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JP2004314311A - 吸放湿性不織布構造体およびこれを用いた調湿剤 - Google Patents

吸放湿性不織布構造体およびこれを用いた調湿剤 Download PDF

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JP2004314311A
JP2004314311A JP2003107366A JP2003107366A JP2004314311A JP 2004314311 A JP2004314311 A JP 2004314311A JP 2003107366 A JP2003107366 A JP 2003107366A JP 2003107366 A JP2003107366 A JP 2003107366A JP 2004314311 A JP2004314311 A JP 2004314311A
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Tadashi Araki
忠志 荒木
Ryoichi Tagaito
良一 田垣内
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

【課題】吸放湿性が優れた上に軽くて厚さが薄く、さらには寸法安定性も高く、あらゆる形状に加工が可能で取扱性にも優れた吸放湿性不織布構造体を提供する。
【解決手段】主として吸放湿性繊維と熱融着性繊維からなる吸放湿層と、吸放湿層を挟んだ表面シートの三層構造からなる吸放湿性不織布構造体であって、以下(a)〜(c)を特徴とする吸放湿性不織布構造体である。
(a)表面シートの少なくとも一方が透湿性または通気性を有するものであること。(b)該吸放湿性不織布構造体の20℃、95%RHにおける吸湿量Rと、20℃、40%RHにおける放湿量Rの差(R−R)が、30g/m以上であること。(c)該吸放湿性不織布構造体の吸放湿後の収縮率が、5%以下であること。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸放湿性不織布構造体に関するもので、精密部品の輸送時に使用される乾燥剤、産業用機械類の結露防止剤、医薬品、菓子類等の乾燥剤、除湿剤あるいはショーケース、飾り棚等中の調湿剤等に好適に用いられる材料およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸放湿性を有する材料としては塩化カルシウムや塩化マグネシウム等の潮解性塩類あるいはシリカゲル等の粉粒状物が知られている。特許文献1には紙パルプからなる板紙に塩化カルシウムや塩化マグネシウム等の潮解性塩類を含浸させ、この板紙を透湿不透水性フィルムで包装したシート状乾燥剤が開示されている。また、特許文献2には通気性のあるシート間に吸着剤である粉末状のシリカゲルと熱可塑性樹脂粉末の混合物を挟みプレス成型により一体化した吸着性シートが開示されている。
【0003】
しかしながら、潮解性塩類は吸湿すると液状となり、フィルムの端部からこの潮解液が漏れ出る恐れがあるばかりか、放湿性は低く、放湿しても元の形状に戻らないという問題があった。一方、シリカゲルは吸放湿性能は有するものの、その吸放湿量が少ないため使用量を多くする必要があり、さらに吸湿速度に比べ放湿速度が遅いため調湿剤としては不適当であった。
【0004】
また、特許文献3には高吸放湿性繊維からなる調湿材が開示されている。しかしながら、該調湿材は高吸放湿性繊維そのものの機能を謳ったものに過ぎず、調湿剤としての構成、機能等は一切記載されていなかった。
【0005】
さらには、吸放湿性繊維を高混率で不織布化した場合、吸放湿により大きく収縮し、寸法安定性が悪いという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−323209号公報
【特許文献2】
特開平10−192385号公報
【特許文献3】
特開平6−280110号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決し、吸放湿性が優れた上に軽くて厚さが薄く、さらには寸法安定性も高く、あらゆる形状に加工が可能で取扱性にも優れた吸放湿性不織布構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、本発明の吸放湿性不織布構造体を発明するに至った。即ち、主として吸放湿性繊維と熱融着性繊維からなる吸放湿層と、吸放湿層を挟んだ表面シートの三層構造からなる吸放湿性不織布構造体であって、以下(a)〜(c)を特徴とする吸放湿性不織布構造体である。
(a)表面シートの少なくとも一方が透湿性または通気性を有するものであること。
(b)該吸放湿性不織布構造体の20℃、95%RHにおける吸湿量Rと、20℃、40%RHにおける放湿量Rの差(R−R)が、30g/m以上であること。
(c)該吸放湿性不織布構造体の吸放湿後の収縮率が、5%以下であること。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施形態にかかる吸放湿性不織布構造体の断面図、図2は本実施形態の請求項7にかかる調湿剤の一例の断面図、図3は本実施形態の請求項8にかかる調湿剤の一例の断面図である。
【0010】
図1に示すように本発明の吸放湿性不織布構造体1は吸放湿層2と、吸放湿層2を挟んだ表面シート3または4の三層構造からなる。表面シート3または4がなく、吸放湿層2が表面に露出していると吸湿時にベトツキが感じられたり、放湿(乾燥)時に吸放湿性繊維が脱落しやすくなるためである。
【0011】
本発明の吸放湿層2中に用いる吸放湿性繊維とは、周囲の湿度環境に応じて吸湿・放湿を行なう繊維である。好ましくは20℃、95%RHにおける吸湿率と20℃、40%RHにおける吸湿率の差が40重量%以上のものである。吸湿率の差が40重量%以上の場合は急激な湿度変化に対しても迅速に吸放湿が行なわれ、周囲を適度な湿度に調湿することができる。さらに好ましくは吸湿率の差が60重量%以上である。
【0012】
なお、上記「吸湿率」とは、各条件下で繊維を24時間放置して吸湿させた時の重量とその繊維の絶乾質量との差をその繊維の絶乾質量で除したときの値である。また、「RH」とは「相対湿度」の意味である。
【0013】
上記特性を備えた吸放湿性繊維の例としては、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維、アクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独でまたは2種以上を併用してもよい。
【0014】
これらの吸放湿性繊維の市販品としては、例えばカネボウ合繊(株)製、商品名「ベルオアシス」や東洋紡績(株)製、商品名「N−38」が挙げられる。特にベルオアシスは20℃、95%RHにおける吸湿率が140%、40%RHにおける吸湿率が22%で、その差が100%を超えている。さらに該繊維は吸湿速度と放湿速度がほぼ同じであり、急激な湿度変化においても十分に対応することができる。
【0015】
吸放湿層2中の吸放湿性繊維の含有率は任意であるが、好ましくは30〜95重量%である。この範囲内であれば優れた吸放湿性能を発揮し、寸法安定性や強度も問題なく使用できる。さらに好ましくは50〜90重量%である。
【0016】
本発明の吸放湿層2中に用いる熱融着性繊維とは、通常160℃以下、好ましくは90〜130℃程度で溶融する成分を含む繊維である。好ましくは、一方より融点が低い融着成分と一方より融点が高い非融着成分からなる複合繊維を用いる。このような熱融着性繊維を用いることにより接着剤を使用することなく適度な空隙を保ちながら繊維同士を接着し、不織布構造体を形成することができる。
【0017】
本発明に好ましく用いられる熱融着性繊維の例として、鞘部分に融着成分としてポリオレフィンまたは融点110〜130℃の共重合ポリエステル、芯部分に非融着成分としてポリオレフィンまたはポリエチレンテレフタレートを使用した芯鞘型熱融着性繊維が挙げられる。
【0018】
吸放湿層2中の熱融着性繊維の含有率は任意であるが、好ましくは5〜50重量%である。この範囲内であれば優れた吸放湿性能を保ちながら、高い寸法安定性や強度が得られる。さらに好ましくは10〜40重量%である。
【0019】
吸放湿層2中には吸放湿性繊維と熱融着性繊維以外の繊維も使用することができる。これらの繊維の種類は特に限定しない。合成繊維、天然繊維、再生繊維等、全ての繊維を使用することができる。また、中空繊維、難燃繊維、消臭繊維、防カビ繊維等の機能性繊維を使用することにより、それぞれの機能を付与することもできる。これらの繊維は2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
吸放湿層2中には必要に応じて、例えば粉末あるいは粒状の難燃剤、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤等の各種の添加剤を添加することもできる。
【0021】
本発明に用いる表面シート3または4の素材は特に限定しないが、少なくとも一方に透湿性または通気性を有するシート3を用いる必要が有る。例えば、透湿性の有るシートとしては透湿フィルムが使用でき、通気性の有るシートとしてはティッシュ等の紙類、織編物、不織布等の布帛あるいはフィルムに孔開き加工を施した有孔フィルム等が使用できる。また、透湿性または通気性の無いシート4としてはフィルムが使用できる。
【0022】
図1(a)に示すように両面に透湿性または通気性の有る表面シート3を用いた場合は吸放湿速度が速く、図1(b)に示すように片方に透湿性または通気性の有る表面シート3、もう片面に透湿性または通気性のない表面シート4を使用した場合は吸放湿面を片面に限定することができる。また、透湿性シートの透湿度または通気性シートの通気度を適宜変更する事により吸放湿速度を自由に変える事ができる。
【0023】
表面シート3または4はできるだけ目付けの低いものを使用することが好ましい。目付けの高い表面シートを使用すると吸放湿性不織布構造体1の重量が大きくなるとともに、吸放湿性不織布構造体1中に占める表面シート3または4の重量比が高くなり、吸放湿性不織布構造体1としての吸湿率が低下するためである。表面シート3または4の好ましい目付けは8〜100g/mであり、さらに好ましくは10〜70g/mである。
【0024】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、全体の目付けが50〜1000g/mの範囲内であるであることが好ましい。この範囲内であると優れた吸放湿性とともに軽量で取扱性にも優れたものとなる。さらに好ましくは100〜500g/mである。
【0025】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、全体の厚さが0.5〜5mmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると適度な空隙により吸放湿性能の低下がなく、さらに厚さが薄くわずかな隙間への使用が可能となる。さらに好ましくは0.6〜3mmである。
【0026】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、見かけ密度が0.02〜0.8g/cmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると適度な空隙が得られ、吸放湿速度の低下がない。さらに好ましくは0.05〜0.5g/cmである。
【0027】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、20℃、95%RHにおける吸湿量Rと20℃、40%RHにおける吸湿量Rの差(R−R)が30g/m以上である必要がある。RとRの差が30g/m以上であると調湿剤として十分な性能が得られる。RとRの差が30g/m未満では急激な湿度変化が生じた場合に迅速な吸放湿が行なわれず、ひどい時には結露が発生する恐れがある。好ましくはRとRの差が50g/m以上である。
【0028】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、吸放湿後の収縮率が5%以下である必要がある。収縮率が5%以下であると寸法安定性が高く、多くの用途に使用することができる。収縮率が5%より高いと寸法安定性が悪く、使用できる用途が限られる。さらに好ましくは収縮率が3%以下である。
【0029】
本発明の吸放湿性不織布構造体1を製造する方法は特に限定しない。例えば、吸放湿層2に使用する繊維を混綿、開繊後、カード機にてウェブを作製後、ニードルパンチを行ない不織布とした後に表面シート3または4を積層し三層構造とする方法、あるいはカード機にて作製したウェブに直接表面シート3または4を積層し、熱処理を施して三層構造とする方法が挙げられる。また、エアレイ法により一段階で三層構造を作製することもできる。好ましくはエアレイ法であり、エアレイ法によれば強度の弱い吸放湿性繊維であっても高混率化が容易である。
【0030】
エアレイ法の一例としては、吸引ネット上の通気性を有する表面シート3上に吸引ネット側から吸引しながら吸放湿性繊維と熱融着性繊維を主とする繊維混合物を連続的に散布し吸放湿層2を形成し、次いで、もう一方の表面シート3または4を積層して三層構造とした後、加熱加圧処理して吸放湿層2中の繊維間、吸放湿層2と表面シート3または4間を接着させ吸放湿性不織布構造体を形成する等の方法が挙げられる。
【0031】
吸放湿層2と表面シート3または4間の接着にはポリオレフィン等の熱融着性樹脂または熱可塑性樹脂を使用してもよい。
【0032】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、通常、適当な大きさおよび形状にカットして使用される。この時の大きさおよび形状は特に限定しない。用途に合わせて自由に設計することができる。
【0033】
本発明の吸放湿性不織布構造体1をカットして使用する時には、端部からの吸放湿層2中の繊維等の脱落を防ぐために、図2に示すように端部を接合6して使用することが好ましい。接合6の方法は特に限定しない。一例としては熱圧着、超音波シール、超音波シールカット、高周波ウェルダーあるいは熱可塑性樹脂を使用したシール等が挙げられる。好ましくは超音波シールカット法であり、超音波シールカット法によればシール幅を小さくでき、効率よく高い吸放湿性能を得ることができる。
【0034】
本発明の吸放湿性不織布構造体1は、適当な大きさおよび形状にカットした後に、図3に示すように包装材8または9に収納して使用することもできる。この時、該包装材は少なくとも一部が透湿性または通気性を有する素材8である必要があり、さらに該包装材はその外周縁部が接合6されている必要がある。
【0035】
包装材の外周縁部の接合方法は特に限定しない。一例としては熱圧着、超音波シール、高周波ウェルダーあるいは通常使用される接着剤等が挙げられる。
【0036】
包装材8または9に使用する素材は特に限定しない。例えば、透湿性を有する素材としては透湿性フィルムが使用でき、通気性を有する素材としては紙類、織編物、不織布等の布帛、フィルムに孔開き加工を施した有孔フィルム等が使用できる。また、透湿性または通気性のない素材としてはフィルムが使用できる。
【0037】
図3(a)に示すのように包装材8または9の全てに透湿性または通気性を有する素材8を用いた場合は吸放湿速度が速く、図3(b)に示すように片面あるいは一部に透湿性または通気性を有する素材8、その他の部分に透湿性または通気性をない素材9を使用した場合は吸放湿面を片面あるいは一部に限定することができる。また、透湿性シートの透湿度または通気性シートの通気度を適宜変更する事により吸放湿速度を自由に変える事ができる。
【0038】
包装材8または9に難燃性、防水性、撥水性、帯電防止等の機能を有した素材を用いることによりこれらの機能を有した調湿剤を得ることもできる。
【0039】
図3(c)に示すように包装材8または9の中には用途、目的に合わせて本発明の吸放湿性不織布構造体1を複数枚重ねて入れてもよい。
【0040】
また、図3(d)に示すように包装材8または9の中には用途、目的に合わせて本発明の吸放湿性不織布構造体1と一緒に消臭、抗菌等の機能を有したシート10を入れてもよい。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、吸放湿性能および収縮率の測定方法を以下に示す。
【0042】
(吸放湿性能および収縮率)
200mm×200mmにカットした試料を20℃×40%RHの環境下に一昼夜放置した後、20℃×95%RHの環境下に移し、8時間吸湿させ、試料重量(W)を測定する。次に試料を再度20℃×40%RHの環境下に移し、3時間放湿させた後、試料重量(W)およびタテ、ヨコの寸法(L、B)を測定する。最後に試料の絶乾質量(W)を測定し、次式より1mあたりの吸放湿量および収縮率を算出する。
【0043】
吸放湿量(g/m)=R−R
;吸湿量(g/m)=(W−W)/0.04
;放湿量(g/m)=(W−W)/0.04
;20℃×95%RHで8時間吸湿後の試料重量(g)
;20℃×40%RHで3時間放湿後の試料重量(g)
収縮率(%)=[400−(L+B)]/400×100
;20℃×40%RHで3時間放湿後の試料のタテの寸法(mm)
;20℃×40%RHで3時間放湿後の試料のヨコの寸法(mm)
【0044】
(実施例1)
吸放湿層の組成、表面シートの素材および目付け、吸放湿性不織布構造体の目付けおよび厚さを表1に示した条件で、下記製造方法により吸放湿性不織布構造体を作製した。なお、吸放湿性繊維にはカネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」10dtex、6mm、熱融着性繊維にはチッソ(株)製「ES」4.4dtex、6mm、およびその他の繊維にレギュラーポリエステル5.6dtex、6mmを使用した。
【0045】
表1に記載の組成で繊維を混綿した後、該繊維を吸引ネット上の表面シートa上に均一になるようにエアレイ法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。次にこの吸放湿層の上に表面シートbを積層して三層構造とし、140〜200℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し吸放湿性不織布構造体を得た。これらの吸放湿量および収縮率の測定結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004314311
【0047】
【表2】
Figure 2004314311
【0048】
表2から次のことが明らかである。実施例1のテストNo.1および7は吸放湿量に乏しく、調湿剤、乾燥剤、除湿剤等の用途に適さないことが判る。テストNo.5は収縮率が高く寸法安定性に乏しいことが判る。一方、テストNo.2〜4、6、8および9は吸放湿量が多く、優れた吸放湿性能を有するとともに収縮率も低く寸法安定性にも優れており、調湿剤、乾燥剤、除湿剤等に好適に使用できる。
【0049】
(実施例2)
実施例1のテストNo.8の本発明の吸放湿性不織布構造体を直径50mmの円形にカットし、その端部を超音波ミシンを使用してシールし、調湿剤を作製した。この調湿剤は実施例1のテストNo.8の本発明の吸放湿性不織布構造体と同等の吸放湿性能と寸法安定性を有していた上に、端部からの繊維の脱落もなかった。
【0050】
(実施例3)
実施例1のテストNo.3の本発明の吸放湿性不織布構造体を20mm×100mmの長方形にカットし、該吸放湿性不織布構造体を3枚重ねて35mm×115mmの長方形にカットした孔径0.2mm、開口率5%、厚さ30μmのポリエチレンフィルムで挟持し、その外周縁部を熱融着し、調湿剤を作製した。この調湿剤は実施例1のテストNo.3の本発明の吸放湿性不織布構造体の約3倍の吸放湿性能を有し、さらに包装材外部への繊維の脱落もなかった。
【0051】
実施例1のテストNo.4の本発明の吸放湿性不織布構造体を200mm×300mmの長方形にカットした。また、パルプシートに消臭機能を付与したシート状消臭材も200mm×300mmの長方形にカットし、吸放湿性不織布構造体と重ねて220mm×320mmの長方形にカットした目付け50g/mのポリエステルスパンボンドで挟持し、その外周縁部を熱融着し、調湿剤を作製した。この調湿剤は実施例1のテストNo.4の本発明の吸放湿性不織布構造体と同等の吸放湿性能を有し、さらに消臭機能も有していた。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の吸放湿性不織布構造体は、吸放湿性が優れているため、周囲の湿度が高い場合は吸湿し、周囲の湿度を下げる乾燥剤あるいは除湿剤として好適に使用することができる。また、放湿性能にも優れているため周囲の湿度が低くなると吸湿した湿気を放湿して周囲の湿度を一定に保つ調湿剤としても好適に用いることができる。さらには、本発明の吸放湿性不織布構造体は、薄くて軽く、寸法安定性も高く、あらゆる形状に加工が可能で、取扱性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる吸放湿性不織布構造体の断面図である。
【図2】本実施形態の請求項7にかかる調湿剤の一例の断面図である。
【図3】本実施形態の請求項8にかかる調湿剤の一例の断面図である。
【符号の説明】
1 吸放湿性不織布構造体
2 吸放湿層
3 透湿性または通気性を有する表面シート
4 透湿性または通気性のない表面シート
5 請求項7にかかる調湿剤
6 接合部
7 請求項8にかかる調湿剤
8 透湿性または通気性を有する包装材
9 透湿性または通気性のない包装材
10 機能性シート

Claims (8)

  1. 主として吸放湿性繊維と熱融着性繊維からなる吸放湿層と、吸放湿層を挟んだ表面シートの三層構造からなる吸放湿性不織布構造体であって、以下(a)〜(c)を特徴とする吸放湿性不織布構造体。
    (a)表面シートの少なくとも一方が透湿性または通気性を有するものであること。
    (b)該吸放湿性不織布構造体の20℃、95%RHにおける吸湿量Rと、20℃、40%RHにおける放湿量Rの差(R−R)が、30g/m以上であること。
    (c)該吸放湿性不織布構造体の吸放湿後の収縮率が、5%以下であること。
  2. 該熱融着性繊維が、一方より融点が低い融着成分と一方より融点が高い非融着成分からなる複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載の吸放湿性不織布構造体。
  3. 該熱融着性繊維が、鞘部分がポリオレフィンまたは融点110〜130℃の共重合ポリエステルからなる芯鞘型熱融着性繊維であることを特徴とする請求項2に記載の吸放湿性不織布構造体。
  4. 該吸放湿性繊維が架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系の吸放湿性繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸放湿性不織布構造体。
  5. 吸放湿層中の熱融着性繊維の含有率が5〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸放湿性不織布構造体。
  6. 全体の目付けが50〜1000g/m、全体の厚さが0.5〜5mmである請求項1〜5のいずれかに記載の吸放湿性不織布構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された吸放湿性不織布構造体の端部を接合したことを特徴とする調湿剤。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載された吸放湿性不織布構造体または請求項7に記載の調湿剤を包装材に収納した調湿剤であって、該包装材の少なくとも一部が透湿性または通気性を有する材料から構成され、その包装材の外周縁部を接合したことを特徴とする調湿剤。
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