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JP2004298838A - 複層塗膜の形成方法 - Google Patents

複層塗膜の形成方法 Download PDF

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JP2004298838A
JP2004298838A JP2003097996A JP2003097996A JP2004298838A JP 2004298838 A JP2004298838 A JP 2004298838A JP 2003097996 A JP2003097996 A JP 2003097996A JP 2003097996 A JP2003097996 A JP 2003097996A JP 2004298838 A JP2004298838 A JP 2004298838A
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coating film
coating
resin
aqueous
forming
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JP2003097996A
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Kazuyuki Yamamoto
和之 山本
Yutaka Harada
豊 原田
Teruzo Azumai
輝三 東井
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、図1に示すような、スリーコート・ワンベーク塗装方法において、中塗り塗料の洗浄性を改善するする方法を提供することにある。
【解決手段】電着塗膜が形成された基材上に、水性中塗り塗料(1)、水性ベース塗料(2)及びクリヤー塗料(3)を、順次ウエットオンウエットで塗布し、得られた複層塗膜を同時に焼き付け硬化させる複層塗膜の形成方法において、
前記水性中塗り塗料(1)が、希釈媒体の一部として、沸点が80℃以上250℃未満である親水性有機溶剤を塗料全重量に対して2〜10重量%含有することを特徴とする複層塗膜の形成方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複層塗膜の形成方法、特に水性中塗り塗料、水性ベース塗料およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装した後に一度に焼付け硬化させる複層塗膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの基材の表面には、種々の役割を持つ複数の塗膜を形成して、基材を保護すると同時に美しい外観を付与している。しかし、近年、地球環境問題や省資源の観点から、塗料中に使用されている有機溶剤の一部もしくは全量を水に置き換えた水性塗料の使用が広く採用されつつある。また、それと同時に、複数層の塗膜を一層づつ焼付け硬化するのではなく、複数層を硬化せずに塗装を行う、所謂ウェットオンウェットで塗装していくつかの層を形成した後に一度に焼付け硬化を行う方法も採用されつつある。
【0003】
そのような状況下において、現在提案されている塗装方法の中で、図1に記載の電着塗膜硬化後に中塗り塗料、ベース塗料およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装し、その後3層の未硬化塗膜を一度に焼付け硬化する、スリーコート・ワンベーク塗装(スリーウェットオン塗装ともいう。)が、最も実現の可能性のある方法と考えられている。
【0004】
このスリーコート・ワンベーク塗装方法においても、塗料の水性化が進行しており、ベース塗料や中塗り塗料の水性化が提案されている。塗料の水性化を実際に行う際に気づく問題の一つに、水性塗料の洗浄性の低さがある。塗料に用いられている塗膜形成成分は基本的にはポリマーを主体としたもので、本来有機溶剤に高い溶解性を示すものである。したがって、有機溶剤型塗料を使用していたときには、スプレー塗装に用いる塗装ガンや非塗装部分に付着した塗料は、有機溶剤を用いれば容易に洗浄することができ、洗浄性はあまり重要視されていなかった。
【0005】
しかし、水性塗料はもともと水に溶解性の低いポリマー材料を水媒体に強制的に分散させたものであるので、水媒体が揮散した場合には、水媒体に溶解性の低いポリマー成分のみが残ることになる。このポリマー成分のみが残った部分、即ち非塗装部分に付着した汚れと考えられるものは、水媒体を用いても溶解あるいは除去することができなくなってしまっている。したがって、水性塗料を用いる場合にその洗浄性も考慮に入れる必要が生じてきている。
【0006】
下記特許文献1には、上記水性塗料に付随する問題点を認識して、塗装ラインに付着した水性塗料を洗浄除去する方法を提案しており、特定の洗浄剤を用いて目的を達成している。この方法は、有効である場合も多いが、必ずしも全ての水性塗料系で有効に洗浄性を示すものではないことが解った。
【0007】
前記図1の塗装方法で実際に水性化が可能な塗料は、ベース塗料のみであって、中塗り塗料の水性化は特許文献上は提案されているが(例えば、特許文献2)、現実には難しい問題が存在する。
【0008】
水性の中塗り塗料を塗装した後若干の乾燥工程、例えばプレヒート工程を経て、水性のベース塗料を塗装するのであるが、中塗り塗膜はゆるい乾燥で、その上に形成される水性ベース塗料層と混層を起こさない程度に疎水化する必要がある。即ち、疎水性が急速に高まる材料を選択する必要性がある。しかし、その結果として逆に、一旦付着した塗料は水性媒体を用いた洗浄では、洗浄性が大きく劣ることとなる。特許文献1に記載の洗浄でも必ずしも、十分な洗浄ができなくなる場合もでてくる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−290544号公報
【特許文献2】
特開平4−284881号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、図1に示すような、スリーコート・ワンベーク塗装方法において、中塗り塗料の洗浄性を改善するする方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は電着塗膜が形成された基材上に、水性中塗り塗料(1)、水性ベース塗料(2)及びクリヤー塗料(3)を、順次ウエットオンウエットで塗布し、得られた複層塗膜を同時に焼き付け硬化させる複層塗膜の形成方法において、水性中塗り塗料(1)が、希釈媒体の一部として、沸点が80℃以上250℃未満である親水性有機溶剤を塗料全重量に対して2〜10重量%含有することを特徴とする複層塗膜の形成方法を提供する。
【0012】
水性中塗り塗料中に、上記の親水性有機溶剤を配合することにより、水性中塗り塗料の洗浄性、特に一般に用いられている水性塗料の洗浄剤に対して高い洗浄性を発揮する。したがって、低い洗浄性が問題となるスリーコート・ワンベーク方法の水性中塗り塗料に用いると、洗浄性が向上し、実施時に直面する問題点を大きく改善することができる。
【0013】
前記親水性有機溶剤は、一般式
−OH
(式中、Rは炭素数3〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表す。)で表されるアルコールであってもよい。
【0014】
前記親水性有機溶剤は、また、一般式
HO−(R−O)−H
(式中、Rは炭素数2〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、nは1〜6の整数を表す。)で表されるグリコールであってもよい。
【0015】
更に、前記親水性有機溶剤は、一般式
O−(R−O)−R
(式中、Rは炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し、R、およびRは、それぞれ水素、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し(ただし、RおよびRが共に水素であることはない。)、mは1〜6の整数を表す。)で表されるグリコール系エーテルであってもよい。
【0016】
前記親水性有機溶剤が、上記の親水性有機溶剤のうち、2種類以上の組み合わせであってもよい。
【0017】
上記親水性有機溶剤の好ましい例は、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどがあげられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
水性中塗り塗料
本発明の塗膜形成方法において中塗り塗料は、下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保(外観向上)するためのものである。水性中塗り塗料は、有機系、無機系の各種着色顔料、体質顔料等、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含む。
【0019】
水性中塗り塗料に用いられる着色顔料としては、例えば、有機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用いられる。例えば上述のベース塗料で記載されたものが用いられる。更に、アルミニウム粉、グラファイト粉等の扁平顔料を添加しても良い。
【0020】
標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料としたグレー系中塗り塗料が用いられる。更に、セットグレーや各種の着色顔料を組み合わせた、いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0021】
上記中塗り塗料に用いられる塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。硬化剤としては、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などが用いられる。顔料分散性あるいは作業性の点から、アルキド樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。塗料中におけるこれらの好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0022】
水性中塗り塗料は、特に、樹脂エマルジョンと硬化剤を含む水性中塗り塗料であって良い。樹脂エマルジョンは、好ましくは、ガラス転移温度−50〜20℃、酸価2〜60mgKOH/gおよび水酸基価10〜120mgKOH/gを有する。また、この水性中塗り塗料の場合の硬化剤は、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリン系化合物及びカルボジイミド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であってよい。
【0023】
上記樹脂エマルジョンは、共重合体エマルジョンであってよく、酸基含有重合性モノマー、水酸基含有モノマー、架橋性モノマーおよびその他の重合性モノマーのエマルジョン重合により得ることができる。それぞれのモノマーは公知である。
【0024】
本発明における共重合体樹脂エマルジョンは、前記各モノマー成分から得られる共重合体樹脂のガラス転移温度が−50〜20℃、酸価が2〜60mgKOH/g、前記樹脂の水酸基価が10〜120mgKOH/gとなるように前記各モノマー成分の種類や配合量を選択する。
【0025】
共重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は−50〜20℃の範囲とする。この範囲の樹脂のTgとすることにより、共重合体樹脂エマルジョンを含む水性中塗り塗料をウエットオンウエット方式において用いた場合に、下塗り塗料及び上塗り塗料との親和性や密着性が良好となり、ウエット状態の上下両塗膜との界面でのなじみが良く反転が起こらない。また、最終的に得られる塗膜の適度な柔軟性が得られ、耐チッピング性が高められる。これらの結果、非常に高外観を有する複層塗膜が形成できる。樹脂のTgが−50℃未満では塗膜の機械的強度が不足し、耐チッピング性が弱い。一方、樹脂のTgが20℃を超えると、塗膜が硬くて脆くなるため、耐衝撃性に欠け、耐チッピング性が弱くなる。従って、樹脂のTgは好ましくは−40〜10℃であり、さらに好ましくは−30〜0℃である。
【0026】
共重合体樹脂の酸価は2〜60mgKOH/gとする。この範囲の樹脂の酸価とすることにより、樹脂エマルジョンやそれを用いた水性中塗り塗料組成物の保存安定性、機械的安定性、凍結に対する安定性等の諸安定性が向上し、また、塗膜形成時におけるメラミン樹脂等の硬化剤との硬化反応が十分起こり、塗膜の諸強度、耐チッピング性、耐水性が向上する。樹脂の酸価が2mgKOH/g未満では、上記諸安定性が劣り、また、メラミン樹脂等の硬化剤との硬化反応が十分行われず、塗膜の諸強度、耐チッピング性、耐水性が劣る。一方、樹脂の酸価が60mgKOH/gを超えると、樹脂の重合安定性が悪くなったり、上記諸安定性が逆に悪くなったり、得られた塗膜の耐水性が劣るものとなる。従って、樹脂の酸価は2〜60mgKOH/gであり、好ましくは5〜50mgKOH/gが適当である。
【0027】
共重合体樹脂の水酸基価は10〜120mgKOH/gとする。この範囲の樹脂の水酸基価とすることにより、樹脂が適度な親水性を有し、樹脂エマルジョンを含む塗料組成物として用いた場合における作業性や凍結に対する安定性が増すと共に、メラミン樹脂やイソシアネート系硬化剤との硬化反応性も十分である。水酸基価が10mgKOH/g未満では、前記硬化剤との硬化反応が不十分で、塗膜の機械的性質が弱く、耐チッピング性に欠け、耐水性及び耐溶剤性にも劣る。一方、水酸基価が120mgKOH/gを超えると、逆に得られた塗膜の耐水性が低下したり、前記硬化剤との相溶性が悪く、塗膜にひずみが生じ硬化反応が不均一に起こり、その結果、塗膜の諸強度、特に耐チッピング性、耐溶剤性及び耐水性が劣る。従って、樹脂の水酸基価は10〜120mgKOH/gであり、好ましくは20〜100mgKOH/gである。
【0028】
共重合体樹脂エマルジョンの重量平均分子量は、特に限定されないが、一般的に5万〜100万程度であり、例えば10万〜80万程度である。
【0029】
硬化剤としては、共重合体樹脂と硬化反応を生じ、水性中塗り塗料組成物中に配合することができるものであれば特に限定されず、例えば、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリン系化合物あるいはカルボジイミド系化合物等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が適宜組み合わされ使用される。
【0030】
メラミン樹脂としては特に限定されず、硬化剤として通常用いられるものを使用することができる。例えば、アルキルエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましく、メトキシ基及び/又はブトキシ基で置換されたメラミン樹脂がより好ましい。このようなメラミン樹脂としては、サイメル325、サイメル327、サイメル370、マイコート723;サイメル202、サイメル204、サイメル232、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267(何れも商品名、三井サイテック社製);マイコート506(商品名、三井サイテック社製)、ユーバン20N60、ユーバン20SE(何れも商品名、三井化学社製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、サイメル325、サイメル327、マイコート723がより好ましい。
【0031】
イソシアネート樹脂は、ジイソシアネート化合物を適当なブロック剤でブロックしたものである。
【0032】
オキサゾリン系化合物は、2個以上の2−オキサゾリン基を有する化合物であることが好ましい。
【0033】
カルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができるが、基本的には有機ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成して得られたものを挙げることができる。より具体的には、ポリカルボジイミド化合物の製造において、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個含有するポリカルボジイミド化合物と、分子末端に水酸基を有するポリオールとを、上記ポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基のモル量が上記ポリオールの水酸基のモル量を上回る比率で反応させる工程と、上記工程で得られた反応生成物に、活性水素及び親水性部分を有する親水化剤を反応させる工程とにより得られた親水化変性カルボジイミド化合物が好ましいものとして挙げることができる。
【0034】
上述の硬化剤は、硬化剤及び共重合体樹脂エマルジョンの固形分の合計量に対して下限2重量%、上限50重量%、好ましくは下限4重量%、上限40重量%、より好ましくは下限5重量%、上限30重量%となるように使用する。2重量%より少ないと、得られる塗膜の耐水性が低下する傾向がある。また、50重量%を超えると、得られる塗膜のチッピング性が低下する傾向がある。
【0035】
本発明の水性中塗り塗料組成物の製造方法は、特に限定されず、当業者に周知の全ての方法を用いることができる。また、本発明の水性中塗り塗料組成物は、水性であれば形態は特に限定されず、例えば、水溶性、水分散型、水性エマルジョン等の形態を挙げることができる。
【0036】
本発明では、水性希釈媒体の一部として、沸点が80℃以上で、250℃未満の親水性有機溶剤を塗料全重量に対して2〜10重量%の量で含有する。このような親水性有機溶剤を水性中塗り塗料中に配合することにより、洗浄性、特に一般に水性塗料の洗浄剤として用いられているアルカリ性の水溶液に対して高い洗浄性を発揮する。したがって、水性中塗り塗料、水性ベース塗料およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで塗装するスリーコート・ワンベーク塗装方法を用いた場合でも、水性中塗り塗料に付随する洗浄性の低さ、即ち水性ベース塗料との混層を防止するために中塗り塗料の洗浄性が低下する傾向を改善し、実施時に直面する問題点が解消される。
【0037】
本明細書において、「親水性有機溶剤」は20℃の温度で水に対して無制限に溶解する有機溶剤を意味する。本発明では、親水性有機溶剤は沸点が80℃以上で、250℃未満、特に80〜170℃である。沸点が80℃より低いと、中塗り塗膜を乾燥するときに多くが揮散してしまい、存在による性能発揮ができなくなる。250℃以上の沸点の場合、焼付け硬化時にも塗膜中に残ってしまうので、好ましくない。
【0038】
親水性有機溶剤は水性希釈媒体の一部として用いる。水性塗料である以上、水がその希釈媒体の主成分を形成する。水(イオン交換水)と親水性溶剤との重量比(水/親水性有機溶剤)は、40/1〜5/1であり、好ましくは20/1〜10/1である。40/1より低いと、塗料の貯蔵安定性が低下する等の欠点を有し、10/1より大きいと、大気中に揮散される溶剤(VOC)の量が増大する等の欠点を示す。
【0039】
親水性有機溶媒の具体例は、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類もしくはそれらの混合物である。アルコール類の例としては、一般式
−OH
(式中、Rは炭素数3〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表す。)で表される。より具体的には、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノールなどが挙げられる。
【0040】
グリコール類の具体例としては、一般式
HO−(R−O)−H
(式中、Rは炭素数2〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、nは1〜6の整数を表す。)で表されるものである。より具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが挙げられる。
【0041】
グリコールエーテルの例としては、一般式
O−(R−O)−R
(式中、Rは炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し、R、およびRは、それぞれ水素、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し(ただし、RおよびRが共に水素であることはない。)、mは1〜6の整数を表す。)で表されるものが上げられる。より具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングルコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングルコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジn−プロピルエーテルが挙げられる。
【0042】
本発明で用いる親水性有機溶剤の好ましい例としては、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどがあげられる。親水性有機溶剤は、2種以上のものを組み合わせて用いても良い。
【0043】
基材
本発明の複層塗膜の形成方法は、種々の基材、例えば木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0044】
上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0045】
電着塗膜
基材上には、カチオン電着塗料により電着塗膜を形成する。本発明に用いるカチオン電着塗料は、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。カチオン電着塗料は、カチオン性基体樹脂及び硬化剤を含有する。
【0046】
カチオン性基体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、特公昭54−4978号公報、特公昭56−34186号公報等に記載されたアミン変性エポキシ樹脂系、特公昭55−115476号公報等に記載されたアミン変性ポリウレタンポリオール樹脂系、特公昭62−61077号公報、特開昭63−86766号公報等に記載されたアミン変性ポリブタジエン樹脂系、特開昭63−139909号公報、特公平1−60516号公報等に記載されたアミン変性アクリル樹脂系、特開平6−128351号公報等に記載されたスルホニウム基含有樹脂系等を挙げることができる。上記引例に記載されたものの他、ホスホニウム基含有樹脂系等を使用することもできる。上記カチオン性基体樹脂のなかでも、アミン変性エポキシ樹脂系を使用することが特に好ましい。
【0047】
硬化剤としては、アミノ樹脂や、ブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本発明では、電着塗膜は加熱硬化する。電着塗膜の加熱硬化は一般的な条件で行い得る。例えば、160〜200℃で20〜40分間で行って良い。
【0049】
本発明の方法では、硬化した電着塗膜上に中塗り塗料、ベース塗料、およびクリヤー塗料をウェットオンウェットで順次形成する。以下に各塗膜を形成するための塗料を説明し、塗装方法は最後にまとめで記載する。
【0050】
水性ベース塗膜
本発明の複層塗膜の形成方法において、ベース塗膜を形成するために水性ベース塗料が用いられる。この水性ベース塗料には、着色顔料、塗膜形成性樹脂、硬化剤等が含まれる。
【0051】
上記ベース塗料に含有される着色顔料としては、前記中塗り塗料に用いた有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔料が有効に利用できる。
【0052】
本発明の複層塗膜の形成方法において用いられるベース塗料の塗膜形成樹脂及び硬化剤としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などの硬化剤が用いられる。塗料中におけるこれらの好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0053】
また、本発明において、水性ベース塗料には、所望により、その他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等がある。
【0054】
上記全ての顔料を含めた塗料中の全顔料濃度(PWC)としては、3〜70%であり、好ましくは、4〜65%であり、より好ましくは、5〜60%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0055】
本発明に用いられる水性ベース塗料は、一般には水溶性、水分散性、エマルションのいずれでもよい。
【0056】
クリヤー塗料
本発明の複層塗膜の形成方法において、クリヤー塗膜の形成には、クリヤー塗料が用いられる。このクリヤー塗料は、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有する。上記塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を利用することができ、これらはアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられる。透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0057】
クリヤー塗料中の固形分含有量は、20〜60重量%であり、好ましくは35〜55重量%である。また、塗布時の固形分含有量は、10〜50重量%であり、好ましくは20〜50重量%である。
【0058】
尚、クリヤー塗料は、ベース塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装する、いわゆるウエットオンウエットで塗膜が形成されるため、ここで生じる層間のなじみや反転、あるいは、タレ等の防止のため、架橋樹脂粒子を含有することが好ましい。架橋樹脂粒子の含有量は、クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量で添加される。架橋樹脂粒子の量が、10重量部を越えると、外観が低下し、0.1重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合をおこす原因となる。
【0059】
本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、また必要により、硬化触媒、表面調製剤等を用いることができる。
【0060】
複層塗膜の形成方法
さらに、本発明の複層塗膜の形成方法について説明する。
本発明の複層塗膜の形成方法は、被塗装物上に電着塗料を塗装することによって電着塗膜を形成する工程と、電着塗膜上に上述した水性中塗り塗料組成物を塗布して中塗り塗膜を形成する工程と、中塗り塗膜上にウエットオンウエット塗装方法により、水性ベース塗料を塗布して水性ベース塗膜を形成する工程と、ベース塗膜上にウェットオンウェット塗装でクリアー塗膜を形成する工程と、全ての塗膜を形成した後一度に塗膜を加熱硬化する工程を含む。
【0061】
各塗料の塗装方法としては、特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言われるエアー静電スプレー、通称「マイクロ・マイクロベル(μμベル)」、「マイクロベル(μベル)」、「メタリックベル(メタベル)」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いることにより行うことができる。水性塗料を塗装後はプレヒートを行うことが好ましい。特に、中塗り塗料およびベース塗料を塗布した後には、プレヒートを行ったほうが良い。プレヒートの条件は、室温〜100℃の温度で、30秒〜15分であってよい。
【0062】
最終工程で加熱硬化させる場合、温度は110〜180℃、好ましくは120〜160℃、特に130〜140℃である。これにより、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。110℃未満であると、硬化が不充分になる傾向があり、180℃を超えると、得られる塗膜が固く脆くなるおそれがある。加熱硬化させる時間は、上記温度に応じて適宜設定することができるが、例えば、温度が120〜160℃である場合、10〜60分間であり、130〜140℃の時は少なくとも10分である。それぞれの塗膜の乾燥膜厚は、中塗り塗膜では10〜40μm、好ましくは15〜30μmであり、ベース塗膜では10〜30μm、好ましくは12〜18μmであり、クリヤー塗膜は10〜70μm、好ましくは20〜50μmである。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、中塗り塗料中に特定の親水性有機溶剤を配合することにより、水性中塗り塗料の洗浄性、特に一般に用いられている水性塗料の洗浄液に対して高い洗浄性を発揮する。したがって、洗浄性の低いことが問題となるスリーコート・ワンベーク方法の水性中塗り塗料に用いると、洗浄性が向上し、実施時に直面する問題点を大きく改善することができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例中、「部」および「%」は特に断りのない限り重量に基づく。
【0065】
(着色顔料ペーストの調製)
市販の分散剤「Disperbyk 190」(ビックケミー社製ノニオン・アニオン系分散剤、商品名)9.4部、イオン交換水36.8部、ルチル型二酸化チタン34.5部、硫酸バリウム34.4部及びタルク6部を予備混合した後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μm以下となるまで混合分散し、分散剤着色顔料分散ペーストを得た。
【0066】
(樹脂エマルジョンの調製)
攪拌機、温度計、滴下ロート、還流冷却器及び窒素導入管などを備えた通常のアクリル系樹脂エマルジョン製造用の反応容器に、水445部及びニューコール293(日本乳化剤(株)製)5部を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温した。下記モノマー混合液(樹脂の酸価:18、水酸基価:85、Tg:−22℃)、水240部及びニューコール293(日本乳化剤(株)製)30部の混合物をホモジナイザーを用いて乳化し、そのモノマープレ乳化液を上記反応容器中に3時間にわたって攪拌しながら滴下した。モノマープレ乳化液の滴下と併行して、重合開始剤としてAPS(過硫酸アンモニウム)1部を水50部に溶解した水溶液を、上記反応容器中に上記モノマープレ乳化液の滴下終了時まで均等に滴下した。モノマープレ乳化液の滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続し、その後、冷却した。冷却後、ジメチルアミノエタノール2部を水20部に溶解した水溶液を投入し、不揮発分40.6重量%の水性樹脂エマルジョンを得た。
【0067】
(モノマー混合組成)
メタクリル酸メチル 45部
アクリル酸ブチル 299部
スチレン 50部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 92部
メタクリル酸 14部
エチレングリコールジメタクリレート 20部
得られた樹脂エマルジョンは、30%ジメチルアミノエタノール水溶液を用いてpHを7.2に調整した。
【0068】
実施例1〜4および比較例1
(水性中塗り塗料の調製)
上述のようにして得られた分散剤着色顔料分散ペースト60.3部、樹脂エマルジョン109.7部に、硬化剤としてサイメル327(三井サイテック社製イミノ型メラミン樹脂、商品名)20.9部を混合した後、アデカノールUH−814N(ウレタン会合型増粘剤、有効成分30%、旭電化工業社製、商品名)1.0部を混合攪拌し、水性中塗り塗料を得た。
【0069】
上記水性中塗り塗料は、下記表1に記載する水性媒体で希釈し、塗装に用いた。なお、塗装時の固形分含有量は全て50%であった。
【0070】
実施例1
ブリキ板に表1の実施例1の水性塗料を膜厚(未硬化塗膜で)が約50μmになるようにバーコーダーで塗装し、60℃に設定した温風乾燥機で5分間乾燥してなる塗装試験板を、静置した20℃の洗浄液に浸漬し、3分間後に塗膜の除去性を確認した。また、塗装試験板を20℃の洗浄液に浸漬し、直ちに2分間の超音波洗浄を行って、塗膜の除去性を観察した。これらの結果を表1に示した。表1において、洗浄性は洗浄除去することができた塗膜の面積比を表す。例えば、100[%]は塗膜を全て洗浄除去できたことを示し、10[%]はブリキ板に塗膜が大部分残っていることを示す。
【0071】
洗浄液は、脱イオン水70%、ブチルセロソルブ30%からなる混合液にN,N−ジメチルエタノールアミンをpHが10になるように添加してなる液体である。実施例および比較例において、同じ。
【0072】
実施例2
ブリキ板に表1の実施例2の水性塗料を膜厚(未硬化塗膜で)が約50μmになるようにバーコーダーで塗装し、60℃に設定した温風乾燥機で5分乾燥してなる塗装試験板を、静置した20℃の洗浄液に浸漬し、3分間浸漬して塗膜の除去性を確認した。また、塗装試験板を20℃の洗浄液に浸漬し、直ちに2分間の超音波洗浄を行って、塗膜の除去性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0073】
実施例3
ブリキ板に表1の実施例3の水性塗料を膜厚(未硬化塗膜で)が約50μmになるようにバーコーダーで塗装し、60℃に設定した温風乾燥機で5分乾燥してなる塗装試験板を、静置した20℃の洗浄液に浸漬し、3分間浸漬して塗膜の除去性を確認した。また、塗装試験板を20℃の洗浄液に浸漬し、直ちに2分間の超音波洗浄を行って、塗膜の除去性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0074】
実施例4
ブリキ板に表1の実施例4の水性塗料を膜厚(未硬化塗膜で)が約50μmになるようにバーコーダーで塗装し、60℃に設定した温風乾燥機で5分乾燥してなる塗装試験板を、静置した20℃の洗浄液に浸漬し、3分間浸漬して塗膜の除去性を確認した。また、塗装試験板を20℃の洗浄液に浸漬し、直ちに2分間の超音波洗浄を行って、塗膜の除去性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0075】
比較例1
ブリキ板に表1の比較例1の水性塗料を膜厚(未硬化塗膜で)が約50μmになるようにバーコーダーで塗装し、60℃に設定した温風乾燥機で5分乾燥してなる塗装試験板を、静置した20℃の洗浄液に浸漬し、3分間浸漬して塗膜の除去性を確認した。また、塗装試験板を20℃の洗浄液に浸漬し、直ちに2分間の超音波洗浄を行って、塗膜の除去性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
表1
Figure 2004298838
除去性は塗膜の除去面積[%]で表す。
*1: プロピレングリコール3wt%とプロピレングリコールメチルエーテル2wt%。
*2: 原料からの持ち込みの有機溶剤量。
【0077】
上記実施例と比較例の比較から明らかなように、親水性有機溶剤を特定量含む水性中塗り塗料を用いた塗膜は、乾燥後でも除去性が優れている。特に、3分間の除去剤に浸漬したものおよび2分間超音波洗浄後の除去性は、親水性有機溶剤を特定量配合していない比較例1のものと比べて、非常に優れている。
【0078】
複層塗膜の形成例
リン酸亜鉛処理したダル鋼板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオン電着塗料、商品名)を、乾燥塗膜が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間の加熱硬化後冷却して、鋼板基板を準備した。
【0079】
得られた基板に、上記実施例1の水性中塗り塗料をエアースプレー塗装にて20μm塗装し、80℃で5分プレヒートを行った後、アクアレックスAR−2000シルバーメタリック(日本ペイント社製水性メタリックベース塗料、商品名)をエアースプレー塗装にて10μm塗装し、80℃で3分プレヒートを行った。更に、その塗板にクリヤー塗料として、マックフロー O−1800W−2クリヤー(日本ペイント社製酸エポキシ硬化型クリヤー塗料、商品名)をエアースプレー塗装にて35μm塗装した後、140℃で30分間の加熱硬化を行い、試験片を得た。
【0080】
加熱硬化後に得られた複層塗膜は、仕上がり外観に優れ良好なものであった。
【0081】
水性ベース塗料とクリヤー塗料の希釈条件は次のとおりであった。
・水性ベース塗料
シンナー:イオン交換水
45秒/NO.4フォードカップ/20℃
・クリヤー塗料
シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/S−150(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤、商品名)=1/1(重量比)の混合溶剤
30秒/NO.4フォードカップ/20℃
【0082】
上記塗装実験から明らかなように、水性中塗り塗料に親水性有機溶剤を特定量配合したものを用いても、塗装性能に全く変化が無く、良好な塗膜がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗膜形成工程を示す工程図である。

Claims (5)

  1. 電着塗膜が形成された基材上に、水性中塗り塗料(1)、水性ベース塗料(2)及びクリヤー塗料(3)を、順次ウエットオンウエットで塗布し、得られた複層塗膜を同時に焼き付け硬化させる複層塗膜の形成方法において、
    前記水性中塗り塗料(1)が、希釈媒体の一部として、沸点が80℃以上250℃未満である親水性有機溶剤を塗料全重量に対して2〜10重量%含有することを特徴とする複層塗膜の形成方法。
  2. 前記親水性有機溶剤が、一般式
    −OH
    (式中、Rは炭素数3〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表す。)で表されるアルコールであることを特徴とする請求項1記載の複層塗膜の形成方法。
  3. 前記親水性有機溶剤が、一般式
    HO−(R−O)−H
    (式中、Rは炭素数2〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、nは1〜6の整数を表す。)で表されるグリコールであることを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
  4. 前記親水性有機溶剤が、一般式
    O−(R−O)−R
    (式中、Rは炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し、R、およびRは、それぞれ水素、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表し(ただし、RおよびRが共に水素であることはない。)、mは1〜6の整数を表す。)で表されるグリコール系エーテルであることを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
  5. 前記親水性有機溶剤が、請求項2〜5に表される親水性有機溶剤のうち、2種類以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
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