JP2004294145A - 回転センサ付軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】着磁幅を狭めることなく、高分解能化した回転センサ付軸受を提供する。
【解決手段】回転側軌道輪2に、磁気特性を円周方向に周期的に変化させた被検出部7を取付ける。被検出部7の磁気特性は、回転側軌道輪2の1回転に対して2周期以上に変化させる。被検出部7に対向してアナログ出力の磁気センサ8a,8bからなる磁気検出部8を設ける。磁気検出部8により検出される信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段31を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】回転側軌道輪2に、磁気特性を円周方向に周期的に変化させた被検出部7を取付ける。被検出部7の磁気特性は、回転側軌道輪2の1回転に対して2周期以上に変化させる。被検出部7に対向してアナログ出力の磁気センサ8a,8bからなる磁気検出部8を設ける。磁気検出部8により検出される信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段31を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の機器に用いられて機器制御のための回転検出、たとえば、小型モータの回転制御や、事務機器の位置検出のための回転検出等に使用することができ、小型で高分解能の要求される用途等に用いられる回転センサ付軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転センサ付軸受の一般的な形状を図15に示す。図15において、回転センサ付軸受51は、回転側軌道輪である内輪52、固定側軌道輪である外輪53、転動体54、保持器55からなる転がり軸受で構成されており、回転側(たとえば内輪52側)に環状の磁気エンコーダ56が固定され、非回転側(たとえば外輪53側)に磁気センサ57a,57bが上記磁気エンコーダ56に対向して固定されている。磁気センサ57a,57bとしては、ホール素子、ホールICなどが使われる。磁気エンコーダ56は、例えばゴム磁石からなり、図16に示すように円周方向にN極とS極を交互に着磁したものである。磁気センサ57a,57bは、樹脂ケース58内に挿入された状態で樹脂モールドされ、この樹脂ケース58は金属ケース59を介して外輪53に嵌着させることで、外輪53に固定されている。図16に磁気センサの配置を示す。2つの磁気センサ57a,57bは出力位相差(電気角)が90°になるように配置されている。
このように構成することにより、内輪52の回転に伴い、磁気センサ57a,57bが磁気エンコーダ56の磁気変化を検出し、その検出信号は図17のように位相が90°ずれたインクリメンタルな回転パルス信号となる。この信号から内輪52の回転数や回転方向を知ることができる。
この種の回転センサ付軸受は、小型でかつ組立調整が不要であり、さらに堅牢などの特徴を有しており、モータ支持軸受などに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のような構成で1回転当りの出力パルス数を増やして高分解能化するためには、図16に示す磁気エンコーダ56の極数を増やして1極当りの着磁幅を小さくする必要がある。しかし、着磁幅が小さくなるほど磁気エンコーダ56の着磁強度が弱くなるため、磁気センサ57a,57bでの検出が難しくなる。たとえば、磁気エンコーダ56の外径を15mm、N,S合わせた着磁極数を100とした場合、一極当りの着磁幅は約0.47mm(15×π÷100)となるが、着磁幅が小さくなればなるほど着磁も難しくなる。特に、一発着磁法の場合には、着磁極幅が小さくなるに従いコイル線径が細くなるため、大電流を流すことが難しくなる。インデックス着磁法であれば着磁幅が小さくなっても着磁は可能であるが、インデックス着磁法では生産性が悪い。
【0004】
さらに、着磁強度が小さい場合、磁気エンコーダ56と磁気センサ57a,57bの隙間を狭くする必要がある。しかし、回転中における両者の接触を避けるためには、ある程度の隙間管理が必要であるため、隙間範囲は制限される。加えて、A相、B相の2相出力方式の場合、それらの信号を検出する磁気センサ57a,57bを電気角で90°の位相差出力が得られるように配置する必要があるが、着磁幅が狭くなればなるほど磁気センサ57a,57bの取付け誤差が出力位相に与える影響は大きくなる。そのため、磁気センサ57a,57bの位置合わせにおける機械的ガタがあれば、90°位相差は大きくずれることになる。この例の場合、0.1mmのずれが約38度の電気角のずれになるため、磁気センサ57a,57bを固定するための樹脂ケース58のピッチ公差を厳しくする必要がある。
上述のように、従来の構成で出力パルスを高分解能化することは難しく、小径軸受を用いた回転センサ付軸受の出力パルス数は概ね100パルス以下が一般的であり、高分解能が必要となる分野への適用はあまりなかった。
【0005】
この発明の目的は、着磁幅を狭めることなく、高分解能化した回転センサ付軸受を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明における第1の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性を円周方向に周期的に変化させた被検出部と、この被検出部に対向したアナログ出力の磁気センサからなる磁気検出部とを備え、上記被検出部の上記磁気検出部に対する磁気特性を、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させ、上記磁気検出部により検出される上記被検出部の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段を設けたことを特徴とする。
この構成によると、磁気検出部により検出される被検出部の検出信号を、内挿分割手段により周期毎に内挿して分割するようにしたため、1回転における被検出部の周期の数に分割数を乗じた数の分解能が得られる。このため、被検出部の周期の数を増やすことなく高分解能化でき、したがって着磁幅を狭めることなく高分解能化できる。
【0007】
この発明において、上記内挿分割手段により分割された出力信号をパルス変換するパルス変換部を設けても良い。
このパルス変換部を設けた場合、回転検出信号がパルス信号で得られるため、一般的な回転センサと同様に出力を扱うことができる。
【0008】
この発明における第2の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性をそれぞれ円周方向に周期的に変化させた2つの被検出部と、これら被検出部にそれぞれ対向して配置されたアナログ出力の磁気センサからなる2つの磁気検出部とを備える。上記2つの被検出部の内の一つが上記磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させた詳細位置検出用のものであり、他の一つが磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して1周期の変化とした絶対位置検出用のものであり、上記各磁気検出部の信号をそれぞれ周期毎に内挿して分割する2つの内挿分割手段を設ける。
この構成の場合、詳細位置検出用の被検出部と、これに対向する磁気検出部および内挿分割手段により、第1の発明と同じく、1回転における被検出部の周期の数に分割数を乗じた数の分解能が得られ、着磁幅を狭めることなく高分解能化できる。また、絶対位置検出用の被検出部と、これに対向する磁気検出部および内挿分割手段により、絶対位置を検出することができる。この場合に、絶対位置検出用の被検出部に対しても内挿分割手段を設けたため、回転検出の開始時から絶対位置の検出が可能になる。
【0009】
第2の発明において、絶対位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる絶対位置の信号を元にして、詳細位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる信号の絶対位置を算出する絶対位置変換部とを設けても良い。このように、絶対位置変換部を設けた場合、高分解能での絶対位置の検出が行える。
【0010】
また、上記第1の発明において、回転側軌道輪に取付けられた被検出部と、この被検出部に対向して配置された検出部とでなる原点信号の生成手段を追加しても良い。
このように原点信号生成手段を設けた場合、回転検出の開始後に原点信号が1回でも検出できれば、その後は、上記のように1回転に対して2周期以上に変化させた被検出部の信号を内挿分割した信号について、絶対位置を認識することができ、高分解能での絶対位置検出が可能になる。
【0011】
この発明における上記第1および第2の発明の回転センサ付軸受において、被検出部の磁性材として等方性磁石を用いても良い。
被検出部に等方性磁石を用いると、異方性磁石を用いた場合よりも検出信号の振幅が安定する。そのため、より高精度化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1(A)において、回転センサ付軸受は、転動体4を介して互いに回転自在な回転側軌道輪2および固定側軌道輪3を有する軸受部1と、回転側軌道輪2の一端部に設けた被検出部7と、この被検出部7に対抗して固定側軌道輪3の一端部に取付けられた磁気検出部8と、磁気検出回路基板11とを備える。軸受部1は深溝玉軸受からなり、たとえば、その内輪が回転軌道輪2となり、外輪が固定側軌道輪3となる。回転側軌道輪2の外径面および固定側軌道輪3の内径面には転動体4の軌道面2a、3aが形成されており、転動体4は保持器5で保持されている。回転側軌道輪2と固定側軌道輪3の間の環状空間は、被検出部7および磁気検出部8の設置側とは反対側の端部がシール部材6で密封されている。
【0013】
被検出部7はラジアル型のものであって、磁気検出部8に対する磁気特性を円周方向に周期的にかつ連続的に変化させた環状の部品とされている。この磁気特性は、回転側軌道輪2の1回転で2周期以上変化するものであって、ここではP周期(Pは2以上の整数)とする。具体的には、被検出部7は、環状のバックメタル7bと、その外周側に設けられ円周方向に沿って交互に変化する磁極N,Sの極対(N,S合わせて1極対)がP個着磁された磁性体7aとを有する。この被検出部7はバックメタル7bを介して回転側軌道輪2に固着されている。磁性体7aはたとえばゴム磁石が用いられ、バックメタル7bに加硫接着される。磁性体7aはプラスチック磁石や焼結磁石で形成されたものであっても良く、この場合は、バックメタルは必ずしも設けなくても良い。
【0014】
磁気検出部8は、磁束密度に対応した出力信号を発生する2つの磁気センサ8a,8bからなる。これら2つの磁気センサ8a,8bは図1(B)のように円周方向に所定の間隔を持たせて配置されている。ここでは、上記所定の間隔として、電気的に90°位相差を持たせて、つまり被検出部7の1極対の周期(360°)における90°の位相差を持たせて配置されている。これら両磁気センサ8a,8bは共にアナログ出力のセンサからなり、たとえば、ホール素子、アナログ出力のホールICなどを使用することができる。これら磁気検出部8a,8bは、図1(A)のように磁気検出回路基板11に実装され、この磁気検出回路基板11と共に樹脂ケース9内に挿入した後に樹脂モールドされる。この樹脂ケース9を、金属ケース10を介して固定側軌道輪3に固定することにより、磁気検出部8a,8bおよび磁気検出回路基板11が固定軌道輪3に取付けられている。磁気検出回路基板11は、磁気検出部8への電力供給を行う回路、および磁気検出部8の出力信号を処理して外部に出力するための信号処理回路12を実装した基板である。
【0015】
この信号処理回路12に、磁気センサ8a,8bにより検出される被検出部7の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段31(図1(C))が設けられている。また内挿分割手段31の後段に、内挿分割手段31で分割された出力をパルス変換するパルス変換部16が設けられている。内挿分割手段31は例えば次のように内挿によるn分割(nは2以上の整数)を行う。
【0016】
図2は、回転側軌道輪2の回転に伴う磁気センサ8a,8bの検出信号の波形を示す。この例は、被検出部7の磁性体7aに着磁した極対の個数Pが8の場合であり、回転側軌道輪2が1回転する間に、位相差が90°のP周期(この例の場合には8周期)の正弦波状の信号が得られる。磁気検出部8としてアナログ出力のホールICを用いた場合、その電源電圧Vcの半分の値Vc/2を基準として、磁性体7aに着磁した1極対の磁極N,Sごとに1周期の正弦波出力(1X、2X…、8X P=8の場合)が得られる。これらの出力信号を電気的に処理することで、1極対で得られる正弦波信号を内挿してn分割すれば(nは2以上の整数)、回転側軌道輪2の1回転をn×P 分割することになる。たとえば、分割数nが32、対極数Pが8であれば、回転側軌道輪2の1回転を32×8=256分割するようになり、着磁ピッチを小さくすることなく高分解能化が図られる。すなわち、着磁幅を小さくすることなく高分解能化が図られる。
【0017】
図3は、上記内挿分割手段31によって、90°位相差の正弦波1周期を内挿分割する処理の一例を示す。磁気センサ8a,8bの出力の中点(Vc /2)を0として、磁気センサ8bの出力信号を磁気センサ8aの出力信号で割ることで得られる出力比b/a(図中1点鎖線)と、磁気センサ8a,8bの象限判別から得られる正弦波1周期内の象限位置を元にして、出力比b/aと位置の関係を示す補正テーブル15a(図4)から電気角360°内の位置を知ることができる。このようにして得た位置の値を元にして電気角で360°の範囲を内挿分割する。
【0018】
図4は2つの磁気センサ8a,8bの信号から回転パルス信号を作る信号処理回路の例であり、信号処理回路12は磁気検出回路基板11内に実装されている。この信号処理回路12は、内挿分割手段31とその後段のパルス変換部16とからなる。内挿分割手段31は、磁気センサ8a,8bの出力比を求める除算器13、象限判別部14、および補正演算部15からなり、補正演算部15に補正テーブル15aが設けられている。磁気センサ8aの出力をa、磁気検出部8bの出力をbとすると、除算器13はその出力比b/aを求める。出力比の求め方は、アナログ信号処理で求めても良いし、除算器13の入力段に図示しないA/D変換回路を内蔵させてデジタル的な処理をしても構わない。また、象限判別部14は、被検出部7の1極対から得られる電気角で360°の範囲を象限判別し、その判別結果を補正演算部15に出力する。補正演算部15は、予め出力比b/aと電気角との対応を付けた補正テーブル15aを記憶手段(図示せず)に有しており、入力された出力比b/aを補正テーブル15aと対応させた結果と、象限判別結果とで、電気角360°の範囲をn分割した回転位置の検出信号を生成する。この処理回路12として、A/D変換器とメモリを内蔵したワンチップマイコンを用いれば、回路が簡略化されて好都合である。
【0019】
補正演算部15は、図4に点線部で示すように、n分割した回転位置の検出信号をコード出力として多ビット(bit)で取り出すものとされ、パルス変換部16はそのコード出力をパルス出力に変換するものとされる。この場合、回転側軌道輪2の1回転で、図5(A)(B)に示すような0からn−1を繰り返すコード出力がP回得られる。出力コードの最下位ビットのみの信号を取り出せば、図5(C)に示すように回転側軌道輪2の1回転でn×P パルスが得られる。たとえば、分割数nを256、対極数Pを8とすれば、256×8=2048パルスと高分解能が得られる。
パルス変換部16は、次のようにコード出力のビット操作でA相,B相を作る2位相信号生成手段16aを有するものとしても良い。すなわち、2位相信号生成手段16aは、図6に示すように、図5(A)で得られたn分割したコード出力の内、ビット1の信号をA相、ビット0とビット1の排他的論理和を取った信号をB相とする。これにより一般的なエンコーダ信号と同じものが得られる。
【0020】
なお、上記実施形態では、内挿分割の手法として磁気センサ8a,8bの出力比を元に求めたが、内挿分割手段31は、磁気センサ8a,8bの正弦波出力を元にした抵抗分割方式による内挿分割方法など、他の内挿分割方法を用いるものであっても構わない。
【0021】
図7ないし図11はこの発明における第2の発明に対応する実施形態を示す。第1の実施形態では、回転側軌道輪2の絶対位置は分からず、インクリメンタルエンコーダのような使い方となるが、第2の実施形態は、回転側軌道輪2の1回転を高分解能でしかも絶対位置検出を可能にしたものである。
図1(A)の第1の実施形態との違いは、被検出部7´のバックメタル7b´に1つの極対の着磁を施した絶対位置検出用の被検出部18を固着し、それに対向する位置に磁気検出部19を追加したことである。被検出部7´は、詳細位置の検出用のものであり、第1の実施形態における被検出部7とは、絶対位置検出用の被検出部18を取付可能としたことを除いて同じ構成である。絶対位置検出用の被検出部18は、環状のバックメタル18bと、その外周に設けられた周方向に沿って変化する磁極N,Sの極対が1つ着磁された磁性体18aとを有する。この被検出部18は、バックメタル18bを介して被検出部7´のバックメタル7b´に圧入固着されている。磁性体18aは、たとえばゴム磁石が用いられ、バックメタル18bに加硫接着される。磁性体18aはゴム磁石の他にプラスチック磁石や焼結磁石で形成されたものであっても良く、バックメタル18bは必ずしも設けなくても良い。なお、絶対位置検出用の被検出部18の磁性体18aと詳細位置検出用の被検出部7´の磁性体7a´とは、一定の隙間20を保っており、お互いの磁力が影響して磁気検出部8,19の出力が乱れるのを防止している。
【0022】
図7(A)の断面Z−Zを図7(B)に、断面Y−Yを図7(C)にそれぞれ示す。なお、断面Z−Zを示す図7(B)は、図1(B)と同じ構成であるため説明を省略する。磁気検出部19は、磁束密度に対応した出力信号を発生する2つの磁気センサ19a,19bからなる。これら2つの磁気センサ19a,19bは、図7(C)のように円周方向に所定の間隔(ここでは電気的に90°位相差)を持たせて配置されている。これら両磁気センサ19a,19bは共にアナログセンサからなり、たとえば、ホール素子、アナログ出力のホールICなどを使用することができる。これら磁気センサ19a,19bは、図7(A)のように磁気検出回路基板11′に実装される。
【0023】
なお、被検出部7´と被検出部18とは互いに一体化した構成でも良く、この場合の実施形態を図8に示す。バックメタル21bの外周上には2つの磁性体21a、21cが設けられ、その間にはお互いの磁力が影響しないように隙間21dが形成されている。
【0024】
ここでは図7(A)を参照して説明を行う。磁気センサ8a´,8b´と磁気センサ19a,19bの出力を図9に示す。図9(A)は、回転側軌道輪2が1回転した時に得られる磁気センサ8a´,8b´の出力であり、図2に示した出力と同じである。図9(B)は回転側軌道輪2が1回転した時に得られる磁気センサ19a,19bの出力を表しており、この信号から図3と共に前述したと同様に内挿して分割することで、回転側軌道輪2の1回転中の絶対位置を知ることが可能となる。
【0025】
図10はその処理回路例である。この信号処理回路22の図4の信号処理回路12との相違は、磁気センサ19a,19bの信号を処理する内挿分割手段32が追加され、かつ絶対位置変換部23がパルス変換部16に代えて設けられていることである。内挿分割手段32は、磁気センサ19a,19bから得られる回転側軌道輪2の1回転で1周期の90°位相差信号から、回転側軌道輪2の1回転中の絶対位置を知る回路である。これら内挿分割手段32および絶対位置変換部23の追加により、図7(A)に示す回転側軌道輪2の回転に伴って得られる磁気センサ8a´,8b´のP周期発生する正弦波の順番が特定できる。このため、回転側軌道輪2の回転角を絶対位置として識別可能となる。
【0026】
図10の下部の内挿分割手段32は、磁気センサ19a,19bの出力比を求める除算器13′、象限判別部14′、および補正演算手段15′からなる。磁気センサ19aの出力をa1′、磁気検出部19bの出力をb1′とすると、除算器13′はその出力比b1′/a1′を求める。出力比の求め方は、アナログ信号処理で求めても良いし、除算器13′の入力段に図示しないA/D変換回路を内蔵させてデジタル的な処理をしても構わない。象限判別部14′は、被検出部18から得られる電気角で360°(この場合は機械角も360°)の範囲を象限判別して、その判別結果を補正演算手段15′に入力する。補正演算手段15′は、予め出力比と電気角との対応を付けた補正テーブル15a′を記憶手段に有しており、入力された出力比b1′/a1′を補正テーブル15a′と対応させた結果と象限判別結果とで、回転側軌道輪2の絶対位置θ′を求める。なお、この絶対位置θ′は、磁気センサ8a´,8b´から得られる複数の正弦波が何番目に相当するかを知るためのものであるので、正確な絶対位置検出は不要である。図10の上部に示した内挿分割手段31は、図4と同じであるため説明は省略する。この内挿分割手段31により、多極対の着磁側の磁気センサ出力処理から得られる電気角θの情報と、1極対の着磁側の磁気センサ出力処理から得られる絶対位置θ′を元に、絶対位置変換部23からは高分解能化した絶対位置出力を得ることができる。
【0027】
図11は、絶対位置変換部23の内部処理を示す。回転側軌道輪2が1回転する間に0からn−1を繰返し出力する複数ビットで表されるコード出力θを、絶対位置変換部23の出力の下位ビット側とし、回転側軌道輪2の大まかな絶対位置θ′を元にして、θが何周期目に相当するかを求める。それを2進コードで表したものを絶対位置変換部の上位ビットに付け合せたものが、最終的な絶対位置出力となる。こうすることで、回転側軌道輪2の絶対位置検出を高分解能で表示することが可能となる。また、回転側軌道輪2の1回転で1周期の正弦波を内挿分割して得られる絶対位置分解能に比べて精度が良くなる。
【0028】
図12は第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態に原点信号の生成手段33を追加したものである。第1の実施形態では、出力コードあるいは出力パルスから回転軌道輪2の絶対位置検出は不可能であったが、原点信号を付加することにより、電源投入後、最低1回でも原点信号を検出できれば、複数周期発生する正弦波出力が何番目のものか識別することが可能となる。
被検出部24は、図1に示した被検出部7とほぼ同じ構成であるが、原点信号を検出するため、被検出部24は図13(A)または同図(B)のように、N,Sを交互に着磁した連続着磁部24aの内、1ないし3着磁幅の部分だけ着磁部が軸方向に長くなるように凸部24c(または24c´)が形成されている。この凸部24c(または24c´)が原点信号用の被検出部となる。この凸部24c,24c´に対向して原点検出用の検出部25が配置される。被検出部24の着磁は、連続着磁部24aと凸部24c(または24c´)を同時に行えるため、特殊な着磁ヨークは不要である。なお、原点信号用として着磁される凸部24c,24c´以外の部分は1段低い凹部24bとなっている。そのため、原点用の検出部25との隙間が大きくなり、例え凹部24bが僅かに着磁されていたとしても、凹部24bでは原点検出部25は磁力を検出しないようになり、誤動作の心配はない。
【0029】
原点検出部25としては、デジタル信号として出力する片側磁界型ホールICが使用できる。ホールICの表面にS極が近づいた時にオン、N極あるいは凹部24bが近づいた時にオフとなる。
【0030】
図14は、第3の実施形態の出力例を示す。連続着磁部24aの磁気を検出する磁気検出部8の信号処理は図4と同じであり、回転側軌道輪2の1回転(機械角で360°)の間に、連続着磁部24aに着磁した極対数と同じ回数だけコード出力の繰返しが得られる。また、原点検出部25からは、回転側軌道輪2の1回転で1回のパルスが得られる。原点信号を少なくとも1回検出できれば、その後は、コード出力が何番目の周期のものであるかが判断できるため、その後は絶対位置検出が可能となる。なお、原点信号生成部33は、磁気的に検出するものに限らず、例えば光学的に検出するものであっても良い。第3の実施形態におけるその他の構成効果は第1の実施形態と同じである。
【0031】
なお、上記各実施形態では、いずれも2つの磁気センサ信号を除算しているため、2つの出力信号の振幅差があってもあまり精度には影響を与えないが、磁気センサから得られる正弦波振幅を一定にしたほうが精度は向上する。そのため、被検出部7,7′,24の磁性体としては、異方性フェライト磁石よりも等方性フェライト磁石の方が好ましい。等方性フェライト磁石の方が、正弦波振幅が一定になる。また角度算出する時の上記各補正テーブル15a,15a′の値は、実測データを元に補正した固有値を入れることで精度分割精度を上げることも可能である。
また上記各実施形態では、ラジアル方式の被検出部7,7′,24としたが、アキシアルタイプであっても構わない。また、処理回路12等を磁気検出回路基板11に実装する形で説明してきたが、回路のすべて、あるいはその一部を図示しない出力ケーブルの途中に入れても構わないし、外部回路側に処理回路機能を持たせても良い。
【0032】
【発明の効果】
この発明における第1の発明の回転センサ付軸受は、被検出部の磁気検出部に対する磁気特性を、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させ、磁気検出部により検出される被検出部の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段を設けたため、着磁幅を狭めることなく、高分解能化できる。
この発明における第2の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させた詳細位置検出用の被検出部と、1回転に対して1周期の変化とした絶対位置検出用の被検出部とを設け、各磁気検出部の信号をそれぞれ周期毎に内挿して分割する2つの内挿分割手段を設けたため、着磁幅を狭めることなく、高分解能での絶対位置検出が可能となり、また検出開始の初期から全体位置検出が可能になる。
第1の発明において、原点信号の生成手段を追加した場合は、検出を開始して原点検出が一度なされた後は、絶対位置検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、それぞれこの発明の第1の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分破断側面図、その被検出部,磁気検出部の正面図、およびその処理回路の概略ブロック図である。
【図2】磁気センサ出力の説明図である。
【図3】磁気センサ出力から内挿分割を行う処理の説明図である。
【図4】処理回路のブロック図である。
【図5】磁気検出部の出力の処理例の説明図である。
【図6】A相,B相を作る2位相信号生成手段の回路図である。
【図7】(A)は第2の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分破断側面図、(B)は同図(A)のZ−Z断面図、(C)は同図(A)のY−Y断面図である。
【図8】第2の実施形態にかかる回転センサ付軸受の変形例の部分断面図である。
【図9】第2の実施形態における磁気センサ出力の説明図である。
【図10】同実施形態における処理回路のブロック図である。
【図11】絶対位置変換部の変換処理の説明図である。
【図12】この発明の第3の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分断面図である。
【図13】その被検出部の各例の斜視図である。
【図14】各磁気センサの出力例の波形図である。
【図15】従来例の断面図である。
【図16】同従来例の被検出部と磁気検出部の関係を示す正面図である。
【図17】同従来例のセンサ出力の波形図である。
【符号の説明】
1…軸受部
2…回転側軌道輪
3…固定側軌道輪
4…転動体
7…被検出部
7a…磁性体
7b…バックメタル
7′…詳細位置検出用の被検出部
8…磁気検出部
8a,8b…磁気センサ
12…信号処理回路
16…パルス変換部
18…絶対位置検出用の被検出部
18a…磁性体
18b…バックメタル
19…磁気センサ(磁気検出部)
23…絶対位置変換部
24…被検出部
24a…連続着磁部
24c,24c′…凸部(被検出部)
31…内挿分割手段
32…内挿分割手段
33…原点信号の生成手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の機器に用いられて機器制御のための回転検出、たとえば、小型モータの回転制御や、事務機器の位置検出のための回転検出等に使用することができ、小型で高分解能の要求される用途等に用いられる回転センサ付軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転センサ付軸受の一般的な形状を図15に示す。図15において、回転センサ付軸受51は、回転側軌道輪である内輪52、固定側軌道輪である外輪53、転動体54、保持器55からなる転がり軸受で構成されており、回転側(たとえば内輪52側)に環状の磁気エンコーダ56が固定され、非回転側(たとえば外輪53側)に磁気センサ57a,57bが上記磁気エンコーダ56に対向して固定されている。磁気センサ57a,57bとしては、ホール素子、ホールICなどが使われる。磁気エンコーダ56は、例えばゴム磁石からなり、図16に示すように円周方向にN極とS極を交互に着磁したものである。磁気センサ57a,57bは、樹脂ケース58内に挿入された状態で樹脂モールドされ、この樹脂ケース58は金属ケース59を介して外輪53に嵌着させることで、外輪53に固定されている。図16に磁気センサの配置を示す。2つの磁気センサ57a,57bは出力位相差(電気角)が90°になるように配置されている。
このように構成することにより、内輪52の回転に伴い、磁気センサ57a,57bが磁気エンコーダ56の磁気変化を検出し、その検出信号は図17のように位相が90°ずれたインクリメンタルな回転パルス信号となる。この信号から内輪52の回転数や回転方向を知ることができる。
この種の回転センサ付軸受は、小型でかつ組立調整が不要であり、さらに堅牢などの特徴を有しており、モータ支持軸受などに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のような構成で1回転当りの出力パルス数を増やして高分解能化するためには、図16に示す磁気エンコーダ56の極数を増やして1極当りの着磁幅を小さくする必要がある。しかし、着磁幅が小さくなるほど磁気エンコーダ56の着磁強度が弱くなるため、磁気センサ57a,57bでの検出が難しくなる。たとえば、磁気エンコーダ56の外径を15mm、N,S合わせた着磁極数を100とした場合、一極当りの着磁幅は約0.47mm(15×π÷100)となるが、着磁幅が小さくなればなるほど着磁も難しくなる。特に、一発着磁法の場合には、着磁極幅が小さくなるに従いコイル線径が細くなるため、大電流を流すことが難しくなる。インデックス着磁法であれば着磁幅が小さくなっても着磁は可能であるが、インデックス着磁法では生産性が悪い。
【0004】
さらに、着磁強度が小さい場合、磁気エンコーダ56と磁気センサ57a,57bの隙間を狭くする必要がある。しかし、回転中における両者の接触を避けるためには、ある程度の隙間管理が必要であるため、隙間範囲は制限される。加えて、A相、B相の2相出力方式の場合、それらの信号を検出する磁気センサ57a,57bを電気角で90°の位相差出力が得られるように配置する必要があるが、着磁幅が狭くなればなるほど磁気センサ57a,57bの取付け誤差が出力位相に与える影響は大きくなる。そのため、磁気センサ57a,57bの位置合わせにおける機械的ガタがあれば、90°位相差は大きくずれることになる。この例の場合、0.1mmのずれが約38度の電気角のずれになるため、磁気センサ57a,57bを固定するための樹脂ケース58のピッチ公差を厳しくする必要がある。
上述のように、従来の構成で出力パルスを高分解能化することは難しく、小径軸受を用いた回転センサ付軸受の出力パルス数は概ね100パルス以下が一般的であり、高分解能が必要となる分野への適用はあまりなかった。
【0005】
この発明の目的は、着磁幅を狭めることなく、高分解能化した回転センサ付軸受を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明における第1の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性を円周方向に周期的に変化させた被検出部と、この被検出部に対向したアナログ出力の磁気センサからなる磁気検出部とを備え、上記被検出部の上記磁気検出部に対する磁気特性を、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させ、上記磁気検出部により検出される上記被検出部の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段を設けたことを特徴とする。
この構成によると、磁気検出部により検出される被検出部の検出信号を、内挿分割手段により周期毎に内挿して分割するようにしたため、1回転における被検出部の周期の数に分割数を乗じた数の分解能が得られる。このため、被検出部の周期の数を増やすことなく高分解能化でき、したがって着磁幅を狭めることなく高分解能化できる。
【0007】
この発明において、上記内挿分割手段により分割された出力信号をパルス変換するパルス変換部を設けても良い。
このパルス変換部を設けた場合、回転検出信号がパルス信号で得られるため、一般的な回転センサと同様に出力を扱うことができる。
【0008】
この発明における第2の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性をそれぞれ円周方向に周期的に変化させた2つの被検出部と、これら被検出部にそれぞれ対向して配置されたアナログ出力の磁気センサからなる2つの磁気検出部とを備える。上記2つの被検出部の内の一つが上記磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させた詳細位置検出用のものであり、他の一つが磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して1周期の変化とした絶対位置検出用のものであり、上記各磁気検出部の信号をそれぞれ周期毎に内挿して分割する2つの内挿分割手段を設ける。
この構成の場合、詳細位置検出用の被検出部と、これに対向する磁気検出部および内挿分割手段により、第1の発明と同じく、1回転における被検出部の周期の数に分割数を乗じた数の分解能が得られ、着磁幅を狭めることなく高分解能化できる。また、絶対位置検出用の被検出部と、これに対向する磁気検出部および内挿分割手段により、絶対位置を検出することができる。この場合に、絶対位置検出用の被検出部に対しても内挿分割手段を設けたため、回転検出の開始時から絶対位置の検出が可能になる。
【0009】
第2の発明において、絶対位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる絶対位置の信号を元にして、詳細位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる信号の絶対位置を算出する絶対位置変換部とを設けても良い。このように、絶対位置変換部を設けた場合、高分解能での絶対位置の検出が行える。
【0010】
また、上記第1の発明において、回転側軌道輪に取付けられた被検出部と、この被検出部に対向して配置された検出部とでなる原点信号の生成手段を追加しても良い。
このように原点信号生成手段を設けた場合、回転検出の開始後に原点信号が1回でも検出できれば、その後は、上記のように1回転に対して2周期以上に変化させた被検出部の信号を内挿分割した信号について、絶対位置を認識することができ、高分解能での絶対位置検出が可能になる。
【0011】
この発明における上記第1および第2の発明の回転センサ付軸受において、被検出部の磁性材として等方性磁石を用いても良い。
被検出部に等方性磁石を用いると、異方性磁石を用いた場合よりも検出信号の振幅が安定する。そのため、より高精度化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1(A)において、回転センサ付軸受は、転動体4を介して互いに回転自在な回転側軌道輪2および固定側軌道輪3を有する軸受部1と、回転側軌道輪2の一端部に設けた被検出部7と、この被検出部7に対抗して固定側軌道輪3の一端部に取付けられた磁気検出部8と、磁気検出回路基板11とを備える。軸受部1は深溝玉軸受からなり、たとえば、その内輪が回転軌道輪2となり、外輪が固定側軌道輪3となる。回転側軌道輪2の外径面および固定側軌道輪3の内径面には転動体4の軌道面2a、3aが形成されており、転動体4は保持器5で保持されている。回転側軌道輪2と固定側軌道輪3の間の環状空間は、被検出部7および磁気検出部8の設置側とは反対側の端部がシール部材6で密封されている。
【0013】
被検出部7はラジアル型のものであって、磁気検出部8に対する磁気特性を円周方向に周期的にかつ連続的に変化させた環状の部品とされている。この磁気特性は、回転側軌道輪2の1回転で2周期以上変化するものであって、ここではP周期(Pは2以上の整数)とする。具体的には、被検出部7は、環状のバックメタル7bと、その外周側に設けられ円周方向に沿って交互に変化する磁極N,Sの極対(N,S合わせて1極対)がP個着磁された磁性体7aとを有する。この被検出部7はバックメタル7bを介して回転側軌道輪2に固着されている。磁性体7aはたとえばゴム磁石が用いられ、バックメタル7bに加硫接着される。磁性体7aはプラスチック磁石や焼結磁石で形成されたものであっても良く、この場合は、バックメタルは必ずしも設けなくても良い。
【0014】
磁気検出部8は、磁束密度に対応した出力信号を発生する2つの磁気センサ8a,8bからなる。これら2つの磁気センサ8a,8bは図1(B)のように円周方向に所定の間隔を持たせて配置されている。ここでは、上記所定の間隔として、電気的に90°位相差を持たせて、つまり被検出部7の1極対の周期(360°)における90°の位相差を持たせて配置されている。これら両磁気センサ8a,8bは共にアナログ出力のセンサからなり、たとえば、ホール素子、アナログ出力のホールICなどを使用することができる。これら磁気検出部8a,8bは、図1(A)のように磁気検出回路基板11に実装され、この磁気検出回路基板11と共に樹脂ケース9内に挿入した後に樹脂モールドされる。この樹脂ケース9を、金属ケース10を介して固定側軌道輪3に固定することにより、磁気検出部8a,8bおよび磁気検出回路基板11が固定軌道輪3に取付けられている。磁気検出回路基板11は、磁気検出部8への電力供給を行う回路、および磁気検出部8の出力信号を処理して外部に出力するための信号処理回路12を実装した基板である。
【0015】
この信号処理回路12に、磁気センサ8a,8bにより検出される被検出部7の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段31(図1(C))が設けられている。また内挿分割手段31の後段に、内挿分割手段31で分割された出力をパルス変換するパルス変換部16が設けられている。内挿分割手段31は例えば次のように内挿によるn分割(nは2以上の整数)を行う。
【0016】
図2は、回転側軌道輪2の回転に伴う磁気センサ8a,8bの検出信号の波形を示す。この例は、被検出部7の磁性体7aに着磁した極対の個数Pが8の場合であり、回転側軌道輪2が1回転する間に、位相差が90°のP周期(この例の場合には8周期)の正弦波状の信号が得られる。磁気検出部8としてアナログ出力のホールICを用いた場合、その電源電圧Vcの半分の値Vc/2を基準として、磁性体7aに着磁した1極対の磁極N,Sごとに1周期の正弦波出力(1X、2X…、8X P=8の場合)が得られる。これらの出力信号を電気的に処理することで、1極対で得られる正弦波信号を内挿してn分割すれば(nは2以上の整数)、回転側軌道輪2の1回転をn×P 分割することになる。たとえば、分割数nが32、対極数Pが8であれば、回転側軌道輪2の1回転を32×8=256分割するようになり、着磁ピッチを小さくすることなく高分解能化が図られる。すなわち、着磁幅を小さくすることなく高分解能化が図られる。
【0017】
図3は、上記内挿分割手段31によって、90°位相差の正弦波1周期を内挿分割する処理の一例を示す。磁気センサ8a,8bの出力の中点(Vc /2)を0として、磁気センサ8bの出力信号を磁気センサ8aの出力信号で割ることで得られる出力比b/a(図中1点鎖線)と、磁気センサ8a,8bの象限判別から得られる正弦波1周期内の象限位置を元にして、出力比b/aと位置の関係を示す補正テーブル15a(図4)から電気角360°内の位置を知ることができる。このようにして得た位置の値を元にして電気角で360°の範囲を内挿分割する。
【0018】
図4は2つの磁気センサ8a,8bの信号から回転パルス信号を作る信号処理回路の例であり、信号処理回路12は磁気検出回路基板11内に実装されている。この信号処理回路12は、内挿分割手段31とその後段のパルス変換部16とからなる。内挿分割手段31は、磁気センサ8a,8bの出力比を求める除算器13、象限判別部14、および補正演算部15からなり、補正演算部15に補正テーブル15aが設けられている。磁気センサ8aの出力をa、磁気検出部8bの出力をbとすると、除算器13はその出力比b/aを求める。出力比の求め方は、アナログ信号処理で求めても良いし、除算器13の入力段に図示しないA/D変換回路を内蔵させてデジタル的な処理をしても構わない。また、象限判別部14は、被検出部7の1極対から得られる電気角で360°の範囲を象限判別し、その判別結果を補正演算部15に出力する。補正演算部15は、予め出力比b/aと電気角との対応を付けた補正テーブル15aを記憶手段(図示せず)に有しており、入力された出力比b/aを補正テーブル15aと対応させた結果と、象限判別結果とで、電気角360°の範囲をn分割した回転位置の検出信号を生成する。この処理回路12として、A/D変換器とメモリを内蔵したワンチップマイコンを用いれば、回路が簡略化されて好都合である。
【0019】
補正演算部15は、図4に点線部で示すように、n分割した回転位置の検出信号をコード出力として多ビット(bit)で取り出すものとされ、パルス変換部16はそのコード出力をパルス出力に変換するものとされる。この場合、回転側軌道輪2の1回転で、図5(A)(B)に示すような0からn−1を繰り返すコード出力がP回得られる。出力コードの最下位ビットのみの信号を取り出せば、図5(C)に示すように回転側軌道輪2の1回転でn×P パルスが得られる。たとえば、分割数nを256、対極数Pを8とすれば、256×8=2048パルスと高分解能が得られる。
パルス変換部16は、次のようにコード出力のビット操作でA相,B相を作る2位相信号生成手段16aを有するものとしても良い。すなわち、2位相信号生成手段16aは、図6に示すように、図5(A)で得られたn分割したコード出力の内、ビット1の信号をA相、ビット0とビット1の排他的論理和を取った信号をB相とする。これにより一般的なエンコーダ信号と同じものが得られる。
【0020】
なお、上記実施形態では、内挿分割の手法として磁気センサ8a,8bの出力比を元に求めたが、内挿分割手段31は、磁気センサ8a,8bの正弦波出力を元にした抵抗分割方式による内挿分割方法など、他の内挿分割方法を用いるものであっても構わない。
【0021】
図7ないし図11はこの発明における第2の発明に対応する実施形態を示す。第1の実施形態では、回転側軌道輪2の絶対位置は分からず、インクリメンタルエンコーダのような使い方となるが、第2の実施形態は、回転側軌道輪2の1回転を高分解能でしかも絶対位置検出を可能にしたものである。
図1(A)の第1の実施形態との違いは、被検出部7´のバックメタル7b´に1つの極対の着磁を施した絶対位置検出用の被検出部18を固着し、それに対向する位置に磁気検出部19を追加したことである。被検出部7´は、詳細位置の検出用のものであり、第1の実施形態における被検出部7とは、絶対位置検出用の被検出部18を取付可能としたことを除いて同じ構成である。絶対位置検出用の被検出部18は、環状のバックメタル18bと、その外周に設けられた周方向に沿って変化する磁極N,Sの極対が1つ着磁された磁性体18aとを有する。この被検出部18は、バックメタル18bを介して被検出部7´のバックメタル7b´に圧入固着されている。磁性体18aは、たとえばゴム磁石が用いられ、バックメタル18bに加硫接着される。磁性体18aはゴム磁石の他にプラスチック磁石や焼結磁石で形成されたものであっても良く、バックメタル18bは必ずしも設けなくても良い。なお、絶対位置検出用の被検出部18の磁性体18aと詳細位置検出用の被検出部7´の磁性体7a´とは、一定の隙間20を保っており、お互いの磁力が影響して磁気検出部8,19の出力が乱れるのを防止している。
【0022】
図7(A)の断面Z−Zを図7(B)に、断面Y−Yを図7(C)にそれぞれ示す。なお、断面Z−Zを示す図7(B)は、図1(B)と同じ構成であるため説明を省略する。磁気検出部19は、磁束密度に対応した出力信号を発生する2つの磁気センサ19a,19bからなる。これら2つの磁気センサ19a,19bは、図7(C)のように円周方向に所定の間隔(ここでは電気的に90°位相差)を持たせて配置されている。これら両磁気センサ19a,19bは共にアナログセンサからなり、たとえば、ホール素子、アナログ出力のホールICなどを使用することができる。これら磁気センサ19a,19bは、図7(A)のように磁気検出回路基板11′に実装される。
【0023】
なお、被検出部7´と被検出部18とは互いに一体化した構成でも良く、この場合の実施形態を図8に示す。バックメタル21bの外周上には2つの磁性体21a、21cが設けられ、その間にはお互いの磁力が影響しないように隙間21dが形成されている。
【0024】
ここでは図7(A)を参照して説明を行う。磁気センサ8a´,8b´と磁気センサ19a,19bの出力を図9に示す。図9(A)は、回転側軌道輪2が1回転した時に得られる磁気センサ8a´,8b´の出力であり、図2に示した出力と同じである。図9(B)は回転側軌道輪2が1回転した時に得られる磁気センサ19a,19bの出力を表しており、この信号から図3と共に前述したと同様に内挿して分割することで、回転側軌道輪2の1回転中の絶対位置を知ることが可能となる。
【0025】
図10はその処理回路例である。この信号処理回路22の図4の信号処理回路12との相違は、磁気センサ19a,19bの信号を処理する内挿分割手段32が追加され、かつ絶対位置変換部23がパルス変換部16に代えて設けられていることである。内挿分割手段32は、磁気センサ19a,19bから得られる回転側軌道輪2の1回転で1周期の90°位相差信号から、回転側軌道輪2の1回転中の絶対位置を知る回路である。これら内挿分割手段32および絶対位置変換部23の追加により、図7(A)に示す回転側軌道輪2の回転に伴って得られる磁気センサ8a´,8b´のP周期発生する正弦波の順番が特定できる。このため、回転側軌道輪2の回転角を絶対位置として識別可能となる。
【0026】
図10の下部の内挿分割手段32は、磁気センサ19a,19bの出力比を求める除算器13′、象限判別部14′、および補正演算手段15′からなる。磁気センサ19aの出力をa1′、磁気検出部19bの出力をb1′とすると、除算器13′はその出力比b1′/a1′を求める。出力比の求め方は、アナログ信号処理で求めても良いし、除算器13′の入力段に図示しないA/D変換回路を内蔵させてデジタル的な処理をしても構わない。象限判別部14′は、被検出部18から得られる電気角で360°(この場合は機械角も360°)の範囲を象限判別して、その判別結果を補正演算手段15′に入力する。補正演算手段15′は、予め出力比と電気角との対応を付けた補正テーブル15a′を記憶手段に有しており、入力された出力比b1′/a1′を補正テーブル15a′と対応させた結果と象限判別結果とで、回転側軌道輪2の絶対位置θ′を求める。なお、この絶対位置θ′は、磁気センサ8a´,8b´から得られる複数の正弦波が何番目に相当するかを知るためのものであるので、正確な絶対位置検出は不要である。図10の上部に示した内挿分割手段31は、図4と同じであるため説明は省略する。この内挿分割手段31により、多極対の着磁側の磁気センサ出力処理から得られる電気角θの情報と、1極対の着磁側の磁気センサ出力処理から得られる絶対位置θ′を元に、絶対位置変換部23からは高分解能化した絶対位置出力を得ることができる。
【0027】
図11は、絶対位置変換部23の内部処理を示す。回転側軌道輪2が1回転する間に0からn−1を繰返し出力する複数ビットで表されるコード出力θを、絶対位置変換部23の出力の下位ビット側とし、回転側軌道輪2の大まかな絶対位置θ′を元にして、θが何周期目に相当するかを求める。それを2進コードで表したものを絶対位置変換部の上位ビットに付け合せたものが、最終的な絶対位置出力となる。こうすることで、回転側軌道輪2の絶対位置検出を高分解能で表示することが可能となる。また、回転側軌道輪2の1回転で1周期の正弦波を内挿分割して得られる絶対位置分解能に比べて精度が良くなる。
【0028】
図12は第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態に原点信号の生成手段33を追加したものである。第1の実施形態では、出力コードあるいは出力パルスから回転軌道輪2の絶対位置検出は不可能であったが、原点信号を付加することにより、電源投入後、最低1回でも原点信号を検出できれば、複数周期発生する正弦波出力が何番目のものか識別することが可能となる。
被検出部24は、図1に示した被検出部7とほぼ同じ構成であるが、原点信号を検出するため、被検出部24は図13(A)または同図(B)のように、N,Sを交互に着磁した連続着磁部24aの内、1ないし3着磁幅の部分だけ着磁部が軸方向に長くなるように凸部24c(または24c´)が形成されている。この凸部24c(または24c´)が原点信号用の被検出部となる。この凸部24c,24c´に対向して原点検出用の検出部25が配置される。被検出部24の着磁は、連続着磁部24aと凸部24c(または24c´)を同時に行えるため、特殊な着磁ヨークは不要である。なお、原点信号用として着磁される凸部24c,24c´以外の部分は1段低い凹部24bとなっている。そのため、原点用の検出部25との隙間が大きくなり、例え凹部24bが僅かに着磁されていたとしても、凹部24bでは原点検出部25は磁力を検出しないようになり、誤動作の心配はない。
【0029】
原点検出部25としては、デジタル信号として出力する片側磁界型ホールICが使用できる。ホールICの表面にS極が近づいた時にオン、N極あるいは凹部24bが近づいた時にオフとなる。
【0030】
図14は、第3の実施形態の出力例を示す。連続着磁部24aの磁気を検出する磁気検出部8の信号処理は図4と同じであり、回転側軌道輪2の1回転(機械角で360°)の間に、連続着磁部24aに着磁した極対数と同じ回数だけコード出力の繰返しが得られる。また、原点検出部25からは、回転側軌道輪2の1回転で1回のパルスが得られる。原点信号を少なくとも1回検出できれば、その後は、コード出力が何番目の周期のものであるかが判断できるため、その後は絶対位置検出が可能となる。なお、原点信号生成部33は、磁気的に検出するものに限らず、例えば光学的に検出するものであっても良い。第3の実施形態におけるその他の構成効果は第1の実施形態と同じである。
【0031】
なお、上記各実施形態では、いずれも2つの磁気センサ信号を除算しているため、2つの出力信号の振幅差があってもあまり精度には影響を与えないが、磁気センサから得られる正弦波振幅を一定にしたほうが精度は向上する。そのため、被検出部7,7′,24の磁性体としては、異方性フェライト磁石よりも等方性フェライト磁石の方が好ましい。等方性フェライト磁石の方が、正弦波振幅が一定になる。また角度算出する時の上記各補正テーブル15a,15a′の値は、実測データを元に補正した固有値を入れることで精度分割精度を上げることも可能である。
また上記各実施形態では、ラジアル方式の被検出部7,7′,24としたが、アキシアルタイプであっても構わない。また、処理回路12等を磁気検出回路基板11に実装する形で説明してきたが、回路のすべて、あるいはその一部を図示しない出力ケーブルの途中に入れても構わないし、外部回路側に処理回路機能を持たせても良い。
【0032】
【発明の効果】
この発明における第1の発明の回転センサ付軸受は、被検出部の磁気検出部に対する磁気特性を、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させ、磁気検出部により検出される被検出部の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段を設けたため、着磁幅を狭めることなく、高分解能化できる。
この発明における第2の発明の回転センサ付軸受は、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させた詳細位置検出用の被検出部と、1回転に対して1周期の変化とした絶対位置検出用の被検出部とを設け、各磁気検出部の信号をそれぞれ周期毎に内挿して分割する2つの内挿分割手段を設けたため、着磁幅を狭めることなく、高分解能での絶対位置検出が可能となり、また検出開始の初期から全体位置検出が可能になる。
第1の発明において、原点信号の生成手段を追加した場合は、検出を開始して原点検出が一度なされた後は、絶対位置検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、それぞれこの発明の第1の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分破断側面図、その被検出部,磁気検出部の正面図、およびその処理回路の概略ブロック図である。
【図2】磁気センサ出力の説明図である。
【図3】磁気センサ出力から内挿分割を行う処理の説明図である。
【図4】処理回路のブロック図である。
【図5】磁気検出部の出力の処理例の説明図である。
【図6】A相,B相を作る2位相信号生成手段の回路図である。
【図7】(A)は第2の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分破断側面図、(B)は同図(A)のZ−Z断面図、(C)は同図(A)のY−Y断面図である。
【図8】第2の実施形態にかかる回転センサ付軸受の変形例の部分断面図である。
【図9】第2の実施形態における磁気センサ出力の説明図である。
【図10】同実施形態における処理回路のブロック図である。
【図11】絶対位置変換部の変換処理の説明図である。
【図12】この発明の第3の実施形態にかかる回転センサ付軸受の部分断面図である。
【図13】その被検出部の各例の斜視図である。
【図14】各磁気センサの出力例の波形図である。
【図15】従来例の断面図である。
【図16】同従来例の被検出部と磁気検出部の関係を示す正面図である。
【図17】同従来例のセンサ出力の波形図である。
【符号の説明】
1…軸受部
2…回転側軌道輪
3…固定側軌道輪
4…転動体
7…被検出部
7a…磁性体
7b…バックメタル
7′…詳細位置検出用の被検出部
8…磁気検出部
8a,8b…磁気センサ
12…信号処理回路
16…パルス変換部
18…絶対位置検出用の被検出部
18a…磁性体
18b…バックメタル
19…磁気センサ(磁気検出部)
23…絶対位置変換部
24…被検出部
24a…連続着磁部
24c,24c′…凸部(被検出部)
31…内挿分割手段
32…内挿分割手段
33…原点信号の生成手段
Claims (7)
- 回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性を円周方向に周期的に変化させた被検出部と、この被検出部に対向したアナログ出力の磁気センサからなる磁気検出部とを備え、上記被検出部の上記磁気検出部に対する磁気特性を、回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させ、上記磁気検出部により検出される上記被検出部の信号を周期毎に内挿して分割する内挿分割手段を設けたことを特徴とする回転センサ付軸受。
- 請求項1に記載の回転センサ付軸受において、上記内挿分割手段により分割された出力信号をパルス変換するパルス変換部を設けた回転センサ付軸受。
- 回転側軌道輪、固定軌道輪、および転動体からなる転がり軸受部と、回転側軌道輪に取付けられ磁気特性をそれぞれ円周方向に周期的に変化させた2つの被検出部と、これら被検出部にそれぞれ対向して配置されたアナログ出力の磁気センサからなる2つの磁気検出部とを備え、上記2つの被検出部の内の一つが上記磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して2周期以上に変化させた詳細位置検出用のものであり、他の一つが磁気検出部に対する磁気特性を回転側軌道輪の1回転に対して1周期の変化とした絶対位置検出用のものであり、上記各磁気検出部の信号をそれぞれ周期毎に内挿して分割する2つの内挿分割手段を設けたことを特徴とする回転センサ付軸受。
- 請求項3に記載の回転センサ付軸受において、絶対位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる絶対位置の信号を元にして、詳細位置検出用の被検出部に対応する内挿分割手段より得られる信号の絶対位置を算出する絶対位置変換部を設けたことを特徴とする回転センサ付軸受。
- 請求項3または請求項4に記載の回転センサ付軸受において、上記詳細位置検出用の被検出部と上記絶対位置検出用の被検出部との間に隙間を持たせた回転センサ付軸受。
- 請求項1または請求項2に記載の回転センサ付軸受において、回転側軌道輪に取付けられた被検出部と、この被検出部に対向して配置された検出部とでなる原点信号の生成手段を追加した回転センサ付軸受。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の回転センサ付軸受において、被検出部の磁性材として等方性磁石を用いた回転センサ付軸受。
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