JP2004340546A - 冷凍機用蒸発器 - Google Patents
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Abstract
【課題】2分割蒸発器に適用されキャリオーバの防止効果を高めたデミスタ配置を持つ、冷凍機用蒸発器を提供する。
【解決手段】冷媒が導入される容器21がその長手方向に延在する仕切壁16により分割され、分割された各領域内に、冷水が流通する複数の伝熱管15が束状に配設されて、容器21の長手方向に延在する各伝熱管群と、各領域に対応した冷媒ガス吸込管2とを備えた構成であって、各伝熱管群は、順方向に延在する往路側の伝熱管群13と、その往路側の伝熱管群13の端部から折り返されて逆方向に隣接して延在する復路側の伝熱管群14とが、折り返し部を介して連続して成る構成において、各領域内の伝熱管群13,14上方に、冷媒の液滴或いはミストを捕集するワイヤメッシュデミスタ12を設け、これが容器21の長手方向から見て所定の角度傾斜して配置されて成る構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】冷媒が導入される容器21がその長手方向に延在する仕切壁16により分割され、分割された各領域内に、冷水が流通する複数の伝熱管15が束状に配設されて、容器21の長手方向に延在する各伝熱管群と、各領域に対応した冷媒ガス吸込管2とを備えた構成であって、各伝熱管群は、順方向に延在する往路側の伝熱管群13と、その往路側の伝熱管群13の端部から折り返されて逆方向に隣接して延在する復路側の伝熱管群14とが、折り返し部を介して連続して成る構成において、各領域内の伝熱管群13,14上方に、冷媒の液滴或いはミストを捕集するワイヤメッシュデミスタ12を設け、これが容器21の長手方向から見て所定の角度傾斜して配置されて成る構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被冷却物(例えば水,ブライン等)と冷媒との間で熱交換を行ってその被冷却物を冷却する冷凍機用蒸発器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばビルのような大規模構造物においては、冷凍機で冷却した被冷却物を、構造物内に布設した配管を通じて循環させ、居室の空気と熱交換させることにより、冷房を行うようにしている。なお、ここで述べる従来の冷凍機、及び後述する本発明に係る冷凍機は、300〜3000冷凍トン(USRT)程度のもの、特に2000〜3000冷凍トンクラスの大型のものを対象としている。但し、これに限定される訳ではない。
【0003】
さて、図11は従来の冷凍機を示す外観斜視図であり、図12は従来の冷凍機の概略構成図である。図12の(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は蒸発器部分の平面断面図となっている。なお、図12では中間冷却器の図示を省略している。これは、後述する実施形態においても同様である。各図に示すように、冷凍機は主として蒸発器1,圧縮機3,凝縮器6等により構成されている。凝縮器6では、冷却水と気体状の冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒が凝縮,液化される。
【0004】
凝縮された冷媒は冷媒液溜7に一旦溜められ、続いて冷媒液配管8を通って、途中の膨張弁9で減圧されつつ、蒸発器1に供給される。蒸発器1では、凝縮された冷媒と被冷却物である冷水との間で熱交換が行われ、冷水が冷却されるとともに、冷媒が蒸発,気化する。蒸発器1において冷却された冷水は、ビルの空調等に利用される。
【0005】
蒸発,気化した冷媒は、冷媒ガス吸込管2を経て圧縮機3に到達する。圧縮機3では冷媒が圧縮され、冷媒ガス吐出管5を経て凝縮器6へと供給される。なお、図11のMは中間冷却器であり、凝縮器6から出た冷媒は、一旦この中間冷却器Mに入って気液分離される。そして、液体の冷媒は蒸発器1に供給され、気体の冷媒は圧縮機3へと戻される仕組みである。その他、図11における4は圧縮機用のモータ、OPは操作盤である。
【0006】
図13は、上述したような冷凍機に具備される従来の蒸発器を示す左側面断面図である。同図(a)に示すように、蒸発器1では、冷媒が導入される円筒状の容器21の中に、被冷却物である冷水を流通させる複数(多数)の伝熱管15が、同図(b)に示すように束状且つ千鳥状に群をなして、順方向に延在する往路側(1パス側)の伝熱管群13、及び逆方向に隣接して延在する復路側(2パス側)の伝熱管群14として、紙面に垂直方向に配設されている。
【0007】
伝熱管群13は冷水入口22に連通しており、伝熱管群14は冷水出口23に連通している。また、伝熱管群13,14は容器21の中心位置付近から下方に配設されており、それら全てが冷媒液に浸されている。その他、容器21の上部からは、冷媒ガス吸込管2が斜め上方へと延びている。
【0008】
伝熱管群13,14の上方であって冷媒ガス吸込管2の下方位置には、所定の厚みを有する略直方体形状のワイヤメッシュデミスタ12が、底板24により下方から支えられて、伝熱管の全長に対向して配置されている。このワイヤメッシュデミスタは、例えば線条径が0.25mm,空間率97.5%となっており、3μm以上のミストに対して高効率で捕集可能なタイプを使用している。ワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように、長手方向より見て所定の角度θ(例えば水平に対して0゜〜15゜前後までの範囲で)傾いている。
【0009】
これは、往路側(1パス側)の伝熱管群13(更にはその入口側)の方が、伝熱管内の冷水温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が大きく、蒸発が激しく起こるので、ガスの流れの中に液滴或いはミストが伴ういわゆるキャリオーバ(気液同伴)しやすいため、その対策を講じたものである。つまり、キャリオーバしやすい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12を高くして、冷媒の液滴或いはミストがこれに到達するまでに、自然落下により冷媒ガスから重力分離してしまおうとするものである。
【0010】
さらに、ワイヤメッシュデミスタ12が傾いていることにより、捕集された液滴或いはミストが側方へ流れ落ちるので、再飛散することが防止されるといった効果もある。これに加えて、後述するように、冷媒ガス吸込管2をできるだけ復路側(2パス側)の伝熱管群14側に配置することにより、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達しにくいようにしている。冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達すると、圧縮機内のインペラの損耗の恐れがあることから、冷媒の液滴或いはミストの圧縮機への到達を防止するものである。
【0011】
図12に戻って、伝熱管群13,14は、容器21内の長手方向に延在しており、両端がそれぞれ水室10に連通している。同図(c)中、右側に位置する冷水の出入口側の水室10は、仕切壁11で仕切られており、冷水入口22側と冷水出口23側とに分けられていて、冷水入口22側は伝熱管群13に、冷水出口23側は伝熱管群14に、それぞれ連通している。
【0012】
一方、図中左側に位置する水室10は、伝熱管群13,14いずれにも連通しており、折り返し部25を形成していて、ここで伝熱管群13,14同士が連通して構成されている。同図における矢印は冷水の流れる方向を示す。また、冷媒ガス吸込管2は、伝熱管群13の冷水入口22側から伝熱管15の長さ方向の1/2を越えた奥部の領域であって、且つ伝熱管群14側に配置されている。これにより、上述したように、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達しにくいようにしている。
【0013】
以上のような構成からなる蒸発器1において、冷水との熱交換によって沸騰した冷媒ガスは、冷媒の液滴或いはミストを含みながら吹き上げられ、ワイヤメッシュデミスタ12を通過する際に液滴或いはミストが除去された後、容器21上部の冷媒ガス吸込管2から図示しない圧縮機へと吸い込まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の蒸発器におけるデミスタ配置は、蒸発器を軸方向(長手方向)に延在する仕切壁により2分割して被冷却物の冷却系統を2系統とした、いわゆる2分割蒸発器には適用できない。本発明は、このような問題点に鑑み、2分割蒸発器に適用されキャリオーバの防止効果を高めたデミスタ配置を持つ、冷凍機用蒸発器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本実施形態では、冷媒が導入される容器がその長手方向に延在する仕切壁により分割され、前記容器の分割された各領域内に、前記冷媒により冷却される被冷却物が流通する複数の伝熱管が束状に配設されて、前記容器の長手方向に延在する各伝熱管群と、前記各領域に対応した冷媒ガス排出部材とを備えた冷凍機用蒸発器であって、前記各伝熱管群は、順方向に延在する往路側の伝熱管群と、その往路側の伝熱管群の端部から折り返されて逆方向に隣接して延在する復路側の伝熱管群とが、折り返し部を介して連続して成る冷凍機用蒸発器において、前記各領域内の伝熱管群上方に、前記冷媒の液滴或いはミストを捕集するデミスタを設け、その各デミスタは前記容器の長手方向から見て所定の角度傾斜して配置されて成ることを特徴とする。
【0016】
また、前記各領域のうち、往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側の前記冷媒ガス排出部材は、前記被冷却物の入口側から遠い側に配置されて成ることを特徴とする。加えて、前記往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側とは異なる側の前記冷媒ガス排出部材は、復路側の管群域寄りに配置されて成ることを特徴とする。
【0017】
また、前記デミスタは、前記往路側の伝熱管群からの距離が前記復路側の伝熱管群からの距離より遠くなるように配置されて成ることを特徴とする。
【0018】
また、前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けたデミスタは、内側が高く外側が低くなるように山型に配置されて成ることを特徴とする。或いは、デミスタは内側が低く外側が高くなるように谷型に配置されて成ることを特徴とする。
【0019】
また、前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けた伝熱管群は、それぞれ往路側が外側に配置され、復路側が内側に配置されて成ることを特徴とする。或いは、それぞれ往路側が内側に配置され、復路側が外側に配置されて成ることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るターボ冷凍機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、上記従来の技術と共通する部分については同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。図1は、本発明に係る冷凍機の概略構成図である。同図の(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は蒸発器部分の平面断面図となっている。
【0021】
本発明に係る冷凍機は、同図(b)に示すように、蒸発器1をその中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁16により左右2分割し、また凝縮器6をその中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁17により左右2分割して、冷媒の循環系統を2系統としている。同図(c)に示すように、仕切壁16により2分割された蒸発器1の、それぞれの冷水系統における伝熱管群13,14は、容器21内の長手方向に延在しており、両端がそれぞれ水室10に連通している。
【0022】
また、右側に位置する冷水の出入口側の水室10は、仕切壁16が延長された仕切壁16aにより2分割されている。そして、分割されたそれぞれの水室10が、更に仕切壁11で仕切られており、冷水入口22側と冷水出口23側とに分けられていて、冷水入口22側は伝熱管群13に、冷水出口23側は伝熱管群14に、それぞれ連通している。
【0023】
一方、図中左側に位置する水室10は、仕切壁16が延長された仕切壁16bにより2分割されている。そして、分割されたそれぞれの水室10が、それぞれの冷水系統における伝熱管群13,14いずれにも連通しており、それぞれ折り返し部25を形成していて、ここで伝熱管群13,14同士が連通して構成されている。同図における矢印は冷水の流れる方向を示す。
【0024】
また、冷媒ガス吸込管2は容器21の分割された各領域に対応して設けられており、2つの圧縮機3の配置関係より、一方は伝熱管15の長さ方向の中央付近、もう一方は折り返し部25側付近に配置されている。これらの配置は、同図ではそれぞれ蒸発器1の左側面に向かって右側及び左側となっている。冷媒ガス吸込管2の配置については後述する。各系統における冷媒の作用は、上記従来の技術で説明した内容と同様である。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。同図に示すように、本実施形態の蒸発器1では、冷媒が導入される円筒状の容器21が、中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁16により左右2分割されている。そして、分割された各領域内に、被冷却物である冷水を流通させる複数(多数)の伝熱管15が、従来の技術でも述べたように束状且つ千鳥状に群をなして、順方向に延在する往路側(1パス側)の伝熱管群13、及び逆方向に隣接して延在する復路側(2パス側)の伝熱管群14として、紙面に垂直方向に配設されている。容器21の分割された各領域の上部からは、冷媒ガス吸込管2が上方に延びている。
【0026】
容器21の分割された各領域において、伝熱管群13,14の上方であって冷媒ガス吸込管2の下方位置には、所定の厚みを有する略直方体形状のワイヤメッシュデミスタ12が、仕切壁16を介して各領域に跨る底板24により下方から支えられて、伝熱管の全長に対向して配置されている。ワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、それぞれ伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように、長手方向より見て所定の角度θ(例えば水平に対して0゜〜15゜前後の範囲で)傾いている。これにより、従来と同様にしてキャリオーバ防止を図っている。ワイヤメッシュデミスタ12の仕様は、上記従来の技術で示したものと同様である。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す平面断面図である。なお、本実施形態に係る冷凍機用蒸発器の左側面断面図は、図2で示されたものと同様である。本実施形態では、蒸発器1において、往路側(1パス側)の管群域が小さい(伝熱管15の本数が少ない)側、即ち図2における右側の伝熱管群13側では、図3に示すように、冷媒ガス吸込管2は、折り返し部25側付近即ち冷水入口22から遠い側に配置されている。これは、往路側の管群域が小さい側では管内流速が速いため、熱貫流率が高くて冷媒の蒸発量が多く、特に冷水入口に近い側ではキャリオーバしやすいので、これを避けるためである。
【0028】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。また図5は、その冷凍機の左側面図である。本実施形態では、上記第2の実施形態の構成に加えて、蒸発器1において、図4における左側の、管内冷水温度と冷媒温度との温度差が小さく、冷媒の蒸発量が少ない復路側(2パス側)である伝熱管群14側寄りに、冷媒ガス吸込管2aを配置して斜め方向に取り出し、キャリオーバの防止を図っている。このような構成は、以下の実施形態においても変形例として共通して使用することができる。
【0029】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、上記第1〜第3のいずれかの実施形態に対して、蒸発器1において、右側のワイヤメッシュデミスタ12の傾斜が逆となるように、即ち外側に傾斜するようにしている。これにより、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。この場合、ワイヤメッシュデミスタ12全体は左右対称であり、内側が高く外側が低くなるいわゆる山型配置となっている。
【0030】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、上記第1〜第3のいずれかの実施形態に対して、蒸発器1において、右側のワイヤメッシュデミスタ12の傾斜はそのままに、取付位置を下げて例えば左側と同様の高さとなるようにしている。これにより、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。
【0031】
これに加えて、左右各部のワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、それぞれ伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように傾けられているので、これにより冷媒の液滴或いはミストが到達しにくいようになり、従来と同様にしてキャリオーバ防止を図ることができるようになっている。
【0032】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、蒸発器1において、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共外側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共内側に配置されている。つまり、左右の伝熱管群のパス割りが対称となっている。そして、上記第4の実施形態と同様にして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は山型配置となっている。
【0033】
この場合、伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が低くなるので、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離することについては不利となるが、装置周辺の配管の取り合いについては好都合となり、また引き回しを短くすることができるので、実用性は高いものとなる。
【0034】
図9は、本発明の第7の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、蒸発器1において、伝熱管群の配置は、上記第6の実施形態と同様に、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共外側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共内側に配置されている。そして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は、第4,第6の実施形態とは逆に、内側が低く外側が高くなる左右対称のいわゆる谷型配置となっている。
【0035】
この場合、蒸発の激しい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が高くなるので、これにより、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離しやすいようにして、キャリオーバ防止を図っている。但し、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積は、山型配置とした場合と比較して少し小さくなる。
【0036】
図10は、本発明の第8の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、左右の伝熱管群のパス割りが対称となってはいるが、上記第6の実施形態とは逆に、蒸発器1において、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共内側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共外側に配置されている。そして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は山型配置となっている。
【0037】
ここでは往路側(1パス側)即ち伝熱管群13側の管群域を大きい(伝熱管15の本数が多い)側に設定することで、往路側の管内流速を遅くし、熱貫流率を低減して冷媒の蒸発量を少なくし、キャリオーバの防止を図っている。さらに、比較的蒸発の激しい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が高くなるので、これにより、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離しやすいようにして、キャリオーバ防止を図っている。加えて、山型配置によりワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。
【0038】
なお、特許請求の範囲で言う冷媒ガス排出部材は、実施形態における冷媒ガス吸込管に対応している。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2分割蒸発器に適用されキャリオーバの防止効果を高めたデミスタ配置を持つ、冷凍機用蒸発器を提供することができる。
【0040】
また、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達すると、圧縮機内のインペラの損耗の恐れがあることから、冷媒の液滴或いはミストの圧縮機への到達を防止するものであり、冷凍機の性能・信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍機の概略構成図。
【図2】第1の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図3】第2の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す平面断面図。
【図4】第3の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図5】第3の実施形態に係る冷凍機の左側面図。
【図6】第4の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図7】第5の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図8】第6の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図9】第7の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図10】第8の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図11】従来の冷凍機を示す外観斜視図。
【図12】従来の冷凍機の概略構成図。
【図13】従来の蒸発器を示す左側面断面図。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 冷媒ガス吸込管
3 圧縮機
4 モータ
5 冷媒ガス吐出管
6 凝縮器
7 冷媒液溜
8 冷媒液配管
9 膨張弁
10 水室
11 仕切壁
12 ワイヤメッシュデミスタ
13,14 伝熱管群
15 伝熱管
16,17 仕切壁
21 容器
22 冷水入口
23 冷水出口
24 底板
25 折り返し部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被冷却物(例えば水,ブライン等)と冷媒との間で熱交換を行ってその被冷却物を冷却する冷凍機用蒸発器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばビルのような大規模構造物においては、冷凍機で冷却した被冷却物を、構造物内に布設した配管を通じて循環させ、居室の空気と熱交換させることにより、冷房を行うようにしている。なお、ここで述べる従来の冷凍機、及び後述する本発明に係る冷凍機は、300〜3000冷凍トン(USRT)程度のもの、特に2000〜3000冷凍トンクラスの大型のものを対象としている。但し、これに限定される訳ではない。
【0003】
さて、図11は従来の冷凍機を示す外観斜視図であり、図12は従来の冷凍機の概略構成図である。図12の(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は蒸発器部分の平面断面図となっている。なお、図12では中間冷却器の図示を省略している。これは、後述する実施形態においても同様である。各図に示すように、冷凍機は主として蒸発器1,圧縮機3,凝縮器6等により構成されている。凝縮器6では、冷却水と気体状の冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒が凝縮,液化される。
【0004】
凝縮された冷媒は冷媒液溜7に一旦溜められ、続いて冷媒液配管8を通って、途中の膨張弁9で減圧されつつ、蒸発器1に供給される。蒸発器1では、凝縮された冷媒と被冷却物である冷水との間で熱交換が行われ、冷水が冷却されるとともに、冷媒が蒸発,気化する。蒸発器1において冷却された冷水は、ビルの空調等に利用される。
【0005】
蒸発,気化した冷媒は、冷媒ガス吸込管2を経て圧縮機3に到達する。圧縮機3では冷媒が圧縮され、冷媒ガス吐出管5を経て凝縮器6へと供給される。なお、図11のMは中間冷却器であり、凝縮器6から出た冷媒は、一旦この中間冷却器Mに入って気液分離される。そして、液体の冷媒は蒸発器1に供給され、気体の冷媒は圧縮機3へと戻される仕組みである。その他、図11における4は圧縮機用のモータ、OPは操作盤である。
【0006】
図13は、上述したような冷凍機に具備される従来の蒸発器を示す左側面断面図である。同図(a)に示すように、蒸発器1では、冷媒が導入される円筒状の容器21の中に、被冷却物である冷水を流通させる複数(多数)の伝熱管15が、同図(b)に示すように束状且つ千鳥状に群をなして、順方向に延在する往路側(1パス側)の伝熱管群13、及び逆方向に隣接して延在する復路側(2パス側)の伝熱管群14として、紙面に垂直方向に配設されている。
【0007】
伝熱管群13は冷水入口22に連通しており、伝熱管群14は冷水出口23に連通している。また、伝熱管群13,14は容器21の中心位置付近から下方に配設されており、それら全てが冷媒液に浸されている。その他、容器21の上部からは、冷媒ガス吸込管2が斜め上方へと延びている。
【0008】
伝熱管群13,14の上方であって冷媒ガス吸込管2の下方位置には、所定の厚みを有する略直方体形状のワイヤメッシュデミスタ12が、底板24により下方から支えられて、伝熱管の全長に対向して配置されている。このワイヤメッシュデミスタは、例えば線条径が0.25mm,空間率97.5%となっており、3μm以上のミストに対して高効率で捕集可能なタイプを使用している。ワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように、長手方向より見て所定の角度θ(例えば水平に対して0゜〜15゜前後までの範囲で)傾いている。
【0009】
これは、往路側(1パス側)の伝熱管群13(更にはその入口側)の方が、伝熱管内の冷水温度と、冷媒の蒸発温度との温度差が大きく、蒸発が激しく起こるので、ガスの流れの中に液滴或いはミストが伴ういわゆるキャリオーバ(気液同伴)しやすいため、その対策を講じたものである。つまり、キャリオーバしやすい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12を高くして、冷媒の液滴或いはミストがこれに到達するまでに、自然落下により冷媒ガスから重力分離してしまおうとするものである。
【0010】
さらに、ワイヤメッシュデミスタ12が傾いていることにより、捕集された液滴或いはミストが側方へ流れ落ちるので、再飛散することが防止されるといった効果もある。これに加えて、後述するように、冷媒ガス吸込管2をできるだけ復路側(2パス側)の伝熱管群14側に配置することにより、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達しにくいようにしている。冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達すると、圧縮機内のインペラの損耗の恐れがあることから、冷媒の液滴或いはミストの圧縮機への到達を防止するものである。
【0011】
図12に戻って、伝熱管群13,14は、容器21内の長手方向に延在しており、両端がそれぞれ水室10に連通している。同図(c)中、右側に位置する冷水の出入口側の水室10は、仕切壁11で仕切られており、冷水入口22側と冷水出口23側とに分けられていて、冷水入口22側は伝熱管群13に、冷水出口23側は伝熱管群14に、それぞれ連通している。
【0012】
一方、図中左側に位置する水室10は、伝熱管群13,14いずれにも連通しており、折り返し部25を形成していて、ここで伝熱管群13,14同士が連通して構成されている。同図における矢印は冷水の流れる方向を示す。また、冷媒ガス吸込管2は、伝熱管群13の冷水入口22側から伝熱管15の長さ方向の1/2を越えた奥部の領域であって、且つ伝熱管群14側に配置されている。これにより、上述したように、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達しにくいようにしている。
【0013】
以上のような構成からなる蒸発器1において、冷水との熱交換によって沸騰した冷媒ガスは、冷媒の液滴或いはミストを含みながら吹き上げられ、ワイヤメッシュデミスタ12を通過する際に液滴或いはミストが除去された後、容器21上部の冷媒ガス吸込管2から図示しない圧縮機へと吸い込まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の蒸発器におけるデミスタ配置は、蒸発器を軸方向(長手方向)に延在する仕切壁により2分割して被冷却物の冷却系統を2系統とした、いわゆる2分割蒸発器には適用できない。本発明は、このような問題点に鑑み、2分割蒸発器に適用されキャリオーバの防止効果を高めたデミスタ配置を持つ、冷凍機用蒸発器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本実施形態では、冷媒が導入される容器がその長手方向に延在する仕切壁により分割され、前記容器の分割された各領域内に、前記冷媒により冷却される被冷却物が流通する複数の伝熱管が束状に配設されて、前記容器の長手方向に延在する各伝熱管群と、前記各領域に対応した冷媒ガス排出部材とを備えた冷凍機用蒸発器であって、前記各伝熱管群は、順方向に延在する往路側の伝熱管群と、その往路側の伝熱管群の端部から折り返されて逆方向に隣接して延在する復路側の伝熱管群とが、折り返し部を介して連続して成る冷凍機用蒸発器において、前記各領域内の伝熱管群上方に、前記冷媒の液滴或いはミストを捕集するデミスタを設け、その各デミスタは前記容器の長手方向から見て所定の角度傾斜して配置されて成ることを特徴とする。
【0016】
また、前記各領域のうち、往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側の前記冷媒ガス排出部材は、前記被冷却物の入口側から遠い側に配置されて成ることを特徴とする。加えて、前記往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側とは異なる側の前記冷媒ガス排出部材は、復路側の管群域寄りに配置されて成ることを特徴とする。
【0017】
また、前記デミスタは、前記往路側の伝熱管群からの距離が前記復路側の伝熱管群からの距離より遠くなるように配置されて成ることを特徴とする。
【0018】
また、前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けたデミスタは、内側が高く外側が低くなるように山型に配置されて成ることを特徴とする。或いは、デミスタは内側が低く外側が高くなるように谷型に配置されて成ることを特徴とする。
【0019】
また、前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けた伝熱管群は、それぞれ往路側が外側に配置され、復路側が内側に配置されて成ることを特徴とする。或いは、それぞれ往路側が内側に配置され、復路側が外側に配置されて成ることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るターボ冷凍機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、上記従来の技術と共通する部分については同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。図1は、本発明に係る冷凍機の概略構成図である。同図の(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は蒸発器部分の平面断面図となっている。
【0021】
本発明に係る冷凍機は、同図(b)に示すように、蒸発器1をその中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁16により左右2分割し、また凝縮器6をその中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁17により左右2分割して、冷媒の循環系統を2系統としている。同図(c)に示すように、仕切壁16により2分割された蒸発器1の、それぞれの冷水系統における伝熱管群13,14は、容器21内の長手方向に延在しており、両端がそれぞれ水室10に連通している。
【0022】
また、右側に位置する冷水の出入口側の水室10は、仕切壁16が延長された仕切壁16aにより2分割されている。そして、分割されたそれぞれの水室10が、更に仕切壁11で仕切られており、冷水入口22側と冷水出口23側とに分けられていて、冷水入口22側は伝熱管群13に、冷水出口23側は伝熱管群14に、それぞれ連通している。
【0023】
一方、図中左側に位置する水室10は、仕切壁16が延長された仕切壁16bにより2分割されている。そして、分割されたそれぞれの水室10が、それぞれの冷水系統における伝熱管群13,14いずれにも連通しており、それぞれ折り返し部25を形成していて、ここで伝熱管群13,14同士が連通して構成されている。同図における矢印は冷水の流れる方向を示す。
【0024】
また、冷媒ガス吸込管2は容器21の分割された各領域に対応して設けられており、2つの圧縮機3の配置関係より、一方は伝熱管15の長さ方向の中央付近、もう一方は折り返し部25側付近に配置されている。これらの配置は、同図ではそれぞれ蒸発器1の左側面に向かって右側及び左側となっている。冷媒ガス吸込管2の配置については後述する。各系統における冷媒の作用は、上記従来の技術で説明した内容と同様である。
【0025】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。同図に示すように、本実施形態の蒸発器1では、冷媒が導入される円筒状の容器21が、中央で軸方向(長手方向)に延在する仕切壁16により左右2分割されている。そして、分割された各領域内に、被冷却物である冷水を流通させる複数(多数)の伝熱管15が、従来の技術でも述べたように束状且つ千鳥状に群をなして、順方向に延在する往路側(1パス側)の伝熱管群13、及び逆方向に隣接して延在する復路側(2パス側)の伝熱管群14として、紙面に垂直方向に配設されている。容器21の分割された各領域の上部からは、冷媒ガス吸込管2が上方に延びている。
【0026】
容器21の分割された各領域において、伝熱管群13,14の上方であって冷媒ガス吸込管2の下方位置には、所定の厚みを有する略直方体形状のワイヤメッシュデミスタ12が、仕切壁16を介して各領域に跨る底板24により下方から支えられて、伝熱管の全長に対向して配置されている。ワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、それぞれ伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように、長手方向より見て所定の角度θ(例えば水平に対して0゜〜15゜前後の範囲で)傾いている。これにより、従来と同様にしてキャリオーバ防止を図っている。ワイヤメッシュデミスタ12の仕様は、上記従来の技術で示したものと同様である。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す平面断面図である。なお、本実施形態に係る冷凍機用蒸発器の左側面断面図は、図2で示されたものと同様である。本実施形態では、蒸発器1において、往路側(1パス側)の管群域が小さい(伝熱管15の本数が少ない)側、即ち図2における右側の伝熱管群13側では、図3に示すように、冷媒ガス吸込管2は、折り返し部25側付近即ち冷水入口22から遠い側に配置されている。これは、往路側の管群域が小さい側では管内流速が速いため、熱貫流率が高くて冷媒の蒸発量が多く、特に冷水入口に近い側ではキャリオーバしやすいので、これを避けるためである。
【0028】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。また図5は、その冷凍機の左側面図である。本実施形態では、上記第2の実施形態の構成に加えて、蒸発器1において、図4における左側の、管内冷水温度と冷媒温度との温度差が小さく、冷媒の蒸発量が少ない復路側(2パス側)である伝熱管群14側寄りに、冷媒ガス吸込管2aを配置して斜め方向に取り出し、キャリオーバの防止を図っている。このような構成は、以下の実施形態においても変形例として共通して使用することができる。
【0029】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、上記第1〜第3のいずれかの実施形態に対して、蒸発器1において、右側のワイヤメッシュデミスタ12の傾斜が逆となるように、即ち外側に傾斜するようにしている。これにより、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。この場合、ワイヤメッシュデミスタ12全体は左右対称であり、内側が高く外側が低くなるいわゆる山型配置となっている。
【0030】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、上記第1〜第3のいずれかの実施形態に対して、蒸発器1において、右側のワイヤメッシュデミスタ12の傾斜はそのままに、取付位置を下げて例えば左側と同様の高さとなるようにしている。これにより、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。
【0031】
これに加えて、左右各部のワイヤメッシュデミスタ12は、同図に示すように、それぞれ伝熱管群13からの距離が伝熱管群14からの距離より遠くなるように傾けられているので、これにより冷媒の液滴或いはミストが到達しにくいようになり、従来と同様にしてキャリオーバ防止を図ることができるようになっている。
【0032】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、蒸発器1において、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共外側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共内側に配置されている。つまり、左右の伝熱管群のパス割りが対称となっている。そして、上記第4の実施形態と同様にして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は山型配置となっている。
【0033】
この場合、伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が低くなるので、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離することについては不利となるが、装置周辺の配管の取り合いについては好都合となり、また引き回しを短くすることができるので、実用性は高いものとなる。
【0034】
図9は、本発明の第7の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、蒸発器1において、伝熱管群の配置は、上記第6の実施形態と同様に、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共外側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共内側に配置されている。そして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は、第4,第6の実施形態とは逆に、内側が低く外側が高くなる左右対称のいわゆる谷型配置となっている。
【0035】
この場合、蒸発の激しい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が高くなるので、これにより、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離しやすいようにして、キャリオーバ防止を図っている。但し、ワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積は、山型配置とした場合と比較して少し小さくなる。
【0036】
図10は、本発明の第8の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図である。本実施形態では、左右の伝熱管群のパス割りが対称となってはいるが、上記第6の実施形態とは逆に、蒸発器1において、往路側(1パス側)の伝熱管群13が左右共内側に配置され、復路側(2パス側)の伝熱管群14が左右共外側に配置されている。そして、ワイヤメッシュデミスタ12全体は山型配置となっている。
【0037】
ここでは往路側(1パス側)即ち伝熱管群13側の管群域を大きい(伝熱管15の本数が多い)側に設定することで、往路側の管内流速を遅くし、熱貫流率を低減して冷媒の蒸発量を少なくし、キャリオーバの防止を図っている。さらに、比較的蒸発の激しい伝熱管群13側のワイヤメッシュデミスタ12が高くなるので、これにより、冷媒の液滴或いはミストを自然落下により重力分離しやすいようにして、キャリオーバ防止を図っている。加えて、山型配置によりワイヤメッシュデミスタ12の吸込面積を大きくし、ここを通過する冷媒ガスの流速を低下させ液滴或いはミストの捕集率を高くして、キャリオーバの防止を図っている。
【0038】
なお、特許請求の範囲で言う冷媒ガス排出部材は、実施形態における冷媒ガス吸込管に対応している。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2分割蒸発器に適用されキャリオーバの防止効果を高めたデミスタ配置を持つ、冷凍機用蒸発器を提供することができる。
【0040】
また、冷媒の液滴或いはミストが圧縮機3に到達すると、圧縮機内のインペラの損耗の恐れがあることから、冷媒の液滴或いはミストの圧縮機への到達を防止するものであり、冷凍機の性能・信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷凍機の概略構成図。
【図2】第1の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図3】第2の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す平面断面図。
【図4】第3の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図5】第3の実施形態に係る冷凍機の左側面図。
【図6】第4の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図7】第5の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図8】第6の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図9】第7の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図10】第8の実施形態に係る冷凍機用蒸発器を示す左側面断面図。
【図11】従来の冷凍機を示す外観斜視図。
【図12】従来の冷凍機の概略構成図。
【図13】従来の蒸発器を示す左側面断面図。
【符号の説明】
1 蒸発器
2 冷媒ガス吸込管
3 圧縮機
4 モータ
5 冷媒ガス吐出管
6 凝縮器
7 冷媒液溜
8 冷媒液配管
9 膨張弁
10 水室
11 仕切壁
12 ワイヤメッシュデミスタ
13,14 伝熱管群
15 伝熱管
16,17 仕切壁
21 容器
22 冷水入口
23 冷水出口
24 底板
25 折り返し部
Claims (8)
- 冷媒が導入される容器がその長手方向に延在する仕切壁により分割され、前記容器の分割された各領域内に、前記冷媒により冷却される被冷却物が流通する複数の伝熱管が束状に配設されて、前記容器の長手方向に延在する各伝熱管群と、前記各領域に対応した冷媒ガス排出部材とを備えた冷凍機用蒸発器であって、
前記各伝熱管群は、順方向に延在する往路側の伝熱管群と、該往路側の伝熱管群の端部から折り返されて逆方向に隣接して延在する復路側の伝熱管群とが、折り返し部を介して連続して成る冷凍機用蒸発器において、
前記各領域内の伝熱管群上方に、前記冷媒の液滴或いはミストを捕集するデミスタを設け、該各デミスタは前記容器の長手方向から見て所定の角度傾斜して配置されて成ることを特徴とする冷凍機用蒸発器。 - 前記各領域のうち、往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側の前記冷媒ガス排出部材は、前記被冷却物の入口側から遠い側に配置されて成ることを特徴とする請求項1に記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記往路側の管群域が復路側の管群域に対して小さい側とは異なる側の前記冷媒ガス排出部材は、復路側の管群域寄りに配置されて成ることを特徴とする請求項2に記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記デミスタは、前記往路側の伝熱管群からの距離が前記復路側の伝熱管群からの距離より遠くなるように配置されて成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けたデミスタは、内側が高く外側が低くなるように山型に配置されて成ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けたデミスタは、内側が低く外側が高くなるように谷型に配置されて成ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けた伝熱管群は、それぞれ往路側が外側に配置され、復路側が内側に配置されて成ることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の冷凍機用蒸発器。
- 前記容器は長手方向から見て左右に2分割されて成り、前記容器の左右に2分割された各領域内に設けた伝熱管群は、それぞれ往路側が内側に配置され、復路側が外側に配置されて成ることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の冷凍機用蒸発器。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |