[go: up one dir, main page]

JP2004301154A - 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ - Google Patents

流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ Download PDF

Info

Publication number
JP2004301154A
JP2004301154A JP2003091858A JP2003091858A JP2004301154A JP 2004301154 A JP2004301154 A JP 2004301154A JP 2003091858 A JP2003091858 A JP 2003091858A JP 2003091858 A JP2003091858 A JP 2003091858A JP 2004301154 A JP2004301154 A JP 2004301154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
entrance
shaft
sleeve
dynamic pressure
plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003091858A
Other languages
English (en)
Inventor
Teiichi Hirono
禎一 廣野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2003091858A priority Critical patent/JP2004301154A/ja
Publication of JP2004301154A publication Critical patent/JP2004301154A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】シャフトのプラグを相当長くしても空気抜き間隙と連通孔との出入り口を十分に確保することができる流体動圧軸受け装置を提供する。
【解決手段】スリーブ4と、連通孔36が形成され、連通孔の上端付近に第一の出入り口36a、下端付近に第二の出入り口36bを各々有するシャフト3と、これらのスリーブ及びシャフトの対向し合う面間における、第一出入り口より上位及び下位に各々保持された潤滑油と、スリーブ及びシャフトの対向し合う面の一方又は双方における、第一出入り口より上位及び下位に各々形成され、回転時に潤滑油に流体動圧を発生させる動圧発生用溝43〜46と、連通孔の上端を封じるプラグ38とを備えた流体動圧軸受け装置において、前記プラグ38が、頭部38aと、胴部38bと、脚部38cとからなり、胴部における第一出入り口との対向面から脚部の端面に亘って気体通路38d、38eを有する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータに属する。このモータは、特にコンピュータのハードディスク回転駆動用スピンドルモータ、DVD駆動用モータ、レーザプリンタのポリゴンミラー駆動用モータなどに好適に利用されうる。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−145294
回転部材を静止部材に対して回転自在に支持するための軸受け手段として、所謂流体動圧軸受け装置がある。これは、例えば図3に軸方向断面図で示すように、スリーブbとそのスリーブbに嵌合されたシャフトtを備え、シャフトtの上下にスラスト板s,sを設け、これら両スラストs,s板間におけるシャフトt外周面及び両スラスト板s,sの軸方向内面に各々ラジアル間隙及びスラスト間隙を介してスリーブbの内面を対向させ、この間隙に潤滑油を充填し、間隙を形成する面の所定箇所に回転時の潤滑油中に動圧を発生させるための動圧発生用溝p,p,q,qを形成したものである。ハードディスク駆動用モータの場合はスリーブbの外周面にハブhが嵌合され、そのハブhの外周面に図略のディスクが搭載される。図示の例はシャフトtが固定でスリーブbが回転する型であるが、逆にスリーブが固定でシャフトが回転する型の場合はシャフトの上端に円盤状のハブが直結し、そのハブの下面がスラスト間隙を介してスリーブの上面と対向する。
【0003】
流体動圧軸受け装置においては、回転時には動圧発生用溝pが潤滑油をスラスト板sに向かわせるポンプ作用を生じ、動圧発生用溝qが潤滑油をシャフトに向かわせるポンプ作用を生じて動圧を発生させ、それにより回転部材が静止部材に対して非接触に保持される。動圧発生用溝p,qは、このように潤滑油を一定方向に送るためにアンバランスに形成されている。
このような軸受け装置において、軸受け部における潤滑油の内部に気泡が混入すると、軸受け部では動圧を発生することができず、十分な負荷容量を得ることができないことから、気泡が大きく成長する前に大気に排出する必要がある。そこで、上記のラジアル間隙の軸方向中央部に潤滑油で満たされない空気抜き間隙aを設けることによりラジアル軸受部を上下に分離するとともに、この空気抜き間隙aを外気に連通させる連通孔t1がシャフトt内部に形成されている。連通孔t1の一方の出入り口t2は空気抜き間隙よりシャフトを径方向に貫通するように形成され、他方の出入り口t3は下方に形成されている。この構成では、空気抜き間隙aの上下いずれに保持されている潤滑油も一方の気液界面から他方の気液界面に至るまで動圧が極大となるのは1点のみで極小となる点は存在せず、このため気泡が自動的に圧力が最小となる大気に排出される。
【0004】
上記の連通孔t1の下端はゴム等の弾性材料からなるボールcにて封じられ、上端はプラスチックもしくは弾性材料からなるプラグeで封じられている。こうして、汚れた外気の連通孔t1から潤滑油への浸入が阻止されている。尚、空気抜き間隙aから遠い方の気液界面への粉塵などの浸入は、上記スラスト板s,sと軸方向外側で対向するようにカウンタ板f,fがスリーブbに固定されるなどしてラビリンスシールを形成することにより、阻止されている。
また、シャフトのプラグeより上方にはねじ孔が形成され、これにハードディスク装置本体iを貫通する雄ねじgが嵌合することにより、軸受け装置を含むモータがハードディスク装置本体iに固定されている。シャフト回転型の場合は、ディスクを把持するクランパの固定用の雄ねじgが上記ねじ孔に嵌合する。
上記プラグeは、プラグeの挿入位置がねじ孔の奥であって挿入状態を確認する方法がないことから、作業性を犠牲にすることなく確実に挿入するために、十分な全長を有することを必要とされていた。これは、全長が短いと、(1)傾いて挿入されてしまって確実に封じることができない、(2)連通孔t1の内周面との接触面積(圧入しろ)が小さくなって衝撃やスプリングバックで抜けてしまう、などの支障が生じるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プラグeの全長を長くし過ぎると、その下端が連通孔t1の第一出入り口t2に達し、第一出入り口t2の気体の出入りを困難にしたり第一出入り口t2を塞いだりする。第一出入り口t2が塞がれると、空気抜き間隙aの中が負圧となって潤滑油が予期しない挙動をする。図4は潤滑油の挙動を説明するために、空気抜き間隙aとその周辺の軸方向断面を模式的に示したものである。回転部材停止時における気液界面の位置は、空気抜き間隙aのテーパ部分に存在する(図中のJ位置)。回転部材が回転すると、動圧発生用溝pによるポンプ作用で潤滑油が各々スラスト板s側に送られ、それに伴って気液界面は空気抜き間隙aを拡げる方向に移動する(図中のK位置)。
【0006】
このとき第一出入り口t2が機能していれば、連通孔t1より空気が流れ込み、空気抜き間隙aの圧力は変動しない。図5は、動圧発生溝p及びqによって各々形成されるラジアルおよびスラスト軸受部の油圧力をプロットしたものである。横軸は図4の座標S(スラスト軸受部外周〜同軸受部内周〜ラジアル軸受部上端〜同下端〜空気抜き間隙)を示し、縦軸は圧力を示す。第一出入り口t2が機能していると、A点とB点の圧力は等しくなる。また、空気抜き間隙a側の気液界面は、動圧発生用溝pの途中にあり、スラスト軸受部側から押し込まれる圧力と釣り合っている。そして、万一不測の事情によりスラスト軸受部側のポンプ圧が増しても、その分潤滑油が更に動圧発生用溝pのアンバランス部に流れ込んでラジアル軸受部のポンプ圧も増し、そこで全体の圧力が釣り合う。
【0007】
これに対して第一出入り口t2が機能していなければ、回転時に気液界面が空気抜き間隙aを拡げる方向に移動することにより、空気抜き間隙aが負圧となる。図6は、第一出入り口t2が機能していないときの油圧力をプロットしたものである。上記の如く空気抜き間隙aが負圧になると、圧力バランスを保つために気液界面が空気抜き間隙a側に戻る(B点からB’点へ)。このときB’点が動圧発生用溝pを超えると、既に動圧発生用溝pが潤滑油で満たされていることから、不測の事情でスラスト軸受部側からのポンプ圧に増しても対抗することができない。その結果、オイルは空気抜き間隙a内へと流れ込む。この状態が継続すると油が軸受け装置の外に漏れてディスク装置の故障を招く。
【0008】
よって、プラグの全長に対しては厳格な品質管理が、またその挿入位置に対しては熟練が必要であり、流体動圧軸受け装置のコスト高の理由となっていた。
それ故、この発明の課題は、プラグを相当長くしても空気抜き間隙と連通孔との出入り口を十分に確保することができる流体動圧軸受け装置を提供することにある。また、そのような軸受け装置を用いて安価なモータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明の流体動圧軸受け装置は、
スリーブと、
スリーブに回転可能に嵌合されるとともに、内部を軸方向に貫通する連通孔が形成され、連通孔の上端付近より外周面に至るまで径方向に貫通する第一の出入り口、下端付近に第二の出入り口を各々有するシャフトと、
これらのスリーブ及びシャフトの対向し合う面間における、第一出入り口より上位及び下位に各々保持された潤滑油と、
スリーブ及びシャフトの対向し合う面の一方又は双方における、第一出入り口より上位及び下位に各々形成され、回転時に潤滑油に流体動圧を発生させる動圧発生用溝と、
シャフトの上端より挿入されて連通孔の上端を封じるプラグとを備えた流体動圧軸受け装置において、
前記プラグが、第一出入り口よりも上位にあって前記連通孔の上端を気密に封じる頭部と、その頭部に連なり第一出入り口に対向する胴部と、その胴部に連なり第一出入り口よりも下位にある脚部とからなり、胴部における第一出入り口との対向面から脚部の端面に亘って連続した気体通路を有することを特徴とする。
【0010】
この発明の軸受け装置によれば、プラグの脚部が第一出入り口よりも下位にあってプラグ全体の傾きや抜けを防ぐとともに、頭部が連通孔の上端を確実に封じる。そして、気体通路により第一出入り口の機能を確保する。従って、第一出入り口より上位に保持された潤滑油と下位に保持された潤滑油とで囲まれる空気抜き間隙の圧力は大気圧に保たれる。また、気体通路を有することから、プラグの全長を厳格に管理する必要はない。
前記脚部は、連通孔の内径と等しい外径を有すると好ましい。そうすれば脚部を連通孔に圧入するだけでプラグを連通孔に固定することができるからである。
【0011】
前記気体通路としては、胴部の外周面において周方向に形成された第一の溝と、その溝に連なり脚部の外周面において軸方向に形成された第二の溝とからなるものが好ましい。プラグの製作が簡単だからである。
この場合、前記プラグの頭部の外径d1、頭部の軸方向長さl1、胴部及び脚部の軸方向合計長さl2が、l1+l2≧1.5d1、l2≧l1の関係にあると好ましい。l1+l2≧1.5d1とすることで、横向きに誤って挿入されるのを防止することができるからである。
前記気体通路としては、胴部の内部に径方向に形成された横孔と、その横孔に連なり脚部の内部に軸線方向に形成された縦孔とからなるものであってもよい。
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明のモータは、
上記の流体動圧軸受け装置と、前記スリーブもしくはシャフトの一方にそれらと同心をなすように固定され、円筒状の内周面を有するハブと、ハブの内周面に固定されたマグネットと、前記スリーブもしくはシャフトの他方の外周面におけるマグネットと対向する位置に固定されたステータとを備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
−実施形態1−
この発明の流体動圧軸受け装置の第一の実施形態を、3.5インチのハードディスクを駆動させるモータに適用する場合を例にとり、図1を参照しながら説明する。図1は、そのハードディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
モータ1は、中央にボス孔2aを有するブラケット2と、ボス孔2aに下端が嵌合されて固定されたシャフト3と、シャフト3に対して潤滑油を介して回転自在なほぼ円筒状のスリーブ4と、スリーブ4の外周面に嵌合されて固定された円筒状のハブ5とを備える。モータ1のサイズは、ハブ5外径が約25mmで、全高が約20mmである。ブラケット2の上面には周方向に複数の磁極を配列したステータ6が固定されている。ハブ5の内周面におけるステータ6と対向する位置には接着剤などの適宜の手段によって円環状のマグネット7が固定されている。ハブ5の外周面には図略の記録ディスクが搭載される。
【0014】
図2は、シャフト3とスリーブ4との関係及びそれらの形状を詳細に示す拡大図である。シャフト3は、上下方向に長いシャフト本体31、その上部及び下部において各々径方向に張り出すように取り付けられた環状の上スラスト板32及び下スラスト板33からなる。シャフト本体31は軸方向におけるほぼ中間部の外径が滑らかに漸減している他は一様な外径を有する。この縮径部とスリーブ4の内周面とで囲まれる環状空間は、潤滑油が存在しない空気抜き間隙34として機能する。シャフト本体31は、その上端より軸方向にねじ孔が形成されていて、そこにディスク装置Dの外部からねじ35が嵌合されて、モータ1がディスク装置Dに固定されている。シャフト本体31の内部は、ねじ孔に続いて下端に至るまでねじ山の無い連通孔36が貫通している。
【0015】
連通孔36の内径は空気抜き間隙34より上の径大部36dにおいて上記ねじ孔の山径と同じで、空気抜き間隙34以下の径小部36eにおいてはそれよりも僅かに小さい。従って、この径違いによって連通孔36はねじ35の下方に段差36cを有する。連通孔36は、空気抜き間隙34に通じる第一出入り口36a及びブラケット2に近い位置でシャフト本体31の外周面に通じる第二出入り口36bを有する。連通孔36の下端はゴム製のボール37を詰め込むことによって封じられている。連通孔36の上端はねじ35を入れるよりも先に樹脂製のプラグ38を圧入することによって封じられている。
【0016】
プラグ38は、図7に単独で正面図を示すように、ほぼ円柱状をなし、頭部38a、それに続いて外径の小さい胴部38b及び下方に長く延びる脚部38cからなる。頭部38aは、径大部36dとほぼ同じ高さを有し、外径は径大部36dの内径とほぼ同じかそれよりも僅かに小さいが、径小部36eの内径よりは大きい。胴部38bの上半部及び脚部38cは径小部36eの内径と同じか僅かに小さい外径を有する。胴部38bの下半部は更に滑らかに外径が漸減し、周方向の溝38dを形成している。脚部38cの外周面には溝38dとの境界から始まって下端に至るまで軸方向に長い溝38eが形成されている。プラグ38とシャフト本体31の各部の寸法を図8に記した符号を用いて整理すると、
l1+l2>1.5d1>D1>d1>D2>d2≧d3>d4、
l2>L、l2>l1となる。
【0017】
この実施形態によれば、脚部38cが第一出入り口36aよりも下方に延びているので、プラグ38が傾くことなく正常に連通孔36へ挿入される。しかも頭部38aから脚部38cに亘る長い圧入しろを有するので、圧入後も抜けにくい。そして、頭部38aが連通孔36の上端を確実に液密に封じている。
スリーブ4は、図略の潤滑油が保持される微小間隙を介してシャフト3の外径に沿う内周面を有する。具体的には、スリーブ4はスラスト板32及び33に挟まれる部分はシャフト本体31に沿って一様な内径を有するが、スラスト板32及び33と対応する位置にはそれらスラスト板の外周面と各々対向するように内径が大きくされるとともに、上方に開いた環状空間4a及び下方に開いた環状空間4bが各々設けられている。そして、環状空間4a、4bの開放側端部には上カウンタ板41及び下カウンタ板42が上スラスト板32の上面及び下スラスト板33の下面と対向するように装着されて、ラビリンスシールを形成している。
【0018】
スリーブ4におけるスラスト板32,33と対向する面、即ち環状空間4a、4bを囲む径方向の面には、スリーブ4の回転時に潤滑油中に動圧を発生させるスパイラル状の動圧発生用溝43,44が形成されている。また、スリーブ4における上スラスト板32と空気抜き間隙34で挟まれる内周面、及び下スラスト板33と空気抜き間隙34で挟まれる内周面には各々アンバランス(空気抜き間隙34側が長い)な各々ヘリングボーン状の動圧発生用溝45,46が形成され、回転時に同様に動圧を発生させる。こうしてスラスト板32,33と環状空間4a、4bを囲む径方向の面との間に保持される潤滑油にてスラスト軸受け部を構成し、シャフト本体31の外周面とスリーブ4の内周面との間に保持される潤滑油にてラジアル軸受け部を構成する。
【0019】
モータ1においては、ステータ6への給電に伴ってステータ6とマグネット7との間に回転磁界を生じ、それによってハブ5がスリーブ4とともにシャフト3に対して回転する。回転中、動圧発生用溝43,44は、潤滑油をシャフト本体31に向けて圧送し、動圧発生用溝45及び46は各々上スラスト板32及び33に向けて圧送する。これにより上スラスト板32とシャフト本体31との境界付近、及び下スラスト板33とシャフト本体31との境界付近の油圧(動圧)を高め、シャフト3に対してスリーブ4を浮上させる。
【0020】
このとき、潤滑油の気液界面は空気抜き間隙34を拡げる方向、即ち第一出入り口36aより上の界面は更に上方に、第一出入り口36aより下の界面は更に下方に移動するが、拡げられた容積分に相当する空気が外部から第二出入り口36bより連通孔36に入って溝38e及び溝38dを通って第一出入り口36aより空気抜き間隙34に流れ込むので、空気抜き間隙34の圧力は変動することなく大気圧に保たれる。従って、第一出入り口36aより上方(又は下方)の気液界面が動圧発生用溝45(又は46)より下方(又は上方)に引っ張られることはなく、各々動圧発生用溝45,46の範囲に収まる。その結果、不測の事情によって例えばスラスト軸受け部の圧力が増して潤滑油がラジアル軸受け部に流れ込んでも、その分だけ動圧発生用溝45(又は46)によるポンプ作用が増すので、自動的に圧力のバランスを取ることができ、潤滑油が連通孔36に入ることはない。
【0021】
−実施形態2−
この発明の第二実施形態に係るモータを図9に軸方向断面図として示す。第一実施形態とサイズが異なるだけで同じ機能を有し同じ配置をとる要素については、同じ符号をもって示すことにより説明に代える。モータ10は、2.5インチのハードディスクを駆動させるもので、ハブ5外径が約20mm、全高が約16mmである。第一実施形態におけるモータ1よりもシャフト本体31の長さが短いため、プラグ38の頭部38aが第一出入り口36aに接近しているが、第一実施形態と同様に外部と空気抜き間隙34との間に第二出入り口36b−連通孔36−溝38e−溝38d−第一出入り口36aという気体通路が存在するので、空気抜き間隙34は常時大気圧に保たれている。従って、潤滑油が連通孔36に入ることはない。また、この実施形態でも脚部38cが第一出入り口36aよりも下方に延びているので、プラグ38が傾くことなく正常に連通孔36へ挿入され、圧入後も抜けにくい。そして、頭部38aが連通孔36の上端を確実に液密に封じている。
【0022】
−実施形態3−
本実施形態はプラグの構造が第一及び第二実施形態と異なる。但し、プラグの外形寸法は第一及び第二実施形態のおけるものと同一であってよく、第一及び第二実施形態のモータにも適用可能であるので、プラグについてのみ説明する。図10は、第三実施形態のプラグを示す正面図である。プラグ39は、頭部39a、胴部39b及び脚部39cからなる点では以上の実施形態と同様であるが、気体通路が溝ではなく、胴部39bの内部に径方向に形成された横孔39dと、その横孔39dに連なり脚部39cの中心軸線に沿って形成された縦孔39eとからなる。これにより空気抜き間隙34は常時大気圧に保たれる。
【0023】
−実施形態4−
以上の実施形態はいずれもシャフトが固定でスリーブが回転する型式であったが、本実施形態はスリーブが固定でシャフトがハブとともに回転する型式を示す。図11は、第四実施形態に係るモータを示す軸方向断面図である。
図11のモータ100においては、ブラケット102の中央にスリーブ104の下端が固定され、シャフト103の上端にハブ105が固定されている。シャフト103の下端にはスラスト板133が取り付けられているが、上端にはスラスト板は無い。それに代わってスラスト板133の下面に対向するようにスリーブ104の下端にスラストカバー132が圧入されている。そして、スラスト板133の上面とスリーブ104の下面、及びスラスト板133の下面とスラストカバー132の内面とでそれぞれスラスト軸受け部を構成し、それらの対向し合う面の少なくとも一方(図示の例ではスリーブ104の下面及びスラストカバー132の内面)に動圧発生用溝144、143が形成されている。
【0024】
この実施形態では、動圧発生用溝143としてはヘリングボーン状溝、動圧発生用溝144としては潤滑油をシャフト103側に向かわせるポンプ作用を生じるスパイラル状溝或いはアンバランスヘリングボーン状溝が形成されている。また、上側ラジアル軸受け部の動圧発生用溝145としてはヘリングボーン状溝が形成され、下側ラジアル軸受け部の動圧発生用溝146としては潤滑油をスラスト板133側に向かわせるポンプ作用を生じるアンバランスヘリングボーン状溝が形成されている。そして、スリーブ104の一側には空気抜き間隙134に対向する位置より径方向に外周面に至るまで通気孔140が設けられている。従って、空気抜き間隙134は常時大気圧に保たれている。この点、実施形態1−3と異なり、第一出入り口136aが閉塞した場合はむしろスラスト板133の外周面とスリーブ104の内周面との間隙が負圧となりやすい。ステータ106とマグネット107の作用は以上の実施形態と同様である。
【0025】
この実施形態においても頭部138a、胴部138b及び脚部138cからなるプラグ138が連通孔136に圧入されている。従って、スラスト板133の外周面と外部との間に第二出入り口136b−連通孔136−溝138e−溝138d−第一出入り口136a−通気孔140という気体通路が存在するので、スラスト板133の外周面とスリーブ104の内周面との間隙は常時大気圧に保たれている。従って、潤滑油が連通孔136に入ることはない。また、この実施形態でも脚部138cが第一出入り口136aよりも下方に延びているので、プラグ138が傾くことなく正常に連通孔136へ挿入され、圧入後も抜けにくい。そして、頭部138aが連通孔136の上端を確実に液密に封じている。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、この発明の流体動圧軸受け装置によればプラグを相当長くしても空気抜き間隙と連通孔との出入り口を十分に確保することができる。このため、プラグを確実に且つ容易に装着しやすく、製造コストを下げることができる。また、潤滑油漏れが無く信頼性に優れた流体動圧軸受け装置及びモータとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のモータを示す軸方向断面図である。
【図2】上記モータのシャフトとスリーブを含む部分を拡大した図である。
【図3】従来のモータを示す軸方向断面図である。
【図4】潤滑油の界面の位置を模式的に示す図である。
【図5】潤滑油の圧力分布を示すグラフである。
【図6】潤滑油の別の圧力分布を示すグラフである。
【図7】図1のモータに用いられているプラグを示す正面図である。
【図8】プラグとシャフト本体との寸法関係を示す図であり、(a)はプラグ、(b)はシャフト本体を示す。
【図9】実施形態2のモータを示す軸方向断面図である。
【図10】実施形態3のモータに用いられるプラグを示す正面図である。
【図11】実施形態4のモータを示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
1、10、100 モータ
2、102 ブラケット
3、103 シャフト
31、131 シャフト本体
32、33、133 スラスト板
4、104 スリーブ
43、44、45、46 動圧発生用溝
5、105 ハブ
6、106 ステータ
7、107 マグネット
34、134 空気抜き間隙
36、136 連通孔
36a、136a 第一出入り口
36b、136b 第二出入り口
38、39、138 プラグ
38a、39a、138a 頭部
38b、39b、138b 胴部
38c、39c、138c 脚部
38d、38e 溝
39d 横孔
39e 縦孔

Claims (6)

  1. スリーブと、
    スリーブに回転可能に嵌合されるとともに、内部を軸方向に貫通する連通孔が形成され、連通孔の上端付近より外周面に至るまで径方向に貫通する第一の出入り口、下端付近に第二の出入り口を有するシャフトと、
    これらのスリーブ及びシャフトの対向し合う面間における、第一出入り口より上位及び下位に各々保持された潤滑油と、
    スリーブ及びシャフトの対向し合う面の一方又は双方における、第一出入り口より上位及び下位に各々形成され、回転時に潤滑油に流体動圧を発生させる動圧発生用溝と、
    シャフトの上端より挿入されて連通孔の上端を封じるプラグとを備えた流体動圧軸受け装置において、
    前記プラグが、第一出入り口よりも上位にあって前記連通孔の上端を気密に封じる頭部と、その頭部に連なり第一出入り口に対向する胴部と、その胴部に連なり第一出入り口よりも下位にある脚部とからなり、胴部における第一出入り口との対向面から脚部の端面に亘って連続した気体通路を有することを特徴とする流体動圧軸受け装置。
  2. 前記脚部が、連通孔の内径と等しい外径を有する請求項1に記載の流体動圧軸受け装置。
  3. 前記気体通路が、胴部の外周面において周方向に形成された第一の溝と、その溝に連なり脚部の外周面において軸方向に形成された第二の溝とからなる請求項1又は2に記載の流体動圧軸受け装置。
  4. 前記プラグの頭部の外径d1、頭部の軸方向長さl1、胴部及び脚部の軸方向合計長さl2が、l1+l2≧1.5d1、l2≧l1の関係にある請求項3に記載の流体動圧軸受け装置。
  5. 前記気体通路が、胴部の内部に径方向に形成された横孔と、その横孔に連なり脚部の内部に軸線方向に形成された縦孔とからなる請求項1又は2に記載の流体動圧軸受け装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の流体動圧軸受け装置と、
    前記スリーブもしくはシャフトの一方にそれらと同心をなすように固定され、円筒状の内周面を有するハブと、
    ハブの内周面に固定されたマグネットと、
    前記スリーブもしくはシャフトの他方の外周面におけるマグネットと対向する位置に固定されたステータと
    を備えることを特徴とするモータ。
JP2003091858A 2003-03-28 2003-03-28 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ Withdrawn JP2004301154A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003091858A JP2004301154A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003091858A JP2004301154A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004301154A true JP2004301154A (ja) 2004-10-28

Family

ID=33405120

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003091858A Withdrawn JP2004301154A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004301154A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158243A (ja) * 2013-05-02 2013-08-15 Samsung Electromechanics Japan Advanced Technology Co Ltd ハードディスク装置用スピンドルモータ
CN105422739A (zh) * 2014-09-17 2016-03-23 纳博特斯克有限公司 带减速器的马达
US9589589B2 (en) 2015-07-24 2017-03-07 Nidec Corporation Spindle motor with sealing member including flange and disk drive apparatus including same
US9721608B2 (en) 2015-03-13 2017-08-01 Nidec Corporation Spindle motor and disk drive apparatus
US9812163B2 (en) 2015-07-24 2017-11-07 Nidec Corporation Spindle motor including sealing member and disk drive apparatus provided with same
US10622015B2 (en) 2017-11-24 2020-04-14 Nidec Corporation Motor having a hollow shaft with a recess in an inner peripheral surface of the hollow shaft, and a sealing member closing an opening of the hollow shaft and partially fitted in the recess

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158243A (ja) * 2013-05-02 2013-08-15 Samsung Electromechanics Japan Advanced Technology Co Ltd ハードディスク装置用スピンドルモータ
CN105422739A (zh) * 2014-09-17 2016-03-23 纳博特斯克有限公司 带减速器的马达
US9721608B2 (en) 2015-03-13 2017-08-01 Nidec Corporation Spindle motor and disk drive apparatus
US9589589B2 (en) 2015-07-24 2017-03-07 Nidec Corporation Spindle motor with sealing member including flange and disk drive apparatus including same
US9812163B2 (en) 2015-07-24 2017-11-07 Nidec Corporation Spindle motor including sealing member and disk drive apparatus provided with same
US10622015B2 (en) 2017-11-24 2020-04-14 Nidec Corporation Motor having a hollow shaft with a recess in an inner peripheral surface of the hollow shaft, and a sealing member closing an opening of the hollow shaft and partially fitted in the recess

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3872500B2 (ja) 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
JP3652875B2 (ja) モータ
JP5357523B2 (ja) 流体動圧軸受装置と固定シャフトとを備えるスピンドルモータ
JP2005114165A (ja) 流体動圧軸受、スピンドルモータ及びハードディスクドライブ装置
JP2004270820A (ja) 流体動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスクドライブ装置
WO2005121575A1 (ja) 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
JP2004301154A (ja) 流体動圧軸受け装置とそれを用いたモータ
JP4080279B2 (ja) 動圧軸受、モータおよびディスク駆動装置
US20100166346A1 (en) Dynamic bearing device
JPH09217735A (ja) 動圧軸受装置
KR100691607B1 (ko) 유체동압베어링모터
JP2001056023A (ja) スピンドルモータ
US5839833A (en) Hydrodynamic bearing having lubricant particle traps
JP4194610B2 (ja) 動圧軸受装置
US20060147135A1 (en) Hydrodynamic bearing motor
JP2006138474A (ja) 流体動圧軸受装置
JP4121144B2 (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP2003074543A (ja) 動圧流体軸受装置及びこれを備えたモータ
JP2002310146A (ja) スピンドルモータ
JP3673799B2 (ja) 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
JP2006266367A (ja) 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
JP3597894B2 (ja) 動圧流体軸受手段を備えたモータ
JP2005114021A (ja) 動圧軸受装置およびディスク駆動装置
JP2002168250A (ja) 流体動圧軸受
JP4005825B2 (ja) 動圧軸受、スピンドルモータ及び記録ディスク駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606