JP2004290293A - ミシン及びそのピッカー制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】針板36の下側の糸捕捉釜32の近傍において縫針の目孔から延びる上糸を保持可能なピッカー60と、上糸を保持可能な上糸保持位置とこの上糸保持位置よりも糸捕捉釜32から離間した待機位置とに亙ってピッカー60を駆動するピッカー駆動モータ63とを備えたミシンにおいて、ピッカー60を、待機位置よりもさらに糸捕捉釜32から離間した退避位置に移動可能に構成した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシン及びそのピッカー制御プログラムに関し、特に、上糸の糸切り動作等の際にピッカーにより上糸を保持可能に構成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、刺繍ミシン等の種々のミシンにおいて、縫製開始時に被縫製物の上に糸端が出るのを防止したり、上糸の糸切り時に所定量以上の糸量を確保して糸抜けを防止するために、上糸を針板の下側において保持するピッカーが設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。このピッカーは、一般的に、縫製開始時や糸切り時に糸捕捉釜に当接して上糸を保持する上糸保持位置と、縫製中に糸捕捉釜から少し離間して上糸を解放した状態で待機する待機位置とに亙って切換可能に構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−210290号公報(第2−3頁、第2−10図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のピッカーを備えたミシンにおいては、ピッカーが待機位置にある状態では、ピッカーは糸捕捉釜に近接しているため、糸捕捉釜のボビンを交換する際にピッカーが邪魔になり、ボビンを交換するのが困難であるし、ボビン等がピッカーに干渉してピッカーが破損する虞もある。
本発明の目的は、糸捕捉釜に近接した待機位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した別の停止位置までピッカーを移動可能に構成すること、ボビンの交換等の糸捕捉釜近傍における作業を容易にすること、等である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、針棒と天秤と糸捕捉釜とを含む縫製機構と、針板の下側の糸捕捉釜の近傍において縫針の目孔から延びる上糸を保持可能なピッカーと、上糸を保持可能な第1の停止位置とこの第1の停止位置よりも糸捕捉釜から離間した第2の停止位置とに亙ってピッカーを駆動するピッカー駆動手段とを備えたミシンにおいて、前記ピッカーを、第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置に移動可能に構成したものである。
【0006】
縫製開始時に被縫製物の表面に糸端が出るのを防止したり、上糸の糸切り時に所定量以上の糸量を確保して糸抜けを防止するために、縫製開始時や縫製終了直前の上糸の糸切り時において、ピッカー駆動手段によりピッカーが第1の停止位置に駆動され、糸捕捉釜の近傍において縫針の目孔から延びる上糸がピッカーにより保持される。一方、縫製中には、ピッカーはピッカー駆動手段により第1の停止位置よりも糸捕捉釜から離間する第2の停止位置に駆動され、ピッカーによる上糸の保持が解除された状態で縫製機構により被縫製物に対して縫製が行われる。
【0007】
さらに、このミシンにおいては、ピッカーは第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置に移動可能に構成されているため、例えば、ミシンの停止中に、ボビン交換や、糸捕捉釜周辺に散乱した糸屑等の除去など、糸捕捉釜の近傍における種々の作業を行う際に、ピッカーを第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置にピッカーを移動させることができる。ここで、ピッカー駆動手段によりピッカーを第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置に駆動するようにしてもよいし、ピッカー駆動手段とは別の駆動手段によりピッカーを駆動するようにしてもよい。さらには、作業者が手動によりピッカーを第3の停止位置に移動させるようにしてもよい。
【0008】
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記第3の停止位置は、糸捕捉釜のボビンを交換する際のピッカーの停止位置であることを特徴とするものである。ピッカーが第3の停止位置にある状態では、ピッカーは第2の停止位置よりも糸捕捉釜からさらに離間した位置にあるので、ボビンを交換するのが容易になる。
【0009】
請求項3のミシンは、請求項2の発明において、前記第2の停止位置は、ピッカーが糸捕捉釜に近接し且つ縫製中に上糸を解放した状態で待機する位置であることを特徴とするものである。縫製中にピッカーが上糸を保持せず上糸が解放されている状態では、ピッカーは第2の停止位置にあるが、この第2の停止位置においてピッカーは糸捕捉釜に近接しているため、ピッカーを第1の停止位置へ駆動してピッカーにより上糸を保持する際の、ピッカーの移動距離が小さくてすむ。
【0010】
請求項4のミシンは、請求項1〜3の発明において、前記ピッカーは糸捕捉釜を収容する筒状のベッド部内において糸捕捉釜よりも先端側に配設され、ピッカーが第3の停止位置にある状態では、ピッカーはベッド部の先端から外側へ部分的に突出するものである。
【0011】
ピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置にある状態では、ピッカーはベッド部内の糸捕捉釜の先端側に収容された状態である。この状態から、ピッカーを第3の停止位置に移動させると、ピッカーはベッド部の先端から外側へ部分的に突出した状態となる。つまり、縫製機構による縫製作業中においては、ピッカーはベッド部内で待機し、ピッカーを第3の停止位置に移動させた場合に、はじめてピッカーがベッド部から先端側へ突出することになる。
【0012】
請求項5のミシンは、請求項1〜4の何れかの発明において、前記ピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ移動するのを規制可能な移動規制手段を備えたものである。従って、縫製中などの所定の条件下において、移動規制手段によりピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ移動するのが規制される。
【0013】
請求項6のミシンは、請求項5の発明において、前記第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号を入力する為の入力手段を備え、縫製中に入力手段から前記ピッカーの移動を指令する信号が入力されたときに、前記移動規制手段がピッカーの第3の停止位置への移動を規制するものである。従って、縫製中に入力手段に第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号が入力されても、移動規制手段によりそのピッカーの移動が規制されるため、縫製中にピッカーが第3の停止位置へ移動することがない。
【0014】
請求項7のミシンは、請求項5の発明において、前記移動規制手段は、糸捕捉釜を収容するベッド部に開閉可能に装着された蓋部材を有し、蓋部材は、その閉止状態においてピッカーに当接してピッカーの第3の停止位置への移動を規制するとともに、その開放状態において前記ピッカーの第3の停止位置への移動を許容するものである。
【0015】
蓋部材の閉止状態、つまり、ベッド部が蓋部材により閉止されている状態では、蓋部材がピッカーに当接して蓋部材によりピッカーの第3の停止位置への移動が規制される。一方、蓋部材の開放状態、つまり、ベッド部が外側へ開放している状態では、蓋部材がピッカーから離隔しておりピッカーの第3の停止位置への移動が許容される。
【0016】
請求項8のミシンは、請求項7の発明において、前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを第1の停止位置に駆動可能なアクチュエータと、ピッカーを蓋部材に当接する方向に付勢する付勢手段を有し、蓋部材が開放されたときに、前記付勢手段の付勢力によりピッカーが前記第3の停止位置に移動するものである。蓋部材の閉止状態においては、ピッカーは蓋部材により第3の停止位置への移動が規制され且つピッカーは付勢手段に付勢されて蓋部材に当接している。この状態でアクチュエータによりピッカーを第1の停止位置に駆動してピッカーにより上糸を保持可能である。一方、蓋部材を閉止状態から開放状態にすると、ピッカーの第3の停止位置への移動が許容され、付勢手段の付勢力によりピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置に移動する。
【0017】
請求項9のミシンは、請求項1〜6の何れかの発明において、前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを第1、第2、第3の停止位置に駆動可能なパルスモータを有するものである。従って、縫製開始時、縫製中、あるいは、ボビン交換時等、種々の作業状況に応じてパルスモータによりピッカーを第1、第2、第3の停止位置のうちの何れかの停止位置へ駆動することができる。
【0018】
請求項10のミシンのピッカー制御プログラムは、針棒と天秤と糸捕捉釜とを含む縫製機構と、針板の下側の糸捕捉釜の近傍において縫針の目孔から延びる上糸を保持可能なピッカーと、上糸を保持可能な第1の停止位置とこの第1の停止位置よりも糸捕捉釜から離間した第2の停止位置とこの第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置にピッカーを駆動可能なピッカー駆動手段と、前記第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号を入力する為の入力手段と、この入力手段に入力された前記ピッカーの移動を指令する信号に基づいてピッカー駆動手段を制御するピッカー制御手段とを備えたミシンにおける、ピッカー制御手段のコンピュータに実行させるピッカー制御プログラムであって、前記入力手段に前記ピッカーの移動を指令する信号が入力されたときに、第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置にピッカーを退避させるピッカー退避ルーチンを有するものである。
【0019】
ボビン交換など糸捕捉釜近傍における種々の作業を行う際に、第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へピッカーの移動を指令する信号が入力手段に入力されると、ピッカー制御手段のコンピュータによりピッカー制御プログラム中のピッカー退避ルーチンが実行されて、ピッカー駆動手段によりピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ退避駆動される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、3つの多針式刺繍ミシンを備えた多頭式ミシンに本発明を適用した一例である。
【0021】
先ず、多頭式ミシンMについて説明する。図1〜図3に示すように、左右方向に延びるベースフレーム1の上面の後部側には、左右方向に所定長さを有するミシン支持板2が配設され、このミシン支持板2の後端部には、左右方向に延びる支持フレーム3が立設されている。多頭式ミシンMには、3台の多針式刺繍ミシンM1〜M3が左右方向に所定間隔毎に並設されている。
【0022】
3台の刺繍ミシンM1〜M3は、支持フレーム3に左右方向に所定間隔毎に並設されたヘッド部4〜6と、筒状のベッド部7〜9と、上糸100と下糸101を交絡させて被縫製物102に刺繍模様を形成する縫製機構10と、ベッド部7〜9の前端部の上面に設けられた針板36の下側において下糸101と上糸100とを切断可能な糸切り機構11(図4参照)と、針板36の下側の糸捕捉釜32の近傍において縫針34の目孔34aから延びる上糸100を保持可能なピッカー60などを備えている。
【0023】
ベッド部7〜9の後端部は、ミシン支持板2の前端部の位置において、ベースフレーム1に夫々支持されている。ミシン支持板2の前方には作業用テーブル20が水平に配設され、この作業用テーブル20の左右両側には1対の補助テーブル21,22も設けられている。尚、ベッド部7〜9は夫々同じ構成を有するため、ベッド部7について以下説明する。
【0024】
図3に示すように、ベッド部7の前端部には、糸捕捉釜32の前側を覆う蓋部材50が開閉可能に装着されている。この蓋部材50の下部には取付金具51が連結され、この取付金具51を介して蓋部材50はベッド部7に枢支軸51aを中心に回動自在に装着されている。ベッド部7の下部には板バネ52が設けられ、この板バネ52は取付金具51に形成された切欠部51bに当接しており、取付金具51及び蓋部材50は板バネ52により図3(a),(b)の状態のときは、反時計回りの方向に付勢されている。
【0025】
図3(a)、(b)に示すように、蓋部材50によりベッド部7の前方が閉止された状態(以下、蓋部材50の閉止状態という)では、後述の縫製機構10により被縫製物102に刺繍縫製作業が行われる。一方、板バネ52の付勢力に抗して蓋部材50を図3の時計回りの方向に回動させると、図3(c)に示すように、ベッド部7の前方が開放された状態(以下、蓋部材50の開放状態という)となる。この状態では、糸捕捉釜32のボビン交換等、ベッド部7内における各種の作業を容易に行うことができる。尚、図3(c)の状態のときは、板バネ52は取付金具51及び蓋部材50を時計回りの方向に付勢するようになっている。
【0026】
作業用テーブル20と左右両側の補助テーブル21,22に亙って、左右方向に延びる平面視矩形枠状の可動枠23が載置され、この可動枠23には、被縫製物102を保持する布保持枠24が夫々取付けられている。そして、可動枠23の右端部の駆動枠部23aがX軸駆動モータ88(図6参照)によりX軸方向(左右方向)に駆動されるとともに、駆動枠部23aと、可動枠23の左端部の駆動枠部23bとがY軸駆動モータ90(図6参照)によりY軸方向(前後方向)に駆動される。従って、可動枠23は、X軸駆動モータ88、Y軸駆動モータ90によりXY平面上を移動可能に構成されている。
【0027】
ところで、布保持枠24とは別に、可動枠23には、帽子を取付ける為の帽子枠(図示略)や、衣類の袖等の筒状の被縫製物を取付ける為の筒状の取付枠(図示略)をベッド部に外嵌状に装着することもでき、これら帽子枠や取付枠を前後方向に移動させたり、あるいはベッド部7に対して所定角度回転させたりして、帽子や筒状の被縫製物に刺繍模様を施すことが可能である。
【0028】
補助テーブル22の後側には、縫製開始及び縫製停止、あるいは、ボビン交換など刺繍縫製作業に関する種々の指令を入力したりするための操作パネル25が設けられている。この操作パネル25には、縫製開始キー及び縫製停止キーや、後述のボビン交換キー25a(図6参照)等、種々の入力キーや、刺繍縫製作業に関するメッセージを表示するディスプレイ26が設けられている。
【0029】
次に、縫製機構10について説明する。図1〜図5に示すように、縫製機構10は、12本の針棒30と、これら12本の針棒30に夫々対応する上糸100を引き上げる為の12個の天秤31と、上糸100を針板36の下側から捕捉する糸捕捉釜32を有する。
【0030】
図1、図2に示すように、12本の針棒30は針棒ケース33内に一列状且つ上下動可能に配設されており、12本の針棒30の下端部には夫々縫針34が取付けられている。各針棒ケース33は、針棒変更モータ86(図6参照)により左右方向に一斉に移動されて、糸色の異なる上糸100に同時に変更可能に構成されている。ベッド部7には押え足35が設けられ、この押え足35は、押え足駆動ソレノイド76(図5参照)により、針板36上の被縫製物102を押圧する押え位置と、所定距離上昇した退避位置とに亙って上下に切換可能に構成されている。
【0031】
針棒ケース33内には、ミシンモータ81(図6参照)からミシン主軸80(図6参照)に伝達された回転駆動力により針棒30を上下駆動する針棒上下駆動機構(図示略)と、針棒30をその最上位置(上死点位置)にジャンプさせる針棒ジャンプ機構(図示略)などが設けられている。
【0032】
12個の天秤31は針棒ケース33に上下に揺動可能に支持され、これらの天秤31は、縫針34が被縫製物102を貫通した後に針棒30が下死点位置から上昇する際に、その針棒30の上昇よりも位相がやや遅れてミシン主軸80の回転と連動して上昇し、上糸100を引き上げる。
【0033】
図2、図3に示すように、ベッド部7の上面は、針板36とこの針板36に連続するカバー板40とで覆われている。ベッド部7の前端部分において、針板36の下側には、針落後に針棒30が下死点位置から上昇する際に、針板36の下側に形成される上糸100の糸輪を捕捉して、上糸100と下糸101を絡ませる糸捕捉釜32が回転自在に配設されている。
【0034】
図4、図5に示すように、糸捕捉釜32は、ボビンを収容するボビンケース41を保持する内釜42と、この内釜42の外側を回転する外釜43とを有し、その外釜43には、上糸100の糸輪を引っ掛けて上糸ループを形成する為の剣先43aが形成されている。糸捕捉釜32の後端には釜駆動軸44が連結されており、糸捕捉釜32は釜駆動軸44を介して、ミシンモータ81の回転駆動力によりミシン主軸80と連動して回転駆動される。
【0035】
次に、糸切り機構11について図4を参照して簡単に説明する。糸捕捉釜32の上側にはベッド部7に固着した固定板(図示略)が延びており、この固定板には、可動刃53が、実線で示す待機位置と鎖線で示す最大回動位置とに亙って揺動可能に枢支されている。そして、この可動刃53と協働して下糸101と上糸100とを切断する為の固定刃54が、固定板に刃部を前向きにして取付けられている。そして、可動刃53が糸切りモータ54(図6参照)により駆動されて、可動刃53と固定刃54との協働により上糸100と下糸101とを切断するように構成されている。
【0036】
次に、ピッカー60について説明する。図3、図5に示すように、ピッカー60は、糸切り機構11による上糸100の切断の際に所定量の糸残り量を確保する場合などに、ピッカー60の先端を糸捕捉釜32内のボビンに当接させて、上糸100をピッカー60の先端部に引っ掛けさせることにより上糸100を所定の間保持するものである。
【0037】
図3に示すように、ピッカー60は、ベッド部7内において糸捕捉釜32の前方において、上糸保持位置(第1の停止位置:図3(a)参照)とこの上糸保持位置よりも糸捕捉釜32から前方へ少し離間した待機位置(第2の停止位置:図3(b)参照)とに亙って移動可能に配設されている。図3、図5に示すように、ピッカー60の先端部には、上糸保持位置において糸捕捉釜32に当接する二股状の当接部60aが形成されている。
【0038】
そして、ピッカー60は、リンク部材61,62を介してパルスモータからなるピッカー駆動モータ63(ピッカー駆動手段)と連結されている。このピッカー駆動モータ63により、ピッカー60は、当接部60aが糸捕捉釜32に当接して上糸100を保持可能な上糸保持位置と、糸捕捉釜32に近接し且つ縫製中に上糸100を解放した状態で待機する待機位置とに亙って移動可能である。さらに、ピッカー60が上糸保持位置にある状態を検知するピッカーセンサ64も設けられている。尚、ピッカー60が待機位置にある場合に、ピッカー60と蓋部材50との間に所定の隙間を有するようにベッド部7を構成すれば、ピッカー60が上糸保持位置から待機位置へ移動する度に、ピッカー60が蓋部材50に衝突して衝突音が発生するのを防止できる。
【0039】
ところで、縫製停止中において、糸捕捉釜32のボビン交換を行う場合には、前述のように蓋部材50を開放状態にして作業を行うが、その場合に、図3(b)に示すように、ピッカー60が糸捕捉釜32に近接する待機位置にあるままだと、ピッカー60が邪魔になってボビンを着脱しにくくなるなど作業に支障をきたす。そこで、図3(c)に示すように、ピッカー駆動モータ63により、ピッカー60を待機位置よりもさらに糸捕捉釜32から離間した退避位置(第3の停止位置)まで移動させることが可能に構成されている。
【0040】
尚、ピッカー60が退避位置にある状態では、ピッカー60はベッド部7の前端からさらに前方へ部分的に突出した状態である。逆に言えば、縫製中の通常位置ともいえる待機位置においては、ピッカー60は糸捕捉釜32から僅かに離間しているもののピッカー60は糸捕捉釜32に近接しており、退避位置のようにピッカー60がベッド部7から前方へ突出しているわけではない。従って、ピッカーで上糸100を保持する必要がある場合に、ピッカー60を待機位置から上糸保持位置に素早く移動させることができる。
【0041】
また、このように、ピッカー60が待機位置にある状態ではピッカーが前方へ突出していないため、特に、帽子等の前端側が閉塞した筒状または環状の被縫製物102を縫製する場合に、被縫製物102をベッド部7に対して後方へ移動させたときに、ピッカー60が被縫製物102の閉塞した前端部に干渉せず、被縫製物102の前後方向の縫製可能範囲を広くとることが可能となる。このピッカー60の退避移動における制御に関しては、後述のピッカー制御プログラムの説明において詳述する。
【0042】
次に、多頭式ミシンMの制御系について図6のブロック図を参照して説明する。多頭式ミシンMの制御系を司る制御装置70は、CPU71とROM72とRAM73とを含むマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにバスを介して接続された入出力インターフェース(図示略)とから構成されている。
この制御装置70には、各ヘッド部4〜6に関して、針棒ジャンプ機構の針棒ジャンプ用ソレノイド74の為の駆動回路75と、押え足駆動ソレノイド76の為の駆動回路77と、ピッカー駆動モータ63の為の駆動回路78と、ピッカーセンサ64等が夫々接続されている。
【0043】
さらに、制御装置70には、ミシン主軸80を回転駆動するミシンモータ81を駆動する駆動回路82と、ミシン主軸80に設けられたディスクエンコーダの1回転で1000個のパルス信号からなるエンコーダ信号を出力するパルス発生器83と、ディスクエンコーダの1回転で1個の主軸同期信号を出力する主軸原点センサ84と、糸切りモータ54の為の駆動回路85と、針棒変更モータ86の為の駆動回路87と、X軸駆動モータ88の為の駆動回路89と、Y軸駆動モータ90の為の駆動回路91と、操作パネル25とが夫々接続されている。
【0044】
ROM72には、多頭式ミシンM全体の刺繍縫製に関するプログラムや複数の縫製データが格納されている。さらに、糸切り機構11による上糸100の切断時に所定の糸残り量を確保する場合などに、ピッカー60を前述の上糸保持位置と待機位置とに亙って移動させるとともに、縫製停止中にボビン交換を行う際には、ピッカー60を待機位置と退避位置とに亙って移動させる為のピッカー制御プログラムもROM72に格納されている。
【0045】
縫製中においては、縫製開始時や糸切り機構11による糸切り動作の直前にピッカー制御プログラムが実行され、ピッカー60は待機位置から上糸保持位置に移動して上糸100を一時的に保持し、所定の角度だけミシン主軸80が回転した後に、ピッカー60が上糸保持位置から待機位置に戻されて上糸100が解放される。この作用は、ピッカー60を有する従来のミシンにおいて一般的に行われているものであり、その説明は省略する。
【0046】
一方、このピッカー制御プログラムは、縫製停止中(多頭式ミシンMの待機中)に、糸捕捉釜32のボビンを交換するためにボビン交換キー25aが操作されて待機位置から退避位置へのピッカー60の移動を指令する信号が入力された場合に、ピッカー60を待機位置から退避位置へ退避させる本願特有のピッカー退避処理も有する。このピッカー退避処理について図7のフローチャートを参照して説明する。但し、Si(i=10,11,12・・・)はステップ数を示す。
【0047】
このピッカー退避処理において、まず、作業者によりボビン交換キー25aが操作されて待機位置から退避位置へのピッカー60の退避移動を指令する信号が入力されたときに(S10:Yes)、縫製中であれば(S11:Yes)、ピッカー60が縫製中に退避位置へ退避してベッド部7から前方へ突出するのを禁止するために、そのままリターンする。このように縫製中にピッカー60が退避位置へ移動するのを規制するのは、例えば、帽子等の前端側が閉塞した被縫製物102を縫製する際に、縫製中にピッカー60が被縫製物102の前端部に干渉するのを防止するためである。
【0048】
一方、縫製中でなければ(S11:No)、ピッカー駆動モータ63によりピッカー60を待機位置から退避位置へ駆動する(S12)。その状態で、作業者によりボビンが交換された後、再びボビン交換キー25aが操作されて今度は退避位置から待機位置へのピッカー60の復帰移動を指令する信号が入力されると(S13:Yes)、ピッカー駆動モータ63によりピッカー60を退避位置から待機位置へ駆動する(S14)。
【0049】
ここで、図7のフローチャートがピッカー退避ルーチンに相当し、制御装置70のマイクロコンピュータと図7のフローチャートがピッカー制御手段に相当する。さらに、図7におけるS11と制御装置70のマイクロコンピュータが移動規制手段に相当する。
【0050】
以上説明した多頭式ミシンMによれば、次のような効果が得られる。
1)ピッカー60は待機位置よりもさらに糸捕捉釜32から離間した退避位置に移動可能に構成されているため、糸捕捉釜32のボビンを交換する際に、ピッカー60を待機位置から退避位置に移動させることができ、ボビンを交換するのが容易になる。
【0051】
2)ピッカー60が待機位置にある状態では、ピッカー60は糸捕捉釜32に近接しているため、ピッカー60を上糸保持位置へ移動させて上糸100を保持する際に、ピッカー60の移動距離が小さくなり、ピッカー60による上糸100の保持動作を素早く行うことができるため、所定の適切なタイミングで確実に上糸100を保持することが可能になる。
【0052】
3)ピッカー60が待機位置にある状態ではピッカー60はベッド部7内に収容され、ピッカー60が退避位置に移動した状態で、はじめてピッカー60はベッド部7から前方へ部分的に突出することになるため、ベッド部7は、待機位置にあるピッカー60を収容するだけの長さがあれば十分であり、ベッド部7のうちの糸捕捉釜32から先端側の長さを短くすることができる。特に、帽子等の前端側が閉塞した筒状または環状の被縫製物102を縫製する場合には、被縫製物102をベッド部7に対して前後方向に相対移動させたときに、待機位置にあるピッカー60が被縫製物102の閉塞した前端部に干渉せず、被縫製物102の前後方向の縫製可能範囲を広くとることも可能となる。
【0053】
4)図7のピッカー退避処理において、縫製中にボビン交換キー25aが操作された場合には、ピッカー60が退避位置へ移動するのを規制するので、例えば、帽子等の前端側が閉塞した被縫製物102を縫製する際に、縫製中にピッカー60が被縫製物102の前端部に干渉してしまうのを防止できる。
【0054】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0055】
1]ピッカー60を退避位置に移動させるのは、前記変更形態のようにボビン交換の場合に限らず、ベッド部7内の糸屑等を除去する場合や、糸捕捉釜32をメンテナンスする場合など、ベッド部7内の糸捕捉釜32の近傍における他の作業を行う場合にも適用できる。
【0056】
2]前記実施形態では、図7のS11で示すように、縫製中であれば、ピッカー60を退避位置へ移動させないようになっているが、蓋部材50の開放状態または閉止状態を検知できるセンサ等の検知手段を設け、蓋部材50の閉止状態である場合には、ピッカー60の待機位置から退避位置への退避移動を禁止するようにしてもよい。
【0057】
3]蓋部材50の閉止状態のままでピッカー60を退避位置へ駆動させて、ピッカー駆動モータ63の駆動力によりピッカー60を介して蓋部材50を押し開け、ピッカー60の退避移動と同時に蓋部材50を開放するように構成してもよい。または、ピッカー駆動モータ63とは別の駆動手段により待機位置と退避位置とに亙ってピッカー60を駆動してもよい。さらには、ピッカー60を手動にて退避位置に移動させるように構成してもよい。また、前記実施形態においては、蓋部材50を手動で開閉させるようになっているが、この蓋部材50をパルスモータ等のアクチュエータにより開閉するように構成してもよい。
【0058】
4]下糸切れを検知する公知の下糸切れセンサまたは下糸の残量不足を検知する公知の下糸残量センサを設け、これら下糸切れセンサや下糸残量センサにより下糸切れや下糸残量不足が検知されたときに、ピッカー60を退避位置に移動させるようにしてもよい。この場合には、ボビン交換のために、蓋部材50を開放したり、ボビン交換キー25aを操作したりする手間が省け、作業効率が向上する。
【0059】
5]前記実施形態においては、縫製停止中にはピッカー60は待機位置にあり、ボビン交換の際に、この待機位置から退避位置へピッカー60が移動するようになっているが、縫製停止中のピッカー60の停止位置を上糸保持位置とし、この上糸保持位置から退避位置へ移動するように構成してもよい。
【0060】
6]図8に示すように、ベッド部7Aに開閉可能に装着された蓋部材50が、その閉止状態においてピッカー60に当接してピッカー60の退避位置への移動を規制するとともに、その開放状態においてピッカー60の退避位置への移動を許容するように構成してもよい。
【0061】
ベッド部7の内部にはピッカー60が配設されており、このピッカー60は、前記実施形態と同様に、上糸保持位置(図8(a)参照)、待機位置(図8(b)参照)、退避位置(図8(c)参照)の3つの停止位置に移動可能である。ピッカー60の下端部には、リンク部材110の前端部が連結されている。そして、ピッカー60は、リンク部材110を介してピッカー60を上糸保持位置に駆動可能なピッカー駆動ソレノイド111と連結されている。さらに、リンク部材110を前方へ付勢するスプリング112も設けられている。
【0062】
まず、ピッカー駆動ソレノイド111をONにした場合には、リンク部材110がスプリング112の付勢力に抗して後方へ駆動され、ピッカーが図8の反時計回りに回動して、図8(a)に示すように、ピッカー60は上糸保持位置へ移動する。一方、図8(b)に示すように、蓋部材50の閉止状態においてピッカー駆動ソレノイド111がOFFの場合には、スプリング112によりリンク部材110が前方へ付勢されているため、ピッカー60はスプリング112により図8の時計回りの方向(蓋部材50に当接する方向)に付勢されている。しかし、この状態では、ピッカー60は、蓋部材50の内側部分に当接して待機位置に停止し、同時に、蓋部材50により退避位置への移動が規制されている。
【0063】
さらに、図8(b)の状態から、蓋部材50を図8の時計回りの方向に回動させて蓋部材50を開放すると、蓋部材50がピッカー60から離間してピッカー60の退避位置への移動が許容されるため、ピッカー60は図8の時計回りの方向に回転して退避位置に移動する。尚、この変更形態においては、蓋部材50が移動規制手段に相当する。
【0064】
この変更形態においては、前記実施形態と略同様の効果が得られる他、ピッカー駆動ソレノイド111、スプリング112及び蓋部材50などからなる簡単な構成により、ピッカー60の退避位置への移動を規制したり、その移動を許容したりすることができる。さらに、ピッカー60を退避位置へ駆動するアクチュエータも不要である。
尚、ピッカー駆動ソレノイド111の他、エアシリンダ等の他のアクチュエータによりピッカー60を上糸保持位置へ駆動するように構成してもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ピッカーは第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置に移動可能に構成されているため、ピッカーを第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置にピッカーを移動させて、ボビン交換などの糸捕捉釜の近傍における種々の作業を行うことが容易になる。
【0066】
請求項2の発明によれば、ピッカーが第3の停止位置にある状態では、ピッカーは第2の停止位置よりも糸捕捉釜からさらに離間するので、ボビンの交換作業が容易になる。
【0067】
請求項3の発明によれば、縫製中にはピッカーは糸捕捉釜に近接した第2の停止位置において上糸を解放した状態で待機しているため、この状態から、ピッカーを第1の停止位置へ駆動してピッカーで上糸を保持する際に、ピッカーの移動距離が小さくなる。従って、ピッカーによる上糸の保持動作を素早く行うことができるし、適切なタイミングで確実に上糸を保持することが可能になる。
【0068】
請求項4の発明によれば、縫製中にはピッカーはベッド部内で待機し、ピッカーを第3の停止位置に移動させた場合に、はじめてピッカーがベッド部から先端側へ突出することになる。従って、ベッド部は、第1の停止位置または第2の停止位置にあるピッカーを収容するだけの長さがあれば十分であり、ベッド部のうちの糸捕捉釜から先端側の長さを短くすることができる。さらに、縫製中には、ピッカーがベッド部の先端側へ突出することがないため、例えば、帽子や袖等のベッド部の先端側の端部が閉塞した環状または筒状の被縫製物を縫製する場合などに、被縫製物をベッド部に対してその長手方向に相対移動させたときに、ピッカーが被縫製物の閉塞した端部に干渉するのを防止でき、ベッド部の長手方向に被縫製物の縫製可能範囲を広くとることも可能となる。
【0069】
請求項5の発明によれば、縫製中など所定の作業を行う際に、ピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ不必要に移動してしまうのを移動規制手段により確実に規制できる。
【0070】
請求項6の発明によれば、縫製中に入力手段に第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号が入力されても、移動規制手段によりそのピッカーの移動が規制されるため、縫製中にピッカーが不必要に第3の停止位置へ移動しまうのを確実に防止できる。
【0071】
請求項7の発明によれば、蓋部材が閉止状態にある場合には、この蓋部材がピッカーに当接してピッカーの第3の停止位置への移動を規制でき、一方、蓋部材が開放状態にある場合には、ピッカーの第3の停止位置への移動を許容できるため、簡単な構成により、ピッカーの第3の停止位置への移動を規制したり、その移動を許容したりすることができる。
【0072】
請求項8の発明によれば、蓋部材を開放するだけで、ピッカーの第3の停止位置への移動規制が解除されると同時にピッカーが付勢手段の付勢力により蓋部材側へ付勢されて第3の停止位置へ移動するため、ピッカーを第3の停止位置へ駆動するアクチュエータが不要であるし、簡単な構成によりピッカーを第3の停止位置へ移動させることができ、製作コスト的に有利である。
【0073】
請求項9の発明によれば、縫製開始時、縫製中、あるいは、ボビン交換時等、種々の作業状況に応じてパルスモータによりピッカーを第1、第2、第3の停止位置のうちの何れかの停止位置へ確実に駆動することができる。
【0074】
請求項10の発明によれば、例えば、針板の下側の糸捕捉釜のメンテナンスやボビン交換などの所定の作業を行うために、第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へピッカーの移動を指令する信号が入力手段に入力されると、ピッカー制御手段のコンピュータによりピッカー制御プログラム中のピッカー退避ルーチンが実行されて、ピッカー駆動手段によりピッカーを第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ退避駆動されるため、ボビン交換などの糸捕捉釜の近傍における種々の作業を行うことが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多頭式ミシンの斜視図である。
【図2】針棒と針棒ケースの一部拡大斜視図である。
【図3】ベッド部の要部断面図であり、(a)はピッカー位置が上糸保持位置の図、(b)はピッカー位置が待機位置の図、(c)はピッカー位置が退避位置の図である。
【図4】糸捕捉釜と糸切り機構の要部平面図である。
【図5】上糸保持状態におけるピッカー及び糸捕捉釜の正面図である。
【図6】多頭式ミシンの制御系のブロック図である。
【図7】ピッカー退避処理のフローチャートである。
【図8】変更形態の図3相当図である。
【符号の説明】
M 多頭式ミシン
7,8,9 ベッド部
7A ベッド部
10 縫製機構
25a ボビン交換キー
30 針棒
31 天秤
32 糸捕捉釜
34 縫針
36 針板
50 蓋部材
60 ピッカー
63 ピッカー駆動モータ
70 制御装置
100 上糸
111 ピッカー駆動ソレノイド
112 スプリング
Claims (10)
- 針棒と天秤と糸捕捉釜とを含む縫製機構と、針板の下側の糸捕捉釜の近傍において縫針の目孔から延びる上糸を保持可能なピッカーと、上糸を保持可能な第1の停止位置とこの第1の停止位置よりも糸捕捉釜から離間した第2の停止位置とに亙ってピッカーを駆動するピッカー駆動手段とを備えたミシンにおいて、
前記ピッカーを、第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置に移動可能に構成したことを特徴とするミシン。 - 前記第3の停止位置は、糸捕捉釜のボビンを交換する際のピッカーの停止位置であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記第2の停止位置は、ピッカーが糸捕捉釜に近接し且つ縫製中に上糸を解放した状態で待機する位置であることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
- 前記ピッカーは糸捕捉釜を収容する筒状のベッド部内において糸捕捉釜よりも先端側に配設され、ピッカーが第3の停止位置にある状態では、ピッカーはベッド部の先端から外側へ部分的に突出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン。
- 前記ピッカーが第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へ移動するのを規制可能な移動規制手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。
- 前記第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号を入力する為の入力手段を備え、縫製中に入力手段から前記ピッカーの移動を指令する信号が入力されたときに、前記移動規制手段がピッカーの第3の停止位置への移動を規制することを特徴とする請求項5に記載のミシン。
- 前記移動規制手段は、糸捕捉釜を収容するベッド部に開閉可能に装着された蓋部材を有し、蓋部材は、その閉止状態においてピッカーに当接してピッカーの第3の停止位置への移動を規制するとともに、その開放状態において前記ピッカーの第3の停止位置への移動を許容することを特徴とする請求項5に記載のミシン。
- 前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを第1の停止位置に駆動可能なアクチュエータと、ピッカーを蓋部材に当接する方向に付勢する付勢手段を有し、蓋部材が開放されたときに、前記付勢手段の付勢力によりピッカーが前記第3の停止位置に移動することを特徴とする請求項7に記載のミシン。
- 前記ピッカー駆動手段は、ピッカーを第1、第2、第3の停止位置に駆動可能なパルスモータを有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のミシン。
- 針棒と天秤と糸捕捉釜とを含む縫製機構と、針板の下側の糸捕捉釜の近傍において縫針の目孔から延びる上糸を保持可能なピッカーと、上糸を保持可能な第1の停止位置とこの第1の停止位置よりも糸捕捉釜から離間した第2の停止位置とこの第2の停止位置よりもさらに糸捕捉釜から離間した第3の停止位置にピッカーを駆動可能なピッカー駆動手段と、前記第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置へのピッカーの移動を指令する信号を入力する為の入力手段と、この入力手段に入力された前記ピッカーの移動を指令する信号に基づいてピッカー駆動手段を制御するピッカー制御手段とを備えたミシンにおける、ピッカー制御手段のコンピュータに実行させるピッカー制御プログラムであって、
前記入力手段に前記ピッカーの移動を指令する信号が入力されたときに、第1の停止位置または第2の停止位置から第3の停止位置にピッカーを退避させるピッカー退避ルーチンを有することを特徴とするミシンのピッカー制御プログラム。
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