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JP2004327016A - 光記録ディスク - Google Patents

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JP2004327016A JP2004108605A JP2004108605A JP2004327016A JP 2004327016 A JP2004327016 A JP 2004327016A JP 2004108605 A JP2004108605 A JP 2004108605A JP 2004108605 A JP2004108605 A JP 2004108605A JP 2004327016 A JP2004327016 A JP 2004327016A
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Hisashi Koyake
久司 小宅
Hiroaki Takahata
広彰 高畑
Yuichi Kawaguchi
裕一 川口
Koji Mishima
康児 三島
Hiroyasu Inoue
弘康 井上
Takeshi Komaki
壮 小巻
Masaki Aoshima
正貴 青島
Hironori Kakiuchi
宏憲 柿内
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Abstract

【課題】 データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことができる光記録ディスクを提供する。
【解決手段】 支持基板2と、支持基板の一方の主面に、交互に形成されたグルーブGおよびランドLと、グルーブおよびランドが形成された支持基板の一方の主面上に形成され、記録層7と、記録層上に形成された光透過層9とを備えた光記録ディスク1であって、各グルーブの深さGdが15nm以上、25nm以下で、かつ、グルーブの半値幅Gwが150nm以上、230nm以下となるようにグルーブおよびランドが形成され、記録層が無機元素を含んでいることを特徴とする光記録ディスク。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光記録ディスクに関するものであり、さらに詳細には、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことができる光記録ディスクに関するものである。
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録ディスクが広く用いられている。
これらの光記録ディスクは、CD−ROMやDVD−ROMのように、データの追記や書き換えができないタイプのいわゆるROM型光ディスクと、CD−RやDVD−Rのように、データの追記は可能であるが、データの書き換えができないタイプのいわゆる追記型光ディスクと、CD−RWやDVD−RWのように、データの書き換えが可能なタイプのいわゆる書き換え型光ディスクに大別することができる。
広く知られているように、ROM型光ディスクにおいては、製造段階で、基板に形成されるプリピットにより、データが記録されるのが一般的であり、書き換え型光ディスクにおいては、たとえば、記録層の材料として、相変化材料が用いられ、その相状態の変化に基づく光学特性の変化を利用して、データが記録されるのが一般的である。
これに対して、追記型光ディスクにおいては、記録層の材料として、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ色素などの有機色素が用いられ、その化学的変化(場合によっては化学的変化に加えて物理的変形を伴うことがある)に基づく光学特性の変化を利用して、データが記録されるのが一般的である。
そして、さらに、大容量のデータを、高密度に記録し、再生することができるように、記録・再生のために照射するレーザビームとして、400nmないし430nmの波長が短い青色レーザビームを用いるとともに、記録光学系および再生光学系のレンズとして、開口数(NA)の大きいレンズを用い、ポリカーボネートなどによって形成された基板とは反対側から、レーザビームを照射するように構成され、記録層上に、光透過層が設けられた次世代型光記録ディスクが提案されている。
このような次世代型光記録ディスクにおいては、記録容量を大きくするため、トラックピッチを、DVDの1/2以下に小さくし、0.25μmないし0.34μmにすることが要求される。
しかしながら、このように、トラックピッチを小さくする場合には、グルーブとランドが、所望の形状に形成されていないと、データ読み取り時におけるジッターが大きくなって、エラーが発生しやすく、また、十分なトラッキング制御ができないという問題があった。
したがって、本発明は、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことができる光記録ディスクを提供することを目的とするものである。
本発明者は、本発明のかかる目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、支持基板と、支持基板の一方の主面に、交互に形成されたグルーブおよびランドと、グルーブおよびランドが形成された支持基板の一方の主面上に形成され、少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、光学的機能層上に形成された光透過層とを備えた光記録ディスクにおいては、各グルーブの深さGdが15nm以上、25nm以下で、かつ、グルーブの半値幅Gwが150nm以上、230nm以下となるようにグルーブおよびランドを形成することによって、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことが可能になることを見出した。
したがって、本発明の前記目的は、支持基板と、前記支持基板の一方の主面に、交互に形成されたグルーブおよびランドと、前記グルーブおよび前記ランドが形成された前記支持基板の前記一方の主面上に形成され、少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に形成された光透過層とを備えた光記録ディスクであって、前記各グルーブの深さGdが15nm以上、25nm以下で、かつ、前記グルーブの半値幅Gwが150nm以上、230nm以下となるように前記グルーブおよび前記ランドが形成され、前記少なくとも一層の記録層が無機元素を含んでいることを特徴とする光記録ディスクによって達成される。
本発明において、主面とは、他の面に比して、面積が大きい面をいう。
本発明において、好ましくは、光記録ディスクは、400nmないし430nmの波長の光によって、0.8ないし0.9の開口数(NA)を有する対物レンズおよび前記光透過層を介して、0.25ないし0.40μmのトラックピッチで、データを記録、再生可能に構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記グルーブが、略台形状断面を有し、前記ランドが、略台形状断面を有している。
本発明者の研究によれば、グルーブが略台形状断面を有し、ランドが略台形状断面を有するように、グルーブおよびランドを形成することによって、再生されたデータのジッターを十分に低く、抑制し得ることが見出されている。
本発明において、グルーブが略台形状断面を有しているとは、グルーブの頂面および側面が、略平面によって形成されている場合だけでなく、グルーブの頂面および側面が、曲面によって形成されている場合を含み、ランドが略台形状断面を有しているとは、ランドの頂面および側面が、略平面によって形成されている場合だけでなく、ランドの頂面および側面が、曲面によって形成されている場合を含んでいる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記各グルーブと隣り合った前記ランドとの間の傾斜面の前記支持基板に対する角度θが12°以上、30°以下となるように前記グルーブおよび前記ランドが形成されている。
本発明者の研究によれば、各グルーブと隣り合ったランドとの間の傾斜面の支持基板に対する角度θが12°以上、30°以下となるようにグルーブおよびランドを形成することによって、再生されたデータのジッターを十分に低く、抑制し得ることが見出されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記各グルーブと隣り合った前記ランドとの間の傾斜面の前記支持基板に対する角度θが12°以上、25°以下となるように前記グルーブおよび前記ランドが形成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記グルーブおよび前記ランドが、ウォブル量Wobが、±7nm以上となるように形成されている。
本発明者の研究によれば、ウォブル量Wobが、±7nm以上となるように、グルーブおよびランドを形成することによって、ウォブル信号とノイズとのC/N比を向上させることが可能になることが見出されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記グルーブおよび前記ランドが、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように形成されている。
本発明者の研究によれば、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブおよびランドを形成することによって、残留トラッキングエラーを低い値に保持しつつ、ウォブル信号とノイズとのC/N比を向上させることが可能になることが見出されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記少なくとも一つの記録層が、Si、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素を主成分として含む第一の記録膜と、前記第一の記録膜の近傍に設けられ、Cu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素を主成分として含む第二の記録膜とによって構成されている。
本発明者は、光記録ディスクの記録感度を向上させ、再生信号のノイズレベルを低減させるために、鋭意研究を重ねた結果、Si、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素を主成分として含む第一の記録膜と、前記第一の記録膜の近傍に設けられ、Cu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素を主成分として含む第二の記録膜とによって、記録膜が形成されている場合には、レーザビームを用いて、データを記録する際に、レーザビームによって、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合して、記録マークが形成され、反射率を大きく変化させることが可能になり、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合して、記録マークが形成された領域の反射率と、記録マークが形成されていないブランク領域の反射率の大きな差を利用することにより、データを良好な感度で記録することができ、再生された信号中のノイズレベルを低減して、C/N比を向上させることが可能になることを見出した。
本明細書において、第一の記録膜が、元素を主成分として含むとは、第一の記録膜に含まれる元素のうち、その元素の含有率が最も大きいことをいい、第二の記録膜が元素を主成分として含むとは、第二の記録膜に含まれる元素のうち、その元素の含有率が最も大きいことをいう。
本発明において、第二の記録膜は、レーザビームの照射を受けたときに、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合した領域が形成されるように、第一の記録膜の近傍に位置していればよく、第二の記録膜が、第一の記録膜に接触していることは必ずしも必要でなく、第一の記録膜と第二の記録膜の間に、誘電体層などの一または二以上の他の層が介在していてもよい。
レーザビームが照射されたときに、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合した領域が形成され、記録マークが形成される理由は必ずしも明らかでないが、レーザビームが照射されたときに、第一の記録膜に主成分として含まれている元素および第二の記録膜に主成分として含まれている元素が、部分的にあるいは全体として、溶融ないし拡散し、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合された領域が形成されるものと推測される。
こうして、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合されて、記録マークが形成された領域の再生のためのレーザビームに対する反射率と、ブランク領域の再生のためのレーザビームに対する反射率とは大きく異なるので、反射率の大きな差異を利用して、記録されたデータを高感度で再生することができる。
本発明の別の好ましい実施態様においては、光学的機能層が、複数の記録層を備え、前記光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Si、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素を主成分として含む第一の記録膜と、前記第一の記録膜の近傍に設けられ、Cu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素を主成分として含む第二の記録膜とによって構成されている。
光記録ディスクの光学的機能層が複数の記録層を備えている場合には、光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層は、光透過層から最も遠い記録層にデータを記録し、光透過層から最も遠い記録層からデータを再生する場合に、レーザビームが透過するから、光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層の記録マークが形成された領域の光透過率と、記録マークが形成されていないブランク領域の光透過率の差が大きいと、光透過層から最も遠い記録層にデータを記録する際に、レーザビームが透過する光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層の領域が、記録マークが形成された領域であるか、ブランク領域であるかによって、光透過層から最も遠い記録層に照射されるレーザビームの光量が大きく変化するとともに、光透過層から最も遠い記録層からデータを再生する際に、光透過層から最も遠い記録層によって反射され、光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層を透過して、検出されるレーザビームの光量が大きく変化し、その結果、レーザビームが通過する光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層の領域が記録マークが形成された領域であるか、ブランク領域であるかによって、光透過層から最も遠い記録層に対する記録特性や光透過層から最も遠い記録層から再生される信号の振幅が大きく変化してしまうという問題が生じる。
とくに、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが通過する光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層の領域に、記録マークが形成された領域とブランク領域との境界が含まれている場合には、レーザビームのスポット内における反射率分布が一定とならないため、所望のように、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを再生することは不可能である。
本発明者は、かかる問題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、第一の記録膜に主成分として含まれているSi、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素と、第二の記録膜に主成分として含まれているCu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素とが、混合して、形成された記録マークの領域の400nmないし430nmの波長のレーザビームに対する光透過率と、第一の記録膜および第二の記録膜のブランク領域の400nmないし430nmの波長のレーザビームLBに対する光透過率との差は4%以下であって、記録マークが形成された領域の光透過率と、ブランク領域の光透過率の差が十分に小さいことを見出した。
したがって、本発明の別の好ましい実施態様によれば、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層にデータを記録する際に、レーザビームによって、第一の記録膜に主成分として含まれている元素と、第二の記録膜に主成分として含まれている元素とが混合して、記録マークが形成され、反射率を大きく変化させることができ、データを良好な感度で記録することが可能になるとともに、記録マークが形成された領域とブランク領域との400nmないし430nmの波長のレーザビームに対する光透過率の差が4%以下となり、この記録層を介して、400nmないし430nmの波長のレーザビームを照射して、光透過層から最も遠い記録層にデータを記録し、光透過層から最も遠い記録層から、データを再生する場合に、レーザビームが通過する記録層の領域に、記録マークが形成された領域とブランク領域との境界が含まれているときでも、所望のように、光透過層から最も遠い記録層にデータを記録し、光透過層から最も遠い記録層から、データを再生することが可能になる。
本発明において、好ましくは、第二の記録膜が、第一の記録膜に接するように、形成されている。
本発明において、光記録ディスクの光学的機能層が、第一の記録膜および第二の記録膜に加えて、一もしくは二以上のSi、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素を主成分として含む記録膜、または、一もしくは二以上のCu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素を主成分として含む記録膜を備えていてもよい。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第二の記録膜に、Cu、Al、Zn、Ag、Mg,Sn、Au,TiおよびPdよりなる群から選ばれる元素で、前記第二の記録膜に主成分として含まれている元素と異なる少なくとも一種の元素が添加されている。
本発明の好ましい実施態様によれば、光記録ディスクの保存信頼性および記録感度を向上させることが可能になる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第二の記録膜に、Al、Zn、SnおよびAuよりなる群から選ばれる元素で、前記第二の記録膜に主成分として含まれている元素と異なる少なくとも一種の元素が添加されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第二の記録膜の酸化あるいは硫化に対する安定性を大幅に向上させることができ、第二の記録膜に主成分として含まれている元素の腐食に起因する第二の記録膜の剥離などの光記録ディスクの外観不良や、長期保存後における光記録ディスクの反射率の変化を効果的に防止することが可能となる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第一の記録膜に、さらに、Mg、Al、Cu、Ag、Auよりなる群から選ばれ、前記第一の記録膜に主成分として含まれている元素とは異なる1または2以上の元素が添加されている。
本発明の好ましい実施態様によれば、光記録ディスクの記録感度をさらに向上させることが可能になる。
本発明において、より好ましくは、第一の記録膜が、Si、Ge、Sn、MgおよびAlよりなる群から選ばれる元素を主成分として含んでおり、さらに好ましくは、Si、GeおよびSnよりなる群から選ばれる元素を主成分として含んでいる。
第一の記録膜が、Si、Ge、Sn、MgおよびAlよりなる群から選ばれる元素を主成分として含んでいる場合には、再生信号のC/N比をより向上させることが可能となる。
本発明において、好ましくは、第二の記録膜が、Cuを主成分として含んでいる。
Cuを主成分として含む第二の記録膜を、真空蒸着法やスパッタリング法などの気相成長法を用いて成膜した場合には、第二の記録膜の表面平滑性がきわめて高いため、従来に比して、初期の記録特性を向上させることが可能となる。このように、本発明にかかる光記録ディスクは、記録層の表面平滑性が優れているから、とくに、レーザビームのスポットを非常に小さく絞って、データを記録する場合の記録特性を大幅に改善することができる。さらに、Cuは非常に安価であるため、光記録ディスクの材料コストを低減させることができる。
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記光学的機能層が、少なくとも中間層を介して、積層された複数の記録層を備え、前記複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含んでいる。
本発明者の研究によれば、複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含むように構成されている場合には、その記録層が、レーザビームに対して、十分な光透過率を有していることが見出されている。
したがって、本発明の別の好ましい実施態様によれば、レーザビームが光透過層から最も遠い記録層に到達するまでに、レーザビームのパワーが低下することを最小限に抑制することができるから、光透過層から最も遠い記録層に、所望のように、データを記録することが可能となり、一方、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを再生する場合にも、光透過層から最も遠い記録層によって反射されたレーザビームが、光入射面に到達するまでに、レーザビームのパワーが低下するのを最小限に抑制できるから、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能となる。
また、本発明の別の好ましい実施態様によれば、金属Mと元素Xを含む記録層に、記録用のレーザビームを照射して、金属Mと元素Xを結合させ、化合物の結晶を生成することによって、データを記録するように構成されているから、金属Mと元素Xとの化合物が結晶化された領域と、それ以外の領域とのレーザビームに対する反射率差を大きくすることができ、したがって、光透過層から最も遠い記録層だけでなく、光透過層から最も遠い記録層以外の記録層にも、所望のように、データを記録し、記録したデータを再生することができる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数の記録層のうち、レーザビームの光透過層から最も遠い記録層以外のすべての記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含み、前記レーザビームの光透過層に近いほど、厚さが薄くなるように形成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、レーザビームの光透過層から最も遠い記録層とは異なる記録層の光透過率を、全体として、より一層向上させることが可能になるから、光透過層から最も遠い記録層に、所望のように、データを記録し、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能となる。
また、本発明者の研究によれば、複数の記録層のうち、レーザビームの光透過層から最も遠い記録層以外のすべての記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームが照射されることにより、金属Mと結合して、金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含み、光透過層に近いほど、厚さが薄くなるように形成されている場合には、光透過層から遠いほど、記録層のレーザビームに対する反射率が高くなることが見出されており、したがって、レーザビームの光透過層から最も遠い記録層以外の記録層からも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記光学的機能層が、前記基板側から、第一の記録層と、第二の記録層と、第三の記録層を、この順に備え、前記第二の記録層が、15nmないし50nmの厚さを有し、前記第三の記録層の厚さと、前記第二の記録層の厚さとの比が0.40ないし0.70となるように、前記第一の記録層、前記第二の記録層および前記第三の記録層が形成されている。
本発明者の研究によれば、光学的機能層が、基板側から、第一の記録層と、第二の記録層と、第三の記録層を、この順に備え、第二の記録層が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層の厚さと、第二の記録層の厚さとの比が0.40ないし0.70となるように、第一の記録層、第二の記録層および第三の記録層が形成されている場合には、第二の記録層によって吸収されるレーザビームの量と、第三の記録層によって吸収されるレーザビームの量をほぼ等しくすることができ、かつ、第二の記録層および第三の記録層のレーザビーム吸収率を十分に高いレベル、すなわち、10%ないし30%に設定し得ることが見出されており、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第二の記録層と第三の記録層に、同等のパワーの記録用レーザビームを照射することによって、所望のように、データを記録することが可能になる。
また、本発明者の研究によれば、光学的機能層が、基板側から、第一の記録層と、第二の記録層と、第三の記録層を、この順に備え、第二の記録層が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層の厚さと、第二の記録層の厚さとの比が0.40ないし0.70となるように、第一の記録層、第二の記録層および第三の記録層が形成されている場合には、第二の記録層のレーザビームに対する反射率と、第三の記録層のレーザビームに対する反射率とをほぼ等しくすることができ、かつ、それぞれの反射率を十分に高くし得ることが見出されており、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第二の記録層および第三の記録層のいずれの記録層からも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
本発明において、より好ましくは、第三の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が、0.46ないし0.69となるように、第二の記録層および第三の記録層が形成され、最も好ましくは、第三の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が、0.50ないし0.63となるように、第二の記録層および第三の記録層が形成される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記光学的機能層が、前記基板側から、第一の記録層と第二の記録層と第三の記録層と第四の記録層とを、この順に備え、第二の記録層が、20nmないし50nmの厚さを有し、前記第三の記録層の厚さと前記第二の記録層の厚さとの比が0.48ないし0.93で、前記第四の記録層の厚さと前記第二の記録層の厚さとの比が0.39ないし0.70となるように、前記第一の記録層、前記第二の記録層、前記第三の記録層および前記第四の記録層が形成されている。
本発明者の研究によれば、光学的機能層が、基板側から、第一の記録層と第二の記録層と第三の記録層と第四の記録層とを、この順に備え、第二の記録層が、20nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が0.48ないし0.93で、第四の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が0.39ないし0.70となるように、第一の記録層、第二の記録層、第三の記録層および第四の記録層が形成されている場合には、第二の記録層によって吸収されるレーザビームの量、第三の記録層によって吸収されるレーザビームの量および第四の記録層によって吸収されるレーザビームの量をほぼ等しくすることができ、かつ、第二の記録層、第三の記録層および第四の記録層のレーザビーム吸収率を十分に高いレベル、すなわち、10%ないし20%に設定し得ることが見出されており、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第二の記録層、第三の記録層および第四の記録層に、同等のパワーの記録用レーザビームを照射することによって、所望のように、データを記録することが可能になる。
さらに、本発明者の研究によれば、光学的機能層が、基板側から、第一の記録層と第二の記録層と第三の記録層と第四の記録層とを、この順に備え、第二の記録層が、20nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が0.48ないし0.93で、第四の記録層の厚さと第二の記録層の厚さとの比が0.39ないし0.70となるように、第一の記録層、第二の記録層、第三の記録層および第四の記録層が形成されている場合には、第二の記録層のレーザビームに対する反射率、第三の記録層のレーザビームに対する反射率および第四の記録層のレーザビームに対する反射率をほぼ等しくすることができ、かつ、それぞれの反射率を十分に高くし得ることが見出されており、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第二の記録層、第三の記録層および第四の記録層のいずれの記録層からも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
本発明において、より好ましくは、前記第三の記録層の厚さと、前記第二の記録層の厚さとの比が0.50ないし0.90で、かつ、前記第四の記録層の厚さと、前記第二の記録層の厚さとの比が0.39ないし0.65となるように、前記第二の記録層、前記第三の記録層および前記第四の記録層が形成され、最も好ましくは、前記第三の記録層の厚さと、前記第二の記録層の厚さとの比が0.57ないし0.80で、かつ、前記第四の記録層の厚さと前記第二の記録層の厚さとの比が0.42ないし0.54となるように、前記第二の記録層、前記第三の記録層および前記第四の記録層が形成される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記元素Xが、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素によって構成されている。
S、O、CおよびNは、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属元素Mと高い反応性を有しているため、元素Xとして、好ましく用いることができる。なかでも、6B族の元素であるO、Sは、適度な反応性を有し、7B族の元素であるFやClのように、反応性が高すぎて、記録用のレーザビームを照射せずとも、金属元素Mと反応してしまうといった不具合がなく、とくに好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金属Mと前記元素Xを含む少なくとも一層の記録層が、さらに、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含んでいる。
本発明において、金属Mと元素Xを含む少なくとも一層の記録層が、さらに、Mgを含んでいるときは、Mgの含有量は、18.5原子%ないし33.7原子%であることが好ましく、20.0原子%ないし33.5原子%であることが、さらに好ましい。
一方、本発明において、金属Mと元素Xを含む少なくとも一層の記録層が、さらにAlを含んでいるときは、Alの含有量は、11原子%ないし40原子%であることが好ましく、18原子%ないし32原子%であることが、さらに好ましい。
また、本発明において、金属Mと元素Xを含む少なくとも一層の記録層が、さらにTiを含んでいるときは、Tiの含有量は、8原子%ないし34原子%であることが好ましく、10原子%ないし26原子%であることが、さらに好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記複数の記録層のうち、前記レーザビームの光透過層から最も遠い記録層が、Cuを主成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを備えている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、前記複数の記録層のうち、前記レーザビームの光透過層から最も遠い記録層が、Cuを成分として含む第一の記録膜と、Siを主成分として含む第二の記録膜とを有しているから、光透過層から最も遠い記録層に記録されたデータを再生したときの再生信号のノイズレベルを、より低く抑えることができ、また、データを記録する前後の反射率差を大きくすることができ、さらに、光記録ディスクを、長期間保存した場合にも、記録されたデータが劣化するのを防止することができ、光記録ディスクの信頼性を高めることが可能となる。
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記光学的機能層が、少なくとも中間層を介して、積層された複数の記録層を備え、前記複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層以外の少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいる。
本発明者の研究によれば、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいる場合には、その記録層が、レーザビームに対して、十分な光透過率を有していることが見出されている。
したがって、本発明の別の好ましい実施態様によれば、光透過層から最も遠い記録層に、所望のように、データを記録し、記録したデータを再生することができ、また、光透過層から最も遠い記録層以外の記録層にも、所望のように、データを記録し、記録したデータを再生することができる。
本発明において、前記複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層以外のすべての記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含む記録層は、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含むターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を主成分として含むターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含む記録層は、ZnSとSiOとの混合物あるいはLa、SiOおよびSiの混合物を主成分として含むターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を主成分として含むターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成される。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含む記録層は、ZnSとSiOとの混合物あるいはLa、SiOおよびSiの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成される。
本発明において、ZnSとSiOとの混合物を含むターゲットを用いる場合には、ターゲットに含まれたZnSとSiOとのモル比を、50:50ないし90:10に設定することが好ましく、約80:20に設定することが、さらに好ましい。
ZnSとSiOとの混合物中のZnSのモル比が40%以上であるときは、記録層のレーザビームに対する反射率と光透過率とを、ともに、向上させることができ、ZnSとSiOとの混合物中のZnSのモル比が80%以下であるときは、応力によって、記録層にクラックが発生することを、効果的に、防止することができる。さらに、ZnSとSiOとの混合物中のZnSとSiOのモル比を65:35ないし75:25であるときは、記録層にクラックが発生することを、より効果的に防止しつつ、記録層のレーザビームに対する反射率と光透過率とを、より一層向上させることが可能になる。
さらに、本発明において、La、SiOおよびSiの混合物を含むターゲットを用いる場合には、ターゲットに含まれたSiOと、LaおよびSiのモル比を、10:90ないし50:50に設定することが好ましく、La、SiOおよびSiのとのモル比を、20:30:50に設定することが、さらに好ましい。
La、SiOおよびSiの混合物中のSiOのモル比が10%未満であるときは、記録層にクラックが入りやすく、SiOのモル比が50%を越えているときには、屈折率の低下により、記録層の反射率が低下する。一方、SiおよびLaのモル比が50%ないし90%であるときは、記録層の屈折率を高くすることができ、クラックの発生も防止することができる。
本発明によれば、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことができる光記録ディスクを提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略要部拡大断面図である。
図1に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクとして構成されており、支持基板2と、反射層3と、第二の誘電体層4と、第二の記録膜5と、第一の記録膜6と、第一の誘電体層8と、光透過層9とを備えている。本実施態様においては、第一の記録膜6と第二の記録膜5とによって、記録層7が形成されている。
支持基板2は、光記録ディスク1に求められる機械的強度を確保するための支持体として、機能する。
支持基板2を形成するための材料は、光記録ディスク1の支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではない。支持基板2は、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂などによって、形成することができる。これらのうち、成形の容易性の観点から、樹脂が好ましく使用される。このような樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂がとくに好ましく、本実施態様においては、支持基板2は、ポリカーボネート樹脂によって形成されている。
本実施態様においては、支持基板2は、約1.1mmの厚さを有している。
図1に示されるように、支持基板2の一方の主面上には、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLが交互に形成されている。
よく知られているように、支持基板2は、支持基板2の一主面に形成されるべきグルーブGおよびランドLの凹凸パターンと対称の凹凸パターンが、その一主面に形成されたスタンパ(図示せず)を用いて、射出成形法によって、形成される。
図2は、グルーブGとランドLの断面形状の詳細を示す略断面図である。
図2に示されるように、本実施態様においては、グルーブGとランドLは、それぞれ、略台形状断面を有し、グルーブGの深さGdが、15nm以上、25nm以下で、グルーブGの半値幅Gwが、150nm以上、230nm以下になるように形成されている。
図2に示されるように、本実施態様においては、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板2の一方の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように、グルーブGとランドLが形成されている。
支持基板2は、たとえば、ポリカーボネートによって形成され、図1に示されるように、グルーブGおよびランドLが形成された支持基板2の一主面には、スパッタリング法などによって、反射層3が形成されている。
反射層3は、光透過層9を介して、入射したレーザビームLBを反射し、再び、光透過層9から出射させる機能を有している。
反射層3の厚さは、とくに限定されるものではないが、10nmないし300nmであることが好ましく、20nmないし200nmであることが、とくに好ましい。
反射層3を形成するための材料は、レーザビームLBを反射できればよく、とくに限定されるものではなく、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ag、Pt、Auなどによって、反射層3を形成することができる。これらのうち、高い反射率を有しているAl、Au、Ag、Cu、または、AgとCuとの合金などのこれらの金属の少なくとも1つを含む合金などの金属材料が、反射層3を形成するために、好ましく用いられる。
反射層3は、レーザビームLBを用いて、記録層7に記録されたデータを再生するときに、多重干渉効果によって、記録部と未記録部との反射率の差を大きくして、高い再生信号(C/N比)を得るために、設けられている。
図1に示されるように、反射層3の表面には、スパッタリング法などによって、第二の誘電体層4が形成され、第二の誘電体層4の表面には、スパッタリング法などによって、第二の記録膜5が形成されている。
図1に示されるように、第二の記録膜5の表面には、スパッタリング法などによって、第一の記録膜6が形成され、第一の記録膜6と第二の記録膜5によって記録層7が形成されている。
第一の記録膜6の表面には、図1に示されるように、スパッタリング法などによって、第一の誘電体層8が形成され、第一の誘電体層8の表面には、光透過層9が形成されている。
第一の誘電体層8および第二の誘電体層4は、記録層7を保護する役割を果たす。したがって、第一の誘電体層8および第二の誘電体層4により、長期間にわたって、記録されたデータの劣化を効果的に防止することができる。また、第二の誘電体層4は、支持基板2などの熱変形を防止する効果があり、したがって、変形に伴うジッターの悪化を効果的に防止することが可能になる。
第一の誘電体層8および第二の誘電体層4を形成するための誘電体材料は、透明な誘電体材料であれば、とくに限定されるものではなく、たとえば、酸化物、硫化物、窒化物またはこれらの組み合わせを主成分とする誘電体材料によって、第一の誘電体層8および第二の誘電体層4を形成することができる。より具体的には、基板2などの熱変形を防止し、記録層7を保護するために、第一の誘電体層8および第二の誘電体層4が、Al、AlN、ZnO、ZnS、GeN、GeCrN、CeO、SiO、SiO、SiNおよびSiCよりなる群から選ばれる少なくとも1種の誘電体材料を主成分として含んでいることが好ましく、ZnS・SiOを主成分として含んでいることがより好ましい。
第一の誘電体層8および第二の誘電体層4の層厚は、とくに限定されるものではないが、3ないし200nmであることが好ましい。第一の誘電体層8あるいは第二の誘電体層4の層厚が3nm未満であると、上述した効果が得られにくくなる。一方、第一の誘電体層8あるいは第二の誘電体層4の層厚が200nmを越えると、成膜に要する時間が長くなり、光記録ディスク1の生産性が低下するおそれがあり、さらに、第一の誘電体層8あるいは第二の誘電体層4のもつ応力によって、光記録ディスク1にクラックが発生するおそれがある。
本実施態様においては、光透過層9は、第二の誘電体層8の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、紫外線を、塗膜に照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、形成されており、図1に示されるように、光透過層9の支持基板2に対向する主面には、支持基板2の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの形状が転写され、支持基板2の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同じ凹凸パターンが形成されている。
本実施態様にかかる光記録ディスク1においては、開口数(NA)が0.8ないし0.9の対物レンズ(図示せず)を介して、図1において、矢印で示される向きに、400nmないし430nmの波長のレーザビームLBが照射され、光透過層9を通して、記録層7に、レーザビームLBが照射されて、記録層7にデータが記録され、光透過層9を通して、記録層7に、レーザビームLBが照射されて、記録層7からデータが再生されるように構成されている。
本実施態様においては、第一の記録膜6は、Siを主成分として含み、第二の記録膜5は、Cuを主成分として、含んでいる。
光記録ディスク1の記録層7に、レーザビームLBが照射されると、第二の記録膜5に主成分として含まれているCuは、第一の記録膜6に主成分として含まれているSiと、速やかに混合して、混合領域が形成され、記録マークが形成される。こうして、SiとCuが混合して、記録マークが形成された記録層の領域の反射率は、記録層7の記録マークが形成されていないブランク領域の反射率と大きく異なるので、記録層7に、データを速やかに記録することが可能になる。
光記録ディスク1の記録感度を向上させるために、第一の記録膜6に、さらに、Mg、Al、Cu、Ag、Auよりなる群から選ばれ、第一の記録膜6に主成分として含まれている元素とは異なる1または2以上の元素が添加されていることが好ましい。
光記録ディスク1の保存信頼性および記録感度を向上させるために、第二の記録膜5に、さらに、Al、Zn、SnおよびAuよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素が添加されていることが好ましい。
第二の記録膜5に、Al、Zn、SnおよびAuよりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素が添加されている場合には、第二の記録膜5の酸化あるいは硫化に対する安定性を大幅に向上させることができ、第二の記録膜5に主成分として含まれているCuの腐食に起因する第二の記録膜5の剥離などの光記録ディスク1の外観不良や、長期保存後における光記録ディスク1の反射率の変化を効果的に防止することが可能となる。
光記録ディスク1の記録感度を向上させるために、第二の記録膜5に、さらに、Auが添加されていることがとくに好ましい。
記録層7の厚さ、すなわち、第一の記録膜6および第二の記録膜5の総厚は、レーザビームLBが照射された領域で、第一の記録膜6に主成分として含まれているSiと、第二の記録膜5に主成分として含まれているCuとが、速やかに溶融ないし拡散し、第一の記録膜6に主成分として含まれているSiと、第二の記録膜5に主成分として含まれているCuとが混合された領域が速やかに形成され、記録マークが形成さればよく、とくに限定されるものではないが、第一の記録膜6および第二の記録膜5の総厚は、2nm以上、100nm以下であることが好ましく、2nm以上、50nm以下であることがより好ましい。
第一の記録膜6および第二の記録膜5の総厚が100nmを越えているときは、第一の記録膜6に主成分として含まれているSiと、第二の記録膜5に主成分として含まれているCuとの混合速度が小さくなり、高速で、データを記録することが困難になる。
その一方で、第一の記録膜6の厚さと第二の記録膜5の総厚が2nm未満の場合には、レーザビームLBを照射する前後の反射率の変化が少なくなり、高い強度の再生信号(C/N比)を得ることができなくなる。
第一の記録膜6および第二の記録膜5のそれぞれの厚さは、とくに限定されるものではないが、記録感度を十分に向上させ、データを記録する前後の反射率の変化を十分に大きくするためには、第一の記録膜6の厚さが、1nmないし30nmであり、第二の記録膜5の厚さが、1nmないし30nmであることが好ましい。
さらに、レーザビームLBを照射する前後の反射率の変化を十分に大きくするために、第一の記録膜6の厚さと第二の記録膜5の厚さとの比(第一の記録膜6の厚さ/第二の記録膜5の厚さ)は、0.2ないし5.0であることが好ましい。
図1および図2には図示されていないが、本実施態様においては、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLが形成されている。
本発明者の研究によれば、以上のように、支持基板2の一主面および光透過層9の支持基板2に対向する主面に、グルーブGおよびランドLが形成された光記録ディスク1においては、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことが可能になることが見出されている。
図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略断面図である。
図3に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク10は、追記型光記録ディスクとして構成されており、支持基板11と、透明中間層12と、光透過層13と、支持基板11と透明中間層12との間に設けられたL1層20と、透明中間層12と光透過層13との間に設けられたL1層30とを備えている。
L0層20およびL1層30は、データを記録する記録層であり、本実施態様にかかる光記録ディスク10は、二層の記録層を有している。
L0層20は、光入射面13aから遠い記録層を構成し、支持基板11側から、反射膜21、第四の誘電体膜22、L0記録層23および第三の誘電体膜24が積層されて、構成されている。
一方、L1層30は、光入射面13aに近い記録層を構成し、支持基板11側から、反射膜31、第二の誘電体膜32、L1記録層33および第一の誘電体膜34が積層されて、構成されている。
L0層20に、データを記録し、L0層20に記録されたデータを再生する場合には、光入射面13aに近い側に位置するL1層30を介して、レーザビームLBが照射される。
したがって、L1層30は、高い光透過率を有していることが必要である。具体的には、データの記録および再生に用いられるレーザビームLBの波長に対し、L1層30が30%以上の光透過率を有していることが必要であり、40%以上の光透過率を有していることが好ましい。
図1および図2に示された光記録ディスク1と同様に、支持基板11は、たとえば、ポリカーボネートによって形成されている。
図3に示されるように、支持基板11の一方の主面上に、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLが交互に形成されており、図1および図2に示された光記録ディスク1と同様に、本実施態様においても、グルーブGとランドLは、グルーブGの深さGdが、15nm以上、25nm以下で、グルーブGの半値幅Gwが、150nm以上、230nm以下になるように形成され、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板11の一方の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように形成されている。
図3には図示されていないが、本実施態様においても、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLが形成されている。
透明中間層12は、L0層20とL1層30とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる機能を有している。
図3に示されるように、透明中間層12の光透過層13に対向する主面には、支持基板11の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されている。
透明中間層12は、L0層20上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、支持基板11を作製するのに用いたスタンパ(図示せず)と同様の凹凸パターンが形成されたスタンパ(図示せず)を被せた状態で、スタンパを介して、紫外線を照射することによって、形成され、その結果、透明中間層12の光透過層13に対向する主面に、支持基板11の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
透明中間層12は、5μmないし50μmの厚さを有するように形成されることが好ましく、さらに好ましくは、10μmないし40μmの厚さを有するように、形成される。
透明中間層12は、L0層20にデータを記録し、L0層20からデータを再生する場合に、レーザビームLBが通過するため、十分に高い光透過性を有している必要がある。
光透過層13は、レーザビームLBを透過させる層であり、その一方の表面によって、光入射面13aが構成されている。
図3に示されるように、光透過層13の透明中間層12に対向する主面には、透明中間層12のL1層30側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターン、すなわち、支持基板11のL0層20側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターンと同様の凹凸パターンが形成されている。
光透過層13は、L1層30上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、紫外線を照射して、塗膜を硬化させることによって形成され、その結果として、透明中間層12のL1層30側の一主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターン、すなわち、支持基板11のL0層20側の一主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターンが、光透過層13の透明中間層12に対向する主面に転写されて、光透過層13の透明中間層12に対向する主面に、支持基板11のL0層20側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
光透過層13は、30μmないし200μmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
光透過層13は、L1層30にデータを記録し、L1層30からデータを再生する場合に、レーザビームLBが通過するため、十分に高い光透過性を有していることが必要である。
図3に示されるように、L0層20に含まれるL0記録層23は、第一のL0記録膜23aと、第一のL0記録膜23aに接する第二のL0記録膜23bとを備えている。
第一のL0記録膜23aおよび第二のL0記録膜23bは、図1および図2に示された光記録ディスク1の記録層7を構成する第一の記録膜6および第二の記録膜5と同様に形成されており、第一のL0記録膜23aは、Siを主成分として含み、第二のL0記録膜23bは、Cuを主成分として含んでいる。
したがって、L0記録層23にレーザビームLBが照射されると、第一のL0記録膜23aに主成分として含まれているSiと、第二のL0記録膜23bに主成分として含まれているCuとが、速やかに混合して、混合領域が形成されて、L0記録層23に記録マークが形成され、データが記録される。
同様にして、図3に示されるように、L1層30に含まれるL1記録層33は、第一のL1記録膜33aと、第一のL1記録膜33aに接する第二のL1記録膜33bを備えている。
第一のL1記録膜33aおよび第二のL1記録膜33bは、図1および図2に示された光記録ディスク1の記録層7を構成する第一の記録膜6および第二の記録膜5と同様に形成されており、第一のL1記録膜33aは、Siを主成分として含み、第二のL0記録膜33bは、Cuを主成分として含んでいる。
したがって、L1記録層33にレーザビームLBが照射されると、第一のL1記録膜33aに主成分として含まれているSiと、第二のL1記録膜33bに主成分として含まれているCuとが、速やかに混合して、混合領域が形成されて、L1記録層33に記録マークが形成され、データが記録される。
L1記録層33は、L0層20に含まれるL0記録層23にデータを記録し、L0層20のL0記録層23からデータを再生する場合に、レーザビームLBが透過するから、L1記録層33の記録マークが形成された領域の光透過率と、L1記録層33の記録マークが形成されていないブランク領域の光透過率の差が大きいと、L0層20に含まれるL0記録層23にデータを記録する際に、レーザビームLBが透過するL1記録層33の領域が、記録マークが形成された領域であるか、ブランク領域であるかによって、L0記録層23に照射されるレーザビームLBの光量が大きく変化するとともに、L0層20のL0記録層23からデータを再生する際に、L0記録層23で反射され、L1層30を透過して、検出されるレーザビームLBの光量が大きく変化し、その結果、レーザビームLBが通過するL1記録層33の領域が記録マークが形成された領域であるか、ブランク領域であるかによって、L0記録層23に対する記録特性やL0記録層23から再生される信号の振幅が大きく変化してしまうという問題が生じる。
とくに、L0記録層23に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが通過するL1記録層33の領域に、記録マークが形成された領域とブランク領域との境界が含まれている場合には、レーザビームLBのスポット内における反射率分布が一定とならないため、所望のように、L0記録層23に記録されたデータを再生することは不可能である。
本発明者の研究によれば、所望のように、L0記録層23にデータを記録し、L0記録層23から、データを再生するためには、L1記録層33の記録マークが形成された領域の光透過率と、ブランク領域の光透過率の差が、4%以下であることが必要であることが好ましいことが見出されている。
また、本発明者の研究によれば、SiとCuとが混合して、形成された記録マークの領域の400nmないし430nmの波長のレーザビームLBに対する光透過率と、Siを主成分として含む第一のL1記録膜33aとCuを主成分として含む第二のL1記録膜33bとが積層されたL1記録層33のブランク領域の400nmないし430nmの波長のレーザビームLBに対する光透過率との差は4%以下であり、約405nmの波長のレーザビームLBに対しては、記録マークが形成されたL1記録層33の領域の光透過率と、L1記録層33のブランク領域の光透過率との差は1%以下であることが見出されている。
したがって、本実施態様においては、L1記録層33の第一のL1記録膜33aがSiを主成分として含み、L1記録層33の第二のL1記録膜33bがCuを主成分として含み、光透過層13を介して、レーザビームLBが照射されたときに、第一のL1記録膜33aに主成分として含まれたSiと、第二のL1記録膜33bに主成分として含まれたCuとが混合して、記録マークが形成されるように構成されているから、L1層30を介して、L0記録層23にレーザビームLBを照射することによって、所望のように、L0記録層23にデータを記録し、L0記録層23に記録されたデータを再生することが可能になる。
L1記録層33は、L0層20に含まれるL0記録層23にデータを記録し、L0層20のL0記録層23からデータを再生する場合に、レーザビームLBが透過するから、高い光透過性を有していることが必要であり、そのためには、L1記録層33は、その膜厚が、L0記録層23の膜厚よりも、薄くなるように形成されることが好ましい。
具体的には、L0記録層23は、2nmないし40nmの膜厚を有するように形成されることが好ましく、L1記録層33は、2nmないし15nmの膜厚を有するように、形成されることが好ましい。
L1記録層33およびL0記録層23の膜厚が2nm未満である場合には、レーザビームLBを照射する前後の反射率の変化が少なくなり、高い強度の再生信号(C/N比)を得ることができなくなる。
一方、L1記録層33の膜厚が15nmを越えると、L1層30の光透過率が低下し、L0記録層23へのデータの記録特性およびL0記録層23からのデータの再生特性が悪化してしまう。
また、L0記録層23の厚さが40nmを越えると、記録感度が悪化してしまう。
さらに、レーザビームLBを照射する前後の反射率の変化を十分に大きくするために、L1記録層33に含まれる第一のL1記録膜33aの厚さと第二のL1記録膜33bの厚さとの比(第一のL1記録膜33aの厚さ/第二のL1記録膜33bの厚さ)およびL0記録層23に含まれる第一のL0記録膜23aの厚さと第二のL0記録膜23bの厚さとの比(第一のL0記録膜23aの厚さ/第二のL0記録膜23bの厚さ)は、0.2ないし5.0であることが好ましい。
第三の誘電体膜24および第二の誘電体膜22は、L0記録層23を保護する保護膜として機能し、第一の誘電体膜34および第二の誘電体膜32は、L1記録層33を保護する保護膜として機能する。
第一の誘電体膜34、第二の誘電体膜32、第三の誘電体膜24および第四の誘電体膜22の厚さは、とくに限定されるものではないが、10nmないし200nmの厚さを有していることが好ましい。これら誘電体膜の厚さが10nm未満である場合には、保護膜としての機能が十分でなくなり、その一方で、これら誘電体膜の厚みが200nmを超えている場合には、成膜に要する時間が長くなって、生産性が低下したり、内部応力によって、L0記録層23やL1記録層33にクラックが発生するおそれがある。
第一の誘電体膜24、第二の誘電体膜22、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32を形成するための材料は、とくに限定されるものではないが、Al、AlN、SiO、Si、CeO、ZnS、TaOなど、Al、Si、Ce、Zn、Ta、Tiなどの酸化物、窒化物、硫化物、炭化物あるいはそれらの混合物を用いて、第一の誘電体膜24、第二の誘電体膜22、第三の誘電体膜34および第四の誘電体膜32を形成することが好ましく、とくに、ZnS・SiOからなる誘電体を主成分とすることがより好ましい。ここで、「ZnS・SiO」とは、ZnSとSiOとの混合物を意味する。
L1層30に含まれる反射膜31は、光入射面13aから入射されるレーザビームLBを反射し、再び、光入射面13aから出射させる役割を果たすとともに、レーザビームLBの照射によって、L1記録層33に生じた熱を効果的に放熱させる役割を果たす。
L0層20のL0記録層23にデータを記録し、L0層20のL1記録層23に記録されたデータを再生する場合には、光入射面13aから入射されるレーザビームLBは、L1層30に含まれる反射膜31を通って、L0層20のL1記録層23に照射されるため、反射膜31の材料としては、光透過率が高く、かつ、熱伝導性が高い材料を用いる必要がある。さらに、反射膜31の材料としては、長期にわたる保存信頼性が高いことも要求される。
したがって、本実施態様においては、L1層30に含まれている反射膜31は、Agを主成分として含み、0.5原子%ないし5.0原子%のCを添加物として含んでいる。
L1層30に含まれる反射膜31の膜厚は、Cの添加量によって、光透過率および熱伝導性が変化するため、Cの添加量を考慮して定めればよいが、通常は、20nm未満であることが好ましく、5nmないし15nmであることがより好ましい。
L0層20に含まれる反射膜21は、光入射面13aから入射されるレーザビームLBを反射し、再び、光入射面13aから出射させる役割を果たすとともに、レーザビームLBの照射によって、L0記録層20に生じた熱を効果的に放熱させる役割を果たす。
L0層20に含まれる反射膜21は、20nmない200nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。L0層20に含まれる反射膜21の厚さが20nm未満であると、L0記録層23に生成された熱を放熱することが困難になり、その一方で、反射膜21の厚さが200nmを越えていると、反射膜21の成膜に長い時間を要するため、生産性を低下し、内部応力などによって、クラックが発生するおそれがある。
L0層20に含まれる反射膜21を形成するための材料は、とくに限定されるものではない。反射膜31と同様の材料によって、反射膜21を形成することができるが、L1層30に含まれる反射膜31とは異なり、L0層20に含まれる反射膜21の材料を選択するにあたっては、光透過率を考慮する必要はない。
本発明者の研究によれば、以上のように、支持基板11の一主面および透明中間層12の光透過層13に対向する主面に、グルーブGおよびランドLが形成された光記録ディスク10においては、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことが可能になることが見出されている。
図4は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略断面図である。
本実施態様にかかる光記録ディスク40は、追記型光記録ディスクとして構成されており、図4に示されるように、支持基板41と、第一の記録層50と、第一の透明中間層42と、第二の記録層60と、第二の透明中間層43と、第三の記録層70と、光透過層45とを備えている。
第一の記録層50、第二の記録層60および第三の記録層70は、それぞれ、データを記録する記録層であり、本実施態様にかかる光記録ディスク40は、三層の記録層を有している。
図4に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク40は、光透過層45にレーザビームLBが照射されるように構成され、光透過層45の一方の表面によって、光入射面45aが構成されている。
図4に示されるように、第一の記録層50が、光入射面45aから最も遠い記録層を構成し、第三の記録層70が、光入射面45aに最も近い記録層を構成している。
第一の記録層50、第二の記録層60あるいは第三の記録層70にデータを記録し、第一の記録層50、第二の記録層60あるいは第三の記録層70に記録されたデータを再生する場合には、光入射面45a側から、400ないし430nmの波長を有する青色レーザビームLBが照射され、その焦点が、第一の記録層50、第二の記録層60および第三の記録層70のいずれか1つに合わされる。
したがって、第一の記録層50にデータを記録し、第一の記録層50に記録されたデータを再生するときには、第二の記録層60および第三の記録層70を介して、第一の記録層50に、レーザビームLBが照射され、第二の記録層60にデータを記録し、第二の記録層60に記録されたデータを再生するときには、第三の記録層70を介して、第二の記録層60に、レーザビームLBが照射される。
図1および図2に示された光記録ディスク1と同様に、支持基板41は、たとえば、ポリカーボネートによって形成されている。
図4に示されるように、支持基板41の一方の主面上に、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLが交互に形成されており、図1および図2に示された光記録ディスク1と同様に、本実施態様においても、グルーブGとランドLは、グルーブGの深さGdが、15nm以上、25nm以下で、グルーブGの半値幅Gwが、150nm以上、230nm以下になるように形成され、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板2の一方の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように形成されている。
図4には図示されていないが、本実施態様においても、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLが形成されている。
図4に示されるように、支持基板41の表面上には、第一の記録層50が形成されている。
図5は、第一の記録層50の略拡大断面図である。
図5に示されるように、第一の記録層50は、支持基板41上に、反射膜51、第二の誘電体膜52、第二の記録膜53b、第一の記録膜53aおよび第一の誘電体膜54が積層されて、構成されている。
図5に示されるように、支持基板41の表面には、スパッタリング法などの気相成長法によって、反射膜51が形成されている。
反射膜51は、光入射面45aから入射されるレーザビームLBを反射し、再び、光入射面45aから出射させる役割を果たすとともに、レーザビームLBの照射によって、第二の記録膜53bおよび第一の記録膜53aに生じた熱を効果的に放熱させる役割を果たす。
反射膜51を形成するための材料は、レーザビームLBを反射できればよく、とくに限定されるものではないが、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ag、Pt、Auなどによって、形成することができる。これらのうちでは、Al、Au、Ag、Cuまたはこれらの合金が、高い反射率と高い熱伝導率を有しているため、反射膜51を形成するために、好ましく使用される。
反射膜51は、20nmないし200nmの厚さを有するように、形成されることが好ましい。反射膜51の厚さが20nm未満であると、反射膜51の反射率を十分に高くすることが困難になるとともに、第一の記録層50に生成された熱を放熱することが困難になり、その一方で、反射膜51の厚さが200nmを越えていると、反射膜51の成膜に長い時間を要するため、生産性を低下し、内部応力などによって、クラックが発生するおそれがある。
図5に示されるように、反射膜51の表面上には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第二の誘電体膜52が形成されている。
第二の誘電体膜52は、支持基板41の熱変形を防止する機能を有し、さらに、第一の誘電体膜54とともに、第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bを保護する保護膜として機能する。
第二の誘電体膜52を形成するための材料は、レーザビームLBの波長領域において、透明な誘電体材料であれば、とくに限定されるものではなく、たとえば、酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいは、これらの組み合わせを主成分とする誘電体材料によって、第二の誘電体膜52を形成することができ、第二の誘電体膜52は、好ましくは、Si、Ge、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Sn、Ca、Ce、V、Cu、FeおよびMgよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいは、これらの複合物によって形成される。第二の誘電体膜52を形成するための誘電体材料としては、ZnSとSiOの混合物がとくに好ましく、また、ZnSとSiOのモル比としては、50:50ないし85:15であることが好ましく、略80:20であることが、さらに好ましい。
図5に示されるように、第二の誘電体膜52の表面上には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第二の記録膜53bが形成され、さらに、その表面上には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第一の記録膜53aが形成されている。
第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bは、データを記録する記録膜である。
本実施態様においては、第二の記録膜53bはCuを主成分として含み、第一の記録膜53aはSiを主成分として含んでいる。
Cuを主成分として含む第二の記録膜53bには、Al、Zn、Sn、MgおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素が添加されていることが好ましい。これらの元素を、Cuを主成分として含む第二の記録膜53bに添加した場合には、再生信号のノイズレベルを低下させることが可能になるとともに、長期間の保存に対する信頼性を向上させることが可能になる。
第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bは、その総厚が、2nmないし40nmとなるように形成されることが好ましい。
第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bの総厚が、2nm未満の場合には、レーザビームLBを照射する前後の反射率の変化が少なくなり、高いC/N比の再生信号を得ることができなくなり、一方、第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bの総厚が、40nmを越えると、記録感度が悪化してしまう。
第一の記録膜53aおよび第二の記録膜53bのそれぞれの厚さは、とくに限定されるものではないが、第一の記録膜53aの厚さと、第二の記録膜53bの厚さとの比、すなわち、第一の記録膜53aの厚さ/第二の記録膜53bの厚さが、0.2ないし5.0であることが好ましい。
図5に示されるように、第一の記録膜53aの表面には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第一の誘電体膜54が形成されている。
第一の誘電体膜54は、第二の誘電体膜52と同様の材料によって形成することができる。
図4に示されるように、第一の記録層50の表面には、第一の透明中間層42が形成されている。
第一の透明中間層42は、第一の記録層50と第二の記録層60を物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる機能を有している。
図4に示されるように、第一の透明中間層42の光透過層45に対向する主面には、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されている。
第一の透明中間層42は、第一の記録層50上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、支持基板41を作製するのに用いたスタンパ(図示せず)と同様の凹凸パターンが形成されたスタンパ(図示せず)を被せた状態で、スタンパを介して、紫外線を照射することによって、形成され、その結果、第一の透明中間層42の光透過層45に対向する主面に、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
図4に示されるように、第一の透明中間層42の表面には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第二の記録層60が形成され、第二の記録層60の表面には、第二の透明中間層43が形成されている。
第二の透明中間層43は、第二の記録層60と第三の記録層70とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる機能を有している。
図4に示されるように、第二の透明中間層43の第二の記録層60に対向する主面には、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されている。
第二の透明中間層43は、第二の記録層60上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、支持基板41を作製するのに用いたスタンパ(図示せず)と同様の凹凸パターンが形成されたスタンパ(図示せず)を被せた状態で、スタンパを介して、紫外線を照射することによって、形成され、その結果、第二の透明中間層43の第二の記録層60に対向する主面に、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
第一の透明中間層42は、第一の記録層50にデータを記録し、第一の記録層50に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが通過するから、高い光透過率を有していることが必要であり、また、第二の透明中間層43は、第一の記録層50にデータを記録し、第一の記録層50に記録されたデータを再生するとき、および、第二の記録層60にデータを記録し、第二の記録層60に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが通過するため、高い光透過率を有していることが必要である。
第一の透明中間層42および第二の透明中間層43は、それぞれ、5μmないし50μmの厚さを有するように形成されることが好ましく、さらに好ましくは、10μmないし40μmの厚さを有するように、形成される。
第二の記録層60は、データを記録する記録層であり、本実施態様においては、単一の記録膜によって構成されている。
図4に示されるように、第二の透明中間層43の表面には、スパッタリング法などの気相成長法によって、第三の記録層70が形成されている。
第三の記録層70は、データを記録する記録層であり、本実施態様においては、単一の記録膜によって構成されている。
本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70は、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属が添加物として添加されている。
具体的には、第二の記録層60は、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、第一の透明中間層42の表面に形成される。この過程で、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属が、ZnSとSiOとの混合物に対して、還元剤として作用し、その結果、Znが、Sから分離され、第二の記録層60中に、単体の形で均等に分散される。
一方、必ずしも明らかではないが、還元剤として用いられたMg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属は、Znから分離されたSあるいはZnS中のSの一部と結合して、化合物を形成するものと考えられる。
第二の記録層60を形成する際に用いられるターゲットに含まれるZnSとSiOとの混合物のモル比を、50:50ないし90:10に設定することが好ましく、約80:20に設定することが、さらに好ましい。
ZnSとSiOとの混合物中のZnSのモル比が50%以上であるときは、第二の記録層60のレーザビームLBに対する反射率と光透過率とを、ともに、向上させることができ、ZnSとSiOとの混合物中のZnSのモル比が90%以下であるときは、応力によって、第二の記録層60にクラックが発生することを、効果的に、防止することができる。
さらに、ZnSとSiOとの混合物中のZnSとSiOのモル比を65:35ないし75:25に設定すれば、第二の記録層60にクラックが発生することを、より効果的に防止しつつ、第二の記録層60のレーザビームLBに対する反射率と光透過率とを、より一層向上させることが可能になる。
本実施態様において、第二の記録層60が、Mgを含んでいるときには、Mgの含有量は、18.5原子%ないし33.7原子%であることが好ましく、20原子%ないし33.5原子%であることが、さらに好ましい。
他方、第二の記録層60が、Alを含んでいるときには、Alの含有量は、11原子%ないし40原子%であることが好ましく、18原子%ないし32原子%であることが、さらに好ましい。
また、第二の記録層60が、Tiを含んでいるときには、Tiの含有量は、8原子%ないし34原子%であることが好ましく、10原子%ないし26原子%であることが、さらに好ましい。
本実施態様においては、第二の記録層60と第三の記録層70は、同一の組成を有しており、したがって、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、第三の記録層70が、第二の透明中間層43の表面上に形成される。
また、本実施態様においては、第二の記録層60は、15nmないし50nmの厚さを有するように形成されており、第三の記録層70は、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように形成されている。
第二の記録層60は、第一の記録層50にデータを記録し、第一の記録層50に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが透過する層であるから、第一の記録層50に記録されたデータを再生したときに、高いレベルの再生信号を得ることができるのに十分な光透過率を有していることが必要である。また、第三の記録層70は、第一の記録層50にデータを記録し、第一の記録層50に記録されたデータを再生するとき、あるいは、第二の記録層60にデータを記録し、第二の記録層60に記録されたデータを再生するときに、レーザビームLBが透過する層であるから、第一の記録層50に記録されたデータを再生したとき、あるいは、第二の記録層60に記録されたデータを再生したときに、高いレベルの再生信号を得ることができるのに十分な光透過率を有していることが必要である。
その一方で、第二の記録層60に記録されたデータを再生するとき、第二の記録層60によって反射され、光入射面45aから出射したレーザビームLBの強度が検出され、第三の記録層70に記録されたデータを再生するときには、第三の記録層70によって反射され、光入射面45aから出射したレーザビームLBの強度が検出されるから、第二の記録層60および第三の記録層70は、第二の記録層60および第三の記録層70に記録されたデータを再生したときに、高いレベルの再生信号を得ることができるのに十分な反射率を有していることが必要である。
本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70は、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでおり、本発明者の研究によれば、第二の記録層60および第三の記録層70が、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいる場合には、400nmないし430nmの波長を有するレーザビームLBに対する光透過率が高いことが見出されている。
また、本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70は、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように形成されており、本発明者の研究によれば、第二の記録層60の厚さD2が、第三の記録層70の厚さD3よりも大きくなるように、第二の記録層60および第三の記録層70を形成した場合には、第二の記録層60および第三の記録層70が、いずれも、400nmないし430nmの波長λを有するレーザビームLBに対して、より一層、高い光透過率を有することが見出されている。
したがって、本実施態様によれば、第一の記録層50にデータを記録する場合に、レーザビームLBが、第一の記録層50に到達するまでに、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することが可能になるから、第一の記録層50に、所望のように、データを記録することができ、一方、第一の記録層50に記録されたデータを再生する場合には、第一の記録層50によって反射されたレーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することが可能になるから、第一の記録層50に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能になる。
また、本発明者の研究によれば、第二の記録層60および第三の記録層70が、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60および第三の記録層70を、第二の記録層60の厚さD2が、第三の記録層70の厚さD3よりも大きくなるように形成した場合には、光入射面45aから遠い記録層であるほど、レーザビームLBに対する反射率を高くすることができることが見出されており、したがって、本実施態様によれば、第一の記録層50だけでなく、第二の記録層60および第三の記録層70からも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
さらに、第二の記録層60および第三の記録層70に、同等のパワーの記録用レーザビームLBを照射して、同様にして、データを記録することができるように、第二の記録層60によって吸収されるレーザビームLBの量と、第三の記録層70によって吸収されるレーザビームLBの量がほぼ等しいことが好ましい。
また、第二の記録層60に記録されたデータおよび第三の記録層70に記録されたデータを、同様にして、再生するためには、レーザビームLBを第二の記録層60にフォーカスして、第三の記録層70を介して、レーザビームLBを第二の記録層60に照射したときの第二の記録層60のレーザビームLBに対する反射率と、レーザビームLBを第三の記録層70にフォーカスして、レーザビームLBを第三の記録層70に照射したときの第三の記録層70のレーザビームLBに対する反射率とがほぼ等しいことが好ましい。
本発明者の研究によれば、第二の記録層60が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように、第二の記録層60および第三の記録層70を形成した場合には、第二の記録層60のレーザビームLBによって吸収されるレーザビームLBの量および第三の記録層70によって吸収されるレーザビームLBの量がほぼ等しく、かつ、光透過層45を介して、照射されるレーザビームLBのパワーに対して、第二の記録層60および第三の記録層70の光吸収率が、10%ないし30%の十分な光吸収率を有するように、第二の記録層60および第三の記録層70を形成し得ることが見出されており、したがって、本実施態様によれば、第二の記録層60および第三の記録層70のいずれにも、所望のように、データを記録することが可能となる。
さらに、本発明者の研究によれば、第二の記録層60および第三の記録層70が、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60および第三の記録層70を、第二の記録層60が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように、形成した場合には、第二の記録層60の反射率および第三の記録層70の反射率がほぼ等しく、かつ、それぞれが十分な反射率を有するように、第二の記録層60および第三の記録層70を形成し得ることが見出されており、したがって、本実施態様によれば、第二の記録層60および第三の記録層70のいずれからも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
図4に示されるように、第三の記録層70の表面には、光透過層45が形成されている。
光透過層45は、レーザビームLBを透過させる層であり、その一方の表面によって、光入射面45aが構成されている。
光透過層45は、30μmないし200μmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
図4に示されるように、光透過層45の第三の記録層70に対向する主面には、第二の透明中間層43の第三の記録層70側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターン、すなわち、支持基板41の第一の記録層50側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターンと同様の凹凸パターンが形成されている。
光透過層45は、第三の記録層70上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、紫外線を照射して、塗膜を硬化させることによって形成され、その結果として、第二の透明中間層43の第三の記録層70側の一主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターン、すなわち、支持基板41の第一の記録層50側の一主面に形成されたグルーブGおよびランドLの凹凸パターンが、光透過層45の第三の記録層70に対向する主面に転写されて、光透過層45の第三の記録層70に対向する主面に、支持基板41の第一の記録層50側の主面に形成されたグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
光透過層45は、第一の記録層50、第二の記録層60あるいは第三の記録層70に、データを記録し、第一の記録層50、第二の記録層60あるいは第三の記録層70に記録されたデータを再生する場合に、レーザビームLBが通過するため、十分に高い光透過性を有している必要がある。
以上のように構成された本実施態様にかかる光記録ディスク40の第一の記録層50に、データを記録するにあたっては、400nmないし430nmの波長を有するレーザビームLBが、光透過層45を介して、第一の記録層50にフォーカスされる。
その結果、第一の記録層50が加熱されて、第一の記録膜53aに主成分として含まれているSiと、第二の記録膜53bに主成分として含まれているCuがと混合され、混合領域が形成される。こうして形成された混合領域は、それ以外のブランク領域と、レーザビームLBに対する反射率が大きく異なるため、記録マークとして、利用することができる。
本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように、形成されているから、第二の記録層60および第三の記録層70は、レーザビームLBに対して十分に高い光透過率を有しており、したがって、レーザビームLBが、第三の記録層70および第二の記録層60を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することができ、第一の記録層50に、所望のように、データを記録することが可能となる。
一方、第一の記録層50に記録されたデータを再生する場合にも、第三の記録層70および第二の記録層60を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することができ、また、第一の記録層50で反射されたレーザビームLBが、第二の記録層60および第三の記録層70を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することが可能になるから、第一の記録層50に記録されたデータを、所望のように、再生することもできる。
さらに、本実施態様においては、第一の記録層50と支持基板41との間に、反射膜51が形成されているから、反射膜51によって反射されたレーザビームLBと、第一の記録層50によって反射されたレーザビームLBとが相互干渉し、その結果、データの記録前と記録後の反射率差を大きくすることができ、したがって、第一の記録層50に記録されたデータを、感度よく、再生することができる。
また、光記録ディスク40の第二の記録層60に、データを記録する場合には、400nmないし430nmの波長を有するレーザビームLBが、光透過層45を介して、第二の記録層60にフォーカスされる。
その結果、第二の記録層60が加熱され、加熱された第二の記録層60の領域内に単体の形で含まれているZnが、Sと反応して、結晶状態のZnSとなり、さらに、結晶状態のZnSの周辺に存在する非晶質状態のZnSが、結晶状態のZnSを核として、結晶成長する。こうして、結晶状態のZnSが生成された領域は、それ以外の領域と、400nmないし430nmの波長λを有するレーザビームLBに対する反射率が大きく異なるので、記録マークとして、利用することができ、データが、第二の記録層60に記録される。
さらに、光記録ディスク40の第三の記録層70に、データを記録する場合には、400nmないし430nmの波長を有するレーザビームLBが、光透過層45を介して、第三の記録層70にフォーカスされる。
本実施態様においては、第三の記録層70は、第二の記録層60と同じ組成を有しているから、レーザビームLBが、第三の記録層70に照射されると、レーザビームLBが照射された第三の記録層70の領域が結晶化され、第二の記録層60と同様に、第三の記録層70にデータが記録される。
本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60が、15nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が、0.40ないし0.70となるように、形成されているから、第二の記録層60によって吸収されるレーザビームLBの量および第三の記録層70によって吸収されるレーザビームLBの量がほぼ等しく、かつ、光透過層45を介して、照射されるレーザビームLBのパワーに対して、第二の記録層20および第三の記録層70の光吸収率が、10%ないし30%の十分な光吸収率を有するように、第二の記録層60および第三の記録層70を形成することができ、したがって、第二の記録層60および第三の記録層70のいずれの記録層にも、データを、所望のように、記録することが可能となる。
本発明者の研究によれば、以上のように、支持基板41の一主面、第一の透明中間層42の光透過層45に対向する主面、第二の透明中間層43の光透過層45に対向する主面および光透過層45の支持基板41に対向する主面に、グルーブGおよびランドLが形成された光記録ディスク40においては、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことが可能になることが見出されている。
図6は、本発明のさらに他の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略断面図である。
図6に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク100は、支持基板41と、支持基板41の表面上に形成された第一の記録層50と、第一の記録層50の表面上に形成された第一の透明中間層42と、第一の透明中間層42の表面上に形成された第二の記録層60と、第二の記録層60の表面上に形成された第二の透明中間層43と、第二の透明中間層43の表面上に形成された第三の記録層70と、第三の記録層70の表面上に形成された第三の透明中間層44と、第三の透明中間層44の表面上に形成された第四の記録層80と、第四の記録層80の表面上に形成された光透過層45とを備えており、第三の透明中間層44および第四の記録層80が形成され、記録層が四層構造を有している点を除き、図4および図5に示された光記録ディスク40と同様の構成を有している。
第三の透明中間層44は、第三の記録層70と第四の記録層80とを物理的および光学的に十分な距離をもって離間させる役割を果たしている。
図4および図5に示された光記録ディスク40におけるのと同様にして、本実施態様にかかる光記録ディスク100においても、支持基板41の一主面、第一の透明中間層42の光透過層45に対向する主面、第二の透明中間層43の光透過層45に対向する主面および第三の透明中間層44の光透過層45に対向する主面上には、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLが交互に形成されており、本実施態様においても、グルーブGとランドLは、グルーブGの深さGdが、15nm以上、25nm以下で、グルーブGの半値幅Gwが、150nm以上、230nm以下になるように形成され、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板2の一方の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように形成されている。
さらに、第三の透明中間層44の光透過層45に対向する主面には、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されている。
第三の透明中間層44は、第三の記録層70上に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって、塗布して、塗膜を形成し、塗膜の表面に、支持基板41を作製するのに用いたスタンパ(図示せず)と同様の凹凸パターンが形成されたスタンパ(図示せず)を被せた状態で、スタンパを介して、紫外線を照射することによって、形成され、その結果、第三の透明中間層44の光透過層45に対向する主面に、支持基板41の一方の主面に形成された複数のグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成される。
また、本実施態様においても、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLが形成されている。
第三の透明中間層44は、5μmないし50μmの厚さを有するように形成されることが好ましく、10μmないし40μmの厚さを有するように形成されることが、より好ましい。
第四の記録層80は、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、第三の透明中間層44の表面上に形成される。
本実施態様においては、第二の記録層60および第三の記録層70形成したときに用いたターゲットと同じターゲットが用いられ、したがって、第四の記録層80は、第二の記録層60および第三の記録層70と同一の組成を有している。
また、本実施態様においては、第二の記録層60が、20nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が0.48ないし0.93、第四の記録層80の厚さD4と、第二の記録層60の厚さD2との比D4/D2が0.39ないし0.70で、かつ、第二の記録層60の厚さD2、第三の記録層70の厚さD3および第四の記録層80の厚さD4が、D2>D3>D4を満たすように、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が形成されている。
本発明者の研究によれば、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60の厚さD2、第三の記録層70の厚さD3および第四の記録層80の厚さD4が、D2>D3>D4を満たすように形成されている場合には、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、レーザビームLBに対して十分に高い光透過率を有することが見出されており、したがって、本実施態様によれば、レーザビームLBが、第四の記録層80、第三の記録層70および第二の記録層60を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することができ、第一の記録層50に、所望のように、データを記録することが可能となる。一方、第一の記録層50に記録されたデータを再生する場合にも、レーザビームLBが、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することができ、また、第一の記録層50によって反射されたレーザビームLBが、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を透過する際に、レーザビームLBのパワーが低下することを最小限に抑制することが可能になるから、第一の記録層50に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能となる。
また、本発明者の研究によれば、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60の厚さD2、第三の記録層70の厚さD3および第四の記録層80の厚さD4が、D2>D3>D4を満たすように形成されている場合には、光入射面45aから遠い記録層であるほど、レーザビームLBに対する反射率を高くすることができることが見出されており、したがって、本実施態様によれば、第一の記録層50だけでなく、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80からも、データを、所望のように、再生することが可能となる。
さらに、本発明者の研究によれば、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60が、20nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が0.48ないし0.93で、かつ、第四の記録層80の厚さD4と、第二の記録層60の厚さD2との比D4/D2が0.39ないし0.70となるように形成されている場合には、第二の記録層60によって吸収されるレーザビームLBの量、第三の記録層70によって吸収されるレーザビームLBの量および第四の記録層80によって吸収されるレーザビームLBの量がほぼ等しく、かつ、光透過層45を介して、照射されるレーザビームLBのパワーに対して、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80の光吸収率が、10%ないし20%の十分に高い光吸収率を有するように、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を形成し得ることが見出されており、したがって、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80のいずれの記録層にも、データを、所望のように、記録することが可能となる。
また、本発明者の研究によれば、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、Zn、Si,SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含み、第二の記録層60が、20nmないし50nmの厚さを有し、第三の記録層70の厚さD3と、第二の記録層60の厚さD2との比D3/D2が0.48ないし0.93で、かつ、第四の記録層80の厚さD4と、第二の記録層60の厚さD2との比D4/D2が0.39ないし0.70となるように形成されている場合には、第二の記録層60の反射率、第三の記録層70の反射率および第四の記録層80の反射率がほぼ等しく、かつ、それぞれが十分な反射率を有するように、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を形成し得ることが見出されており、したがって、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80のいずれの記録層からも、記録したデータを、所望のように、再生することができる。
本発明者の研究によれば、以上のように、支持基板2の一主面、第一の透明中間層42の光透過層45に対向する主面、第二の透明中間層43の光透過層45に対向する主面および第三の透明中間層44の光透過層45に対向する主面に、グルーブGおよびランドLが形成された光記録ディスク100においては、データ読み取り時におけるジッターを所望の範囲内に抑えることができ、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制することが可能になるとともに、プッシュプル信号レベルを所望値以上に保持することができ、所望のように、トラッキング制御をおこなうことが可能になることが見出されている。
以下、本発明の効果をより一層明確なものにするため、実施例を掲げる。
実施例1
以下のようにして、深さの異なるグルーブが形成されたスタンパ#1ないし#19を作成した。
まず、研磨されたガラス基板上に、カップリング剤層を形成し、カップリング剤層上に、フォトレジストを、スピンコーティング法によって塗布し、85℃で、20分間にわたって、ベーキングして、残留溶剤を除去し、厚さ12nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ソニー株式会社製のカッティングマシンを用い、トラックピッチを320nmとして、遠紫外レーザ(波長266nm)により、フォトレジスト層を露光した。
その後、現像をおこなって、グルーブ幅を170nmとしたフォトレジスト原盤を得た。
次いで、フォトレジスト原盤のフォトレジスト層の表面に、無電界めっきによって、ニッケルの薄膜を形成した。
さらに、ニッケルの薄膜を下地として、電鋳をおこない、ニッケル電鋳膜を形成し、フォトレジスト原盤から剥離して、マスター盤を作成した。
次いで、マスター盤の表面を、KMnO溶液に浸漬して、酸化した後、電鋳膜を形成し、マスター盤の表面から、電鋳膜を剥離させて、マスター盤とは凹凸のパターンが逆のマザー盤を得た。
こうして得られたマザー盤を打ち抜き、裏面研磨を施して、スタンパ#1を作製した。
フォトレジスト層の厚さを変化させて、スタンパ#1と同様にして、グルーブ深さGdの異なるスタンパ#2ないし#19を作製した。
こうして作製されたスタンパ#1ないし#19を用いて、以下のようにして、図1に示される光記録ディスクを作製した。
射出成形によって、直径が120mmで、厚さが1.1mmのポリカーボネート基板を作製し、スタンパ#1ないし#19を用いて、ポリカーボネート基板の表面に、スタンパ#1ないし#19のそれぞれに形成されたグルーブおよびランドを転写して、ポリカーボネート基板の表面に、グルーブおよびランドを形成した。
さらに、ポリカーボネート基板の表面に、Ag、PdおよびCu(原子比98:1:1)よりなる厚さ100nmの反射層を、スパッタリング法によって、形成した。
次いで、反射層の表面に、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)よりなるターゲットを用いて、スパッタリング法により、厚さ28nmの第二の誘電体層を形成した。
さらに、第二の誘電体層の表面に、スパッタリング法により、6nmの厚さを有するCuAlの第二の記録層を形成した。
次いで、第二の記録層の表面に、6nmの厚さを有するSiを主成分として含む第一の記録層を形成した。
さらに、第一の記録層の表面に、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)よりなるターゲットを用いて、スパッタリング法により、厚さ25nmの第一の誘電体層を形成した。
さらに、第二の誘電体層の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、塗膜に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、厚さ100μmの光透過層を形成した。
こうして、深さGdの異なるグルーブが形成された光記録ディスクサンプル#1ないし#19を得た。
次いで、評価装置を用いて、405nmの波長のレーザビームを、開口数NAが0.85の対物レンズを介して、光記録ディスクサンプル#1ないし#19ののそれぞれに照射して、各サンプルプッシュプル信号を測定し、さらに、光記録ディスクサンプル#1ないし#19の記録層に、5トラック連続記録した信号のジッタを測定した。
グルーブの深さGdとジッタとの関係を測定した結果は、図7に示され、グルーブの深さGdとプッシュプル信号との関係を測定した結果は、図8に示されている。
図7に示されるように、グルーブの深さGdが25nm以下の場合には、ジッタを10%以下に抑えることができ、したがって、再生信号が安定し、データ読み取り時におけるエラーの発生を抑制し得ることが判明した。
また、図8に示されるように、グルーブの深さが15nm未満の場合には、プッシュプル信号のレベルが小さくなりすぎ、安定したトラッキング制御をおこなうことが困難になることがわかった。
したがって、実施例1から、ジッタを10%以下に抑えるとともに、所望のように、トラッキング制御をおこなうことを可能とするためには、15nm以上、25nm以下のグルーブ深さGdを有するグルーブを形成することが必要であることがわかる。
実施例2
以下のようにして、ゾーンごとに、半値幅Gwの異なるグルーブが形成されたスタンパ#20を作成した。
まず、研磨されたガラス基板上に、カップリング剤層を形成し、カップリング剤層上に、フォトレジストを、スピンコーティング法によって塗布し、85℃で、20分間にわたって、ベーキングして、残留溶剤を除去し、厚さ22nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ソニー株式会社製のカッティングマシンを用い、トラックピッチを320nmとして、遠紫外レーザ(波長266nm)により、フォトレジスト層を露光した。ここに、露光は、フォトレジスト層のゾーンごとに、遠紫外レーザのパワーを変えておこなった。
その後、現像をおこなって、ゾーンごとに、半値幅Gwが異なるグルーブが形成されたフォトレジスト原盤を得た。
こうして得られたフォトレジスト原盤を用いて、実施例1と同様にして、スタンパ#20を作製した。
こうして作製されたスタンパ#20には、20nmのグルーブ深さGdを有するグルーブが形成されていた。
次いで、スタンパ#20を用いて、実施例1と同様にして、光記録ディスクサンプル#20を作製した。
こうして作製された光記録ディスクサンプル#20のプッシュプル信号を測定し、さらに、光記録ディスクサンプル#20の記録層に、5トラック連続記録した信号のジッタを測定した。
測定結果は、図9および図10に示されている。
図9は、グルーブの半値幅Gwとジッタとの関係を測定した結果を示すグラフであり、図10は、グルーブの半値幅Gwとプッシュプル信号との関係を測定した結果を示すグラフである。図9および図10において、横軸は、走査型電子顕微鏡によって測定したグルーブの半値幅Gwである。
図9に示されるように、グルーブの半値幅Gwが大きいほど、ジッタは小さくなり、その一方で、グルーブの半値幅Gwが150nm未満では、ジッターが悪化し、10%を越えることが判明した。
また、図10に示されるように、グルーブの半値幅Gwが大きいほど、プッシュプル信号のレベルが低下し、グルーブの半値幅Gwが230nmを越えると、プッシュプル信号のレベルが小さくなりすぎ、安定したトラッキング制御をおこなうことが困難になることがわかった。
したがって、実施例2から、ジッタを10%以下に抑えるとともに、所望のように、トラッキング制御をおこなうことを可能とするためには、150nm以上、230nm以下の半値幅Gwを有するグルーブを形成することが必要であることがわかる。
実施例3
以下のようにして、ゾーンごとに、ウォブル量Wobが異なるスタンパ#21を作製した。
まず、研磨されたガラス基板上に、カップリング剤層を形成し、カップリング剤層上に、フォトレジストを、スピンコーティング法によって塗布し、85℃で、20分間にわたって、ベーキングして、残留溶剤を除去し、厚さ20nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ソニー株式会社製のカッティングマシンを用い、トラックピッチを320nmとして、遠紫外レーザ(波長266nm)により、現像後に、グルーブの半値幅Gwが170nmになるように、フォトレジスト層を露光した。
この際、カッティングマシンのウォブル設定回路に入力する電圧を変えて、ウォブル量を変化させた。このときのウォブル周波数は、1MHzに設定した。
その後、現像をおこなって、ゾーンごとに、ウォブル量が異なるグルーブが形成されたフォトレジスト原盤を得た。
こうして得られたフォトレジスト原盤を用いて、実施例1と同様にして、スタンパ#21を作製した。
こうして作製されたスタンパ#21には、18nmのグルーブ深さGdを有するグルーブが形成されていた。
こうして得られたスタンパ#21を用いて、実施例1と同様にして、光記録ディスクサンプル#21を作製した。
こうして作製された光記録ディスクサンプル#21につき、ウォブル信号/ノイズ比を、実施例1で用いた評価装置を用いて、評価した。
評価条件は、次のとおりであった。
分解能帯域幅(RBW:Resolution Band Width):3kHz
ウォブル量Wobとウォブル信号/ノイズ比(ウォブルC/N比)との関係を評価した結果は、図11に示されている。
図11に示されるように、ウォブル量Wobが、±7nm以上になるように、グルーブとランドを形成することによって、良好なウォブル信号/ノイズ比(ウォブルC/N比)が得られることが判明した。
一方、実施例1で用いた評価装置から、トラッキングエラー信号を、オシロスコープに入力し、光記録ディスクサンプル#21につき、ウォブル量Wobに対する残留トラッキングエラー成分を測定した。
測定結果は、図12に示されている。
図12に示されるように、ウォブル量Wobが±25nmを越えると、残留トラッキングエラーが高くなることがわかった。
したがって、実施例3から、良好なウォブル信号/ノイズ比(ウォブルC/N比)を得るためには、ウォブル量Wobが、±7nm以上になるように、グルーブとランドを形成することが必要であり、残留トラッキングエラーを低い値に抑制するためには、ウォブル量Wobが、±25nm以下になるように、グルーブとランドを形成することが必要であることが判明した。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、支持基板2の一方の主面上に、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLが交互に形成されているが、支持基板2の一方の主面上に、略台形状断面を有するグルーブGと略台形状断面を有するランドLを交互に形成することは必ずしも必要でない。
また、前記実施態様においては、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板2の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように、グルーブGとランドLが形成されているが、隣り合ったグルーブGとランドLの間の傾斜面の支持基板2の主面に対する角度θが、12°ないし30°となるように、グルーブGとランドLを形成することは必ずしも必要でない。
さらに、前記実施態様においては、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLが形成されているが、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように、グルーブGおよびランドLを形成することは必ずしも必要でない。
また、図1および図2に示された実施態様においては、光透過層9は、第一の誘電体層8の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、塗膜に、紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、形成され、光透過層9の支持基板2に対向する主面には、支持基板2の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの形状が転写され、支持基板2の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されており、図3に示された実施態様においては、光透過層13は、L1層30の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、塗膜に、紫外線照射を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、形成され、光透過層13の支持基板11に対向する主面には、支持基板11の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの形状が転写され、支持基板11の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成され、さらに、図4および図5に示された実施態様においては、光透過層45は、第三の記録層70の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法によって塗布して、塗膜を形成し、塗膜に、紫外線照射を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、形成され、光透過層45の支持基板41に対向する主面には、支持基板41の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの形状が転写され、支持基板41の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLと同様の凹凸パターンが形成されている。しかしながら、光透過層9、13、45を、第一の誘電体層8、L1層30、第三の記録層70あるいは第四の記録層80の表面に、紫外線硬化性樹脂溶液をスピンコーティング法により塗布して、形成することは必ずしも必要でなく、第一の誘電体層8、L1層30、第三の記録層70あるいは第四の記録層80の表面に、光透過性を有する樹脂シートを接着して、光透過層9、13、45を形成するようにしてもよい。このようにして、光透過層9、13、45を形成した場合には、光透過層9、13、45の支持基板2、11、41に対向する主面に、支持基板2、11、41の一方の主面に形成されたグルーブGおよびランドLの形状が転写されない。
さらに、図1および図2に示された実施態様においては、第一の記録膜6が光透過層9側に配置され、第二の記録膜5が支持基板2側に配置されているが、第一の記録膜6を支持基板2側に配置し、第二の記録膜5を光透過層9側に配置してもよい。
また、図3に示された実施態様においては、Siを主成分として含む第一のL1記録膜33aが光透過層13側に配置され、Cuを主成分として含む第二のL1記録膜33bが支持基板11側に配置されているが、Siを主成分として含む第一のL1記録膜33aを支持基板11側に配置し、Cuを主成分として含む第二のL1記録膜33bを、光透過層13側に配置してもよい。
さらに、図3に示された実施態様においては、Siを主成分として含む第一のL0記録膜23aが光透過層13側に配置され、Cuを主成分として含む第二のL0記録膜23bが支持基板11側に配置されているが、Siを主成分として含む第一のL0記録膜23aを支持基板11側に配置し、Cuを主成分として含む第二のL0記録膜23bを、光透過層13側に配置してもよい。
また、図3に示された実施態様においては、L0層20が、Siを主成分として含む第一のL0記録膜23aと、Cuを主成分として含む第二のL0記録膜23bを備えているが、L0層20が、Siを主成分として含む第一のL0記録膜23aと、Cuを主成分として含む第二のL0記録膜23bとを備えていることは必ずしも必要でなく、L0層20は単一の記録膜によって構成されていてもよい。さらに、L0層20は、支持基板11の表面に形成されたプレピットによって、再生専用の記録層として、構成されていてもよい。
さらに、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80はいずれも、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、形成されているが、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、形成することは必ずしも必要でなく、ZnSとSiOとの混合物を主成分として含むターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を主成分として含むターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を形成することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80はいずれも、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、形成され、その結果として、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいるが、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を、ZnSとSiOとの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、スパッタリング法などの気相成長法により、形成することは必ずしも必要でなく、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80は、La、SiOおよびSiの混合物を主成分として含むターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を主成分として含むターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成することもできる。このようにして、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を形成した場合には、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80は、それぞれ、La,Si,OおよびNを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含むことになる。
さらに、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80は、同一の組成を有しているが、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80の間におけるZn、Si、OおよびSの含有量の差が5原子%以下であればよく、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が同一の組成を有していることは、必ずしも必要でない。
さらに、図4および図5に示された実施態様においては、光記録ディスク40の第二の記録層60および第三の記録層70は、それぞれ、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいるが、光記録ディスク40の第二の記録層60および第三の記録層70が、それぞれ、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいることは必ずしも必要でなく、光記録ディスク40の第二の記録層60および第三の記録層70のうち、少なくとも一層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームLBが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含んでいればよく、光記録ディスク40の第二の記録層60および第三の記録層70の少なくとも一層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物と含んでいてもよい。
また、図6に示された実施態様においては、光記録ディスク100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80は、それぞれ、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいるが、光記録ディスク100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が、それぞれ、Zn、Si、SおよびOを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいることは必ずしも必要でなく、光記録ディスク100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80のうち、少なくとも一層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームLBが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含んでいればよく、光記録ディスク100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80の少なくとも一層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物を含んでいてもよい。
さらに、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットが用いて、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80が形成されているが、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットに代えて、ZnあるいはLaを主成分として含むターゲットを用いて、光記録ディスク40、100の第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を形成することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様においては、光記録ディスク40は、基板41と、光透過層45と、基板41および光透過層45の間に形成された第一の記録層50、第二の記録層60および第三の記録層70を備え、図6に示された実施態様においては、光記録ディスク100は、基板41と、光透過層45と、基板41および光透過層45の間に形成された第一の記録層50、第二の記録層60、第三の記録層70および第四の記録層80を備えているが、本発明は、三層の記録層を有する光記録ディスクおよび四層の記録層を有する光記録ディスクに限定されるものではなく、広く、二層以上の記録層を有する光記録ディスクに適用することができる。
さらに、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、光記録ディスク40、100の第一の記録層50は、Cuを主成分として含む第一の記録膜53aと、Siを主成分として含む第二の記録膜53bとを有しているが、光記録ディスク40、100の第一の記録層50を、Cuを主成分として含む第一の記録膜53aと、Siを主成分として含む第二の記録膜53bとによって構成することは必ずしも必要でなく、光記録ディスク40、100の第一の記録層50を、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物を含むように形成することもでき、さらには、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームLBが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含むように形成することもできる。
また、図4および図5に示された実施態様ならびに図6に示された実施態様においては、光記録ディスク40、100の第一の記録層50は、Cuを主成分として含む第一の記録膜53aと、Siを主成分として含む第二の記録膜53bとを有しているが、第一の記録層50に代えて、支持基板41あるいは第一の透明中間層42の表面に、ピットを形成して、データを記録することによって、支持基板41あるいは第一の透明中間層42を再生専用の記録層として利用するようにしてもよい。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略要部拡大断面図である。 図2は、グルーブとランドの断面形状の詳細を示す略断面図である。 図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略断面図である。 図4は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略断面図である。 図5は、図4に示された光記録ディスクの第一の記録層の略拡大断面図である。 図6は、本発明のさらに他の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略斜視図である。 図7は、実施例1において、グルーブの深さGdとジッタとの関係を測定した結果を示すグラフである。 図8は、実施例1において、グルーブの深さGdとプッシュプル信号との関係を測定した結果を示すグラフである。 図9は、実施例2において、グルーブの半値幅Gwとジッタとの関係を測定した結果を示すグラフである。 図10は、実施例2において、グルーブの半値幅Gwとプッシュプル信号との関係を測定した結果を示すグラフである。 図11は、実施例3において、ウォブル量Wobとウォブル信号/ノイズ比との関係を評価した結果を示すグラフである。 図12は、実施例3において、ウォブル量Wobとトラッキングエラー(残留ノイズ)との関係を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 光記録ディスク
2 支持基板
3 反射層
4 第二の誘電体層
5 第二の記録膜
6 第一の記録膜
7 記録層
8 第一の誘電体層
9 光透過層
10 光記録ディスク
11 支持基板
12 透明中間層
13 光透過層
13a 光入射面
20 L0層
21 反射膜
22 第四の誘電体膜
23 L0記録層
23a 第一のL0記録膜
23b 第二のL0記録膜23b
24 第三の誘電体膜
30 L1層
31 反射膜
32 第二の誘電体膜
33 L1記録層
33a 第一のL1記録膜
33b 第二のL1記録膜
34 第一の誘電体膜
40 光記録ディスク
41 支持基板
42 第一の透明中間層
43 第二の透明中間層
43 第三の透明中間層
45 光透過層
45a 光入射面
50 第一の記録層
51 反射膜
52 第二の誘電体膜
53a 第二の記録膜
53b 第一の記録膜
54 第一の誘電体膜
60 第二の記録層
70 第三の記録層
80 第四の記録層
100 光記録ディスク
G グルーブ
L ランド
LB レーザビーム

Claims (16)

  1. 支持基板と、前記支持基板の一方の主面に、交互に形成されたグルーブおよびランドと、前記グルーブおよび前記ランドが形成された前記支持基板の前記一方の主面上に形成され、少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に形成された光透過層とを備えた光記録ディスクであって、
    前記各グルーブの深さGdが15nm以上、25nm以下で、かつ、前記グルーブの半値幅Gwが150nm以上、230nm以下となるように前記グルーブおよび前記ランドが形成され、前記少なくとも一層の記録層が無機元素を含んでいることを特徴とする光記録ディスク。
  2. 前記グルーブが略台形状断面を有し、前記ランドが略台形状断面を有していることを特徴とする請求項1に記載の光記録ディスク。
  3. 前記各グルーブと隣り合った前記ランドとの間の傾斜面の前記支持基板に対する角度θが12°以上、30°以下となるように前記グルーブおよび前記ランドが形成されたことを特徴とする請求項2に記載の光記録ディスク。
  4. 前記グルーブおよび前記ランドが、ウォブル量Wobが、±7nm以上となるように形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  5. 前記グルーブおよび前記ランドが、ウォブル量Wobが、±7nmないし±25nmとなるように形成されたことを特徴とする請求項4に記載の光記録ディスク。
  6. 前記少なくとも一つの記録層が、Si、Ge、Sn、Mg、C、Al、Zn、In、Cu、TiおよびBiよりなる群から選ばれる一種の元素を主成分として含む第一の記録膜と、前記第一の記録膜の近傍に設けられ、Cu、Al、Zn、Ag、TiおよびSiよりなる群から選ばれ、第一の記録膜に含まれた元素とは異なる元素を主成分として含む第二の記録膜とによって構成されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  7. 前記第二の記録膜が、前記第一の記録膜に接するように、形成されていることを特徴とする請求項6に記載の光記録ディスク。
  8. 前記第二の記録膜に、Cu、Al、Zn、Ag、Mg,Sn、Au,TiおよびPdよりなる群から選ばれる元素で、前記第二の記録膜に主成分として含まれている元素と異なる元素が添加されていることを特徴とする請求項6または7に記載の光記録ディスク。
  9. 前記第一の記録膜が、Si、GeおよびSnよりなる群から選ばれる元素を主成分として含んでいることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  10. 前記第二の記録膜が、Cuを主成分として含んでいることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  11. 前記光学的機能層が、少なくとも中間層を介して、積層された複数の記録層を備え、前記複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属Mと、記録用のレーザビームが照射されることにより、前記金属Mと結合して、前記金属Mとの化合物の結晶を生成する元素Xとを含んでいることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  12. 前記元素Xが、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素によって構成されていることを特徴とする請求項11に記載の光記録ディスク。
  13. 前記金属Mと前記元素Xを含む少なくとも一層の記録層が、さらに、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含んでいることを特徴とする請求項11または12に記載の光記録ディスク。
  14. 前記光学的機能層が、少なくとも中間層を介して、積層された複数の記録層を備え、前記複数の記録層のうち、光透過層から最も遠い記録層とは異なる少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含み、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を添加物として含んでいることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光記録ディスク。
  15. 前記少なくとも一層の記録層が、Ni、Cu、Si、Ti、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、W、Pb、Bi、ZnおよびLaからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属と、S、O、CおよびNからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素とを主成分として含むターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を主成分として含むターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成されたことを特徴とする請求項14に記載の光記録ディスク。
  16. 前記少なくとも一層の記録層が、ZnSとSiOとの混合物あるいはLa、SiOおよびSiの混合物からなるターゲットと、Mg、AlおよびTiからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属からなるターゲットとを用いて、気相成長法によって、形成されたことを特徴とする請求項15に記載の光記録ディスク。
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