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JP2004339396A - グラビア印刷インキ及びそれを用いた紫外線カット印刷物 - Google Patents

グラビア印刷インキ及びそれを用いた紫外線カット印刷物 Download PDF

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JP2004339396A
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Tsutomu Arakawa
務 荒川
Ryosuke Kamei
良祐 亀井
Isamu Asano
勇 浅野
Shigefumi Hotta
繁文 堀田
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善朗 川田
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Abstract

【課題】光触媒活性抑制、金属イオン溶出抑制及び分散安定性の良好なシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキと、それを用いた紫外線遮蔽層を具備した、紫外線遮蔽能、透明性、耐候性、安全性に優れた包装用印刷物紫外線カット印刷物の提供。
【解決手段】表面をシリカにより被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキ、またはさらに疎水性付与剤にて表面処理してなる表面疎水化されたシリカ被覆酸化亜鉛を含有するグラビア印刷インキ、および該グラビア印刷インキを用いて印刷され、紫外線遮蔽層が表面に形成されていることを特徴とする紫外線カット印刷物。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有する(紫外線カット用塗料、)グラビア印刷インキ及びそれを用いて形成された紫外線遮蔽層を具備する紫外線遮蔽能が高く、しかも光触媒活性の低い耐候性、安定性、安全性に優れた(紫外線遮蔽材)包材用印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、医薬品、化粧品等の酸化防止、変色防止、有効成分、例えば薬効成分の分解防止を目的として、紫外線遮蔽能を有する包材が使用されてきてはいるが、これまでの包材は、全面色づけ印刷あるいは金属アルミニウム層を有するような遮光印刷物又は多重包装などにより品質の保持をおこなってきている。
しかし、商品のアピールや消費者購買意欲の増進のため、包装した中味が見えるようにしたいという要求がある。また、消費者にとっては中味が見えることで製品劣化の有無確認ができ、安心感を持って購買できるメリットが生じるため、ますます中味が見えることに対する要求が高まってきている。
【0003】
中味が見えるという要求に対しては、紫外線遮蔽性のある透明な包材を使用することが考えられ、包装材の印刷物にも紫外線遮蔽のため有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線遮蔽剤が配合されるようになってきている。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、置換アクリロニトリル系等の有機系紫外線吸収剤が知られており、良好な透明性を有する包材が得られる利点を有する。しかし、これら有機系紫外線吸収剤を安全に使用するため配合量に上限がある。とりわけグラビア印刷インキに添加し塗布する場合には、塗工厚が数μmと非常に薄いため充分な紫外線遮蔽能を得るためには、多量の添加が必要となる上、成形後も経時的にブリードアウトしてきたり、紫外線の吸収に伴い分解するといった、加工性、安定性、安全性上の問題がある。
【0004】
一方、無機系紫外線遮蔽剤は、安定で毒性も低く、固体であるため各種有機系素材中での移行性が無いといった特徴を有する。酸化チタン、酸化亜鉛、酸化第二鉄、酸化セリウムなどが無機系紫外線遮蔽剤として挙げられる。特に、酸化亜鉛は、バンドギャップ3.2eVで光励起が直接遷移であること及び屈折率が1.9と金属酸化物のなかでは比較的低いことより、UVBからUVAまで広範囲な紫外線遮蔽性及び透明性に優れる点で広く使用されてきている。
【0005】
しかし、その使用に際しては、幾つか問題点を有している。第1の問題点は、比較的粒子径が大きいと紫外線を吸収・散乱させるだけでなく、同時に可視光をも散乱してしまい、これらを用いた有機系複合素材はややもすると白くなったり、ヘイズ(haze)が大きくなってしまい商品価値として著しく低下してしまう等の問題である。
第2の問題点は、超微粒子化することにより上記の可視光透明性を改善することが可能であるが、一方で比表面積の増大に伴い光触媒活性が著しく増大し、印刷物の耐候性が悪化してしまう点や、亜鉛イオン溶出性が著しく増大し酸化亜鉛微粒子の凝集、ゲル化を引き起こしてしまう点である。
【0006】
このような酸化亜鉛粒子を使用した紫外線吸収性印刷物として、0.1μ以下の酸化亜鉛微粉末を透明樹脂に添加した樹脂成形体(例えば特許文献1参照)が提案されている。また、分散性や耐光性を改良するため、酸化亜鉛微粒子を内包させた樹脂粉体とビヒクル成分からなる紫外線遮蔽性塗料及び紫外線遮蔽膜付き加工品(例えば特許文献2参照)が提案されている。しかし、これらの酸化亜鉛含有樹脂成形体、樹脂被覆酸化亜鉛では、光触媒活性や亜鉛イオン溶出性を抑制する効果が不十分であり、有機系素材(印刷物基材並びに印刷インキ)の劣化を回避できず、実用的な耐久性が不十分であった。
【0007】
グラビア印刷は、通常食品、医薬品、化粧品等の包装材用の印刷物、紫外線カット用印刷物等に広範囲に使用されており、この場合のグラビア印刷インキに酸化亜鉛微粒子を添加し紫外線遮蔽性能を付与することで、印刷物へ容易に紫外線遮蔽性能を有する包装用印刷物紫外線カット印刷物を得ることができる。しかし、この際通常の酸化亜鉛微粒子を使用した場合には、上述の如き問題が生じる。
また、近年の有機溶剤の排出規制の動向が強まる中、印刷インキにおいても水性化が進められてきているが、とりわけ酸化亜鉛微粒子を含水溶媒に分散させようとすると、亜鉛微粒子から亜鉛イオンの溶出が激しくなり、また酸化亜鉛微粒子の凝集・ゲル化が加速される問題がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−171130号公報
【特許文献2】
特開平9−208864号公報
【特許文献3】
再公表WO98/47476号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、光触媒活性抑制、金属イオン溶出抑制及び分散安定性の良好なシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキと、それを用いてグラビア印刷で塗布して紫外線遮蔽層を具備した、紫外線遮蔽能、透明性、耐候性、安全性に優れた包装用印刷物紫外線カット印刷物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、酸化亜鉛微粒子の表面が緻密なシリカ薄膜で被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子が、有機溶剤あるいは水系溶媒に高濃度に分散させても金属イオンの溶出を伴わず、且つ豊富な表面電荷に依存した粒子反発力により、凝集・ゲル化することなく良好な分散安定性を有するグラビア印刷インキとすることが可能であることを見いだした。
そして、グラビア印刷においては、そのシリカ被覆酸化亜鉛微粒子のグラビア印刷インキ中での良好な分散性に依存した良好な紫外線遮蔽能、透明性を有し、さらには薄膜シリカ被覆による光触媒活性が十分に抑制され、耐候性に優れた包装用印刷物紫外線カット印刷物を容易に成形でき、油脂含有食品等の風味保持、変色防止や医薬品・化粧品等の有効成分の分解抑制に好適であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、次の事項に関する。
[1] 表面をシリカにより被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキ、
【0012】
[2] シリカ被覆酸化亜鉛微粒子をさらに疎水性付与剤にて表面処理してなる表面疎水化されたシリカ被覆酸化亜鉛を含有することを特徴とする上記[1]に記載のグラビア印刷インキ、
[3] 疎水性付与剤が、シリコン油類、アルコキシシラン類、シランカップリング剤類及び、高級脂肪酸塩類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の疎水性付与剤である上記[2]に記載のグラビア印刷インキ、
【0013】
[4] シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均一次粒子径が5〜200nmであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のグラビア印刷インキ、
[5] シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径(当該グラビア印刷インキ中での分散粒径)が0.5μm以下であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のグラビア印刷インキ、
[6] 印刷に供試する際の粘度が、ザーンカップ粘度計(型式No.417)にて13〜20秒であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のグラビア印刷インキ、
[7] 表面をシリカにより被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子及び有機系紫外線吸収剤を併用した上記[1]〜[6]に記載のグラビア印刷インキ、
【0014】
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかに記載のグラビア印刷インキを用いて印刷され、紫外線遮蔽層が表面に形成されていることを特徴とする紫外線カット印刷物、
[9] 紫外線遮蔽率が85%以上、且つヘイズが10%以下であることを特徴とする上記[8]に記載の紫外線カット印刷物、
[10] オリーブオイル過酸化物価法により測定した過酸化物価増加度が15meq/kg以下、且つカルボニル価法により測定したカルボニル価増加度が1.5以下であることを特徴とする上記[8]または[9]に記載の紫外線カット印刷物、
【0015】
[11] グラビア印刷で形成された紫外線遮蔽層の乾燥厚みが、0.5〜2.5μmであることを特徴とする上記[8]〜[10]のいずれかに記載の紫外線カット印刷物、
[12] グラビア印刷の基材印刷物への塗布量が、5〜10g/mであることを特徴とする上記[8]〜[11]のいずれかに記載の紫外線カット印刷物、
[13] 紫外線カット印刷物におけるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の坪量が、0.5〜2g/mであることを特徴とする上記[8]〜[12]のいずれかに記載の紫外線カット印刷物、及び
[14] 紫外線カット印刷物が、食品用、医薬品用、化粧品用、雑貨用、工業製品用の包装紙、セロファン、フィルム及び金属箔のいずれか1種であるであることを特徴とする上記[8]〜[13]のいずれかに記載の紫外線カット印刷物、を開発することにより上記の課題を解決した。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では、等電点が3以下、好ましくは2.5以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を用いることを特徴とする。
【0017】
無機系紫外線遮蔽剤として利用される金属酸化物粉末を水中に浸漬すると、金属酸化物粒子はプラス又はマイナスの電荷を持つ。そして、電場をかけると、電場内で対極に向かって泳動する。この電気泳動によって、粉末の水中における表面荷電すなわち界面電位(ゼータ電位)の存在を知ることができる。界面電位は、金属酸化物−水相のpHによって大きく変化する。界面電位発生の由来は、金属酸化物表面の水酸基が水相のpHに対応して解離し、酸性側では界面電位はプラス、アルカリ性側ではマイナスの電位を帯びる。界面電位が0となるpHを等電点という。等電点は結晶表面の水酸基の酸・塩基特性を示す指標であり、金属酸化物の種類によって異なる。例えば、酸化チタンは5〜6、アルミナは8〜9、シリカは2〜2.5、ヘマタイトは6〜7である等が報告されている。水相のpHが等電点より離れるほど、大きな界面電位を持ち、粒子反発力が大きくなる。
【0018】
従来、紫外線遮蔽のために用いられる酸化亜鉛微粒子は、等電点が8〜9.5であって、印刷インキ、とりわけ水溶性インキでは、粒子間の電気的反発力が弱いためにインキ中の樹脂成分とのイオン引力あるいはファンデルワールス力が作用して凝集が生じていたと考えられる。
シリカ被覆酸化亜鉛微粒子とは、表面がシリカにより被覆された酸化亜鉛微粒子であるが、従来のシリカ被覆酸化亜鉛は等電点が4〜9であった。これは、シリカそのものの等電点は2程度であるが、従来の方法で酸化亜鉛微粒子をシリカ被覆する場合、シリカが粒子状で被覆されたり、シリカ被覆が不均一であったり、緻密に被覆できなかったりしたために、基材である酸化亜鉛微粒子の高い等電点が影響して、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子全体の等電点が比較的に高くなったものと考えられる。
【0019】
これに対して、本発明では、等電点が3以下、好ましくは2.5以下のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を用いる。等電点が3以下、好ましくは2.5以下ということは、シリカによる被覆状態が均一な薄膜状であり、酸化亜鉛表面が完全にシリカ膜で覆われており、且つ緻密であることに依存している。そのため、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子間の電気的反発力を大きくでき、更には金属イオン、とりわけ亜鉛イオンの溶出が抑えられため、これらの総合的な作用としてシリカ被覆酸化亜鉛微粒子同士または樹脂成分とのイオン性相互作用及びファンデルワールス力が小さくなり、高濃度に分散させても凝集・ゲル化することなく、良好な分散安定性を有するグラビア印刷インキとすることができることを見出したものである。
【0020】
シリカ被覆金属酸化物粉末の等電点が3より大きい場合は、界面電位(ゼータ電位)に基づく粒子反発力が小さくなり、且つ亜鉛イオンの溶出が生じるため、酸化亜鉛微粒子同士または樹脂成分との間に働くイオン引力又はファンデスワールス力により凝集が生じやすいため好ましくない。
本発明で用いる等電点が3以下、好ましくは2.5以下のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子は、例えば、特許文献3等に記載された製法により製造することができることを確認した。特許文献3に記載された製法のなかで、条件を適当に制御することで等電点が3以下、好ましくは2.5以下のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を製造することは可能である。
【0021】
しかし、本発明で用いるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子は等電点が3以下、好ましくは2.5以下であればよく、上記パンフレットに開示された製法によって製造されたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子末に限定されるものではない。
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の原料となる酸化亜鉛の製造法は特に制限はなく等電点が3以下、好ましくは2.5以下であればいかなる方法で製造されたものでもよい。電気亜鉛地金を蒸発酸化して得られるものや、硫酸亜鉛、塩化亜鉛のような水溶性塩の水溶液を中和して得られる水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、蓚酸亜鉛等を焼成して得られるもの等、またこれらの混合物であってもかまわない。また、吸収端の長波長紫外線側へのシフトや熱線遮蔽性能付与を目的にFe、Co、Al、Sn、Sb等の異種元素をドープし酸化亜鉛、更には酸化亜鉛を主成分としSi、Al、Fe、Co、Zr、Ce、Sn、Sb等より選ばれる元素の結晶性又は非結晶性酸化物を含む混結晶酸化物又は複合酸化物であってもかまわない。
【0022】
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子は、さらに疎水性付与剤にて表面処理してなる表面疎水化されたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子であっても良い。
等電点が3以下のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を疎水性付与剤で表面処理する方法は、公知の方法が使用できる。例えば、V型混合機、ヘンシェルミキサー等の混合機で攪拌されている前記のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子に、疎水性付与剤あるいは疎水性付与剤の有機溶媒溶液をスプレー等の方法で添加し、さらに混合を続け、粉体の表面に均一に付着させ、乾燥し、さらに必要があれば、強固に付着させるために加熱する方法を用いることができる。
【0023】
また、水又は有機溶媒又は混合溶媒にシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を分散した液に、疎水性付与剤、またはその溶液及び反応触媒等を加え、さらに攪拌した後、表面処理を行う方法を用いることができる。この場合、固・液分離後に乾燥を行うことにより、表面疎水化されたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子粉末を得ることができる。
【0024】
疎水性付与剤は、特に限定されないが、例えば、ロウ、高級脂肪酸トリグリセライド、高級脂肪酸、高級脂肪酸多価金属塩、高級脂肪族硫酸化物の多価金属塩等の高級脂肪酸、高級アルコールまたはそれらの誘導体、パーフロロ化または部分フッ素化した高級脂肪酸及び高級アルコール等の有機フッ素化合物、シリコーン油類、有機アルコキシシラン類、有機クロロシラン類、及びシラザン類等の有機硅素化合物が使用できる。高級脂肪酸多価金属塩、シリコーン油、有機アルコキシシラン類が好ましく用いられる。
【0025】
疎水性付与剤の被覆量は、該疎水性付与剤が原料のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の表面を完全に被覆できる量であればよく、特に制限はないが、通常、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子に対して0.1〜30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは1〜20質量%以下である。0.1質量%未満では充分な疎水性が得られない点で好ましくない。30質量%を越えると、単位重量当たりの酸化亜鉛含有量の減少により紫外線遮蔽能の低下を来してしまうため好ましくない。
【0026】
シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の一次粒子径は、印刷可能であれば特に制限はないが、透明性を必要とする印刷物であるときは5〜200nm、更に好ましくは5〜120nmが好ましい。一次粒子径が5nmより小さいとグラビア印刷インキの調製時に粉塵が激しく取り扱いが難しく、更にコストが高く経済的ではない。また200nmより大きい場合には、透明性が低くなる。
シリカ被覆の膜厚は、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の等電点が3以下であることを満たしていれば特に制限されるものではないが、膜厚が薄すぎると等電点が3より大きくなる場合が生じることがあり、一方、膜厚が厚くなるほど、等電点3以下を満たすとともに光触媒活性や金属イオン溶出が抑制されるが、質量当たりの紫外線防御能が低下する等の不具合も生じる傾向がある。
【0027】
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径(当該グラビア印刷インキ中での分散粒径)は0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下である。平均凝集粒径が0.5μmを越えると充分な紫外線遮蔽能、透明性が得られにくい。
本発明の印刷に供試する際のグラビア印刷インキ中のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の含有分散濃度は、5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%である。5質量%未満では分散は容易だが紫外線遮蔽性能が不十分となり好ましくない。一方、40質量%より高濃度ではゲル状になる等の分散不良や増粘等の問題が生じたり、印刷塗布後の印刷物が白くなり透明性を損なうばかりでなく、経済的にも不利となるため好ましくない。
【0028】
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛は光触媒活性が十分に抑制されているため、シリカ被覆酸化亜鉛に有機系紫外線吸収剤を併用することも有効な手段である。この場合、有機系紫外線吸収剤を製品や環境の汚染等の有機系紫外線吸収剤の使用に起因する問題点を生じない範囲で、微量添加し、シリカ被覆酸化亜鉛と有機系の紫外線吸収剤を併用することにより両者の利点を利用できるようにしてもよい。この場合の有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤あるいはシアノアクリレート系紫外線吸収剤などが例示される。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等がある。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等がある。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−タ−シャリ−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−5−ジタ−シャリ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等がある。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等がある。
【0029】
本発明の印刷に供試する際のグラビア印刷インキの粘度は、25℃、ザーン粘度計ザーンカップ型式No.417、25℃にてインキが完全に流れ落ちる時間として13〜20秒、好ましくは15〜18秒である。ザーン粘度が13秒未満では、粘度が低くシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の分散安定性を損ねてインキ保存時あるいは印刷時に経時的に沈降してしまい印刷が不均一になるため好ましくない。一方、ザーン粘度が20秒を越えると、グラビア印刷で一般的に用いられる30〜40μmの版深を有する印刷版を用いた場合、印刷時に基材印刷物に転移される塗工量が不十分となり充分な紫外線遮蔽能が得られず、仮に比較的深い版深の印刷版を用いて塗工しても塗工量が不均一になったりするため好ましくない。
【0030】
本発明のグラビア印刷インキの形態は、特に制限はなく、油性でもよく、水性(エマルション、水溶性)であってもよい。むしろ、水性であっても上述の如くシリカ被覆酸化亜鉛微粒子表面の豊富な電荷反発や亜鉛溶出抑制により良好な分散安定性を発現できる。また、1液性ばかりでなく、2液以上を混合して用いるものであってもよく、反応を伴うものであってもよい。
本発明のグラビア印刷インキに使用する溶媒は特に制限はなく、インキの種類に応じて親油性、親水性、水溶性の各種溶媒(水を含む)を用いることができる。また、溶媒はその機能(シンナー、リタダー、レベリング剤など)に対応して複数の種類の混合物であってもよい。
【0031】
本発明のグラビア印刷インキ中の樹脂成分としては、特に制限はなく、一般的に使用される成分であれば良く、天然あるいは合成の各種ポリマー、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を使用することができる。例えばポリビニールアルコール、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、ポリアクリルアミド、アクリルアミド、アクリルシリコーン等が挙げられる。反応型のインキの場合には触媒、開始剤、架橋剤、硬化剤なども含有することができる。
樹脂成分の添加量は、例えば1〜25質量%、好ましくは5〜20質量%である。含有量が1質量%以下だと、塗工後に十分な接着性を有さないことがある。また25質量%を越えると増粘等の問題が生じるばかりか経済的にも不利となる。
【0032】
本発明のグラビア印刷インキは、必要に応じて各種の添加剤を含有することができる。例えば、界面活性剤、防腐剤、可塑剤、乾燥剤、顔料、染料、顔料湿潤剤、顔料分散剤、防食剤、流動性調整剤、防かび剤、沈降防止剤、湿潤剤、たれ止め剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明のグラビア印刷インキは、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を所定濃度になるように溶剤や他成分を含む組成物に添加し、分散機にて分散させることによって得られる。分散方法は特に限定するものではないが、分散機として湿式媒体ミルを使用する方法が好ましい。本発明のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子はこのような強力な解砕力を付与して二次粒子を解砕してもシリカ被膜が剥離することが無いため、裸の酸化亜鉛表面の露出が無く金属イオンの溶出性や光触媒活性が増加することが無い。
【0033】
本発明の紫外線カット(遮蔽)印刷物は、上述の薄膜シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキを用いてグラビア印刷で印刷して紫外線遮蔽層を表面に形成することを特徴とする。
グラビア印刷は通常の印刷技術に従った方法にて実施されればよく、その印刷方法には特に制限はない。例えば、印刷物基材ロールより連続して被印刷物を引き出し搬送ローラにて搬送する。この搬送途中で被印刷物の上面にグラビア印刷により、本発明の薄膜シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキを塗布する。そして、この塗布された印刷物を加熱処理して前記溶剤を気化させて紫外線遮蔽層を被印刷物の上面に形成する。
【0034】
用いる印刷物基材は特に制限はなく、乾燥温度に対して耐熱性を有する材質、包装する内容物にあった目的を有する材質のものを適宜選択すればよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフイン、ナイロン6、ナイロン66、アラミドなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネートのような合成樹脂、またハトロン紙や和紙のような紙、あるいは金属箔又はそれらのラミネート材などでもよく、包装に使用する印刷物もしくはシート状のものであれば材質に制限を受けない。また、必ずしも透明である必要はなく、半透明でも良いが、包装内容物つまり中味が見えるという点で透明なものがもちろん好ましい。
【0035】
グラビア印刷で形成される紫外線遮蔽層の乾燥厚みは、0.5〜2.5μm、好ましくは1〜2μmである。乾燥厚みが0.5μm未満では、充分な紫外線遮蔽能が得られにくい。一方、2.5μmを越えるためには塗布量を多量にする必要があり上述のごとく経済的に不利となるため好ましくない。
グラビア印刷での基材印刷物へのインキ塗布量は、5〜10g/m、好ましくは6〜8g/mである。塗布量が5g/m未満では、充分な紫外線遮蔽能が得られにくい。一方、10g/mを越えると溶剤の乾燥に時間を要するため印刷速度を遅くする必要があり経済的に不利となるため好ましくない。
【0036】
包装用印刷物紫外線カット印刷物におけるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の坪量は、0.5〜2g/m、好ましくは0.7〜1.5g/mである。坪量とは、1m2当たりのシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の担持量に相当する。シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の坪量が0.5g/m未満では充分な紫外線遮蔽能が得られにくい。一方、2g/mを越えると印刷物が白くなり透明性を損なうばかりでなく、経済的にも不利となるため好ましくない。
グラビア印刷に用いる印刷版も、特に制限はなく、従来の印刷技術に従った材質、セル形状や版深のもの用いることができるが、セル形状や版深に関しては、前述の塗布量または乾燥厚みを満足する範囲のものを選択すればよい。
【0037】
また、乾燥温度、印刷速度は、溶剤の気化が問題なく進行する範囲で適宜選択すればよい。包装印刷物に溶剤、とりわけ有機溶剤が残存すると包装内容物への移行・接触等の安全上問題であるので、溶剤の残存のない条件を選択する必要がある。
本発明の包装用印刷物紫外線カット印刷物は、グラビア印刷後に他の印刷物をラミネートし多層化したもの、更にはヒートシールにより製袋化したものを含む。本発明により形成される紫外線遮蔽層は、ラミネートやヒートシールの際に強度的に問題が生じない性質、形状を有する。そして、本包装用印刷物紫外線カット印刷物は食品用、医薬品用、化粧品用食品用、医薬品用、化粧品用、雑貨用、工業製品用であることを特徴とする。
【0038】
本発明の包装用印刷物紫外線カット印刷物は、紫外線遮蔽率が85%以上、好ましくは90%以上であり、且つヘイズが10%以下、好ましくは5%以下であることを特徴とする。紫外線遮蔽率が85%未満では、紫外線遮蔽能が不十分であり、包装する内容物である食品、医薬品、化粧品等の酸化、変色や有効成分の分解が生じ、品質低下を来すので好ましくない。ヘイズが10%以上では、透明性が不十分で包装する内容物つまり中味が見えにくくなり好ましくない。
【0039】
本発明の包装用印刷物紫外線カット印刷物は、紫外線遮蔽性能の指標として、オリーブオイル過酸化物価法及びカルボニル価法により測定した、オリーブオイルの過酸化物価増加度が15meq/kg以下、好ましくは10meq/kg以下であり、且つオリーブオイルのカルボニル価増加度が1.5下、好ましくは1以下であることを特徴とする。油脂は酸素存在下での紫外線照射より酸化され過酸化物が生成される。さらに酸化が進むとC−C結合の分解・解裂によりカルボニル化合物が生成される。これが油脂の変敗であり、油脂の風味が悪化、酸っぱい変敗臭の発生といった品質劣化や衛生上の諸問題に発展する。過酸化物価は、油脂1kg中の過酸化物のミリ当量数を表し、カルボニル価は、カルボニル化合物の当量数を示す。各数値が大きいほど、油脂の酸化が生じていることを示す。紫外線を遮蔽することにより油脂の変敗を防止することができ、紫外線を85%以上、好ましくは90%以上遮蔽することにより、油脂の酸化を防ぎ、過酸化物価及びカルボニル価の増加を抑制することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
[測定方法]
(等電点)
シリカ被覆酸化亜鉛微粒子1gを蒸留水99gに分散し、ゼータ電位測定機(DELSA440SX Beckman Coulter社製)にて等電点を測定した。
【0041】
(平均一次粒子径)
シリカ被膜酸化亜鉛微粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM2010、加速電圧200V)により観察し、粒子100個を任意に抽出し、各粒子の粒子径を測定し、平均粒子径を算出した。
【0042】
(光触媒活性の測定:サンセットイエロー法)
色素であるサンセットイエローFCF(和光純薬株式会社製)を98質量%グリセリンに色素濃度が0.02質量%となるように溶解した。シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を0.067質量%となるように分散させ、該分散液に紫外線照射(紫外線強度1.65mW/cm)した。光路長1mmでサンセットイエローFCFの最大吸収波長である490nmの吸光度を経時的に分光光度計(SHIMADZU社製UV−160)で測定し、該吸光度減少速度と空試験(酸化亜鉛の添加無し)での吸光度減少速度の差(ΔABS490/hr)を計算した。吸光度減少速度の差(ΔABS490/hr)が小さい方が、光触媒活性が抑制されていると判断できる。
【0043】
(平均凝集粒径)
シリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキをの0.1重量%水溶液にシリカ被膜酸化亜鉛微粒子を1重量%になるように添加し、超音波洗浄機(SHIMAZU製 SUS−103)にて24KHz、10分間分散する。この分散液を用いて粒度分布計(日機装(株)製 MAICROTRAC UPA
9340−UPA)により累積平均径(Median径)を測定した。
【0044】
(グラビア印刷インキの粘度)
ザーン(Zahn)粘度計ザーンカップ型式No.417((株)離合社製)にインキを満たした後に、ザーンカップ下部の穴よりインキが完全に流れ落ちる時間を測定した。測定する際のインキ温度は25℃とした。
【0045】
(印刷物の紫外線遮蔽率:光透過率の測定)
分光光度計(島津(株)製、UV−160)を用いて印刷物の光透過率の測定を行った。波長350nmの光透過率(X%)を測定し、紫外線遮蔽率は下式により求めた。
紫外線遮蔽率(%)=100−X
【0046】
(印刷物のヘイズ)
ヘイズメーター((有)東京電色製、TC−H3DPK)を用いて印刷物のヘイズ(曇り度)を測定した。
(耐候性試験)
酸化亜鉛坦持印刷物をスガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウエザーメーターWEL−SUN−HCH型に180時間かけて、光触媒作用による耐候劣化試験を行った。評価は、サンシャインスーパーロングライフウエザーメーターにかける前後の印刷物のヘイズをヘイズメーター((有)東京電色製、TC−H3DPK)により測定し、ヘイズの変化によって行った。ヘイズの変化の小さい方が光触媒作用による耐候劣化が抑制されてと判断できる。
【0047】
(紫外線防御能:オリーブオイル過酸化物価試験法及びカルボニル価試験法)
オリーブ油2gを10ml容透明ガラスビン入れ、酸化亜鉛含有印刷物にて全面をカバーし、撹拌下紫外線を25時間照射した。紫外線強度は1.35mW/cmとした。紫外線照射前後のオリーブオイルの過酸化物価 及び カルボニル価の変化を基準油脂分析試験法(日本油化学協会編1998年)に準じて測定した。過酸化物価及び カルボニル価の変化の小さい方が紫外線防御能が良好であると判断できる。
【0048】
(紫外線防御能:豆菓子の風味保持試験)
包装用印刷物紫外線カット印刷物に豆菓子を入れ、紫外線を48時間照射した。紫外線強度は1.35mW/cmとした。紫外線照射前後の豆菓子を試食し風味について10人のボランティアにより官能試験をし、以下の様に3段階で評価した。
+: 紫外線照射前後で風味の変化を感じない
±: 紫外線照射後に僅かに風味の劣化を感じる
−: 紫外線照射後に明らかに風味の劣化を感じる
【0049】
[実施例1]
40体積%含水エタノールに酸化亜鉛(昭和タイタニウム株式会社製 UFZ−40、平均一次粒子径25nm)を8質量%にて分散後、アンモニアを0.09mol/Lになるよう添加する。45℃にて撹拌下、テトラエトキシシランをSiO 換算で酸化亜鉛の質量に対して25質量%になるよう9時間かけて滴下した後、12時間、45℃にて撹拌維持した。固形分を濾過し、乾燥、粉砕を経てシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を得た。このシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の等電点は2.1であった。平均一次粒子径は31nm。サンセットイエロー法による光触媒活性度(ΔABS490/hr)は0であり、光触媒活性が完全に消失していた。
【0050】
この等電点2.1のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子15質量部、油性メジウム(東洋インキ製造(株)製 NEWファインR)45質量部、希釈溶剤(東洋インキ製造(株)製 NF−TK3溶剤)40質量部の混合液に、さらにジルコニアビーズ(φ0.4mm)を液と当容量添加して、ペイントシェイカー(RED DEVIL)にて3hr混合分散することによりグラビア印刷インキを得た。得られたインキ中のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径は0.3μmであった。また、得られたインキのザーンカップ粘度は16秒であった。
【0051】
この得られたグラビア印刷インキを用いて、グラビア印刷を通常技術に従って実施した。印刷物材はポリポロピレン(東セロ(株)製 OPU1、25μm厚)を使用し、インキ塗布量7g/m、シリカ被覆酸化亜鉛の坪量1g/m、乾燥温度80℃、印刷スピード80m/minでベタ印刷した。その後、紫外線遮蔽層面に対してポリプロピレン(東セロ(株)製 GLC、25μm厚)をドライラミネートし、包装用印刷物紫外線カット印刷物とした。
【0052】
得られた包装用印刷物紫外線カット印刷物について、紫外線遮蔽率測定、ヘイズ測定、耐候性試験、オリーブオイル過酸化物価及びカルボニル価試験、豆菓子の風味保持試験を実施した結果を表1に示す。
紫外線を90%以上遮蔽することにより油脂の酸化が充分抑制されたことに依存し、豆菓子の風味を保持することができた。また、ヘイズは4.5%と小さく、透明性に優れていた。且つ、耐候性試験においては、ヘイズの変化が0.4%と小さく光触媒活性による耐候劣化は非常に少なく、耐候性に優れていた。
【0053】
[実施例2]
実施例1の等電点2.1のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子15質量部、水性メジウム(東洋インキ製造(株)製 JW240AQLP)45質量部、希釈溶剤(東洋インキ製造(株)製 AQLP101溶剤)40質量部の混合液に、さらにジルコニアビーズ(φ0.4mm)を液と当容量添加して、ペイントシェイカー(RED DEVIL)にて3hr混合分散することによりグラビア印刷インキを得た。得られたインキ中のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径は0.25μmであった。また、得られたインキのザーンカップ粘度は17秒であった。
【0054】
この得られたグラビア印刷インキを用いて、グラビア印刷を通常技術に従って実施した。印刷物材はポリポロピレン(東セロ(株)製 OPU1、25μm厚)を使用し、インキ塗布量7g/m、シリカ被覆酸化亜鉛の坪量1g/m、乾燥温度90℃、印刷スピード80m/minでベタ印刷した。紫外線遮蔽層の乾燥厚みは1.5μmであった。その後紫外線遮蔽層面に対してポリプロピレン(東セロ(株)製 GLC、25μm厚)をドライラミネートし、包装用印刷物紫外線カット印刷物とした。
得られた包装用印刷物紫外線カット印刷物について、紫外線遮蔽率測定、ヘイズ測定、耐候性試験、オリーブオイル過酸化物価及びカルボニル価試験、豆菓子の風味保持試験を実施した結果を表1に示す。
【0055】
紫外線を90%以上遮蔽することにより油脂の酸化が充分抑制されたことに依存し、豆菓子の風味を保持することができた。また、ヘイズは6%と小さく、透明性に優れていた。且つ、耐候性試験においては、ヘイズの変化が0.5%と小さく光触媒活性による耐候劣化は非常に少なく、耐候性に優れていた。
【0056】
[比較例1]
実施例1において、等電点2.1のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を、酸化亜鉛微粒子(昭和タイタニウム株式会社製 UFZ−40、平均一次粒子径25nm)に代えて用いた以外は、実施例1と同じ操作を行い、グラビア印刷インキを得た。ここで用いた酸化亜鉛微粒子のサンセットイエロー法による光触媒活性度(ΔABS490/hr)は12であり、光触媒活性が非常に高いものであった。
得られたインキ中の酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径は1.4μm、インキのザーンカップ粘度は23秒であり、酸化亜鉛微粒子の凝集及びゲル化が認められた。このことは、亜鉛イオンの溶出性によるものと考えられる。
【0057】
得られたグラビア印刷インキについて、実施例1と同じ操作で包装用印刷物紫外線カット印刷物の作製及び各種評価を行った結果を表1に示す。
紫外線遮蔽層の乾燥厚みは1.8μmであった。得られた包装用印刷物紫外線カット印刷物の紫外線遮蔽率は72%と低く、油脂の酸化の進行が認められ、豆菓子の風味保持性にも劣るものであった。また、ヘイズは18%と大きく、透明性も劣り、インキ中での酸化亜鉛微粒子の凝集を反映していた。且つ、耐候性試験においては、ヘイズの変化が8%と大きく、光触媒活性による耐候劣化が大きいことがわかる。
【0058】
[比較例2]
実施例1において、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子調製時のテトラエトキシシランの滴下量を代えて等電点5のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を調製した。平均一次粒子径は26nm。サンセットイエロー法による光触媒活性度(ΔABS490/hr)は4であり、光触媒活性を有する。
この等電点5のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行い、グラビア印刷インキを得た。
得られたインキ中の酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径は0.8μm、インキのザーンカップ粘度は19秒であり、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の凝集及びゲル化の傾向が僅かに認められた。このことは、亜鉛イオンの溶出抑制がまだ不十分なことによるものと考えられる。
【0059】
得られたグラビア印刷インキについて、実施例1と同じ操作で包装用印刷物紫外線カット印刷物の作製及び各種評価を行った結果を表1に示す。
紫外線遮蔽層の乾燥厚みは1.5μmであった。得られた包装用印刷物紫外線カット印刷物の紫外線遮蔽率は81%と低く、油脂の酸化の進行が認められ、豆菓子の風味保持性にも劣るものであった。また、ヘイズは12%と大きく、透明性も劣り、インキ中での酸化亜鉛微粒子の凝集を反映していた。且つ、耐候性試験においては、ヘイズの変化が5%と大きく、光触媒活性による耐候劣化も生じていることがわかる。
【0060】
[比較例3]
実施例1において、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子調製時のテトラエトキシシランの滴下量を代えて等電点3.5のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を調製した。平均一次粒子径は27nm。サンセットイエロー法による光触媒活性度(ΔABS490/hr)は1であり、光触媒活性の抑制が不十分である。
この等電点3.5のシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行い、グラビア印刷インキを得た。
【0061】
得られたインキ中の酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径は0.35μm、インキのザーンカップ粘度は17秒であり、シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の凝集及びゲル化は認められなかった。
得られたグラビア印刷インキについて、実施例1と同じ操作で包装用印刷物紫外線カット印刷物の作製及び各種評価を行った結果を表1に示す。
紫外線遮蔽層の乾燥厚みは1.4μmであった。紫外線を90%遮蔽することにより油脂の酸化が充分抑制されたことに依存し、豆菓子の風味を保持することができた。また、ヘイズは5%と小さく、透明性に優れていた。また、耐候性試験においては、ヘイズの変化が3%と大きく、光触媒活性による耐候劣化が生じていることがわかる。
【0062】
【表1】
Figure 2004339396
【0063】
【発明の効果】
本発明は、光触媒活性の低い耐候性、安定性、安全性に優れたシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキ及びそれを用いて形成された紫外線遮蔽層を具備する紫外線遮蔽能が高い紫外線遮蔽用印刷物に関するものである。
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛は、シリカコートを完全にすることにより光触媒活性抑制、亜鉛イオン溶出抑制及び良好な安定した分散安定性を有するため、それを配合したグラビア印刷インキを使用して印刷された紫外線カット印刷物は、紙、フィルム等の印刷物基材及びインキの樹脂が光触媒活性により劣化されることが少なく、また有機系紫外線吸収剤を併用したときにあってもそれらの性能を十分に発揮させる性能を有する。
この紫外線カット印刷物は、安定した紫外線遮蔽能を有するだけでなく透明性、耐候性、安全性に優れた印刷物を提供するものである。

Claims (14)

  1. 表面をシリカにより被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子を含有するグラビア印刷インキ。
  2. シリカ被覆酸化亜鉛微粒子をさらに疎水性付与剤にて表面処理してなる表面疎水化されたシリカ被覆酸化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷インキ。
  3. 疎水性付与剤が、シリコン油類、アルコキシシラン類、シランカップリング剤類及び、高級脂肪酸塩類からなる群から選ばれる1種又は2種以上の疎水性付与剤である請求項2に記載のグラビア印刷インキ。
  4. シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均一次粒子径が5〜200nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラビア印刷インキ。
  5. シリカ被覆酸化亜鉛微粒子の平均凝集粒径(当該グラビア印刷インキ中での分散粒径)が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラビア印刷インキ。
  6. 印刷に供試する際の粘度が、ザーンカップ粘度計(型式No.417)にて13〜20秒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のグラビア印刷インキ。
  7. 表面をシリカにより被覆された、等電点が3以下であるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子及び有機系紫外線吸収剤を併用した請求項1〜6のいずれか1項に記載のグラビア印刷インキ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のグラビア印刷インキを用いて印刷され、紫外線遮蔽層が表面に形成されていることを特徴とする紫外線カット印刷物。
  9. 紫外線遮蔽率が85%以上、且つヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項8に記載の紫外線カット印刷物。
  10. オリーブオイル過酸化物価法により測定した過酸化物価増加度が15meq/kg以下、且つカルボニル価法により測定したカルボニル価増加度が1.5以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の紫外線カット印刷物。
  11. グラビア印刷で形成された紫外線遮蔽層の乾燥厚みが、0.5〜2.5μmであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の紫外線カット印刷物。
  12. グラビア印刷の基材印刷物への塗布量が、5〜10g/mであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の紫外線カット印刷物。
  13. 紫外線カット印刷物におけるシリカ被覆酸化亜鉛微粒子の坪量が、0.5〜2g/mであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の紫外線カット印刷物。
  14. 紫外線カット印刷物が、食品用、医薬品用、化粧品用、雑貨用、工業製品用の包装紙、セロファン、フィルム及び金属箔のいずれか1種であるであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の紫外線カット印刷物。
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