JP2004331132A - プラスチック製液体タンク - Google Patents
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Abstract
【目的】タンク本体を最小の角度だけ持ち上げ、車輪により楽に移動させることができるプラスチック製液体タンクを提供する。
【構成】横長のタンク本体11を有し、タンク本体11の下隅に移動用の車輪13、14を設け、車輪13、14にかかる対角線上においてタンク本体11の上隅に相当する位置に外側への張り出し部20を設け、張り出し部20の側面に軸支部21、22を設けるとともに、そこにハンドル23を軸支し、さらに張り出し部20の上面の開口30を少なくともその一部がかかるように設けたプラスチック製液体タンク。
【選択図】 図4
【構成】横長のタンク本体11を有し、タンク本体11の下隅に移動用の車輪13、14を設け、車輪13、14にかかる対角線上においてタンク本体11の上隅に相当する位置に外側への張り出し部20を設け、張り出し部20の側面に軸支部21、22を設けるとともに、そこにハンドル23を軸支し、さらに張り出し部20の上面の開口30を少なくともその一部がかかるように設けたプラスチック製液体タンク。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の可搬型の液体タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリタンクなどとも通称されているプラスチック製のタンクは、例えば実開平5−77032号(従来例1)や登録実用新案第3027834号(従来例2)のもののように概してたてに長い形態を有している。しかしながらたて型タンクを付属車輪により移動させるのは骨がおれるということが経験的に知られている。その理由は、従来例2の図2に示されているように、タンクを中立付近で支えながら前進させるために、この姿勢が保たれるように常に注意し続けなければならず、神経を使うからである。
【0003】
従来例2の図2のように、グリップが人の手の位置に来るほど大型のタンクである場合はまだしもである。低過ぎる場合にはグリップをつかんで前に倒す加減を感じながら歩かねばならない上に、腰をかがめたり背中を丸める姿勢を強いられるので、たて型タンクを引いて歩くことは簡単ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、車輪により楽に移動させることができるプラスチック製液体タンクを提供することである。また本発明の他の課題は、水等の液体を入れやすく、また内部を清掃しやすいプラスチック製液体タンクを提供することである。さらに本発明の他の課題は、タンク本体の張り出し部にハンドルを取り付けられるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明は、プラスチック製の可搬型の液体タンクとして、横長のタンク本体を有し、タンク本体の下隅に移動用の車輪を設け、車輪にかかる対角線上においてタンク本体の上隅に相当する位置に外側への張り出し部を設け、張り出し部の側面に軸支部を設けるとともに、そこにハンドルを軸支し、さらに張り出し部の上面に開口を少なくともその一部がかかるように設けるという手段を講じたものである。
【0006】
本発明の液体タンクは、主として水タンクを対象とし、例えば海や山でのキャンプ等に使用する飲料水タンク、或いは各地に湧出する名水、名湯を汲んで運ぶためなどに使用することを目的とする。しかし液体の運搬という点では、水以外の液体の運搬ができない訳ではなく、したがって液体一般が対象となる。
【0007】
この液体タンクは、横長のタンク本体を有することを特徴とする。横長の、とは、従来の技術の欄において言及した、たてに長いたて型タンクに対比されるものとして、よこに長いよこ型タンク、を意味する。横長の、或いはよこ型タンクは横に配置されかつ横長の姿勢を保って移動するものであるので、たて型タンクのように不安定な中立位置から離れており、安定感のある移動が保証されると考えられる。
【0008】
このタンク本体の下隅に移動用の車輪を設ける。車輪をどのように設けるか、基本的には自由に選択することができる。しかしブロー成形によって形成されるタンク本体には、射出成形品などの軸受部品を必要とせずに装着できる車輪構成を適用することが望ましい。このための技術としては、本発明と同一発明者、出願人の先願に係る軸受部を有するブロー成形体の発明を適用するのがベストである。同発明は、車軸等の軸体を取り付けるための、軸受部を有するブロー成形体であって、軸受部としてブロー成形体の表面又は表面に隣接する領域に凹入した溝部分を有し、溝部分は、軸体を保持可能な外れ止め手段を有し、外れ止め手段は前記ブロー成形と同時にブロー成形体に型成形されたものである、という構成を有している(特願2002−156303号)。
【0009】
タンク本体は、ブロー成形によって形成されることがベストである。その理由は、この種の液体タンクの製造技術がブロー成形法において確立しており、本発明の液体タンクも、ブロー成形製品のタンク本体について最も良く実施することができる、と考えられるからである。
【0010】
このようなタンク本体の下隅の車輪とタンク本体の上隅を通る対角線よりも外側に張り出し部が設けられる。対角線を有するか、或いは対角線に相当する線を想定できるタンク本体は、正面横長形状を有し、かつ直方体か、或いは直方体に近似の形態を有するものであることが望まれる。そのような形態を持つタンク本体の長手方向の上隅よりも外側に、張り出し部を設けるものである。張り出し部については、その両側面に軸受け部を設けるとともに、そこにハンドルを軸支するものとし、さらに張り出し部の上面に開口を少なくとも開口の一部がかかるように設ける。
【0011】
ハンドルは、ほぼU字形を有し、その端部に支軸が設けられていて、支軸は、軸部よりも大径の軸頭を有しており、またタンク本体の軸支部を構成している軸支部入口から軸支部内部に無理嵌めされた状態で取り付けられる。このことは、ハンドルだけで、抜け止めが完成するので好ましい構成である。このようなハンドルは、不使用時張り出し部の下に垂れ下がる状態とされ、かつその状態で、タンク本体側に設けられている係合部と相手係合部により係合可能となり、一定の位置に止められる。
【0012】
張り出し部上面に設ける開口は、少なくとも片手を差し込める程度の大きさを有する大型のものであることが望ましい。その結果、水等の液体を入れやすく、また内部を清掃しやすい液体タンクとなる。さらに、この開口とは反対側の端部に、注出口となる小型の開口を設けることができ、これら大型、小型の開口の間にはグリップ部が設けられる。張り出し部を設けずに大型、小型の開口を上面に配置した場合には、それらの間のグリップ部の位置が小型の開口側に片寄り、アンバランスになる可能性があるが、本発明では張り出し部を設けているのでグリップを目的の位置に配置することができ、アンバランスになるおそれはない。また張り出し部は、ハンドルを取り付ける場所として利用することができると同時に、グリップ部の位置を調整するためにも利用することができるので、一石二鳥である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図示の実施形態を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係るプラスチック製液体タンク10の斜視図であり、正面横長のタンク本体11はブロー成形によって形成された中空の殻状構造を持っている。そのタンク本体10の下隅には移動用の車輪13、14が設けられている。この車輪13、14は左右2個1対のもので、軸体12の両端に回転可能に設けられており、軸体12は前記本発明と同一発明者、出願人の先願記載の発明によってタンク本体11に取り付けられている(図2、図3参照)。
【0014】
即ち、タンク本体11の下隅には、軸受部として、タンク本体11の表面又は表面に隣接する凸状の領域16に凹入した溝部分15が設けてあり、溝部分15は、外れ止め手段として、横断面における全周の内ほぼ270度にわたって軸体12を保持するように構成されており、かつ溝部分15の樹脂が柔軟性を保っている温度条件の下にて軸体12を溝部分15に差し込み、その後の降温による樹脂の収縮によって軸体12の固定力を高めるように構成された軸受部が設けられている(図6参照)。溝部分15の縁は直角Rになっており、かつまた溝部分15の開口を一部で遮断するためにブリッジ部17を外れ止め手段として設けている。
【0015】
このような車輪13、14を通る対角線L上においてタンク本体11に上隅よりも外側に張り出し部20が設けられている。例示の張り出し部20は、タンク本体11の側面の途中から上方へ向かって膨らむように張り出しており、タンク本体11の上面は張り出し部20の分だけ拡張する。なお張り出し部20の幅はタンク本体11の幅よりもやや狭くなっており、ハンドルがタンク本体の幅内に収まり、はみ出さないので、引掛かるおそれがない。
【0016】
張り出し部20の両側面には、軸支部21、22が凹穴状に設けられているとともに、そこにハンドル23が軸支されている。例示のハンドル23は、ほぼU字形、というよりはほぼA字形を有し、その端部の支軸で軸支部21、22に軸支されているもので、支軸は軸部24よりも大径の軸頭25を有しており、それよりも小径の軸支部入口26から軸支部内に無理嵌めされた状態で取り付けられている。ハンドル23は、不使用時にはタンク本体側方の張り出し部下に垂れ下がる状態になり(図4)、かつその状態で、タンク本体側に設けられている係合部27と係合可能な相手係合部28を有している。
【0017】
タンク本体11の上面には大型の開口30が、その一部が張り出し部20の上面にかかるようにして設けられている。大型の開口30には大型のキャップ31がねじ込みによって着脱可能に取り付けられており、大型のキャップ31の内側には注出栓32が着脱可能に設けられている。タンク本体11には、大型の開口30とともに、小型の開口33がタンク本体上面の他端に位置するように設けられており、小型の開口33には小型のキャップ34がねじ込みによって着脱可能に取り付けられ、小型のキャップ34には前記注出栓32を装着し注水が行なえるようになっている。なお、この注出栓32は、本件発明と同一発明者による先登録実用新案第2149898号(実公平7−43003号)の考案を適用することができる。その場合、小型のキャップ34には、注出栓32を取り外したときに取り付け口を塞ぐ閉じ蓋35がねじ込みによって取り付けられる。
【0018】
そしてこれら大型の開口30と小型の開口33との間には、タンク本体11を持ち上げるときなどに使用されるグリップ部36が設けられている。2個の開口30、33の大きさが大型と小型で異なるために、これらの間にグリップ部36を設けると、グリップ部36の位置がタンク本体11の中央から小型の開口33寄りになるが、本発明では大型の開口30を張り出し部20にかけて設けることによって、小型の開口33から離れ、タンク本体11の中央付近に設定できるようになり、アンバランスが解消される。
【0019】
このような本発明のプラスチック製液体タンク10は、大型の開口30、グリップ部36、小型の開口33、ブリッジ部17、相手係合部28等を結ぶ線をパーティングラインに一致させて、ブロー成形によって製造することができる。車輪13、14もブロー成形で製造できるが、ハンドル23及び大型、小型のキャップ31、34、注出栓32は射出成形品の方が良い。なお、タンク本体11に用いたプラスチックはポリエチレン、軸体12に用いたのは金属である。
【0020】
このように構成された本発明のプラスチック製液体タンク10は、ハンドル
23を係合部27から外して手で持つと、横長のタンク本体11の前部のみ持ち上げられ、後輪となる車輪13、14によって荷重を支え、引いて歩くことができる(図7)。このときタンク本体は下面を引きずらない程度に僅かな角度だけ持ち上げれば良いので、たて型タンクのように中立付近でバランスを取る必要がなく、非常に安定性が良く、子供でも無理なく扱うことができる。
【0021】
またタンク本体内に水などを満たすには、大型のキャップ31を取り外して注入すれば良く、満たした水などを使用するには、注出栓32を図5に示すように小型のキャップ34に取り付け、かつタンク本体11の後端を接地させ立ててやれば、注水や、注水量の加減も容易に行なうことができる。注出栓32を使用せず、小型のキャップ34を取り外し、小型の開口33から直かに内容物を注出できることは当然である。注出栓32は、大型のキャップの外側にも取り付けることができる。なお、37はその取り付け口に施した小蓋を示す。タンク本体11の内部を洗浄する場合には、大型のキャップ31を取り外せば内部に片手を差し入れることができるので内部の隅々まで確実に洗浄することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、タンク本体内に液体を満たしやすいとともに、内部の掃除が容易となり、液体を満たして車輪により楽に移動させることができ、誰にでも簡単に扱えるので水専用タンクとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係るプラスチック製液体タンクの1実施形態を示す斜視図。
(b)同上のハンドルを取り付ける軸支部の拡大断面図。
【図2】同じくタンク本体の正面図。
【図3】同じく背面図。
【図4】同じく中央縦断面図。
【図5】タンク本体を立てた状態の説明図。
【図6】軸支部の拡大図。
【図7】使用状態の説明図。
【符号の説明】
11 タンク本体
13、14 車輪
15 溝部分
17 ブリッジ部
20 張り出し部
21、22 軸支部
23 ハンドル
24 軸部
25 軸頭
27 係合部
28 相手係合部
30 大型の開口
31 大型のキャップ
33 小型の開口
34 小型のキャップ
36 グリップ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製の可搬型の液体タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリタンクなどとも通称されているプラスチック製のタンクは、例えば実開平5−77032号(従来例1)や登録実用新案第3027834号(従来例2)のもののように概してたてに長い形態を有している。しかしながらたて型タンクを付属車輪により移動させるのは骨がおれるということが経験的に知られている。その理由は、従来例2の図2に示されているように、タンクを中立付近で支えながら前進させるために、この姿勢が保たれるように常に注意し続けなければならず、神経を使うからである。
【0003】
従来例2の図2のように、グリップが人の手の位置に来るほど大型のタンクである場合はまだしもである。低過ぎる場合にはグリップをつかんで前に倒す加減を感じながら歩かねばならない上に、腰をかがめたり背中を丸める姿勢を強いられるので、たて型タンクを引いて歩くことは簡単ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、車輪により楽に移動させることができるプラスチック製液体タンクを提供することである。また本発明の他の課題は、水等の液体を入れやすく、また内部を清掃しやすいプラスチック製液体タンクを提供することである。さらに本発明の他の課題は、タンク本体の張り出し部にハンドルを取り付けられるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明は、プラスチック製の可搬型の液体タンクとして、横長のタンク本体を有し、タンク本体の下隅に移動用の車輪を設け、車輪にかかる対角線上においてタンク本体の上隅に相当する位置に外側への張り出し部を設け、張り出し部の側面に軸支部を設けるとともに、そこにハンドルを軸支し、さらに張り出し部の上面に開口を少なくともその一部がかかるように設けるという手段を講じたものである。
【0006】
本発明の液体タンクは、主として水タンクを対象とし、例えば海や山でのキャンプ等に使用する飲料水タンク、或いは各地に湧出する名水、名湯を汲んで運ぶためなどに使用することを目的とする。しかし液体の運搬という点では、水以外の液体の運搬ができない訳ではなく、したがって液体一般が対象となる。
【0007】
この液体タンクは、横長のタンク本体を有することを特徴とする。横長の、とは、従来の技術の欄において言及した、たてに長いたて型タンクに対比されるものとして、よこに長いよこ型タンク、を意味する。横長の、或いはよこ型タンクは横に配置されかつ横長の姿勢を保って移動するものであるので、たて型タンクのように不安定な中立位置から離れており、安定感のある移動が保証されると考えられる。
【0008】
このタンク本体の下隅に移動用の車輪を設ける。車輪をどのように設けるか、基本的には自由に選択することができる。しかしブロー成形によって形成されるタンク本体には、射出成形品などの軸受部品を必要とせずに装着できる車輪構成を適用することが望ましい。このための技術としては、本発明と同一発明者、出願人の先願に係る軸受部を有するブロー成形体の発明を適用するのがベストである。同発明は、車軸等の軸体を取り付けるための、軸受部を有するブロー成形体であって、軸受部としてブロー成形体の表面又は表面に隣接する領域に凹入した溝部分を有し、溝部分は、軸体を保持可能な外れ止め手段を有し、外れ止め手段は前記ブロー成形と同時にブロー成形体に型成形されたものである、という構成を有している(特願2002−156303号)。
【0009】
タンク本体は、ブロー成形によって形成されることがベストである。その理由は、この種の液体タンクの製造技術がブロー成形法において確立しており、本発明の液体タンクも、ブロー成形製品のタンク本体について最も良く実施することができる、と考えられるからである。
【0010】
このようなタンク本体の下隅の車輪とタンク本体の上隅を通る対角線よりも外側に張り出し部が設けられる。対角線を有するか、或いは対角線に相当する線を想定できるタンク本体は、正面横長形状を有し、かつ直方体か、或いは直方体に近似の形態を有するものであることが望まれる。そのような形態を持つタンク本体の長手方向の上隅よりも外側に、張り出し部を設けるものである。張り出し部については、その両側面に軸受け部を設けるとともに、そこにハンドルを軸支するものとし、さらに張り出し部の上面に開口を少なくとも開口の一部がかかるように設ける。
【0011】
ハンドルは、ほぼU字形を有し、その端部に支軸が設けられていて、支軸は、軸部よりも大径の軸頭を有しており、またタンク本体の軸支部を構成している軸支部入口から軸支部内部に無理嵌めされた状態で取り付けられる。このことは、ハンドルだけで、抜け止めが完成するので好ましい構成である。このようなハンドルは、不使用時張り出し部の下に垂れ下がる状態とされ、かつその状態で、タンク本体側に設けられている係合部と相手係合部により係合可能となり、一定の位置に止められる。
【0012】
張り出し部上面に設ける開口は、少なくとも片手を差し込める程度の大きさを有する大型のものであることが望ましい。その結果、水等の液体を入れやすく、また内部を清掃しやすい液体タンクとなる。さらに、この開口とは反対側の端部に、注出口となる小型の開口を設けることができ、これら大型、小型の開口の間にはグリップ部が設けられる。張り出し部を設けずに大型、小型の開口を上面に配置した場合には、それらの間のグリップ部の位置が小型の開口側に片寄り、アンバランスになる可能性があるが、本発明では張り出し部を設けているのでグリップを目的の位置に配置することができ、アンバランスになるおそれはない。また張り出し部は、ハンドルを取り付ける場所として利用することができると同時に、グリップ部の位置を調整するためにも利用することができるので、一石二鳥である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図示の実施形態を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係るプラスチック製液体タンク10の斜視図であり、正面横長のタンク本体11はブロー成形によって形成された中空の殻状構造を持っている。そのタンク本体10の下隅には移動用の車輪13、14が設けられている。この車輪13、14は左右2個1対のもので、軸体12の両端に回転可能に設けられており、軸体12は前記本発明と同一発明者、出願人の先願記載の発明によってタンク本体11に取り付けられている(図2、図3参照)。
【0014】
即ち、タンク本体11の下隅には、軸受部として、タンク本体11の表面又は表面に隣接する凸状の領域16に凹入した溝部分15が設けてあり、溝部分15は、外れ止め手段として、横断面における全周の内ほぼ270度にわたって軸体12を保持するように構成されており、かつ溝部分15の樹脂が柔軟性を保っている温度条件の下にて軸体12を溝部分15に差し込み、その後の降温による樹脂の収縮によって軸体12の固定力を高めるように構成された軸受部が設けられている(図6参照)。溝部分15の縁は直角Rになっており、かつまた溝部分15の開口を一部で遮断するためにブリッジ部17を外れ止め手段として設けている。
【0015】
このような車輪13、14を通る対角線L上においてタンク本体11に上隅よりも外側に張り出し部20が設けられている。例示の張り出し部20は、タンク本体11の側面の途中から上方へ向かって膨らむように張り出しており、タンク本体11の上面は張り出し部20の分だけ拡張する。なお張り出し部20の幅はタンク本体11の幅よりもやや狭くなっており、ハンドルがタンク本体の幅内に収まり、はみ出さないので、引掛かるおそれがない。
【0016】
張り出し部20の両側面には、軸支部21、22が凹穴状に設けられているとともに、そこにハンドル23が軸支されている。例示のハンドル23は、ほぼU字形、というよりはほぼA字形を有し、その端部の支軸で軸支部21、22に軸支されているもので、支軸は軸部24よりも大径の軸頭25を有しており、それよりも小径の軸支部入口26から軸支部内に無理嵌めされた状態で取り付けられている。ハンドル23は、不使用時にはタンク本体側方の張り出し部下に垂れ下がる状態になり(図4)、かつその状態で、タンク本体側に設けられている係合部27と係合可能な相手係合部28を有している。
【0017】
タンク本体11の上面には大型の開口30が、その一部が張り出し部20の上面にかかるようにして設けられている。大型の開口30には大型のキャップ31がねじ込みによって着脱可能に取り付けられており、大型のキャップ31の内側には注出栓32が着脱可能に設けられている。タンク本体11には、大型の開口30とともに、小型の開口33がタンク本体上面の他端に位置するように設けられており、小型の開口33には小型のキャップ34がねじ込みによって着脱可能に取り付けられ、小型のキャップ34には前記注出栓32を装着し注水が行なえるようになっている。なお、この注出栓32は、本件発明と同一発明者による先登録実用新案第2149898号(実公平7−43003号)の考案を適用することができる。その場合、小型のキャップ34には、注出栓32を取り外したときに取り付け口を塞ぐ閉じ蓋35がねじ込みによって取り付けられる。
【0018】
そしてこれら大型の開口30と小型の開口33との間には、タンク本体11を持ち上げるときなどに使用されるグリップ部36が設けられている。2個の開口30、33の大きさが大型と小型で異なるために、これらの間にグリップ部36を設けると、グリップ部36の位置がタンク本体11の中央から小型の開口33寄りになるが、本発明では大型の開口30を張り出し部20にかけて設けることによって、小型の開口33から離れ、タンク本体11の中央付近に設定できるようになり、アンバランスが解消される。
【0019】
このような本発明のプラスチック製液体タンク10は、大型の開口30、グリップ部36、小型の開口33、ブリッジ部17、相手係合部28等を結ぶ線をパーティングラインに一致させて、ブロー成形によって製造することができる。車輪13、14もブロー成形で製造できるが、ハンドル23及び大型、小型のキャップ31、34、注出栓32は射出成形品の方が良い。なお、タンク本体11に用いたプラスチックはポリエチレン、軸体12に用いたのは金属である。
【0020】
このように構成された本発明のプラスチック製液体タンク10は、ハンドル
23を係合部27から外して手で持つと、横長のタンク本体11の前部のみ持ち上げられ、後輪となる車輪13、14によって荷重を支え、引いて歩くことができる(図7)。このときタンク本体は下面を引きずらない程度に僅かな角度だけ持ち上げれば良いので、たて型タンクのように中立付近でバランスを取る必要がなく、非常に安定性が良く、子供でも無理なく扱うことができる。
【0021】
またタンク本体内に水などを満たすには、大型のキャップ31を取り外して注入すれば良く、満たした水などを使用するには、注出栓32を図5に示すように小型のキャップ34に取り付け、かつタンク本体11の後端を接地させ立ててやれば、注水や、注水量の加減も容易に行なうことができる。注出栓32を使用せず、小型のキャップ34を取り外し、小型の開口33から直かに内容物を注出できることは当然である。注出栓32は、大型のキャップの外側にも取り付けることができる。なお、37はその取り付け口に施した小蓋を示す。タンク本体11の内部を洗浄する場合には、大型のキャップ31を取り外せば内部に片手を差し入れることができるので内部の隅々まで確実に洗浄することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、タンク本体内に液体を満たしやすいとともに、内部の掃除が容易となり、液体を満たして車輪により楽に移動させることができ、誰にでも簡単に扱えるので水専用タンクとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係るプラスチック製液体タンクの1実施形態を示す斜視図。
(b)同上のハンドルを取り付ける軸支部の拡大断面図。
【図2】同じくタンク本体の正面図。
【図3】同じく背面図。
【図4】同じく中央縦断面図。
【図5】タンク本体を立てた状態の説明図。
【図6】軸支部の拡大図。
【図7】使用状態の説明図。
【符号の説明】
11 タンク本体
13、14 車輪
15 溝部分
17 ブリッジ部
20 張り出し部
21、22 軸支部
23 ハンドル
24 軸部
25 軸頭
27 係合部
28 相手係合部
30 大型の開口
31 大型のキャップ
33 小型の開口
34 小型のキャップ
36 グリップ部
Claims (5)
- プラスチック製の可搬型の液体タンクであって、横長のタンク本体を有し、タンク本体の下隅に移動用の車輪を設け、車輪にかかる対角線上においてタンク本体の上隅に相当する位置に外側への張り出し部を設け、張り出し部の側面に軸支部を設けるとともに、そこにハンドルを軸支し、さらに張り出し部の上面に開口を少なくともその一部がかかるように設けたことを特徴とするプラスチック製液体タンク。
- タンク本体は、ブロー成形によって形成されている請求項1記載のプラスチック製液体タンク。
- タンク本体は、張り出し部側に設けられた手を差し込める大きさの大型の開口と注出口となる小型の開口とを上面の両端に有しており、それらの間に、タンク本体を持ち上げるために使用するグリップ部を有している請求項1記載のプラスチック製液体タンク。
- ハンドルは、ほぼU字形ないしはほぼA字形を有し、その端部に支軸が設けられていて、支軸は、軸部よりも大径の軸頭を有しており、タンク本体の軸支部を構成している軸支部入口から内部に無理嵌めされた状態で取り付けられている請求項1記載のプラスチック製液体タンク。
- ハンドルは、不使用時には、タンク本体の側方への張り出し部の下に垂れ下がるような状態となり、かつその状態で、タンク本体側に設けられている係合部と係合して止められる相手係合部を有している請求項1記載のプラスチック製液体タンク。
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---|---|---|---|
JP2003127298A JP2004331132A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | プラスチック製液体タンク |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127298A JP2004331132A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | プラスチック製液体タンク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004331132A true JP2004331132A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33503900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003127298A Pending JP2004331132A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | プラスチック製液体タンク |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004331132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020082023A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | 株式会社マキタ | ケースおよび作業機 |
IT201900001119A1 (it) * | 2019-01-25 | 2020-07-25 | Ivan Colosimo | Serbatoio trasportabile |
-
2003
- 2003-05-02 JP JP2003127298A patent/JP2004331132A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020082023A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | 株式会社マキタ | ケースおよび作業機 |
IT201900001119A1 (it) * | 2019-01-25 | 2020-07-25 | Ivan Colosimo | Serbatoio trasportabile |
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