JP2004314444A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成に寄与するヒータ駆動パルスを、記録中に、発生熱量の異なる駆動パルスに変更してヒータ上のコゲを除去する記録装置において、画像形成に寄与する駆動パルスの発生熱量を変化させることによってインク吐出量等が変化し画像品位が低下する問題を回避する。また、それによって画像品位に影響を与えることなく画像記録に寄与するインク吐出動作の中でヒータ上に堆積したコゲを除去することができ、無駄なインク消費や無駄に記録ヘッド寿命を短くすることなく安定したインク吐出を維持することができる。
【解決手段】計数手段で計数するインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定のスキャン数の間、通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号での印字スキャンを混ぜつつ印字する画像形成方法。
【選択図】 図1
【解決手段】計数手段で計数するインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定のスキャン数の間、通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号での印字スキャンを混ぜつつ印字する画像形成方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の回復処理方法もしくは、画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(BJ記録ヘッド構造)
インクジェット記録装置に用いられる吐出方法は種々知られているが、中でもインクに熱エネルギを与えこれによって発生する気泡の膨張に伴ってインクを吐出する方式は、高解像度、コンパクト化、低騒音、高速印字等の多くの利点を有しており、種々のタイプの記録ヘッドが開発されている。
【0003】
この方式による記録ヘッドは、一般に電気駆動パルス信号の印加によって熱を発生する電気熱変換体(例えばHfB2,ZrB2,TaN2,TaSi等の耐熱抵抗材)、及び電気熱変換体に駆動パルス信号を供給するプリント配線(例えばAl,Au,Ag,Cu等による)がIC技術によって例えばSi,ガラス,セラミック等の基板上に複数個形成されており、更に電気熱変換体の個々に対応した液路を形成するための溝(以下ノズル)及び吐出口と、これらの液路に供給されるインクを保持するための共通液室等が射出成形されている。
【0004】
(画像形成の方法)
この記録ヘッドを用いて、記録時には、複数の電気熱変換体に対して画像データに基づいて選択的に駆動パルス信号を供給し、個々の電気熱変換体に対応したノズル及び吐出口よりインクを選択的に吐出させて所望の画像を形成させる。
【0005】
(コゲの問題点)
この時、使用頻度の高いノズルでは、その使用頻度に伴ってインクを発泡させる為の熱エネルギーを発生させる電気熱変換体上に焦げと呼ばれる沈着異物が堆積する。この焦げは、インク中の有機・無機不純物や染料や顔料の溶解度の低下等によって発生し、さらに駆動パルス信号条件によりコゲの堆積の仕方が異なる。
【0006】
特に前記インクとして顔料とこれを分散する分散剤を含んだインクを用いる場合、電気熱変換体が発生する高い熱エネルギーにより顔料の分散性が低下し、顔料が凝集して電気熱変換体上に焦げとして析出し堆積しやすい。
【0007】
このように電気熱変換体上に焦げと呼ばれる沈着異物が堆積すると、駆動パルス信号を与えることにより電気熱変換体から発生する熱エネルギーがインクへ伝搬され難くなりインクの発泡に影響を与える。その結果、インクの吐出量や吐出速度が変化して、画像上での濃度ムラや、着弾精度の低下による粒状感の悪化や、スジムラを引起し、記録品位を低下させる要因となっていた。
【0008】
(コゲ除去の先願)
こうした電気熱変換体上に堆積する焦げが引き起こす問題に対して、従来、例えば、特開平10−100444のように、1ページ毎、またはインク交換のタイミングで、或いは、他のメンテナンス動作時に、一時的に電気熱変換体から高い熱エネルギーを発生させるような駆動パルス信号による画像記録に寄与しない予備吐出を実行して、電気熱変換体上に堆積する焦げを除去する提案がなされている。
【0009】
また、特開平7−81081には、コゲの堆積量を電気熱変換体個別に計算する手段を持っており、各電気熱変換体の焦げ堆積量の差が等しくなるように駆動パルス信号を選択して予備吐出をおこなうことにより、各電気熱変換体の使用頻度の違いによるインク吐出量や吐出速度の個体差を無くし画像濃度ムラやスジムラ等をなくす提案がなされている。
【0010】
(印字エージングの説明)
また、電気熱変換体の耐久寿命はその使用数に影響を受ける為、画像記録に寄与しない予備吐出によって電気熱変換体の使用数が増えると、耐久寿命を低下させてしまう。
【0011】
それに対して、画像記録に関わる駆動パルス信号を、高い熱エネルギーを発生させるような駆動パルス信号に一時的に変更することで、印字吐出中に定期的にコゲを除去する提案がなされている。
【0012】
この発明によれば、回復処理だけを目的とした画像記録に寄与しない予備吐出によって電気熱変換体の使用頻度を上げることなく、印字動作の中で電気熱変換体上に堆積する焦げを定期的に除去することができる為、ヘッドの耐久寿命を下げることなく吐出安定性を維持することが可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるように駆動パルス信号を切り換えて印字する画像形成方法は、熱エネルギーの変化の影響を受けてインクの発泡状態が大きく変化してしまう為、記録中にインクの吐出量が変化したり、インクの吐出スピードが変化したりして、画像品位を著しく低下させる場合がある。例えば、シリアルスキャン方式によるマルチパス記録装置において、マルチパス記録中にあるスキャン以降の駆動パルス信号を極端に発生熱エネルギーが変化するような駆動パルス信号に切り換えた場合、それまで通常の駆動パルス信号で印字をおこなってきた記録バンドと、駆動パルス信号を切り換えた後の記録バンドでは、吐出量変化の影響を受けて記録濃度に相違が生じたり、吐出スピード変化の影響を受けて着弾精度が変化することによって粒状性の相違やスジムラ感の相違が生じたりする。このようなバンド間の不均一感は、ムラとして認識されるため画像品位を著しく低下させてしまう。
【0014】
またエージングパルス信号は、前述したように発生させる熱エネルギーが通常の印字パルス信号より高くなるように設定される為、記録ヘッドの昇温に対して、それを加速させてしまう問題がある。記録ヘッドの温度が必要以上に上昇してしまうと、インク粘性が下がることでノズル口でのメニスカス保持力が低下し、ノズル口から空気を抱き込むことで不吐出が発生したり、記録ヘッド内に保持しているインクから溶存気泡が出ることで泡溜りができ吐出を阻害したりといった問題を引き起こしてしまう。
【0015】
本発明は、このような問題を回避することで、画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるように駆動パルス信号を切り換えて印字することを可能にする。
【0016】
これにより、画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持することができる。また、これによって画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持できる記録方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明の記録装置では、複数の記録要素各々に設けられた電気熱変換体に駆動パルス信号を印加して発熱させることで前記各記録要素からインクを吐出させ画像記録をおこなうインクジェット記録装置であって、ノズル毎のインク吐出数を計数する計数手段を持ち、計数したインク吐出数に応じて、画像形成に関わる前記駆動パルス信号を、通常印字パルス信号と、より高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号と、に切り換えて印字するインクジェット記録装置において、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定の吐出数の間、適宜画像の形成に関わる駆動パルス信号を通常の印字パルス信号のNパルス毎に1パルスの割合でエージングパルス信号に切り換えて印字をおこなう。
【0018】
また、別の方法としては、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定のスキャン数の間、通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号での印字スキャンを混ぜつつ印字する。
【0019】
以上の制御によって本発明は、記録動作中にヒータより発生させる熱エネルギーを極端に変化させる駆動パルス信号に切り換えて印字する場合でも、印字パルス信号で吐出させたインクドットで形成された記録画素の合間に少しずつエージングパルス信号で吐出させたインクドット画素を散りばめるように画像を形成することによって、上述したような画像品位の低下を招くことのない画像形成方法を提案するものであり、もって、画像品位に影響を与えることなく、画像記録に寄与するインク吐出の中でヒータ上に堆積したコゲの除去を可能とする。
【0020】
また、さらには、前記Nの値を、該記録ヘッドが吐出させるインク色に応じて異ならせることによって、インク色によってエージングパルス信号の投入頻度を最適化することができ、例えば、駆動パルス信号を切り換える前後の記録画素エリアにおける不均一感の印象が、インクの吐出量の変化や吐出スピードの変化の影響を敏感に受け易いインク色では、画像品位が低下しないようにエージングパルス信号の投入頻度を下げてゆっくりとコゲを除去し、受け難いインク色では、コゲ除去の効果を高めるために投入頻度を上げてコゲ除去の効果を上げるなどインク色毎の最適化を可能とする。
【0021】
また、さらには、前記Nの値を、該記録ヘッド個々のヘッド温度に応じて変更することで、エージングパルス信号による記録ヘッドの温度上昇をコントロールし、必要以上に記録ヘッドの温度があがらないように制御することが出来るため、エージングパルス信号を投入することで必要以上に記録ヘッド温度が上昇することのないように制御することが可能である。
【0022】
本発明では以上の制御によって、ヒータ上に堆積したコゲを記録中に画像記録に関わるインク吐出において除去することを可能とし、且つ、画像品位を低下させることのない画像形成方法を提供する。
【0023】
これにより、画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持することができる。
【0024】
また、これによって画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持できる記録方法を提供することを目的とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施例)
(記録装置の説明)
図8は本発明の第1実施例にかかるシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置の斜視図を示す。
【0027】
キャリッジ102は記録ヘッドユニット101A、101Bおよびカートリッジガイド103を搭載し、ガイド軸104および105上を不図示の走査機構によって走査可能に設けられている。
【0028】
各々の記録ヘッドユニット101A、Bは、複数色のインクを吐出させる為の記録ヘッドを有している。すなわち、記録ヘッドユニット101Aには、ブラック(K)、淡いシアン(C1)、シアン(C2)のインクを吐出できる記録ヘッド200K〜200C2(不図示)を持っており、記録ヘッドユニット101Bには、淡いマゼンタ(M1)、マゼンタ(M2)、イエロー(Y)のインクを吐出できる記録ヘッド200M1〜200Y(不図示)を持っている。
【0029】
110A、110Bは、カラーインクタンクユニットで、前記記録ヘッドユニット101A、Bに対応したインクがそれぞれ3種ずつ充填されている。前記2つのインクタンクは、カートリッジガイド103にそれぞれ別々に設けられた挿入口に押し込まれると前記インクタンク110A、110Bのそれぞれの下方に設けられたゴムシ−ル部(不図示)と記録ヘッドユニットに設けられたステンレスパイプ等が結合される。そうすることによって、インクタンク110A、110Bから各々のインクに対応する記録ヘッドにインクを供給することができる構成になっている。
【0030】
(記録ヘッドの説明)
図9を用いて記録ヘッド200K〜Yの詳細について説明する。
【0031】
記録ヘッド200には、インク滴を吐出させるノズル21が列状に配列されている。
【0032】
また、各ノズルに対応して印加電圧を供給することによって熱エネルギーを発生させる電気熱変換体B(以下吐出ヒータ)と吐出ヒータへの駆動電圧のON/OFFを制御するトランジスタ(不図示)がヒータボード20G上に配設されており、画像データに基づいてこの吐出ヒータへ駆動パルス信号を印加することによって、前記吐出ヒータが加熱され、吐出ヒータ上部のインクが液体から気体に変化する際の急激な体積膨張による衝撃波によってインクを吐出口Aより飛翔させる。
【0033】
(記録動作)
画像形成の動作は、ホストコンピュ−タ−から印字命令を受け取ると被記録材である記録媒体は、紙送りローラ108、及び給紙ローラ107によって給紙され印字位置にセットされる。その後、記録ヘッドユニット101A、101Bを搭載したキャリッジ102が、ガイド軸104及び105に沿って往復動作し、その際に画像データに基づいて記録ヘッド200K〜200C2及び200M1〜200Yの各ノズルに設けられた電気熱変換体Bに駆動パルス信号が印加され、該個々のノズルから画像データに基づいたインクを吐出させ画像形成を行う。
【0034】
本実施例のインクジェット記録装置は、公知のマルチパス記録を行うことで、所定のエリア画素を複数スキャンに分けて記録するシリアルスキャン方式の記録装置である。
【0035】
(計数手段)
図7は、各インク色に対応した個々の記録ヘッド毎にインクの総吐出数をカウントする為のカウンタ回路(計数手段)のブロック図であり、上記インクジェット記録装置の制御部内に設けられるものである。
【0036】
画像データに基づいてインク色分解されたブラック、淡いシアン、シアン、淡いマゼンタ、マゼンタ、イエローの各データ信号である転送データK,LC,C,LM,M,Yは、データ転送クロックSCLKとのANDゲート306によって出力同期がとられ、カウンタ回路307によってインク色毎(記録ヘッド毎)の総吐出数としてカウントされる。
【0037】
符号308は、カウンタ回路307のカウンタをリセットするためのリセット信号線を示し、符号309はカウンタ回路307によりカウントされたデータを転送するための16ビットバスを示し、これらリセット信号、データ信号は、信号線310のチップセレクト信号CSにより各色に対応付けられる。符号311は各信号を制御するためのCPUを示す。
【0038】
(駆動パルス信号)
次に駆動パルス信号の一例を示す。
【0039】
本実施例の記録装置は、図6に示すようにプレパルスとメインパルスからなるダブルパルス波形の駆動パルス信号をヒータに印加することでヒータを加熱しインクを吐出させる。公知であるようにダブルパルス波形の駆動パルス信号は、プレパルス信号とメインパルス信号の比率を変化させることで、ヒータ上のインクの発泡をある程度コントロールすることが可能であり、その原理を利用して、ヘッド温度の上昇に伴う吐出量等の変化を補正したり、記録ヘッド毎の吐出量のバラツキ等を補正したりすることが可能である。それらの詳細は省略する。また、本実施例ではダブルパルス信号を用いた例について記載するが、特にダブルパルス信号に限定されるものではなく、シングルパルス信号においても本件は適用可能である。
【0040】
図中Heat Trigerは、各ヒータを加熱するタイミングを指定するトリガー信号で、キャリッジ102の主走往復移動中に不図示のエンコーダーより送られるキャリッジ102の位置情報に基づいて発生する。本実施例の記録装置では、このHeat Trigerからの時間である図中P0、P1、P2、P3を指定することで駆動パルス信号を決定する。
【0041】
以下に、駆動パルス信号を決定する方法の一例として、本実施例の記録装置における駆動パルス信号決定の手順を示す。但し、駆動パルス信号の決定方法は以下に示す方法に限定されない。
【0042】
本実施例のP0、P1、P2、P3の決定のフローを図5のチャートを使って説明する。
【0043】
本実施例においてP0、P1、P2、P3は、スキャンの印字開始時に、その時点の記録ヘッドの温度と記録ヘッドのRank情報に基づき決定される。
【0044】
まず、1スキャンの印字開始に先立ち記録ヘッドのRank情報と記録ヘッド温度が取得され、図3のPwNo.決定テーブルを参照してPwNo.が決定される。
【0045】
ここで、ヘッド温度は不図示の記録ヘッド個々に設けられた温度センサーにて取得する。
【0046】
記録ヘッドのRank情報は、記録ヘッド個々の抵抗値のバラツキを補正する為の情報で、予め、記録ヘッド個々の抵抗値を測定してランク分けし、Rank情報として記録ヘッドに搭載されたROM(不図示)に書き込むか、或いは、記録装置側で測定してRank情報として保持しておく。
【0047】
PwNo.が決定されると、図4の駆動パルス信号決定テーブルからPwNo.に相当するP0、P1、P2、P3の値が決定され、そのスキャンの印字がP0、P1、P2、P3によって指定された駆動パルス信号で実行される。
【0048】
図4の駆動パルス信号テーブルは図4Aと図4Bで二つあるが、図4Aは通常の印字パルス信号を決定するテーブルであり、図4Bはコゲを除去する場合に用いるエージングパルス信号を決定するテーブルである。
【0049】
本実施例では、駆動パルス信号を決定する際に参照する駆動パルス信号テーブルとして、印字パルス信号決定用とエージングパルス信号決定用の二種類が用意されており、後述するフローに従い前記二つの駆動パルス信号テーブルを切り換えることで、印字パルス信号とエージングパルス信号を切り換えることが可能である。
【0050】
ここでエージングパルス信号は、同一ヘッド温度、同一ヘッドランクにおいて、通常の印字パルス信号より長いパルス波形が指定されるようになっており、通常の印字パルス信号よりも高い熱エネルギーをヒータより発生させることでヒータ上に堆積したコゲを除去するように設定されている。
【0051】
また、印字パルス信号とエージングパルス信号の切り換え方法に関しては、特に上述の参照する駆動パルス信号テーブルを切り換える方法に限定するものではなく、例えば、単純に印字パルス信号の長さに対して特定の比率でプラスアルファした長さをエージングパルス信号とする方法など別の方法でも本発明の趣旨に外れるものではない。
【0052】
(パルス信号切り換えの弊害)
本実施例のインクジェット記録装置は、各記録ヘッドに配された吐出ヒータ上に、その吐出ヒータに印加された駆動パルス信号数に応じて堆積してくるコゲの量を、前記カウンタ回路307によりカウントした記録ヘッド毎の総吐出数(インク吐出数)から推測し、コゲの堆積量が一定量以上になる前に、画像記録を行う際の駆動パルス信号を、通常の印字パルス信号よりも高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号に切り換えて記録することで、吐出ヒータ上に堆積したコゲを定期的に除去する。
【0053】
しかしながら、このように画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるような駆動パルス信号に切り換えて印字する画像形成方法は、熱エネルギーの変化の影響を受けて、インクの発泡状態が大きく変化する為、記録中にインクの吐出量が変化したり、インクの吐出スピードが変化したりして、画像品位を著しく低下させる場合がある。
【0054】
模式的に考えると、通常の印字パルス信号を使って記録した場合の記録画素を模式図2の2−Aとする。また、ヒータ上にコゲが堆積した為、駆動パルス信号を通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換えて印字した場合の記録画素を模式図2の2−Bとする。
【0055】
この両者の記録画素間では、例えば、駆動パルス信号を変えたことによって吐出量が変化すれば記録濃度に差が生じ、吐出スピードが変化すれば粒状感の相違やスジムラ感の相違が生じてしまう。
【0056】
つまり、記録の途中で駆動パルス信号を変化させて極端にヒータから発生する熱エネルギー量を変化させてしまうと、同じような記録画素を印字していても、記録濃度や粒状性やスジムラ感が違うエリアが発生してしまい、エリア間の不均一感がムラのように認識され画像品位を極端に低下させてしまうことがあるといえる。
【0057】
(回避策)
こうした問題から、記録中の駆動パルス信号を、通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換える場合、上記のような画像品位を低下させるようなエリア間のムラが生まれないように工夫してやる必要がある。
【0058】
例えば、模式的に考えて図2の2−Cのように、通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素の合間にエージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素を散りばめた記録画素であれば、2−Bに比べ2−Aとの差が緩和される。
【0059】
さらに、通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素に対するエージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素比率を下げれば、図2の2−Dのように、より2−Aとの差を緩和することが可能である。
【0060】
このように、エージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素を2−Bのように集中させず、2−Cや2−Dのように通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素の合間に埋めるようにすることで、記録中に駆動パルス信号を通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換えることによる弊害を緩和することができる。
【0061】
そこで本発明は、コゲ等の付着物を除去する場合、画像印字に関わる駆動パルス信号を、ある一定のパルス数の間、全ノズルの駆動パルス信号を、エージングパルス信号に一気に切り換えてしまうのではなく、通常の印字パルス信号の合間で少しずつエージングパルス信号による印字を実行することによって、エージングパルス信号で吐出させたインクドットだけで記録された画素エリアが発生しないようにし、図2の2−Cや2−Dのような記録画素を作ることで、画像品位の低下を招くことなく、記録中に電気熱変換素子上に堆積するコゲの除去を可能とする。
【0062】
具体的には、エージングパルス信号によるコゲ除去印字をおこなう場合、エージングパルス信号による印字発数が所定の発数になるまでの間、通常の印字パルス信号のNパルス毎に1パルスの割合でエージングパルス信号を混ぜつつ印字を実行する方法、または、エージングパルス信号による印字スキャン数が所定のスキャン数になるまでの間、印字パルス信号による印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号による印字スキャンを混ぜつつ印字を実行することで、それを実現する。
【0063】
本実施例では、後者である通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合で、エージングパルス信号での印字スキャンを実行する制御方法を例にとって説明する。
【0064】
この制御によって、エージングパルス信号を投入する際にエージングパルス信号で吐出させたインクドットだけで記録された画素エリアが発生しないようにし、画像品位の低下を招くことなく記録中のコゲの除去を可能としている。
【0065】
以下に印字パルス信号とエージングパルス信号の切り換えフローを示す。
【0066】
(Fチャート−総吐出数NO)
図1は、本実施例の記録装置において、画像記録を行う際の前記駆動パルス信号を決定する手順を示したフローチャートである。
【0067】
画像記録をスタートすると、まず、それまでの記録ヘッド毎の総吐出数をリードし、総吐出数が1E+10を超えていないかを判断する。この1E+10という値は、本実施例の記録装置において電気熱変換素子上に堆積したコゲを除去する必要があると判断する吐出数を示す値として予め設定した値である。
【0068】
コゲを除去するタイミングは、例えば、電気熱変換素子上のコゲの堆積状態によるインク発泡体積の変化や、インクの吐出スピードの変化等から判断し、例えば、発泡体積が小さくなりインクの吐出スピードが極端に遅くなることによって、着弾精度の悪化等の画像弊害が発生する前にコゲの除去を実行するようにする。
【0069】
また、総吐出数とコゲの堆積量の関係は、電気熱変換素子の特性や、インクの特性、さらには、印字に用いる駆動パルス信号条件によって変化する為、電気熱変換素子や、インクの特性、駆動パルス条件が異なれば、それに合わせて最適化する必要がある。
【0070】
次に、先の総吐出数の判断で、総吐出数が1E+10を超えていない場合、通常の印字パルス信号テーブルが選択され、テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて1スキャン分の印字が行われる。
【0071】
1スキャン分の印字が終了すると、前記カウンタ回路により記録ヘッド毎の1スキャン中の吐出数がカウントされ、総吐出数に加算される。
【0072】
次のステップで、前のスキャンで印字が終了していなければ、総吐出数のリードから戻って駆動パルス信号の選択と印字スキャンを繰り返し、前のスキャンで印字が終了していれば印字を終了する。(以上を通常印字モードと呼ぶ。)
(Fチャート−総吐出数YES)
一方、先の総吐出数の判断で、総吐出数が1E+10を超えている場合、本実施例の記録装置では、4スキャンに1スキャンの割合で画像記録に寄与する駆動パルス信号をエージングパルス信号に切り換えて記録するモードに入る。(以下、この印字モードをエージング印字モードと記す。)
以下、フローにしたがって説明する。
【0073】
総吐出数が1E+10を超えている場合、まず、エージングSカウンタ値がリードされ、10より大きいかが判断される。
【0074】
このエージングSカウンタ値は、エージングパルス信号によるスキャンが何スキャン行われたかを示す数値で、総吐出数が1E+10を超えてエージング印字モードに入り最初にリードした時の値は0である。
【0075】
エージングSカウンタが10以下の場合、スキャン数カウンタ値がリードされ4の倍数かどうかが判断される。スキャン数カウンタ値は、上記エージング印字モードに入ってからの総スキャン数で次のスキャンが何スキャン目になるかを示す値であり、総吐出数が1E+10を超えてエージング印字モードに入り最初にリードした時の値は1である。
【0076】
ここで、スキャン数カウンタ値が4の倍数でない場合は、通常の印字パルス信号テーブルが選択され、印字パルス信号テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて続く1スキャンの印字が行われる。
【0077】
また、スキャン数カウンタ値が4の倍数の場合は、エージングパルス信号テーブルが選択され、エージングパルス信号テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて続く1スキャンの印字が行われる。
【0078】
この処理によって、4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による印字が実行され、電気熱変換素子上に堆積したコゲを画像記録に関わるインク吐出の中で除去する。
【0079】
エージングパルス信号が選択された場合、次のステップで前記エージングSカウンタが+1加算され、また、1スキャンの印字が終了すると、前記スキャン数カウンタが+1加算される。
【0080】
次のステップで、前のスキャンで印字が終了していなければ、エージングSカウンタのリードから戻って駆動パルス信号の選択と印字スキャンを繰り返し、前のスキャンで印字が終了していれば印字を終了する。
【0081】
(Fチャート−エージングOFF)
一旦、エージング印字モードに入ると、エージングSカウンタが10を超えるまで、印字ジョブを跨いで継続される。
【0082】
エージングSカウンタが10を超えると、エージングSカウンタ、総吐出数がリセット(=0)され、スキャン数カウンタもリセット(=1)される。
【0083】
この処理によって、総吐出数が0にリセットされることによって、次のスキャンにおける総吐出数の判断で1E+10以下と判断され、通常印字モードに戻る。
【0084】
(第2の実施例)
本件第2の実施形態は、記録ヘッドが吐出させるインク色に応じてエージングパルス信号の投入頻度を最適化することで、印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録された画素(以下、印字ドット画素と記す)とエージングパルス信号で吐出させたインクドットで記録された画素(以下、エージングドット画素と記す)の比率をコントロールする。
【0085】
これによって、駆動パルス信号を切り換える前後の記録画素エリアにおける不均一感の印象が、インクの吐出量の変化や吐出スピードの変化の影響を敏感に受け易いインク色では、印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を下げて画像品位が低下しないようにゆっくりとコゲ除去をしたり、受け難いインク色では、コゲ除去の効果を高めるために印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を上げてコゲ除去の効果を上げたりといったインク色毎の最適化を可能とする。
【0086】
第1の実施形態では、インク色に関わらず、印字スキャンにおける4の倍数の印字スキャンだけエージングパルス信号による印字スキャンを実行するようにしている。
【0087】
これは記録画素で考えると平均的には、印字ドット画素3画素に対して、エージングドット画素(以下、エージングドットとする)1画素が散りばめられていることを意味し、エージングドットを印字ドットの合間に埋めてしまうことでエージングドットの弊害を目立たなくすることを目的としている。
【0088】
しかしながら、印字ドットの中にどの位の頻度でエージングドットを入れると不均一感として認識され画像品位を低下させるかは、インクの色によっても多少異なる。例えば、淡いシアンや、淡いマゼンタや、イエローは、記録画素エリア間で多少吐出量が変わったり、着弾精度が変化したりしてもエリア間の不均一感を認識しずらいが、ブラックや、シアン、マゼンタでは、前者よりも顕著にその影響が現れエリア間の不均一感を認識しやすい。
【0089】
そこで本実施形態2では、印字ドットの中にエージングドットを入れる比率を色によって変更することで、目立たないインク色に対応する記録ヘッドではコゲ除去の効果を高めるために、画像品位の低下しない程度に可能な限り高い頻度でエージングパルス信号を入れ、目立つインクに対応した記録ヘッドでは、エージングパルスの投入頻度を下げることでゆっくりと画像品位を低下させないようにコゲの除去をおこなう。
【0090】
実施例1の記録装置にこの制御を入れた例で説明する。
【0091】
実施例1の記録装置では、図1のフローのエージング印字モードにおいて、インク色に関わらず、スキャン数が4の倍数の場合にエージングパルス信号による記録スキャンをおこなうよう制御されている。この4という比較値を、本実施例2の記録装置では各インク色に対応する記録ヘッドによって変更する。
【0092】
すなわち、淡いシアン、淡いマゼンタ、イエローは記録画素エリア間で多少吐出量が変わったり、着弾精度が変化したりしてもエリア間の不均一感を認識しずらいので、各インク色に対応する記録ヘッドでは、比較値として4を入れて4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するのに対して、ブラック、シアン、マゼンタでは、前者よりも顕著にエリア間の不均一感を認識しやすいので、各インク色に対応する記録ヘッドでは比較値として8を入れることで8スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行し、印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を減らす。
【0093】
(第3の実施例)
本件第3の実施形態では、エージングパルス信号を投入することによって必要以上に記録ヘッド温度が上昇してしまう問題を回避することを目的としている。
【0094】
先に述べたように、エージングパルス信号はヒータから発生する熱エネルギーが大きくなるように設定されているために、通常の印字パルス信号よりも急速に記録ヘッドの温度を上昇させてしまう。記録ヘッド温度が必要以上に上昇することの弊害としては先に述べた通りである。
【0095】
そこで、本実施形態3では、記録ヘッドの温度に応じてエージングパルス信号を入れる比率を変更する。例えば、記録ヘッド温度が低い場合は、コゲ除去の効果を高めるために、画像品位の低下しない程度に可能な限り高い頻度でエージングパルス信号を入れ、逆に記録ヘッド温度が高くなった場合は、高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号の投入頻度を下げることで記録ヘッド温度の上昇を抑える。
【0096】
実施例1の記録装置にこの制御を入れた例で説明する。
【0097】
実施例1の記録装置では、図1のフローのエージング印字モードにおいて、スキャン数が4の倍数の場合にエージングパルス信号による記録スキャンをおこなうよう制御されている。この4という比較値を記録ヘッド温度によって変更することによって、本実施例3の記録装置では、上記ヘッド温度上昇の弊害を回避する。
【0098】
すなわち、ヘッド温度が低い場合(例えば50℃以下)は比較値として4を入れることで4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するのに対して、ヘッド温度が高い場合(例えば50℃以上)は比較値として例えば8を入れることで8スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するようにして、エージングパルス信号による記録スキャンの頻度を減らし記録ヘッドの温度が上昇し過ぎないように制御する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の記録装置において、画像記録を行う際の前記駆動パルス信号を決定する手順を示したフローチャート
【図2】記録画素の模式図
【図3】決定テーブル
【図4】駆動パルス信号テーブル
【図5】決定のフローチャート
【図6】本実施例の記録装置
【図7】カウンタ回路(計数手段)のブロック図
【図8】シリアルスキャン方式のインクジェット記録装置の斜視図
【図9】記録ヘッド200K〜Yの詳細について説明する図
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の回復処理方法もしくは、画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(BJ記録ヘッド構造)
インクジェット記録装置に用いられる吐出方法は種々知られているが、中でもインクに熱エネルギを与えこれによって発生する気泡の膨張に伴ってインクを吐出する方式は、高解像度、コンパクト化、低騒音、高速印字等の多くの利点を有しており、種々のタイプの記録ヘッドが開発されている。
【0003】
この方式による記録ヘッドは、一般に電気駆動パルス信号の印加によって熱を発生する電気熱変換体(例えばHfB2,ZrB2,TaN2,TaSi等の耐熱抵抗材)、及び電気熱変換体に駆動パルス信号を供給するプリント配線(例えばAl,Au,Ag,Cu等による)がIC技術によって例えばSi,ガラス,セラミック等の基板上に複数個形成されており、更に電気熱変換体の個々に対応した液路を形成するための溝(以下ノズル)及び吐出口と、これらの液路に供給されるインクを保持するための共通液室等が射出成形されている。
【0004】
(画像形成の方法)
この記録ヘッドを用いて、記録時には、複数の電気熱変換体に対して画像データに基づいて選択的に駆動パルス信号を供給し、個々の電気熱変換体に対応したノズル及び吐出口よりインクを選択的に吐出させて所望の画像を形成させる。
【0005】
(コゲの問題点)
この時、使用頻度の高いノズルでは、その使用頻度に伴ってインクを発泡させる為の熱エネルギーを発生させる電気熱変換体上に焦げと呼ばれる沈着異物が堆積する。この焦げは、インク中の有機・無機不純物や染料や顔料の溶解度の低下等によって発生し、さらに駆動パルス信号条件によりコゲの堆積の仕方が異なる。
【0006】
特に前記インクとして顔料とこれを分散する分散剤を含んだインクを用いる場合、電気熱変換体が発生する高い熱エネルギーにより顔料の分散性が低下し、顔料が凝集して電気熱変換体上に焦げとして析出し堆積しやすい。
【0007】
このように電気熱変換体上に焦げと呼ばれる沈着異物が堆積すると、駆動パルス信号を与えることにより電気熱変換体から発生する熱エネルギーがインクへ伝搬され難くなりインクの発泡に影響を与える。その結果、インクの吐出量や吐出速度が変化して、画像上での濃度ムラや、着弾精度の低下による粒状感の悪化や、スジムラを引起し、記録品位を低下させる要因となっていた。
【0008】
(コゲ除去の先願)
こうした電気熱変換体上に堆積する焦げが引き起こす問題に対して、従来、例えば、特開平10−100444のように、1ページ毎、またはインク交換のタイミングで、或いは、他のメンテナンス動作時に、一時的に電気熱変換体から高い熱エネルギーを発生させるような駆動パルス信号による画像記録に寄与しない予備吐出を実行して、電気熱変換体上に堆積する焦げを除去する提案がなされている。
【0009】
また、特開平7−81081には、コゲの堆積量を電気熱変換体個別に計算する手段を持っており、各電気熱変換体の焦げ堆積量の差が等しくなるように駆動パルス信号を選択して予備吐出をおこなうことにより、各電気熱変換体の使用頻度の違いによるインク吐出量や吐出速度の個体差を無くし画像濃度ムラやスジムラ等をなくす提案がなされている。
【0010】
(印字エージングの説明)
また、電気熱変換体の耐久寿命はその使用数に影響を受ける為、画像記録に寄与しない予備吐出によって電気熱変換体の使用数が増えると、耐久寿命を低下させてしまう。
【0011】
それに対して、画像記録に関わる駆動パルス信号を、高い熱エネルギーを発生させるような駆動パルス信号に一時的に変更することで、印字吐出中に定期的にコゲを除去する提案がなされている。
【0012】
この発明によれば、回復処理だけを目的とした画像記録に寄与しない予備吐出によって電気熱変換体の使用頻度を上げることなく、印字動作の中で電気熱変換体上に堆積する焦げを定期的に除去することができる為、ヘッドの耐久寿命を下げることなく吐出安定性を維持することが可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるように駆動パルス信号を切り換えて印字する画像形成方法は、熱エネルギーの変化の影響を受けてインクの発泡状態が大きく変化してしまう為、記録中にインクの吐出量が変化したり、インクの吐出スピードが変化したりして、画像品位を著しく低下させる場合がある。例えば、シリアルスキャン方式によるマルチパス記録装置において、マルチパス記録中にあるスキャン以降の駆動パルス信号を極端に発生熱エネルギーが変化するような駆動パルス信号に切り換えた場合、それまで通常の駆動パルス信号で印字をおこなってきた記録バンドと、駆動パルス信号を切り換えた後の記録バンドでは、吐出量変化の影響を受けて記録濃度に相違が生じたり、吐出スピード変化の影響を受けて着弾精度が変化することによって粒状性の相違やスジムラ感の相違が生じたりする。このようなバンド間の不均一感は、ムラとして認識されるため画像品位を著しく低下させてしまう。
【0014】
またエージングパルス信号は、前述したように発生させる熱エネルギーが通常の印字パルス信号より高くなるように設定される為、記録ヘッドの昇温に対して、それを加速させてしまう問題がある。記録ヘッドの温度が必要以上に上昇してしまうと、インク粘性が下がることでノズル口でのメニスカス保持力が低下し、ノズル口から空気を抱き込むことで不吐出が発生したり、記録ヘッド内に保持しているインクから溶存気泡が出ることで泡溜りができ吐出を阻害したりといった問題を引き起こしてしまう。
【0015】
本発明は、このような問題を回避することで、画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるように駆動パルス信号を切り換えて印字することを可能にする。
【0016】
これにより、画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持することができる。また、これによって画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持できる記録方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明の記録装置では、複数の記録要素各々に設けられた電気熱変換体に駆動パルス信号を印加して発熱させることで前記各記録要素からインクを吐出させ画像記録をおこなうインクジェット記録装置であって、ノズル毎のインク吐出数を計数する計数手段を持ち、計数したインク吐出数に応じて、画像形成に関わる前記駆動パルス信号を、通常印字パルス信号と、より高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号と、に切り換えて印字するインクジェット記録装置において、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定の吐出数の間、適宜画像の形成に関わる駆動パルス信号を通常の印字パルス信号のNパルス毎に1パルスの割合でエージングパルス信号に切り換えて印字をおこなう。
【0018】
また、別の方法としては、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定のスキャン数の間、通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号での印字スキャンを混ぜつつ印字する。
【0019】
以上の制御によって本発明は、記録動作中にヒータより発生させる熱エネルギーを極端に変化させる駆動パルス信号に切り換えて印字する場合でも、印字パルス信号で吐出させたインクドットで形成された記録画素の合間に少しずつエージングパルス信号で吐出させたインクドット画素を散りばめるように画像を形成することによって、上述したような画像品位の低下を招くことのない画像形成方法を提案するものであり、もって、画像品位に影響を与えることなく、画像記録に寄与するインク吐出の中でヒータ上に堆積したコゲの除去を可能とする。
【0020】
また、さらには、前記Nの値を、該記録ヘッドが吐出させるインク色に応じて異ならせることによって、インク色によってエージングパルス信号の投入頻度を最適化することができ、例えば、駆動パルス信号を切り換える前後の記録画素エリアにおける不均一感の印象が、インクの吐出量の変化や吐出スピードの変化の影響を敏感に受け易いインク色では、画像品位が低下しないようにエージングパルス信号の投入頻度を下げてゆっくりとコゲを除去し、受け難いインク色では、コゲ除去の効果を高めるために投入頻度を上げてコゲ除去の効果を上げるなどインク色毎の最適化を可能とする。
【0021】
また、さらには、前記Nの値を、該記録ヘッド個々のヘッド温度に応じて変更することで、エージングパルス信号による記録ヘッドの温度上昇をコントロールし、必要以上に記録ヘッドの温度があがらないように制御することが出来るため、エージングパルス信号を投入することで必要以上に記録ヘッド温度が上昇することのないように制御することが可能である。
【0022】
本発明では以上の制御によって、ヒータ上に堆積したコゲを記録中に画像記録に関わるインク吐出において除去することを可能とし、且つ、画像品位を低下させることのない画像形成方法を提供する。
【0023】
これにより、画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持することができる。
【0024】
また、これによって画像記録に寄与しないインク吐出を増やすことなくヒータ上に堆積するコゲを除去することが可能になるため、無駄に記録ヘッドの寿命を縮めることがなく、無駄なインクの消費を抑えることができ、さらには、記録動作に関係のない回復動作を必要としないために記録スピードを低下させることなく、安定した高品位な画像形成を維持できる記録方法を提供することを目的とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施例)
(記録装置の説明)
図8は本発明の第1実施例にかかるシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置の斜視図を示す。
【0027】
キャリッジ102は記録ヘッドユニット101A、101Bおよびカートリッジガイド103を搭載し、ガイド軸104および105上を不図示の走査機構によって走査可能に設けられている。
【0028】
各々の記録ヘッドユニット101A、Bは、複数色のインクを吐出させる為の記録ヘッドを有している。すなわち、記録ヘッドユニット101Aには、ブラック(K)、淡いシアン(C1)、シアン(C2)のインクを吐出できる記録ヘッド200K〜200C2(不図示)を持っており、記録ヘッドユニット101Bには、淡いマゼンタ(M1)、マゼンタ(M2)、イエロー(Y)のインクを吐出できる記録ヘッド200M1〜200Y(不図示)を持っている。
【0029】
110A、110Bは、カラーインクタンクユニットで、前記記録ヘッドユニット101A、Bに対応したインクがそれぞれ3種ずつ充填されている。前記2つのインクタンクは、カートリッジガイド103にそれぞれ別々に設けられた挿入口に押し込まれると前記インクタンク110A、110Bのそれぞれの下方に設けられたゴムシ−ル部(不図示)と記録ヘッドユニットに設けられたステンレスパイプ等が結合される。そうすることによって、インクタンク110A、110Bから各々のインクに対応する記録ヘッドにインクを供給することができる構成になっている。
【0030】
(記録ヘッドの説明)
図9を用いて記録ヘッド200K〜Yの詳細について説明する。
【0031】
記録ヘッド200には、インク滴を吐出させるノズル21が列状に配列されている。
【0032】
また、各ノズルに対応して印加電圧を供給することによって熱エネルギーを発生させる電気熱変換体B(以下吐出ヒータ)と吐出ヒータへの駆動電圧のON/OFFを制御するトランジスタ(不図示)がヒータボード20G上に配設されており、画像データに基づいてこの吐出ヒータへ駆動パルス信号を印加することによって、前記吐出ヒータが加熱され、吐出ヒータ上部のインクが液体から気体に変化する際の急激な体積膨張による衝撃波によってインクを吐出口Aより飛翔させる。
【0033】
(記録動作)
画像形成の動作は、ホストコンピュ−タ−から印字命令を受け取ると被記録材である記録媒体は、紙送りローラ108、及び給紙ローラ107によって給紙され印字位置にセットされる。その後、記録ヘッドユニット101A、101Bを搭載したキャリッジ102が、ガイド軸104及び105に沿って往復動作し、その際に画像データに基づいて記録ヘッド200K〜200C2及び200M1〜200Yの各ノズルに設けられた電気熱変換体Bに駆動パルス信号が印加され、該個々のノズルから画像データに基づいたインクを吐出させ画像形成を行う。
【0034】
本実施例のインクジェット記録装置は、公知のマルチパス記録を行うことで、所定のエリア画素を複数スキャンに分けて記録するシリアルスキャン方式の記録装置である。
【0035】
(計数手段)
図7は、各インク色に対応した個々の記録ヘッド毎にインクの総吐出数をカウントする為のカウンタ回路(計数手段)のブロック図であり、上記インクジェット記録装置の制御部内に設けられるものである。
【0036】
画像データに基づいてインク色分解されたブラック、淡いシアン、シアン、淡いマゼンタ、マゼンタ、イエローの各データ信号である転送データK,LC,C,LM,M,Yは、データ転送クロックSCLKとのANDゲート306によって出力同期がとられ、カウンタ回路307によってインク色毎(記録ヘッド毎)の総吐出数としてカウントされる。
【0037】
符号308は、カウンタ回路307のカウンタをリセットするためのリセット信号線を示し、符号309はカウンタ回路307によりカウントされたデータを転送するための16ビットバスを示し、これらリセット信号、データ信号は、信号線310のチップセレクト信号CSにより各色に対応付けられる。符号311は各信号を制御するためのCPUを示す。
【0038】
(駆動パルス信号)
次に駆動パルス信号の一例を示す。
【0039】
本実施例の記録装置は、図6に示すようにプレパルスとメインパルスからなるダブルパルス波形の駆動パルス信号をヒータに印加することでヒータを加熱しインクを吐出させる。公知であるようにダブルパルス波形の駆動パルス信号は、プレパルス信号とメインパルス信号の比率を変化させることで、ヒータ上のインクの発泡をある程度コントロールすることが可能であり、その原理を利用して、ヘッド温度の上昇に伴う吐出量等の変化を補正したり、記録ヘッド毎の吐出量のバラツキ等を補正したりすることが可能である。それらの詳細は省略する。また、本実施例ではダブルパルス信号を用いた例について記載するが、特にダブルパルス信号に限定されるものではなく、シングルパルス信号においても本件は適用可能である。
【0040】
図中Heat Trigerは、各ヒータを加熱するタイミングを指定するトリガー信号で、キャリッジ102の主走往復移動中に不図示のエンコーダーより送られるキャリッジ102の位置情報に基づいて発生する。本実施例の記録装置では、このHeat Trigerからの時間である図中P0、P1、P2、P3を指定することで駆動パルス信号を決定する。
【0041】
以下に、駆動パルス信号を決定する方法の一例として、本実施例の記録装置における駆動パルス信号決定の手順を示す。但し、駆動パルス信号の決定方法は以下に示す方法に限定されない。
【0042】
本実施例のP0、P1、P2、P3の決定のフローを図5のチャートを使って説明する。
【0043】
本実施例においてP0、P1、P2、P3は、スキャンの印字開始時に、その時点の記録ヘッドの温度と記録ヘッドのRank情報に基づき決定される。
【0044】
まず、1スキャンの印字開始に先立ち記録ヘッドのRank情報と記録ヘッド温度が取得され、図3のPwNo.決定テーブルを参照してPwNo.が決定される。
【0045】
ここで、ヘッド温度は不図示の記録ヘッド個々に設けられた温度センサーにて取得する。
【0046】
記録ヘッドのRank情報は、記録ヘッド個々の抵抗値のバラツキを補正する為の情報で、予め、記録ヘッド個々の抵抗値を測定してランク分けし、Rank情報として記録ヘッドに搭載されたROM(不図示)に書き込むか、或いは、記録装置側で測定してRank情報として保持しておく。
【0047】
PwNo.が決定されると、図4の駆動パルス信号決定テーブルからPwNo.に相当するP0、P1、P2、P3の値が決定され、そのスキャンの印字がP0、P1、P2、P3によって指定された駆動パルス信号で実行される。
【0048】
図4の駆動パルス信号テーブルは図4Aと図4Bで二つあるが、図4Aは通常の印字パルス信号を決定するテーブルであり、図4Bはコゲを除去する場合に用いるエージングパルス信号を決定するテーブルである。
【0049】
本実施例では、駆動パルス信号を決定する際に参照する駆動パルス信号テーブルとして、印字パルス信号決定用とエージングパルス信号決定用の二種類が用意されており、後述するフローに従い前記二つの駆動パルス信号テーブルを切り換えることで、印字パルス信号とエージングパルス信号を切り換えることが可能である。
【0050】
ここでエージングパルス信号は、同一ヘッド温度、同一ヘッドランクにおいて、通常の印字パルス信号より長いパルス波形が指定されるようになっており、通常の印字パルス信号よりも高い熱エネルギーをヒータより発生させることでヒータ上に堆積したコゲを除去するように設定されている。
【0051】
また、印字パルス信号とエージングパルス信号の切り換え方法に関しては、特に上述の参照する駆動パルス信号テーブルを切り換える方法に限定するものではなく、例えば、単純に印字パルス信号の長さに対して特定の比率でプラスアルファした長さをエージングパルス信号とする方法など別の方法でも本発明の趣旨に外れるものではない。
【0052】
(パルス信号切り換えの弊害)
本実施例のインクジェット記録装置は、各記録ヘッドに配された吐出ヒータ上に、その吐出ヒータに印加された駆動パルス信号数に応じて堆積してくるコゲの量を、前記カウンタ回路307によりカウントした記録ヘッド毎の総吐出数(インク吐出数)から推測し、コゲの堆積量が一定量以上になる前に、画像記録を行う際の駆動パルス信号を、通常の印字パルス信号よりも高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号に切り換えて記録することで、吐出ヒータ上に堆積したコゲを定期的に除去する。
【0053】
しかしながら、このように画像形成の最中に、発生させる熱エネルギーを極端に変化させるような駆動パルス信号に切り換えて印字する画像形成方法は、熱エネルギーの変化の影響を受けて、インクの発泡状態が大きく変化する為、記録中にインクの吐出量が変化したり、インクの吐出スピードが変化したりして、画像品位を著しく低下させる場合がある。
【0054】
模式的に考えると、通常の印字パルス信号を使って記録した場合の記録画素を模式図2の2−Aとする。また、ヒータ上にコゲが堆積した為、駆動パルス信号を通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換えて印字した場合の記録画素を模式図2の2−Bとする。
【0055】
この両者の記録画素間では、例えば、駆動パルス信号を変えたことによって吐出量が変化すれば記録濃度に差が生じ、吐出スピードが変化すれば粒状感の相違やスジムラ感の相違が生じてしまう。
【0056】
つまり、記録の途中で駆動パルス信号を変化させて極端にヒータから発生する熱エネルギー量を変化させてしまうと、同じような記録画素を印字していても、記録濃度や粒状性やスジムラ感が違うエリアが発生してしまい、エリア間の不均一感がムラのように認識され画像品位を極端に低下させてしまうことがあるといえる。
【0057】
(回避策)
こうした問題から、記録中の駆動パルス信号を、通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換える場合、上記のような画像品位を低下させるようなエリア間のムラが生まれないように工夫してやる必要がある。
【0058】
例えば、模式的に考えて図2の2−Cのように、通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素の合間にエージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素を散りばめた記録画素であれば、2−Bに比べ2−Aとの差が緩和される。
【0059】
さらに、通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素に対するエージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素比率を下げれば、図2の2−Dのように、より2−Aとの差を緩和することが可能である。
【0060】
このように、エージングパルス信号で吐出させたインクドットの画素を2−Bのように集中させず、2−Cや2−Dのように通常の印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録した画素の合間に埋めるようにすることで、記録中に駆動パルス信号を通常の印字パルス信号からエージングパルス信号に切り換えることによる弊害を緩和することができる。
【0061】
そこで本発明は、コゲ等の付着物を除去する場合、画像印字に関わる駆動パルス信号を、ある一定のパルス数の間、全ノズルの駆動パルス信号を、エージングパルス信号に一気に切り換えてしまうのではなく、通常の印字パルス信号の合間で少しずつエージングパルス信号による印字を実行することによって、エージングパルス信号で吐出させたインクドットだけで記録された画素エリアが発生しないようにし、図2の2−Cや2−Dのような記録画素を作ることで、画像品位の低下を招くことなく、記録中に電気熱変換素子上に堆積するコゲの除去を可能とする。
【0062】
具体的には、エージングパルス信号によるコゲ除去印字をおこなう場合、エージングパルス信号による印字発数が所定の発数になるまでの間、通常の印字パルス信号のNパルス毎に1パルスの割合でエージングパルス信号を混ぜつつ印字を実行する方法、または、エージングパルス信号による印字スキャン数が所定のスキャン数になるまでの間、印字パルス信号による印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号による印字スキャンを混ぜつつ印字を実行することで、それを実現する。
【0063】
本実施例では、後者である通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合で、エージングパルス信号での印字スキャンを実行する制御方法を例にとって説明する。
【0064】
この制御によって、エージングパルス信号を投入する際にエージングパルス信号で吐出させたインクドットだけで記録された画素エリアが発生しないようにし、画像品位の低下を招くことなく記録中のコゲの除去を可能としている。
【0065】
以下に印字パルス信号とエージングパルス信号の切り換えフローを示す。
【0066】
(Fチャート−総吐出数NO)
図1は、本実施例の記録装置において、画像記録を行う際の前記駆動パルス信号を決定する手順を示したフローチャートである。
【0067】
画像記録をスタートすると、まず、それまでの記録ヘッド毎の総吐出数をリードし、総吐出数が1E+10を超えていないかを判断する。この1E+10という値は、本実施例の記録装置において電気熱変換素子上に堆積したコゲを除去する必要があると判断する吐出数を示す値として予め設定した値である。
【0068】
コゲを除去するタイミングは、例えば、電気熱変換素子上のコゲの堆積状態によるインク発泡体積の変化や、インクの吐出スピードの変化等から判断し、例えば、発泡体積が小さくなりインクの吐出スピードが極端に遅くなることによって、着弾精度の悪化等の画像弊害が発生する前にコゲの除去を実行するようにする。
【0069】
また、総吐出数とコゲの堆積量の関係は、電気熱変換素子の特性や、インクの特性、さらには、印字に用いる駆動パルス信号条件によって変化する為、電気熱変換素子や、インクの特性、駆動パルス条件が異なれば、それに合わせて最適化する必要がある。
【0070】
次に、先の総吐出数の判断で、総吐出数が1E+10を超えていない場合、通常の印字パルス信号テーブルが選択され、テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて1スキャン分の印字が行われる。
【0071】
1スキャン分の印字が終了すると、前記カウンタ回路により記録ヘッド毎の1スキャン中の吐出数がカウントされ、総吐出数に加算される。
【0072】
次のステップで、前のスキャンで印字が終了していなければ、総吐出数のリードから戻って駆動パルス信号の選択と印字スキャンを繰り返し、前のスキャンで印字が終了していれば印字を終了する。(以上を通常印字モードと呼ぶ。)
(Fチャート−総吐出数YES)
一方、先の総吐出数の判断で、総吐出数が1E+10を超えている場合、本実施例の記録装置では、4スキャンに1スキャンの割合で画像記録に寄与する駆動パルス信号をエージングパルス信号に切り換えて記録するモードに入る。(以下、この印字モードをエージング印字モードと記す。)
以下、フローにしたがって説明する。
【0073】
総吐出数が1E+10を超えている場合、まず、エージングSカウンタ値がリードされ、10より大きいかが判断される。
【0074】
このエージングSカウンタ値は、エージングパルス信号によるスキャンが何スキャン行われたかを示す数値で、総吐出数が1E+10を超えてエージング印字モードに入り最初にリードした時の値は0である。
【0075】
エージングSカウンタが10以下の場合、スキャン数カウンタ値がリードされ4の倍数かどうかが判断される。スキャン数カウンタ値は、上記エージング印字モードに入ってからの総スキャン数で次のスキャンが何スキャン目になるかを示す値であり、総吐出数が1E+10を超えてエージング印字モードに入り最初にリードした時の値は1である。
【0076】
ここで、スキャン数カウンタ値が4の倍数でない場合は、通常の印字パルス信号テーブルが選択され、印字パルス信号テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて続く1スキャンの印字が行われる。
【0077】
また、スキャン数カウンタ値が4の倍数の場合は、エージングパルス信号テーブルが選択され、エージングパルス信号テーブルで指定されたP0、P1、P2、P3の駆動パルス信号にて続く1スキャンの印字が行われる。
【0078】
この処理によって、4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による印字が実行され、電気熱変換素子上に堆積したコゲを画像記録に関わるインク吐出の中で除去する。
【0079】
エージングパルス信号が選択された場合、次のステップで前記エージングSカウンタが+1加算され、また、1スキャンの印字が終了すると、前記スキャン数カウンタが+1加算される。
【0080】
次のステップで、前のスキャンで印字が終了していなければ、エージングSカウンタのリードから戻って駆動パルス信号の選択と印字スキャンを繰り返し、前のスキャンで印字が終了していれば印字を終了する。
【0081】
(Fチャート−エージングOFF)
一旦、エージング印字モードに入ると、エージングSカウンタが10を超えるまで、印字ジョブを跨いで継続される。
【0082】
エージングSカウンタが10を超えると、エージングSカウンタ、総吐出数がリセット(=0)され、スキャン数カウンタもリセット(=1)される。
【0083】
この処理によって、総吐出数が0にリセットされることによって、次のスキャンにおける総吐出数の判断で1E+10以下と判断され、通常印字モードに戻る。
【0084】
(第2の実施例)
本件第2の実施形態は、記録ヘッドが吐出させるインク色に応じてエージングパルス信号の投入頻度を最適化することで、印字パルス信号で吐出させたインクドットで記録された画素(以下、印字ドット画素と記す)とエージングパルス信号で吐出させたインクドットで記録された画素(以下、エージングドット画素と記す)の比率をコントロールする。
【0085】
これによって、駆動パルス信号を切り換える前後の記録画素エリアにおける不均一感の印象が、インクの吐出量の変化や吐出スピードの変化の影響を敏感に受け易いインク色では、印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を下げて画像品位が低下しないようにゆっくりとコゲ除去をしたり、受け難いインク色では、コゲ除去の効果を高めるために印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を上げてコゲ除去の効果を上げたりといったインク色毎の最適化を可能とする。
【0086】
第1の実施形態では、インク色に関わらず、印字スキャンにおける4の倍数の印字スキャンだけエージングパルス信号による印字スキャンを実行するようにしている。
【0087】
これは記録画素で考えると平均的には、印字ドット画素3画素に対して、エージングドット画素(以下、エージングドットとする)1画素が散りばめられていることを意味し、エージングドットを印字ドットの合間に埋めてしまうことでエージングドットの弊害を目立たなくすることを目的としている。
【0088】
しかしながら、印字ドットの中にどの位の頻度でエージングドットを入れると不均一感として認識され画像品位を低下させるかは、インクの色によっても多少異なる。例えば、淡いシアンや、淡いマゼンタや、イエローは、記録画素エリア間で多少吐出量が変わったり、着弾精度が変化したりしてもエリア間の不均一感を認識しずらいが、ブラックや、シアン、マゼンタでは、前者よりも顕著にその影響が現れエリア間の不均一感を認識しやすい。
【0089】
そこで本実施形態2では、印字ドットの中にエージングドットを入れる比率を色によって変更することで、目立たないインク色に対応する記録ヘッドではコゲ除去の効果を高めるために、画像品位の低下しない程度に可能な限り高い頻度でエージングパルス信号を入れ、目立つインクに対応した記録ヘッドでは、エージングパルスの投入頻度を下げることでゆっくりと画像品位を低下させないようにコゲの除去をおこなう。
【0090】
実施例1の記録装置にこの制御を入れた例で説明する。
【0091】
実施例1の記録装置では、図1のフローのエージング印字モードにおいて、インク色に関わらず、スキャン数が4の倍数の場合にエージングパルス信号による記録スキャンをおこなうよう制御されている。この4という比較値を、本実施例2の記録装置では各インク色に対応する記録ヘッドによって変更する。
【0092】
すなわち、淡いシアン、淡いマゼンタ、イエローは記録画素エリア間で多少吐出量が変わったり、着弾精度が変化したりしてもエリア間の不均一感を認識しずらいので、各インク色に対応する記録ヘッドでは、比較値として4を入れて4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するのに対して、ブラック、シアン、マゼンタでは、前者よりも顕著にエリア間の不均一感を認識しやすいので、各インク色に対応する記録ヘッドでは比較値として8を入れることで8スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行し、印字ドット画素に対するエージングドット画素の比率を減らす。
【0093】
(第3の実施例)
本件第3の実施形態では、エージングパルス信号を投入することによって必要以上に記録ヘッド温度が上昇してしまう問題を回避することを目的としている。
【0094】
先に述べたように、エージングパルス信号はヒータから発生する熱エネルギーが大きくなるように設定されているために、通常の印字パルス信号よりも急速に記録ヘッドの温度を上昇させてしまう。記録ヘッド温度が必要以上に上昇することの弊害としては先に述べた通りである。
【0095】
そこで、本実施形態3では、記録ヘッドの温度に応じてエージングパルス信号を入れる比率を変更する。例えば、記録ヘッド温度が低い場合は、コゲ除去の効果を高めるために、画像品位の低下しない程度に可能な限り高い頻度でエージングパルス信号を入れ、逆に記録ヘッド温度が高くなった場合は、高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号の投入頻度を下げることで記録ヘッド温度の上昇を抑える。
【0096】
実施例1の記録装置にこの制御を入れた例で説明する。
【0097】
実施例1の記録装置では、図1のフローのエージング印字モードにおいて、スキャン数が4の倍数の場合にエージングパルス信号による記録スキャンをおこなうよう制御されている。この4という比較値を記録ヘッド温度によって変更することによって、本実施例3の記録装置では、上記ヘッド温度上昇の弊害を回避する。
【0098】
すなわち、ヘッド温度が低い場合(例えば50℃以下)は比較値として4を入れることで4スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するのに対して、ヘッド温度が高い場合(例えば50℃以上)は比較値として例えば8を入れることで8スキャン毎に1スキャンのエージングパルス信号による記録スキャンを実行するようにして、エージングパルス信号による記録スキャンの頻度を減らし記録ヘッドの温度が上昇し過ぎないように制御する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の記録装置において、画像記録を行う際の前記駆動パルス信号を決定する手順を示したフローチャート
【図2】記録画素の模式図
【図3】決定テーブル
【図4】駆動パルス信号テーブル
【図5】決定のフローチャート
【図6】本実施例の記録装置
【図7】カウンタ回路(計数手段)のブロック図
【図8】シリアルスキャン方式のインクジェット記録装置の斜視図
【図9】記録ヘッド200K〜Yの詳細について説明する図
Claims (4)
- 複数の記録要素各々に設けられた電気熱変換体に駆動パルス信号を印加して発熱させることで前記各記録要素からインクを吐出させ画像記録をおこなうインクジェット記録装置であって、ノズル毎のインク吐出数を計数する計数手段を持ち、計数したインク吐出数に応じて、画像形成に関わる前記駆動パルス信号を、通常印字パルス信号と、より高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号と、に切り換えて印字するインクジェット記録装置において、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定の吐出数の間、適宜画像の形成に関わる駆動パルス信号を通常の印字パルス信号のNパルス毎に1パルスの割合でエージングパルス信号に切り換えて印字をおこなう画像形成方法。
- 複数の記録要素各々に設けられた電気熱変換体に駆動パルス信号を印加して発熱させることで前記各記録要素からインクを吐出させ画像記録をおこなうインクジェット記録装置であって、ノズル毎のインク吐出数を計数する計数手段を持ち、計数したインク吐出数に応じて、画像形成に関わる前記駆動パルス信号を、通常印字パルス信号と、より高い熱エネルギーを発生させるエージングパルス信号と、に切り換えて印字するインクジェット記録装置において、前記計数手段で計数されたインク吐出数が所定の吐出数になった場合、続く所定のスキャン数の間、通常の印字パルス信号での印字スキャンのNスキャン毎に1スキャンの割合でエージングパルス信号での印字スキャンを混ぜつつ印字する画像形成方法。
- 前記Nの値は、該記録ヘッドが吐出させるインク色に応じて異なること特徴とする請求項1ないし請求項2記載の画像形成方法。
- 前記Nの値は、該記録ヘッド個々のヘッド温度に応じて変更することを特徴とする請求項1ないし請求項2記載の画像形成方法。
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2003
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