JP2004297627A - 表面実装型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性及び信頼性に優れ、全体構造の小型化にも供することができる表面実装型圧電発振器を提供する。
【解決手段】内部に圧電振動素子5が収容された容器体1を、発振制御用のIC素子7が搭載され、下面に外部端子9cを有した実装用基体6上に取着させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記実装用基体6の上面を一部、容器体1の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体1の下面に設けられる第1接合電極8bと実装用基体の上面に設けられる第2接合電極9bとを導電性接合材11を介して接続し、該導電性接合材11の一部を前記容器体1の側面に付着させることにより容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成する。
【選択図】図2
【解決手段】内部に圧電振動素子5が収容された容器体1を、発振制御用のIC素子7が搭載され、下面に外部端子9cを有した実装用基体6上に取着させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記実装用基体6の上面を一部、容器体1の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体1の下面に設けられる第1接合電極8bと実装用基体の上面に設けられる第2接合電極9bとを導電性接合材11を介して接続し、該導電性接合材11の一部を前記容器体1の側面に付着させることにより容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用通信機器等の電子機器に用いられる表面実装型圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯用通信機器等の電子機器に圧電発振器が用いられている。
【0003】
かかる従来の圧電発振器としては、例えば図7に示す如く、下面に凹部25を有し、内部に水晶振動素子等の圧電振動素子24が収容された容器体23を、発振制御用のIC素子26を上面に搭載した実装用基体21上に、前記IC素子26が凹部25内に収容されるようにして取着・固定した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また上述した圧電発振器を構成する実装用基体21の上面には、IC素子26の搭載領域にIC素子26の接続パッドに電気的に接続される複数個の電極パッド27と、容器体23の取着領域(図7(a)に示した点線よりも外側の領域)に容器体下面の接合電極に電気的に接続される複数個の接合電極28とが設けられ、実装用基体21の下面には、この圧電発振器をマザーボード等の外部電気回路と電気的に接続させるための端子となる複数個の外部端子22が被着・形成されている。このような実装用基体21と容器体23とは、その当接箇所に介在される半田等の導電性接合材によって電気的・機械的に接続される。
【0005】
尚、前記容器体23は、その内部に収容されている圧電振動素子24を大気と遮断して気密封止するためのものであり、電気絶縁性材料から成る基板の上面にシールリングを、該シールリングの内側に圧電振動素子24をそれぞれ取着させ、前記シールリングの上面に金属製の蓋体をシーム溶接(抵抗溶接)等で接合することによって圧電振動素子24が収容される空間を気密封止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000―278047号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、容器体23及び実装用基体21が、両者の当接箇所に部分的に介在されている導電性接合材の接合力のみによって機械的に接続されていることから、必ずしも十分な接続強度を備えているとは云えず、容器体23及び実装用基体21間に大きな熱応力等が印加された場合には接合部の破損を招来する恐れがあり、このことが表面実装型圧電発振器の信頼性を低下させる原因の一つとなっていた。
【0008】
また上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、IC素子26を収容する容器体23の凹部25が容器体下面の中央に設けられており、凹部25の内壁面がIC素子26を囲繞するように配置されている。それ故、表面実装型圧電発振器の全体構造がIC素子26の外寸よりも一回り大きくならざるを得ず、表面実装型圧電発振器の小型化に供することが不可となる欠点も有していた。
【0009】
更に上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、実装用基体21とIC素子26との接合部が凹部25の内壁面等によって取り囲まれており、接合部を直視しにくい構造となっていることから、IC素子26と容器体23とを実装用基体21に対して同時に接合するような場合、製品の検査等に際してIC素子26の接合状態を目視等によって確認することが困難で、検査の作業性が悪いという欠点も有していた。
【0010】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、生産性及び信頼性に優れ、全体構造の小型化にも供することができる表面実装型圧電発振器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面実装型圧電発振器は、内部に圧電振動素子が収容された容器体を、前記圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するフリップリップ型の矩形状のIC素子が搭載され、下面に外部端子を有した実装用基体上に取着させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記実装用基体の上面を一部、前記容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、前記容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を前記容器体の側面に付着させることにより前記容器体の側面から前記実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成したことを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の表面実装型圧電発振器は、前記容器体がセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させることによって形成されており、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、前記導電性接合材の少なくとも一部を収容する切り欠き部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記第1接合電極の一端側を前記切り欠き部の形成領域まで延在させるとともに、前記第2接合電極の一端側を容器体の外側領域まで延在させ、この両延在部に前記導電性接合材を付着させたことを特徴とするものである。
【0014】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記IC素子が、前記容器体の下面、前記実装用基体の上面、前記実装用基体の下面のうち、いずれかに形成された凹部内に収容させてあり、該凹部を前記容器体もしくは実装用基体の側面に開口させるとともに、前記IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を前記容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させたことを特徴とするものである。
【0015】
更にまた本発明の表面実装型圧電発振器は、前記IC素子の2個の露出側面が前記容器体もしくは前記実装用基体の外周に沿って配されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、実装用基体の上面を一部、容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を容器体の側面に付着させることにより容器体の側面から実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成するようにしたことから、実装用基体に対する容器体の取着強度が高められ、表面実装型圧電発振器の機械的強度を高く維持して信頼性を向上させることができるようになる。
【0017】
またこの場合、容器体と実装用基体との接合状態は、上述したフィレットを目視等によって観察することで容易に確認することができる。
【0018】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、前記容器体をセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させて構成するとともに、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材を収容するための切り欠き部を設けておくことにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部内に十分な量の導電性接合材を収容させて接合強度を高く保つことができる上に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材が切り欠き部よりも上方にせり上がってシールリングや金属蓋体に付着するといった不都合は殆どなくなり、導電性接合材の金属蓋体等への付着に起因したショートの発生を有効に防止することができる利点もある。
【0019】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、発振制御用のIC素子を、容器体の下面、実装用基体の上面、実装用基体の下面のうち、いずれかに形成した凹部内に収容するとともに、該凹部を容器体もしくは実装用基体の側面に開口させ、IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるようになり、しかもこの場合、実装用基体に対するIC素子の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能となり、表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の表面実装型圧電発振器を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図、図2は図1の表面実装型水晶発振器の断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図であり、これらの図に示す表面実装型圧電発振器は、内部に圧電振動素子としての水晶振動素子5が収容された容器体1を、発振制御用のIC素子7が搭載されている実装用基体6上に取着・固定した構造を有している。
【0022】
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、該シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記基板2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって容器体1が構成され、シールリング3の内側に位置する基板2の上面に水晶振動素子5が実装される。
【0023】
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2の上面とシールリング3の内面と蓋体4の下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、基板2の上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一対の搭載パッド8a等が、また基板2の下面には容器体1の側面に開放された概略直方体状の凹部1cと、該凹部1cの両側に配され、実装用基体6の接合電極9bに後述する導電性接合材11を介して電気的に接続される複数個の接合電極8b(以下、第1接合電極という。)を下面に有した一対の脚部1a,1bが設けられている。
【0024】
前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こすようになっている。
【0025】
この水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接着材10を介して基板上面の対応する搭載パッド8aに電気的に接続させることによって基板2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
【0026】
また前記容器体1の下面に設けられている凹部1cは、その内部に後述するIC素子7を収容するためのものであり、また前記脚部1a,1bは容器体1と同質の材料によって一体的に取着・形成され、容器体1の凹部底面と実装用基体6の上面との間にIC素子7を配置させるための空間を確保するスペーサとして機能するものである。
【0027】
このような凹部1cは、容器体1の下面に、その中央域を略一定の幅で縦断するように矩形状に形成され、その両側に配される一対の脚部1a,1bも各々が概略矩形状をなすように形成される。
【0028】
尚、上述した容器体1の基板2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体8となる導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。このような基板2の製造工程において、セラミックグリーンシートの積層前に、積層シートの下方に配されるセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を設けておくことにより凹部1cが形成される。
【0029】
また前記容器体1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を基板2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接着剤10を用いて基板2の上面に実装・固定した後、上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
【0030】
ここで容器体1の金属製蓋体4を容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9を介して後述するグランド端子用の外部端子9cに接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の金属製蓋体4は容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9を介してグランド端子用の外部端子9cに接続させておくことが好ましい。
【0031】
尚、上述した容器体1の第1接合電極8bや搭載パッド8aは、基板表面の配線パターンや基板内部に埋設されているビアホール導体等の配線導体8を介して、対応するもの同士、相互に電気的に接続される。
【0032】
そして、上述した容器体1やIC素子7等が取着・搭載される実装用基体6の上面には、IC素子7の搭載領域にIC素子下面の接続パッド7aに電気的に接続される複数個の電極パッド9aが、容器体1の取着領域に脚部下面の第1接合電極8bに電気的に接続される複数個の接合電極(以下、第2接合電極という。)9bが設けられ、また実装用基体6の下面には、4つの外部端子9c(電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子)が設けられている。
【0033】
前記実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって平板状をなすように形成されており、その表面に設けられる電極パッド9a、第2接合電極9b、外部端子9c等は実装用基体6に埋設されたビアホール導体等の配線導体9を介して相互に電気的に接続される。
【0034】
また上述した4個の外部端子9cは、表面実装型水晶発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載する際、外部電気回路の回路配線と半田等の導電性接着剤を介して電気的に接続されるようになっており、これら4個の外部端子9cのうち、グランド端子と発振出力端子を近接配置させておくようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子と発振出力端子とを近接配置させておくことが好ましい。
【0035】
尚、前記実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で加熱・重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって配線導体が形成される。
【0036】
また一方、前記実装用基体6上に搭載されるIC素子7としては、その下面に実装用基体6の対応する電極パッド9aに電気的に接続される複数個の接続パッド7aを有した矩形状のフリップチップ型ICが用いられ、その内部には、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データを有し、該温度補償データに基づいて前記水晶振動素子5の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられている。このようなIC素子7の発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
【0037】
このようなIC素子7は、その下面に設けられている複数の接続パッド7aを、実装用基体上面の対応する電極パッド9aに後述する導電性接着剤11を介して電気的に接続させることによって実装用基体6の上面に取着され、これによってIC素子7内の電子回路が容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9等を介して水晶振動素子5や外部端子9c等と電気的に接続される。
【0038】
尚、前記IC素子7の温度補償回路に温度補償データを書き込むための書込制御端子(図示せず)は実装用基体6の側面や下面等に設けられ、これらの書込制御端子にデータ書込装置のプローブ針を当て、IC素子7の温度補償回路内に設けられているメモリに水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによって温度補償回路内に温度補償データが格納される。また、このような書込制御端子は、表面実装型水晶発振器の製造プロセス中、実装用基体6等と一体的に設けられる外部の捨代部に配置させておき、温度補償データの書き込みが終了した後でこの捨代部を実装用基体6等から切り離すようにしても良く、そのようにして表面実装型水晶発振器を製造することにより、全体構造を小型化して、構成を簡素化することができる。
【0039】
また更に上述したIC素子7は、4個の側面のうち平行に配置されている2個の側面が、その全面にわたり、上述した一対の脚部1a,1bの側面、即ち、凹部1cの内壁面に対向して近接配置されるようになっており、この2個の側面と直交する残りの2個の側面を容器体1の側面、具体的には、一対の脚部1a,1bの端面間の領域より露出させている。ここで、前記IC素子7の側面と前記凹部1cの内壁面との間にできる間隙の幅は、例えば10μm〜500μmに設定され、またIC素子7の2個の露出側面は、容器体1の外周部よりも若干内側、例えば、容器体1の外周より1μm〜500μmだけ内側に、容器体1の外周部に沿って配されている。
【0040】
このような表面実装型水晶発振器は、IC素子7の露出側面と直交する方向に係る容器体1や実装用基体6の幅寸法がIC素子7の一辺の長さと略等しくなるように設計され、またIC素子7の露出側面と平行な方向に係る容器体1の幅寸法がIC素子7の一辺の長さと脚部1a,1bの幅との和と略等しくなるように設計されているため、表面実装型水晶発振器の全体構造を縦・横いずれの方向にも小型に構成することができるようになる。
【0041】
またこの場合、IC素子7の2個の露出側面は容器体1に遮られることなく露出させてあり、実装用基体6に対するIC素子7の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子7の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、これによって表面実装型水晶発振器の生産性を向上させることも可能となる。
【0042】
更に本実施形態においては、平行に配されているIC素子7の2個の側面を容器体側面に形成した凹部1cの開口部より露出させるようにしたことで、IC素子7の搭載領域がその両端部で外部に開放された形となっている。このため、IC素子7を実装用基体6に半田接合した後のフラックス洗浄工程や、完成した表面実装型水晶発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載した後の洗浄工程等においてIC素子7の表面や容器体1の凹部内面等に対して洗浄液を接触させる場合であっても、凹部1c内への洗浄液の流入、及び流出は上述した搭載領域両側の開放端を介して極めてスムーズ、かつ良好になされるようになり、IC素子7の搭載領域に洗浄液が残留してしまうのを有効に防止して、上述の洗浄工程を効率良く行うことができる利点もある。
【0043】
そして、上述した実装用基体6に対する容器体1及びIC素子7の取着には、半田等の導電性接合材11が用いられ、特に容器体1と実装用基体6との接合部では、実装用基体6の上面が一部、容器体1の下面よりも外側に位置させてあり、容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて、容器体1の第1接合電極8bと実装用基体6の第2接合電極9bとを接合する導電性接合材11によるフィレットFが形成されている。
【0044】
本実施形態においては、一対の脚部1a,1bの外側面と下面との間の角部に、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1dが各接合部に対応して個別に設けられており、該切り欠き部1dの形成領域には容器体1の下面が存在しないことから、この領域において実装用基体6の上面が容器体1の下面よりも外側に位置することとなる。そして前記第1接合電極8bを前記切り欠き部1dの形成領域まで延在するとともに、前記第2接合電極9bを前記切り欠き部1dの直下領域まで延在させ、第1接合電極8c及び第2接合電極9aの両延在部に導電性接合材11を付着させることによって所定のフィレットFを形成している。
【0045】
ここで、フィレットFとは、導電性接合材11のうち、接合部の隙間よりはみ出して表面に露出した部分のことを指し、上述したように、切り欠き部1dの形成領域まで延在した第1接合電極8bと切り欠き部1dの直下領域まで延在した第2接合電極9bとを導電性接合材11で接合し、容器体1の側面(一対の脚部1a,1bの外側面)から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成することにより、実装用基体6に対する容器体1の取着強度が有効に高められて、表面実装型水晶発振器の機械的強度が高く維持されるようになる。これにより表面実装型圧電発振器の信頼性が向上される。
【0046】
またこの場合、容器体1と実装用基体6との接合状態を上述したフィレットFを目視等によって観察することで容易に確認することもでき、検査の作業性が良好となる利点もある。
【0047】
更に前記容器体下面の第1接合電極8bは上述した切り欠き部1dの形成領域まで、また前記実装用基体上面の第2接合電極9bは切り欠き部1dの直下領域までそれぞれ延在させてあり、この両延在部に前記導電性接合材11をそれぞれ付着させてフィレットFを形成するようにしたことから、表面実装型水晶発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部1d内に十分な量の導電性接合材11を収容させることができ、この結果、実装用基体6に対する容器体1の接合強度を高く保つことが可能となる。
【0048】
しかも、前記切り欠き部1dは容器体1を構成する基板2の側面に基板上面まで到達しないように形成されているため、容器体1を実装用基体6に取着させる際、容器体1と実装用基体6とを接合する導電性接合材11が切り欠き部1dよりも上方にせり上がってシールリング3や金属製の蓋体4に付着してしまうことは殆どなく、導電性接合材11が金属性蓋体4等に付着することに起因したショートの発生も有効に防止される。
【0049】
更にこの場合、前記切り欠き部1dは各接合部に対応して個別に形成されていることから、各切り欠き部1d内に収容される導電性接合材11は切り欠き部1dの形成領域内に露出する容器体1の表面に対し良好に被着されるようになっており、これによっても容器体1を実装用基体6に対して強固に取着されるようになる。
【0050】
尚、上述した実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって配線導体が形成される。
【0051】
そして、得られた実装用基体6の第2接合電極9bを半田等の導電性接合材11を介して容器体下面の第1接合電極8bに当接させ、しかる後、前記導電性接合材11を熱の印加によって溶融させ、第1,第2接合電極間にフィレットFを形成するようにして両者を電気的・機械的に接続することにより容器体1が実装用基体6の上面に取着される。
【0052】
また、前記容器体1の外側面と下面との間の角部に設けられる切り欠き部1dは、容器体1の基板2を従来周知のセラミックグリーンシート積層法等によって形成する際、積層体の最下層を構成するセラミックグリーンシートの外周部で接合部と対応する箇所に所定の穴部を設けておくことによって形成される。
【0053】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態においては、圧電振動素子として水晶振動素子を用いた表面実装型水晶発振器を例にとって説明したが、これに代えて、圧電振動素子としてSAWフィルタ等の他の圧電振動素子を用いる場合にも本発明は適用可能である。
【0055】
また上述した実施形態においては、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1dを各接合部に対応して個別に形成するようにしたが、これに代えて、図5に示す如く、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1d´を脚部1a,1bが設けられている容器体下面の二辺に沿って接合部の配列方向に連続的に形成するようにしても構わない。
【0056】
更に上述した実施形態において、IC素子7と実装用基体6との間隙に、両者を接合している導電性接合材11を被覆するようにしてエポキシ樹脂等から成る樹脂材を充填するとともに、該充填した樹脂材の外周部を容器体1の取着領域まで延在させ、この延在部でもって容器体1と実装用基体6とを接合している導電性接合材11を被覆するようにしても良い。この場合、前記樹脂材はIC素子7の下面、一対の脚部1a,1bの各下面、及び実装用基体6の上面の各面に対して良好に被着されることとなるため、実装用基体6に対する容器体1の取着強度、ならびにIC素子7の取着強度を前記樹脂材によって補強することができるとともに、IC素子7の回路形成面(下面)を樹脂材によって良好に保護することができる利点がある。
【0057】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器においては、ICチップ7を平板状をなす実装用基体6の上面に搭載し、このICチップ7を容器体下面の凹部1c内に収容させるようにしたが、これに代えて、IC素子を、実装用基体の上面に設けた凹部内に収容させたり、或いは、実装用基体の下面に設けた凹部内に収容させるようにしても良い。例えば、図6(a)はIC素子7を実装用基体上面の凹部6a内に収容させた他の実施形態を示す斜視図、図6(b)はIC素子7を実装用基体上面の凹部6b内に収容させた他の実施形態を示す斜視図であり、これらの実施形態においても、容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成することによって、実装用基体6に対する容器体1の取着強度を高めて表面実装型圧電発振器の信頼性を向上させることができるという効果を奏し、また凹部6a,6bを実装用基体6の側面に開口させた上、該開口部よりIC素子7の側面を露出させる等することによって、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるとともに、製品の検査等に際してIC素子7の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能になるという効果を奏する。
【0058】
更にまた上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
【0059】
また更に上述した実施形態においては、容器体1の基板上面に直接シールリング3を取着させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に基板2と同材質のセラミック材料等から成る枠体を一体的に取着させた上、該枠体の上面にシールリング3を取着させるようにしても構わない。
【0060】
更にまた上述した実施形態において、実装用基体6の上面で、ICチップ7や一対の脚部1a,1bの非取着領域にチップ状コンデンサ等の小さな電子部品素子を配置させるようにしても構わない。
【0061】
また更に上述した実施形態において、IC素子7の側面と凹部1cの内壁面との間にできる間隙に補強や封止等を目的として樹脂材等を充填するようにしても良いことは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、実装用基体の上面を一部、容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を容器体の側面に付着させることにより容器体の側面から実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成するようにしたことから、実装用基体に対する容器体の取着強度が高められ、表面実装型圧電発振器の機械的強度を高く維持して信頼性を向上させることができるようになる。
【0063】
またこの場合、容器体と実装用基体との接合状態は、上述したフィレットを目視等によって観察することで容易に確認することができる。
【0064】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、前記容器体をセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させて構成するとともに、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材を収容するための切り欠き部を設けておくことにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部内に十分な量の導電性接合材を収容させて接合強度を高く保つことができる上に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材が切り欠き部よりも上方にせり上がってシールリングや金属蓋体に付着するといった不都合は殆どなくなり、導電性接合材の金属蓋体等への付着に起因したショートの発生を有効に防止することができる利点もある。
【0065】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、発振制御用のIC素子を、容器体の下面、実装用基体の上面、実装用基体の下面のうち、いずれかに形成した凹部内に収容するとともに、該凹部を容器体もしくは実装用基体の側面に開口させ、IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるようになり、しかもこの場合、実装用基体に対するIC素子の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能となり、表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を表面実装型圧電発振器を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の表面実装型水晶発振器の断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器の斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器の斜視図である。
【図7】(a)は従来の表面実装型圧電発振器の分解斜視図、(b)は(a)の表面実装型圧電発振器の断面図である。
【符号の説明】
1・・・容器体
1a,1b・・・一対の脚部
1c・・・凹部
1d,1d´・・・切り欠き部
2・・・基板
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・圧電振動素子(水晶振動素子)
6・・・実装用基体
6a,6b・・・凹部
7・・・IC素子
7a・・・接続パッド
8・・・容器体の配線導体
8a・・・搭載パッド
8b・・・第1接合電極
9・・・脚部の配線導体
9a・・・電極パッド
9b・・・第2接合電極
9c・・・外部端子
10、11・・・導電性接合材
F・・・フィレット
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用通信機器等の電子機器に用いられる表面実装型圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯用通信機器等の電子機器に圧電発振器が用いられている。
【0003】
かかる従来の圧電発振器としては、例えば図7に示す如く、下面に凹部25を有し、内部に水晶振動素子等の圧電振動素子24が収容された容器体23を、発振制御用のIC素子26を上面に搭載した実装用基体21上に、前記IC素子26が凹部25内に収容されるようにして取着・固定した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また上述した圧電発振器を構成する実装用基体21の上面には、IC素子26の搭載領域にIC素子26の接続パッドに電気的に接続される複数個の電極パッド27と、容器体23の取着領域(図7(a)に示した点線よりも外側の領域)に容器体下面の接合電極に電気的に接続される複数個の接合電極28とが設けられ、実装用基体21の下面には、この圧電発振器をマザーボード等の外部電気回路と電気的に接続させるための端子となる複数個の外部端子22が被着・形成されている。このような実装用基体21と容器体23とは、その当接箇所に介在される半田等の導電性接合材によって電気的・機械的に接続される。
【0005】
尚、前記容器体23は、その内部に収容されている圧電振動素子24を大気と遮断して気密封止するためのものであり、電気絶縁性材料から成る基板の上面にシールリングを、該シールリングの内側に圧電振動素子24をそれぞれ取着させ、前記シールリングの上面に金属製の蓋体をシーム溶接(抵抗溶接)等で接合することによって圧電振動素子24が収容される空間を気密封止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000―278047号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、容器体23及び実装用基体21が、両者の当接箇所に部分的に介在されている導電性接合材の接合力のみによって機械的に接続されていることから、必ずしも十分な接続強度を備えているとは云えず、容器体23及び実装用基体21間に大きな熱応力等が印加された場合には接合部の破損を招来する恐れがあり、このことが表面実装型圧電発振器の信頼性を低下させる原因の一つとなっていた。
【0008】
また上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、IC素子26を収容する容器体23の凹部25が容器体下面の中央に設けられており、凹部25の内壁面がIC素子26を囲繞するように配置されている。それ故、表面実装型圧電発振器の全体構造がIC素子26の外寸よりも一回り大きくならざるを得ず、表面実装型圧電発振器の小型化に供することが不可となる欠点も有していた。
【0009】
更に上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、実装用基体21とIC素子26との接合部が凹部25の内壁面等によって取り囲まれており、接合部を直視しにくい構造となっていることから、IC素子26と容器体23とを実装用基体21に対して同時に接合するような場合、製品の検査等に際してIC素子26の接合状態を目視等によって確認することが困難で、検査の作業性が悪いという欠点も有していた。
【0010】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、生産性及び信頼性に優れ、全体構造の小型化にも供することができる表面実装型圧電発振器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面実装型圧電発振器は、内部に圧電振動素子が収容された容器体を、前記圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するフリップリップ型の矩形状のIC素子が搭載され、下面に外部端子を有した実装用基体上に取着させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記実装用基体の上面を一部、前記容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、前記容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を前記容器体の側面に付着させることにより前記容器体の側面から前記実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成したことを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の表面実装型圧電発振器は、前記容器体がセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させることによって形成されており、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、前記導電性接合材の少なくとも一部を収容する切り欠き部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記第1接合電極の一端側を前記切り欠き部の形成領域まで延在させるとともに、前記第2接合電極の一端側を容器体の外側領域まで延在させ、この両延在部に前記導電性接合材を付着させたことを特徴とするものである。
【0014】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記IC素子が、前記容器体の下面、前記実装用基体の上面、前記実装用基体の下面のうち、いずれかに形成された凹部内に収容させてあり、該凹部を前記容器体もしくは実装用基体の側面に開口させるとともに、前記IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を前記容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させたことを特徴とするものである。
【0015】
更にまた本発明の表面実装型圧電発振器は、前記IC素子の2個の露出側面が前記容器体もしくは前記実装用基体の外周に沿って配されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、実装用基体の上面を一部、容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を容器体の側面に付着させることにより容器体の側面から実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成するようにしたことから、実装用基体に対する容器体の取着強度が高められ、表面実装型圧電発振器の機械的強度を高く維持して信頼性を向上させることができるようになる。
【0017】
またこの場合、容器体と実装用基体との接合状態は、上述したフィレットを目視等によって観察することで容易に確認することができる。
【0018】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、前記容器体をセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させて構成するとともに、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材を収容するための切り欠き部を設けておくことにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部内に十分な量の導電性接合材を収容させて接合強度を高く保つことができる上に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材が切り欠き部よりも上方にせり上がってシールリングや金属蓋体に付着するといった不都合は殆どなくなり、導電性接合材の金属蓋体等への付着に起因したショートの発生を有効に防止することができる利点もある。
【0019】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、発振制御用のIC素子を、容器体の下面、実装用基体の上面、実装用基体の下面のうち、いずれかに形成した凹部内に収容するとともに、該凹部を容器体もしくは実装用基体の側面に開口させ、IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるようになり、しかもこの場合、実装用基体に対するIC素子の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能となり、表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の表面実装型圧電発振器を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図、図2は図1の表面実装型水晶発振器の断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図であり、これらの図に示す表面実装型圧電発振器は、内部に圧電振動素子としての水晶振動素子5が収容された容器体1を、発振制御用のIC素子7が搭載されている実装用基体6上に取着・固定した構造を有している。
【0022】
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、該シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記基板2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって容器体1が構成され、シールリング3の内側に位置する基板2の上面に水晶振動素子5が実装される。
【0023】
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2の上面とシールリング3の内面と蓋体4の下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、基板2の上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一対の搭載パッド8a等が、また基板2の下面には容器体1の側面に開放された概略直方体状の凹部1cと、該凹部1cの両側に配され、実装用基体6の接合電極9bに後述する導電性接合材11を介して電気的に接続される複数個の接合電極8b(以下、第1接合電極という。)を下面に有した一対の脚部1a,1bが設けられている。
【0024】
前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こすようになっている。
【0025】
この水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接着材10を介して基板上面の対応する搭載パッド8aに電気的に接続させることによって基板2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
【0026】
また前記容器体1の下面に設けられている凹部1cは、その内部に後述するIC素子7を収容するためのものであり、また前記脚部1a,1bは容器体1と同質の材料によって一体的に取着・形成され、容器体1の凹部底面と実装用基体6の上面との間にIC素子7を配置させるための空間を確保するスペーサとして機能するものである。
【0027】
このような凹部1cは、容器体1の下面に、その中央域を略一定の幅で縦断するように矩形状に形成され、その両側に配される一対の脚部1a,1bも各々が概略矩形状をなすように形成される。
【0028】
尚、上述した容器体1の基板2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体8となる導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。このような基板2の製造工程において、セラミックグリーンシートの積層前に、積層シートの下方に配されるセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を設けておくことにより凹部1cが形成される。
【0029】
また前記容器体1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を基板2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接着剤10を用いて基板2の上面に実装・固定した後、上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
【0030】
ここで容器体1の金属製蓋体4を容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9を介して後述するグランド端子用の外部端子9cに接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の金属製蓋体4は容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9を介してグランド端子用の外部端子9cに接続させておくことが好ましい。
【0031】
尚、上述した容器体1の第1接合電極8bや搭載パッド8aは、基板表面の配線パターンや基板内部に埋設されているビアホール導体等の配線導体8を介して、対応するもの同士、相互に電気的に接続される。
【0032】
そして、上述した容器体1やIC素子7等が取着・搭載される実装用基体6の上面には、IC素子7の搭載領域にIC素子下面の接続パッド7aに電気的に接続される複数個の電極パッド9aが、容器体1の取着領域に脚部下面の第1接合電極8bに電気的に接続される複数個の接合電極(以下、第2接合電極という。)9bが設けられ、また実装用基体6の下面には、4つの外部端子9c(電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子)が設けられている。
【0033】
前記実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって平板状をなすように形成されており、その表面に設けられる電極パッド9a、第2接合電極9b、外部端子9c等は実装用基体6に埋設されたビアホール導体等の配線導体9を介して相互に電気的に接続される。
【0034】
また上述した4個の外部端子9cは、表面実装型水晶発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載する際、外部電気回路の回路配線と半田等の導電性接着剤を介して電気的に接続されるようになっており、これら4個の外部端子9cのうち、グランド端子と発振出力端子を近接配置させておくようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子と発振出力端子とを近接配置させておくことが好ましい。
【0035】
尚、前記実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で加熱・重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって配線導体が形成される。
【0036】
また一方、前記実装用基体6上に搭載されるIC素子7としては、その下面に実装用基体6の対応する電極パッド9aに電気的に接続される複数個の接続パッド7aを有した矩形状のフリップチップ型ICが用いられ、その内部には、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データを有し、該温度補償データに基づいて前記水晶振動素子5の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられている。このようなIC素子7の発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
【0037】
このようなIC素子7は、その下面に設けられている複数の接続パッド7aを、実装用基体上面の対応する電極パッド9aに後述する導電性接着剤11を介して電気的に接続させることによって実装用基体6の上面に取着され、これによってIC素子7内の電子回路が容器体1の配線導体8や実装用基体6の配線導体9等を介して水晶振動素子5や外部端子9c等と電気的に接続される。
【0038】
尚、前記IC素子7の温度補償回路に温度補償データを書き込むための書込制御端子(図示せず)は実装用基体6の側面や下面等に設けられ、これらの書込制御端子にデータ書込装置のプローブ針を当て、IC素子7の温度補償回路内に設けられているメモリに水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによって温度補償回路内に温度補償データが格納される。また、このような書込制御端子は、表面実装型水晶発振器の製造プロセス中、実装用基体6等と一体的に設けられる外部の捨代部に配置させておき、温度補償データの書き込みが終了した後でこの捨代部を実装用基体6等から切り離すようにしても良く、そのようにして表面実装型水晶発振器を製造することにより、全体構造を小型化して、構成を簡素化することができる。
【0039】
また更に上述したIC素子7は、4個の側面のうち平行に配置されている2個の側面が、その全面にわたり、上述した一対の脚部1a,1bの側面、即ち、凹部1cの内壁面に対向して近接配置されるようになっており、この2個の側面と直交する残りの2個の側面を容器体1の側面、具体的には、一対の脚部1a,1bの端面間の領域より露出させている。ここで、前記IC素子7の側面と前記凹部1cの内壁面との間にできる間隙の幅は、例えば10μm〜500μmに設定され、またIC素子7の2個の露出側面は、容器体1の外周部よりも若干内側、例えば、容器体1の外周より1μm〜500μmだけ内側に、容器体1の外周部に沿って配されている。
【0040】
このような表面実装型水晶発振器は、IC素子7の露出側面と直交する方向に係る容器体1や実装用基体6の幅寸法がIC素子7の一辺の長さと略等しくなるように設計され、またIC素子7の露出側面と平行な方向に係る容器体1の幅寸法がIC素子7の一辺の長さと脚部1a,1bの幅との和と略等しくなるように設計されているため、表面実装型水晶発振器の全体構造を縦・横いずれの方向にも小型に構成することができるようになる。
【0041】
またこの場合、IC素子7の2個の露出側面は容器体1に遮られることなく露出させてあり、実装用基体6に対するIC素子7の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子7の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、これによって表面実装型水晶発振器の生産性を向上させることも可能となる。
【0042】
更に本実施形態においては、平行に配されているIC素子7の2個の側面を容器体側面に形成した凹部1cの開口部より露出させるようにしたことで、IC素子7の搭載領域がその両端部で外部に開放された形となっている。このため、IC素子7を実装用基体6に半田接合した後のフラックス洗浄工程や、完成した表面実装型水晶発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載した後の洗浄工程等においてIC素子7の表面や容器体1の凹部内面等に対して洗浄液を接触させる場合であっても、凹部1c内への洗浄液の流入、及び流出は上述した搭載領域両側の開放端を介して極めてスムーズ、かつ良好になされるようになり、IC素子7の搭載領域に洗浄液が残留してしまうのを有効に防止して、上述の洗浄工程を効率良く行うことができる利点もある。
【0043】
そして、上述した実装用基体6に対する容器体1及びIC素子7の取着には、半田等の導電性接合材11が用いられ、特に容器体1と実装用基体6との接合部では、実装用基体6の上面が一部、容器体1の下面よりも外側に位置させてあり、容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて、容器体1の第1接合電極8bと実装用基体6の第2接合電極9bとを接合する導電性接合材11によるフィレットFが形成されている。
【0044】
本実施形態においては、一対の脚部1a,1bの外側面と下面との間の角部に、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1dが各接合部に対応して個別に設けられており、該切り欠き部1dの形成領域には容器体1の下面が存在しないことから、この領域において実装用基体6の上面が容器体1の下面よりも外側に位置することとなる。そして前記第1接合電極8bを前記切り欠き部1dの形成領域まで延在するとともに、前記第2接合電極9bを前記切り欠き部1dの直下領域まで延在させ、第1接合電極8c及び第2接合電極9aの両延在部に導電性接合材11を付着させることによって所定のフィレットFを形成している。
【0045】
ここで、フィレットFとは、導電性接合材11のうち、接合部の隙間よりはみ出して表面に露出した部分のことを指し、上述したように、切り欠き部1dの形成領域まで延在した第1接合電極8bと切り欠き部1dの直下領域まで延在した第2接合電極9bとを導電性接合材11で接合し、容器体1の側面(一対の脚部1a,1bの外側面)から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成することにより、実装用基体6に対する容器体1の取着強度が有効に高められて、表面実装型水晶発振器の機械的強度が高く維持されるようになる。これにより表面実装型圧電発振器の信頼性が向上される。
【0046】
またこの場合、容器体1と実装用基体6との接合状態を上述したフィレットFを目視等によって観察することで容易に確認することもでき、検査の作業性が良好となる利点もある。
【0047】
更に前記容器体下面の第1接合電極8bは上述した切り欠き部1dの形成領域まで、また前記実装用基体上面の第2接合電極9bは切り欠き部1dの直下領域までそれぞれ延在させてあり、この両延在部に前記導電性接合材11をそれぞれ付着させてフィレットFを形成するようにしたことから、表面実装型水晶発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部1d内に十分な量の導電性接合材11を収容させることができ、この結果、実装用基体6に対する容器体1の接合強度を高く保つことが可能となる。
【0048】
しかも、前記切り欠き部1dは容器体1を構成する基板2の側面に基板上面まで到達しないように形成されているため、容器体1を実装用基体6に取着させる際、容器体1と実装用基体6とを接合する導電性接合材11が切り欠き部1dよりも上方にせり上がってシールリング3や金属製の蓋体4に付着してしまうことは殆どなく、導電性接合材11が金属性蓋体4等に付着することに起因したショートの発生も有効に防止される。
【0049】
更にこの場合、前記切り欠き部1dは各接合部に対応して個別に形成されていることから、各切り欠き部1d内に収容される導電性接合材11は切り欠き部1dの形成領域内に露出する容器体1の表面に対し良好に被着されるようになっており、これによっても容器体1を実装用基体6に対して強固に取着されるようになる。
【0050】
尚、上述した実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって配線導体が形成される。
【0051】
そして、得られた実装用基体6の第2接合電極9bを半田等の導電性接合材11を介して容器体下面の第1接合電極8bに当接させ、しかる後、前記導電性接合材11を熱の印加によって溶融させ、第1,第2接合電極間にフィレットFを形成するようにして両者を電気的・機械的に接続することにより容器体1が実装用基体6の上面に取着される。
【0052】
また、前記容器体1の外側面と下面との間の角部に設けられる切り欠き部1dは、容器体1の基板2を従来周知のセラミックグリーンシート積層法等によって形成する際、積層体の最下層を構成するセラミックグリーンシートの外周部で接合部と対応する箇所に所定の穴部を設けておくことによって形成される。
【0053】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態においては、圧電振動素子として水晶振動素子を用いた表面実装型水晶発振器を例にとって説明したが、これに代えて、圧電振動素子としてSAWフィルタ等の他の圧電振動素子を用いる場合にも本発明は適用可能である。
【0055】
また上述した実施形態においては、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1dを各接合部に対応して個別に形成するようにしたが、これに代えて、図5に示す如く、導電性接合材11の少なくとも一部を収容する切り欠き部1d´を脚部1a,1bが設けられている容器体下面の二辺に沿って接合部の配列方向に連続的に形成するようにしても構わない。
【0056】
更に上述した実施形態において、IC素子7と実装用基体6との間隙に、両者を接合している導電性接合材11を被覆するようにしてエポキシ樹脂等から成る樹脂材を充填するとともに、該充填した樹脂材の外周部を容器体1の取着領域まで延在させ、この延在部でもって容器体1と実装用基体6とを接合している導電性接合材11を被覆するようにしても良い。この場合、前記樹脂材はIC素子7の下面、一対の脚部1a,1bの各下面、及び実装用基体6の上面の各面に対して良好に被着されることとなるため、実装用基体6に対する容器体1の取着強度、ならびにIC素子7の取着強度を前記樹脂材によって補強することができるとともに、IC素子7の回路形成面(下面)を樹脂材によって良好に保護することができる利点がある。
【0057】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器においては、ICチップ7を平板状をなす実装用基体6の上面に搭載し、このICチップ7を容器体下面の凹部1c内に収容させるようにしたが、これに代えて、IC素子を、実装用基体の上面に設けた凹部内に収容させたり、或いは、実装用基体の下面に設けた凹部内に収容させるようにしても良い。例えば、図6(a)はIC素子7を実装用基体上面の凹部6a内に収容させた他の実施形態を示す斜視図、図6(b)はIC素子7を実装用基体上面の凹部6b内に収容させた他の実施形態を示す斜視図であり、これらの実施形態においても、容器体1の側面から実装用基体6の上面にかけて導電性接合材11によるフィレットFを形成することによって、実装用基体6に対する容器体1の取着強度を高めて表面実装型圧電発振器の信頼性を向上させることができるという効果を奏し、また凹部6a,6bを実装用基体6の側面に開口させた上、該開口部よりIC素子7の側面を露出させる等することによって、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるとともに、製品の検査等に際してIC素子7の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能になるという効果を奏する。
【0058】
更にまた上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
【0059】
また更に上述した実施形態においては、容器体1の基板上面に直接シールリング3を取着させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に基板2と同材質のセラミック材料等から成る枠体を一体的に取着させた上、該枠体の上面にシールリング3を取着させるようにしても構わない。
【0060】
更にまた上述した実施形態において、実装用基体6の上面で、ICチップ7や一対の脚部1a,1bの非取着領域にチップ状コンデンサ等の小さな電子部品素子を配置させるようにしても構わない。
【0061】
また更に上述した実施形態において、IC素子7の側面と凹部1cの内壁面との間にできる間隙に補強や封止等を目的として樹脂材等を充填するようにしても良いことは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、実装用基体の上面を一部、容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、該容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を容器体の側面に付着させることにより容器体の側面から実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成するようにしたことから、実装用基体に対する容器体の取着強度が高められ、表面実装型圧電発振器の機械的強度を高く維持して信頼性を向上させることができるようになる。
【0063】
またこの場合、容器体と実装用基体との接合状態は、上述したフィレットを目視等によって観察することで容易に確認することができる。
【0064】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、前記容器体をセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させて構成するとともに、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材を収容するための切り欠き部を設けておくことにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型に維持しつつ、切り欠き部内に十分な量の導電性接合材を収容させて接合強度を高く保つことができる上に、容器体と実装用基体とを接合する導電性接合材が切り欠き部よりも上方にせり上がってシールリングや金属蓋体に付着するといった不都合は殆どなくなり、導電性接合材の金属蓋体等への付着に起因したショートの発生を有効に防止することができる利点もある。
【0065】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、発振制御用のIC素子を、容器体の下面、実装用基体の上面、実装用基体の下面のうち、いずれかに形成した凹部内に収容するとともに、該凹部を容器体もしくは実装用基体の側面に開口させ、IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができるようになり、しかもこの場合、実装用基体に対するIC素子の接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することが可能となり、表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を表面実装型圧電発振器を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の表面実装型水晶発振器の断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器の斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器の斜視図である。
【図7】(a)は従来の表面実装型圧電発振器の分解斜視図、(b)は(a)の表面実装型圧電発振器の断面図である。
【符号の説明】
1・・・容器体
1a,1b・・・一対の脚部
1c・・・凹部
1d,1d´・・・切り欠き部
2・・・基板
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・圧電振動素子(水晶振動素子)
6・・・実装用基体
6a,6b・・・凹部
7・・・IC素子
7a・・・接続パッド
8・・・容器体の配線導体
8a・・・搭載パッド
8b・・・第1接合電極
9・・・脚部の配線導体
9a・・・電極パッド
9b・・・第2接合電極
9c・・・外部端子
10、11・・・導電性接合材
F・・・フィレット
Claims (5)
- 内部に圧電振動素子が収容された容器体を、前記圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するフリップリップ型の矩形状のIC素子が搭載され、下面に外部端子を有した実装用基体上に取着させてなる表面実装型圧電発振器であって、
前記実装用基体の上面を一部、前記容器体の下面よりも外側に位置させるとともに、前記容器体の下面に設けられる第1接合電極と前記実装用基体の上面に設けられる第2接合電極とを導電性接合材を介して接続し、該導電性接合材の一部を前記容器体の側面に付着させることにより前記容器体の側面から前記実装用基体の上面にかけて導電性接合材によるフィレットを形成したことを特徴とする表面実装型圧電発振器。 - 前記容器体がセラミック製の基板上にシールリングを介して金属蓋体を取着させることによって形成されており、該容器体の基板側面と下面との間の角部に、前記導電性接合材の少なくとも一部を収容する切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記第1接合電極の一端側を前記切り欠き部の形成領域まで延在させるとともに、前記第2接合電極の一端側を容器体の外側領域まで延在させ、この両延在部に前記導電性接合材を付着させたことを特徴とする請求項2に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記IC素子が、前記容器体の下面、前記実装用基体の上面、前記実装用基体の下面のうち、いずれかに形成された凹部内に収容させてあり、該凹部を前記容器体もしくは実装用基体の側面に開口させるとともに、前記IC素子の4つの側面のうち2個の側面を凹部の内壁面に近接させて対向配置させ、残りの2つの側面を前記容器体もしくは実装用基体の開口部に露出させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記IC素子の2個の露出側面が前記容器体もしくは前記実装用基体の外周に沿って配されていることを特徴とする請求項4に記載の表面実装型圧電発振器。
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JP2009135574A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 表面実装用の水晶発振器 |
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- 2003-03-27 JP JP2003089410A patent/JP2004297627A/ja active Pending
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