JP2004300924A - エンジンの可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、無駄な電力消費を防ぎ、バッテリの長寿命化に貢献するとともに、過負荷による過熱を防止し、システムの信頼性を高めることを目的としている。
【構成】このため、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合にはバルブリフト量変更手段の駆動を停止している。
【選択図】 図1
【構成】このため、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合にはバルブリフト量変更手段の駆動を停止している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの可変動弁装置に係り、特に無駄な電力消費を防ぎ、バッテリの長寿命化に貢献するとともに、過負荷による過熱を防止し、システムの信頼性を高めるエンジンの可変動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの低負荷から高負荷までバルブタイミングとバルブリフト量とを連続的に変化させる可変動弁装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−34913号公報 (第5−7頁、第9−10頁、図3−4、図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のエンジンの可変動弁装置においては、カムプロフィールが変化するカムをカムシャフトの軸方向に移動させることにより、吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング及びバルブリフト量を連続的に変更する内燃機関の動弁機構が公知である(特許文献1参照)。
【0005】
特に、吸気バルブに上述のシステムを応用した場合に、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変化させることにより吸入空気量の制御が可能となり、吸入通路の絞り弁を廃止して吸入抵抗を減少させることによって出力アップが図れ、低負荷域では吸気バルブを早閉じするようにカムプロフィールを設定すればポンプ損失を減少させることができ、更にバルブリフト量を小さくすることによる機械損失も減少でき、燃費を大幅に向上し得る点で有利である。
【0006】
しかし、上述の内燃機関の動弁機構(特許文献1参照)においては、エンジン回転速度やエンジン負荷に応じてカムシャフトを軸方向に連続的に変化させているが、エンジン停止時にカムがバルブに作用していると、カムとバルブ間の摩擦係数が非常に大きくなるため、カムシャフトを軸方向に移動することが困難であるという不都合がある。
【0007】
また、カムシャフトの移動手段として制御モータを使用する場合には、カムシャフトを軸方向へ移動させるために、前記制御モータに電流を流し続けると、バッテリが消耗してしまうという不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、この三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段の駆動を停止することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合には、バルブリフト量変更手段を駆動させてカムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には、バルブリフト量変更手段の駆動を停止し、無駄な電力消費を防止してバッテリの長寿命化に貢献するとともに、バルブリフト量変更手段の過負荷による過熱を防止し、システムの信頼性を高めている。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1〜図4はこの発明の実施例を示すものである。図2において、エンジンの可変動弁装置2は、以下の如く構成される。
【0012】
すなわち、エンジンの可変動弁装置2は、図2に示す如く、実際のカム位置を検出するカム位置検出手段4と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段6と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段8と、制御手段(「コントローラ」ともいう)10と、後述するカム(「三次元カム」ともいう)26をカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブタイミングとバルブリフト量を連続的に変化させるカムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段12とを有している。
【0013】
そして、前記制御手段10によってバルブリフト量変更手段12を制御し、バルブタイミングとバルブリフト量を変化させるものである。
【0014】
また、前記制御手段10は、図2に示す如く、前記エンジン回転速度検出手段6及びエンジン負荷検出手段8に連絡し、エンジン回転速度検出手段6及びエンジン負荷検出手段8からの検出信号によって目標となるバルブリフト量を算出し、バルブリフト量に応じて決定されるカム位置を算出する目標カム位置算出手段14と、この目標カム位置算出手段14及び前記カム位置検出手段4、前記エンジン回転速度検出手段6に連絡し、カム位置とエンジン回転速度と目標カム位置とからカムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段12に出力する制御量を算出する制御量算出手段16とを有している。
【0015】
更に、前記エンジンの可変動弁装置2のシステム図について説明すると、図3に示す如く、可変動弁機構18をエンジン20に設け、このエンジン20のシリンダヘッド22には、例えば図示しない燃焼室に通じる吸気通路(図示せず)が設けられるとともに、吸気通路には吸気バルブ(図示せず)が設けられている。
【0016】
前記可変動弁機構18には、カムシャフト24に取り付けられたカム26をカムシャフト軸方向へ移動させる移動機構であるバルブリフト量変更手段12が設けられ、カム26は吸気バルブに接している。カムシャフト24の回転によりカム26が吸気バルブに作用し、吸気バルブの開閉を行う。
【0017】
そして、前記カム26が前記バルブリフト量変更手段12により図3において右側方向に移動すると、吸気バルブのバルブリフト量が大きくなり、燃焼室に吸入される空気量が増加し、逆に前記カム26がバルブリフト量変更手段12により図3において左側方向に移動すると、吸気バルブのバルブリフト量が小さくなり、燃焼室に吸入される空気量が減少する。
【0018】
前記バルブリフト量変更手段12には、カム26のフォークガイド28に引っ掛けてカム26をカムシャフト軸方向に移動させるためのフォーク30と、カムシャフト24と平行に設けられフォーク30を螺着させるネジ軸32と、このネジ軸32を回転させるための制御モータ34とが設けられ、前記制御手段10から出力される制御信号により駆動される。
【0019】
この制御手段10には、エンジン20の運転状態を検出する各種センサ、例えばエンジン20のエンジン回転速度を検出するエンジン回転センサ36やエンジン20の冷却水温度を検出する水温センサ38等とともに、カム位置センサ40及びアクセル開度センサ42が接続され、これらの信号に基づき前記制御モータ34を駆動するものである。
【0020】
なお、符号44は、前記制御手段10に接続される点火プラグである。
【0021】
そして、前記制御手段10には、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段12を駆動させ、カム26の移動量を検出し、検出されたカム26の移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段12の駆動を停止する機能を付加する構成とする。
【0022】
詳述すれば、図4に示す如く、アクセル開度によって設定される目標カム位置に前記カム26が位置しているか否かを判断し、目標カム位置にない場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合と判断する。
【0023】
そして、前記エンジン回転速度検出手段6からの検出信号によって前記エンジン20の停止状態を判断し、エンジン20の停止時には、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かを判断し、カム26の移動量が予め設定された値よりも小である場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判断し、超えている場合に、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動を停止するものである。
【0024】
また、上述のアクセル開度によって設定される目標カム位置に前記カム26が位置しているか否かの判断において、目標カム位置にある場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がなく、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動を停止するものである。
【0025】
更に、前記エンジン20の駆動時及び前記カム26の移動量が予め設定された値よりも大である場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティを算出するとともに、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動時間が設定時間を超えていない場合には、前記制御手段10内の図示しないカウンタをインクリメントし、その後に前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティを算出するものである。
【0026】
次に、一定周期毎に繰り返し処理される図1の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0027】
制御用プログラムがスタート(102)した際に、カム位置検出手段4により実際のカム位置を検出する(104)とともに、エンジン負荷検出手段8によりエンジン負荷を検出する(106)。
【0028】
そして、エンジン回転速度検出手段6からのエンジン回転速度検出信号の周期計測によりエンジン回転速度を検出する(108)。
【0029】
前記エンジン負荷検出手段8からのエンジン負荷検出信号とエンジン回転速度検出手段6からのエンジン回転速度検出信号とを制御手段10の目標カム位置算出手段14に入力し、目標カム位置算出手段14によって目標カム位置を算出する(110)。
【0030】
この目標カム位置(「目標カムシャフト位置」とも換言できる)は、例えば図4に示す如く、アクセル開度に応じて設定する。
【0031】
次に、算出された目標カム位置にカム26が位置しているか否かの判断(112)を行い、この判断(112)がYES、つまりカム26が目標カム位置に位置している場合には、制御モータ34の駆動デューティを0(ゼロ)、つまり駆動モータ34の電流を流すのを止めて駆動モータ34を停止させ(114)、制御用プログラムのエンド(126)に移行する。
【0032】
また、上述の判断(112)がNO、つまりカム26が目標カム位置に位置していない場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合と判断する。
【0033】
そして、前記エンジン20が停止状態にあるか否かの判断(116)を行う。この判断(116)がYESの場合には、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かの判断(118)に移行し、判断(116)がNOの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行する。
【0034】
更に、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かの判断(118)において、この判断(118)がYESの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かの判断(120)に移行し、判断(118)がNOの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行する。
【0035】
更にまた、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かの判断(120)において、この判断(120)がYESの場合には、上述した制御モータ34の駆動デューティを0(ゼロ)、つまり駆動モータ34の電流を流すのを止めて駆動モータ34を停止させる処理(114)に移行し、判断(120)がNOの場合には、前記制御手段10内の図示しないカウンタをインクリメント(「カウンタを進める」ともいう)し、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行し、制御用プログラムのエンド(126)に移行する。
【0036】
これにより、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段12を駆動させ、カム26の移動量を検出し、検出されたカム26の移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段12の駆動を停止する機能を付加した前記制御手段10によって、無駄な電力消費を防ぐことが可能となり、バッテリの長寿命化に貢献できるとともに、前記バルブリフト量変更手段12を構成する制御モータ34の過負荷による過熱を防止することが可能となり、システムの信頼性を高めることができる。
【0037】
つまり、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合において、バルブリフト量変更手段12を駆動させた際に、実際のカム位置が目標カム位置に移動していない、あるいは著しく移動が遅い場合に、制御手段10によってバルブリフト量変更手段12の駆動を停止するものである。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合にはバルブリフト量変更手段の駆動を停止することにより、無駄な電力消費を防ぐことが可能となり、バッテリの長寿命化に貢献できるとともに、前記バルブリフト量変更手段の過負荷による過熱を防止することが可能となり、システムの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すエンジンの可変動弁装置の制御用フローチャートである。
【図2】エンジンの可変動弁装置の構成図である。
【図3】エンジンの可変動弁装置のシステム図である。
【図4】目標カムシャフト位置とアクセル開度との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 エンジンの可変動弁装置
4 カム位置検出手段
6 エンジン回転速度検出手段
8 エンジン負荷検出手段
10 制御手段(「コントローラ」ともいう)
12 カムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段
14 目標カム位置算出手段
16 制御量算出手段
18 可変動弁機構
20 エンジン
22 シリンダヘッド
24 カムシャフト
26 カム
28 フォークガイド
30 フォーク
32 ネジ軸
34 制御モータ
36 エンジン回転センサ
38 水温センサ
40 カム位置センサ
42 アクセル開度センサ
44 点火プラグ
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの可変動弁装置に係り、特に無駄な電力消費を防ぎ、バッテリの長寿命化に貢献するとともに、過負荷による過熱を防止し、システムの信頼性を高めるエンジンの可変動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの低負荷から高負荷までバルブタイミングとバルブリフト量とを連続的に変化させる可変動弁装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−34913号公報 (第5−7頁、第9−10頁、図3−4、図11)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のエンジンの可変動弁装置においては、カムプロフィールが変化するカムをカムシャフトの軸方向に移動させることにより、吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミング及びバルブリフト量を連続的に変更する内燃機関の動弁機構が公知である(特許文献1参照)。
【0005】
特に、吸気バルブに上述のシステムを応用した場合に、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変化させることにより吸入空気量の制御が可能となり、吸入通路の絞り弁を廃止して吸入抵抗を減少させることによって出力アップが図れ、低負荷域では吸気バルブを早閉じするようにカムプロフィールを設定すればポンプ損失を減少させることができ、更にバルブリフト量を小さくすることによる機械損失も減少でき、燃費を大幅に向上し得る点で有利である。
【0006】
しかし、上述の内燃機関の動弁機構(特許文献1参照)においては、エンジン回転速度やエンジン負荷に応じてカムシャフトを軸方向に連続的に変化させているが、エンジン停止時にカムがバルブに作用していると、カムとバルブ間の摩擦係数が非常に大きくなるため、カムシャフトを軸方向に移動することが困難であるという不都合がある。
【0007】
また、カムシャフトの移動手段として制御モータを使用する場合には、カムシャフトを軸方向へ移動させるために、前記制御モータに電流を流し続けると、バッテリが消耗してしまうという不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、この三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段の駆動を停止することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合には、バルブリフト量変更手段を駆動させてカムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には、バルブリフト量変更手段の駆動を停止し、無駄な電力消費を防止してバッテリの長寿命化に貢献するとともに、バルブリフト量変更手段の過負荷による過熱を防止し、システムの信頼性を高めている。
【0010】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1〜図4はこの発明の実施例を示すものである。図2において、エンジンの可変動弁装置2は、以下の如く構成される。
【0012】
すなわち、エンジンの可変動弁装置2は、図2に示す如く、実際のカム位置を検出するカム位置検出手段4と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段6と、エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出手段8と、制御手段(「コントローラ」ともいう)10と、後述するカム(「三次元カム」ともいう)26をカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブタイミングとバルブリフト量を連続的に変化させるカムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段12とを有している。
【0013】
そして、前記制御手段10によってバルブリフト量変更手段12を制御し、バルブタイミングとバルブリフト量を変化させるものである。
【0014】
また、前記制御手段10は、図2に示す如く、前記エンジン回転速度検出手段6及びエンジン負荷検出手段8に連絡し、エンジン回転速度検出手段6及びエンジン負荷検出手段8からの検出信号によって目標となるバルブリフト量を算出し、バルブリフト量に応じて決定されるカム位置を算出する目標カム位置算出手段14と、この目標カム位置算出手段14及び前記カム位置検出手段4、前記エンジン回転速度検出手段6に連絡し、カム位置とエンジン回転速度と目標カム位置とからカムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段12に出力する制御量を算出する制御量算出手段16とを有している。
【0015】
更に、前記エンジンの可変動弁装置2のシステム図について説明すると、図3に示す如く、可変動弁機構18をエンジン20に設け、このエンジン20のシリンダヘッド22には、例えば図示しない燃焼室に通じる吸気通路(図示せず)が設けられるとともに、吸気通路には吸気バルブ(図示せず)が設けられている。
【0016】
前記可変動弁機構18には、カムシャフト24に取り付けられたカム26をカムシャフト軸方向へ移動させる移動機構であるバルブリフト量変更手段12が設けられ、カム26は吸気バルブに接している。カムシャフト24の回転によりカム26が吸気バルブに作用し、吸気バルブの開閉を行う。
【0017】
そして、前記カム26が前記バルブリフト量変更手段12により図3において右側方向に移動すると、吸気バルブのバルブリフト量が大きくなり、燃焼室に吸入される空気量が増加し、逆に前記カム26がバルブリフト量変更手段12により図3において左側方向に移動すると、吸気バルブのバルブリフト量が小さくなり、燃焼室に吸入される空気量が減少する。
【0018】
前記バルブリフト量変更手段12には、カム26のフォークガイド28に引っ掛けてカム26をカムシャフト軸方向に移動させるためのフォーク30と、カムシャフト24と平行に設けられフォーク30を螺着させるネジ軸32と、このネジ軸32を回転させるための制御モータ34とが設けられ、前記制御手段10から出力される制御信号により駆動される。
【0019】
この制御手段10には、エンジン20の運転状態を検出する各種センサ、例えばエンジン20のエンジン回転速度を検出するエンジン回転センサ36やエンジン20の冷却水温度を検出する水温センサ38等とともに、カム位置センサ40及びアクセル開度センサ42が接続され、これらの信号に基づき前記制御モータ34を駆動するものである。
【0020】
なお、符号44は、前記制御手段10に接続される点火プラグである。
【0021】
そして、前記制御手段10には、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段12を駆動させ、カム26の移動量を検出し、検出されたカム26の移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段12の駆動を停止する機能を付加する構成とする。
【0022】
詳述すれば、図4に示す如く、アクセル開度によって設定される目標カム位置に前記カム26が位置しているか否かを判断し、目標カム位置にない場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合と判断する。
【0023】
そして、前記エンジン回転速度検出手段6からの検出信号によって前記エンジン20の停止状態を判断し、エンジン20の停止時には、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かを判断し、カム26の移動量が予め設定された値よりも小である場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判断し、超えている場合に、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動を停止するものである。
【0024】
また、上述のアクセル開度によって設定される目標カム位置に前記カム26が位置しているか否かの判断において、目標カム位置にある場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がなく、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動を停止するものである。
【0025】
更に、前記エンジン20の駆動時及び前記カム26の移動量が予め設定された値よりも大である場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティを算出するとともに、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動時間が設定時間を超えていない場合には、前記制御手段10内の図示しないカウンタをインクリメントし、その後に前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティを算出するものである。
【0026】
次に、一定周期毎に繰り返し処理される図1の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
【0027】
制御用プログラムがスタート(102)した際に、カム位置検出手段4により実際のカム位置を検出する(104)とともに、エンジン負荷検出手段8によりエンジン負荷を検出する(106)。
【0028】
そして、エンジン回転速度検出手段6からのエンジン回転速度検出信号の周期計測によりエンジン回転速度を検出する(108)。
【0029】
前記エンジン負荷検出手段8からのエンジン負荷検出信号とエンジン回転速度検出手段6からのエンジン回転速度検出信号とを制御手段10の目標カム位置算出手段14に入力し、目標カム位置算出手段14によって目標カム位置を算出する(110)。
【0030】
この目標カム位置(「目標カムシャフト位置」とも換言できる)は、例えば図4に示す如く、アクセル開度に応じて設定する。
【0031】
次に、算出された目標カム位置にカム26が位置しているか否かの判断(112)を行い、この判断(112)がYES、つまりカム26が目標カム位置に位置している場合には、制御モータ34の駆動デューティを0(ゼロ)、つまり駆動モータ34の電流を流すのを止めて駆動モータ34を停止させ(114)、制御用プログラムのエンド(126)に移行する。
【0032】
また、上述の判断(112)がNO、つまりカム26が目標カム位置に位置していない場合には、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合と判断する。
【0033】
そして、前記エンジン20が停止状態にあるか否かの判断(116)を行う。この判断(116)がYESの場合には、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かの判断(118)に移行し、判断(116)がNOの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行する。
【0034】
更に、前記カム26の移動量が予め設定された値よりも小であるか否かの判断(118)において、この判断(118)がYESの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かの判断(120)に移行し、判断(118)がNOの場合には、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行する。
【0035】
更にまた、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かの判断(120)において、この判断(120)がYESの場合には、上述した制御モータ34の駆動デューティを0(ゼロ)、つまり駆動モータ34の電流を流すのを止めて駆動モータ34を停止させる処理(114)に移行し、判断(120)がNOの場合には、前記制御手段10内の図示しないカウンタをインクリメント(「カウンタを進める」ともいう)し、前記バルブリフト量変更手段12の制御モータ34の駆動デューティの算出処理(124)に移行し、制御用プログラムのエンド(126)に移行する。
【0036】
これにより、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段12を駆動させ、カム26の移動量を検出し、検出されたカム26の移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段12の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段12の駆動を停止する機能を付加した前記制御手段10によって、無駄な電力消費を防ぐことが可能となり、バッテリの長寿命化に貢献できるとともに、前記バルブリフト量変更手段12を構成する制御モータ34の過負荷による過熱を防止することが可能となり、システムの信頼性を高めることができる。
【0037】
つまり、エンジン20の停止時に、カムシャフト24を軸方向に移動する必要がある場合において、バルブリフト量変更手段12を駆動させた際に、実際のカム位置が目標カム位置に移動していない、あるいは著しく移動が遅い場合に、制御手段10によってバルブリフト量変更手段12の駆動を停止するものである。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合にはバルブリフト量変更手段の駆動を停止することにより、無駄な電力消費を防ぐことが可能となり、バッテリの長寿命化に貢献できるとともに、前記バルブリフト量変更手段の過負荷による過熱を防止することが可能となり、システムの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すエンジンの可変動弁装置の制御用フローチャートである。
【図2】エンジンの可変動弁装置の構成図である。
【図3】エンジンの可変動弁装置のシステム図である。
【図4】目標カムシャフト位置とアクセル開度との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 エンジンの可変動弁装置
4 カム位置検出手段
6 エンジン回転速度検出手段
8 エンジン負荷検出手段
10 制御手段(「コントローラ」ともいう)
12 カムシャフト位置移動手段であるバルブリフト量変更手段
14 目標カム位置算出手段
16 制御量算出手段
18 可変動弁機構
20 エンジン
22 シリンダヘッド
24 カムシャフト
26 カム
28 フォークガイド
30 フォーク
32 ネジ軸
34 制御モータ
36 エンジン回転センサ
38 水温センサ
40 カム位置センサ
42 アクセル開度センサ
44 点火プラグ
Claims (1)
- カムプロフィールを軸方向に変化させた三次元カムと、この三次元カムをカムシャフト軸方向に移動させることによりバルブリフト量を連続的に変化させるバルブリフト量変更手段とを備えたエンジンの可変動弁装置において、エンジン停止時に、カムシャフトを軸方向に移動する必要がある場合、前記バルブリフト量変更手段を駆動させ、カムの移動量を検出し、検出されたカムの移動量が、設定された値よりも小さいときには、前記バルブリフト量変更手段の駆動時間が設定時間を超えているか否かを判定し、超えている場合には前記バルブリフト量変更手段の駆動を停止することを特徴とするエンジンの可変動弁装置。
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Publications (1)
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ID=33404687
Family Applications (1)
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003091273A patent/JP2004300924A/ja active Pending
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