切り替えることを特徴とする。
【0022】
上記構成により、特に画像流れの発生しやすい高湿環境下において放電生成物の発生量を抑制することができ、画像流れの発生防止あるいはレベルの改善を可能にする。また、温湿度や空気中の水分量などの環境データを、画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであるようにすることによって、環境センサ出力値と実際の感光ドラム表面状態にミスマッチがあっても問題の解決を図ることができる。これは、例えば画像形成装置を設置している部屋のエアコン動作開始直後など、環境状態が急激に変化したような場合など、画像形成開始時点では湿度が低いとセンサが判断しても、感光ドラム表面には水分が吸着している状態などに有効である。
【0023】
また請求項4に記載の発明は、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電が選択された時、あるいはDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電が選択された時、それぞれの場合にさらに前記環境条件によってDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0024】
上記構成により、環境条件によって異なる、帯電均一性の要求レベルと画像流れの発生しやすさによって、例えばACバイアス値の大きさを変えることによって適正なバランスを取ることが可能になる。
【0025】
また請求項5に記載の発明は、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であっても、DCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0026】
上記構成により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0027】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0028】
また請求項6に記載の発明は、前記接触式帯電部材は、ローラ状、ブレード状、シート状あるいはブラシから形成されていることを特徴とする。
【0029】
上記構成において、本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に上記現像剤や添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものにすることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施例1>
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図であり、本図においては図9に示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0032】
図1において、帯電ローラ2の近傍に温湿度センサ23が配置されており、その出力が帯電ローラバイアス制御回路22に送られ、帯電ローラ2に印加されるバイアスが制御される。
【0033】
ここで、帯電方式による帯電状況の違いを、図を参照して以下に説明する。
【0034】
図2はDCバイアスのみの場合の一次DCバイアスVdcと、像担持体である感光体ドラムの表面電位Vsの関係を示したものである。図2に示すように、DCバイアスVdcがあるしきい値Vthを越えたところからVsが直線的に増加する。またその特徴としては、
(1)帯電ローラと感光ドラムの間の微小ニップで発生するオゾン、放電生成物の発生量がAC帯電よりも少ない。
(2)耐久に伴う感光ドラム表面の膜厚の削れ量がAC帯電に対して比較的少ない。
(3)帯電時に一次帯電ローラなどに代表される帯電部材と感光ドラム間で振動が発生せず、従って感光ドラム表面に現像剤であるトナーが薄くコートされてしまうフィルミング・融着といった現象がおきにくい。
というメリットがある反面、帯電電位の収束性が悪い為以下のようなデメリットがある。
(4)帯電部材の部分的な抵抗ムラや表面の汚れにより、帯電電位がばらつく。
(5)耐久に伴い感光ドラム表面が削れて誘電体層の膜厚が薄くなると、帯電電位が変化する。一定電位に保持する為には、DCバイアス値の制御が必要となる。
【0035】
また、均一に削れず、1本の感光ドラムの中でも場所により膜厚ムラが顕著になることにより、帯電電位も変化してしまう。したがって、画像中の部分により濃度ムラが生じやすい。
【0036】
一方、AC帯電方式は、一例として特開平3−52058に示されているように、帯電部材は被帯電体移動方向下流側で被帯電体面との距離が大きくなっていく領域を具備し、直流電圧成分と、被帯電体に対する帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有する電圧を被帯電体と帯電部材との間に印加することにより、被帯電体面と帯電部材の前記領域との間に振動電界を形成することで被帯電体を帯電ムラなく均一に帯電処理することが可能となるものである。
【0037】
その帯電特性としては、交流成分が帯電の凹凸をならし、直流成分により所定の電位に収束させるため、図3に示すようにほぼ直流バイアスVdcに近いように帯電する。
【0038】
AC帯電方式の特徴としては、DC帯電とは逆に、
(1)帯電ローラと感光ドラムの間の微小ニップで発生するオゾン、放電生成物の発生量がDC帯電よりも多い。したがって、画像流れのレベルは、同じ温湿度条件で比較するとDC帯電よりも悪化する。
(2)耐久に伴う感光ドラム表面の膜厚の削れ量がDC帯電に比べて比較的多い。その比率は使用する現像剤の種類や感光ドラムの処方、感光ドラム表面のクリーニング手段の構成・有無、回転速度などにより異なるが、図4に示すように場合によって1.2〜2倍になることがある。従って、感光ドラム寿命はそれだけ短くなってしまう。
【0039】
さらに、AC成分のピーク電圧をさらに大きくすると、電位の収束性は高まるものの、削れ量はさらに増加する。
【0040】
なお、本発明においては、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たないため、全体的に比較的削れ量は少ないが、清掃部材や帯電手段の種類や感光ドラムへの圧接状態により大きさが変わる。また、部分的な当接ムラにより削れムラが発生しやすい。
(3)帯電時に帯電部材・感光ドラム間で振動が発生することにより、振動音や前記のフィルミング、融着といった問題が比較的発生しやすい。ただし、AC電流値の設定や現像剤、感光ドラム表面の材質、処方、感光ドラムのクリーニング手段などの各種設定の最適化や、感光ドラム内への詰め物により防止は可能である。
といったデメリットはあるものの、帯電電位の収束性が良い為に以下のようなメリットがある。
(4)帯電ローラの部分的な抵抗ムラなど帯電部材そのものや、その表面付着物の影響による帯電電位のばらつきが小さい。
(5)使用に伴って感光ドラム表面の誘電体層の膜厚が全体的に薄くなったり、膜厚ムラが生じても比較的均一な帯電が可能である。従って、耐久に伴う帯電電位の変化も帯電ムラの増加も小さく、比較的均一で安定した帯電が可能である。すなわち、画像濃度が比較的均一になる。
【0041】
AC帯電方式とDC帯電方式のそれぞれの装置使用に伴う(使用耐久枚数の増加に伴う)感光ドラムの膜厚変化の様子を図4に示す。使用する感光ドラムの処方やクリーニング装置の構成、バイアスなどの条件によってもその値は異なるが、通常AC帯電方式のほうが1.5〜2.5倍程度削れ量は多い。さらに、上記したようにAC成分のピーク電圧をさらに大きくした場合(図4のAC強化)、電位の収束性は高まるものの、削れ量やオゾン・放電生成物の発生量はさらに増加する。
【0042】
ここで、さらに感光ドラム表面への放電アタック、放電生成物に関して、より詳しく比較説明する。
【0043】
接触帯電方式は、帯電部材を直接像担持体に接触・近接させ、像担持体を帯電させるものである。例えば帯電ローラにバイアス電圧が印加され、帯電ローラと像担持体とが、それぞれに回転して互いに接触しようとする寸前の微小間隙部分に生じる放電を利用したものである。この放電は、スコロトロン、コロトロン方式に比較してギャップが小さい放電である。ギャップの小さい放電はギャップが大きい放電に比べてイオンや電子の移動速度が速いといわれている。このため、接触帯電方式は、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ、像担持体表面にエネルギーの大きいイオンや電子が衝突すると考えられている。一般に、高分子は、イオンや電子が衝突すると表面分子の結合状態が変わり、活性化して表面エネルギーが上昇する場合がある。
【0044】
像担持体として、ポリカーボネート等の高分子材料で形成された表面層を有する有機感光ドラムを使用して、接触帯電方式で帯電すると、感光ドラムの表面エネルギーは、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ上昇することがある。表面エネルギーの上昇は空気中の分子が像担持体表面に吸着することを促したり、現像剤としてのトナーや外添剤が感光ドラム表面に付着する付着力の増加をもたらす場合もある。
【0045】
また、接触帯電方式は放電生成物の発生量が微量であり、装置内から外へ空気を出す場合にもオゾンフィルタなどは不要になるのが一般的である。しかしながら、放電は微小間隙で直接放電しており、感光ドラム表面の極近傍での発生である。従って、スコロトロンなどの帯電器よりも、像担持体への影響が大きく、オゾン・放電生成物が付着しやすい。また、その放電エネルギーによって像担持体表面の劣化が激しく、トナー等の付着力の増加により異物がつきやすい状態になっている。
【0046】
さらに、AC帯電方式では放電電流が多くなるので、それら放電生成物質が大量に発生し、DC帯電に比べてより大きな影響を与える。また、DC帯電時より放電回数が多くなり、それだけ像担持体にストレスをかけることになり、トナー等の付着力の増加を促し、加えて像担持体の表面状態が大きく変化することがある。
【0047】
また、アモルファスシリコン感光体を使用した場合には、感光ドラム表面の削れ量は著しく少ないものの、一度付着したトナー、外添剤、放電生成物などが取れにくく、同様の問題が生じる。
【0048】
さて、上記の画像形成装置において、種種の温湿度条件下で連続100枚の画像形成を行なった後、そのまま画像形成装置を12時間放置し、その後再度連続100枚の画像形成を行なった場合の、後半100枚の画像流れの発生状況を図5に示す。
【0049】
同図から分かるように、特に湿度が高く空気中に含まれる水分量が多い場合に画像流れの発生が顕著になっているが、DC帯電にすることで画像流れのレベルは大きく改善されることが分かる。
【0050】
したがって、制御方法としては、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その値が10以上の場合には一次帯電ローラに印加するバイアスをDCだけにすれば良い。ここで、帯電ローラの抵抗ムラや表層の汚れムラがあった場合の画像濃度ムラも同図に示している。AC帯電の場合は帯電の収束性が良いために、抵抗ムラや汚れムラがあったとしても電位は比較的均一になり、結果として濃度ムラも小さくなる。DC帯電の場合は、逆に帯電均一性は悪いので、濃度ムラは比較的大きくなる。ただし、どちらの場合でも高湿領域においてはこれらの抵抗ムラ、汚れムラの画像への影響は小さくなるので、バイアス依存性が小さい。したがって、高湿度領域で一次帯電バイアスをDCに切り替えた場合でも、画像濃度ムラのレベルはそれほど落ちることは無い。
【0051】
以上説明したように、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その値が10以上の高湿度領域の場合には一次帯電ローラに印加するバイアスをDCに、10より小さい比較的低湿度領域の場合にはAC+DCバイアスになるように制御する。その結果、画像の濃度ムラをそれほど悪化させずに画像流れを防止、あるいは抑制することが可能になる。
【0052】
なお、DCバイアスとAC+DCバイアスの切り替え条件は、上記例では10としたがこれは装置の構成、材料その他によって適宜変更可能である。
【0053】
<実施例2>
上記第1の実施例においては、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その結果に応じて一次帯電ローラに印加するバイアスをDC(DC帯電)と、AC+DC(AC帯電)に切り替えるように制御した。
【0054】
本実施例においては、それぞれのバイアス方式の中でも、さらに条件によりバイアス条件を変える一例である。
【0055】
低湿側ではAC+DCバイアスを印加するが、図6に示すように、絶対水分量が3未満ではAC電流を1150μAにアップするようにする。3以上9未満では1000μA、10以上では実施例1と同様にDCバイアス印加とする。このように制御することで、高湿側では実施例1と同様に画像流れを防止し、低湿側では帯電均一性をアップして画像ムラの防止・抑制ができるが、さらに低湿側を2つの領域に分けて画像流れの発生しない3未満ではより帯電均一性がよくなり画像濃度ムラが解消できる。
【0056】
以上説明したように、本実施例においては、それぞれのバイアス方式の中でも、枚数が多くなっても画像流れの発生しないより低湿側の領域ではさらにAC電流値を大きくして帯電均一性をアップして、帯電ローラの抵抗ムラ・汚れムラによる画像濃度ムラのレベルアップを図ることができる。
【0057】
<実施例3>
実施例2においては、低湿側の領域をさらに2つに分けて、枚数が多くなっても画像流れの発生しないより低湿側の領域ではさらにAC電流値を大きくして帯電均一性をアップし、帯電ローラの抵抗ムラ・汚れムラによる画像濃度ムラのレベルアップを図るように制御した。
【0058】
本実施例においては、逆に高湿側の領域をさらに2つに分けてバイアスの制御を行なうものである。
【0059】
画像形成装置に用いられている現像剤としてのトナーは、環境(温湿度)によってその帯電量が変わり、通常高湿側では帯電量が小さくなる。したがって、現像時に必要な現像コントラストは小さくて良い。その分帯電電位を下げてよいので、図7に示すように絶対水分量20以上の場合には、一次DCバイアスは100V下げて−1150Vとする。
【0060】
この制御は一般的に行なわれているものであるが、本発明では温湿度などの環境条件で一次帯電バイアスをDCとAC+DCに切り替えて制御するなかで同時に行なうことができる。さらに必要ならば、図7に同時に示すようにAC+DCのDCバイアスも変更することができる。
【0061】
以上説明したように、必要な現像コントラストを得る為に、各制御において同時にDCバイアス値も変えることで常に最適な画像濃度を得ることができる。
【0062】
なお、本実施例においてはバイアスの切り替えをDC帯電、AC帯電ともそれぞれ2種類として説明したが、さらに細かく設定して制御を行なっても良いのは言うまでも無い。
【0063】
<実施例4>
本発明の実施例においても、図1に示した画像形成装置において具現化でき、実施例1〜3と異なるのは、画像形成モードや解像度の違いなどによって制御方法を変えるものである。
【0064】
具体的には、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、例えば上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であってもDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御する制御である。
【0065】
図8に本実施例の制御の一例を示す。
【0066】
本実施例においては、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さい、あるいは多少の濃度ムラがあっても実用上問題が無いと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。図8の本実施例においては、環境条件に関わらず常にDCバイアス印加とする。
【0067】
逆に、高画質が要求される写真・高解像度モードの場合には、画像流れの発生しにくい低湿環境においてはAC+DCバイアスを印加して帯電ムラ・画像濃度ムラの発生を避け、高湿環境側においては画像流れ防止・抑制のためにDCバイアスに切り替えるように制御を行なう。前述したように、高湿側では、帯電ローラの抵抗ムラや汚れムラは画像へ影響しにくい。また、抵抗ムラ自体、通常高湿環境下では小さくなる。
【0068】
以上説明したように、画像形成モードや解像度によって、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはバイアス値の大きさを異なるように制御する。この制御により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0069】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0070】
以上、接触帯電部材としては、帯電ローラを主に説明を行なってきたが、それに限定するものではなく、他にブレード状、シート状あるいはブラシから形成されたものなどでも構成可能である。
【0071】
本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に感光ドラム表面上に付着した現像剤としてのトナーや添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものである。
【0072】
また、画像形成装置の構成に限定するものでもなく、白黒・カラーの複写機・プリンタ・ファクシミリなど各種の画像形成装置に応用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、像担持体と、該像担持体に接触してその表面を帯電させる接触式帯電部材と、該接触式帯電部材に帯電バイアスを印加する手段とを有し、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置において、画像形成装置内部あるいは近傍の温湿度などの環境条件を検知し、その結果に応じて、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとAC+DCのどちらかに切り替えることを特徴とする。
【0074】
また請求項2に記載の発明は、上記環境条件とは、画像形成開始時の装置内部あるいは近傍の温湿度や空気中の水分量などのデータ、あるいは画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであることを特徴とする。
【0075】
また請求項3に記載の発明は、環境条件が高湿度側の場合には、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、低湿度側ではDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電となるように切り替えることを特徴とする。
【0076】
上記構成により、特に画像流れの発生しやすい高湿環境下において放電生成物の発生量を抑制することができ、画像流れの発生防止あるいはレベルの改善を可能にする。また、温湿度や空気中の水分量などの環境データを、画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであるようにすることによって、環境センサ出力値と実際の感光ドラム表面状態にミスマッチがあっても問題の解決を図ることができる。これは、例えば画像形成装置を設置している部屋のエアコン動作開始直後など、環境状態が急激に変化したような場合など、画像形成開始時点では湿度が低いとセンサが判断しても、感光ドラム表面には水分が吸着している状態などに有効である。
【0077】
また請求項4に記載の発明は、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電が選択された時、あるいはDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電が選択された時、それぞれの場合にさらに前記環境条件によってDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0078】
上記構成により、環境条件によって異なる、帯電均一性の要求レベルと画像流れの発生しやすさによって、例えばACバイアス値の大きさを変えることによって適正なバランスを取ることが可能になる。
【0079】
また請求項5に記載の発明は、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であっても、DCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0080】
上記構成により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0081】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0082】
また請求項6に記載の発明は、前記接触式帯電部材は、ローラ状、ブレード状、シート状あるいはブラシから形成されていることを特徴とする。
【0083】
上記構成において、本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に上記現像剤や添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関る転写ベルトと帯電ローラを用いた画像形成装置の概略断面図。
【図2】DC帯電バイアスによるDCバイアスと感光ドラム表面電位の関係を示す図。
【図3】AC+DC帯電バイアスによるDC成分バイアスと感光ドラム表面電位の関係を示す図。
【図4】DC帯電、AC+DC帯電バイアスによる感光ドラム表面の削れ量を示す図。
【図5】本発明の実施例1における水分量によるバイアス制御例と、AC帯電、DC帯電の各環境下における画像流れと画像濃度ムラの発生状況。
【図6】本発明の実施例2における水分量によるバイアス制御例と、AC帯電の各環境下における画像流れと画像濃度ムラの発生状況。
【図7】本発明の実施例3における水分量によるバイアス制御例。
【図8】本発明の実施例4における水分量によるバイアス制御例。
【図9】従来の転写ベルトを用いた画像形成装置の概略断面図。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電ローラ
3 画像露光(レーザなど)
4 現像器
5 クリーナ
12 転写部材(バイアスローラ)
15 前露光
20 転写バイアス電源
21 一次帯電バイアス電源
22 一次帯電バイアス制御回路
23 環境センサ(温湿度センサ)
【発明の属する技術分野】
接触式の帯電手段を有する電子写真方式の画像形成装置の制御方法に関する。より詳しくは、電子写真感光体、静電記録誘電体などの被帯電体である像担持体に、該像担持体の表面を帯電処理する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行し、該像担持体の帯電処理手段は、帯電部材を該像担持体に当接させて表面を帯電させる接触式の帯電手段である画像形成装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置において、像担持体である感光ドラム表面を帯電処理する手段機器としては、従来、コロナ放電器が広く利用されてきた。これは、コロナ放電器をその放電開口部を被帯電体である感光ドラムに対向させて非接触に配置し、放電開口部からのコロナ電流に感光ドラム表面をさらすことで所定の極性・電位に帯電処理するものである。しかし、高圧電源を必要とする、オゾンが大量に発生するなどの問題がある。
【0003】
これに対し、電圧を印加した帯電部材を感光ドラムに接触させて帯電処理する接触式の帯電方法は、電源の低電圧化が図れる、オゾンの発生量が少ないなどの長所があるため、近年注目され使用に供されている。接触式の帯電部材である帯電ローラ用いた従来の画像形成装置を図9に基づいて説明する。
【0004】
図9は従来の画像形成装置要部の断面図であり、同図において、1は像担持体としての感光ドラムであり、該感光ドラム1の表面は先ず前露光ランプ15によって帯電電位をほぼ0Vに除電された後、一次帯電ローラ2によって一様な電位(例えば−700V)に帯電される。次いで、原稿に対応した不図示の画像露光手段から画像露光3が感光ドラム1上に照射されることによって感光ドラム1上に静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4によって現像されてトナー像として顕像化される。
【0005】
一方、転写材Pは所定のタイミングで給送され、感光ドラム1上のトナー像は、バイアスローラ(転写ローラ)12に印加されたバイアスによる静電力によって転写材担持体である転写ベルト21に担持された転写材Pに転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは、転写ベルト21によって担持搬送され、定着ローラ対14を通過することによって加熱及び加圧されることによってトナー像の定着を受ける。
【0006】
尚、転写後に感光ドラム1上に残留したトナーはドラムクリーニング装置5によって除去され、感光ドラム1は再び前露光ランプ15による光照射によって残留電位が除電されて次の画像形成に供される。
【0007】
又、転写ベルト21上には、画像形成装置内の主に現像装置4の動作中や転写時に飛散したトナー或は画像形成前後のカブリトナーが付着したり、転写材搬送中のジャムにより直接転写してしまうこと等によりトナーが付着することがあり、これらの付着したトナーを除去するためのクリーニング装置16が転写ベルト21に接触して配置されている。
【0008】
なお、帯電ローラ2は各種処方・層構成のものが使用できるが、例えば中心の芯金と、その外周に形成した導電層と、更にその外周に形成した抵抗層、保護層とからなる。
【0009】
帯電ローラ2は芯金の両端部を不図示の軸受部材に回転自由に軸受させて、ドラム型の感光体1に並行に配置して不図示の押圧手段で感光体1面に対して所定の押圧力をもって圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−109332号公報
【特許文献2】
特開平11−194579号公報
【特許文献3】
特開平11−174785号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例において、画像形成装置の画像形成動作を続けていくと、特に高湿環境下において画像がボケる、いわゆる画像流れといった問題が発生することが知られている。この現象は、帯電時に発生する放電生成物などが感光ドラム表面に付着し、さらに空気中に含まれる水分が吸着することによって感光ドラムの表面抵抗が低下して電荷の横流れが起きて潜像コントラストが低下することに起因する。
【0012】
また、感光ドラム表面に付着するものとしては放電生成物の他にも現像剤としてのトナーやそれに含まれる添加剤もある。
【0013】
構成的には、感光ドラムなどの像担持体表面に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置においては特に顕著に発生しうる。
【0014】
この問題に対しては、従来、感光ドラムの内部あるいは近傍に感光ドラム表面を加熱・乾燥させるための加熱手段(ヒータ)を設置することで対策している。たとえ放電生成物などが感光ドラム表面に付着しても表面抵抗が低下しないので、画像流れの発生を防止しようとするものである。
【0015】
しかしながら、近年環境問題に対する意識が高まり、特に待機時のエネルギー消費の削減が求められて来ており、加熱手段(ヒータ)の使用は困難になっている。
【0016】
詳細は実施例の中で述べるが、帯電方式は印加するバイアスの方式によって大きく2つに分けられる。接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、DCにACを重畳させるいわゆるAC帯電である。上述した、帯電時に発生する放電生成物などが感光ドラム表面に付着する量としては、AC帯電の方が大きく、画像流れのレベルも悪化する。また、画像形成動作の繰り返しによる感光ドラム表面の劣化も比較的大きい。
【0017】
一方、帯電均一性や画像濃度均一性といった問題に対しては、AC帯電の方が優れている。
【0018】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、感光ドラムなどの像担持体の為の加熱手段(ヒータ)を用いず、画像濃度均一性を保ち、さらに画像流れという画像不良の無い信頼性の高い画像形成装置を安価に提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体と、該像担持体に接触してその表面を帯電させる接触式帯電部材と、該接触式帯電部材に帯電バイアスを印加する手段とを有し、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置において、画像形成装置内部あるいは近傍の温湿度などの環境条件を検知し、その結果に応じて、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとAC+DCのどちらかに切り替えることを特徴とする。
【0020】
また請求項2に記載の発明は、上記環境条件とは、画像形成開始時の装置内部あるいは近傍の温湿度や空気中の水分量などのデータ、あるいは画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであることを特徴とする。
【0021】
また請求項3に記載の発明は、環境条件が高湿度側の場合には、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、低湿度側ではDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電となるように切り替えることを特徴とする。
【0022】
上記構成により、特に画像流れの発生しやすい高湿環境下において放電生成物の発生量を抑制することができ、画像流れの発生防止あるいはレベルの改善を可能にする。また、温湿度や空気中の水分量などの環境データを、画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであるようにすることによって、環境センサ出力値と実際の感光ドラム表面状態にミスマッチがあっても問題の解決を図ることができる。これは、例えば画像形成装置を設置している部屋のエアコン動作開始直後など、環境状態が急激に変化したような場合など、画像形成開始時点では湿度が低いとセンサが判断しても、感光ドラム表面には水分が吸着している状態などに有効である。
【0023】
また請求項4に記載の発明は、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電が選択された時、あるいはDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電が選択された時、それぞれの場合にさらに前記環境条件によってDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0024】
上記構成により、環境条件によって異なる、帯電均一性の要求レベルと画像流れの発生しやすさによって、例えばACバイアス値の大きさを変えることによって適正なバランスを取ることが可能になる。
【0025】
また請求項5に記載の発明は、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であっても、DCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0026】
上記構成により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0027】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0028】
また請求項6に記載の発明は、前記接触式帯電部材は、ローラ状、ブレード状、シート状あるいはブラシから形成されていることを特徴とする。
【0029】
上記構成において、本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に上記現像剤や添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものにすることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施例1>
図1は本発明の実施の形態1に係る画像形成装置の断面図であり、本図においては図9に示したと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0032】
図1において、帯電ローラ2の近傍に温湿度センサ23が配置されており、その出力が帯電ローラバイアス制御回路22に送られ、帯電ローラ2に印加されるバイアスが制御される。
【0033】
ここで、帯電方式による帯電状況の違いを、図を参照して以下に説明する。
【0034】
図2はDCバイアスのみの場合の一次DCバイアスVdcと、像担持体である感光体ドラムの表面電位Vsの関係を示したものである。図2に示すように、DCバイアスVdcがあるしきい値Vthを越えたところからVsが直線的に増加する。またその特徴としては、
(1)帯電ローラと感光ドラムの間の微小ニップで発生するオゾン、放電生成物の発生量がAC帯電よりも少ない。
(2)耐久に伴う感光ドラム表面の膜厚の削れ量がAC帯電に対して比較的少ない。
(3)帯電時に一次帯電ローラなどに代表される帯電部材と感光ドラム間で振動が発生せず、従って感光ドラム表面に現像剤であるトナーが薄くコートされてしまうフィルミング・融着といった現象がおきにくい。
というメリットがある反面、帯電電位の収束性が悪い為以下のようなデメリットがある。
(4)帯電部材の部分的な抵抗ムラや表面の汚れにより、帯電電位がばらつく。
(5)耐久に伴い感光ドラム表面が削れて誘電体層の膜厚が薄くなると、帯電電位が変化する。一定電位に保持する為には、DCバイアス値の制御が必要となる。
【0035】
また、均一に削れず、1本の感光ドラムの中でも場所により膜厚ムラが顕著になることにより、帯電電位も変化してしまう。したがって、画像中の部分により濃度ムラが生じやすい。
【0036】
一方、AC帯電方式は、一例として特開平3−52058に示されているように、帯電部材は被帯電体移動方向下流側で被帯電体面との距離が大きくなっていく領域を具備し、直流電圧成分と、被帯電体に対する帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有する電圧を被帯電体と帯電部材との間に印加することにより、被帯電体面と帯電部材の前記領域との間に振動電界を形成することで被帯電体を帯電ムラなく均一に帯電処理することが可能となるものである。
【0037】
その帯電特性としては、交流成分が帯電の凹凸をならし、直流成分により所定の電位に収束させるため、図3に示すようにほぼ直流バイアスVdcに近いように帯電する。
【0038】
AC帯電方式の特徴としては、DC帯電とは逆に、
(1)帯電ローラと感光ドラムの間の微小ニップで発生するオゾン、放電生成物の発生量がDC帯電よりも多い。したがって、画像流れのレベルは、同じ温湿度条件で比較するとDC帯電よりも悪化する。
(2)耐久に伴う感光ドラム表面の膜厚の削れ量がDC帯電に比べて比較的多い。その比率は使用する現像剤の種類や感光ドラムの処方、感光ドラム表面のクリーニング手段の構成・有無、回転速度などにより異なるが、図4に示すように場合によって1.2〜2倍になることがある。従って、感光ドラム寿命はそれだけ短くなってしまう。
【0039】
さらに、AC成分のピーク電圧をさらに大きくすると、電位の収束性は高まるものの、削れ量はさらに増加する。
【0040】
なお、本発明においては、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たないため、全体的に比較的削れ量は少ないが、清掃部材や帯電手段の種類や感光ドラムへの圧接状態により大きさが変わる。また、部分的な当接ムラにより削れムラが発生しやすい。
(3)帯電時に帯電部材・感光ドラム間で振動が発生することにより、振動音や前記のフィルミング、融着といった問題が比較的発生しやすい。ただし、AC電流値の設定や現像剤、感光ドラム表面の材質、処方、感光ドラムのクリーニング手段などの各種設定の最適化や、感光ドラム内への詰め物により防止は可能である。
といったデメリットはあるものの、帯電電位の収束性が良い為に以下のようなメリットがある。
(4)帯電ローラの部分的な抵抗ムラなど帯電部材そのものや、その表面付着物の影響による帯電電位のばらつきが小さい。
(5)使用に伴って感光ドラム表面の誘電体層の膜厚が全体的に薄くなったり、膜厚ムラが生じても比較的均一な帯電が可能である。従って、耐久に伴う帯電電位の変化も帯電ムラの増加も小さく、比較的均一で安定した帯電が可能である。すなわち、画像濃度が比較的均一になる。
【0041】
AC帯電方式とDC帯電方式のそれぞれの装置使用に伴う(使用耐久枚数の増加に伴う)感光ドラムの膜厚変化の様子を図4に示す。使用する感光ドラムの処方やクリーニング装置の構成、バイアスなどの条件によってもその値は異なるが、通常AC帯電方式のほうが1.5〜2.5倍程度削れ量は多い。さらに、上記したようにAC成分のピーク電圧をさらに大きくした場合(図4のAC強化)、電位の収束性は高まるものの、削れ量やオゾン・放電生成物の発生量はさらに増加する。
【0042】
ここで、さらに感光ドラム表面への放電アタック、放電生成物に関して、より詳しく比較説明する。
【0043】
接触帯電方式は、帯電部材を直接像担持体に接触・近接させ、像担持体を帯電させるものである。例えば帯電ローラにバイアス電圧が印加され、帯電ローラと像担持体とが、それぞれに回転して互いに接触しようとする寸前の微小間隙部分に生じる放電を利用したものである。この放電は、スコロトロン、コロトロン方式に比較してギャップが小さい放電である。ギャップの小さい放電はギャップが大きい放電に比べてイオンや電子の移動速度が速いといわれている。このため、接触帯電方式は、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ、像担持体表面にエネルギーの大きいイオンや電子が衝突すると考えられている。一般に、高分子は、イオンや電子が衝突すると表面分子の結合状態が変わり、活性化して表面エネルギーが上昇する場合がある。
【0044】
像担持体として、ポリカーボネート等の高分子材料で形成された表面層を有する有機感光ドラムを使用して、接触帯電方式で帯電すると、感光ドラムの表面エネルギーは、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ上昇することがある。表面エネルギーの上昇は空気中の分子が像担持体表面に吸着することを促したり、現像剤としてのトナーや外添剤が感光ドラム表面に付着する付着力の増加をもたらす場合もある。
【0045】
また、接触帯電方式は放電生成物の発生量が微量であり、装置内から外へ空気を出す場合にもオゾンフィルタなどは不要になるのが一般的である。しかしながら、放電は微小間隙で直接放電しており、感光ドラム表面の極近傍での発生である。従って、スコロトロンなどの帯電器よりも、像担持体への影響が大きく、オゾン・放電生成物が付着しやすい。また、その放電エネルギーによって像担持体表面の劣化が激しく、トナー等の付着力の増加により異物がつきやすい状態になっている。
【0046】
さらに、AC帯電方式では放電電流が多くなるので、それら放電生成物質が大量に発生し、DC帯電に比べてより大きな影響を与える。また、DC帯電時より放電回数が多くなり、それだけ像担持体にストレスをかけることになり、トナー等の付着力の増加を促し、加えて像担持体の表面状態が大きく変化することがある。
【0047】
また、アモルファスシリコン感光体を使用した場合には、感光ドラム表面の削れ量は著しく少ないものの、一度付着したトナー、外添剤、放電生成物などが取れにくく、同様の問題が生じる。
【0048】
さて、上記の画像形成装置において、種種の温湿度条件下で連続100枚の画像形成を行なった後、そのまま画像形成装置を12時間放置し、その後再度連続100枚の画像形成を行なった場合の、後半100枚の画像流れの発生状況を図5に示す。
【0049】
同図から分かるように、特に湿度が高く空気中に含まれる水分量が多い場合に画像流れの発生が顕著になっているが、DC帯電にすることで画像流れのレベルは大きく改善されることが分かる。
【0050】
したがって、制御方法としては、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その値が10以上の場合には一次帯電ローラに印加するバイアスをDCだけにすれば良い。ここで、帯電ローラの抵抗ムラや表層の汚れムラがあった場合の画像濃度ムラも同図に示している。AC帯電の場合は帯電の収束性が良いために、抵抗ムラや汚れムラがあったとしても電位は比較的均一になり、結果として濃度ムラも小さくなる。DC帯電の場合は、逆に帯電均一性は悪いので、濃度ムラは比較的大きくなる。ただし、どちらの場合でも高湿領域においてはこれらの抵抗ムラ、汚れムラの画像への影響は小さくなるので、バイアス依存性が小さい。したがって、高湿度領域で一次帯電バイアスをDCに切り替えた場合でも、画像濃度ムラのレベルはそれほど落ちることは無い。
【0051】
以上説明したように、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その値が10以上の高湿度領域の場合には一次帯電ローラに印加するバイアスをDCに、10より小さい比較的低湿度領域の場合にはAC+DCバイアスになるように制御する。その結果、画像の濃度ムラをそれほど悪化させずに画像流れを防止、あるいは抑制することが可能になる。
【0052】
なお、DCバイアスとAC+DCバイアスの切り替え条件は、上記例では10としたがこれは装置の構成、材料その他によって適宜変更可能である。
【0053】
<実施例2>
上記第1の実施例においては、測定された温湿度データから絶対水分量を算出して、その結果に応じて一次帯電ローラに印加するバイアスをDC(DC帯電)と、AC+DC(AC帯電)に切り替えるように制御した。
【0054】
本実施例においては、それぞれのバイアス方式の中でも、さらに条件によりバイアス条件を変える一例である。
【0055】
低湿側ではAC+DCバイアスを印加するが、図6に示すように、絶対水分量が3未満ではAC電流を1150μAにアップするようにする。3以上9未満では1000μA、10以上では実施例1と同様にDCバイアス印加とする。このように制御することで、高湿側では実施例1と同様に画像流れを防止し、低湿側では帯電均一性をアップして画像ムラの防止・抑制ができるが、さらに低湿側を2つの領域に分けて画像流れの発生しない3未満ではより帯電均一性がよくなり画像濃度ムラが解消できる。
【0056】
以上説明したように、本実施例においては、それぞれのバイアス方式の中でも、枚数が多くなっても画像流れの発生しないより低湿側の領域ではさらにAC電流値を大きくして帯電均一性をアップして、帯電ローラの抵抗ムラ・汚れムラによる画像濃度ムラのレベルアップを図ることができる。
【0057】
<実施例3>
実施例2においては、低湿側の領域をさらに2つに分けて、枚数が多くなっても画像流れの発生しないより低湿側の領域ではさらにAC電流値を大きくして帯電均一性をアップし、帯電ローラの抵抗ムラ・汚れムラによる画像濃度ムラのレベルアップを図るように制御した。
【0058】
本実施例においては、逆に高湿側の領域をさらに2つに分けてバイアスの制御を行なうものである。
【0059】
画像形成装置に用いられている現像剤としてのトナーは、環境(温湿度)によってその帯電量が変わり、通常高湿側では帯電量が小さくなる。したがって、現像時に必要な現像コントラストは小さくて良い。その分帯電電位を下げてよいので、図7に示すように絶対水分量20以上の場合には、一次DCバイアスは100V下げて−1150Vとする。
【0060】
この制御は一般的に行なわれているものであるが、本発明では温湿度などの環境条件で一次帯電バイアスをDCとAC+DCに切り替えて制御するなかで同時に行なうことができる。さらに必要ならば、図7に同時に示すようにAC+DCのDCバイアスも変更することができる。
【0061】
以上説明したように、必要な現像コントラストを得る為に、各制御において同時にDCバイアス値も変えることで常に最適な画像濃度を得ることができる。
【0062】
なお、本実施例においてはバイアスの切り替えをDC帯電、AC帯電ともそれぞれ2種類として説明したが、さらに細かく設定して制御を行なっても良いのは言うまでも無い。
【0063】
<実施例4>
本発明の実施例においても、図1に示した画像形成装置において具現化でき、実施例1〜3と異なるのは、画像形成モードや解像度の違いなどによって制御方法を変えるものである。
【0064】
具体的には、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、例えば上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であってもDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御する制御である。
【0065】
図8に本実施例の制御の一例を示す。
【0066】
本実施例においては、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さい、あるいは多少の濃度ムラがあっても実用上問題が無いと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。図8の本実施例においては、環境条件に関わらず常にDCバイアス印加とする。
【0067】
逆に、高画質が要求される写真・高解像度モードの場合には、画像流れの発生しにくい低湿環境においてはAC+DCバイアスを印加して帯電ムラ・画像濃度ムラの発生を避け、高湿環境側においては画像流れ防止・抑制のためにDCバイアスに切り替えるように制御を行なう。前述したように、高湿側では、帯電ローラの抵抗ムラや汚れムラは画像へ影響しにくい。また、抵抗ムラ自体、通常高湿環境下では小さくなる。
【0068】
以上説明したように、画像形成モードや解像度によって、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはバイアス値の大きさを異なるように制御する。この制御により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0069】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0070】
以上、接触帯電部材としては、帯電ローラを主に説明を行なってきたが、それに限定するものではなく、他にブレード状、シート状あるいはブラシから形成されたものなどでも構成可能である。
【0071】
本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に感光ドラム表面上に付着した現像剤としてのトナーや添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものである。
【0072】
また、画像形成装置の構成に限定するものでもなく、白黒・カラーの複写機・プリンタ・ファクシミリなど各種の画像形成装置に応用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、像担持体と、該像担持体に接触してその表面を帯電させる接触式帯電部材と、該接触式帯電部材に帯電バイアスを印加する手段とを有し、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置において、画像形成装置内部あるいは近傍の温湿度などの環境条件を検知し、その結果に応じて、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとAC+DCのどちらかに切り替えることを特徴とする。
【0074】
また請求項2に記載の発明は、上記環境条件とは、画像形成開始時の装置内部あるいは近傍の温湿度や空気中の水分量などのデータ、あるいは画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであることを特徴とする。
【0075】
また請求項3に記載の発明は、環境条件が高湿度側の場合には、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、低湿度側ではDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電となるように切り替えることを特徴とする。
【0076】
上記構成により、特に画像流れの発生しやすい高湿環境下において放電生成物の発生量を抑制することができ、画像流れの発生防止あるいはレベルの改善を可能にする。また、温湿度や空気中の水分量などの環境データを、画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであるようにすることによって、環境センサ出力値と実際の感光ドラム表面状態にミスマッチがあっても問題の解決を図ることができる。これは、例えば画像形成装置を設置している部屋のエアコン動作開始直後など、環境状態が急激に変化したような場合など、画像形成開始時点では湿度が低いとセンサが判断しても、感光ドラム表面には水分が吸着している状態などに有効である。
【0077】
また請求項4に記載の発明は、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電が選択された時、あるいはDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電が選択された時、それぞれの場合にさらに前記環境条件によってDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0078】
上記構成により、環境条件によって異なる、帯電均一性の要求レベルと画像流れの発生しやすさによって、例えばACバイアス値の大きさを変えることによって適正なバランスを取ることが可能になる。
【0079】
また請求項5に記載の発明は、画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であっても、DCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする。
【0080】
上記構成により、文字画像の多いファクシミリモードや、文字モードなど、実際には多少の帯電ムラがあっても画像濃度への影響が小さいと判断される場合には、同じ環境条件であっても、帯電バイアスを感光ドラムへの放電生成物付着が小さいように制御することが出来る。逆に、高解像モードや写真モードなど、高い帯電・濃度均一性が求められる場合には、放電生成物付着を一時的に多少犠牲にしても帯電均一性を高めるように制御することが可能である。
【0081】
したがって、感光ドラムへの放電生成物付着による画像流れ防止と、帯電・濃度均一性の制御を、環境条件と画像モードによって最適な状態に制御することが可能である。
【0082】
また請求項6に記載の発明は、前記接触式帯電部材は、ローラ状、ブレード状、シート状あるいはブラシから形成されていることを特徴とする。
【0083】
上記構成において、本発明においては、像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置であるため、特に上記現像剤や添加剤を除去する効果の少ない帯電部材に対して上記の効果をより大きなものにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に関る転写ベルトと帯電ローラを用いた画像形成装置の概略断面図。
【図2】DC帯電バイアスによるDCバイアスと感光ドラム表面電位の関係を示す図。
【図3】AC+DC帯電バイアスによるDC成分バイアスと感光ドラム表面電位の関係を示す図。
【図4】DC帯電、AC+DC帯電バイアスによる感光ドラム表面の削れ量を示す図。
【図5】本発明の実施例1における水分量によるバイアス制御例と、AC帯電、DC帯電の各環境下における画像流れと画像濃度ムラの発生状況。
【図6】本発明の実施例2における水分量によるバイアス制御例と、AC帯電の各環境下における画像流れと画像濃度ムラの発生状況。
【図7】本発明の実施例3における水分量によるバイアス制御例。
【図8】本発明の実施例4における水分量によるバイアス制御例。
【図9】従来の転写ベルトを用いた画像形成装置の概略断面図。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 一次帯電ローラ
3 画像露光(レーザなど)
4 現像器
5 クリーナ
12 転写部材(バイアスローラ)
15 前露光
20 転写バイアス電源
21 一次帯電バイアス電源
22 一次帯電バイアス制御回路
23 環境センサ(温湿度センサ)
Claims (6)
- 像担持体と、該像担持体に接触してその表面を帯電させる接触式帯電部材と、該接触式帯電部材に帯電バイアスを印加する手段とを有し、該像担持体に残留したトナーなどの現像剤や添加剤を除去する為のブレード状の清掃部材を持たない画像形成装置において、
画像形成装置内部あるいは近傍の温湿度などの環境条件を検知し、その結果に応じて、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとAC+DCのどちらかに切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 上記環境条件とは、画像形成開始時の装置内部あるいは近傍の温湿度や空気中の水分量などのデータ、あるいは画像形成開始時点から所定時間さかのぼった時間から画像形成再開時までの複数あるいは連続したデータであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 環境条件が高湿度側の場合には、接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電、低湿度側ではDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電となるように切り替えることを特徴とする請求項1〜2に記載の画像形成装置。
- 接触式帯電部材に印加するバイアスをDCとするいわゆるDC帯電が選択された時、あるいはDCにACを重畳させるいわゆるAC帯電が選択された時、それぞれの場合にさらに前記環境条件によってDCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする請求項1〜3に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置がデジタル方式であり、かつコピー、ファクシミリ、プリンタなど複数の画像形成モードをもつマルチファンクションタイプである場合や、複数の画像モード(文字モード、写真モードなど)や解像度切り替え手段を有する場合には、
上記画像形成モード、画像モード、解像度などの条件に応じて、DC帯電とAC帯電の切り替える環境条件を異なるように制御すること、
あるいはまた、DC帯電が選択された時あるいはAC帯電が選択された時、それぞれの場合に同じ環境条件であっても、DCバイアス値あるいはACバイアス値の大きさを制御することを特徴とする請求項1〜4に記載の画像形成装置。 - 前記接触式帯電部材は、ローラ状、ブレード状、シート状あるいはブラシから形成されていることを特徴とする前記請求項1〜5に記載の画像形成装置。
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JP2008015397A (ja) * | 2006-07-10 | 2008-01-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
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