JP2004341595A - 信号転送方法及び信号処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バス200を介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる転送データ32に基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果の転送データ32を信号に含め、さらに他のプロセッサエレメントにバス200を介して出力する複数のプロセッサエレメントで構成される信号処理システムにおいて、受信側のプロセッサエレメント11は、前の信号入力周期において送信側の信号処理装置から送信される信号に含まれる転送完了通知データ33に基づいて、送信側のプロセッサエレメント1の状態を判断して、送信側のプロセッサエレメント1に転送情報データ31を送信するかどうかを決定し、送信側のプロセッサエレメント1は、受信側のプロセッサエレメント11から転送情報データ31を含む信号が送信されると転送データ32を含む信号を送信する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、音響信号等をリアルタイム信号処理するマルチプロセッサ構成のシステムでのデータ信号転送に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特に技術文献としては記されていないものの、複数の演算処理手段(以下、プロセッサ・エレメントという)が、例えば音波等の物理量の測定により、リアルタイムで得られたデータ信号(以下、単にデータという)の送信(以下、出力という)又は受信(以下、入力という)を行いながら、各プロセッサ・エレメントが処理していくリアルタイム信号処理システムがある。あるプロセッサ・エレメントでは、前段のプロセッサ・エレメントからデータを含む信号をバスを介して受信し、信号処理して後段のプロセッサ・エレメントへ処理したデータを含む信号を送信することを一定周期で繰り返す。
【0003】
図20は従来の信号処理システムの構成を示す図である。101及び110はプロセッサ・エレメントである。101は信号の転送元(データ出力側)のプロセッサ・エレメントであり、110は信号の転送先(データ入力側)のプロセッサ・エレメントである。以降に説明する102〜109の符号を付している手段等はプロセッサ・エレメント101に含まれるものであり、112〜119の符号を付している手段等はプロセッサ・エレメント110に含まれるものである。
【0004】
102及び112は信号処理、データ転送処理等を行うプロセッサである。103及び113はメモリである。メモリ103及び113には、転送された(入力された)データを記憶する領域である入力バッファ106及び116並びに転送する(出力する)データを記憶する領域である出力バッファ107及び117の領域が少なくとも含まれている。108及び118はバス200へのデータ出力を制御するバス制御部である。109及び119はI/Oポートである。200はデータの転送路となるバスである。
【0005】
図21はプロセッサ・エレメント101及び110間のデータの流れを表す図である。図21のように、信号処理に用いられるデータ(以下、転送データという)がプロセッサ・エレメント101からプロセッサ・エレメント110に出力される。
【0006】
図22は従来のプロセッサ・エレメントの動作を表すフローチャートである。また、図23は従来のプロセッサ・エレメントの動作タイムチャートである。次に図22及び図23に基づいてプロセッサを中心とするプロセッサ・エレメントの動作について説明する。最初に初期化を行う(S101)。そして、前段のプロセッサ・エレメント(例えばプロセッサ・エレメント110側からみるとプロセッサ・エレメント101となる)から転送データを入力するための準備を行う入力起動処理(S102)、後段のプロセッサ・エレメント(例えばプロセッサ・エレメント101側からみるとプロセッサ・エレメント110となる)に信号処理した転送データを出力するための準備を行い、出力を行う出力起動処理(S103)及び転送データを演算処理し、処理結果を算出する信号処理(S104)を行う。信号処理(S104)が終わると、次の周期における転送データ入力のための入力起動処理(S102)を行う。このようにして、入力起動処理(S102)、出力起動処理(S103)及び信号処理(S104)を繰り返し行う。ここで、プロセッサ・エレメント間で実際に転送データの入出力を行う際には、一方をマスタのプロセッサ・エレメントとし、他方をスレーブのプロセッサ・エレメントとして、マスタ側のプロセッサ・エレメントの転送起動タイミングによって転送起動し、転送元及び転送先のアドレスは固定アドレスで転送される。
【0007】
そして、マスタ側の転送データの出力、スレーブ側の転送入力が完了した際、マスタ側のプロセッサ・エレメントから転送完了の割込みが発生する。発生した割込みを受けて、それぞれのプロセッサ・エレメントは行っている処理を中断し、入力側のプロセッサ・エレメント(ここではプロセッサ・エレメント110)では入力割込み(S105)を行い、出力側のプロセッサ・エレメント(ここではプロセッサ・エレメント101)では出力割込み(S106)を行う。
【0008】
また、従来のシステムにおいては、処理するデータの時刻整合は特に行っておらず、信号処理を行う中で時刻情報のチェックのみ行われていた。これより転送障害で時刻の整合が崩れると信号処理システムの再起動で復旧させていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の信号処理システムでの転送方法では、以下の(1)〜(4)のような問題があった。
(1) 従来の転送方法では、スレーブ側となるプロセッサ(以下、スレーブ側という)の状態に関わらず、マスタ側となるプロセッサ(以下、マスタ側という)の起動タイミングで転送起動し、割込みによってスレーブ側の状態を判別するという転送制御が行われる。このため、転送の状態によっては正常な転送が行えない場合がある。また、転送が行えなかったときのその転送に関わる情報を得るのはマスタ側の転送タイムアウト検出後の割込みによる通知で状態を確認する時である。即ち転送できなかったことがタイムアウト時間待ってから判明する。
(2) 転送元及び転送先アドレスが固定されているため、転送バッファを一時的に違うバッファアドレスに変更する等の障害処理を行うことができない。したがって、システム信頼性が低下する。
(3) 前段プロセッサの処理結果のデータを複数回データ入力して、信号処理を行うような特異な転送形態を採った場合、一度データ入力にずれが生じると複数回データ入力のデータの組み合わせがずれたままとなるので、自動復旧は不可能であった。したがって、システムを復旧するためにはシステム再起動を行わなければならず、一時的な障害であってもシステムが停止することとなり、運用効率が低下する。
(4) 複数プロセッサ・エレメントから処理結果のデータを入力し、信号処理を行うような転送形態を採った場合、複数の経路(プロセッサ・エレメント)から入力されるデータの各経路間でデータ同期がずれた(正しい組み合わせでないデータとなった)場合に同期ずれは検出できる。しかし、どの経路のデータの同期がずれて異常なのか、どの経路が正常なのかの判断を行っていないため、同期ずれ障害経路の特定ができなかった。また、異常経路のデータを用いないで正常経路のデータだけを使用してシステム運用を続けるといったことができなかった。このため、同期ずれが発生するとシステムを復旧するためにはシステム再起動を行わなければならない。したがって、システムが停止することになり運用効率が低下する。
【0010】
そこで、上記のような問題を解決して、効率的なシステムの運用ができる信号処理システムの実現が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明に係る信号転送方法は、バスを介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる処理用のデータに基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果のデータを信号に含め、さらに他の装置にバスを介して出力する複数の信号処理装置で構成される信号処理システムにおいて、転送先の信号処理装置が、前の信号入力周期において転送元の信号処理装置から転送される信号に含まれる転送完了通知データに基づいて、転送元の信号処理装置の状態を判断する工程と、判断した状態に基づいて、転送元の信号処理装置に転送情報データを転送するかどうかを決定する工程と、転送元の信号処理装置は、転送先の信号処理装置から転送情報データを含む信号が転送されると、処理用のデータを含む信号を転送する工程と、処理用のデータを含む信号を転送完了すると転送完了通知データを含む信号を転送する工程とを有するものである。
本発明においては、バスを介して複数の信号処理装置間で信号処理のためのデータを含む信号のやりとりを確実に行うために、転送先の信号処理装置が、転送元の信号処理装置から転送された転送完了通知データに基づいて転送元の信号処理装置の状態を判断した上で、転送情報データを含む信号を転送し、転送元の信号処理装置は、転送情報データを含む信号が転送され、両装置の間でハンドシェイクが行われて信号がやりとりできる態勢が整ってから処理用のデータを含む信号を転送する。
【0012】
また、本発明に係る信号処理システムは、バスを介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる処理用のデータに基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果のデータを信号に含め、さらに他の装置にバスを介して出力する複数の信号処理装置で構成される信号処理システムにおいて、転送元の信号処理装置と転送先の信号処理装置との間で互いに信号を転送し、信号に含まれる制御のためのデータに基づいて互いの状態を確認した上で、処理用のデータを含む信号のやりとりを行うものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。1及び11は信号処理装置であるプロセッサ・エレメントである。本実施の形態では、1は信号の転送元(データ出力側、マスタ側となる)のプロセッサ・エレメントであり、11は信号の転送先(データ入力側、スレーブ側となる)のプロセッサ・エレメントである。各プロセッサ・エレメントは信号処理ノードとなる。以降に説明する2〜9の符号を付している手段等はプロセッサ・エレメント1に含まれるものであり、12〜19の符号を付している手段等はプロセッサ・エレメント11に含まれるものである。
【0014】
2及び12は、データ信号に含まれる処理用のデータ(以下、このデータ信号又はデータのことを転送データ32という)を演算し後段のプロセッサ・エレメントに転送する処理結果を算出する信号処理、各手段を制御して各種データの転送処理等を行うプロセッサである。3及び13はメモリである。メモリ3及び13は、転送完了通知データ33を記憶する領域である転送完了領域4及び14、転送情報データ31を記憶する領域である転送情報領域5及び15、転送された(入力された)信号に含まれる転送データ32を記憶する領域である入力バッファ6及び16並びに信号として転送する(出力する)転送データ32を記憶する領域である出力バッファ7及び17の領域を少なくとも有している。なお、本実施の形態では、入力バッファ6は用いないが、プロセッサ・エレメント1の前段からの転送データ32入力に用いる。また、出力バッファ17についても本実施の形態では用いないが、プロセッサ・エレメント11の後段への転送データ32出力に用いる。8及び18はバス200へのデータ出力を制御するバス制御部である。9及び19はI/Oポートである。また、200はデータの転送路となるバスである。
【0015】
本実施の形態は、データ入力側のプロセッサ・エレメント11が転送情報データ31を出力し、一方、データ出力側のプロセッサ・エレメント1が転送完了通知データ33を出力することにより、互いに制御情報のデータを出力してハンドシェイクを行った上で、正常な転送ができることを確認してから転送データ(信号)の転送を行うようにしたものである。ここでは、DMA(Direct Memory Access)によるデータ転送により、プロセッサを介さなくてもバスを介したメモリからのデータの転送を行えるものとする。したがって、データの入出力と信号処理とを並行して行うことができる。
【0016】
図2はプロセッサ・エレメント1及び11間のデータの流れを表す図である。図2のように、データ入力側のプロセッサ・エレメント11からデータ出力側のプロセッサ・エレメント1に転送情報データ31を出力する。転送情報データ31を入力したプロセッサ・エレメント1が転送データ32を出力する。そして、転送データ32の出力を完了すると、出力割込みによりプロセッサ2が割込み処理を行うとともに、転送完了通知データ33をプロセッサ・エレメント11側に出力する。
【0017】
図3はプロセッサの処理の流れを表すフローチャートである。ここではプロセッサ12を例にして説明するが、他のプロセッサでも同様の処理動作を行う。まず、メインの流れについて説明する。プロセッサ12は、信号処理を始める前にデータ処理の初期化を行う(S1)。そして、転送完了領域14に記憶された転送完了通知データ33の確認及び後段のプロセッサエレメント(図示せず)への転送情報データ31の出力からなる入力起動処理を行い、前段のプロセッサ・エレメントであるプロセッサ・エレメント1から出力される転送データ32を受け付ける(S2)。また、転送情報領域15に記憶された転送情報データ31の確認及び出力バッファ17に記憶した転送データ32の出力からなる出力起動処理を行う(S3)。更に、転送データ32を演算処理し、算出した処理結果を出力バッファ17に記憶させる信号処理(S4)を行う。信号処理(S4)を終えると、次の周期の転送データ32入力のための入力起動処理(S2)が行われる。このようにして各プロセッサは、入力起動処理(S2)、出力起動処理(S3)及び信号処理(S4)を繰り返し行う。
【0018】
ここで、プロセッサ12が上記の処理を行っている途中(ほとんどの場合は信号処理の途中)に出力割込みが入力されることがある。その場合はプロセッサ12は出力割込み処理を行い、その処理の一部として、バス制御手段18を介し、転送完了通知データ33を出力する(S5)。
【0019】
図4はプロセッサ・エレメント11の特にプロセッサ12及びバス制御手段18のタイムチャートを表す図である。ここではプロセッサ・エレメント11のプロセッサ12及びバス制御手段18について説明するが、他のプロセッサ・エレメントでも同様である。バス制御手段18はDMAチャネルを有し、プロセッサ12を介さなくてもメモリ13と入出力先との間でデータ入出力ができるものとする。したがって、プロセッサ12はバス制御手段18に指示を与える必要はあるものの、データ入出力のための時間を占有されることなく、データ処理(信号処理)を行うことができる。なお、プロセッサ・エレメント11としての周期は入力起動により開始されるが、プロセッサ12はデータ入力がされてからの時間を基準として信号処理を行うので、図4ではデータ入力時を周期の開始時としてデータ入力周期としている。
【0020】
次に図4に基づいて本実施の形態における転送処理について説明する。まず、データ入力側であるプロセッサ・エレメント11のプロセッサ12は、入力起動処理を行い、データ入力の準備をする。その際、プロセッサ・エレメント1からの転送完了通知データが転送完了領域14に存在するかどうかの確認を行う。また、入力バッファ16の準備が出来たら転送情報データ31をプロセッサ・エレメント1に出力する。
【0021】
図5は転送情報データ31のフォーマットを表す図である。本実施の形態においては、転送情報データ31は2ワードで構成されているものとする。aはノードIDであり、1ワードで構成される。システム内の各プロセッサ・エレメントに固有に与えられたIDコードである。bは入力レディであり、1ワードで構成される。入力レディbはデータ入力の受け入れ態勢にあるかどうかを判断するためのコードデータである。入力準備が整っていれば、その旨を示すコードをこの位置にセットして出力する。
【0022】
図6は転送完了通知データ33のフォーマットを表す図である。本実施の形態においては、転送完了通知データ33も2ワードで構成されているものとする。ノードIDcは転送情報データ31と同じものである。dは転送完了であり、データ転送の完了を通知するためのコードデータである。プロセッサ12は入力起動処理が終了すると、出力起動処理を行い、データ出力の準備をする。その際、図1では示していないが、プロセッサ・エレメント11の後段のプロセッサ・エレメントからの転送情報データ31が転送情報領域15に存在するかどうか確認する。
【0023】
プロセッサ12は信号処理を行い、演算した処理結果を出力バッファ17に記憶させる。信号処理を行っている間でも、必要に応じてバス制御手段18等のプロセッサ・エレメント11の他の手段に指示を出す。次のデータ入力周期では、次に処理すべき転送データ32を入出力し、新たな転送データ32を信号処理する必要があるため、信号処理は、その周期内で終わらせておく必要がある。これはプロセッサ・エレメント1をはじめとする他のプロセッサ・エレメントでも同様である。
【0024】
一方、プロセッサ・エレメント11はバス制御手段18を介し、プロセッサ・エレメント1からのデータを入力し、入力バッファ16に記憶させる。また、データ入力が終了すると、出力バッファ17に記憶された処理結果の転送データ32をバス200を介して後段のプロセッサ・エレメント(図示せず)に出力する。
【0025】
バス制御手段18はデータ出力を終了すると、プロセッサ12に対し、出力割込みをあげる。出力割込み処理の際に、プロセッサ12はバス制御手段18に転送完了通知データ33を後段のプロセッサ・エレメントに出力させる。また、転送情報領域15に保持されている転送情報データ31をクリアにして次回の転送情報データ31の入力に備える。
【0026】
以上のように、第1の実施の形態によれば、転送元のプロセッサ・エレメント1と転送先のプロセッサ・エレメント11との間で、互いの制御情報となる転送情報データ31と転送完了通知データ33とをやりとりし、ハンドシェイクを行って互いの状態が判断できた上で、それぞれのプロセッサ・エレメントが転送データ32の転送、受け入れを行うことができる。したがって、転送情報データ31が入力されていなければ、プロセッサ・エレメント1から転送データ32の出力を行わないので、正常に転送できないという状況を回避することができる。これにより、無駄なバス転送を行わなくてすみ、その分、バスの使用が控えられ、他のバス使用の要求に割り当てられるので、バスの使用効率が上がる。また、データ転送前に転送先のプロセッサ・エレメント11の状態の検出を行うことができる。
【0027】
実施の形態2.
図7は本発明の第2の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。図7において、プロセッサ・エレメント11Aは、入力バッファ16A及び16Bの2つの入力バッファ領域を有するメモリ13Aを有している点でプロセッサ・エレメント1とは異なる。ここで、入力バッファ16Bを予備の入力バッファとする。本実施の形態では、プロセッサ・エレメント11Aのメモリ13Aだけを2つの入力バッファとなる領域を有するようにしたが、プロセッサ・エレメント1についても同様の構成にしてもよい。また、入力バッファを2領域に限らず、3以上の領域を有するようにしてもよい。
【0028】
図8は第2の実施の形態における転送情報データ31のフォーマットを表す図である。本実施の形態においては、転送情報データ31は3ワードで構成されており、どの入力バッファへのデータ入力が可能かを表す入力バッファアドレスeを有しているという点で第1の実施の形態の転送情報データ31とは異なる。
【0029】
次に動作について説明する。プロセッサ・エレメント11Aは入力起動処理の際に転送情報データ31を出力するが、その際、転送データ32を記憶する用意がある入力バッファを1つ選択する。ここで、この選択方法としては、障害があった場合だけ予備となっている入力バッファ16Bを選択するようにしてもよいし、2つの入力バッファを対等に扱い、その都度切り替えて選択するようにしてもよい。その入力バッファ領域に割り当てられたメモリ空間のアドレスを転送情報データ31に含めてプロセッサ・エレメント1に出力する。
【0030】
一方、プロセッサ・エレメント1側では、転送情報領域5に記憶された転送情報データ31に基づいて、プロセッサ・エレメント11A側が指定したアドレスを判断し、そのアドレスの入力バッファ16A又は16Bに転送データ32が記憶されるように、アドレスを指定して転送データ32を出力する。
【0031】
以上のように、第2の実施の形態によれば、データ入力側(転送先)のプロセッサ・エレメント11A側が指定した入力バッファのアドレスに基づいたデータ転送を行うようにしたので、障害等が発生し、ある入力バッファが使用できない場合であっても、別の入力バッファを指定することで、プロセッサ・エレメント間の転送データ32の転送、受け入れにおいて柔軟な対応をすることができる。また、転送情報データ31を入力バッファの切替通知として使用することで、転送元のプロセッサ・エレメント側で転送先の入力バッファの固定アドレスを記憶したり、次に転送すべき転送先の入力バッファを管理する必要がなくなる。また、データ入力側(転送先)であるプロセッサ・エレメント11Aが入力バッファの管理するようになるため、何らかの障害によって使用不可になった入力バッファを使用しないように制御することが可能となる。以上のことより、バッファ制御に関する障害において入力バッファの一部に障害が発生しても回避することができるのでシステム信頼性を向上させることができる。
【0032】
実施の形態3.
図9は本発明の第3の実施の形態に係るプロセッサ・エレメント1及び11A間のデータの流れを表す図である。システムの構成は、第2の実施の形態で説明したものと同様のものを用いるものとする。図9では転送先となるプロセッサ・エレメント11Aが1回分の信号処理及び転送データ32出力を行う間に、プロセッサ・エレメント1は転送データ32を複数回出力する(本実施の形態では2回とし、それぞれの転送データ32を32A、32Bとする)という特殊な転送動作(以下、レートダウンといい、本実施の形態のように2回入力する場合を2分周レートダウンという)を行っている。本実施の形態では、この2分周レートダウンを転送データ32出力の管理単位とする。2分周レートダウンの場合は、前段のプロセッサ・エレメントのデータ入力周期に比べてその周期が2倍になり、入力起動処理が1回行われる間に転送データ32入力が2回行われる。
【0033】
図10はプロセッサ・エレメント11Aの特にプロセッサ12のタイムチャートを表す図である。
【0034】
図11は第3の実施の形態における転送情報データ31のフォーマットを表す図である。第2の実施の形態の転送情報データ31に転送パラメータfを付加するようフォーマットを変更したものである。転送パラメータfは、例えば、通常の転送であるかレートダウンでの転送であるか等の転送形態を示すコードデータである。ここで、連続した構造の入力バッファに複数回入力される転送データ32を入力できる場合は、最初の入力バッファアドレスeを指定しておけばよいので、図11(a)のフォーマットで転送情報データ31を出力すればよい。一方、複数回入力される転送データ32がそれぞれ連続しない入力バッファに入力される場合は、図11(b)のフォーマットのように、それぞれの転送データ32を入力する複数の入力バッファアドレスeを指定して転送情報データ31を出力する。転送情報データ31を図11(a)のフォーマットで構成するか又は図11(b)のフォーマットで構成するかは、転送形態に応じて任意に決定すればよい。
【0035】
一方、データ出力側(転送元)となるプロセッサ・エレメント1のプロセッサ2は、プロセッサ・エレメント11Aからの転送情報データ31が転送情報領域5に存在するかどうかの確認を行うが、この際、転送パラメータfのコードデータに基づいて、プロセッサ・エレメント11Aへの転送データ32を2分周レートダウンで出力するものと判断する。また、入力バッファアドレスeに基づいて転送データ32を出力する入力バッファも判断する。
【0036】
その後、プロセッサ・エレメント1はバス200を介して最初の転送データ32Aを出力し、プロセッサ・エレメント11Aの入力バッファ16A又は16Bに記憶される。バス制御手段8は転送データ32A出力を終了すると、プロセッサ2に対し、出力割込みをあげ、プロセッサ2は出力割込みを受け付けると、出力割込み処理を行う。転送データ出力後には転送完了通知データは、通常ならば転送データ32Aの転送完了後の出力割込み処理でプロセッサ・エレメント11Aに出力するが、本実施の形態の2分周レートダウンのようなレートダウンにおいては、データ出力の管理単位毎に転送完了通知データ33を出力する。2分周レートダウンでは転送データ32Aを1回目出力とし、2回目出力となる転送データ32B出力後に行う出力割込み処理で転送完了通知データ33を出力する。
【0037】
図12はデータずれが発生した時の動作を説明するタイムチャートである。図12に基づいてプロセッサ・エレメント1からプロセッサ・エレメント11Aへ2分周レートダウンでデータ転送を行う場合の動作である。データの流れを表す図9で説明したように、プロセッサ・エレメント11Aのデータ入力周期内に、入力データとして転送データ32Aと転送データ32Bとの組み合わせがプロセッサ・エレメント11Aに入力される。
【0038】
図12中のプロセッサ動作タイムチャートにおいては、プロセッサ・エレメント1のデータ入力周期の1周期目はプロセッサエレメント11Aから転送情報データ31がプロセッサ・エレメント1に出力され、プロセッサ・エレメント1は転送情報データ31に基づいて、転送先のプロセッサ・エレメント11Aの入力レディbや転送パラメータfの転送形態が2分周レートダウンであることを読み取り、転送データ32Aをプロセッサ・エレメント11Aに出力する。この転送は正常に完了し、プロセッサ・エレメント11Aに入力される。
【0039】
次のプロセッサ・エレメント1のデータ入力周期の2周期目では転送データ出力で転送データ32Bが異常を起こしており、データずれが発生してプロセッサ・エレメント11Aに出力する転送データのデータ組み合わせが崩れている。このときのプロセッサ・エレメント1での出力割込みは転送異常を示し、プロセッサエレメント11Aに出力する転送完了通知通知データ33には、転送完了dのデータ転送完了コードに出力異常がセットされて出力される。プロセッサ・エレメント11Aはこの転送完了通知データ33により、今回のデータ入力周期のデータ入力が異常であることを認識する。即ち、送信元のプロセッサエレメント1が2分周レートダウンの転送形態のため2回出力毎のデータ管理を行い、転送完了通知データ33を出力する。そのため、プロセッサエレメント11A側では自らのデータ入力周期毎にデータ入力結果を通知されることになり、データずれが発生し、転送データ組み合わせが崩れたことを“今回のデータ入力周期の転送データは異常である”という形で知ることになる。プロセッサエレメント11Aはデータ組み合わせを意識せず、転送完了通知データ33によってデータ入力周期毎に転送データの正常/異常を判断する。このようにデータ入力周期毎に区切ってデータ入力状態をチェックし、転送データを扱うことで、データずれを起こしてもそのデータ入力周期だけが入力異常となり、他の周期には影響を及ぼさないように動作する。
【0040】
プロセッサエレメント1のデータ入力周期の3、4周期目は正常にデータ転送が行われ、それぞれ転送データ32A、転送データ32Bが転送され、正しい転送データの組み合わせで転送したことを示している。上記のようにプロセッサエレメント11Aは入力周期毎に区切ってデータ入力をチェックするのでデータずれを引きずることなく正常にデータが入力される。
【0041】
以上のように、第3の実施の形態によれば、転送情報データ31に転送形態を表す転送パラメータfを含め、プロセッサ・エレメント11Aからプロセッサ・エレメント1への転送情報データ31出力を転送データ32の管理単位(第3の実施の形態の場合、転送データ32を2回転送する毎)に行うようにすることで、レートダウンで転送を行う際に、転送データ32の入力のデータ組み合わせにずれが生じても、その周期の転送データ32の組み合わせだけが誤ったデータとなり、次の周期の転送データ32については、正しい組み合わせに自動的に復旧する。このため、復旧のためにシステムの再起動をする必要がなくなり、システムの運用効率の低下を防ぐことができる。
【0042】
実施の形態4.
図13は本発明の第4の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。図13において図7と同じ図番を付しているものは、第1及び第2の実施の形態で説明したことと同様の動作を行うので説明を省略する。21はプロセッサ・エレメントである。プロセッサ・エレメント21の構成は、プロセッサ・エレメント1と同じである。ただ、バス200を同時に占有できないので、バス制御手段28による転送データ32を出力するタイミングがバス制御手段8と異なる。また、プロセッサ・エレメント1及びプロセッサ・エレメント21では、データ同期を判断するための材料となる転送データ32の時刻をカウントする。ここで、時刻とは例えば0〜nの整数の値(本実施の形態では0〜7となる。以下、時刻値という)で構成されており、これが循環する(7の次は0に戻る)ものとする。そして、信号処理し、出力を行う転送データ32の順にその時刻を対応させる。この時刻を時刻データgとして転送完了通知データ33に含めて出力する。
【0043】
図14は第4の実施の形態における転送完了通知データ33のフォーマットを表す図である。本実施の形態の転送完了通知データ33は、時刻データgを付加した3ワードで構成されているものとする。時刻データgは、上述したように0〜7の値で構成されているものとする。
【0044】
1回のデータ入力周期に複数のプロセッサ・エレメントから転送データ32の出力が行われ、それらを処理する場合(以下、この転送形態を合流という)、時刻同期がとれている正しい組み合わせで処理しなければ、後段のプロセッサ・エレメントの信号処理や、処理結果に大きな影響を及ぼすことになる。そこで、本実施の形態は、制御情報である転送完了通知データ33に時刻データを含め、転送先のプロセッサ・エレメントが、各プロセッサ・エレメントからの時刻データに基づいて、プロセッサ・エレメント又は経路での障害により同期ずれによる異常が発生していないかどうかを判断し、転送データ32の組み合わせが正しいかどうかを判断するものである。
【0045】
図15は第4の実施の形態に係るプロセッサ・エレメント1、11A及び21間のデータの流れを表す図である。プロセッサ・エレメント11A側では、プロセッサ・エレメント1及びプロセッサ・エレメント21にそれぞれ転送情報データ31を出力する。そして、プロセッサ・エレメント1及びプロセッサ・エレメント21からは、それぞれ転送データ32及び転送完了通知データ33が出力されることになる。
【0046】
図16はプロセッサ12の入力起動時の転送完了通知データ33の確認処理のフローチャートを表す図である。ここでプロセッサ12が行うメインの処理過程は図3のフローチャートのようになる。入力起動処理の際、転送完了通知データ33の確認を行うが、プロセッサ12は期待値の生成処理を開始する。期待値とは、完了通知データ確認の際、書き込まれているべき時刻データgの値のことである。ここで、時刻値は同期合わせの目的であるため0〜nまでの整数でデータ転送の度に一定値増加し、増加した値がn以上になるとその差分だけ計数するという巡回する整数値であるので、期待値も巡回する整数値となる。前回の期待値(時刻データ)Xm−1 と増分値ΔX(本実施の形態では1である)との和がn以下であれば(Xm−1 +ΔX≦n)(S11)、今回の期待値Xm をXm−1 +ΔXとする(S12)。n以下でなければ(nより大きければ(Xm−1 +ΔX>n))、今回の期待値Xm はXm−1 +ΔX−n−1とする(S13)。プロセッサ12は期待値を生成すると、期待値と時刻値とを比較し、一致するかどうかを判断する(S14)。正常な場合には時刻値と期待値とが一致するはずである。ここで同じ値でなければ同期ずれとを判断する。そして、同期ずれが発生したものと判断すればプロセッサ・エレメントのノードIDaを記憶手段13Aに記憶する(S15)。
【0047】
以上の動作をプロセッサ11Aに入力される転送データ32の全ての出力元のプロセッサエレメント(転送経路)について行ったかどうかを判断し(S16)、全ての転送経路について行っていないものと判断すると、残りの転送経路について同期ずれが発生しているかどうかを判断する。全ての転送経路について同期ずれが発生したかどうかの判断を終了し、ある転送経路について同期ずれが生じているものと判断すると(S17)、エラー処理を行う(S18)。
【0048】
図17はエラー処理のフローチャートを表す図である。まず、プロセッサ12は、記憶手段13Aに記憶したノードIDに基づいて、ノードID毎(プロセッサ・エレメント毎)の異常発生回数(同期ずれの発生回数)をカウントアップする(S18A)。そして、ノードID毎の転送データ32の異常を認識する(S18B)。実際には、信号処理を行うためのアプリケーションプログラムに対し、同期ずれの発生した転送データ32で処理が行われていることを認識させる(通知する)ものである。そして、異常発生回数があらかじめ定めたしきい値k(又はそれ以上)であるかどうかを判断する。異常発生回数がしきい値kより小さければ、そのままエラー処理を終了する。異常発生回数がしきい値k以上であると判断すると(S18C)、切り離し処理を行い(S18D)、該当するノードIDを有するプロセッサへの転送情報データ31の出力を行わないようにして、エラー処理を終了する。これにより、切り離し処理をされたプロセッサ・エレメントの転送情報領域には転送情報データ31が記憶されず、ハンドシェイクが行われないので、転送データ32を出力することができない。これにより切り離しを図る。
【0049】
また、図16において、同期ずれが生じていないと判断し、エラー処理による切り離し処理を行わなかったプロセッサ・エレメントに対しては転送情報データ31を出力し(S19)、終了する。
【0050】
図18は転送完了通知データ出力のフローチャートを表す図である。一方、転送元のプロセッサ・エレメント1又は21では、プロセッサ2又は22が出力割込み処理を行うとともに、バス制御手段8又は28は転送完了通知データ33を出力するが、その際、カウントした時刻値から時刻データgをセットする(S21)。また、データ転送が正常に完了したか、転送が異常であったか、転送データ32が異常であったかを表すコードデータのうちどれかを判断し、そのコードデータから転送完了dをセットする(S22)。そして、プロセッサが固有に有するIDコードをノードIDcとしてセットし(S23)、転送完了通知データ33をプロセッサ・エレメント11Aに出力して(S24)、終了する。ここで、他のプロセッサにバス200が占有されていれば、転送完了通知データ33の出力は待ちの状態となる。
【0051】
図19はプロセッサ・エレメント11A、1、21のタイムチャートを表す図である。ここでは、プロセッサ・エレメント1の出力処理とそれに伴うプロセッサ・エレメント11Aの入力処理について説明する。図19は2周期目、3周期目に、プロセッサ・エレメント1から出力された転送データ32が同期ずれを起こした場合の状態を表している。図19に記載されている丸数字は図10で示したものと同じである。図19及び図15〜図18のフローチャートに基づいて、特に同期ずれを起こした場合の処理についてより具体的に説明する。なお、ここでは異常発生回数のしきい値k=2とする。
【0052】
転送元のプロセッサ・エレメント1では、出力起動処理が行われる。プロセッサ・エレメント11Aからの転送情報データ31が転送情報領域15に存在するかどうかを判断する。そして、入力レディbのコードデータに基づいて、プロセッサ・エレメント11Aが受け入れ態勢にあることを確認する。また、転送パラメータfのコードデータに基づいて、転送形態が合流であると判断する。また、プロセッサ・エレメント21についても同様の出力起動処理が行われる。
【0053】
そして、プロセッサ・エレメント1のバス制御手段8により、入力バッファアドレスeに基づいて、転送データ32を出力する。転送データ32の出力が終了すると、プロセッサ2が出力割込み処理を行い、その処理の一部として、転送完了通知データ33出力処理を行う。この処理により、時刻データg、転送の状態を示す転送完了dを付加した転送完了通知データ33がプロセッサ・エレメント11Aに出力され、転送完了領域14に記憶される。正常な状態であれば、プロセッサ・エレメント1及び21について、以上のような転送データ32出力処理が周期的に行われる。
【0054】
一方、転送先となるプロセッサ・エレメント11Aは、入力起動処理時に、転送情報データ31をプロセッサ・エレメント1及び21に出力する。その際には、転送パラメータfには合流を示すコードデータを付加する。後段のプロセッサ・エレメントに対する出力起動処理を行った後、プロセッサ・エレメント1及び21から転送データ32がそれぞれ入力される。ここではプロセッサ・エレメント1から転送される転送データ32は入力バッファ16Aに、プロセッサ・エレメント21から転送される転送データ32は入力バッファ16に記憶されるものとする。転送データ32の入力が完了すると、転送完了通知データ33がそれぞれプロセッサ・エレメント1及び21から出力される。
【0055】
プロセッサ・エレメント11Aのプロセッサ12は、次回の入力起動処理の際に転送完了データの確認を行うが、その際、図16のように期待値を作成する。1周期目では、期待値はそれぞれ“0”となる。プロセッサ・エレメント1及び21からそれぞれ出力する転送完了通知データ33に含まれる時刻データgについても、それぞれ“0”であるので、期待値と時刻データgの時刻値とを比較し、一致しているので同期ずれはないものと判断する。
【0056】
2周期目については、期待値はそれぞれ“1”となる。一方、プロセッサ・エレメント1からの転送完了通知データ33に含まれる時刻データgの値は“2”である。プロセッサ12はエラー処理を行い、プロセッサ・エレメント1が有するノードIDと関連させて異常発生回数を1として記憶させる。ここでは、異常発生回数は、1<k(=2)であるので、プロセッサ2はそれを判定(判断)し、そのまま通常の処理に戻る。
【0057】
3周期目については、期待値はそれぞれ“2”となる。一方、プロセッサ・エレメント1からの転送完了通知データ33に含まれる時刻データgの値は“3”である。プロセッサ12は、2周期目と同様の処理を行うが、ここで、異常発生回数が2となり、しきい値kと同じ値になったので、プロセッサ・エレメント1への転送情報データ31の出力を停止し、プロセッサ・エレメント1の切り離し処理を行う。これにより、転送情報データ31の出力はプロセッサ・エレメント21のみに行われる。
【0058】
また、プロセッサ12では2周期目において、同期ずれを起こした転送データ32によって信号処理を行っているため、後段のプロセッサ・エレメントに対して出力する転送データ32は異常なものとなる。そこで、出力割込みの際に後段のプロセッサ・エレメントに出力する転送完了通知データ33について、時刻データgは通常に付与するものの、転送完了dは、転送データ32が異常である旨のコードデータにより出力する。
【0059】
3周期目において、切り離し処理により転送情報データ31が転送情報領域に存在しないプロセッサ・エレメント1は転送データ32の出力ができなくなる。
【0060】
以上のように、第4の実施の形態によれば、1周期内で複数のプロセッサ・エレメントからの信号を処理する合流の場合に、転送完了通知データ33に時刻データgを付加し、転送先のプロセッサ・エレメント11A側で期待値を判断し、期待値と時刻データgの値とを比較することで、同期ずれを判断し、後段のプロセッサ・エレメントに対して同期ずれ発生を通知し、ある一定の発生回数を超えた場合に切り離し処理を行うようにしたので、同期ずれが発生しても切り離し処理が実行される前に復旧するような一時的な障害の場合では、同期ずれ発生でシステムリセットすることなく、そのままシステムを運用することが可能となり、システムの運用効率の低下を防ぐことができる。また、切り離し処理が実行されるような障害が継続した場合でも、切り離し動作によって無駄な転送を発生させずバスの負荷を軽減させることができる。
【0061】
実施の形態5.
上述の実施の形態はリアルタイムで信号処理を行うことを前提に説明したが、特にリアルタイムでの信号処理でなくても本発明を適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、転送先の信号処理装置が、転送完了通知データに基づいて転送元の信号処理装置の状態を判断し、その判断に基づいて、転送元の信号処理装置に転送情報データを転送し、一方、転送元の信号処理装置は転送情報データを含む信号が転送されると、処理用のデータを含む信号を転送するようにしたので、互いにハンドシェイクを行って確実に信号のやりとりができることを確認してから正常な信号のやりとりを行える。このため、無駄なバスサイクルを発生させずにすむので、無駄なバスの占有を防ぐことができ、バスの使用効率がよくなる。また、転送元のプロセッサ・エレメントは、データ転送前に転送先のプロセッサ・エレメントの状態検出を行うことができる。
【0063】
更に本発明によれば、転送元の信号処理装置と転送先の信号処理装置との間で制御のためのデータに基づいて互いの状態を確認した上で、処理用のデータを含む信号のやりとりを行うようにしたので、互いにハンドシェイクを行って確実に信号のやりとりができることを確認してから正常な信号のやりとりを行え、異常な信号による無駄な信号の転送を防ぎ、バスの使用効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。
【図2】プロセッサ・エレメント1及び11間のデータの流れを表す図である。
【図3】プロセッサ2の処理の流れを表すフローチャートを表す図である。
【図4】プロセッサ・エレメント11の特にプロセッサ12及びバス制御手段18のタイムチャートを表す図である。
【図5】転送情報データ31のフォーマットを表す図である。
【図6】転送完了通知データ33のフォーマットを表す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における転送情報データ31のフォーマットを表す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るプロセッサ・エレメント1及び11A間のデータの流れを表す図である。
【図10】プロセッサ・エレメント11Aの特にプロセッサ12及びバス制御手段18のタイムチャートを表す図である。
【図11】第3の実施の形態における転送情報データ31のフォーマットを表す図である。
【図12】データずれが発生した時の動作を説明するタイムチャートである。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る信号処理システムの構成を示す図である。
【図14】第4の実施の形態における転送完了通知データ33のフォーマットを表す図である。
【図15】第4の実施の形態に係るプロセッサ・エレメント1、11A及び21間のデータの流れを表す図である。
【図16】プロセッサ12の入力起動時の転送完了通知データ33の確認処理のフローチャートを表す図である。
【図17】エラー処理のフローチャートを表す図である。
【図18】転送完了通知データ出力のフローチャートを表す図である。
【図19】プロセッサ・エレメント11A、1、21のタイムチャートを表す図である。
【図20】従来の信号処理システムの構成を示す図である。
【図21】プロセッサ・エレメント101及び110間のデータの流れを表す図である。
【図22】従来のプロセッサ・エレメントの動作を表すフローチャートである。
【図23】従来のプロセッサ・エレメントの動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1、11、11A、21、101、110 プロセッサ・エレメント
2、12、22、102、112 プロセッサ
3、13、13A、23、103、113 メモリ
4、14、24 転送完了領域
5、15、25 転送情報領域
6、16、16A、16B、26、106、116 入力バッファ
7、17、27、107、117 出力バッファ
8、18、28、108、118 バス制御部
9、19、29、109、119 I/Oポート
200 バス
Claims (6)
- バスを介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる処理用のデータに基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果のデータを信号に含め、さらに他の装置にバスを介して出力する複数の信号処理装置で構成されるシステムにおいて、
転送先の信号処理装置が、前の信号入力周期において転送元の信号処理装置から転送される信号に含まれる転送完了通知データに基づいて、前記転送元の信号処理装置の状態を判断する工程と、
前記判断した状態に基づいて、前記転送元の信号処理装置に転送情報データを転送するかどうかを決定する工程と、
前記転送元の信号処理装置は、前記転送先の信号処理装置から転送情報データを含む信号が転送されると、前記処理用のデータを含む信号を転送する工程と、
前記処理用のデータを含む信号を転送完了すると前記転送完了通知データを含む信号を転送する工程と
を有することを特徴とする信号転送方法。 - バスを介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる処理用のデータに基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果のデータを信号に含め、さらに他の装置にバスを介して出力する複数の信号処理装置で構成される信号処理システムにおいて、
転送元の信号処理装置と転送先の信号処理装置との間で互いに信号を転送し、前記信号に含まれる制御のためのデータに基づいて互いの状態を確認した上で、前記処理用のデータを含む信号のやりとりを行うことを特徴とする信号処理システム。 - バスを介して一定の信号入力周期で入力される信号に含まれる処理用のデータに基づいて、信号入力周期の間に信号処理を行い、処理を行った結果のデータを信号に含め、さらに他の装置にバスを介して出力する複数の信号処理装置で構成される信号処理システムにおいて、
転送先の信号処理装置は、前の信号入力周期において転送元の信号処理装置から転送される信号に含まれる転送完了通知データに基づいて、前記転送元の信号処理装置の状態を判断して、前記転送元の信号処理装置に転送情報データを転送するかどうかを決定し、
前記転送元の信号処理装置は、前記転送先の信号処理装置から転送情報データを含む信号が転送されると、前記処理用のデータを含む信号を転送し、転送が完了した後に前記転送完了通知データを含む信号を転送することを特徴とする信号処理システム。 - 前記信号処理装置が、転送された前記処理用のデータを一時的に記憶する領域を複数有する場合に、
前記転送先の信号処理装置は、前記処理用のデータを記憶する領域を指定するためのデータを前記転送情報データに含めて転送することを特徴とする請求項3記載の信号処理システム。 - 前記転送先の信号処理装置は、前記処理用のデータを含む信号を転送する転送形態を指定するためのデータを前記転送情報データに含めて転送することを特徴とする請求項3記載の信号処理システム。
- 複数の前記転送元の処理装置から転送された複数の前記処理用のデータを含む信号を前記転送先の信号処理装置が受信して信号処理を行う転送形態において、
前記複数の転送元の処理装置は、各周期において転送する前記処理用のデータを含む信号に時刻となる番号を付して転送し、
前記転送先の信号処理装置は、前記番号に基づいて各処理用のデータの組み合わせが正しいかどうかを判断し、組み合わせが正しくなければ同期ずれを発生させた信号経路を特定し、あらかじめ定めた回数だけ前記信号経路からの同期ずれを判断すると、前記信号経路からの前記処理用のデータを含む信号転送を停止させることを特徴とする請求項3記載の信号処理システム。
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2003
- 2003-05-13 JP JP2003134249A patent/JP2004341595A/ja active Pending
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