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JP2004291725A - ランフラットタイヤ支持体及びその製造方法並びにランフラットタイヤ - Google Patents

ランフラットタイヤ支持体及びその製造方法並びにランフラットタイヤ Download PDF

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JP2004291725A
JP2004291725A JP2003084735A JP2003084735A JP2004291725A JP 2004291725 A JP2004291725 A JP 2004291725A JP 2003084735 A JP2003084735 A JP 2003084735A JP 2003084735 A JP2003084735 A JP 2003084735A JP 2004291725 A JP2004291725 A JP 2004291725A
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Japan
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flat tire
run
support
elastic body
polyurethane foam
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JP2003084735A
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English (en)
Inventor
Toshiki Shimizu
敏喜 清水
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】より軽量であり、気泡が小さく独立気泡の発泡体からなり、時間経過による形状変化を起こさないランフラットタイヤ用支持体及びその製造方法並びにランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォーム弾性体から構成され、リムに装着されるリング状の中子型ランフラットタイヤ支持体であって、ポリウレタンフォーム弾性体は、平均気泡径が20〜200μmの気泡内に非反応性気体が充填された独立気泡で形成された発泡体である。該ランフラットタイヤ支持体は、イソシアネート基末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌混合して気泡分散液とする気泡分散液製造工程、気泡分散液に活性水素基含有化合物を混合して反応性組成物とする混合工程、及び反応性組成物を金型内に注入して反応硬化させてポリウレタンフォーム弾性体とする成形工程を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用タイヤのリムに装着され、空気タイヤの内部に配設されてタイヤがパンクした場合に必要なタイヤ外径を維持し、安全に走行可能とするランフラットタイヤの支持体及びその製造方法並びに該支持体を使用したランフラットタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ランフラットタイヤは、タイヤがパンクした場合やその他の原因でタイヤの空気圧が大きく低下し或いはゼロとなった場合にも、最寄りのサービス施設まで到達するまでの間、車両の荷重と走行に耐え得る耐久性を備えたタイヤである。ランフラットタイヤとしては、タイヤのサイド部を補強したサイド補強タイプとタイヤ内部に支持体(中子)を収容した中子タイプとが実用化されている。
【0003】
中子タイプのランフラットタイヤ支持体としては、80℃における引張りモジュラスが20〜60MPaのポリウレタンエラストマーを使用した非発泡体の支持体が公知である(特許文献1)。
【0004】
また、タイヤ内部空間をポリウレタンフォーム等の発泡体にて充填したランフラットタイヤも公知である(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
WO 01/42000A1公報
【特許文献2】
GB A 2013143号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示のポリウレタンエラストマーを使用した支持体は、安全性については十分なものであるが、支持体の重量の低減には限度があり、車両全体の軽量化による燃料消費量の低減という要請に十分に対応することができない。
【0006】
また、特許文献2に記載のランフラットタイヤは、タイヤ内部の支持体がポリウレタンフォーム発泡体にて形成されている。可とう性を有するポリウレタン発泡体は、耐荷重性を考慮すると独立気泡発泡体であることが必要であるが、発泡剤として低沸点有機化合物を使用すると、成形後に発泡剤が液化することにより気泡内圧が減少して成形体が収縮し、形状安定性が十分ではない。また、水を発泡剤として使用して独立気泡の発泡体にすると、気泡を形成する発泡ガスはイソシアネート基と水とが反応して形成される炭酸ガスであってポリウレタンの気泡壁の透過性が空気より高いため、時間経過と共に気泡内の炭酸ガスが透過損失して発泡体が収縮し、やはり成形体の形状が変化するという問題を有する。
【0007】
本発明の目的は、より軽量であり、気泡が小さな独立気泡の発泡体からなり、時間経過による形状変化を起こさないランフラットタイヤ用支持体及びその製造方法並びにより軽量であり、時間経過による形状変化を起こさないランフラットタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリウレタンフォーム弾性体から構成され、リムに装着されるリング状の中子型ランフラットタイヤ支持体であって、
前記ポリウレタンフォーム弾性体は、平均気泡径が20〜200μmの気泡内に非反応性気体が充填された微細独立気泡で形成された発泡体であることを特徴とする。
【0009】
係る構成のランフラットタイヤ支持体は、必要な機械的強度等、特に圧縮強度を有しつつ、より軽量であり、気泡が小さな独立気泡の発泡体からなるものである。非反応性気体は、空気又は窒素であることが好ましく、係る構成により、水を発泡剤として使用し、気泡内に炭酸ガスが充填されたポリウレタンフォームと異なり、気泡内ガスの透過損失による気泡の収縮が起こらないために、時間経過による形状安定性に優れた支持体が形成される。
【0010】
平均気泡径が200μmを超えるとエアボイドの発生率が増加し、圧縮強度も低下する。20μm以下の平均気泡径を有する軽量なポリウレタンフォーム弾性体は製造が困難である。ランフラットタイヤ支持体を構成するポリウレタンフォーム弾性体の平均気泡径は、30〜100μmであることが、より好ましい。
【0011】
ランフラットタイヤ支持体を構成するポリウレタンフォーム弾性体は、密度が0.3〜0.8kg/m であることが好ましい。
【0012】
平均気泡径が20〜200μmの独立気泡で構成され、かつ密度が上記範囲のポリウレタンフォーム弾性体は、十分な機械的強度、特に圧縮強度を有し、かつより軽量な支持体を形成する。
【0013】
密度が0.3kg/m 未満の場合には、機械的強度が低下する場合があり、0.8kg/m を超えると軽量化効果が十分ではなくなる。
【0014】
ポリウレタンフォーム弾性体の密度は、0.4〜0.7kg/m であることが、強度と軽量化のバランスが優れている点でより好ましい。
【0015】
本発明のランフラットタイヤ支持体を構成するポリウレタンフォーム弾性体の5%変形時の圧縮弾性率は、0.3〜3MPaであることが好ましい。
【0016】
ポリウレタンフォーム弾性体の5%変形時の圧縮弾性率が0.3MPa未満の場合には、ランフラット走行時の耐荷重性が十分ではなく、3MPaを超えると硬くなりすぎてタイヤへの装着が困難になり、また走行時の振動が大きくなるという問題を生じる。
【0017】
別の本発明は、ポリウレタンフォーム弾性体から構成され、リムに装着されるリング状のランフラットタイヤ支持体の製造方法であって、
イソシアネート基末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌混合して前記非反応性気体を微細気泡としてイソシアネート基末端プレポリマーに分散させて気泡分散液とする気泡分散液製造工程、前記気泡分散液に活性水素基含有化合物を混合して反応性組成物とする混合工程、及び前記反応性組成物を金型内に注入して反応硬化させて微細独立気泡を有するポリウレタンフォーム弾性体とする成形工程を有することを特徴とする。
【0018】
係る構成の製造方法により、平均気泡径が20〜200μmの気泡内に非反応性気体、好ましくは空気又は窒素が充填された微細独立気泡で形成された発泡体を製造することができる。
【0019】
イソシアネート基含有プレポリマーにシリコン系界面活性剤を含ませ、これを非反応性気体の存在下に強く撹拌することによってこれらの液が微細な非反応性気体の気泡を含む気泡分散液となり、これに反応相手の活性水素基含有化合物を加えて反応性組成物とし、重合反応を行わせると均一な微細独立気泡構造を有するポリウレタン発泡体が得られる。
【0020】
前記ポリウレタンフォーム弾性体の平均気泡径は、20〜200μmであることが好ましい。
【0021】
前記ポリウレタンフォーム弾性体の密度は、0.3〜0.8g/cm であることが好ましく、0.4〜0.7g/cm であることがより好ましい。
【0022】
別の本発明は、ランフラットタイヤであり、請求項1又は2に記載されたランフラットタイヤ支持体を使用したものであることを特徴とする。
【0023】
また別の本発明のランフラットタイヤは、請求項3〜5のいずれかに記載された製造方法により製造された支持体を使用したものであることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のランフラットタイヤ用支持体を構成するポリウレタンフォーム弾性体には、イソシアネート基末端プレポリマーと活性水素基含有化合物使用する。 イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物とをイソシアネート基の当量が水酸基の当量よりも過剰な比率、好ましくはNCO/OH当量比が1.7〜2.5にて反応させることにより得られる。未反応のジイソシアネート化合物が共存していてもよい。市販品のイソシアネート基末端プレポリマーの使用も好適であり、例えばアジプレンL−100,L−167(ユニロイヤル社製)が好適な材料として例示される。
【0025】
本発明において使用可能なジイソシアネート化合物としては、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート類、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)脂環式ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等が例示される。
【0026】
ポリオール化合物は、末端基定量法による分子量が500〜10000程度のオリゴマーであり、具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が例示される。また、これらのポリオール化合物をp−アミノ安息香酸と縮合し、活性水素基を芳香族アミノ基としたポリオール化合物も使用可能である。
【0027】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール、水などの2官能性活性水素化合物の1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の少なくとも1種を開環重合により付加して得られるポリオキシアルキレングリコールであるポリオールポリオール化合物が例示される。
【0028】
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等グリコール化合物の1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体、プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、バレロラクトン等の環状エステル類の開環重合体等のポリエステルオール類が例示される。
【0029】
アクリルポリオールとしては、特にアルコール化合物の存在下に、(メタ)アクリル酸エステルを含む不飽和単量体を有機スルホン酸化合物の存在下に、有機過酸化物含有開始剤により重合して得られる水酸基含有アクリル系重合体であるテレケリックアクリルポリオールが好適なポリオール化合物として例示される。ポリエステル−ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオールにε−カプロラクトンを開環付加させたポリオール化合物が例示される。
【0030】
イソシアネート基末端プレポリマーと反応させる活性水素基含有化合物は、ポリウレタンの技術分野において鎖延長剤と称され、分子量が500程度以下の化合物である。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等に代表される脂肪族系低分子グリコールやトリオール類、メチレンビス−o−クロルアニリン(MOCA)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の芳香族ジアミン類、1,4−ビスヒドロキシエトキシベンゼン(キュアミンH(イハラケミカル社製))、m−キシリレンジオール(三菱ガス化学社製)等の芳香族系ジオール類等が使用可能である。鎖延長剤は、2種以上を併用してもよい。
【0031】
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、イソシアネート基もしくは活性水素基と反応しない常温気体成分のみから構成されている気体であって可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気、窒素の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0032】
本発明において使用するシリコン系界面活性剤は、シリコン系ノニオン界面活性剤であり、このような界面活性剤の使用により、ポリウレタンフォームの物理特性が損なわれることなく、また気泡が微細で均一性なポリウレタンフォーム弾性体が安定して得られる。このようなシリコン系ノニオン界面活性剤は、ポリウレタンの技術分野において整泡剤として使用されており、平均分子量が1000〜8000のポリジメチルシロキサン並びにポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキサイドのグラフト共重合体の使用が好適である。具体的には、シリコン整泡剤SH−190、SH−192、SH−193、SF−2965,SF−2962等(東レダウコーニングシリコーン社製)、L−5340,L−5366,L−5309等(日本ユニカー社製)、B8465(テーハーゴールドシュミット社製)等が例示される。これらのシリコン系界面活性剤は、使用するイソシアネート基末端プレポリマーとの相溶性などを考慮して適宜選択して使用する。
【0033】
前記シリコン系界面活性剤の添加量は、原料成分の合計量に対して0.5〜10重量%であることが好ましい。0.5重量%未満では気泡の微細な発泡体が得られない場合があり、10重量%を超えると微細気泡ポリウレタン発泡体の物理特性が低下する場合がある。
【0034】
ポリウレタンフォーム弾性体の平均気泡径は、使用するシリコン系界面活性剤の種類やその添加量、撹拌条件、使用する原料の粘度などの条件を適宜選択・調整することによって設定し、制御することが可能である。
【0035】
気泡分散液製造工程における撹拌時間は、撹拌機の性能、ポリウレタンフォーム弾性体を形成するイソシアネート基末端のプレポリマーとシリコン系界面活性剤の混合物の粘度等により変動するが、少なくとも30秒、安定した気泡分散液を作成するにはより好ましくは1〜10分程度である。撹拌時間は、ハロゲン化炭化水素や水等の発泡剤を使用した通常のポリウレタンフォームを製造する撹拌時間より長く必要である。
【0036】
気泡分散液製造工程において、非反応性気体を微細気泡状にしてイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする混合物に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的には、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)、多軸撹拌機等が例示される。ただし、撹拌により強い温度上昇を起こす撹拌装置の使用は、好ましくない。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用が微細気泡が得られ、特に好ましい。
【0037】
気泡分散液と活性水素基含有化合物(鎖延長剤)とを混合する混合工程の撹拌は、特に微細気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適であるが、気泡分散液製造工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
【0038】
気泡分散液製造工程の条件は、微細な気泡が形成され、所定形状の硬化物が得られる限り特に限定されるものではないが、温度は、プレポリマーの融点以上であり、一般的には0℃〜140℃、より好ましくは、20〜120℃である。
【0039】
混合工程の温度は、気泡分散液が固化せず、添加する活性水素基含有化合物(鎖延長剤)が結晶化しなければ特に限定されない。温度が高いほど、イソシアネート基と活性水素基の硬化反応が早く進行するため、成形工程における反応性組成物の流動時間が短くなるので、低い温度であることが好ましい。
【0040】
本発明のランフラットタイヤ支持体の製造方法においては、反応性組成物を金型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアーすることは、ポリウレタンフォーム弾性体の物理的特性を向上する効果があり、極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアーを行う条件としてもよく、そのような条件下でも直ぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うことが気泡形状が安定するために好ましい。
【0041】
本発明のランフラットタイヤ支持体の製造方法においては、ポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒としては、ポリウレタンの分野における公知の錫系触媒、第3級アミン系触媒などの触媒を限定なく使用可能である。
【0042】
本発明の微細気泡ポリウレタンフォーム弾性体の製造は、バッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液ないし鎖延長剤を混合した反応性組成物を送り出して金型に注入する連続生産方式であってもよい。
【0043】
本発明のランフラットタイヤ支持体を図面に基づいて説明する。
図1は、ランフラットタイヤの内部構造を例示した斜視図である。ランフラットタイヤ10は、リム16にタイヤ12とリング状の支持体14が装着されている。支持体14の形状はタイヤ内部空間の形状よりも小さい。リム16は、支持体14の装着を考慮して支持体装着部17が形成された1体型リムである。
【0044】
図2(a)には、図1のX−X断面を示した。中子である支持体14は、断面が長方形であり、リム16の支持体装着部17に外嵌装着されている。支持体14の内径は、リムのフランジを含めた最大外径に近い径に設定される。支持体14のリム外周面に接する内周面近傍には、ランフラット状態でない通常の走行時に支持体が遠心力を受けて拡径してリムから浮き上がって動くことを防止するための補強繊維層が設けられている。この例では、支持体装着部17が形成された1体型リムを使用した例を示した。支持体14の断面形状は特に限定されるものではないが、ランフラット状態の走行時の安定性を考慮すると、タイヤ幅方向がより長い偏平な形状であることが好ましい。
【0045】
図2(b)は、2つ割リムを使用した例である。2つ割リムは、一般的に使用されているリムであるので、図2(a)と比較すると、リムのコストは小さく、有利である。
【0046】
本発明のランフラットタイヤを装着するリムの構造は、特に限定されるものではなく、図2(a)に示した一体型リム、図2(b)に示した2つ割リムの他に3つ割リム等も使用可能である。
【0047】
図2(a),(b)に示した支持体は断面が長方形であるが、これに限定されるものではなく、また、内径側の形状も、圧縮変形を受けても亀裂発生しないような形状にすることも好適な態様である。
【0048】
図3は、支持体の別の実施形態を例示したものであり、図4はそのY−Y断面図である。支持体21には、側部に凹部が形成されている。支持体21は、外周部29、内周部25から構成されており、凹部23、24が、側部に形成されている。また内周部25のリムとの接触側である内周面近傍には、図2に示したのと同様に補強繊維層18が設けられている。軽量化のための凹部形成位置は、側部に限定されるものではなく、トレッド内面と接する外周部の表面に形成されていてもよく、側部と外周部の双方に設けられていてもよい。
【0049】
凹部23、24の形状、個数は、支持体21が所定の機械的強度等の要請を満たす限り特に限定されるものではない。図3ないし4には直方体形状の例を示したが、半卵型形状であってもよい。凹部の体積比率が大きいほど支持体21の軽量化が図れる。図3ないし4に示した直方体形状の凹部の大きさは、高さH,奥行きD,及び周方向の長さに対応する角度θにて決定される。
【0050】
図5には、支持体21の側部に形成した凹部の配置を、いずれも側面図と上面図にて例示した。図5(a)は、凹部23、24が、交互に、側面視にて重複しないように配設された例で図3に対応するものであり、図5(b)は凹部23、24を同じ位置に平行して配設した例である。図5に例示した中では、(b)に示した例が凹部の数が多く、凹部の体積比率が大きくなって、より軽量な支持体となる。
【0051】
補強繊維層を構成する補強繊維は、公知の補強繊維が限定なく使用できる。例えばナイロン6,6等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールコードが例示される。補強繊維はモノフィラメントであってもよく、従ってピアノ線のようなものであってもよい。これらの補強繊維は、ポリウレタンフォームとの接着性を向上させるための接着処理を行って使用することが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。
<支持体の製造>
(実施例1)
イソシアネート基末端プレポリマーアジプレンL−100(ユニロイヤル社製)5000g(100重量部)を80℃にて溶解して20L容器に入れ、シリコン系ノニオン界面活性剤SH−192(東レダウコーニングシリコーン社製)150g(3重量部)を添加し、空気中でミキサーを用いて高速で撹拌し、気泡分散液を作製した。撹拌は、気泡分散液の体積が使用したイソシアネート基末端プレポリマーの2倍になるまで行った。気泡分散液の温度を50℃に調整した後に、120℃にて溶解したMOCA(イハラケミカル社製)605g(12.1重量部)を加え、同じミキサーを使用して低速で撹拌、混合し、反応性組成物とした。得られた反応性組成物を100℃に温度調節をした金型に流し込み、100℃にて8時間硬化を行い、支持体を得た。支持体は、外径510mm,内径420mm,幅110mmの断面長方形のリング状であった。
【0053】
(実施例2)
イソシアネート基末端プレポリマーとしてアジプレンL−167(ユニロイヤル社製)を5000g(100重量部)使用し、MOCAを17.5重量部使用した以外は実施例1と同様にして支持体を作製した。
【0054】
(実施例3)
実施例2と同様にして支持体を作製した。ただし、支持体は図5(a)に示した凹部形状であり、側部に形成された凹部は、Hが30mm,Dが45mmであり、周方向にθ=18.5°の角度にて、片側部に8個、合計16個形成されている。
【0055】
(実施例4)
実施例2と同様にして支持体を作製した。ただし、支持体は図5(b)に示した凹部形状であり、側部に形成された凹部は、Hが30mm,Dが45mmであり、周方向にθ=18.5°の角度にて、片側部に16個、合計32個形成されている。
【0056】
<評価>
(密度)支持体の成形品から10mm×10mm×10mmの立方体を切り出し、その重量を測定することにより求めた。
【0057】
(平均気泡径)支持体の切断面のSEM写真より各気泡の大きさを測定し、1mm×1mmの範囲について平均して求めた。
【0058】
(圧縮弾性率)支持体の成形品から10mm×10mm×10mmの立方体を切り出し、万能試験機インストロン4301(インストロンジャパン社製)を使用して測定した。測定条件は、温度23℃、湿度65%RH、クロスヘッドスピードは1.27mm/minであった。
【0059】
(75mm圧縮強度)支持体を径方向に75mm圧縮し、強度を測定した。測定装置は万能試験機インストロン4301(インストロンジャパン社製)を使用して測定した。測定条件は、温度23℃、湿度65%RH、クロスヘッドスピードは10mm/minであった。
【0060】
(500kg荷重時変位)支持体(内径420mm)を外径420mm、内径400mm、幅110mmのリング状の鉄製金具に外嵌装着し、75mm圧縮強度と同じ装置、条件にて荷重500kgまで圧縮した時の変位量を測定した。
【0061】
評価結果は、以下の表1に示した。
【0062】
【表1】
Figure 2004291725
以上の結果より、本発明のランフラットタイヤ用支持体は、従来のポリウレタン製支持体と比較してより軽量であり、気泡が小さく独立気泡の発泡体からなるものであることが分かる。また、気泡を構成する気体は空気であり、時間経過による形状安定性にも優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ランフラットタイヤの内部構造を例示した斜視図
【図2】ランフラットタイヤの構造を示した断面図
【図3】凹部を有するランフラットタイヤ支持体の別の実施形態を例示した斜視図
【図4】凹部を有するランフラットタイヤ支持体の断面図
【図5】支持体に形成された凹部の配置を例示した部分側面図とこれに対応する上面図

Claims (7)

  1. ポリウレタンフォーム弾性体から構成され、リムに装着されるリング状のランフラットタイヤ支持体であって、
    前記ポリウレタンフォーム弾性体は、平均気泡径が20〜200μmの気泡内に非反応性気体が充填された微細独立気泡で形成された発泡体であることを特徴とするランフラットタイヤ支持体。
  2. 密度が0.3〜0.8g/cm である請求項1に記載のランフラットタイヤ支持体。
  3. ポリウレタンフォーム弾性体から構成され、リムに装着されるリング状のランフラットタイヤ支持体の製造方法であって、
    イソシアネート基末端プレポリマーにシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌混合して前記非反応性気体を微細気泡としてイソシアネート基末端プレポリマーに分散させて気泡分散液とする気泡分散液製造工程、前記気泡分散液に活性水素基含有化合物を混合して反応性組成物とする混合工程、及び前記反応性組成物を金型内に注入して反応硬化させて微細独立気泡を有するポリウレタンフォーム弾性体とする成形工程を有することを特徴とするランフラットタイヤ支持体の製造方法。
  4. 前記ポリウレタンフォーム弾性体の平均気泡径が20〜200μmである請求項3に記載のランフラットタイヤ支持体の製造方法。
  5. 前記ポリウレタンフォーム弾性体の密度が、0.3〜0.8g/cm である請求項3又は4に記載のランフラットタイヤ支持体の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載されたランフラットタイヤ支持体を使用したランフラットタイヤ。
  7. 請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法により製造された支持体を使用したランフラットタイヤ。
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