JP2004295747A - 流体圧アクチュエータの原点決定方法及びそのための制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】0接点、原点センサが無くても0点(スタート点)を決定できる原点決定方法を提供する。
【解決手段】シリンダ内に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、シリンダ内でピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、ピストン体の位置を検出するための位置センサとを含む流体圧アクチュエータに適用される原点決定方法である。本方法は、サーボ弁をピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる位置センサの検出値Aを仮の原点とする。次に、サーボ弁をピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再びピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる位置センサの検出値A´を求め、(A−A´)があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に検出値A´を原点とする。
【選択図】 図3
【解決手段】シリンダ内に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、シリンダ内でピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、ピストン体の位置を検出するための位置センサとを含む流体圧アクチュエータに適用される原点決定方法である。本方法は、サーボ弁をピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる位置センサの検出値Aを仮の原点とする。次に、サーボ弁をピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再びピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる位置センサの検出値A´を求め、(A−A´)があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に検出値A´を原点とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアアクチュエータにおける位置センサの原点決定方法及びそれを実行するための制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
精密位置決め装置用のエアアクチュエータの一例として、本出願人により以下のようなエアアクチュエータが提案されている。
【0003】
図5を参照して、このエアアクチュエータを簡単に説明する。図5において、エアアクチュエータは、鉛直方向に延びるように固定配置される空気圧シリンダ100と、この空気圧シリンダ100内に静圧軸受け(図示せず)を介して非接触状態にてスライド可能に収容され、軸方向に延びるピストンロッド102を持つピストン体101と、空気圧シリンダ100内でピストン体101のピストンヘッド103を間にした一方の圧力室、ここではロッド側圧力室105に定圧の圧縮空気を供給すると共に、他方の圧力室、つまりヘッド側圧力室106にはサーボ弁110を介して圧縮空気の流量を制御して供給するための流体圧回路とを備える。サーボ弁110は、周知のように給気、排気の機能を持つ。エアアクチュエータは更に、ロッド側圧力室105、ヘッド側圧力室106の圧力を検出するための第1、第2の圧力センサ111、112と、ピストン体101の位置を検出するための位置センサ(後述する)とを備える。
【0004】
このエアアクチュエータは、図示しない制御装置により以下のように制御される。つまり、制御装置は、位置センサからの位置検出信号、位置指令値、速度指令値や加速度指令値に基づいてサーボ弁110を制御することでピストン体101の位置制御を行うと共に、第1、第2の圧力センサ111、112からの圧力検出信号や荷重指令値に基づいてサーボ弁110を制御することでピストン体101の荷重制御を行う。荷重制御というのは、ピストンロッド102の先端に装着されるチャック等の被駆動体に荷重指令値に基づく押付け荷重を付与する制御である(特許文献1参照)。
【0005】
なお、位置センサは、図6を参照して、ヘッド側圧力室106側の空気圧シリンダ100には、中心軸方向に孔100aが形成され、この孔100aにはピストンヘッド103の中心に固定されて中心軸方向に延びる位置センサ用ロッド131が挿入されていると共に、位置センサ用ロッド131と共にピストン体101の位置検出を行うためのセンサ部132が固定されている。位置センサは、例えば位置センサ用ロッド131に磁性体と非磁性体とが交互に配列形成されており、これが移動すると移動した磁性体の数がセンサ部132で検出される。このような位置センサ用ロッド131とセンサ部132とによる位置センサ130からの検出信号を用いてピストン体101の移動量あるいは位置が検出される。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−309589
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなエアアクチュエータにおいては、原点決定のための検出を以下のようにして行っている。ピストン体101側に0接点(図示せず)を設け、固定部側にはこれを検出するための原点センサ120を設けている。原点を検出するためにピストン体101を移動させ、原点センサ120で0接点を検出すると、その時の位置センサ130の検出値を初期値、つまり0点とすることでスタート点を決定している。
【0008】
本発明の課題は、上記のような0接点、原点センサが無くても0点(スタート点)を決定できる原点決定方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の課題は、上記原点決定方法を自動化するための制御プログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサとを含む流体圧アクチュエータの原点決定方法であって、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点とし、次に、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を求め、(A−A´)があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点とすることを特徴とする流体圧アクチュエータの原点決定方法が提供される。
【0011】
本原点決定方法においては特に、前記流体圧シリンダの前記他方の圧力室側に面している部分の軸方向延長線上には該他方の圧力室から離れる前記軸方向延長線方向に延びる孔が形成されており、一方、前記他方の圧力室側に面している前記ピストンヘッドの前記軸方向延長線上には位置検出用のロッドが前記軸方向延長線方向に延びかつ前記孔に挿入されるように設けられており、前記孔にはまた前記位置検出用のロッドが挿通するように組み合わされてその移動量を検出するためのセンサ部が固定されて前記ピストン体の位置を検出するための前記位置センサを構成している。
【0012】
本発明によればまた、シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサと、前記サーボ弁を制御するための制御装置とを含む流体圧アクチュエータにおける原点決定のための前記制御装置用制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点として記憶する第1のステップと、該第1のステップに続いて、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を記憶する第2のステップと、前記記憶された検出値A、A´を用いて(A−A´)の演算を行い、該演算結果があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点と決定する第3のステップとを含むことを特徴とする流体圧アクチュエータにおける原点決定のための制御プログラムが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、前述した位置センサについて更に説明する。図4において、図6で説明した位置センサ130の検出精度は、位置センサ用ロッド131に配列形成された磁性体の間隔で決まると言える。一方、複数の磁性体、例えば10個毎にピッチと呼ばれる間隔αが規定されている。一例を挙げると、1ピッチの間隔αは8.195mmである。本形態における原点決定方法においては、原点は図4に示した一番下のピッチの間隔内のどこかに設定されれば良いということを前提としている。
【0014】
図1、図2を参照して、本発明による原点決定方法を図6で説明したようなエアアクチュエータに適用した場合の実施の形態について説明する。以下では、オペレータが手動操作により原点決定を行う場合について説明する。
【0015】
本エアアクチュエータは、流体回路から圧縮空気が供給されていない状態では、ピストンヘッド103は空気圧シリンダ100内の任意の位置にある。この状態でサーボ弁を手動操作し、ピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。これは図1(a)に示すように、ヘッド側圧力室106の空間がほぼ0、言い換えればピストン体101が上死点に到達することを意味する。図2(a)は排気側に駆動した場合のサーボ弁の弁開度変化を示す。なお、ピストン体101の停止は、位置センサ130の検出値を監視、つまり検出値が変化しなくなったことをもって知ることができる。そして、この時の位置センサ130の検出値Aを読み取り、仮原点とする。
【0016】
次に、図1(a)の状態からピストン体101が停止するまでサーボ弁を給気側に駆動する。その結果、ピストン体101は、今度は図1(b)に示すように、ロッド側圧力室105がほぼ0、言い換えればピストン体101が下死点に到達した位置で停止する。図2(b)は給気側に駆動した場合のサーボ弁の弁開度変化を示す。オペレータは、位置センサ130の検出値を監視することでピストン体101の停止を確認すると、再度サーボ弁を手動操作してピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。そして、ピストン体101の停止を確認すると、その時の位置センサ130の検出値A´を読み取る。
【0017】
続いて、オペレータは、(A−A´)の演算を行い、その演算結果が上述したあらかじめ設定された値α内に収まっているかの判別を行う。値α内に収まっていれば、検出値A´を原点として決定して、以後はこの検出値A´を原点としてピストン体101の位置制御、つまりピストンロッド102の先端に取り付けられる被駆動体の位置制御が行われる。この位置制御は、図示しない制御装置により行われる。つまり、制御装置は、位置センサ130からの検出値や、図5で説明した2つの圧力センサからの検出値や、位置指令値、速度指令値、加速度指令値等に基づいて位置制御を行う。
【0018】
ところで、(A−A´)≦αは、原点が図4で説明した一番下のピッチ内のどこかに設定されたことを意味する。言い換えれば、原点が図4で説明した一番下のピッチ内のどこかに設定されていれば、以後、制御装置はこの原点を0点として位置センサ130からの検出値に修正を加え、この修正値を使用して位置制御が行われることを意味する。
【0019】
次に、上記の動作を自動で行うための制御プログラムについて説明する。この制御プログラムは制御装置の保有する記憶装置に格納されている。制御装置は、オペレータにより自動による原点決定が指示されると、記憶装置からこの制御プログラムを読み出して、図3に示すような手順により自動的に原点決定動作を実行する。
【0020】
図3において、本原点決定動作は、原点決定を自動で行うことが指示されるとスタートする。ステップS1では、制御装置がサーボ弁をピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS2)。この判別は、検出値が一定時間変化しないことをもって行われる。ピストン体101が停止したことを判別すると、制御装置はその時に得られた位置センサ130の検出値Aを読み取り、仮の原点として記憶装置に記憶する(ステップS3)。ステップS1〜S3はまとめて第1のステップと呼ばれても良い。
【0021】
この第1のステップに続いて、制御装置はサーボ弁をピストン体が停止するまで給気側に駆動する(ステップS4)。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS5)。ピストン体101の停止を判別したら、制御装置は再びピストン体が停止するまで排気側に駆動する(ステップS6)。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS7)。ピストン体101が停止したことを判別すると、制御装置はその時に得られた位置センサ130の検出値A´を読み取り、記憶装置に記憶する(ステップS8)。ステップS4〜S8はまとめて第2のステップと呼ばれても良い。
【0022】
この第2のステップに続いて、制御装置は、記憶された検出値A、A´を用いて(A−A´)の演算を行い、この演算結果があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別する(ステップS9)。判別の結果、(A−A´)≦αであれば、検出値A´を原点として決定する(ステップS10)。一方、(A−A´)>αの場合には、制御装置は位置センサ130に異常があるものと判別してアラームを発生する(ステップS11)。この場合、オペレータは、アラームの発生原因を追及して発生原因を除去する。発生原因が除去されたら、再び自動による原点決定を指示して、制御装置により上記のステップを実行させる。ステップS9〜S11はまとめて第3のステップと呼ばれても良い。
【0023】
なお、上記のα(=8.195mm)は一例であり、この値に限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
本発明による原点決定方法によれば、0接点及び原点センサが不要になり、センサの性能に依存することなく原点を創出することができる。
【0025】
また、本発明による制御プログラムによれば、原点決定を自動化することができるので、原点決定に伴うオペレータの作業を簡略化して負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原点決定方法を説明するために本方法が適用されるエアアクチュエータの主要部の構造を示した断面図である。
【図2】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータに備えられるサーボ弁の弁開度の変化を示した図である。
【図3】本発明による方法を制御プログラムにより自動で行う場合の動作の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータに備えられる位置センサの検出精度を説明するための図である。
【図5】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータの概略構成を示した図である。
【図6】図5に示されたエアアクチュエータにおける位置センサの構造を説明するための図である。
【符号の説明】
100 空気圧シリンダ
101 ピストン体
102 ピストンロッド
103 ピストンヘッド
105 ロッド側圧力室
106 ヘッド側圧力室
130 位置センサ
【発明の属する技術分野】
本発明はエアアクチュエータにおける位置センサの原点決定方法及びそれを実行するための制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
精密位置決め装置用のエアアクチュエータの一例として、本出願人により以下のようなエアアクチュエータが提案されている。
【0003】
図5を参照して、このエアアクチュエータを簡単に説明する。図5において、エアアクチュエータは、鉛直方向に延びるように固定配置される空気圧シリンダ100と、この空気圧シリンダ100内に静圧軸受け(図示せず)を介して非接触状態にてスライド可能に収容され、軸方向に延びるピストンロッド102を持つピストン体101と、空気圧シリンダ100内でピストン体101のピストンヘッド103を間にした一方の圧力室、ここではロッド側圧力室105に定圧の圧縮空気を供給すると共に、他方の圧力室、つまりヘッド側圧力室106にはサーボ弁110を介して圧縮空気の流量を制御して供給するための流体圧回路とを備える。サーボ弁110は、周知のように給気、排気の機能を持つ。エアアクチュエータは更に、ロッド側圧力室105、ヘッド側圧力室106の圧力を検出するための第1、第2の圧力センサ111、112と、ピストン体101の位置を検出するための位置センサ(後述する)とを備える。
【0004】
このエアアクチュエータは、図示しない制御装置により以下のように制御される。つまり、制御装置は、位置センサからの位置検出信号、位置指令値、速度指令値や加速度指令値に基づいてサーボ弁110を制御することでピストン体101の位置制御を行うと共に、第1、第2の圧力センサ111、112からの圧力検出信号や荷重指令値に基づいてサーボ弁110を制御することでピストン体101の荷重制御を行う。荷重制御というのは、ピストンロッド102の先端に装着されるチャック等の被駆動体に荷重指令値に基づく押付け荷重を付与する制御である(特許文献1参照)。
【0005】
なお、位置センサは、図6を参照して、ヘッド側圧力室106側の空気圧シリンダ100には、中心軸方向に孔100aが形成され、この孔100aにはピストンヘッド103の中心に固定されて中心軸方向に延びる位置センサ用ロッド131が挿入されていると共に、位置センサ用ロッド131と共にピストン体101の位置検出を行うためのセンサ部132が固定されている。位置センサは、例えば位置センサ用ロッド131に磁性体と非磁性体とが交互に配列形成されており、これが移動すると移動した磁性体の数がセンサ部132で検出される。このような位置センサ用ロッド131とセンサ部132とによる位置センサ130からの検出信号を用いてピストン体101の移動量あるいは位置が検出される。
【0006】
【特許文献1】
特願2002−309589
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなエアアクチュエータにおいては、原点決定のための検出を以下のようにして行っている。ピストン体101側に0接点(図示せず)を設け、固定部側にはこれを検出するための原点センサ120を設けている。原点を検出するためにピストン体101を移動させ、原点センサ120で0接点を検出すると、その時の位置センサ130の検出値を初期値、つまり0点とすることでスタート点を決定している。
【0008】
本発明の課題は、上記のような0接点、原点センサが無くても0点(スタート点)を決定できる原点決定方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の課題は、上記原点決定方法を自動化するための制御プログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサとを含む流体圧アクチュエータの原点決定方法であって、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点とし、次に、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を求め、(A−A´)があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点とすることを特徴とする流体圧アクチュエータの原点決定方法が提供される。
【0011】
本原点決定方法においては特に、前記流体圧シリンダの前記他方の圧力室側に面している部分の軸方向延長線上には該他方の圧力室から離れる前記軸方向延長線方向に延びる孔が形成されており、一方、前記他方の圧力室側に面している前記ピストンヘッドの前記軸方向延長線上には位置検出用のロッドが前記軸方向延長線方向に延びかつ前記孔に挿入されるように設けられており、前記孔にはまた前記位置検出用のロッドが挿通するように組み合わされてその移動量を検出するためのセンサ部が固定されて前記ピストン体の位置を検出するための前記位置センサを構成している。
【0012】
本発明によればまた、シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサと、前記サーボ弁を制御するための制御装置とを含む流体圧アクチュエータにおける原点決定のための前記制御装置用制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点として記憶する第1のステップと、該第1のステップに続いて、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を記憶する第2のステップと、前記記憶された検出値A、A´を用いて(A−A´)の演算を行い、該演算結果があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点と決定する第3のステップとを含むことを特徴とする流体圧アクチュエータにおける原点決定のための制御プログラムが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、前述した位置センサについて更に説明する。図4において、図6で説明した位置センサ130の検出精度は、位置センサ用ロッド131に配列形成された磁性体の間隔で決まると言える。一方、複数の磁性体、例えば10個毎にピッチと呼ばれる間隔αが規定されている。一例を挙げると、1ピッチの間隔αは8.195mmである。本形態における原点決定方法においては、原点は図4に示した一番下のピッチの間隔内のどこかに設定されれば良いということを前提としている。
【0014】
図1、図2を参照して、本発明による原点決定方法を図6で説明したようなエアアクチュエータに適用した場合の実施の形態について説明する。以下では、オペレータが手動操作により原点決定を行う場合について説明する。
【0015】
本エアアクチュエータは、流体回路から圧縮空気が供給されていない状態では、ピストンヘッド103は空気圧シリンダ100内の任意の位置にある。この状態でサーボ弁を手動操作し、ピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。これは図1(a)に示すように、ヘッド側圧力室106の空間がほぼ0、言い換えればピストン体101が上死点に到達することを意味する。図2(a)は排気側に駆動した場合のサーボ弁の弁開度変化を示す。なお、ピストン体101の停止は、位置センサ130の検出値を監視、つまり検出値が変化しなくなったことをもって知ることができる。そして、この時の位置センサ130の検出値Aを読み取り、仮原点とする。
【0016】
次に、図1(a)の状態からピストン体101が停止するまでサーボ弁を給気側に駆動する。その結果、ピストン体101は、今度は図1(b)に示すように、ロッド側圧力室105がほぼ0、言い換えればピストン体101が下死点に到達した位置で停止する。図2(b)は給気側に駆動した場合のサーボ弁の弁開度変化を示す。オペレータは、位置センサ130の検出値を監視することでピストン体101の停止を確認すると、再度サーボ弁を手動操作してピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。そして、ピストン体101の停止を確認すると、その時の位置センサ130の検出値A´を読み取る。
【0017】
続いて、オペレータは、(A−A´)の演算を行い、その演算結果が上述したあらかじめ設定された値α内に収まっているかの判別を行う。値α内に収まっていれば、検出値A´を原点として決定して、以後はこの検出値A´を原点としてピストン体101の位置制御、つまりピストンロッド102の先端に取り付けられる被駆動体の位置制御が行われる。この位置制御は、図示しない制御装置により行われる。つまり、制御装置は、位置センサ130からの検出値や、図5で説明した2つの圧力センサからの検出値や、位置指令値、速度指令値、加速度指令値等に基づいて位置制御を行う。
【0018】
ところで、(A−A´)≦αは、原点が図4で説明した一番下のピッチ内のどこかに設定されたことを意味する。言い換えれば、原点が図4で説明した一番下のピッチ内のどこかに設定されていれば、以後、制御装置はこの原点を0点として位置センサ130からの検出値に修正を加え、この修正値を使用して位置制御が行われることを意味する。
【0019】
次に、上記の動作を自動で行うための制御プログラムについて説明する。この制御プログラムは制御装置の保有する記憶装置に格納されている。制御装置は、オペレータにより自動による原点決定が指示されると、記憶装置からこの制御プログラムを読み出して、図3に示すような手順により自動的に原点決定動作を実行する。
【0020】
図3において、本原点決定動作は、原点決定を自動で行うことが指示されるとスタートする。ステップS1では、制御装置がサーボ弁をピストン体101が停止するまで排気側に駆動する。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS2)。この判別は、検出値が一定時間変化しないことをもって行われる。ピストン体101が停止したことを判別すると、制御装置はその時に得られた位置センサ130の検出値Aを読み取り、仮の原点として記憶装置に記憶する(ステップS3)。ステップS1〜S3はまとめて第1のステップと呼ばれても良い。
【0021】
この第1のステップに続いて、制御装置はサーボ弁をピストン体が停止するまで給気側に駆動する(ステップS4)。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS5)。ピストン体101の停止を判別したら、制御装置は再びピストン体が停止するまで排気側に駆動する(ステップS6)。制御装置は、位置センサ130からの検出値を監視してピストン体101の停止の有無を判別する(ステップS7)。ピストン体101が停止したことを判別すると、制御装置はその時に得られた位置センサ130の検出値A´を読み取り、記憶装置に記憶する(ステップS8)。ステップS4〜S8はまとめて第2のステップと呼ばれても良い。
【0022】
この第2のステップに続いて、制御装置は、記憶された検出値A、A´を用いて(A−A´)の演算を行い、この演算結果があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別する(ステップS9)。判別の結果、(A−A´)≦αであれば、検出値A´を原点として決定する(ステップS10)。一方、(A−A´)>αの場合には、制御装置は位置センサ130に異常があるものと判別してアラームを発生する(ステップS11)。この場合、オペレータは、アラームの発生原因を追及して発生原因を除去する。発生原因が除去されたら、再び自動による原点決定を指示して、制御装置により上記のステップを実行させる。ステップS9〜S11はまとめて第3のステップと呼ばれても良い。
【0023】
なお、上記のα(=8.195mm)は一例であり、この値に限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
本発明による原点決定方法によれば、0接点及び原点センサが不要になり、センサの性能に依存することなく原点を創出することができる。
【0025】
また、本発明による制御プログラムによれば、原点決定を自動化することができるので、原点決定に伴うオペレータの作業を簡略化して負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原点決定方法を説明するために本方法が適用されるエアアクチュエータの主要部の構造を示した断面図である。
【図2】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータに備えられるサーボ弁の弁開度の変化を示した図である。
【図3】本発明による方法を制御プログラムにより自動で行う場合の動作の流れを示すフローチャート図である。
【図4】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータに備えられる位置センサの検出精度を説明するための図である。
【図5】本発明による方法が適用されるエアアクチュエータの概略構成を示した図である。
【図6】図5に示されたエアアクチュエータにおける位置センサの構造を説明するための図である。
【符号の説明】
100 空気圧シリンダ
101 ピストン体
102 ピストンロッド
103 ピストンヘッド
105 ロッド側圧力室
106 ヘッド側圧力室
130 位置センサ
Claims (3)
- シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサとを含む流体圧アクチュエータの原点決定方法であって、
前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点とし、
次に、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を求め、
(A−A´)があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点とすることを特徴とする流体圧アクチュエータの原点決定方法。 - 請求項1に記載の原点決定方法において、前記流体圧シリンダの前記他方の圧力室側に面している部分の軸方向延長線上には該他方の圧力室から離れる前記軸方向延長線方向に延びる孔が形成されており、一方、前記他方の圧力室側に面している前記ピストンヘッドの前記軸方向延長線上には位置検出用のロッドが前記軸方向延長線方向に延びかつ前記孔に挿入されるように設けられており、前記孔にはまた前記位置検出用のロッドが挿通するように組み合わされてその移動量を検出するためのセンサ部が固定されて前記ピストン体の位置を検出するための前記位置センサを構成していることを特徴とする流体圧アクチュエータの原点決定方法。
- シリンダと、このシリンダ内にスライド可能に収容されたピストンヘッドを持つピストン体と、前記シリンダ内で前記ピストンヘッドを間にした一方の圧力室に定圧の流体を供給すると共に、他方の圧力室にはサーボ弁を介して制御された圧力の流体を供給するための流体回路と、前記ピストン体の位置を検出するための位置センサと、前記サーボ弁を制御するための制御装置とを含む流体圧アクチュエータにおける原点決定のための前記制御装置用制御プログラムであって、
前記制御プログラムは、
前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値Aを仮の原点として記憶する第1のステップと、
該第1のステップに続いて、前記サーボ弁を前記ピストン体が停止するまで給気側に駆動した後、再び前記ピストン体が停止するまで排気側に駆動してその時に得られる前記位置センサの検出値A´を記憶する第2のステップと、
前記記憶された検出値A、A´を用いて(A−A´)の演算を行い、該演算結果があらかじめ定められた範囲α内に入っているかを判別して入っていた時に前記検出値A´を原点と決定する第3のステップとを含むことを特徴とする流体圧アクチュエータにおける原点決定のための制御プログラム。
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JP2003089940A JP2004295747A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 流体圧アクチュエータの原点決定方法及びそのための制御プログラム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101115359B1 (ko) | 2010-01-21 | 2012-03-07 | 주식회사 에네스코 | 제어작동기 중립점 측정 장치 및 방법 |
JP2014533833A (ja) * | 2011-11-17 | 2014-12-15 | イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド | 自動車の衝突シミュレーション試験装置および試験装置を操作する方法 |
CN107061383A (zh) * | 2016-02-10 | 2017-08-18 | C K D株式会社 | 伺服气缸系统 |
CN114593110A (zh) * | 2020-12-07 | 2022-06-07 | 住友重机械工业株式会社 | 气动致动器的控制方法及控制运算装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003089940A patent/JP2004295747A/ja not_active Withdrawn
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