JP2004296020A - 磁気記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転ヘッドシリンダにテープを所定の角度、巻回して、信号の記録再生を行う磁気記録再生装置において、テープの走行をガイドするテープ引き出しポストを簡単な構成で精度よく位置決めする事により、部品点数の削減、コストダウン、メカニズムの小型化、性能の向上を実現する事を目的とする。
【解決手段】テープ引き出し部材の下部に突起をもうけ、また位置決め部材にはその下面に斜面を設け、テープ引き出し部材の下部突起を前記斜面の当接させることにより、テープ引き出し部材の位置決めを行う。
【選択図】 図8
【解決手段】テープ引き出し部材の下部に突起をもうけ、また位置決め部材にはその下面に斜面を設け、テープ引き出し部材の下部突起を前記斜面の当接させることにより、テープ引き出し部材の位置決めを行う。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ヘッドを搭載する回転ヘッドシリンダに磁気テープを所定の角度巻回し、記録再生を行う磁気記録再生装置において、テープカセットより自動的に磁気テープを引き出し上記回転ヘッドシリンダに巻き付ける機構に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
近年、VTRは小型軽量薄型化が図られており、特にローディング機構に関しては、非常に複雑な物であり、部品点数が多くなり、VTR全体の大きさ、コストに大きく影響するため、ローディング機構に関する開発は非常に重要な物となってきている。以下、従来の磁気記録再生装置のテープローディング機構について説明する。一般的な磁気記録再生装置のローディング機構は、特許2701575号公報に記載されたものが知られている。その磁気記録再生装置のテープローディング機構については、上記公報の図1,2、5,6,9,10,15にて説明されている。上記公報の図5において、14,15は各々テープ引き出し部材である供給側ボート、巻取側ボートであり、それぞれ、供給側ローディングローラポスト8,および第1第2の巻取側ローディングローラポスト10,11が搭載されている。各ボート14,15は、各々供給側リング歯車38,巻取側リング歯車39と供給側駆動シャフト53,巻取側駆動シャフト55を介し係合している。(上記公報の図6に巻取側ボート15について詳細に図示)また、供給側ボート14,巻取側ボート15は、それぞれ供給側ローディングガイド17,巻取側ローディングガイド18に沿って移動できるよう係合しており、テープローディング前(上記公報図1)の位置からテープローディング後(上記公報図2)の位置に移動して、テープをカセット内より引き出し、回転ヘッドシリンダ(図示せず)に巻き付ける役目をしている。また、86,87はシャーシ1上に植接され、テープローディング時に供給側ボート14,巻取側ボート15を位置決めするストッパーである。
【0003】
次に上記公報図9,図10により、従来の技術によるテープローディング動作について説明する。上記公報図9,10において30は正逆回転可能なモータであり、これの回転力により、図中の各歯車を介し、各リング38,39がそれぞれ矢印イ、ロ方向に回転する事により、各駆動シャフト53,55と係合した供給側、巻取側各ボート14,15(本図では図示せず)もまた、矢印イ、ロ方向に移動し、テープを引き出す動作を行う。そして、テープ引き出し位置に於いては、ストーパー86,87(図示せず)にたいし、供給側、巻取側各ボート14,15を押圧することにより、これらを位置決めすることができる。
【0004】
次に上記公報図15を用いて、供給側、巻取側各ボート14,15の位置決め動作について説明する。上記公報図15は、従来の技術におけるローディングボートの位置決め動作を説明する図であり、ここでは、供給側について例に取って説明する。(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は要部断面図である。図において86はストッパーで、ピン86aの上部に円錐状の押圧部86bが設けられている。また、14aは供給側ボートの前端部に設けられたV溝であり、傾斜部を有している。さらに、供給側ボート14の前端部および後端部には基準面が設けられており、ローディング完了位置近傍に設けられたシャーシ1の基準面と当接する事により、高精度に位置決めが可能となる。上記公報図5および図15に示すように、供給側リング歯車38の回動に伴って、供給側ローディングガイド17に沿って案内された供給側ボート14は、ローディング完了位置でストッパー86とV溝14aとが当接し、供給側ボート14の位置決めが行われる。すなわち、ローディング完了位置では、揺動版45の動き(ここでは、その動作についての説明は省略)により、常に供給側駆動シャフト53を介して駆動力がP方向に加わっており、そのためストッパー86とV溝14aとが当接すると、V溝14aにより、供給側ボート14の左右方向の位置規制が行われる。また同時に供給側ボート14に対してF方向の力が加わるため、供給がボート14の前後、上下の位置規制も同時に行われる。
【0005】
以上のように、上記公報においては、シャーシ1に植設したテーパ形状をしたストッパーピン86、87に対しテープ引き出し部材である供給側、巻取側ボート14,15のV溝形状部を押し当てることにより、各ボートに設けられたローディングポストの傾きを精度よく保持することができ、正しくテープを回転ヘッドシリンダに巻き付けることができる物である。
【0006】
【特許文献1】
特許第2701575号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な従来の構成では、下記の様な問題点を有していた。
【0008】
まず、ストッパー86のテーパ部86bの形状のばらつきによりボート14の位置姿勢が左右され、磁気テープの安定的走行および保護に大きく影響し、そのためボートを高精度に規制するためにはストッパー86に非常に高精度な加工が必要となって、ストッパー86が非常に高価な部品となっていた。
【0009】
また、シャーシ1側に上記ストッパー86を圧入しているわけであるが、シャーシに対するストッパーの高さが微妙にばらつくと、やはりボート14の位置姿勢が左右され、同様に磁気テープの安定的走行および保護に大きく影響するため、ストッパーの圧入高さは非常に精度の厳しい物となり、組み立てが困難になると同時に組み立てコストの上昇を招いていた。
【0010】
さらに、上記ストッパー86には、前述したように常に横に倒す方向、あるいは抜きあげる方向に力が働いているため、シャーシ側およびストッパー自体の強度が必要であった。また、ストッパー86の保持部(上記公報においては圧入部)にも強度確保が必要で、且つ経時変化しないような工夫が必要で、そのため構成が大きくなるという問題を有していた。
【0011】
この様に、上記公報に代表されるような従来の技術においては、ボートを精度よく規制するためには、高精度な部品精度、組み立て精度が必要で、且つ強度確保のため機構が大きくなる結果となっていた。従って、磁気記録再生装置の性能品質を確保した上では小型化、軽量化、そして、コストダウンを阻害する要因となっていた。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、テープ引き出し部材の下部の鍔部に突起をもうけ、またテープ引き出し部材のガイド部材に傾斜面を設け、この傾斜面にテープ引き出し部材の下部の鍔部突起を当接させることにより、テープ引き出し部材の位置規制を行うことにより、部品点数の削減、機構の軽量化小型化、そして高い性能を達成したメカニズムを搭載した磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の磁気記録再生装置では、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材を、前記テープカセット開口部内と前記テープ引き出し位置の間を往復しうる様ガイドするガイド部材と、前記テープ引き出し位置において前記テープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材とがあって、前記テープ引き出し部材には、前記テープをガイドするガイドポールと、前記ガイド部材の裏部方向に存在する鍔部と、前記ガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部と、前記位置決め部材の上面に存在する基準面と対抗し、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の姿勢を決める引き出し部材側の基準面とがあり、前記位置決め部材には、前記テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、位置決め機構が極めて単純になり、テープ引き出し機構を極めて単純な構成とし、部品点数の削減、軽量化、小型化、そして高い性能を達成したメカニズムを搭載した磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、テープカセット内からテープ引き出し、回転ヘッドを搭載するシリンダに巻回し、前記テープを走行させる事により記録再生を行う磁気記録再生装置で、前記シャーシに前記テープカセットが装着された状態をテープ装着状態、前記テープカセットから前記テープを引き出し前記回転ヘッドシリンダに前記テープを巻回し前記テープが走行しうる状態をテープ引き出し状態とする時、前記テープ装着状態においては、前記テープカセットの開口部内に存在し、前記テープ引き出し状態のおいては、シリンダ近傍のテープ引き出し位置に移動し、前記テープカセットよりテープを引き出し前記回転ヘッドシリンダにテープを巻回するテープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材を、前記テープカセット開口部内と前記テープ引き出し位置の間を往復しうる様ガイドするガイド部材と、前記テープ引き出し位置において前記テープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材とがあって、前記テープ引き出し部材には、前記テープをガイドするガイドポールと、前記ガイド部材の裏部方向に存在する鍔部と、前記ガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部と、前記位置決め部材の上面に存在する基準面と対向し、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の姿勢を決める引き出し部材側基準面とがあり、前記位置決め部材には、前記テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、前記テープ引き出し部材を位置決めする物であり、位置決め機構を極めた簡単な構成にすることができるという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが一体形成されているもので、テープ引き出し機構の構成を極めて簡単に且つ部品点数を削減することができるという作用を有する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが樹脂一体成形されているものであり、テープ引き出し機構の構成を極めて簡単に且つ部品点数を削減することができるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の磁気記録再生装置は、シャーシがメインシャーシと、サブシャーシの2枚構成となっている。
【0019】
最初に、サブシャーシの構成に付いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の磁気記録再生装置のサブシャーシの平面図であり、図1において、1はサブシャーシ、2,6,9,10はテープ引き出し部材である。2はTRアームで、サブシャーシ1上の支点2a周りに回動自在に支持されている。2の一端の表方向にはTRポスト2bが、他端の裏方向にはTRアーム駆動ピン2cが設けてある。10はT3アームで、サブシャーシ1上の支点10a周りに回動自在に支持されている。10の一端の表方向にはT3ポスト10bが、他端の裏方向にはT3アーム駆動ピン10cが設けてある。4はSアームで、サブシャーシ1上の支点4a周りに回動自在に支持されている。4の一端の裏方向にはSアーム駆動ピン4cが、他端の表方向にはSリンクピン4bが設けてある。
【0021】
Sリンクピン4bには、Sリンク5が回動自在に取り付けてあり、またSリンク5の他端には、Sボート6がボス6bを介し回動自在に取り付けてある。7はTアームで、Sアームと同様の構成である。Tアーム7は、サブシャーシ1上の支点7a周りに回動自在に支持され、一端の裏方向にはTアーム駆動ピン7bが設けてある。8はTリンクで、一端はTリンクピン8aを介しTアーム7に対し回動自在に取り付けられてある。また、Tリンク8の他端には、Tボート9がボス9bを介し回動自在に取り付けてある。
【0022】
Sボート6にはテープをガイドするSローラポスト6aが植立されてあり、Tボート9には、Tローラポスト9aが植立されてある。
【0023】
このように全てのテープ引き出し部材はサブシャーシ1の上に設けられてある。
【0024】
11はSリール台、12はTリール台で、それぞれ軸11a,12a周りに回動自在に支持されている。Sリール台11、Tリール台12はカセット(図示せず)をサブシャーシに装着した際、カセットのリールハブと契合し、テープの巻き取りを行う物である。また、Sリール台11の周囲にはテープ走行時のテープテンションを制御するためのブレーキバンド(TRバンド)3が巻き付いてあり、TRバンドの一端はTRアーム2の2d部に回動自在に支持され、他端はサブシャーシ上の3aに回動自在に支持されている。そして、テープ走行時にはTRアーム2に取り付けたTRバネ2eの力により、TRバンド3を介しSリール台11に負荷トルクが働く構成となっている。
【0025】
1bはサブシャーシ調整板で、溝穴1aが設けてあり、またサブシャーシ1にねじ(図示せず)により固定されている。
【0026】
次に本発明の磁気記録再生装置のメインシャーシの構成について図2を用いて説明する。21はメインシャーシで、4本のカム溝穴21a,21b,21c,21dが設けてある。23は正逆回転可能なモータで、モータの回転力は、モータウォーム23、連結ウォーム24、そして、24,25のギアを介し、モードギア27に伝えられる。モードギア27は支点27a周りに回動可能で上面に、サブシャーシ1(図1)と契合しサブシャーシを動かすサブシャーシ駆動ピン27bが設けてある。28はシリンダベースで3点28cでメインシャーシにねじ止めされる。3つの28dはシリンダ止めようねじ穴で、このシリンダベース上にシリンダ(図示せず)をのせ、裏面からこの穴を用いシリンダをねじ止めする。
【0027】
また、28a、28bは、先に説明したサブシャーシ1上に搭載されたSボート6、Tボート9がテープを引き出す際にガイドするガイド溝である。29,30は、弾性体であるねじりコイルバネで、所定の力でもって予圧を加えた状態でメインシャーシ21上に固定されている。
【0028】
本発明の磁気記録再生装置において、図1のサブシャーシ側を、図2のメインシャーシ側の上に積み重ねる。図3は、本発明の磁気記録再生装置の平面図であり、カセットを装着する状態の図である。サブシャーシ1は、メインシャーシ21に対し矢印A方向に摺動可能な状態でガイドされている。また、TRアーム2のTRアーム駆動ピン2cは、メインシャーシ21のカム溝21aに摺動可能に契合し、T3アーム10のT3アーム駆動ピン10cはカム溝21cに、Sアーム4のSアーム駆動ピン4cはカム溝21bに、そしてTアーム7のTアーム駆動ピン7bは、カム溝21dに摺動可能に係合している。
【0029】
また、メインシャーシ21にあるモードギア27上のサブシャーシ駆動ピン27bは、サブシャーシ調整板1b(図示せず)の溝穴1aに摺動可能に係合している。
【0030】
以上のように構成された磁気記録再生装置について、図3を用いてその動作を説明する。
【0031】
図3はカセット装着位置の平面図で、各テープ引き出し部材の引き出しポスト2b,6a,9a,10bは全てテープ31aの手前、カセット開講部の中にある。この状態から、モータ23が回転すると、モードギア27が矢印B方向に回転すると、サブシャーシ駆動ピン27bも矢印B方向に回転し、このサブシャーシ駆動ピン27bがサブシャーシ調整板の溝穴1aを駆動し、サブシャーシが矢印A方向に移動する。
【0032】
ここで図4を用いてサブシャーシ1がモードギア27により駆動される動作について説明する。ここでは、サブシャーシ1に固定されているサブシャーシ調整板1bの動作を持ってこれを説明する。
【0033】
図6において、(1)はカセット取り出し位置の状態で、図3と同じ位置の図である。(1)においてサブシャーシ調整板1bの溝穴1aの構成について説明する。溝穴1aは、円弧部“あ”とこれに連続する円弧部“い”と直線部“う”からなる。円弧部“あ”と“い”は、図に見るように反対の方向に凸形状をしている。(2)の状態は、カセットを挿入位置である。(1)と(2)において、サブシャーシ駆動ピン27bは、円弧部“あ”の間を進み27b2の位置にくる。円弧部“あ”は、モードギア27の回転中心27aを中心とする円弧形状であり、サブシャーシ駆動ピン27bの回転円弧と同芯円をしている。そのため、サブシャーシ調整板1bは矢印A方向へ移動しないこととなる。これは、カセット取り出し位置と、カセット挿入位置の間では、サブシャーシは停止している必要があり、この間では移動していないことを示している。
【0034】
次にさらにモードギア27が矢印B方向に回転すると、サブシャーシ駆動ピンは、27B3の位置に至り、円弧部“い”に入ってくる((3)参照)。円弧部“い”はこの位置にては、モードギア27と同芯円をしていないため、サブシャーシ調整板1bは、サブシャーシ駆動ピン27b3に押されて矢印A方向に移動している。これは、サブシャーシ(図示せず)が同様に矢印A方向に移動していることを示す。さらにモードギア27が矢印B方向に回転すると、(4)に示すようにサブシャーシ駆動ピンは27b4に至り、溝穴1aの直線部“う”と係合しており、サブシャーシは、矢印A方向に移動を続けている。そしてさらにモードギア27が矢印B方向に回転を続けると(5)に示すようにサブシャーシ駆動ピンは27b5に至り、再び円弧部“い”に入ってくる。(5)の状態に於いては、溝穴“い”部は、サブシャーシ駆動ピン27b5の回転円弧と同芯円をしている。従って、サブシャーシ調整板1bは矢印A方向へ移動せず停止する。
【0035】
この状態は、後に図6にて説明するが、テープカセット内よりテープが引き出された位置にサブシャーシが来た状態でストップ状態という位置である。従って、これ以上サブシャーシは移動できない。一方、モードギアは、これ以降もテープを走行させる位置(プレイモード)を形成するためにさらにB方向に回転する。
【0036】
しかし、先に述べてように、サブシャーシ駆動ピン27b5は、円弧部“い”に有るためサブシャーシ調整板1bは矢印方向に移動せず、(6)の状態、つまりプレイ位置に至る。また、モードギア27が矢印B方向と逆方向に回転した場合、これらとは逆方向の動きで、サブシャーシ調整板は矢印A方向とは逆方向に移動する。
【0037】
このように、単純に回転運動するモードギア27に直接サブシャーシ駆動ピン27を植立させても、サブシャーシ側の溝穴1aの形状を工夫する事により、所定の区間サブシャーシを停止させ、また移動させることができる。さらに、本発明の溝穴1aの溝幅は、サブシャーシ駆動ピン27bの直径と略略同じでよいため、ここに余計な隙間を設けることなく、安定してサブシャーシを駆動することができる。
【0038】
以上サブシャーシの駆動方法を説明した。
【0039】
次に図3から図5、図6とサブシャーシ1が移動し、テープが引き出される動作を説明する。
【0040】
図5は図3からサブシャーシが矢印A方向に若干進んだ状態である。本図において、サブシャーシ駆動ピン27bとサブシャーシ調整板の溝穴1aの位置関係は、先に図4にて説明した様に、モードギア27が矢印B方向に回転し(3)テープ引き出し途中1の位置に来た状態である。図5においては、前述したように各引き出し部材2,4,7,10の各々の駆動ピン2c、4c、7b、10cが、メインシャーシ21のカム溝2a、21b、21c、21dと各々係合しており、これに規制されて各々矢印C,D,E,F方向に回転し、本図の状態まで引き出されている。テープ引き出し部材であるSボート6,Tボート9は、シリンダベース28のガイド溝28a,28bにガイドされ図5の位置まで引き出されている。そしてこの結果、テープは31bの状態まで引き出されている。
【0041】
さらに、モードギア27が矢印B方向に回転し、サブシャーシ1がさらに矢印A方向に移動し、テープ31bがシリンダに巻回し磁気記録再生ができる状態まで来た位置が図6である。図6の状態は、サブシャーシ駆動ピン27bと溝穴1aの位置関係は、図4の(5)ストップ状態に来た状態である。従って図6よりさらにモードギア27が矢印B方向に回転し、ピンチローラ(図示せず)がキャプスタン軸33にテープを押圧し、キャプスタン軸33が回転してーう31Cを駆動する状態(プレイモード)に行こうしても、サブシャーシ1は矢印A方向に移動せずこの位置を保つことができる。
【0042】
また、図6の状態において、テープ引き出し部材である。Sボート6、図2にして示したねじりコイルバネ29(図6には図示せず)によりSアーム4、Sリンク5を介し位置決め部28cに押圧され位置決めされている。同様にTボート9は、ねじりコイルバネ30(図6には図示せず)により、Tアーム9,Tリンク8を介し位置決め部28dに押圧され位置決めされている。
【0043】
この押圧位置決め機構を、図7,図8にて説明する。
【0044】
図7は、図6の要部を抜き出した図である。図7において、Sボート6の押圧位置決め方法について説明する。
【0045】
サブシャーシ1上のSアーム4は、Sアーム駆動ピン4cがメインシャーシ21上のカム溝21bにガイドされながら図7の状態に至る。この状態において、SSアーム駆動ピン4Cはメインシャーシ21上に装着されている弾性体であるねじりコイルバネ29に当接したわませるように構成されている。従ってSアーム7は、ねじりコイルバネ29の力により回転中心29a周りにD方向に回転力を受ける。この力により、Sリンクは矢印D1方向に、Sボート6は矢印D2方向に押圧され、シリンダベース28上に存在する位置決め部28Cに押圧位置決めされテープの引き出しが完了する。同様に、Tボート9も、弾性体であるねじりコイルバネ30によりTアーム7は、ねじりコイルバネ30の力により回転中心30a周りにE方向に回転力を受ける。この力により、Tリンクは矢印E1方向に、Tボート9は矢印E2方向に押圧され、シリンダベース28上に存在する位置決め部28dに押圧位置決めされテープの引き出しが完了する。このようにSボート6、Tボート9の押圧機構としては、メインシャーシ21に弾性体であるねじりコイルバネを固定しておくだけでよく極めて単純な構成で各ボートの位置決め機構が構成されて、部品点数の削減、省スペース化、品質の向上に貢献している。 次に、Sボート6の位置決め機構について、図8を用いて説明する。
【0046】
図8は、Sボート位置決め機構の上面図(1)、側面図(2)、裏面図(3)で、各要素を模式的に描いた図である。図8において、弾性体であるねじりコイルバネ29によりSアームはA方向に付勢され、これによりボート6はボス6bをシリンダベースのガイド溝部28aより下部をSリンク5により押圧される。((2)参照)。また、Sボート6の下部前方には平面方向から見て反円弧状の突起部6dが一体に設けてあり、またシリンダベースのシリンダ近傍(図示せず)の裏面には、その法線がSボート6の進行方向Bとは逆方向で且つ下向きの矢印C方向を向くような斜面28cが設けてある。
【0047】
次に、図8をもちいてSボートの押圧位置決め機構の動作について説明する。
【0048】
Sリンク5により下部を押圧されたSボートは、その先端部の突起6dがシリンダベース28の斜面28cに押圧される。これによりSボート全体は矢印B方向に押圧されると同時に、矢印Cそして、Sボート6の下方をB方向に押圧されるため矢印D方向の力も受け、結果として、Sボート6下面6c(3点)はシリンダベース上面基準面28dに沿うこととなる。シリンダベース上面基準面28d、およびSボート下面基準面6cは精度よく形成されており、これらが当接する事により、Sボート6は精度よくシリンダベース28位置決めされることとなる。このように、Sボート6の一部に一体に突起6dを設け、シリンダベース28側には一体に斜面を設けるという単純な構成により、小型で、部品点数が少なく安価な構成で、精度よくテープ引き出し部材であるSボート6を位置決めすることができる。Sボート6の上には、テープ走行上、メインシャーシに対する傾き精度が極めて重要であるテープガイドポストである、S1ポスト6aが植立されてあり、これのメインシャーシ21に対する傾きに以上があると、磁気テープの走行に大きな影響を与え、記録画像および音声に損傷を与えるだけでなく、磁気テープ自体にも損傷を与える可能性がある。
【0049】
以上のように本実施の形態によれば、極めて簡単な構成で、磁気記録再生装置の性能上重要なポストを精度良く位置決めでき、メカニズムの部品点数の削減、小型化のみならず、性能の向上にも貢献する事ができる。
【0050】
なお、以上の説明では、弾性体に29,30のねじりコイルバネを用いたが、板バネ、樹脂バネ等弾性体であれば同様の効果が得られることは自明である。
【0051】
また、本発明に実施形態に於いては、メインシャーシに4つの穴状カム溝を形成したが、これは、逆に突起上の壁を設けても同様の効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明は、テープ引き出し部材と、テープ引き出し部材をガイドするガイド部材と、テープ引き出し位置においてテープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材と、テープ引き出し部材のガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部とがあって、前記位置決め部材には、テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、前記テープ引き出し部材を位置決めすることにより、部品点数の削減する事ができ、メカニズムの軽量化、メカニズムの省部品点数化、構造を単純化する事による品質の安定化、そしてメカニズムの小型化を達成することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のサブシャーシの平面図
【図2】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメインシャーシ平面図
【図3】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ装着位置)
【図4】本発明の実施の形態におけるサブシャーシの駆動メカニズムの平面図
【図5】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ引き出し途中)
【図6】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ引き出し完了位置)
【図7】本発明の実施形態におけるテープ引き出し部材の押圧部構成の平面図
【図8】本発明の実施形態におけるテープ引き出し部材の位置決め方法を示す模式図
【図9】本発明の実施の形態おけるテープ引き出し力の、力の流れ図
【図10】従来の磁気記録再生装置おけるテープ引き出し力の、力の流れ図
【符号の説明】
1 サブシャーシ
2 TRアーム(テープ引き出し部材)
4 Sアーム
5 Sリンク
6 Sボート(テープ引き出し部材)
6a ガイドローラポスト(ガイドポール)
6c Sボート基準面
7 Tアーム
8 Tリンク
9 Tボート(テープ引き出し部材)
10 T3アーム(テープ引き出し部材)
21 メインシャーシ
21a,21b,21c,21d カム溝
28 シリンダベース
28a、28b ガイド溝
28c 位置決め傾斜面
28d 基準面
29、30 ねじりコイルばね(弾性体)
31 テープカセット
32 回転ヘッドシリンダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転ヘッドを搭載する回転ヘッドシリンダに磁気テープを所定の角度巻回し、記録再生を行う磁気記録再生装置において、テープカセットより自動的に磁気テープを引き出し上記回転ヘッドシリンダに巻き付ける機構に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
近年、VTRは小型軽量薄型化が図られており、特にローディング機構に関しては、非常に複雑な物であり、部品点数が多くなり、VTR全体の大きさ、コストに大きく影響するため、ローディング機構に関する開発は非常に重要な物となってきている。以下、従来の磁気記録再生装置のテープローディング機構について説明する。一般的な磁気記録再生装置のローディング機構は、特許2701575号公報に記載されたものが知られている。その磁気記録再生装置のテープローディング機構については、上記公報の図1,2、5,6,9,10,15にて説明されている。上記公報の図5において、14,15は各々テープ引き出し部材である供給側ボート、巻取側ボートであり、それぞれ、供給側ローディングローラポスト8,および第1第2の巻取側ローディングローラポスト10,11が搭載されている。各ボート14,15は、各々供給側リング歯車38,巻取側リング歯車39と供給側駆動シャフト53,巻取側駆動シャフト55を介し係合している。(上記公報の図6に巻取側ボート15について詳細に図示)また、供給側ボート14,巻取側ボート15は、それぞれ供給側ローディングガイド17,巻取側ローディングガイド18に沿って移動できるよう係合しており、テープローディング前(上記公報図1)の位置からテープローディング後(上記公報図2)の位置に移動して、テープをカセット内より引き出し、回転ヘッドシリンダ(図示せず)に巻き付ける役目をしている。また、86,87はシャーシ1上に植接され、テープローディング時に供給側ボート14,巻取側ボート15を位置決めするストッパーである。
【0003】
次に上記公報図9,図10により、従来の技術によるテープローディング動作について説明する。上記公報図9,10において30は正逆回転可能なモータであり、これの回転力により、図中の各歯車を介し、各リング38,39がそれぞれ矢印イ、ロ方向に回転する事により、各駆動シャフト53,55と係合した供給側、巻取側各ボート14,15(本図では図示せず)もまた、矢印イ、ロ方向に移動し、テープを引き出す動作を行う。そして、テープ引き出し位置に於いては、ストーパー86,87(図示せず)にたいし、供給側、巻取側各ボート14,15を押圧することにより、これらを位置決めすることができる。
【0004】
次に上記公報図15を用いて、供給側、巻取側各ボート14,15の位置決め動作について説明する。上記公報図15は、従来の技術におけるローディングボートの位置決め動作を説明する図であり、ここでは、供給側について例に取って説明する。(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は要部断面図である。図において86はストッパーで、ピン86aの上部に円錐状の押圧部86bが設けられている。また、14aは供給側ボートの前端部に設けられたV溝であり、傾斜部を有している。さらに、供給側ボート14の前端部および後端部には基準面が設けられており、ローディング完了位置近傍に設けられたシャーシ1の基準面と当接する事により、高精度に位置決めが可能となる。上記公報図5および図15に示すように、供給側リング歯車38の回動に伴って、供給側ローディングガイド17に沿って案内された供給側ボート14は、ローディング完了位置でストッパー86とV溝14aとが当接し、供給側ボート14の位置決めが行われる。すなわち、ローディング完了位置では、揺動版45の動き(ここでは、その動作についての説明は省略)により、常に供給側駆動シャフト53を介して駆動力がP方向に加わっており、そのためストッパー86とV溝14aとが当接すると、V溝14aにより、供給側ボート14の左右方向の位置規制が行われる。また同時に供給側ボート14に対してF方向の力が加わるため、供給がボート14の前後、上下の位置規制も同時に行われる。
【0005】
以上のように、上記公報においては、シャーシ1に植設したテーパ形状をしたストッパーピン86、87に対しテープ引き出し部材である供給側、巻取側ボート14,15のV溝形状部を押し当てることにより、各ボートに設けられたローディングポストの傾きを精度よく保持することができ、正しくテープを回転ヘッドシリンダに巻き付けることができる物である。
【0006】
【特許文献1】
特許第2701575号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な従来の構成では、下記の様な問題点を有していた。
【0008】
まず、ストッパー86のテーパ部86bの形状のばらつきによりボート14の位置姿勢が左右され、磁気テープの安定的走行および保護に大きく影響し、そのためボートを高精度に規制するためにはストッパー86に非常に高精度な加工が必要となって、ストッパー86が非常に高価な部品となっていた。
【0009】
また、シャーシ1側に上記ストッパー86を圧入しているわけであるが、シャーシに対するストッパーの高さが微妙にばらつくと、やはりボート14の位置姿勢が左右され、同様に磁気テープの安定的走行および保護に大きく影響するため、ストッパーの圧入高さは非常に精度の厳しい物となり、組み立てが困難になると同時に組み立てコストの上昇を招いていた。
【0010】
さらに、上記ストッパー86には、前述したように常に横に倒す方向、あるいは抜きあげる方向に力が働いているため、シャーシ側およびストッパー自体の強度が必要であった。また、ストッパー86の保持部(上記公報においては圧入部)にも強度確保が必要で、且つ経時変化しないような工夫が必要で、そのため構成が大きくなるという問題を有していた。
【0011】
この様に、上記公報に代表されるような従来の技術においては、ボートを精度よく規制するためには、高精度な部品精度、組み立て精度が必要で、且つ強度確保のため機構が大きくなる結果となっていた。従って、磁気記録再生装置の性能品質を確保した上では小型化、軽量化、そして、コストダウンを阻害する要因となっていた。
【0012】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、テープ引き出し部材の下部の鍔部に突起をもうけ、またテープ引き出し部材のガイド部材に傾斜面を設け、この傾斜面にテープ引き出し部材の下部の鍔部突起を当接させることにより、テープ引き出し部材の位置規制を行うことにより、部品点数の削減、機構の軽量化小型化、そして高い性能を達成したメカニズムを搭載した磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の磁気記録再生装置では、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材を、前記テープカセット開口部内と前記テープ引き出し位置の間を往復しうる様ガイドするガイド部材と、前記テープ引き出し位置において前記テープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材とがあって、前記テープ引き出し部材には、前記テープをガイドするガイドポールと、前記ガイド部材の裏部方向に存在する鍔部と、前記ガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部と、前記位置決め部材の上面に存在する基準面と対抗し、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の姿勢を決める引き出し部材側の基準面とがあり、前記位置決め部材には、前記テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、位置決め機構が極めて単純になり、テープ引き出し機構を極めて単純な構成とし、部品点数の削減、軽量化、小型化、そして高い性能を達成したメカニズムを搭載した磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、テープカセット内からテープ引き出し、回転ヘッドを搭載するシリンダに巻回し、前記テープを走行させる事により記録再生を行う磁気記録再生装置で、前記シャーシに前記テープカセットが装着された状態をテープ装着状態、前記テープカセットから前記テープを引き出し前記回転ヘッドシリンダに前記テープを巻回し前記テープが走行しうる状態をテープ引き出し状態とする時、前記テープ装着状態においては、前記テープカセットの開口部内に存在し、前記テープ引き出し状態のおいては、シリンダ近傍のテープ引き出し位置に移動し、前記テープカセットよりテープを引き出し前記回転ヘッドシリンダにテープを巻回するテープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材を、前記テープカセット開口部内と前記テープ引き出し位置の間を往復しうる様ガイドするガイド部材と、前記テープ引き出し位置において前記テープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材とがあって、前記テープ引き出し部材には、前記テープをガイドするガイドポールと、前記ガイド部材の裏部方向に存在する鍔部と、前記ガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部と、前記位置決め部材の上面に存在する基準面と対向し、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の姿勢を決める引き出し部材側基準面とがあり、前記位置決め部材には、前記テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、前記テープ引き出し部材を位置決めする物であり、位置決め機構を極めた簡単な構成にすることができるという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが一体形成されているもので、テープ引き出し機構の構成を極めて簡単に且つ部品点数を削減することができるという作用を有する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが樹脂一体成形されているものであり、テープ引き出し機構の構成を極めて簡単に且つ部品点数を削減することができるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の磁気記録再生装置は、シャーシがメインシャーシと、サブシャーシの2枚構成となっている。
【0019】
最初に、サブシャーシの構成に付いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の磁気記録再生装置のサブシャーシの平面図であり、図1において、1はサブシャーシ、2,6,9,10はテープ引き出し部材である。2はTRアームで、サブシャーシ1上の支点2a周りに回動自在に支持されている。2の一端の表方向にはTRポスト2bが、他端の裏方向にはTRアーム駆動ピン2cが設けてある。10はT3アームで、サブシャーシ1上の支点10a周りに回動自在に支持されている。10の一端の表方向にはT3ポスト10bが、他端の裏方向にはT3アーム駆動ピン10cが設けてある。4はSアームで、サブシャーシ1上の支点4a周りに回動自在に支持されている。4の一端の裏方向にはSアーム駆動ピン4cが、他端の表方向にはSリンクピン4bが設けてある。
【0021】
Sリンクピン4bには、Sリンク5が回動自在に取り付けてあり、またSリンク5の他端には、Sボート6がボス6bを介し回動自在に取り付けてある。7はTアームで、Sアームと同様の構成である。Tアーム7は、サブシャーシ1上の支点7a周りに回動自在に支持され、一端の裏方向にはTアーム駆動ピン7bが設けてある。8はTリンクで、一端はTリンクピン8aを介しTアーム7に対し回動自在に取り付けられてある。また、Tリンク8の他端には、Tボート9がボス9bを介し回動自在に取り付けてある。
【0022】
Sボート6にはテープをガイドするSローラポスト6aが植立されてあり、Tボート9には、Tローラポスト9aが植立されてある。
【0023】
このように全てのテープ引き出し部材はサブシャーシ1の上に設けられてある。
【0024】
11はSリール台、12はTリール台で、それぞれ軸11a,12a周りに回動自在に支持されている。Sリール台11、Tリール台12はカセット(図示せず)をサブシャーシに装着した際、カセットのリールハブと契合し、テープの巻き取りを行う物である。また、Sリール台11の周囲にはテープ走行時のテープテンションを制御するためのブレーキバンド(TRバンド)3が巻き付いてあり、TRバンドの一端はTRアーム2の2d部に回動自在に支持され、他端はサブシャーシ上の3aに回動自在に支持されている。そして、テープ走行時にはTRアーム2に取り付けたTRバネ2eの力により、TRバンド3を介しSリール台11に負荷トルクが働く構成となっている。
【0025】
1bはサブシャーシ調整板で、溝穴1aが設けてあり、またサブシャーシ1にねじ(図示せず)により固定されている。
【0026】
次に本発明の磁気記録再生装置のメインシャーシの構成について図2を用いて説明する。21はメインシャーシで、4本のカム溝穴21a,21b,21c,21dが設けてある。23は正逆回転可能なモータで、モータの回転力は、モータウォーム23、連結ウォーム24、そして、24,25のギアを介し、モードギア27に伝えられる。モードギア27は支点27a周りに回動可能で上面に、サブシャーシ1(図1)と契合しサブシャーシを動かすサブシャーシ駆動ピン27bが設けてある。28はシリンダベースで3点28cでメインシャーシにねじ止めされる。3つの28dはシリンダ止めようねじ穴で、このシリンダベース上にシリンダ(図示せず)をのせ、裏面からこの穴を用いシリンダをねじ止めする。
【0027】
また、28a、28bは、先に説明したサブシャーシ1上に搭載されたSボート6、Tボート9がテープを引き出す際にガイドするガイド溝である。29,30は、弾性体であるねじりコイルバネで、所定の力でもって予圧を加えた状態でメインシャーシ21上に固定されている。
【0028】
本発明の磁気記録再生装置において、図1のサブシャーシ側を、図2のメインシャーシ側の上に積み重ねる。図3は、本発明の磁気記録再生装置の平面図であり、カセットを装着する状態の図である。サブシャーシ1は、メインシャーシ21に対し矢印A方向に摺動可能な状態でガイドされている。また、TRアーム2のTRアーム駆動ピン2cは、メインシャーシ21のカム溝21aに摺動可能に契合し、T3アーム10のT3アーム駆動ピン10cはカム溝21cに、Sアーム4のSアーム駆動ピン4cはカム溝21bに、そしてTアーム7のTアーム駆動ピン7bは、カム溝21dに摺動可能に係合している。
【0029】
また、メインシャーシ21にあるモードギア27上のサブシャーシ駆動ピン27bは、サブシャーシ調整板1b(図示せず)の溝穴1aに摺動可能に係合している。
【0030】
以上のように構成された磁気記録再生装置について、図3を用いてその動作を説明する。
【0031】
図3はカセット装着位置の平面図で、各テープ引き出し部材の引き出しポスト2b,6a,9a,10bは全てテープ31aの手前、カセット開講部の中にある。この状態から、モータ23が回転すると、モードギア27が矢印B方向に回転すると、サブシャーシ駆動ピン27bも矢印B方向に回転し、このサブシャーシ駆動ピン27bがサブシャーシ調整板の溝穴1aを駆動し、サブシャーシが矢印A方向に移動する。
【0032】
ここで図4を用いてサブシャーシ1がモードギア27により駆動される動作について説明する。ここでは、サブシャーシ1に固定されているサブシャーシ調整板1bの動作を持ってこれを説明する。
【0033】
図6において、(1)はカセット取り出し位置の状態で、図3と同じ位置の図である。(1)においてサブシャーシ調整板1bの溝穴1aの構成について説明する。溝穴1aは、円弧部“あ”とこれに連続する円弧部“い”と直線部“う”からなる。円弧部“あ”と“い”は、図に見るように反対の方向に凸形状をしている。(2)の状態は、カセットを挿入位置である。(1)と(2)において、サブシャーシ駆動ピン27bは、円弧部“あ”の間を進み27b2の位置にくる。円弧部“あ”は、モードギア27の回転中心27aを中心とする円弧形状であり、サブシャーシ駆動ピン27bの回転円弧と同芯円をしている。そのため、サブシャーシ調整板1bは矢印A方向へ移動しないこととなる。これは、カセット取り出し位置と、カセット挿入位置の間では、サブシャーシは停止している必要があり、この間では移動していないことを示している。
【0034】
次にさらにモードギア27が矢印B方向に回転すると、サブシャーシ駆動ピンは、27B3の位置に至り、円弧部“い”に入ってくる((3)参照)。円弧部“い”はこの位置にては、モードギア27と同芯円をしていないため、サブシャーシ調整板1bは、サブシャーシ駆動ピン27b3に押されて矢印A方向に移動している。これは、サブシャーシ(図示せず)が同様に矢印A方向に移動していることを示す。さらにモードギア27が矢印B方向に回転すると、(4)に示すようにサブシャーシ駆動ピンは27b4に至り、溝穴1aの直線部“う”と係合しており、サブシャーシは、矢印A方向に移動を続けている。そしてさらにモードギア27が矢印B方向に回転を続けると(5)に示すようにサブシャーシ駆動ピンは27b5に至り、再び円弧部“い”に入ってくる。(5)の状態に於いては、溝穴“い”部は、サブシャーシ駆動ピン27b5の回転円弧と同芯円をしている。従って、サブシャーシ調整板1bは矢印A方向へ移動せず停止する。
【0035】
この状態は、後に図6にて説明するが、テープカセット内よりテープが引き出された位置にサブシャーシが来た状態でストップ状態という位置である。従って、これ以上サブシャーシは移動できない。一方、モードギアは、これ以降もテープを走行させる位置(プレイモード)を形成するためにさらにB方向に回転する。
【0036】
しかし、先に述べてように、サブシャーシ駆動ピン27b5は、円弧部“い”に有るためサブシャーシ調整板1bは矢印方向に移動せず、(6)の状態、つまりプレイ位置に至る。また、モードギア27が矢印B方向と逆方向に回転した場合、これらとは逆方向の動きで、サブシャーシ調整板は矢印A方向とは逆方向に移動する。
【0037】
このように、単純に回転運動するモードギア27に直接サブシャーシ駆動ピン27を植立させても、サブシャーシ側の溝穴1aの形状を工夫する事により、所定の区間サブシャーシを停止させ、また移動させることができる。さらに、本発明の溝穴1aの溝幅は、サブシャーシ駆動ピン27bの直径と略略同じでよいため、ここに余計な隙間を設けることなく、安定してサブシャーシを駆動することができる。
【0038】
以上サブシャーシの駆動方法を説明した。
【0039】
次に図3から図5、図6とサブシャーシ1が移動し、テープが引き出される動作を説明する。
【0040】
図5は図3からサブシャーシが矢印A方向に若干進んだ状態である。本図において、サブシャーシ駆動ピン27bとサブシャーシ調整板の溝穴1aの位置関係は、先に図4にて説明した様に、モードギア27が矢印B方向に回転し(3)テープ引き出し途中1の位置に来た状態である。図5においては、前述したように各引き出し部材2,4,7,10の各々の駆動ピン2c、4c、7b、10cが、メインシャーシ21のカム溝2a、21b、21c、21dと各々係合しており、これに規制されて各々矢印C,D,E,F方向に回転し、本図の状態まで引き出されている。テープ引き出し部材であるSボート6,Tボート9は、シリンダベース28のガイド溝28a,28bにガイドされ図5の位置まで引き出されている。そしてこの結果、テープは31bの状態まで引き出されている。
【0041】
さらに、モードギア27が矢印B方向に回転し、サブシャーシ1がさらに矢印A方向に移動し、テープ31bがシリンダに巻回し磁気記録再生ができる状態まで来た位置が図6である。図6の状態は、サブシャーシ駆動ピン27bと溝穴1aの位置関係は、図4の(5)ストップ状態に来た状態である。従って図6よりさらにモードギア27が矢印B方向に回転し、ピンチローラ(図示せず)がキャプスタン軸33にテープを押圧し、キャプスタン軸33が回転してーう31Cを駆動する状態(プレイモード)に行こうしても、サブシャーシ1は矢印A方向に移動せずこの位置を保つことができる。
【0042】
また、図6の状態において、テープ引き出し部材である。Sボート6、図2にして示したねじりコイルバネ29(図6には図示せず)によりSアーム4、Sリンク5を介し位置決め部28cに押圧され位置決めされている。同様にTボート9は、ねじりコイルバネ30(図6には図示せず)により、Tアーム9,Tリンク8を介し位置決め部28dに押圧され位置決めされている。
【0043】
この押圧位置決め機構を、図7,図8にて説明する。
【0044】
図7は、図6の要部を抜き出した図である。図7において、Sボート6の押圧位置決め方法について説明する。
【0045】
サブシャーシ1上のSアーム4は、Sアーム駆動ピン4cがメインシャーシ21上のカム溝21bにガイドされながら図7の状態に至る。この状態において、SSアーム駆動ピン4Cはメインシャーシ21上に装着されている弾性体であるねじりコイルバネ29に当接したわませるように構成されている。従ってSアーム7は、ねじりコイルバネ29の力により回転中心29a周りにD方向に回転力を受ける。この力により、Sリンクは矢印D1方向に、Sボート6は矢印D2方向に押圧され、シリンダベース28上に存在する位置決め部28Cに押圧位置決めされテープの引き出しが完了する。同様に、Tボート9も、弾性体であるねじりコイルバネ30によりTアーム7は、ねじりコイルバネ30の力により回転中心30a周りにE方向に回転力を受ける。この力により、Tリンクは矢印E1方向に、Tボート9は矢印E2方向に押圧され、シリンダベース28上に存在する位置決め部28dに押圧位置決めされテープの引き出しが完了する。このようにSボート6、Tボート9の押圧機構としては、メインシャーシ21に弾性体であるねじりコイルバネを固定しておくだけでよく極めて単純な構成で各ボートの位置決め機構が構成されて、部品点数の削減、省スペース化、品質の向上に貢献している。 次に、Sボート6の位置決め機構について、図8を用いて説明する。
【0046】
図8は、Sボート位置決め機構の上面図(1)、側面図(2)、裏面図(3)で、各要素を模式的に描いた図である。図8において、弾性体であるねじりコイルバネ29によりSアームはA方向に付勢され、これによりボート6はボス6bをシリンダベースのガイド溝部28aより下部をSリンク5により押圧される。((2)参照)。また、Sボート6の下部前方には平面方向から見て反円弧状の突起部6dが一体に設けてあり、またシリンダベースのシリンダ近傍(図示せず)の裏面には、その法線がSボート6の進行方向Bとは逆方向で且つ下向きの矢印C方向を向くような斜面28cが設けてある。
【0047】
次に、図8をもちいてSボートの押圧位置決め機構の動作について説明する。
【0048】
Sリンク5により下部を押圧されたSボートは、その先端部の突起6dがシリンダベース28の斜面28cに押圧される。これによりSボート全体は矢印B方向に押圧されると同時に、矢印Cそして、Sボート6の下方をB方向に押圧されるため矢印D方向の力も受け、結果として、Sボート6下面6c(3点)はシリンダベース上面基準面28dに沿うこととなる。シリンダベース上面基準面28d、およびSボート下面基準面6cは精度よく形成されており、これらが当接する事により、Sボート6は精度よくシリンダベース28位置決めされることとなる。このように、Sボート6の一部に一体に突起6dを設け、シリンダベース28側には一体に斜面を設けるという単純な構成により、小型で、部品点数が少なく安価な構成で、精度よくテープ引き出し部材であるSボート6を位置決めすることができる。Sボート6の上には、テープ走行上、メインシャーシに対する傾き精度が極めて重要であるテープガイドポストである、S1ポスト6aが植立されてあり、これのメインシャーシ21に対する傾きに以上があると、磁気テープの走行に大きな影響を与え、記録画像および音声に損傷を与えるだけでなく、磁気テープ自体にも損傷を与える可能性がある。
【0049】
以上のように本実施の形態によれば、極めて簡単な構成で、磁気記録再生装置の性能上重要なポストを精度良く位置決めでき、メカニズムの部品点数の削減、小型化のみならず、性能の向上にも貢献する事ができる。
【0050】
なお、以上の説明では、弾性体に29,30のねじりコイルバネを用いたが、板バネ、樹脂バネ等弾性体であれば同様の効果が得られることは自明である。
【0051】
また、本発明に実施形態に於いては、メインシャーシに4つの穴状カム溝を形成したが、これは、逆に突起上の壁を設けても同様の効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明は、テープ引き出し部材と、テープ引き出し部材をガイドするガイド部材と、テープ引き出し位置においてテープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材と、テープ引き出し部材のガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部とがあって、前記位置決め部材には、テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、前記テープ引き出し部材を位置決めすることにより、部品点数の削減する事ができ、メカニズムの軽量化、メカニズムの省部品点数化、構造を単純化する事による品質の安定化、そしてメカニズムの小型化を達成することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のサブシャーシの平面図
【図2】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメインシャーシ平面図
【図3】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ装着位置)
【図4】本発明の実施の形態におけるサブシャーシの駆動メカニズムの平面図
【図5】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ引き出し途中)
【図6】本発明の実施の形態における磁気記録再生装置のメカニズムの平面図
(テープ引き出し完了位置)
【図7】本発明の実施形態におけるテープ引き出し部材の押圧部構成の平面図
【図8】本発明の実施形態におけるテープ引き出し部材の位置決め方法を示す模式図
【図9】本発明の実施の形態おけるテープ引き出し力の、力の流れ図
【図10】従来の磁気記録再生装置おけるテープ引き出し力の、力の流れ図
【符号の説明】
1 サブシャーシ
2 TRアーム(テープ引き出し部材)
4 Sアーム
5 Sリンク
6 Sボート(テープ引き出し部材)
6a ガイドローラポスト(ガイドポール)
6c Sボート基準面
7 Tアーム
8 Tリンク
9 Tボート(テープ引き出し部材)
10 T3アーム(テープ引き出し部材)
21 メインシャーシ
21a,21b,21c,21d カム溝
28 シリンダベース
28a、28b ガイド溝
28c 位置決め傾斜面
28d 基準面
29、30 ねじりコイルばね(弾性体)
31 テープカセット
32 回転ヘッドシリンダ
Claims (3)
- テープカセット内からテープ引き出し、回転ヘッドを搭載するシリンダに巻回し、前記テープを走行させる事により記録再生を行う磁気記録再生装置で、前記シャーシに前記テープカセットが装着された状態をテープ装着状態、前記テープカセットから前記テープを引き出し前記回転ヘッドシリンダに前記テープを巻回し前記テープが走行しうる状態をテープ引き出し状態とする時、前記テープ装着状態においては、前記テープカセットの開口部内に存在し、前記テープ引き出し状態のおいては、シリンダ近傍のテープ引き出し位置に移動し、前記テープカセットよりテープを引き出し前記回転ヘッドシリンダにテープを巻回するテープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材を、前記テープカセット開口部内と前記テープ引き出し位置の間を往復しうる様ガイドするガイド部材と、前記テープ引き出し位置において前記テープ引き出し部材を位置決めする位置決め部材とがあって、
前記テープ引き出し部材には、
前記テープをガイドするガイドポールと、
前記ガイド部材の裏部方向に存在する鍔部と、
前記ガイド部材の裏部方向に存在する位置決め用突起部と、
前記位置決め部材の上面に存在する基準面と対向し、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の姿勢を決める引き出し部材側基準面とがあり、
前記位置決め部材には、
前記テープ引き出し部材側基準面と対向し、前記テープ引き出し部材の姿勢を規制する基準面と、
前記基準面で決定される平面をX−Y平面とし、前記テープ引き出し状態位置直前での前記テープ引き出し部材進行方向をY軸の正方向とし、
前記X−Y平面に垂直で、前記テープガイドポールの中心を通る直線をZ軸とし、前記基準面に対し前記磁気テープが走行する側をZ軸正方向と定義したとき、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起が当接し、その法線ベクトルが前記テープ引き出し部材のテープ引き出し位置での進行方向(Y軸正方向)とは反対(Y軸負方向)で、且つZ軸負方向成分を持つ傾斜面とがあり、
シャーシ上に設けられたテープ引き出し部材の付勢手段により、前記テープ引き出し位置に於いて、前記テープ引き出し部材の前記突起部を前記傾斜面に押圧する事により、前記テープ引き出し部材を位置決めする磁気記録再生装置。 - テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
- テープ引き出し部材と、前記テープ引き出し部材の鍔部、および位置決め用突起部とが樹脂一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の磁気記録再生装置。
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