[go: up one dir, main page]

JP2004300318A - 光学特性に優れた導光体 - Google Patents

光学特性に優れた導光体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004300318A
JP2004300318A JP2003096333A JP2003096333A JP2004300318A JP 2004300318 A JP2004300318 A JP 2004300318A JP 2003096333 A JP2003096333 A JP 2003096333A JP 2003096333 A JP2003096333 A JP 2003096333A JP 2004300318 A JP2004300318 A JP 2004300318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
light guide
acrylic resin
parts
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003096333A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Marutani
隆雄 丸谷
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
Naoki Nishida
直毅 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2003096333A priority Critical patent/JP2004300318A/ja
Publication of JP2004300318A publication Critical patent/JP2004300318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Guides In General And Applications Therefor (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】紫外線吸収剤を用いて耐光性を有して黄変が少なく、光学特性に優れたアクリル系樹脂組成物からなる導光体を提供する。
【解決手段】メタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂100質量部に対し、シアノアクリレート系紫外線吸収剤0.0005〜0.3質量部を含有するアクリル系樹脂組成物からなる導光体。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂を主体とする光学特性に優れた導光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薄型の看板、表示装置、液晶表示装置の背面光源等に用いられる光源装置として、導光体に光を入射して発光させるバックライト装置が知られており、近年ではエッジライト方式と呼ばれる導光体の端面に冷陰極管や、熱陰極管などの光源を配置し、任意の形状またはパターンで発光させるバックライト装置が主流となっている。最近では、フロントライト型と呼ばれる装置も開発されている。
【0003】
この種の光源装置においては、より輝度が高く、よりコンパクト(軽量化および薄肉化)であることが求められており、このような光源装置における導光体の材料としては、導光体中における光の吸収、散乱、反射などの透過損失ができるだけ少ないものが望ましく、高い光線透過率を有する透明樹脂が適している。したがって、現在はメタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂が多く用いられ、アクリル系樹脂を任意の形状に成形したものや、樹脂板そのものが導光体として用いられている。光源となる冷陰極管は、その機構上紫外線を発するため、導光体に使用される透明樹脂には耐光性も要求される。この点でも、アクリル系樹脂は導光体用として優れている。
【0004】
一方で、導光体を利用した表示装置の大型化・高輝度化の要求が高まってきておりその解決方法として、冷陰極管の使用本数を多くする、管電流値を大きくする等の手段が採用される場合も多くなっている。その結果、光源からの紫外線量が増えて、耐光性向上剤を含まないアクリル樹脂製の導光体では、使用中に逐次黄変するトラブルが生じることがある。
【0005】
そこで耐光性を改善するために、紫外線吸収剤を含有するアクリル系樹脂組成物からなる導光体が提案されている。紫外線吸収剤としてはこれまでに、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系の紫外線吸収剤を添加した導光板が提案されている(例えば特許文献1)。また、近年マロン酸エステル系紫外線吸収剤を添加した成形体が提案されている(例えば特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−195914号公報(第1〜8頁)
【特許文献2】
特開2002−105271号公報(第1〜7頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1で示される紫外線吸収剤の多くは、十分に紫外線吸収能力を発現する量を添加した場合に可視光領域の下限側(370〜400nm)も吸収するため、導光体がエッジライト式導光板として使用する場合など、光路長が長くなると透過光が黄変して見えることが多い。
本発明は、従来の技術の問題に鑑みて、別の紫外線吸収剤を用いて耐光性を有して黄変が少なく、光学特性に優れたアクリル系樹脂組成物からなる導光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、メタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂にシアノアクリレート系紫外線吸収剤を含有させたアクリル系樹脂組成物からなる導光体が上記目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、メタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂100質量部に対し、シアノアクリレート系紫外線吸収剤0.0005〜0.3質量部を含有するアクリル系樹脂組成物からなる導光体にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるアクリル系樹脂とは、該樹脂を構成する単量体単位としてメタクリル酸メチル(以後、MMAと称す。)を50質量%以上含む重合体である。これにはMMAの単独重合体であるポリメタクリル酸メチルや、MMA50質量%以上とMMAと共重合可能な不飽和単量体50質量%以下とからなる混合物の共重合体が挙げられる。
【0010】
メタクリル酸メチルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル等のMMA以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸のような不飽和酸類;スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
これら単量体は必要に応じて2種以上を用いることもできる。また、上記共重合体は、無水グルタル酸単位やグルタルイミド単位を有していてもよい。
【0011】
上記MMAと共重合可能な不飽和単量体の中、アクリル酸メチルのようなアクリル酸アルキル類が好ましい。アクリル酸アルキル類を適量共重合することで、成形時の流動性および耐熱分解性等が向上して成形加工性が良好となるが、共重合量が増えると耐熱性の低下、透過率の悪化を招く。不飽和単量体としてアクリル酸アルキルを含む場合、上記共重合体における単量体組成として、MMAとアクリル酸アルキル類の合計100質量%中、アクリル酸アルキルが20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の範囲である。
【0012】
また、低吸水性の観点からは、MMAと共重合可能な不飽和単量体としてスチレンが好ましいが、共重合量が多くなると透過率の悪化、耐光性の悪化等を招く。不飽和単量体としてスチレンを含む場合、MMAとスチレンの合計100質量%中、スチレンが25質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の範囲である。
【0013】
また、MMAと共重合可能な不飽和単量体として、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の多官能メタクリレートや多官能アクリレート等を含んでもよい。しかし、アクリル系樹脂を成形して導光体とする際は、これらの多官能メタクリレ−トや多官能アクリレートの共重合量が多くなると成形時の流動性が悪くなるため、その共重合量はMMAと共重合可能な単量体の全量100質量%中、5質量%以下、好ましくは1質量%以下である。ただし、アクリル系樹脂を、キャスト重合等により板状で得る際は、この限りではない。
【0014】
本発明で使用するアクリル系樹脂の製造方法に特に制限はなく、公知の重合方法である溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、キャスト重合等が適用できる。その際の重合開始剤、分子量調節剤等として、公知のアゾ系化合物、過酸化物、各種メルカプタン化合物、テルペノイド系化合物等を適宜使用できる。成形材料として製造する場合は、導光体に使用するに際して異物混入等を避ける観点から、特開昭58−88701号公報、特開2000−26507号公報、特開2000−53712号公報、特開2000−159818号公報等に記載される連続塊状重合法で製造することが好ましい。
【0015】
本発明で使用するアクリル系樹脂組成物は、前述のアクリル系樹脂にシアノアクリレート系紫外線吸収剤を含有させることによりなる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤の含有量は、アクリル系樹脂100質量部に対して、耐光性向上の観点から0.0005質量部以上、好ましくは0.003質量部以上、さらに好ましくは0.005質量部以上であり、また、透明性の観点から、0.3質量部以下、好ましくは0.15質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下である。
【0016】
本発明で使用するシアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004300318
(式中、Rに特に制限はなく、アルキル基、フェニル基、シアノ基等で二重結合を有してもよい)
で示されるものが好ましい。
【0017】
市販されているシアノアクリレート系紫外線吸収剤として、BASF社のUvinul3030、Uvinul3035、Uvinul3039(2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)、シプロ化成(株)のSEESORB 501(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)、SEESORB 502(2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)等が挙げられる。
【0018】
本発明の樹脂組成物には、さらに耐久性を向上させるために、ヒンダードアミン系安定剤(以後、HALSと称す。)を含有させてもよい。HALSの含有量は、アクリル系樹脂100質量部に対して、通常0.0001質量部以上、好ましくは0.001質量部以上、さらに好ましくは0.003質量部以上であり、また、コストと透明性の観点から通常0.1質量部以下、好ましくは0.05質量部以下、さらに好ましくは0.03質量部以下である。また、HALSは、使用するシアノアクリレート系紫外線吸収剤100質量部に対して、通常100質量部以下、好ましくは80質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下の範囲である。
【0019】
HALSの具体例として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジーt−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2.4−ジオン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
【0020】
市販品として、三共(株)製のサノールLS−770、同LS−765、同LS−292等、Chiba社製のTINUVIN622LD、TINUVIN123S、TINUVIN144、TINUVIN765、TINUVIN770、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB2020FDL、CHIMASSORB944FDL、CHIMASSORB944LD等、クラリアントジャパン(株)製のホスタビンN20、ホスタビンN24、ホスタビンN30、サンデュボアPR−31等が挙げられる。
【0021】
本発明で使用するアクリル系樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、有機系架橋微粒子;例えば、シロキサン系架橋樹脂粒子、スチレン系架橋樹脂粒子、アクリル系架橋樹脂粒子等、無機系微粒子;例えば、ガラス粒子、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムのような光拡散剤や艶消剤;アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセライド、ポリエーテルエステルアミドのような帯電防止剤;ヒンダードフェノール類のような酸化防止剤;燐酸エステル類のような難燃剤;パルミチン酸、ステアリルアルコールのような滑剤等が挙げられ、これらは必要に応じて2種以上を用いることもできる。
【0022】
本発明のアクリル系樹脂組成物を調製する方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、予め重合して得たビーズ状、ペレット形状あるいは粉砕されたアクリル系樹脂にシアノアクリレート系紫外線吸収剤、および必要に応じてヒンダードアミン類や他の添加剤をヘンシェルミキサー等でブレンドして、一軸または二軸の押出機や、各種ニーダー等を用いて溶融混練して再度ペレット化する方法が挙げられる。その際に、ベント付きの押出機を使用して、ホッパーから乾燥窒素ガスを少量吹き込むことで、得られる組成物の加熱着色を低減できる。また、アクリル系樹脂を構成する単量体またはその混合物、またはそれらの重合体と単量体とを含むシロップに、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、および必要に応じてHALSや、他の添加剤を混合して、連続式またはバッチ式で塊状重合させることにより、ペレット状や板状等に成形された組成物を得ることができる。アクリル系樹脂組成物をペレット形状で得る際は、シアノアクリレート系紫外線吸収剤や他の添加剤を混練する際に異物等を避ける観点から、前述した段落番号0014に記載した連続塊状重合法の一連のプロセス内で混練することが望ましい。
【0023】
本発明のアクリル樹脂組成物がペレット形状の際は、押出成形、射出成形、プレス成形等の公知の成形方法により、板状、楔形状等、必要に応じて任意の形状に成形して導光体として使用することができる。また、キャスト重合により、板状等に成形されたアクリル樹脂組成物を導光体として使用することも可能である。
【0024】
本発明のアクリル系樹脂組成物からなる導光体は、光学特性と耐光性に優れ、バックライト用導光板に好適であり、特に画面の対角インチ数が14インチ以上、さらに20インチ以上の液晶表示装置のバックライト用に好適に用いられる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例で使用した単量体の略称は次の通りである。
MMA:メタクリル酸メチル単量体
MA:アクリル酸メチル単量体
【0026】
(導光板としての色調評価)
通常の導光板サイズの厚さ2mm程度では色調の確認が困難であるため、厚さ5mm以上で光路長が200mmとなる樹脂板を試験片とした。試験片の元になる樹脂板は、射出成形、押出し製板、キャスト製板にて作製して、必要に応じて切断加工して上記サイズとなる試験片を作製した。試験片端面は研磨した。
試験片作製のために使用した射出成形装置は、以下の通りである。
・射出成形機:IS220(東芝機械(株)製)
・射出成形条件
シリンダー温度:270℃
成形サイクル:120秒
押出し製板に使用した装置は、以下の通りである。
・シート押出機:スクリュー径45mm、1軸、ベント付き
・Tダイ:リップ幅200mm、リップ間隔6mm
・ロール:ポリシングロール3本、横型
・押出し製板の条件
押出し温度:240℃
ロール温度:Tダイ側から、95℃、100℃、110℃
試験片の光路長が200mmの透過色を目視で判定した。判定基準は以下の通りである。
○:着色がほとんど認められない。
△:若干の着色がある。
×:着色が認められる。
【0027】
(導光板としての耐光性評価)
元になる樹脂板は、前述の色調評価用の樹脂板と同様に、射出成形、押出し製板、キャスト製板にて作製して、必要に応じて切断加工して30mm×5mm×200mmサイズとなる試験片を作製した。
この樹脂板の端面を鏡面研磨し、冷陰極管2灯を研磨した5mm×200mmの端面両方に2灯並べて配置し、金属製ランプリフレクタ−で冷陰極管2灯と樹脂板を囲って点灯暴露を実施した。冷陰極管は、HMBSM2JD86E256YS/AX(ハリソン電気(株)製)を用いて、電圧12V、管電流8mAに設定した。2000時間連続使用後の樹脂板端面の外観を目視にて観察した。
判定基準は以下の通りである。
○:着色がほとんど認められない。
△:若干の着色がある。
×:着色が認められる。
【0028】
(実施例1)
MMA98質量%とMA2質量%とからなる単量体混合物に窒素を導入して溶存酸素を0.5ppmとした後、この単量体混合物100質量部に対してn−オクチルメルカプタン0.23質量部と、ラジカル開始剤としてt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名:パーブチル355)0.003質量部とを混合した原料混合物を、重合温度135℃に制御された完全混合型反応器に攪拌混合しながら連続的に供給し、平均滞在時間を3.0時間として重合を実施した。
続いて、反応混合物を連続的に反応器から抜き出し、スタティックミキサーを内装した配管部で、さらにt−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名:パーブチル355)0.002質量部を添加し、スタティックミキサーを内装したプラグフロー型反応器に供給した。反応器の内壁温度を150℃とし、平均滞留時間は30分であった。
次に、反応混合物を220℃で、この管型反応器出口から連続的にベントエクストルーダ型押出機に供給して、270℃で未反応単量体を主成分とする揮発物を分離除去し、ペレタイズしてペレット状のアクリル系樹脂(A−1)を得た。
【0029】
得られたアクリル系樹脂(A−1)100質量部に、シアノアクリレート系紫外線吸収剤であるBASF社:Uvinul3030(1,3−ビス−([2’−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル]オキシ)−2,2−ビス−([2−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリシル]オキシ)メチル)プロパン)を0.08質量部添加して混合し、押出機(30mm、2軸、樹脂温度250℃)でペレット化した。得られたペレットを射出成形して、試験片を作製した。評価結果を表1に示す。
透明性、色調に優れたアクリル系透明樹脂であり、導光体として優れていた。
【0030】
(実施例2)
分子量調節剤としてn−ブチルメルカプタン0.17質量部と、開始剤をジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬製、商品名:V−601、純度99質量%)0.007質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ペレット状のアクリル系樹脂(A−2)を得た。アクリル系樹脂(A−2)100質量部に対して、シアノアクリレート系紫外線吸収剤であるBASF社:Uvinul3035(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)を0.05質量部添加・混合して、実施例1と同様にしてペレット化、射出成形を行い、試験片を作製した。評価結果を表1に示す。
透明性、色調に優れたアクリル系透明樹脂であり、導光体として優れていた。
【0031】
(実施例3)
Uvinul3035の添加量を0.03質量部、射出成形に代えて押出し製板により樹脂板を得て試験片を作製したこと以外は、実施例2と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
透明性、色調に優れたアクリル系透明樹脂であり、導光体として優れていた。
【0032】
(実施例4)
MMA94質量%、ネオペンチルグリコールジメタクリレート6質量%を混合攪拌して、単量体混合物を調製した。この単量体混合物100質量部に対して、重合開始剤(日本油脂(株)製、商品名:パーヘキシルPV、10時間半減温度53.2℃)を0.32質量部、Uvinul3035を0.05質量部添加して混合した。この混合物を吸引瓶にて脱泡した後、重合用セル(予め洗浄された60cm×40cm角の2枚の強化ガラス内面の周囲を塩化ビニル製のガスケットでシールして作製)に流し込んだ。注入したセルを水浴76℃にて1時間加熱し、続いて空気炉130℃にて1時間熱処理することにより混合液を重合し厚さ5mmの架橋構造を有する樹脂板を得た。
この樹脂板から試験片を作製して評価した結果を表1に示す。
透明性、色調に優れたアクリル系透明樹脂であり、導光体として優れていた。
【0033】
(実施例5)
アクリル系樹脂(A−2)100質量部に対して、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキソ−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル混合物(クラリアントジャパン(株)製、商品名:ホスタビンN24、ヒンダードアミン型安定剤)を更に0.01部添加したこと以外は、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
透明性、色調に優れたアクリル系透明樹脂であり、導光体として優れていた。
【0034】
(比較例1)
紫外線吸収剤を、シアノアクリレート系からベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン[シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ100]に変更したこと以外は、実施例2と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5よりも着色が強かった。
【0035】
(比較例2)
紫外線吸収剤を、シアノアクリレート系からベンゾトリアゾール系の、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール[Chiba社製、商品名:チヌビンP]に変更したこと以外は、実施例2と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5よりも着色が強かった。
【0036】
(比較例3)
紫外線吸収剤を、シアノアクリレート系からトリアジン系の、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール[Chiba社製、商品名:チヌビン1577FF]に変更したこと以外は、実施例2と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5よりも着色が強かった。
【0037】
(比較例4)
シアノアクリレート系紫外線吸収剤であるBASF社製:Uvinul3030の添加量を0.0002質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5よりも耐光性が劣っていた。
【0038】
(比較例5)
シアノアクリレート系紫外線吸収剤であるBASF社製、商品名:Uvinul3035(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)を0.5質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜5よりも着色が強かった。
【0039】
【表1】
Figure 2004300318
【0040】
【発明の効果】
本発明の導光体は、透明性および耐久性に優れている。

Claims (1)

  1. メタクリル酸メチル単量体単位を主成分とするアクリル系樹脂100質量部に対し、シアノアクリレート系紫外線吸収剤0.0005〜0.3質量部を含有するアクリル系樹脂組成物からなる導光体。
JP2003096333A 2003-03-31 2003-03-31 光学特性に優れた導光体 Pending JP2004300318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096333A JP2004300318A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 光学特性に優れた導光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096333A JP2004300318A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 光学特性に優れた導光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004300318A true JP2004300318A (ja) 2004-10-28

Family

ID=33408436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003096333A Pending JP2004300318A (ja) 2003-03-31 2003-03-31 光学特性に優れた導光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004300318A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106943A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Mitsubishi Chemicals Corp 光拡散性樹脂組成物およびそれを用いた光拡散性部材
WO2009016876A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Nitto Denko Corporation 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2009161744A (ja) * 2007-12-11 2009-07-23 Kaneka Corp 熱可塑性樹脂組成物、光学用フィルムおよび偏光子保護フィルム
JP2010516875A (ja) * 2007-01-30 2010-05-20 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング つや消しされたポリアクリラート成形体用の成形材料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106943A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Mitsubishi Chemicals Corp 光拡散性樹脂組成物およびそれを用いた光拡散性部材
JP2010516875A (ja) * 2007-01-30 2010-05-20 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング つや消しされたポリアクリラート成形体用の成形材料
WO2009016876A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Nitto Denko Corporation 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
US20100182690A1 (en) * 2007-07-31 2010-07-22 Nitto Denko Corporation Optical film, polarizing plate, and image display apparatus
JP2009161744A (ja) * 2007-12-11 2009-07-23 Kaneka Corp 熱可塑性樹脂組成物、光学用フィルムおよび偏光子保護フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI845944B (zh) 單體組成物、甲基丙烯酸系樹脂組成物及樹脂成形體
JP2010170866A (ja) Led照明カバー用樹脂組成物
WO2015037691A1 (ja) メタクリル樹脂組成物
JP4737661B2 (ja) メタクリル樹脂成形品とその製法、および前面板
JP3661600B2 (ja) メタクリル酸メチル系樹脂組成物およびその成形体
EP3601435B1 (en) Light scattering polymeric composition with improved scattering efficiency and improved mechanical properties
JP2005326761A (ja) 光学特性に優れた導光体
JP2004300318A (ja) 光学特性に優れた導光体
WO2013161267A1 (ja) メタクリル樹脂組成物
TWI882590B (zh) 甲基丙烯酸系樹脂組成物、樹脂成形體及樹脂成形體之製造方法
JP3951623B2 (ja) メタクリル酸メチル系樹脂組成物およびその成形体
TWI882589B (zh) 甲基丙烯酸系樹脂組成物、樹脂成形體及樹脂成形體之製造方法
TWI882591B (zh) 甲基丙烯酸系樹脂組成物、樹脂成形體及樹脂成形體之製造方法
KR101226428B1 (ko) 수지 조성물 및 그의 성형품
JP7570849B2 (ja) 光照射成形体
JP5154147B2 (ja) 環含有(メタ)アクリル系重合体およびその製造方法
JP7570850B2 (ja) 光照射成形体
JP2003165885A (ja) 吸湿性に優れた導光体用樹脂組成物および導光体製品
JP2006052350A (ja) 光学特性に優れる芳香族ビニル系樹脂組成物
WO2006068198A1 (ja) スチレン系樹脂組成物、その成形体、及び拡散板
JP5457617B2 (ja) スチレン系樹脂組成物および成形体
JP2002328240A (ja) 導光体
JP4360268B2 (ja) メタクリル樹脂製導光体の製造方法
JP2001247740A (ja) 導光体用樹脂組成物及び導光板
JP2005105102A (ja) 吸湿性に優れた導光体用樹脂組成物および導光体製品