JP2004314672A - 車両用スタビライザー - Google Patents
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Abstract
【課題】スタビライザーの中間部分の支持構造を簡素化しつつ、最低地上高を高くすることができる車両用スタビライザーの提供を図る。
【解決手段】スタビライザー1の車幅方向に延在する中間部分2を、駆動源10を車体側に支持するマウント部材11に貫通させて支持することにより、スタビライザー1の中間部分2の車体側への支持にマウント部材11を兼用できるため、部品点数を削減して構造の簡素化および軽量化を達成できるとともに、中間部分2の配索位置を駆動源10のマウント部材11位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【選択図】 図1
【解決手段】スタビライザー1の車幅方向に延在する中間部分2を、駆動源10を車体側に支持するマウント部材11に貫通させて支持することにより、スタビライザー1の中間部分2の車体側への支持にマウント部材11を兼用できるため、部品点数を削減して構造の簡素化および軽量化を達成できるとともに、中間部分2の配索位置を駆動源10のマウント部材11位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサスペンションに設ける車両用スタビライザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用スタビライザーは、左,右の車輪を上下揺動自在に支持する支持部材間に跨って設けてトーションバーとして機能し、左,右車輪間に発生する高低差をばね作用で抑えてサスペンションのロール剛性を補い、もって乗り心地性や走行安定性を向上させる等の機能を奏する。
【0003】
車両用スタビライザーは、車幅方向に延在した中間部分と、この中間部分の両端部から車両前後方向に延在した腕部と、によって略コ字状に形成し、両端部の腕部を左,右車輪の支持部材に連結するようになっている。
【0004】
この場合、前記スタビライザーは車体構造上、両端部の腕部を車両後方に向けて配置し、それら腕部を左,右車輪の支持部材に連結した状態で、中間部分をエンジンの下側に配置してある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−156043号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車両用スタビライザーにあっては、車幅方向に延在した中間部分を車体側に支持する必要があるが、この中間部分は、これに嵌挿したブッシュと、このブッシュを支持するリンクと、を介してエンジンを車体側に支持するマウント部材の支持部に連結し、この連結部分はブッシュおよび中空軸を介して回動可能となっている。
【0007】
このため、スタビライザーの中間部分を支持するための構造が複雑となり、コストアップや重量増が余儀なくされるとともに、この中間部分をエンジンの下側に配索して、前記マウント部材の支持部に連結したリンクの長さ分だけ下方に位置するため、車両の最低地上高が低くなってしまう。
【0008】
そこで、本発明はスタビライザーの中間部分の支持構造を簡素化しつつ、最低地上高を高くすることができる車両用スタビライザーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用スタビライザーにあっては、スタビライザーの車幅方向に延在する中間部分を、前記駆動源を車体側に支持するマウント部材に貫通させて支持したことを特徴としてる。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、スタビライザーの中間部分の車体側への支持に前記マウント部材を兼用できるため、部品点数の削減して構造の簡素化および軽量化を達成できるとともに、前記中間部分の配索位置を駆動源のマウント部材位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0012】
図1〜図4は本発明にかかる車両用スタビライザーの第1実施形態を示し、図1はスタビライザーの配索状態を概略的に示す側面図、図2はフロントサスペンションの斜視図、図3はマウント部材の分解斜視図、図4は図1中A−A線に沿った拡大断面図である。
【0013】
この第1実施形態の車両用スタビライザー1は、図1,図2に示すように、車両に搭載した駆動源としてのエンジン10の近傍に配設したサスペンション20に設けられて、両端部を図外の左,右輪の支持部材としてのストラット21に連結している。
【0014】
即ち、この実施形態の車両はエンジン10を車体前部のエンジンルームEに搭載した前置きとし、前記サスペンション20は操舵機能を備えたストラットタイプのフロントサスペンションであり、上下方向に配置したストラット21は、その下端部をステアリングナックル22に固定するとともに、このステアリングナックル22を車幅方向に配置したトランスバースリンク23を介してサスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aに上下揺動自在に連結してある。
【0015】
また、前記トランスバースリンク23は、車両前後方向に配置したテンションロッド25を介して車輪に入力する前後力を支持するようになっている。
【0016】
前記スタビライザー1は車幅方向に延在する中間部分2と、この中間部分2の両端部を車両前後方向に折曲した腕部3と、によって略コ字状に形成し、各腕部3の先端部をコンロッド4を介して前記ストラット21の外筒21aに連結し、左,右のストラット21の外筒21a、つまり左,右車輪に相対的な高低差が発生した際に、前記中間部分2の捻れ弾性力によるばね作用によりサスペンション20のロール剛性を補うようになっている。
【0017】
前記サスペンションメンバ24には複数のマウント部材を介してエンジン10が支持され、図1に示すようにエンジン10の車両後方側はマウント部材としての円筒状ブッシュ11によってサスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aに支持される。
【0018】
ここで、この第1実施形態にあっては、図1に示すように前記スタビライザー1の中間部分2をエンジン10の車両後方に配索するとともに、両端部の腕部3を車両前方に向けて配置し、スタビライザー1の中間部分2を前記後方の円筒状ブッシュ11に貫通させて支持してある。
【0019】
尚、図1中30はエンジンルームEと車室Rとを隔成するダッシュパネルであり、また、サスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aとダッシュパネル30との間にステアリングラック31が配置される。
【0020】
また、前記円筒状ブッシュ11は、図3に示すように同心状に配置した内筒11a,外筒11b間にゴム層11cを装填して構成し、図4に示すようにこの円筒状ブッシュ11の内筒11aに前記中間部分2を嵌挿してある。
【0021】
図3に示すように円筒状ブッシュ11の外筒11bの下側には下方ブラケット12を結合し、この下方ブラケット12を介して前記リアクロスメンバ24aに連結するとともに、内筒11aはこれに嵌挿したスタビライザー1の中間部分2に挿通した上方ブラケット13を介してエンジン10に連結してある。
【0022】
即ち、前記下方ブラケット12は、前記外筒11bの外周に沿った円弧状凹部12aと、この円弧状凹部12aの両側から垂下した両側壁12b,12bと、を設けて構成し、円弧状凹部12aを外筒11bに突き当ててそれぞれの外周縁部同士をアーク溶接して結合するとともに、両側壁12b,12bの下端部に形成した取付穴12cを、図外のボルトを介して前記リアクロスメンバ24aに結合してある。
【0023】
また、前記上方ブラケット13は、内筒11aの軸方向両端を挟むようにコ字状に形成され、その両側壁13a,13aの下端部に形成した挿通孔13bをスタビライザー1の中間部分2に挿通するとともに、両側壁13a,13a間の中間壁13cをボルト13dを介してエンジン10の後側面に結合してある。
【0024】
前記スタビライザー1は、その中間部分2を円筒状ブッシュ11の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割するとともに、その分割端部それぞれにねじ部2a,2bを形成し、それぞれのねじ部2a,2bをナット部材2cで連結してある。
【0025】
以上の構成により本実施形態の車両用スタビライザー1によれば、このスタビライザー1の中間部分2を、エンジン10の後側に設けた円筒状ブッシュ11の内筒11aに嵌挿して支持したので、スタビライザー1の中間部分2を車体側、つまりリアクロスメンバ24aに支持する際に、前記円筒状ブッシュ11を兼用できるため、前記中間部分2を支持する専用の支持部材を設ける必要が無くなるため、部品点数を削減して構造の簡素化および軽量化を達成できる。
【0026】
また、スタビライザー1の中間部分2を前記円筒状ブッシュ11に支持したことにより、この中間部分2の配索位置を円筒状ブッシュ11の位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【0027】
ところで、この第2実施形態では前記作用効果に加えて、円筒状ブッシュ11は同心状に配置した内,外筒11a,11b間にゴム層11cを装填して構成してあり、この円筒状ブッシュ11の内筒11aにスタビライザー1の中間部分2を嵌挿したので、スタビライザー1がゴム層11cの弾性変化に影響することが無いため、エンジン10の振動吸収機能を阻害することなく、スタビライザー1の中間部分2を支持することができる。
【0028】
また、スタビライザー1の中間部分2を、円筒状ブッシュ11の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割し、その分割端部にそれぞれに形成したねじ部2a,2bをナット部材2cで連結したので、分割した中間部分2を内筒11aに挿通した後に前記分割端部を連結でき、スタビライザー1の組付け性を向上することができる。
【0029】
更に、この第1実施形態にあっては、スタビライザー1の中間部分2を円筒状ブッシュ11の内筒11aに挿通したことにより、この円筒状ブッシュ11の車幅方向に空間部分が生ずるが、この空間部分を有効利用して図2,図4中2点鎖線に示すように、電子制御によりスタビライザー1の捻り弾性力を制御する円筒状の駆動ユニット5を設けることが可能となる。
【0030】
ところで、この第1実施形態ではストラット21を左,右車輪の支持部材として、このストラット21にスタビライザー1の腕部3を連結した場合を開示したが、このスタビライザー1を連結する支持部材としては、左,右車輪に伴って上下変動する部材、例えばトランスバースリンク23であればよく、これは後述の第2実施形態にあっても同様である。
【0031】
図5,図6は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図5はマウント部材の分解斜視図、図6は図5中B−B線に沿った断面図である。
【0032】
この第2実施形態の車両用スタビライザー1は、その中間部分2を貫通するマウント部材としては第1実施形態と同様に円筒状ブッシュ15であり、この円筒状ブッシュ15は外筒15a内にゴム層15bを装填して構成し、この円筒状ブッシュ15のゴム層15bの中心孔15cをスタビライザー1に挿入して固定してある。
【0033】
即ち、この実施形態の円筒状ブッシュ15は、第1実施形態に示した内筒を設けることなく外筒15aとゴム層15bとによって構成し、ゴム層15bに形成した中心孔15cをスタビライザー1の中間部分2に圧入し、または接着剤を介して結合するようになっている。
【0034】
また、この実施形態の円筒状ブッシュ15にあっても前記第1実施形態と同様に、下方ブラケット12を介してサスペンションメンバのロアクロスメンバに結合するとともに、上方ブラケット13を介してエンジンに結合してある。
【0035】
このとき、円筒状ブッシュ15に上方ブラケット13を組み付ける以前に予めゴム層15bとスタビライザー1の中間部分2とを一体化しておく関係上、スタビライザー1をゴム層15bの中心孔15cに挿通する際に中間ブラケット16を設け、この中間ブラケット16に前記上方ブラケット13を結合するようになっている。
【0036】
前記中間ブラケット16は、コ字状に形成した両側壁16a,16aでゴム層15bの両側を挟むように配置し、前記中間部分2をゴム層15bの中心孔15cに挿入する際に、両側壁16a,16aの下端部に形成した挿通孔16bに中間部分2を挿入するようになっている。
【0037】
中間ブラケット16と上方ブラケット13との結合は車両組立工程で行われ、上方ブラケット13の両側壁13a,13aの下端部で中間ブラケット16の両側壁16a,16aの上端部外側を挟み、それぞれの重ね合わせ部分に形成した挿通孔13b,16cにボルト17を挿入してウエルドナット17aに締め付け固定するようになっている。
【0038】
勿論、この第2実施形態にあっても前記第1実施形態と同様に、中間部分2を円筒状ブッシュ15の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割して、それぞれの分割端部を連結可能とすることが望ましい。
【0039】
以上の構成によりこの第2実施形態の車両用スタビライザーにあっては、車体の組立工程では円筒ブッシュ15のゴム層15bとスタビライザー1の中間部分2とが一体化されているため、円筒状ブッシュ15の組付けと同時にスタビライザー1の中間部分2を支持できて、組付け工程での作業性を向上することができる。
【0040】
ところで、本発明の車両用スタビライザーは前記第1,第2実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるスタビライザーの配索状態を概略的に示す側面図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるフロントサスペンションの斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるマウント部材の分解斜視図。
【図4】図1中A−A線に沿った拡大断面図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるマウント部材の分解斜視図。
【図6】図5中B−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
1 スタビライザー
2 スタビライザーの中間部分
2a,2b 分割端部のねじ部
3 スタビライザーの腕部
10 エンジン(駆動源)
11 円筒状ブッシュ(マウント部材)
11a 内筒
11b 外筒
11c ゴム層
15 円筒状ブッシュ(マウント部材)
15a 外筒
15b ゴム層
15c 中心孔
20 サスペンション
21 ストラット(支持部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサスペンションに設ける車両用スタビライザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用スタビライザーは、左,右の車輪を上下揺動自在に支持する支持部材間に跨って設けてトーションバーとして機能し、左,右車輪間に発生する高低差をばね作用で抑えてサスペンションのロール剛性を補い、もって乗り心地性や走行安定性を向上させる等の機能を奏する。
【0003】
車両用スタビライザーは、車幅方向に延在した中間部分と、この中間部分の両端部から車両前後方向に延在した腕部と、によって略コ字状に形成し、両端部の腕部を左,右車輪の支持部材に連結するようになっている。
【0004】
この場合、前記スタビライザーは車体構造上、両端部の腕部を車両後方に向けて配置し、それら腕部を左,右車輪の支持部材に連結した状態で、中間部分をエンジンの下側に配置してある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−156043号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車両用スタビライザーにあっては、車幅方向に延在した中間部分を車体側に支持する必要があるが、この中間部分は、これに嵌挿したブッシュと、このブッシュを支持するリンクと、を介してエンジンを車体側に支持するマウント部材の支持部に連結し、この連結部分はブッシュおよび中空軸を介して回動可能となっている。
【0007】
このため、スタビライザーの中間部分を支持するための構造が複雑となり、コストアップや重量増が余儀なくされるとともに、この中間部分をエンジンの下側に配索して、前記マウント部材の支持部に連結したリンクの長さ分だけ下方に位置するため、車両の最低地上高が低くなってしまう。
【0008】
そこで、本発明はスタビライザーの中間部分の支持構造を簡素化しつつ、最低地上高を高くすることができる車両用スタビライザーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用スタビライザーにあっては、スタビライザーの車幅方向に延在する中間部分を、前記駆動源を車体側に支持するマウント部材に貫通させて支持したことを特徴としてる。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、スタビライザーの中間部分の車体側への支持に前記マウント部材を兼用できるため、部品点数の削減して構造の簡素化および軽量化を達成できるとともに、前記中間部分の配索位置を駆動源のマウント部材位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0012】
図1〜図4は本発明にかかる車両用スタビライザーの第1実施形態を示し、図1はスタビライザーの配索状態を概略的に示す側面図、図2はフロントサスペンションの斜視図、図3はマウント部材の分解斜視図、図4は図1中A−A線に沿った拡大断面図である。
【0013】
この第1実施形態の車両用スタビライザー1は、図1,図2に示すように、車両に搭載した駆動源としてのエンジン10の近傍に配設したサスペンション20に設けられて、両端部を図外の左,右輪の支持部材としてのストラット21に連結している。
【0014】
即ち、この実施形態の車両はエンジン10を車体前部のエンジンルームEに搭載した前置きとし、前記サスペンション20は操舵機能を備えたストラットタイプのフロントサスペンションであり、上下方向に配置したストラット21は、その下端部をステアリングナックル22に固定するとともに、このステアリングナックル22を車幅方向に配置したトランスバースリンク23を介してサスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aに上下揺動自在に連結してある。
【0015】
また、前記トランスバースリンク23は、車両前後方向に配置したテンションロッド25を介して車輪に入力する前後力を支持するようになっている。
【0016】
前記スタビライザー1は車幅方向に延在する中間部分2と、この中間部分2の両端部を車両前後方向に折曲した腕部3と、によって略コ字状に形成し、各腕部3の先端部をコンロッド4を介して前記ストラット21の外筒21aに連結し、左,右のストラット21の外筒21a、つまり左,右車輪に相対的な高低差が発生した際に、前記中間部分2の捻れ弾性力によるばね作用によりサスペンション20のロール剛性を補うようになっている。
【0017】
前記サスペンションメンバ24には複数のマウント部材を介してエンジン10が支持され、図1に示すようにエンジン10の車両後方側はマウント部材としての円筒状ブッシュ11によってサスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aに支持される。
【0018】
ここで、この第1実施形態にあっては、図1に示すように前記スタビライザー1の中間部分2をエンジン10の車両後方に配索するとともに、両端部の腕部3を車両前方に向けて配置し、スタビライザー1の中間部分2を前記後方の円筒状ブッシュ11に貫通させて支持してある。
【0019】
尚、図1中30はエンジンルームEと車室Rとを隔成するダッシュパネルであり、また、サスペンションメンバ24のリアクロスメンバ24aとダッシュパネル30との間にステアリングラック31が配置される。
【0020】
また、前記円筒状ブッシュ11は、図3に示すように同心状に配置した内筒11a,外筒11b間にゴム層11cを装填して構成し、図4に示すようにこの円筒状ブッシュ11の内筒11aに前記中間部分2を嵌挿してある。
【0021】
図3に示すように円筒状ブッシュ11の外筒11bの下側には下方ブラケット12を結合し、この下方ブラケット12を介して前記リアクロスメンバ24aに連結するとともに、内筒11aはこれに嵌挿したスタビライザー1の中間部分2に挿通した上方ブラケット13を介してエンジン10に連結してある。
【0022】
即ち、前記下方ブラケット12は、前記外筒11bの外周に沿った円弧状凹部12aと、この円弧状凹部12aの両側から垂下した両側壁12b,12bと、を設けて構成し、円弧状凹部12aを外筒11bに突き当ててそれぞれの外周縁部同士をアーク溶接して結合するとともに、両側壁12b,12bの下端部に形成した取付穴12cを、図外のボルトを介して前記リアクロスメンバ24aに結合してある。
【0023】
また、前記上方ブラケット13は、内筒11aの軸方向両端を挟むようにコ字状に形成され、その両側壁13a,13aの下端部に形成した挿通孔13bをスタビライザー1の中間部分2に挿通するとともに、両側壁13a,13a間の中間壁13cをボルト13dを介してエンジン10の後側面に結合してある。
【0024】
前記スタビライザー1は、その中間部分2を円筒状ブッシュ11の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割するとともに、その分割端部それぞれにねじ部2a,2bを形成し、それぞれのねじ部2a,2bをナット部材2cで連結してある。
【0025】
以上の構成により本実施形態の車両用スタビライザー1によれば、このスタビライザー1の中間部分2を、エンジン10の後側に設けた円筒状ブッシュ11の内筒11aに嵌挿して支持したので、スタビライザー1の中間部分2を車体側、つまりリアクロスメンバ24aに支持する際に、前記円筒状ブッシュ11を兼用できるため、前記中間部分2を支持する専用の支持部材を設ける必要が無くなるため、部品点数を削減して構造の簡素化および軽量化を達成できる。
【0026】
また、スタビライザー1の中間部分2を前記円筒状ブッシュ11に支持したことにより、この中間部分2の配索位置を円筒状ブッシュ11の位置まで高くできるため、車両の最低地上高を高く設定できる。
【0027】
ところで、この第2実施形態では前記作用効果に加えて、円筒状ブッシュ11は同心状に配置した内,外筒11a,11b間にゴム層11cを装填して構成してあり、この円筒状ブッシュ11の内筒11aにスタビライザー1の中間部分2を嵌挿したので、スタビライザー1がゴム層11cの弾性変化に影響することが無いため、エンジン10の振動吸収機能を阻害することなく、スタビライザー1の中間部分2を支持することができる。
【0028】
また、スタビライザー1の中間部分2を、円筒状ブッシュ11の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割し、その分割端部にそれぞれに形成したねじ部2a,2bをナット部材2cで連結したので、分割した中間部分2を内筒11aに挿通した後に前記分割端部を連結でき、スタビライザー1の組付け性を向上することができる。
【0029】
更に、この第1実施形態にあっては、スタビライザー1の中間部分2を円筒状ブッシュ11の内筒11aに挿通したことにより、この円筒状ブッシュ11の車幅方向に空間部分が生ずるが、この空間部分を有効利用して図2,図4中2点鎖線に示すように、電子制御によりスタビライザー1の捻り弾性力を制御する円筒状の駆動ユニット5を設けることが可能となる。
【0030】
ところで、この第1実施形態ではストラット21を左,右車輪の支持部材として、このストラット21にスタビライザー1の腕部3を連結した場合を開示したが、このスタビライザー1を連結する支持部材としては、左,右車輪に伴って上下変動する部材、例えばトランスバースリンク23であればよく、これは後述の第2実施形態にあっても同様である。
【0031】
図5,図6は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図5はマウント部材の分解斜視図、図6は図5中B−B線に沿った断面図である。
【0032】
この第2実施形態の車両用スタビライザー1は、その中間部分2を貫通するマウント部材としては第1実施形態と同様に円筒状ブッシュ15であり、この円筒状ブッシュ15は外筒15a内にゴム層15bを装填して構成し、この円筒状ブッシュ15のゴム層15bの中心孔15cをスタビライザー1に挿入して固定してある。
【0033】
即ち、この実施形態の円筒状ブッシュ15は、第1実施形態に示した内筒を設けることなく外筒15aとゴム層15bとによって構成し、ゴム層15bに形成した中心孔15cをスタビライザー1の中間部分2に圧入し、または接着剤を介して結合するようになっている。
【0034】
また、この実施形態の円筒状ブッシュ15にあっても前記第1実施形態と同様に、下方ブラケット12を介してサスペンションメンバのロアクロスメンバに結合するとともに、上方ブラケット13を介してエンジンに結合してある。
【0035】
このとき、円筒状ブッシュ15に上方ブラケット13を組み付ける以前に予めゴム層15bとスタビライザー1の中間部分2とを一体化しておく関係上、スタビライザー1をゴム層15bの中心孔15cに挿通する際に中間ブラケット16を設け、この中間ブラケット16に前記上方ブラケット13を結合するようになっている。
【0036】
前記中間ブラケット16は、コ字状に形成した両側壁16a,16aでゴム層15bの両側を挟むように配置し、前記中間部分2をゴム層15bの中心孔15cに挿入する際に、両側壁16a,16aの下端部に形成した挿通孔16bに中間部分2を挿入するようになっている。
【0037】
中間ブラケット16と上方ブラケット13との結合は車両組立工程で行われ、上方ブラケット13の両側壁13a,13aの下端部で中間ブラケット16の両側壁16a,16aの上端部外側を挟み、それぞれの重ね合わせ部分に形成した挿通孔13b,16cにボルト17を挿入してウエルドナット17aに締め付け固定するようになっている。
【0038】
勿論、この第2実施形態にあっても前記第1実施形態と同様に、中間部分2を円筒状ブッシュ15の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割して、それぞれの分割端部を連結可能とすることが望ましい。
【0039】
以上の構成によりこの第2実施形態の車両用スタビライザーにあっては、車体の組立工程では円筒ブッシュ15のゴム層15bとスタビライザー1の中間部分2とが一体化されているため、円筒状ブッシュ15の組付けと同時にスタビライザー1の中間部分2を支持できて、組付け工程での作業性を向上することができる。
【0040】
ところで、本発明の車両用スタビライザーは前記第1,第2実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるスタビライザーの配索状態を概略的に示す側面図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるフロントサスペンションの斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるマウント部材の分解斜視図。
【図4】図1中A−A線に沿った拡大断面図。
【図5】本発明の第2実施形態におけるマウント部材の分解斜視図。
【図6】図5中B−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
1 スタビライザー
2 スタビライザーの中間部分
2a,2b 分割端部のねじ部
3 スタビライザーの腕部
10 エンジン(駆動源)
11 円筒状ブッシュ(マウント部材)
11a 内筒
11b 外筒
11c ゴム層
15 円筒状ブッシュ(マウント部材)
15a 外筒
15b ゴム層
15c 中心孔
20 サスペンション
21 ストラット(支持部材)
Claims (4)
- 車両に搭載した駆動源の近傍に配設したサスペンションに設けられて、両端部を左,右輪の支持部材に連結した車両用スタビライザーにおいて、
スタビライザーの車幅方向に延在する中間部分を、前記駆動源を車体側に支持するマウント部材に貫通させて支持したことを特徴とする車両用スタビライザー。 - マウント部材は、同心状に配置した内,外筒間にゴム層を装填した円筒状ブッシュであり、この円筒状ブッシュの内筒にスタビライザーを嵌挿したことを特徴とする請求項1に記載の車両用スタビライザー。
- マウント部材は、外筒内にゴム層を装填した円筒状ブッシュであり、この円筒状ブッシュのゴム層の中心孔をスタビライザーに挿入して固定したことを特徴とする請求項1に記載の車両用スタビライザー。
- スタビライザーの中間部分を、マウント部材の貫通部分の車幅方向外方近傍で分割するとともに、その分割端部それぞれにねじ部を形成し、それぞれのねじ部をナット部材で連結したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用スタビライザー。
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- 2003-04-11 JP JP2003107689A patent/JP2004314672A/ja active Pending
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